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特許7423633物品の周りにフィルムを包装するための包装機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】物品の周りにフィルムを包装するための包装機械
(51)【国際特許分類】
   B65B 11/12 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
B65B11/12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021534231
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 IB2019060667
(87)【国際公開番号】W WO2020128731
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102018000011148
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521257880
【氏名又は名称】シー.エム.シー. エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ポンティ,ジュゼッペ
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-059306(JP,A)
【文献】実開昭58-121802(JP,U)
【文献】米国特許第04679379(US,A)
【文献】特開2017-081573(JP,A)
【文献】特開平11-029108(JP,A)
【文献】特表2018-514474(JP,A)
【文献】特開2014-076850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の物品を包含した梱包(B)を形成するために、物品(A)の周りにフィルム(P)を包装するための包装機械(M)であって、
搬送方向(D)に従って、フィルムによって巻かれる物品(A)を受け取り、搬送するよう構成された、搬送手段(1)と、
前記搬送手段(1)に連続的に配置された、吸引搬送ベルト(2)と、
フィルム(P)の供給ステーション(3)であって、フィルム(P)が巻かれるリール(30)ならびに供給及びリレイ手段(31)を備え、前記供給及びリレイ手段(31)は、前記フィルム(P)を、前記搬送手段(1)及び前記吸引搬送ベルト(2)の間に、前記物品(A)の前記搬送方向(D)に対して横断して送り、前記フィルム(P)の、相対的中央部(PC)を前記吸引搬送ベルト(2)の上に載せ、かつ側方部(PL1、PL2)を前記中央部(PC)に対して側方に前記吸引搬送ベルト(2)から突出させ、前記搬送手段(1)によって搬送される前記物品(A)は、前記吸引搬送ベルト(2)の上に載せて配置された前記フィルム(P)の前記中央部(PC)の上に配置され、かつ前記相対的中央部(PC)の上に配置された前記物品(A)を伴う前記フィルム(P)を、前記吸引搬送ベルト(2)によって吸引することによって保持して、前記搬送方向(E)に前進させることができる、フィルム(P)の供給ステーション(3)と、
前記吸引搬送ベルト(2)から側方に突出した、前記フィルム(P)の前記側方部(PL1、PL2)に当接して折り込めるよう、前記吸引搬送ベルト(2)に対して配置及び構成された、折込手段(4)と、
前記吸引搬送ベルト(2)の上方に取り付けられているフレーム(5)であって、前記フィルム(P)の前記中央部(PC)の上で前記吸引搬送ベルト(2)によって搬送される前記物品(A)の通過のためのトンネル(T)を画定するよう成形され、前記吸引搬送ベルト(2)から側方に突出した、前記フィルム(P)の前記側方部(PL1、PL2)に当接するよう、成形及び構成された前記折込手段(4)は、前進する間に、前記フィルム(P)の前記側方部(PL1、PL2)を、前記フィルム(P)の2つの側方折込部(L1、L2)を重ね合わせるよう、前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)の周りに、前記フィルム(P)の前記側方部(PL1、PL2)を折り込んで、前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)の周りに巻かれたフィルムチューブ(TB)を形成する、フレーム(5)と、
前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)の上方に位置付けられ、前記フィルム(P)における2つの前記側方折込部(L1、L2)のうち一方に、互いに重ね合わせる前に接着剤を適用するよう構成された、接着剤適用手段(6)と、
加熱溶着及び切断手段(7)であって、前記吸引搬送ベルト(2)の中断部において、前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)の下流に位置付けられ、前記フィルム(P)の加熱溶着及び切断を実現して、内部に前記物品を包含する梱包(B)を得るよう、前記フィルムチューブ(TB)における物品(A)の位置に対して、初めに前方で、次に後方で前記フィルムチューブ(TB)を締め付けるために作動可能な、加熱溶着及び切断手段(7)と
を備える、包装機械(M)であって、
前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)に沿って配置され、前記トンネル(T)の内側における前記物品(A)の通過を検出するよう、及び前記物品(A)間の距離を検出するよう構成された、写真検出手段(96)であって、前記写真検出手段(96)が、2つの連続した物品間の距離が、所定の最小距離未満であることを検出した場合、前記加熱溶着及び切断手段(7)が動作できないように構成される包装機械(M)。
【請求項2】
前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)は、前記吸引搬送ベルト(2)の側部に沿って配置された側壁(51、52)、及び前記側壁(51、52)の間の少なくとも上壁(53、54)を備え、前記フィルム(P)の2つの前記側方折込部(L1、L2)を互いに重ね合わせて、前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)の周りに巻かれた前記フィルムチューブ(TB)を形成するよう、前記折込手段(4)は、前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)の前記側壁(51、52)及び前記上壁(53、54)の周りに、前記フィルム(P)の前記側方部(PL1、PL2)を折り込むよう構成される、請求項1に記載の包装機械(M)。
【請求項3】
前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)の前記側壁(51、52)は、固定下部(510、511)、及び前記固定下部(510,511)に移動可能に取り付けられ、かつ少なくとも上壁(53、54)を支える、可動上部(520、521)を備え、それによって前記固定下部(510,511)に対する前記可動上部(520、521)の位置を、前記吸引搬送ベルト(2)に対する前記上壁(53、54)の距離を変化させることで、前記トンネル(T)の高さを変えるよう調節及び変化させることができる、請求項2に記載の包装機械(M)。
【請求項4】
前記フィルムチューブ(TB)と前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)との間に、エアクッションを作り出すための手段(9)を備える、請求項1~3のうちいずれか一項に記載の包装機械(M)。
【請求項5】
エアクッションを作り出すための前記手段(9)は、パイプ(91)を備え、前記パイプ(91)は、圧縮空気源に接続され、空気の通路のための一連の穴(92)が設けられ、前記穴(92)から出る空気ジェットを、前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)に対して折り込まれたフィルム(P)の部分に向けて導けるよう配置される、請求項4に記載の包装機械(M)。
【請求項6】
エアクッションを作り出すための前記手段(9)は、閉じたループ状に巻かれ、かつ前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)の上方に配置された、吸引バンド(93)を備え、前記吸引バンド(93)は、前記トンネル(T)に成形したフレーム(5)の上に折り込まれた前記フィルム(P)の部分を、吸引によって保持するような位置で、前記吸引搬送ベルト(2)を介して前記フィルム(P)の前進と同調するように、前記フィルム(P)を伴うのを可能にするよう作動可能である、請求項4または5に記載の包装機械(M)。
【請求項7】
前記接着剤適用手段(6)は、少なくとも接着剤分配器(61)と、優先的に前記フィルム(P)の重ね合わされた前記側方折込部(L1、L2)に当接して、それらの互いの接着を促進させるように、前記フィルム(P)の前記搬送方向(E)に対して前記接着剤分配器(61)の下流に予め配設された、固定当接要素(62、63)と、前記フィルム(P)における2つの前記側方折込部(L1、L2)の上方に位置付けるために、前記吸引搬送ベルト(2)を停止させる場合に作動可能で、前記側方折込部(L1、L2)を互いに重ね合わせて維持することで、前記フィルムチューブ(TB)を閉じたままにするための、少なくとも可動当接要素(64)と、を備える、請求項1~のうちいずれか一項に記載の包装機械(M)。
【請求項8】
前記吸引搬送ベルト(2)の下に予め配設された、吸引要素(25)をさらに備え、それによって前記吸引搬送ベルト(2)は、その上に配置された前記フィルム(P)の前記中央部(PC)を、前記搬送方向(E)に沿った前記フィルム(P)の移動中に吸引によって保持する、請求項1~のうちいずれか一項に記載の包装機械(M)。
【請求項9】
前記搬送手段(1)の開始部分に位置付けられ、前記物品(A)に適用された識別コードを検出及び識別するよう構成された識別手段(81)が設けられた、物品装入ステーション(8)を備える、請求項1~のうちいずれか一項に記載の包装機械(M)。
【請求項10】
前記搬送手段(1)に沿って配置され、前記物品(A)の高さを検出するよう構成された、検出手段(82)であって、前記搬送手段(1)は、前記検出手段(82)が、前記トンネル(T)の高さよりも大きい高さを有する物品の通過を検出したとき、停止するよう構成される、請求項1~のうちいずれか一項に記載の包装機械(M)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品をフィルムで包むことによる、物品の梱包についての技術分野に関する。
【0002】
詳細には、本発明は、単一の物品を包含する閉じた梱包(B)を形成するために、物品(A)の周りにフィルム(P)を包装するための包装機械(M)に関する。
【背景技術】
【0003】
この特定の技術分野において、物品の周りにフィルムを巻いて、閉じた梱包の形成を実施することは、梱包に使用されるフィルムが通常はセロハンであることから、「セロハン包装機械」として一般的に知られている。
【0004】
セロハン包装機械において、物品は搬送手段上を順次前進させられ、その一方でセロハンは関連のリールから繰り出され、供給手段によって搬送手段の端部へ、物品の前進方向を横切って送られる。
【0005】
セロハン包装機械は、セロハンの中央部が、物品の搬送手段に連続的に配置された吸引搬送ベルトに接触するよう、かつ、フィルムの側方部が搬送手段から側方突出部に残るよう、セロハンの配置のためのリレイ(中継)手段を備える。
【0006】
吸引搬送ベルト上に配置されたセロハンの中央部の上で、物品を搬送するよう、物品は、搬送手段によって前進されられる。
【0007】
次に吸引搬送ベルトは、関連の中央部上に配置された、物品を伴うセロハンを動かして、吸引によってセロハンを保持し、上に配置されたセロハン及び物品の両方を移動方向へ同時に動かす。
【0008】
包装される物品の寸法、特にそれらの高さに基づいて、固定折込器官は、搬送ベルトに対して側方に位置される。固定折込器官は、搬送ベルトに対して、物品の高さに対応した所定の高さで配置され、それによって搬送ベルトから突出したセロハンの側方部に当接し、これら側方部を物品の上方で折り込み、関連の折込部に順次重ねて、物品の周りを包装するある種のチューブを形成する。
【0009】
接着剤適用手段は、搬送ベルトの上方に位置付けられる。接着剤適用手段は、2つのセロハン折込部のうち一方に接着剤を適用するよう構成され、当接手段は、接着剤シールによって重ね合わされた2つのセロハン折込部を当接させる。
【0010】
このように、セロハンチューブが作り出され、それは順次配置される物品を内側に伴って搬送ベルトによって搬送される。
【0011】
セロハン包装機械は、接着剤適用手段の下流で搬送ベルトの中断部に位置された、溶着及び切断手段も備え、それらはセロハンチューブを締め付けるために作動可能で、セロハンチューブを加熱溶着して切断を実施する。
【0012】
詳細には、溶着及び切断手段は、単一の物品を内側に伴う閉じた梱包を得るよう、セロハンチューブの内側における各物品の直ぐ上流及び下流で、セロハンチューブの加熱溶着及び切断を実現するよう、作動可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、これらのセロハン包装機械は欠点を呈する。
【0014】
実際、それらがいかにして作られかつ構築されるかによって、それらは、搬送ベルトに対して折込手段が対応した所定の高さに配置される際に、チューブを形成するために、セロハンが物品の上方に当接し折り込まれるように、全て同じ高さの一連の物品にセロハンを巻くことしかできない。
【0015】
全てが同じ高さだが、その前における一連の物品の高さとは異なる、第2の一連の物品が包装される場合、折込手段を取り外し、それらを対応したそれぞれの高さで、搬送ベルトに対して再び取り付けるよう進めることが必要となる。
【0016】
さらに、現在使用可能なセロハン包装機械は、全く多用途ではない。なぜならそれらは、異なる形状及び高さを有する一連の物品をセロハンで包装することはできないからである。すなわち、常態的に、それぞれが異なる寸法及び高さを有する物品を、搬送手段上に位置付けることはできない。
【0017】
したがって本発明の目的は、上述の欠点を取り除くことが可能な、単一の物品を包含した閉じた梱包を形成するよう、物品の周りにフィルムを包装するための、新しい包装機械を提供することである。
【0018】
詳細には、本発明の目的は、構成要素の取り外し及び再取り付けの動作を実行する必要なく、それぞれ異なる形状、寸法、及び高さを有する物品の周りにフィルムを包装できる、新しい包装機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記で述べた目的は、請求項1に記載の包装機械によって実現される。
【0020】
本発明の包装機械における別の特徴及び有利な態様は、様々な従属請求項に記載される。
【0021】
単一の物品を包含した閉じた梱包を形成するよう、物品の周りにフィルムを巻くための包装機械の、好ましい実施形態を、添付の図表を参照して以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による包装機械の概略斜視図である。
図2】包装機械によって実行される、物品の周りにフィルムを包装し、単一の物品を包含する梱包を実現するステップを示す、概略図である。
図3図1の詳細部Kの拡大図である。
図4】包装機械のいくつかの重要な構成要素の、分解組立斜視図である。
図5】前進する物品の周りのフィルムが、最初のステップにある包装機械の概略斜視図である。
図6】接着剤適用の実施能力がある、包装機械の構成要素の概略図である。
図7】本発明の包装機械における、他の特別な構成要素の部分概略斜視図である。
図8】包装機械の他の特別な構成要素の、分解概略斜視図である。
図9A】関連の梱包を形成するために、物品周りにチューブのように包装されたフィルムの一部の、加熱溶着及び切断を実現するステップを示す、関連の概略斜視図である。
図9B】関連の梱包を形成するために、物品周りにチューブのように包装されたフィルムの一部の、加熱溶着及び切断を実現するステップを示す、関連の概略斜視図である。
図10】物品の周りにフィルムを包装するゾーンにおいて、物品の前進経路の下に存在する、包装機械の他の特別な構成要素の部分概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付の図表を参照すると、参照記号(M)は全体的に、本発明による単一の物品(A)を包含する梱包(B)を形成するよう、物品(A)の周りにフィルム(P)を包装するための、包装機械(M)を示す。
【0024】
包装機械(M)は、
搬送方向(D)に従って、フィルムによって巻かれる物品(A)を受け取り、搬送するよう構成された、搬送手段(1)と、
搬送手段(1)に連続的に配置された、吸引搬送ベルト(2)と、
フィルム(P)の供給ステーション(3)であって、フィルム(P)が巻かれるリール(30)ならびに供給及びリレイ手段(31)を備え、この供給及びリレイ手段(31)は、フィルム(P)を、搬送手段(1)及び搬送ベルト(2)の間に、物品(A)の搬送方向(D)に対して横断して送り、フィルム(P)の、相対的中央部(PC)を搬送ベルト(2)の上に載せ、かつ側方部(PL1、PL2)を中央部(PC)に対して側方に搬送ベルト(2)から突出させ、搬送手段(1)によって搬送される物品(A)は、搬送ベルト(2)の上に載せて配置されたフィルム(P)の中央部(PC)の上に配置され、かつ相対的中央部(PC)の上に配置された物品(A)を伴うフィルム(P)を、吸引搬送ベルト(2)によって吸引することによって保持して、搬送方向(E)に前進させることができる、フィルム(P)の供給ステーション(3)と、
搬送ベルト(2)から側方に突出した、フィルム(P)の側方部(PL1、PL2)に当接して折り込めるよう、搬送ベルト(2)に対して配置及び構成された、折込手段(4)とを備える。
【0025】
包装機械(M)の特性は、
搬送ベルト(2)に関連したフレーム(5)であって、フィルム(P)の中央部(PC)の上で搬送ベルト(2)によって搬送される物品(A)の通過のためのトンネル(T)を画定するよう順応され、折込手段(4)は、前進する間に搬送ベルト(2)から側方に突出した、フィルム(P)の側方部(PL1、PL2)に当接するよう、順応及び構成され、フィルム(P)の側方部(PL1、PL2)を、フィルム(P)の2つの側方折込部(L1、L2)を重ね合わせるよう、トンネル(T)に順応したフレーム(5)の周りにフィルム(P)の側方部(PL1、PL2)を折り込んで、トンネル(T)に順応したフレーム(5)の周りに巻かれたフィルムチューブ(TB)を形成する、フレーム(5)を
備える、という事実から成る。
【0026】
詳細には、トンネル(T)に順応したフレーム(5)は、トンネル(T)が、搬送ベルト(2)に対してある高さを有する物品(A)の通過のための通過空間を画定するよう作られ、それによってその内側で、例えば単なる雑誌、雑誌の積み重ね、製品を包含した箱など、異なる寸法及び高さを有する物品(A)を搬送することができる。
【0027】
さらに、折込手段(4)は、内側に様々な寸法及び高さの物品が存在するフィルムチューブ(TB)を形成するよう、トンネル(T)の壁の周りに対してフィルム(P)を折り込むために、搬送ベルト(2)から側方に突出したフィルム(P)の側方部(PL1、PL2)に当接するよう、搬送ベルト(2)に対して、かつトンネル(T)に順応したフレーム(5)に対して配置される。
【0028】
このように、包装機械(M)(トンネルと一致したフレーム、折込手段)の、単一のフレーム及び単一の構成を伴い、搬送ベルトに沿って前進する、異なる寸法及び高さの物品の周りに、フィルムを包装することを可能にする。それによって、上記で言及した、公知のタイプの包装機械に存在する欠点を取り除く。
【0029】
最後に、包装機械(M)は、
トンネル(T)に順応したフレーム(5)の上方に位置付けられ、フィルム(P)における2つの折込部(L1、L2)のうち一方に、互いに重ね合わせる前に接着剤を適用するよう構成された、接着剤適用手段(6)と、
加熱溶着及び切断手段(7)であって、搬送ベルト(2)の中断部において、トンネル(T)に順応したフレーム(5)の下流に位置付けられ、フィルム(P)の加熱溶着及び切断を実現して、内部に物品を包含する梱包(B)を得るよう、フィルムチューブ(TB)における物品(A)の位置に対して、初めに前方で、次に後方でフィルムチューブ(TB)を締め付けるために作動可能な、加熱溶着及び切断手段(7)と
を備える。
【0030】
上記から、本発明の包装機械(M)の利点は明白になる。この機械は、異なる寸法及び高さを伴う、互いに異なる物品の周りにフィルムを包装することを実現すること、ならびに、機械の停止、及び構成要素の取り外し及び再取り付け動作の必要なく、内側に単一の物品を包含した梱包を得ること、が可能である。
【0031】
包装機械(M)の、他の有利な特徴及び態様を、下記に提示する。
【0032】
トンネル(T)に順応したフレーム(5)は、搬送ベルト(2)の側部に沿って配置された側壁(51、52)、及び側壁(51、52)の間の、少なくとも上壁(53、54)を備える。その一方で、フィルム(P)の2つの側方折込部(L1、L2)を互いに重ね合わせて、トンネル(T)に順応したフレーム(5)の周りに巻かれたフィルムチューブ(TB)を形成するよう、折込手段(4)は、トンネル(T)に順応したフレーム(5)の側壁(51、52)及び上壁(53、54)の周りに、フィルム(P)の側方部(PL1、PL2)を折り込むよう構成される。
【0033】
トンネル(T)に順応したフレーム(5)の側壁(51、52)は、固定下部(510、511)と、下部(510,511)に移動可能に取り付けられ、かつ上壁(53、54)を支える、可動上部(520、521)と、を備えるよう有利に実現することができる。
【0034】
このように、下部(510、511)に対する、側壁(51、52)の上部(520、521)の位置を、搬送ベルト(2)に対する上壁(53、54)の距離を変えるために、調節及び変化させることができる。それによって、トンネル(T)の高さを変化させ、フィルムに包装される様々な物品の様々な高さに調整する。
【0035】
本発明の包装機械における、別の有利な態様は、フィルムチューブ(TB)と、トンネル(T)に順応したフレーム(5)との間に、エアクッションを作り出すための手段(9)を備えるという事実から成る。この仕様は、引きずりを防止可能で、したがってフィルム(P)、詳細には形成中のフィルムチューブ(TB)と、トンネル(T)に順応したフレーム(5)の壁との間の摩擦を防止するのを可能にする。
【0036】
図に示される特定の実施形態において、エアクッションを作り出すための手段(9)は、パイプ(91)を備えることができる。パイプ(91)は、圧縮空気源に接続され、空気通路のための一連の穴(92)が設けられる。
【0037】
パイプ(91)は、穴(92)から出る空気ジェットを、トンネル(T)に順応したフレーム(5)に対して折り込まれたフィルム(P)の部分に向けて導けるよう、配置される。
【0038】
例えば、パイプ(91)は、トンネル(T)に順応したフレーム(5)の2つの側壁(51、52)の少なくとも一部に沿って、配置させることができる。
【0039】
エアクッションを作り出すための手段(9)は、閉じたループ状に巻かれ、かつトンネル(T)に順応したフレーム(5)の上方に配置された、吸引バンド(93)を備えることができる。吸引バンド(93)は、トンネル(T)に順応したフレーム(5)の上で折り込まれたフィルム(P)の部分を、吸引によって保持するような位置で、搬送ベルト(2)を介してフィルム(P)の前進と同調するように、フィルム(P)を伴うのを可能にするよう作動可能である。
【0040】
別の有利な態様において、包装機械(M)は、トンネル(T)の内側を物品(A)が通過するのを検出し、物品(A)間の距離を検出するために、トンネル(T)に沿って配置された写真検出手段(96)を備える。写真検出手段(96)は、2つの連続した物品間の距離が、所定の最小距離未満であることを検出した場合、加熱溶着及び切断手段(7)が動作できないように維持されるよう、構成することができる。これによって、加熱溶着及び切断手段(7)を作動させるための十分な空間を有さずに、互いに近過ぎる物品に損傷を与えることを回避できる。
【0041】
示される好ましい実施形態において、接着剤適用手段(6)は、少なくとも接着剤分配器(61)と、フィルム(P)の重ね合わされた折込部(L1、L2)に優先的に当接して、それらの互いの接着を促進させるように、フィルム(P)の搬送方向(E)に対して分配器(61)の下流に予め配設された、固定当接要素(62、63)と、フィルム(P)における2つの折込部(L1、L2)の上方に位置付けるために、搬送ベルト(2)を停止させる場合に作動可能で、折込部(L1、L2)を互いに重ね合わせて維持し、それによってフィルムチューブ(TB)を閉じたままにするための、少なくとも可動当接要素(64)と、を備える。
【0042】
包装機械(M)は、吸引搬送ベルト(2)の下に予め配設された、吸引要素(25)をさらに備え、それによって吸引搬送ベルト(2)は、その上に吸引によって配置されたフィルム(P)の中央部(PC)を、搬送方向(E)に沿ったフィルム(P)の移動中に、保持する。
【0043】
物品装入ステーション(8)を、搬送手段(1)の開始部分に位置付けて設けることができる。物品装入ステーション(8)には、物品(A)に適用された識別コードを検出及び識別するよう構成された、識別手段(81)が設けられる。
【0044】
最後に、別の有利な態様は、包装機械(M)が、搬送手段(1)に沿って配置された検出手段(82)を備え、物品(A)の高さを検出することと、包装機械(M)が、検出手段(82)がトンネル(T)の高さよりも大きい高さを有する物品の通過を検出したときに、搬送手段(1)を停止させるよう構成することができることと、に関する。
【0045】
本発明の包装機械(M)を用いると、トンネルと一致したフレームの存在により、物品を包装するために、通常のセロハンだけではなく、技術用語で「pluriball」として公知である緩衝梱包フィルムを使用することも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10