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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】削岩設備及び削岩機
(51)【国際特許分類】
   E21B 6/00 20060101AFI20240122BHJP
   F15B 15/22 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
E21B6/00
F15B15/22 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021554700
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2020057161
(87)【国際公開番号】W WO2020183031
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】19162773.6
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515277780
【氏名又は名称】サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コスキマキ, アンッティ
(72)【発明者】
【氏名】ハマライネン, ミッコ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィイニッカ, マッティ
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0001432(US,A1)
【文献】国際公開第2010/058073(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/148575(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0053076(US,A1)
【文献】米国特許第03741072(US,A)
【文献】特開平10-169358(JP,A)
【文献】特開平11-173063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 6/00
F15B 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-ドリルロッド(16)、及び当該ドリルロッド(16)の先端に取り付けたドリルビット(17)を備える工具(15)と、
-衝撃装置(1)であって、
--フレーム(2)、
--前記フレーム(2)内の圧力室(3a、3b)、
--前記衝撃装置(1)内に配置され、自身の圧力室を前記フレーム(2)内の前記圧力室(3a、3b)に接続したピストン(4)、及び
--前記工具(15)と接続され、前記フレーム(2)に回転可能な態様で支持されるシャンク(14)、
を備える衝撃装置(1)と、
-前記衝撃装置(1)を、フィードビーム(13)上を移動可能な態様で配設されたキャリッジ(6)に取り付けるための後方装着設備(5)と、
-前記衝撃装置(1)を、前記シャンク(14)を回転させる機能などを担う機械部品(10)に取り付けるための前方装着設備(7)と、
-前記ピストンの軸方向(X)において前記後方装着設備(5)の前側に配置された少なくとも1つの前方蓄圧器(8)と、
-前記後方装着設備(5)の背側に配置された少なくとも1つの後方蓄圧器(9)と
を備え、
-前記前方蓄圧器(8)及び前記後方蓄圧器(9)は前記圧力室(3a、3b)のうちの1つに接続され、前記圧力室(3a、3b)内の圧力変動を吸収するように配置される、削岩設備(100)。
【請求項2】
少なくとも2つの前方蓄圧器(8)を備える、請求項1に記載の削岩設備。
【請求項3】
4つの前方蓄圧器(8)を備える、請求項1又は2に記載の削岩設備。
【請求項4】
少なくとも2つの後方蓄圧器(9)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の削岩設備。
【請求項5】
前記前方蓄圧器(8)の少なくとも1つが高圧(HP)蓄圧器であり、そのプレチャージ圧力が50~150バール、好ましくは50~100バールの範囲内である、請求項1から4のいずれか一項に記載の削岩設備。
【請求項6】
前記前方蓄圧器(8)の各々が高圧(HP)蓄圧器である、請求項5に記載の削岩設備。
【請求項7】
前記後方蓄圧器(9)の少なくとも1つが低圧(LP)蓄圧器であり、そのプレチャージ圧力が1~5バール、好ましくは2~4バールの範囲内である、請求項1から6のいずれか一項に記載の削岩設備。
【請求項8】
前記後方蓄圧器(9)の各々が低圧(LP)蓄圧器である、請求項7に記載の削岩設備。
【請求項9】
前記蓄圧器(8、9)が前記フレーム(2)の側面に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の削岩設備。
【請求項10】
前記蓄圧器(8、9)の少なくとも1つが、前記フレーム(2)の上部に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の削岩設備。
【請求項11】
前記ピストンの前記軸方向(X)の異なる位置に配置された2つの低圧(LP)蓄圧器を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の削岩設備。
【請求項12】
前記後方装着設備(5)が、前記軸方向(X)に対して垂直に位置合わせされる、請求項1から11のいずれか一項に記載の削岩設備。
【請求項13】
前記後方装着設備(5)が、前記軸方向(X)に対して斜めに位置合わせされる、請求項1から11のいずれか一項に記載の削岩設備。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の削岩設備(100)を備える削岩機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、削岩設備に関する。
【0002】
本発明はさらに、削岩機に関する。
【背景技術】
【0003】
削岩機は、材料を削岩するための、操作される工具に衝撃パルスを提供する衝撃装置を備える。衝撃装置は、衝撃方向及び戻り方向に向かって移動する往復ピストンを備える。衝撃装置は、後方圧力室及び前方圧力室を備える。ピストンを衝撃方向に移動させるために、後方圧力室に高圧が供給される。打撃ピストンを後退させるために、低圧が後方圧力室に提供され、それによって、打撃ピストンは、前方圧力室に常に残っている高圧の影響によって後退する。しかしながら、ピストンの移動は、他の方法でも実現され得る。
【0004】
圧力室内の圧力媒体の圧力の連続的な変化により、圧力室内にキャビテーションが発生する可能性がある。その結果、衝撃装置が劣化するおそれがある。キャビテーションのリスクを低減するために、蓄圧器を圧力室に接続することが知られている。
【0005】
衝撃装置に長尺ピストンを使用することは、長尺ピストンが通常の寸法を有するピストンよりも良好な衝撃力学を提供するので、大きな直径を有する孔を掘削するときに有利である。長尺ピストンは、明らかに通常のピストンよりも長い。
【0006】
長尺ピストンの衝撃装置の問題は、それらの寸法のために、通常の衝撃装置と比較してはるかに大きな空間を必要とすることである。
【発明の概要】
【0007】
第1の態様から見ると、衝撃装置であって、フレーム、フレーム内の圧力室、及び衝撃装置内に配置されたピストンを備える衝撃装置と、衝撃装置をキャリッジに取り付けるための後方装着設備と、衝撃装置を機械部品に取り付けるための前方装着設備と、ピストンの軸方向において後方装着設備の前側に配置された少なくとも1つの前方蓄圧器と、後方装着設備の背側に配置された少なくとも1つの後方蓄圧器とを備え、前方蓄圧器及び後方蓄圧器が圧力室のうちの1つに接続され、前記圧力室内の圧力変動を吸収するように配置される、削岩設備を提供することができる。
【0008】
これにより、一般的に使用される掘削機に適合する削岩設備を実現することができる。さらに、高容量の蓄圧器を有し、したがって圧力振動を吸収する能力を有する削岩設備を達成することができる。
【0009】
第2の態様から見ると、上述の掘削設備を備える削岩機を提供することができる。
【0010】
設備及び方法は、独立請求項に記載されているものによって特徴付けられる。いくつかの他の実施形態は、他の請求項に記載されているものによって特徴付けられる。本発明の実施形態は、本特許出願の明細書及び図面にも開示されている。本特許出願の発明の内容はまた、以下の特許請求の範囲で定義される以外の方法で定義されてもよい。本発明の内容はまた、特に本発明が表現された若しくは暗黙のサブタスクに照らして、又は得られる利益若しくは利益グループに照らして検討される場合、いくつかの別個の発明から形成されてもよい。したがって、以下の特許請求の範囲に含まれる定義のいくつかは、別個の発明の概念を考慮すると不要である場合がある。本発明の異なる実施形態の特徴は、基本的な発明概念の範囲内で、他の実施形態に適用されてもよい。
【0011】
一実施形態では、設備は、少なくとも2つの前方蓄圧器を備える。利点は、蓄圧器が前方圧力室に近いことである。
【0012】
一実施形態では、設備は、4つの前方蓄圧器を備える。利点は、フレーム内に配置された圧力室に接続された蓄圧器の総容積を増加させることができることである。
【0013】
一実施形態では、設備は、少なくとも2つの後方蓄圧器を備える。利点は、ピストンの後方圧力室の近くに蓄圧器を配置できることである。
【0014】
一実施形態では、前方蓄圧器の少なくとも1つは、高圧(HP)蓄圧器であり、そのプレチャージ圧力は50~150バールの範囲内である。利点は、ピストンの効果的な衝撃移動を提供するための高圧を、前方圧力室内に維持できることである。一実施形態では、圧力範囲は50~100バールである。利点は、弾性ダイヤフラムなどの高圧(HP)蓄圧器の構成要素の寿命を延ばすことができることである。
【0015】
一実施形態では、前方蓄圧器の各々は高圧(HP)蓄圧器である。利点は、ピストンに対してHP蓄圧器の位置を最適化できることである。
【0016】
一実施形態では、後方蓄圧器の少なくとも1つは、低圧(LP)蓄圧器であり、そのプレチャージ圧力は1~5バールの範囲内である。利点は、LP蓄圧器がピストンの後方圧力室に近く、その中でのキャビテーションのリスクを低減できることである。一実施形態では、圧力は、衝撃装置で使用される典型的なタンク圧力と特に一致する2~4バールである。
【0017】
一実施形態では、後圧蓄圧器の各々は低圧(LP)蓄圧器である。利点は、キャビテーションのリスクを効果的に低減できることである。
【0018】
一実施形態では、蓄圧器はフレームの側面に配置される。利点は、蓄圧器が掘削設備における衝撃装置の取り付けを妨げないことである。
【0019】
一実施形態では、蓄圧器の少なくとも1つは、フレームの上部に配置される。利点は、蓄圧器の数及び容量を増加させることができることである。
【0020】
一実施形態では、設備は、ピストンの軸方向Xの異なる位置に配置された2つの低圧(LP)蓄圧器を備える。利点は、LP蓄圧器の位置を衝撃装置の圧力室に対して最適化できることである。
【0021】
一実施形態では、全ての蓄圧器は同じサイズである。利点は、蓄圧器の部品の少なくともいくつかが同一であってもよく、したがって、衝撃装置の整備が簡単になることである。
【0022】
一実施形態では、後方装着設備は、軸方向に対して垂直に位置合わせされる。利点は、削岩機で一般的に使用されるキャリッジに衝撃装置を取り付けるのが簡単であることである。
【0023】
一実施形態では、後方装着設備は、軸方向に対して斜めに位置合わせされる。利点は、後方装着具の位置により、蓄圧器の位置を最適化できることである。
【0024】
一実施形態では、ピストンは長尺ピストンである。利点は、特に大径の孔を作る際により良好な衝撃力学を提供できることである。
【0025】
本開示を示すいくつかの実施形態は、添付の図面においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】掘削機の概略側面図である。
図2a】設備の詳細の概略斜視図である。
図2b】部分断面における設備の詳細の概略側面図である。
図3a】実施形態の詳細の概略側面図である。
図3b】実施形態の詳細の概略側面図である。
図3c】実施形態の詳細の概略側面図である。
図3d】実施形態の詳細の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面において、明確にするためにいくつかの実施形態を簡略化して示している。図面において、同様の部分には同じ参照番号が付されている。
【0028】
図1は、削岩設備100を備える掘削機の概略側面図である。削岩設備100は、ブーム12によって可動キャリア11に接続されている。しかしながら、削岩設備100は、何らかの他の方法でキャリア11に配置されてもよい。
【0029】
図示の可動キャリア11は、車輪上を移動する。別の実施形態では、キャリア11は、例えば軌道上を移動する。
【0030】
削岩設備100は、フィードビーム13内に配置されたキャリッジ6に取り付けられている。キャリッジ6及びそれを有する削岩設備100は、フィード装置(図示せず)によってフィードビーム13上を移動することができる。
【0031】
削岩設備100は、工具15を接続するためのシャンク14(図2a、図2bに示す)をその前端に備える。工具15は、1つ又は複数のドリルロッド16と、工具15の遠位端に配置されたドリルビット17とを備えることができる。
【0032】
削岩設備100は、シャンク14及び工具15を回転させるための回転装置(図示せず)をさらに備えることができる。
【0033】
削岩設備100は、工具15に衝撃パルスを生成するように配置された衝撃装置1を備える。衝撃装置の詳細については後述する。
【0034】
掘削現場では、削岩ユニット100によって1つ又は複数のドリル孔が掘削される。ドリル孔は、図1に示すように水平方向に、又は垂直方向に、又は水平方向と垂直方向との間の任意の方向に掘削することができる。開示された解決策は、トップハンマー掘削として知られている。
【0035】
図2aは部分断面における削岩設備の詳細の概略斜視図であり、図2bは部分断面における削岩設備の詳細の概略側面図である。
【0036】
削岩設備100は、フレーム2、フレーム2内の圧力室3a、3b、及び衝撃装置1内に配置された往復ピストン4を備える衝撃装置1を有する。ピストンは、衝撃装置1の作業サイクル中に、フレーム2内をピストンの軸方向Xに往復移動するように配置されてもよい。ピストン4の前記移動は、加圧圧力媒体、典型的には液圧流体によって付勢され、フレームの圧力室3a、3bに導かれ、ピストン4の作動圧力面に作用する。図2bに示す実施形態では、分配器19は、ピストンを移動させる適切な力がピストンの圧力室間に生じるように、圧力室内の流体のアクセスを制御する。
【0037】
一実施形態では、使用されるピストン4は、通常のピストンよりも明らかに長い。しかしながら、本発明は、通常の長さを有するピストンを備える衝撃装置にも適用できることに留意されたい。
【0038】
フレーム2をキャリッジ6に取り付けるために、後方装着設備5が配置される。図面に示す後方装着設備5は、装着孔としての貫通孔を有し、軸方向に対して垂直に配置された2つの締結ラグ18を備える。
【0039】
ねじ又はボルトなどの締結装置が、装着孔に嵌合されてもよい。装着孔は、ブランクであってもよく、又はねじ山を備えてもよい。一実施形態では、後方装着設備5は、いかなる取り付け手段も有さず、ただ、衝撃装置1の重量の少なくとも一部を受け取り、前記重量を削岩設備100の基礎構造、例えばキャリッジ6に渡すように配置された接触面のみを備える。
【0040】
別の実施形態では、後方装着設備5は、ラグ又は同様の機構を用いずに実現されるが、フレーム2上に延在し、衝撃装置1を例えばキャリッジ6に取り付けるカラー要素を備える。
【0041】
さらに、衝撃装置1は、衝撃装置1を機械部品10に取り付けるための少なくとも1つの前方装着設備7を備えることができる。図2a、図2bに示す実施形態では、前記機械部品10は、衝撃装置1とギアボックス21との間に配置されたスペーサ要素20である。前方装着設備7は、前記スペーサ要素20の装着孔に対応する装着孔を備える。図2a、図2bに示す実施形態は、ギアボックス21に取り付けられたフラッシングユニット22も備える。
【0042】
一実施形態では、機械部品10はギアボックスである。
【0043】
一実施形態では、機械部品10はフラッシングユニットである。
【0044】
さらに別の実施形態では、機械部品10は、後方装着設備5が取り付けられるのと同じキャリッジ6である。
【0045】
一態様によれば、衝撃装置1は、ピストンの軸方向Xにおいて後方装着設備5の前側に配置された少なくとも1つの前方蓄圧器8と、後方装着設備5の背側に配置された少なくとも1つの後方蓄圧器9とを備える。前方及び後方蓄圧器8、9は、フレームの圧力室3a、3bの一方に接続されている。
【0046】
「後方装着設備の前側」とは、本明細書では、後方装着設備と工具15との間に位置する衝撃装置の部品又は部分を意味する。
【0047】
「後方装着設備の背側」とは、本明細書では、後方装着設備と工具15との間に位置しない衝撃装置の部品又は部分を意味する。
【0048】
図2に示す実施形態では、衝撃装置1には4つの前方蓄圧器8及び2つの後方蓄圧器9がある。
【0049】
後方装着設備5の背側に蓄圧器8、9の一部を配置することにより、後方装着設備5の位置を選択することが可能になり、その結果、長尺ピストンを装備した衝撃装置1であっても、通常のピストンを有する衝撃装置用に寸法決めされた掘削機用に寸法決めされたキャリッジに取り付けることができる。
【0050】
蓄圧器8、9は、事実上、外部供給源によって加えられる圧力下で液圧流体が保持される圧力貯蔵リザーバである。図示の実施形態では、外部供給源は圧縮ガスである。ガスは、例えば窒素ガスであってもよい。
【0051】
この実施形態では、蓄圧器は、弾性ダイヤフラム、完全に密閉されたブラダ、又は浮動ピストンによって分離された2つの室を有するシリンダを備える。一方の室は液圧流体を収容し、フレームの圧力室3a、3bの一方に接続される。蓄圧器の他方のチャンバは、液圧流体に圧縮力を提供する加圧下のガスを収容する。圧縮されたガスの体積が変化すると、ガスの圧力と液圧流体の圧力とは逆に変化する。
【0052】
いくつかの別の実施形態では、外部供給源は、例えばばねによってガスの代わりに生成されてもよいことに留意されたい。
【0053】
蓄圧器8、9は、衝撃装置1の液圧システムが流体の一時的な要求により迅速に応答し、パルスを平滑化することを可能にする。エネルギー貯蔵装置の一種である。さらに、特に低圧蓄圧器は、フレームの圧力室及び/又はそれが接続されているピストンの圧力室におけるキャビテーションのリスクを低減することができる。
【0054】
蓄圧器8、9は、第1の側の蓄圧器がフレーム2の第2の側の蓄圧器に面する、又は対向するように、すなわちピストンの軸方向Xにおいて同じ位置にあるように、衝撃装置のフレーム2の2つの側に配置される。しかしながら、この配置は強制的なものではない。
【0055】
図2に示す実施形態では、全ての前方蓄圧器8は高圧(HP)蓄圧器であり、そのプレチャージ圧力は50~150バール、好ましくは50~100バールの範囲から選択することができる。複数のHP蓄圧器は、衝撃装置1に接続された圧力ホースの圧力パルスを低減することができる。
【0056】
加えて、全ての後方蓄圧器9は低圧(LP)蓄圧器である。低圧蓄圧器のプレチャージ圧力は、1~5バール、好ましくは2~4バールの範囲から選択することができる。
【0057】
しかしながら、LP及びHP蓄圧器は、後方装着設備5に対して異なるように構成されてもよいことに留意されたい。
【0058】
一実施形態では、前方蓄圧器8にはLP蓄圧器及びHP蓄圧器の両方がある。後方蓄圧器9も、LP及びHP蓄圧器の両方を備えてもよい。したがって、少なくとも1つのLP及び1つのHP蓄圧器から圧力室3a、3bまでの距離は短い。
【0059】
一実施形態では、2つのLP蓄圧器がフレーム2内の少なくとも実質的に対向する位置に取り付けられる。
【0060】
一実施形態では、2つのHP蓄圧器がフレーム2内の少なくとも実質的に対向する位置に取り付けられる。
【0061】
一実施形態では、LP蓄圧器は、HP蓄圧器と少なくとも実質的に対向する位置に取り付けられる。
【0062】
図3a~図3dは、実施形態の詳細の概略側面図である。
【0063】
図3aには、1つの前方蓄圧器8及び1つの後方蓄圧器9のみを備える実施形態が示されている。いくつかの態様では、これは本発明の最も単純な実施形態であり得る。一実施形態では、前方蓄圧器8は、フレーム2の前方圧力室に接続されたHP蓄圧器であり、後方蓄圧器9は、フレームの後方圧力室に接続されたLP蓄圧器である。なお、前方蓄圧器8と後方蓄圧器9とは、フレーム2の同じ側に配置されてもよい。さらに、少なくとも1つの蓄圧器をフレーム2の上部、すなわちキャリッジに対して対向する位置に配置することが可能である。
【0064】
図3bは、3つの前方蓄圧器8及び2つの後方蓄圧器9を備える実施形態を示す。一実施形態では、前方蓄圧器8はHP蓄圧器であり、両方の前方蓄圧器はフレーム2の前方圧力室3aに接続される。後方蓄圧器9は、LP蓄圧器であり、フレームの後方圧力室3bに接続される。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態では、前方蓄圧器8及び後方蓄圧器9のうちの少なくとも1つは、フレーム2の上部に配置される。図3bは、前方蓄圧器8の1つがフレーム2の上部に配置されている実施形態を示している。
【0066】
一実施形態では、衝撃装置は、少なくとも2つのサイズを有する蓄圧器を備える。図3cは、2つのより小さい蓄圧器及び2つのより大きい蓄圧器を含む4つの前方蓄圧器8を備える本実施形態の一例を示している。蓄圧器のサイズを選択することにより、実行される作業動作のための衝撃装置1の性能を最適化することが可能になる。
【0067】
図3dは、後方装着設備5が軸方向Xに対して斜めに位置合わせされる実施形態の一例を示している。
【0068】
本発明は、上記の実施形態のみに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される発明概念の範囲内で多くの変形が可能である。本発明の概念の範囲内で、異なる実施形態及び用途の属性は、別の実施形態又は用途の属性と組み合わせて使用することができ、又は別の実施形態若しくは用途の属性を置き換えることができる。
【0069】
図面及び関連する説明は、本発明の概念を例示することのみを意図している。本発明は、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の概念の範囲内で詳細に変更することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 衝撃装置
2 フレーム
3a、b 圧力室
4 ピストン
5 後方装着設備
6 キャリッジ
7 前方装着設備
8 前方蓄圧器
9 後方蓄圧器
10 機械部品
11 キャリア
12 ブーム
13 フィードビーム
14 シャンク
15 工具
16 ドリルロッド
17 ドリルビット
18 締結ラグ
19 分配器
20 スペーサ要素
21 ギアボックス
22 フラッシングユニット
100 削岩設備
X 軸方向
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図3d