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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20240122BHJP
   H04N 1/393 20060101ALI20240122BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
H04N1/387
H04N1/387 200
H04N1/393
G06F3/12 356
G06F3/12 305
G06F3/12 308
G06F3/12 353
G06F3/12 351
G06F3/12 382
G06F3/12 354
G06F3/12 350
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022109545
(22)【出願日】2022-07-07
(62)【分割の表示】P 2018099928の分割
【原出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2022132347
(43)【公開日】2022-09-08
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 大輔
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-131193(JP,A)
【文献】特開2005-050119(JP,A)
【文献】特開2015-138505(JP,A)
【文献】特開2002-055802(JP,A)
【文献】特開2002-321422(JP,A)
【文献】特開2004-098656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/38 - 1/393
G06F 3/09 - 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像を複数の画像に分割することにより得られる分割画像を、印刷装置により印刷媒体に印刷させる制御装置であって、
前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示する第1のプレビュー画面と、前記分割画像の個別の第2のプレビュー画面とを表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記第1、第2のプレビュー画面と共に前記入力画像の印刷に関する設定を行うための設定画面を表示し、前記第1のプレビュー画面に対して表示させる設定画面の内容と、前記第2のプレビュー画面に対して表示させる設定画面の内容とを異ならせることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第1のプレビュー画面において、前記分割画像の印刷領域の幅に基づいて前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
ユーザ入力に基づき、前記入力画像の分割数を設定する設定手段と、
前記印刷媒体の幅を取得する取得手段と、を更に有し、
前記表示制御手段は、前記設定された分割数と前記取得された印刷媒体の幅とに基づいて決定された前記分割画像の印刷領域の幅に基づいて前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示させることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記第1のプレビュー画面に対して表示される設定画面を介してユーザ入力された情報に基づいて前記分割数を設定することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記印刷装置に設定されたマージン値を取得し、
前記表示制御手段は前記マージン値に更に基づいて決定された前記分割画像の印刷領域幅に基づいて前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示させることを特徴とする請求項3または4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記第1のプレビュー画面に対して表示される設定画面を介したユーザ入力に基づいて、フチなし印刷を設定可能であり、
前記取得手段は、前記フチなし印刷設定が設定された場合、前記印刷装置に設定されたはみ出し量を取得し、
前記表示制御手段は、前記設定されたはみ出し量に更に基づいて決定された前記分割画像の印刷領域の幅に基づいて前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を
表示させることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記設定手段は、前記第1のプレビュー画面に対して表示される設定画面を介したユーザ入力に基づいて、のりしろ幅を設定可能であり、
前記表示制御手段は、前記設定されたのりしろ幅に更に基づいて決定された前記分割画像の印刷領域の幅に基づいて前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示させることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記第1のプレビュー画面に対して表示される設定画面に、入力画像が分割して印刷された各印刷媒体を貼り合わせた際の合計サイズの予測値を表示可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記第2のプレビュー画面において、前記分割画像と共にのりしろ幅を表示させることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記第1のプレビュー画面と、前記第2のプレビュー画面とを、切替えて表示させることが可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記入力画像は、描画アプリケーションにより生成された描画データに基づき生成された所定の形式の中間データであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項12】
入力画像を複数の画像に分割することにより得られる分割画像を、印刷装置により印刷媒体に印刷させる制御装置の制御方法であって、
前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示する第1のプレビュー画面と、前記分割画像の個別の第2のプレビュー画面とを表示させる表示制御工程を備え、
前記表示制御工程では、前記第1、第2のプレビュー画面と共に前記入力画像の印刷に関する設定を行うための設定画面を表示し、前記第1のプレビュー画面に対して表示させる設定画面の内容と、前記第2のプレビュー画面に対して表示させる設定画面の内容とを異ならせることを特徴とする制御方法。
【請求項13】
前記表示制御工程では、前記第1のプレビュー画面において、前記分割画像の印刷領域の幅に基づいて前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示させることを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
【請求項14】
ユーザ入力に基づき、前記入力画像の分割数を設定する設定工程と、
前記印刷媒体の幅を取得する取得工程と、を更に有し、
前記表示制御工程では、前記設定された分割数と前記取得された印刷媒体の幅とに基づいて決定された前記分割画像の印刷領域の幅に基づいて前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示させることを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
前記設定工程では、前記第1のプレビュー画面に対して表示される設定画面を介してユーザ入力された情報に基づいて前記分割数を設定することを特徴とする請求項14に記載の制御方法。
【請求項16】
前記取得工程では、前記印刷装置に設定されたマージン値を取得し、
前記表示制御工程では前記マージン値に更に基づいて決定された前記分割画像の印刷領域の幅に基づいて前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示させることを特徴とする請求項14または15に記載の制御方法。
【請求項17】
前記設定工程では、前記第1のプレビュー画面に対して表示される設定画面を介したユーザ入力に基づいて、フチなし印刷を設定可能であり、
前記取得工程では、前記フチなし印刷設定が設定された場合、前記印刷装置に設定されたはみ出し量を取得し、
前記表示制御工程では、前記設定されたはみ出し量に更に基づいて決定された前記分割画像の印刷領域の幅に基づいて前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示させることを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項18】
前記設定工程では、前記第1のプレビュー画面に対して表示される設定画面を介したユーザ入力に基づいて、のりしろ幅を設定可能であり、
前記表示制御工程では、前記設定されたのりしろ幅に更に基づいて決定された前記分割画像の印刷領域の幅に基づいて前記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示させることを特徴とする請求項14から17のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項19】
前記表示制御工程では、前記第1のプレビュー画面に対して表示される設定画面に、入力画像が分割して印刷された各印刷媒体を貼り合わせた際の合計サイズの予測値を表示可能であることを特徴とする請求項12ないし請求項18のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項20】
前記表示制御工程では、前記第2のプレビュー画面において、前記分割画像と共にのりしろ幅を表示させることを特徴とする請求項12から19のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項21】
前記表示制御工程では、前記第1のプレビュー画面と、前記第2のプレビュー画面とを、切替えて表示させることが可能であることを特徴とする請求項12から20のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項22】
前記入力画像は、描画アプリケーションにより生成された描画データに基づき生成され所定の形式の中間データであることを特徴とする請求項12から21のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項23】
コンピュータに、請求項12から22のいずれか1項に記載の前記制御方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を複数の印刷媒体に分割して印刷するのを制御する制御装置、制御方法および制御方法を実行するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を分割して複数の印刷媒体に印刷するポスター印刷という技術がある。特許文献1には、複数の印刷媒体に画像を分割して印刷するに当たり、画像サイズおよび印刷媒体の用紙サイズに基づいて、画像の分割数を算出することが記載されている。また、算出された分割数に基づいて、画像の印刷プレビュー上に、分割位置が確認可能な線を表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-138505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、印刷プレビュー上に分割位置を確認するための線を表示しているが、特許文献1では画像を等倍で印刷することを前提としているため、表示される分割位置は、画像の幅と印刷媒体の幅に基づいて決定された分割数に基づいて表示されている。よって、無駄な余白が発生する可能性があった。
【0005】
よって本発明は、ポスター印刷に関する設定を効率的に行うことのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため本発明の制御装置は、入力画像を複数の画像に分割することにより得られる分割画像を、印刷装置により印刷媒体に印刷させる制御装置であって、記入力画像に前記分割画像の分割位置を示すガイド情報を表示する第1のプレビュー画面と、前記分割画像の個別の第2のプレビュー画面とを表示させる表示制御手段を備え、記表示制御手段は、前記第1、第2のプレビュー画面と共に前記入力画像の印刷に関する設定を行うための設定画面を表示し、前記第1のプレビュー画面に対して表示させる設定画面の内容と、前記第2のプレビュー画面に対して表示さる設定画面の内容と異ならせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ポスター印刷に関する設定を効率的に行うことのできる制御装置、制御方法およびプログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】印刷システムを示した図である。
図2】ホスト装置の構成を示すブロック図である。
図3】出力されたスプールファイルの一例を示した図である。
図4】レイアウトソフトウェアのUI画面の一例を示した図である。
図5図4のUI画面から次へボタンが押下された際に移動する画面である。
図6】のりしろ領域と切り取り領域とを含めた、分割された画像を示した図である。
図7】レイアウトソフトウェアのUI画面の一例を示した図である。
図8図7のUI画面から次へボタンが押下された際に移動する画面である。
図9】各ページの印刷イメージを示した図である。
図10】ポスター印刷を行う際の処理を示したフローチャートである。
図11図10のフローチャートの処理の一部を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。以下では、一般アプリケーションにより生成された描画データに基づく画像を、レイアウトソフトウェアとプリンタドライバを用いて、ロール紙上にポスター印刷させるコンピュータシステムの実施の形態を、図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態を適用可能な、印刷システム100を示した図である。印刷システム100は、ホスト装置1と印刷装置2とから構成されている。ホスト装置1は、パーソナルコンピュータ等であり、描画データの生成が可能な一般的な描画アプリケーション101、プリンタドライバ102および105、レイアウトソフトウェア104がインストールされている。印刷中間データ出力用プリンタドライバ102は、印刷中間データをスプールファイル103として出力するためのプリンタドライバである。
【0011】
印刷システム100で印刷を行う場合、ユーザが描画アプリケーション101で描画データを作成した後、印刷中間データ出力用プリンタドライバ102が選択されると、印刷要求が出力される。この印刷要求に応じて、印刷中間データとしてスプールファイル103が出力される。スプールファイル103の出力場所は、TempフォルダやAppData等、後述するレイアウトソフトウェア104がスプールファイル103を読み込める場所であればどこでもよく、特に限定するものではない。また、スプールファイル103のフォーマット形式としては、XPS(XML Paper Specification)やEMF(Enhanced Metafile)等が考えられるが、レイアウトソフトウェア104が加工可能な形式であれば何れでもよい。
【0012】
レイアウトソフトウェア104は、ポスター印刷を実行するためのソフトウェアであり、スプールファイル103の読み込み、スプールファイル103に基づくプレビュー表示、ポスター印刷における設定、プリンタドライバ105への出力を行う。レイアウトソフトウェア104の起動方法としては、印刷中間データ出力用プリンタドライバ102への印刷要求を監視し、その印刷要求タイミングでレイアウトソフトウェア104を起動する常駐のソフトウェアを用いる方法が考えられる。また、スプールファイル103が出力されるのを監視してレイアウトソフトウェア104を自動起動する方法、印刷中間データ出力用プリンタドライバ102が直接レイアウトソフトウェア104を起動する方法等も考えられる。
【0013】
プリンタドライバ105は、印刷装置2に印刷データを転送するための一般的なプリンタドライバである。レイアウトソフトウェア104からプリンタドライバ105に出力を行うことで、印刷中間データに基づき、プリンタドライバ105により印刷データが生成される。そして、生成された印刷データが印刷装置2に送信され、印刷が実行される。なお、プリンタドライバ102とプリンタドライバ105は、内部的に処理を切り替える構成とすることで、同じ一つのプリンタドライバとすることも可能である。
【0014】
このように、印刷中間データをレイアウトソフトウェア104が取得し、編集する上記構成により、Microsoft Excel(登録商標)やAutoCAD(登録商標)等の描画アプリケーションにより生成された様々な形式のデータに対して、実際の画像を見ながらポスター印刷設定が行えるようになる。つまり、描画データが印刷中間データの形式(XPS形式等)に変換され、この印刷中間データがレイアウトソフトウェア104に入力される構成により、レイアウトソフトウェア104は、描画データに基づく画像を用いて印刷プレビューを実行することが可能となる。
【0015】
また、本実施形態では、レイアウトソフトウェア104と印刷中間データ出力用プリンタドライバ102をプリンタドライバ105と切り離して配布できるため、プリンタのベンダー側としては、プリンタドライバ105に依存せずにレイアウトソフトウェアをリリースすることが可能となる。
【0016】
図2は、ホスト装置1の構成を示すブロック図である。ホスト装置1は、中央処理装置であるCPU201、記憶装置であるROM202及びRAM203、通信インターフェース204、外部記憶装置205と、マウスやキーボード等の入力部206と、CRTやLCD等の表示部207がバスラインで接続されている。CPU201は、ホスト装置1の全体の各種制御を行う。ROM202には、ホスト装置1の起動時に、CPU201が実行する初期化プログラムや各種データが格納されている。RAM203は、CPU201に対するメインメモリや作業領域として用いられる。外部記憶装置205は、たとえば、ハードディスク(HDD)等で構成され、描画アプリケーション101、プリンタドライバ102および105、レイアウトソフトウェア104、その他各種プログラムが格納されている。
【0017】
外部記憶装置205に格納されたプログラムは、外部記憶装置205からロードされ、RAM203に格納される。キーボードやマウス等の入力部206を介して、ユーザが各種指示をCPU201に入力(ユーザ入力)する。表示部207は、CPU201の制御(表示制御)によって各種表示を行う。ホスト装置1は、通信インターフェース204を介して、印刷装置2等の周辺装置と通信する。
【0018】
図3は、スプールファイル103の一例を示す模式図である。なお、スプールファイル103は、描画アプリケーション101により生成された描画データに基づく(所定の形式の)印刷中間データである。スプールファイル103の生成フローとしては、まず、描画アプリケーション101により描画データを生成後、描画アプリケーション101により提供される設定画面を用いて印刷中間データ出力用プリンタドライバ102が選択される。そして、描画アプリケーション101の提供する画面上におけるユーザからの印刷指示により、描画アプリケーション101から印刷要求が出力される。この印刷要求に応じて、選択された印刷中間データ出力用プリンタドライバ102により、描画アプリケーション101により生成された描画データに基づくスプールファイル103が生成される。
【0019】
図4は、レイアウトソフトウェア104のUI画面400の一例を示した図である。UI画面400(第1表示画面)は、画像の編集に関する設定を行う画面(編集設定画面)である。レイアウトソフトウェア104は、図3に示したスプールファイルを取得後、取得したスプールファイルを入力画像として画面上にプレビュー画面として表示し、画像の編集に関する設定を受け付けることができる。このプレビュー画面では、用紙を示す画像上に入力画像が表示されているため、印刷結果(用紙に入力画像がどのように印刷されるか)が容易にイメージすることが可能となる。なお、以降の説明では、入力画像を複数の画像に分割し、複数の分割画像をそれぞれ複数の用紙に印刷する方式をポスター印刷と呼ぶこともある。また、入力画像をポスター画像とも呼ぶ。UI画面400は、ユーザがポスター印刷結果を確認するための表示領域である領域401、入力画像の表示領域である領域402、印刷装置に設定されているマージン領域を示す領域403、ポスター画像の分割線である分割線404を備えている。領域402には、ポスター画像として入力画像が表示され、領域402の周囲には、印刷装置に設定されたマージン領域403が表示される。分割線404は、後述する領域405において設定される編集設定に従って表示される線であり、ポスター印刷時に入力画像が複数ページに分割される際の分割位置を示すガイド用の表示アイテムである。
【0020】
領域405(編集設定領域)は、ユーザがポスター印刷における設定を行うためのコントロールアイテムが表示される領域であり、ロール紙幅設定アイテム406、フチなし印刷設定アイテム407、ポスター分割数設定アイテム408、のりしろ幅設定アイテム409、ポスター合計サイズ表示領域410を備えている。ロール紙幅設定アイテム406(媒体幅設定アイテム)は、ロール紙幅を設定するためのコンボボックスであり、ユーザが印刷に使用するロール紙の幅を設定することができる。フチなし印刷設定アイテム407は、用紙の周囲に余白を発生させない「フチなし印刷」を行うかどうかの設定を行うためのコンボボックスであり、ユーザはオン/オフを選択することでフチなしでの印刷を行うかどうか(フチなし印刷設定を有効にするか無効にするか)を設定することができる。
【0021】
ポスター分割数設定アイテム408は、ポスター画像の分割数、すなわちポスター印刷に使用する用紙の数を設定するための(設定可能である)スピンボックスである。このように、本実施形態では、ユーザによって、任意の用紙枚数を選択することができる。つまり、入力画像の分割数(何枚の用紙に分けて印刷するか)を選択することができる。そして、この設定された分割数と用紙の幅とに少なくとも基づき、分割画像の印刷領域が求められる。よって、無駄な余白の発生を抑制することができる。なお、本実施形態では、ロール紙を用いて印刷を行うため、用紙の枚数とは、ロール紙がカットされた後の枚数を意味する。また、例えば、図4のように入力画像を3枚に分割する場合、分割画像を左から順に1ページ、2ページ、3ページとして、ページ毎にロール紙に印刷されるものとする。
【0022】
のりしろ幅設定アイテム409は、分割画像が印刷された複数の用紙のうち、画像同士が隣り合う用紙を貼り合わせるために必要なのりしろの幅を設定するためのスピンボックスである。のりしろの幅の設定を設けずに幅を固定値とすることも可能ではあるが、のりしろ幅を調整可能とすることで、ユーザはポスターの貼り合わせの強度を強めることや、入力画像の分割位置やポスター貼り合わせ後の全体サイズの微調整を行うことができる。
【0023】
ポスター合計サイズ表示領域410は、ポスター印刷で分割印刷された各ページを貼り合わせた際の合計サイズの予測値を表示する(表示可能な)領域であり、後述する図10のフローチャートによって合計サイズの値が算出される。これによりユーザは印刷する前に、ポスターを印刷した際の全体の正確なサイズを知ることができ、ユーザが想定したサイズと異なった印刷結果になる等のケースを防ぐことができる。
【0024】
領域405の下部には、キャンセルボタン411と次へボタン412とが設けられている。ユーザが印刷をキャンセルしたい時にはキャンセルボタン411を押下することで印刷をキャンセルすることができる。画像の編集に関する設定を全て完了した場合には、次へボタン412を押下することで次の画面(後述する図5参照)へと進むことができる。
【0025】
このように、UI画面400は、編集に関する設定を行う設定画面と、その設定を反映させた画像を表示するプレビュー画面とを同一画面上に表示している。
【0026】
図5は、レイアウトソフトウェア104のUI画面500であり、図4のUI画面400から次へボタン412が押下された際に表示される画面である。図5のUI画面(第2表示画面)は、図4のUI画面での編集内容を反映した分割画像を表示する領域と、画像の印刷に関する設定を行う領域(印刷設定領域)を備えている。画像を表示する領域には、図4のUI画面での編集内容に従い、分割された各画像(分割画像)がどのように印刷されるかがプレビュー画面として個別に表示される。印刷に関する設定を行う領域には、ユーザからの印刷設定や印刷実行を受け付けるための表示アイテムが表示される。
【0027】
具体的には、UI画面500は、ユーザが各分割された画像のイメージを一枚ずつ確認するための表示領域である領域501と、入力画像のうち、分割されて印刷される画像のみが表示される領域502と、印刷装置に設定されたマージン領域を示す領域503とを備えている。ここでは、領域503は、前述したマージン領域403と同じマージン値を使用する。
【0028】
更に、UI画面500は、切り取り領域である領域504と、のりしろ領域である領域505と、ページ遷移ボタンであるボタン506、507とを備えている。UI画面500の領域501の右側には、各種印刷設定を行うための領域である領域508を備えている。領域508は、用紙の種類を設定するコンボボックスであるアイテム509、カラー設定のコンボボックスであるアイテム510(カラー設定アイテム)、印刷品質を設定するコンボボックスであるアイテム511を備えている。更に領域508は、切り取り・のりしろ印刷設定のコンボボックスであるアイテム512を備えている。また、領域508の下部には、前画面(UI画面400)へ戻るボタンであるボタン513と、印刷を実行するボタン514とが設けられている。
【0029】
切り取り領域504は、フチなし印刷設定407がオフの場合(つまりフチあり印刷の場合)に確保される領域であり、先頭のページ(図4の3枚の分割画像のうち左側の分割画像に対応するページ)以外の全ページに確保される。切り取り領域504は画像の表示領域502の左側に配置される。
【0030】
のりしろ領域505は、最終ページ(図4の3枚の分割画像のうち右側の分割画像に対応するページ)以外の全ページに確保され、画像の表示領域502の右側に配置される。フチありでの印刷時は、ユーザは切り取り領域504をカッター等で切り取り、その後、用紙を前ページののりしろ領域505に貼り合わせることで、ページ間に余白を発生させることなく用紙を結合することができる。
【0031】
なお、本実施形態では、切り取り領域504の幅は固定値として、のりしろ領域505の幅のみ、のりしろ幅設定アイテム409で設定された値を使用している。しかしこれらの値は、両方とも固定値にしてもよく、ポスターのサイズによって変動する値にしてもよく、特に本発明を限定するものではない。また当然ながら、切り取り領域504と、のりしろ領域505との配置を逆にしてもよい。更に、切り取り領域504の幅を印刷装置に設定されたマージン幅とすることや、領域504を設けず、左端をマージン無しとしてもよい。
【0032】
ボタン506は、押下することで現在表示されているページの前のページに画面を切替えることができ、ボタン507は、押下することで現在表示されているページの次のページに画面を切替えることができる。アイテム509(媒体種類設定アイテム)は、用紙の種類を設定するコンボボックスであり、ユーザは、印刷に使用する用紙の種類をここで設定することができる。用紙の種類の選択肢は、プリンタドライバ105からPrintCapabilities等のAPIを使用して取得することができる。アイテム510は、印刷に使用するカラーを設定するためのコンボボックスであり、ユーザはカラーやモノクロ等を選択することができる。
【0033】
アイテム511(印刷品質設定アイテム)は、印刷の品質を設定するためのコンボボックスであり、ここで設定された品質により印刷の速度や品質が決定される。印刷品質の選択肢は、プリンタドライバ105からPrintCapabilities等のAPIを使用して取得することができる。アイテム512(領域設定アイテム)は、切り取り領域やのりしろ領域に関する印刷のオン/オフを設定する。本設定がオンの場合は、切り取り領域である領域504、のりしろ領域である領域505の境界線や、領域を示すための文字列が印刷データに付加して印刷される。また、本設定のオン/オフは、領域504、領域505の表示にも反映される。
【0034】
ボタン513は、図4のUI画面400に戻りたい場合に押下することで、UI画面400に戻ることができる。ボタン514は、全ての印刷設定が完了し印刷を実行する際に押下することで、印刷を実行することができる。レイアウトソフトウェア104は、ボタン514が押下されると、設定に従って入力画像を分割し、プリンタドライバ105へ出力する。このとき、印刷設定情報としてフチなし印刷設定アイテム407、アイテム509、アイテム510、アイテム511の印刷設定も反映する。
【0035】
このように、UI画面500は、印刷に関する設定を行う設定画面と、その設定を反映させた画像を表示するプレビュー画面とを同一画面上に表示している。
【0036】
なお本実施形態では、プリンタドライバ105の指定欄を設けてはいないが、プリンタドライバ104は、レイアウトソフトウェア104の画面上で指定させるようにしてもよく、印刷中間データ出力用プリンタドライバ102のUI(User Interface)にて指定させてもよい。もしくは、印刷中間データ出力用プリンタドライバ102とプリンタドライバ105とを同じモジュールとした場合、特にプリンタドライバ105の指定箇所を設ける必要はなく、これらの構成は特に本発明を限定するものではない。
【0037】
このように本実施形態では、ユーザに画像の分割数を設定させることができる。よって、レイアウトソフトウェア104は、少なくとも、設定された分割数と用紙幅とに基づいて、各分割画像の印刷領域の幅を求めることが可能となる。分割画像の印刷領域の幅が求められれば、画像の分割位置が求められるため、入力画像の印刷プレビュー画面上に、分割位置を示すガイド情報を表示させることが可能となる。また、本実施形態では、設定された分割数と用紙幅とに基づいて、分割画像の印刷領域の幅を求めるため、印刷装置に供給されている用紙に対して、無駄な余白を設けずに、効率的に印刷領域を設定することが可能となる。
【0038】
また、レイアウトソフトウェア104は、分割位置が示された画像全体のイメージをプレビュー機能で表示するUI画面(図4参照)と、分割された画像をプレビュー機能で個別に表示するUI画面(図5参照)と、を表示させることができる。そして、レイアウトソフトウェア104のUI画面400、500のそれぞれと共に、各印刷の設定を行うための設定画面を表示させることができる。また、UI画面400とUI画面500とは、交互に切替が可能である。これによってユーザは、プリンタドライバが提供する画面を再度表示することなく、レイアウトソフトウェア104が提供するプレビュー画面により印刷する画像の分割状態やのりしろ位置を見ながら、編集に係る設定と印刷に係る設定とを行うことができる。
【0039】
図6は、印刷結果を示す模式図である。この場合、図4の設定において、フチなし印刷設定をオフ、分割数を3に設定された場合の印刷結果を示している。このケースでは、先頭ページの画像の左側と最終ページの画像の右側には、印刷装置のマージン領域が設けられる。また、切り取り領域は、先頭ページには設けられず、その他のページには全てに設けられている。また、のりしろ領域は、最終ページ以外の全てのページに設けられる。
【0040】
図7は、フチなし印刷設定をオン(有効)にした際のレイアウトソフトウェア104のUI画面の一例を示した図であり、図8は、図7のUI画面から次へボタンが押下された際に遷移する画面である。フチなし印刷設定がオンになっている場合、画像に印刷装置のマージン領域は設けられない。
【0041】
図9は、フチなし印刷設定をオン、分割数を3に設定した場合の各ページの印刷イメージを示した図である。ここで、フチなし印刷時は、各ページの描画が一部前ページとオーバーラップしていることがわかる。フチなし印刷の場合は、印刷装置2にて画像が一部切れて印刷されてしまうため、ページ間で画像を一部オーバーラップさせることで、画像の一部が欠損することを防いでいる。
【0042】
図10は、本実施形態において、レイアウトソフトウェア104印刷がポスター印刷のための処理を示したフローチャートである。以下、このフローチャートを用いてポスター印刷における処理を説明する。なお、以降の処理では、レイアウトソフトウェア104を、各処理の主体として説明することもあるが、実際には、対応するプログラム(レイアウトソフトウェア104のプログラム)をCPU201が実行することで、対応する機能が実現されることになる。なお、全ての処理は必ずしも一つのプロセス上で逐次的に実行されるものではなく、一度OS側に処理が移り、再度OSから呼び出されるようなケースもあり得る。あくまでレイアウトソフトウェア104の主要な処理を、便宜的にわかりやすく示したフローである。
【0043】
まず、S101で、レイアウトソフトウェア104は、対象のプリンタドライバ105の名称を取得する。その後S102で、レイアウトソフトウェア104は、ロール紙幅設定アイテム406に設定されている設定値を取得し、S103で、フチなし印刷設定アイテム407に設定されている設定値を取得する。そしてS104で、レイアウトソフトウェア104は、ポスター分割数設定アイテム408に設定されている設定値を取得し、S105で、のりしろ幅設定アイテム409に設定されている設定値を取得する。
【0044】
その後、S106で、レイアウトソフトウェア104は、入力画像の幅の情報と高さの情報を取得し、S107で、S103で取得したフチなし印刷設定情報がフチなし印刷かどうかを判断する。フチなし印刷であればS110に移行し、フチなし印刷でなければS108に移行する。
【0045】
S108に移行した場合は、S101にて取得したプリンタドライバ105からPrintCapabilities等のAPIを使用して印刷装置のマージン値を取得する。ここで取得する値は、用紙の内側に発生する印刷装置の余白領域の値であり、3mm等の値となる。印刷装置のマージン値として、一律10mm等の一定値とする方法や、ユーザに設定させる方法等も考えられるが、この場合、無駄に余白が発生してしまう可能性が高い。本実施形態のように、対象のプリンタドライバ105から正確なマージン値を取得することで、無駄な余白なく印刷を行うことができるようになる。S109では、レイアウトソフトウェア104は、切り取り幅を取得(本実施形態では固定値(15mm))し、S112へ移行する。
【0046】
S107からS110に移行した場合は、S110で、レイアウトソフトウェア104は、S101にて取得したプリンタドライバ105からPrintCapabilities等のAPIを使用して印刷装置に設定されたはみ出し量を取得する。ここで取得する値は、用紙の外側にはみ出して印刷させるための画像のはみ出し量であり、2mm等の値となる。
【0047】
その後、S111で、レイアウトソフトウェア104は、フチなし印刷時のオーバーラップ幅を算出する。ポスター印刷でフチなし印刷を行う場合、フチなし印刷によってページ間で画像が一部欠損することを防ぐため、各ページ間で画像を一部オーバーラップさせて印刷を行う必要がある。このときのオーバーラップ幅は、印刷装置のはみ出し量(2mm等)よりも大きくする必要があり、例えば、はみ出し量2mm+用紙の斜行を考慮したマージン幅3mmの合計5mmをオーバーラップ幅として算出する。印刷装置のはみ出し量取得と、オーバーラップ幅の算出とにより、レイアウトソフトウェア104は、無駄な画像の重複を削減することができ、また、フチなし印刷におけるポスター貼り合わせ後の合計サイズも正確に算出することができる。
【0048】
仮に、印刷装置のはみ出し量を取得しない構成とした場合は、フチなし印刷時にプリンタドライバが画像を拡大する倍率や、画像のはみ出し量について、レイアウトソフトウェア104は判断することができない。この場合、レイアウトソフトウェア104は、ページ間で画像が欠損しないよう、画像のオーバーラップ幅を10mm等、大きな値に設定する必要があり、余分に画像が重複される結果となってしまう。また、画像の重複範囲が不明なため、正確なサイズを算出し、画面上に表示することができなくなる。
【0049】
その後、S112で、レイアウトソフトウェア104は、ポスター印刷に必要な各種サイズ情報を算出する(詳細は後述する)。そして、レイアウトソフトウェア104は、S113でUI画面に画像、分割位置、画像サイズを表示し、S114で画像の印刷を行ってポスター印刷のための処理が終了する。
【0050】
図11は、図10のフローチャートのS112における処理を示したフローチャートである。以下、このフローチャートを用いてS112の処理を説明する。
【0051】
S112の処理が開始されると、S201で、レイアウトソフトウェア104は、各分割ページの印刷領域幅を算出し、S202で、ポスター貼り合わせ後の印刷領域幅を算出する。その後、S203で、レイアウトソフトウェア104は、印刷に必要な入力画像の拡大率を算出し、S204で、ポスター貼り合わせ後の印刷領域高を算出する。そして、S205で、レイアウトソフトウェア104は、ポスター貼り合わせ後の用紙の幅と高さを算出し処理を終了する。
【0052】
このように本実施形態では、レイアウトソフトウェア104が、分割位置が示された画像全体をプレビュー機能で表示するUI画面と、分割された画像をプレビュー機能で個別に表示するUI画面とを備えており、各画面で各印刷の設定を行うことができる。また、各UI画面は、それぞれ画面の切替えが可能に構成されており、ユーザの設定状況に応じて自由に画面間を行き来することができる。これによってユーザは、プリンタドライバが提供する設定画面を再度表示することなく、レイアウトソフトウェア104が提供するプレビュー機能で、印刷する画像の分割状態やのりしろ位置を確認しつつ、編集に係る設定と印刷に係る設定とを効率的に行うことができる。また、ポスター貼り合わせ後の印刷領域幅に応じて、自動的に画像の拡大を行うことで、ユーザによる画像サイズの調整を行うことなく、無駄な余白を生じさせずに印刷を行うことができる。
【0053】
以下、具体的な例を用いて、図11のフローチャートにおける算出処理について説明する。ここではケース1として、フチありでの印刷で、以下の各値を想定する。
・フチなし印刷設定:オフ
・入力画像(スプールファイル)の幅:400mm
・入力画像(スプールファイル)の高さ:300mm
・ロール紙幅:500mm
・ポスター分割数:3
・切り取り幅:15mm(固定値)
・のりしろ幅:30mm
・印刷装置のマージン:3mm
【0054】
S201における1ページ目の印刷領域幅PageWidth1、2ページ目(途中ページ)の印刷領域幅PageWidth2、3ページ目(最終ページ)の印刷領域幅PageWidth3はそれぞれ以下の式で算出することができる。
PageWidth1=ロール紙幅-左側の印刷装置のマージン-のりしろ幅=500-3-30=467(mm)
PageWidth2=ロール紙幅-切り取り幅-のりしろ幅=500-15-30=455(mm)
PageWidth3=ロール紙幅-切り取り幅-右側の印刷装置のマージン=500-15-3=482(mm)
【0055】
次に、S202のポスター貼り合わせ後の印刷領域幅PosterImageWidthは以下の式で算出することができる。
PosterImageWidth=PageWidth1+PageWidth2×途中ページの数+PageWidth3=467+455×1+482=1404(mm)
【0056】
次に、S203の入力画像の拡大率Ratioは、入力画像の幅とポスター貼り合わせ後の印刷領域幅の比率により以下の式から算出することができる。
Ratio=PosterImageWidth/入力画像の幅=1404/400=3.51
【0057】
次に、S204のポスター貼り合わせ後の印刷領域高PosterImageHeightは先ほど算出した画像の拡大率をもとに、以下の式で算出することができる。
PosterImageHeight=入力画像の高さ×Ratio=300×3.51=1053(mm)
【0058】
次に、S205のポスター貼り合わせ後の用紙の幅PosterWidthと高さPosterHeightは、印刷装置のマージンを加えて、以下の式で算出することができる。PosterWdith=PosterImageWdith+上下の印刷装置のマージン=1404+3×2=1410(mm)
PosterHeight=PosterImageHeight+上下の印刷装置のマージン=1053+3×2=1059(mm)
このように各値を算出することができる。
【0059】
次に、ケース2として、フチなしでの印刷で、以下の各値を想定する。
・フチなし印刷設定:オン
・入力画像(スプールファイル)の幅:400mm
・入力画像(スプールファイル)の高さ:300mm
・ロール紙幅:500mm
・ポスター分割数:3
・のりしろ幅:30mm
・印刷装置のはみ出し量:2mm
・オーバーラップ幅:5mm
【0060】
S201の1、2ページ目(最終ページ以外)の印刷領域幅PageWidth1、3ページ目(最終ページ)の印刷領域幅PageWidth2はそれぞれ以下の式で算出することができる。
PageWidth1=ロール紙幅+左側の印刷装置のはみ出し量-のりしろ幅=500+2-30=472(mm)
PageWidth2=ロール紙幅+左右の印刷装置のはみ出し量=500+2×2=504(mm)
【0061】
次に、S202のポスター貼り合わせ後の印刷領域幅PosterImageWidthは以下の式で算出することができる。
PosterImageWidth=(PageWidth1-オーバーラップ幅)×最終ページ以外のページ数+PageWidth2=(472-5)×2+504=1438(mm)
【0062】
ここで、オーバーラップの領域は、ポスター貼り合わせの際に用紙の下側に隠れてしまうため、上記計算式ではオーバーラップ幅を減算している。
【0063】
次に、S203の入力画像の拡大率Ratioは、入力画像の幅とポスター貼り合わせ後の印刷領域幅の比率により以下の式から算出することができる。
Ratio=PosterImageWidth/入力画像の幅=1438/400=3.595
【0064】
次に、S204のポスター貼り合わせ後の印刷領域高PosterImageHeightは、先ほど算出した画像の拡大率をもとに、以下の式で算出することができる。
PosterImageHeight=入力画像の高さ×Ratio=300×3.595=1078.5(mm)
【0065】
そして、最後にS205のポスター貼り合わせ後の用紙の幅PosterWidthと高さPosterHeightは、印刷装置のはみ出し量を差し引いて、以下の式で算出することができる。
PosterWdith=PosterImageWdith―上下の印刷装置のはみ出し量=1438-2×2=1434(mm)
PosterHeight=PosterImageHeight―上下の印刷装置のはみ出し量=1078.5-2×2=1074.5(mm)
このように各値を算出することができる。
【0066】
このようにS112で各値を算出後、S113に移行する。上述の通り、S113ではUI画面に画像、分割位置、画像サイズを表示する。具体的には、これまでの処理で決定された各種情報をもとに、領域402、領域403、分割線404、ポスター合計サイズ表示領域410、領域502、領域503、領域504、領域505の各種表示を行う。
【0067】
表示領域402には、S202とS204で算出したポスター貼り合わせ後の印刷領域の幅と高さに合わせて、入力画像を拡大した結果を表示する。フチなし印刷の場合は、印刷装置のはみ出し量を加えたサイズをそのまま表示されるが、例えば、はみ出し量を半透明で表現したり、はみ出し量を表示しないことも可能であり、特に本発明を限定するものではない。印刷装置のマージン領域403には、S108で取得した印刷装置のマージン値をもとに、余白領域を表示する。分割線404には、S201で算出した各ページの印刷領域幅の情報をもとに分割線404を表示する。
【0068】
フチありでの印刷時は、S201で求めた各ページの幅がそのまま境界位置となる。前述したケース1の例では、領域402の左端位置を開始位置として、1ページ目の印刷領域幅だけ右側に進んだ位置と、その位置から2ページ目の印刷領域幅だけ右側に進んだ位置の2ヶ所に境界線が引かれる。フチなしでの印刷時は、オーバーラップ領域を考慮する必要があるため、例えば、最終ページ以外のページ幅からオーバーラップ幅を減算した値を境界位置として使用すること等が考えられる。前述したケース2の例では、領域402の左端位置を開始位置として、1ページ目の印刷領域幅からオーバーラップ幅を減算した分だけ右側に進んだ位置に境界線が引かれる。そして、求めた境界線の位置を開始位置として、2ページ目の印刷領域幅からオーバーラップ幅を減算した分だけ右側に進んだ位置に2ヶ所目の境界線が引かれる。
【0069】
ポスター合計サイズ表示領域410には、S205で算出したポスター貼り合わせ後の用紙の幅の情報と高さの情報を表示する。また、表示領域502には、S203で算出した拡大率で乗算した入力画像を、S201で算出した各ページの印刷領域幅の範囲分表示を行う。印刷装置のマージン領域503、切り取り領域504、のりしろ領域505には、S108、S109、S105で取得した値をもとに余白領域を表示する。
【0070】
印刷に使用するサイズとしては、幅がロール紙幅、高さがS205で算出した用紙の高さとする、カスタムサイズを使用する。カスタムサイズはプリンタドライバ105のSDK(Software Devlopment Kit)を用いて、プリンタドライバにカスタムサイズを登録することで、印刷に使用することができる。また、カスタムサイズを使用する他の方法として、プリンタドライバの標準的なカスタムサイズ指定の仕組みを用いてもよい。ただし、標準的な仕組みでは、サイズの上限に制限がある場合がある。印刷するページ数は、S104で取得したポスター分割数をもとに決定する。印刷データは、これまで求めた領域502、領域503、領域504、領域505の描画情報をそのまま使用し、図6図9に示したような配置で作成する。印刷設定として、アイテム407、アイテム509、アイテム510、アイテム511の印刷設定情報も反映する。なお、フチなし印刷時は、用紙サイズより大きいデータを印刷に使用することになるが、実際には、用紙サイズを超えた範囲は、印刷装置2のプラテン上に印刷され、フチ限界まで印刷された用紙サイズが成果物となる。
【0071】
なお、本実施形態では、ロール紙を用いた実施の形態を説明してきたが、例えばポスター印刷に必要なカスタムサイズのカット紙を用意し、印刷に使用してもよく、本発明はロール紙に限定されるものではない。また、本実施形態では、実際の印刷対象の画像を画面上に表示してポスター印刷設定を行う実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、画面上にはプレビュー用の簡易画像を表示する構成にすることも可能である。
【0072】
このように、本実施形態のレイアウトソフトウェア104は、ユーザに画像の分割数を設定させることができる。よって、レイアウトソフトウェア104は、少なくとも、設定された分割数と用紙幅とに基づいて、分割画像の印刷領域の幅を求めることが可能となる。分割画像の印刷領域の幅が求められれば、画像の分割位置が求められるため、入力画像の印刷プレビュー上に、分割位置を示すガイド情報を表示させることが可能となる。また、本実施形態では、設定された分割数と用紙幅とに基づいて、分割画像の印刷領域の幅を求めるため、印刷装置に供給されている用紙に対して、無駄な余白を設けずに、効率的に印刷領域を設定することが可能となる。
【0073】
また、レイアウトソフトウェア104によって、分割位置が示された画像をプレビュー機能で表示するUI画面上で、画像の編集に関する設定を行うことができるよう構成する。これによってユーザは、ポスター印刷の再設定を効率的設定可能である
【0074】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では特徴的な構成についてのみ説明する。
【0075】
本発明の目的は、上記実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体をシステム或いは装置に供給し、システム或いは装置のコンピュータ(又はCPU又はMPU)が媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行しても達成できる。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0076】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0077】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することで、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。つまり、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で動作しているオペレーティングシステムなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって実現される場合も含まれる。
【0078】
更に記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードや接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれた後、プログラムコードの指示に基づいて実際の処理を行い実施形態の機能が実現される場合も含まれる。また、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【符号の説明】
【0079】
1 ホスト装置
2 印刷装置
100 印刷システム
101 描画アプリケーション
103 スプールファイル
104 レイアウトソフトウェア
105 プリンタドライバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11