(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】ソナーシステム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/521 20060101AFI20240122BHJP
G01S 7/52 20060101ALI20240122BHJP
B63B 49/00 20060101ALI20240122BHJP
B63G 8/39 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
G01S7/521
G01S7/52 V
B63B49/00 B
B63G8/39
(21)【出願番号】P 2021521396
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(86)【国際出願番号】 EP2019075557
(87)【国際公開番号】W WO2020083587
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-08-15
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワーナン フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ボディリ マチュー
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04974213(US,A)
【文献】米国特許第09001623(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0154295(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0290716(US,A1)
【文献】特開平10-062521(JP,A)
【文献】特開2008-018899(JP,A)
【文献】特表2010-517862(JP,A)
【文献】米国特許第5402745(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/52- 7/64,
G01S 15/00-15/96,
B63B 49/00,
B63G 8/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
曳航体(2)を含むソナーシステム(1)であって、前記曳航体(2)が、第2のボディ(6)に接続された第1のボディ(5)を含み、前記第1のボディ(5)が、縦軸(l)に沿って伸長するものであり、前記縦軸(l)に沿って分散された多数の音響送信機を含む、ソナーシステム(1)であり、前記第2のボディ(6)に接続されたケーブル(4)を含み、そのケーブル(4)を介して、水上運搬船(3)が前記曳航体(2)を曳航することが意図される、ソナーシステム(1)であり、前記第1のボディ(5)が、前記第2のボディ(6)に対して回転軸(x)の周りを枢動するようにマウントされ、その結果、前記第1のボディ(5)が、前記第2のボディ(6)に対して前記回転軸(x)の周りを枢動することによって、動作位置から捕捉位置に切り替えることができ、前記曳航体(2)が完全に水中に沈んだ状態で前記運搬船(3)によって曳航されている際は、前記回転軸(x)が、実質的には前記曳航体(2)の移動軸であり、前記縦軸(l)が、前記第1のボディ(5)の前記動作位置では実質的には垂直位置にあり、前記第1のボディ(5)の前記捕捉位置では実質的には水平位置にある、ソナーシステム(1)。
【請求項2】
前記曳航体(2)が前記運搬船(3)によって曳航される際、前記回転軸(x)が、実質的には水平方向に伸びる、請求項1に記載のソナーシステム(1)。
【請求項3】
前記ケーブル(4)が、前記ケーブルが前記第2のボディ(6)の上方から前記曳航体(2)を引っ張るように、前記第2のボディ(6)に接続される、請求項1又は2に記載のソナーシステム(1)。
【請求項4】
前記回転軸(x)が、前記第1のボディ(5)の2つの縦軸方向の端部間で実質的には等距離に位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載のソナーシステム(1)。
【請求項5】
前記曳航体(2)が前記運搬船(3)によって曳航される際、及び、前記第1のボディ(5)が動作位置にある際、前記第1のボディ(5)が、前記回転軸(x)及び前記ケーブル(4)を含む垂直平面に対して実質的には対称であり、前記回転軸(x)を含む水平平面に対して実質的には対称である、請求項1~4のいずれか一項に記載のソナーシステム(1)。
【請求項6】
前記第1のボディ(5)の重心が、前記
回転軸(x)上に位置する、請求項1~5のいずれか一項に記載のソナーシステム(1)。
【請求項7】
前記第1のボディ(5)が、少なくとも1つの尾翼の第1のアセンブリであって、前記第1のボディ(5)が前記動作位置にある際には垂直位置にあり、安定化機能を有する、第1のアセンブリと、前記第1のボディ(5)が前記動作位置にある際には水平位置にある少なくとも1つの尾翼の少なくとも1つの第2のアセンブリとを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のソナーシステム。
【請求項8】
前記曳航体(2)が、負の浮力を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のソナーシステム。
【請求項9】
ハンドリング手段を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のソナーシステムであって、前記ハンドリング手段が、前記ケーブル(4)の引き込み及び繰り出しを行えるようにするためのウインチと、エンドストップ
(10)が提供された端部を含むアーム(9)とを含み、前記アーム(9)が、前記運搬船(3)に対して受取位置で維持することができ、前記受取位置では、前記エンドストップ
(10)が、水面に対して第1の高さで前記水面の上方に位置し、前記エンドストップ
(10)には前記ケーブルが通され、その結果、前記第2のボディ(6)が、前記ケーブルが巻き取られると、前記エンドストップ
(10)に衝合支持され、それにより、前記アームに対する前記第2のボディ(6)の上方移動が阻止され、前記アームが、前記運搬船(3)に対して移動可能であり、それにより、前記運搬船(3)に対して収納位置になるようにすることができ、前記収納位置では、前記曳航体(2)が、前記運搬船(3)に積み込まれ、前記第2のボディ(6)が、前記エンドストップ(10)に当接する、ソナーシステム。
【請求項10】
前記運搬船(3)を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のソナーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水上運搬船によってケーブルを介して曳航されることが意図されるいわゆる能動部品を含むタイプのソナーシステムの分野に関する。能動部品は、主に水平平面において音響波を送信するために、動作の際に実質的には垂直に伸びることが意図されるアンテナの縦軸に沿って伸長する音響波送信アンテナを含む。ソナーシステムは、従来の方式では、送信アンテナによって送信された音響波からの反響の検出を可能にする受信アンテナを含む。
【背景技術】
【0002】
このタイプのアンテナは、一般に、数メートルの長さを有するため、非常に嵩高いものとなり、それは、これらのアンテナの回収を可能にするために運搬船の後部に大きな開口部を設計しなければならないことを意味する。その上、メインデッキとトップデッキとの間に収納するには長過ぎる送信アンテナを格納できるようにするため、メインデッキに凹部を作成しなければならない場合が多い。
【0003】
図9に表される解決法が知られており、能動部品は、曳航される曳航体タイプ100のものである。この曳航体100は、送信アンテナ101及び重量ボディ102を含み、それはすなわち、負の浮力を有するということである。曳航体100が船によって曳航される際に、
図9に表されるようにアンテナが垂直位置にあるように、曳航体100は、流体力学的に形状設計され、平衡化され、ケーブル104に接続されている。曳航の間、重量ボディ102は、送信アンテナ101の前方に位置し、ケーブル104は、重量ボディ102の上方から曳航体を引っ張る。
【0004】
この曳航体100を最初に曳航し、運搬船内に回収できるようにするため、ソナーシステムは、ケーブルの引き込み及び繰り出しを行えるようにするためのウインチと、運搬船内に設置された回収アームであって、ケーブルを通すエンドストップがその端部に配置されたブームの形態を有する回収アームとを含む。曳航体を船内に回収するため、エンドストップは、水面のすぐ上に位置決めされる。回収段階は、捕捉段階を含み、捕捉段階の間、ウインチがケーブルを引き込み、ケーブルが曳航体を引き上げ、次いで、曳航体のボディがエンドストップに衝合支持される。次いで、エンドストップは、アームに対する曳航体の上方垂直移動を阻止する。次いで、エンドストップに対して曳航体をブロックした状態のまま、曳航体を持ち上げるためにケーブルを張った状態のまま、アームが傾斜され、次いで、運搬船の前方に向かって進み、船体に形成された開口部を通過させることによって運搬船内に曳航体を戻す。次いで、曳航体は、運搬船の中に格納される。
【0005】
曳航体の回収の間(捕捉から格納まで)、送信アンテナは常に垂直位置のままである。
【0006】
しかし、曳航体100の捕捉は、特に荒海の時は、無事には終わらない。捕捉の間、エンドストップは水面のすぐ上にあり、且つ、送信アンテナは垂直位置にあるため、アンテナの約半分が水面から出ていることになる。ここで、アンテナの半分を水面から引き上げることにより、曳航体に働く浮力が変わり、曳航体のトリムが変化するという影響が生じて後方に傾斜し、それにより、曳航体の適切な捕捉、船内への回収及び格納がさらに難しく且つ無作為になり得る。
【0007】
また、砕波(「Breaking waves」及び「breakers」)が送信アンテナの水面上の部分に衝突し、曳航体のリスト(横方向の傾き)を変化させることもあり、同様の結果をもたらす。
【0008】
その上、ケーブル長と関係する振り子運動(運搬船の運動及び1つ又は複数のプロペラからの渦によって励起される運動)、ヨー運動及びリスト運動の共役により、曳航体の良好な捕捉がさらに無作為になる。この運動は、飛行機パイロットには「ダッチロール」として知られており、排水路内のボールの運動に匹敵し得、捕捉段階の邪魔をする恐れがある。これらの無作為運動は、曳航体とエンドストップとの位置整合を妨げる恐れがあり、それにより、その捕捉が妨害され得る。曳航体は、例えば、エンドストップの片側又はエンドストップの後方においてブロックしたままにしておくことができる。
【0009】
これらの状況では、アンテナは、アンテナを損傷する恐れがある強烈な衝撃に脅かされる。これらの危機的状況を未然に防ぐため、ケーブルを十分に弛緩させ、新しい捕捉を試みる必要がある。
【0010】
例えば、米国特許第9,001,623号明細書及び国際公開第2017/035660号パンフレットの文献において開示されるものなど、大型垂直アンテナを有する他のタイプのソナーシステムも知られており、送信アンテナは、ボディを介してケーブルに接続される。これらのシステムは、ケーブルによって曳航される際、アンテナが垂直方向に伸びるように構成される。アンテナは、水中で曳航されるアンテナの移動軸に直角に、ボディに対して水平軸の周りを枢動させることができ、その結果、捕捉構成において、その全長がケーブル軸に平行に縦軸方向に伸びる。これらのシステムは、ケーブルを巻き取るだけで運搬船内に送信アンテナを戻せるようにする回収手段を含み、ケーブルは、ケーブル軸に沿って船に向けて曳航体を引っ張る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
その方法では、船に形成された開口部をアンテナが通過する際、船の軸を横断する平面においてその大きさが抑えられることにより、この開口部のサイズを抑えることができる。これらのデバイスは、荒海の場合に水面を出る際、単に2本のケーブル間で緩く張っただけでブロックされていないアンテナを砕波にさらすという欠点を提示し、開口部の通過に支障を来し、アンテナを衝撃にさらす恐れがある。そこで、アンテナの回収を指示するオペレータの介入が必要になるが、それは危険である。その上、一旦船内に積み込まれた、船の軸に沿って縦軸方向に伸びたそのような送信アンテナを収納するには、長々とした自由体積を有する後方の空間を提供することができる非常に長い運搬船が必要とされる。その上、この向きは、ケーブルからアンテナを切り離すことなく、すべてのケーブル及びアンテナを巻き取るドラムの周辺でのアンテナの収納には不都合である。その上、アンテナが垂直位置にある際、水平面は水平尾翼機能を有するため、アンテナ全長がケーブル軸に沿って縦軸方向に伸びる際は、それらの尾翼機能を保持しない。これらの表面は、アンテナの移動を制動するものになり、それにより、その流体力学的プロファイルが失われる。米国特許第9,001,623号明細書の文献のソナーシステムでは、送信アンテナは、長々としたボディを介してケーブルに接続され、アンテナはボディに収納され、それにより、この制動を制限するように形状設計される。また、このボディは、船内へのアンテナの回収の間にアンテナを保護する上でも役立つ。しかし、長々としたボディを船内に収納するのは難しく、それは、長い船を提供しなければならないことを意味する。その上、このボディは、その保守のための送信アンテナへのアクセス可能性を制限する。
【0012】
本発明の目的の1つは、前述の欠点の少なくとも1つを制限することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のため、本発明の対象物は、曳航体を含むソナーシステムであって、曳航体が、第2のボディに接続された第1のボディを含み、第1のボディが、縦軸に沿って伸長するものであり、縦軸に沿って分散された多数の音響送信機を含む、ソナーシステムである。ソナーシステムは、第2のボディに接続されたケーブルを含み、そのケーブルを介して、水上運搬船は、曳航体を曳航することが意図される。第1のボディは、第2のボディに対して回転軸の周りを枢動するようにマウントされ、その結果、第1のボディは、第2のボディに対して回転軸の周りを枢動することによって、動作位置から捕捉位置に切り替えることができる。曳航体が完全に水中に沈んだ状態で運搬船によって曳航されている際は、回転軸は、実質的には曳航体の移動軸であり、第1のボディの縦軸は、動作位置では実質的には垂直位置にあり、捕捉位置では実質的には水平位置にある。
【0014】
有利には、曳航体が運搬船によって曳航される際、回転軸は、実質的には水平方向に伸びる。
【0015】
有利には、ケーブルは、ケーブルが第2のボディの上方から曳航体を引っ張るように、第2のボディに接続される。
【0016】
有利には、回転軸は、第1のボディの2つの縦軸方向の端部間で実質的には等距離に位置する。
【0017】
有利には、第1のボディが動作位置にある場合には、ボディは、回転軸及びケーブルを含む垂直平面に対して実質的には対称であり、回転軸を含む水平平面に対して実質的に対称である。有利には、それは、曳航体が完全に水中に沈んだ状態で船によって曳航されている際に得られる。
【0018】
有利には、第1のボディの重心は、軸上に位置する。
【0019】
有利には、第1のボディは、少なくとも1つの尾翼の第1のアセンブリであって、第1のボディが動作位置にある際には垂直位置にあり、安定化機能を有する、第1のアセンブリと、第1のボディが動作位置にある際には水平位置にある少なくとも1つの尾翼の少なくとも1つの第2のアセンブリとを含む。有利には、それは、曳航体が完全に水中に沈んだ状態で船によって曳航されている際に得られる。
【0020】
有利には、曳航体は、負の浮力を有する。
【0021】
有利には、ソナーシステムは、ハンドリング手段を含み、ハンドリング手段は、ケーブルの引き込み及び繰り出しを行えるようにするためのウインチと、エンドストップが提供された端部を含むアームとを含み、アームは、運搬船に対して受取位置で維持することができ、受取位置では、エンドストップは、水面に対して第1の高さで水面の上方に位置し、エンドストップにはケーブルが通され、その結果、第2のボディは、ケーブルが巻き取られると、エンドストップに衝合支持され、それにより、アームに対する第2のボディの上方移動が阻止され、アームは、運搬船に対して移動可能であり、それにより、運搬船に対して収納位置になるようにすることができ、収納位置では、曳航体は、運搬船に積み込まれ、第2のボディは、エンドストップに当接する。
【0022】
ソナーシステムは、有利には、運搬船を含む。運搬船は、有利には、ケーブルを介して曳航体に接続される。
【0023】
本発明の他の特徴、詳細及び利点は、添付の図面を参照して提供される説明を読み進めると、明らかになるであろう。添付の図面は、例として与えられ、以下をそれぞれ表す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明によるソナーシステムを概略的に表す。
【
図2】本発明によるソナーシステムの曳航体の例を概略的に表し、アクチュエータ及び送信機が透明性を利用して見えるようになっており、曳航体は動作位置にある。
【
図3】本発明によるソナーシステムの曳航体の例を概略的に表し、曳航体は動作位置にある。
【
図5】捕捉ステップの間のソナーシステムの斜視図を概略的に表し、ハンドリング手段のアームは、捕捉位置にある。
【
図6】
図5のソナーシステムの側面図を概略的に表す。
【
図7】
図5のアームが移行位置にある際のソナーシステムの斜視図を概略的に表す。
【
図8】アームが収納位置にある際のソナーシステムの側面図を概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図から図へと、同じ要素は、同じ参照番号によって識別される。
【0026】
【0027】
このソナーシステム1は、水上運搬船3によってケーブル4を介して曳航されることが意図される曳航体2を含む。水上運搬船3は、水面上(例えば、水面上のみ)を周回することが意図される。運搬船3が曳航体2を曳航する際、運搬船3は、船の軸に沿って、非ゼロ速度で前方に進む。曳航体2は、運搬船3の後方で曳航され、同様に前方に進む。
【0028】
曳航体2は、第2のボディ6に接続された第1のボディ5を含み、第2のボディ6により、第1のボディ5がケーブル4に接続される。
【0029】
ボディ6は、ケーブル4をボディ6に接続できるようにするための取付手段を介して、ケーブル4に接続される。
【0030】
曳航体2は負の浮力を有する。この負の浮力は、有利には、低曳航速度で一定の深さに曳航体を沈めるためのものである。
【0031】
第1のボディ5は、縦軸lに沿って伸長する形状を有する。
【0032】
第1のボディ5は、
図2に表されるように、縦軸lに沿って隣接する多数の音響送信機Eを含む。音響送信機Eは、例えば、音響波送信アンテナを形成する。音響送信機Eは、例えば、その中心が軸lを通過するリングの形状又は軸lの管の形状を有する。
【0033】
アンテナ及び音響送信機Eは、第1のボディ5が完全に水中に沈んでいる際に動作することが意図される。第1のボディ5は、運搬船3よりさらに深くに位置する。
【0034】
本発明によれば、第1のボディ5は、第2のボディ6に対して、第2のボディ6に不可欠な回転軸xの周りを枢動するようにマウントされ、その結果、第1のボディは、第2のボディ6に対して、
図2及び3に見られるように、動作位置にすることができ、また、
図4に見られるように、捕捉位置にすることができる。第1のボディ5は、第2のボディ6に対して回転軸xの周りを回転することによって動作位置から捕捉位置に切り替える。これらの位置は、第2のボディ6に対する第1のボディ5の回転軸xの周りの角度位置である。
【0035】
有利には、第1のボディ5は、動作位置から捕捉位置への切り替えの際に変形しないか、又は、これらの位置の両方において同じ形態を取る。
【0036】
図3及び4に表される直交基準座標系x、y、zは、第2のボディ6と関係する基準座標系であり、3つの直交軸x、y、zを含む。
図3及び4に表される直交基準座標系X、Y、Zは、地球と関係する直交基準座標系であり、軸Zは、垂直軸であり、軸X及びYは、水平平面を定義し、運搬船3は、軸Xに沿って移動する。
【0037】
曳航体2が完全に水中に沈んだ状態でケーブル4を介して船3によって曳航される際に、動作位置のアンテナの縦軸lが、軸zに沿って配向され、
図3に表されるように、実質的には垂直位置にある(地球の基準座標系の垂直軸Zに沿って配向される)ように、曳航体2は、流体力学的に形状設計され、平衡化され、ケーブル4に接続されている。また、曳航体2が完全に水中に沈んだ状態で運搬船3によって曳航される際に、回転軸x及び軸yが実質的には水平方向に伸びることが意図されるように、曳航体2は、流体力学的に形状設計され、平衡化され、ケーブル4に接続されている。
【0038】
曳航体2が完全に水中に沈んだ状態で運搬船3によって曳航される際、曳航体2は、運搬船3よりさらに深くに位置する。
【0039】
回転軸xは、曳航体2が運搬船3によって曳航される際は、曳航体2の移動軸である。
【0040】
曳航体2が既定の深さで周回している際に、曳航体2の移動軸が実質的には水平方向にあるように、曳航体2は、流体力学的に形状設計され、平衡化され、ケーブルに接続されている。曳航体2は、ウインチから曳航体を切り離すケーブル4の長さが設定されている際や、水上船が定速で直線を移動している際は、既定の深さで移動する。従って、曳航体2の移動軸は、運搬船3の移動軸と実質的には平行である。
【0041】
有利には、動作位置から捕捉位置に切り替えるため、第1のボディ5は、第2のボディ6に対して回転軸xの周りをπ/2ラジアンの角度で枢動する。
【0042】
曳航体の平衡化は、曳航体の重量の分散によって定義される。
【0043】
図4に見られるように、第1のボディ5が捕捉位置にあり、完全に水中に沈んでいる曳航体2が運搬船3によって曳航される際は、縦軸lは、実質的には水平方向にある。
【0044】
また、ソナーシステム1は、アクチュエータも含み、アクチュエータにより、第1のボディ5を動作位置から捕捉位置に切り替えるため(その逆も同様)、第1のボディ5は、第2のボディ6に対して軸xの周りを枢動することができるようになる。
【0045】
従って、運搬船3に近づく際に第1のボディ5が捕捉位置にある曳航体2は、垂直方向の大きさが抑えられており、それにより、運搬船3の船体において、軸Zにおいて高さが抑えられた開口部8の形成が可能になる。ここでは、運搬船の船体において、大きな高さを有する開口部よりも、軸yにおいて大きな寸法を有する開口部の方が形成し易い。大きな高さを有する開口部は、船のデッキを通過する必要があり、それにより、例えば、デッキに開口部を形成することによる船の構造の改造が必要とされる(船が構築着手時からこの制約を考慮して設計されていない場合は、高さが大きなドアを構築することは、ほとんど不可能である)。
【0046】
その上、この解決法により、曳航体2の格納が容易になる。実際に、第1のボディ5は垂直方向の大きさが抑えられているため、船のデッキ上に凹部を形成する必要はない。
【0047】
第1のボディ5が捕捉位置にある際、曳航体2が船内に回収された時点で、運搬船3の縦軸に沿った曳航体2の長さは抑えられており、曳航体の格納には有益である。実際に、軸xにおいて大きな長さを有し、且つ、軸yにおいて小さな幅を有する曳航体よりも、軸xにおいて長さが抑えられた大型曳航体の方が格納し易い。従って、本発明は、非常に長いアンテナの格納に対して、運搬船の縦軸におけるアンテナのコンパクト性の観点から、特に有利である。
【0048】
軸yにおいて第1のボディ5を折り畳むことにより、その保守のための第1のボディ5への容易なアクセスが可能になる。
【0049】
船3内に曳航体2を回収する前に第1のボディ5を動作位置から捕捉位置に切り替えることにより、この解決法は、軸Zにおける曳航体2の高さ(より具体的には、その水中に沈んだ部分の高さ)の大幅な低減を可能にする。次いで、曳航体2に働く且つ曳航体2を不安定化する無作為な力(砕波と関係する)がかなり低減される。それは、曳航体2の回収に有利に働き、荒海の状況での曳航体の回収の段階における曳航体2と船3との間の衝突のリスクを抑える。
【0050】
また、提案される解決法は、
図9に表されるもののタイプの先行技術の解決法にも適合し、運搬船3内への曳航体2の回収の前に曳航体2の捕捉が可能なタイプの曳航体2に対するハンドリング手段を含む。このタイプのソナーシステムは、衝撃及びオペレータ介入のリスクを抑えることによって船内への曳航体2の回収の促進を可能にする。
【0051】
第1のボディ5は、新しい、ますます急速な及び静かな海底の脅威の検出を可能にする音響性能レベルを得るために、数メートル(2メートル程度又はそれ以上)の長さを有し得る。これらの大型アンテナは、必ずしも重さが増すとは限らないが、確かにより大きな二次モーメント(又は極慣性)を有し、それにより、曳航体の移動速度が落ちるが、それらの大型アンテナは非常に魅力的である。
【0052】
本発明は、曳航体の安定性に役立つように、曳航体の捕捉段階の間の曳航体の慣性行列の修正を可能にする。実際に、その縦軸が軸yに沿って伸びるようにアンテナをスイベル回転することにより、Zにおける曳航体の慣性がかなり増大する(Zにおけるその高さを低減することによって)。Zにおける大きな表面モーメントは、水中に沈んだ状態での規定通りのナビゲーションの間に望ましくない影響を与えることはないが、曳航体の回収時に、ケーブルの長さが原因で、軸Z上の周波数に近い振り子周波数が共役によって励起できる際は、厄介であることが判明している。従って、曳航体は、直線を航行できるようになるには程遠く、難しい捕捉段階が失敗する可能性がある。
【0053】
Yにおいて曳航体のアンテナをスイベル回転することにより、Zにおける表面モーメントがかなり低減し、それは、ヨー安定性にとって、延いては、船積みする前に曳航体の捕捉を可能にする任意の可能な曳航体ハンドリング手段との位置合わせにとって及び/又は開口部8との位置合わせにとって有益である。また、Yにおける平均慣性も低減される。利点は、Yにおける(砕波による)応力をほとんど又はもはや全く受けず、すべてのアンテナが水中にあることを理由にYにおける高い流体力学的減衰が起こり、慣性の低減を呈する曳航体が得られることである。そのアセンブリは、リスト及びロール運動がもはやほぼ存在しないことを意味する。
【0054】
アクチュエータ200は、有利には、第1のボディ5を動作及び捕捉位置にブロックすることができる。例えば、アクチュエータ200は、回転式モータである。
【0055】
変形形態では、ソナーシステムは、第2のボディ6に対して第1のボディ5を捕捉及び動作位置に保持できるようにするためのブロック手段を含む。アクチュエータは、曳航体が水中に沈んだ状態で水上運搬船3によって曳航される際に、動作位置から捕捉位置への切り替え(有利には、必ずとは限らないが、その逆も同様)を保証することができる。
【0056】
第2のボディ6は、曳航体2を曳航している間、ケーブル4が上方から第2のボディ6を引っ張るように、ケーブル4に接続される。言い換えれば、ケーブル4は、第2のボディ6の部分S6に固着されるか、又は、曳航体2を曳航している間に水面に向けることが意図される部分(すなわち、第2のボディ6の裏面)に接続される。
【0057】
有利には、第2のボディ6は、運搬船3によって曳航されている間、曳航体の移動方向の曳航体2の移動軸に沿って第1のボディ5の前方に位置する。
【0058】
また、ソナーシステム1は、ハンドリング手段7も含み、ハンドリング手段7により、最初に運搬船3によって曳航された曳航体2を、船体に形成された開口部8を通過させることによって、運搬船3内に回収することができる。その逆も同様であり、最初に船3から降ろされる際に、曳航体2を水中に入れることができる。
【0059】
ハンドリング手段は、船3内に積み込まれたウインチ70を含み、ウインチ70は、曳航体2を船3に向けて引っ張れるようにケーブル4を巻き取ることや、運搬船3から曳航体を遠ざけるようにケーブル4を繰り出すことができる。
【0060】
図5に見られるように、ハンドリング手段7は、運搬船3に曳航体を船積みする前に、曳航体を捕捉し、運搬船3の船体に形成された開口部8を通過させることによって曳航体を運搬船3に戻すこと又はより一般的には船内に積み込むことができるようにすることができる。「曳航体2を捕捉する」ということは、運搬船3に対して少なくとも上方垂直軸における曳航体の移動を阻止することを意味すると理解される。ハンドリング手段は、運搬船3に積み込まれている。
【0061】
図5の非限定的な実施形態では、ハンドリング手段7は、アーム9と、ケーブル4を通すエンドストップ10とを含み、エンドストップ10には、ケーブル4が巻き取られる際、曳航体2の移動(少なくともアーム9に対する軸Zにおける上方の並進移動と、恐らくは、アーム9に対する軸Zの周りの回転)を防ぐように、第2のボディ6が衝合支持されることが意図される。ケーブル4の張力により、エンドストップ10に対して第2のボディ6が保持される。
【0062】
エンドストップ10は、例えば、ケーブルを通すスリット又は穴を含む。エンドストップ10は、例えば、ケーブル4を通すスリットによって分離される2つのローラを含む。ローラは、例えば、アームに対して軸の周りを枢動することができ、その軸は、アームが捕捉位置にある際は水平位置にある。
【0063】
アーム9は、
図5及び6に見られるように、捕捉位置に保持することができ、捕捉位置では、エンドストップ10は、海面に対して第1の高度(例えば、実質的には海面)まで伸び、
図7に見られるように、移行位置では、エンドストップ10は、海面に対して捕捉位置より高い高度まで伸びる。アーム9は、例えば、移行位置から捕捉位置に(その逆も同様)切り替えるために、船3に対してスイベル回転することができる。アーム9は、穏やかな海では、船に対してYに平行な軸の周りを回転することによって、例えば、捕捉位置から移行位置に切り替わる。ソナーシステム1は、例えば、第1のアクチュエータ210を含み、第1のアクチュエータ210により、アーム9は、捕捉位置から移行位置へと船のデッキに対してスイベル回転し、これらの位置で保持することができる。
【0064】
アーム9は、移行位置から収納位置へのアームの切り替えを行うことができるように、船3に対して移動可能であり、収納位置では、曳航体2は、
図8に見られるように、エンドストップ10に当接して、船3内に積み込まれる。
【0065】
移行位置から収納位置への切り替えは、例えば、運搬船3の縦軸におけるアーム9の並進移動によって得られる。次いで、ソナーシステムは、例えば、この軸に沿ってアームの誘導を可能にするガイド220を含む。ソナーシステムは、例えば、移行位置から収納位置への切り替えの保証を可能にする別のアクチュエータを含む。
【0066】
曳航体2は、例えば、アーム9が移行位置から収納位置に切り替えた際に、船3の船体に形成された開口部8を通過することによって、運搬船3内に積み込まれる。
【0067】
第1のボディ5がその回収前に捕捉位置から切り替わる際、曳航体2の捕捉段階の間にハンドリング手段7によって曳航体2がエンドストップに衝合支持されるように水面に近付く際は、第1のボディ5は、ほとんど水中に沈んだ状態のままであり、それにより、曳航体2に働く浮力が一定のままであるため、捕捉前に、その移動軸を含む垂直平面における曳航体2のスイベル回転のリスクを抑えることができる。エンドストップ10が第2のボディ6を受け取るように構成される際、例えば、エンドストップ10が実質的には第2のボディ6の形状に相補的な形状(例えば、サドル形状)を有する際は、曳航体2の捕捉に有利に働き、ケーブル4が巻き取られると、第2のボディ6は、自然にエンドストップ10に面するように配置される。また、この解決法は、エンドストップへの衝突の危険性が限られており、送信アンテナの損傷のリスクを抑える。
【0068】
また、提案される解決法は、曳航体の前部にケーブルが固着されるか又は接続されるソナーシステムであって、曳航体の移動軸が、実質的には、曳航体へのケーブルの固着ポイントの近くまで曳航体を引っ張るケーブルの一部の軸である、ソナーシステムにも適合する。そのソナーシステムでは、ハンドリング手段は、ケーブルの巻き取り及び繰り出しを可能にする船内に積み込まれたウインチと、運搬船の後部に位置する水平平面に対して傾斜したランプとを含み、その結果、傾斜したランプを滑動することによって曳航体が運搬船に船積みされるまで、ケーブルによって曳航体2を前方に引っ張り、ウインチによってケーブルを巻き取ることによって、曳航体2を運搬船3内に積み込むことができる。
【0069】
また、提案される解決法は、その軸がウインチの回転軸に平行であるため、ドラム上の第1のボディ5の格納の促進も可能にする。また、それにより、第1のボディ5の全長にわたって第1のボディ5をウインチに圧接して保持することもできる。
【0070】
図3に見られるように、第1のボディ5は、第1の縦軸方向の端部E1から第2の縦軸方向の端部E2まで、軸lに沿って縦軸方向に伸びている。
【0071】
有利には、図に表されるように、回転軸は、縦軸lにおいて、第1のボディ5の縦軸方向の端部E1と縦軸方向の端部E2との間で実質的には等距離に位置する。この特徴により、動作位置から捕捉位置への切り替えの間、第2のボディ6に対する第1のボディ5のセンタリングを維持することができ、それは、一定のトリムの維持に有利に働く。
【0072】
変形形態では、縦軸は、縦軸lに沿った2つの縦軸方向の端部D1及びD2から異なる距離にある。
【0073】
有利には、完全に水中に沈んでいる曳航体2が運搬船3によって曳航され、第1のボディ5が動作位置にある際は、第1のボディ5は、回転軸xを含む垂直平面及び回転軸xを含む実質的には水平平面に対して対称である。言い換えれば、第1のボディ5は、動作位置において、縦軸l及び回転軸xによって定義される第1の平面に対して対称であり、また、その軸を含み、この第1の平面に直角の平面に対して対称でもある。従って、第1のボディ5は、捕捉位置においても、これらの2つの平面に対して対称である。言い換えれば、完全に水中に沈んでいる曳航体2が運搬船3によって曳航され、第1のボディ5が捕捉位置にある際にも、第1のボディ5は、これらの2つの平面に対して対称である。それにより、捕捉位置から動作位置への切り替えの間に、抗力によって誘起されるトルクは変化しないため、抗力と関係する流体力学的な不均衡が生じないようにすることができる。変形形態では、第1のボディは、これらの2つの平面のうちの1つに対して又はこれらの両方の平面に対して非対称である。
【0074】
有利には、第1のボディ5の重心は、軸x上に位置する。従って、この重心の位置は、捕捉位置から動作位置への切り替えの際には変化しない。それにより、捕捉位置から動作位置への切り替えの際に重力の不均衡が生じないようにすることができる。変形形態では、第1のボディ5の重心は、軸xから離れた所に位置する。
【0075】
有利には、第1のボディ5は、第1のボディ5が動作位置にある際には、例えば、安定化機能を有する、垂直位置にある少なくとも1つの尾翼V1、V2の第1のアセンブリと、第1のボディ5が動作位置にある際には、水平尾翼を有する少なくとも1つの尾翼H1、H2の第2のアセンブリとを含む。第1のボディ5が動作位置にある際、少なくとも1つの尾翼V1、V2の第1のアセンブリは、ヨー方向における曳航体2の安定化の機能を有し、少なくとも1つの尾翼H1、H2の第2のアセンブリは、ピッチ方向における曳航体2の安定化の機能を有する。従って、第1のボディ5が捕捉位置にある際は、少なくとも1つの尾翼Vの第1のアセンブリは、ヨー方向における曳航体2の安定化の機能を有し、第1のボディ5が動作位置にある際は、少なくとも1つの尾翼Hの第2のアセンブリは、ピッチ方向における曳航体2の安定化の機能を有する。言い換えれば、尾翼は、両方の位置(動作と捕捉)において、一方の位置の垂直尾翼が他方の位置の水平尾翼になる(その逆も同様)という尾翼機能を保持する。変形形態では、第1のボディ5は、第1のボディ5が動作位置にある際は、垂直尾翼を有さない、及び/又は、第1のボディ5が動作位置にある際は、水平尾翼を有さない。
【0076】
図の実施形態では、
図3に見られるように、第1のボディ5は、曳航体2が曳航されている動作位置では垂直位置にある構造51、52を含む。構造51、52は、上方垂直尾翼V1及び下方垂直尾翼V2を形成し、同一平面上にあり、軸xのいずれかの側に位置する。
図3の動作構成では、垂直尾翼V1は、垂直尾翼V2に対して、軸xを含む水平平面の他方の側の、垂直尾翼V2より下方の深さに位置する。
【0077】
尾翼V1は、
図4の捕捉位置では、尾翼に対して、軸xを含む垂直平面の他方の側に位置する。
【0078】
尾翼V1及びV2は、
図3の動作位置では、有利には、軸xを含む水平平面(この平面は、x-y平面でもある)に対して、互いに実質的に対称になるように配置される。次いで、尾翼V1及びV2は、
図4の捕捉位置では、軸xを含む垂直平面(この平面は、x-z平面でもある)に対して、互いに実質的に対称である。変形形態では、尾翼は、動作位置では、軸xを含む水平平面に対して、互いに対称ではない。
【0079】
尾翼V1及びV2の各々は、
図3の動作位置では、有利には、軸xを含む垂直平面(この平面は、x-z平面でもある)に対して、実質的に対称になるように配置される。次いで、尾翼V1及びV2の各々は、
図4の捕捉位置では、軸xを含む水平平面(この平面は、x-y平面でもある)に対して、実質的に対称である。変形形態では、2つの尾翼の少なくとも1つは、動作位置では、軸xを含む垂直平面に対して非対称である。
【0080】
構造51、52には、フェアリングRが提供され、フェアリングRは、左舷部分Rb及び右舷部分Rt(
図3の動作位置)を含み、それにより、送信機Eの範囲が定められ、尾翼V1及びV2の突起部分が形成される。これらのフェアリングRb、Rtは、それらの水平面H1b、H1t及びH2b、H2tによって、水平尾翼の機能を果たす。
【0081】
各フェアリングRb又はRtは、有利には、Rbに対する尾翼H1b、H2bと、Rtに対するH1t、H2tとを含み、これらの尾翼は、
図3の動作位置にある際のものである。
【0082】
第2のボディ6は、例えば、翼61及び62を含み、翼61及び62は、例えば、曳航速度増加時には下向き揚力機能を有する。
【0083】
提案される解決法は、
図9に表される重量ボディのタイプの第2のボディと適合するという利点を有する。
図9の重量ボディ102は、第1のボディを収納できるようにその中に開口部を形成するように全体的に改造する必要はない。
【0084】
提案される解決法の曳航体2は、2つの位置(動作と捕捉)におけるその長さが抑えられており、それにより、運搬船内への格納が容易になる。
【0085】
また、本発明は、初期の位置から運搬船内に曳航体2を回収するための方法にも関し、初期の位置では、初期の深さで完全に水中に沈んでいる曳航体2が水上運搬船によって曳航され、第1のボディが動作位置にあり、方法は、
- 初期の深さより浅い第2の深さで曳航体が完全に水中に沈んでいる間に、第1のボディ5を軸xの周りで回転させて捕捉位置にするステップと、
- それに続いて、曳航体2を水面から引き上げるステップ及び曳航体2を運搬船内に積み込むステップと
を含む。
【0086】
有利には、曳航体を水面から引き上げて、運搬船内に積み込むステップの間は、第1のボディ5は、捕捉位置にある。
【0087】
有利には、回転ステップは、曳航体の深さにより効果的なソナー送信がもはや可能ではない際、且つ、明確に、プロペラ又は他の任意の推進システムの伴流に巻き込まれる前に実施される。
【0088】
回転ステップは、例えば、曳航体が10メートル~20メートルの深さに位置する際に実施される。
【0089】
有利には、方法は、回転ステップの前に、曳航体が初期の深さから回転を実行するために必要な深さである第2の深さに移行するようにケーブルを巻き取るステップを含む。
【0090】
図の実施形態では、第1のボディ5はすべて第2のボディ6に対して軸xの周りで回転駆動されるように、第1のボディ5はすべて、単一の枢動リンクによって第2のボディ6に接続される。
【0091】
変形形態では、第1のボディ5は、2つの別個の枢動リンクによって第2のボディ6に接続された2つの部分を含み、その結果、これらの部分は、第2のボディ6に対して、互いに独立して軸xの周りを枢動することができる。
【0092】
ケーブル4は、有利には、ケーブルが実質的には軸x上の曳航体2の重心と同じ座標の引っ張りポイントで曳航体を引っ張ることが意図されるように、曳航体2に接続される。それにより、曳航体が完全に水中に沈んだ状態で運搬船3によって曳航される際に、曳航体の実質的には水平方向のトリムを得ることができる。変形形態では、ケーブル4は、ケーブルが実質的には軸xに沿った曳航体2の重心から離れた所にある引っ張りポイントで曳航体を引っ張ることが意図されるように、曳航体2に接続される。
【0093】
ケーブル4は、有利には、ケーブルが実質的には軸y上の曳航体2の重心と同じ座標の引っ張りポイントで曳航体を引っ張ることが意図されるように、曳航体2に接続される。変形形態では、ケーブル4は、ケーブルが実質的には軸y上の曳航体2の重心から離れた所にある引っ張りポイントで曳航体を引っ張ることが意図されるように、曳航体2に接続される。
【0094】
ケーブル4は、有利には、曳航体2が完全に水中に沈んだ状態で船3によって曳航される際に、ケーブルが実質的には曳航体の重心の深さより下方の深さであることが意図される引っ張りポイントで曳航体を引っ張ることが意図されるように、曳航体2に接続される。それにより、ある一定のロール戻しトルクを得ることができ、その結果、ゼロリストが得られ、実質的には水平方向のトリムを得ることに関与する。変形形態では、引っ張りポイントは、曳航体3が完全に水中に沈んだ状態で船3によって曳航される際は、曳航体の重心の深さより深い所又はその深さと等しい深さにあることが意図される。