IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧 ▶ 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-消臭装置 図1
  • 特許-消臭装置 図2
  • 特許-消臭装置 図3
  • 特許-消臭装置 図4
  • 特許-消臭装置 図5
  • 特許-消臭装置 図6
  • 特許-消臭装置 図7
  • 特許-消臭装置 図8
  • 特許-消臭装置 図9
  • 特許-消臭装置 図10
  • 特許-消臭装置 図11
  • 特許-消臭装置 図12
  • 特許-消臭装置 図13
  • 特許-消臭装置 図14
  • 特許-消臭装置 図15
  • 特許-消臭装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】消臭装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20240122BHJP
   B66B 11/02 20060101ALI20240122BHJP
   F24F 8/50 20210101ALI20240122BHJP
   F24F 11/30 20180101ALI20240122BHJP
【FI】
A61L9/12
B66B11/02 F
F24F8/50
F24F11/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021066320
(22)【出願日】2021-04-09
(62)【分割の表示】P 2020570201の分割
【原出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2022013677
(43)【公開日】2022-01-18
【審査請求日】2021-04-09
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石本 恵子
(72)【発明者】
【氏名】衣川 勝
(72)【発明者】
【氏名】中谷 彰宏
【合議体】
【審判長】原 賢一
【審判官】増山 淳子
【審判官】松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-533006(JP,A)
【文献】特表平11-501834(JP,A)
【文献】特開2006-021923(JP,A)
【文献】米国特許第6654664(US,B1)
【文献】実開昭63-123571(JP,U)
【文献】実開平4-128750(JP,U)
【文献】実開昭63-100048(JP,U)
【文献】特開平4-208161(JP,A)
【文献】特開平8-229108(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0212124(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2989912(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D34/02
A47L7/04
A61L9/12
A63F13/28
B60H3/00
B65D85/00
F24F1/0355
B66B11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の向かい合う側面に一対の容器開口部の各々が設けられ、前記一対の容器開口部の一方から他方にわたって設けられた仕切面によって内部の空間が分割されることで形成された領域である複数のセル部を備え、前記複数のセル部に消臭剤を格納する容器と、
前記複数のセル部のうち2以上の横断面を繋げた形状である第1蓋開口部を備え、前記第1蓋開口部において前記複数のセル部のうちの複数を外気に開放し、前記第1蓋開口部でない場所において前記一対の容器開口部の一方を塞ぐように設けられた第1蓋と、
前記容器または前記第1蓋を移動させることで、前記複数のセル部のうち前記第1蓋が外気に開放するセル部を別のセル部に変化させる駆動機と、
を備え、
前記第1蓋は、前記第1蓋開口部において前記複数のセル部のうち外気に開放された期間が規定の期間より長い前記消臭剤を格納するセル部と前記複数のセル部のうちの外気に開放された期間が前記規定の期間より短い前記消臭剤が格納されたセル部とを同時に外気に開放し、
前記容器は、前記第1蓋の前記第1蓋開口部において外気に開放された期間が異なる前記消臭剤の消臭成分が混合された気体を放出し、
前記駆動機は、規定の期間ごとに前記容器または前記第1蓋を前記複数のセル部のうちの1つのセル部に相当する量だけ移動させる消臭装置。
【請求項2】
円盤状に成型され、第2蓋開口部を備え、前記第2蓋開口部において前記複数のセル部のうちの複数を外気に開放し、前記第2蓋開口部でない場所において前記一対の容器開口部の他方を塞ぐように設けられ、前記複数のセル部のうち外気に開放するセル部は前記第1蓋が外気に開放するセル部と同じである第2蓋と、
前記第1蓋の中心と前記第2蓋の中心とに接続され、前記第1蓋と前記第2蓋とに同期して回転することで、前記第1蓋開口部と前記第2蓋開口部とを同じ角度だけ回転させる蓋軸と、
を備えた請求項1に記載の消臭装置。
【請求項3】
前記容器は、前記仕切面によって前記容器の内部の空間が分割されることで形成された前記複数のセル部に隣接する領域であり内部に前記消臭剤が格納されない空セル部を備え、
前記第1蓋は、前記容器に気体が通過していない状態から前記容器に気体が通過する状態に変化するときに前記第1蓋開口部において前記複数のセル部と前記空セル部とを開放する請求項1または請求項2に記載の消臭装置。
【請求項4】
前記容器は、円筒形状に成型され、
前記複数のセル部の各々の断面は、扇形の形状を有し、
前記第1蓋は、円盤状に成型され、
前記第1蓋開口部は、扇形の形状を有する請求項1から請求項のいずれか一項に記載の消臭装置。
【請求項5】
エレベーターのかごに設けられ、開閉自在に設けられた一対の箱蓋を側面に備え、前記容器と前記第1蓋とを内部に格納する格納箱を備えた請求項1から請求項のいずれか一項に記載の消臭装置。
【請求項6】
前記格納箱は、エレベーターの制御情報を取得し、前記かごが上昇または下降運動を行う場合、前記制御情報を用いて前記一対の箱蓋を開放させる請求項に記載の消臭装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの消臭装置を開示する。当該消臭装置は、消臭成分が付加された空気をエレベーターのかごの内部に送る。当該消臭装置によれば、エレベーターのかご内部を消臭することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-201530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の消臭装置は、揮発性の消臭剤を使用している。揮発性の消臭剤は、揮発特性の異なる複数の消臭成分から構成される。よって、当該消臭剤は、使用されるにつれて、消臭成分の含有比率が変化してしまう。当該消臭剤は、消臭成分の含有比率が変化すると、消臭効果が低減する。このため、当該消臭装置を一定期間以上使用すると、消臭効果が低減する。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、消臭効果を長期間持続させることができる消臭装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る消臭装置は、一対の向かい合う側面に一対の容器開口部の各々が設けられ、前記一対の容器開口部の一方から他方にわたって設けられた仕切面によって内部の空間が分割されることで形成された領域である複数のセル部を備え、前記複数のセル部に消臭剤を格納する容器と、前記複数のセル部のうち2以上の横断面を繋げた形状である第1蓋開口部を備え、前記第1蓋開口部において前記複数のセル部のうちの複数を外気に開放し、前記第1蓋開口部でない場所において前記一対の容器開口部の一方を塞ぐように設けられた第1蓋と、前記容器または前記第1蓋を移動させることで、前記複数のセル部のうち前記第1蓋が外気に開放するセル部を別のセル部に変化させる駆動機と、を備え、前記第1蓋は、前記第1蓋開口部において前記複数のセル部のうち外気に開放された期間が規定の期間より長い前記消臭剤を格納するセル部と前記複数のセル部のうちの外気に開放された期間が前記規定の期間より短い前記消臭剤が格納されたセル部とを同時に外気に開放し、前記容器は、前記第1蓋の前記第1蓋開口部において外気に開放された期間が異なる前記消臭剤の消臭成分が混合された気体を放出し、前記駆動機は、規定の期間ごとに前記容器または前記第1蓋を前記複数のセル部のうちの1つのセル部に相当する量だけ移動させる
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、消臭装置は、第1蓋開口部において複数のセル部のうちの複数を外気に開放し、第1蓋開口部以外の場所において一対の容器開口部の一方を塞ぐように設けられた第1蓋、を備えた。このため、消臭効果を長期間持続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1における消臭装置を示す図である。
図2】実施の形態1における消臭装置の消臭器を示す図である。
図3】実施の形態1における消臭装置の消臭器のX矢視図である。
図4】実施の形態1における消臭装置の消臭器のX矢視図を期間別に示した図である。
図5】実施の形態1における消臭装置の比較例である従来型の消臭器を示す図である。
図6】実施の形態1における消臭装置の消臭成分の香り強さが変化する様子を表す図である。
図7】実施の形態1における消臭装置の消臭成分の香り強さの比が変化する様子を表す図である。
図8】実施の形態1における消臭装置の消臭成分のトータルの香り強さが変化する様子を表す図である。
図9】実施の形態1における消臭装置の消臭器の第1変形例を表す図である。
図10】実施の形態1における消臭装置の消臭器の第2変形例を表す図である。
図11】実施の形態1における消臭装置の消臭器の第2変形例における消臭装置の消臭成分のトータルの香り強さが変化する様子を表す図である。
図12】実施の形態1における消臭装置の消臭器の第3変形例を表す図である。
図13】実施の形態1における消臭装置の消臭器の第4変形例を表す図である。
図14】実施の形態2における消臭装置の消臭器を示す図である。
図15】実施の形態3における消臭装置を示す図である。
図16】実施の形態3における消臭装置の駆動機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における消臭装置を示す図である。
【0011】
図1に示されるように、例えば、消臭装置1は、エレベーターに利用される。
【0012】
昇降路100は、図示されない建築物の各階を貫く。エレベーターのかご101は、昇降路100の内部に設けられる。かご101は、昇降路100の内部を上昇または下降する。かご101は、図示されない制御盤によって、上昇または下降の動作を制御される。
【0013】
消臭装置1は、格納箱2とファン3と消臭器10とを備える。例えば、消臭装置1は、かご101の上部に設けられる。
【0014】
例えば、格納箱2は、直方体形状の箱である。格納箱2は、向かい合う一対の側面において、一対の箱蓋2aを備える。格納箱2は、制御器2bを備える。格納箱2は、かご101の上面に設けられる。格納箱2は、一対の箱蓋2aの一方が昇降路100の側壁と対向するように設けられる。例えば、格納箱2は、鉛直方向からみた場合、一対の箱蓋2aの一方がかご101から突出するように設けられる。例えば、格納箱2は、制御盤と電気的に接続される。格納箱2は、制御盤からかご101の制御情報を取得する。
【0015】
例えば、一対の箱蓋2aの各々は、蝶番を用いて、開閉自在に設けられる。例えば、一対の箱蓋2aの各々は、格納箱2の当該一対の側面の各々のうち一部の領域を開閉する。
【0016】
制御器2bは、制御盤と電気的に接続される。制御器2bは、制御盤から制御情報を取得する。例えば、制御器2bは、一対の箱蓋2aの各々の開閉動作を制御する。
【0017】
例えば、制御器2bは、制御情報を用いて一対の箱蓋2aの各々の開閉動作を制御する。一対の箱蓋2aの各々は、かご101が上昇または下降の動作を行う場合、制御器2bの制御に従って開動作を行う。一対の箱蓋2aの各々は、かご101が停止した場合、制御器2bの制御に従って閉動作を行う。一対の箱蓋2aの各々は、かご101が停止状態の場合、閉状態である。
【0018】
ファン3は、羽3aと吸込口3bと吹出口3cとを備える。ファン3は、かご101の上面に設けられる。ファン3は、格納箱2の側方に設けられる。ファン3は、羽3aを回転させることで、吸込口3bから吹出口3cに向かって気流を発生させる。ファン3は、吸込口3bから気体を吸い込む。ファン3は、吹出口3cから気体を吹き出す。
【0019】
吸込口3bは、一対の箱蓋2aの他方に接続される。
【0020】
吹出口3cは、かご101の上面に接続される。吹出口3cは、かご101の内部に接続される。
【0021】
消臭器10は、格納箱2の内部に設けられる。消臭器10は、内部を通過した気体に消臭成分を付与する。
【0022】
消臭装置1は、かご101が昇降動作を行う間、消臭成分を付与した気体をかご101の内部に送風する。
【0023】
例えば、かご101が上昇動作を行う場合、制御器2bは、一対の箱蓋2aの各々を開状態にする。ファン3は、一対の箱蓋2aが開状態の場合、吸込口3bを介して格納箱2の内部の気体を吸い込む。ファン3は、格納箱2の内部において、一対の箱蓋2aの一方から他方へ向かう気体の流れを発生させる。当該気体は、消臭器10の内部を通過する。消臭器10は、当該気体に消臭成分を付与する。ファン3は、当該気体を、吹出口3cからかご101の内部へ吹き出す。
【0024】
例えば、かご101が停止した場合、制御器2bは、一対の箱蓋2aの各々を閉状態にする。例えば、かご101が停止した場合、消臭装置1は、消臭成分を付与した気体をかご101の内部に送風することを停止する。
【0025】
次に図2を用いて、消臭器10の機構に関して説明する。
図2は実施の形態1における消臭装置の消臭器を示す図である。図2の(A)は、消臭器10の例の斜視図である。図2の(B)は、消臭器10の断面図である。図2の(C)は、図2の(B)におけるY矢視図である。
【0026】
消臭器10は、容器11と消臭剤12とメッシュ13と第1蓋14と第2蓋15と蓋軸16と駆動機20とを備える。
【0027】
例えば、容器11は、円筒形状である。容器11は、内部に空洞を備える。例えば、容器11は、一対の容器開口部11aと複数の仕切面11bと複数のセル部11cとを備える。
【0028】
一対の容器開口部11aの各々は、容器11の一対の向かい合う側面の各々に設けられる。例えば、一対の容器開口部11aの各々は、容器11において、一対の底面の各々に設けられる。例えば、一対の容器開口部11aの各々は、容器11において、一対の底面の各々の全体に相当する。
【0029】
複数の仕切面11bの各々は、容器11の内部に設けられる。複数の仕切面11bの各々は、一対の容器開口部11aの一方から他方わたって設けられる。例えば、複数の仕切面11bの各々は、一対の容器開口部11aの各々に対して垂直に設けられる。例えば、複数の仕切面11bの各々は、容器11の円筒の中心軸から放射状に設けられる。複数の仕切面11bは、容器11の内部を分割する。例えば、複数の仕切面11bは、16枚設けられる。例えば、複数の仕切面11bは、容器11の内部を16等分する。
【0030】
複数のセル部11cの各々は、複数の仕切面11bによって分割された容器11の内部の各領域である。複数のセル部11cの各々は、一対の容器開口部11aを底面とする柱状の形状を備える。例えば、複数のセル部11cの各々の横断面は、扇形の形状である。例えば、複数のセル部11cは、容器11に16個設けられる。
【0031】
例えば、消臭剤12は、多孔質の樹脂ビーズに香料が含侵されたものである。例えば、当該香料は、精油、精油を溶剤で薄めたもの等が用いられる。例えば、当該香料は、揮発性の消臭成分である。例えば、消臭剤12は、複数の揮発性の消臭成分を備える。当該複数の揮発性の消臭成分の各々は、香りを用いて、悪臭に対してマスキング消臭効果を及ぼす。
【0032】
消臭剤12は、複数のセル部11cの各々に設けられる。消臭剤12の内部は、気体を自在に通過させる。例えば、消臭剤12は、内部に気体を通過させることで、通過した気体に消臭成分を付与する。
【0033】
例えば、複数のメッシュ13は、網目構造を備える。複数のメッシュ13の各々は、複数のセル部11cの各々の両端に設けられる。複数のメッシュ13は、気体を通過させる。複数のメッシュ13の各々は、複数のセル部11cの各々から消臭剤12がこぼれ出ることを妨げる。
【0034】
例えば、第1蓋14は、円盤状に成型される。第1蓋14は、第1蓋開口部14aを備える。第1蓋14は、一対の容器開口部11aの一方に対向するよう設けられる。例えば、第1蓋14の円盤の中心は、容器11の円筒軸の延長線上に位置する。例えば、第1蓋14の側面は、一対の容器開口部11aの一方に対向する。
【0035】
例えば、第1蓋14は、図示されない箱蓋2aを流れる気流において、容器11の風上側に設けられる。第1蓋14は、複数のセル部11cのうち、第1蓋開口部14aに対向しないものの一端を塞ぐよう設けられる。第1蓋14は、複数のセル部11cのうち、第1蓋開口部14aに対向するものの一端を塞がないように設けられる。第1蓋14は、第1蓋14に塞がれた複数のセル部11cを、容器11の外側の気体から隔離する。
【0036】
例えば、第1蓋開口部14aは、第1蓋14の一部が切り取られることで形成される。第1蓋開口部14aは、複数のセル部11cのうちのいくつかの横断面を繋げた形状を備える。例えば、第1蓋開口部14aは、扇形の形状を備える。例えば、第1蓋開口部14aは、複数のセル部11cのうちの3つの横断面を繋げた扇形である。第1蓋開口部14aは、複数のセル部11cのうち2以上かつ全数未満の断面積の和に等しい面積を備える。例えば、第1蓋開口部14aは、複数のセル部11cのうちの3つの横断面を合わせた面積に等しい面積を有する。
【0037】
例えば、第2蓋15は、円盤状に成型される。第2蓋15は、第2蓋開口部15aを備える。第2蓋15は、一対の容器開口部11aの他方に対向するよう設けられる。例えば、第2蓋15の円盤の中心は、容器11の円筒軸の延長線上に位置する。例えば、第2蓋15の側面は、一対の容器開口部11aの他方に対向する。
【0038】
例えば、第1蓋14は、箱蓋2aを流れる気流において、容器11の風下側に設けられる。第2蓋15は、複数のセル部11cのうち、第2蓋開口部15aに対向しないものの他端を塞ぐように設けられる。第2蓋15は、複数のセル部11cのうち、第2蓋開口部15aに対向するものの他端を塞がないように設けられる。第2蓋15は、第2蓋15に塞がれた複数のセル部11cを、容器11の外側の気体から隔離する。
【0039】
第2蓋15は、第2蓋開口部15aに対向する複数のセル部11cと第1蓋開口部14aに対向する複数のセル部11cとが一致するよう設けられる。
【0040】
例えば、第2蓋開口部15aは、第2蓋15の一部が切り取られることで形成される。第2蓋開口部15aは、複数のセル部11cのうちのいくつかの横断面を繋げた形状を備える。例えば、第2蓋開口部15aは、扇形の一部の形状を備える。例えば、第2蓋開口部15aは、複数のセル部11cのうちの3つの横断面を繋げた扇形である。第2蓋開口部15aは、複数のセル部11cのうち2以上かつ全数未満の断面積の和に等しい面積を備える。例えば、第2蓋開口部15aは、複数のセル部11cのうちの3つの横断面を合わせた面積に等しい面積を有する。
【0041】
例えば、蓋軸16は、棒状の形状を備える。蓋軸16は、第1蓋14の回転に同期するように、第1蓋14の中心に接続される。蓋軸16は、第2蓋15の回転に同期するように、第2蓋15の中心に接続される。蓋軸16は、第1蓋14と第2蓋15とに同期して回転する。蓋軸16は、第1蓋開口部14aと第2蓋開口部15aとを同じ角度だけ回転させる。
【0042】
例えば、駆動機20は、モータ21とベルト22と蓋制御器23とを備える。例えば、駆動機20は、蓋軸16に接続される。例えば、駆動機20は、蓋軸16を回転させる。駆動機20は、蓋軸16を介して、第1蓋14と第2蓋15とを移動させる。駆動機20は、第1蓋14および第2蓋15と容器11との相対位置を変化させる。第1蓋14および第2蓋15と容器11との相対位置が変化した場合、複数のセル部11cのうち第1蓋14および第2蓋15に塞がれるセル部11cの位置が変化する。
【0043】
例えば、モータ21は、回転軸を備える。モータ21は、回転駆動力を回転軸に発生させる。
【0044】
例えば、ベルト22は、無端状のベルトである。ベルト22の一端は、蓋軸16の回転に追従して移動し得るように、蓋軸16に巻き掛けられる。ベルト22の他端は、モータ21の回転軸に追従して移動し得るよう、モータ21の回転軸に巻き掛けられる。例えば、ベルト22は、モータ21の回転駆動力を蓋軸16に伝達する。
【0045】
蓋制御器23は、モータ21に電気的に接続される。蓋制御器23は、モータ21の動作を制御する。例えば、蓋制御器23は、モータ21を任意の回転数だけ駆動させる。例えば、蓋制御器23は、モータ21を介して、第1蓋14と第2蓋15とを任意の角度だけ回転させる。
【0046】
図2には図示されない格納箱2において、気体は、第1蓋14または第2蓋15に塞がれていない複数のセル部11cの内部を通過する。複数のセル部11cの内部において、消臭器10は、当該気体に消臭成分を付与する。以降、複数のセル部11cにおいて、内部に気体が通過する状態にあるセル部11cは、「使用中のセル」と呼称される。
【0047】
次に、図3図4とを用いて、消臭器10が使用中のセルを変化させる過程の例を説明する。
図3は実施の形態1における消臭装置の消臭器のX矢視図である。図4は実施の形態1における消臭装置の消臭器のX矢視図を期間別に示した図である。
【0048】
図3に示されるように、例えば、消臭器10は、16個の複数のセル部11cを備える。例えば、消臭器10において、複数のセル部11cのうち3つは、使用中のセルである。第1蓋開口部14aは、時計の十二時方向から時計回りに位置する。図3における消臭器10は、気体を通されていない状態である。図3における消臭器10の状態は、初期状態と定義される。
【0049】
例えば、複数のセル部11cの各々は、十二時方向を基準として、aからpまでの符号が付される。例えば、複数のセル部11cのうち時計の十二時の位置に存在するセル部は、セルaである。複数のセル部11cのうちセルaの右隣のセル部は、セルbである。同様にして、セルcからセルpは、時計回りに順番に設けられる。
【0050】
例えば、第1蓋14と図3には図示されない第2蓋15とは、規定期間ごとに、複数のセル部11cのうちの1つに相当する角度だけ時計回りに回転する。例えば、第1蓋14と第2蓋15とは、1か月ごとに、22.5度だけ時計回りに回転する。
【0051】
消臭剤12は、時間が経過するにつれて、消臭成分を付与する効果が低下する。例えば、消臭剤12は、使用された期間に応じて、区別される。例えば、使用された期間が1か月未満である場合、消臭剤12は、「新」の状態である。例えば、使用された期間が1か月以上2か月未満である場合、消臭剤12は、「古1」の状態である。例えば、使用された期間が2か月以上である場合、消臭剤12は、「古2」の状態である。例えば、初期状態において、セルaとセルbとセルcとの消臭剤12は、「新」の状態である。以降、セルaからセルpまでの消臭剤12は、それぞれ消臭剤12aから消臭剤12pと定義される。
【0052】
図4に示されるように、例えば、消臭器10は、1か月ごとに使用中のセルの位置を変化させる。図4の(A)は、初期状態の消臭器10を表す。図4の(B)は、初期状態から1か月経過した消臭器10を表す。図4の(C)は、初期状態から2か月経過した消臭器10を表す。図4の(D)は、初期状態から3か月経過した消臭器10を表す。
【0053】
図4の(A)において、消臭剤12aと消臭剤12bと消臭剤12cとは、「新」の状態である。
【0054】
図4の(B)において、第1蓋14と図4には図示されない第2蓋15とは、初期状態と比較して、22.5度だけ時計回りに回転した状態である。セルaは、使用中のセルでない。セルdは、使用中のセルである。消臭剤12bと消臭剤12cとは、「古1」の状態である。消臭剤12dは、「新」の状態である。消臭器10は、「古1」と「新」との状態の消臭成分が混合された気体を放出する。
【0055】
図4の(C)において、第1蓋14と第2蓋15とは、図4の(B)に示される状態と比較して、22.5度だけ時計回りに回転した状態である。セルbは、使用中のセルでない。セルeは、使用中のセルである。消臭剤12cは、「古2」の状態である。消臭剤12dは、「古1」の状態である。消臭剤12eは、「新」の状態である。消臭器10は、「古2」と「古1」と「新」との状態の消臭成分が混合された気体を放出する。
【0056】
図4の(D)において、第1蓋14と第2蓋15とは、図4の(C)に示される状態と比較して、22.5度だけ時計回りに回転した状態である。セルcは、使用中のセルでない。セルfは、使用中のセルである。消臭剤12dは、「古2」の状態である。消臭剤12eは、「古1」の状態である。消臭剤12fは、「新」の状態である。消臭器10は、「古2」と「古1」と「新」との状態の消臭成分が混合された気体を放出する。
【0057】
その後、消臭器10は、1か月ごとに、上記と同様の動作を行う。初期状態から13か月経過するまでの期間、消臭器10は、「古2」と「古1」と「新」との状態の消臭成分が混合された気体を放出する。
【0058】
初期状態から14か月経過した場合、使用中のセルは、セルoとセルpとセルaである。セルaにおいて、消臭剤12aは、「古1」の状態である。消臭器10は、「古2」と「古1」との状態の消臭成分が混合された気体を放出する。
【0059】
初期状態から15か月以上経過した場合、消臭器10は、「古2」の状態の消臭成分が混合された気体を放出する。
【0060】
次に、図5から図8までを用いて、消臭器10の消臭効果が変化していく様子を、従来構造の消臭器50における同様の様子と比較して、説明する。
図5は実施の形態1における消臭装置の比較例である従来型の消臭器を示す図である。図6は実施の形態1における消臭装置の消臭成分の香り強さが変化する様子を表す図である。図7は実施の形態1における消臭装置の消臭成分の香り強さの比が変化する様子を表す図である。図8は実施の形態1における消臭装置の消臭成分のトータルの香り強さが変化する様子を表す図である。
【0061】
図5に示されるように、例えば、従来構造の消臭器50は、円筒形状を備える。消臭器50は、内部に消臭剤12を備える。消臭器50は、実施の形態1の図5には図示されない消臭器10と比較して、複数のセル部11cと第1蓋14と第2蓋15とを備えない。消臭器50は、内部の消臭剤12の全体を用いて、気体に消臭成分を付与する。
【0062】
図6において、消臭装置1を通過した後の気体に含まれる消臭成分の香り強さと経過した時間との関係を表したグラフが示される。香り強さは、人間が感じる消臭成分の香りの強度である。香り強さは、気体に含まれる消臭成分の濃度と正の相関を持つ。香り強さの単位は、任意単位[a.u.]である。
【0063】
縦軸は、消臭装置1を通過した後の気体に含まれる消臭成分の香り強さを表す。縦軸の単位は、任意単位[a.u.]である。
【0064】
横軸は、初期状態から経過した期間を表す。横軸の単位は、任意単位[a.u.]である。例えば、横軸の単位は、1か月である。
【0065】
例えば、消臭剤12は、消臭成分Aと消臭成分Bとを備える。消臭成分Aは、揮発性が比較的高い成分である。消臭成分Bは、消臭成分Aに比べて揮発性が低い成分である。例えば、消臭剤12は、接触した気体中の消臭成分Aの濃度と消臭成分Bの濃度との和が一定の値より大きい場合、消臭効果を発揮する。例えば、消臭剤12は、接触した気体中の消臭成分Aの濃度と消臭成分Bの濃度との比の値が一定の範囲にある場合、消臭効果を発揮する。
【0066】
消臭剤12が気体に付与する香り強さは、時間とともに減少する。香り強さx(t)は、次の式(1)で表される。
x(t)=A*exp(-t/ε) (1)
tは、初期状態から経過した時間である。Aは、初期状態における香り強さを表す初期強度である。εは、消臭成分ごとに固有の減衰係数である。例えば、消臭成分Aのεの値は、消臭成分Bのεの値の2倍である。
【0067】
図6のグラフにおいて、実施の形態1の消臭器10が示す関係は、実線で描かれる。当該実線のうちの細い線は、消臭成分Aの関係を意味する。当該実線のうちの太い線は、消臭成分Bの関係を意味する。
【0068】
消臭器10において、消臭成分Aの香り強さは、初期状態の6から減少する。初期状態から1か月経過した場合、使用中のセルは、別のセルに切り替わる。使用中のセルが切り替わる場合、消臭成分Aの香り強さは、上昇する。消臭成分Aのグラフのジグザグ形状は、使用中のセルが切り替わることを表す。初期状態から2か月以上かつ14か月未満の期間において、消臭成分Aの香り強さは、一定の範囲内の値を示す。初期状態から14か月以降の期間において、消臭成分Aの香り強さは、低下する。
【0069】
消臭器10において、消臭成分Bの香り強さは、初期状態の3から減少する。消臭成分Bの香り強さのグラフは、消臭成分Aの香り強さのグラフと同様の傾向を示す。
【0070】
図6のグラフにおいて、従来構造の消臭器50が示す関係は、破線または一点鎖線で描かれる。当該破線は、消臭成分Aの濃度の関係を意味する。当該一点鎖線は、消臭成分Bの濃度の関係を意味する。条件を平等にするため、従来構造の消臭器50に流れる風量は、消臭器10に流れる風量の3/16倍の値に設定される。
【0071】
消臭器50において、消臭成分Aの香り強さは、初期状態の6から単調に減少する。当該減少の速度は、設定された風量が異なるため、消臭器10における消臭成分Aの香り強さの減少速度よりも遅い。
【0072】
消臭器50において、消臭成分Bの香り強さは、初期状態の3から単調に減少する。当該減少の速度は、設定された風量が異なるため、消臭器10における消臭成分Bの香り強さの減少速度よりも遅い。
【0073】
消臭器50において、消臭成分Aの香り強さは、初期状態から約8か月経過した場合、消臭成分Bの香り強さよりも弱い。
【0074】
図7において、消臭装置1を通過した後の気体に含まれる消臭成分の比と経過した時間との関係を表したグラフが示される。
【0075】
縦軸は、消臭装置1を通過した後の気体の香り強さの比A/Bを表す。縦軸の単位は、任意単位[a.u.]である。香り強さの比A/Bは、消臭成分Aの香り強さと消臭成分Bの香り強さとの比である。
【0076】
例えば、消臭剤12は、接触した気体中の香り強さの比A/Bの値が一定の範囲にある場合、消臭効果を発揮する。当該一定の範囲は、最適成分比と呼称される。例えば、最適成分比は、1.0から1.6の間である。
【0077】
横軸は、初期状態から経過した期間を表す。横軸の単位は、任意単位[a.u.]である。例えば、横軸の単位は、1か月である。
【0078】
図7のグラフにおいて、実施の形態1の消臭器10が示す関係は、実線で描かれる。消臭器10のグラフのジグザグ形状は、使用中のセルが切り替わることを表す。初期状態から2か月以上かつ14か月未満の期間において、香り強さの比は、最適成分比の値を示す。
【0079】
図7のグラフにおいて、従来構造の消臭器50が示す関係は、破線で描かれる。条件を平等にするため、従来構造の消臭器50に流れる風量は、消臭器10に流れる風量の3/16倍の値に設定される。
【0080】
消臭器50において、香り強さの比A/Bは、初期状態の2から単調に減少する。消臭器50において、香り強さの比A/Bは、初期状態から約8か月経過した場合、1.0を下回る。香り強さの比A/Bが1を下回った場合、消臭剤12から発生する香りは、初期状態に対して全く異なる香りになる。
【0081】
図7のグラフに示されるように、消臭器10は、消臭器50に比べて、より長い期間にわたって消臭効果を持続させる。消臭器10は、香りの質を一定に保ち、マスキング効果を長期間にわたって持続させる。
【0082】
図8において、消臭装置1を通過した後の気体に含まれるトータルの香り強さと経過した時間との関係を表したグラフが示される。トータルの香り強さは、個々の消臭成分の香り強さの合計を意味する。
【0083】
縦軸は、消臭装置1を通過した後の気体に含まれる消臭成分のトータルの香り強さを表す。縦軸の単位は、任意単位[a.u.]である。
【0084】
例えば、消臭剤12は、接触した気体中のトータルの香り強さの値が一定の範囲にある場合、消臭効果を発揮する。当該一定の範囲は、かご内最適濃度と呼称される。例えば、かご内最適濃度は、2.5から5.0の間である。
【0085】
横軸は、初期状態から経過した期間を表す。横軸の単位は、任意単位[a.u.]である。例えば、横軸の単位は、1か月である。
【0086】
図8のグラフにおいて、実施の形態1の消臭器10が示す関係は、実線で描かれる。消臭器10のグラフのジグザグ形状は、使用中のセルが切り替わることを表す。初期状態から2か月以上かつ14か月未満の期間において、トータルの香り強さは、かご内最適濃度の値を示す。
【0087】
図8のグラフにおいて、従来構造の消臭器50が示す関係は、破線で描かれる。従来構造の消臭器50に流れる風量は、それぞれケースXとケースYとケースZとして、消臭器10に流れる風量の3/16倍の値と2/16倍の値と1/16倍の値とに設定される。
【0088】
消臭器50において、ケースXの場合、トータルの香り強さは、初期状態の9から単調に減少する。その後、トータルの香り強さは、初期状態から約9か月経過した場合、2.5を下回る。
【0089】
消臭器50において、ケースYまたはケースZの場合、トータルの香り強さは、ケースXの場合よりもなだらかに減少する。ケースYまたはケースZの場合、初期状態におけるトータルの香り強さは、ケースXの場合の香り強さよりも弱い。ケースYの場合、トータルの香り強さは、初期状態から約9か月経過後に2.5を下回る。ケースZの場合、トータルの香り強さは、初期状態から約4か月経過後に2.5を下回る。
【0090】
図8のグラフに示されるように、消臭器10は、消臭器50に比べて、より長い期間にわたって消臭効果を持続させる。
【0091】
以上で説明した実施の形態1によれば、消臭装置1は、容器11と消臭剤12と第1蓋14と駆動機20とを備える。容器11は、一対の容器開口部11aを備える。容器11は、複数のセル部11cを3以上備える。消臭剤12は、複数のセル部11cのうち2以上に格納される。消臭剤12は、接触した気体に消臭効果を与える。第1蓋14は、第1蓋開口部14aを備える。第1蓋14は、複数のセル部11cのうちの一部を外気から隔離する。駆動機20は、第1蓋14を移動させることで、使用中のセルを別のセルに変化させる。このため、消臭装置1は、消臭剤12を使用しない状態で保持することができる。消臭装置1は、使用する消臭剤12を切り換えることができる。その結果、消臭装置1は、複数の消臭成分の比率が大きく変化することを長期間にわたって抑制することができる。消臭装置1は、消臭効果を長期間持続させることができる。
【0092】
また、消臭装置1は、円筒形状の容器11を備える。複数のセル部11cの各々は、扇形の形状を備える。第1蓋開口部14aは、扇形の形状を備える。このため、第1蓋14を回転させることで、複数のセル部11cを塞ぐことができる。その結果、消臭装置1は、容器11と第1蓋14との相対位置を容易に変化させることができる。消臭器10は、小型化されることができる。
【0093】
なお、容器11は、直方体の形状を備えてもよい。複数のセル部11cの各々は、並行に並ぶように設けられる。このため、容器11は、狭い設置場所にも設けられることができる。
【0094】
また、消臭装置1は、第2蓋15と蓋軸16とを備える。第2蓋15は、第2蓋開口部15aを備える。第2蓋15は、複数のセル部11cのうちの一部を外気から隔離する。第2蓋15が外気に開放するセル部は、第1蓋14が外気に開放するセル部と同じである。蓋軸16は、第1蓋14と第2蓋15とに同期して回転する。このため、消臭器10は、複数のセル部11cの各々の両端を塞ぐことができる。消臭器10は、複数のセル部11cの各々の両端に気体を通すことができる。その結果、消臭効果を長期間持続させることができる。
【0095】
また、消臭装置1は、格納箱2を備える。格納箱2は、エレベーターのかご101の上面に設けられる。格納箱2は、開閉自在に設けられた一対の箱蓋2aを側面に備える。格納箱2は、容器11と消臭剤12と第1蓋14と第2蓋15と蓋軸16とを格納する。このため、消臭装置1は、容器11の周辺を通過する気流を抑制することができる。その結果、消臭装置1は、消臭効果を備えた気体を確実にかご101の内部に送り込むことができる。
【0096】
また、格納箱2は、エレベーターの制御情報を取得する。格納箱2は、かご101が上昇または下降運動を行う場合、制御情報を用いて一対の箱蓋2aを開放させる。このため、格納箱2は、昇降時にのみ気流を内部に通過させる。その結果、消臭装置1は、消臭効果を長時間持続させることができる。
【0097】
なお、一対の箱蓋2aは、開閉しなくてもよい。例えば、一対の箱蓋2aは、常に開放状態である。
【0098】
なお、セル部11cの数は、16個でなくてもよい。セル部11cが3個以上ある場合、消臭装置1は、有効時間を持続させる効果を奏する。
【0099】
なお、消臭剤12の消臭成分は、芳香効果を及ぼすものでなくてもよい。例えば、消臭剤12は、多孔質の樹脂ビーズに揮発性の脱臭成分が含侵されたものである。例えば、消臭剤12は、接触した気体から悪臭を取り除く成分を備える。
【0100】
なお、第1蓋開口部14aは、複数のセル部11cのうち3つを繋げた形状でなくてもよい。例えば、第1蓋開口部14aは、複数のセル部11cのうち2つ以上を繋げた形状である。
【0101】
なお、第2蓋開口部15aは、複数のセル部11cのうち3つを繋げた形状でなくてもよい。例えば、第2蓋開口部15aは、複数のセル部11cのうち2つ以上を繋げた形状である。
【0102】
なお、消臭器10は、第2蓋15を備えなくてもよい。例えば、消臭剤12が放出する消臭成分の量が微量である場合、消臭器10は、第2蓋15を備えない。具体的には、消臭剤12の香料の蒸気圧が低い場合、粒径が小さいため消臭剤12に空気が通りにくい場合、消臭剤12が放出する消臭成分の量は、微量である。
【0103】
なお、駆動機20は、容器11を移動させてもよい。例えば、駆動機20は容器11を第1蓋14に対して相対移動させる。例えば、駆動機20は、容器11を移動させることで、使用中のセルを別のセルに変化させる。
【0104】
なお、規定期間の単位は、1か月でなくてもよい。例えば、規定期間は、1週間である。例えば、規定期間は、3か月である。
【0105】
次に、図9を用いて、消臭器10の第1変形例について説明する。
図9は実施の形態1における消臭装置の消臭器の第1変形例を表す図である。図9の(A)は、第1変形例における消臭器10の平面図である。図9の(B)は、図9の(A)のB-B´断面図である。
【0106】
図9に示されるように、第1変形例において、第1蓋14と図9には図示されない第2蓋15とは、連続的に移動する。例えば、第1蓋14は、複数のセル部11cに属するセルzとの間に、セルzの開口部αを形成する。開口部αは、第1蓋14の移動中に、セルzの一端と第1蓋開口部14aとが重なる領域である。開口部αの面積は、セルzの一端の面積よりも小さい。
【0107】
第1変形例における第1蓋14および第2蓋15と比較して、実施の形態1における第1蓋14および第2蓋15は、間欠的に素早く移動する。変形例でない消臭器10において、開口部αが存在する時間は、短い。第1比較例における開口部αが存在する時間は、実施の形態1における開口部αが存在する時間よりも長い。
【0108】
第1変形例において、新しいセルzの開放が始まった場合、開口部αの面積は、0から徐々に増加する。
【0109】
開口部αの面積が小さい場合、セルzの内部に流れる気体の量は少ない。開口部αの面積が大きくなるにしたがって、セルzの内部に流れる気体の量は、増加する。このため、消臭器10を通過した後の気体において、香り強さは、開口部αの面積が大きくなるに従って、連続的に増加する。
【0110】
開口部αの面積の値がある値より大きい場合、セルzの内部に流れる気体の量は、一定値をとる。この理由は、開口部αの面積の値がある面積値より大きい場合、開口部αにおけるコンダクタンスは、セルzの内部におけるコンダクタンスよりも大きいからである。コンダクタンスは、ある場所における気体の通過しやすさを意味する。
【0111】
例えば、開口部αの面積の値がセルzの一端の面積の半分の値より大きい場合、セルzの内部に流れる気体の量は、一定の飽和量である。
【0112】
以上で説明した実施の形態1の第1変形例において、第1蓋14と第2蓋15とは、連続的に移動する。開口部αの面積は、比較的時間をかけて変化する。このため、消臭器10は、通過した気体において、消臭成分の濃度変化をなだらかにすることができる。その結果、消臭器10は、通過した気体における急激な香りの変化を抑制することができる。
【0113】
なお、第1蓋14と第2蓋15とが間欠的に移動した場合、消臭器10が発する消臭成分の濃度は、不連続になる。この場合、消臭器10を通過した気体の香りは、急激に変化する。第1変形例において、消臭器10は、当該香りの急激な変化を抑制することができる。
【0114】
次に、図10図11とを用いて、消臭器10の第2変形例について説明する。
図10は実施の形態1における消臭装置の消臭器の第2変形例を表す図である。図11は実施の形態1における消臭装置の消臭器の第2変形例における消臭装置の芳香成分の合計の濃度が変化する様子を表す図である。
【0115】
図10に示されるように、第2変形例において、初期状態で開放される複数のセルのうちの1つは、消臭剤12を備えない。例えば、第2変形例において、初期状態から1か月経過後に塞がれるセルは、消臭剤12を備えない。例えば、第2変形例において、セルaは、消臭剤12を備えない。
【0116】
図11において、第2変形例の消臭装置1を通過した後の気体に含まれるトータルの香り強さと経過した時間との関係を表したグラフが示される。グラフの縦軸と横軸とは、変形例でない図8に示されるグラフの縦軸と横軸と同様である。かご内最適濃度の値は、変形例でない図8に示されるグラフのかご内最適濃度の値と同様である。
【0117】
図11のグラフにおいて、第2変形例の消臭器10が示す関係は、実線で描かれる。消臭器10のグラフのジグザグ形状は、使用中のセルが切り替わることを表す。初期状態から2か月以上かつ14か月未満の期間において、トータルの香り強さは、かご内最適濃度の値を示す。
【0118】
第2変形例において、初期状態のトータルの香り強さは、7である。
【0119】
以上で説明した実施の形態1の第2変形例において、初期状態で開放される複数のセルのうちの1つは、消臭剤12を備えない。このため、消臭器10を通過した気体において、トータルの香り強さは、初期状態とそれ以降の状態とで近い値にすることができる。初期状態において、トータルの香り強さを抑制することができる。
【0120】
なお、変形例でない消臭器10において、初期状態で通過した気体の消臭成分の濃度は、第2変形例における当該濃度よりも濃い。実施の形態1において、初期状態の消臭器10が放つ強度の高い香りは、利用者に不快感を与える可能性がある。第2変形例において、消臭器10は、初期状態の香りの強度を抑制することができる。
【0121】
次に、図12を用いて、消臭器10の第3変形例について説明する。
図12は実施の形態1における消臭装置の消臭器の第3変形例を表す図である。
【0122】
図12に示されるように、第3変形例において、複数のセル部11cのうち最後に開放されるセルは、消臭剤12´を備える。消臭剤12´は、消臭剤12と比べて包含する消臭成分が異なる。消臭剤12´は、消臭剤12と比べて香りが異なる。例えば、第3変形例において、セルpは、消臭剤12´を備える。
【0123】
以上で説明した実施の形態1の第2変形例において、複数のセル部11cのうち最後に開放されるセルは、消臭剤12とは異なる消臭成分を含む消臭剤12´を備える。このため、消臭器10は、異なる香りを用いて、図12には図示されない第1蓋14と図12には図示されない第2蓋15とが一周回転したことを報知することができる。例えば、保守員は、消臭剤の取替時期がきたことを知ることができる。
【0124】
次に、図13を用いて、消臭器10の第4変形例について説明する。
図13は実施の形態1における消臭装置の消臭器の第4変形例を表す図である。図13の(A)は、第4変形例における消臭器10の平面図である。図13の(B)は、図13の(A)のC-C´断面図である。
【0125】
図13に示されるように、第4変形例において、消臭器10は、複数の仕切面11bを備えない。第4変形例において、消臭器10は、複数のセル部11cを備えない。第4変形例において、消臭器10の高さ方向長さは、一対の容器開口部11aの径に対して十分小さい。例えば、第4変形例において、消臭器10の高さ方向長さは、一対の容器開口部11aの直径の10分の1の長さである。
【0126】
第1蓋開口部14aを通過した気体は、容器11の内部において、第1蓋開口部14aと第2蓋開口部15aとで挟まれた領域および当該領域の近傍を通過する。当該領域に存在しない消臭剤12は、容器の外の気体に接触しない。当該領域に存在しない消臭剤12は、消臭成分を付与する効果が低下しない。
【0127】
第1蓋14と第2蓋15とが回転した場合、消臭器10を通過する気体は、消臭成分を十分に含んだ消臭剤12を通過する。
【0128】
第4変形例において、例えば、第1蓋14と第2蓋15とは、間欠的に移動する。第4変形例において、例えば、第1蓋14と第2蓋15とは、連続的に移動してもよい。
【0129】
以上で説明した実施の形態1の第4変形例において、消臭器10は、複数の仕切面11bを備えない。第4変形例において、消臭器10の高さ方向長さは、一対の容器開口部11aの径に対して十分小さい。このため、第1蓋開口部14aを通過した気体は、容器11の内部において、第1蓋開口部14aと第2蓋開口部15aとで挟まれた領域および当該領域の近傍を通過する。消臭器10は、当該領域に存在しない消臭剤12の消臭効果が低下することを防ぐことができる。第4変形例において、消臭器10は、複数のセル部11cを備えない状態で、変形例でない消臭器10に近い効果を及ぼすことができる。
【0130】
実施の形態2.
図14は実施の形態2における消臭装置の消臭器を示す図である。図14の(A)は、消臭器の斜視図である。図14の(B)は、消臭器の上面図である。図14の(C)は、一対のシートが剥離される様子を表した図である。図14の(D)は、図14(B)のD-D´断面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0131】
実施の形態2において、使用中のセルの数は、時間の経過と共に増加する。
【0132】
図14に示されるように、消臭装置1は、格納箱2の内部に消臭器30を備える。
【0133】
消臭器30は、容器31と消臭剤12とメッシュ33と一対のシート34と剥離器35とを備える。
【0134】
例えば、容器31は、直方体形状を備える。容器31は、内部に空洞を備える。例えば、容器31は、一対の容器開口部31aと複数の仕切面31bと複数のセル部31cとを備える。
【0135】
一対の容器開口部11aの各々は、容器31の一対の向かい合う側面の各々に設けられる。例えば、一対の容器開口部31aの各々は、容器31において、一対の側面の各々の全体に相当する。
【0136】
複数の仕切面31bの各々は、容器31の内部に設けられる。複数の仕切面31bの各々は、一対の容器開口部31aの一方から他方にわたって設けられる。例えば、複数の仕切面31bの各々は、一対の容器開口部31aの各々に対して垂直に設けられる。例えば、一対の容器開口部31aの各々は、互いに平行に設けられる。複数の仕切面31bは、容器31の内部を分割する。例えば、複数の仕切面31bは、5枚設けられる。例えば、複数の仕切面31bは、容器31の内部を6等分する。
【0137】
複数のセル部31cの各々は、複数の仕切面31bによって分割された容器31の内部の各領域である。複数のセル部31cの各々は、一対の容器開口部31aを底面とする柱状の形状を備える。例えば、複数のセル部31cの各々の横断面は、長方形の形状である。例えば、複数のセル部31cは、容器31に6個設けられる。例えば、複数のセル部31cの各々は、並行に並ぶよう設けられる。
【0138】
例えば、消臭剤12は、実施の形態1と同じ消臭剤である。
【0139】
例えば、複数のメッシュ33は、網目構造を備える。複数のメッシュ33の各々は、複数のセル部31cの各々の両端に設けられる。複数のメッシュ33は、気体を通過させる。複数のメッシュ33の各々は、複数のセル部31cの各々から消臭剤12がこぼれ出ることを妨げる。
【0140】
例えば、一対のシート34の各々は、長方形の形状を備える。一対のシート34の各々は、接着剤34aを備える。一対のシート34の各々は、接着剤34aを介して、一対の容器開口部31aの各々に剥離自在に接着される。一対のシート34の各々は、一対のシート34に塞がれた複数のセル部31cを、容器31の外側の気体から隔離する。
【0141】
例えば、剥離器35は、容器31の側方に設けられる。例えば、剥離器35は、一対のシート34の各々の一端に接続される。例えば、剥離器35は、一対のシート34の各々の一端を引っ張る。剥離器35は、一対のシート34の各々を容器31から剥離させる。剥離器35は、一対のシート34の各々の剥離位置を制御する。
【0142】
消臭器30は、一対のシート34の各々を剥離することで、使用中のセルの数を増加させる。消臭器30は、一定期間ごとに使用中のセルの数を増加させる。
【0143】
以上で説明した実施の形態2によれば、容器31は、直方体の形状を備える。複数のセル部31cの各々は、並行に並ぶように設けられる。このため、容器31は、狭い設置場所にも設けられることができる。
【0144】
また、消臭装置1は、一対のシート34を備える。一対のシート34の各々は、一対の容器開口部31aの各々に剥離自在に接着される。このため、消臭器30は、一定期間ごとに新しい消臭剤12を使用することができる。その結果、消臭装置1は、消臭効果を長期間持続させることができる。
【0145】
なお、消臭器30が発生させる香りの強度や質の変化において、実施の形態1に示されるように、揮発性の高い消臭成分が与える影響は、揮発性の低い成分が与える影響よりも大きい。このため、新しい消臭剤12を使用する場合、消臭器30は、使用時間の長いセルを密閉することなく、消臭効果を一定に保つことができる。
【0146】
なお、容器31の形状は、長方形に限らない。例えば、容器31は、実施の形態1の容器11と同じ形状である。この場合、一対のシート34の各々は、円形である。例えば、一対のシート34は、放射状の切込みを備える。一対のシート34の各々は、一定期間ごとに、複数のセル部11cのうちの1つの領域が、当該切込みに沿って剥離される。
【0147】
なお、消臭器30は、一定期間ごとに一対のシート34の各々を剥離することができれば、剥離器35を備えなくてもよい。例えば、消臭器30は、剥離器35を備えない。例えば、保守員は、一定期間ごとに一対のシート34の各々を剥離する作業を行う。
【0148】
なお、使用中のセルが時間の経過と共に増加するならば、消臭器30は、一対のシート34を備えなくてもよい。例えば、消臭器30は、変形例でない図14には図示されない容器11を容器31の代わりに備える。例えば、図14には図示されない第1蓋14と図14には図示されない第2蓋15とは、扇子状の構造を備える。例えば、第1蓋14は、時間の経過と共に図14には図示されない第1蓋開口部14aを広げる。例えば、第2蓋15は、時間の経過と共に図14には図示されない第2蓋開口部15aを広げる。
【0149】
実施の形態3.
図15は実施の形態3における消臭装置を示す図である。図16は実施の形態3における消臭装置の駆動機を示す図である。なお、実施の形態1または実施の形態2の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0150】
図15に示されるように、実施の形態3において、消臭装置1は、駆動機40を備える。
【0151】
駆動機40は、プロペラ41を備える。
【0152】
プロペラ41は、プロペラファン41aを備える。例えば、プロペラ41は、回転自在に格納箱2の上方に設けられる。例えば、プロペラ41は、一対の箱蓋2aの一方の上方に設けられる。
【0153】
プロペラファン41aの一部は、昇降路100とかご101との間の空間の直上に位置する。例えば、当該空間の幅は、1メートルである。
【0154】
プロペラ41は、かご101が上昇または下降する場合に、かご101近傍に発生する気流を用いて回転する。当該気流は、かご101が昇降路100に対して相対移動するとき、かご101から観測される。当該気流は、かご101が上昇する場合、かご101に対する下降気流である。当該気流は、かご101が下降する場合、かご101に対する上昇気流である。
【0155】
プロペラ41は、プロペラファン41aにおいて当該気流を受けることで、回転する。例えば、プロペラ41は、かご101が上昇する場合、順方向に回転する。例えば、プロペラ41は、かご101が下降する場合、逆方向に回転する。
【0156】
図16に示されるように、駆動機40は、プロペラ41と第1歯車42と第2歯車43とガンギ車44とアンクル45とツメ46と一対のストッパー47とを備える。例えば、駆動機40は、格納箱2に接続される。駆動機40は、蓋軸16を回転させる。
【0157】
例えば、第1歯車42は、はすば歯車である。第1歯車42は、プロペラ41の軸に接続される。第1歯車42は、プロペラ41の回転に同期して回転する。
【0158】
例えば、第2歯車43は、はすば歯車である。第2歯車43の歯は、第1歯車42の歯に対応する。第2歯車43は、第1歯車42に噛み合うよう回転自在に設けられる。例えば、第2歯車43は、第1歯車42と共にねじ歯車を形成する。例えば、第2歯車43の回転軸は、蓋軸16に平行である。
【0159】
ガンギ車44は、円盤の形状を備える。ガンギ車44は、外周面に複数の突起体44aを備える。ガンギ車44は、蓋軸16に接続される。ガンギ車44の中心軸は、蓋軸16と同軸である。例えば、ガンギ車44は、蓋軸16の回転に同期して回転する。
【0160】
アンクル45の一端は、二股の形状を備える。アンクル45は、一端において一対の入り爪45aを備える。アンクル45は、二股の付け根の位置において、軸45bに回転自在に接続される。アンクル45の他端は、第2歯車43の回転軸に接続される。アンクル45は、二股の間にガンギ車44が位置するよう設けられる。アンクル45は、一対の入り爪45aが複数の突起体44aに接触し得る位置に設けられる。
【0161】
アンクル45は、軸45bを中心に回転自在に設けられる。アンクル45は、第2歯車43から回転駆動力を与えられる。例えば、第2歯車43が順方向に回転した場合、アンクル45の一端は、一方向に移動する。アンクル45の一端が一方向に移動した場合、アンクル45の他端は、他方向に移動する。例えば、第2歯車43が逆方向に回転した場合、アンクル45の一端は、他方向に移動する。アンクル45の一端が他方向に移動した場合、アンクル45の他端は、一方向に移動する。
【0162】
一対の入り爪45aは、複数の突起体44aに対して、一方向からのみ外力を与える。一対の入り爪45aが他方向から複数の突起体44aのうちの1つに接触する場合、一対の入り爪45aは、当該突起体44aの位置を動かさない。一対の入り爪45aは、突起体44aの位置を動かすことなく、他方向へ移動する。
【0163】
例えば、ツメ46は、棒状の形状を備える。ツメ46の一端は、第2歯車43の中心に接続される。ツメ46は、一端を中心として振り子状に運動する。ツメ46は、第2歯車43の回転に同期して運動する。
【0164】
一対のストッパー47の一方は、ツメ46の一側方に設けられる。一対のストッパー47の一方は、ツメ46の他側方に設けられる。一対のストッパー47の各々は、ツメ46の運動に干渉し得るよう設けられる。一対のストッパー47の各々は、ツメ46が運動できる幅を規定する。例えば、一対のストッパー47の一方は、ツメ46が一側方に移動した場合、衝突することでツメ46の運動を停止させる。
【0165】
駆動機40は、かご101の昇降運動によって生じる気流を用いて、蓋軸16を回転させる。駆動機40は、蓋軸16を介して、第1蓋14と第2蓋15とを移動させる。駆動機40は、第1蓋14および第2蓋15と容器11との相対位置を変化させる。
【0166】
例えば、駆動機40は、かご101が上昇する場合、蓋軸16を時計回りに回転させる。例えば、駆動機40は、かご101が下降する場合、蓋軸16を回転させない。
【0167】
例えば、かご101が上昇する場合、プロペラ41は、下降気流を受ける。プロペラ41は、下降気流を受ける場合、順方向に回転する。第1歯車42は、プロペラ41に同期して、順方向に回転する。第2歯車43は、第1歯車42に同期して順方向に回転する。アンクル45は、第2歯車43に回転駆動力を与えられる。アンクル45の一端は、一方向へ移動する。一対の入り爪45aは、複数の突起体44aのうちの1つに対して、一方向から外力を与える。ガンギ車44は、順方向に回転する。蓋軸16は、ガンギ車44の回転に同期して、時計回りに回転する。
【0168】
例えば、かご101が下降する場合、蓋軸16は回転しない。かご101が下降する場合、アンクル45の一端は、他方向に移動する。一対の入り爪45aは、多方向から複数の突起体44aのうちの1つに接触する。一対の入り爪45aは、突起体44aの位置を動かすことなく、他方向へ移動する。
【0169】
以上で説明した実施の形態3によれば、駆動機40は、プロペラ41を備える。プロペラ41は、エレベーターのかご101の上方に設けられる。プロペラ41は、駆動機40に回転自在に設けられる。プロペラ41は、かご101が上昇または下降運動を行うときにかご101周辺に発生する気流によって回転する。駆動機40は、当該回転の駆動力を用いて、容器11と第1蓋14との相対位置を変化させる。このため、消臭装置1は、電力設備を備えることなく消臭器10の第1蓋14と第2蓋15とを回転させることができる。
【0170】
なお、一対の入り爪45aは、複数の突起体44aに対して、他方向からのみ外力を与えるよう設けられてもよい。
【0171】
以上のように、本開示に係る消臭装置は、エレベーターの消臭装置に利用できる。
【符号の説明】
【0172】
1 消臭装置、 2 格納箱、 2a 箱蓋、 2b 制御器、 3 ファン、 3a 羽、 3b 吸込口、 3c 吹出口、 10 消臭器、 11 容器、 11a 容器開口部、 11b 仕切面、 11c セル部、 12,12a~12p,12´ 消臭剤、 13 メッシュ、 14 第1蓋、 14a 第1蓋開口部、 15 第2蓋、 15a 第2蓋開口部、 16 蓋軸、 20 駆動機、 21 モータ、 22 ベルト、 23 蓋制御器、 30 消臭器、 31 容器、 31a 容器開口部、 31b 仕切面、 31c セル部、 33 メッシュ、 34 シート、 34a 接着剤、 35 剥離器、 40 駆動機、 41 プロペラ、 41a プロペラファン、 42 第1歯車、 43 第2歯車、 44 ガンギ車、 44a 突起体、 45 アンクル、 45a 入り爪、 45b 軸、 46 ツメ、 47 ストッパー、 50 消臭器、 100 昇降路、 101 かご、 a~p,z セル、 α 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16