(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】マイクロ発光ダイオード表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240122BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240122BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20240122BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240122BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/33
H01L33/08
H01L33/62
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022119618
(22)【出願日】2022-07-27
【審査請求日】2022-09-20
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520467017
【氏名又は名称】▲ナイ▼創▲顕▼示科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【氏名又は名称】君塚 絵美
(72)【発明者】
【氏名】陳 彦▲イエ▼
(72)【発明者】
【氏名】曾 于▲ユエイ▼
(72)【発明者】
【氏名】呉 志凌
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0183301(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0303585(US,A1)
【文献】特開2021-089427(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0131040(US,A1)
【文献】国際公開第2020/100302(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第113299803(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09F 9/33
H01L 33/62
H01L 33/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
前記回路基板に電気的に接続されたエピタキシー構造であって、
接続層と、
前記接続層上に配置された複数の発光メサと、を備え、前記接続層の厚さが前記発光メサの厚さよりも薄く、前記接続層が前記発光メサによって露出された第1の表面と該第1の表面の反対側の第2の表面を有する、エピタキシー構造と、
前記接続層の前記第2
の表面に配置された第1の導電層であって、前記接続層への前記第1の導電層の垂直投影が、前記接続層への前記第1の表面の垂直投影と重なり合う、第1の導電層と、を備え、
前記第1の導電層の厚さが、前記エピタキシー構造の厚さ以下である、マイクロ発光ダイオード表示装置。
【請求項2】
前記接続層への前記第1の導電層の垂直投影が第1の投影であり、前記接続層への前記第1の表面の垂直投影が第2の投影であり、前記第1
の投影と前記第2の投影の重なり合う部分の面積が、前記第2の投影の面積の0.5倍以上である、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード表示装置。
【請求項3】
前記第1の導電層が前記第2の表面の複数のサブエリアを露出し、前記サブエリアがそれぞれ前記発光メサに対応する、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード表示装置。
【請求項4】
前記発光メサが複数の発光メサグループにグループ化され、前記第1の導電層が前記第2の表面の複数のサブエリアを露出し、前記サブエリアがそれぞれ前記発光メサグループに対応する、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード表示装置。
【請求項5】
前記第1の導電層は、前記接続層を貫通する貫通孔内に配置され、前記回路基板に電気的に接続している、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード表示装置。
【請求項6】
前記接続層の前記第1の表面に配置された第2の導電層をさらに備える、請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード表示装置。
【請求項7】
回路基板と、
前記回路基板に電気的に接続されたエピタキシー構造であって、接続層と、該接続層上に配置された複数の発光メサとを備え、前記接続層が前記発光メサによって露出された第1の表面および該第1の表面と反対側の第2の表面を有する、エピタキシー構造と、
前記接続層の第2の表面上に配置され、前記第2の表面を完全に覆う透明導電層と、を備え、
前記透明導電層の厚さが、前記エピタキシー構造の厚さ以下である、マイクロ発光ダイオード表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関するものであり、特に、マイクロ発光ダイオード表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロ発光ダイオード表示装置の複数のピクセルは、半導体接続層上に複数の半導体発光メサを配置することによって形成することができる。半導体発光メサの各々はサブピクセルに対応し、半導体接続層上にアレイ状に配置される。半導体接続層は、接続層であることに加えて、各発光メサの共通電極としても機能することができ、接合金属層を介して回路基板に電気的に接続される。
【0003】
しかしながら、半導体接続層の抵抗値は、導体の抵抗値よりも高い。共通接地点から遠く離れた発光メサの方が再結合する電子正孔対の数が少なくなる。これに対し、共通接地点に近い発光メサの方が再結合する電子正孔対の数が多くなる。そのため、マイクロ発光ダイオードディスプレイの輝度が不均一になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、均一な発光輝度を有するマイクロ発光ダイオード表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態によれば、回路基板、エピタキシー構造、および導電層を含むマイクロ発光ダイオード表示装置が提供される。エピタキシー構造は、回路基板に電気的に接続されており、接続層と複数の発光メサとを含む。発光メサは接続層上に配置され、接続層の厚さは発光メサの厚さよりも薄く、接続層は発光メサによって露出された第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面を有する。導電層は接続層の第2の表面上に配置され、第2の表面の複数のサブ領域を露出し、接続層への導電層の垂直投影が接続層への第1の表面の垂直投影と重なり合う。
【0006】
本開示の別の実施形態によれば、回路基板、エピタキシー構造、および透明導電層を含むマイクロ発光ダイオード表示装置が提供される。エピタキシー構造は、回路基板に電気的に接続されており、接続層と複数の発光メサとを含む。発光メサは、接続層上に配置され、接続層は、発光メサによって露出された第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面とを有する。透明導電層は、接続層の第2の表面上に配置され、透明導電層は、第2の表面を完全に覆う。
【発明の効果】
【0007】
上記に基づいて、本開示の実施形態によって提供されるマイクロ発光ダイオード表示装置では、導電層がエピタキシー構造の接続層上に配置されている。導電層の抵抗値は接続層の抵抗値よりも小さいので、回路基板の電流は導電層を通ってより均一に伝達され得る。この場合、共通の接地点からの距離が異なる発光メサにおいて、同じ電位差が同じ数の再結合電子正孔対を駆動することが可能になり、これにより、マイクロ発光ダイオード表示装置の輝度が不均一になるのを防ぐことができる。さらに、解像度の要件が高くなるにつれて、発光メサ(サブピクセル)の配置が密になる。導電層が接続層の第1の表面に配置される従来の状況とは対照的に、本開示の導電層は第2の表面に配置され、これは歩留まりを大幅に改善する。
【0008】
本開示の上記の特徴および利点を理解可能にするために、図面を参照して幾つかの実施形態を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本開示の一実施形態によるマイクロ発光ダイオード表示装置の平面概略図を示す。
【
図1B】
図1Aに示される線I-I'に沿った断面概略図を示す。
【
図2A】本開示の一実施形態によるマイクロ発光ダイオード表示装置の平面概略図を示す。
【
図2B】
図2Aに示される線II-II'に沿った断面概略図を示す。
【
図3】本開示の実施形態によるマイクロ発光ダイオード表示装置の断面概略図である。
【
図4】本開示の実施形態によるマイクロ発光ダイオード表示装置の断面概略図である。
【
図5】本開示の実施形態によるマイクロ発光ダイオード表示装置の断面概略図である。
【発明を実施すための形態】
【0010】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、マイクロ発光ダイオード表示装置1は、表示領域A1および非表示領域A2を有するとともに、回路基板C1、エピタキシー構造ES、および導電層30を含む。表示領域A1は、複数の表示サブピクセルPXが配置された領域を指し、非表示領域A2は表示領域A1の周囲に少なくとも部分的に配置され、複数の駆動要素(図示せず)が配置される領域とし得る。表示サブピクセルPXの各々は、マイクロ発光ダイオード表示装置1の画像光を提供する発光メサ20を有する。
【0011】
エピタキシー構造ESは、接続層10および複数の発光メサ20を含む。
図1Bに示されるように、複数の表示サブピクセルPXにそれぞれ対応する複数の発光メサ20は、接続層10上に配置され、発光メサ20の各々は、第1の型の半導体層201、第2の型の半導体層202、および発光層203を含み、発光層203は、多重量子井戸(MQW)である。接続層10は、第1の方向D1と第2の方向D2により形成される平面に平行な平面上に配置され、発光メサ20により露光される第1の表面101と、第1の表面101の反対側の第2の表面102とを有する。
【0012】
本開示の一実施形態によれば、接続層10はn型の半導体であり、第1の型の半導体層201はn型半導体であり、第2の型の半導体層202はp型半導体であるが、本開示はこれに限定されない。本開示の別の実施形態では、接続層10はp型半導体であり、第1の型の半導体層201はp型半導体であり、第2の型の半導体層202はn型半導体である。特に、接続層10と第1の型の半導体層201は一体に形成してもよい。すなわち、2つは同じ層としてもよい。例えば、エッチングプロセスによって、複数の分離された第1の型の半導体層201と連続接続層10とを形成することにより、回路基板C1への物質移動の歩留まりを向上させることができ、消費電力削減のために接続層10を共通の電極として使用することもできる。
【0013】
回路基板C1は、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)基板、リキッド・クリスタル・オン・シリコン(LCOS)基板、薄膜トランジスタ(TFT)基板、または動作回路を備えた他の基板とし得るが、これに限定されない。
図1Bに示されるように、エピタキシー構造ESは、接合金属層120、接合金属層130、接合金属層140、および接合金属層150を介して回路基板C1に電気的に接続され、接合金属層140および接合金属層150は共通接地点である。回路基板C1を介して接合金属層120に電圧が印加されて接合金属層120と共通接地点との間に電位差が発生すると、電位差により電流が発生し、電圧が印加された接合金属層120を接続する発光メサ20において電子正孔対の再結合が生起し、それによって光が発生する。発光メサ20によって放出された光は、第3の方向D3に実質的に平行な方向に沿ってマイクロ発光ダイオード表示装置1から出て、ユーザの目に入る。ここで、第1の方向D1、第2の方向D2、そして第3の方向D3は互いに垂直である。
【0014】
共通電極として機能する接続層10は半導体であるため、接続層10の抵抗値は導体の抵抗値よりも高い。共通接地点と共通接地点から遠く離れた接合金属層120に所定の電位差が印加される場合、対応する発光メサ20での再結合電子正孔対の数は少なくなる。同じ電位差が共通接地点と共通接地点に近い接合金属層120に印加される場合、対応する発光メサ20での再結合電子正孔対の数は多くなる。上記の状況を回避するために、導電層30を接続層10の第2の表面102上に配置するとともに、接続層10の第3の方向D3の厚さを発光メサ20の厚さより薄く構成し、低い抵抗を有する導電層30を利用して電流の伝達を補助することによって、電流が均一に分配されるようにすることができる。共通接地点と共通接地点から遠く離れた接合金属層120に同じ電位差が印加されても、対応する発光メサ20内の再結合電子正孔対の数は低下しない。発光メサ20から放出された光は、接続層10の内部で反射されることが防止される。光損失が回避される。したがって、マイクロ発光ダイオード表示装置1の発光メサ20は、同じ電位差が印加されたときに同じ輝度を有することができ、マイクロ発光ダイオード表示装置1は、良好な輝度均一性を有し得る。
【0015】
導電層30の面積が大きいほど、電流がより均一に分配され、マイクロ発光ダイオード表示装置1の輝度均一性が向上する。接続層10への導電層30の垂直投影が第1の投影であり、接続層10への第1の表面101の垂直投影が第2の投影である場合、一実施形態では、第1の投影と第2の投影が重なり合う部分の面積は、第2の投影の面積の0.5倍以上である。一実施形態では、接続層10への第1の表面101の垂直投影(すなわち、第2の投影)は、接続層10への導電層30の垂直投影(すなわち、第1の投影)内に完全に含まれる。別の実施形態では、接続層10への第1の表面101の垂直投影(すなわち、第2の投影)は、接続層10への導電層30の垂直投影(すなわち、第1の投影)内に完全に含まれ、第1の投影と第2の投影の重なり合う部分の面積は、第2の投影の面積に等しい。
【0016】
この実施形態では、導電層30は、金、チタン、アルミニウム、銀、白金、およびそれらの合金などの不透明な高導電性材料である。したがって、導電層30は、第2の表面102の複数のサブエリア102Sを露出するように構成され、サブエリア102Sは、それぞれ、発光メサ20に対応する。具体的には、
図1Bに示されるように、接続層10へのサブエリア102Sの垂直投影は、それぞれ、接続層10への発光メサ20の垂直投影と重なり合い、その結果、発光メサ20の各々によって放出された光は、対応するサブエリア102Sを透過し、次いでマイクロ発光ダイオード表示装置1から出ることができる。接続層10への導電層30の垂直投影は、接続層10への第1の表面101の垂直投影と重なり合い、接続層10への発光メサ20の垂直投影と重なり合わないが、本開示はこれに限定されない。本開示の一実施形態では、接続層10への導電層30の垂直投影は、接続層10への発光メサ20の少なくとも一部の垂直投影と部分的に重なり合う。言い換えれば、接続層10へのサブエリア102Sの少なくとも一部の垂直投影の面積は、接続層10への対応する発光メサ20の垂直投影の面積よりも小さい。このような構成では、発光メサ20により放出された光が導電層30によってさらに制限され、光はより集中した方向に進み、これにより、表示サブピクセルPX間のクロストークが回避される。好ましくは、接続層10へのサブエリア102Sの少なくとも一部の垂直投影と、接続層10への対応する発光メサ20の垂直投影との間の比率は、0.5から1の間であり、その比率が0.5未満の場合、光抽出率が不十分になり得る。
【0017】
さらに、導電層30は不透明な高導電性材料であるため、導電層30の厚さは、導電層30によって吸収される光の量を低減するように、エピタキシー構造ESの厚さ以下になるように構成される。電流が表示領域A1の導電層30においてより均一に伝達されるように、表示領域A1に配置された導電層30の総面積は、非表示領域A2に配置された導電層30の総面積よりも大きいことにも留意されたい。発光メサ20の各々は、同じ電位差がそれに印加されるとき、同じ輝度を有する。
【0018】
この実施形態では、マイクロ発光ダイオード表示装置1は、半導体パッド40をさらに含み、半導体パッド40および共通接地点として機能する接合金属層140、150は、すべて、非表示領域A2に配置され、発光メサ20は、表示領域A1に配置されている。
【0019】
半導体パッド40および発光メサ20は、同じプロセスで製造することができ、類似の構造を有するものとし得る。各発光メサ20の上面と接続層10から離れた側の半導体パッド40の上面は同一平面上にあるため、回路基板C1上の接合金属層150と接合金属層130を接合金属層140と接合金属層120にそれぞれ接合するプロセスの歩留まりを向上させることができる。さらに、接合金属層140はエピタキシャルセクション140Eを有し、接合金属層140を接続層10と接合金属層150との間に電気的に接続することができる。
【0020】
本開示の様々な実施形態を十分に説明するために、本開示の他の実施形態を以下に記載する。以下の実施形態は、上記実施形態の参照番号および内容の一部を使用し、同じ参照番号は、同一または類似の要素を示すために使用され、同じ技術的内容の説明は省略されることに留意されたい。省略された部分の説明については、上記の実施形態を参照することができ、以下の実施形態には記載されない。
【0021】
図2Aおよび
図2Bを参照すると、マイクロ発光ダイオード表示デバイス2は、表示領域A1および非表示領域A2を有し、回路基板C1、エピタキシー構造ES、および導電層30Aを含む。複数の発光メサ20は、4つの発光メサ20の単位で複数の発光メサグループ20Gにグループ化され、導電層30Aは、第2の表面102の複数のサブエリア102Gを露出するように構成され、サブエリア102Gは、それぞれ、発光メサグループ20Gに対応する。しかしながら、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロ発光ダイオード表示装置2の発光メサ20は、少なくとも3つの発光メサ20の単位で複数の発光メサグループ20Gにグループ化される。その後、色変換要素(図示せず、例えば量子ドット)が少なくとも3つの発光メサ20に対応して第2の表面102上に配置されると、少なくとも3つの発光メサ20は、それぞれ、赤色光、緑色光、および青色光を放出し、フルカラー表示装置を形成することができる。
【0022】
マイクロ発光ダイオード表示装置1と同様に、マイクロ発光ダイオード表示装置2の表示領域A1に配置された導電層30Aの総面積は、非表示領域A2に配置された導電層30Aの総面積よりも大きいため、電流が表示領域A1の導電層30Aにより均一に伝達され得る。発光メサ20の各々は、同じ電位差がそれに印加されるとき、同じ明るさを有する。
【0023】
図3を参照すると、マイクロ発光ダイオード表示装置3は、表示領域と非表示領域を有し、回路基板C1、エピタキシー構造ES、導電層30B、導電層50、および絶縁層220を含む。導電層30Bは、表示領域に配置された導電層30B1と、非表示領域に配置された導電層30B2とを含む。
【0024】
導電層30B1の幅は、第2の表面102から離れる方向に(すなわち、第3の方向D3の正方向に沿って)減少し、導電層30B1は、底部が広く、上部が狭いビューを示す。
図3に示す導電層30B1の断面図は円錐形を有するため、対応する発光メサ20により放出された光は反射されて、より中心に向けて集中され得る。その後、発光メサ20に対応する第2の表面102上に色変換要素(図示せず、例えば、量子ドット)が配置されると、導電層30B1に形成された溝Gは、そこに配置された色変換要素に対して、より大きな機械加工許容量を有する収容空間を提供する。他の実施形態では、導電層30B1の幅は、第2の表面102から離れる方向に減少し、導電層30B1は、断面図において台形の形状を有する。
【0025】
非表示領域の導電層30B2はまた、接続層10を貫通する貫通孔10H内に配置され、接合金属層140、接合金属層150、および回路基板C1に電気的に接続する。回路基板C1からの電流は、貫通孔10Hにおいて、接合金属層150、接合金属層140、導電層30B2に順次伝達され、より高い抵抗を有する接続層10を通過することなく第2の表面102上の導電層30B2、導電層30B1に到達する。表示領域に配置された導電層30B1の総面積は、非表示領域に配置された導電層30B2の総面積よりも大きいため、導電層30B1において電流がより均一に伝達されることが保証される。発光メサ20の各々は、同じ電位差がそれに印加されると、同じ輝度を有する。
【0026】
この実施形態のマイクロ発光ダイオード表示装置3は、接続層10の第1の表面101上に配置された別の導電層50をさらに含む。言い換えれば、導電層50は、発光メサ20の間に配置される。導電層50はまた、回路基板C1から電流を伝達するように構成され、導電層50と発光メサ20との間に絶縁層220が配置される。
【0027】
図4を参照すると、マイクロ発光ダイオード表示装置4は、回路基板C1、エピタキシー構造ES1、および導電層30Cを含む。
【0028】
エピタキシー構造ES1は、接続層10Aおよび複数の発光メサ20を含む。接続層10Aは、パターン化されたエピタキシャル基板上にエピタキシャル成長によって形成することができ、複数の三次元パターン102Pを含み、三次元パターン102Pは、第2の表面102A上に配置されている。すなわち、接続層10Aは、第2の表面102が平坦である
図1Bに示される接続層10とは相違し、接続層10Aの第2の表面102Aは、複数の三次元パターン102Pを有する。導電層30Cは、三次元パターン102Pの複数の溝G'内に配置されている。このような状況では、三次元パターン102Pの上に配置された導電層30Cと第2の表面102Aとの間の接触面積は、
図1Bに示される導電層30と第2の表面102との間の接触面積よりも大きくなり、接続層10Aと導電層30Cとの間の接合歩留まりが向上し、回路基板C1からの電流の伝達効率が向上する。
【0029】
上記の導電層30、導電層30A、導電層30B、および導電層30Cは、不透明導電層である。しかしながら、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、導電層30、導電層30A、導電層30B、および導電層30Cは、透明導電層である。
【0030】
図5を参照すると、マイクロ発光ダイオード表示装置5は、回路基板C1、エピタキシー構造ES、および透明導電層30Tを含む。透明導電層30Tは、接続層10の第2の表面102上に配置され、第2の表面102を完全に覆う。透明導電層30Tの材料は、酸化インジウムスズ(ITO)または亜鉛(ZnO)などの酸化金属材料であってよい。光は透明導電層30Tを透過することができるので、前の実施形態におけるさまざまな不透明導電層のように、第2の表面の複数のサブ領域を露出させる必要はないため、透明導電層30Tと第2の表面との間の接触面積が最大になり、回路基板C1からの電流の伝達効率が大幅に改善される。
【0031】
要約すると、本開示の実施形態によって提供されるマイクロ発光ダイオード表示装置では、導電層がエピタキシー構造の接続層上に配置される。導電層の抵抗値は接続層の抵抗値よりも小さいので、回路基板からの電流は導電層内に伝達され得る。この場合、発光メサが共通の接地点からの距離が異なっていても、同じ電位差が同じ数の電子正孔対を駆動してそれらの発光メサで再結合することができ、これにより、マイクロ発光ダイオード表示装置の不均一輝度を避けることができる。さらに、導電層を接続層の第1の表面に配置する場合とは対照的に、導電層を接続層の第2の表面に配置する製造プロセスは、著しく高い歩留まりを有する。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本開示のマイクロ発光ダイオード表示装置は、より高い歩留まりを有しながら、均一な発光輝度を有し得る。
【符号の説明】
【0033】
1、2、3、4、5:マイクロ発光ダイオード表示装置
10、10A:接続層
10H:貫通孔
20:発光メサ
20G:発光メサグループ
30、30A、30B、30B1、30B2、50、30C、30T:導電層
40:半導体パッド
101:第1の表面
102、102A:第2の表面
102P:3次元パターン
102S、102G:サブエリア
120、130、140、150:接合金属層
140E:エピタキシャルセクション
201:第1の型の半導体層
202:第2の型の半導体層
203:発光層
220:絶縁層
A1:表示領域
A2:非表示領域
C1:回路基板
D1:第1の方向
D2:第2の方向
D3:第3の方向
ES、ES1:エピタキシー構造
G、G’:溝
PX:表示サブピクセル