(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】DuoCARでがんを処置するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/17 20150101AFI20240122BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20240122BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240122BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240122BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240122BHJP
C12N 15/86 20060101ALI20240122BHJP
C12N 15/861 20060101ALI20240122BHJP
C12N 15/869 20060101ALI20240122BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20240122BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240122BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240122BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240122BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
A61K35/17
A61K35/76
A61K39/395 N
C12N15/63 Z ZNA
C07K19/00
C12N15/86 Z
C12N15/861 Z
C12N15/869 Z
A61K31/7088
A61K48/00
A61P37/02
A61P35/00
A61P35/02
(21)【出願番号】P 2021514984
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(86)【国際出願番号】 US2019051734
(87)【国際公開番号】W WO2020061194
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-09-16
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517435353
【氏名又は名称】レンティジェン・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LENTIGEN TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オレンタス,リマス・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ディナ
(72)【発明者】
【氏名】ハソ,ワリード・エム
(72)【発明者】
【氏名】ミルテニー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ドロプリク,ボロ
【審査官】大島 彰公
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/045325(WO,A1)
【文献】特表2018-518974(JP,A)
【文献】特表2018-514199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K、A61P、C12N、C07K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液がんを有する対象を治療するための医薬組成物を製造するためのヒトリンパ球細胞集団の使用であって、ここにおいてヒトリンパ球細胞集団のそれぞれの細胞は、少なくとも1つの多シストロン性ベクターを含み、少なくとも1つの多シストロン性ベクターのそれぞれは、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの同一でない細胞内シグナル伝達モチーフを含む2つ以上の機能的CARをコードする多シストロン性の核酸配列に作動可能に結合したプロモーターを含み、ここにおいてコードされた2つ以上の機能的CAR
は、配列番号54、56
、および62のアミノ酸配列からなる群から
選択される
アミノ酸配列を含む、使用。
【請求項2】
2つ以上の機能的CARのそれぞれが、1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフの別個のセットを含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
ヒトリンパ球細胞集団が、対象に対し自家または同種であり、ここにおいて自家または同種リンパ球細胞は対象に直接注入される、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
ヒトリンパ球細胞集団が、対象に対し自家であるT細胞であり、ここにおいて自家T細胞はCAR+ T細胞のin vivoにおける増殖、対象におけるがんの安定化、がんの縮小、がんの緩解を促進するため、直接注入により対象に戻される、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
ヒトリンパ球細胞集団が活性化またはメモリー関連表面マーカーを発現する、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
ヒトリンパ球細胞集団が造血幹細胞ドナーに由来するT細胞および樹状細胞を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
血液がんが、白血病、リンパ腫または多発性骨髄腫である、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
前記白血病は、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、または慢性骨髄性白血病(CML)である、請求項7に記
載の使用。
【請求項9】
前記白血病は、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、またはホジキンリンパ腫である、請求項7に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
このPCT特許出願は、米国特許法第119(e)条に準拠して2016年9月2日付で出願された米国仮特許出願第62/382,791号に基づく優先権の利益を主張する2017年9月1日付で出願されたPCT出願第PCT/US17/49923号に基づく優先権を主張する2018年8月21日付で出願された米国実用特許出願第16/078,269号の一部継続出願である2018年9月18日付で出願された米国実用出願第16/134,735号に基づく優先権を主張するものであり、これらの各々の全記載内容を引用により本明細書に援用する。
【0002】
開示の分野
本願はがんの分野に関し、具体的には、機能性キメラ抗原受容体をコードする少なくとも2つのベクターを含む組成物、および患者特異的免疫療法におけるその使用方法に関する。
【0003】
配列表
本願は、ASCII様式にて電子的に提出された配列表を含み、この配列表の全体を引用により本明細書に援用する。このASCIIのコピー(2019年9月16日作成)のファイル名は「Sequence Listing.txt」であり、サイズは236キロバイトである。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
がんは、人間の健康にとって非常に致死率の高い脅威の1つである。がんは、米国だけで毎年130万人近くが新たに発症し、死亡原因としては心血管疾患に続いて第2位であり、死亡例のおよそ4例に1例はがんによるものである。こうした死亡例のほとんどは固形腫瘍が原因である。いくつかの特定のがんの医学的処置は著しく進歩したが、すべてのがんを合わせた5年生存率は、過去20年間で約10%しか改善されていない。がんまたは悪性腫瘍の転移および増殖は急速かつ制御不可能であるため、処置が極めて困難である。現代のがん処置における困難の1つは、生検およびがん診断の後、患者が有効な処置を受けるまでに経過する時間である。この間に、患者の腫瘍は妨げられることなく増殖し得て、その結果、処置が行なわれるよりも前に疾患がさらに進行してしまう。このことは、がんの予後および転帰に悪い影響を及ぼす。
【0005】
キメラ抗原受容体(DuoCAR)は、(1)細胞外の抗原結合モチーフ、(2)結合/膜貫通モチーフ、および(3)細胞内のT細胞シグナル伝達モチーフという3つの必須ユニットからなる混成分子である(Long AH, Haso WM, Orentas RJ. Lessons learned from a highly-active CD22-specific chimeric antigen receptor. Oncoimmunology. 2013; 2 (4): e23621)。CARの抗原結合モチーフは、一般的に、免疫グロブリン(Ig)分子の最も小さい結合ドメインである一本鎖可変断片(single chain Fragment variable; ScFv)を模して作製される。受容体リガンド(すなわち、腫瘍において発現するIL-13受容体に結合するように設計されたIL-13)などの他の抗原結合モチーフ、完全型免疫受容体、ライブラリ由来のペプチド、および自然免疫系エフェクター分子(たとえば、NKG2D)も、設計によって組み込まれている。CARを発現させる他の細胞標的(NKまたはガンマ-デルタT細胞など)も作製中である(Brown CE et al Clin Cancer Res. 2012;18(8):2199-209; Lehner M et al. PLoS One. 2012; 7 (2): e31210)。CARベクターを用いて形質導入するT細胞集団のうち活性が最も高いものを明らかにし、最適な培養および増殖技術を見つけ、CARタンパク質の構造自体を分子レベルで詳細に解明するには、さらに相当の労力が費やされなければならない。
【0006】
CARの結合モチーフは、IgGの定常ドメインなどの比較的安定な構造ドメインであってよい、または、長い可動性リンカーとして設計できる。IgG定常ドメイン由来構造モチーフなどの構造モチーフを使用して、T細胞細胞膜表面から遠い位置までscFv結合ドメインを引き延ばすことができる。このことは、結合ドメインが腫瘍細胞表面膜の特に近くにあるいくつかの腫瘍標的(ジシアロガングリオシドGD2など;Orentasら、この観察は未公開)にとって重要である可能性がある。これまでCARにおいて使用されているシグナル伝達モチーフはいずれも、CD3-ゼータ鎖を含む。というのは、このコアモチーフはT細胞活性化にとって重要なシグナルであるためである。最初に報告された第2世代のCARは、CD28シグナル伝達ドメインおよびCD28膜貫通配列を特徴とするものであった。このモチーフは、CD137(4-1BB)シグナル伝達モチーフをさらに含有する第3世代のCARに使用された(Zhao Y et al J Immunol. 2009; 183 (9): 5563-74)。新技術が出現したことによって、抗CD3抗体および抗CD28抗体に結合したビーズによるT細胞の活性化、ならびにCD28からの古典的な「シグナル2」の存在を、CAR自体がコードする必要はもはやなくなった。ビーズ活性化を用いた第3世代ベクターは、in vitroアッセイにおいて第2世代ベクターを超えるものではないことが分かり、さらに、白血病マウスモデルにおいて第2世代ベクターを明らかに超える利益を提供するものではなかった(Haso W, Lee DW, Shah NN, Stetler-Stevenson M, Yuan CM, Pastan IH, Dimitrov DS, Morgan RA, FitzGerald DJ, Barrett DM, Wayne AS, Mackall CL, Orentas RJ. Anti-CD22-chimeric antigen receptors targeting B cell precursor acute lymphoblastic leukemia. Blood. 2013; 121 (7):1165-74; Kochenderfer JN et al. Blood. 2012; 119 (12):2709-20)。このことは、第2世代のCD28/CD3-ゼータ(Lee DW et al. American Society of Hematology Annual Meeting. New Orleans, LA; December 7-10, 2013)およびCD137/CD3-ゼータシグナル伝達様式(Porter DL et al. N Engl J Med. 2011; 365 (8): 725-33)におけるCD19特異的CARの臨床での成功によって証明されている。CD137に加えて、OX40などの腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーの他のメンバーも、CARが形質導入されたT細胞において重要な持続性シグナルを提供できる(Yvon E et al. Clin Cancer Res. 2009;15(18):5852-60)。これと同様に重要なのは、CAR T細胞集団を培養した培養条件である。
【0007】
現時点で、CAR療法をがんに対してさらに幅広く効果的に適応するにあたっての課題は、有望な標的がほとんど存在しないことに関連する。細胞表面抗原に結合するバインダーの作製は現在では容易に達成できるが、腫瘍に特異的でありかつ正常組織に影響を及ぼさない細胞表面抗原の発見は、依然として非常に困難である。CAR発現T細胞に、これまでよりも強い標的細胞特異性を与え得る方法として、複数のCARアプローチを組み合わせて使用する方法がある。1つの系において、CD3-ゼータシグナルユニットおよびCD28シグナルユニットを、同一細胞中に発現させた2つの異なるCARコンストラクトのそれぞれに分割し、別の系において、2つのDuoCARを同一T細胞中に発現させ、ただし、そのうち一方のほうが親和性が低いため、もう一方のCARを最初に結合させて、後者のCARの活性を最大限とする必要がある(Lanitis E et al. Cancer Immunol Res. 2013;1(1):43-53; Kloss CC et al. Nat Biotechnol. 2013;31(1):71-5)。1つのscFvに基づくCARを免疫療法剤として作製するにあたっての2つめの課題は、腫瘍細胞が均一でないことである。少なくとも1つのグループが、CARを用いた神経膠芽細胞腫の治療法を開発しており、この方法は、エフェクター細胞集団が同時に複数種の抗原(HER2、IL-13Ra、EphA2)を標的とするもので、標的抗原を有さない集団の増殖回避を試みたものである(Hegde M et al. Mol Ther. 2013;21(11):2087-101)。
【0008】
T細胞に基づく免疫療法は、合成生物学における新たな最先端領域となった。この高効力の細胞を腫瘍微小環境へ誘導する目的で複数のプロモーターおよび遺伝子産物が構想されており、T細胞は、腫瘍微小環境において、負の制御シグナルを回避して効果的な腫瘍の死滅を仲介し得る。AP1903を使用した誘導性カスパーゼ9コンストラクトの薬剤誘発性二量化による不要T細胞の除去は、T細胞集団を制御できる強力なスイッチを薬理学的に始動させ得る1つの方策を提示するものである(Di Stasi A et al. N Engl J Med. 2011;365(18):1673-83)。さらに、おとりの受容体を発現させることによって、形質転換増殖因子βの負の制御作用に反応しないエフェクターT細胞集団を作製したことにより、エフェクターT細胞を操作して最適な抗腫瘍活性を達成できる程度が示されている(Foster AE et al. J Immunother. 2008;31(5):500-5)。
【0009】
したがって、CARは内因性T細胞受容体と類似する様式にてT細胞活性化をトリガできるようではあるが、現時点では、in vivoにおけるCAR+ T細胞の増殖が限られていること、この細胞が輸液後すぐに消失し臨床活性の実現を妨げていること、基礎をなす内科的な疾患または状態が再発すること、および、診断後にこのようなCAR+ T細胞を使用して適時にがんを処置するまでに時間がかかり過ぎることが大きな障害となっていて、CARに基づく技術の臨床応用は進んでいない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
よって、上述される問題を呈さずにがん特異的な意図される治療特性を呈し得るCARに基づく療法を使用することによってがんを処置するための組成物および方法を発見することが、当技術分野において緊急的かつ長年にわたって必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、機能性キメラ抗原受容体をコードする少なくとも2つのベクターを含む組成物と、がんならびにその他の疾患および/または状態の処置に使用できる患者特異的免疫療法におけるその使用方法とを提供することによって、上述される必要性に対処するものである。
【0012】
特に、本明細書中に開示および記載される本発明は、少なくとも2つのベクターをコードする1つ以上の単離された核酸分子を含む免疫治療用組成物を提供するものであり、各ベクターは機能性DuoCARをコードし、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合しており、当該免疫治療用組成物は、自家リンパ球を形質導入して活性のある患者特異的抗腫瘍リンパ球細胞集団を発生させるために使用でき、これを直接注入により患者に戻すことによって、患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivoにおける増殖、持続を促進でき、そしてその結果として、腫瘍の安定化、縮小、除去、がんの緩解、またはがん再発の予防もしくは寛解、またはこれらの組み合わせを患者特異的にもたらすことができる。
【0013】
発明の概要
2つ以上のベクターで形質導入したリンパ球を含む新規の養子免疫治療用組成物と、がんならびにその他の疾患および状態を処置するために使用できる患者特異的併用免疫療法におけるその使用方法とが、本明細書中において提供される。
【0014】
よって、一態様において、Duoキメラ抗原受容体(DuoCAR)を発現するレンチウイルスベクターと、DuoCARを発現する当該レンチウイルスベクターをコードする核酸分子とが、本明細書中において提供される。また、たとえば対象におけるがんを処置するための、DuoCARを発現する開示されるレンチウイルスベクター、宿主細胞、および核酸分子の使用方法も提供される。
【0015】
一態様において、少なくとも2つのベクター(DuoCAR)をコードする1つ以上の単離された核酸分子を含む免疫治療用組成物が提供され、各ベクターは機能性CARをコードし、当該ベクターの1つにおける少なくとも1つの結合ドメインは同一でなく、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合している。
【0016】
一実施形態において、少なくとも3つのベクター(TrioCAR)をコードする1つ以上の単離された核酸分子を含む免疫治療用組成物が提供され、各ベクターは機能性CARをコードし、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合している。
【0017】
一実施形態において、少なくとも4つのベクター(QuatroCAR)をコードする1つ以上の単離された核酸分子を含む免疫治療用組成物が提供され、各ベクターは機能性CARをコードし、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合している。
【0018】
さらに別の一実施形態において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のベクター(たとえば、「nCAR」)をコードする1つ以上の単離された核酸分子を含む免疫治療用組成物が提供され、各ベクターは機能性CARをコードし、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合しており、当該nCARセットのユニークな構成要素の各々は、CAR産物中に組み入れられて、本明細書中において「nCAR」(たとえば、DuoCAR、TrioCAR、QuatroCAR、PentaCAR、HexaCAR、HeptaCAR、OctaCAR、NonaCAR、およびDecaCARなど)と称されるユニークなCAR組成物を構成する。
【0019】
一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、当該免疫治療用組成物は、(a)細胞内で機能できる核酸配列を各々含む少なくとも2つのベクターを含み、(b)各ベクターは機能性CARをコードし、(c)各CARは、少なくとも1つの結合ドメイン、1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフを含み、(d)当該ベクターの1つにおける少なくとも1つの結合ドメインは同一でなく、(e)少なくとも1つの結合ドメイン、1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つのリンカードメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフは、当該ベクターの各々において共有結合しており、当該ベクターの組み合わせは、1つ以上のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される。
【0020】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、当該免疫治療用組成物は、(a)細胞内で機能できる核酸配列を各々含む少なくとも2つのベクターを含み、(b)各ベクターは機能性CARをコードし、(c)各CARは、少なくとも1つの結合ドメイン、1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフを含み、(d)各ベクターにおける少なくとも1つの結合ドメインは同一でなく、(e)当該少なくとも1つのシグナル伝達モチーフの組み合わせは、当該ベクターの各々の間で同一でなく、(f)少なくとも1つの結合ドメイン、1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフは、当該ベクターの各々において共有結合しており、当該2つ以上のベクターの組み合わせは、1つ以上のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される。
【0021】
一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、各ベクターは、1つを超える機能性CARをコードする。
【0022】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、1つ以上のシグナル伝達モチーフの組み合わせは、1つ以上のベクター上において同一である。
【0023】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、1つ以上の複数の結合ドメインは、1つ以上のベクター上において同一である。
【0024】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、リンパ球集団は、自家T細胞、または末梢血由来リンパ球の混合物を含む。
【0025】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、CARの少なくとも1つの細胞外抗原結合ドメインは、上記抗原に結合する抗体の少なくとも1つの一本鎖可変断片を含む。
【0026】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、CARの少なくとも1つの細胞外抗原結合ドメインは、上記抗原に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変領域を含む。
【0027】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、CARの少なくとも1つの細胞外抗原結合ドメイン、CARの少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方は、リンカードメインまたはスペーサードメインによって、膜貫通ドメインに結合されている。
【0028】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、CARの細胞外抗原結合ドメインは、リーダーペプチドの後ろに位置する。
【0029】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、CARの細胞外抗原結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、ROR1、TSLPR、メソテリン、CD33、CD38、CD123(IL3RA)、CD138、BCMA(CD269)、GPC2、GPC3、FGFR4、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、NY-ESO-1、MAGE-A3、PRAMEペプチドとMHCとの組み合わせ、またはこれらの任意の組み合わせを含む抗原を標的とする。
【0030】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、CARの細胞外抗原結合ドメインは、抗CD19 scFV抗原結合ドメイン、抗CD20 scFV抗原結合ドメイン、抗CD22 scFV抗原結合ドメイン、抗ROR1 scFV抗原結合ドメイン、抗TSLPR scFV抗原結合ドメイン、抗メソテリンscFV抗原結合ドメイン、抗CD33 scFV抗原結合ドメイン、抗CD38 scFV抗原結合ドメイン、抗CD123(IL3RA)scFV抗原結合ドメイン、抗CD138 scFV抗原結合ドメイン、抗BCMA(CD269)scFV抗原結合ドメイン、抗GPC2 scFV抗原結合ドメイン、抗GPC3 scFV抗原結合ドメイン、抗FGFR4 scFV抗原結合ドメイン、抗c-Met scFV抗原結合ドメイン、抗PMSA scFV抗原結合ドメイン、抗糖脂質F77 scFV抗原結合ドメイン、抗EGFRvIII scFV抗原結合ドメイン、抗GD-2 scFV抗原結合ドメイン、抗NY-ESO-1 TCR(一本鎖TCRコンストラクトを含む)抗原結合ドメイン、抗MAGE-A3 TCR、または、これらとの同一性が85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%であるアミノ酸配列、または、これらの任意の組み合わせを含む。
【0031】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、CARのリンカードメインまたはスペーサードメインは、CD8の細胞外ドメインに由来し、かつ膜貫通ドメインに結合している。
【0032】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、CARはさらに、T細胞受容体のアルファ、ベータ、もしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、CD271、TNFRSF19、FcイプシロンR、またはこれらの任意の組み合わせからなる群より選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む膜貫通ドメインを含む。
【0033】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインはさらに、CD3ゼータ細胞内ドメインを含む。
【0034】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ細胞内ドメインよりもC末端側に位置している。
【0035】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激ドメイン、一次シグナル伝達ドメイン、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0036】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、少なくとも1つの共刺激ドメインは、OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12、および4-1BB(CD137)、PD-1、GITR、CTLA-4、またはこれらの任意の組み合わせの、機能性シグナル伝達ドメインを含む。
【0037】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、1つのベクターは、組み込みのためにCRISPRシステムと組み合わせられて、すべてのキメラ抗原受容体をコードするために使用される(たとえば、レトロウイルス、アデノウイルス、SV40、ヘルペスベクター、POXベクター、RNA、プラスミド、コスミド、または任意のウイルスベクターもしくは非ウイルスベクター)。
【0038】
別の一実施形態において、各ベクターがRNAベクターまたはDNAベクターである免疫治療用組成物が、単独で、または、トランスフェクション試薬またはRNAもしくはDNAを細胞中に運搬する方法(エレクトロポレーションが挙げられるが、これに限定されない)との組み合わせで提供される。
【0039】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、少なくとも1つのベクターは、細胞内における核酸の発現を調節する核酸分子を発現する。
【0040】
別の一実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、核酸分子は、内在性遺伝子の発現を阻害または喪失させる。
【0041】
特定の実施形態において、免疫治療用組成物が提供され、ここで、活性のある患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団は、リンパ球回収または腫瘍生検から1日、2日、3日、4日、5日、7日、10日、12日、14日、21日、または1か月で発生し、活性のある患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団は、注入によりがん患者に戻すことによって、患者特異的抗腫瘍リンパ球細胞のin vivoにおける増殖、持続を促進でき、そしてその結果として、腫瘍の安定化、縮小、除去、がんの緩解、またはがん再発の予防もしくは寛解、またはこれらの組み合わせを患者特異的にもたらすことができる。
【0042】
一態様において、上述されるキメラ抗原受容体をコードする単離された核酸分子が、本明細書中において提供される。
【0043】
本発明に係る免疫治療用組成物の患者特異的自家リンパ球集団において使用されるDuoCARの一態様において、DuoCARは、がん患者の診断、モニタリング、および/もしくは無増悪生存などの処置転帰の予測において使用するための、またはこのような処置の進捗をモニタリングするための、検出可能なマーカーを発現または含有するように改変される。患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの一実施形態において、開示されるDuoCARをコードする核酸分子は、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターなどのベクター中に含有されてよい。ベクターは、DNAベクター、RNAベクター、プラスミドベクター、コスミドベクター、ヘルペスウイルスベクター、麻疹ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、またはレトロウイルスベクター、またはこれらの組み合わせである。
【0044】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの特定の実施形態において、2つ以上のレンチウイルスベクターは、たとえば、両栄養性マウス白血病ウイルス[MLV-A]、ヒヒ内在性ウイルス(BaEV)、GP164、テナガザル白血病ウイルス[GALV]、RD114、ネコ内在性ウイルスといったレトロウイルス由来GP、ならびに水疱性口内炎ウイルス[VSV]、麻疹ウイルス、家禽ペストウイルス[FPV]、エボラウイルス[Ebo V]、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス[LCMV]といった非レトロウイルス由来GP、ならびにこれらのキメラバリアント(たとえば、GALVの細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインをコードするキメラGP、またはMLV-A GPの細胞質側末端(指定TR)に融合させたRD114 GPを含むが、これらに限定されない)を含むがこれらに限定されない、異なるウイルス糖タンパク質(GP)でシュードタイプ化されている。
【0045】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの特定の実施形態において、ベクターはプロモーターをさらに含み、このプロモーターは、誘導性プロモーター、組織特異的プロモーター、構成的プロモーター、自殺プロモーター、またはこれらの任意の組み合わせである。
【0046】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARのさらに別の一実施形態において、CARを発現するベクターは、CAR T細胞の発現を制御するため、または自殺スイッチによってCAR-T細胞を除去するための、1つ以上の作動可能な要素を含むようにさらに改変されてよい。この自殺スイッチは、たとえば、アポトーシス誘発シグナル伝達カスケードまたは細胞死を誘発する薬物を含んでよい。好ましい一実施形態において、CARを発現するベクターは、チミジンキナーゼ(TK)またはシトシンデアミナーゼ(CD)などの酵素を発現するようさらに改変されてよい。
【0047】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの別の一態様において、DuoCARをコードする核酸分子を含む宿主細胞がさらに提供される。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、対象から得られる初代T細胞などのT細胞である。一実施形態において、宿主細胞はCD8+ T細胞である。一実施形態において、宿主細胞はCD4+ T細胞である。一実施形態において、宿主細胞は、患者産物から直接精製されたCD4+リンパ球およびCD8+リンパ球から、釣り合いを考慮せずに選択される。別の一実施形態において、産物中のCD4+ T細胞およびCD8+ T細胞の数は、特定数である。別の一実施形態において、特定のT細胞サブセットが、Tナイーブ細胞(Tn)、Tエフェクターメモリー細胞(Tem)、Tセントラルメモリー細胞(Tcm)、T制御性細胞(Treg)、誘導性T制御性細胞(iTreg)、Tサプレッサー細胞(Ts)、T幹細胞メモリー細胞(Tscm)、ナチュラルキラー(NK)細胞、およびリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞を含む表現型マーカーによって特定されて利用される。
【0048】
さらに別の一実施形態において、がんを有するヒトの患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団の集団を含む免疫治療用組成物を抗腫瘍有効量にて含む医薬組成物が提供され、ここで、当該集団の細胞は、少なくとも2つのベクターをコードする核酸分子を含む細胞を含み、各ベクターは機能性CARをコードし、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合している。
【0049】
さらに別の一実施形態において、がんを有するヒトの患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団の集団を含む免疫治療用組成物を抗腫瘍有効量にて含む医薬組成物が提供され、ここで、当該集団の細胞は、(a)2つ以上のベクターをコードする核酸分子を含む細胞を含み、(b)各ベクターは機能性CARをコードし、(c)各CARは、少なくとも1つの結合ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つのリンカードメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフを含み、(d)当該ベクターの1つにおける少なくとも1つの結合ドメインは同一でなく、(e)少なくとも1つの結合ドメイン、1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つのリンカードメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフは、当該ベクターの各々において共有結合しており、当該ベクターの組み合わせは、1つ以上のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される。
【0050】
さらに別の一実施形態において、がんを有するヒトの患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団の集団を含む免疫治療用組成物を抗腫瘍有効量にて含む医薬組成物が提供され、ここで、当該集団の細胞は、(a)2つ以上のベクターをコードする核酸分子を含む細胞を含み、(b)各ベクターは機能性CARをコードし、(c)各CARは、少なくとも1つの結合ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つのリンカードメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフを含み、(d)各ベクターにおける少なくとも1つの結合ドメインは同一でなく、(e)当該少なくとも1つのシグナル伝達モチーフの組み合わせは、当該ベクターの各々の間で同一でなく、(f)少なくとも1つの結合ドメイン、1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つのリンカードメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフは、当該ベクターの各々において共有結合しており、当該2つ以上のベクターの組み合わせは、1つ以上のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される。
【0051】
一実施形態において、がんは、1種以上の化学療法剤に反応しない難治性がんである。がんは、造血器がん、骨髄異形成症候群、膵臓がん、頭頸部がん、皮膚腫瘍、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)における微小残存病変(MRD)、肺がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸がん、黒色腫、またはその他の血液がんおよび固形腫瘍、またはこれらの任意の組み合わせを含む。別の一実施形態において、がんは、白血病(たとえば、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、または慢性骨髄性白血病(CML))などの血液がん、リンパ腫(たとえば、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、またはホジキンリンパ腫)、または多発性骨髄腫、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0052】
さらに別の一実施形態において、がんは、口腔(coral)および咽頭がん(舌、口、咽頭、頭頸部)、消化器がん(食道、胃、小腸、結腸、直腸、肛門、肝臓、肝内胆管、胆嚢、膵臓)、呼吸器がん(喉頭、肺、および気管支)、骨および関節がん、軟部組織がん、皮膚がん(黒色腫、基底細胞癌および扁平上皮癌)を含む成人癌、小児腫瘍(神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫)、中枢神経系の腫瘍(脳、星状細胞腫、神経膠芽細胞腫、神経膠腫)、ならびに、乳房、生殖器系(子宮頸部、子宮体部、卵巣、外陰部、膣、前立腺、精巣、陰茎、子宮内膜)、泌尿器系(膀胱、腎臓および腎盂、尿管)、眼および眼窩、内分泌系(甲状腺)、脳およびその他の神経系のがん、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0053】
別の一態様において、1つまたは複数のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする2つ以上のレンチウイルスベクターが形質導入された自家リンパ球細胞集団を含む医薬組成物が提供され、これによって、患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivoにおける増殖、持続を促進でき、そしてその結果として、腫瘍の安定化、縮小、除去、がんの緩解、またはがん再発の予防もしくは寛解、またはこれらの組み合わせを患者特異的にもたらすことができる、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団が発生する。
【0054】
別の一態様において、1つまたは複数のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする1つ以上のレンチウイルスベクターが形質導入された自家T細胞集団を含む医薬組成物が提供され、これによって、患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivoにおける増殖、持続を促進でき、そしてその結果として、腫瘍の安定化、縮小、除去、がんの緩解、またはがん再発の予防もしくは寛解、またはこれらの組み合わせを患者特異的にもたらすことができる、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団が発生する。
【0055】
別の一態様において、活性のある患者特異的自家抗腫瘍Duo CAR含有リンパ球細胞の作製方法が提供される。この方法は、抗原に特異的に結合する2つ以上のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする2つ以上のベクターまたは核酸分子をリンパ球細胞に形質導入し、これによって、活性のある患者特異的自家抗腫瘍Duo CAR含有リンパ球細胞を作製する工程を含む。
【0056】
さらに別の一態様において、RNA操作リンパ球細胞の集団の発生方法が提供され、これは、2つ以上のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする核酸分子のin vitro転写RNAまたは合成RNAを対象の細胞集団中に導入し、これによって、患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivoにおける増殖、持続を促進でき、そしてその結果として、腫瘍の安定化、縮小、除去、がんの緩解、またはがん再発の予防もしくは寛解、またはこれらの組み合わせを患者特異的にもたらすことができる、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を発生させる工程を含む。
【0057】
別の一態様において、腫瘍抗原の高発現に関連する疾患、障害、または状態を有する哺乳動物を処置するための方法が提供され、この方法は、1つまたは複数のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする1つ以上のレンチウイルスベクターが形質導入された自家リンパ球細胞集団を抗腫瘍有効量にて含む医薬組成物を対象に投与し、これによって、患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivoにおける増殖、持続を促進でき、そしてその結果として、腫瘍の安定化、縮小、除去、がんの緩解、またはがん再発の予防もしくは寛解、またはこれらの組み合わせを患者特異的にもたらすことができる、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を発生させる工程を含む。
【0058】
別の一態様において、腫瘍抗原の高発現に関連する疾患、障害、または状態を有する哺乳動物を処置するための方法が提供され、この方法は、1つまたは複数のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする2つ以上のレンチウイルスベクターが形質導入された自家リンパ球細胞集団を抗腫瘍有効量にて含む医薬組成物を対象に投与して、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を発生させる工程を含み、この細胞集団は、直接注入により患者に戻すことによって、患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivoにおける増殖、持続を促進でき、そしてその結果として、腫瘍安定化、縮小、除去、またはがんの緩解、またはがん再発の予防もしくは寛解、またはこれらの任意の組み合わせを患者特異的にもたらすことができる。
【0059】
一実施形態において、腫瘍抗原の高発現に関連する疾患、障害、または状態を有する哺乳動物を処置するための方法が提供され、この方法は、少なくとも2つのベクターを含む医薬組成物を対象に投与する工程を含み、各ベクターは機能性CARをコードし、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合しており、医薬組成物は製薬学的に許容される賦形剤をも含み、当該ベクターの組み合わせは、1つ以上のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される。
【0060】
別の一実施形態において、腫瘍抗原の高発現に関連する疾患、障害、または状態を有する哺乳動物を処置するための方法が提供され、この方法は、医薬組成物を対象に投与する工程を含み、(a)医薬組成物は2つ以上のベクターをコードする核酸分子を含み、(b)各ベクターは機能性CARをコードし、(c)各CARは、少なくとも1つの結合ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフを含み、(d)当該ベクターの1つにおける少なくとも1つの結合ドメインは同一でなく、(e)少なくとも1つの結合ドメイン、1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフは、当該ベクターの各々において共有結合しており、当該ベクターの組み合わせは、1つ以上のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される。
【0061】
さらに別の一実施形態において、腫瘍抗原の高発現に関連する疾患、障害、または状態を有する哺乳動物を処置するための方法が提供され、この方法は、医薬組成物を対象に投与する工程を含み、(a)医薬組成物は2つ以上のベクターをコードする核酸分子を含み、(b)各ベクターは機能性CARをコードし、(c)各CARは、少なくとも1つの結合ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフを含み、(d)各ベクターにおける少なくとも1つの結合ドメインは同一でなく、(e)当該少なくとも1つのシグナル伝達モチーフの組み合わせは、当該ベクターの各々の間で同一でなく、(f)少なくとも1つの結合ドメイン、1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフは、当該ベクターの各々において共有結合しており、当該2つ以上のベクターの組み合わせは、1つ以上のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される。
【0062】
特定の実施形態において、遺伝子改変されたリンパ球は自家T細胞リンパ球であり、ここで、自家または同種T細胞リンパ球は、悪性疾患の再発を予防または寛解するために、直接注入により患者に戻される。
【0063】
特定の他の実施形態において、遺伝子改変されたリンパ球は自家T細胞リンパ球であり、ここで、自家リンパ球は、患者特異的抗腫瘍T細胞リンパ球のin vivoにおける増殖、持続を促進するため、そしてその結果として、腫瘍安定化、縮小、除去、またはがんの緩解、またはがん再発の予防もしくは寛解、またはこれらの任意の組み合わせを患者特異的にもたらすために、直接注入により患者に戻される。
【0064】
さらに別の一実施形態において、T細胞は、特異的活性化またはメモリー関連表面マーカーの発現に基づいて予め選択されている。
【0065】
さらに別の一実施形態において、T細胞は造血幹細胞ドナーに由来し、かつ、上述される手順は造血幹細胞移植のコンテクストにおいて行なわれる。
【0066】
特定の実施形態において、リンパ球細胞が特異的活性化またはメモリー関連表面マーカーの発現に基づいて予め選択されている方法が提供される。
【0067】
特定の実施形態において、リンパ球細胞がT細胞であって造血幹細胞ドナーに由来しかつ上述される手順は造血幹細胞移植のコンテクストにおいて行なわれる方法が、本明細書中において提供される。
【0068】
さらに別の一態様において、がんと診断されたヒトにおいて遺伝子操作患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団の持続性の集団を発生させるための方法が提供される。一実施形態において、この方法は、本明細書中に記載される1つ以上の患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を、それを必要とするヒト患者に投与する工程を含み、ここで、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団の持続性の集団、またはこのリンパ球細胞の子孫の集団は、このヒトにおいて、投与後、少なくとも1か月間、2か月間、3か月間、4か月間、5か月間、6か月間、7か月間、8か月間、9か月間、10か月間、11か月間、12か月間、2年間、または3年間持続する。
【0069】
一実施形態において、ヒトにおける子孫リンパ球細胞は、メモリーT細胞を含む。別の一実施形態において、T細胞は、自家T細胞である。
【0070】
本明細書中に記載される方法のすべての態様および実施形態において、上述される、腫瘍抗原の高発現に関連するがん、疾患、障害、または状態は、いずれも、本明細書中に開示されるDuo Car免疫治療用組成物の1つ以上を含む患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を使用して処置または予防または寛解され得る。
【0071】
さらに別の一態様において、上述されるように、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を含むDuoCar免疫治療用組成物を作製するための、または、上述されるように、対象における腫瘍抗原の高発現に関連するがん、疾患、障害、もしくは状態のうち任意のものを予防、処置、もしくは寛解するための、キットが提供され、これは、上記に開示される核酸分子、ベクター、宿主細胞、もしくは組成物のうち任意の1種、またはこれらの任意の組み合わせの入った容器と、当該キットの使用説明とを含む。
【0072】
以上、本発明に係る組成物および方法を、DuoCARの作製および利用を参照しながら例証したが、本明細書中においては、当該組成物および方法がTrioCARおよびQuatroCARの作製および利用を含むことが特に意図される。
【0073】
さらに別の一態様において、免疫治療用組成物は、少なくとも1つのベクターをコードする1つ以上の単離された核酸分子を含み、ここで、このベクターは、DuoCARをコードする少なくとも1つのメッセンジャーRNAをもたらす核酸配列を含有し(すなわち、多シストロン性(multi-cistronic)の核酸、または1つを超える転写物をもたらす核酸)、その結果として、2つ以上の同一でない抗原標的に結合できる能力がもたらされ、これにより、当該ベクターを発現する1つの細胞において多重抗原特異性が生じる。
【0074】
さらに別の一態様において、免疫治療用組成物は、上述されるように、少なくとも2つのベクターをコードする1つ以上の単離された核酸分子を含み、ここで、各ベクターはさらに、可溶性バインダー(タグ化scFv、または抗タグバインダーに結合したscFvなど)と共にインキュベートまたは同時投与されると機能性キメラ抗原受容体を再構成する機能性タグまたは抗タグ結合部位(AT-CAR)をコードし、これにより、こうした2つのベクターが組み合わされている結果として、2つ以上の同一でない抗原結合ドメインに結合できる能力がもたらされ、これにより、これら2つのベクターを発現する細胞において多重抗原特異性が生じる。
【0075】
さらに別の一態様において、免疫治療用組成物は、上述されるように、少なくとも2つのベクターをコードする1つ以上の単離された核酸分子を含み、ここで、各ベクターは、可溶性バインダー(タグ化scFv、または抗タグバインダーに結合したscFvなど)と共にインキュベートまたは同時投与されると機能性キメラ抗原受容体を再構成する機能性タグまたは抗タグ結合部位(AT-CAR)をコードし、ここで、各ベクターは、可溶性タンパク質もしくはタンパク質改変構造に結合して多重抗原特異性をもたらすことのできるユニークなタグ(または抗タグ)を発現する、または、各ベクターは、可溶性結合ドメインの1つのみに結合して、AT-CARにコードされる細胞内シグナル伝達モチーフとタグ化(または抗タグ化)バインダーの抗原結合ドメインとの特異的結合をもたらすユニークなタグ(または抗タグ)を発現する。
【0076】
上述される実施形態および態様中に開示される、DuoCARベクターの作製、組成物および方法の各々についての実施形態(限定を加えるものではない)において、2つのベクターは別個に作製でき、次いで逐次的にまたは同時にT細胞に添加できる。別の一実施形態(限定を加えるものではない)において、2つ以上のベクターのプラスミドDNAは、産生用細胞のトランスフェクションよりも前もしくはその間に結合させることにより、または、産生用細胞のゲノム中に一体化させることにより、複数のDuoCARベクター粒子を含有するウイルスベクターの混合物を生成でき、これに続いて、患者のT細胞の形質導入および遺伝子改変に使用することができる。
【0077】
本明細書中において具体的に意図されるDuoCAR、TrioCAR、およびQuatroCARの様々な態様および実施形態の各々について、機能性CARをコードするヌクレオチド配列は、配列番号3、9、21、25、29、31、35、39、43、47、49、51、53、55、59、もしくは61のヌクレオチド配列、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0078】
本明細書中において具体的に意図されるDuoCAR、TrioCAR、およびQuatroCARの様々な態様および実施形態の各々について、各ベクターは、配列番号4、10、22、26、30、32、36、40、44、48、50、52、54、56、60、もしくは62のアミノ酸配列またはこれらの任意の組み合わせを含む機能性CARをコードする。
【0079】
上述されるような、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団、キメラ抗原受容体(DuoCAR)を発現する2つ以上のレンチウイルスベクター、宿主細胞、および方法は、本明細書中において詳細に記載される具体的な態様および実施形態の範囲を超えて有用であることが理解される。上述される本開示の特徴および利点は、付属の図面を参照して記載される以下の詳細な説明によって、さらに明らかになるであろう。
【0080】
図面の簡単な説明
本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明は、付属の図面と併せて読むことによって、理解がより深まる。本発明を例証する目的で、図面中には、現時点で好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本発明は図面中に示される実施形態の厳密な配置および手段に限定されないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【
図1】別個の市販品として作製できる4つの産物(実施例1~4)を示す。これらのDuoCARセットは、3つの白血病関連抗原CD19、CD20、およびCD22を発現しているヒトB細胞性悪性腫瘍を標的とするように作製できる。産物1においては、活性化されたT細胞集団を同時形質導入するために2つの遺伝子ベクターが使用される。第1のベクターは、CD8膜貫通領域(8)により接続された1つの細胞内ドメイン(z、CD3ゼータ鎖)に結合した2つの抗原結合ドメイン(CD19、CD20)をコードしている。第2のベクターは、CD22結合ドメインおよび2つのシグナル伝達ドメイン(BB、CD137/4-1BBに由来;およびz)をコードしている。第2の産物(実施例2)は、第1のベクターと、CD28およびzシグナル伝達ドメインに結合したCD19およびCD20結合ドメインとを有する。第2のベクターは、CD22結合ドメインとBBおよびzシグナル伝達ドメインとをコードしており、第3世代CARベクターのシグナル伝達パッケージ(3つの異なるシグナル伝達ドメイン)を本質的に再現したものである。第3の産物(実施例3)においては、第1のベクターが、BBおよびzシグナル伝達ドメインに結合したCD20およびCD22結合ドメインをコードしており、第2のベクターが、CD28およびzシグナル伝達ドメインに結合したCD19結合ドメインをコードしている。第4の産物(実施例4)においては、第1のベクターが、CD20およびCD22結合ドメインとBBおよびzシグナル伝達ドメインとをコードしている。第2のベクターは、CD19結合ドメインおよびzシグナル伝達ドメインをコードしている。
【
図2】B細胞性悪性腫瘍を標的とする治療用製品のためのDuoCARに組み込むことができるすべての単独要素を示す。学術用語は
図1中と同様である。
【
図3】炎症性疾患または自己免疫疾患および感染症を含む複数の治療上の要求に適用できるDuoCARのための一般的なスキームを示す。図中、a-CDX、a-CDY、a-CDZは、3つの異なる標的抗原CDX、CDY、およびCDZのそれぞれに対して特異的な抗原結合ドメインを指す。CARの細胞内部分は、すべて、CD3-ゼータ、CD28、または4-1BBシグナル伝達ドメインのいずれかに結合したCD8リンカー・膜貫通ドメインを含む(
図1に示されるように)。これらの2つのベクターのうち任意のものの具体的な組み合わせ(たとえばAとFで、抗原X、Y、およびZが標的とされ、CD3-ゼータおよび4-1BBによって細胞内シグナルを提供する)を1つのベクター中に含めたものが、具体的な治療上の要求に応じて規定され得る。
【
図4】各ベクターが2つの抗原を標的としているDuoCARセットのための一般的なスキームを示す。
図3中と同じベクターは、個々の文字名称も同じである(
図3中と
図4中とで、Aは同じである)。新しい第4の抗原結合ドメインがa-CDWで示される。4つの抗原を標的とし得る1つの産物はA+T Duo CARセットである。この場合、細胞外抗原CDX、CDY、CDZ、およびCDWが標的とされ、CD3-ゼータおよびCD28細胞内シグナルの両方が提供される。
【
図5】文献中に示される現行のCAR(A、B、C、D)を、本発明に係るDuoCAR(E、F、G)と比較して示す。リンカー・膜貫通ドメイン(個々の白抜き四角)に結合した1つの結合ドメイン(対になった黒色、白抜き、または縞つきの丸、それぞれに特異性が異なる)の発現を誘発するCAR発現ベクターを作製できる。図a中の太い灰色の線は、形質細胞膜を表す。この図において、一対の黒丸は抗CD19 scFvを表し得て、一対の白抜き丸は抗CD20 scFvを表し得て、一対の縞つきの丸は抗CD22 scFvを表し得て、これらのすべては、たとえばGGGGSの多量体(1、2、3、4、5、または6回リピート)などの連結アミノ酸配列によって結合されている。細胞内において、4-1BB(CD137)、CD28、およびCD3-ゼータ鎖に由来するリンパ球シグナル伝達ドメインを、図示される通りに結合させ得る。(A)単独CARにおいては、1つの結合ドメインが膜貫通および2つのシグナル伝達ドメインに結合していて、第2世代CARが作製される。(B)分割CARにおいては、2つの異なるバインダーが、2つの別個の抗原を認識した際に有効なT細胞シグナル伝達をもたらすために結合していなければならない1つのシグナル伝達ドメインと共に表されている。(C)タンデムCARにおいては、2つの結合ドメインが1つのシグナル伝達ドメインに結合している。この場合、いずれかのドメインの結合によって十分なT細胞活性化が誘発される。(D)1つのベクターからの複数のCARにおいては、1つのベクターから2つの十分な機能性を有するCARが発現していて、各々は1つのみの抗原に結合できる。(E)一方、DuoCARは、2つのベクターからなり、少なくとも3つの結合ドメインを発現し、シグナル伝達ドメインの組み合わせは複数あり得る。DuoCARを区別する本質的な特徴は、2つ以上の転写物が発現していること、結合ドメインが複数あること(少なくとも1つは複数を標的とする)、および発現された2つの細胞表面タンパク質のうち少なくとも1つが十分に機能的なシグナル伝達特性を有することである。(F)DuoCAR単一特異性可溶性バインダー様式においては、ベクターによりコードされるCAR部分が、膜貫通および細胞内シグナル伝達モチーフをもコードするタグまたは抗タグモチーフを発現する(CARベースベクター、細胞内モチーフが同一でない)。ベースベクターは、抗原と相互作用するscFvドメインとタグまたは抗タグモチーフとの両方を含有する可溶性タンパク質と結合して、自身とCARベースタンパク質との結合に介在する。可溶性タンパク質がCARベースタンパク質に結合すると、DuoCARが介在する抗腫瘍活性に介在する同じ構造特徴[(E)におけるものと同じ]が再構成される。(G)二重特異性可溶性バインダー様式のDuoCARにおいては、二重特異性「タグ」-「抗タグ」相互作用がユニークであるために、可溶性バインダーのうちの1つのみがベースベクターのうちの1つのみに結合できる。この場合、ベースベクター上の黒菱形と可溶性デュアルscFvタンパク質上の山形のバインダーとが「ビオチン」-「抗ビオチン」相互作用を示し得て、第2のCARベースベクター上の黒の三日月型が単一特異性scFv構造上の黒長円と相互に作用して、「FITC」-「抗FITC」相互作用を示し得る。
【
図6】第2世代(2つの共刺激ドメイン)様式と第3世代(3つの共刺激ドメイン)様式とで異なるCAR発現ベクターが形質導入された初代ヒトT細胞上におけるCARコンストラクトの細胞表面発現レベルを示す。T細胞を形質導入して、以下のCARを発現するようにした:CARなし(偽)、第2世代CAR(CAR-A-28z)、第3世代CAR(CAR-A-28BBz)、およびその他の第2世代CAR(CAR-A-BBz)。CARの表面発現レベルをフローサイトメトリーによって検出し、y軸上に平均蛍光強度(MF)として示す。すべてのコンストラクトが全く同一のCAR結合ドメインを発現していたが、2つの第2世代CARのMFIは大幅に明るかった。
【
図7】ヒトT細胞におけるDuoCARの細胞表面発現を示す。ヒトT細胞を、IL-2の存在下においてCD3-CD28ナノマトリックス(TransAct、Miltenyi Biotec)を用いて活性化し、2つのベクター(1つはタンデムCD20-CD19 CARをコードし、もう1つは単独CD22 CARをコードしており、したがって2+1 Duoセット様式)で形質導入し、次いで、フローサイトメトリーにより、染色のために組換えCD19、CD20、またはCD22を使用して、CD19-、CD20-、またはCD22-scFvドメインの発現について分析した。対になった列について、左列はCD20 scFvおよびCD19 scFvの、右列はCD22 scFvおよびCD19 scFvの二重染色を示す。1段目は形質導入していないT細胞(UTD)を示し、かくして、結合がないことを示す。2段目は、CD8膜貫通ドメインおよび細胞内CD28およびCD3-ゼータシグナル伝達ドメインを有するCD20_CD19 CARベクター(20-19-28z)をコードするLVで形質導入したT細胞を示す。CD20およびCD19の結合についての二重染色がみられるが(左パネル)、右パネルではCD19の結合のみがみられる。3段目は、CD8膜貫通ドメインおよび細胞内4-1BBおよびCD3-ゼータシグナル伝達ドメインを有するCD22 CARベクター(22-BBz)で形質導入したT細胞を示す。CD19またはCD20についての二重染色がみられず(左パネル)、1つの細胞集団のみがCD22と結合できたことがわかる(右パネル)。4段目では、2段目および3段目の両ベクターを含むDuoセットでT細胞を形質導入している。このDuoセットのみが全3つのCARコード結合ドメインを発現している(42%の細胞がCD20_19を発現し(左パネル)、38%がCD22およびCD19結合ドメインを発現している(右パネル))。CD22およびCD19 scFvは、Duoセットを含む2つの別個の膜貫通型タンパク質の各々にあるため、38%は、この実施例において真にDuoセットを発現している集団を表している。
【
図8】DuoCARを発現しているT細胞の抗腫瘍細胞溶解活性を示す。
図7中に記載されるように、単独CAR要素(20_19-28zまたは22-BBz)またはDuoCAR(20_19-28z + 22-BBz)で形質導入したヒトT細胞を、細胞毒性T細胞アッセイにおいて、4つの異なるエフェクター標的比(示されるとおり、20:1、10:1、5:1、2.5:1)にて使用した。CAR-T標的として使用した白血病細胞株は以下である:Raji(全3つの標的抗原を発現)、REH(全3つの標的抗原を発現)、K562(コントロール、標的を発現しない)、K562-CD19(CD19を発現)、K562-CD20(CD20を発現)、およびK562-CD22(CD22を発現)。DuoCAR形質導入細胞(20-19-28z + 22-BBz、2+1 Duoセット)のみが、両白血病細胞株(RajiおよびREH)と3つの単独発現K562標的細胞株(K562-CD19、K562-CD20、K562-CD22)のすべてとに対して、高い細胞溶解活性を呈した。
【
図9】2つの異なるLV調製方法によって達成された、初代ヒトT細胞におけるDuoCAR細胞表面発現を示す。
図7中と同じ方法およびデータ分析を用い、その結果、CD19、CD20、およびCD22に対して特異的なDuoCAR(1つのCARがタンデムCD20およびCD19バインダーで、第2のCARがCD22バインダーからなる、2+1 Duoセット)で形質導入した細胞を作製した。データの1列目は、CD19およびCD20バインダーの発現をフローサイトメトリーで分析したものを示し、2列目は、DuoCAR発現細胞においてCARとして存在するCD22およびCD19バインダーをフローサイトメトリーで分析したものを示し、形質導入していない集団、単独CD22-CAR形質導入の集団、CD22およびCD20_19 CARの二重形質導入集団、ならびにタンデムCD20_CD19 CARで単独形質導入した集団という4つの別個の集団が、それぞれ左下、左上、右上、および右下の象限に対応する。2つのLVの形質導入法(同時形質導入)および1つのLVの形質導入法(同時トランスフェクション)のいずれもDuoCAR染色パターンが同様であり、T細胞集団の30%超が、CAR細胞表面タンパク質の両方を発現しているために、CD19、CD20、およびCD22に対して特異的であった。
【
図10】DuoCARバイシストロニックコンストラクトの概略図を示す。1つのバイシストロニックなオープンリーディングフレームから、2Aペプチドで隔てられた2つのCAR鎖の配列を含有するDuo CARコンストラクトを発現させる。一方のCARは、CD22 scFvがインフレームでCD8ヒンジ・膜貫通ドメイン、4-1BB共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインに結合したものからなる。もう一方のCARは、タンデムCD20 CD19 scFvに基づく標的化ドメインと、これに続くCD8ヒンジ・膜貫通ドメイン、CD28共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインからなる。
【
図11】DuoCAR発現ベクターおよびコントロールで形質導入した初代ヒトT細胞上における、セット1のバイシストロニックDuoCARの細胞表面発現を、フローサイトメトリーで測定したものを示す。T細胞を形質導入して、以下のCARを発現するようにした:CARなし(UTD)、コンストラクト番号2228(2019タンデムCAR)、コンストラクト番号2200、2209、2218、2225、2227(CD22 CARバリアント)、コンストラクト番号(2515、2520、2521、CD22を標的とする1つのCAR鎖と腫瘍抗原CD20およびCD19を標的とする別のタンデムCAR鎖とを含有するバイシストロニックCAR)。示されている2部プロットにおいて、CAR 22の発現がY軸上に示され、タンデム2019 CAR鎖を表すCAR 19の発現がX軸上に示される。陽性細胞の割合が各象限に示される。データは、別々の健康なドナーからのT細胞における3回の形質導入実験を表す。
【
図12】Raji腫瘍細胞と共にインキュベートしたバイシストロニックDuoCARセット1のサイトカイン反応を示す。T細胞を形質導入して、以下のCARを発現するようにした:CARなし(UTD)、コンストラクト番号2228(- 2019タンデムCAR)、コンストラクト番号2200(- CD22 CAR)、コンストラクト番号2515、2520、2521。DuoCAR T細胞およびコントロールを三重陽性Raji細胞と共に一晩インキュベートし、次いで上清を回収して、IFNg、TNFa、およびIL-2についてELISAで分析した。N=3、±SD。1つの実験は、別個のドナー由来のT細胞における3回の別個の実験を表す。
【
図13】DuoCAR発現ベクターおよびコントロールで形質導入した初代ヒトT細胞上における、セット2のバイシストロニックDuoCARの細胞表面発現を、フローサイトメトリーで測定したものを示す。T細胞を形質導入して、以下のCARを発現するようにした:CARなし(UTD)、コンストラクト番号1497(- 2019タンデムCAR)、コンストラクト番号2200(- CD22 CAR)、コンストラクト番号D0043、D0044、D0046、D0047(CD22を標的とする1つのCAR鎖と腫瘍抗原CD20およびCD19を標的とする別のタンデムCAR鎖とを含有するバイシストロニックCAR)。示されている2部プロットにおいて、CAR 22の発現がY軸上に示され、タンデム2019 CAR鎖を表すCAR 19の発現がX軸上に示される。陽性細胞の割合が各象限に示される。データは、3人の別々の健康なドナーからのT細胞における3回の形質導入実験を表す。
【
図14】セット2のバイシストロニックDuoCAR発現T細胞の抗腫瘍細胞溶解活性を示す。単独CAR要素(LTG1497、20_19-28z、またはLTG2200、22-BBz)またはDuoCAR(コンストラクト番号D0043、D0044、D0046、D0047、20_19-28z + 22-BBzをコード)で形質導入したヒトT細胞を、細胞毒性T細胞アッセイにおいて、4つの異なるエフェクター標的比(示されるとおり10:1、5:1、2.5:1、コンストラクト名中の「D」と数値名称との間のゼロは簡単にするために省いている)にて使用した。CAR-T標的として使用した白血病細胞株は以下である:Raji(全3つの標的抗原を発現)、Reh(全3つの標的抗原を発現)、392T(3つの標的抗原のいずれも含まない)。DuoCARはE:T依存的に三重陽性細胞株を溶解し、標的陰性293T細胞株では溶解が生じなかった。
【
図15】バイシストロニックDuoCARセット2発現T細胞の抗腫瘍細胞溶解活性を示す。単独CAR要素(LTG1497、20_19-28z、またはLTG 2200、22-BBz)またはDuoCAR(コンストラクト番号D0043、D0044、D0046、D0047、20_19-28z + 22-BBzをコード)で形質導入したヒトT細胞を、細胞毒性T細胞アッセイにおいて、4つの異なるエフェクター標的比(示されるとおり10:1、5:1、2.5:1、コンストラクト名中の「D」と数値名称との間のゼロは簡単にするために省いている)にて使用した。CAR-T標的として使用した一重陽性腫瘍細胞株は以下である:K19(CD19を発現)、K20(CD20を発現)、およびK22(CD22を発現)。もともとCD19、CD20、またはCD22を発現していない親のK562赤白血病株を背景にして、所望の1つの抗原(CD19、CD20、またはCD22)およびホタルルシフェラーゼ遺伝子の安定的形質導入によって、3つの一重陽性腫瘍細胞株を生じさせた。DuoCARは一重陽性細胞株をE:T依存的に溶解し、抗原標的化ドメインが適合しないCARコントロール(CAR 22、LTG 2200vsK19およびK20、タンデムCAR 2019、LTG 1479vsK22)により介在される溶解は、バックグランドレベルを超えるものではなかった。
【
図16】Raji腫瘍細胞と共にインキュベートしたまたは腫瘍非存在下でインキュベートした(CAR単独で)バイシストロニックDuoCARバージョン2のサイトカイン反応を示す。T細胞を形質導入して、以下のCARを発現するようにした:CARなし(UTD)、コンストラクト番号2273(- 2019タンデム 一本鎖CAR)、コンストラクト番号2200(CD22 一本鎖CAR)、コンストラクト番号D44、D47(D0044およびD0047 CARコンストラクトのそれぞれについて、コンストラクト名中の「D」と数値名称との間のゼロは簡単にするために省いている)。DuoCARおよびT細胞およびコントロールを三重陽性Raji細胞と共に一晩インキュベートし、次いで上清を回収して、IFNg、TNFa、およびIL-2についてELISAで分析した。N=3、±SD。1つの実験は、別個のドナー由来のT細胞における3回の別個の実験を表す。
【
図17】同時トランスフェクションまたは同時形質導入によるDuoCAR作製の目的で同一細胞または細胞集団中で共発現させるために組み合わせできる2つのCAR鎖の概略図を示す。一方のCAR鎖は、CD22 scFvがインフレームでCD8ヒンジ・膜貫通ドメイン、4-1BB共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインに結合したものからなる。もう一方のCAR鎖は、タンデムCD20 CD19 scFvに基づく標的化ドメインと、これに続くCD8ヒンジ・膜貫通ドメイン、CD28共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインからなる。
【
図18】LV作製のために2つのトランスファープラスミドの同時トランスフェクションにより作製したDuoCAR発現ベクター調製物で形質導入した、または単独ベクターコントロールで個別に形質導入(上パネル)した初代ヒトT細胞上における、DuoCARおよびコントロールの細胞表面発現を、フローサイトメトリーで測定したものを示す。T細胞を形質導入して、以下のCARを発現するようにした:コンストラクト番号2273、2228(- 2019タンデムCAR)、D1、D2、D3、CD22 CAR、およびDuoCAR(コンストラクト番号D1+2273、D2+2273、D3+2273)。散布図中、CAR 22の発現がY軸上に示され、タンデム2019 CAR鎖を表すCAR 19の発現がX軸上に示される。陽性細胞の割合が各象限に示される。3人のドナーからのT細胞を使用した3回の実験についての代表的なデータである。
【
図19A】DuoCAR細胞または一本鎖CARコントロールの抗腫瘍細胞溶解活性を示す。このDuoCAR T細胞は、2つのトランスファープラスミドを同時トランスフェクションしてレンチウイルスベクターを作製することによって発生させた。得られたDuoCARベクターまたは一本鎖CARコントロールでT細胞の形質導入を行ない、以下のCARを発現させた:コンストラクト番号2273(- 2019一本鎖タンデムCAR);コンストラクト番号D1、D2、D3(- CD22一本鎖CAR);および、同じCAR T産物中において2つの単独CAR鎖の組み合わせにより発生させたDuoCAR(コンストラクト番号D1+2273、D2+2273、D3+2273、名称中の「D」は簡略にするために省いている)。得られたCAR T細胞を、細胞毒性T細胞アッセイにおいて、2つの異なるエフェクター標的比(示されるとおり、10:1、5:1)にて、天然白血病株(CD19+CD20+CD22+(Raji、Reh)またはCD19、CD20、CD22三重ネガティブコントロール株293T)に対して分析した(
図19A)。天然標的株RajiおよびRehは、一本鎖CARコンストラクトによって、およびすべてのDuoCAR群(コンストラクト番号D1+2273、D2+2273、D3+2273、名称中の「D」は簡略にするために省いている)によって、および一本鎖CARコントロールによって溶解された。これとは対照的に、DuoCARおよび単独CARコントロールはCD19、CD20、CD22三重陰性株293Tに対しては細胞溶解性を示さず、このことから、CARコンストラクトの標的特異性が示された。DuoCARは3つの標的抗原を同時に標的とするため、そして標的特異性についての課題にさらに対処するために、もともとCD19、CD20、またはCD22を発現していないK562赤白血病細胞を背景にして発生させた遺伝子組換え一重陽性腫瘍株に対して、DuoCARの試験を行なった。CAR-T標的として使用した一重陽性腫瘍細胞株は以下であった:K19(CD19を発現)、K20(CD20を発現)、およびK22(CD22を発現)、
図19B。DuoCARは一重陽性細胞株をE:T依存的に溶解したが、このことから、DuoCARのすべての標的化ドメインが機能性を有し、同族の標的分子に対して特異的であることが示された(
図19B)。また、抗原標的化ドメインが適合しないCAR一本鎖コントロール(CAR 22、LTG 2200vsK19およびK20、タンデムCAR 2019、LTG 1479vsK22)は特異的な溶解活性を有さなかった(
図19B)。
【
図19B】DuoCAR細胞または一本鎖CARコントロールの抗腫瘍細胞溶解活性を示す。このDuoCAR T細胞は、2つのトランスファープラスミドを同時トランスフェクションしてレンチウイルスベクターを作製することによって発生させた。得られたDuoCARベクターまたは一本鎖CARコントロールでT細胞の形質導入を行ない、以下のCARを発現させた:コンストラクト番号2273(- 2019一本鎖タンデムCAR);コンストラクト番号D1、D2、D3(- CD22一本鎖CAR);および、同じCAR T産物中において2つの単独CAR鎖の組み合わせにより発生させたDuoCAR(コンストラクト番号D1+2273、D2+2273、D3+2273、名称中の「D」は簡略にするために省いている)。得られたCAR T細胞を、細胞毒性T細胞アッセイにおいて、2つの異なるエフェクター標的比(示されるとおり、10:1、5:1)にて、天然白血病株(CD19+CD20+CD22+(Raji、Reh)またはCD19、CD20、CD22三重ネガティブコントロール株293T)に対して分析した(
図19A)。天然標的株RajiおよびRehは、一本鎖CARコンストラクトによって、およびすべてのDuoCAR群(コンストラクト番号D1+2273、D2+2273、D3+2273、名称中の「D」は簡略にするために省いている)によって、および一本鎖CARコントロールによって溶解された。これとは対照的に、DuoCARおよび単独CARコントロールはCD19、CD20、CD22三重陰性株293Tに対しては細胞溶解性を示さず、このことから、CARコンストラクトの標的特異性が示された。DuoCARは3つの標的抗原を同時に標的とするため、そして標的特異性についての課題にさらに対処するために、もともとCD19、CD20、またはCD22を発現していないK562赤白血病細胞を背景にして発生させた遺伝子組換え一重陽性腫瘍株に対して、DuoCARの試験を行なった。CAR-T標的として使用した一重陽性腫瘍細胞株は以下であった:K19(CD19を発現)、K20(CD20を発現)、およびK22(CD22を発現)、
図19B。DuoCARは一重陽性細胞株をE:T依存的に溶解したが、このことから、DuoCARのすべての標的化ドメインが機能性を有し、同族の標的分子に対して特異的であることが示された(
図19B)。また、抗原標的化ドメインが適合しないCAR一本鎖コントロール(CAR 22、LTG 2200vsK19およびK20、タンデムCAR 2019、LTG 1479vsK22)は特異的な溶解活性を有さなかった(
図19B)。
【
図20】Raji13G11、CD19+CD20+CD22+クローンに反応してのDuoCAR細胞または一本鎖CARコントロールのサイトカイン放出活性を示す。このDuoCAR T細胞は、2つのトランスファープラスミドを同時トランスフェクションしてレンチウイルスベクターを作製することによって発生させた。一本鎖CARコントロールベクターの得られたDuoCARベクターでT細胞の形質導入を行ない、以下のCARを発現させた:コンストラクト番号2273(- 2019タンデムCAR);コンストラクト番号D1、D2、D3(- CD22 CAR);および3つのDuoCAR(D1+2273、D2+2273、D3+2273、
図20、群の名称にある「D」は簡略にするために省いている)。得られたCAR T細胞を、三重陽性Raji腫瘍株とE:T比10にて一緒にして一晩おき、培養上清を分析してIFNg、TNFa、およびIL-2について調べた。すべてのDuo CARコンストラクトが、Raji細胞に応答して3つのサイトカインを高レベルで示した。Raji標的の非存在下でインキュベートしたCAR T細胞からなるDuoCAR単独コントロールについては、Raji 13G11細胞に応答したはっきりとしたサイトカイン生成は確認されず、このことから、サイトカイン反応が標的特異的であることが示された(
図20)。
【発明を実施するための形態】
【0082】
詳細な説明
定義
本明細書中において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかな矛盾がない限り、単数形と複数形の両方を指す。たとえば、用語「an antigen(抗原)」は、1つまたは複数の抗原を含み、「少なくとも1つの抗原」という言葉と同等であるとみなし得る。本明細書中において使用される場合、用語「comprises」は「includes」を意味する。したがって、「comprising an antigen」は、他の要素を除外しない「includingan antigen」を意味する。「および/または」という言葉は、「および」または「または」を意味する。さらに、特に記載がない限り、核酸またはポリペプチドに与えられる任意のおよびすべての塩基の大きさまたはアミノ酸の大きさならびにすべての分子量または分子質量の値は、近似値であり、説明目的で提供されることが理解される。本明細書中に記載されるものと類似するまたはこれと同等である多くの方法および材料を使用できるが、特に好適な方法および材料が以下に記載される。万一矛盾がある場合には、本明細書(用語の説明を含む)が支配する。これに加えて、材料、方法、および例示は、例証することのみを目的とし、限定を意図しない。多様な実施形態を参照することを容易とするために、以下に用語の説明が提供される。
【0083】
用語「約」は、量および持続期間などの測定可能な値を指す場合、明示される値から±20%、±10%、またはより好ましくは±5%、または±1%、またはさらにより好ましくは±0.1%の変量を含むことを意味する。というのは、こうした変量が、開示される方法の実施に適切であるためである。
【0084】
特に記載がない限り、本明細書中の科学用語は、従来の用法で使用される。分子生物学における一般用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes VII, published by Oxford University Press, 1999; Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, published by Blackwell Science Ltd., 1994; and Robert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: A Comprehensive Desk Reference, published by VCH Publishers, Inc., 1995;および他の類似する参考資料において見つけ得る。
【0085】
本発明は、疾患および/または状態、ならびに血液悪性腫瘍および固形腫瘍を含むがこれらに限定されないがんを処置するための組成物ならびに方法に関する。本発明は、2つ以上のベクターが形質導入されたT細胞を養子細胞移入して1つ以上のDuoCARを発現させるための、患者特異的かつ腫瘍特異的な方法に関する。
【0086】
より具体的には、本発明は、キメラ抗原受容体(DuoCAR)を発現するレンチウイルスベクターに関し、また、たとえば対象におけるがんを処置するための、当該CARを発現するレンチウイルスベクターが形質導入された宿主細胞(たとえば、リンパ球、T細胞)、当該レンチウイルスベクターおよびキメラ抗原受容体をコードする核酸分子、ならびにそれらの使用方法も提供される。
【0087】
驚くべきことに、そして予期しないことには、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を含む免疫治療用組成物は、1つまたは複数のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする2つ以上のレンチウイルスベクターを自家リンパ球細胞集団に形質導入した場合に、抗腫瘍免疫療法としての有効性が大幅に高くなることを本発明者らは見い出した。1つまたは複数のCARを発現する少なくとも2つ以上のレンチウイルスベクターを使用することは、患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivoにおける増殖、持続を促進し、そしてその結果として、腫瘍安定化、縮小、除去、またはがんの緩解、またはがん再発の予防もしくは寛解、またはこれらの任意の組み合わせを患者特異的にもたらすようである。
【0088】
本明細書中に記載される、このような活性のある患者特異的抗腫瘍T細胞集団は、直接注入により患者に戻すことによって、患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivoにおける増殖、持続を促進でき、そしてその結果として、腫瘍の安定化、縮小、除去、がんの緩解、またはがん再発の予防もしくは寛解、またはこれらの組み合わせを患者特異的にもたらすことができる。また、治療用細胞集団の効果的な増殖および迅速な収縮も含まれる。
【0089】
よって、最も広い態様において、この養子免疫療法の新規性は、CAR発現ベクターの組み合わせの使用にある。特徴の違いとして、従来の1つ以上のキメラ抗原受容体を発現する1つのベクターの使用とは異なり、当該Duo CARアプローチは、多重抗原特異性と、in vivoにおける抗腫瘍T細胞活性に最適なシグナル伝達との両方をもたらす。3つ以上の抗原が効率よく標的とされるシステムを作製することは、腫瘍がん細胞によるエスケープ変異体の発生が可能であるために腫瘍転移および/または腫瘍再発が生じ得る単独型またはタンデム型のアプローチよりも、大幅に優れている。1つまたは複数のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする2つ以上のベクターの使用においては、各ベクターにおいて少なくとも1つの結合ドメインの特定の組み合わせが同一でなく、さらに、少なくとも1つのシグナル伝達モチーフの組み合わせがベクターの各々の間で同一でないことも必要とされ、こうしたことによって、このようなduoレンチウイルスベクター由来CARが形質導入された1つ以上の遺伝子改変リンパ球集団が、患者特異的抗腫瘍リンパ球細胞のin vivoにおける増殖、持続を促進でき、そしてその結果として、腫瘍もしくはがんの安定化、縮小、除去、もしくは緩解、および/または腫瘍もしくはがんの再発の予防もしくは寛解、またはこれらの任意の組み合わせを患者特異的にもたらすことができる、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を発生させる。
【0090】
一態様において、少なくとも2つのベクター(DuoCAR)をコードする1つ以上の単離された核酸分子を含む免疫治療用組成物が提供され、各ベクターは機能性CARをコードし、当該ベクターの1つにおける少なくとも1つの結合ドメインは同一でなく、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合している。
【0091】
別の一態様において、少なくとも2つのベクター(DuoCAR)をコードする1つ以上の単離された核酸分子を含む免疫治療用組成物が提供され、各ベクターは機能性CARをコードし、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合しており、ただし、免疫治療用組成物は、特に、
図5(A)、(B)、(C)、または(D)にそれぞれ示される単独CAR、分割CAR、タンデムCAR、または複数のCARを除く。
【0092】
本発明に係るDuoCARレンチウイルスベクター改変T細胞を用いて達成される免疫療法効力および腫瘍またはがんの再発の予防または寛解は、従来の単独CAR設計による成果を大幅に上回り、かつこれを相乗的に超えるものである。この生物学的治療利益のユニークな組み合わせと相互に関連し合って、従来のCARに基づくT細胞免疫療法よりも患者特異的抗腫瘍リンパ球細胞のin vivoにおける増殖、持続が増大し、そしてその結果として、腫瘍またはがんの安定化、縮小、除去、または緩解がもたらされるのである。
【0093】
リンカードメインおよび膜貫通ドメイン(個々の白抜き四角)に結合した1つの結合ドメイン(黒色、白抜きまたは縞つきの丸、特異性がそれぞれ異なる、
図5)の発現を誘発するように、CAR発現ベクターを作製できる。下記の
図5は、従来のCARと本発明に係るDuoCARとの比較を示す。
図5中、太い灰色の線は、形質細胞膜を表す。細胞内において、4-1BB(CD137)、CD28、およびCD3-ゼータ鎖に由来するリンパ球シグナル伝達ドメインを、図示される通りに結合させ得る。本出願中におけるCD3シグナル伝達ドメインのすべての例および使用において、免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)の1つ、2つ、または3つを、その中のチロシン残基の選択的変異誘発(または、ITAMモチーフがリン酸化の標的とならないようにできるその他のこのような変異)を行なって変化させることにより、CD3ゼータ鎖を改変することが含まれる。単独CAR(
図5A)においては、1つの結合ドメインが、膜貫通ドメインと2つのシグナル伝達ドメインとに結合している。分割CAR(
図5B)においては、2つの異なるバインダーが、有効なシグナル伝達をもたらすために結合していなければならない1つのシグナル伝達ドメインと共に表されている。タンデムCAR(
図5C)においては、2つの結合ドメインが1つのシグナル伝達ドメインに結合している。1つのベクターからの複数のCAR(
図5D)においては、1つのベクターから2つの十分な機能性を有するCARが発現している。本発明に係るDuo-CAR(たとえば、
図5E)は少なくとも2つのベクターをコードし、各ベクターは機能性CARをコードし、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合している。本発明に係るDuoCARを区別している必須の特徴は、2つ以上のベクターを使用すること、結合ドメインが複数あること、および、発現された2つの細胞表面タンパク質のうち少なくとも1つが十分に機能的なシグナル伝達特性(in vivoにおけるT細胞の増殖に関する)を有することである。
【0094】
別の一態様において、DuoCARは、治療用T細胞集団が介在する腫瘍に対する免疫応答を亢進させるために使用される。免疫応答は、少なくとも3つの様式で亢進する。
【0095】
第1に、体内で増殖および生存するためのさらなるシグナルをT細胞に与えることによって、本発明に係るDuoCARは、自己抗原(たとえばCD19)(これがなくなっても患者は許容できる)(腫瘍組織自体には存在しない治療用細胞集団に対して刺激シグナルを与える役目を果たす)に遭遇した際にT細胞集団を刺激することによって、治療用T細胞集団を持続させることができる。第3世代DuoCAR(細胞内において3つの共刺激ドメインを発現しており、1つの細胞外Ig様バインダーに結合している)は、2つの細胞内共刺激ドメインを発現するDuoCARと同様に、治療用T細胞上に発現していないことがよく知られており、かつ明らかになっている。たとえば、下記の
図6中、初代ヒトT細胞上におけるCARコンストラクトの発現レベルが、第2世代(2つの共刺激ドメイン)のコンストラクトと第3世代(3つの共刺激ドメイン)のコンストラクトとの間で異なっている。T細胞は、以下のCARを発現するように形質導入されている:CARなし(偽)、第2世代CAR(CAR-A-28z)、第3世代CAR(CAR-A-28BBz)、およびその他の第2世代CAR(CAR-A-BBz)。CARの表面発現レベルをフローサイトメトリーによって検出し、y軸上に平均蛍光強度(MF)として示す。すべてのコンストラクトが全く同一のCAR結合ドメインを発現していたが、2つの第2世代CARのMFIは大幅に明るかった。
【0096】
別のベクターCARコンストラクトに第3のT細胞活性化配列を与えることによって、本発明者らは、T細胞表面におけるCAR発現の低下というデメリットを生じることなく、3つの共刺激ドメインを発現させる利点を達成できる。
【0097】
第2の態様において、本発明に係るDuoCARは、免疫抑制効果に介在する腫瘍以外の細胞型を標的とし得る。たとえば、CD19発現B細胞が腫瘍病変中に存在していて、IL-4またはその他のメディエーターを産生することによって抗腫瘍免疫を阻害している場合に、DuoCARを発現する腫瘍特異的T細胞集団を使用することの第2の利益として、この免疫抑制細胞集団も除去されるということがある。
【0098】
たとえば、免疫抑制性のB細胞が固形腫瘍病変中に存在する場合、B細胞に特異的なDuoCAR(CD19特異的DuoCARなど)を用いることによって、これらを除去できる。免疫抑制性の線維芽細胞様細胞が存在する場合には、間質特異的DuoCARによって(たとえば、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAP)を標的とすることによって)、これらを除去できる。脈管構造の形成異常が原因となって効果的な免疫応答が損なわれている場合には、そうした型の血管またはリンパ管特異的標的(VEGFR抗体など)に対して特異的なDuoCARによって治療転帰を改善することもできる。
【0099】
第3の態様において、本発明に係るDuoCARは、腫瘍から遠位にある(すなわち体内の別の区画に存在する)免疫抑制性集団を標的とする。たとえば、腫瘍病変自体または局所のリンパ節もしくは骨髄に存在し得る骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)を標的とするDuoCARを使用する。腫瘍流入リンパ節(tumor-draining lymph nodes)は免疫活性化の場にも免疫抑制の場にもなり得るということが明らかになっている。このことは、そのリンパ節の全般的炎症程度と、リンパ節への移行よりも前に生じた遠位の樹状細胞分化とに依存している。骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)または間違って分化した樹状細胞などの抗原提示細胞が腫瘍流入リンパ節内に存在している場合、これらの細胞型を標的とするDuoCARを用いて(腫瘍自体からは遠位であっても)、治療転帰を改善できる。がん特異的DuoCAR免疫療法用途以外に、DuoCARの2つめの用途として、自己免疫性および/または炎症性の疾患の予防または処置が考えられる。腫瘍関連用途との違いは、T制御性細胞(Treg)、または誘導性T制御性細胞(iTreg)、またはTh-2様免疫応答を促進する条件下において培養したその他の細胞が、細胞性基質になり得るという点である。腫瘍用途においては、Th-1様細胞が細胞性基質である。造血幹細胞移植(HSCT)後の移植片対宿主病(GvHD)、アレルギー性の気道、腸、もしくはその他の粘膜の炎症、または皮膚アレルギーといった広い治療用途において、形質転換増殖因子ベータ(TFG-ベータ)などの免疫阻害性サイトカインを産生するCAR改変リンパ球が存在することにより、自己免疫または炎症により引き起こされる疾患を寛解する幅広い免疫寛容原性シグナルが生じると考えられる。このアプローチは、アルツハイマー病、多発性硬化症、外傷性脳損傷、パーキンソン病、およびCTE(振盪または微小振盪の繰り返しによって生じる慢性外傷性脳症)などの抹消または中枢神経系(CNS)の神経性炎症状態を含む。また、このアプローチは、COPD(慢性阻塞性肺疾病)などの進行性瘢痕疾患も含む。
【0100】
炎症性疾患の処置において、組織抗原、または炎症を起こしている細胞の表面上のストレス(distress)マーカー、またはミスフォールドされたタンパク質(タウタンパク質またはベータ-アミロイドなど)に対して特異的なリンパ球を、これらの標的に対して特異的なDuoCAR発現ベクターを発生させることによって産生できると考えられる。単一の抗体に基づくアルツハイマー病療法が既に臨床展開されている(すなわち、Eli Lilly社によるソラネズマブおよびBiogen社によるアデュカヌマブ)。アルツハイマー病においては、モノマー型または凝集型ベータアミロイドに対する抗体を、細胞表面タンパク質に結合するバインダーの代わりに、CAR様式にて使用することができる。また、MHC分子が結合したタウタンパク質またはタウペプチドに結合するバインダーも、CARの結合モチーフとして使用できる。また、CAR発現Treg集団に対する局所特異性を与える目的で、特定末梢組織へのリンパ球のホーミングに介在する受容体をCAR様式に含めることもできる。リンパ球を特定組織中へと浸潤させることが知られる接着受容体ドメインおよびサイトカイン配列またはサイトカインまたはケモカイン受容体またはバインダーを、CARドメインの一部として使用できる。CD44およびインテグリンアルファ-4などの接着分子はリンパ球をCNSへと指向させることが知られており、よって、リンパ球集団のCNS遊走性挙動に介在することが知られる接着分子由来のドメインを使用してCAR発現リンパ球を疾患部位に指向させることもできると考えられる。同じことが、腸(すなわち、MAdCAm-1に結合するバインダー、CCR9、または抗CCL25抗体の発現など)、肺(すなわち、P-セレクチンまたはメソテリン)、皮膚(すなわち、E-セレクチンに結合するバインダー)、またはその他の粘膜表面についてもいえると考えられる。
【0101】
このアプローチを用いるために、炎症状態を有する、または炎症病態の軽減によって処置できる疾患(アルツハイマー病など)を有する患者を診療所に入院させて、末梢血を回収することができる。Tregを、免疫磁気ビーズ(制御性T細胞単離キット、Miltenyi Biotec)を用いて直接選択できる、または、適切なサイトカイン環境下での培養により誘発できる。次いで、このTregまたはiTregをDuoCARベクターを用いて形質導入し、必要であればin vitroにおいて増殖させることができる(Treg増殖キット、Miltenyi Biotec)。DuoCAR結合ドメインは、抗体、または組織特異的ホーミングに介在する受容体、および抗ベータアミロイドなどの疾患関連バインダーに由来するものであってよい。こうして作製された操作免疫エフェクター細胞を適切な部位へと指向させて、そのTh2またはTreg分化パターンに応じたサイトカインを産生させることができる。CAR受容体が活性化時に特異的遺伝子ペイロード(genetic payloads)を分泌するようにCAR-T細胞を操作できることも知られている。ベクターから発現されるDuoCARペイロード以外にも、T細胞集団の操作により、a)A-ベータDP(アミロイドベータ分解プロテアーゼ)、b)マトリックスプロテアーゼ(たとえば、COPDにおけるMMP-9およびMMP9阻害剤)、c)プラーク形成を妨げるペプチドまたは可溶性抗体様バインダー、およびd)サイトカイン(たとえば、TGF-ベータ、IL-4、IL-10)などのさらなる治療用タンパク質またはペプチドを発現または分泌させることができる。
【0102】
また、細胞内でT細胞の機能を調節するmiRNAを発現させることもできる。miRNAの例には、miR-92a、miR-21、miR-155、miR-146a、miR-3162、miR-1202、miR-1246、およびmiR-4281、miR-142、miR-17-92が挙げられる。また、miRNAに対するshRNAも作製できる。例として、一般にPD1に結合してその発現を増大させるmiR-28、miR-150、およびmiR-107を標的とするshRNAが挙げられる。
【0103】
腫瘍学に関連する用途、ならびに炎症性および自己免疫性の疾患に関連する用途以外に、Duo CAR技術の3つめの用途として、ウイルス性、細菌性、または真菌性の抗原に対して特異的な治療用リンパ球集団を発生させることが考えられる。かくして、B細胞性悪性腫瘍について説明した腫瘍学用途においては、感染症を標的とし、微生物抗原を認識させることによって、Duo CAR産物を、感染病原体または疾患組織に対する免疫防御活性または免疫治療活性において介在させることができる。病原体がコードするペプチドの認識に細胞受容体自体が介在するT細胞受容体(TCR)に基づくアプローチとは異なり、Duo CARアプローチは、CARベクター様式にて発現した結合タンパク質を利用できるため、形質導入T細胞集団が抗体のように認識できる(すなわち、抗原プロセシングを必要としない)。治療用T細胞集団が活性化されると、その結果として、免疫活性化座位が感染細胞を除去できるようになり、また、微生物抗原が細胞に結合していない場合にはインターフェロン-ガンマのような可溶性メディエーターを放出できるようになるために、感染病原体に対する有効な免疫応答をもたらすことができる。
【0104】
たとえば、HIVは非常に変異しやすいことが知られているが、しかしながら、特定のクレードまたはファミリーを類別でき、かつ、クレード特異的ウイルスエンベロープタンパク質(env、gp120)に対する抗体を作製できる。DuoCARアプローチを用いれば、3つ以上のクレード特異的抗体様バインダーをCARコンストラクト中に含めることにより、広い抗HIV免疫活性が得られる。ウイルスタンパク質に加えて、細菌タンパク質を標的とすることもできる。現時点での医学上の課題は、医療現場で生じることの多い抗生物質耐性細菌株の処置である。これには、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、およびKPC(クレブシエラ・ニューモニエカルバペネマーゼ産生グラム陰性細菌、CRKP)などが含まれる。クレブシエラ細胞表面抗原は、O抗原(9個のバリアント)およびK抗原(およそ80個のバリアント)を含む。O抗原スペクトルは小さなDuoCARライブラリで容易に対応でき、複数のK抗原についても同様である。使用にあたり、異なるK血清型またはO血清型に結合する抗体を特徴とするCARコンストラクトを作製することができ、腫瘍学用途での場合と同様に、こうしたCARベクターを使用してTh1様エフェクター細胞集団を形質導入、単離、活性化できる。真菌性疾患においては、L.Cooperらの研究(Kumasesan, P.R., 2014, PNAS USA, 111:10660)から、通常ヒト細胞上に発現している真菌結合タンパク質デクチン-1をCARとして再構成でき、これを使用してin vitroにおける真菌の増殖を制御できることが示されている。アスペルギルス症というヒト疾患は、重症の免疫抑制患者において生じ、真菌A.フミガーツス(A.fumigatus)によって引き起こされる。複数のグループが、アスペルギルス細胞表面の抗原成分に対して特異的なモノクローナル抗体を作製し、真菌表面の3つ以上のアスペルギルス抗原を標的とするDuoCARを用いた養子免疫療法への扉を開いた。これにより、これらの感染症用途のすべてにおいて、微生物抗原に結合する免疫グロブリン様バインダーを作製できるようになったため、CAR発現エフェクターリンパ球集団により複数の抗原を標的化することが可能となった。
【0105】
次に、本明細書中に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用され得るDuoCARについて詳細に説明する。この説明には、その細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内ドメインについての説明と、DuoCAR、抗体、およびその抗原結合断片、結合体(conjugates)、ヌクレオチド、発現、ベクター、および宿主細胞、開示されるDuoCARを使用する処置方法、組成物、およびキットについてのさらなる説明が含まれる。ここまで、本発明に係る組成物および方法を、DuoCARの作製および利用を参照しながら例証したが、本明細書中においては、当該組成物および方法がTrioCARおよびQuatroCARの作製および利用を含むことが特に意図される。
【0106】
A.キメラ抗原受容体(DuoCAR中に存在)
本明細書中に開示されるDuoCARは少なくとも2つのベクターを含み、各ベクターは機能性CARをコードし、これにより、ベクターが組み合わされている結果として2つ以上の同一でない結合ドメインの発現が生じることになり、当該ベクターにコードされる結合ドメインは各々が膜貫通ドメインおよび1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合しており、少なくとも1つの細胞外ドメインは、抗原、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内ドメインに結合できる。
【0107】
CARは、膜貫通ドメインを介してT細胞シグナル伝達ドメインに結合した抗体の抗原結合ドメイン(たとえば、一本鎖可変断片(scFv))を含有する、人工的に構築されたハイブリッドタンパク質またはポリペプチドである。DuoCARの特徴には、MHCに制限されない様式で、T細胞の特異性および反応性を、選択された標的に再指向させ、モノクローナル抗体の抗原結合特性を活用する能力が含まれる。MHCに制限されずに抗原を認識できるため、DuoCARを発現するT細胞は、抗原プロセシングから独立して抗原を認識でき、その結果として腫瘍エスケープの主要な機序を回避できる能力を有する。また、DuoCARは、T細胞において発現すると、有利にも、内因性のT細胞受容体(TCR)のアルファ鎖およびベータ鎖と二量体化しない。
【0108】
本明細書中に開示されるとおり、DuoCARの細胞内T細胞シグナル伝達ドメインは、たとえば、T細胞受容体シグナル伝達ドメイン、T細胞共刺激シグナル伝達ドメイン、またはその両方を含んでよい。T細胞受容体シグナル伝達ドメインは、たとえばCD3ゼータ タンパク質の細胞内部分など(これに限定されない)のT細胞受容体の細胞内ドメインを含むCARの一部分を指す。共刺激シグナル伝達ドメインは、共刺激分子の細胞内ドメインを含むCARの一部分を指し、これは、リンパ球が抗原に対して効率よく反応するために必要な、抗原受容体またはそのリガンド以外の細胞表面分子である。いくつかの例において、活性化ドメインは、リン酸化の特定部位(すなわちCD3ゼータ鎖におけるITAMモチーフ)の変異によって減弱され得て、これにより、このドメインが介在するシグナル伝達の程度を慎重に調節することができる。
【0109】
1.細胞外ドメイン
一実施形態において、本明細書中に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるCARは、抗原結合ドメインまたは部位とも称される標的特異的結合要素を含む。ドメインの選択は、標的細胞の表面を定めるリガンドの種類および数に依存する。たとえば、抗原結合ドメインは、特定の疾患状態に関連する標的細胞上において細胞表面マーカーとして働くリガンドを認識するように選択されてよい。したがって、CARにおける抗原結合ドメインのリガンドとして働き得る細胞表面マーカーの例は、ウイルス感染、細菌感染、および寄生虫感染、自己免疫疾患、およびがん細胞に関連するものを含む。
【0110】
一実施形態において、CARは、腫瘍細胞上の抗原に特異的に結合する所望の抗原結合ドメインを設計することによって、目的の腫瘍抗原を標的とするように設計できる。腫瘍抗原は、腫瘍細胞によって産生され、免疫応答、特にT細胞介在性の免疫応答を顕在化させるタンパク質である。抗原結合ドメインの選択は、処置するがんの具体的な種類に依存し得る。腫瘍抗原は当技術分野において周知されており、たとえば、神経膠腫関連抗原、癌胎児性抗原(CEA)、ベータ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、チログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ(prostase)、前立腺特異抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン(prostein)、PSMA、Her2/neu、サバイビンおよびテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン成長因子(IGF)-I受容体、IGF-II受容体、IGF-I受容体、およびメソテリンを含む。本明細書中に開示される腫瘍抗原は、単に例示として含まれる。その列記は限定を意図するものではなく、これら以外の例が当業者には容易に認識されるであろう。
【0111】
一実施形態において、腫瘍抗原は、悪性腫瘍に関連する1つ以上の抗原がんエピトープを含む。悪性腫瘍は、免疫攻撃の標的抗原として働き得る複数のタンパク質を発現する。こうした分子は、黒色腫におけるMART-1、チロシナーゼ、およびGP100、ならびに前立腺がんにおける前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)および前立腺特異抗原(PSA)などの組織特異抗原を含むが、これらに限定されない。これら以外の標的分子として、がん遺伝子HER-2/Neu/ErbB-2などの形質転換関連分子の群に属するものがある。さらに別の標的抗原の群として、癌胎児性抗原(CEA)などのがん胎児性の抗原がある。B細胞リンパ腫においては、腫瘍特異的なイディオタイプの免疫グロブリンが、個々の腫瘍に固有である真に腫瘍特異的な免疫グロブリン抗原に該当する。CD19、CD20、CD22、およびCD37などのB細胞分化抗原もまた、B細胞リンパ腫における標的抗原の候補である。こうした抗原(CEA、HER-2、CD19、CD20、CD22、イディオタイプ)のうちいくつかは、モノクローナル抗体を使用する受動免疫療法の標的として使用されているが、十分な成功は収めていない。
【0112】
腫瘍抗原の種類は、腫瘍特異抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)であってもよい。TSAは腫瘍細胞に固有であり、身体の他の細胞上には生じない。TAAは、腫瘍細胞に固有ではなく、その代わり、この抗原に対する免疫寛容状態が誘発されない条件下において、正常細胞上にも発現する。腫瘍におけるこの抗原の発現は、この抗原に対する免疫系の応答を可能とする条件下において生じ得る。TAAは、免疫系が成熟しておらず抗原に応答できない胎児発生の間に正常細胞上に発現する抗原であり得る、または、TAAは、通常から正常細胞上に極めて低レベルで存在しているが腫瘍細胞上ではこれより大幅に高いレベルで発現する抗原であり得る。
【0113】
TSAまたはTAAの例は、MART-1/MelanA(MART-I)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2などの分化抗原、およびMAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15などの腫瘍特異的多系譜抗原;CEAなどの過剰発現胚抗原;p53、Ras、HER-2/neuなどの過剰発現がん遺伝子および変異腫瘍抑制遺伝子;染色体転座に起因する固有の腫瘍抗原;BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RARなど;ならびに、Epstein Barrウイルス抗原EBVAおよびヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7などのウイルス抗原を含むが、これらに限定されない。これら以外の、タンパク質に基づく大きな抗原は、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、RAGE、NY-ESO、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72、CA 19-9、CA 72-4、CAM 17.1、NuMa、K-ras、ベータ-カテニン、CDK4、Mum-1、p 15、p 16、43-9F、5T4、791Tgp72、アルファ-フェトプロテイン、ベータ-HCG、BCA225、BTAA、CA 125、CA 15-3/CA 27.29/BCAA、CA 195、CA 242、CA-50、CAM43、CD68/P1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733/EpCAM、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90/Mac-2結合タンパク質/シクロフィリンC関連タンパク質、TAAL6、TAG72、TLP、およびTPSを含む。
【0114】
好ましい一実施形態において、CARの抗原結合ドメイン部分は、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソテリン、CD33、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、MY-ESO-1 TCR、およびMAGE A3 TCRなどを含むがこれらに限定されない抗原を標的とする。さらに別の一実施形態において、タグまたは抗タグ結合ドメインを含むDuoCARが、本明細書中において提供される。
【0115】
標的とする所望の抗原に依存して、CARは、当該所望の抗原標的に対して特異的な適切な抗原結合ドメインを含むように設計されてもよい。たとえば、CD19が、標的とする所望の抗原である場合には、CD19に対する抗体またはそのCD19特異的scFvサブ断片を、CARに組み込む抗原結合ドメインとして使用してよい。
【0116】
例示的な一実施形態において、CARの抗原結合ドメイン部分は、CD19を標的とする。好ましくは、CARにおける抗原結合ドメインは、抗CD19 scFVであり、ここで、抗CD19 scFVの核酸配列は、配列番号27の配列を含む。一実施形態において、抗CD19 scFVは、配列番号28のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の一実施形態において、CARの抗CD19 scFV部分は、配列番号28のアミノ酸配列を含む。第2の例示的な実施形態において、CARの抗原結合ドメインは、CD20を標的とする。好ましくは、CARにおける抗原結合ドメインは、抗CD20 scFvであり、ここで、抗CD20 scFvの核酸配列は、配列番号1の配列を含む。別の一実施形態において、CARの抗CD20 scFV部分は、配列番号2のアミノ酸配列を含む。第3の例示的な実施形態において、CARの抗原結合ドメインは、CD22を標的とする。好ましくは、CARにおける抗原結合ドメインは、抗CD22 scFvであり、ここで、抗CD22 scFvの核酸配列は、配列番号7の配列を含む。別の一実施形態において、CARの抗CD22 scFV部分は、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0117】
本発明の一態様において、たとえば、レトロウイルス科(たとえば、HIV-1およびHIV-LPなどのヒト免疫不全ウイルス)、ピコルナウイルス科(たとえば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、およびエコーウイルス)、風疹ウイルス、コロナウイルス、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス、エボラウイルス、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、パルボウイルス、アデノウイルス科、ヘルペスウイルス科(たとえば、1型および2型単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ならびにヘルペスウイルス)、ポックスウイルス科(たとえば、天然痘ウイルス、ワクシニアウイルス、およびポックスウイルス)、またはC型肝炎ウイルス、またはこれらの任意の組み合わせに由来する抗原(これらに限定されない)を含む、TSA以外またはTAA以外に結合できるCARが提供される。
【0118】
本発明の別の一態様において、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌、シュードモナス、またはサルモネラ菌といった菌種に由来する抗原に結合できるCARが提供される。特に、たとえば、ヘリコバクター・ピロリ、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)、マイコバクテリア種(たとえば、結核菌、M.アビウム、M.イントラセルラーレ、M.カンサシ(M.kansaii)、またはM.ゴルドナエ(M.gordonea))、黄色ブドウ球菌、淋菌、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、リステリア菌、化膿連鎖球菌、A群連鎖球菌、B群連鎖球菌(ストレプトコッカス・アガラクチア)、肺炎連鎖球菌、もしくは破傷風菌といった菌種またはこれらの組み合わせなどの感染性細菌に由来する抗原に結合できるCARが提供される。
【0119】
2.膜貫通ドメイン
本明細書中に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARにおいて、CARは、当該CARの細胞外ドメインに融合した1つ以上の膜貫通ドメインを含む。
【0120】
一実施形態において、単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされるリンカードメインは、CD8の細胞外ドメインに由来し、かつ膜貫通ドメインに結合している。
【0121】
一実施形態において、単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされるリンカードメインは、膜貫通ドメインの細胞外ドメインに由来し、かつ膜貫通ドメインに結合している。
【0122】
いくつかの例において、受容体複合体のその他の構成要素との相互作用を最小限とするために、膜貫通ドメインは、当該ドメインが同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインに結合するのを回避するように選択またはアミノ酸置換されてよい。
【0123】
膜貫通ドメインは、天然供給源または合成供給源のいずれに由来するものであってよい。供給源が天然のものである場合、このドメインは、任意の膜結合型または膜貫通型タンパク質に由来するものであってよい。本発明において特に有用な膜貫通領域は、T細胞受容体のアルファ、ベータ、もしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、CD271、TNFRSF19、FcイプシロンR、またはこれらの任意の組み合わせに由来する(すなわち、これらの膜貫通領域を少なくとも含む)ものであってよい。代替的には、膜貫通ドメインは、合成されたものであってよく、この場合、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を主として含んでよい。好ましくは、フェニルアラニン、トリプトファン、およびバリンのトリプレットが、合成膜貫通ドメインの各末端にみられてよい。任意に、好ましくはアミノ酸2~10個の長さの、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカーが、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間の結合を形成していてよい。グリシンとセリンとのダブレットまたはトリプルアラニンモチーフは、特に好適なリンカーである。
【0124】
一実施形態において、本発明に係るCARにおける膜貫通ドメインは、CD8膜貫通ドメインである。一実施形態において、CD8膜貫通ドメインは、配列番号11の核酸配列を含む。一実施形態において、CD8膜貫通ドメインは、配列番号12のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の一実施形態において、CD8膜貫通ドメインは、配列番号12のアミノ酸配列を含む。
【0125】
いくつかの例において、CARの膜貫通ドメインは、CD8アルファヒンジドメインを含む。一実施形態において、CD8ヒンジドメインは、配列番号13の核酸配列を含む。一実施形態において、CD8ヒンジドメインは、配列番号14のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の一実施形態において、CD8ヒンジドメインは、配列番号14のアミノ酸配列を含む。
【0126】
いかなる特定の作用機序に限定されることも意図しないが、本明細書中に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用される本発明に係る例示的なDuoCARに関連して治療的機能が向上した理由には、たとえば以下が含まれると考えられるが、これらに限定されない:a)細胞膜中における横方向の動きが改善されたためにシグナル伝達の効率が上がった、b)細胞膜マイクロドメイン中における位置が優れていたために(脂質ラフトなど)、T細胞活性化に関連する膜貫通型シグナル伝達カスケードとの相互作用能力が向上した、c)低減性もしくは下方調節性の相互作用から離れる動きが優先的であったために、細胞膜中における位置が優れていた、たとえば、CD45などのホスファターゼからの距離が比較的遠かったもしくは当該ホスファターゼとの相互作用が比較的少なかった、ならびに、d)T細胞受容体シグナル伝達複合体(すなわち、免疫シナプス)への結合が優れていた、またはこれらの任意の組み合わせ。
【0127】
本明細書中に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団の一実施形態において、本明細書中に開示されるDuoCARにおいて使用される非限定的かつ例示的な膜貫通ドメインは、TNFRSF16を含む。同出願人による同時係属中の仮特許出願第62/239,509号(発明の名称「キメラ抗原受容体および使用方法」、2015年10月9日付で出願、Lentigen Technology社の事件番号第LEN_015PRO号)中に開示されるとおり、TNFRSF19膜貫通ドメインは、TNFRSF膜貫通ドメインおよび/またはリンカードメインもしくはスペーサードメインを誘導するために使用され得る(特に、その表I中に列記される腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーに列記されるその他のTNFRSF構成要素を含む)。
【0128】
3.スペーサードメイン
本明細書中に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARにおいて、細胞外ドメインとTNFRSF膜貫通ドメインとの間、または細胞内ドメインとTNFRSF膜貫通ドメインとの間に、スペーサドメインが配置されていてよい。スペーサドメインとは、TNFRSF膜貫通ドメインを細胞外ドメインと、および/またはTNFRSF膜貫通ドメインを細胞内ドメインと結合させるように働く、任意のオリゴペプチドまたはポリペプチドを意味する。スペーサドメインは、アミノ酸を上限300個まで、好ましくはアミノ酸を10~100個、最も好ましくはアミノ酸を25~50個を含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、リンカーはスペーサー要素を含んでよく、スペーサー要素が存在する場合、スペーサー要素によってリンカーが大きくなり、エフェクター分子または検出可能なマーカーと抗体または抗原結合断片との間の距離が長くなる。スペーサーの具体例は当業者に周知されており、米国特許第7,964,566号、第7,498,298号、第6,884,869号、第6,323,315号、第6,239,104号、第6,034,065号、第5,780,588号、第5,665,860号、第5,663,149号、第5,635,483号、第5,599,902号、第5,554,725号、第5,530,097号、第5,521,284号、第5,504,191号、第5,410,024号、第5,138,036号、第5,076,973号、第4,986,988号、第4,978,744号、第4,879,278号、第4,816,444号、および第4,486,414号、ならびに米国特許公開第20110212088号および第20110070248号中に列記されるものを含む(これらの全体を引用により本明細書に援用する)。
【0130】
スペーサードメインは、好ましくは、CARと抗原との結合を促進し細胞中へのシグナル伝達を増大させる配列を有する。結合を促進すると予期されるアミノ酸の例は、システイン、荷電アミノ酸、ならびにグリコシル化の可能性のある部位におけるセリンおよびトレオニンを含み、これらのアミノ酸を、スペーサードメインを構成するアミノ酸として使用できる。
【0131】
このスペーサードメインとして、CD8アルファ(NCBI RefSeq:NP__001759.3)のヒンジ領域を含むアミノ酸番号137~206(配列番号15)、CD8ベータ(GenBank:AAA35664.1)のアミノ酸番号135~195、CD4(NCBI RefSeq:NP__000607.1)のアミノ酸番号315~396、またはCD28(NCBI RefSeq:NP__006130.1)のアミノ酸番号137~152の、全体または一部を使用できる。また、このスペーサードメインとして、抗体のH鎖またはL鎖(CH1領域またはCL領域、たとえば、配列番号16のアミノ酸配列を有するペプチド)の定常領域の一部も使用できる。さらに、このスペーサードメインは、人工的に合成された配列であってもよい。
【0132】
さらに、CARにおいて、N末端にシグナルペプチド配列が結合していてよい。このシグナルペプチド配列は、多くの分泌タンパク質および膜タンパク質のN末端に存在し、アミノ酸15~30個の長さを有する。細胞内ドメインとして上述されるタンパク質分子の多くがシグナルペプチド配列を有するため、このシグナルペプチドを、CARのためのシグナルペプチドとして使用できる。一実施形態において、シグナルペプチドは、配列番号5のリーダー(シグナルペプチド)配列のヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、シグナルペプチドは、配列番号6のアミノ酸配列を含む。
【0133】
4.細胞内ドメイン
CARの細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、CARが導入された免疫細胞の正常なエフェクター機能のうち少なくとも1つの活性化を担う。用語「エフェクター機能」は、細胞の特殊機能を指す。たとえば、T細胞のエフェクター機能は、細胞溶解活性、またはサイトカインの分泌を含むヘルパー活性であり得る。よって、用語「細胞内シグナル伝達ドメイン」は、エフェクター機能シグナルを伝達し細胞が特殊機能を果たすように仕向ける、タンパク質部分を指す。通常は細胞内シグナル伝達ドメインの全体を使用できるが、多くの場合、鎖全体を使用する必要はない。細胞内シグナル伝達ドメインを切断した一部が使用される場合、この切断部分がエフェクター機能シグナルを伝達できる限りは、これを完全な鎖の代わりに使用してよい。したがって、用語「細胞内シグナル伝達ドメイン」の意味には、エフェクター機能シグナルを伝達するのに十分な細胞内シグナル伝達ドメインの任意の切断部分が含まれる。
【0134】
CARにおいて使用するための細胞内シグナル伝達ドメインの好ましい例は、抗原と受容体との結合後にシグナル伝達を開始するよう協同作用するT細胞受容体(TCR)および共受容体の細胞質配列、ならびにこれらの配列の任意の派生物またはバリアント、ならびに同じ機能性能力を有する任意の合成配列を含む。
【0135】
TCRのみを通って発されたシグナルはT細胞を十分に活性化するには不十分であること、および第2のまたは共刺激シグナルがさらに必要であることが知られている。したがって、T細胞活性化には、抗原依存性の第1の活性化をTCRを経て開始するもの(第1の細胞質シグナル伝達配列)と、抗原とは独立した様式で働いて第2のまたは共刺激シグナルを提供するもの(第2の細胞質シグナル伝達配列)との、2つの別個の種類の細胞質シグナル伝達配列が介在するといえる。
【0136】
第1の細胞質シグナル伝達配列は、TCR複合体の第1の活性化を、刺激的様式または阻害的様式のいずれかで調節する。刺激的様式で働く第1の細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容活性化チロシンモチーフまたはITAMとして知られるシグナル伝達モチーフを含有してよい。
【0137】
本明細書中に開示されるCARにおいて特に有用な第1の細胞質シグナル伝達配列を含有するITAMの例は、TCRゼータ(CD3ゼータ)、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dに由来するものを含む。ITAMの具体例は、CD3ゼータ(NCBI RefSeq:NP__932170.1)のアミノ酸番号51~164、FcイプシロンRIガンマ(NCBI RefSeq:NP__004097.1)のアミノ酸番号45~86、FcイプシロンRIベータ(NCBI RefSeq:NP__000130.1)のアミノ酸番号201~244、CD3ガンマ(NCBI RefSeq:NP__000064.1)のアミノ酸番号139~182、CD3デルタ(NCBI RefSeq:NP__000723.1)のアミノ酸番号128~171、CD3イプシロン(NCBI RefSeq:NP__000724.1)のアミノ酸番号153~207、CD5(NCBI RefSeq:NP__055022.2)のアミノ酸番号402~495、0022(NCBI RefSeq:NP__001762.2)のアミノ酸番号707~847、CD79a(NCBI RefSeq:NP__001774.1)のアミノ酸番号166~226、CD79b(NCBI RefSeq:NP__000617.1)のアミノ酸番号182~229、およびCD66d(NCBI RefSeq:NP__001806.2)のアミノ酸番号177~252の配列を有するペプチド、ならびに、これらのペプチドと同じ機能を有するバリアントを含むが、これらに限定されない。本明細書中に記載されるNCBI RefSeq IDまたはGenBankのアミノ酸配列情報に基づくアミノ酸番号は、各タンパク質の前駆体(シグナルペプチド配列などを含む)の全長に基づいて番号付けされたものである。一実施形態において、CARにおける細胞質シグナル伝達分子は、CD3ゼータに由来する細胞質シグナル伝達配列を含む。別の一実施形態において、CD3ゼータにおけるITAMモチーフの1つ、2つ、または3つが、チロシン残基の変異または別のアミノ酸での置換によって減弱される。
【0138】
好ましい一実施形態において、CARの細胞内ドメインは、それ自体がCD3-ゼータシグナル伝達ドメインを含むように設計されてよい、または、CARとの関連で有用である任意のその他の望ましい細胞質ドメインと組み合わせてよい。たとえば、CARの細胞内ドメインは、CD3ゼータ鎖部分および共刺激シグナル伝達領域を含んでよい。共刺激シグナル伝達領域は、共刺激分子の細胞内ドメインを含むCARの一部分を指す。共刺激分子は、リンパ球が抗原に対して効率よく反応するために必要な抗原受容体またはそのリガンド以外の細胞表面分子である。このような共刺激分子の例は、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、および特異的にCD83と結合するリガンドなどを含む。このような共刺激分子の具体例は、CD2(NCBI RefSeq:NP__001758.2)のアミノ酸番号236~351、CD4(NCBI RefSeq:NP__000607.1)のアミノ酸番号421~458、CD5(NCBI RefSeq:NP__055022.2)のアミノ酸番号402~495、CD8アルファ(NCBI RefSeq:NP__001759.3)のアミノ酸番号207~235、CD83(GenBank:AAA35664.1)のアミノ酸番号196~210、CD28(NCBI RefSeq:NP__006130.1)のアミノ酸番号181~220、CD137(4-1BB、NCBI RefSeq:NP__001552.2)のアミノ酸番号214~255、CD134(OX40、NCBI RefSeq:NP__003318.1)のアミノ酸番号241~277、およびICOS(NCBI RefSeq:NP__036224.1)のアミノ酸番号166~199の配列を有するペプチド、ならびに、これらのペプチドと同じ機能を有するバリアントを含むが、これらに限定されない。このように、本開示は、ここまで、共刺激シグナル伝達要素として主に4-1BBを用いて例示されてきたが、その他の共刺激要素も本開示の範囲内である。
【0139】
CARの細胞質シグナル伝達部分における細胞質シグナル伝達配列は、無作為のまたは特定の順序で、互いに結合していてよい。任意に、好ましくはアミノ酸2~10個の長さの、短いオリゴまたはポリペプチドリンカーが、この結合を形成していてよい。グリシンとセリンとのダブレットは、特に好適なリンカーを提供する。
【0140】
一実施形態において、細胞内ドメインは、シグナル伝達ドメインCD3-ゼータおよびシグナル伝達ドメインCD28を含むように設計される。別の一実施形態において、細胞内ドメインは、シグナル伝達ドメインCD3-ゼータおよびシグナル伝達ドメイン4-1BBを含むように設計される。さらに別の一実施形態において、細胞内ドメインは、シグナル伝達ドメインCD3-ゼータ、ならびにシグナル伝達ドメインCD28および4-1BBを含むように設計される。
【0141】
一実施形態において、CARにおける細胞内ドメインは、シグナル伝達ドメイン4-1BBおよびシグナル伝達ドメインCD3-ゼータを含むように設計され、ここで、シグナル伝達ドメイン4-1BBは配列番号17の核酸配列を含み、シグナル伝達ドメインCD3-ゼータは配列番号19の核酸配列を含む。
【0142】
一実施形態において、CARにおける細胞内ドメインは、シグナル伝達ドメイン4-1BBおよびシグナル伝達ドメインCD3-ゼータを含むように設計され、ここで、シグナル伝達ドメイン4-1BBは配列番号18のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含み、シグナル伝達ドメインCD3-ゼータは配列番号20のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。
【0143】
一実施形態において、CARにおける細胞内ドメインは、シグナル伝達ドメイン4-1BBおよびシグナル伝達ドメインCD3-ゼータを含むように設計され、ここで、シグナル伝達ドメイン4-1BBは配列番号18のアミノ酸配列を含み、シグナル伝達ドメインCD3-ゼータは配列番号20のアミノ酸配列を含む。
【0144】
5.DuoCARについてのさらなる説明
本明細書中に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの機能性部分もまた、本発明の範囲内に明白に含まれる。用語「機能性部分」は、CARに言及して使用される場合、本明細書中に開示されるDuoCARの1種以上の任意の部分または断片を指し、この部分または断片は、当該CAR(親CAR)の生物学的活性を保持する。機能性部分は、たとえば、親CARと類似する程度に、親CARと同程度に、または親CARよりも高程度に、標的細胞の認識、または疾患の検出、処置、もしくは予防を行なう能力を保持する、CAR部分を包含する。親CARに関して、機能性部分は、たとえば、親CARの約10%、25%、30%、50%、68%、80%、90%、95%、またはそれ以上を含み得る。
【0145】
機能性部分は、当該部分のアミノ末端またはカルボキシ末端または両末端に、親CARのアミノ酸配列にはみられないさらなるアミノ酸を含んでよい。望ましくは、これらのさらなるアミノ酸は、たとえば、標的細胞の認識、がんの検出、がんの処置または予防などの、機能性部分の生物学的機能を妨げない。より望ましくは、これらのさらなるアミノ酸は、こうした生物学的活性を、親CARの生物学的活性よりも向上させる。
【0146】
本明細書中に開示されるDuoCARの機能性バリアントが、本開示の範囲内に含まれる。用語「機能性バリアント」は、本明細書中において使用される場合、親CARとの配列同一性または類似性が相当程度または顕著であるCAR、ポリペプチド、またはタンパク質を指し、この機能性バリアントは、当該バリアントの派生元であるCARの生物学的活性を保持する。機能性バリアントは、たとえば、本明細書中に記載されるCAR(親CAR)のバリアントであって、親CARと類似する程度に、親CARと同程度に、または親CARよりも高程度に、標的細胞を認識する能力を保持するものを包含する。親CARに関して、機能性バリアントは、たとえば、親CARとのアミノ酸配列同一性が、少なくとも約30%、50%、75%、80%、90%、98%、またはそれ以上であってよい。
【0147】
機能性バリアントは、たとえば、親CARのアミノ酸配列に少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を加えたものを含んでよい。代替的には、または追加的には、機能性バリアントは、親CARのアミノ酸配列に少なくとも1つの非保存的アミノ酸置換を加えたものを含んでよい。この場合、この非保存的アミノ酸置換は、機能性バリアントの生物学的活性を妨害または阻害しないことが好ましい。この非保存的アミノ酸置換は、機能性バリアントの生物学的活性を向上させて、その結果、機能性バリアントの生物学的活性が親CARよりも優れるようにするものであってよい。
【0148】
DuoCARのアミノ酸置換は、好ましくは、保存的アミノ酸置換である。保存的アミノ酸置換は当技術分野において周知されており、特定の物理的および/または化学的特性を有する1つのアミノ酸が、同じまたは類似する化学的または物理的特性を有する別のアミノ酸と交換されるようなアミノ酸置換を含む。たとえば、保存的アミノ酸置換は、酸性/負荷電極性アミノ酸(たとえば、AspまたはGlu)を別の酸性/負荷電極性アミノ酸で置換すること、非極性側鎖含有アミノ酸(たとえば、Ala、Gly、Val、He、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Cys、Valなど)を別の非極性側鎖含有アミノ酸で置換すること、塩基性/正荷電極性アミノ酸(たとえば、Lys、His、Argなど)を別の塩基性/正荷電極性アミノ酸で置換すること、極性側鎖含有非荷電アミノ酸(たとえば、Asn、Gin、Ser、Thr、Tyrなど)を別の極性側鎖含有非荷電アミノ酸で置換すること、ベータ分枝側鎖含有アミノ酸(たとえば、He、Thr、およびVal)を別のベータ分枝側鎖含有アミノ酸で置換すること、芳香族側鎖含有アミノ酸(たとえば、His、Phe、Trp、およびTyr)を別の芳香族側鎖含有アミノ酸で置換することなどであってよい。
【0149】
CARは、本質的に、本明細書中に記載される1つまたは複数の指定のアミノ酸配列からなるものであってよく、その結果、他の構成要素(たとえば、他のアミノ酸)によって機能性バリアントの生物学的活性が実質的に変化しない。
【0150】
DuoCAR(機能性部分および機能性バリアントを含む)は、DuoCAR(またはその機能性部分または機能性バリアント)が、たとえば、抗原への特異的結合能力、哺乳動物における疾患細胞検出能力、または哺乳動物における疾患の処置もしくは予防能力などの、生物学的活性を保持する限り、任意の長さであってよい、すなわち任意の数のアミノ酸を含むものであってよい。たとえば、CARは、アミノ酸約50~約5000個の長さ、たとえば、アミノ酸50個、70個、75個、100個、125個、150個、175個、200個、300個、400個、500個、600個、700個、800個、900個、1000個、またはそれ以上の長さであってよい。
【0151】
DuoCAR(本発明に係る機能性部分および機能性バリアントを含む)は、1つ以上の天然アミノ酸に替えて、合成アミノ酸を含んでよい。このような合成アミノ酸は当技術分野において周知であり、たとえば、アミノシクロヘキサンカルボン酸、ノルロイシン、-アミノ n-デカン酸(-amino n-decanoic acid)、ホモセリン、S-アセチルアミノメチル-システイン、trans-3-およびtrans-4-ヒドロキシプロリン、4-アミノフェニルアラニン、4-ニトロフェニルアラニン、4-クロロフェニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、β-フェニルセリン β-ヒドロキシフェニルアラニン、フェニルグリシン、a-ナフチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、インドリン-2-カルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、アミノマロン酸、アミノマロン酸モノアミド、N’-ベンジル-N’-メチル-リシン、Ν’,Ν’-ジベンジル-リシン、6-ヒドロキシリシン、オルニチン、-アミノシクロペンタンカルボン酸(-aminocyclopentane carboxylic acid)、a-アミノシクロヘキサンカルボン酸、a-アミノシクロヘプタンカルボン酸、a-(2-アミノ-2-ノルボルナン)-カルボン酸、γ-ジアミノ酪酸、β-ジアミノプロピオン酸、ホモフェニルアラニン、およびa-tert-ブチルグリシンを含む。
【0152】
DuoCAR(機能性部分および機能性バリアントを含む)は、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、N-アシル化、環化(たとえば、ジスルフィド架橋により)、または酸付加塩に変換、および/または任意に二量体化もしくは重合もしくは共役されていてよい。
【0153】
DuoCAR(その機能性部分および機能性バリアントを含む)は、当技術分野において周知の方法によって得ることができる。DuoCARは、任意の好適なポリペプチドまたはタンパク質作製方法によって作製されてよい。ポリペプチドおよびタンパク質を新たに合成する好適な方法が、Chan et al., Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis, Oxford University Press, Oxford, United Kingdom, 2000; Peptide and Protein Drug Analysis, ed. Reid, R., Marcel Dekker, Inc., 2000; Epitope Mapping, ed. Westwood et al., Oxford University Press, Oxford, United Kingdom, 2001;および米国特許第5,449,752号などの先行技術文献中に記載される。キメラ抗原受容体の発生方法、このような受容体を含むT細胞、およびこれらの使用(たとえば、がんの処置を目的として)が、当技術分野において周知されており、さらに、本明細書中に記載される(たとえば、Brentjens et al., 2010, Molecular Therapy, 18:4, 666-668; Morgan et al., 2010, Molecular Therapy, published online February 23, 2010, pages 1 -9; Till et al., 2008, Blood, 1 12:2261 -2271; Park et al., Trends Biotechnol., 29:550-557, 2011; Grupp et al., N Engl J Med., 368:1509-1518, 2013; Han et al., J. Hematol Oncol., 6:47, 2013; Tumaini et al., Cytotherapy, 15, 1406-1417, 2013; Haso et al., (2013) Blood, 121, 1165-1174;PCT公報第WO2012/079000号、第WO2013/126726号;および米国公報第2012/0213783号を参照(これらの各々の全体を引用により本明細書に援用する))。たとえば、開示されるキメラ抗原結合受容体をコードする核酸分子を、T細胞などの宿主細胞への形質導入に使用される発現ベクター(レンチウイルスベクターなど)に含めることにより、開示されるCARを作製することもできる。いくつかの実施形態において、キメラ抗原受容体の使用方法は、対象からT細胞を単離し、キメラ抗原受容体をコードする発現ベクター(レンチウイルスベクターなど)でこのT細胞を形質導入して、たとえば当該対象における腫瘍の処置などの処置を目的として、当該対象にCAR発現T細胞を投与することを含む。
【0154】
B.抗体および抗原結合断片
一実施形態は、本明細書中に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるCAR、CARを発現するT細胞、抗体、またはその抗原結合ドメインもしくは一部分(いずれも、本明細書中に開示される抗原の1つ以上に特異的に結合する)をさらに提供する。本明細書中において使用される場合、「CARを発現するT細胞」または「CAR T細胞」は、CARを発現するT細胞を意味し、たとえばCARの抗体由来標的化ドメインによって決定される、抗原特異性を有する。
【0155】
本明細書中において使用される場合、「抗原結合ドメイン」は、抗体およびその抗原結合断片を含んでよい。用語「抗体」は、本明細書中において、その最も広い意味で使用され、所望の抗原結合活性を呈するものであれば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(たとえば、二重特異性抗体)、およびその抗原結合断片を含む(がこれらに限定されない)多様な抗体構造を包含する。抗体の例は、たとえば、抗原に対する結合親和性を保持する当技術分野において周知の完全型免疫グロブリンならびにそのバリアントおよび断片を含むが、これらに限定されない。
【0156】
「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体である。すなわち、この集団を構成する個々の抗体は、ごく微量で存在し得る天然の変異を有し得ることを除いて、同一である。モノクローナル抗体は、特異性が高く、単一の抗原エピトープに対するものである。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に均質な抗体集団から当該抗体が得られるという特性を示すものであって、当該抗体が何らかの特定の方法によって作製される必要があると解釈されるべきではない。いくつかの例において、モノクローナル抗体は、Bリンパ球の単一クローンによって、または、単一の抗体(またはその抗原結合断片)についてその抗体の軽鎖および重鎖可変領域をコードする核酸がトランスフェクションされた細胞もしくはその子孫によって、産生された抗体である。いくつかの例において、モノクローナル抗体は、対象から単離される。モノクローナル抗体は、抗原結合またはその他の免疫グロブリン機能に実質的に影響しない保存的アミノ酸置換を有してよい。例示的なモノクローナル抗体作製方法は周知されており、たとえば、Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual, 2nd ed. Cold Spring Harbor Publications, New York (2013)を参照。
【0157】
典型的には、免疫グロブリンは、ジスルフィド結合により互いに結合した重(H)鎖および軽(L)鎖を有する。免疫グロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、およびミュー定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変ドメイン遺伝子を含む。軽鎖にはラムダ(λ)およびカッパ(κ)の2種類がある。主要な重鎖には5つのクラス(またはアイソタイプ)があり、これらが抗体分子の機能活性を決定する(IgM、IgD、IgG、IgA、およびIgE)。
【0158】
重鎖および軽鎖はそれぞれ、定常領域(または定常ドメイン)および可変領域(または可変ドメイン)を含有する(たとえば、Kindt et al. Kuby Immunology, 6th ed., W.H. Freeman and Co., page 91 (2007)を参照)。いくつかの実施形態において、重鎖および軽鎖可変領域が組み合わさって、抗原に特異的に結合する。追加的な実施形態において、重鎖可変領域のみが必要とされる。たとえば、重鎖のみからなる天然のラクダ類抗体は、軽鎖がなくても機能性かつ安定である(たとえば、Hamers-Casterman et al., Nature, 363:446-448, 1993; Sheriff et al., Nat. Struct. Biol., 3:733-736, 1996を参照)。「VH」への言及、または「VH」は、抗原結合断片の可変領域を含む、抗体重鎖の可変領域、たとえばFv、scFv、dsFv、またはFabなどを指す。「VL」への言及、または「VL」は、Fv、scFv、dsFv、またはFabのものを含む抗体軽鎖の可変ドメインを指す。
【0159】
軽鎖および重鎖の可変領域は、「フレームワーク」領域と、これを中断する3つの超可変領域(「相補性決定領域」または「CDR」ともよばれる)とを含有する(たとえば、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest,米国保健福祉省(U.S. Department of Health and Human Services),1991を参照)。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、同種間で比較的保存されている。抗体のフレームワーク領域、すなわち、構成軽鎖および構成重鎖のフレームワーク領域が結合して、三次元空間においてCDRを位置決めおよび整列させている。
【0160】
CDRは、主に、抗原エピトープへの結合を担う。所与のCDRのアミノ酸配列の境界は、Kabatら(“Sequences of Proteins of Immunological Interest,” 5th Ed. Public Health Service, アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health), Bethesda, MD, 1991; “Kabat” numbering scheme)、Al-Lazikaniら(JMB 273,927-948, 1997; “Chothia” numbering scheme)、およびLefrancら(“IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains,” Dev. Comp. Immunol., 27:55-77, 2003; “IMGT” numbering scheme)により記載されるスキームを含む複数の周知のスキームのうち任意のものを使用して容易に判断できる。各鎖のCDRは、典型的には、CDR1、CDR2、およびCDR3(N末端からC末端に向かって)と称され、さらに、典型的には、そのCDRが位置する鎖によって特定される。したがって、VH CDR3は、これを含む抗体の重鎖の可変ドメインからのCDR3であり、VL CDR1は、これを含む抗体の軽鎖の可変ドメインからのCDR1である。軽鎖CDRは、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3と称される場合がある。重鎖CDRは、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3と称される場合がある。
【0161】
「抗原結合断片」は、同族の抗原を特異的に認識する能力を保持する、全長抗体の一部分、およびこのような部分の多様な組み合わせである。抗原結合断片の例は、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;直鎖状抗体(linear antibodies);一本鎖抗体分子(たとえば、scFv);および抗体断片から形成される多重特異性抗体を含むが、これらに限定されない。抗体断片は、抗体全体の改変によって作製された、または、組換えDNA方法論を使用して新たに合成された、抗原結合断片を含む(たとえば、Kontermann and Dubel (Ed), Antibody Engineering, Vols. 1-2, 2nd Ed., Springer Press, 2010を参照)。
【0162】
一本鎖抗体(scFv)は、1つ以上の抗体のVHドメインとVLドメインとを好適なポリペプチドリンカーによって結合して遺伝子融合一本鎖分子としたものを含有する、遺伝子操作された分子である(たとえば、Bird et al., Science, 242:423 426, 1988; Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 85:5879 5883, 1988; Ahmad et al., Clin. Dev. Immunol., 2012, doi:10.1155/2012/980250; Marbry, IDrugs, 13:543-549, 2010を参照)。scFv内におけるVHドメインおよびVLドメインの分子内配向は、典型的には、scFvを決定づけるものではない。したがって、起こり得る編成(VHドメイン-リンカードメイン-VLドメイン;VLドメイン-リンカードメイン-VHドメイン)の両方を有するscFvを使用してよい。
【0163】
dsFvにおいて、重鎖および軽鎖の可変鎖は、変異によりジスルフィド結合を導入して、両鎖の結合を安定化させたものである。また、ダイアボディも含まれ、これは2価の二重特異性抗体であって、VHドメインとVLドメインとが1本のポリペプチド鎖上に発現しているが、2つのドメインを繋いで1本の鎖にするには短すぎるリンカーを使用しているため、2つのドメインを別の鎖の相補的ドメインと繋いでおり、2つの抗原結合部位が形成されている(たとえば、Holliger et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 90:6444 6448, 1993; Poljak et al., Structure, 2:1121 1123, 1994を参照)。
【0164】
抗体は、さらに、キメラ抗体(ヒト化マウス抗体など)およびヘテロ結合抗体(heteroconjugate antibodies)(二重特異性抗体など)などの遺伝子操作された形態も含む。Pierce Chemical Co., Rockford, IL); Kuby, J., Immunology, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New York, 1997も参照。
【0165】
天然に存在しない抗体は、固相ペプチド合成を使用して構築できる、または、組換えによって作製できる、または、たとえば、Huse et al., Science 246:1275-1281 (1989)(引用により本明細書に援用する)により記載される可変重鎖および可変軽鎖からなるコンビナトリアルライブラリのスクリーニングによって得ることができる。これらの方法、ならびに、たとえばキメラ、ヒト化、CDRグラフト、一本鎖、および二機能性抗体を作製するための、その他の方法は、当業者に周知されている(Winter and Harris, Immunol. Today 14:243-246 (1993); Ward et al., Nature 341:544-546 (1989); Harlow and Lane, supra, 1988; Hilyard et al., Protein Engineering: A practical approach (IRL Press 1992); Borrabeck, Antibody Engineering, 2d ed. (Oxford University Press 1995);これらの各々を引用により本明細書に援用する)。
【0166】
参照抗体としての「同じエピトープに結合する抗体」は、拮抗アッセイにおいて参照抗体とその抗原との結合を50%以上妨げる抗体を指し、逆に、参照抗体は、拮抗アッセイにおいてこの抗体とその抗原との結合を50%以上妨げる。抗体拮抗アッセイは周知されており、例示的な拮抗アッセイが本明細書中において提供される。
【0167】
「ヒト化」抗体または抗原結合断片は、ヒトフレームワーク領域と、非ヒト(マウス、ラット、または合成など)抗体または抗原結合断片からの1つ以上のCDRとを含む。このCDRを与える非ヒト抗体または抗原結合断片は「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを与えるヒト抗体または抗原結合断片は「アクセプター」と呼ばれる。一実施形態において、すべてのCDRが、ヒト化免疫グロブリンにおけるドナー免疫グロブリンからのものである。定常領域は存在しなくてもよいが、存在する場合には、ヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一であってよく、たとえば少なくとも約85~90%(約95%以上など)同一であってよい。よって、ヒト化抗体または抗原結合断片のすべての部分(恐らくはCDRを除く)が、天然ヒト抗体配列の対応部分と実質的に同一である。
【0168】
「キメラ抗体」は、2つの異なる抗体(典型的には種が異なる)に由来する配列を含む抗体である。いくつかの例において、キメラ抗体は、1つのヒト抗体からの1つ以上のCDRおよび/またはフレームワーク領域と、別のヒト抗体からのCDRおよび/またはフレームワーク領域とを含む。
【0169】
「完全ヒト抗体」または「ヒト抗体」は、ヒトゲノムからの(または、これに由来する)配列を含み、別の種からの配列を含まない抗体である。いくつかの実施形態において、ヒト抗体は、ヒトゲノムからの(または、これに由来する)CDR、フレームワーク領域、および(存在する場合には)Fc領域を含む。ヒト抗体は、たとえばファージディスプレイまたは遺伝子組換え動物の使用により、ヒトゲノム由来配列に基づく抗体作製技術を使用することによって、同定および単離できる(たとえば、Barbas et al. Phage display: A Laboratory Manuel. 1st Ed. New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2004. Print.; Lonberg, Nat. Biotech., 23: 1117-1125, 2005; Lonenberg, Curr. Opin. Immunol., 20:450-459, 2008を参照)。
【0170】
抗体は、1つ以上の結合部位を有してよい。結合部位が1を超える場合には、これらの結合部位は、互いに同じであってよい、または異なってもよい。たとえば、天然の免疫グロブリンは2つの同じ結合部位を有し、一本鎖抗体またはFab断片は1つの結合部位を有し、二重特異性または二機能性抗体は2つの異なる結合部位を有する。
【0171】
CARの任意の機能性部分に結合できる抗体能力を試験する方法は当技術分野において周知であり、たとえば、放射免疫測定(RIA)、ELISA、ウェスタンブロット、免疫沈降、および競合阻害アッセイなどの、任意の抗体抗原結合アッセイを含む(たとえば、下記のJanewayら、米国特許出願公開第2002/0197266 Al号、および米国特許第7,338,929号を参照)。
【0172】
また、CAR、CARを発現するT細胞、抗体、またはその抗原結合部分は、たとえば、放射性同位体、フルオロフォア(たとえば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE))、酵素(たとえば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、および元素粒子(たとえば、金粒子)などの、検出可能な標識を含むようにされていてよい。
【0173】
C.結合体(conjugates)
本明細書中に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCAR、CARを発現するT細胞、またはモノクローナル抗体、またはその抗原結合断片(いずれも、本明細書中に開示される抗原の1つ以上に対して特異的)は、当業者に周知の多くの手段のうち任意の手段を使用して、エフェクター分子または検出可能なマーカーなどの剤に結合されていてよい。共有結合による手段および非共有結合による手段のいずれを使用してもよい。結合体は、本明細書中に開示される抗原の1つ以上に対して特異的に結合する抗体または抗原結合断片と、エフェクター分子または検出可能なマーカーとが共有結合している分子を含むが、これらに限定されない。当技術分野における当業者には、化学療法剤、抗血管新生剤、毒素、125I、32P、14C、3H、および35Sなどの放射性剤、ならびに、その他の標識、標的部位、およびリガンドなどを含む(がこれらに限定されない)多様なエフェクター分子および検出可能なマーカーを使用できるということが理解される。
【0174】
具体的なエフェクター分子または検出可能なマーカーの選択は、具体的な標的分子または細胞、および所望される生物学的作用に依存する。したがって、たとえば、エフェクター分子は、特定の標的細胞(腫瘍細胞など)の死を引き起こすために使用される細胞毒であってもよい。
【0175】
エフェクター分子または検出可能なマーカーを抗体または抗原結合断片に付着させる手順は、エフェクターの化学構造によって異なる。ポリペプチドは、典型的には、カルボン酸(COOH)、遊離アミン(-NH2)、またはスルフヒドリル(-SH)基などの多様な官能基を含有しており、これらを抗体上の好適な官能基との反応に利用でき、その結果として、エフェクター分子または検出可能なマーカーの結合が得られる。代替的には、抗体または抗原結合断片を誘導体化して、さらなる反応性官能基を露出または付着させる。誘導体化は、Pierce Chemical Company (Rockford, IL)から入手できるものなどの複数の周知のリンカー分子のうち任意のものの付着に関連してよい。リンカーは、抗体または抗原結合断片をエフェクター分子または検出可能なマーカーと結合させるために使用される任意の分子であってよい。リンカーは、抗体または抗原結合断片とエフェクター分子または検出可能なマーカーとの両方に共有結合を形成できる。好適なリンカーは当業者に周知されており、直鎖もしくは分枝鎖炭素リンカー、複素環式炭素リンカー、またはペプチドリンカーを含むが、これらに限定されない。抗体または抗原結合断片およびエフェクター分子または検出可能なマーカーがポリペプチドである場合、リンカーは、その側鎖を介して構成アミノ酸に(たとえば、ジスルフィド結合を介してシステインに)、または末端アミノ酸のアルファ炭素のアミノ基およびカルボキシ基に結合していてよい。
【0176】
いくつかの実施形態において、リンカーはスペーサー要素を含んでよく、スペーサー要素が存在する場合、スペーサー要素によってリンカーが大きくなり、エフェクター分子または検出可能なマーカーと抗体または抗原結合断片との間の距離が増大する。スペーサーの具体例は当業者に周知されており、米国特許第号7,964,566号、第7,498,298号、第6,884,869号、第6,323,315号、第6,239,104号、第6,034,065号、第5,780,588号、第5,665,860号、第5,663,149号、第5,635,483号、第5,599,902号、第5,554,725号、第5,530,097号、第5,521,284号、第5,504,191号、第5,410,024号、第5,138,036号、第5,076,973号、第4,986,988号、第4,978,744号、第4,879,278号、第4,816,444号、および第4,486,414号、ならびに米国特許公開第20110212088号および第20110070248号中に列記されるものを含む(これらの各々の全体を引用により本明細書に援用する)。
【0177】
いくつかの実施形態において、リンカーは、細胞内という条件下において開裂可能であり、リンカーの開裂によって、細胞内環境において、抗体または抗原結合断片からエフェクター分子または検出可能なマーカーが解放される。さらに別の実施形態において、リンカーは開裂可能ではなく、エフェクター分子または検出可能なマーカーは、たとえば抗体の分解によって、解放される。いくつかの実施形態において、リンカーは、細胞内環境内(たとえば、リソソームまたはエンドソームまたはカベオラ(caveolea)内)に存在する開裂剤によって開裂可能である。リンカーは、たとえば、細胞内のペプチダーゼ、またはリソソームプロテアーゼもしくはエンドソームプロテアーゼを含むがこれらに限定されないプロテアーゼ酵素によって開裂したペプチドリンカーであってよい。いくつかの実施形態において、ペプチドリンカーは、少なくともアミノ酸2個の長さ、または少なくともアミノ酸3個の長さである。しかしながら、リンカーは、アミノ酸4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個の長さ、たとえばアミノ酸1~2個、1~3個、2~5個、3~10個、3~15個、1~5個、1~10個、1~15個の長さであってよい。プロテアーゼは、カテプシンBおよびD、ならびにプラスミンを含んでよく、これらはすべて、ジペプチド薬物誘導体を加水分解して、標的細胞中において活性薬物を放出することが知られている(たとえば、Dubowchik and Walker, 1999, Pharm. Therapeutics 83:67-123を参照)。たとえば、チオール依存性プロテアーゼ カテプシン-Bによって開裂可能なペプチドリンカーを使用できる(たとえば、フェニルアラニン-ロイシンまたはグリシン-フェニルアラニン-ロイシン-グリシンリンカー)。このようなリンカーのその他の例が、たとえば米国特許第6,214,345号中に記載され、これを引用により本明細書に援用する。具体的な一実施形態において、細胞内プロテアーゼによって開裂可能なペプチドリンカーは、バリン-シトルリン(Citruline)リンカーまたはフェニルアラニン-リシンリンカーである(たとえば、米国特許第6,214,345号を参照。この文献はドキソルビシンとバリン-シトルリン(Citruline)リンカーとの合成を記載している)。
【0178】
別の実施形態において、開裂可能なリンカーは、pH感受性である、すなわち、特定のpH値において加水分解に感受性を有する。典型的には、こうしたpH感受性リンカーは、酸性条件下において加水分解する。たとえば、リソソーム内で加水分解し得る酸不安定リンカー(たとえば、ヒドラゾン、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、cis-アコニットアミド(cis-aconitic amide)、オルトエステル、アセタール、またはケタールなど)を使用できる。(たとえば、米国特許第5,122,368号、第5,824,805号、第5,622,929号;Dubowchik and Walker, 1999, Pharm. Therapeutics 83:67-123; Neville et al., 1989, Biol. Chem. 264:14653-14661を参照)。こうしたリンカーは、中性pH条件下(血液中など)においては比較的安定であるが、リソソームのおよそのpHであるpH5.5または5.0未満では不安定である。特定の実施形態において、加水分解性リンカーは、チオエーテルリンカーである(たとえば、アシルヒドラゾン結合を介して当該治療剤に結合したチオエーテルなど(たとえば、米国特許第5,622,929号などを参照))。
【0179】
別の実施形態において、リンカーは、還元条件下において開裂可能である(たとえば、ジスルフィドリンカー)。多様なジスルフィドリンカーが当技術分野において周知されており、たとえば、SATA(N-スクシンイミジル-S-アセチルチオアセテート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート)、およびSMPT(N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-ピリジル-ジチオ)トルエン)-、SPDBおよびSMPTを使用して形成できるものを含む。(たとえば、Thorpe et al., 1987, Cancer Res. 47:5924-5931; Wawrzynczak et al., In Immunoconjugates: Antibody Conjugates in Radioimagery and Therapy of Cancer (C. W. Vogel ed., Oxford U. Press, 1987); Phillips et al., Cancer Res. 68:92809290, 2008を参照)。また、米国特許第4,880,935号も参照される。
【0180】
さらに別の具体的な実施形態において、リンカーは、マロネートリンカー(Johnson et al., 1995, Anticancer Res. 15:1387-93)、マレイミドベンゾイルリンカー(Lauら,1995,Bioorg-Med-Chem.3(10):1299-1304)、または3’-N-アミド類似体(Lau et al., 1995, Bioorg-Med-Chem. 3(10):1305-12)である。
【0181】
さらに別の実施形態において、リンカーは開裂可能ではなく、エフェクター分子または検出可能なマーカーは抗体の分解によって解放される(米国公報第2005/0238649号を参照、この全体を引用により本明細書に援用する)。
【0182】
いくつかの実施形態において、リンカーは、細胞外環境において、開裂に対して抵抗性を有する。たとえば、結合体が細胞外環境内(たとえば、血漿中)に存在する際には、結合体の試料中において、リンカーの約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約3%以下、または約1%以下が開裂している。細胞外環境内においてリンカーが開裂に対して抵抗性を有するか否かは、たとえば、目的とするリンカーを含有する結合体を血漿と共に、あらかじめ定められた時間(たとえば、2、4、8、16、または24時間)かけてインキュベートし、次いで、血漿中に遊離しているエフェクター分子または検出可能なマーカーの量を定量することによって、判断できる。結合体中において使用できる多様な例示的なリンカーが、WO2004-010957号、米国公報第2006/0074008号、米国公報第20050238649号、および米国公報第2006/0024317号中に記載され、これらの各々の全体を引用により本明細書に援用する。
【0183】
いくつかの実施形態において、CAR、CARを発現するT細胞、抗体、またはその抗原結合部分と、カリケアマイシン、メイタンシノイド、ドラスタチン、アウリスタチン、トリコテセン、およびCC1065などの1つ以上の小分子毒素、ならびにこれらの毒素の誘導体で毒素活性を有するものとの結合体が提供される。
【0184】
メイタンシノイド毒素部位としての使用に好適なメイタンシン化合物が当技術分野において周知されており、周知の方法にしたがって天然の供給源から単離でき、遺伝子操作技術を使用して作製できる(Yu et al (2002) PNAS 99:7968-7973を参照)、または、メイタンシノールおよびメイタンシノール類似体を周知の方法にしたがって合成により調製できる。メイタンシノイドは、チューブリン重合の阻害によって作用する有糸分裂阻害剤(mitototic inhibitors)である。メイタンシンは、東アフリカ産の灌木であるMaytenus serrataから最初に単離された(米国特許第3,896,111号)。続いて、さらに、特定の微生物が、メイタンシノールおよびC-3メイタンシノールエステルなどのメイタンシノイドを産生することが発見された(米国特許第4,151,042号)。合成メイタンシノールならびにその誘導体および類似体が、たとえば、米国特許第4,137,230号、第4,248,870号、第4,256,746号、第4,260,608号、第4,265,814号、第4,294,757号、第4,307,016号、第4,308,268号、第4,308,269号、第4,309,428号、第4,313,946号、第4,315,929号、第4,317,821号、第4,322,348号、第4,331,598号、第4,361,650号、第4,364,866号、第4,424,219号、第4,450,254号、第4,362,663号、および第4,371,533中に開示され、これらの各々を引用により本明細書に援用する。メイタンシノイドを含有する結合体、その作製方法、およびその治療的使用が、たとえば、米国特許第5,208,020号、第5,416,064号、第6,441,163号、および欧州特許第EP0425235 B1号中に開示され、その開示内容を引用により本明細書に明白に援用する。
【0185】
さらなる毒素を、CAR、CARを発現するT細胞、抗体、またはその抗原結合部分と共に使用できる。毒素の例は、シュードモナス外毒素(PE)、リシン(ricin)、アブリン、ジフテリア毒素およびそのサブユニット、リボトキシン(ribotoxin)、リボヌクレアーゼ、サポリン、およびカリケアマイシン、ならびにボツリヌストキシンA~Fを含む。こうした毒素は当技術分野において周知されており、その多くを商業的供給元(たとえば、Sigma Chemical Company, St. Louis, MO)から容易に入手できる。意図される毒素は、こうした毒素のバリアントをも含む(たとえば、米国特許第5,079,163号および第4,689,401号を参照)。
【0186】
サポリンは、Saponaria officinalisに由来する毒素であり、リボソーム複合体の60S部分の不活性化によってタンパク質合成を妨げる(Stirpe et al., Bio/Technology, 10:405-412, 1992)。しかしながら、この毒素は、細胞内に特異的に侵入するための機構を有さず、そのため、細胞内に効率よく入るには、内在している細胞表面タンパク質を認識する抗体または抗原結合断片に結合する必要がある。
【0187】
ジフテリア毒素は、Corynebacterium diphtheriaeから単離される。典型的には、免疫毒素中において使用するためのジフテリア毒素は、変異により、非特異的毒性が低減または除去されている。CRM107として知られる変異体は、十分な酵素活性を有するが非特異的毒性が著しく低減されたものであり、1970年代から周知され(Laird and Groman, J. Virol. 19:220, 1976)、ヒト臨床試験において使用されている。米国特許第5,792,458号および米国特許第5,208,021号を参照。
【0188】
リシンは、Ricinus communis(トウゴマ(Castor bean))から得られるレクチンRCA60である。リシンの例は、米国特許第5,079,163号および米国特許第4,689,401号を参照。Ricinus communis凝集素(RCA)には2つの形態があり、これらの分子量がそれぞれ約65kDおよび約120kDであることからRCA60およびRCA120と称される(Nicholson & Blaustein, J. Biochim. Biophys. Acta 266:543, 1972)。A鎖はタンパク質合成の不活性化と細胞の死滅とを担う。B鎖は、細胞表面ガラクトース残基にリシンを結合させて、サイトゾル中へのA鎖の輸送を促進する(Olsnes et al., Nature 249:627-631, 1974および米国特許第3,060,165号)。
【0189】
リボヌクレアーゼもまた、標的化分子に結合させることによって免疫毒素として使用されている(Suzuki et al., Nat. Biotech. 17:265-70, 1999を参照)。α-サルシン(sarcin)およびレストリクトシン(restrictocin)などの例示的なリボトキシンが、たとえば、Rathore et al., Gene 190:31-5, 1997; and Goyal and Batra, Biochem. 345 Pt 2:247-54, 2000中に記載されている。カリケアマイシンは、Micromonospora echinosporaから最初に単離されたものであり、DNA二本鎖の切断を引き起こしてアポトーシスを導くエンジイン抗腫瘍抗生物質ファミリーのメンバーである(たとえば、Lee et al., J. Antibiot. 42:1070-87,1989を参照)。この薬物は、臨床試験において、免疫毒素の毒性部位である(たとえば、Gillespie et al., Ann. Oncol. 11:735-41, 2000を参照)。
【0190】
アブリンは、Abrus precatoriusから得られる毒性レクチンを含む。その毒性成分であるアブリンa、b、c、およびdは、分子量が約63~67kDであり、2つのポリペプチド鎖AおよびBがジスルフィド結合したものから構成される。A鎖はタンパク質合成を阻害し、B鎖(アブリン-b)はD-ガラクトース残基に結合する(Funatsu et al., Agr. Biol. Chem. 52:1095, 1988; and Olsnes, Methods Enzymol. 50:330-335, 1978を参照)。
【0191】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるCAR、CARを発現するT細胞、モノクローナル抗体、その抗原結合断片(いずれも、本明細書中に開示される抗原の1つ以上に対して特異的)は、検出可能なマーカー、たとえば、ELISA、分光光度法、フローサイトメトリー、顕微鏡法、または画像診断技術(コンピュータ断層撮影(CT)、コンピュータ体軸断層撮影(CAT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)、核磁気共鳴画像法(NMRI)、磁気共鳴断層撮影(MTR)、超音波診断、光ファイバー検査、および腹腔鏡下検査など)によって検出できる検出可能なマーカーとも結合していてよい。検出可能なマーカーの具体例は、フルオロフォア、化学発光剤、酵素による結合、放射性アイソタイプ、および重金属または化合物(たとえば、MRIによる検出を目的とした超常磁性酸化鉄ナノ結晶)を含むが、これらに限定されない。たとえば、有用である検出可能なマーカーは、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5-ジメチルアミン-1-ナフタレンスルホニルクロリド(5-dimethylamine-1-napthalenesulfonyl chloride)、フィコエリトリン、およびランタニド発光体などを含む蛍光性化合物を含む。ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)などの生物発光マーカーも有用である。CAR、CARを発現するT細胞、抗体、またはその抗原結合部分はまた、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、およびグルコースオキシダーゼなどの、検出にとって有用な酵素と結合していてもよい。CAR、CARを発現するT細胞、抗体、またはその抗原結合部分が、検出可能な酵素と結合している場合、当該酵素に使用されると識別可能な反応生成物を生成するようなさらなる試薬を添加することによって検出できる。たとえば、剤である西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加によって着色反応生成物が得られ、これを目視によって検出できる。CAR、CARを発現するT細胞、抗体、またはその抗原結合部分はまた、ビオチンと結合していてもよく、アビジンまたはストレプトアビジンの結合を間接的に測定することによって検出されてもよい。注目すべきことに、アビジン自体が酵素または蛍光標識と結合していてもよい。
【0192】
CAR、CARを発現するT細胞、抗体、またはその抗原結合部分は、ガドリニウムなどの常磁性剤と結合していてもよい。超常磁性酸化鉄などの常磁性剤も、標識として有用である。抗体はまた、ランタニド(ユーロピウムおよびジスプロシウムなど)およびマンガンと結合していてもよい。抗体または抗原結合断片はまた、第2のレポーター(ロイシンジッパーの配列対、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグなど)によって認識されるあらかじめ定められたポリペプチドエピトープで標識されていてもよい。
【0193】
CAR、CARを発現するT細胞、抗体、またはその抗原結合部分はまた、放射性標識アミノ酸と結合していてもよい。放射性標識は、診断目的および治療目的の両方に使用してよい。たとえば、放射性標識は、本明細書中に開示される抗原の1つ以上および抗原発現細胞をX線、発光スペクトル、またはその他の診断技術によって検出するために使用してよい。さらに、放射性標識は、治療において、対象における腫瘍を処置するための、たとえば神経芽細胞腫を処置するための、毒素として使用してよい。ポリペプチドのための標識の例は、3H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131Iなどの放射性同位体または放射性ヌクレオチドを含むが、これらに限定されない。
【0194】
このような検出可能なマーカーの検出手段は、当業者に周知されている。したがって、たとえば、放射性標識は、写真フィルムまたはシンチレーションカウンタを使用して検出されてよく、蛍光性マーカーは、光検出器を使用して放射光を検出することによって検出されてよい。酵素標識は、典型的には、酵素に基質を与えて、基質に対する酵素の作用により生成した反応生成物を検出することによって検出され、比色標識は、単純に、着色した標識を可視化することによって検出される。
【0195】
D.ヌクレオチド、発現、ベクター、および宿主細胞
本発明の一実施形態によって、本明細書中に記載されるDuoCAR、抗体、またはその抗原結合部分(その機能性部分および機能性バリアントを含む)のうち任意のものをコードするヌクレオチド配列を含む核酸がさらに提供される。本発明に係る核酸は、本明細書中に記載されるリーダー配列、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および/または細胞内T細胞シグナル伝達ドメインのうち任意のものをコードするヌクレオチド配列を含んでよい。
【0196】
一実施形態において、N末端からC末端に向かって、少なくとも1つの細胞外抗原結合ドメインと、少なくとも1つの膜貫通ドメインと、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインとを含むキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする単離された核酸分子が提供される。
【0197】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるCARの一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる細胞外抗原結合ドメインは、抗原に結合する抗体の少なくとも1つの一本鎖可変断片を含む。
【0198】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるCARの別の一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる細胞外抗原結合ドメインは、抗原に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変領域を含む。
【0199】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるCARのさらに別の一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされるCAR細胞外抗原結合ドメインは、抗原に結合する、少なくとも1つのリポカリンに基づく抗原結合抗原(アンチカリン)を含む。
【0200】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるCARの一実施形態において、単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる細胞外抗原結合ドメインは、リンカードメインによって、膜貫通ドメインに結合している。
【0201】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの別の一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる細胞外抗原結合ドメインは、リーダーペプチドまたはシグナルペプチドをコードする配列の後ろに位置する。
【0202】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARのさらに別の一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる細胞外抗原結合ドメインは、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、CD38、CD123(IL3RA)、CD138、BCMA(CD269)、GPC2、GPC3、FGFR4、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、NY-ESO-1 TCR、MAGE A3 TCR、またはこれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない抗原を標的とする。
【0203】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの特定の実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる細胞外抗原結合ドメインは、抗CD19 scFV抗原結合ドメイン、抗CD20 scFV抗原結合ドメイン、抗CD22 scFV抗原結合ドメイン、抗ROR1 scFV抗原結合ドメイン、抗TSLPR scFV抗原結合ドメイン、抗メソテリンscFV抗原結合ドメイン、抗CD33/IL3RascFV抗原結合ドメイン、抗CD38 scFV抗原結合ドメイン、抗CD123(IL3RA)scFV抗原結合ドメイン、抗CD138 scFV抗原結合ドメイン、抗BCMA(CD269)scFV抗原結合ドメイン、抗GPC2 scFV抗原結合ドメイン、抗GPC3 scFV抗原結合ドメイン、抗FGFR4 scFV抗原結合ドメイン、抗c-Met scFV抗原結合ドメイン、抗PMSA scFV抗原結合ドメイン、抗糖脂質F77 scFV抗原結合ドメイン、抗EGFRvIII scFV抗原結合ドメイン、抗GD-2 scFV抗原結合ドメイン、抗NY-ESo-1 TCR scFV抗原結合ドメイン、抗MAGE A3 TCR scFV抗原結合ドメイン、または、これらとの同一性が85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%であるアミノ酸配列、または、これらの任意の組み合わせを含む。
【0204】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの一態様において、本明細書中において提供されるDuoCARはさらに、リンカードメインを含む。
【0205】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、細胞外抗原結合ドメイン、細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方は、リンカードメインによって、膜貫通ドメインに結合されている。
【0206】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされるリンカードメインは、CD8の細胞外ドメインに由来し、かつ膜貫通ドメインに結合している。
【0207】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARのさらに別の一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、膜貫通ドメインをコードする核酸配列は、これらとの同一性が85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%であるヌクレオチド配列を含む。
【0208】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる膜貫通ドメインは、少なくとも1個でありかつ10個を超えない改変を含むアミノ酸配列、またはこれらとの同一性が85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%である配列を含む。
【0209】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの別の一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされるCARはさらに、T細胞受容体のアルファ、ベータ、もしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、およびCD154、またはこれらの組み合わせからなる群より選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む膜貫通ドメインを含む。
【0210】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARのさらに別の一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる細胞内シグナル伝達ドメインはさらに、CD3ゼータ細胞内ドメインを含む。
【0211】
本明細書中に開示されるCARの一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ細胞内ドメインよりもC末端側に位置している。
【0212】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの別の一実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激ドメイン、一次シグナル伝達ドメイン、またはこれらの組み合わせを含む。
【0213】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARのさらなる実施形態において、CARをコードする単離された核酸分子が提供され、ここで、コードされる少なくとも1つの共刺激ドメインは、OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12、および4-1BB(CD137)、またはこれらの組み合わせの機能性シグナル伝達ドメインを含む。
【0214】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARの一実施形態において、リーダー配列またはシグナルペプチド配列をさらに含有する、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0215】
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド配列は、コドンが改変されたものであってよい。いかなる理論にも拘束されないが、ヌクレオチド配列のコドン最適化によってmRNA転写物の翻訳効率が増大すると考えられる。ヌクレオチド配列のコドン最適化は、天然コドンを、同じアミノ酸をコードするが細胞内での利用がより容易なtRNAによって翻訳され得る別のコドンに置換することを伴ってよく、したがって、翻訳効率が増大し得る。ヌクレオチド配列の最適化はまた、翻訳を妨害し得る二次mRNA構造を低減し得るものであってよく、したがって、翻訳効率が増大し得る。
【0216】
本発明の一実施形態において、核酸は、本発明のCARの抗原結合ドメインをコードするコドン改変ヌクレオチド配列を含んでよい。本発明の別の一実施形態において、核酸は、本明細書中に記載されるDuoCAR(その機能性部分および機能性バリアントを含む)のうち任意のものをコードするコドン改変ヌクレオチド配列を含んでよい。
【0217】
本明細書中において使用される「核酸」は、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、および「核酸分子」を含むものであり、一般的には、一本鎖または二本鎖であってよく、合成または天然の供給源から(たとえば、単離および/または精製により)得られてよく、天然、非天然、または変化したヌクレオチドを含有してよく、天然、非天然、または変化したヌクレオチド間結合(無改変オリゴヌクレオチドのヌクレオチド間にみられるホスホジエステルに代えて、ホスホロアミデート結合またはホスホロチオエート結合など)を含有してよい、DNAまたはRNAのポリマーを意味する。いくつかの実施形態において、核酸は、挿入、欠失、反転、および/または置換を全く含まない。しかしながら、本明細書中において記載されるとおり、いくつかの例においては、核酸が1つ以上の挿入、欠失、反転、および/または置換を含むことが好適であってよい。
【0218】
組換え核酸は、天然には存在しない配列を有するもの、または、配列中では離れた2つの領域を人工的に組み合わせた配列を有するものであってよい。この人工的な組み合わせは、化学合成によって、または、より一般的には、離れた核酸領域を、たとえば、上述されるSambrookらの文献中に記載されるものなどの、遺伝子操作技術により、人工的に操作して、実現されることが多い。核酸は、当技術分野において周知される手順を使用した化学合成および/または酵素による結合反応に基づいて構築されてもよい。たとえば、上述されるSambrookらの文献および上述されるAusubelらの文献を参照。たとえば、核酸は、天然のヌクレオチドを使用して、または、当該分子の生物学的安定性を増大させるように、もしくはハイブリダイゼーションにより形成される二本鎖の物理的安定性を増大させるように設計された、多様な様式で改変されたヌクレオチド(たとえば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチド)を使用して、化学的に合成されてもよい。核酸生成に使用できる改変ヌクレオチドの例は、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ-D-ガラクトシルキューオシン(beta-D-galactosylqueosine)、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-置換アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルキューオシン(beta-D-mannosylqueosine)、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル(pseudouracil)、キューオシン(queosine)、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、および2,6-ジアミノプリンを含むが、これらに限定されない。代替的には、本発明に係る核酸の1つ以上を、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA、米国)などの企業から購入してもよい。
【0219】
核酸は、上述されるDuoCARのうち任意のものまたはその機能性部分もしくは機能性バリアントをコードする任意の単離または精製されたヌクレオチド配列を含んでよい。代替的には、ヌクレオチド配列は、上述される配列のうち任意のものに縮重(degenerate)されたヌクレオチド配列または縮重配列の組み合わせを含んでよい。
【0220】
一実施形態は、本明細書中に記載される核酸のうち任意のもののヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、または本明細書中に記載される核酸のうち任意のもののヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、単離または精製された核酸をさらに提供する。
【0221】
ストリンジェントな条件下においてハイブリダイズするヌクレオチド配列は、高度にストリンジェントな条件下においてハイブリダイズしてよい。「高度にストリンジェントな条件」とは、ヌクレオチド配列が標的配列(本明細書中に記載される核酸のうち任意のもののヌクレオチド配列)に特異的にハイブリダイズし、その量が、非特異的なハイブリダイゼーションよりも検出可能な程度に多いことを意味する。高度にストリンジェントな条件は、厳密に相補的な配列を有するポリヌクレオチドまたはミスマッチが2~3個散在するのみであるものを、当該ヌクレオチド配列に一致する小領域(たとえば、3~10塩基)を偶然にも2~3個有する無作為の配列から区別できるような条件を含む。こうした小さな相補性領域は、塩基14~17個またはそれ以上の長さの全長相補性領域よりも容易に融解され、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーションによってこれらを容易に区別できる。比較的高度にストリンジェントな条件は、たとえば、約0.02~0.1M NaClまたはこれと同等で温度約50~70℃などのような低塩および/または高温条件を含み得る。このように高度にストリンジェントな条件は、ヌクレオチド配列と鋳型または標的鎖との間のミスマッチを、万一許容するとしても、その程度は非常に低く、本発明のDuoCARのうち任意のものの発現を検出するために特に好適である。一般的に、ホルムアミドの添加量を増加することによって条件をさらにストリンジェントにすることができると理解される。
【0222】
また、本明細書中に記載される核酸のうち任意のものとの同一性が少なくとも約70%またはそれ以上、たとえば、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%であるヌクレオチド配列を含む核酸も提供される。
【0223】
一実施形態において、核酸は、組換え発現ベクター中に組み込まれてよい。この点において、一実施形態は、上述される核酸のうち任意のものを含む組換え発現ベクターを提供する。本明細書中に記載される目的において、用語「組換え発現ベクター」は、遺伝子改変オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドコンストラクトを意味し、このコンストラクトがmRNA、タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、かつ、当該ベクターと宿主細胞とを、宿主細胞中において当該mRNA、タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドが発現するのに十分な条件下において接触させた場合に、宿主細胞が当該mRNA、タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドを発現できるものである。こうしたベクターは、総じて、天然には存在しない。
【0224】
しかしながら、こうしたベクターの一部は天然に存在し得る。この組換え発現ベクターは、DNAおよびRNAを含むがこれらに限定されない、任意の種類のヌクレオチドを含んでよく、これらは、一本鎖または二本鎖であってよく、合成または一部は天然の供給源から得られてよく、天然、非天然、または変化したヌクレオチドを含有してよい。組換え発現ベクターは、天然または非天然のヌクレオチド間結合、または両方の型の結合を含んでよい。好ましくは、非天然または変化したヌクレオチドまたはヌクレオチド間結合は、当該ベクターの転写または複製を妨げない。
【0225】
一実施形態において、組換え発現ベクターは、任意の好適な組換え発現ベクターであってよく、任意の好適な宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションするために使用できる。好適なベクターは、繁殖および増殖を目的として、または発現を目的として、またはその両方の目的で設計されたもの(プラスミドおよびウイルスなど)を含む。ベクターは、pUC系(Fermentas Life Sciences、Glen Burnie、MD)、pBluescript系(Stratagene、LaJolla、CA)、pET系(Novagen、Madison、WI)、pGEX系(Pharmacia Biotech、Uppsala、スウェーデン)、およびpEX系(Clontech、Palo Alto、CA)からなる群より選択されてよい。
【0226】
λυΤΙΟ、λυΤΙ 1、λZapII(Stratagene)、EMBL4、およびλΝΜΙ 149などのバクテリオファージベクターも使用できる。植物発現ベクターの例は、pBIOl、pBI101.2、pBHOl.3、pBI121、およびpBIN19(Clontech)を含む。動物発現ベクターの例は、pEUK-Cl、pMAM、およびpMAMneo(Clontech)を含む。組換え発現ベクターは、ウイルスベクター、たとえば、レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターであってよい。レンチウイルスベクターは、特に、Milone et al., Mol. Ther. 17(8): 1453-1464 (2009)中において提供されるような自己不活型レンチウイルスベクターを含む、レンチウイルスゲノムの少なくとも一部分に由来するベクターである。診療所において使用され得るレンチウイルスベクターのその他の例は、たとえば、Oxford BioMedica plcからのLENTIVECTOR(登録商標)遺伝子導入技術、LentigenなどからのLENTIMAX(商標)ベクター系を含むが、これらに限定されない。臨床用の型ではないレンチウイルスベクターも入手可能であり、当業者に周知され得る。
【0227】
複数のトランスフェクション技術が当技術分野において一般的に周知されている(たとえば、Graham et al., Virology, 52: 456-467 (1973); Sambrook et al., supra; Davis et al., Basic Methods in Molecular Biology, Elsevier (1986); and Chu et al, Gene, 13: 97 (1981)を参照)。
【0228】
トランスフェクション方法は、リン酸カルシウム共沈(たとえば、上述されるGrahamらを参照)、培養細胞中への直接マイクロインジェクション(たとえば、Capecchi, Cell, 22: 479-488 (1980)を参照)、エレクトロポレーション(たとえば、Shigekawa et al., BioTechniques, 6: 742-751 (1988)を参照)、リポソーム介在性遺伝子導入(たとえば、Mannino et al., BioTechniques, 6: 682-690 (1988)を参照)、脂質介在性形質導入(たとえば、Feigner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84: 7413-7417 (1987)を参照)、および高速微粒子銃を使用した核酸導入(たとえば、Klein et al, Nature, 327: 70-73 (1987)を参照)を含む。
【0229】
一実施形態において、組換え発現ベクターは、たとえば上述されるSambrookら、および上述されるAusubelら中に記載される、標準的な組換えDNA技術を使用して調製されてよい。発現ベクターの環状または線状コンストラクトは、原核または真核生物の宿主細胞において機能する複製機構を含有するように調製されてよい。複製機構は、たとえば、ColEl、2μプラスミド、λ、SV40、およびウシパピローマウイルスなどに由来するものであってよい。
【0230】
組換え発現ベクターは、ベクター導入先の宿主細胞(たとえば、細菌、真菌、植物、または動物)の種類に対して適宜特異的であり、かつ、ベクターがDNAまたはRNAのいずれに基づくかが考慮された、転写コドンおよび翻訳開始コドンおよび停止コドンなどの調節配列を含んでよい。組換え発現ベクターは、クローニングを促進するための制限部位を含んでよい。
【0231】
組換え発現ベクターは、形質転換またはトランスフェクションされた宿主細胞の選択を可能とする1つ以上のマーカー遺伝子を含んでよい。マーカー遺伝子は、たとえば抗生物質、重金属などに対する耐性といった、殺生物剤耐性、および、原栄養性とするための栄養要求性宿主における補完などを含む。本発明の発現ベクターに好適なマーカー遺伝子は、たとえば、ネオマイシン/G418耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ヒスチジノール耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、およびアンピシリン耐性遺伝子を含む。
【0232】
組換え発現ベクターは、CAR(その機能性部分および機能性バリアントを含む)をコードするヌクレオチド配列、またはCARをコードするヌクレオチド配列に相補的なもしくはこれにハイブリダイズするヌクレオチド配列に作動可能に結合した、天然または非天然のプロモーターを含んでよい。プロモーターの選択(たとえば、強い、弱い、誘導性、組織特異的、および発生特異的(developmental-specific)など)は、当業者の通常の知識の範囲内である。同様にヌクレオチド配列とプロモーターとの結合も、当業者の通常の知識の範囲内である。プロモーターは、非ウイルスプロモーターまたはウイルスプロモーター、たとえば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーター、またはマウス幹細胞ウイルスの末端反復配列中にみられるプロモーターであってよい。
【0233】
組換え発現ベクターは、一過性の発現、または安定的な発現、またはその両方のうちのいずれかを目的として設計されてよい。また、組換え発現ベクターは、恒常的発現または誘導性発現を目的として作製されてよい。
【0234】
さらに、組換え発現ベクターは、自殺遺伝子を含むように作製されてよい。本明細書中において使用される場合、用語「自殺遺伝子」は、自殺遺伝子を発現している細胞の死を引き起こす遺伝子を指す。自殺遺伝子は、当該遺伝子が発現している細胞に、たとえば薬物などの剤に対する感受性を与えて、当該細胞がこの剤に接触または曝露されると当該細胞の死を引き起こす遺伝子であってよい。自殺遺伝子は当技術分野において周知されており(たとえば、Suicide Gene Therapy: Methods and Reviews, Springer, Caroline J. (Cancer Research UK Centre for Cancer Therapeutics at the Institute of Cancer Research, Sutton, Surrey, UK), Humana Press, 2004を参照)、かつ、たとえば、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、シトシンデアミナーゼ(cytosine daminase)、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、およびニトロレダクターゼを含む。
【0235】
一実施形態は、本明細書中に記載される組換え発現ベクターのうち任意のものを含む宿主細胞をさらに提供する。本明細書中において使用される場合、用語「宿主細胞」は、本発明に係る組換え発現ベクターを含有し得る任意の型の細胞を指す。宿主細胞は、たとえば植物、動物、真菌、もしくは藻類などの、真核細胞であってもよいし、または、たとえば細菌もしくは原生動物などの、原核細胞であってもよい。宿主細胞は、培養細胞、または、初代細胞(すなわち、たとえばヒトなどの、生物から直接単離されたもの)であってよい。宿主細胞は、接着細胞、または、懸濁細胞(すなわち、懸濁液中で増殖する細胞)であってよい。好適な宿主細胞は当技術分野において周知されており、たとえば、DH5a大腸菌細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、サルVERO細胞、COS細胞、およびHEK293細胞などを含む。組換え発現ベクターの増幅または複製が目的である場合には、宿主細胞は、原核細胞、たとえばDH5a細胞であってよい。組換えCARの作製が目的である場合には、宿主細胞は哺乳動物細胞であってよい。宿主細胞はヒト細胞であってよい。宿主細胞は任意の細胞型であってよく、任意の種類の組織に由来してよく、任意の発生段階であってよいが、宿主細胞は、末梢血リンパ球(PBL)または末梢血単核細胞(PBMC)であってよい。宿主細胞はT細胞であってよい。
【0236】
本明細書中に記載される目的において、T細胞は任意のT細胞であってよく、培養T細胞(たとえば初代T細胞など)、または培養T細胞株(たとえば、Jurkat、SupTlなど)からのT細胞、または哺乳動物から得られるT細胞であってよい。哺乳動物から得られる場合、T細胞は、血液、骨髄、リンパ節、胸腺、またはその他の組織もしくは体液を含むがこれらに限定されない、非常に多様な供給源から得られてよい。T細胞は、強化または精製されていてもよい。T細胞はヒトT細胞であってよい。T細胞は、ヒトから単離されたT細胞であってよい。T細胞は、任意の型のT細胞であってよく、任意の発生段階であってよく、CD4+/CD8+二重陽性T細胞、CD4+ヘルパーT細胞、たとえばThiおよびTh2細胞、CD8+ T細胞(たとえば、細胞毒性T細胞)、腫瘍浸潤性細胞、メモリーT細胞、およびナイーブ型T細胞などを含むがこれらに限定されない。T細胞は、CD8+ T細胞またはCD4+ T細胞であってよい。
【0237】
一実施形態において、本明細書中に記載されるDuoCARは、T細胞ではない好適な細胞において使用できる。このような細胞は、たとえば、NK細胞および多能性幹細胞から発生させたT様細胞などの、免疫エフェクター機能を有するものである。
【0238】
また、一実施形態は、本明細書中に記載される少なくとも1つの宿主細胞を含む細胞の集団も提供する。この細胞の集団は、記載される組換え発現ベクターのうち任意のものを含む宿主細胞に加えて、少なくとも1種のその他の細胞、たとえば、組換え発現ベクターのうち任意のものを含まない宿主細胞(たとえば、T細胞)、またはT細胞以外の細胞、たとえば、B細胞、マクロファージ、好中球、赤血球、肝細胞、内皮細胞、上皮細胞、筋肉細胞、脳細胞などを含む、不均質な集団であってよい。代替的には、細胞の集団は、組換え発現ベクターを含む宿主細胞を主に含む(たとえば、本質的にこれからなる)、実質的に均質な集団であってよい。また、集団は、当該集団の全細胞が組換え発現ベクターを含む単一の宿主細胞のクローンであり、したがって当該集団の全細胞がこの組換え発現ベクターを含むような、クローン細胞集団であってもよい。本発明の一実施形態において、細胞の集団は、本明細書中に記載される組換え発現ベクターを含む宿主細胞を含むクローン集団である。
【0239】
DuoCAR(その機能性部分およびバリアントを含む)、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞(その集団を含む)、および抗体(その抗原結合部分を含む)は、単離および/または精製されてよい。たとえば、精製された(または単離された)宿主細胞の調製物中では、宿主細胞の純度が、体内の自然環境中における純度よりも高い。このような宿主細胞は、たとえば標準的な精製技術によって作製されてよい。いくつかの実施形態において、宿主細胞の調製物は、この調製物の総細胞含有量の少なくとも約50%、たとえば少なくとも約70%を宿主細胞が占めるように精製される。たとえば、この純度は、少なくとも約50%であってよい、または約60%、約70%、もしくは約80%を超えてよい、または約100%であってよい。
【0240】
E.処置方法
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団において使用されるDuoCARを哺乳動物における疾患の処置または予防方法において使用してよいことが意図される。この点において、一実施形態は、哺乳動物におけるがんの処置または予防方法を提供し、これは、哺乳動物に、DuoCAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体および/またはその抗原結合部分、および/または医薬組成物を、哺乳動物におけるがんの処置または予防に有効な量にて投与する工程を含む。上述されるDuoCARのさらなる使用方法が上記に開示されている。
【0241】
一実施形態は、さらに、本明細書中に開示されるDuoCARを投与するより前に、哺乳動物をリンパ球枯渇させる工程を含む。リンパ球枯渇の例は、骨髄非破壊的リンパ球枯渇化学療法、骨髄破壊的リンパ球枯渇化学療法、全身照射などを含むが、これらに限定されなくてよい。
【0242】
宿主細胞または細胞の集団が投与される本方法の目的において、この細胞は、当該哺乳動物の同種細胞、またはこれの自家細胞であってよい。好ましくは、この細胞は、当該哺乳動物の自家細胞であってよい。本明細書中において使用される場合、同種とは、任意の材料であって、当該材料を導入した個体と同種であるが別個体である動物に由来することを意味する。2つ以上の個体について、1つ以上の座における遺伝子が同一でない場合に、これらの個体は互いに同種であるといわれる。いくつかの態様において、同種の個体からの同種の材料は、抗原性的に相互に作用できるほど十分に遺伝学的に異なっていてよい。本明細書中において使用される場合、「自家」は、任意の材料であって、この材料を後に再び導入することになる個体と同じ個体に由来する材料を意味する。
【0243】
本明細書中において言及される哺乳動物は、任意の哺乳動物であってよい。本明細書中において使用される場合、用語「哺乳動物」は、マウスおよびハムスターなどの齧歯目哺乳動物およびウサギなどのウサギ目(Logomorpha)哺乳動物を含むがこれらに限定されない任意の哺乳動物を指す。哺乳動物は、ネコ科(ネコ)およびイヌ科(イヌ)を含む食肉目のものであってよい。哺乳動物は、ウシ亜科(ウシ)およびブタ類(ブタ)を含む偶蹄目、またはウマ科(ウマ)を含む奇蹄目(Perssodactyla)のものであってよい。哺乳動物は、霊長目、セボイド類(Ceboids)、もしくはシモイド類(Simoids)(サル(monkeys))、または類人猿類(ヒトおよびサル(apes))であってよい。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
【0244】
上述される方法に関して、がんは、急性ンパ球性がん、急性骨髄性白血病、胞巣型横紋筋肉腫、膀胱がん(たとえば、膀胱癌)、骨がん、脳がん(たとえば、髄芽細胞腫)、乳がん、肛門、肛門管、または肛門直腸のがん、眼のがん、肝内胆管のがん、関節のがん、頚部、胆嚢、または胸膜のがん、鼻、鼻腔、または中耳のがん、口腔のがん、外陰部のがん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性がん、結腸がん、食道がん、子宮頚がん、線維肉腫、消化管カルチノイド腫瘍、頭頸部がん(たとえば、頭頸部扁平上皮癌)、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、腎臓がん、喉頭がん、白血病、液性腫瘍、肝臓がん、肺がん(たとえば、非小細胞肺癌および肺腺癌)、リンパ腫、中皮腫、肥満細胞腫、黒色腫、多発性骨髄腫、上咽頭がん、非ホジキンリンパ腫、B-慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、およびBurkittリンパ腫、卵巣がん、膵臓がん、腹膜、網、および腸間膜のがん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、腎がん、皮膚がん、小腸がん、軟部組織がん、固形腫瘍、滑膜肉腫、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、ならびに尿管がんのうち任意のものを含む、任意のがんであってよい。
【0245】
用語「処置」および「予防」ならびにこれらの派生語は、本明細書中において使用される場合、必ずしも100%のまたは完全な処置または予防を示唆するものではない。そうではなく、むしろ、当技術分野において通常の知識を有する者が利益または治療効果の可能性を認識する処置または予防には、多様な程度のものがある。この点に関し、本方法は、哺乳動物における任意の量または任意のレベルのがん処置または予防を提供できる。
【0246】
さらに、本方法によって提供される処置または予防は、処置または予防されている疾患(たとえば、がん)の1つ以上の状態または症状の処置または予防を含んでよい。また、本明細書中に記載される目的において、「予防」は、疾患またはその症状もしくは状態の発症の遅延を包含してもよい。
【0247】
別の一実施形態は、哺乳動物におけるがんの存在の検出方法を提供し、これは、(a)哺乳動物からの1つ以上の細胞を含む試料をDuoCAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体、および/またはその抗原結合部分、または医薬組成物に接触させることによって、複合体を形成する工程と、(b)この複合体を検出する工程とを含み、複合体が検出された場合、哺乳動物においてがんが存在することが示唆される。
【0248】
この試料は、たとえば生検または剖検などの、任意の好適な方法によって得られてよい。生検は、個体から組織および/または細胞を除去することである。こうした除去は、除去された組織および/または細胞を実験法に供するために、個体から組織および/または細胞を採取するものであってよい。この実験法は、この個体が特定の状態もしくは疾患状態を有するか否かおよび/またはこれに罹患しているか否かを判断するための実験を含んでよい。この状態または疾患は、たとえば、がんであってよい。
【0249】
哺乳動物における増殖性障害、たとえばがん、の存在の検出方法の一実施形態に関して、哺乳動物の細胞を含む試料は、全細胞、その溶解物、または全細胞溶解物画分、たとえば、核もしくは細胞質画分、総タンパク質画分、または核酸画分、を含む試料であってよい。試料が全細胞を含む場合、この細胞は、哺乳動物の任意の細胞、たとえば、任意の臓器または組織の細胞(血液細胞または内皮細胞を含む)であってよい。
【0250】
上述される接触は、哺乳動物について、in vitroまたはin vivoにおいて生じてよい。好ましくは、当該接触はin vitroにおいて生じる。
【0251】
また、複合体の検出は、当技術分野において周知される複数の方法のうち任意のものによって行なってよい。たとえば、本明細書中に開示されるDuoCAR、本明細書中に記載されるポリペプチド、タンパク質、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、または抗体、またはその抗原結合部分は、たとえば、上記に開示されるとおり、放射性同位体、フルオロフォア(たとえば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE))、酵素(たとえば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、および元素粒子(たとえば、金粒子)などの、検出可能な標識で標識されてよい。
【0252】
CARの標的細胞認識能力および抗原特異性を試験する方法は、当技術分野において周知されている。たとえば、Clay et al., J. Immunol, 163: 507-513 (1999)は、サイトカイン(たとえば、インターフェロン-γ、顆粒球/単球コロニー刺激因子(GM-CSF)、腫瘍壊死因子a(TNF-a)、またはインターロイキン2(IL-2))の放出の測定方法を教示する。それに加えて、CARの機能を、Zhao et al, J. Immunol. 174: 4415-4423 (2005)中に記載されるとおり、細胞の細胞毒性の測定によって評価してよい。
【0253】
別の一実施形態は、哺乳動物における増殖性障害、たとえばがん、を処置または予防するための、本発明に係るDuoCAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体、またはその抗原結合部分、および/または医薬組成物の使用を提供する。このがんは、本明細書中に記載されるがんのうち任意のものであってよい。
【0254】
局所および全身投与を含む任意の投与方法を、開示される治療剤に対して使用してよい。たとえば、外用的、経口、静脈内などの血管内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、皮内、くも膜下腔内、および皮下への投与を使用してよい。具体的な投与様式および投薬レジメンは、担当臨床医によって、当該症例の詳細(たとえば、対象、疾患、関連する疾患状態、および処置が予防的であるか否か)を考慮の上で選択されてよい。1種を超える剤または組成物が投与される場合、1種以上の投与経路が使用されてよく、たとえば、化学療法剤は経口的に投与されてよいし、抗体または抗原結合断片または結合体または組成物は静脈内に投与されてよい。投与方法は注射を含み、この注射において、CAR、CAR T細胞、結合体、抗体、抗原結合断片、または組成物は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、5%ヒト血清アルブミン、不揮発性油、オレイン酸エチル、またはリポソームなどの、非毒性でありかつ製薬学的に許容される担体中に提供される。いくつかの実施形態において、開示される化合物の局所投与は、たとえば、抗体または抗原結合断片を、腫瘍除去後の組織領域、または腫瘍発生傾向が疑われる領域に適用することによって使用されてよい。いくつかの実施形態において、治療的有効量の抗体または抗原結合断片を含む医薬調製物の持続的な腫瘍内(または腫瘍近傍)への放出が有益である可能性がある。その他の例において、結合体は、点眼剤として、外用的に角膜に、または眼の硝子体内に適用される。
【0255】
開示される治療剤は、正確な投薬量を1回1回投与するのに好適な単位投薬形態で製剤化されてよい。それに加えて、開示される治療剤は、単回投与または複数回投与のスケジュールで投与されてよい。複数回投与のスケジュールは、最初の一連の処置では1回を超える投与(たとえば1~10回の投与)が1回1回別個に行なわれてよく、続いてその後、必要に応じて、組成物の作用を維持または増大させるために、残りの投与が時間間隔をあけて行なわれてよいというものである。処置は、化合物を1日1回または1日複数回(multi-daily doses)、2~3日間から数か月間、またはさらには数年間の期間にわたって投与することを伴ってよい。したがって、投薬レジメンは、処置する対象の具体的な要求事項にも少なくとも一部基づいて決定されてよく、投与担当医の判断に依存してよい。
【0256】
抗体または結合体の典型的な投薬量は、約0.01~約30mg/kg、たとえば約0.1~約10mg/kgの範囲であってよい。
【0257】
具体的な例において、対象は、結合体、抗体、組成物、DuoCAR、CAR T細胞、またはさらなる剤のうち1種以上を含む治療用組成物を、少なくとも連続2日間および連続10日間などの複数日投与スケジュール(multiple daily dosing schedule)にて、たとえば数週間、数か月間、または数年間の期間にわたって投与される。一例において、対象は、結合体、抗体、組成物、またはさらなる剤を、少なくとも30日間の期間にわたって、たとえば少なくとも2か月間、少なくとも4か月間、少なくとも6か月間、少なくとも12か月間、少なくとも24か月間、または少なくとも36か月間の期間にわたって投与される。
【0258】
いくつかの実施形態において、開示される方法は、開示される抗体、抗原結合断片、結合体、CAR、またはCARを発現するT細胞と組み合わせて(たとえば、逐次的に、実質的に同時に、または同時に)、手術、放射線療法、および/または化学療法を、対象に提供することを含む。このような剤および処置についての方法および治療的投薬量は当業者に周知されており、熟練した臨床医によって判断されてよい。さらなる剤についての調製物および投与スケジュールは、製造元の説明書にしたがって、または熟練した医師の経験に基づく判断にしたがって使用されてよい。また、このような化学療法の調製物および投与スケジュールは、Chemotherapy Service, (1992) Ed., M. C. Perry, Williams & Wilkins, Baltimore, Md中に記載される。
【0259】
いくつかの実施形態において、併用療法は、さらなるがん阻害剤の治療的有効量を対象に投与することを含んでよい。併用療法と共に使用できるさらなる治療剤の例は、微小管結合剤、DNAインターカレーターまたはクロスリンカー、DNA合成阻害剤、DNAおよびRNA転写阻害剤、抗体、酵素、酵素阻害剤、遺伝子制御剤、ならびに血管新生阻害剤を含むが、これらに限定されない。これらの剤(治療的有効量にて投与される)および処置は、単独で、または組み合わせで使用されてよい。たとえば、任意の好適な抗がんまたは抗血管新生剤が、本明細書中に開示されるCAR、CAR-T細胞、抗体、抗原結合断片、または結合体との組み合わせで投与されてよい。このような剤についての方法および治療的投薬量は当業者に周知されており、熟練した臨床医によって決定され得る。
【0260】
併用免疫療法のためのさらなる化学療法剤は、ナイトロジェンマスタード(たとえば、クロラムブチル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、およびメルファラン)、ニトロソウレア(たとえば、カルムスチン、ホテムスチン、ロムスチン、およびストレプトゾシン)、白金化合物(たとえば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、およびBBR3464)、ブスルファン、ダカルバジン、メクロレタミン、プロカルバジン、テモゾロミド、チオテパ、およびウラムスチンなどのアルキル化剤;葉酸(たとえば、メトトレキサート、ペメトレキセド、およびラルチトレキセド)、プリン(たとえば、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、およびチオグアニン)、ピリミジン(たとえば、カペシタビン)、シタラビン、フルオロウラシル、およびゲムシタビンなどの代謝拮抗剤;ポドフィルム(たとえば、エトポシドおよびテニポシド)、タキサン(たとえば、ドセタキセルおよびパクリタキセル)、ビンカ(たとえば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビン)などの植物アルカロイド;アントラサイクリンファミリーのメンバー(たとえば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、およびバルルビシン)、ブレオマイシン、リファンピシン、ヒドロキシ尿素、およびマイトマイシンなどの細胞毒性/抗腫瘍性抗生物質;トポテカンおよびイリノテカンなどのトポイソメラーゼ阻害剤;アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、およびトラスツズマブなどのモノクローナル抗体;アミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、ポルフィマーナトリウム、およびベルテポルフィンなどの光増感剤;ならびに、アリトレチノイン、アルトレタミン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アキシチニブ、ベキサロテン、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、セレコキシブ、デニロイキンジフチトクス、エルロチニブ、エストラムスチン、ゲフィチニブ、ヒドロキシカルバミド、イマチニブ、ラパチニブ、パゾパニブ、ペントスタチン、マソプロコール、ミトタン、ペガスパルガーゼ、タモキシフェン、ソラフェニブ、スニチニブ、ベムラフェニブ(vemurafinib)、バンデタニブ、およびトレチノインなどのその他の剤を含むが、これらに限定されない。このような剤の選択および治療的投薬量は当業者に周知されており、熟練した臨床医によって決定され得る。
【0261】
本発明の特定の実施形態において、本明細書中に記載される方法を使用して、または、当技術分野において周知されている、T細胞を治療用レベルまで増殖させるその他の方法を使用して活性化および増殖させた細胞は、任意の数の妥当な処置モダリティ(抗ウイルス療法、シドホビルおよびインターロイキン-2、シタラビン(ARA-Cとしても知られる)、またはMS患者に対するナタリズマブ処置、または乾癬患者に対するエファリズマブ処置、またはPML患者に対するその他の処置など、剤を用いた処置を含むが、これらに限定されない)と併せて(たとえば、その前、それと同時、またはその後に)、患者に投与される。さらなる実施形態において、本発明に係るT細胞は、化学療法、放射線、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸塩、およびFK506などの免疫抑制剤、抗体、またはCAM PATHなどのその他の免疫除去剤、抗CD3抗体またはその他の抗体療法、サイトキシン(cytoxin)、フルダラビン(fludaribine)、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228、サイトカイン、および照射との組み合わせで使用され得る。これらの薬物は、カルシウム依存性のホスファターゼであるカルシニューリン(シクロスポリンおよびFK506)を阻害する、または、増殖因子誘発性シグナル伝達にとって重要なp70S6キナーゼを阻害する(ラパマイシン)(Liu et al., Cell 66:807-815, 1991; Henderson et al., Immun 73:316-321, 1991; Bierer et al., Curr. Opin. Immun 5:763-773, 1993)。さらなる一実施形態において、本発明に係る細胞組成物は、骨髄移植、フルダラビンなどの化学療法剤を使用するT細胞除去療法、外照射療法(XRT)、シクロホスファミド、またはOKT3もしくはCAMPATHなどの抗体と併せて(たとえば、その前、それと同時、またはその後に)、患者に投与される。別の一実施形態において、本発明に係る細胞組成物は、CD20と反応する剤(たとえばリツキサン)などのB細胞除去療法の後に投与される。たとえば、一実施形態において、対象は、高用量化学療法による標準的な処置と、その後に末梢血幹細胞移植とを受けてよい。特定の実施形態において、移植後に、対象は、本発明に係る増殖させた免疫細胞の注入を受ける。追加的な一実施形態において、増殖させた細胞は、手術の前または後に投与される。
【0262】
患者に投与される上記処置の用量は、処置されている状態および処置を受ける患者の厳密な性質に応じて異なってよい。ヒトへの投与における用量の決定は、従来許容されている通りに実施される。たとえば、CAMPATHの用量は、一般的に成人患者について1~約100mgの範囲であり、通常1日1回、1~30日間にわたって投与される。好ましい1日用量は、1日当たり1~10mgであるが、いくつかの例においては、これより多い1日40mgといった用量でも使用され得る。
【0263】
併用療法は、相乗作用を生じ得るものであり、かつ、相乗的であることが立証され得る、すなわち、複数の活性成分を一緒に使用した際に達成される作用が、同じ化合物を別個に使用した際に得られる作用を合わせたものより大きい。相乗効果は、複数の活性成分が、(1)一緒に製剤化されて、これらを合わせた単位投薬用調製物として同時に投与もしくは送達された場合、(2)別個の調製物として、交互にもしくは平行して送達された場合、または(3)何らかのその他のレジメンが使用された場合に生じ得る。交互に送達された場合には、たとえば別個のシリンジで別々に注射されることによって、当該化合物が逐次的に投与または送達された際に、相乗効果が生じ得る。一般的に、交互の場合には、各活性成分の有効投薬量が逐次的に、すなわち連続的に投与され、一方、併用療法では、2種以上の活性成分の有効投薬量が一緒に投与される。
【0264】
一実施形態において、本明細書中に開示される抗原の1つ以上に特異的に結合する抗体もしくは抗原結合断片またはその結合体の有効量が、腫瘍を有する対象に、抗がん処置後に投与される。十分な時間が経過して、投与された抗体または抗原結合断片または結合体が、それぞれのがん細胞上に発現した抗原と免疫複合体を形成した後、この免疫複合体が検出される。免疫複合体が存在すること(または存在しないこと)が、上記処置の有効性を示す。たとえば、上記処置よりも前に得たコントロールと比較して免疫複合体が増加していれば、上記処置が有効でないことが示され、上記処置よりも前に得たコントロールと比較して免疫複合体が減少していれば、上記処置が有効であることが示される。
【0265】
F.バイオ医薬組成物
本明細書中に開示される1つ以上の抗原に特異的に結合する、開示されるDuoCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合断片、結合体、DuoCAR、またはCARを発現するT細胞のうち1種以上を、担体(製薬学的に許容される担体など)中に含む、バイオ医薬組成物または生物組成物(以下、「組成物」)が、本明細書中において、遺伝子療法、免疫療法、養子免疫療法、および/または細胞療法における使用を目的として提供される。この組成物は、対象への投与のために単位投薬形態にて調製されてよい。投与の量およびタイミングは、所望される転帰を達成するために、処置担当臨床医によって判断される。この組成物は、全身(静脈内など)または局所(腫瘍内など)への投与を目的として配合されてよい。一例において、開示されるDuoCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合断片、結合体は、静脈内投与などの非経口投与を目的として配合される。本明細書中に開示されるCAR、またはCARを発現するT細胞、結合体、抗体、または抗原結合断片を含む組成物は、たとえば、腫瘍(たとえば、神経芽細胞腫であるが、これに限定されない)の処置および検出に有用である。いくつかの例において、この組成物は、癌の処置または検出に有用である。本明細書中に開示されるCAR、またはCARを発現するT細胞、結合体、抗体、または抗原結合断片を含む組成物は、たとえば病理学的血管新生の検出にも有用である。
【0266】
この投与用組成物は、CAR、またはCARを発現するT細胞、結合体、抗体、または抗原結合断片を、水性担体などの製薬学的に許容される担体中に溶解した、溶液を含んでよい。たとえば緩衝生理食塩水などの、多様な水性担体が使用されてよい。こうした溶液は、滅菌されており、一般的に、望ましくない物質を含まない。この組成物は、従来から周知される滅菌技術によって滅菌されていてよい。この組成物は、生理的条件に近づけるために、必要に応じて、たとえば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、および乳酸ナトリウムなどの、pH調整および緩衝剤、毒性調整剤、および補助剤といった製薬学的に許容される補助的な物質を含有してよい。当該調製物中におけるCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、または抗原結合断片、または結合体の濃度は、広範囲で変動してよく、主に流体の体積、粘度、および体重などに基づいて、選択された特定の投与様式および対象の要求事項に応じて選択されてよい。遺伝子療法、免疫療法、および/または細胞療法において使用するためのこのような投薬形態の実際の調製方法は、周知されている、または当業者には明らかであろう。
【0267】
静脈内投与用の典型的な組成物は、対象1人につき1日当たり約0.01~約30mg/kgの、抗体または抗原結合断片または結合体(または、対応する投与量のCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合断片を含む結合体)を含む。投与用組成物の実際の調製方法は、当業者に周知または明白であってよく、Remington's Pharmaceutical Science, 19th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA (1995)などの出版物中に、より詳細に記載される。
【0268】
CAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合断片、または結合体は、凍結乾燥形態で提供されてよく、滅菌水で戻して投与されてよいが、周知の濃度の滅菌溶液中に溶解した形態でも提供される。DuoCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、または抗原結合断片、または結合体の溶液は、次いで、0.9%塩化ナトリウム(USP)を入れた注入バッグに充填され、場合によっては、0.5~15mg/kg体重の投薬量で投与される。抗体または抗原結合断片および結合体の薬物の投与にあたっては、当技術分野において相当量の経験を見いだすことができ、たとえば、抗体薬が、1997年のリツキサン(登録商標)の承認以来、米国市場に出回っている。CAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、その抗原結合断片および結合体は、静脈内プッシュ(push)またはボーラスではなく、低速の注入によって投与されてよい。一例において、より高負荷の投与量が投与され、続いて、これより低い程度にて維持投与量が投与される。たとえば、抗体または抗原結合断片が初期負荷投与量4mg/kg(または、抗体もしくは抗原結合断片を含む結合体の、これに対応する投与量)が約90分間にわたって注入され、この初期投与量が良好に許容されれば、続いて、週1回の維持投与量2mg/kgが、一回につき30分間、4~8週間にわたって注入されてよい。
【0269】
制御放出非経口調製物は、移植片、油性注射、または粒子系として調製されてよい。タンパク質送達系の広範囲の全体像は、Banga, A.J., Therapeutic Peptides and Proteins: Formulation, Processing, and Delivery Systems, Technomic Publishing Company, Inc., Lancaster, PA, (1995)を参照。粒子系は、微小球体、微粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ナノ球体、およびナノ粒子を含む。マイクロカプセルは、細胞毒または薬物などの治療用タンパク質を中心核として含有する。微小球体中、粒子の全体に治療薬が分散している。約1μm未満の粒子、微小球体、およびマイクロカプセルは、一般的に、それぞれ、ナノ粒子、ナノ球体、およびナノカプセルと称される。毛細血管は直径約5μmであるため、ナノ粒子のみが静脈内に投与される。微粒子は、典型的には直径約100μmであり、皮下または筋肉内に投与される。たとえば、Kreuter, J., Colloidal Drug Delivery Systems, J. Kreuter, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, NY, pp. 219-342 (1994);およびTice & Tabibi, Treatise on Controlled Drug Delivery, A. Kydonieus, ed., Marcel Dekker, Inc. New York, NY, pp. 315-339, (1992)を参照。
【0270】
ポリマーを、本明細書中に開示されるDuoCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、または抗原結合断片、または結合体の組成物のイオン制御(ion-controlled)放出に使用してよい。制御薬物送達において使用するための多様な分解性および非分解性ポリマーマトリックスが当技術分野において周知されている(Langer, Accounts Chem. Res. 26:537-542, 1993)。たとえば、ブロックコポリマーであるポロキサマー(polaxamer)407は、低温では粘性を有する可動性の液体として存在するが、体温においては半固体のゲルを形成する。これは、組換えインターロイキン-2およびウレアーゼの調製物および持続送達にとって有効なビヒクルであることが示されている(Johnston et al., Pharm. Res. 9:425-434, 1992; and Pec et al., J. Parent. Sci. Tech. 44(2):58-65, 1990)。代替的には、ヒドロキシアパタイトが、タンパク質の制御放出用のマイクロ担体として使用されている(Ijntema et al., Int. J. Pharm.112:215-224, 1994)。さらに別の一態様において、リポソームが、脂質カプセル化薬物の制御放出および薬物標的のために使用される(Betageri et al., Liposome Drug Delivery Systems, Technomic Publishing Co., Inc., Lancaster, PA (1993))。これら以外にも、治療用タンパク質の制御送達のための非常に多くの系が周知されている(米国特許第5,055,303号、米国特許第5,188,837号、米国特許第4,235,871号、米国特許第4,501,728号、米国特許第4,837,028号、米国特許第4,957,735号、米国特許第5,019,369号、米国特許第5,055,303号、米国特許第5,514,670号、米国特許第5,413,797号、米国特許第5,268,164号、米国特許第5,004,697号、米国特許第4,902,505号、米国特許第5,506,206号、米国特許第5,271,961号、米国特許第5,254,342号、および米国特許第5,534,496号)。
【0271】
G.キット
一態様において、本明細書中に開示されるDuoCARを使用するキットがさらに提供される。たとえば、対象における腫瘍を処置するための、または本明細書中に開示されるDuoCARの1種以上を発現するCAR T細胞を作製するためのキットである。こうしたキットは、典型的には、本明細書中に開示される抗体、抗原結合断片、結合体、核酸分子、CAR、またはCARを発現するT細胞を含んでよい。開示される抗体、抗原結合断片、結合体、核酸分子、DuoCAR、またはCARを発現するT細胞のうち1種を超えるものが、キット中に含まれてよい。
【0272】
キットは、容器と、容器に付けられたまたは容器に付随するラベルまたは添付文書とを含んでよい。好適な容器は、たとえば、ボトル、バイアル、シリンジなどを含む。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの多様な材料から形成されていてよい。容器には、典型的には、開示される抗体、抗原結合断片、結合体、核酸分子、DuoCAR、またはCARを発現するT細胞のうち1種以上を含む組成物が入っている。いくつかの実施形態において、容器は、滅菌アクセス口を有してよい(たとえば、容器は、皮下注射針で穿孔可能な栓を有する静脈内投与用液剤バッグまたはバイアルであってよい)。ラベルまたは添付文書は、組成物を特定の状態の処置に使用するということを示すものである。
【0273】
ラベルまたは添付文書は、典型的には、たとえば、腫瘍の処置もしくは予防方法、またはCAR T細胞の作製方法における、開示される抗体、抗原結合断片、結合体、核酸分子、DuoCAR、またはCARを発現するT細胞の使用についての説明をさらに含んでよい。添付文書は、典型的には、治療用製品の市販パッケージ中に慣習的に入っている説明書を含んでおり、この説明書は、当該治療用製品の使用に関連する適応、用法、投薬量、投与、禁忌、および/または警告についての情報を含む。説明書の内容は、電子形式(フロッピーディスクまたはコンパクトディスクなど)または視覚形式(ビデオファイルなど)で記述されていてよい。キットは、さらに、キット設計目的である特定の用途を推進するためのさらなる構成要素を含んでよい。したがって、たとえば、キットには、さらに、標識検出手段(たとえば、酵素標識のための酵素基質、蛍光標識検出のためのフィルターセット、または、二次抗体などの適切な二次標識など)が入っていてよい。キットには、さらに、特定の方法の実施において慣例的に使用されるバッファーおよびその他の試薬が入っていてよい。このようなキットおよび適切な内容物は、当業者に周知されている。
【実施例】
【0274】
実施例
本発明が、下記の添付図面および本開示の17~27ページ(上述されるものを含む)に示されるDuoCARの実施例によってさらに例証されるが、これらの実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。逆に、様々な他の実施形態、改変、および等価物に頼らなければならず、こうした他の実施形態、改変、および等価物は、本発明の精神および/または付属の請求項の範囲から逸脱することなく、本明細書の記載を読んだ後、当業者の念頭に浮かび得るということが明瞭に理解される。
【0275】
様々な詳細が、以上に概説される例示的な実現例と併せて記載されるが、様々な代案、改変、変形、改善、および/または実質的等価物が(周知されているか否かにかかわらず、または、現時点で予見されているもしくは予見され得るか否かにかかわらず)、前述される開示内容を参照することによって明白となると考える。
【0276】
本文中に引用された各出願および特許、ならびに各出願および特許中に引用された各文献または先行技術文献(訴訟中の各発行済特許「出願引用文献」を含む)、ならびに当該出願および特許のいずれかに対応するおよび/またはその優先権を主張する各PCT出願または特許および外国出願または特許、ならびに各出願引用文献中に引用または参照された各文献を、引用により明白に本明細書に援用し、これらは本発明の実施において使用されてよい。より一般的には、文献または先行技術文献は本文中、請求項の前の先行技術文献一覧、または本文自体のいずれかにおいて引用され、当該文献または先行技術文献の各々(「本明細書中引用先行技術文献」)、および各本明細書中引用先行技術文献中に引用された各文献または先行技術文献(製造元の規格、説明書などを含む)を、引用により明白に本明細書に援用する。
【0277】
いくつかの具体的な実施形態についての上述される記載は、他者が最新の知識の適用により、一般的概念から逸脱することなく、多様な用途のために当該具体的な実施形態を容易に変更または適合させるのに十分な情報を提供するものであり、したがって、このような適合および変更は、当該開示される実施形態の等価物の意味および範囲内であると理解されるべきである。本明細書中において使用される語句または専門用語は説明目的であって限定目的でないことが理解される。図面および記載中、例示的な実施形態が開示されており、特定の用語が使用されている可能性があるが、これらは、特記しない限り、一般的かつ説明目的のみで使用されており、限定を目的するものではないため、これによって請求項の範囲が限定されるものではない。また、当業者には、本明細書中に開示される方法の特定の工程を別の順序で実施してよいこと、または工程を組み合わせてよいことが理解される。したがって、本明細書中に開示される具体的な実施形態に付属の請求項が限定されないことが意図される。当業者には、本明細書中に記載される本発明に係る実施形態の多くの等価物が認識され得る、または常套的な実験法のみを使用して把握できる。かかる等価物は、下記請求項に包含される。
【0278】
実施例の記載
4つの実施例が示されており、ここでは、LV形質導入ヒトT細胞集団表面において3つの機能性結合ドメインおよび異なる共刺激細胞内ドメインの組み合わせが発現することからDuoセット技術の実現可能性が立証され(実施例1)、かつ、当該集団が3つの異なる白血病抗原に対する機能活性を有することからその有効性が立証される(実施例2)。同時トランスフェクション、すなわち両DuoCAR鎖をコードする1つのLV産物(CARをコードする2つのプラスミドでパッケージング株を同時トランスフェクションすることにより作製)での形質導入により作製したDuoCARの発現および機能の比較が、実施例3中に記載される。実施例4において、同時トランスフェクション法で作製したLVで形質導入したDuoCARと、1つのコンストラクトによりコードされるバイシストロニックDuoCAR(2つのDuoCAR鎖の間にリボソームスキップ部位が入っている)とが、形質導入効率および機能について比較される。
【0279】
単一特異性CAR(本技術の基盤をなすものであり、かつ、DuoCARにおいてDuoセット要素として含まれ得る)の例は、単独CD20標的化ベクターLTG1495(ヌクレオチド配列は配列番号3、アミノ酸配列は配列番号4)を含む。第2の例は、CD22に対して特異的な単一特異性CAR LTG2200(ヌクレオチド配列は配列番号9、アミノ酸配列は配列番号10)である。DuoCAR作製において重要な分子の態様として、重複のない適合配列を含めることと、不適当な組換えまたは細胞内結合が生じることのないように形質導入T細胞中の当該配列を評価することとがある。こうしたことは、ベクターの産生細胞株と標的細胞集団との両方において生じ得る。この理由から、DuoCARという場に適合することが知られているバリアントCAR構造を含めている。これらには、CD19特異的CAR LTG1494(ヌクレオチド配列は配列番号29、アミノ酸配列は配列番号30)が含まれる。この配列は、scFvの重鎖および軽鎖を結合することが明らかに記載されている、Whitlowリンカー(アミノ酸配列GSTSGSGKPGSGEGSTKG(配列番号107)、Whitlow M., et al., 1993, Protein Eng. 6:989-995を参照)と称されるリンカーを含む。いくつかの場合には、Whitlowリンカーを(GGGGS)nリンカーで置換した(たとえば、LTG1538(ヌクレオチド配列は配列番号31、アミノ酸配列は配列番号32)におけるCD19 CAR様式)。別の例においては、他の膜貫通ドメインを有するCARを作製した。抗CD19 CAR LTG1562(ヌクレオチド配列は配列番号21、アミノ酸配列は配列番号22)は、CD4(CD8ではない)膜貫通ドメインを利用する。同様に、抗CD19 CAR LTG1563は、TNFRSF19に由来する他の膜貫通型(ヌクレオチド配列は配列番号49、アミノ酸配列は配列番号50)を有する。また、DuoCARは、固形腫瘍(たとえばメソテリン腫瘍抗原を発現するもの)も標的とし得る。たとえば、メソテリンに対するscFVバインダーが作製されており(同出願人による同時係属中の仮特許出願第62/444,201号(発明の名称「抗メソセリン免疫療法によりがんを処置するための組成物および方法」、2017年1月9日付で出願、Lentigen Technology社の事件番号第LEN_017号)中に開示される;ヌクレオチド配列は配列番号37、アミノ酸配列は配列番号38)、これを、機能性CAR(ヌクレオチド配列は配列番号39、アミノ酸配列は配列番号40)に組み込むことができ、よってDuoCAR療法に組み込むことができる。scFv配列に加えて、一本鎖抗原バインダー(scFvではなく)も、DuoCAR用途に組み込むことができる。たとえば、CD33特異的重鎖単独バインダー(同出願人による同時係属中の仮特許出願第62/476,438号(発明の名称「抗CD33免疫療法によりがんを処置するための組成物および方法」、2017年3月24日付で出願、Lentigen Technology社の事件番号第LEN_018号)中に開示される;ヌクレオチド配列は配列番号41、アミノ酸配列は配列番号42)を、機能性CAR LTG1906(ヌクレオチド配列は配列番号43、アミノ酸配列は配列番号44)に組み込んで、CD33発現悪性病変を標的とすることができる。DuoCAR治療用途の一例として、CD19、CD20、およびTSLPR抗原を発現する白血病の処置が考えられる。この場合、LTG1496またはLTG 1497(それぞれ配列番号35、26)を、TSLPR特異的scFVドメイン(ヌクレオチド配列は配列番号45、アミノ酸配列は配列番号46)から作製されたTSLPR特異的CAR(LTG1789)(配列番号47、およびアミノ酸配列は配列番号48)と組み合わせることができた。
【0280】
本技術の基盤をなすタンデムCAR(2つのscFvドメインを含む、ヌクレオチド配列は配列番号23、アミノ酸配列は配列番号24)の例には、CD20_CD19 CAR LTG1497(ヌクレオチド配列は配列番号25、アミノ酸配列は配列番号26)が含まれる。いくつかの場合において、これら2つのバインダーの順を逆にすることにより、標的細胞におけるDuoCARの発現がより良好になり得る。よって、CD19 scFvが膜から比較的近いLTG1497(ヌクレオチド配列は配列番号25、アミノ酸配列は配列番号26)と、CD19 scFVが比較的遠いLTG1496(ヌクレオチド配列は配列番号33、アミノ酸配列は配列番号34)とを、いずれも、DuoCARを含むDuoセットの一構成要素として使用できる。
【0281】
実施例1および2において利用される方法:
細胞株(PBMCおよび標的)
すべての細胞株および試薬は、特記しない限り、American Tissue Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から購入したものである。Burkittリンパ腫細胞株Raji、急性リンパ球性白血病細胞株REH、および慢性骨髄性白血病細胞株K562を、10%熱失活ウシ胎児血清(FBS、Hyclone、Logan、UT)および2mM L-Glutamax(Thermo Fisher Scientific、Grand Island、NY)を添加したRPMI-1640培地中で培養した。ヒト胚性腎細胞株293Tを、10%熱失活FBSを添加したダルベッコ改変イーグル培地中で増殖させた。
【0282】
ホタルルシフェラーゼをコードするレンチウイルスベクター(Lentigen Technology社、Gaithersburg、MD)で野生型腫瘍株を安定的に形質導入し、続いてルシフェラーゼ陽性クローンをクローニングおよび選択することによって、ルシフェラーゼ発現細胞株の単一細胞クローンを作製した。ホタルルシフェラーゼを安定して発現するRajiクローンをNSGマウス(NOD.Cg-Prkdscid Il2rgtm1Wjl/SzJ、The Jackson Laboratory Sacramento、CA)に移植することによってマウス適合Raji-luc株を作製し、正の選択(CD19マイクロビーズ、ヒト、Miltenyi Biotec、Bergisch Gladbach、ドイツ)または負の選択(マウス細胞除去キット(mouse cell depletion kit)、Miltenyi Biotec)のいずれかによってマウス脾臓から移植Raji-luc腫瘍細胞を単離し、培養により増殖させ、再度クローニングを行なうことにより、ホタルルシフェラーゼ高発現クローンの選択を促進した。Oklahoma Blood Institute(OBI、Oklahoma City、OK)において、健康な志願者から、当該ドナーの同意を書面で得て、全血を採取した。処理済バフィーコートをOBIから購入した。バフィーコートから、CD4マイクロビーズおよびCD8マイクロビーズ(Miltenyi Biotec)の1:1混合物を使用した正の選択によって、製造元のプロトコールのとおりに、CD4陽性およびCD8陽性のヒトT細胞を精製した。
【0283】
DuoCARを含むキメラ抗原受容体(CAR)発現ベクターの作製
CAR抗原結合ドメインscFvの配列は、CD19についてはマウスハイブリドーマFMC-63(FMC-63:AA 1-267、GenBank ID:HM852952.1)、CD20についてはLeu-16に由来するものであった[1](VLおよびVHの配列全体)。CD22 scFv結合は、一般に利用可能な配列から作製した。タンデム型のCAR19_20またはCAR20_19は、各抗体のscFvを、インフレームで、CD8ヒンジ・膜貫通ドメイン(AA 123-191、参照配列番号NP_001759.3)、4-1BB(CD137、AA 214-255、UniProt配列番号Q07011)トランス活性化ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメイン(CD247、AA 52-163、参照配列番号NP_000725.1.)に結合することによって作製した。19Aおよび20AのscFv領域を可動性鎖間リンカー(GGGGS)5(配列番号108)によって順に結合し、続いてCD8、4-1BB、およびCD3ゼータドメインを結合した。[2]中に記載されるとおりに、ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体アルファサブユニットからのリーダー配列をすべてのコンストラクトに含めた。CARコンストラクトの配列は、コドン最適化して(DNA2.0、Newark、CA)、ヒトEF-1αプロモーターの制御下において、第3世代レンチウイルスプラスミドバックボーン中にクローニングした(Lentigen Technology社、Gaithersburg、MD)。以前に[3]に記載されるとおりに、HEK 293T細胞を一過性トランスフェクションすることによって、レンチウイルスベクター(LV)を含有する上清を得た。ペレット状のレンチウイルスの上清を回収して、-80℃において保存した。
【0284】
初代T細胞形質導入:
正常ドナーからの選択したCD4+およびCD8+ヒト初代T細胞を、40IU/mlのIL-2を添加したTexMACS培地(無血清)中において、細胞密度0.3~2×106個/mlにて培養し、CD3/CD28 MACS(登録商標)GMP TransAct試薬(Miltenyi Biotec)を用いて活性化して、3日目に、CARコンストラクトをコードするレンチウイルスベクターを用いて、10μg/mlプロタミン硫酸塩(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)の存在下において一晩かけて形質導入し、4日目に培地を交換した。5日目に、培養物を、200IU/mlのIL-2を添加したTexMACS培地に移して増殖させ、10~13日目に回収した。
【0285】
免疫性エフェクターアッセイ:細胞介在性の細胞毒性を調べるために(CTLアッセイ)、ホタルルシフェラーゼを安定的に形質導入した標的細胞5,000個を、多様なエフェクター標的比にてCAR T細胞と一緒にして、一晩インキュベートした。SteadyGlo試薬(Promega、Madison WI)を各ウェルに添加し、得られた発光を、EnSpireプレートリーダー(Perkin Elmer、Shelton、Connecticut)で分析し、1秒あたりのカウントとして記録した(試料CPS)。標的のみのウェル(最大CPS)と、標的のみのウェルに1% Tween-20を添加したもの(最小CPS)とを使用して、アッセイ範囲を決定した。特異的溶解の割合を、(1-(試料CPS-最小CPS)/(最大CPS-最小CPS))として計算した。
【0286】
フローサイトメトリー分析:フローサイトメトリーに用いたすべての細胞染色試薬は、特記しない限り、Miltenyi Biotecから入手した。CAR Tを形質導入した細胞100万個を培養物から回収して、冷やした染色バッファー(0.5%ウシ血清アルブミン添加AutoMACS溶液)中において2回洗浄し、4℃において350×gで5分間かけてペレット状にした。まず、形質導入したT細胞のCAR表面発現を、タンパク質L-ビオチンコンジュゲート(保存液1mg/ml、1:1000希釈、GenScript、Piscataway、NJ)で4℃において30分間染色することによって検出し、続いて2回洗浄し、ストレプトアビジン-PEコンジュゲート(保存液:1.0ml、1:200希釈、Jackson ImmunoResearch Laboratories、West Grove、PA)を用いて4℃において30分間染色した。形質導入していない細胞および形質導入した細胞(ストレプトアビジン-PEのみで染色)を、ネガティブコントロールとして使用した。抗CD4抗体を、CAR T陽性集団のCD4とCD8との比率を決定するために使用し、第2のインキュベーション工程において添加した。死細胞を、7AAD染色(BD Biosciences、San Jose、CA)によって除去した。細胞を2回洗浄して、200μlの染色バッファー中に再懸濁した後、フローサイトメトリーによって定量分析を行なった。CD3-CD28ナノマトリックス(TransAct、Miltenyi Biotec)で活性化し、IL-2の存在下においてDuoセットベクターで形質導入したヒトT細胞に対して、特異的DuoセットCAR T染色を行ない、フローサイトメトリーにより、染色のために組換えCD19、CD20、またはCD22を使用して、抗体のCD19-、CD20-、またはCD22-scFvドメインの発現を分析した。
【0287】
抗CD19 scFv活性を、CD19-Fc(R&D Biosystems)を1μg/試料で使用して検出し、ヤギ抗ヒトFc-ガンマ-R-PE(Jackson ImmuoResearch Laboratories社)を0.75μg/試料で使用して染色した。抗CD20 scFv活性を、CD20-ビオチン(Miltenyi Biotech)を0.1μg/試料で使用して検出し、ストレプトアビジンpAPC(Miltenyi Biotec)を0.2μg/試料で使用して検出した。抗CD22 scFc活性を、D22-His(Thermo Fisher)を0.1μg/試料で使用して検出し、抗His FITC(Miltenyi Biotec)を使用して検出した。フローサイトメトリー分析を、MACSQuant(登録商標)10 Analyzer(Miltenyi Biotec)を用いて行なった。標的腫瘍株およびルシフェラーゼ陽性サブクローンの特徴づけを、CD19-FITC、CD20 VioBlue、およびCD22-APC抗体を用いて行なった。7AAD染色(BD Biosciences、San Jose、CA)によって死細胞を分析から除去した。
【0288】
実施例1
初代ヒトT細胞におけるDuoCAR(2+1 Duoセット)の発現
原理の証明として、2つのCAR-Tベクターを含むDuoセットを作製した。このセットの構成要素の1つは、CD8膜貫通ドメインならびにCD28およびCD3-ゼータシグナル伝達ドメインに結合したタンデムCD20_CD19結合ドメイン(LTG2228)(配列番号51および配列番号52)を発現した。当該Duoセットの2つめの構成要素は、1つのCD22バインダーがCD8膜貫通ドメインならびに4-1BBおよびCD3-ゼータシグナル伝達ドメインに結合したCARコンストラクト(LTG2200)(配列番号9および配列番号10)であった。
図7中、対になった列について、左列はCD20 scFvおよびCD19 scFvの、右列はCD22 scFvおよびCD19 scFvの二重染色を示す。1段目は形質導入していないT細胞(UTD)を示し、かくして、結合がないことを示す。2段目は、CD8膜貫通ドメインならびに細胞内CD28およびCD3-ゼータシグナル伝達ドメインを有するCD20_CD19 CARベクター(20-19-28z)をコードするLVで形質導入したT細胞を示す。CD20およびCD19の結合についての二重染色がみられるが(左パネル)、右パネルではCD19の結合のみがみられる。3段目は、CD8膜貫通ドメインならびに細胞内4-1BBおよびCD3-ゼータシグナル伝達ドメインを有するCD22 CARベクター(22-BBz)で形質導入したT細胞を示す。CD19またはCD20についての二重染色がみられず(左パネル)、1つの細胞集団のみがCD22と結合できたことがわかる(右パネル)。4段目では、2段目および3段目の両ベクターを含むDuoセットでT細胞を形質導入している。このDuoセットのみが全3つのCARコード結合ドメインを発現している(42%の細胞がCD20_19を発現し(左パネル)、38%がCD22およびCD19結合ドメインを発現している(右パネル))。CD22およびCD19 scFvは、Duoセットを含む2つの別個の膜貫通型タンパク質の各々にあるため、38%は、この実施例において真にDuoセットを発現している集団を表している。
【0289】
実施例2
同時形質導入法で作製したDuoCARを発現するヒトT細胞調製物の抗白血病活性
DuoCARを発現するヒトT細胞調製物の抗白血病活性(3つの白血病抗原を同時に標的とする)(DuoCAR発現の特徴については
図7を参照)。CD20_19タンデムCARおよびCD22特異的単独CAR(実施例1と同様に調製)を含むDuoセットを、細胞毒性T細胞アッセイ(標的として白血病細胞株およびモデル細胞株を使用)において、エフェクターT細胞集団に使用した。単独CAR要素(20_19-28zまたは22-BBz)またはDuoCAR(20_19-28z + 22-BBz)で形質導入したヒトT細胞を、細胞毒性T細胞アッセイにおいて、4つの異なるエフェクター標的比(示されるとおり、20:1、10:1、5:1、2.5:1)にて使用した(
図8を参照)。CAR-T標的として使用した白血病細胞株は以下である:Raji(全3つの標的抗原を発現)、REH(全3つの標的抗原を発現)、K562(コントロール、標的を発現しない)、K562-CD19(CD19を発現)、K562-CD20(CD20を発現)、およびK562-CD22(CD22を発現)。DuoCAR形質導入細胞(20-19-28z + 22-BBz)のみが、両白血病細胞株(RajiおよびREH)と、3つの単独発現K562標的細胞株(K562-CD19、K562-CD20、K562-CD22)のすべてとに対して、高い細胞溶解活性を呈した。このことは、同じエフェクターT細胞集団においてDuoCAR技術が3つの白血病抗原を一義的かつ同時に標的化できることを示すものであり、したがって、1つまたは2つを超える標的抗原を一度に標的化できるのでエスケープ変異体(悪性病変を引き起こす)(1つまたは2つの抗原が喪失または下方調節されているために免疫除去を逃れた細胞クローン)の発生を抑制できるため、優れた抗新生物活性を有している、ということを示す。最終的には、抗原欠失バリアントがエスケープおよび増殖(最終的には再発)するために、患者の治癒率が上がると考えられる。
【0290】
実施例3
同時トランスフェクション法で作製したDuoCARを発現するヒトT細胞調製物の抗白血病活性
本願中に記載されるDuoCAR技術は、遺伝子ベクターによりコードされる1つを超える膜貫通型タンパク質から2つを超える抗原特異性を発現する治療用リンパ球(この実施例ではヒトT細胞)の集団を発生させる。この実施例では、2つの異なる手段によって行なう。
図9は、「形質導入なし」、「同時形質導入」、および「同時トランスフェクション」と示される3段のデータを含む。
図9は、
図7で作製された2列のデータを含み、1列目は、CD20およびCD19に特異的な特異的結合の発現をフローサイトメトリーで分析したものであり、2列目は、CD22およびCD19結合活性の発現をフローサイトメトリーで分析したものである。1段目のデータには、形質導入していないヒトT細胞が示される。CAR由来の結合活性の指標であるCD19、CD20、またはCD22組換えタンパク質について結合活性が見られず、DuoCARが発現していないことが示される。2段目では、「同時形質導入」を用いてDuoCARを作製した。このデータセットにおいては、2つのLVを使用して、活性化されたT細胞を同時に形質導入した。
図7中に示されるように、DuoCARを含むDuoセットにおける一方のCARは、CD28シグナル伝達モチーフおよびCD3-ゼータシグナル伝達モチーフに結合したタンデム型のCD20およびCD19バインダーであり、もう一方のCARは、4-1BBおよびCD3-ゼータシグナル伝達モチーフに結合したCD22バインダーであった。1列目の右上象限は、CD20およびCD19-scFv活性が単一染色された非常に特有のパターンを示す。これは、両バインダーが同じ表面糖タンパク質上にあり、そのために等しい強度で共発現していることによるもので、このように非常に特殊な線状パターンを生じている。同時形質導入データの2列目は、各細胞上での2つの糖タンパク質の発現パターンが等しくなく、比較的慣習的なパターンを示す。このように、4つの異なる集団のパターンがみられる。左下象限は、いずれのバインダーも発現していない細胞を示す。左上は、CD22 CARのみを発現している細胞を示す。右下象限は、CD20_CD19タンデムCARのみを発現している細胞を示す。最後に、右上象限は、DuoCARを含むCAR Duoセットの両構成要素を発現している細胞を示す。
【0291】
一番下の段では、DuoCARを発現している細胞集団を、別の手法で発生させている。同時形質導入法では、独立して作製した2つのLV調製物をT細胞形質導入に用いるが、「同時トランスフェクション」は、2つのバックボーンプラスミド(DuoCARを含む2つのCARをコードする)を293Tパッケージング細胞株中に同時にトランスフェクションしてLVを作製する方法を指す。この第3世代LVシステムを含むヘルパープラスミドは、両方法において同じものである。同時トランスフェクション法の利点は、両CARをコードするベクターを含有する1つのLV調製物が作製されるという点である。データからわかるように、同時トランスフェクション法を用いた場合、2段目の同時形質導入法とほぼ同じCD20-CD19 CARおよびCD22 CARの発現パターンがみられる。2列目のデータの右上象限の、同時トランスフェクションで作製したLVにより誘発された両糖タンパク質の染色パターンから(CD22-CARについてはCD22、CD20_19 CARについてはCD19共染色)、いずれの方法でもDuoCARが効率よく作製されることが示される。
【0292】
参照文献:
1)Wu, A.M., et al., Multimerization of a chimeric anti-CD20 single-chain Fv-Fc fusion protein is mediated through variable domain exchange. Protein engineering, 2001. 14(12): p. 1025-1033.
2)Haso, W., et al., Anti-CD22-chimeric antigen receptors targeting B-cell precursor acute lymphoblastic leukemia. Blood, 2013. 121(7): p. 1165-1174.
3)Kuroda, H., et al., Simplified lentivirus vector production in protein-free media using polyethylenimine-mediated transfection. Journal of virological methods, 2009. 157(2): p. 113-121.
実施例4
同時トランスフェクション法により作製したDuoCARとバイシストロニックDuo CARコンストラクトとの比較
実施例4において用いた方法:
細胞株(PBMCおよび標的):すべての細胞株および試薬は、特記しない限り、American Tissue Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から購入した。Burkittリンパ腫細胞株Raji、急性リンパ球性白血病細胞株REH、および慢性骨髄性白血病細胞株K562を、10%熱失活ウシ胎児血清(FBS、Hyclone、Logan、UT)および2mM L-Glutamax(Thermo Fisher Scientific、Grand Island、NY)を添加したRPMI-1640培地中で培養した。ヒト胚性腎細胞株293Tを、10%熱失活FBSを添加したダルベッコ改変イーグル培地中で増殖させた。
【0293】
ホタルルシフェラーゼをコードするレンチウイルスベクター(Lentigen Technology社、Gaithersburg、MD)で野生型腫瘍株を安定的に形質導入し、続いてルシフェラーゼ陽性クローンをクローニングおよび選択することによって、ルシフェラーゼ発現細胞株の単一細胞クローンを作製した。ホタルルシフェラーゼを安定して発現するRajiクローンをNSGマウス(NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ、The Jackson Laboratory Sacramento、CA)に移植することによってマウス適合Raji-luc株を作製し、正の選択(CD19マイクロビーズ、ヒト、Miltenyi Biotec、Bergisch Gladbach、ドイツ)または負の選択(マウス細胞除去キット(mouse cell depletion kit)、Miltenyi Biotec)のいずれかによってマウス脾臓から移植Raji-luc腫瘍細胞を単離し、培養により増殖させ、再度クローニングを行なうことにより、ホタルルシフェラーゼ高発現クローンの選択を促進した。Oklahoma Blood Institute(OBI、Oklahoma City、OK)において、健康な志願者から、当該ドナーの同意を書面で得て、全血を採取した。処理済バフィーコートをOBIから購入した。バフィーコートから、CD4マイクロビーズおよびCD8マイクロビーズ(Miltenyi Biotec)の1:1混合物を使用した正の選択によって、製造元のプロトコールのとおりに、CD4陽性およびCD8陽性のヒトT細胞を精製した。
【0294】
DuoCARを含むキメラ抗原受容体(CAR)発現ベクターの作製:
CAR抗原結合ドメインscFvの配列は、CD19についてはマウスハイブリドーマFMC-63(FMC-63:AA 1-267、GenBank ID:HM852952.1)、CD20についてはLeu-16に由来するものであった[1](VLおよびVHの配列全体)。いくつかの抗CD22 scFv結合配列を使用した。タンデム型のCAR19_20またはCAR20_19は、各抗体のscFvを、インフレームで、CD8ヒンジ・膜貫通ドメイン(AA 123-191、参照配列番号NP_001759.3)、4-1BB(CD137、AA 214-255、UniProt配列番号Q07011)トランス活性化ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメイン(CD247、AA 52-163、参照配列番号NP_000725.1.)に結合することによって作製した。19Aおよび20AのscFv領域を可動性鎖間リンカー(GGGGS)5(配列番号108)によって順に結合し、続いてCD8、4-1BB、およびCD3ゼータドメインを結合した。[2]中に記載されるとおりに、ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体アルファサブユニットからのリーダー配列をすべてのコンストラクトに含めた。バイシストロニックなCARの設計においては、2つのCAR鎖が同じ発現カセット内にコードされており、リボソームのスキップ要素2Aで隔てられている。CARコンストラクトの配列は、コドン最適化して(DNA2.0、Newark、CA)、MSCVプロモーターのヒトEF-1αの制御下において、第3世代レンチウイルスプラスミドバックボーン(Lentigen Technology社、Gaithersburg、MD)中にクローニングした。以前に[3]に記載されるとおりに、HEK 293T細胞を一過性トランスフェクションすることによって、レンチウイルスベクター(LV)を含有する上清を得た。同時トランスフェクション実験のために、トランスフェクション工程において、各DuoCAR鎖をコードする2つのトランスファープラスミドを等量ずつ合わせて、ヘルパープラスミドと共に、HEK 293Tパッケージング細胞株に与え、得られたウイルスベクター調製物を初代ヒトT細胞の形質導入に使用した。ペレット状にしたレンチウイルスの上清を回収して、-80℃において保存した。
【0295】
初代T細胞形質導入:正常ドナーからの選択したCD4+およびCD8+ヒト初代T細胞を、40IU/mlのIL-2を添加したTexMACS培地(無血清)中において、細胞密度0.3~2×106個/mlにて培養し、CD3/CD28 MACS(登録商標)GMP TransAct試薬(Miltenyi Biotec)を用いて活性化して、3日目に、CARコンストラクトをコードするレンチウイルスベクターを用いて、10μg/mlプロタミン硫酸塩(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)の存在下において一晩かけて形質導入し、4日目に培地を交換した。5日目に、培養物を、200IU/mlのIL-2を添加したTexMACS培地に移して増殖させ、10~13日目に回収した。
【0296】
免疫性エフェクターアッセイ:細胞介在性の細胞毒性を調べるために(CTLアッセイ)、ホタルルシフェラーゼを安定的に形質導入した標的細胞5,000個を、多様なエフェクター標的比にてCAR T細胞と一緒にして、一晩インキュベートした。SteadyGlo試薬(Promega、Madison WI)を各ウェルに添加し、得られた発光を、EnSpireプレートリーダー(Perkin Elmer、Shelton、Connecticut)で分析し、1秒あたりのカウントとして記録した(試料CPS)。標的のみのウェル(最大CPS)と、標的のみのウェルに1% Tween-20を添加したもの(最小CPS)とを使用して、アッセイ範囲を決定した。特異的溶解の割合を、(1-(試料CPS-最小CPS)/(最大CPS-最小CPS))として計算した。
【0297】
フローサイトメトリー分析:フローサイトメトリーに用いたすべての細胞染色試薬は、特記しない限り、Miltenyi Biotecから入手した。CAR Tを形質導入した細胞100万個を培養物から回収して、冷やした染色バッファー(0.5%ウシ血清アルブミン添加AutoMACS溶液)中において2回洗浄し、4℃において350×gで5分間かけてペレット状にした。まず、形質導入したT細胞のCAR表面発現を、タンパク質L-ビオチンコンジュゲート(保存液1mg/ml、1:1000希釈、GenScript、Piscataway、NJ)で4℃において30分間染色することによって検出し、続いて2回洗浄し、ストレプトアビジン-PEコンジュゲート(保存液:1.0ml、1:200希釈、Jackson ImmunoResearch Laboratories、West Grove、PA)を用いて4℃において30分間染色した。形質導入していない細胞および形質導入した細胞(ストレプトアビジン-PEのみで染色)を、ネガティブコントロールとして使用した。抗CD4抗体を、CAR T陽性集団のCD4とCD8との比率を決定するために使用し、第2のインキュベーション工程において添加した。死細胞を、7AAD染色(BD Biosciences、San Jose、CA)によって除去した。細胞を2回洗浄して、200μlの染色バッファー中に再懸濁した後、フローサイトメトリーによって定量分析を行なった。CD3-CD28ナノマトリックス(TransAct、Miltenyi Biotec)で活性化し、IL-2の存在下においてDuoセットベクターで形質導入したヒトT細胞に対して、特異的DuoセットCAR T染色を行ない、フローサイトメトリーにより、染色のために組換えCD19、CD20、またはCD22を使用して、抗体のCD19-、CD20-、またはCD22-scFvドメインの発現を分析した。
【0298】
抗CD19 scFv活性を、CD19-Fc(R&D Biosystems)を1μg/試料で使用して検出し、ヤギ抗ヒトFc-ガンマ-R-PE(Jackson ImmuoResearch Laboratories社)を0.75μg/試料で使用して染色した。抗CD20 scFv活性を、CD20-ビオチン(Miltenyi Biotech)を0.1μg/試料で使用して検出し、ストレプトアビジンAPC(Miltenyi Biotec)を0.2μg/試料で使用して検出した。抗CD22 scFv活性を、D22-His(Thermo Fisher)を0.1μg/試料で使用して検出し、抗His FITC(Miltenyi Biotec)を使用して検出した。フローサイトメトリー分析を、MACSQuant(登録商標)10 Analyzer(Miltenyi Biotec)を用いて行なった。標的腫瘍株およびルシフェラーゼ陽性サブクローンの特徴づけを、CD19-FITC、CD20 VioBlue、およびCD22-APC抗体を用いて行なった。7AAD染色(BD Biosciences、San Jose、CA)によって死細胞を分析から除去した。
【0299】
2Aリボソームスキップ配列を使用するバイシストロニックDuoCARの作製
上述される実施例2および実施例3中に記載される同時形質導入および同時トランスフェクションというアプローチ(3つの血液腫瘍抗原CD19、CD20、CD22を同時に標的とし異なる共刺激ドメインを有するDuoCAR)に加えて、自己切断要素2Aを用いることにより、1つのmRNA転写物からの2つのCAR鎖の同時発現を促進できる。2A要素は、mRNA転写物がタンパク質に翻訳される際のリボソームのスキップに介在し、よって、2つの別個のCARタンパク質鎖を等モル比で作製することを可能とする。この実施例において、1つめのCAR鎖は、CD22 scFvがインフレームでCD8ヒンジ・膜貫通ドメイン、4-1BB共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインに結合したものからなる。第2のCAR鎖は、タンデムCD20 CD19 scFvに基づく標的化ドメインと、これに続くCD8ヒンジ・膜貫通ドメイン、CD28共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインからなる。これら2つの設計はCAR鎖の順が異なっており、一方の設計では先にCD22 CARがきて、続いて2A要素およびタンデム2019 CARがきており、もう一方はその逆である。(
図10)。
【0300】
まず、EF1aプロモーターの制御下においてCD19、CD20、およびCD22抗原を同時に標的とする4つのバイシストロニックDuoCAR設計のセットを、上述されるとおりに構築した(セット1、下記表1)。
【0301】
【0302】
DuoCAR様式においてCD22標的化CAR部位の最適な発現を促進するために、CD22標的化CAR鎖に、CD22反応性scFv配列16P8または16P17の1つを組み込んだ。CD22 scFv m971を比較相手として使用し、形質導入していない細胞(UTD)をCARネガティブコントロールとした。CD20-CD19標的化CAR鎖とCD22標的化CAR鎖との共発現が、上述されるように2Aリボソームスキップ配列によって促進された。個々にコードされるCAR鎖を発現コントロールとして含めた。健康なドナーからのヒト初代T細胞を、各DuoCARまたは単独CARコントロールをコードするレンチウイルスベクターで形質導入した。T細胞培養増殖が完了した際に、フローサイトメトリーによってCAR発現を調べた。DuoCAR群におけるCAR20
+CAR22
+二重陽性細胞(同一細胞内におけるタンデムCD20-CD19 CAR鎖とCD22-CAR鎖との共発現を表す)(LTG2515、LTG2520、LTG2521)の割合は比較的低く、28%(LTG2515、LTG2520)~9%(LTG2521)の範囲であった(
図11)。これとは対照的に、個々のCARコントロールの発現はこれよりも大幅に高く、CD22標的化コンストラクト(LTG2200)で最高72%、タンデムCD20-CD19標的化CAR(LTG2228)で最高38%であった(
図11)。次いで、DuoCARの機能性をサイトカイン放出アッセイで試験した。コントロールのDuoCARエフェクター細胞とRaji標的細胞とをエフェクター標的比(E:T)10で一緒にして一晩おいた。インキュベーション期間の終わりに、細胞培養上清を回収して、T細胞サイトカインIFNガンマ、TNFアルファ、およびIL-2の分泌についてアッセイした(
図12)。腫瘍標的細胞を存在させないこと以外は同様の条件下でインキュベートしたエフェクターを、自発性サイトカイン放出についてのさらなるコントロールとして使用した。Raji腫瘍細胞とCARエフェクターとを共にインキュベートすると、すべてのコンストラクトについてIFNガンマ、IL-2、およびTNFaが強く上方調節された。注目すべきことに、いずれのCARについても自発的なサイトカイン産生は生じなかった。しかしながら、サイトカイン分泌の程度は、すべてのDuo CARコンストラクトについて、ポジティブコントロールCAR22 LTG2200およびタンデム2019 CAR LTG2228よりも低い傾向にあり、これは
図11中に示すようにDuoCARの発現が比較的低いためであると考えられる。
【0303】
単独CARコントロールと比較してDuoCAR発現およびサイトカイン反応が低いことから(
図11、
図12)、大きなペイロードサイズがこの構成においてはDuoCAR発現効率に好ましくない影響を及ぼしていることが示唆される。DuoCAR形質導入効率を改善する目的で、選択したDuoCAR配列について必要に応じて再度コドン最適化を行ない、バイシストロニックな発現を改善するためにMSCV内部プロモーターの制御下において新しい発現バックボーン中に発現カセットを再クローニングした(セット2、表1)。
【0304】
新しいDuo CARコンストラクトのそれぞれについてレンチウイルスベクターを作製し、CAR T細胞に形質導入して増殖させた(材料および方法中に記載されるとおり)。フローサイトメトリーによって、DuoCARの発現を調べた。CD19+CD22+ T細胞の割合は、DuoCARの2つの鎖を共発現している細胞を表す(
図13)。ここで、Duo CARコンストラクトD0044(MSCV_20-19-28z-2A-16p8-BBz)およびD0047(MSCV_16p8-BBz-2A-20-19-28z)について高い形質導入効率が達成された(いずれも抗CD22 scFv 16P8(
図13、それぞれ51%および45%)を含有)。予期しないことには、比較相手であるm971 CD22 scFvを遠い方の向きで含有するDuoCAR D0043は良好に発現したが(MSCV_20-19-28z-2A-m971-BBz、46%陽性)、逆の向きでは発現を示さなかった(D0046、MSCV_m971-BBz-2A-20-19-28z)。したがって、DuoCAR設計に含まれるscFv配列の選択と、配列コドン最適化と、発現バックボーンの選択とのすべてが、最適なDuoCAR発現にとって重要である。
【0305】
DuoCARセット2を形質導入したT細胞の細胞毒性機能を、パネル腫瘍株に対してオーバーナイト死滅アッセイで、腫瘍抗原CD19、CD20、およびCD22の発現を変化させてアッセイした。すべての株を、ホタルルシフェラーゼを発現するように安定的に形質導入して、死滅アッセイを行なった(材料および方法中に記載されるとおり)。まず、CD19+CD20+CD22+のDuoCARと、非ホジキンリンパ腫Raji、または急性リンパ芽球性白血病Reh細胞、またはCD19-CD20-CD22-ヒト胚性腎293T細胞株とを組み合わせた(
図15)。CAR 20-19-28zおよびCD22 CAR 16p8-BBz CARをバイシストロニックにコードするDuoCAR D0044およびD0047と、単独CAR 22コントロールLTG2200と、タンデムCARコントロール20-19 LTG1497と、形質導入していないT細胞コントロール(UTD)とが含まれていた(
図14)。図面の凡例において、コンストラクトD0043、D0044、D0046、およびD0047は、略してそれぞれD43、D44、D46、およびD47と示されている(
図14)。エフェクターおよび標的細胞を比率2.5、5、または10で各3つずつ一晩インキュベートし、次いでプレートから回収してSteadyGlo試薬を用いて行ない、発光測定(luminometry)によって生存腫瘍細胞のルシフェラーゼ活性を調べた。全般的に、CAR細胞溶解機能とDuoCAR発現とは相関していた(
図13)。DuoCAR D0047およびD0044は、ポジティブコントロールDuoCAR D0043と同様に、CD19、CD20、およびCD22三重陽性腫瘍株RajiおよびRehを非常によく溶解したのに対し、準最適に発現させたコンストラクトD0046は溶解機能が比較的低かった(
図14)。いずれのCARコンストラクトによっても、CD19-CD20-CD22三重陰性株は溶解されず、CAR介在性溶解が同族の抗原に対して特異的であることが強調された。
【0306】
Duo CARコンストラクトの特異性をさらに詳細に示すために、抗原CD19、CD20、またはCD22のいずれかを発現している遺伝子組換えK562株を発生させた(それぞれK19、K20、K22と呼ぶ)(
図15)。一重陽性腫瘍株と共にインキュベートしてアッセイしたところ、DuoCAR D44およびD47(CD19、CD20、およびCD22を標的とするCAR鎖を有する)がエフェクター標的比依存的に各標的株を強力に溶解し、その機能は比較相手DuoCAR D0043に類似していた(図面の凡例におけるコンストラクトの名称はD0043、D0044、D0046、D0047をD43、D44、D46、およびD47にそれぞれ短縮したもの、
図15)。タンデム2019 CAR(1497)を発現しているコントロールT細胞は腫瘍株K19およびK20を溶解したが、K22に対する溶解作用はバックグラウンド程度で非常に弱かった(最高のE:T比10で溶解は10%未満)。単独CD22コントロールCARはK22腫瘍細胞を強力に溶解したが、K20細胞に対しては機能を有さず、K19細胞に対してはバックグラウンド程度の溶解しか示さなかった(最高のE:T 10:1で溶解は10%)。したがって、この実験系により、各腫瘍抗原に対するCAR反応性を高精度で試験できる。要するに、DuoCAR D0044およびD0047の両方について、当該単独抗原発現試験系におけるこれらの腫瘍標的化ドメインの各々の機能性が示された(
図15)。
【0307】
Duo CARコンストラクトのサイトカイン放出反応を特徴づけるために、CD19+ CD20+ CD22+であるDuoCAR T細胞調製物D0044、D0047(図面の凡例ではそれぞれD44、D47)の各々をRaji腫瘍細胞とE:T比10で一緒にして一晩おき、培養上清をELISAで分析してT細胞サイトカインIFNg、TNFa、およびIL-2について調べた(
図16)。単独CAR22コンストラクトLTG2200およびタンデム2019 CARコンストラクトLTG2273を比較のために含め、形質導入していないT細胞(UTD)をネガティブコントロールとして使用した。平行して、各群のCAR T細胞を、腫瘍細胞を存在させない以外は同様の条件下においてインキュベートして、自発性サイトカイン放出について調べた(
図16)。いずれのコンストラクトについてもサイトカインの自発放出は生じなかったが、DuoCAR D44およびD47はいずれも、Raji標的と共にインキュベートした後でIL-2、IFNg、およびTNFaを強く誘発したことがわかり、このことから、これらのDuo CARコンストラクトが効力を有することが強調された。注目すべきことには、同一細胞内において2つの鎖を同時に共発現しているにもかかわらず、緊張性シグナル伝達の証拠は検出されず、このことは、自発性サイトカイン放出が全くみられないことによって確かめられた(
図16)。
【0308】
3つの異なる腫瘍抗原CD19、CD20、CD22を標的とし別個かつ相補的な機能をもつ共刺激ドメインを有する2つのCAR鎖からなるバイシストロニックDuoCARを開発できたが、同様のコンストラクトを他のアプローチを用いて作製できるかどうかという疑問があった。同一ORF内において別個のCAR鎖をバイシストロニックに発現させるためには複数の最適化および精製工程が必要であり、新たな配列セットの1つ1つに対してユニークとする必要があると考えられる。これに対し、レンチウイルスベクターの作製中またはCAR Tの形質導入中に2つのCAR配列を組み合わせれば、同一細胞または同一T細胞集団中で発現できるCARの組み合わせを1つのレンチウイルス調製物でT細胞形質導入を行なって作製できる、より普遍的なアプローチおよび迅速な方法とし得る。この実施例では、DuoCARアプローチと同様に、1つめのCAR鎖は、CD22 scFvがインフレームでCD8ヒンジ・膜貫通ドメイン、4-1BB共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインに結合したものからなる。第2のCAR鎖は、タンデムCD20 CD19 scFvに基づく標的化ドメインと、これに続くCD8ヒンジ・膜貫通ドメイン、CD28共刺激ドメイン、およびCD3ゼータ活性化ドメインからなる(
図17)。同時トランスフェクションアプローチでは、ベクター作製工程において、標準的なプロトコール(材料および方法を参照)に則って、それぞれ1つのCAR鎖をコードする2つのトランスファープラスミドを混合してヘルパープラスミドと結合させる。よって、得られるレンチウイルス調製物は上記2つのCAR鎖の混合物をコードするものとなる。このアプローチを用いて、2つのCAR鎖を同時にコードするレンチウイルス調製物のセットを作製した(下記表2)。
【0309】
【0310】
MSCVプロモーターに制御されるscFv 16P17、16P8、16P13 CAR22-4-1BB-CD3ゼータを利用するCAR22のためのトランスファープラスミド(それぞれD1、D2、D3)と、MSCVに制御されるタンデムCAR 2019-28-CD3ゼータ(LTG2273)とを構築した。平行して、各CAR鎖のみをコードするレンチウイルスベクターを作製した。すべてのDuoCAR同時トランスフェクション調製物について一様に高力価が達成され(1010TU/ml、記載なし)、これは、当該アプローチの効率を強調するものであった。
【0311】
DuoCARの機能を最適化するために、MSCVプロモーターに制御されるscFvs 16P17、16P8、および16P13からなる一連のCAR22コンストラクトを設計し(それぞれコンストラクトD1、D2、D3)、DuoCAR同時トランスフェクションにおいてのコンビネーションとするために、同じくMSCVプロモーターに制御されるタンデムCAR 2019(LTG2273)を使用した(表2および
図18)。LTG2273とCD22 CARプラスミドのうちの1つとの同時トランスフェクションによってレンチウイルスベクターを調製し、高い感染力価を得た(記載なし)。各LVを感染多重度(MOI)20にて使用して健康なドナーのT細胞に形質導入し、フローサイトメトリーによってCAR発現を調べた(
図18)。単独CARコントロールをコードするLVで形質導入したコントロール群のすべてが、高いCAR発現を示した(D1は45%、D2は82%、D3は82%、2273は87%(記載なし))。驚くべきことに、かつ予期しないことには、コンビネーション同時トランスフェクションにおいて、D2+73群およびD3+73群が高い効率を示し、2つのCAR鎖の共発現の場合(51%)とほぼ同じであったが、D1+73の組み合わせは共発現しなかった(2.8% CAR+)(
図18)。これらのDuoCARが溶解機能をもつかどうかを調べるために、各群のCAR T細胞を、腫瘍株パネルに対して試験した(
図19、D1+2273群、D2+2273群、D3+2273群の名称にある「D」は簡略にするために省いている)。すべてのDuoCAR調製物が三重陽性腫瘍株RajiおよびRehを効率よく溶解したが、三重陰性株293Tは溶解せず、このことによりDuoCARの特異性が証明された(
図19A)。加えて、すべてのDuoCARが、単独抗原腫瘍株K19、K20、およびK22に対してバックグラウンドよりも強い溶解機能を示したが、標的化ドメインが適合しない単独コントロールCARは特異的溶解を示さなかった(K19におけるD1~D3、K20におけるD1~D3、K22における2273を参照)(
図19B)。次いで、特定の腫瘍標的と共にインキュベートされるとサイトカインを誘発できるというDuoCARの能力をアッセイした(
図20、D1+2273群、D2+2273群、D3+2273群の名称にある「D」は簡略にするために省いている)。DuoCAR T細胞、単独CARコントロール、および形質導入していないT細胞(UTD)を、三重CD19+CD20+CD22+ Raji腫瘍細胞と一緒にして、一晩インキュベートした。平行して、自発性サイトカイン放出を除外する目的で、同様の条件のもと、腫瘍の非存在下においてCAR T細胞をインキュベートした。インキュベーション期間の終わりに、培養上清をELISAでアッセイしてサイトカインIFNg、TNFa、およびIL-2について調べた(
図20)。すべてのCAR群が、Rajiと共にインキュベートしたことにより、高いIFNgレベルを示した。一方、いくつかの単独CD22 CARコントロールは、中程度の自発性IFNg放出を示し(D2、D3)、DuoCARはいずれも自発的にIFNgを産生しておらず、このことは、DuoCARの安全域がさらに広い可能性があることを示唆している。また、CAR 2272を除くすべてのCAR群において、Rajiと共にインキュベートしたことによりIL-2およびTNFaの発現も大いに誘発された(
図20)。
【0312】
要するに、本明細書には、LVを調製する際に個々のCAR鎖を同時トランスフェクションし、得られるLV調製物をT細胞形質導入に適用することによる、機能性および高度な特異性を有するDuoCARの作製が記載される。また、1つの標的抗原のみを発現する遺伝子組換え細胞株(K19、K20、K22)を使用することによって、本発明者らは、CAR標的化ドメインの各々が機能性を有しており、かつ、標的発現腫瘍細胞に対するDuoCAR機能を誘発できることを示した。驚くべきことに、かつ予期しないことに、強いCAR発現と高効力の細胞毒性機能との両方を示すことのできた組み合わせは2~3通りのみであり、したがって、DuoCAR設計は些末なことではない。
【0313】
配列表
配列番号1は、CD20反応性scFv結合ドメイン(LTG1495)のヌクレオチド配列である:
GAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAA
配列番号2は、CD20反応性scFv結合ドメイン(LTG1495)のアミノ酸配列である:
EVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIK
配列番号3 CAR LTG1495(LP-1495-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列:
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTGATTCCCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号4 CAR LTG1495(LP-1495-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号5は、リーダー/シグナルペプチド配列のヌクレオチド配列である:
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCG
配列番号6は、リーダー/シグナルペプチド配列のアミノ酸配列である:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIP
配列番号7は、CD22反応性scFv結合ドメインLTG2200)のヌクレオチド配列である:
CAGGTACAGCTCCAGCAGAGTGGCCCAGGGCTCGTGAAGCCAAGCCAGACGCTGTCCCTGACTTGTGCAATTTCAGGGGATTCAGTTTCATCAAATAGCGCGGCGTGGAATTGGATTCGACAATCTCCTTCCCGAGGGTTGGAATGGCTTGGACGAACATATTACAGATCCAAATGGTATAACGACTATGCGGTATCAGTAAAGTCAAGAATAACCATTAACCCCGACACAAGCAAGAACCAATTCTCTTTGCAGCTTAACTCTGTCACGCCAGAAGACACGGCAGTCTATTATTGCGCTCGCGAGGTAACGGGTGACCTGGAAGACGCTTTTGACATTTGGGGGCAGGGTACGATGGTGACAGTCAGTTCAGGGGGCGGTGGGAGTGGGGGAGGGGGTAGCGGGGGGGGAGGGTCAGACATTCAGATGACCCAGTCCCCTTCATCCTTGTCTGCCTCCGTCGGTGACAGGGTGACAATAACATGCAGAGCAAGCCAAACAATCTGGAGCTATCTCAACTGGTACCAGCAGCGACCAGGAAAAGCGCCAAACCTGCTGATTTACGCTGCTTCCTCCCTCCAATCAGGCGTGCCTAGTAGATTTAGCGGTAGGGGCTCCGGCACCGATTTTACGCTCACTATAAGCTCTCTTCAAGCAGAAGATTTTGCGACTTATTACTGCCAGCAGTCCTATAGTATACCTCAGACTTTCGGACAGGGTACCAAGTTGGAGATTAAGGCGGCCGCA
配列番号8は、CD22反応性scFv結合ドメイン(LTG2200)のアミノ酸配列である:
QVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWYNDYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAREVTGDLEDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQTIWSYLNWYQQRPGKAPNLLIYAASSLQSGVPSRFSGRGSGTDFTLTISSLQAEDFATYYCQQSYSIPQTFGQGTKLEIKAAA
配列番号9 CAR LTG2200(LP-2200-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列:
ATGCTTCTTTTGGTGACTTCCCTTTTGCTGTGCGAGTTGCCACACCCCGCCTTCCTGCTTATTCCCCAGGTACAGCTCCAGCAGAGTGGCCCAGGGCTCGTGAAGCCAAGCCAGACGCTGTCCCTGACTTGTGCAATTTCAGGGGATTCAGTTTCATCAAATAGCGCGGCGTGGAATTGGATTCGACAATCTCCTTCCCGAGGGTTGGAATGGCTTGGACGAACATATTACAGATCCAAATGGTATAACGACTATGCGGTATCAGTAAAGTCAAGAATAACCATTAACCCCGACACAAGCAAGAACCAATTCTCTTTGCAGCTTAACTCTGTCACGCCAGAAGACACGGCAGTCTATTATTGCGCTCGCGAGGTAACGGGTGACCTGGAAGACGCTTTTGACATTTGGGGGCAGGGTACGATGGTGACAGTCAGTTCAGGGGGCGGTGGGAGTGGGGGAGGGGGTAGCGGGGGGGGAGGGTCAGACATTCAGATGACCCAGTCCCCTTCATCCTTGTCTGCCTCCGTCGGTGACAGGGTGACAATAACATGCAGAGCAAGCCAAACAATCTGGAGCTATCTCAACTGGTACCAGCAGCGACCAGGAAAAGCGCCAAACCTGCTGATTTACGCTGCTTCCTCCCTCCAATCAGGCGTGCCTAGTAGATTTAGCGGTAGGGGCTCCGGCACCGATTTTACGCTCACTATAAGCTCTCTTCAAGCAGAAGATTTTGCGACTTATTACTGCCAGCAGTCCTATAGTATACCTCAGACTTTCGGACAGGGTACCAAGTTGGAGATTAAGGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号10 CAR LTG2200(LP-2200-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWYNDYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAREVTGDLEDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQTIWSYLNWYQQRPGKAPNLLIYAASSLQSGVPSRFSGRGSGTDFTLTISSLQAEDFATYYCQQSYSIPQTFGQGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号11は、DNA CD8膜貫通ドメインのヌクレオチド配列である:
ATCTACATCTGGGCGCCCTTGGCCGGGACTTGTGGGGTCCTTCTCCTGTCACTGGTTATCACCCTTTACTGC
配列番号12は、CD8膜貫通ドメインのアミノ酸配列である:
IWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC
配列番号13は、DNA CD8ヒンジドメインのヌクレオチド配列である:
ACCACGACGCCAGCGCCGCGACCACCAACACCGGCGCCCACCATCGCGTCGCAGCCCCTGTCCCTGCGCCCAGAGGCGTGCCGGCCAGCGGCGGGGGGCGCAGTGCACACGAGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTAC
配列番号14は、CD8ヒンジドメインのアミノ酸配列である:
TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIY
配列番号15は、CD8アルファのヒンジ・膜貫通領域のアミノ酸番号137~206のアミノ酸配列である(NCBI RefSeq:NP.sub.--001759.3):
TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC
配列番号16は、ヒトIgG CL配列のアミノ酸配列である:
GQPKAAPSVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADSSPVKAGVETTTPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS
配列番号17は、DNAシグナル伝達ドメイン4-1BBのヌクレオチド配列である:
AAACGGGGCAGAAAGAAACTCCTGTATATATTCAAACAACCATTTATGAGACCAGTACAAACTACTCAAGAGGAAGATGGCTGTAGCTGCCGATTTCCAGAAGAAGAAGAAGGAGGATGTGAACTG
配列番号18は、シグナル伝達ドメイン4-1BBのアミノ酸配列である:
KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL
配列番号19は、DNAシグナル伝達ドメインCD3-ゼータのヌクレオチド配列である:
AGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGC
配列番号20は、CD3ゼータのアミノ酸配列である:
RVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号21は、CAR LTG1562(LP-CD19バインダー-CD8リンカー-CD4tm-4-1BB-CD3-ゼータ)のヌクレオチド配列である:
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGATATTCAGATGACCCAGACCACCAGCAGCCTGAGCGCGAGCCTGGGCGATCGCGTGACCATTAGCTGCCGCGCGAGCCAGGATATTAGCAAATATCTGAACTGGTATCAGCAGAAACCGGATGGCACCGTGAAACTGCTGATTTATCATACCAGCCGCCTGCATAGCGGCGTGCCGAGCCGCTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGATTATAGCCTGACCATTAGCAACCTGGAACAGGAAGATATTGCGACCTATTTTTGCCAGCAGGGCAACACCCTGCCGTATACCTTTGGCGGCGGCACCAAACTGGAAATTACCGGCGGCGGCGGCAGCGGCGGCGGCGGCAGCGGCGGCGGCGGCAGCGAAGTGAAACTGCAGGAAAGCGGCCCGGGCCTGGTGGCGCCGAGCCAGAGCCTGAGCGTGACCTGCACCGTGAGCGGCGTGAGCCTGCCGGATTATGGCGTGAGCTGGATTCGCCAGCCGCCGCGCAAAGGCCTGGAATGGCTGGGCGTGATTTGGGGCAGCGAAACCACCTATTATAACAGCGCGCTGAAAAGCCGCCTGACCATTATTAAAGATAACAGCAAAAGCCAGGTGTTTCTGAAAATGAACAGCCTGCAGACCGATGATACCGCGATTTATTATTGCGCGAAACATTATTATTATGGCGGCAGCTATGCGATGGATTATTGGGGCCAGGGCACCAGCGTGACCGTGAGCAGCGCGGCGGCGCCGGCGCCGCGCCCGCCGACCCCGGCGCCGACCATTGCGAGCCAGCCGCTGAGCCTGCGCCCGGAAGCGTGCCGCCCGGCGGCGGGCGGCGCGGTGCATACCCGCGGCCTGGATTTTGTGCAGCCGATGGCGCTGATTGTGCTGGGCGGCGTGGCGGGCCTGCTGCTGTTTATTGGCCTGGGCATTTTTTTTTGCGTGCGCTGCCGCCCGCGCCGCAAAAAACTGCTGTATATTTTTAAACAGCCGTTTATGCGCCCGGTGCAGACCACCCAGGAAGAAGATGGCTGCAGCTGCCGCTTTCCGGAAGAAGAAGAAGGCGGCTGCGAACTGCGCGTGAAATTTAGCCGCAGCGCGGATGCGCCGGCGTATCAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTATAACGAACTGAACCTGGGCCGCCGCGAAGAATATGATGTGCTGGATAAACGCCGCGGCCGCGATCCGGAAATGGGCGGCAAACCGCGCCGCAAAAACCCGCAGGAAGGCCTGTATAACGAACTGCAGAAAGATAAAATGGCGGAAGCGTATAGCGAAATTGGCATGAAAGGCGAACGCCGCCGCGGCAAAGGCCATGATGGCCTGTATCAGGGCCTGAGCACCGCGACCAAAGATACCTATGATGCG CTGCATATGCAGGCGCTGCCGCCGCGC
配列番号22は、CAR LTG1562(LP-CD19バインダー-CD8結合-CD4tm-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAAPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFVQPMALIVLGGVAGLLLFIGLGIFFCVRCRPRRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号23は、CD20_19反応性scFv結合ドメイン(LTG1497二重特異性バインダー)のヌクレオチド配列である:
GAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGCGGCCGCA
配列番号24は、CD20_19反応性scFv結合ドメイン(LTG1497二重特異性バインダー)のアミノ酸配列である:
EVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAA
配列番号25は、CAR LTG1497(LP-LTG1497-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ、または、LP-CD20 VH-(GGGGS)3-CD20 VL-(GGGGS)5-CD19VL-Whitlowリンカー-CD19 VH-CD8ヒンジ+TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である:
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTGATTCCCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号26は、CAR LTG1497(LP-LTG1497-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ、または、LP-CD20 VH(GGGGS)3-CD20 VL-(GGGGS)5-CD19 VL-Whitlowリンカー-CD19 VH-CD8ヒンジ+TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号27は、CD19に対するscFVのヌクレオチド配列である:
GACATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTAGTAAATATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACCATACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAGCAAGAAGATATTGCCACTTACTTTTGCCAACAGGGTAATACGCTTCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAGATCACAGGTGGCGGTGGCTCGGGCGGTGGTGGGTCGGGTGGCGGCGGATCTGAGGTGAAACTGCAGGAGTCAGGACCTGGCCTGGTGGCGCCCTCACAGAGCCTGTCCGTCACATGCACTGTCTCAGGGGTCTCATTACCCGACTATGGTGTAAGCTGGATTCGCCAGCCTCCACGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTAATATGGGGTAGTGAAACCACATACTATAATTCAGCTCTCAAATCCAGACTGACCATCATCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTAAAAATGAACAGTCTGCAAACTGATGACACAGCCATTTACTACTGTGCCAAACATTATTACTACGGTGGTAGCTATGCTATGGACTACTGGGGCCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
配列番号28は、CD19に対するscFVのアミノ酸配列である:
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS
配列番号29は、CAR LTG 1494(LP-CD19バインダー-CD8結合-CD8tm-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である:
ATGCTTCTCCTGGTCACCTCCCTGCTCCTCTGCGAACTGCCTCACCCTGCCTTCCTTCTGATTCCTGACACTGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCTTCCTTGTCCGCGTCACTGGGAGACAGAGTGACCATCTCGTGTCGCGCAAGCCAGGATATCTCCAAGTACCTGAACTGGTACCAACAGAAGCCCGACGGGACTGTGAAGCTGCTGATCTACCACACCTCACGCCTGCACAGCGGAGTGCCAAGCAGATTCTCCGGCTCCGGCTCGGGAACCGATTACTCGCTTACCATTAGCAACCTCGAGCAGGAGGACATCGCTACCTACTTCTGCCAGCAAGGAAATACCCTGCCCTACACCTTCGGCGGAGGAACCAAATTGGAAATCACCGGCTCCACGAGCGGCTCCGGGAAGCCTGGTTCCGGGGAAGGCTCCACTAAGGGTGAAGTGAAGCTCCAGGAGTCCGGCCCCGGCCTGGTGGCGCCGTCGCAATCACTCTCTGTGACCTGTACCGTGTCGGGAGTGTCCCTGCCTGATTACGGCGTGAGCTGGATTCGGCAGCCGCCGCGGAAGGGCCTGGAATGGCTGGGTGTCATCTGGGGATCCGAGACTACCTACTACAACTCGGCCCTGAAGTCCCGCCTGACTATCATCAAAGACAACTCGAAGTCCCAGGTCTTTCTGAAGATGAACTCCCTGCAAACTGACGACACCGCCATCTATTACTGTGCTAAGCACTACTACTACGGTGGAAGCTATGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACATCCGTGACAGTCAGCTCCGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号30は、CAR LTG1494(LP-CD19バインダー-CD8結合-CD8tm-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDTDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号31は、CAR LTG1538(LP-CD19バインダー-CD8結合-CD8tm-シグナル(LTI再設計CD19 CAR)のヌクレオチド配列である:
ATGCTTCTCCTGGTCACCTCCCTGCTCCTCTGCGAACTGCCTCACCCTGCCTTCCTTCTGATTCCTGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCTTCCTTGTCCGCGTCACTGGGAGACAGAGTGACCATCTCGTGTCGCGCAAGCCAGGATATCTCCAAGTACCTGAACTGGTACCAACAGAAGCCCGACGGGACTGTGAAGCTGCTGATCTACCACACCTCACGCCTGCACAGCGGAGTGCCAAGCAGATTCTCCGGCTCCGGCTCGGGAACCGATTACTCGCTTACCATTAGCAACCTCGAGCAGGAGGACATCGCTACCTACTTCTGCCAGCAAGGAAATACCCTGCCCTACACCTTCGGCGGAGGAACCAAATTGGAAATCACCGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCGAAGTGAAGCTCCAGGAGTCCGGCCCCGGCCTGGTGGCGCCGTCGCAATCACTCTCTGTGACCTGTACCGTGTCGGGAGTGTCCCTGCCTGATTACGGCGTGAGCTGGATTCGGCAGCCGCCGCGGAAGGGCCTGGAATGGCTGGGTGTCATCTGGGGATCCGAGACTACCTACTACAACTCGGCCCTGAAGTCCCGCCTGACTATCATCAAAGACAACTCGAAGTCCCAGGTCTTTCTGAAGATGAACTCCCTGCAAACTGACGACACCGCCATCTATTACTGTGCTAAGCACTACTACTACGGTGGAAGCTATGCTATGGACTACTGGGGGCAAGGCACTTCGGTGACTGTGTCAAGCGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号32は、CAR LTG1538(LP-CD19バインダー-CD8結合-CD8tm-シグナル(LTI再設計CD19 CAR)のアミノ酸配列である:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号33は、CD19_20反応性scFv結合ドメイン(LTG1496)のヌクレオチド配列である:
GACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGCGGCCGCA
配列番号34は、CD19_20反応性scFv結合ドメイン(LTG1496)のアミノ酸配列である:
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKAAA
配列番号35は、CAR LTG1496(LP-LTG1496-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ、または、LP-CD19 VL-Whitlowリンカー-CD19 VH(GGGGS)5 CD20 VH(GGGGS)3-CD20 VL CD8ヒンジ+TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である:
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTGATTCCCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号36 CAR LTG1496(LP-LTG1496-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ、
または、LP-CD19 VL-Whitlowリンカー-CD19 VH-(GGGGS)5-CD20 VH(GGGGS)3-CD20 VL-CD8ヒンジ+TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号37は、メソテリン反応性scFv結合ドメイン(LTG1904)のヌクレオチド配列である:
GAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTAGTTGGAATAGTGGTAGCATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTATCTGCAAATGAACAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGATTTATCGTCAGTGGCTGGACCCTTTAACTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGAGGCGGTAGCGGCGGTGGCGGATCCTCTTCTGAGCTGACTCAGGACCCTGCTGTGTCTGTGGCCTTGGGACAGACAGTCAGGATCACATGCCAAGGAGACAGCCTCAGAAGCTATTATGCAAGCTGGTACCAGCAGAAGCCAGGACAGGCCCCTGTACTTGTCATCTATGGTAAAAACAACCGGCCCTCAGGGATCCCAGACCGATTCTCTGGCTCCAGCTCAGGAAACACAGCTTCCTTGACCATCACTGGGGCTCAGGCGGAGGATGAGGCTGACTATTACTGTAACTCCCGGGACAGCAGTGGTAACCATCTGGTATTCGGCGGAGGCACCCAGCTGACCGTCCTCGGT
配列番号38は、メソテリン反応性scFv結合ドメイン(LTG1904)のアミノ酸配列である:
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGSIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTALYYCAKDLSSVAGPFNYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSSSELTQDPAVSVALGQTVRITCQGDSLRSYYASWYQQKPGQAPVLVIYGKNNRPSGIPDRFSGSSSGNTASLTITGAQAEDEADYYCNSRDSSGNHLVFGGGTQLTVLG
配列番号39 CAR LTG1904(LP-LTG1904-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列:
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTAGTTGGAATAGTGGTAGCATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTATCTGCAAATGAACAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGATTTATCGTCAGTGGCTGGACCCTTTAACTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGAGGCGGTAGCGGCGGTGGCGGATCCTCTTCTGAGCTGACTCAGGACCCTGCTGTGTCTGTGGCCTTGGGACAGACAGTCAGGATCACATGCCAAGGAGACAGCCTCAGAAGCTATTATGCAAGCTGGTACCAGCAGAAGCCAGGACAGGCCCCTGTACTTGTCATCTATGGTAAAAACAACCGGCCCTCAGGGATCCCAGACCGATTCTCTGGCTCCAGCTCAGGAAACACAGCTTCCTTGACCATCACTGGGGCTCAGGCGGAGGATGAGGCTGACTATTACTGTAACTCCCGGGACAGCAGTGGTAACCATCTGGTATTCGGCGGAGGCACCCAGCTGACCGTCCTCGGTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号40 CAR LTG1904(LP-LTG1904-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGSIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTALYYCAKDLSSVAGPFNYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSSSELTQDPAVSVALGQTVRITCQGDSLRSYYASWYQQKPGQAPVLVIYGKNNRPSGIPDRFSGSSSGNTASLTITGAQAEDEADYYCNSRDSSGNHLVFGGGTQLTVLGAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号41は、CD33反応性一本鎖結合ドメインVH-4(LTG1906)のヌクレオチド配列である:
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAATACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAAGAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号42は、CD33反応性一本鎖結合ドメインVH-4(LTG1906)のアミノ酸配列である:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAKENVDWGQGTLVTVSS
配列番号43は、CAR LTG1906(LP-VH4-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である:
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAATACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAAGAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号44は、CAR LTG1906(LP-VH4-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAKENVDWGQGTLVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号45は、TSLPR反応性scFv結合ドメイン(LTG1789)のヌクレオチド配列である:
ATGGCACTGCCCGTGACCGCCCTGCTTCTGCCGCTTGCACTTCTGCTGCACGCCGCTAGGCCCCAAGTCACCCTCAAAGAGTCAGGGCCAGGAATCCTCAAGCCCTCACAGACTCTGTCTCTTACTTGCTCATTCAGCGGATTCAGCCTTTCCACCTCTGGTATGGGCGTGGGGTGGATTAGGCAACCTAGCGGAAAGGGGCTTGAATGGCTGGCCCACATCTGGTGGGACGACGACAAGTACTACAACCCCTCACTGAAGTCCCAGCTCACTATTTCCAAAGATACTTCCCGGAATCAGGTGTTCCTCAAGATTACCTCTGTCGACACCGCTGATACCGCCACTTACTATTGTTCACGCAGACCGAGAGGTACCATGGACGCAATGGACTACTGGGGACAGGGCACCAGCGTGACCGTGTCATCTGGCGGTGGAGGGTCAGGAGGTGGAGGTAGCGGAGGCGGTGGGTCCGACATTGTCATGACCCAGGCCGCCAGCAGCCTGAGCGCTTCACTGGGCGACAGGGTGACCATCAGCTGTCGCGCATCACAAGATATCTCTAAGTATCTTAATTGGTACCAGCAAAAGCCGGATGGAACCGTGAAGCTGCTGATCTACTACACCTCACGGCTGCATTCTGGAGTGCCTAGCCGCTTTAGCGGATCTGGGTCCGGTACTGACTACAGCCTCACCATTAGAAACCTTGAACAGGAGGACATCGCAACTTATTTCTGCCAACAGGTCTATACTCTGCCGTGGACCTTCGGCGGAGGTACCAAACTGGAGATTAAGTCCGG
配列番号46は、TSLPR反応性scFv結合ドメイン(LTG1789)のアミノ酸配列である:
MALPVTALLLPLALLLHAARPQVTLKESGPGILKPSQTLSLTCSFSGFSLSTSGMGVGWIRQPSGKGLEWLAHIWWDDDKYYNPSLKSQLTISKDTSRNQVFLKITSVDTADTATYYCSRRPRGTMDAMDYWGQGTSVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQAASSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTIRNLEQEDIATYFCQQVYTLPWTFGGGTKLEIKS
配列番号47は、CAR LTG1789(LP-3G11-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である:
ATGGCACTGCCCGTGACCGCCCTGCTTCTGCCGCTTGCACTTCTGCTGCACGCCGCTAGGCCCCAAGTCACCCTCAAAGAGTCAGGGCCAGGAATCCTCAAGCCCTCACAGACTCTGTCTCTTACTTGCTCATTCAGCGGATTCAGCCTTTCCACCTCTGGTATGGGCGTGGGGTGGATTAGGCAACCTAGCGGAAAGGGGCTTGAATGGCTGGCCCACATCTGGTGGGACGACGACAAGTACTACAACCCCTCACTGAAGTCCCAGCTCACTATTTCCAAAGATACTTCCCGGAATCAGGTGTTCCTCAAGATTACCTCTGTCGACACCGCTGATACCGCCACTTACTATTGTTCACGCAGACCGAGAGGTACCATGGACGCAATGGACTACTGGGGACAGGGCACCAGCGTGACCGTGTCATCTGGCGGTGGAGGGTCAGGAGGTGGAGGTAGCGGAGGCGGTGGGTCCGACATTGTCATGACCCAGGCCGCCAGCAGCCTGAGCGCTTCACTGGGCGACAGGGTGACCATCAGCTGTCGCGCATCACAAGATATCTCTAAGTATCTTAATTGGTACCAGCAAAAGCCGGATGGAACCGTGAAGCTGCTGATCTACTACACCTCACGGCTGCATTCTGGAGTGCCTAGCCGCTTTAGCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号48は、CAR LTG1789(LP-3G11-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である:
MALPVTALLLPLALLLHAARPQVTLKESGPGILKPSQTLSLTCSFSGFSLSTSGMGVGWIRQPSGKGLEWLAHIWWDDDKYYNPSLKSQLTISKDTSRNQVFLKITSVDTADTATYYCSRRPRGTMDAMDYWGQGTSVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQAASSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTIRNLEQEDIATYFCQQVYTLPWTFGGGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号49は、CAR LTG1563(LP-CD19-TNFRSF19TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である:
ATGCTGCTGCTGGTCACCAGCCTGCTGCTGTGCGAGCTCCCTCACCCCGCCTTTCTGCTTATCCCGGACATTCAGATGACACAGACCACCTCGAGCTTGTCCGCGTCGCTGGGCGATCGCGTGACCATCTCCTGCCGGGCCTCCCAAGACATTTCAAAGTATCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCGGACGGAACCGTGAAACTGCTGATCTACCATACCAGCCGCCTGCACTCCGGCGTGCCGTCCCGCTTCTCCGGATCGGGTTCCGGAACTGACTACTCACTGACTATCTCCAACTTGGAACAAGAGGACATCGCCACTTACTTCTGTCAACAAGGAAATACCCTTCCCTACACCTTCGGGGGGGGTACCAAGCTGGAGATCACTGGGGGCGGAGGCTCCGGTGGAGGCGGATCCGGCGGTGGAGGGAGCGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCAGGACTCGTGGCGCCATCCCAGTCCCTGTCGGTGACCTGTACTGTCTCCGGAGTCAGCCTCCCCGATTACGGAGTGTCATGGATTAGGCAACCCCCAAGAAAAGGGCTGGAATGGCTCGGAGTGATCTGGGGCTCCGAAACCACCTACTACAACTCGGCGCTGAAGTCCCGGCTGACCATCATCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTGTTCTTGAAGATGAACAGCTTGCAGACCGACGATACCGCAATCTACTACTGTGCCAAGCACTATTACTACGGGGGGTCTTACGCCATGGACTACTGGGGACAGGGCACCTCCGTGACTGTGTCGTCCGCGGCCGCGCCCGCCCCTCGGCCCCCGACTCCTGCCCCGACGATCGCTTCCCAACCTCTCTCGCTGCGCCCGGAAGCATGCCGGCCCGCCGCCGGTGGCGCTGTCCACACTCGCGGACTGGACTTTGATACCGCACTGGCGGCCGTGATCTGTAGCGCCCTGGCCACCGTGCTGCTGGCGCTGCTCATCCTTTGCGTGATCTACTGCAAGCGGCAGCCTAGGCGAAAGAAGCTCCTCTACATTTTCAAGCAACCCTTCATGCGCCCCGTGCAAACCACCCAGGAGGAGGATGGATGCTCATGCCGGTTCCCTGAGGAAGAAGAGGGCGGTTGCGAGCTCAGAGTGAAATTCAGCCGGTCGGCTGACGCCCCGGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAATGAGCTCAACCTGGGGCGCCGCGAAGAGTACGACGTGCTGGACAAGAGGAGAGGCAGAGATCCGGAAATGGGCGGAAAGCCAAGGCGGAAGAACCCGCAGGAAGGTCTTTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACTCCGAGATTGGGATGAAGGGAGAAAGACGGAGGGGAAAGGGACATGACGGACTTTACCAGGGCCTGAGCACTGCCACGAAGGACACCTATGATGCCCTGCACATGCAGGCGCTGCCGCCTCGG
配列番号50は、CAR LTG1563(LP-CD19-TNFRSF19TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAAPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFDTALAAVICSALATVLLALLILCVIYCKRQPRRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号51は、CAR LTG2228(LP-CD20_CD19-CD8TM-CD28-CD3ゼータ)のヌクレオチド酸配列である:
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTGATTCCCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGCGGCCGCGACTACCACTCCTGCACCACGGCCACCTACCCCAGCCCCCACCATTGCAAGCCAGCCACTTTCACTGCGCCCCGAAGCGTGTAGACCAGCTGCTGGAGGAGCCGTGCATACCCGAGGGCTGGACTTCGCCTGTGACATCTACATCTGGGCCCCATTGGCTGGAACTTGCGGCGTGCTGCTCTTGTCTCTGGTCATTACCCTGTACTGCCGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCCGACTACATGAACATGACTCCTAGAAGGCCCGGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTACGCCCCTCCTCGGGATTTCGCCGCATACCGGTCCAGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGATGCACCGGCCTACCAGCAGGGACAGAACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATATGACGTGCTGGACAAACGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCGAGGAGGAAGAACCCTCAAGAGGGCCTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCCGAGATCGGCATGAAGGGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTGTACCAGGGCCTGTCAACTGCCACTAAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTGCCCCCGCGG
配列番号52は、CAR LTG2228(LP-CD20_CD19-CD8TM-CD28-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRSRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号53 D0043 ヌクレオチド配列
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTG ATTCCCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTG AAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAA CAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACT TCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACC GCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGG TCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTG ACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGAC ATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATG ACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCG TCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTC AGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGAC GCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACT AAGCTGGAGATCAAAGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCT GGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCC CTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCG AAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCAC ACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGAC TACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAA GGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACA TCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAG GAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCC GGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTG GAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCC AGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTG CAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTAC GCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGCGGCCGCGACTACC ACTCCTGCACCACGGCCACCTACCCCAGCCCCCACCATTGCAAGCCAGCCACTTTCACTG CGCCCCGAAGCGTGTAGACCAGCTGCTGGAGGAGCCGTGCATACCCGAGGGCTGGACTTC GCCTGTGACATCTACATCTGGGCCCCATTGGCTGGAACTTGCGGCGTGCTGCTCTTGTCT CTGGTCATTACCCTGTACTGCCGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCCGACTACATG AACATGACTCCTAGAAGGCCCGGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTACGCCCCTCCT CGGGATTTCGCCGCATACCGGTCCAGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGATGCACCGGCC TACCAGCAGGGACAGAACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATAT GACGTGCTGGACAAACGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCGAGGAGGAAG AACCCTCAAGAGGGCCTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCC GAGATCGGCATGAAGGGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTGTACCAGGGC CTGTCAACTGCCACTAAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTGCCCCCGCGG CGCGCGAAACGCGGCAGCGGCGCGACCAACTTTAGCCTGCTGAAACAGGCGGGCGATGTG GAAGAAAACCCGGGCCCGCGAGCAAAGAGGAATATTATGCTTCTATTAGTGACTTCCCTT TTGCTGTGCGAGTTGCCACACCCCGCCTTCCTGCTTATTCCCCAGGTACAGCTCCAGCAG AGTGGCCCAGGGCTCGTGAAGCCAAGCCAGACGCTGTCCCTGACTTGTGCAATTTCAGGG GATTCAGTTTCATCAAATAGCGCGGCGTGGAATTGGATTCGACAATCTCCTTCCCGAGGG TTGGAATGGCTTGGACGAACATATTACAGATCCAAATGGTATAACGACTATGCGGTATCA GTAAAGTCAAGAATAACCATTAACCCCGACACAAGCAAGAACCAATTCTCTTTGCAGCTT AACTCTGTCACGCCAGAAGACACGGCAGTCTATTATTGCGCTCGCGAGGTAACGGGTGAC CTGGAAGACGCTTTTGACATTTGGGGGCAGGGTACGATGGTGACAGTCAGTTCAGGGGGC GGTGGGAGTGGGGGAGGGGGTAGCGGGGGGGGAGGGTCAGACATTCAGATGACCCAGTCC CCTTCATCCTTGTCTGCCTCCGTCGGTGACAGGGTGACAATAACATGCAGAGCAAGCCAA ACAATCTGGAGCTATCTCAACTGGTACCAGCAGCGACCAGGAAAAGCGCCAAACCTGCTG ATTTACGCTGCTTCCTCCCTCCAATCAGGCGTGCCTAGTAGATTTAGCGGTAGGGGCTCC GGCACCGATTTTACGCTCACTATAAGCTCTCTTCAAGCAGAAGATTTTGCGACTTATTAC TGCCAGCAGTCCTATAGTATACCTCAGACTTTCGGACAGGGTACCAAGTTGGAGATTAAG GCTAGCGCAACCACTACGCCTGCTCCGCGGCCTCCAACGCCCGCGCCCACGATAGCTAGT CAGCCGTTGTCTCTCCGACCAGAGGCGTGTAGACCGGCCGCTGGCGGAGCCGTACATACT CGCGGACTCGACTTCGCTTGCGACATCTACATTTGGGCACCCTTGGCTGGGACCTGTGGG GTGCTGTTGCTGTCCTTGGTTATTACGTTGTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTT TACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGC TCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGAGAGTCAAATTTTCCAGG TCCGCAGATGCCCCCGCGTACCAGCAAGGCCAGAACCAACTTTACAACGAACTGAACCTG GGTCGCCGGGAGGAATATGATGTGCTGGATAAACGAAGGGGGAGGGACCCTGAGATGGGA GGGAAACCTCGCAGGAAAAACCCGCAGGAAGGTTTGTACAACGAGTTGCAGAAGGATAAG ATGGCTGAGGCTTACTCTGAAATAGGGATGAAGGGAGAGAGACGGAGAGGAAAAGGCCAT GATGGCCTTTACCAGGGCTTGAGCACAGCAACAAAGGATACTTACGACGCTCTTCACATG CAAGCTCTGCCACCACGG
配列番号54 D0043 アミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRSRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRRAKRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPRAKRNIMLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWYNDYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAREVTGDLEDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQTIWSYLNWYQQRPGKAPNLLIYAASSLQSGVPSRFSGRGSGTDFTLTISSLQAEDFATYYCQQSYSIPQTFGQGTKLEIKASATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号55 D0044 ヌクレオチド配列
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTGATTCCCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGCGGCCGCGACTACCACTCCTGCACCACGGCCACCTACCCCAGCCCCCACCATTGCAAGCCAGCCACTTTCACTGCGCCCCGAAGCGTGTAGACCAGCTGCTGGAGGAGCCGTGCATACCCGAGGGCTGGACTTCGCCTGTGACATCTACATCTGGGCCCCATTGGCTGGAACTTGCGGCGTGCTGCTCTTGTCTCTGGTCATTACCCTGTACTGCCGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCCGACTACATGAACATGACTCCTAGAAGGCCCGGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTACGCCCCTCCTCGGGATTTCGCCGCATACCGGTCCAGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGATGCACCGGCCTACCAGCAGGGACAGAACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATATGACGTGCTGGACAAACGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCGAGGAGGAAGAACCCTCAAGAGGGCCTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCCGAGATCGGCATGAAGGGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTGTACCAGGGCCTGTCAACTGCCACTAAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTGCCCCCGCGGCGCGCGAAACGCGGCAGCGGCGCGACCAACTTTAGCCTGCTGAAACAGGCGGGCGATGTGGAAGAAAACCCGGGCCCGCGAGCAAAGAGGAATATTATGTTGCTGCTCGTGACCTCGCTCCTTCTGTGCGAGCTGCCCCATCCGGCTTTTCTGCTCATCCCTCAAGTGCAGCTGCAGCAGTCCGGTCCTGGACTGGTCAAGCCGTCCCAGACTCTGAGCCTGACTTGCGCAATTAGCGGGGACTCAGTCTCGTCCAATTCGGCGGCCTGGAACTGGATCCGGCAGTCACCATCAAGGGGCCTGGAATGGCTCGGGCGCACTTACTACCGGTCCAAATGGTATACCGACTACGCCGTGTCCGTGAAGAATCGGATCACCATTAACCCCGACACCTCGAAGAACCAGTTCTCACTCCAACTGAACAGCGTGACCCCCGAGGATACCGCGGTGTACTACTGCGCACAAGAAGTGGAACCGCAGGACGCCTTCGACATTTGGGGACAGGGAACGATGGTCACAGTGTCGTCCGGTGGAGGAGGTTCCGGAGGCGGTGGATCTGGAGGCGGAGGTTCGGATATCCAGATGACCCAGAGCCCCTCCTCGGTGTCCGCATCCGTGGGCGATAAGGTCACCATTACCTGTAGAGCGTCCCAGGACGTGTCCGGATGGCTGGCCTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCTTGGCTCCTCAACTGCTGATCTTCGGCGCCAGCACTCTTCAGGGGGAAGTGCCATCACGCTTCTCCGGATCCGGTTCCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCTGAGGACTTCGCCACTTACTACTGCCAACAGGCCAAGTACTTCCCCTATACCTTCGGAAGAGGCACTAAGCTGGAAATCAAGGCTAGCGCAACCACTACGCCTGCTCCGCGGCCTCCAACGCCCGCGCCCACGATAGCTAGTCAGCCGTTGTCTCTCCGACCAGAGGCGTGTAGACCGGCCGCTGGCGGAGCCGTACATACTCGCGGACTCGACTTCGCTTGCGACATCTACATTTGGGCACCCTTGGCTGGGACCTGTGGGGTGCTGTTGCTGTCCTTGGTTATTACGTTGTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGAGAGTCAAATTTTCCAGGTCCGCAGATGCCCCCGCGTACCAGCAAGGCCAGAACCAACTTTACAACGAACTGAACCTGGGTCGCCGGGAGGAATATGATGTGCTGGATAAACGAAGGGGGAGGGACCCTGAGATGGGAGGGAAACCTCGCAGGAAAAACCCGCAGGAAGGTTTGTACAACGAGTTGCAGAAGGATAAGATGGCTGAGGCTTACTCTGAAATAGGGATGAAGGGAGAGAGACGGAGAGGAAAAGGCCATGATGGCCTTTACCAGGGCTTGAGCACAGCAACAAAGGATACTTACGACGCTCTTCACATGCAAGCTCTGCCACCACGG
配列番号56 D0044 アミノ酸配列
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配列番号59 D0046 ヌクレオチド配列
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配列番号60 D0046 アミノ酸配列
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配列番号61 D0047 ヌクレオチド配列
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配列番号62 D0047 アミノ酸配列
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配列番号65 D0001 ヌクレオチド配列
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配列番号66 D0001 アミノ酸配列
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配列番号67 D0002 ヌクレオチド配列
ATGTTGCTGCTCGTGACCTCGCTCCTTCTGTGCGAGCTGCCCCATCCGGCTTTTCTGCTCATCCCTCAAGTGCAGCTGCAGCAGTCCGGTCCTGGACTGGTCAAGCCGTCCCAGACTCTGAGCCTGACTTGCGCAATTAGCGGGGACTCAGTCTCGTCCAATTCGGCGGCCTGGAACTGGATCCGGCAGTCACCATCAAGGGGCCTGGAATGGCTCGGGCGCACTTACTACCGGTCCAAATGGTATACCGACTACGCCGTGTCCGTGAAGAATCGGATCACCATTAACCCCGACACCTCGAAGAACCAGTTCTCACTCCAACTGAACAGCGTGACCCCCGAGGATACCGCGGTGTACTACTGCGCACAAGAAGTGGAACCGCAGGACGCCTTCGACATTTGGGGACAGGGAACGATGGTCACAGTGTCGTCCGGTGGAGGAGGTTCCGGAGGCGGTGGATCTGGAGGCGGAGGTTCGGATATCCAGATGACCCAGAGCCCCTCCTCGGTGTCCGCATCCGTGGGCGATAAGGTCACCATTACCTGTAGAGCGTCCCAGGACGTGTCCGGATGGCTGGCCTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCTTGGCTCCTCAACTGCTGATCTTCGGCGCCAGCACTCTTCAGGGGGAAGTGCCATCACGCTTCTCCGGATCCGGTTCCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCTGAGGACTTCGCCACTTACTACTGCCAACAGGCCAAGTACTTCCCCTATACCTTCGGAAGAGGCACTAAGCTGGAAATCAAGGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号68 D0002 アミノ酸配列
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配列番号69 D0003 ヌクレオチド配列
ATGTTGCTGCTCGTGACCTCGCTCCTTCTGTGCGAGCTGCCCCATCCGGCTTTTCTGCTCATCCCTCAAGTGCAGCTGCAGCAGTCCGGTCCTGGACTGGTCAAGCCGTCCCAGACTCTGAGCCTGACTTGCGCCATTAGCGGGAACTCAGTCTCGTCCAATTCGGCGGCCTGGAACTGGATCCGGCAGTCACCATCAAGGGGCCTGGAATGGCTCGGGCGCACTTACTACCGGTCCAAATGGTATAACGACTACGCCGTGTCCGTGAAGTCCCGGATCACCATTAACCCCGACACCTCGAAGAACCAGTTCTCACTCCAACTGAACAGCGTGACCCCCGAGGATACCGCGGTGTACTACTGCGCACAAGAAGTGGAACCGCAGGACGCCTTCGACATTTGGGGACAGGGAACGATGGTCACAGTGTCGTCCGGTGGAGGAGGTTCCGGAGGCGGTGGATCTGGAGGCGGAGGTTCGGATATCCAGATGACCCAGAGCCCCTCCTCGGTGTCCGCATCCGTGGGCGATAAGGTCACCATTACCTGTAGAGCGTCCCAGGACGTGTCCGGATGGCTGGCCTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCTTGGCTCCTCAACTGCTGATCTTTGGCGCCAGCACTCTTCAGGGGGAGGTGCCATCACGCTTCTCCGGAGGTGGTTCCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCTGAGGACTTCGCCACTTACTACTGCCAACAGGCCAAGTACTTCCCCTATACCTTCGGACAAGGCACTAAGCTGGAAATCAAGGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号70 D0003 アミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGNSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWYNDYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAQEVEPQDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSVSASVGDKVTITCRASQDVSGWLAWYQQKPGLAPQLLIFGASTLQGEVPSRFSGGGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQAKYFPYTFGQGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号73 LTG2273 ヌクレオチド配列
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTGATTCCCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGCGGCCGCGACTACCACTCCTGCACCACGGCCACCTACCCCAGCCCCCACCATTGCAAGCCAGCCACTTTCACTGCGCCCCGAAGCGTGTAGACCAGCTGCTGGAGGAGCCGTGCATACCCGAGGGCTGGACTTCGCCTGTGACATCTACATCTGGGCCCCATTGGCTGGAACTTGCGGCGTGCTGCTCTTGTCTCTGGTCATTACCCTGTACTGCCGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCCGACTACATGAACATGACTCCTAGAAGGCCCGGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTACGCCCCTCCTCGGGATTTCGCCGCATACCGGTCCAGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGATGCACCGGCCTACCAGCAGGGACAGAACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATATGACGTGCTGGACAAACGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCGAGGAGGAAGAACCCTCAAGAGGGCCTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCCGAGATCGGCATGAAGGGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTGTACCAGGGCCTGTCAACTGCCACTAAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTGCCCCCGCGG
配列番号74 2273 アミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRSRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号75 LTG2200 ヌクレオチド配列
ATGCTTCTTTTGGTGACTTCCCTTTTGCTGTGCGAGTTGCCACACCCCGCCTTCCTGCTTATTCCCCAGGTACAGCTCCAGCAGAGTGGCCCAGGGCTCGTGAAGCCAAGCCAGACGCTGTCCCTGACTTGTGCAATTTCAGGGGATTCAGTTTCATCAAATAGCGCGGCGTGGAATTGGATTCGACAATCTCCTTCCCGAGGGTTGGAATGGCTTGGACGAACATATTACAGATCCAAATGGTATAACGACTATGCGGTATCAGTAAAGTCAAGAATAACCATTAACCCCGACACAAGCAAGAACCAATTCTCTTTGCAGCTTAACTCTGTCACGCCAGAAGACACGGCAGTCTATTATTGCGCTCGCGAGGTAACGGGTGACCTGGAAGACGCTTTTGACATTTGGGGGCAGGGTACGATGGTGACAGTCAGTTCAGGGGGCGGTGGGAGTGGGGGAGGGGGTAGCGGGGGGGGAGGGTCAGACATTCAGATGACCCAGTCCCCTTCATCCTTGTCTGCCTCCGTCGGTGACAGGGTGACAATAACATGCAGAGCAAGCCAAACAATCTGGAGCTATCTCAACTGGTACCAGCAGCGACCAGGAAAAGCGCCAAACCTGCTGATTTACGCTGCTTCCTCCCTCCAATCAGGCGTGCCTAGTAGATTTAGCGGTAGGGGCTCCGGCACCGATTTTACGCTCACTATAAGCTCTCTTCAAGCAGAAGATTTTGCGACTTATTACTGCCAGCAGTCCTATAGTATACCTCAGACTTTCGGACAGGGTACCAAGTTGGAGATTAAGGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号76 LTG2200 アミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWYNDYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAREVTGDLEDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQTIWSYLNWYQQRPGKAPNLLIYAASSLQSGVPSRFSGRGSGTDFTLTISSLQAEDFATYYCQQSYSIPQTFGQGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号77 GMCSFリーダーペプチドヌクレオチド配列
ATGCTTCTTTTGGTGACTTCCCTTTTGCTGTGCGAGTTGCCACACCCCGCCTTCCTGCTTATTCCC
配列番号78 GMCSFリーダーペプチドアミノ酸配列
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIP
配列番号79 CD8aリーダーペプチドヌクレオチド配列
ATGGCCCTGCCCGTCACTGCGCTGCTTCTTCCACTTGCGCTTCTGCTGCACGCAGCGCGCCCG
配列番号80 CD8aリーダーペプチドアミノ酸配列
MALPVTALLLPLALLLHAARP
配列番号81 CD8ヒンジ・膜貫通ドメインヌクレオチド配列
GCGGCCGCTACCACAACCCCTGCGCCCCGGCCTCCTACCCCCGCACCCACGATTGCTTCTC
AACCTCTTTCACTCCGACCTGAGGCTTGTAGACCTGCAGCCGGGGGTGCCGTCCACACAC
GGGGACTCGACTTCGCTTGTGATATATATATTTGGGCGCCCCTGGCCGGCACTTGTGGAG
TTCTTTTGCTCTCTCTTGTTATCACATTGTACTGC
配列番号82 CD8ヒンジ・膜貫通ドメインアミノ酸配列
AAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCG
VLLLSLVITLYC
配列番号83 4-1BB/CD137共刺激ドメインヌクレオチド配列
AAGCGAGGTAGGAAGAAATTGCTTTACATTTTTAAGCAGCCGTTCATGCGACCAGTACAG
ACTACTCAAGAAGAAGATGGGTGCTCTTGTCGGTTCCCGGAAGAAGAAGAGGGTGGTTGC
GAGTTG
配列番号84 4-1BB/CD137共刺激ドメインアミノ酸配列
KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL
配列番号85 CD28共刺激ドメインヌクレオチド配列
CGGTCGAAGCGCTCAAGACTGCTGCACTCAGACTACATGAACATGACTCCTCGGCGGCCG
GGGCCGACTCGGAAGCACTACCAGCCTTACGCACCCCCGAGAGATTTCGCGGCCTACCGC
TCC
配列番号86 CD28共刺激ドメインアミノ酸配列
RSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS
配列番号87 CD3ゼータヌクレオチド配列
AGGGTGAAGTTCTCCCGCTCTGCCGACGCACCGGCATATCAGCAGGGACAAAACCAGCTC
TACAACGAATTGAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATATGACGTGCTCGATAAGCGGCGGGGT
CGCGACCCAGAAATGGGAGGCAAACCGCGCAGGAAAAATCCACAGGAGGGACTTTATAAC
GAACTTCAAAAGGATAAGATGGCAGAGGCATACAGCGAAATCGGGATGAAAGGCGAGAGA
AGAAGGGGGAAAGGGCACGATGGTCTTTACCAGGGGCTTTCTACCGCGACGAAGGATACC
TACGATGCTCTCCATATGCAAGCACTTCCTCCTAGA
配列番号88 CD3ゼータアミノ酸配列
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYN
ELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号89 フューリンP2Aフューリンヌクレオチド配列
CGGGCAAAGCGGGGCTCAGGGGCGACTAACTTTTCACTGTTGAAGCAGGCCGGGGATGTG
GAGGAGAATCCTGGTCCTAGAGCTAAGCGAG
配列番号90 フューリンP2Aフューリンアミノ酸配列
RAKRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPRAKR
配列番号95 16P17 CD22 scFv VHヌクレオチド配列
CAGGTACAGCTTCAACAGAGTGGGCCGGGACTGGTGAAACACTCCCAAACACTTTCTCTG
ACGTGCGCTATATCAGGTGACTCTGTTTCATCTAATTCTGCTGCGTGGAACTGGATTCGA
CAATCTCCCAGTCGCGGGTTGGAATGGCTGGGACGAACATATTATCGGTCTAAGTGGTAT
AACGATTATGCTGTATCTGTTAAATCTCGAATTACGATTAATCCTGACACCTCCAAGAAC
CAGTTCTCCCTCCAGTTGAACTCAGTCACACCGGAAGACACTGCGGTCTACTATTGCGCT
CAAGAAGTCGAGCCACATGATGCATTCGACATCTGGGGCCAGGGAACGATGGTCACCGTC
AGCAGT
配列番号96 16P17 CD22 scFv VHアミノ酸配列
QVQLQQSGPGLVKHSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWY
NDYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAQEVEPHDAFDIWGQGTMVTV
SS
配列番号97 16P17 CD22 scFv VLヌクレオチド配列
GACATACAAATGACGCAGAGTCCCTCAAGTGTGTACGCGAGTGTGGGGGATAAGGTAACT
ATTACGTGCAGAGCGTCACAGGATGTTAGTGGATGGCTTGCCTGGTATCAGCAGAAGCCA
GGCCTTGCTCCACAGCTCCTTATCAGTGGTGCTTCTACACTTCAGGGCGAGGTTCCGAGT
AGATTCTCTGGTTCTGGATCTGGTACTGACTTCACTCTTACAATTTCTTCTTTGCAACCA
GAAGACTTTGCGACTTATTACTGCCAACAGGCCAAATACTTCCCTTATACATTTGGCCAA
GGTACCAAGTTGGAGATAAAG
配列番号98 16P17 CD22 scFv VLアミノ酸配列
DIQMTQSPSSVYASVGDKVTITCRASQDVSGWLAWYQQKPGLAPQLLISGASTLQGEVPS
RFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQAKYFPYTFGQGTKLEIK
配列番号99 16P8 CD22 scFv VHヌクレオチド配列
CAAGTGCAGCTGCAGCAGTCCGGTCCTGGACTGGTCAAGCCGTCCCAGACTCTGAGCCTG
ACTTGCGCAATTAGCGGGGACTCAGTCTCGTCCAATTCGGCGGCCTGGAACTGGATCCGG
CAGTCACCATCAAGGGGCCTGGAATGGCTCGGGCGCACTTACTACCGGTCCAAATGGTAT
ACCGACTACGCCGTGTCCGTGAAGAATCGGATCACCATTAACCCCGACACCTCGAAGAAC
CAGTTCTCACTCCAACTGAACAGCGTGACCCCCGAGGATACCGCGGTGTACTACTGCGCA
CAAGAAGTGGAACCGCAGGACGCCTTCGACATTTGGGGACAGGGAACGATGGTCACAGTG
TCGTCC
配列番号100 16P8 CD22 scFv VHアミノ酸配列
QVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWY
TDYAVSVKNRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAQEVEPQDAFDIWGQGTMVTV
SS
配列番号101 16P8 CD22 scFv VLヌクレオチド配列
GATATCCAGATGACCCAGAGCCCCTCCTCGGTGTCCGCATCCGTGGGCGATAAGGTCACC
ATTACCTGTAGAGCGTCCCAGGACGTGTCCGGATGGCTGGCCTGGTACCAGCAGAAGCCA
GGCTTGGCTCCTCAACTGCTGATCTTCGGCGCCAGCACTCTTCAGGGGGAAGTGCCATCA
CGCTTCTCCGGATCCGGTTCCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCT
GAGGACTTCGCCACTTACTACTGCCAACAGGCCAAGTACTTCCCCTATACCTTCGGAAGA
GGCACTAAGCTGGAAATCAAG
配列番号102 16P8 CD22 scFv VLアミノ酸配列
DIQMTQSPSSVSASVGDKVTITCRASQDVSGWLAWYQQKPGLAPQLLIFGASTLQGEVPS
RFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQAKYFPYTFGRGTKLEIK
配列番号103 16P13 CD22 scFv VHヌクレオチド配列
CAAGTGCAGCTGCAGCAGTCCGGTCCTGGACTGGTCAAGCCGTCCCAGACTCTGAGCCTG
ACTTGCGCCATTAGCGGGAACTCAGTCTCGTCCAATTCGGCGGCCTGGAACTGGATCCGG
CAGTCACCATCAAGGGGCCTGGAATGGCTCGGGCGCACTTACTACCGGTCCAAATGGTAT
AACGACTACGCCGTGTCCGTGAAGTCCCGGATCACCATTAACCCCGACACCTCGAAGAAC
CAGTTCTCACTCCAACTGAACAGCGTGACCCCCGAGGATACCGCGGTGTACTACTGCGCA
CAAGAAGTGGAACCGCAGGACGCCTTCGACATTTGGGGACAGGGAACGATGGTCACAGTG
TCGTCC
配列番号104 16P13 CD22 scFv VHアミノ酸配列
QVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGNSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWY
NDYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAQEVEPQDAFDIWGQGTMVTV
SS
配列番号105 16P13 CD22 scFv VLヌクレオチド配列
GATATCCAGATGACCCAGAGCCCCTCCTCGGTGTCCGCATCCGTGGGCGATAAGGTCACC
ATTACCTGTAGAGCGTCCCAGGACGTGTCCGGATGGCTGGCCTGGTACCAGCAGAAGCCA
GGCTTGGCTCCTCAACTGCTGATCTTTGGCGCCAGCACTCTTCAGGGGGAGGTGCCATCA
CGCTTCTCCGGAGGTGGTTCCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTCCAGCCT
GAGGACTTCGCCACTTACTACTGCCAACAGGCCAAGTACTTCCCCTATACCTTCGGACAA
GGCACTAAGCTGGAAATCAAG
配列番号106 16P13 CD22 scFv VLアミノ酸配列
DIQMTQSPSSVSASVGDKVTITCRASQDVSGWLAWYQQKPGLAPQLLIFGASTLQGEVPS
RFSGGGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQAKYFPYTFGQGTKLEIK
配列番号107 Whitlowリンカーアミノ酸配列
GSTSGSGKPGSGEGSTKG
配列番号108 可動性鎖間リンカーアミノ酸配列
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
【配列表】