IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディーの特許一覧

特許7423579指向性光電伝送路を有するキャビティ基板およびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】指向性光電伝送路を有するキャビティ基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240122BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20240122BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240122BHJP
   H05K 3/42 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H01L31/02 B
H01L33/62
H05K3/46 B
H05K3/42 620B
H05K3/46 N
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021134820
(22)【出願日】2021-08-20
(65)【公開番号】P2022042484
(43)【公開日】2022-03-14
【審査請求日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】202010912209.0
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【弁理士】
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】チェン ケンメイ
(72)【発明者】
【氏名】フェン レイ
(72)【発明者】
【氏名】フアン ベンキア
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ウェンシ
(72)【発明者】
【氏名】リアン リナ
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/001681(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0126456(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0177319(US,A1)
【文献】特開2006-156885(JP,A)
【文献】特表2013-509699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H01L 31/02
H01L 33/62
H05K 3/42
G02B 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)絶縁層、厚さ方向に前記絶縁層を貫通するスルーホール柱および前記絶縁層に囲まれたキャビティを含む支持枠を用意するステップと、
(b)前記支持枠の第1の面に接着層を施すとともに、前記キャビティ内で露出した接着層に、底部のエッチングレジスト金属に被覆される電極を含む活性金属ブロックを貼り合わせるステップと、
(c)前記支持枠の第2の面に第2の媒体層をラミネートし、前記キャビティの空隙を充填するステップと、
(d)前記接着層を除去するステップと、
(e)前記電極を第1の線路層に接続するように、前記支持枠の第1の面に前記第1の線路層を形成するステップと、
(f)前記第1の線路層に第1の媒体層をラミネートするステップと、
(g)前記第1の媒体層と前記第2の媒体層の外面に第2の線路層を形成するステップと、
(h)前記活性金属ブロックを露出させるように、前記キャビティにおける媒体を除去するステップと、
(i)前記活性金属ブロックおよび前記電極を被覆するエッチングレジスト金属をエッチングするステップと、
(j)前記支持枠のダイシングストリートに沿って切断して、指向性光電伝送路を有するキャビティ基板を取得するステップとを、含む、
指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項2】
ステップ(b)における前記接着層は、テープを含む、
請求項1に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項3】
ステップ(b)における前記活性金属ブロックは、銅ブロックまたはアルミブロックである、
請求項1に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項4】
前記電極を被覆する前記エッチングレジスト金属は、ニッケルまたはチタンから選ばれる少なくとも1種である
請求項1に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項5】
前記第1の媒体層と前記第2の媒体層は、熱硬化性媒体材料を含む、
請求項1に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項6】
前記第1の媒体層と前記第2の媒体層は、強化材としてガラス繊維を含む熱硬化性媒体材料を含む、
請求項5に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項7】
ステップ(e)は、下記のサブステップを含み、
(e1)前記支持枠の第1の面に第1の金属シード層をスパッタリングするステップと、
(e2)前記第1の金属シード層の表面に第1のフォトレジスト層の貼付けを施すステップと、
(e3)線路パターンを形成するように前記第1のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
(e4)前記電極を前記第1の線路層に接続するように、前記線路パターン内に銅を堆積して第1の線路層を形成するステップと、
(e5)前記第1の線路層に第2のフォトレジスト層を施すステップと、
(e6)第1の導通孔を形成するように前記第2のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
(e7)前記導通孔内に銅を堆積して第1の導通柱を形成するステップと、
(e8)前記第1のフォトレジスト層と前記第2のフォトレジスト層を除去するとともに、前記第1の金属シード層をエッチングするステップと、を含む、
請求項1に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項8】
電気めっきにより銅を堆積する
請求項7に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項9】
ステップ(f)は、前記第1の線路層と前記第1の導通柱に第1の媒体層をラミネートし、研磨板やプラズマエッチングで前記第1の導通柱の端部を露出させるように前記第1の媒体層を薄くし平坦化することを含む、
請求項7に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項10】
ステップ(g)は、下記のサブステップを含み、
前記第2の媒体層内に第2の導通孔を形成するステップと、
前記第1の媒体層と前記第2の媒体層に第2の金属シード層をスパッタリングするステップと、
前記第2の金属シード層に銅を電気めっきして銅層を形成するステップと、
前記銅層に第3のフォトレジスト層を施すステップと、
線路パターンを形成するように前記第3のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
第2の線路層を形成するように前記銅層と前記第2の金属シード層をエッチングするステップと、
前記第3のフォトレジスト層を除去するステップと、を含む
請求項1に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項11】
ステップ(h)は、前記活性金属ブロックを露出させるように、レーザ工程で前記キャビティを開くとともに前記キャビティにおける媒体を除去することを含む、
請求項1に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項12】
ステップ(i)は、レーザで開かれた開口を介して前記キャビティにエッチング液を導入して、前記活性金属ブロックおよび前記電極を被覆するエッチングレジスト金属をエッチングすることを含む、
請求項11に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【請求項13】
切断後に前記基板の側辺にキャビティ開口が形成されるように、前記ダイシングストリートは、前記キャビティの中心線を含む、
請求項1に記載の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスのパッケージ構造に関するものであり、具体的には、指向性光電伝送路を有するキャビティ基板およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ技術はますます普及しており、光電変換モジュールはすでに広く応用されている。現在の光電変換モジュールは主に、受光光学サブモジュール、発光光学サブモジュール、光インタフェース、内部回路基板、熱伝導フレーム、ケースなどの部分から組み立てられている。光送受信機の送信側では、レーザダイオード及びかかる回路を使用して、最終的に出力信号経路(光ファイバ、導波路など)に結合された(データを代表する)変調光信号が生成され、受光光学サブモジュールは、受信側PCBに受光素子を実装し、受光素子は、一般的に光検出器(APD管やPIN管)、プリアンプ、サーミスタなどの要素部品から1つの金属管のケース内部に集積され、フォトダイオードまたは類似した装置内で1つまたは複数の入力光信号を光信号から電気信号に変換する。この電気信号は非常に微弱であることを考慮すると、受信した信号からデータ情報を復元しようとする前に、通常、増幅装置(例えば、トランスインピーダンスアンプ)を用いて信号強度を補強する。
【0003】
光送受信モジュールに対する需要が増加し続けるため、個別ユニットの組立方法が問題となっているため、モジュールの完全性(要求される素子間の精確な光アライメントを含むもの)を維持しながら、構造プロセスの効率を向上させることができる光送受信機の組立の異なる方法に対する需要が依然として存在する。
光電送受信一体モジュール構造を完成するためには、従来の製造工程は一段一段を組立て終る必要があり、全体的な工程が多く、生産効率が比較的に低く、しかも組立式光電送受信一体モジュール構造の外力に対する耐性が比較的に悪く、組立式光電送受信一体モジュール構造の密閉性も十分ではなく、水蒸気の侵食を受けやすい。
【0004】
CN107422429Bには、特殊な金属ケース部材を介してシステムインパッケージ(SIP)工程に合わせて、光電変換モジュールの送信モジュールと受信モジュール及び光電変換モジュールの制御回路を1つのシステムインパッケージに集積する光電送受信機能一体のシステムインパッケージ構造およびその製造方法が開示されている。しかしながら、この構造は、光電変換デバイスと受動デバイスを基板表面に貼り合わせるだけであり、パッケージ面積と体積が大きく、小型化の要求を満たすことができない。また、信号間の干渉を防止するために、発光素子と受光素子とをパッケージ過程で金属バリア壁で分ける必要があるということで、製造ステップが増加し、パッケージ体積が増加してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】CN107422429B公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施の形態は、上記の技術的課題を解決するために、指向性光電伝送路を有するキャビティ基板およびその製造方法を提供することに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、パッケージ基板内に光通信デバイスを実装するキャビティを設けることで、光通信デバイスの表面貼り合わせの課題を解決し、パッケージ後の体積は従来の技術よりも著しく低減し、受光素子と発光素子との位置が離れ、光信号の干渉を避け、信号のノイズを低減し、金属バリア壁を取り付ける必要がなく、工程ステップを低減し、製造コストを低減する。
【0008】
本発明の第1の態様は、指向性光電伝送路を有するキャビティ基板に関するものであり、支持枠、前記支持枠の第1の面に位置する第1の媒体層および前記支持枠の第2の面に位置する第2の媒体層を含み、前記支持枠と前記第1の媒体層および前記第2の媒体層が前記基板の長手方向の一方側に開口を有する閉塞キャビティを構成しており、前記第1の媒体層の前記キャビティに向かう内面に第1の線路層が設けられており、前記第1の線路層に光通信デバイスを接続する少なくとも一つの電極が設けられており、前記電極が前記第1の線路層と電気的に導通され、前記第1の媒体層と前記第2の媒体層の外面に第2の線路層が設けられており、前記第1の線路層と前記第2の線路層とはスルーホール柱を介して連通する。
【0009】
ある実施の形態において、前記光通信デバイスは発光素子または受光素子を含むことによって、前記キャビティの開放側が光通信デバイスの指向性光電伝送路を形成する。
【0010】
ある実施の形態において、前記キャビティ内に光通信デバイスが置かれるときに、前記電極が前記光通信デバイスの端子に接続され、前記光通信デバイスの光通信作用面が前記キャビティの開放側に向かっている。
【0011】
ある実施の形態において、前記支持枠は、絶縁層を含み、好ましくは、前記絶縁層は、ポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイミド/トリアジン樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリアクリル酸エステル、プリプレグ、膜状有機樹脂またはそれらの組合せを含む。
【0012】
ある実施の形態において、前記第1の媒体層と前記第2の媒体層は熱硬化性媒体材料を含み、好ましくは、前記第1の媒体層と前記第2の媒体層は、強化材としてガラス繊維を含む熱硬化性媒体材料を含む。第1の媒体層と第2の媒体層との材料は同一でもよく、異なってもよい。
【0013】
本発明の他の態様において、指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の製造方法が提案されており、
(a)絶縁層、厚さ方向に前記絶縁層を貫通するスルーホール柱および前記絶縁層に囲まれたキャビティを含む支持枠を用意するステップと、
(b)前記支持枠の第1の面に接着層を施すとともに、前記キャビティ内で露出した接着層に、底部のエッチングレジスト金属に被覆される電極を含む活性金属ブロックを貼り合わせるステップと、
(c)前記支持枠の第2の面に第2の媒体層をラミネートし、前記キャビティの空隙を充填するステップと、
(d)前記接着層を除去するステップと、
(e)前記電極を前記第1の線路層に接続するように、前記支持枠の第1の面に第1の線路層を形成するステップと、
(f)前記第1の線路層に第1の媒体層をラミネートするステップと、
(g)前記第1の媒体層と前記第2の媒体層の外面に第2の線路層を形成するステップと、
(h)前記活性金属ブロックを露出させるように、前記キャビティにおける媒体を除去するステップと、
(i)前記活性金属ブロックおよび前記電極を被覆するエッチングレジスト金属をエッチングするステップと、
(j)前記支持枠のダイシングストリートに沿って切断して、指向性光電伝送路を有するキャビティ基板を取得するステップと、を含む。
【0014】
好ましくは、ステップ(b)における前記接着層は、テープを含む。好ましくは、ステップ(b)における前記活性金属ブロックは、銅ブロックまたはアルミブロックである。好ましくは、前記電極を被覆する前記エッチングレジスト金属は、ニッケルまたはチタンから選ばれる少なくとも1種である。
【0015】
ある実施の形態において、前記第1の媒体層と前記第2の媒体層は熱硬化性媒体材料を含み、好ましくは、前記第1の媒体層と前記第2の媒体層は、強化材としてガラス繊維を含む熱硬化性媒体材料を含む。
【0016】
ある実施の形態において、ステップ(e)は、下記のサブステップを含み、
(e1)前記支持枠の第1の面に第1の金属シード層をスパッタリングするステップと、
(e2)前記第1の金属シード層の表面に第1のフォトレジスト層の貼付けを施すステップと、
(e3)線路パターンを形成するように前記第1のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
(e4)前記電極を前記第1の線路層に接続するように、前記線路パターン内に銅を堆積して第1の線路層を形成するステップと、
(e5)前記第1の線路層に第2のフォトレジスト層を施すステップと、
(e6)第1の導通孔を形成するように前記第2のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
(e7)前記導通孔内に銅を堆積して第1の導通柱を形成するステップと、
(e8)前記第1のフォトレジスト層と前記第2のフォトレジスト層を除去するとともに、前記第1の金属シード層をエッチングするステップと、を含む。
【0017】
好ましくは、電気めっきにより銅を堆積する。
【0018】
ある実施の形態において、ステップ(f)は、前記第1の線路層と前記第1の導通柱に第1の媒体層をラミネートし、研磨板やプラズマエッチングで前記第1の導通柱の端部を露出させるように前記第1の媒体層を薄くし平坦化することを含む。
【0019】
ある実施の形態において、ステップ(g)は、下記のサブステップを含み、
前記第2の媒体層内に第2の導通孔を形成するステップと、
前記第1の媒体層と前記第2の媒体層に第2の金属シード層をスパッタリングするステップと、
前記第2の金属シード層に銅を電気めっきして銅層を形成するステップと、
前記銅層に第3のフォトレジスト層を施すステップと、
線路パターンを形成するように前記第3のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
第2の線路層を形成するように前記銅層と前記第2の金属シード層をエッチングするステップと、
前記第3のフォトレジスト層を除去するステップと、を含む。
【0020】
好ましくは、前記第2の媒体層内でレーザ穴開けで第2の導通孔を形成する。好ましくは、ステップ(h)は、前記活性金属ブロックを露出させるように、レーザ工程で前記キャビティを開くとともに前記キャビティにおける媒体を除去することを含む。好ましくは、ステップ(i)は、レーザで開かれた開口を介して前記キャビティにエッチング液を導入して、前記活性金属ブロックおよび前記電極を被覆するエッチングレジスト金属をエッチングすることを含む。好ましくは、切断後に基板の側辺にキャビティ開口が形成されるように、前記ダイシングストリートは、前記キャビティの中心線を含む。好ましくは、キャビティ基板ユニットを形成した後で、前記キャビティ内に光通信デバイスを実装すること、および/または前記第2の線路層で光通信デバイスの表面貼り合わせを行うことを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明をよく理解し、本発明の実施の形態を示すために、以下、単に例を挙げて図面を参照する。
【0022】
具体的に図面を参照して、強調しなければならないのは、特定の図面が単なる例示であり、本発明の好ましい実施の形態を模式的に検討する目的であり、かつ、本発明の原理と概念を説明するには、最も役に立つとともに、最も理解しやすい図面と思われるという理由で図面を提供するものである。これについては、本発明の構造の詳細を、本発明の基本的な理解に必要な詳細レベルを超えて図示しようとはしなかった。図面の簡単な説明を参照して、当業者が本発明のいくつかの形態をどのように実際に実施するかを意識する。図面において、以下を説明する。
【0023】
図1】本発明に係る一実施の形態に基づく指向性光電伝送路を有するキャビティ基板の断面模式図である。
図2-1】図2(a)~2(k)は、図1に示すキャビティ基板の製造方法による各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
図2-2】同上
図2-3】同上
図2-4】同上
図2-5】同上
【符号の説明】
【0024】
100:キャビティ基板
100:キャビティ基板ユニット
100:キャビティ基板?元
101:支持枠
1011:スルーホール柱
1012:絶縁層
1013:ダイシングストリート
102:第1の媒体層
1021:第1の線路層
1022:第2の線路層
1023:第1の導通柱
1023:導通柱
103:第2の媒体層
104:キャビティ
104:閉塞キャビティ
105:電極
106:第1のソルダーレジスト層
107:第2のソルダーレジスト層
110:接着層
111:活性金属ブロック
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照し、指向性光電伝送路を有するキャビティ基板100の断面模式図を示す。キャビティ基板100は、支持枠101、支持枠101の下面に位置する第1の媒体層102および支持枠101の上面に位置する第2の媒体層103を含む。支持枠101と第1の媒体層102および第2の媒体層103が基板100の長手方向の一方側に開口を有する閉塞キャビティ104を構成しており、第1の媒体層102のキャビティ104に向かう内面に第1の線路層1021が設けられており、第1の線路層1021に光通信デバイスを接続する少なくとも一つの電極105が設けられており、電極105が第1の線路層1021と電気的導通される。第1の媒体層102と第2の媒体層103の外面に第2の線路層1022が設けられており、第1の線路層1021と第2の線路層1022とはスルーホール柱1011を介して連通する。支持枠101内にIOチャネルとして複数のスルーホール柱1011が設けられてもよく、それらのサイズは同一でもよく、異なってもよい。スルーホール柱1011は、通常、銅スルーホール柱である。
【0026】
キャビティ104は、基本的に支持枠101、第1の媒体層102および第2の媒体層103によって閉塞され、長手方向の一方側のみで開放され、即ち、開放側がキャビティ基板100の側辺に位置する。キャビティ104の開放側が光通信デバイスの指向性光電伝送路を形成するように、キャビティ104内に光通信デバイスを設けることができる。
【0027】
キャビティ104内に光通信デバイスを実装するときに、キャビティ104内に設けられた電極105が光通信デバイスの端子に接続するとともに、光通信デバイスの光通信作用面がキャビティ104の開放側に向かっている。前記光通信デバイスは発光素子または受光素子を含み、その実装形態について実際の必要に応じて変更することができる。例えば、受光素子をキャビティ104内に置くが、発光素子をキャビティ基板100の表面に貼り合わせることができる。このようにすると、パッケージ後の体積を著しく低減することができるだけでなく、これにより、受光素子と発光素子とを分けて配置し、それぞれの光路がそれぞれ基板の長手方向と厚さ方向にあるため、金属バリア壁を取り付けることなく、光信号の干渉を避け、信号のノイズを低減することができながら、工程ステップを低減し、製造コストを低減することができる。
【0028】
支持枠101は、絶縁層と絶縁層を貫通する金属スルーホール柱を含む。好ましくは、絶縁層は、ポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイミド/トリアジン樹脂(BT)、ポリフェニレンオキシド、ポリアクリル酸エステル、プリプレグ(PP)、膜状有機樹脂(ABF)または例えばPPとABFの組合せのようなそれらの組合せを含んでもよい。
【0029】
第1の媒体層102と第2の媒体層103は熱硬化性媒体材料または感光性樹脂材料を含んでもよく、キャビティ基板100の強度を確保するために、強化材としてガラス繊維を含む熱硬化性媒体材料が好ましい。第1の媒体層102と第2の媒体層103は同一の材料を含んでもよく、異なる材料を含んでもよい。
【0030】
図1に示すように、第1の媒体層102と第2の媒体層の外に第1のソルダーレジスト層106と第2のソルダーレジスト層107をさらに形成してもよい。第1の媒体層102に第2の線路層1022と第1の線路層1021を連通する導通柱1023をさらに形成してもよい。
【0031】
図2(a)~2(i)を参照し、図1の指向性光電伝送路を有するキャビティ基板100の製造方法による各ステップの中間構造の断面模式図を示す。
【0032】
指向性光電伝送路を有するキャビティ基板100の製造方法は、図2(a)に示すように、支持枠101を用意するステップ(a)を含む。支持枠101は、絶縁層1012、絶縁層を貫通するスルーホール柱1011および絶縁層に位置するキャビティ104を含み、キャビティ104の中央にダイシングストリート1013が設けれている。
【0033】
通常、支持枠101の製造方法は、下記のサブステップを含み、
犠牲キャリアを取得するステップと、
犠牲キャリアに銅シード層を施すステップと、
銅シード層にレジスト層を施すステップと、
レジスト層に別の銅シード層を施すステップと、
フォトレジスト層を施すステップと、
銅スルーホールパターンを有するようにフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
パターンに銅をめっきしてスルーホール柱1011を形成するステップと、
フォトレジスト層を剥離するステップと、
ポリマー誘電体で直立した銅柱(および任意に選択された銅スルーホール)をラミネートして絶縁層1012を形成するステップと、
銅柱(および銅スルーホール)の端部を露出させるように薄くし平坦化するステップと、
レジスト材料を施すステップと、
キャリアと銅柱を除去するステップと、
バリア層を除去するステップと、
キャビティ104を形成するようにエッチング保護層を除去するステップと、を含む。
【0034】
次に、ステップ(b)において、図2(b)に示すように、支持枠101の下面に接着層110を施すとともに、暴露した接着層110に活性金属ブロック111を貼り合わせる。活性金属ブロック111の底面にエッチングレジスト金属に被覆される電極105が配置される。接着層は、テープでもよく、通常、テープは、市販の熱分解可能または紫外線照射で分解可能な透明膜である。活性金属ブロック111をキャビティ104内に設けるとともに露出した接着層110に貼り合わせる。活性金属ブロック111は、腐食液によって極めて腐食されやすい金属であり、通常、銅ブロックまたはアルミブロックである。電極105は、金属銅からなり、その表面の通常に被覆されるエッチングレジスト金属がニッケルまたはチタンの少なくとも1種であり、通常、エッチングレジスト金属は、活性金属ブロック111を腐食する腐食液と異なる特定のエッチング液で除去する必要がある。
【0035】
その後、ステップ(c)において、図2(c)に示すように、キャビティ104の空隙が媒体に充填されるように、支持枠101の上面に第2の媒体層103をラミネートする。活性金属ブロック111が固定された後で、キャビティ104を充填させるように支持枠101の上面に第2の媒体層103をラミネートすることによって、活性金属ブロック111をさらに固定する。通常、第2の媒体層材料は、熱硬化性媒体材料であり、強固な第2の媒体層103を形成して、キャビティ基板100の強度を確保するために、強化材としてガラス繊維を含む熱硬化性媒体材料が好ましい。
【0036】
次に、ステップ(d)において、図2(d)に示すように、接着層110を除去する。直接剥離することまたは加熱や光照射で接着層110を除去することができる。
【0037】
その後、ステップ(e)において、図2(e)に示すように、支持枠101の下面に第1の線路層1021を形成し、電極105を第1の線路層1021に接続してから、第1の線路層1021で導通柱1023を作製する。通常、下記のサブステップを含み、
(e1)支持枠101の下面に第1の金属シード層をスパッタリングするステップと、
(e2)第1の金属シード層に第1のフォトレジスト層を施すステップと、
(e3)線路パターンを形成するように第1のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
(e4)電極105を第1の線路層1021に接続するように、前記線路パターン内に銅を堆積して第1の線路層1021を形成するステップと、
(e5)第1の線路層1021に第2のフォトレジスト層を施すステップと、
(e6)第1の導通孔を形成するように第2のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
(e7)第1の導通孔内に銅を堆積して第1の導通柱1023を形成するステップと、
(e8)第1のフォトレジスト層と第2のフォトレジスト層を除去するとともに、第1の金属シード層をエッチングするステップと、を含む。
【0038】
通常、銅、チタンなどの金属を支持枠101の下面にスパッタリングすることによって第1の金属シード層を形成することができる。第1および第2のフォトレジスト層は、感光性ドライフィルムでもよい。電極105を第1の線路層1021に接続するように、金属銅を電気めっきすることで線路パターン内に銅を堆積して第1の線路層1021を形成することができる。光通信デバイスの端子は電極105で第1の線路層1021に接続するとともにスルーホール柱1011を介してファンアウトすることができる。機械穴開け、フォトリソグラフィ穴開け、またはレーザ穴開けの方式で第2のフォトレジスト層に第1の導通孔を形成することができ、その後、金属銅を電気めっきすることで第1の導通孔内に銅を堆積して第1の導通柱1023を形成し、第1の導通柱1023は、中実の銅柱でもよく、エッジの銅めっきされた中空の銅柱でもよい。
【0039】
次に、ステップ(f)において、図2(f)に示すように、第1の線路層1021と第1の導通柱1023に第1の媒体層102をラミネートする。その後、研磨板やプラズマエッチングで第1の導通柱1023の端部を露出させるように第1の媒体層102を薄くし平坦化することができる。通常、第1の媒体層102は熱硬化性媒体材料を含み、強固な第1の媒体層102を形成することによって、キャビティ基板100の強度を確保するために、強化材としてガラス繊維を含む熱硬化性媒体材料が好ましい。
【0040】
その後、ステップ(g)において、図2(g)に示すように、第1の媒体層102と第2の媒体層103の外面に第2の線路層1022を形成する。通常、下記のサブステップを含み、
第2の媒体層103内に穴開けて第2の導通孔を形成するステップと、
第1の媒体層102と第2の媒体層103に第2の金属シード層をスパッタリングするステップと、
第2の金属シード層に銅を電気めっきして銅層を形成するステップと、
銅層に第3のフォトレジスト層を施すステップと、
線路パターンを形成するように第3のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
銅層と第2の金属シード層をエッチングして第2の線路層1022を形成するステップと、
第3のフォトレジスト層を除去するステップと、を含む。
【0041】
通常、機械穴開け、フォトリソグラフィ穴開け、またはレーザ穴開けの方式で第2の媒体層103内に第2の導通孔を開設することができ、銅、チタンなどの金属をスパッタリングすることで第2の金属シード層を形成する。スルーホール柱1011を介して第1の線路層1021と第2の線路層1022を連通する。
【0042】
その後、ステップ(h)において、図2(h)に示すように、それぞれ基板100の上下面における第2の線路層1022に第1のソルダーレジスト層106と第2のソルダーレジスト層107を形成する。第1のソルダーレジスト層106と第2のソルダーレジスト層107を形成した後で、第2の線路層1022の露出した金属面にパッドを形成し、パッドに対して、例えばグリーンオイルなどを塗布するという金属表面処理を行うことができる。
【0043】
次に、ステップ(i)において、図2(i)に示すように、活性金属ブロック111を露出させるようにキャビティ104内の媒体を除去し、活性金属ブロック111および電極105を被覆するエッチングレジスト金属をエッチングする。通常、活性金属ブロック111を露出させるように、レーザ工程でキャビティ104内の媒体をアブレーション除去することができる。レーザ工程で形成された開口を介して腐食液をキャビティ104に導入して活性金属ブロック111を腐食してから、特定エッチング液を導入して電極105を被覆するエッチングレジスト金属を除去することによって、電極105を露出させることができる。
【0044】
最後に、ステップ(j)において、図2(j)に示すように、キャビティ104のダイシングストリート1013に沿って切断し指向性光電伝送路を有するキャビティ基板100ユニットを取得する。ダイシングには回転鋸刃やレーザなどの他の切断技術を用いてダイシングストリート1013に沿って切断し、キャビティ基板?元100を取得することができる。
【0045】
図2(k)は、切断後に取得した一つのキャビティ基板ユニット100を示す。
【0046】
キャビティ基板ユニット100の実際の適用において、キャビティ104内に光通信デバイスを実装して、光通信デバイスの端子を電極105に接続し、第1の線路層1021とスルーホール柱1011および第1の導通柱1023を介してファンアウトして第2の線路層1022に接続されることができる。キャビティ基板100が異なる光路方向を有する光通信デバイスとなるように、第2の線路層1022に光通信デバイスの表面貼り合わせをさらに行うことができる。複数の光通信デバイスが実装されたキャビティ基板100を組み合わせて使用することによって、光路の結合された発光線路と受光線路を形成することができる。従って、光通信デバイスは全面的に貼り合わせる必要がないため、パッケージ体の体積を著しく低減することができ、これにより、受光素子と発光素子を分けて配置することで、それぞれの光路が基板の長手方向と厚さ方向にそれぞれ配置され、光信号の干渉を避け、信号のノイズを低減することができるため、金属バリア壁を取り付ける必要がなく、工程ステップを低減し、製造コストを低減することができる。
【0047】
当業者は、本発明は上記の具体的な図示と説明の内容に限らないことを意識する。そして、本発明の範囲は別紙の特許請求の範囲によって限定され、上記の各技術的特徴の組み合わせとサブ組み合わせ、およびその変化と改善を含み、当業者は上記の説明を読んだ後、このような組み合わせ、変化と改善を予見し得る。
【0048】
特許請求の範囲において、「含む」という用語および「包含」、「含有」のようなその変体とは、列挙される部材が含まれているが、他の部材を一般的に除外しないことを指す。
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図2-5】