(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】結び目のない縫合糸アンカーのためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/56 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
A61B17/56
(21)【出願番号】P 2022036161
(22)【出願日】2022-03-09
(62)【分割の表示】P 2018043830の分割
【原出願日】2018-03-12
【審査請求日】2022-03-09
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514046806
【氏名又は名称】メドス・インターナショナル・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Medos International SARL
【住所又は居所原語表記】Chemin-Blanc 38, CH-2400 Le Locle, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・エム・ピッチリッロ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・クリーブランド
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/076526(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/169905(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0257355(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0257381(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0231620(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用システムであって、
第1の細長シャフトと、
第2の細長シャフトと、
第1の部分、及び、前記第1の部分の内腔に配置される第2の部分を含む縫合糸アンカーアセンブリと、を備え、
前記第1の細長シャフトは、前記第2の細長シャフトの内腔を通って延在し、
前記第1の細長シャフトは、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分を通って延在し、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の遠位端部を越えて遠位に突出して、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分が骨の中に駆動されるのを可能にするように構成され、
前記第2の細長シャフトは、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分の内腔を画定する内壁に着脱可能に結合されるように構成され、
前記縫合糸アンカーアセンブリは、前記第1の部分に形成された第1の側面開口部を有し、前記第1の側面開口部は、これを通して縫合糸を受け取るように構成され、
前記第2の細長シャフトが前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分の前記内壁に着脱可能に結合された状態で、前記第2の細長シャフトが回転することにより、前記第2の部分により前記第1の側面開口部が閉塞されない第1の位置から、前記第2の部分により前記第1の側面開口部が閉塞される第2の位置まで、前記第2の部分が移動するように構成されており、
前記第2の部分が前記第1の部分の前記内腔に配置され、前記第2の細長シャフトが前記第2の部分の前記内腔に配置され、前記第1の細長シャフトが前記第2の細長シャフトの前記内腔を通って延在している状態で、前記第1の細長シャフトにより前記第1の部分が骨の中に駆動され、
その後、前記第2の細長シャフトが回転することによって前記第2の部分が前記第1の部分の前記内腔内で移動して、前記第2の部分により前記第1の側面開口部が閉塞される、外科用システム。
【請求項2】
前記第2の細長シャフトの回転は、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分を、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の内腔内で近位に動かすように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の前記内腔内で近位に動く前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分は、前記第1の側面開口部を閉塞する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記縫合糸を更に備え、
前記縫合糸が前記第1の側面開口部を通って受け取られた状態で、前記第2の細長シャフトの回転は、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分の外壁と、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の内壁との間で前記縫合糸を固定するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
第3の細長シャフトを更に備え、
前記第1の細長シャフトが前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分を通って延在して、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の前記遠位端部を越えて遠位に突出した状態で、前記第2の細長シャフトは、前記第3の細長シャフトから遠位に延在し、
前記第2の細長シャフトは、これに形成された第2の側面開口部を有し、
前記第3の細長シャフトは、これに形成された第3の側面開口部を有し、
前記第1の細長シャフトが前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分を通って延在して、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の前記遠位端部を越えて遠位に突出した状態で、かつ前記第2の細長シャフトが前記第3の細長シャフトから遠位に延在した状態で、前記第1の側面開口部、前記第2の側面開口部、及び前記第3の側面開口部は、互いと連通し、前記縫合糸が、前記第1の側面開口部、前記第2の側面開口部、及び前記第3の側面開口部を通過するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記縫合糸を更に備え、
前記縫合糸が前記第1の側面開口部を通って受け取られた状態で、前記第2の細長シャフトの回転は、前記骨の壁と前記縫合糸アンカーアセンブリの外壁との間で前記縫合糸を固定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、組織を骨に付着させるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
靭帯、腱、及び/又は他の軟組織の裂傷あるいは体内でそれらが関連する骨から全体的に若しくは部分的に剥離することは、特に運動選手の間ではありふれた外傷である。かかる外傷は、概して、過度の応力がこれらの組織にかけられることの結果として生じる。一例として、組織の裂傷又は剥離は、業務作業中に、又は競技大会の過程で、転倒、過度の行使等の事故の結果として生じ得る。軟組織の裂傷又は骨からの部分若しくは全体剥離の場合、手術は、一般に、軟組織(又はグラフト組織)を骨に再付着することを要求される。
【0003】
多数のデバイスが、軟組織を骨に固着するために使用されてきた。かかるデバイスの例として、スクリュー、タック、ステープル、縫合糸アンカー、及び縫合糸単独が挙げられる。縫合糸アンカーを利用する軟組織修復又は再付着処置では、アンカー受入れ孔が、固定又は組織再付着の望ましい場所で骨に穿孔され、縫合糸アンカーが、適切な据付けツールを使用して孔の中に配備される。縫合糸は、アンカーに結合され、軟組織又はその周りを通過して、したがって骨に有効に固定され、それにより、軟組織を骨に固着する。
【0004】
縫合糸アンカー処置中に、縫合糸アンカーをアンカー受取り孔の中に配備することが困難な場合がある。更に、アンカーを骨の中に挿入するための既存の縫合糸アンカー及びインサータ装置は、それらの使用を困難にする及び/又は望ましくない制限を課すある種の不利を有することがある。また、縫合糸を結び目に結ぶことが必要な処置は、特有の空間制約に起因して時間を要し、煩わしくあり得、それにより、手術を複雑にする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、骨に組織を付着させるための改善された方法及びシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、外科用システムが提供され、この外科用システムは、いくつかの実施形態では、内部を通って延在する内腔を有するガイドと、シース及びスクリューを備える縫合糸アンカーと、第1のドライバシャフトと、第2のドライバシャフトと、を備える。シースは、第1の側面開口部を有し、スクリューは、シースに形成された内腔内部に受け取られることによりシースと嵌合するように構成されている。第1のドライバシャフトは、ガイドの内腔内部に着脱可能に受け取られることにより、第1のドライブシャフトの突き錐先端部がシースの遠位端部を越えて延在するように構成されている。第2のドライバシャフトは、第1のドライバシャフトがガイドの内腔から除去された後に、ガイドの内腔内部に着脱可能に受け取られるように構成されており、第2のドライバシャフトは、遠位ドライバ部材を有し、この遠位ドライバ部材は、スクリューに形成された近位チャネル内部に着脱可能に受け取られることによりスクリューを駆動してシースと嵌合係合させるように構成されている。
【0007】
外科用システムは、多くの異なる態様で変化し得る。例えば、遠位ドライバ部材は、第2のドライバシャフトから遠位に延在する遠位ドライバ部材を有する第2のドライバシャフトの中間部分の外径よりも小さい外径を有してもよい。別の例として、第1のドライバシャフトは、近位部分と、中間部分と、突き錐先端部を有する遠位部分と、を有してもよく、中間部分は、近位部分の外径よりも小さく、遠位部分の外径よりも大きい外径を有する。
【0008】
少なくともいくつかの実施形態では、ガイドは、第2の側面開口部を有する。第2の側面開口部は、ガイドの内腔を介して第1の側面開口部と連通してもよい。
【0009】
少なくともいくつかの実施形態では、スクリューは、その上に形成された雄ねじを有し、この雄ねじは、シースの内腔内部の対応するねじと嵌合するように構成されている。少なくともいくつかの実施形態では、第2のドライバシャフトは、スクリューをシースの内腔の中に回転可能に駆動するように構成されている。少なくともいくつかの実施形態では、第1のドライバシャフトは、それに結合された近位ハンドルを有する。
【0010】
別の態様において、外科修復を実行するための方法が提供され、この方法は、いくつかの実施形態では、第1のドライバの遠位端部を骨の中に挿入することを含み、第1のドライバは、植え込み可能な縫合糸アンカーのシース部分の近位チャネルを通って、及びシース部分に近位に着脱可能に結合されたガイドの内腔を通って延在し、シース部分及びガイドは、縫合糸を有し、この縫合糸は、内腔及び近位チャネルを通って、並びにシース部分及びガイドの側面をそれぞれ通って延在する第1の開口部と第2の開口部との間に延在する。方法は更に、第1のドライバを近位チャネル及び内腔から除去して、次いで、第2のドライバの遠位ドライバ部材をガイドの内腔を通して、シース部分の近位チャネルの中に挿入することであって、遠位ドライバ部材は、それに遠位に結合された縫合糸アンカーのスクリュー部分を有し、挿入は、スクリュー部分を近位チャネルの中に遠位に駆動させ、縫合糸をシース部分の外壁と骨との間に、及びスクリュー部分の外壁とシース部分の内壁との間に固着させることを含む。
【0011】
方法は、多くの異なる態様で変化してもよい。例えば、遠位ドライバ部材を内腔を通して、シース部分の近位チャネルの中に挿入することは、第2のドライバを回転させることにより、遠位ドライバ部材に、スクリュー部分をシース部分の近位チャネルの中に挿入させることを含んでもよい。別の例として、縫合糸が、植え込み可能な縫合糸アンカーを使用して、係合されることにより、縫合糸は、骨とシース部分の近位部分の外壁との間に、第1の開口部の近位内壁に沿って、及びシース部分の近位部分の内壁とスクリュー部分の外壁との間に延在してもよい。更なる例として、シース部分の近位チャネル内部に受け取られたスクリュー部分が、シース部分の拡張を生じさせてもよい。
【0012】
少なくともいくつかの実施形態では、方法は、第1のドライバの遠位端部を骨の中に挿入する間、縫合糸に引張力をかけることを更に含む。少なくともいくつかの実施形態では、方法は、遠位ドライバ部材をガイドの内腔を通して、シース部分の近位チャネルの中に挿入する間、縫合糸に張力をかけることを更に含む。少なくともいくつかの実施形態では、スクリュー部分がシース部分の近位チャネル内部に受け取られることは、シース部分の拡張を生じさせる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて読むことで更に十分に理解することができるであろう。
【
図1】外科用システムの一実施形態の分解図である。
【
図2A】アセンブルされた構成の、骨の近傍にある
図1の外科用システムの斜視図である。
【
図2B】
図2Aの外科用システムを示して、骨に穿孔を開始している第1のドライバの遠位端部を表す。
【
図2C】
図2Bの外科用システムを示して、骨の中へと遠位に駆動される第1のドライバの遠位端部を表す。
【
図2D】
図2Cの外科用システムを示して、第1のドライバが除去されているのを表す。
【
図2E】
図2Dの外科用システムを示して、シースの近傍にある、スクリューを有する第2のドライバを表す。
【
図2F】
図2Eの外科用システムを示して、シースの中に挿入された、スクリューを有する第2のドライバを表す。
【
図2G】
図2Fの外科用システムを示して、第2のドライバ及びガイドが除去されているのを表す。
【
図2H】
図2Gの外科用システムを示して、固着された縫合糸を表す。
【
図3】別の外科用システムの一実施形態の一部分の斜視図である。
【
図4】
図3の外科用システムの一部分の部分断面斜視図である。
【
図5】外科用システムの別の実施形態のドライバ装置の遠位部分の部分透視斜視図である。
【
図6】プラグの一実施形態の部分透視斜視図である。
【
図8A】
図5のドライバ装置と、
図6のプラグと、
図7のシースと、を含む外科用システムを示す。
【
図8B】
図8Aの外科用システムを示して、システムに結合された縫合糸を表す。
【
図8C】
図8Bの外科用システムを示して、骨の中に遠位に駆動されるシステムを表す。
【
図8D】
図8Cの外科用システムを示して、固着された縫合糸を表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本明細書で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態の1つ以上の実施例が、添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書で具体的に説明され、かつ添付の図面に例示される装置及び方法が、非限定的な例示的実施形態であること、並びに本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0015】
様々な方法及び装置が、組織を骨に付着させるために提供される。いくつかの実施形態では、組織を骨に付着させるための外科用システムは、ガイドと、縫合糸アンカーと、第1のドライバシャフトと、第2のドライバシャフトと、を含む。縫合糸アンカーは、カニューレ式シース部分と、シース部分に形成された近位内腔内部に受け取られてシース部分と嵌合するように構成されたスクリュー部分と、を含む。縫合糸アンカーのスクリュー部分は、縫合糸アンカーのシース部分内部に受け取られるように構成され、様々な態様でシース部分と嵌合してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、スクリュー部分は、その上に雄ねじが形成されており、この雄ねじは、シース部分の近位内腔の少なくとも一部分内部の対応するねじと嵌合するように構成されている。
【0016】
第1のドライバシャフトは、アンカーのシース部分を骨の中に駆動するように構成されており、それは、ガイドを通って延在する内腔内部に着脱可能に受け取られることにより、第1のドライバシャフトの突き錐先端部がアンカーのシース部分の遠位端部を越えて延在するように構成されている。説明された実施形態において、ガイドの内腔は、第1のドライバシャフト又は第2のドライバシャフトを受け取ってもよい。したがって、第2のドライバシャフトは、第1のドライバシャフトがガイドの内腔から除去されるときに、ガイドの内腔内部に着脱可能に受け取られるように構成されている。第2のドライバシャフトは、遠位ドライバ部材を有し、この遠位ドライバ部材は、アンカーのスクリュー部分に形成された近位チャネル内部に着脱可能に受け取られることにより、スクリュー部分を駆動させてアンカーのシース部分と嵌合係合させるように構成されている。例えば、第2のドライバシャフトは、アンカーのスクリュー部分をシース部分の近位内腔の中に回転可能に駆動させるように構成されてもよい。
【0017】
軟組織を骨に付着させるための外科修復を実行する方法も提供される。いくつかの実施形態における方法は、第1のドライバの遠位端部を骨の中に挿入することを含み、第1のドライバは、植え込み可能な縫合糸アンカーのシース部分内の近位チャネルを通って、及びシース部分に近位に着脱可能に結合されたガイドの内腔を通って延在する。シース部分及びガイドは、縫合糸を有し、この縫合糸は、シース部分の近位チャネル及びガイドの内腔を通って、及びそれぞれシース部分及びガイドの側面を通って延在する第1の開口部と第2の開口部との間に延在する。方法は、第1のドライバをシース部分の近位チャネル及びガイドの内腔から除去することと、第2のドライバの遠位ドライバ部材をガイドの内腔を通してシース部分の近位チャネルの中に挿入することと、を更に含む。第2のドライバの遠位ドライバ部材は、それに遠位に結合された縫合糸アンカーのスクリュー部分を有し、第2のドライバを、ガイドを通してシース部分の近位チャネルの中に挿入することにより、スクリュー部分がアンカーのシース部分の近位チャネルの中に遠位に駆動させられ、縫合糸がシース部分の外壁と骨との間に、及びスクリュー部分の外壁とシース部分の内壁との間に固着される。したがって、縫合糸は、2つの態様で挟まれ、これらの態様は、適所に縫合糸を保持するのを助けてもよく、それゆえに、縫合糸に結合された軟組織を骨に保持するのを助けてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、外科用システムは、ドライバ装置と、シース及びスクリュー又はプラグを含む縫合糸アンカーアセンブリと、を含んでもよい。ドライバ装置は、内側シャフトを含み、この内部シャフトは、ドライバ装置の内腔の少なくとも一部分を通って、及びシースを通って延在することにより、シースの遠位端部を越えて遠位に突出する。ドライバ装置は、また、外側シャフトと、そこから遠位に延在するドライバシャフトと、を含む。ドライバシャフトは、第1の側面開口部を有してもよく、外側シャフトは、第2の側面開口部を有してもよく、シースは、第3の側面開口部を有する。第1、第2、及び第3の開口部は、縫合糸(それは、複数の縫合糸を含んでもよい)がそれらを通過され得るように連通してもよい。ドライバシャフトは、ドライバシャフトがプラグを通って長手方向に延在する内腔を通って延在するように、プラグに着脱可能に結合されるように構成されており、プラグは、シースの内腔内部に配設される。ドライバシャフトは、回転させられてプラグをシースの内腔内部で近位に駆動させることにより、シースの第3の開口部を閉塞し、それでシースの外壁と骨との間、及びプラグの外壁とシースの内壁との間に縫合糸を固着させてもよい。いくつかの実施形態では、かかる外科用システムは、ドライバシャフトが回転させられることにより、プラグをシースの内腔内部で遠位に駆動させ得るように構成されてもよい。
【0019】
複数の縫合糸が、本明細書に記載するように外科用システムに結合されて、軟組織を骨に付着させるために使用されてもよい。アンカーに形成された第1の側面開口部のサイズ、及びガイドに形成された第2の側面開口部のサイズによって、複数の縫合糸が開口部同士の間に延在してもよい。使用中、第1のドライバがシース部分の近位チャネル及びガイドの内腔から除去される間、引張力が縫合糸において維持される。外科用システムは、縫合糸が望ましいレベルにまで引張力をかけられるのを可能にするように構成され、その引張力作用が調節されてもよい。縫合糸の引張力は、たとえ多数の縫合糸が使用される場合でも、容易に維持され得る。
【0020】
図は、外科用システム100の一実施形態を示し、このシステムは、カニューレ挿入され得るガイド102と、カニューレ式シース部分又はシース106を含む植え込み可能な縫合糸アンカー104と、スクリュー部分又はスクリュー108と、を含む。カニューレ式ガイド102は、内部を通って延在する内腔110を有し、ガイド102は、別の構成要素が縫合糸挿入部位まで通過するのを可能にするように構成されている。
図1に示すように、外科用システム100は、また、第1のドライバシャフト又はドライバ112を含み、これらは、ガイド102の内腔110内部に着脱可能に受け取られることにより、その遠位先端部112dがシース106の遠位端部106dを越えて延在するように構成されている。外科用システム100は、また、第2のドライバシャフト又はドライバ114を有し、これらは、第1のドライバシャフト112が内腔110から除去されるときに、ガイド102の内腔110内部に着脱可能に受け取られるように構成されており、これを以下で更に詳細に論じる。
【0021】
外科用システム100は、キットとして提供されてもよく、このキットは、少なくともガイド102と、植え込み可能な縫合糸アンカー104と、第1及び第2のドライバ112、114と、を含む。使用中、第1のドライバ112は、ガイド102の中に挿入されてもよく、第2のドライバ114は、第1のドライバ112がガイド102から除去された後に、ガイドの中に挿入されてもよく、これを以下で詳細に論じる。
【0022】
図1は、シース106が、その側壁を通して形成された第1の側面開口部116を有し、ガイド102は、その側壁を通して形成された第2の側面開口部118を有することを示す。ガイド102がシース106に対して近位に配置されるとき、第1及び第2の側面開口部116、118は、内腔110の同じ側に配設され、これを
図1に示す。開口部116、118は、第1の側面開口部116が連通する、シース106を通って延在する内腔120を介して、及び、第2の側面開口部118が連通する、ガイド102の内腔110を介して連通してもよい。開口部116、118は、開口部を通して1つ又は複数の縫合糸を受け取るように構成されており、これを以下で論じる。図示されている実施形態では、シース106は、内部を通って長手方向に延在する内腔120を有し、この内腔は、第1のドライバシャフト112を受け取り、次いでスクリュー108を受け取るように構成されている。
【0023】
ガイド102は、様々な構成を有してもよい。ガイド102は、概して、管状構成要素であってもよく、この構成要素は、いくつかの実施形態では、シース106の近位端部に着脱可能に結合されたそれ自体の遠位端部を有してもよい。シース106は、様々な構成を有してもよい。
図1に示すように、シース106は、概して、遠位方向にテーパ状であってもよく、シースの遠位端部106dで終端するよりテーパ状の遠位部分107を有する。少なくともいくつかの実施形態では、シース106は、その上に形成された、縫合糸アンカー104の骨との係合を容易にする雄ねじ又は別の骨係合特徴を有してもよい。シース106の内腔120は、第1のドライバシャフト112が内腔120から除去された後に、スクリュー108を受け取るように構成されている。シース106は、第1のドライバシャフト112に結合されることにより、第1のドライバシャフト112がシース106を骨の中に挿入するように構成されてもよい。第1のドライバシャフト112の遠位先端部112dは、シース106の遠位部分が骨の中に挿入されるにつれて拡張され得る孔を骨に形成するために使用されてもよい。示すように、内腔120は、近位チャネル又は部分122を含み、この近位チャネル又は部分は、内腔120内部の遠位肩部121で終端し、遠位肩部121から遠位端部106dまで延在する内腔120の遠位部分124よりも大きい内径を有する。使用中、近位部分122は、その中にスクリュー108を受け取るように構成されており、これを以下で更に詳細に論じる。
【0024】
スクリュー部分108も、また、様々な構成を有してもよい。例えば、スクリュー部分は、概して、長方形又は半円筒であってもよく、その中に形成された近位のチャネル126を有してもよい。図示されている実施形態では、
図1で示すように、スクリュー108は、また、近位チャネル126と連通し、それから延在するより狭い遠位チャネル128を有する。遠位チャネル128は、血液及び/又は別の流体の排出のために使用されてもよい。しかし、いくつかの実施形態では、スクリュー108は、遠位チャネルを含まなくてもよく、その代わりに、カニューレ挿入されないように閉じた遠位先端部を有してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、スクリュー108は、その上に形成された雄ねじ109等の外側骨係合特徴を有し、この外側骨係合特徴は、シース106の内腔120を画定する内壁の少なくとも一部分に形成された対応するねじ111と嵌合するように構成されている。ねじ111は、内腔120の近位部分122内部に形成されてもよく、一方、内腔120の遠位部分124はねじが無い。
【0025】
第1のドライバ112は、様々な構成を有してもよい。図示されている実施形態では、第1のドライバ112は、骨の中に挿入されて穿孔を開始するように構成されたシャフトである。図示されている例では、第1のドライバ112は、近位部分130と、中間部分132と、遠位先端部112dを有する遠位部分134と、を有する。
図1に示すように、中間部分132は、近位部分130の外径よりも小さく、遠位部分134の外径よりも大きい外径を有する。第1のドライバ112のこの構成は、第1のドライバ112がガイド102によって挿入されるときに、縫合糸がシース106とガイド102との間を通されるのを可能にしてもよい。
【0026】
アセンブルされた構成では、
図2Aに示すように、第1のドライバ112は、ガイド102の内腔110内部に着脱可能に受け取られることにより、第1のドライバの遠位突き錐先端部112dがシース106の遠位端部106dを越えて延在する。また、
図2Aに示すように、第1のドライバ112は、内腔110内部に受け取られることにより、第1のドライバ112の中間部分132の近位端部133pが、ガイド102に形成された側面開口部118の近位端部119pと整列し、中間部分132の遠位端部133dが、シースの内腔120の遠位肩部121に当接する。第1のドライバ112は、ガイド102に嵌合することにより、第1の側面開口部と第2の側面開口部116、118は、ガイド102の内腔110を介して連通する。このようにして、縫合糸は、第1の開口部116、内腔110、及び第2の開口部118を通過することができる。第1のドライバ112の遠位部分134は、シースの内腔120の遠位部分124内部に受け取られる。しかし、第1のドライバ112が様々な別の構成を有してもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、近位部分と中間部分130、132は、別個の部分でなくてもよく、ドライバ112は、近位部分を有してもよく、突き錐先端部を有する遠位部分を有してもよい。
【0027】
スクリュー108をシース106の内腔120の中に駆動するように構成された第2のドライバ114も、また、様々な構成を有してもよい。図示されている実施形態では、
図1に示すように、第2のドライバ114は、近位部分136と、近位部分136から遠位に延在して、第2のドライバ114の遠位端部114dで終端する遠位ドライバ部材138と、を有する。近位部分136の外径未満の外径を有してもよい遠位ドライバ部材138は、スクリュー108内に形成された近位チャネル126内部に着脱可能に受け取られることにより、スクリュー108をシース106と嵌合係合するまで駆動するように構成されており、これについては以下で論じる。
図2Aに示すように、遠位ドライバ部材138が近位チャネルに挿入されることにより、遠位端部114dが遠位肩部127に当接してもよい。遠位ドライバ部材138は、例えば、摩擦嵌合を介して近位チャネル126内部に着脱可能に受け取られるように構成されてもよい。
【0028】
外科用システム100は、
図1に示さない別の構成要素を有してもよい。例えば、システム100は、シース106及びガイド102の開口部116、118を縫合糸が通過することを支援するように構成された糸通し器タブ又はループを含んでもよい。更に例えば、外科用システム100は、第1のドライバ112のためのハンドルを含んでもよい。なお更に例えば、外科用システム100は、組織を骨に付着させるのに使用されるべき1つ又は複数の縫合糸を含んでもよい。
【0029】
外科用システム100の構成要素は、様々な寸法を有してもよい。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、シース106は、約2mmから約8mmまでの範囲内の外径を有してもよい。少なくとも1つの実施形態では、シース106は、約16mmの長さを有してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、スクリュー108は、約1mmからの約7mmまでの範囲内の外径と、約3mmから約15mmまでの範囲内の長さと、を有してもよい。シース106及びスクリュー108は、任意の別の寸法を有してもよいことを理解されたい。
【0030】
外科用システム100、又は本明細書に記載された別の外科用システムは、骨への軟組織の再付着、又は骨へのグラフト組織の付着を含む外科用修復方法を実行するために使用されてもよい。例えば、システムは、回旋腱板修復処置において、腱(例えば棘上筋腱)を骨(例えば上腕骨骨頭)に再付着する際に使用されてもよい。修復処置は、外側列回旋腱板修復又は別の処置であってもよい。説明される技術は、外科用システムの構成要素の配備を単純化してもよく、縫合糸引張力の制御を可能にしてもよく、適切な縫合糸固定を提供してもよく、及び/又は多数の縫合糸が使用されるのを可能にしてもよい。外側列回旋腱板修復又は別の処置が、それで、より効率的な態様で実行される場合がある。更に、説明される技術は、また、別の肩修復処置、並びに、関連する骨への軟組織付着を必要とする膝関節及び別の関節修復処置に使用されてもよい。
【0031】
図2A~
図2Hは、
図1のシステム100を使用して外科修復を実行する方法の一実施形態を示すけれども、別のシステムが同様に使用されてもよい。上記のように、
図2Aは、軟組織202を骨204に付着させるために使用されてもよいアセンブルされた構成の外科用システム100を示す。
【0032】
図2Aの外科用システム100の構成では、第1のドライバ112は、ガイド102の内腔110を通って延在し、シース106がガイドに遠位に結合されている。特に、第1のドライバ112がガイド102の内腔110内部に着脱可能に受け取られることにより、先端部112dは、シース106の遠位端部106dを越えて延在する。また、示すように、シース106及びガイド102は、縫合糸206を有し、この縫合糸は、ガイド102の内腔110及びシース106の内腔120を通って、並びにシース106及びガイド102の側面をそれぞれ通って延在する第1の開口部と第2の開口部116、118の間に延在する。特に、示すように、組織202を通過する又は組織202に結合される縫合糸206は、シース106及びガイド102の側面を通って、並びに第1の開口部及び第2の開口部116、118を通って延在することにより、縫合糸206の末端部分206a、206bが、ガイド102に形成された側面開口部118から外に延在する。シース106の内腔120の内面は、ねじ付きであり、それにより縫合糸の係合を容易にする。複数の縫合糸が組織202を骨204に結合するために使用されてもよいので、単一の縫合糸206は、例として示されているのにすぎないことを理解されたい。
【0033】
図2Bに表すように、外科修復を実行するための図示されている方法は、第1のドライバ112の遠位端部又は遠位突き錐先端部112dを挿入することを含み、その遠位先端部又は先端部は、シース106の遠位端部106dを越えて骨202の中に延在する。
図2Bでは、第1のドライバ112は、組織付着の望ましい位置において骨204の穿孔を開始する状態が表されている。第1のドライバ112は、このように、骨孔の穿孔を開始するように構成された自動パンチングドライバとして構成されており、追加の器具がこのためには必要とされない。
【0034】
図2Cは、シース106が結合されている第1のドライバ112を示し、この第1のドライバは、矢印201が概略的に示すように、更に遠位に駆動されることにより、第1のドライバ112を骨204の中により深く挿入して骨孔207を形成する。この実施形態では、第1のドライバ112が骨204の中により深く挿入されると、シース106の近位端部106pは、骨204の表面205の下方に配設される。しかし、別の実施形態では、シース106の近位端部106pは、骨204の表面205に又はその上方に配設されてもよい。
図2Cに表さないけれども、シース106を有する第1のドライバ112は、木槌又は別の器具を使用して骨204の中に駆動されてもよい。縫合糸206は、シース106を有する第1のドライバ112が骨の中に挿入される間、引張力を作用させられてもよい。縫合糸206がシース106の側面開口部116を通過させられることにより、縫合糸206は、ガイド102の外壁及びシース106の外壁140と、骨204との間に配設される。縫合糸206は、ガイド102の内腔110を通って、及びガイド102に形成された第2の側面開口部118を通って更に延在する。
【0035】
一旦、アンカー104のシース106が望ましい深さ(例えば皮質下深さ)まで骨204の中に挿入されると、第1のドライバ112は除去されてもよく、その態様は、ドライバ112が近位に後退させられていることを示す
図2Dの矢印209によって概略的に表されている。第1のドライバ112が近位に後退させられる前、及び第1のドライバ112が近位に後退させられている間、縫合糸206の末端部分206a、206bは、引張力をかけられてもよい。縫合糸206がまだ固定されていないので、縫合糸206に望ましいレベルまで引張力をかけることは、容易に達成され得る。第1のドライバ112は、ガイド102を通って延在する内腔110から、及びシース106の内腔120から除去される。
図2Dは、第1のドライバ112の遠位部分だけを表す。
【0036】
第1のドライバ112が除去された後、スクリュー108が結合された第2のドライバ114の遠位ドライバ部材138は、ガイド102の内腔110を通してシース106の内腔120の中に挿入されてもよく、これを
図2Eに示す。ガイド102は、それ自体に結合されたスクリュー108を有する第2のドライバ114がシース106を設置し、シースの内腔120の中にスクリュー108を挿入することを支援する。しかし、いくつかの実施形態では、ガイド102は、存在しなくてもよく、代わりに、スクリュー108がシース106の中に挿入される前に除去されてもよいことを理解されたい。
【0037】
第2のドライバ114の遠位ドライバ部材138は、任意の好適な態様でスクリュー108に解放可能に結合されてもよい。例えば、遠位ドライバ部材138は、スクリュー108の内腔126の中にプレス嵌めされても又は着脱可能に挿入されてもよい。
図2Eに矢印203によって概略的に表すように、縫合糸206の末端部分206a、206bは、スクリュー108を有する第2のドライバ114がシース106の近位内腔120の中に挿入される(例えば押し込まれる)間、引張力をかけられる。説明されるシステム100は、縫合糸の引張の程度についての制御を可能にする。
【0038】
第2のドライバ114は、矢印211によって概略的に表すように、遠位に駆動されて、スクリュー108をシース106の内腔120の中に遠位に駆動させる。少なくともいくつかの実施形態では、スクリュー108は、それの外壁に形成されたねじ109を有し、シース106の内腔120を画定する内壁の少なくとも一部分に形成されたねじ111と嵌合するように構成されている。
図2Fに表すように、第2のドライバ114は、矢印213によって概略的に表すように、回転させられることにより、スクリュー108をシース106の内腔120の中に入らせてもよい。図示されている実施形態では、スクリュー108がシース106の内腔120の中にねじ込まれることにより、スクリュー108に形成されたねじ109は、シース106の対応するねじ111と嵌合する。
図2Fに表すように、スクリュー108がシース106の内腔120の中に挿入されることにより、スクリュー108は、シース106の側壁の開口部116を閉塞する。この実施形態では、スクリュー108が、スクリューの遠位端部が内腔120内部の遠位肩部121からオフセットされているように、シース106の中に挿入されることが表されている。しかし、別の実施形態では、スクリューは、内腔120内部の遠位肩部121に当接するように設置されてもよい。いくつかの実施形態では、ガイド102は、第2のドライバ114が、ガイド102内部で回転させられるときに、見えることを可能にする窓を有する。スクリュー108がシース106の中に挿入されるにつれて、スクリュー108は、シース106を拡張させて骨孔207内の骨と更に係合させてもよい。縫合糸206は、スクリュー108とシース106との間に捕捉されている。
【0039】
図2Gに表すように、一旦スクリュー108がシース106の中に挿入されると、矢印215によって概略的に表すように、第2のドライバ114は除去されてもよい。ガイド102も、矢印217によって概略的に表すように除去される。その結果、
図2Hに表すように、縫合糸206は、シース106の外壁140と骨204との間に、及びスクリュー108の外壁150とシース106の内壁142との間に固着される。このように、縫合糸アンカー104は、骨204内で縫合糸206を固着し、それによって、縫合糸206に結合された組織202を骨204に固着する。必要に応じて、縫合糸206の末端部分206a、206bは、形を整えられてもよい。
【0040】
本明細書で提供される開示は、いくつかの利点を有し得る。例えば、第2のドライバがスクリューの内腔内部で嵌合するように構成されることは、その遠位端部がより厚いスクリューを使用することを可能にしてもよい。また、例えば、スクリューは、完全にカニューレ挿入される必要はないが、それによりそれ自体の強度を改善し得る。更に、例えば、上記のように、縫合糸の引張力についての制御を改善することが達成されてもよい。
【0041】
図3及び
図4は、外科用システム300の別の実施形態を示す。外科用システム300は、システム100(
図1~
図2H)と同様に構成及び使用されてもよいけれども、いくつかの変形を有する。外科用システム300は、カニューレ式ガイド302と、カニューレ式シース306及びスクリュー308を含む植え込み可能な縫合糸アンカーと、第1のドライバシャフト又はドライバ312と、第2のドライバシャフト又はドライバ314と、を含んでもよい。
【0042】
ガイド302は、内部を通って延在する内腔310を有し、この内腔は、別の構成要素が縫合糸挿入部位まで通過するのを可能にする。シース306は、内部を通って延在する内腔320を有する。
図3に表すように、第1のドライバ312は、ガイド302の内腔310内部に着脱可能に受け取られることにより、第1のドライバの遠位先端部312dがシース306の遠位端部を越えて延在するように構成されている。
図4に表す第2のドライバ314は、第1のドライバ312が内腔310から除去された後に、ガイド302の内腔310内部に着脱可能に受け取られるように構成されている。第2のドライバ314は、スクリュー308に結合され、それでスクリュー308をシース306の内腔320の中に挿入するように構成される。
【0043】
図3に表すように、シース306は、第1の側面開口部316を有し、ガイド302は、第2の側面開口部318を有する。開口部116、118(
図1及び
図2A)と同様に、開口部316、318は、開口部を通して縫合糸を受け取るように構成されている。シース306は、その上に雄ねじ309又は別の骨係合特徴が形成されてもよい。シース306の内腔320は、第1のドライバ312がシース306から分離され、ガイド302から除去されたときに、スクリュー308を受け取るように構成されている。いくつかの実施形態では、ガイド302の遠位端部302dは、1つ又は複数の嵌合特徴を介してシース306の近位端部306pに解放可能に結合されてもよい。例えば、
図4に表すように、ガイド302の遠位端部302dは、もう1つの突起315を有してもよく、この突起は、シース306の近位端部306pに形成された相補的な開口部と解放可能に嵌合するように構成されている。任意の別の嵌合特徴が、実装されてもよい。
【0044】
図3は、ガイド302に遠位に結合されたシース306を示し、内腔310、320を通って延在する第1のドライバシャフト312をそれぞれ有するガイド302及びシース306を示す。外科用システム100(
図2A~
図2H)に関連して上記で論じた方法と同様に、外科用システム300は、外科修復を実行するための方法に使用されてもよく、この方法は、システム300に縫合糸(例えば、
図4に表す縫合糸307)を装填することと、第1のドライバ312の遠位端部312dを骨の中に挿入して骨孔を作成することであって、次いで、この骨孔の中に遠位端部312dが更に駆動されることによりシース306を骨孔の中に送る、ことと、を含む。第1のドライバ312は、次いでシース306から分離されてガイド302から除去されてもよい。
【0045】
図4は、スクリュー308が結合されている第2のドライバ314が、シース306の内腔320及びガイド302の内腔310の中に挿入されているのを示す。スクリュー308は、その上に雄ねじ311又は別の骨係合特徴が形成されていてもよく、かかる特徴は、
図4に表すように、シース306の内腔320を画定する内壁に形成された対応するねじと係合するように構成されている。第2のドライバ314は、例えば、外科用システム100の第2のドライバ114と同様に使用されてもよい。
図4は、縫合糸307(それは、複数の縫合糸であってもよい)を示し、この縫合糸は、シース306の第1の側面開口部316と、シース306の内腔320と、ガイド302の内腔310と、ガイド302の第2の側面開口部318とを通過するようにシステム300に結合されてもよい。このように、縫合糸307は、骨303とシース306の外壁との間、及びシース306の内壁とスクリュー308の外壁との間に固着されてもよい。
【0046】
結び目をつくる必要がなく軟組織を骨に付着させるために使用される外科用システムは、様々な構成を有してもよい。いくつかのシステムにおいて、プラグ又はスクリューは、遠位に動かされてシースと係合するように構成されてもよい。しかし、いくつかの実施形態では、スクリューは、近位に動かされるように構成されてもよい。外科用システムは、任意の別の態様で変化してもよい。
【0047】
図5~
図8Dは、外科用システム400の別の実施形態を示す。外科用システム400は、ドライバ装置402(
図5)と、スリーブ又はシース404(
図7)及びスクリュー又はプラグ406(
図6)を含む縫合糸アンカーアセンブリ403(
図8A)と、を含む。システム400は、(上記で論じたシステム100、300と比較して)減少した数の構成要素を有するように構成され、システムの構成要素は、単一のドライバ装置402が縫合糸アンカーアセンブリ403を骨の中に送るために使用されるようにアセンブルされてもよい。このことは、縫合糸アンカープロセスを単純化し得る。したがって、骨への組織の再付着を含む外科修復処置は、時間効率がより良好で、間違いをより起こし難い態様で実行され得る。
【0048】
シース404及びプラグ406は、カニューレ挿入されてもよい。
図5に表すように、ドライバ装置402は、外側シャフト414と、それから延在するドライバシャフト412と、を含む。ドライバ装置402は、また、内腔(図示せず)を通って延在する内側又はインサータシャフト410を有し、このシャフトは、ドライバシャフト412を通って、及び外側シャフト414を少なくとも部分的に通って延在する。例えば、インサータシャフト410は、好適な態様で外側シャフト414に結合されてもよく、又は、それは、ドライバシャフト412が回転させられるときに静止したままであるように構成された外側シャフト414から近位に延在してもよい。
【0049】
インサータシャフト410は、ドライバ装置402の使用中に、骨に穿孔し始めるように構成された遠位端部410dで終端する。ドライバシャフト412は、それにプラグ406が解放可能に結合されることにより、ドライバシャフト412が回転させられてプラグ406をシース404の内腔416の中に近位に動かすように構成されてもよい。例えば、ドライバシャフト412は、外側シャフト414を通って近位に延在してもよく、それは、ドライバシャフト412を回転させるように構成されて近位ハンドル(図示せず)に結合されてもよい。その代替として、いくつかの実施形態では、外側シャフト414の一部分がドライバシャフト412に動作可能に結合されることにより、その一部分は、回転させられてドライバシャフト412を回転させてもよい。プラグ406がシース404の内腔内部でねじで係合されることにより、プラグ406がシース404の骨との係合を支援するように構成されてもよい。
【0050】
図示されている例では、外側シャフト414から延在するドライバシャフト412の外壁の少なくとも一部分が六角形形状を有することにより、雄型六角形特徴の形式のドライバシャフト412が、プラグ406を通って延在する内腔418を画定する相補的形状の内壁と嵌合するように構成されている。このように、
図6に示すように、プラグの内腔418は、六角形形状である。しかし、ドライバシャフト412及び内腔418の少なくとも一部分が正方形又は任意の別の構成を有してもよいので、六角形式のドライバシャフト412及びプラグ406の相補的形状の内腔418は、単なる例として示されていることを理解されたい。任意の好適な捩じり伝達特徴が、ドライバシャフト412上及び内腔418内に形成されてもよい。
【0051】
図5に表すように、ドライバシャフト412及び外側シャフト414は、それぞれ、その側壁に形成されたスロット420、422を有する。スロット420、422は、相互に、及びシース404の側壁に形成された開口部405と連通及び整列するように構成されており、これを以下で論じる。外側シャフト414は、遠位肩部416を有し、
図8Aに表すアセンブルされた構成では、シース404が遠位肩部416に当接している。
【0052】
プラグ406は、任意の好適な構成を有してもよい。図示されている例では、
図6に表すように、プラグ406は、概して円筒形であり、上記のように、六角形形状の内腔418を有する。プラグ406の外壁は、その上に形成された1つ又は複数のねじ424を有し、このねじは、シース404を通って長手方向に延在する内腔426を画定する内壁に形成された対応するねじを係合するように構成されている。
【0053】
シース404は、また、任意の好適な構成を有してもよい。図示されている例では、
図7に表すように、シース404は、遠位部分432と、内側肩部430を有する近位部分428と、を有する内腔426を有する。近位部分428は、その上に形成されたねじ434を有し、このねじは、プラグ406上に形成されたねじ424に対応する。シース404の外壁は、例えばリブ、ねじ等の1つ又は複数の骨係合特徴436を有してもよい。
図7に表すように、シース404は、また、その側壁を通して形成された開口部405を有する。
【0054】
アセンブルされた構成では、
図8Aに表すように、シース404は、それ自体の近位端部が肩部416に当接するように設置される。プラグ406は、プラグの遠位端部がシース404の内側内腔426内の肩部430に当接しているように、シース404に予め結合されてもよい。プラグ406は、また、ドライバシャフト412に結合される。いくつかの実施形態では、外側シャフト414は、シース404と解放可能に嵌合するための1つ又は複数の嵌合特徴を有してもよい。例えば、外側シャフト414の肩部416は、1つ又は複数の突起440あるいは別の特徴を有してもよく、このような特徴は、シース404の近位端部404pに形成された対応する嵌合特徴と解放可能に嵌合するように構成されている。例えば、シース404は、外側シャフト414の肩部416に形成された特徴と嵌合するように構成された開口部又は別の特徴(図示せず)を有してもよい。
【0055】
図8Aは、糸通し器タブ又はループ444を使用して、シース404の開口部405を通して、並びにドライバシャフト412及び外側シャフト414のスロット420、422に沿って、少なくとも1つの縫合糸を通すことができることを示している。いくつかの実施形態では、システム400は、ドライバ装置402に予め装填された1つ又は複数の縫合糸を含んでもよい。
【0056】
図8B~
図8Dは、
図8Aに表すようにアセンブルされたシステム400を使用して外科修復を実行するための方法を示す。
図8Bに表すように、組織又はアンカー(図示せず)に結合された縫合糸450は、縫合糸450の末端部分452が外側シャフト414のスロット422から延在するように、シース404の開口部405を通って、ドライバシャフト412及び外側シャフト414のスロット420、422内に(例えば、糸通し器ループ444を使用して)通すことができる。インサータシャフト410の遠位先端部は、骨500を貫通するように構成されている。したがって、着脱可能に結合されたプラグ406を有するドライバ装置402(及びプラグ406に結合されたシース404)は、それが骨500の中に駆動されるときに、望ましい場所で骨孔の穿孔を開始するように使用されることにより、インサータシャフト410の遠位端部410dが骨500に貫入してもよい。木槌又は別の好適な器具(図示せず)が、ドライバ装置402の近位端部に力を加えるために使用されることにより、シース404の遠位部分によって広げられる骨孔の更に中にインサータシャフト410の遠位端部410dを駆動させてもよい。プラグ406が予め装填されているシース404は、そこで、適切な深さまで骨500に送られる。このように、
図8Cに表すように、図示されている実施形態では、シース404が骨500の骨孔502内に着座することにより、シース404の近位端部が骨500の表面のちょうど下に着座する。しかし、別の実施形態では、シース404の近位端部は、骨500の表面に又はその上方に着座してもよい。
【0057】
図8Cは、矢印460のように、結合されたプラグ406を有するドライバシャフト412が回転させられることにより、ドライバシャフト412の回転がプラグ406をシース404の内腔426内部で近位に動かし、その結果、プラグの近位端部がシース404の近位端部に又はその近傍にあるように配設され得ることを示す。スロット420、422は、
図8Cに表されていない。引張力は、骨の中への装置402の挿入中、及びドライバシャフト412の回転中、縫合糸450において維持されてもよい。
図8Cは、プラグ406が近位に及びシースの内腔426内部で駆動されて、プラグ406がシース404の開口部405を閉塞している状態にあるシステム400を示す。その結果、縫合糸450は、骨500とシース404の外壁との間、及び(内腔426内の)シース404の内壁とプラグ406の外壁との間に係合され、それもまた
図8Cに示されている。一旦プラグ406がシース404内部に配設されて縫合糸450を固着すると、ドライバ装置402は、縫合糸アンカーアセンブリ403から分離されてもよく、例えば、
図8Cにまた表すように、ドライバ装置402は、近位に引き出されてもよい。プラグ406をシースの内腔426内部で近位に動かすためにドライバシャフト412を回転させることは、ドライバ装置402が縫合糸アンカーアセンブリ403から分離される前に実行されてもよいことを理解されたい。
図8Dは、縫合糸550を骨500に固定するために、骨500の孔502の中に挿入された縫合糸アンカーアセンブリ403を表す。必要に応じて、縫合糸450の末端部452が形を整えられてもよい。
【0058】
外科用システム400は、異なる態様で変化してもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、外科用システムは、ドライバシャフトが回転させられることにより、プラグが遠位にシースの内腔内部で駆動され得るように構成されてもよい。別の変形が、付加的に又は代替的に実装されてもよい。
【0059】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、本装置は、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は、逆アセンブルされてもよく、シャフト等の装置の特定の部品又は部分のうちの任意の数が、任意の組み合わせで選択的に置換され又は除去されてもよい。特定の部分を洗浄及び/又は交換した後、装置を後の使用のために、再調整施設で、又は外科処置の直前に外科チームによって再組立することができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本出願の範囲内にある。
【0060】
好ましくは、本明細書に記載されたシステムの構成要素は、手術の前に処理されるであろう。最初に、新しい又は使用済みの器具を入手し、必要であれば洗浄する。次いで、器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次に、容器及び器具を、γ線、X線、及び高エネルギー電子など、容器を透過することができる放射線照射野に置く。放射線は、器具上又は容器内の細菌を死滅させる。この後、滅菌された器具を滅菌容器内で保管することができる。密封された容器は、医療設備において開封されるまで器具を滅菌状態に保つ。
【0061】
構成要素が滅菌されることが好ましい。これは、β線又はγ線放射、酸化エチレン、蒸気、及び液浴(例えば、低温浸漬)などの当業者には周知の様々な方法によって行うことができる。
【0062】
当業者であれば、上記の実施形態に基づいて、記載された主題の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され、かつ説明されている内容によって限定されるものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物及び参照文献はそれらの全容を参照によって本明細書に明示的に援用するものである。
【0063】
〔実施の態様〕
(1) 外科用システムであって、
内部を通って延在する内腔を有するガイドと、
シース及びスクリューを備える縫合糸アンカーであって、前記シースは、第1の側面開口部を有し、前記スクリューは、前記シースに形成された内腔内部に受け取られることにより前記シースと嵌合するように構成されている、縫合糸アンカーと、
第1のドライバシャフトであって、前記ガイドの前記内腔内部に着脱可能に受け取られることにより、前記第1のドライバシャフトの突き錐先端部が前記シースの遠位端部を越えて延在するように構成されている、第1のドライバシャフトと、
前記第1のドライバシャフトが前記ガイドの前記内腔から除去された後に、前記ガイドの前記内腔内部に着脱可能に受け取られるように構成されている第2のドライバシャフトであって、前記第2のドライバシャフトは、遠位ドライバ部材を有し、前記遠位ドライバ部材は、前記スクリューに形成された近位チャネル内部に着脱可能に受け取られることにより前記スクリューを駆動して前記シースと嵌合係合させるように構成されている、第2のドライバシャフトと、を備える、外科用システム。
(2) 前記遠位ドライバ部材は、前記第2のドライバシャフトから遠位に延在する前記遠位ドライバ部材を有する前記第2のドライバシャフトの中間部分の外径よりも小さい外径を有する、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記第1のドライバシャフトは、近位部分と、中間部分と、前記突き錐先端部を有する遠位部分と、を有し、前記中間部分は、前記近位部分の外径よりも小さく、前記遠位部分の外径よりも大きい外径を有する、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記ガイドは、第2の側面開口部を有する、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記第2の側面開口部は、前記ガイドの前記内腔を介して前記第1の側面開口部と連通する、実施態様4に記載のシステム。
【0064】
(6) 前記スクリューは、その上に形成された雄ねじを有し、前記雄ねじは、前記シースの近位内腔内部の対応するねじと嵌合するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記第2のドライバシャフトは、前記スクリューを前記シースの前記内腔の中に回転可能に駆動するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記第1のドライバシャフトは、前記第1のドライバシャフトに結合された近位ハンドルを有する、実施態様1に記載のシステム。
(9) 外科修復を実行するための方法であって、
第1のドライバの遠位端部を骨の中に挿入することであって、前記第1のドライバは、植え込み可能な縫合糸アンカーのシース部分の近位チャネルを通って、及び前記シース部分に近位に着脱可能に結合されたガイドの内腔を通って延在し、前記シース部分及び前記ガイドは、縫合糸を有し、前記縫合糸は、前記内腔及び前記近位チャネルを通って、並びに前記シース部分及び前記ガイドの側面をそれぞれ通って延在する第1の開口部と第2の開口部との間に延在する、ことと、
前記第1のドライバを前記近位チャネル及び前記内腔から除去して、次いで、第2のドライバの遠位ドライバ部材を前記ガイドの前記内腔を通して、前記シース部分の前記近位チャネルの中に挿入することであって、前記遠位ドライバ部材は、前記遠位ドライバ部材に遠位に結合された前記縫合糸アンカーのスクリュー部分を有し、前記挿入は、前記スクリュー部分を前記近位チャネルの中に遠位に駆動させ、前記縫合糸を前記シース部分の外壁と前記骨との間に、及び前記スクリュー部分の外壁と前記シース部分の内壁との間に固着させる、ことと、を含む、方法。
(10) 前記遠位ドライバ部材を前記内腔を通して、前記シース部分の前記近位チャネルの中に挿入することは、前記第2のドライバを回転させることにより、前記遠位ドライバ部材に、前記スクリュー部分を前記シース部分の前記近位チャネルの中に挿入させることを含む、実施態様9に記載の方法。
【0065】
(11) 前記縫合糸が、前記植え込み可能な縫合糸アンカーを使用して、係合されることにより、前記縫合糸は、前記骨と前記シース部分の近位部分の外壁との間に、前記第1の開口部の近位内壁に沿って、及び前記シース部分の前記近位部分の内壁と前記スクリュー部分の外壁との間に延在する、実施態様9に記載の方法。
(12) 前記第1のドライバの前記遠位端部を前記骨の中に挿入する間、前記縫合糸に引張力をかけることを更に含む、実施態様9に記載の方法。
(13) 前記遠位ドライバ部材を前記ガイドの前記内腔を通して、前記シース部分の前記近位チャネルの中に挿入する間、前記縫合糸に引張力をかけることを更に含む、実施態様9に記載の方法。
(14) 前記スクリュー部分が前記シース部分の前記近位チャネル内部に受け取られることが、前記シース部分の拡張を生じさせる、実施態様9に記載の方法。
【0066】
(2-1) 外科用システムであって、
第1の細長シャフトと、
第2の細長シャフトと、
第1の部分及び第2の部分を含む縫合糸アンカーアセンブリと、を備え、
前記第1の細長シャフトは、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分を通って延在し、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の遠位端部を越えて遠位に突出して、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分が骨の中に駆動されるのを可能にするように構成され、
前記第2の細長シャフトは、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分に着脱可能に結合されるように構成され、
前記縫合糸アンカーアセンブリは、これに形成された第1の側面開口部を有し、前記第1の側面開口部は、これを通して縫合糸を受け取るように構成され、
前記第2の細長シャフトが前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分に着脱可能に結合された状態で、前記第2の細長シャフトは、前記第1の側面開口部が閉塞されない第1の位置から、前記第1の側面開口部が閉塞される第2の位置まで回転するように構成されている、外科用システム。
(2-2) 前記第1の側面開口部は、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分に形成され、
前記第2の細長シャフトの回転は、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分を、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の内腔内で近位に動かすように構成されている、実施態様2-1に記載のシステム。
(2-3) 前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の前記内腔内で近位に動く前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分は、前記第1の側面開口部を閉塞する、実施態様2-2に記載のシステム。
(2-4) 前記縫合糸を更に備え、
前記縫合糸が前記第1の側面開口部を通って受け取られた状態で、前記第2の細長シャフトの回転は、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分の外壁と、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の内壁との間で前記縫合糸を固定するように構成されている、実施態様2-2に記載のシステム。
(2-5) 前記第2の細長シャフトは、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分が前記骨の中に駆動され、前記第1の細長シャフトが前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分から除去されて、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分を通って延在しなくなった後で、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分に着脱可能に結合されるように構成されている、実施態様2-1に記載のシステム。
【0067】
(2-6) 第3の細長シャフトを更に備え、
前記第1の細長シャフトが前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分を通って延在して、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の前記遠位端部を越えて遠位に突出した状態で、前記第2の細長シャフトは、前記第3の細長シャフトから遠位に延在し、
前記第2の細長シャフトは、これに形成された第2の側面開口部を有し、
前記第3の細長シャフトは、これに形成された第3の側面開口部を有し、
前記第1の細長シャフトが前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分を通って延在して、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の前記遠位端部を越えて遠位に突出した状態で、かつ前記第2の細長シャフトが前記第3の細長シャフトから遠位に延在した状態で、前記第1の側面開口部、前記第2の側面開口部、及び前記第3の側面開口部は、互いと連通し、前記縫合糸が、前記第1の側面開口部、前記第2の側面開口部、及び前記第3の側面開口部を通過するように構成されている、実施態様2-1に記載のシステム。
(2-7) 縫合糸を更に備え、
前記縫合糸が前記側面開口部を通って受け取られた状態で、前記第2の細長シャフトの回転は、前記骨の壁と前記縫合糸アンカーアセンブリの外壁との間で前記縫合糸を固定するように構成されている、実施態様2-1に記載のシステム。
(2-8) カニューレ式チューブを更に備え、
前記第1の細長シャフトは、前記カニューレ式チューブの内腔に挿入されるように構成され、前記第1の細長シャフトは、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分を通って延在して、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の前記遠位端部を越えて遠位に突出し、
前記第1の細長シャフトが前記カニューレ式チューブの前記内腔に挿入され、その後そこから除去された後で、前記第2の細長シャフトは、前記カニューレ式チューブの前記内腔に挿入されるように構成され、前記第2の細長シャフトは、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分に着脱可能に結合される、実施態様2-1に記載のシステム。
(2-9) 外科用システムであって、
第1の側面開口部が形成されているシースと、
プラグと、
前記シースを通って延在するように構成された第1のドライバであって、縫合糸が前記第1の側面開口部を通って延在している状態で、前記シースを骨の中に前進させるように構成されている、第1のドライバと、
前記プラグに着脱可能に結合されるように構成された第2のドライバであって、前記プラグが前記第2のドライバに結合された状態で、また、前記第1のドライバが前記シースから除去された状態で、前記プラグを前記骨内の前記シースの中に駆動し、それによって、前記縫合糸を前記シースの外壁と前記骨との間、及び前記プラグの外壁と前記シースの内壁との間に固定させるように構成されている、第2のドライバと、を備える、外科用システム。
(2-10) カニューレ式チューブを更に備え、
前記第1のドライバは、前記シースを前記骨の中に前進させる間、前記カニューレ式チューブを通って延在し、前記シースを前記骨の中に前進させた後で前記カニューレ式チューブから除去されるように構成されており、
前記第1のドライバを前記カニューレ式チューブから除去した後、前記第2のドライバは、前記カニューレ式チューブを通って前進するように構成され、前記第2のドライバは、前記プラグを前記骨内の前記シースの中に駆動する間、前記カニューレ式チューブを通って延在する、実施態様2-9に記載のシステム。
【0068】
(2-11) 前記カニューレ式チューブは、これに形成された第2の側面開口部を有し、前記第2の側面開口部は、前記第1の側面開口部と連通するように構成されており、前記第1のドライバは、前記縫合糸が前記第1の側面開口部及び前記第2の側面開口部を通って延在している状態で、前記シースを前記骨の中に前進させるように構成されている、実施態様2-10に記載のシステム。
(2-12) 前記第2のドライバの前進は、前記カニューレ式チューブ及び前記シースに対する前記第2のドライバの回転を含む、実施態様2-10に記載のシステム。
(2-13) 前記シースの中に駆動されている前記プラグは、前記シースを拡張させるように構成されている、実施態様2-9に記載のシステム。
(2-14) 前記第1のドライバは、前記骨に孔を形成するように構成された突き錐先端部を有し、
前記骨の中への前記シースの前進は、前記シースを前記孔の中に前進させることを含む、実施態様2-9に記載のシステム。
(2-15) 前記縫合糸を更に備える、実施態様2-9に記載のシステム。
【0069】
(2-16) 外科的方法であって、
第1の細長シャフトが縫合糸アンカーアセンブリの第1の部分を通って延在して、前記第1の細長シャフトが前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の遠位端部を越えて遠位に突出した状態で、また、縫合糸が前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分に形成された側面開口部を通って延在している状態で、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分を骨の中に前進させることと、
前記第1の細長シャフトを前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分から除去することと、
前記第1の細長シャフトを前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分から除去した後で、前記縫合糸アンカーアセンブリの第2の部分に着脱可能に結合された第2の細長シャフトを回転させて、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分を前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分に対して動かして、前記縫合糸が前記骨と前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の外壁との間に固定されるようにすることと、を含む、外科的方法。
(2-17) 前記第2の細長シャフトの回転により、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分が、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の内腔内部で近位に動く、実施態様2-16に記載の方法。
(2-18) 前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の前記内腔内部で近位に動く前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分は、前記側面開口部を閉塞する、実施態様2-17に記載の方法。
(2-19) 前記第2の細長シャフトの回転により、前記縫合糸は、前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第2の部分の外壁と前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の内壁との間にも固定される、実施態様2-16に記載の方法。
(2-20) 前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分の前進中、前記第1の細長シャフトは、カニューレ式チューブ内部に配設され、
前記方法は、前記第1の細長シャフトを前記縫合糸アンカーアセンブリの前記第1の部分から除去した後で、前記第2の細長シャフトを前記カニューレ式チューブ内部に配設することを更に含み、
前記第2の細長シャフトは、前記第2の細長シャフトが前記カニューレ式チューブ内部に配設された状態で回転する、実施態様2-16に記載の方法。