(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20240122BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20240122BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240122BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20240122BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20240122BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240122BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L29/78 301B
H01L29/80 H
H01L21/90 B
(21)【出願番号】P 2021049303
(22)【出願日】2021-03-23
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 啓
(72)【発明者】
【氏名】洪 洪
(72)【発明者】
【氏名】磯部 康裕
(72)【発明者】
【氏名】杉山 亨
(72)【発明者】
【氏名】小林 仁
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-028441(JP,A)
【文献】国際公開第2017/098603(WO,A1)
【文献】特開2012-023212(JP,A)
【文献】特開平05-190574(JP,A)
【文献】特開2013-183119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0026485(US,A1)
【文献】特開2015-082605(JP,A)
【文献】特開2015-038935(JP,A)
【文献】国際公開第2014/073295(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/110299(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0343813(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 21/336
H01L 21/768
H01L 29/778
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた第1窒化物半導体層と、
前記第1窒化物半導体層の上に設けられ、前記第1窒化物半導体層よりバンドギャップの大きな第2窒化物半導体層と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記基板の基板面に平行な第1方向に延伸する第1配線と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記第1配線に電気的に接続され、前記基板面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に延伸する第1ソース電極と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第1ゲート電極と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第1ドレイン配線と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第2ドレイン配線と、
前記第1ドレイン配線と前記第2ドレイン配線の間の下の前記第2窒化物半導体層に設けられた第1素子分離領域と、
前記第1ドレイン配線及び前記第2ドレイン配線の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第3ドレイン配線と、
を有する第1ドレイン電極と、
を備え、
前記第3ドレイン配線には第1孔と、前記第1孔よりも前記第3ドレイン配線の先端から離れた第2孔と、前記第2孔よりも前記第3ドレイン配線の先端から離れた第3孔と、を含む第1の複数の孔が設けられ、
前記第1孔と前記第2孔との第1距離は前記第2孔と前記第3孔との第2距離よりも短い、
半導体装置。
【請求項2】
前記第1ソース電極は、
前記第2方向に延伸する第1ソース配線と、
前記第2方向に延伸する第2ソース配線と、
前記第1ソース配線と前記第2ソース配線の間の下の前記第2窒化物半導体層に設けられた第2素子分離領域と、
前記第1ソース配線及び前記第2ソース配線の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第3ソース配線と、
を有し、
前記第3ソース配線には、第4孔と、前記第4孔よりも前記第3ソース配線の先端から離れた第5孔と、前記第5孔よりも前記第3ソース配線の先端から離れた第6孔と、含む第2の複数の孔が設けられ、
前記第4孔と前記第5孔との第3距離は前記第5孔と前記第6孔との第4距離よりも短い、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1距離と前記第3距離は等しく、前記第2距離と前記第4距離は等しい、
請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第4ドレイン配線と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第5ドレイン配線と、
前記第4ドレイン配線と前記第5ドレイン配線の間の下の前記第2窒化物半導体層に設けられた第3素子分離領域と、
前記第4ドレイン配線及び前記第5ドレイン配線の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第6ドレイン配線と、
を有する第2ドレイン電極をさらに備え、
前記第6ドレイン配線には第7孔と、前記第7孔よりも前記第3ドレイン配線の先端から離れた第8孔と、前記第8孔よりも前記第3ドレイン配線の先端から離れた第9孔と、を含む第3の複数の孔が設けられ、
前記第7孔と前記第8孔との第5距離は前記第8孔と前記第9孔との第6距離よりも短い、
請求項1乃至請求項3いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
基板と、
前記基板上に設けられた第1窒化物半導体層と、
前記第1窒化物半導体層の上に設けられ、前記第1窒化物半導体層よりバンドギャップの大きな第2窒化物半導体層と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記基板の基板面に平行な第1方向に延伸する第1配線と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記第1配線に電気的に接続され、前記基板面に平行で前記第1方向に交差する第2方向に延伸する第1ソース電極と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第1ゲート電極と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第1ドレイン配線と、
前記第2窒化物半導体層の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第2ドレイン配線と、
前記第1ドレイン配線と前記第2ドレイン配線の間の下の前記第2窒化物半導体層に設けられた第1素子分離領域と、
前記第1ドレイン配線及び前記第2ドレイン配線の上に設けられ、前記第2方向に延伸する第3ドレイン配線と、
を有する第1ドレイン電極と、
を備え、
前記第3ドレイン配線には第1孔と、前記第1孔よりも前記第3ドレイン配線の先端から離れた第2孔と、前記第2孔よりも前記第3ドレイン配線の先端から離れた第3孔と、を含む第1の複数の孔が設けられ、
前記第1孔の長さは前記第2孔の長さよりも長く、前記第2孔の長さは前記第3孔の長さよりも長い、半導体装置。
【請求項6】
前記第1方向における前記第1孔の長さは前記第1方向における前記第2孔の長さよりも長く、前記第1方向における前記第2孔の長さは前記第1方向における前記第3孔の長さよりも長い、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2方向における前記第1孔の長さは前記第2方向における前記第2孔の長さよりも長く、前記第2方向における前記第2孔の長さは前記第2方向における前記第3孔の長さよりも長い、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記基板は、Si(シリコン)基板である、
請求項1乃至請求項7いずれか一項記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代のパワー半導体デバイス用の材料としてIII族窒化物、例えば、GaN(窒化ガリウム)系半導体が期待されている。GaN系半導体はSi(シリコン)と比較して大きなバンドギャップを備える。このため、GaN系半導体デバイスはSi(シリコン)半導体デバイスと比較して、小型で高耐圧のパワー半導体デバイスを実現出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、出力容量の低減された半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、基板と、基板上に設けられた第1窒化物半導体層と、第1窒化物半導体層の上に設けられ、第1窒化物半導体層よりバンドギャップの大きな第2窒化物半導体層と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、基板の基板面に平行な第1方向に延伸する第1配線と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第1配線に電気的に接続され、基板面に平行で第1方向に交差する第2方向に延伸する第1ソース電極と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ゲート電極と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ドレイン配線と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第2ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第2ドレイン配線の間の下の第2窒化物半導体層に設けられた第1素子分離領域と、第1ドレイン配線及び第2ドレイン配線の上に設けられ、第2方向に延伸する第3ドレイン配線と、を有する第1ドレイン電極と、を備え、第3ドレイン配線には第1孔と、第1孔よりも第3ドレイン配線の先端から離れた第2孔と、第2孔よりも第3ドレイン配線の先端から離れた第3孔と、を含む第1の複数の孔が設けられ、第1孔と第2孔との第1距離は第2孔と第3孔との第2距離よりも短い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の半導体装置の要部の模式上面図である。
【
図2】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。
【
図3】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。
【
図4】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。
【
図5】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。
【
図6】第1実施形態の半導体装置の要部の模式上面図である。
【
図7】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。
【
図8】第1実施形態の他の一例における半導体装置の要部の模式断面図である。
【
図9】第1実施形態の他の一例における半導体装置の要部の模式断面図である。
【
図10】第1実施形態の他の一例における半導体装置の要部の模式断面図である。
【
図11】第1実施形態の半導体装置の作用効果を説明する図である。
【
図12】第2実施形態の半導体装置の要部の模式上面図である。
【
図13】第3実施形態の半導体装置の要部の模式上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材には同一の符号を付す場合がある。また、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する場合がある。
【0008】
本明細書中、部品等の位置関係を示すために、図面の上方向を「上」、図面の下方向を「下」と記述する。本明細書中、「上」、「下」の概念は、必ずしも重力の向きとの関係を示す用語ではない。
【0009】
(第1実施形態)
本実施形態の半導体装置は、基板と、基板上に設けられた第1窒化物半導体層と、第1窒化物半導体層の上に設けられ、第1窒化物半導体層よりバンドギャップの大きな第2窒化物半導体層と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、基板の基板面に平行な第1方向に延伸する第1配線と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第1配線に電気的に接続され、基板面に平行で第1方向に交差する第2方向に延伸する第1ソース電極と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ゲート電極と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ドレイン配線と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第2ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第2ドレイン配線の間の下の第2窒化物半導体層に設けられた第1素子分離領域と、第1ドレイン配線及び第2ドレイン配線の上に設けられ、第2方向に延伸する第3ドレイン配線と、を有する第1ドレイン電極と、を備え、第3ドレイン配線には第1孔と、第1孔よりも第3ドレイン配線の先端から離れた第2孔と、第2孔よりも第3ドレイン配線の先端から離れた第3孔と、を含む第1の複数の孔が設けられ、第1孔と第2孔との第1距離は第2孔と第3孔との第2距離よりも短い。
【0010】
そして、本実施形態の半導体装置は、第1ソース電極は、第2方向に延伸する第1ソース配線と、第2方向に延伸する第2ソース配線と、第1ソース配線と第2ソース配線の間の下の第2窒化物半導体層に設けられた第2素子分離領域と、第1ソース配線及び第2ソース配線の上に設けられ、第2方向に延伸する第3ソース配線と、を有し、第3ソース配線には、第4孔と、第4孔よりも第3ソース配線の先端から離れた第5孔と、第5孔よりも第3ソース配線の先端から離れた第6孔と、含む第2の複数の孔が設けられ、第4孔と第5孔との第3距離は第5孔と第6孔との第4距離よりも短い。
【0011】
そして、本実施形態の半導体装置は、第1距離と第3距離は等しく、第2距離と第4距離は等しい。
【0012】
そして、本実施形態の半導体装置は、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第4ドレイン配線と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第5ドレイン配線と、第4ドレイン配線と第5ドレイン配線の間の下の第2窒化物半導体層に設けられた第3素子分離領域と、第4ドレイン配線及び第5ドレイン配線の上に設けられ、第2方向に延伸する第6ドレイン配線と、を有する第2ドレイン電極をさらに備え、第6ドレイン配線には第7孔と、第7孔よりも第3ドレイン配線の先端から離れた第8孔と、第8孔よりも第3ドレイン配線の先端から離れた第9孔と、を含む第3の複数の孔が設けられ、第7孔と第8孔との第5距離は第8孔と第9孔との第6距離よりも短い。
【0013】
また、本実施形態の半導体装置は、基板と、基板上に設けられた第1窒化物半導体層と、第1窒化物半導体層の上に設けられ、第1窒化物半導体層よりバンドギャップの大きな第2窒化物半導体層と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、基板の基板面に平行な第1方向に延伸する第1配線と、第2窒化物半導体層の上に、第1配線と離間して設けられ、第1方向に延伸する第2配線と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第1配線に電気的に接続され、基板面に平行で第1方向に交差する第2方向に延伸する第1ソース電極と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第1配線に電気的に接続され、第2方向に延伸する第2ソース電極と、第1ソース電極と第2ソース電極の間の、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ゲート電極と、第2ソース電極と第1ゲート電極の間の、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第2ゲート電極と、第1ゲート電極と第2ゲート電極の間の、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ドレイン配線と、第2ゲート電極と第1ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸する第2ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第2ドレイン配線の間の下の第2窒化物半導体層に設けられた第1素子分離領域と、第1ドレイン配線及び第2ドレイン配線の上に設けられ、第2方向に延伸する第3ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第3ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸し、第1ドレイン配線と第3ドレイン配線を電気的に接続する第4ドレイン配線と、第2ドレイン配線と第3ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸し、第2ドレイン配線と第3ドレイン配線を電気的に接続する第5ドレイン配線と、複数の第1構造と、を有し、第2配線に電気的に接続された第1ドレイン電極と、を備え、複数の第1構造のそれぞれは、第3ドレイン配線を、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に貫通し、第3方向に平行な第1仮想直線によって通過される第1孔と、第4ドレイン配線を第1方向に貫通し、第1方向に平行な第2仮想直線によって通過され、第2仮想直線は第1仮想直線によって通過される、第2孔と、第5ドレイン配線を第1方向に貫通し、第2仮想直線によって通過される第3孔と、を有し、複数の第1構造は、第2構造と、第2構造と第2配線の間に設けられた第3構造と、第2構造と第3構造の間に設けられ第2構造との第1距離より第3構造との第2距離の方が長い第4構造と、を有する。
【0014】
また、本実施形態の半導体装置においては、第1ソース電極は、第2方向に延伸する第1ソース配線と、第1ゲート電極と第1ソース配線の間に設けられ、第2方向に延伸する第2ソース配線と、第1ソース配線と第2ソース配線の間の下の第2窒化物半導体層に設けられた第2素子分離領域と、第1ソース配線及び第2ソース配線の上に設けられ、第2方向に延伸する第3ソース配線と、第1ソース配線と第3ソース配線の間に設けられ、第2方向に延伸し、第1ソース配線と第3ソース配線を電気的に接続する第4ソース配線と、第2ソース配線と第3ソース配線の間に設けられ、第2方向に延伸し、第2ソース配線と第3ソース配線を電気的に接続する第5ソース配線と、複数の第5構造と、を有し、複数の第5構造のそれぞれは、第3ソース配線を第3方向に貫通し、第3方向に平行な第3仮想直線によって通過される第4孔と、第4ソース配線を第1方向に貫通し、第1方向に平行な第4仮想直線によって通過され、第4仮想直線は第3仮想直線によって通過される第5孔と、第5ソース配線を第1方向に貫通し、第4仮想直線によって通過される第6孔と、を有し、複数の第5構造は、第6構造と、第6構造と第1配線の間に設けられた第7構造と、第6構造と第7構造の間に設けられ第6構造との第3距離より第7構造との第4距離の方が長い第8構造と、を有する。
【0015】
図1は、実施形態の半導体装置100の要部の模式上面図である。
図2は、本実施形態の半導体装置100の要部の模式断面図である。
図2は、
図1で第1構造52bを有しないA-A’線における、ドレイン電極40bのYZ面内での模式断面図である。
【0016】
基板2としては、例えば、Si(シリコン)基板又はサファイヤ基板が用いられる。基板2としては、特にSi(シリコン)基板が好ましく用いられる。基板2は、基板面2aを有する。基板2は、例えば金属製のパッケージ150(
図2)の上に搭載されている。
【0017】
第1窒化物半導体層6は、例えば、アンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)である。第1窒化物半導体層6は、より具体的には、例えば、アンドープのGaNである。第1窒化物半導体層6は、チャネル層として機能する。第1窒化物半導体層6の膜厚は、例えば、0.2μm以上3μm以下である。
【0018】
第2窒化物半導体層8は、第1窒化物半導体層6の上に設けられている。第2窒化物半導体層8のバンドギャップは、第1窒化物半導体層6のバンドギャップより大きい。第2窒化物半導体層8は、例えば、アンドープのAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)である。第2窒化物半導体層8は、より具体的には、例えば、アンドープのAl0.2Ga0.8Nである。第2窒化物半導体層8は、バリア層として機能する。第2窒化物半導体層8の膜厚は、例えば、15nm以上50nm以下である。
【0019】
第3窒化物半導体層4は、基板2と第1窒化物半導体層6の間に設けられている。第3窒化物半導体層4は、基板2との間の格子不整合を緩和する、バッファ層として機能する。第3窒化物半導体層4は、例えば、窒化アルミニウムガリウム(AlWGa1-WN(0<W<1))の多層構造で形成される。
【0020】
本実施形態においては、X方向と、X方向に対して垂直に交差するY方向と、X方向及びY方向に垂直に交差するZ方向を定義する。Z方向は、基板2、第3窒化物半導体層4、第1窒化物半導体層6及び第2窒化物半導体層8が積層されている方向である。基板2、基板面2a、第3窒化物半導体層4、第1窒化物半導体層6及び第2窒化物半導体層8は、X方向に平行なX軸及びY方向に平行なY軸を含む面、すなわちXY平面に対して、平行に設けられている。また、基板2と第3窒化物半導体層4の界面、第3窒化物半導体層4と第1窒化物半導体層6の界面及び第1窒化物半導体層6と第2窒化物半導体層8の界面は、XY平面に対して、平行に設けられている。なおX方向は第1方向の一例であり、Y方向は第2方向の一例であり、Z方向は第3方向の一例である。
【0021】
第1窒化物半導体層6と第2窒化物半導体層8の間には、ヘテロ接合界面が設けられている。半導体装置100のオン動作時は、ヘテロ接合界面に2次元電子ガス(2DEG)が形成され、キャリアとなる。
【0022】
第1配線80は、第2窒化物半導体層8の上に設けられている。第1配線80は、X方向に延伸している。第1配線80は、例えば、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造又はニッケル(Ni)と金(Au)の積層構造を有する。
【0023】
第2配線82は、第2窒化物半導体層8の上に、第1配線80と離間して設けられている。第2配線82は、X方向に延伸している。第2配線82は、例えば、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造又はニッケル(Ni)と金(Au)の積層構造を有する。
【0024】
第3配線84は、第2窒化物半導体層8の上の、第1配線80と第2配線82の間に設けられている。第3配線84は、X方向に延伸している。第3配線84は、例えば、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造又はニッケル(Ni)と金(Au)の積層構造を有する。
【0025】
ソース電極10は、第2窒化物半導体層8の上に設けられている。ソース電極10は、第1配線80に電気的に接続されている。ソース電極10は、Y方向に延伸している。ソース電極10は、例えば、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造又はニッケル(Ni)と金(Au)の積層構造を有する。
図1には、ソース電極10としての、ソース電極10a、ソース電極10b(第1ソース電極の一例)、ソース電極10c(第2ソース電極の一例)及びソース電極10dが設けられている。
【0026】
ゲート電極70は、第2窒化物半導体層8の上に設けられている。ゲート電極70は、第3配線84に電気的に接続されている。ゲート電極70は、Y方向に延伸している。
図1には、ゲート電極70としての、ゲート電極70a、ゲート電極70b、ゲート電極70c(第1ゲート電極の一例)、ゲート電極70d(第2ゲート電極の一例)、ゲート電極70e及びゲート電極70fが図示されている。それぞれのゲート電極70は、それぞれのソース電極10の間に設けられている。ゲート電極70cは、ソース電極10bとソース電極10cの間に設けられている。ゲート電極70dは、ソース電極10cとゲート電極70cの間に設けられている。ゲート電極70は、例えば、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造又はニッケル(Ni)と金(Au)の積層構造を有する。
【0027】
ドレイン電極40は、第2窒化物半導体層8の上に設けられている。ドレイン電極40は、第2配線82に電気的に接続されている。
図1には、ドレイン電極40としての、ドレイン電極40a、40b(第1ドレイン電極の一例)及び40c(第2ドレイン電極の一例)が図示されている。ドレイン電極40aは、ゲート電極70aとゲート電極70bの間に設けられている。ドレイン電極40bは、ゲート電極70cとゲート電極70dの間に設けられている。ドレイン電極40cは、ゲート電極70eとゲート電極70fの間に設けられている。
【0028】
ドレイン電極40は、複数の第1構造52を有する。例えば、ドレイン電極40bは、第1構造52bとしての、第1構造52b1、第1構造52b2、第1構造52b3、第1構造52b4、第1構造52b5、第1構造52b6及び第1構造52b6を有する。ドレイン電極40bの先端に、言い換えるとドレイン電極40bの、第2配線82から最も遠い部分に、第1構造52b1が設けられている。そして、第2配線82に近づくに従って、第1構造52b2、第1構造52b3、第1構造52b4、第1構造52b5及び第1構造52b6が、順に設けられている。第1構造52b1~第1構造52b6には、それぞれ第1孔56b1~第1孔56b6が設けられる。つまり、第1孔56b1は第1構造52b1に設けられ、第1孔56b2は第1構造52b2に設けられ、第1孔56b3は第1構造52b3に設けられる。第1孔56b2は、第1孔56b1よりも第3ドレイン配線46の先端から離れており、第1孔56b3は第1孔56b2よりも第3ドレイン配線46の先端から離れており、第1孔56b4は第1孔56b3よりも第3ドレイン配線46の先端から離れているものとする。また、第1構造52b1~第1構造52b6には、それぞれ第1側孔58b1~第1側孔58b6が設けられているものとする。さらに、第1構造52b1~第1構造52b6には、それぞれ第2側孔60b1~第2側孔60b6が設けられているものとする。
【0029】
例えば、第1構造52b1、第1構造52b2、第1構造52b3、第1構造52b4、第1構造52b5及び第1構造52b6を例にとって説明すると、Y方向における第1構造52b2と第1構造52b3の距離は、Y方向における第1構造52b1と第1構造52b2の距離より長い。Y方向における第1構造52b3と第1構造52b4の距離は、Y方向における第1構造52b2と第1構造52b3の距離より長い。Y方向における第1構造52b4と第1構造52b5の距離は、Y方向における第1構造52b3と第1構造52b4の距離より長い。Y方向における第1構造52b5と第1構造52b6の距離は、Y方向における第1構造52b4と第1構造52b5の距離より長い。例えば、第1構造52b3(第3構造の一例)は、第1構造52b1(第2構造の一例)と第2配線82の間に設けられている。第1構造52b2(第4構造の一例)は、第1構造52b1と第1構造52b3の間に設けられている。そして、そして、第1構造52b2と第1構造52b1の距離(第1距離の一例)より第1構造52b2と第1構造52b3の距離(第2距離の一例)の方が長い。言い換えると、ドレイン電極40の先端に、より多くの第1構造52が設けられている。なお、第1距離は、第1孔56b1と第1孔56b2(第2孔)間の距離とし、第2の距離は、第1孔56b2と第1孔56b3(第3孔)間の距離としてもよい。
【0030】
ソース電極10は、複数の第5構造22を有する。例えば、ソース電極10bは、第5構造22bとしての、第5構造22b1、第5構造22b2、第5構造22b3、第5構造22b4、第5構造22b5、第5構造22b6及び第5構造22b6を有する。ソース電極10bの先端に、言い換えるとソース電極10bの、第1配線80から最も遠い部分に、第5構造22b1が設けられている。そして、第1配線80に近づくに従って、第5構造22b2、第5構造22b3、第5構造22b4、第5構造22b5及び第5構造22b6が、順に設けられている。第5構造22b1~第5構造22b6には、それぞれ第2孔26b1~第2孔26b6が設けられる。つまり、第2孔26b2は、第2孔26b1よりもソース電極10bの先端から離れており、第2孔26b3は第2孔56b2よりもソース電極10bの先端から離れているものとする。また、第5構造22b1~第2構造22b6には、それぞれ第3側孔28b1~第3側孔28b6が設けられているものとする。さらに、第5構造22b1~第1構造52b6には、それぞれ第4側孔30b1~第4側孔30b6が設けられているものとする。
【0031】
例えば、第5構造22b1、第5構造22b2、第5構造22b3、第5構造22b4、第5構造22b5及び第5構造22b6を例にとって説明すると、Y方向における第5構造22b2と第5構造22b3の距離は、Y方向における第5構造22b1と第5構造22b2の距離より長い。Y方向における第5構造22b3と第5構造22b4の距離は、Y方向における第5構造22b2と第5構造22b3の距離より長い。Y方向における第5構造22b4と第5構造22b5の距離は、Y方向における第5構造22b3と第5構造22b4の距離より長い。Y方向における第5構造22b5と第5構造22b6の距離は、Y方向における第5構造22b4と第5構造22b5の距離より長い。例えば、第5構造22b3(第7構造の一例)は、第5構造22b1(第6構造の一例)と第1配線80の間に設けられている。第5構造22b2(第8構造の一例)は、第5構造22b1と第5構造22b3の間に設けられている。そして、そして、第5構造22b2と第5構造22b1の距離(第3距離の一例)より第5構造22b2と第5構造22b3の距離(第4距離の一例)の方が長い。言い換えると、ソース電極10の先端に、より多くの第5構造22が設けられている。なお、第3距離は、第2孔26b1(第4孔)と第2孔26b2(第5孔)間の距離とし、第2の距離は、第2孔26b2と第2孔26b3(第6孔)間の距離としてもよい。
【0032】
例えば、第1構造52b1と第1構造52b2の距離(第1距離の一例)と、第5構造22b1と第5構造22b2の距離(第3距離の一例)は等しいことが好ましい。例えば、第1構造52b2と第1構造52b3の距離(第2距離の一例)と、第5構造22b2と第5構造22b3の距離(第4距離の一例)は等しいことが好ましい。例えば、第1構造52b3と第1構造52b4の距離と、第5構造22b3と第5構造22b4の距離は等しいことが好ましい。例えば、第1構造52b4と第1構造52b5の距離と、第5構造22b4と第5構造22b5の距離は等しいことが好ましい。例えば、第1構造52b5と第1構造52b6の距離と、第5構造22b5と第5構造22b6の距離は等しいことが好ましい。
【0033】
ゲート絶縁膜9は、ソース電極10とドレイン電極40の間の、第2窒化物半導体層8とゲート電極70の間に設けられている。ゲート絶縁膜9は、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、減圧CVD(LPCVD:Low-Pressure Chemical Vapor Deposition)法又は原子層堆積(ALD:Atomic )法により形成されたシリコン窒化物(SiN)を含む。
【0034】
図3(a)は、
図1で第1構造52bを有しないA-A’線における、ドレイン電極40bのYZ面内での模式断面図である。
【0035】
第1ドレイン配線42としての第1ドレイン配線42bは、第2窒化物半導体層8の上に設けられ、Y方向に延伸している。第2ドレイン配線44としての第2ドレイン配線44bは、第2窒化物半導体層8の上の、ゲート電極70dと第1ドレイン配線42bの間に設けられ、Y方向に延伸している。
【0036】
第1素子分離領域54は、第1ドレイン配線42bと第2ドレイン配線44の間の下の第2窒化物半導体層8に設けられている。第1素子分離領域54は、は、例えば、第1窒化物半導体層6又は第2窒化物半導体層8へのAr(アルゴン)イオン注入により形成される。なお、第1素子分離領域54は、比誘電率の低いポリイミド膜やBCB(ベンゾシクロブテン)膜などの絶縁体材料を、第1窒化物半導体層6又は第2窒化物半導体層8に埋め込むことにより形成されてもよい。
【0037】
第3ドレイン配線46としての第3ドレイン配線46bは、第1ドレイン配線42b及び第2ドレイン配線44bの上に設けられ、Y方向に延伸している。
【0038】
第4ドレイン配線48としての第4ドレイン配線48bは、第1ドレイン配線42bと第3ドレイン配線46bの間に設けられ、Y方向に延伸している。第4ドレイン配線48bは、第1ドレイン配線42bと第3ドレイン配線46bを電気的に接続している。
【0039】
第5ドレイン配線50としての第5ドレイン配線50bは、第2ドレイン配線44bと第3ドレイン配線46bの間に設けられ、Y方向に延伸している。第5ドレイン配線50bは、第2ドレイン配線44bと第3ドレイン配線46bを電気的に接続している。
【0040】
図3(b)は、
図1で第1構造52b6を有するB-B’線における、ドレイン電極40bのYZ面内での模式断面図である。
【0041】
第1構造52b6は、第1孔56b6と、第1側孔58b6と、第2側孔60b6を、を有する。
【0042】
第1孔56としての第1孔56b6は、第3ドレイン配線46bを、Z方向に貫通している。第1孔56b6は、Z方向に平行な、第1仮想直線62としての第1仮想直線62b6によって通過されている
【0043】
第1側孔58としての第1側孔58b6は、第4ドレイン配線48bを、Y方向に貫通している。第2側孔58b6は、Y方向に平行な、第2仮想直線64としての第2仮想直線64b6によって通過されている。また、第2仮想直線64b6は、第1仮想直線62b6によって通過されている。言い換えると、第1仮想直線62と第2仮想直線64は、同一のYZ平面内に設けられている。
【0044】
第2側孔60としての第2側孔60b6は、第5ドレイン配線50bを、Y方向に貫通している。第2側孔60b6は、第2仮想直線64b6によって通過されている。
【0045】
それぞれの第1構造52における、第1孔56、第1側孔58及び第2側孔60の大きさは、例えば、それぞれ同じである。しかし、それぞれの第1構造52における、第1孔6、第1側孔58及び第2側孔60の大きさは、例えば、それぞれ異なっていてもかまわない。
【0046】
図4(a)は、
図1で第5構造22bを有しないC-C’線における、ソース電極10bのYZ面内での模式断面図である。
【0047】
第1ソース配線12としての第1ソース配線12bは、第2窒化物半導体層8の上に設けられ、Y方向に延伸している。第2ソース配線14としての第2ソース配線14bは、第2窒化物半導体層8の上の、ゲート電極70cと第1ソース配線12bの間に設けられ、Y方向に延伸している。
【0048】
第2素子分離領域24は、第1ソース配線12と第2ソース配線14の間の下の第2窒化物半導体層8に設けられている。第2素子分離領域24は、は、例えば、第1窒化物半導体層6又は第2窒化物半導体層8へのAr(アルゴン)イオン注入により形成される。なお、第2素子分離領域24は、比誘電率の低いポリイミド膜やBCB(ベンゾシクロブテン)膜などの絶縁体材料を、第1窒化物半導体層6又は第2窒化物半導体層8に埋め込むことにより形成されてもよい。
【0049】
第3ソース配線16としての第3ソース配線16bは、第1ソース配線12b及び第2ソース配線14bの上に設けられ、Y方向に延伸している。
【0050】
第4ソース配線18としての第4ソース配線18bは、第1ソース配線12bと第3ソース配線16bの間に設けられ、Y方向に延伸している。第4ソース配線18bは、第1ソース配線12bと第3ソース配線16bを電気的に接続している。
【0051】
第5ソース配線20としての第5ソース配線20bは、第2ソース配線14bと第3ソース配線16bの間に設けられ、Y方向に延伸している。第5ソース配線20bは、第2ソース配線14bと第3ソース配線16bを電気的に接続している。
【0052】
図4(b)は、
図1で第5構造22b6を有するD-D’線における、ソース電極10bのYZ面内での模式断面図である。
【0053】
第5構造22b6は、第2孔26b6と、第3側孔28b6と、第4側孔30b6を、を有する。
【0054】
第2孔26としての第2孔26b6は、第3ソース配線16bを、Z方向に貫通している。第2孔26b6は、Z方向に平行な、第3仮想直線32としての第3仮想直線32b6によって通過されている。
【0055】
第3側孔28としての第3側孔28b6は、第4ソース配線18bを、Y方向に貫通している。第3側孔28b6は、Y方向に平行な、第4仮想直線34としての第4仮想直線34b6によって通過されている。また、第4仮想直線34b6は、第3仮想直線32b6によって通過されている。言い換えると、第3仮想直線32と第4仮想直線34は、同一のYZ平面内に設けられている。
【0056】
第4側孔30としての第4側孔30b6は、第5ソース配線20bを、Y方向に貫通している。第4側孔30b6は、第4仮想直線34b6によって通過されている。
【0057】
それぞれの第5構造22における、第2孔26、第3側孔28及び第4側孔30の大きさは、例えば、それぞれ同じである。しかし、それぞれの第5構造22における、第2孔26、第3側孔28及び第4側孔30の大きさは、例えば、それぞれ異なっていてもかまわない。
【0058】
図5は、本実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。
【0059】
図5(a)は、
図1で第1構造52cを有しないE-E’線における、ドレイン電極40cのYZ面内での模式断面図である。なお、ドレイン電極40cは、第2窒化物半導体層8の上において、ソース電極10cの、ゲート電極70dと反対側に設けられている。
【0060】
第1ドレイン配線42としての第1ドレイン配線42c(第5ドレイン配線の一例)は、第2窒化物半導体層8の上に設けられ、Y方向に延伸している。第2ドレイン配線44としての第2ドレイン配線44c(第4ドレイン配線の一例)は、第2窒化物半導体層8の上に設けられ、Y方向に延伸している。第1ドレイン配線42cは、第2ドレイン配線44cとゲート電極70dの間に設けられている。
【0061】
第1素子分離領域54(第3素子分離領域の一例)は、第1ドレイン配線42と第2ドレイン配線44の間の下の第2窒化物半導体層8に設けられている。
【0062】
第3ドレイン配線46としての第3ドレイン配線46c(第6ドレイン配線の一例)は、第1ドレイン配線42c及び第2ドレイン配線44cの上に設けられ、Y方向に延伸している。
【0063】
第4ドレイン配線48としての第4ドレイン配線48cは、第1ドレイン配線42cと第3ドレイン配線46cの間に設けられ、Y方向に延伸している。第4ドレイン配線48cは、第1ドレイン配線42cと第3ドレイン配線46cを電気的に接続している。
【0064】
第5ドレイン配線50としての第5ドレイン配線50cは、第2ドレイン配線44cと第3ドレイン配線46cの間に設けられ、Y方向に延伸している。第5ドレイン配線50cは、第2ドレイン配線44cと第3ドレイン配線46cを電気的に接続している。
【0065】
図5(b)は、
図1で第1構造52c6を有するF-F’線における、ドレイン電極40cのYZ面内での模式断面図である。なお第1構造52cは、第9構造の一例である。
【0066】
ドレイン電極40cは、第1構造52c1(第10構造の一例)、第1構造52c2(第12構造の一例)、第1構造52c3(第11構造の一例)、第1構造52c4、第1構造52c5及び第1構造52c6を有している。第1構造52c1~第1構造52c6には、それぞれ第1孔56c1~第1孔56c6が設けられる。つまり、第1孔56c1は第1構造52c1に設けられ、第1孔56c2は第1構造52c2に設けられ、第1孔56c3は第1構造52c3に設けられる。第1孔56c2は、第1孔56c1よりも第3ドレイン配線46cの先端から離れており、第1孔56c3は第1孔56c2よりも第3ドレイン配線46cの先端から離れており、第1孔56c4は第1孔56c3よりも第3ドレイン配線46cの先端から離れているものとする。この場合、第1孔56c1(第7孔)と第1孔56c2(第8孔)間の第5距離は、第1孔56c2と第1孔56c3(第9孔)間の第6距離よりも短い。
【0067】
第1構造52c6は、第1孔56c6と、第1側孔58c6と、第2側孔60c6を、を有する。
【0068】
第1孔56としての第1孔56c6は、第3ドレイン配線46cを、Z方向に貫通している。第1孔56c6は、Z方向に平行な、第1仮想直線62としての第1仮想直線62c6(第5仮想直線の一例)によって通過されている。
【0069】
第1側孔58としての第1側孔58c6は、第4ドレイン配線48cを、Y方向に貫通している。第1側孔58c6は、Y方向に平行な、第2仮想直線64としての第2仮想直線64c6(第6仮想直線の一例)によって通過されている。また、第2仮想直線64c6は、第1仮想直線62c6によって通過されている。言い換えると、第1仮想直線62と第2仮想直線64は、同一のYZ平面内に設けられている。
【0070】
第2側孔60としての第2側孔60c6は、第5ドレイン配線50cを、Y方向に貫通している。第2側孔60c6は、第2仮想直線64c6によって通過されている。
【0071】
図6は、本実施形態の半導体装置の要部の模式上面図である。
図6は、
図1の、第2配線82及びドレイン電極40を図示したものである。
【0072】
第1構造52a1、第1構造52b1及び第1構造52c1は、Y方向に並んでいることが好ましい。第1構造52a2、第1構造52b2及び第1構造52c2は、Y方向に並んでいることが好ましい。第1構造52a3、第1構造52b3及び第1構造52c3は、Y方向に並んでいることが好ましい。第1構造52a4、第1構造52b4及び第1構造52c4は、Y方向に並んでいることが好ましい。第1構造52a5、第1構造52b5及び第1構造52c5は、Y方向に並んでいることが好ましい。第1構造52a6、第1構造52b6及び第1構造52c6は、Y方向に並んでいることが好ましい。
【0073】
言い換えると、第1構造52a1、第1構造52b1及び第1構造52c1は、Y方向に平行な仮想直線90a(第7仮想直線の一例)によって通過されていることが好ましい。第1構造52a2、第1構造52b2及び第1構造52c2は、Y方向に平行な仮想直線90b(第9仮想直線の一例)によって通過されていることが好ましい。第1構造52a3、第1構造52b3及び第1構造52c3は、Y方向に平行な仮想直線90c(第8仮想直線の一例)によって通過されていることが好ましい。第1構造52a4、第1構造52b4及び第1構造52c4は、Y方向に平行な仮想直線90dによって通過されていることが好ましい。第1構造52a5、第1構造52b5及び第1構造52c5は、Y方向に平行な仮想直線90eによって通過されていることが好ましい。第1構造52a6、第1構造52b6及び第1構造52c6は、Y方向に平行な仮想直線90fによって通過されていることが好ましい。
【0074】
図7は、本実施形態の他の態様の半導体装置100の模式断面図である。
【0075】
第1素子分離領域54は、
図7(a)のように、第1窒化物半導体層6に食い込まずに、第2窒化物半導体層8に設けられていてもかまわない。第1素子分離領域54は、
図7(b)に示すように、第1窒化物半導体層6の上面に接していてもかまわない。また、第1素子分離領域54は、
図7(c)に示すように、第1素子分離領域54の下部が第1窒化物半導体層6の上部に食い込み、第1窒化物半導体層6に設けられていてもかまわない。第2素子分離領域24についても同様である。
【0076】
なお、例えばソース電極10、ドレイン電極40、ゲート電極70、第1構造52及び第5構造22の個数は、上述のものに限定されるものではない。
【0077】
なお、ゲート絶縁膜9の上の、ソース電極10の内部及び周囲、ドレイン電極40の内部及び周囲、ゲート電極70の周囲、第1配線80の周囲、第2配線82の周囲、及び第3配線84の周囲には、例えば、層間絶縁膜が適宜設けられている。
【0078】
図8は、本実施形態の他の一例における半導体装置の要部の模式断面図である。ゲート電極70cは、第1部分70c1と、第2部分70c2と、を有している。第1部分70c1は、ゲート絶縁膜9の上に設けられている。第2部分70c2は、第1部分70c1の下に設けられ、第1部分70c1と接続されている。また、第2部分70c2の下端は第1窒化物半導体層6内に設けられている。ゲート絶縁膜9は、第2部分70c2の周囲に、さらに設けられている。
【0079】
図9は、本実施形態の他の一例における半導体装置の要部の模式断面図である。
図8に示した半導体装置との差異は、第2部分70c2の下端が第2窒化物半導体層8内に設けられている点である。
【0080】
図10は、本実施形態の他の一例における半導体装置の要部の模式断面図である。第2窒化物半導体層8とゲート電極70の間に、p型不純物を含有する窒化物半導体を含む電極7が設けられている。
【0081】
図8乃至
図10に示し半導体装置も、いずれも好ましく用いることができる。
【0082】
次に、本実施形態の半導体装置の作用効果について記載する。
【0083】
本実施形態の半導体装置は、高周波パワー半導体装置などへの応用が期待されている。しかし、半導体装置は、一般に大きな出力容量Cossを有している。出力容量Cossは、ドレイン-ソース間容量Cdsとゲート-ドレイン間容量Cgdの和である。ここで、ドレイン-ソース間容量Cdsには、基板2とドレイン電極40の間の容量成分、又は基板2の下に設けられたパッケージ150とドレイン電極40の間の容量成分が、大きな寄与をしている。高周波動作においては、かかる出力容量Cossへの充放電によるスイッチング損失が大きくなり、高い破壊電界強度と高い電子移動度を生かした半導体装置を提供することができないという問題があった。
【0084】
また、ドレイン電極40の下のヘテロ接合界面に2次元電子ガスが形成されている場合、ドレイン電極40とかかる2次元電子ガスは電気的に接続されている。そのため、基板2とかかる2次元電子ガスの間の容量成分、又は基板2の下に設けられたパッケージ150とかかる2次元電子ガスの間の容量成分が、出力容量Cossに寄与し、スイッチング損失が大きくなるという問題があった。
【0085】
基板面2aに平行な面内におけるドレイン電極40の面積を小さくすることにより、Cossを減少させることは可能である。しかし、半導体装置のオン抵抗が高くなってしまうという問題があった。
【0086】
そこで、本実施形態の半導体装置100においては、ドレイン電極が、第2窒化物半導体層の上に設けられ、Y方向に延伸する第1ドレイン配線と、第2ゲート電極と第1ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸する第2ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第2ドレイン配線の間の下の第2窒化物半導体層に設けられた第1素子分離領域と、第1ドレイン配線及び第2ドレイン配線の上に設けられ、第2方向に延伸する第3ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第3ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸し、第1ドレイン配線と第3ドレイン配線を電気的に接続する第4ドレイン配線と、第2ドレイン配線と第3ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸し、第2ドレイン配線と第3ドレイン配線を電気的に接続する第5ドレイン配線と、複数の第1構造と、を有している。
【0087】
ドレイン電極40は、互いに離間した第1ドレイン配線42及び第2ドレイン配線44を有している。このように2つの配線を離間させていることにより、第2窒化物半導体層8に接しているドレイン電極40の面積が小さくなるため、基板2とドレイン電極40の間の容量成分、又はパッケージ150とドレイン電極40の間の容量成分を小さくすることが出来る。
【0088】
また、第1素子分離領域54を設けることにより、第1ドレイン配線42と第2ドレイン配線44の間の下のヘテロ接合界面に形成される2次元電子ガスの濃度を減少させることが出来る。これにより、基板2とかかる2次元電子ガスの間の容量成分、又はパッケージ150とかかる2次元電子ガスの間の容量成分を小さくすることが出来る。
【0089】
さらに、ドレイン電極40は、複数の第1構造52を有している。第1構造のそれぞれは、第3ドレイン配線46を、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に貫通し、第3方向に平行な第1仮想直線によって通過される第1孔と、第4ドレイン配線を第1方向に貫通し、第1方向に平行な第2仮想直線によって通過され、第2仮想直線は第1仮想直線によって通過される、第1側孔と、第5ドレイン配線を、第1方向に貫通し、第2仮想直線によって通過される第2側孔と、を有している。
【0090】
このように、第1孔56を設けることにより、さらにドレイン電極40を構成する配線の面積が小さくなるため、基板2とドレイン電極40の間の容量成分、又はパッケージ150とドレイン電極40の間の容量成分を小さくすることが出来る。本実施形態では、第1孔56に加えて、第1側孔58及び第2側孔60を設けているので、容量成分を小さくする効果をさらに高めることができる。
【0091】
そして、複数の第1構造は、第2構造と、第2構造と第2配線の間に設けられた第3構造と、第2構造と第3構造の間に設けられ第2構造との第1距離より第3構造との第2距離の方が長い第4構造と、を有する。
【0092】
多くの第1構造52を設けることにより、基板2とドレイン電極40の間の容量成分、又はパッケージ150とドレイン電極40の間の容量成分を小さくすることが出来る。一方で、ドレイン電極40の抵抗が増加し、半導体装置100のオン抵抗が増加するという問題がある。そこで、本実施形態の半導体装置100においては、ドレイン電極40の先端部に、より多くの第1構造52を設けている。ドレイン電極40の先端部は、第2配線82から最も離間した部分であるため、流れる電流の密度がより小さくなる。そのため、第1構造52を設けることにより抵抗が増加しても、半導体装置100全体のオン抵抗の増加に与える効果を小さくできる。これにより、オン抵抗の増加を抑制しつつ、基板2とドレイン電極40の間の容量成分、又はパッケージ150とドレイン電極40の間の容量成分を小さくすることができる。
【0093】
図11は、本実施形態の半導体装置100の作用効果を説明するための図である。
図11(a)のグラフの縦軸は、オン抵抗及び配線面積(基板面2aに平行な面内における、ドレイン電極40の面積)を示している。
図11(a)のグラフの横軸は、ドレイン電極40のY方向における単位長さ当たりの配線抵抗の比を、ドレイン電極40の先端部(第2配線82から最も離間した部分)とドレイン電極の根元部(第2配線82に最も近い部分)で比を取ったものである。かかる比が大きいほど、ドレイン電極40の先端部により多くの第1構造52を設けていることに相当する。
図11(a)をみると、かかる比が大きくなるほど、半導体装置100のオン抵抗は大きくなる一方で、配線面積は小さくなっている。
【0094】
図11(b)のグラフの縦軸は、オン抵抗と配線面積の積を示している。出力容量C
ossを小さくするためには、半導体装置100を小さくすることが考えられる。しかし、半導体装置100を小さくすると、逆にオン抵抗は増加する。そこで、半導体装置100の性能指数FOM(Figure Of Merit)として、オン抵抗と出力容量C
ossの積が重要である。ここで、出力容量C
ossがドレイン電極の面積に比例すると仮定すると、半導体装置100の性能指数FOMとして、オン抵抗と配線面積の積が重要となる。
図11(b)のグラフの横軸は、ドレイン電極40のY方向における単位長さ当たりの配線抵抗の比を、ドレイン電極40の先端部(第2配線82から最も離間した部分)とドレイン電極の根元部(第2配線82に最も近い部分)で比を取ったものである。かかる比が大きいほど、ドレイン電極40の先端部により多くの第1構造52を設けていることに相当する。
図11(b)をみると、かかる比が大きくなるほど、オン抵抗と配線面積の積が小さくなっているため、性能指数FOMが向上していることがわかる。
【0095】
なお、ドレイン電極40の先端の面積を小さくする方法としては、例えば、基板面2aに平行な面内におけるドレイン電極40の形状を、ドレイン電極40の先端になるほどY方向のドレイン電極40の幅が細くなるような三角形にすることが考えられる。しかしこの場合には、ドレイン電極40の先端が上記の三角形の頂点となるため、先端の加工が困難になるという問題がある。また、かかる加工の困難さを回避するために、例えば、基板面2aに平行な面内におけるドレイン電極40の形状を矩形の組合せにして、ドレイン電極40の先端になるほどY方向の矩形の辺の長さが小さくなるようにすることが考えられる。しかし、矩形の角部に電界が集中し、信頼性が劣化するという問題がある。これに対して、本実施形態の半導体装置100の場合には、第1孔56、第1側孔58及び第2側孔60を形成するという加工となる。このように、孔を形成する場合には、加工の難易度が比較的低くなるという利点がある。
【0096】
ソース電極10については、上記のような、ドレイン電極40と同様の構造を有することにより、半導体装置内における電流の均一性を確保することが出来る。
【0097】
第1構造52a1、第1構造52b1及び第1構造52c1は、仮想直線90aによって通過されていることが好ましい。第1構造52a2、第1構造52b2及び第1構造52c2は、仮想直線90bによって通過されていることが好ましい。第1構造52a3、第1構造52b3及び第1構造52c3は、仮想直線90c(第8仮想直線の一例)によって通過されていることが好ましい。第1構造52a4、第1構造52b4及び第1構造52c4は、仮想直線90dによって通過されていることが好ましい。第1構造52a5、第1構造52b5及び第1構造52c5は、仮想直線90eによって通過されていることが好ましい。第1構造52a6、第1構造52b6及び第1構造52c6は、仮想直線90fによって通過されていることが好ましい。これは、Y方向における第1構造52の配置を、それぞれのドレイン電極40で出来るだけずらさないようにすることにより、半導体装置100内における意図しない電流分布の不均一を抑制するためである。
【0098】
例えば、第1構造52b1と第1構造52b2の距離(第1距離の一例)と、第5構造22b1と第5構造22b2の距離(第3距離の一例)は等しいことが好ましい。例えば、第1構造52b2と第1構造52b3の距離(第2距離の一例)と、第5構造22b2と第5構造22b3の距離(第4距離の一例)は等しいことが好ましい。例えば、第1構造52b3と第1構造52b4の距離と、第5構造22b3と第5構造22b4の距離は等しいことが好ましい。例えば、第1構造52b4と第1構造52b5の距離と、第5構造22b4と第5構造22b5の距離は等しいことが好ましい。例えば、第1構造52b5と第1構造52b6の距離と、第5構造22b5と第5構造22b6の距離は等しいことが好ましい。これは、ドレイン電極40の第1構造52の配置とソース電極10の第5構造22の配置を揃えることにより、半導体装置100内における意図しない電流分布の不均一を抑制するためである。
【0099】
本実施形態の半導体装置100は、基板2がSi(シリコン)基板である場合に、特に好ましく適用される。Si(シリコン)基板は、サファイヤ基板に比較すると電気伝導率が高いため、基板2とドレイン電極40の間に起因する出力容量Cossが生じやすく、スイッチング損失が高くなりやすいためである。
【0100】
本実施形態の半導体装置によれば、出力容量の低減された半導体装置の提供が可能となる。
【0101】
(第2実施形態)
本実施形態の半導体装置は、基板と、基板上に設けられた第1窒化物半導体層と、第1窒化物半導体層の上に設けられ、第1窒化物半導体層よりバンドギャップの大きな第2窒化物半導体層と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、基板の基板面に平行な第1方向に延伸する第1配線と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第1配線に電気的に接続され、基板面に平行で第1方向に交差する第2方向に延伸する第1ソース電極と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ゲート電極と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ドレイン配線と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第2ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第2ドレイン配線の間の下の第2窒化物半導体層に設けられた第1素子分離領域と、第1ドレイン配線及び第2ドレイン配線の上に設けられ、第2方向に延伸する第3ドレイン配線と、を有する第1ドレイン電極と、を備え、第3ドレイン配線には第1孔と、第1孔よりも第3ドレイン配線の先端から離れた第2孔と、第2孔よりも第3ドレイン配線の先端から離れた第3孔と、を含む第1の複数の孔が設けられ、第1孔の長さは第2孔の長さよりも長く、第2孔の長さは第3孔の長さよりも長い。
【0102】
そして、第1方向における第1孔の長さは第1方向における第2孔の長さよりも長く、第1方向における第2孔の長さは第1方向における第3孔の長さよりも長い。
【0103】
また、本実施形態の半導体装置は、基板と、基板上に設けられた第1窒化物半導体層と、第1窒化物半導体層の上に設けられ、第1窒化物半導体層よりバンドギャップの大きな第2窒化物半導体層と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、基板の基板面に平行な第1方向に延伸する第1配線と、第2窒化物半導体層の上に、第1配線と離間して設けられ、第1方向に延伸する第2配線と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第1配線に電気的に接続され、基板面に平行で第1方向に交差する第2方向に延伸する第1ソース電極と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第1配線に電気的に接続され、第2方向に延伸する第2ソース電極と、第1ソース電極と第2ソース電極の間の、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ゲート電極と、第2ソース電極と第1ゲート電極の間の、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第2ゲート電極と、第1ゲート電極と第2ゲート電極の間の、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ドレイン配線と、第2ゲート電極と第1ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸する第2ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第2ドレイン配線の間の下の第2窒化物半導体層に設けられた第1素子分離領域と、第1ドレイン配線及び第2ドレイン配線の上に設けられ、第2方向に延伸する第3ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第3ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸し、第1ドレイン配線と第3ドレイン配線を電気的に接続する第4ドレイン配線と、第2ドレイン配線と第3ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸し、第2ドレイン配線と第3ドレイン配線を電気的に接続する第5ドレイン配線と、複数の第1構造と、を有し、第2配線に電気的に接続された第1ドレイン電極と、を備え、複数の第1構造のそれぞれは、第3ドレイン配線を、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に貫通し、第3方向に平行な第1仮想直線によって通過される第1孔と、第4ドレイン配線を第1方向に貫通し、第1方向に平行な第2仮想直線によって通過され、第2仮想直線は第1仮想直線によって通過される、第2孔と、第5ドレイン配線を、第1方向に貫通し、第2仮想直線によって通過される第3孔と、を有し、複数の第1構造は、第2構造と、第2構造と第2配線の間に設けられ、第1方向における第1孔の長さよりも短い第1孔を有する第3構造と、第2構造と第3構造の間に設けられ、第1方向における第2構造の第1孔の長さよりも短く、第1方向における第3構造の第1孔の長さよりも長い第1孔を有する第4構造と、を有する。
【0104】
ここで、第1実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0105】
図12は、本実施形態の半導体装置100の要部の模式上面図である。
図12(a)は、ソース電極10aの要部の模式上面図である。第5構造22a1の第4孔26a1のY方向の長さL11は、第5構造22a2の第4孔26a2のY方向の長さL12より長い。第5構造22a2の第4孔26a2のY方向の長さL12は、第5構造22a3の第4孔26a3のY方向の長さL13より長い。第5構造22a3の第4孔26a3のY方向の長さL13は、第5構造22a4の第4孔26a4のY方向の長さL14より長い。一方、X方向における、第5構造22a1の第4孔26a1と第5構造22a2の第4孔26a2の距離D11、第5構造22a2の第4孔26a2と第5構造22a3の第4孔26a3の距離D12、及び第5構造22a3の第4孔26a3と第5構造22a4の第4孔26a4の距離D13は、例えば、それぞれ等しい。
【0106】
図12(b)は、ドレイン電極40aの要部の模式上面図である。第1構造52a1の第1孔56a1のY方向の長さL21は、第1構造52a2の第1孔56a2のY方向の長さL22より長い。第1構造52a2の第1孔56a2のY方向の長さL22は、第1構造52a3の第1孔56a3のY方向の長さL23より長い。第1構造52a3の第1孔56a3のY方向の長さL23は、第1構造52a4の第1孔56a4のY方向の長さL24より長い。一方、X方向における、第1構造52a1の第1孔56a1と第1構造52a2の第1孔56a2の距離D21、第1構造52a2の第1孔56a2と第1構造52a3の第1孔56a3の距離D22、及び第1構造52a3の第1孔56a3と第1構造52a4の第1孔56a4の距離D23は、例えば、それぞれ等しい。
【0107】
これによっても、ドレイン電極先端部での電極面積を減少させることが出来るため、出力容量の小さい半導体装置の提供が可能となる。また、ソース電極については、ドレイン電極と同様の構造を有することにより、半導体装置内における電流の均一性を確保することが出来る。
【0108】
本実施形態の半導体装置によっても、出力容量の低減された半導体装置の提供が可能となる。
【0109】
(第3実施形態)
本実施形態の半導体装置においては、第2方向における第1孔の長さは第2方向における第2孔の長さよりも長く、第2方向における第2孔の長さは第2方向における第3孔の長さよりも長い点で、第2実施形態の半導体装置と異なっている。
【0110】
また、本実施形態の半導体装置は、基板と、基板上に設けられた第1窒化物半導体層と、第1窒化物半導体層の上に設けられ、第1窒化物半導体層よりバンドギャップの大きな第2窒化物半導体層と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、基板の基板面に平行な第1方向に延伸する第1配線と、第2窒化物半導体層の上に、第1配線と離間して設けられ、第1方向に延伸する第2配線と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第1配線に電気的に接続され、基板面に平行で第1方向に交差する第2方向に延伸する第1ソース電極と、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第1配線に電気的に接続され、第2方向に延伸する第2ソース電極と、第1ソース電極と第2ソース電極の間の、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ゲート電極と、第2ソース電極と第1ゲート電極の間の、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第2ゲート電極と、第1ゲート電極と第2ゲート電極の間の、第2窒化物半導体層の上に設けられ、第2方向に延伸する第1ドレイン配線と、第2ゲート電極と第1ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸する第2ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第2ドレイン配線の間の下の第2窒化物半導体層に設けられた第1素子分離領域と、第1ドレイン配線及び第2ドレイン配線の上に設けられ、第2方向に延伸する第3ドレイン配線と、第1ドレイン配線と第3ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸し、第1ドレイン配線と第3ドレイン配線を電気的に接続する第4ドレイン配線と、第2ドレイン配線と第3ドレイン配線の間に設けられ、第2方向に延伸し、第2ドレイン配線と第3ドレイン配線を電気的に接続する第5ドレイン配線と、複数の第1構造と、を有し、第2配線に電気的に接続された第1ドレイン電極と、を備え、複数の第1構造のそれぞれは、第3ドレイン配線を、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に貫通し、第3方向に平行な第1仮想直線によって通過される第1孔と、第4ドレイン配線を第1方向に貫通し、第1方向に平行な第2仮想直線によって通過され、第2仮想直線は第1仮想直線によって通過される、第1側孔と、第5ドレイン配線を、第1方向に貫通し、第2仮想直線によって通過される第2側孔と、を有し、複数の第1構造は、第2構造と、第2構造と第2配線の間に設けられ、第2方向における第1孔の長さよりも短い第1孔を有する第3構造と、第2構造と第3構造の間に設けられ、第2方向における第2構造の第1孔の長さよりも短く、第2方向における第3構造の第1孔の長さよりも長い第1孔を有する第4構造と、を有する。
【0111】
ここで、第1実施形態及び第2実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0112】
図13は、本実施形態の半導体装置100の要部の模式上面図である。
図13(a)は、ソース電極10aの要部の模式上面図である。第5構造22a1の第2孔26a1のX方向の長さL31は、第5構造22a2の第2孔26a2のX方向の長さL32より長い。第5構造22a2の第2孔26a2のX方向の長さL32は、第5構造22a3の第2孔26a3のX方向の長さL33より長い。第5構造22a3の第2孔26a3のX方向の長さL33は、第5構造22a4の第2孔26a4のX方向の長さL34より長い。第5構造22a4の第2孔26a4のX方向の長さL34は、第5構造22a5の第2孔26a5のX方向の長さL35より長い。一方、Y方向における、第2孔26a1、第2孔26a2、第2孔26a3、第2孔26a4及び第2孔26a5の長さは、例えば、L36であり、それぞれ等しい。
【0113】
図13(b)は、ドレイン電極40aの要部の模式上面図である。第1構造52a1の第1孔56a1のX方向の長さL41は、第1構造52a2の第1孔56a2のX方向の長さL42より長い。第1構造52a2の第1孔56a2のX方向の長さL42は、第1構造52a3の第1孔56a3のX方向の長さL43より長い。第1構造52a3の第1孔56a3のX方向の長さL43は、第1構造52a4の第1孔56a4のX方向の長さL44より長い。第1構造52a4の第1孔56a4のX方向の長さL44は、第1構造52a5の第1孔56a5のX方向の長さL45より長い。一方、Y方向における、第1孔56a1、第1孔56a2、第1孔56a3、第1孔56a4及び第1孔56a5の長さは、例えば、L46であり、それぞれ等しい。
【0114】
これによっても、ドレイン電極先端部での電極面積を減少させることが出来るため、出力容量の小さい半導体装置の提供が可能となる。また、ソース電極については、ドレイン電極と同様の構造を有することにより、半導体装置内における電流の均一性を確保することが出来る。
【0115】
本実施形態の半導体装置によっても、出力容量の小さい半導体装置の提供が可能となる。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
2 :基板
2a :基板面
6 :第1窒化物半導体層
7 :電極
8 :第2窒化物半導体層
9 :ゲート絶縁膜
10 :ソース電極
10b :第1ソース電極
10c :第2ソース電極
12 :第1ソース配線
14 :第2ソース配線
16 :第3ソース配線
18 :第4ソース配線
20 :第5ソース配線
22 :第5構造
24 :第2素子分離領域
26 :第2孔
28 :第3側孔
30 :第4側孔
32 :第3仮想直線
34 :第4仮想直線
40 :ドレイン電極
42 :第1ドレイン配線(第4ドレイン配線)
44 :第2ドレイン配線(第5ドレイン配線)
46 :第3ドレイン配線(第6ドレイン配線)
48 :第4ドレイン配線
50 :第5ドレイン配線
52 :第1構造
54 :第1素子分離領域
56 :第1孔
58 :第1側孔
60 :第2側孔
62 :第1仮想直線(第5仮想直線)
64 :第2仮想直線(第6仮想直線)
70 :ゲート電極
70c :第1ゲート電極
70d :第2ゲート電極
80 :第1配線
82 :第2配線
84 :第3配線
90a :第7仮想直線
90b :第9仮想直線
90c :第8仮想直線
100 :半導体装置