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特許7423645表示モジュール、表示装置及びその組み立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】表示モジュール、表示装置及びその組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/00 342
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2021548257
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 CN2019126549
(87)【国際公開番号】W WO2020168805
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】201910673688.2
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910124899.0
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515034703
【氏名又は名称】広州視源電子科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU SHIYUAN ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.6,4th Yunpu Road,Huangpu District,Guangzhou,Guangdong P.R.CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】518298061
【氏名又は名称】▲広▼州▲視▼▲叡▼▲電▼子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU SHIRUI ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.192,Kezhu Road,Science Park Guangzhou,Guang Dong,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】周 科松
(72)【発明者】
【氏名】余 恒
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/078195(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/042755(WO,A1)
【文献】特開2018-036511(JP,A)
【文献】特開平09-073072(JP,A)
【文献】特開2010-211185(JP,A)
【文献】特開2014-130194(JP,A)
【文献】特開2009-109993(JP,A)
【文献】特開2010-013648(JP,A)
【文献】特開2011-252095(JP,A)
【文献】特開2015-187618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J7/00-7/50
G02F1/133-1/1335
1/13363
1/1339-1/1341
1/1347
G09F9/00
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示モジュールであって、
表示パネルと、透明保護層と、接着体と、を備え、
前記接着体は、前記表示パネルの周縁を取り囲むように設置され、前記接着体の一面が、前記表示パネルに固定的に接続され、前記接着体の他面が前記透明保護層に固定的に接続され、
前記表示パネルと前記透明保護層は、粘着領域及び間隙領域が形成され、
前記間隙領域は、前記粘着領域を取り囲み、前記接着体は、前記間隙領域を取り囲み、
前記表示パネルと前記透明保護層は、吸着作用で前記粘着領域が形成される
表示モジュール。
【請求項2】
前記表示パネルと前記透明保護層は、静電吸引又はファンデルワールス力で前記粘着領域が形成される
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
表示モジュールであって、
表示パネルと、透明保護層と、接着体と、を備え、
前記接着体は、前記表示パネルの周縁を取り囲むように設置され、前記接着体の一面が、前記表示パネルに固定的に接続され、前記接着体の他面が前記透明保護層に固定的に接続され、
前記表示パネルと前記透明保護層は、粘着領域及び間隙領域が形成され、
前記間隙領域は、前記粘着領域を取り囲み、前記接着体は、前記間隙領域を取り囲み、
前記粘着領域において、前記表示パネルと前記透明保護層との間の距離がゼロである
表示モジュール。
【請求項4】
前記接着体は、粘着テープであり、接着状態での厚さが0.3~1mmである
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項5】
表示モジュールであって、
表示パネルと、透明保護層と、接着体と、を備え、
前記接着体は、前記表示パネルの周縁を取り囲むように設置され、前記接着体の一面が、前記表示パネルに固定的に接続され、前記接着体の他面が前記透明保護層に固定的に接続され、
前記表示パネルと前記透明保護層は、粘着領域及び間隙領域が形成され、
前記間隙領域は、前記粘着領域を取り囲み、前記接着体は、前記間隙領域を取り囲み、
前記透明保護層は、前記粘着領域に対応する箇所に絶縁点が設置されたガラススクリーンであり、前記表示パネルの上偏光板は、低ヘイズの偏光板である
表示モジュール。
【請求項6】
前記透明保護層は、表示パネルに向ける一面が平滑面であるガラススクリーンであり、前記表示パネルの上偏光板は高ヘイズの偏光板である
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項7】
前記接着体は、前記透明保護層と前記表示パネルを固定的に接続して、第1固定接続部を構成し、
前記透明保護層と前記表示パネルは、前記粘着領域において第2固定接続部を構成し、
前記ガラススクリーンと前記表示パネルは、前記第1固定接続部及び第2固定接続部を介して接続される
請求項に記載の表示モジュール。
【請求項8】
前記接着体、前記表示パネル及び前記透明保護層は、密閉空間を構成し、
前記表示パネルは、垂直に置かれた状態で、前記表示パネルと前記透明保護層との吸着力が、前記密閉空間に入る空気の張力と釣り合って、前記粘着領域が安定している
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項9】
表示モジュールであって、
表示パネルと、透明保護層と、接着体と、を備え、
前記接着体は、前記表示パネルの周縁を取り囲むように設置され、前記接着体の一面が前記表示パネルに固定的に接続され、前記接着体の他面が前記透明保護層に固定的に接続され、
前記接着体、表示パネル及び透明保護層は密閉空間を構成し、前記密閉空間において、前記表示パネルと前記透明保護層とが相互に吸着する
表示モジュール。
【請求項10】
表示モジュールであって、
表示パネルと、透明保護層と、接着体と、を備え、
前記接着体は、前記表示パネルの周縁と前記透明保護層との間に設置され、前記表示パネルの周縁に、前記表示パネルと前記透明保護層とを固定に接続するための第1固定接続部を構成し、前記第1固定接続部は、前記表示パネルと透明保護層のための密閉空間を構築し、
該密閉空間において、前記透明保護層と前記表示パネルは、第2固定接続部が形成され、前記第2固定接続部の外周部に、前記第2固定接続部を取り囲むように設置される空隙領域が形成され、
前記第2固定接続部は、前記表示パネルと前記透明保護層との吸着により形成される貼付領域を含む
表示モジュール。
【請求項11】
表示モジュールであって、
表示パネルと、透明保護層と、接着体と、を備え、
前記接着体は、一面が前記表示パネルの周縁に固定的に接続され、他面が前記透明保護層に固定的に接続され、前記表示パネルの周縁と前記透明保護層との間にシール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層は、前記シール構造から表示パネルの中央箇所に向けて相対的に湾曲して湾曲部が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層は、前記シール構造による密閉空間において、空隙領域が形成される
表示モジュール。
【請求項12】
前記密閉空間において、前記表示パネルと前記透明保護層は、吸着作用で粘着領域が形成され、前記空隙領域が前記粘着領域を取り囲むものである
請求項11に記載の表示モジュール。
【請求項13】
表示モジュールであって、
表示パネルと、透明保護層と、接着体と、を備え、
前記接着体は、前記表示パネルの周縁を取り囲むように設置され、前記接着体の一面が前記表示パネルに固定的に接続され、前記接着体の他面が前記透明保護層に固定的に接続され、
前記接着体、表示パネル及び透明保護層は密閉空間を構成し、
前記接着体の厚さの原因で、前記表示パネルと透明保護層は、ファンデルワールス力によって対向して湾曲され、前記表示モジュールが垂直に置かれた状態で、該表示パネルと透明保護層との間のファンデルワールス力は、前記密閉空間内の空気の張力と釣り合っている
表示モジュール。
【請求項14】
前記表示パネルはタッチ膜を含み、前記粘着領域において、前記透明保護層と前記タッチ膜とが相互に密着される、
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項15】
前記接着体は、少なくとも、発泡スチロール層、第1接着層、第2接着層を含み、第1接着層及び第2接着層は、それぞれ、前記発泡スチロール層の両面にあり、前記接着体は、第1接着層を介して前記透明保護層に接着され、第2接着層を介して前記表示パネルに接着される
請求項1、9、10、11、13のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【請求項16】
前記接着体は、第1接着層と第2接着層との間にある補強層をさらに含む
請求項15に記載の表示モジュール。
【請求項17】
前記補強層の少なくとも一端部は、前記表示パネルの側辺から突出している、
請求項16に記載の表示モジュール。
【請求項18】
前記接着体は、不透明粘着テープである
請求項1、9、10、11、13のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【請求項19】
前記接着体は、接着状態での厚さが自然状態での厚さの50%~80%である
請求項1、9、10、11、13のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【請求項20】
前記接着体は、少なくとも2つであり、隣接する2つの前記接着体の端部の間に、少なくとも2つの対応する結合辺を有する、
請求項1、9、10、11、13のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【請求項21】
前記接着体は4つであり、各前記接着体は、それぞれ前記表示パネルの側辺に対応する
請求項20に記載の表示モジュール。
【請求項22】
前記接着体は、複数であり、隣接する2つの前記接着体のうち、一方の接着体の端部が第1凸部及び第1凹部を有し、他方の接着体が第2凸部及び第2凹部を有し、第1凸部が第2凹部に対応し、第1凹部が第2凸部に対応する、
請求項20に記載の表示モジュール。
【請求項23】
表示装置であって、
請求項1~22のいずれかに記載の表示モジュールと、ケースと、を備え、前記表示モジュールの透明保護層と前記ケースとは、相互に固定され、該表示モジュールの表示パネルは該ケース内に位置する
表示装置。
【請求項24】
前記表示パネルの側辺は、前記ケースと接触しない
請求項23に記載の表示装置。
【請求項25】
前記ケースは、額縁と、バックシートと、モジュールプラスチックフレームとを含み、前記バックシートと前記額縁は相互に接続して固定され、
前記額縁には、前記透明保護層を固定するための第1収容溝が設けられ、前記透明保護層及び表示パネルは、前記額縁と前記バックシートとの間に設置され、
前記バックシート内にバックライトモジュールが設置され、前記モジュールプラスチックフレームは、前記バックライトモジュールを前記バックシートに固定するためのものである
請求項23に記載の表示装置。
【請求項26】
前記表示パネルの側辺と前記ケースの前記モジュールプラスチックフレームとの間隙が2mmより大きい
請求項25に記載の表示装置。
【請求項27】
前記表示パネルと前記モジュールプラスチックフレームとの間に、防塵用の発泡体が設けられる
請求項26に記載の表示装置。
【請求項28】
表示モジュール組み立て方法であって、
表示パネルと透明保護層とを対向させるステップと、
透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出するステップと、
接着体が、表示パネル及び透明保護層に固定的に接続され、表示パネルの周縁と透明保護層との間にシール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲むステップと、
を含む表示モジュール組み立て方法。
【請求項29】
表示パネルを第1載置台に置くステップと、
接着体の第1接着層を透明保護層に接着し、前記透明保護層を前記表示パネルに置くステップと、
前記透明保護層が、それ自体の重力又は外力の作用で、その中央領域の少なくとも一部が前記表示パネル側に凹んで、前記透明保護層と前記表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出するステップと、
前記接着体の第2接着層を前記表示パネルに接着し、前記表示パネルの周縁と前記透明保護層との間にシール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲むステップと、
を含む請求項28に記載の表示モジュール組み立て方法。
【請求項30】
透明保護層を第1載置台に置くステップと、
接着体の第1接着層を透明保護層に接着し、前記表示パネルを前記透明保護層に置くステップと、
前記表示パネルが、それ自体の重力又は外力の作用で、その中央領域の少なくとも一部が前記透明保護層側に凹んで、前記透明保護層と前記表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出するステップと、
前記接着体の第2接着層を前記表示パネルに接着し、前記表示パネルの周縁と前記透明保護層との間にシール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲むステップと、
を含む請求項28に記載の表示モジュール組み立て方法。
【請求項31】
透明保護層を第1載置台に置くステップと、
接着体の第2接着層を表示パネルに接着し、前記表示パネルを前記透明保護層に置くステップと、
前記表示パネルが、それ自体の重力又は外力の作用で、その中央領域の少なくとも一部が前記透明保護層側に凹んで、前記透明保護層と前記表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出するステップと、
前記接着体の第1接着層を前記透明保護層に接着し、前記表示パネルの周縁と前記透明保護層の縁側との間にシール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲むステップと、
を含む請求項28に記載の表示モジュール組み立て方法。
【請求項32】
表示モジュール組み立て方法であって、
表示パネルと透明保護層とを対向させるステップと、
接着体を、それぞれ表示パネル及び透明保護層に接着するステップと、
表示パネルと透明保護層との間の空気少なくとも一部を排出して、前記表示パネルの縁側と透明保護層を封止し、前記表示パネルの周縁と前記透明保護層との間にシール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層に粘着領域及び間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲むステップと、
を含む表示モジュール組み立て方法。
【請求項33】
表示装置組み立て方法であって、
請求項28~32のいずれか1項に記載の表示モジュール組み立て方法を用いて表示モジュールを得るステップと、
前記表示モジュールの表示パネルをケースに置くステップと、
前記表示モジュールの透明保護層と前記ケースを相互に固定するステップと、
を含む表示装置組み立て方法。
【請求項34】
前記表示モジュールの透明保護層と前記ケースが相互に固定された後、前記表示パネルの側辺を前記ケースと接触させない
請求項33に記載の表示装置組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年7月24日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201910673688.2である中国特許出願と、出願番号が201910124899.0である中国特許出願の優先権を主張し、それらの全ての内容は援用することによって本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、表示装置の分野に関し、より具体的に、表示モジュール、表示装置及びその組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の表示装置は、人々の生活の中で広く使用されている。表示装置は、その使用、輸送、搬送、及び移動中で、スクリーンの割れ、フォグ、擦り傷や光漏れなどの品質問題が発生することが多い。大きい表示装置では、スクリーンの割れ、フォグ、擦り傷や光漏れなどの品質問題がより顕著になる。表示パネルは、表示装置を構成する重要な部品の一つであり、そのコストの比率は、通常、表示装置全体の約30%、あるいはそれ以上で、表示パネル1枚あたりの価格は数百元から数万元にも及ぶ。表示装置の製造・販売業者にとって、上記のような表示装置の品質問題が発生する場合、納期遅延、返品、または対応する表示パネルの交換を必要とし、表示装置の製造・販売業者のコストを大幅に増加させ、表示装置の製造・販売業者の納期や信用などに大きな悪影響を与える。
【0004】
表示装置において、表示パネルの前に保護のための透明保護層(例えばガラススクリーン又は他の透明物)が設置され、通常、透明保護層と表示パネルを分離して固定し、表示パネルの前後の両面を発泡体と鉄製フロントフレームとモジュールプラスチックフレームに発泡体で固定・支持し、表示パネルの頂部と底部をモジュールプラスチックフレームにシリコンパッドで固定し、鉄製フロントフレームと透明保護層を発泡体で封止し、透明保護層を表示装置のケースのフロントフレームに固定し、透明保護層と表示パネルとの間には3~8mmの隙間を設けるように、表示パネルと透明保護層の固定を実現する。
【0005】
上記の構成は、上記の表示装置のスクリーンの割れ、フォグ、擦り傷や光漏れなどの品質問題に大きな関係がある。
【0006】
1、表示パネルは、モジュールプラスチックフレーム及び鉄製フロントフレームとの間に発泡体を介して位置決めされ、発泡体の固形性能が低く、かつ透明保護層と表示パネルとの間の隙間が大きいことから、表示パネルは柔らかく壊れやすいものとなっている。表示パネルは、輸送や搬送中で揺れて、シリコンパッド、モジュールプラスチックフレームや透明保護層に衝突して、スクリーンが破損してしまうことがある。
【0007】
2、透明保護層と表示パネルとの間の隙間が大きく、通常3mm~8mmである。その隙間が大きく、かつ発泡体によるシールを採用していることから、その密閉性は高くなく、外部からの水蒸気が隙間を介して透明保護層と表示パネルとの間に入り込みやすく、その結果、透明保護層と表示パネルにフォグが発生し、表示効果に影響を与えている。
【0008】
3、また、表示パネルと透明保護層の隙間が大きすぎると、表示パネルは、揺れや変形によって透明保護層に対して相対的に移動してしまい、表示パネルの擦り傷が発生する。特に、AG面が二重になっている透明保護層では、表示パネルに向ける透明保護層の一面が粗面であるため、表示パネルと透明保護層の相対的な運動中で、表示パネルの擦り傷になってしまう可能性が高くなる。また、透明保護層と表示パネルとの間には大きな隙間があって、それらの間の隙間の縁が発泡体で封止され、封止面の面積が大きく、かつ発泡体の封止効果がよくないため、全体の封止効果が悪く、隙間に異物(埃など)が入り込み、それが透明保護層の表面や表示パネルの表面に吸着し、表示パネルと透明保護層の相対的な運動中で、表示パネルの擦り傷になってしまう可能性が高くなる。
【0009】
4、表示パネルは、その実装・固定が不安定で、外力を受けると不均一な力になって、光漏れが発生しやすく、表示時に白っぽくなるなどの表示不良が発生する。
【0010】
本発明者は、表示装置の品質を考慮して、OCA接着剤を用いて表示パネルを透明保護層に全密着する(即ち、表示パネルの透明保護層に向ける一面全体にOCA接着剤がコーティングされ、表示パネルがOCA接着剤を介して透明保護層に密着される)ことで、上記の品質不良をある程度回避できることを見出したが、この方法にも以下のような欠点がある。
【0011】
1、OCA接着剤は価格が高く、表示パネルと透明保護層の全密着を実現するためには、1個あたり800~1000元程度のコストアップとなり、製品の製造コストが大幅に増加する。
【0012】
2、OCA接着剤は強力な接着力を持ち、表示パネルと透明保護層が全体として剛性ペーストとなる。表示パネルは、外部からの衝撃を受けると、受けた外力が軽減されず、割れを引き起こしやすくなる。または、表示パネルは、受けた力を力受け点の他の部分に伝達できず、その結果、力が不均一になり、力受け点における表示パネルを破損させやすくなり、光漏れの現象が発生する。
【0013】
3、表示パネルの割れ、破損が発生した場合、透明保護層からの表示パネルの剥離が容易ではなく、結果として透明保護層が再利用されなくなる。
【0014】
4、表示パネルと透明保護層を全密着する必要があり、実装プロセスが厳しいため、製造コストがさらに上昇する。
【0015】
そこで、生産コストを上げることなく、表示装置のスクリーンの割れ、フォグ、擦り傷、光漏れなどの品質不良をどのように効果的に解決するかが研究・革新的なソリューションの方向性である。
【発明の概要】
【0016】
本開示は、表示装置の表示モジュールのスクリーンの破損、フォグ、擦り傷及び光漏れの少なくとも1つの問題を効果的に解決するとともに、表示装置の生産コストを低下することができる表示モジュール、表示装置及びその組み立て方法を提供する。
【0017】
本開示は、表示モジュールを提供する。
【0018】
この表示モジュールは、表示パネルと、透明保護層と、接着体を備え、前記接着体は、前記表示パネルの周縁を取り囲むように設置され、前記接着体の一面が、前記表示パネルに固定的に接続され、前記接着体の他面が前記透明保護層に固定的に接続され、前記表示パネルと前記透明保護層は、粘着領域及び間隙領域が形成され、前記間隙領域は、前記粘着領域を取り囲み、前記接着体は、前記間隙領域を取り囲む。
【0019】
本開示は、他の表示モジュールをさらに提供する。
【0020】
この表示モジュールは、表示パネルと、透明保護層と、接着体を備え、前記接着体は、前記表示パネルの周縁を取り囲むように設置され、前記接着体の一面が前記表示パネルに固定的に接続され、前記接着体の他面が前記透明保護層に固定的に接続され、前記接着体、表示パネル及び透明保護層は密閉空間を構成し、前記密閉空間において、前記表示パネルと前記透明保護層とが相互に吸着する。
【0021】
本開示は、他の表示モジュールをさらに提供する。
【0022】
この表示モジュールは、表示パネルと、透明保護層と、接着体を備え、前記接着体は、前記表示パネルの周縁と前記透明保護層との間に設置され、前記表示パネルの周縁に、前記表示パネルと前記透明保護層との固定接続ための第1固定接続部を構成し、前記第1固定接続部は、前記表示パネルと透明保護層のための密閉空間を構築し、該密閉空間において、前記透明保護層と前記表示パネルは、第2固定接続部が形成され、前記第2固定接続部の外周部に、前記第2固定接続部を取り囲むように設置される空隙領域が形成される。
【0023】
本開示は、他の表示モジュールをさらに提供する。
【0024】
この表示モジュールは、表示パネルと、透明保護層と、接着体を備え、前記接着体は、一面が前記表示パネルの周縁に固定的に接続され、他面が前記透明保護層に固定的に接続され、前記表示パネルの周縁と前記透明保護層との間にシール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層は、縁シール構造から表示パネルの中央箇所に向けて相対的に湾曲して湾曲部が形成され、縁シール構造による密閉空間において、空隙領域が形成される。
【0025】
本開示は、他の表示モジュールをさらに提供する。
【0026】
この表示モジュールは、表示パネルと、透明保護層と、接着体を備え、前記接着体は、前記表示パネルの周縁を取り囲むように設置され、前記接着体の一面が前記表示パネルに固定的に接続され、前記接着体の他面が前記透明保護層に固定的に接続され、前記接着体、表示パネル及び透明保護層は密閉空間を構成し、前記接着体の厚さの原因で、前記表示パネルと透明保護層は、ファンデルワールス力によって対向して湾曲され、前記表示モジュールが垂直に置かれた状態で、該表示パネルと透明保護層との間のファンデルワールス力は、前記密閉空間内の空気による張力と釣り合っている。
【0027】
本開示は、表示装置をさらに提供する。
【0028】
この表示装置は、上記のいずれか1つの表示モジュールと、ケースを備え、前記表示モジュールの透明保護層と前記ケースとは、相互に固定され、該表示モジュールの表示パネルは該ケース内に位置する。
【0029】
前記表示パネルの側辺は、オーバーハングしている。表示パネルとケースが接触しないため、表示パネルとケースの衝突によるスクリーンの破損を回避している。
【0030】
本開示は、表示モジュール組み立て方法をさらに提供する。
【0031】
この組み立て方法は、以下のステップを含む。
【0032】
表示パネルと透明保護層とを対向させる。
【0033】
透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0034】
接着体が、表示パネル及び透明保護層に固定的に接続され、表示パネルの周縁と透明保護層との間にシール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0035】
本開示は、上記のいずれか1つの組み立て方法によって組み立てされた表示モジュールを得るステップと、該表示モジュールの表示パネルを該ケースに置くステップと、前記表示モジュールの透明保護層と前記ケースを相互に固定するステップと、を含む表示装置組み立て方法をさらに提供する。
【0036】
前記表示モジュールの透明保護層と前記ケースが相互に固定された後、前記表示パネルの側辺を前記ケースに対してオーバーハングさせる。
【0037】
本開示による表示モジュール、表示装置及びその組み立て方法は、表示装置の表示モジュールのスクリーンの破損、フォグ、擦り傷及び光漏れの少なくとも1つの問題を効果的に解決するとともに、表示装置の生産コストを低下することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本開示の実施例に係る表示モジュールの断面図である。
【0039】
図2】本開示の実施例に係る表示モジュールの部分の断面図である。
【0040】
図3】本開示の実施例に係る接着体の構成の模式図である。
【0041】
図4】本開示の実施例に係る接着体の部分の模式図である。
【0042】
図5】本開示の実施例に係る表示モジュールの構成の模式図である。
【0043】
図6】本開示の実施例に係る表示モジュールの組み立て方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
10:表示モジュール、100:表示パネル、200:透明保護層、300:接着体、800:空隙領域、110:第2湾曲部、310:発泡スチック層、320:第1接着層、330:第2接着層、340:補強層、350:第1凸部、360:第1凹部、370:第2凸部、380:第2凹部、390:隔離層、400:額縁、500:バックシート、600:モジュールプラスチックフレーム、410:第1スロット、510:第1係合部、420:第1収容溝、430:タッチPCB基板、440:収容空間、450:第2スロット、460:フィルタ、700:発泡体、900:粘着領域。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本開示の実施例を詳細に説明する。
【0046】
図1に示すように、本実施例は、表示パネル100と、透明保護層200と、接着体300とを含む表示モジュール10を開示する。前記接着体300は、前記表示パネル100の周縁を取り囲むように設置され、その一面が表示パネル100の縁に固定的に接続され、他面が透明保護層200に固定的に接続され、前記表示パネル100と前記透明保護層200は、粘着領域900及び、前記粘着領域900を取り囲む間隙領域が形成され、前記接着体300は、前記間隙領域110を取り囲む。
【0047】
本実施例では、この表示パネル100は、LCD表示パネル、LED表示パネル又は電子ペーパー表示パネルであってもよい。なお、透明保護層200と前記表示パネル100との間に、例えば各種類の光学フィルム、タッチフィルム、保護フィルムを密着、印刷、吸着させた後、前述した構造で接続することも、本実施形態で説明した技術的手段に属するものと考えられる。例えば、表示パネル100がLCD表示パネルであることを例として、上偏光板に密着されたタッチ膜が表示パネル100の一部であると考えられ、タッチ膜が密着された透明保護層を表示パネルに固定的に接続することも、本実施形態で説明した技術的手段に属するものと考えられる。また、本開示で説明される縁、周縁、縁側は、絶対的な物理的縁だけでなく、絶対的な物理的縁からの距離が非常に小さい位置、例えば2cm又は3cmなどと理解されてもよい。また、本開示に記載される「取り囲む」は、完全な閉ループを形成すると理解されてもよいし、一部の切り欠きが存在すると理解されてもよい。
【0048】
本実施例では、表示パネルと透明保護層は、空気吸着、静電吸着、同極吸着、ファンデルワールス力(van der Waals force)などのような吸着作用によって前記粘着領域を形成している。好ましくは、この粘着領域は、真空または真空に近い状態である。なお、粘着領域及び間隙領域は、目で観察されてもよいし、機器(例えばガラス隙間計測器)で計測されてもよい。表示パネルと透明保護層の隙間が0(または0に近い値、例えば0.01mm未満)であると計測された場合には、粘着領域が存在すると考えられ、この隙間が0より大きいと計測された場合には、間隙領域が存在すると考えられる。
【0049】
さらに、接着体300は、表示パネル100の縁側と透明保護層200との間に縁シール構造が形成される。前記接着体300、表示パネル100及び透明保護層200により密閉空間を構成する。前記間隙領域は、前記粘着領域を取り囲んで該密閉空間に位置する。
【0050】
本開示では、このシール構造、シール接続及び密閉空間は、必ずしも絶対的に封止されなく、つまり、外部からの少量の空気が該密閉空間に出入りできるわずかな隙間があると理解できる。この表示パネルと透明保護層は、粘着領域を維持または形成することで、あるいは表示パネルと透明保護層の相対的な関係を維持することで、このシール構造、シール接続及び密閉空間が封止されていると見なされることを理解できる。
【0051】
本実施例では、このシール構造、シール接続及び密閉空間に小さな隙間が存在して少量の空気が密閉空間に出入りできても、表示パネルと透明保護層は、粘着領域を吸着作用で維持または形成することができる。表示モジュールが垂直に置かれる状態で、表示パネルと透明保護層の吸着により、密閉空間への空気の進入が阻止されるか、さらに減少するため、前記表示パネルと前記透明保護層の吸着力と、前記密閉空間に進入する空気の張力とが釣り合って、前記粘着領域は安定している、すなわち、粘着領域は面積が一定であるか、徐々に小さくなっていく。表示モジュールの表示パネルが(表示パネルの下向きの重力によって)下向きに平らになったり、外力を受けたりすると、絶対的に封止されていたり、小さな隙間があったりするため、空気が低い流量で出入りし、逆の空気抵抗が生じて、表示パネルと透明保護層の吸着力と相まって、表示パネルと透明保護層の相対的な状態の変化を防止したり、遅らせたりする。
【0052】
本実施例の表示モジュール10では、接着体300の厚さが薄く(例えば0.1mm~1mm、好ましくは0.3mm~1mm)、従来方法での表示パネルと透明保護層200との間の距離よりはるかに小さく、かつ表示パネル100と透明保護層200との間に、粘着領域900と接着体によって相対的安定した固定接続が形成されるにより、表示パネル100と透明保護層200の相対的な移動空間が小さく、該表示モジュール10又は該表示モジュール10を用いて製造された表示装置の輸送、搬送、移動中で、表示パネル100が透明保護層200によって擦られて破損する可能性は大幅に減少する。
【0053】
さらに、表示パネル100と透明保護層200が密閉空間を構築しているため、外部の異物(例えば、埃)が該密閉空間に入り込むことができず、表示パネル100が異物によって擦られて破損する可能性が大幅に減少する。
【0054】
また、表示パネル100と透明保護層200が密閉空間を構築しているため、透明保護層200と表示パネルとの間への外部からの水蒸気の入り込みはできないか、または少なくなる。透明保護層200と表示パネルとの間には空気量が少なく、水蒸気も少ないため、フォグが発生できないので、透明保護層200や表示パネル100にフォグが発生できず、表示効果が向上する。
【0055】
また、本実施例の表示モジュール10では、接着体300は、表示パネル100の縁側のみを透明保護層200に接着するため、接着体300の材料が少なくて済み、製造コストの低減と組み立てプロセスの簡略化が図れる。
【0056】
また、本実施例の表示モジュール10では、表示パネル100と透明保護層200は、吸着作用で固定される。このような固定関係は、安定しているだけでなく、全密着などの剛性固定に比べて、より撓み性にも優れており、表示モジュール10がより強い外力を受けたとき、表示パネル100と透明保護層200の撓み固定関係により、表示パネル100が受ける外力を軽減して、表示パネル100が破損しにくくなる。そして、撓み固定により、表示パネル100が力を伝達することができ、力がより均一になり、表示パネル100の力受け位置での画素ユニットが破損される可能性が減少し、表示パネル100の光漏れ現象が減少する。
【0057】
さらに、透明保護層200は、空隙領域800と粘着領域900との過渡的位置に第1湾曲部を形成し、第1湾曲部は表示パネルに向かって湾曲しており、第1湾曲部は粘着領域900を取り囲むように設けられる。また、表示パネルは、空隙領域800と粘着領域900との過渡的位置に第2湾曲部を形成し、第2湾曲部は透明保護層200に向かって湾曲しており、第2湾曲部は粘着領域900を取り囲むように設けられる。
【0058】
本開示の他の実施例では、表示モジュールは、表示パネルと、透明保護層と、接着体とを含み、前記接着体は、該表示パネルの周縁を取り囲むように設置され、その一面が前記表示パネルに固定的に接続され、他面が前記透明保護層に固定的に接続され、前記接着体、表示パネル及び透明保護層は密閉空間を構成し、前記密閉空間において、前記表示パネルと前記透明保護層とが相互に吸着する。密閉空間に空気が入り込むことができるが、該密閉空間が絶対的に封止されているか、小さな隙間があって、密閉空間への新しい空気の流量が小さく、表示パネル100と透明保護層200との間の吸着作用があるため、密閉空間への新しい空気がこの吸着作用を破壊するには不十分であると理解することができる。前記表示パネルと前記透明保護層の吸着により、安定した固定接続を形成することができる。
【0059】
本開示の他の実施例では、表示モジュールは、表示パネルと、透明保護層と、接着体とを含み、前記接着体は、該表示パネルの周縁を取り囲むように設置され、その一面が前記表示パネルに固定的に接続され、他面が前記透明保護層に固定的に接続され、前記接着体、表示パネル及び透明保護層は密閉空間を構成し、前記接着体の厚さは、該表示パネルと透明保護層とがファンデルワールス力によって対向して湾曲されるようになるものであり、該表示モジュールが垂直に置かれた状態で、該表示パネルと透明保護層との間のファンデルワールス力は、前記密閉空間内の空気による張力と釣り合っている。本実施例の表示モジュール及び該表示モジュールを用いて製造された表示装置は、表示パネルの破損、擦り傷及び光漏れなどの技術的問題がある程度解決されている。なお、本実施例では、製造プロセスなどにより、密閉空間が絶対的に密閉されなく、外部の空気が密閉空間に入り込むようなわずかな隙間がある場合があり、表示パネルと透明保護層とのファンデルワールス力により、密閉空間への空気の入り込みを防止するか、さらに減少させることができるので、前記表示パネルと前記透明保護層とのファンデルワールス力と、前記密閉空間に入り込む空気の張力が釣り合って、例えば、表示パネルと前記透明保護層に一定の大きさ(例えば、表示パネルの重力の5倍未満)の外力が加わると、密閉空間が瞬時(例えば、1秒)に変化せず、表示パネルと前記透明保護層が瞬時に分離することができない。さらに、ファンデルワールス力により、前記密閉空間において、前記表示パネルと前記透明保護層とに粘着領域及び間隙領域が形成され、前記間隙領域は前記粘着領域を取り囲み、前記接着体は前記間隙領域を取り囲む。
【0060】
本開示の他の実施例では、表示モジュール10の接着体300は、透明保護層200と表示パネル100を取り囲んで封止し、表示パネル100の周辺縁と透明保護層200との間に設置され、表示パネル100の周辺縁に透明保護層200と接続される第1固定接続部を構成し、該第1固定接続部、表示パネル100及び透明保護層200により密閉空間を構築し、該密閉空間において、該透明保護層200と表示パネル100に第2固定接続部が形成され、透明保護層200と表示パネル100が第1固定接続部及び第2固定接続部を介して固定的に接続され、前記第2固定接続部の外周に、前記第2固定接続部を取り囲むように設けられる空隙領域が形成される。第1固定接続部及び第2固定接続部により、表示パネル100と透明保護層200がより強固に固定され、表示パネル100と透明保護層200との間の相対的な変位を回避することができる。本実施例では、第2固定接続部が撓み固定接続を行い、前記第2固定接続部は、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着して、形成される貼付領域を有する。
【0061】
各実施例の表示モジュールでは、接着体の厚さが薄く(例えば0.1mm~1mm、好ましくは0.3mm~1mm)、従来方法での表示パネルと透明保護層200との間の距離よりはるかに小さく、かつ吸着及び接着体によって形成される表示パネル100と透明保護層200との間の相対的安定した固定接続により、表示パネル100と透明保護層200の相対的な移動空間が小さく、該表示モジュール10又は該表示モジュール10を用いて製造された表示装置の輸送、搬送、移動中で、表示パネル100が透明保護層200によって擦られて破損する可能性は大幅に減少する。
【0062】
さらに、前記表示パネルと前記透明保護層は、互いに吸着して粘着領域を形成し、さらにこの粘着領域を介して固定的に接続される。さらに、表示パネルと前記透明保護層との間に、粘着領域を取り囲む間隙領域がさらに形成される。
【0063】
図2を参照して、表示モジュール10は、表示パネル100、透明保護層200及び接着体300を含む。表示パネル100の周辺の縁側は、接着体300を介して透明保護層200に固定的に接続される。即ち、接着体300は、その一面が表示パネル100の周辺縁に固定的に接続され、他面が透明保護層200に固定的に接続され、表示パネル100の縁側と透明保護層200との間に縁シール構造が形成される。表示パネル100と透明保護層200が縁シール構造から表示パネルの中央箇所に向けて過渡的に湾曲して、湾曲部110が形成される。表示パネル100と透明保護層200は、接着体300を介して表示パネル100の周縁に固定的に接続されて密閉空間を構成する。密閉空間において、表示パネル100と透明保護層200との間に空隙領域800が形成される。
【0064】
密閉空間に空気が入り込むことができるが、密閉空間に入り込んだ新しい空気は、流量が小さく、前記表示パネルと前記透明保護層の構成を破壊するには不十分であることで、前記表示パネルと前記透明保護層の安定した固定接続を実現することができる。
【0065】
本実施例では、表示パネル100と透明保護層200が縁シール構造から表示パネルの中央箇所に向けて過渡的に湾曲することは、透明保護層200が表示パネル100に向けて湾曲してもよいし、表示パネル100が透明保護層200に向けて湾曲してもよい。
【0066】
本実施例の表示モジュール10では、由于接着体300の厚さが薄く(例えば0.1mm~1mm)、従来方法での表示パネルと透明保護層200との間の距離よりはるかに小さく、かつ表示パネル100と透明保護層200との間が相対的に安定した状態にあり、表示モジュール10又は表示モジュール10を用いて製造された表示装置の輸送、搬送、移動中で、表示パネル100と透明保護層200の相対的な移動空間が小さく、表示パネル100が透明保護層によって擦られて破損する可能性は大幅に減少する。
【0067】
さらに、表示パネル100と透明保護層200との間に密閉空間が存在しているため、外部の異物(例えば、埃)が該密閉空間に入り込むことができず、表示パネル100が異物によって擦られて破損する可能性が大幅に減少する。
【0068】
また、表示パネル100と透明保護層200が密閉空間を構築しているため、外部からの水蒸気が透明保護層200と表示パネルとの間に入り込むことができず、透明保護層200及び表示パネルにフォグが発生することがなく、表示効果が向上する。
【0069】
また、本実施例の表示モジュール10では、接着体300は、表示パネル100の縁側と透明保護層200の縁側を接着するだけであるため、接着体300の材料が少なくて済み、製造コストの低減と組み立てプロセスの簡略化が図れる。
【0070】
さらに、表示パネル100と透明保護層200は、密閉空間において粘着領域900が形成され、粘着領域900は、表示パネル100と透明保護層200が密着固定接続されるようにするものである。粘着領域900が表示パネル100と透明保護層200の相対的な状態をより安定させることにより、表示モジュール10又は表示モジュール10を用いて製造された表示装置の輸送、搬送、移動中で、表示パネル100と透明保護層200の相対的な移動空間がより小さく、表示パネル100が透明保護層200によって擦られて破損する可能性は大幅に減少する。
【0071】
本開示の各実施例では、透明保護層200の面積が表示パネル100より大きいため、透明保護層200の縁が表示パネル100を被覆していない。粘着領域900及び第2固定接続部は不定形であってもよい。また、この透明保護層は、ガラススクリーン又は他の透明保護物、例えば透明樹脂などであってもよい。「ガラス」とは、スクリーンのカバーガラスを指すものであり、場合によっては、「有機ガラス」を選択するか、または「無機ガラス」などのガラス以外の透明な素材を選択するが、「ガラス」とは、具体的に、ある程度の光透過性を持ち、スクリーンの保護層として使用するのに適した素材を指すことに留意すべきである。類似の材料は、化学的にガラスであるか否かにかかわらず、いずれも本実施例における「ガラス」の一種である。例えば、無機ガラス基板を含み、その表面にすり加工されたものも、本実施形態で呼ばれる「ガラス」である。
【0072】
遊色の発生は、粘着領域に小さな空隙が存在する場合、遊色効果を呈する可能性がある。また、透明保護層200と表示パネル100との間の空気量が少なく、外気が入り込むことができないか、あるいは少量の空気しか入り込まないにもかかわらず、空気中の埃などの異物が存在し、その異物が透明保護層や表示パネルの表面に吸着されてブラックスポット現象を形成することがある。上記の問題点に鑑み、本開示では以下のさらなる解決策を提案する。
【0073】
前記透明保護層200は、ガラススクリーンであり、前記ガラススクリーン200における前記粘着領域に対応する箇所に絶縁点が設けられており、前記表示パネルの上偏光板は、低ヘイズの偏光板である。この絶縁点により、粘着領域における表示パネルと透明保護層との間の微少な距離が可視光の波長の半分よりも大きくなり、表示パネルと透明保護層からの可視光の反射干渉によって生じる遊色を回避できることが理解できる。一方で、表示パネルに異物が吸着できないため、ブラックスポット現象の発生を回避できる。本実施例では、前記絶縁点の高さは、0.03mm~0.08mmである。
【0074】
表示モジュール10の上記実施例では、さらに、前記透明保護層はガラススクリーンであり、前記ガラススクリーンの前記表示パネルに向ける一面は平滑面(<1μm)であり、前記表示パネルの上偏光板は高ヘイズの偏光板である。通常、高ヘイズの偏光板は3μm以上の粗さを持っている。高ヘイズの偏光板を使用することで、粘着領域における表示パネルと透明保護層との間の微少な距離が可視光の波長の半分よりも大きくなり、表示パネルと透明保護層からの可視光の反射干渉によって生じる遊色を回避できることが理解できる。また、滑らかなガラススクリーンには異物が吸着できないため、ブラックスポット現象の発生を回避できる。
【0075】
上記のさらなる解決策により、遊色/ブラックスポットの発生が大幅に減少し、遊色/ブラックスポットの状況がほとんど発生しないため、表示パネルの表示効果がさらに改善される。一方で、上記のさらなる解決策は、本開示の他の技術的効果に影響を与えないことが理解できる。絶縁点も高ヘイズの偏光板も、非常に微少な距離であり、表示パネルと透明保護層の固定効果に影響を与えることはない。
【0076】
表示モジュール10の上記実施例では、接着体300は、接着剤または粘着テープであってもよい。選択可能的に、接着体300は弾性粘着テープであり、表示装置の組み立てのとき、表示パネル100及び/又は透明保護層200が弾性粘着テープ300に対して一定の押圧を与え、表示パネル100と透明保護層200との接着後、表示パネル100と透明保護層200との間の空気の少なくとも一部が排出され、表示パネル100と透明保護層200との間の密閉空間に非常に少量の空気があり、接着後に弾性粘着テープ300により表示パネル100及び/又は透明保護層200に対して一定の弾性力を発生し、表示パネル100と透明保護層200との間の固定は常に強固である。
【0077】
表示装置からの光漏れを防止するために、弾性粘着テープ300は不透明のテープであり、表示パネル100と透明保護層200は、不透明の弾性粘着テープを介して接着されることで、光漏れによる表示効果への影響を効果的に防止することができる。図に示すように、不透明の弾性粘着テープ300は、発泡スチック層310と、第1接着層320と、第2接着層330とを含み、第1接着層320と第2接着層330は、それぞれ発泡スチック層310の両面に位置し、弾性粘着テープ300は第1接着層320を介して透明保護層200に接着され、第2接着層330を介して表示パネル100に接着され、表示パネル100と透明保護層200は弾性粘着テープ300を介して接着して固定されるので、固定方式が簡単であり、発泡スチックのコストも低い。表示パネル100と透明保護層200との間の接着に係るコストがさらに低減される。
【0078】
弾性粘着テープ300は、容易に破損しないようにその強度を強めるために、補強層340をさらに含む。補強層340は、第1接着層320と第2接着層330との間に位置し、選択的に、第1接着層320と発泡スチック層310との間、または、第2接着層330と発泡スチック層310との間に位置する。補強層340の少なくとも一端部が表示パネル100の側辺から突出してもよいし、弾性粘着テープ300の端部が表示パネル100の側辺から突出してもよい。組み立て後に表示パネル100と透明保護層200が分離する必要がある場合、突出した補強層340を引き裂くことで表示パネル100と透明保護層200の分離が容易にでき、表示パネル100と透明保護層200の分離は簡単で便利である。補強層340は、PETプラスチック層であってもよい。
【0079】
表示パネル100と透明保護層200との間の弾性粘着テープ300は少なくとも2つである。隣接する2つの弾性粘着テープ300の端部の間に、少なくとも2つの対応する結合辺を有するため、そのうちの1つが位置誤差による封止効果への影響を回避する。隣接する弾性粘着テープ300は結合辺によって結合され、隣接する各接着体300は結合して表示パネル100の縁側と透明保護層200の縁側とを封止する。図に示すように、隣接する2つの弾性粘着テープ300のうち、一方の端部に第1凸部350及び第1凹部360を有し、他方が第2凸部370及び第2凹部380を有し、第1凸部350が第2凹部380に対応し、第1凹部360が第2凸部370に対応する。隣接する2つの弾性粘着テープ300は、接着時に凸部と凹部の対応の結合が比較的容易となり、弾性粘着テープ300により表示パネル100の縁側と透明保護層200の縁側を封止するのに便利である。弾性粘着テープ300は4つであってもよい。各弾性粘着テープ300はそれぞれ表示パネル100、透明保護層200の側辺に対応し、4つの弾性粘着テープ300は、表示パネル100、透明保護層200の4つの側辺の縁側にそれぞれ接着される。4つの弾性粘着テープ300は、表示装置の組み立て中で、表示パネル100と透明保護層200の4つの側辺に正確に接着されることが容易であり、それらの構造が簡単であり、加工や成形が容易である。そして、2つの弾性粘着テープ300の間の屈曲した結合辺は、表示パネル100と透明保護層200の密封性を高める。
【0080】
前記弾性粘着テープ300は、4つに限定されず、他の実施例では、1つ、2つ、3つなどであってもよい。また、弾性粘着テープ300の形状は限定されず、長方形、「L」字型などであってもよい。隣接する2つの弾性粘着テープ300間の結合方式は、凸部と凹部に限定されない。弾性粘着テープ300は、接着後に表示パネル100の縁側と透明保護層200との間に縁シール構造を形成できる。
【0081】
表示装置のタッチ効果を実現するために、表示パネル100と透明保護層200との間にタッチ膜(図示せず)がさらに設けられ、粘着領域900において、表示パネル100と透明保護層200がいずれもタッチ膜に密着するようにしている。
【0082】
コストを抑えつつ、より良い接着効果を得るために、弾性粘着テープ300の幅を3~10mmとし、接着状態での弾性粘着テープ300の厚さを0.3~1mmとし、接着状態での弾性粘着テープ300の厚さを自然状態での厚さの50~80%とする。弾性粘着テープ300の厚さが薄いため、表示装置のタッチコントロール効果が弾性粘着テープ300によって影響されることなく、タッチ感が良くなる。
【0083】
また、接着状態での弾性粘着テープ300の厚さが、自然状態での厚さの50%~80%であり、この状態での弾性粘着テープ300は、良好な接着性を有するので、表示パネル100と透明保護層200とが良好な密封性を有するとともに接着固定を行うようにするだけでなく、弾性粘着テープ300が良好な弾性を維持できるようにする。表示モジュール10が外力によって衝撃を受けると、弾性粘着テープ300の弾性変形によって外力作用を軽減でき、弾性粘着テープ300での表示パネル100の破損を回避するとともに、表示パネル100がより均等な力を受けるようにして、いくつかの画素点が破損して光漏れが発生するのを回避することができる。接着状態での弾性粘着テープ300の厚さが80%以上であれば、その接着性が確保できず、表示パネル100と透明保護層200との接着固定性が悪くなり、表示パネル100が透明保護層200から脱落しやすくなるからである。接着状態での弾性粘着テープ300の厚さが50%未満であると、表示パネル100と透明保護層200との間の接着固定性が良いが、この状態での弾性粘着テープ300の弾性が足りないため、表示モジュール10が外力によって衝撃を受けると、弾性粘着テープ300が十分な弾性変形によって外力作用を軽減することができない。これは弾性粘着テープ300での表示パネル100の破損の可能性が高くなり、同様に、表示パネル100も均等な力を受けることができず、結果的に力受け点での表示パネルが破損して光漏れが発生してしまう可能性が高くなる。
【0084】
表示パネル100のサイズが異なる場合、表示パネル100と透明保護層200との間の粘着領域900の縁は、接着体300からの距離が異なり、通常15mm~150mmである。少量の空気は、表示パネル100と透明保護層200との間の粘着領域900の縁から接着体300までに存在するが、表示装置の表示効果には影響を与えることはない。
【0085】
に示すように、弾性粘着テープ300に2つの隔離層390をさらに設置でき、一方の隔離層390は第1接着層320に接続され、他方の隔離層390は第2接着層330に接続される。隔離層390は第1接着層320および第2接着層330を外部から隔離し、弾性粘着テープ300を表示パネル100及び透明保護層200に接着する際には、先に第1接着層320に接続された剥離紙を剥がして、第1接着層320を介して弾性粘着テープ300を透明保護層200に接着し、次に第2接着層330に接続された剥離紙を剥がして、弾性粘着テープ300を表示パネル100に接着させる、あるいは、先に第2接着層330に接続された剥離紙を剥がして、第2接着層330を介して接着体300を表示パネル100に接着し、次に第1接着層320に接続された剥離紙を剥がして、弾性粘着テープ300を透明保護層200に接着させる。
【0086】
図5に示すように、本実施例による表示装置は、ケースを含み、表示モジュール10の透明保護層200は、このケースに相互に固定され、表示モジュール10の表示パネル100は、ケース内に配置されている。ケースは、額縁400、バックシート500及びモジュールプラスチックフレーム600を含む。額縁400とバックシート500は固定的に接続されて、表示パネル100及び表示装置の他の素子(例えばバックライトモジュール)を置くための収容空間を形成している。モジュールプラスチックフレーム600は、バックシート500に固定されており、透明保護層200は、表示パネル100よりも面積が大きく、透明保護層200の縁は表示パネル100を被覆していないため、表示パネル100の側辺はオーバーハングしており、透明保護層200と反対側の一面が発泡体700を介してモジュールプラスチックフレーム600に接続されている。
【0087】
組み立てられた表示装置では、表示装置の輸送や搬送時に、表示パネル100が透明保護層200に固定され、透明保護層200が剛性のものであるため、表示パネル100が揺れにくく、また、表示パネル100と透明保護層200の隙間が小さいため、表示パネル100が揺れても、その揺れ空間(ストローク)が小さく、透明保護層に対する衝撃による衝撃力も小さくなり、表示パネル100の破損の確率を下げることができる。
【0088】
さらに、表示パネル100の側辺がオーバーハングしているので、表示パネル100とモジュールプラスチックフレーム600が接触しないため、表示パネル100とモジュールプラスチックフレーム600が衝突してスクリーンの破損が発生してしまうことを避ける。表示パネル100とモジュールプラスチックフレーム600の衝突をさらに防止するために、表示パネル100の側辺はケースからの縦方向距離が2mmより大きくなるようにすることにより、表示装置の輸送中に表示パネル100が揺れたとしても、表示パネル100がモジュールプラスチックフレーム600に接触することはない。
【0089】
具体的には、額縁400は、上側辺、下側辺、左側辺および右側辺からなり、額縁400に第1スロット410が設けられ、バックシート500に第1係合部510が設けられ、第1スロット410が第1係合部510にマッチングし、額縁400は、第1スロット410および第1係合部510を介してバックシート500に接続して固定され、モジュールプラスチックフレーム600は、バックシート500または額縁400に接続され、好ましくはバックシート500に接続して固定される。バックシート500とモジュールプラスチックフレーム600との間に表示パネルの光源となるバックライトモジュール(図示せず)が固定され、表示パネル100の裏面とモジュールプラスチックフレーム600との間に防塵用の発泡体700が設けられ、発泡体700は、表示パネル100とモジュールプラスチックフレーム600との間の隙間を封止し、水や埃などがバックシート500から侵入して表示装置の内部に影響を与えることを防ぐためのものである。
【0090】
額縁400は、タッチフレームであり、額縁400に第1収容溝420が設けられ、透明保護層200の側辺が第1収容溝420に位置し、かつ額縁400が透明保護層200に当接し、額縁400にタッチPCB基板430と収容空間440とが設けられ、タッチPCB基板430が収容空間440内に位置し、タッチPCB基板430に、誘導受信素子または誘導送信素子である誘導素子が設けられ、表示装置の額縁400の対向する2つの側辺のうち、一方の額縁400に設けられた誘導素子が誘導送信素子であり、他方の額縁400に設けられた誘導素子が誘導受信素子であり、誘導送信素子が誘導受信素子に対応している。タッチPCB基板430は、表示装置の縦方向の前側に配置されており、額縁400に、対向して設けられる2つの第2スロット450が設けられ、タッチPCB基板430の対向する2つの側辺がそれぞれ2つの第2スロット450に位置し、タッチPCB基板430は、2つの第2スロット450を介して額縁400に固定される。額縁400に、表示装置の縦方向の前側にも配置されるフィルタ460がさらに設置される。誘導素子の誘導信号が、フィルタストリップであるフィルタ460を通過した後、表示装置の前側に配置される。
【0091】
上記表示モジュールは、図6を参照して、以下のステップを含む方法で組み立てることができる。
【0092】
S10:表示パネルと透明保護層を対向させる。
【0093】
S20:透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0094】
S30:接着体は、それぞれ表示パネルと透明保護層を固定的に接続し、表示パネルの縁側と透明保護層との間にシール構造が形成され、表示パネルの周縁と透明保護層との間にシール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0095】
第1実施例では、この方法は、具体的に、以下のステップを含む。
【0096】
表示パネルを第1載置台に置く。
【0097】
接着体の第1接着層を透明保護層に接着し、透明保護層を表示パネルに置く。
【0098】
透明保護層が、それ自体の重力又は外力の作用で、その中央領域の少なくとも一部が表示パネル側に凹んで、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0099】
接着体の第2接着層を表示パネルに接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。第1実施例では、まず表示パネルを置き、透明保護層が表示パネル側に向かって凹んで、接着体を、先に透明保護層に接着し、次に表示パネルに接着する。
【0100】
第2実施例では、この方法は、具体的に、以下のステップを含む。
【0101】
表示パネルを第1載置台に置く。
【0102】
接着体の第2接着層を表示パネルに接着し、透明保護層を表示パネルに置く。
【0103】
透明保護層が、それ自体の重力又は外力の作用で、その中央領域の少なくとも一部が表示パネル側に凹んで、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0104】
接着体の第1接着層を透明保護層に接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0105】
この第2実施例は、接着体を、先に表示パネルに接着し、次に透明保護層に接着する接着体の接着順序が異なる点で、第1実施例と異なる。
【0106】
第3実施例では、この方法は、具体的に、以下のステップを含む。
【0107】
透明保護層を第1載置台に置く。
【0108】
接着体の第1接着層を透明保護層に接着し、表示パネルを透明保護層に置く。
【0109】
表示パネルが、それ自体の重力又は外力の作用で、その中央領域の少なくとも一部が透明保護層側に凹んで、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0110】
接着体の第2接着層を表示パネルに接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0111】
第3実施例では、組み立て時に、先に透明保護層を置き、次に表示パネルを置き、表示パネルが透明保護層側に凹んでいる。表示パネルと透明保護層の置き順序が第1実施例、第2実施例と異なる。
【0112】
第4実施例では、この方法は、具体的に、以下のステップを含む。
【0113】
透明保護層を第1載置台に置く。
【0114】
接着体の第2接着層を表示パネルに接着し、表示パネルを透明保護層に置く。
【0115】
表示パネルが、それ自体の重力又は外力の作用で、その中央領域の少なくとも一部が透明保護層側に凹んで、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0116】
接着体の第1接着層を透明保護層に接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0117】
第4実施例では、組み立て時に、先に透明保護層を置き、次に表示パネルを置き、表示パネルが透明保護層に向けて凹んでいる。接着体を、先に表示パネルに接着した後、透明保護層に接着する点で、第3実施例と異なる。
【0118】
第5実施例では、この方法は、具体的に、以下のステップを含む。
【0119】
表示パネルを第1載置台に置く。
【0120】
接着体の第1接着層を透明保護層に接着し、透明保護層を表示パネルに置く。
【0121】
透明保護層がそれ自体の重力又は外力の作用で、接着体が受圧で薄くなることにより、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0122】
接着体の第2接着層を表示パネルに接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0123】
第5実施例では、組み立て時に、表示パネルを置いた後、透明保護層を置き、接着体が受圧で薄くなって、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出し、接着体を透明保護層に接着した後、表示パネルに接着する。しかし、第1~第4実施例では、透明保護層が表示パネルに向けて凹んで、又は表示パネルが透明保護層に向けて凹んで、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出することになっている。
【0124】
第6実施例では、この方法は、以下のステップを含む。
【0125】
表示パネルを第1載置台に置く。
【0126】
接着体の第2接着層を表示パネルに接着し、透明保護層を表示パネルに置く。
【0127】
透明保護層がそれ自体の重力又は外力の作用で、接着体が受圧で薄くなることにより、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0128】
接着体の第1接着層を透明保護層に接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0129】
第6実施例では、先に表示パネルを置き、次に透明保護層を置き、接着体が受圧で薄くなった後、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。この組み立て方法では、接着体を、表示パネルに接着した後透明保護層に接着する。
【0130】
第7実施例では、この方法は、以下のステップを含む。
【0131】
透明保護層を第1載置台に置く。
【0132】
接着体の第1接着層を透明保護層に接着し、表示パネルを透明保護層に置く。
【0133】
表示パネルがそれ自体の重力又は外力の作用で、接着体が受圧で薄くなることにより、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0134】
接着体の第2接着層を表示パネルに接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0135】
第7実施例では、先に透明保護層を置き、次に表示パネルを置き、接着体が先に透明保護層に接着され、接着体が受圧で薄くなって、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出し、そして、接着体を表示パネルに接着する。この組み立て方法では、表示パネルと透明保護層の置き順序が第5及び第6実施例と異なる。
【0136】
第8実施例では、この方法は、以下のステップを含む。
【0137】
透明保護層を第1載置台に置く。
【0138】
接着体の第2接着層を表示パネルに接着し、表示パネルを透明保護層に置く。
【0139】
表示パネルがそれ自体の重力又は外力の作用で、接着体が受圧で薄くなることにより、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0140】
接着体の第1接着層を透明保護層に接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0141】
第8実施例では、先に透明保護層を置き、次に表示パネルを置き、接着体が先に表示パネルに接着され、そして、表示パネルがそれ自体の重力又は外力の作用で、接着体が受圧で薄くなって、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出し、そして、接着体を透明保護層に接着する。この組み立て方法では、接着体の接着順序が第7実施例と異なる。
【0142】
第9実施例では、この方法は、以下のステップを含む。
【0143】
表示パネルを第1載置台に置き、透明保護層を第2載置台に置き、透明保護層と表示パネルを対向させる。
【0144】
外力の作用で、透明保護層及び表示パネル両方のうち少なくとも一方の中央領域の少なくとも一部が両方の互いに対向する側に向けて凹んで、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0145】
接着体が、それぞれ表示パネル及び透明保護層を接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域と間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0146】
第9実施例では、透明保護層と表示パネルが対向しており、外力の作用で、透明保護層を押圧して透明保護層の中央領域を表示パネルの側辺に凹ませるか、又は表示パネルを押圧して表示パネルの中央領域を透明保護層側に凹ませるか、又は透明保護層と表示パネルを同時に押圧して、透明保護層を表示パネル側に凹ませるとともに表示パネルも透明保護層側に凹ませ、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出し、そして、接着体をそれぞれ表示パネル及び透明保護層に接着する。上記第1~第8実施例では、組み立て方法は、いずれも表示パネルと透明保護層を水平にして接着するものであり、透明保護層と表示パネルとを垂直にして接着するものであってもよく、この垂直にする状態では、表示パネルを透明保護層側に傾けるか、または透明保護層を表示パネル側に傾けることも可能である。そして、外力の作用で、透明保護層及び表示パネル両方の少なくとも1つの中央領域の少なくとも一部が両方の互いに対向する側に向けて凹んでいる。
【0147】
第10実施例では、表示装置は、以下の方法で組み立てられてもよい。この方法は、以下のステップを含む。
【0148】
表示パネルと透明保護層とを対向させる。
【0149】
接着体を、それぞれ表示パネル及び透明保護層に接着する。
【0150】
透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出して、表示パネルの縁側と透明保護層を封止し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、前記表示パネルと前記透明保護層とが吸着し合って、粘着領域及び間隙領域が形成され、前記間隙領域が前記粘着領域を取り囲み、前記接着体が前記間隙領域を取り囲む。
【0151】
第10実施例では、表示パネルと透明保護層の組み立て時に、まず接着体を用いて表示パネルと透明保護層との間を接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に通気孔を残し、そして、外力により透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出し、そして、通気孔を封止し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成される。
【0152】
第11実施例では、他の表示モジュールの組み立て方法をさらに開示する。この方法は以下のステップを含む。
【0153】
表示パネルを第1載置台に置く。
【0154】
接着体の第1接着層をガラスに接着し、ガラスを表示パネルに置く。
【0155】
ガラスが、それ自体の重力又は外力の作用で、その中央領域の少なくとも一部が表示パネル側に湾曲して、表示パネルに密着される。
【0156】
ガラスが、それ自体の重力又は外力の作用で、その中央領域の少なくとも一部が表示パネル側に凹んで、透明保護層と表示パネルとの間の空気の少なくとも一部を排出する。
【0157】
接着体の第2接着層を表示パネルに接着し、表示パネルの縁側と透明保護層との間に縁シール構造が形成され、表示パネルと透明保護層とが少なくとも中央部で密着されて粘着領域が形成され、表示パネルと透明保護層とが粘着領域の外周に粘着領域を取り囲むように設けられる空隙領域が形成される。
【0158】
上記実施例では、表示パネルと透明保護層との組み立ては、それ自体の重力の作用でも、外力の作用でも、自体の重力と外力の組み合わせでも完了することができる。外力を用いる場合には、エアバッグが透明保護層を押圧したり、表示パネルを押圧したり、透明保護層と表示パネルを同時に押圧したりするなど、他の外力を用いて押圧することができる。
【0159】
以下を説明する必要がある。
【0160】
上記の「中央部」は、絶対的な中央部ではなく、表示パネル又は透明保護層における縁シール構造より内側になる領域を指すものである。
【0161】
上記の「表示パネルと透明保護層を対向させる」は、絶対的に対向させるものではなく、表示パネルと透明保護層が少しずれてもよいし、少し一定の角度で傾けてもよい。
【0162】
上記の「第1載置台」、「第2載置台」は、平坦のステージ面であってもよいし、側辺だけで構成されて表示パネル又は透明保護層を固定することができる固定装置であってもよい。
【0163】
上記の「第1、第2、第3…」は、名称の区別のために用いられるだけで、具体的な数量及び順序を表すものではない。
【0164】
上記の「両方の互いに対向する側」は、表示パネルと透明保護層が近接している側を指す。
【0165】
本開示の実施例では、上記の方法によっていずれかの表示モジュールを得るステップと、該表示モジュールの表示パネルをケース内に置き、表示モジュールの透明保護層とケースを互いに固定し、表示モジュールの透明保護層とケースを互いに固定した後に表示パネルの側辺をケースに対してオーバーハングさせるステップと、を含む表示装置組み立て方法をさらに提供する。
【0166】
以上は、本開示の具体的な実施例に過ぎず、各実施例の例は、矛盾が生じる場合を除き、互換的に使用することができ、これをもって本開示の保護範囲を限定するものではなく、本開示の思想に違反しない上で行われた置換や改良は、いずれも本開示の保護範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6