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特許7423727双ベルト式鋳造機用のショートベルトサイドダム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】双ベルト式鋳造機用のショートベルトサイドダム
(51)【国際特許分類】
   B22D 11/06 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
B22D11/06 340A
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022171516
(22)【出願日】2022-10-26
(62)【分割の表示】P 2021539626の分割
【原出願日】2020-01-28
(65)【公開番号】P2023027041
(43)【公開日】2023-03-01
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】62/797,460
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】イムサーン,ジェイムズ アラン
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,ハインツ ワーナー
【審査官】池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-291137(JP,A)
【文献】特開平01-122637(JP,A)
【文献】特開平03-151142(JP,A)
【文献】米国特許第05080163(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続金属鋳造装置用のサイドダムであって、
支持体と、
前記支持体に接続された水冷式バッキングと、
前記水冷式バッキング上に支持されている、インシュレータと、
エンドレスベルトが前記インシュレータに対して移動できるように、移動可能に支持された前記エンドレスベルトを備えるベルトシステムと
を備え、
前記エンドレスベルトはベルト表面を有し、前記エンドレスベルトの前記ベルト表面の一部分は、前記エンドレスベルトが移動される際に、前記連続金属鋳造装置の鋳造キャビティに面するように構成されており、
前記エンドレスベルトは、前記インシュレータと前記鋳造キャビティとの間、及び前記水冷式バッキングと前記鋳造キャビティとの間で移動でき
前記支持体が、前記支持体を貫通する1つ以上の開口部を画定しており、前記1つ以上の開口部は、前記支持体を通る空気の流れを促進するように構成されている、サイドダム。
【請求項2】
前記ベルトシステムは、
前記エンドレスベルトを支持する少なくとも1つのプーリと、
前記少なくとも1つのプーリを駆動させるように構成され、前記エンドレスベルトを前記インシュレータに対して移動させるように構成されたベルト駆動モータと、
前記エンドレスベルトの張りを調整するように構成されたベルトテンショナと
をさらに備える、請求項1に記載のサイドダム。
【請求項3】
前記1つ以上の開口部は、前記エンドレスベルトが移動する平面に対して実質的に垂直な方向に延在する、請求項に記載のサイドダム。
【請求項4】
前記インシュレータはインシュレータ表面を有し、前記インシュレータ表面は複数のポケットを有し、
前記エンドレスベルトは、前記鋳造キャビティに面するように構成された前記エンドレスベルトの前記一部分が、前記複数のポケットを有する前記インシュレータ表面に隣接するように移動できる、請求項1に記載のサイドダム。
【請求項5】
連続金属鋳造装置用のサイドダムと、
第1の鋳造表面を有する第1のエンドレス鋳造ベルトと、
第2の鋳造表面を有する第2のエンドレス鋳造ベルトと
を備え
前記サイドダムが、
支持体と、
前記支持体に接続された水冷式バッキングと、
前記水冷式バッキング上に支持されている、インシュレータと、
エンドレスベルトが前記インシュレータに対して移動できるように、移動可能に支持された前記エンドレスベルトを備えるベルトシステムと
を備え、
前記エンドレスベルトはベルト表面を有し、前記エンドレスベルトの前記ベルト表面の一部分は、前記エンドレスベルトが移動される際に、前記連続金属鋳造装置の鋳造キャビティに面するように構成されており、
前記エンドレスベルトは、前記インシュレータと前記鋳造キャビティとの間、及び前記水冷式バッキングと前記鋳造キャビティとの間で移動でき、
前記第1の鋳造表面と前記第2の鋳造表面とが前記鋳造キャビティを画定し、
インジェクタをさらに備え、
前記インシュレータは、前記連続金属鋳造装置の前記インジェクタに隣接し、前記インジェクタに対して上流に延在している、連続鋳造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2019年1月28日に出願された、「SHORT BELT SIDE DAM FOR TWIN BELT CASTER」と題する米国仮出願第62/797,460号の利益を主張するものであり、この米国仮出願の内容を参照によりその全体を本明細書に援用する。
【0002】
(技術分野)
本出願は、金属製品を鋳造するための連続鋳造装置に関する。より詳細には、本出願は、連続的に移動する鋳造表面の間に形成される鋳造キャビティに、溶融金属及び半溶融金属を閉じ込めるサイドダムに関する。
【背景技術】
【0003】
金属製品(金属シート、金属スラブ、金属プレートなどの鋳造品など)、特にアルミニウム及びアルミニウム合金(1XXXシリーズのアルミニウム合金、2XXXシリーズのアルミニウム合金、3XXXシリーズのアルミニウム合金、4XXXシリーズのアルミニウム合金、5XXXシリーズのアルミニウム合金、6XXXシリーズのアルミニウム合金、7XXXシリーズのアルミニウム合金、または8XXXシリーズのアルミニウム合金など)でできた製品は、連続鋳造システムを用いて鋳造されることがある。このようなシステムでは、鋳造キャビティを形成する2つの近接した(通常は能動的に冷却される)細長い可動鋳造表面の間に、溶融金属が導入される。溶融金属は、少なくとも外側の固体殻を形成するのに十分な金属が凝固するまで、鋳造キャビティ内に閉じ込められる。凝固した金属ストリップが、可動鋳造表面によって鋳造キャビティから連続的に排出され、不定の長さで生成され得る。
【0004】
そのようなシステムの一形態としては、2つの対向するベルトが連続的に回転し、ベルトの対向する領域の間に形成される薄い鋳造キャビティまたは鋳型に、ラウンダまたはインジェクタによって溶融金属を導入する双ベルト式鋳造機がある。代替形態として、決まった経路の周りを移動し、鋳造キャビティ内で互いに整列するブロックの連続チェーンによって鋳造表面が形成されるチェーンブロック鋳造機がある。さらなる例では、双ローラシステムが少なくとも2つの双回転ロールを含み、鋳造キャビティがロールの壁の間に形成される。これらの装置のいずれにおいても、溶融金属が、システムの一端に導入され、移動するベルト、ロール、またはブロックにより、金属を凝固させるのに有効な距離だけ搬送され、そしてシステムの反対端で、ベルト、ロール、またはブロックの間から凝固したストリップが出てくる。
【0005】
溶融金属及び半溶融金属を鋳造キャビティ内に閉じ込めるために、すなわち金属が鋳造表面の間から横方向に逃げるのを防ぐために、鋳造装置の両側に金属ダムを配置することがある。双ベルト、双ロール、及びチェーンブロック鋳造機では、この種のサイドダムは、鋳造キャビティの両側で、鋳造方向に延在する連続したラインまたはチェーンを形成するように互いに接合された一連の金属ブロックによって形成されている。これらのブロックは、一般にサイドダムブロックと呼ばれ、通例、鋳鉄または軟鋼などの熱伝導材料で作られており、鋳造表面の間に挟まれて鋳造表面と共に移動し、鋳造キャビティ出口から出てくるブロックがガイド付きの循環路をぐるりと移動して鋳造キャビティの入口に返されるように、再循環する。既存のサイドダムブロックチェーンは、鋳造機の出口端から入口端に戻るために、下部キャリッジの下をループする垂直平面内を移動する。サイドダムブロックが循環路内を移動する際に、サイドダムブロックを制御するために、アイドラローラ、金属製のスライド式ガイドウェイ、及び横方向の位置決め装置が用いられる。ブロックは、熱変動に伴って膨張及び収縮することができるが、ブロック間のギャップが過剰に増加して、溶融金属が流出できるようになる可能性を与えないように、ブロックは搬送リボンに緩くピン留めされる。
【0006】
鋳造ベルトまたはブロックは、鋳造キャビティを通過する溶融金属から熱を奪うが、この種のブロックで作られたサイドダムは、溶融金属がサイドダムブロックに接触するキャビティの側面で不必要に熱を奪う。キャビティの側面におけるこの熱除去により、これらの領域で金属製品の微細構造及び厚さが変化し、その結果、収縮孔、エッジ亀裂、熱間割れなど、鋳造金属製品の望ましくない側面から中央部への不均一性を招くおそれがある。さらに、サイドダムブロックを使用すると、金属からの適切な熱除去率をなおも維持しながら、凝固中の金属の収縮に対応するようにベルトを収束させる能力が制限される。
【発明の概要】
【0007】
本特許で使用する用語「発明(invention)」、「本発明(the invention)」、「本発明(this invention)」、及び「本発明(the present invention)」は、本特許の主題の全て及び以下の特許請求の範囲を広く指すことを意図している。これらの用語を含む記載は、本明細書で説明する主題を限定する、または以下の特許請求の範囲の意味や範囲を限定するものではないと理解されるべきである。本特許が包含する本発明の実施形態は、この発明の概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、本発明の多様な実施形態の高次の概要であり、以下の発明を実施するための形態の項にさらに説明する概念のいくつかを紹介している。この発明の概要は、特許請求された主題の重要な、または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求された主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図されていない。主題は、本特許の明細書全体、いずれかのまたは全ての図面、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0008】
いくつかの例によれば、連続金属鋳造装置用のサイドダムは、インシュレータ及びベルトシステムを含む。様々な例において、ベルトシステムは、エンドレスベルトがインシュレータに対して移動できるように、移動可能に支持されたエンドレスベルトを含む。ある特定の場合には、エンドレスベルトはベルト表面を含み、エンドレスベルトのベルト表面の一部分は、エンドレスベルトが移動される際に、連続金属鋳造装置の鋳造キャビティに面するように構成される。様々な態様において、エンドレスベルトは、ベルト表面に垂直な動作平面内で移動できる。
【0009】
様々な例によれば、連続金属鋳造装置用のサイドダムは、インシュレータ及びベルトシステムを含む。ある特定の場合では、インシュレータはインシュレータ表面を含み、インシュレータ表面は複数のポケットを含む。いくつかの例において、ベルトシステムは、エンドレスベルトがインシュレータに対して移動できるように、移動可能に支持されたエンドレスベルトを含む。様々な態様において、エンドレスベルトはベルト表面を含み、ベルト表面の一部分は、エンドレスベルトが移動される際に、連続金属鋳造装置の鋳造キャビティに面するように構成される。ある特定の例において、エンドレスベルトは、鋳造キャビティに面するように構成されたエンドレスベルトの一部分が、複数のポケットを有するインシュレータ表面に隣接するように移動できる。
【0010】
ある特定の例によれば、連続金属鋳造装置用のサイドダムは、支持体及びベルトシステムを含む。場合によっては、ベルトシステムは、エンドレスベルト及びテンショナを含む。様々な例では、エンドレスベルトは、エンドレスベルトが支持体に対して移動できるように、支持体上で移動可能に支持される。いくつかの例では、エンドレスベルトはベルト表面を含み、エンドレスベルトのベルト表面の一部分は、エンドレスベルトが移動される際に、連続金属鋳造装置の鋳造キャビティに面するように構成される。ある特定の場合には、エンドレスベルトの張りは、テンショナによって調整可能である。
【0011】
様々な態様によれば、凝固金属製品を連続して鋳造する方法は、連続鋳造機の鋳造キャビティに溶融金属を供給することを含み、そしてサイドダムのエンドレスベルトのベルト面の一部分が鋳造キャビティに面している。本方法はまた、溶融金属を鋳造キャビティ中に前進させ、溶融金属を凝固させて凝固金属製品を形成することを含む。いくつかの例では、溶融金属を前進させることは、エンドレスベルトが、複数のポケットを有するインシュレータのインシュレータ表面に隣接して移動するように、サイドダムのインシュレータに対して溶融金属と共にエンドレスベルトを移動させることを含む。
【0012】
本開示に記載されている様々な実施態様は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含むことができ、これらは必ずしも本明細書で明示的に開示することはできないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、当業者には明らかであろう。全てのそのようなシステム、方法、特徴、及び利点が、本開示の中に含まれ、かつ添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0013】
以下の図の特徴及び構成要素は、本開示の一般的な原理を強調するために示されている。図全体を通して、対応する特徴及び構成要素を、一貫性を持たせ明解にするために、参照文字を一致させることによって指定する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の態様による連続鋳造システムの概略図である。
図2】本開示の態様によるサイドダムを備えた図1の連続鋳造システムの一部分の斜視図である。
図3図2のサイドダムの別の斜視図である。
図4】本開示の態様によるサイドダムを備えた連続鋳造システムの一部分を示す。
図5】本開示の態様によるサイドダムを備えた連続鋳造システムの一部分を示す。
図6】ベルトピンチ構成にある本開示の態様によるサイドダムの上面斜視図である。
図7】第1の押圧システムを備えた図6のサイドダムの底面斜視図である。
図8】第2の押圧システムを備えた図6のサイドダムの上面斜視図である。
図9】第2の押圧システムを備えた図6のサイドダムの底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異性をもって本明細書に説明されているが、この説明は、必ずしも特許請求の範囲を限定することを意図していない。特許請求された主題は、他の方法で具現化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存のまたは将来の技術と併せて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記述されている場合を除き、多様なステップまたは要素の中のまたはそれらの間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈されるべきではない。「上へ」、「下へ」、「上部」、「底部」、「左」、「右」、「前部」、及び「背部」などの方向の参照は、とりわけ構成要素及び方向が参照している1つの図(または複数の図)中に示され、説明される向きを参照することを意図している。
【0016】
この説明では、「シリーズ」または「6xxx」などのアルミニウム業界の呼称で識別される合金を参照している。アルミニウム及びその合金の命名及び識別に最も一般的に使用されている番号指定システムの理解のためには、いずれもアルミニウム協会によって発行されている「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」を参照されたい。
【0017】
図1及び図2は、少なくとも1つのサイドダム112を備えた連続鋳造システム100を示す。図1の例に示すように、連続鋳造システム100は、鋳造表面を有する2つの対向するベルト104A及び104Bを備えた双ベルトシステムである。双ベルトシステムを参照することになるが、連続鋳造システム100は、双ローラシステムを含むがこれに限定されない、任意のタイプの連続鋳造システムであってもよい。対向するベルト104A及び104Bが連続的に回転し、ベルト104A及び104Bの対向する領域の間に形成される薄い鋳造キャビティまたは鋳型106に、インジェクタ20(ノーズチップまたはノーズピースと呼ばれることもある)から溶融金属102が導入される。凝固した製品108が、鋳造キャビティ106から連続的に排出される。
【0018】
図2及び図3に示すように、連続鋳造システム100のサイドダム112は、上流端114及び下流端116を含む。サイドダム112はまた、キャビティ対面側115(すなわち、鋳造キャビティ106を向くサイドダム112の側)と、外向きの側117(すなわち、鋳造キャビティ106から反対の方向を向くサイドダム112の側)とを有する。上流端114から下流端116までの距離が、サイドダム112の長さを画定する。サイドダム112の長さは様々であることが可能であり、図2に示す構成に限定されるものではない。様々な例において、サイドダム112の鋳造方向の長さは、サイドダム112が鋳造キャビティ106より前に途切れるように、鋳造キャビティ106の鋳造方向の長さよりも小さい。鋳造キャビティ106の終端より前にサイドダム112の最終部分となることにより、ベルト104A及び104Bは、所望に応じて、鋳造システム100からの金属製品の出口温度を、任意選択で、収束させるように構成され得るか、または別の方法で制御するように操作され得る。場合によっては、サイドダム112の最小長を、合金、鋳造速度、溶融金属温度、鋳造ゲージ、鋳造機の冷却速度などを含むがこれらに限定されない、いくつかの要因に基づいて調節してもよい。ある特定の態様では、サイドダム112は、熱伝達を、ベルト104A~104Bを介した伝導に制限しておくのに効果的であり、かつ金属製品の幅にわたってより均一なプレート特性をもたらし得る、最小のサイドダム長を有する。最小長を有するサイドダム112の付加的な利益としては、金属製品のエッジの改善及び/または平滑化、スラブのエッジがスラブの残りの部分(例えば、スラブの中間部分)よりも厚くなる傾向がある、金属製品の「ドッグボーン」効果の低減、側面の気孔率の低下と微細構造の向上とによるスラブ品質の改善(これは、エッジのトリミングによる廃物を低減させる可能性もある)、及び出てくるスラブの温度の均一性がある。サイドダム112は、鋳造方向の接触長さを変えることに加えて、鋳造機の中で、かつ鋳造機の中から外へ比較的容易に調整して、金属製品との密着の度合いを変えることができる。いくつかの態様では、密着の度合いを変えることは、エッジ効果に影響を及ぼし、スラブの幅の間で交差幅の出口温度の均一性及び/またはエッジと中心との温度差を制御するために利用することもあり得る。
【0019】
サイドダム112は、支持体118、ベルトシステム120、及びインシュレータ134を含む。任意選択で、サイドダム112はまた、冷却バッキング140を含む。様々な例において、支持体118は、サイドダム112の他の構成要素が支持され得る取付バー、フレーム、または他の好適な構造体である。いくつかの非限定的な例として、プーリ、ベルトシステム120、インシュレータ134、及び/または冷却バッキング140が、支持体118によって直接的または間接的に支持されてもよい。
【0020】
ベルトシステム120は、ベルト表面124を有するエンドレスベルト122を含む。ベルト122は、溶融金属102が凝固する際にこれと接触するのに適した、銅、鋼、ステンレス鋼、または他の好適な様々な材料を含むがこれらに限定されない様々な材料で製造され得る。非限定的な一例として、ベルト122は、120シリーズのステンレス鋼であってもよいが、他の材料を利用してもよい。以下で詳細に説明するように、ベルト122及びその支持構造物は、溶融金属が主にベルト104A~104Bを介して冷却されるように、鋳造プレートまたはスラブのエッジを介した熱伝達を低減する。様々な例において、ベルト122は、金属102が凝固する間に、溶融金属102が鋳造キャビティ106から出るのを防ぐ。
【0021】
いくつかの任意選択の例では、ベルト122にコーティングを施してもよい。そのような例では、ベルト122への溶融金属の付着を、コーティングが、さらに防止することができる。様々な態様において、コーティングは、恒久的または一時的なコーティングであってもよい。ある特定の態様では、コーティングは、濡れを防止することができ、ベルト122がプーリ(これについては後述する)の周りを曲がる際に、ベルト122上に留まるのに十分なほど柔軟であり得る。様々な例では、コーティングは、グラファイト、高融点金属(モリブデン合金、タンタル、チタンなど)、物理的気相成長(例えば、窒化バナジウム、窒化クロム、それらの組み合わせ、または他の好適な様々な材料を用いる)、またはコーティングのための他の好適な様々な材料を含み得るが、これらに限定されない。
【0022】
エンドレスベルト122は、プーリ126または他の好適な支持体など、いくつかの支持体によって移動可能に支持されており、少なくとも1つのプーリ126を駆動するベルト駆動モータ128によって駆動される。他の例では、ベルト駆動モータ128を省略してもよく、他の好適な様々な機構を介してベルト122を駆動してもよい。プーリ126または他の支持体の個数、位置、大きさ、または種類は、現在の開示を限定するものと考えるべきではない。様々な例では、プーリ126の1つ以上は、好適な様々な機構または冷却剤(例えば、空冷式、水冷式など)を介して冷却されてもよく、鋳造中にサイドダム112がさらされる温度で動作可能である。ある特定の例では、冷却されたプーリ126は、ベルト122が鋳造キャビティ106に再び入る前に、ベルト122を冷却するか、または別の方法でベルト122の温度を制御してもよい。場合によっては、冷却されたプーリ126は、約110℃~約400℃の温度であってもよいが、他の例では、冷却されたプーリ126は、約110℃未満及び/または約400℃を超える温度であってもよい。
【0023】
様々な例において、プーリ126は、駆動プーリ、アイドラプーリ、及び/またはテンショナプーリであってもよい。いくつかの例では、プーリ126のうちの1つ以上がアイドラプーリであってもよく、これは、ベルト122が支持体118の特定の部分の周りを移動するとき、ベルト122と支持体118との間の摩擦を低減させ得る。いくつかの非限定的な例では、キャビティ106の入口のプーリ126(例えば、上流端114のプーリ126)及び/またはキャビティ106の出口のプーリ126(例えば、下流端116のプーリ126)は、アイドラプーリであってもよいが、他の例では、そうである必要はない。様々な例において、プーリ126のうちの1つ以上が、移動経路に沿ったエンドレスベルト122の移動を引き起こす駆動プーリであるように、1つ以上のプーリ126が、サイドダム112の駆動システム(例えば、ベルト駆動モータ128)に結合され得る。ある特定の例では、プーリ126のうちの1つ以上が、ベルト122がその移動経路に沿って移動する際にベルト122の張りを制御するテンショナプーリであるように、1つ以上のプーリ126が、サイドダム112のテンショニングシステム(例えば、ベルトテンショナ132)に結合されてもよい。
【0024】
ある特定の例では、エンドレスベルト122の移動経路は、ベルト表面124に直交(し、かつベルト104A~104Bの鋳造表面の平面と平行)する平面内にある。ベルト122の移動中、ベルト表面124の一部分は鋳造キャビティ106を向き、鋳造キャビティ106の垂直側壁を形成する。いくつかの例では、ベルト122は、ベルト104A~104Bの速度と一致する速度で(例えば、ベルト駆動モータ128を介して)移動される。そのような例では、ベルト122及びベルト104A~104Bは、鋳造スラブに対して静的な可動キャビティを(例えば、鋳造スラブの上部及び底部、ならびに両方の垂直エッジに沿って)形成する。可動キャビティを設けることにより、エッジ亀裂に伴う熱間割れ及び/または割れ目が低減されまたは解消される。様々な態様では、ベルト122の速度が、ベルト104A~104Bの速度と一致するように制御されて、相対的に静的な鋳造キャビティ106を実現する。様々な例では、キャビティ対面側115の上流端114と下流端116との間のエンドレスベルト122の経路は、実質的に直線方向に延在し得る。しかし、他の例では、図2及び図3に示されているように、キャビティ対面側115のエンドレスベルト122の経路は、直線方向に延在しなくてもよく、キャビティ対面側115のエンドレスベルト122の経路の部分が、経路の別の部分に対してゼロではない角度で延在してもよい。図2及び図3の例では、キャビティ対面側115のベルト122の経路は、上流端114と下流端116との間に第1の部分148と第2の部分150とを含み、第2の部分150が第1の部分148に対して斜めに延びている。他の例では、キャビティ対面側115のベルト122の経路が、所望に応じて任意の数のサブ部分を含んでもよい。
【0025】
ベルト駆動モータ128が図示されているが、他の例では、他の好適な様々な機構を介してエンドレスベルト122を駆動することがある。非限定的な一例として、エンドレスベルト122は、エンドレスベルト122の速度が、所望に応じて、ベルト122及びベルト104A~104Bの速度が同じであるように、ベルト104A~104Bに機械的に結合され得るような、及び/または別の方法で制御され得るような、鋳造機ベルト駆動システム(例えば、ベルト104A~104Bを駆動するシステム)によって駆動されてもよい。エンドレスベルト122を制御するために、他の好適な様々な機構を利用してもよい。いくつかの非限定的な例では、ベルト122の速度は、約2m/分、約3m/分、約4m/分、約5m/分、約6m/分、約7m/分、約8m/分、約9m/分、約10m/分、約11m/分、約12m/分、約13m/分、約14m/分、約15m/分、約16m/分、約17m/分、約18m/分、約19m/分、及び/または約20m/分など、約2m/分~約20m/分であってもよい。
【0026】
図2及び図3に示されているように、いくつかの例では、ベルトシステム120は、ベルトテンショナ132を含む。ベルトテンショナ132は、ベルト122の張りを、所望に応じて制御し、調整できるように、調整可能である。非限定的な一例では、ベルトテンショナ132は、プーリ126の少なくとも1つを移動できるように配置する空気式テンショナである。他の例では、他の好適なタイプのベルトテンショナ132を利用してもよい。場合によっては、ベルト122とインシュレータ134との接触を制御するために、ベルト122の張りが制御される。様々な態様では、ベルト122が動作中に熱成長を受ける可能性があるので、ベルト122をぴんと張った状態に保つようにベルトの張りが制御される。ある特定の例では、ベルト122が鋳造キャビティ106内で実質的に直線を形づくって、金属に良質なエッジを形成するように、ベルト122の張りが制御され得る。ある特定の例では、ベルト122とプーリ126との接触を制御するために、ベルト122の張りが制御され得る。様々な場合において、ベルト122は、プーリ126上でのベルト122の接触及び/または整列を維持するように張力をかけられる。
【0027】
インシュレータ134は、ベルト122が、鋳造キャビティ106の長さの一部分に沿って鋳造キャビティ106に面している間に、インシュレータ134によって補強されるように、サイドダム112上に設けられていてもよい。いくつかの例では、インシュレータ134は、連続鋳造温度下で破壊されないように耐熱性を有し、凝固金属及びサイドダム112からの熱伝達を最小化または低減するために低い熱伝導率を有する材料から製造される。ある特定の例では、インシュレータ134は、耐熱性、耐摩耗性であり、ベルト122に対して低い摩擦係数を有する材料から製造される。様々な例では、インシュレータ134は、多孔質グラファイト材料、焼結金属、または他の好適な様々な材料の実質的に固体のブロックを含むがこれらに限定されない、様々な材料から製造されてもよい。図4及び図5を参照して詳細に説明するように、いくつかの例では、インシュレータ134の表面は、熱伝達をさらに低減させるために、いくつかのポケットを含む。鋳造スラブがベルト104A~104Bを介して冷却されている間に、インシュレータ134及びベルト122により、鋳造スラブのエッジを介した熱伝達が低減される。
【0028】
インシュレータ134は、上流端136及び下流端138を含む。図2を参照すると、上流端136から下流端138までの距離が、インシュレータ134の長さである。様々な例において、インシュレータ134の長さは、サイドダム112の長さよりも短いが、そうである必要はない。図2に示すように、特定の例では、インシュレータ134の上流端136は、インジェクタ20の上流に配置され、下流端138は、インジェクタ20から所定の距離の下流に配置される。いくつかの例では、所定の距離は、金属が部分的に凝固する距離である。場合によっては、インシュレータ134の長さは、鋳造されている材料の最良のエッジをもたらすとともに、収束の最大調整を可能にするように、可能な限り短くされ得る。ある特定の態様では、インシュレータ134の長さは、合金及び鋳造速度に基づいて調節してもよい。様々な場合において、インシュレータ134の上流端136をインジェクタ20の上流に配置することにより、鋳造キャビティ106に導入された最初の溶融金属102が、特に鋳造作業の開始時に、凝固または固着しにくくなる。
【0029】
図2及び図3に示されているように、いくつかの例では、冷却バッキング140にサイドダム112が設けられている。冷却バッキング140は、水、水/グリコール、または他の好適な様々な冷却剤を含むがこれらに限定されない、鋳造スラブのエッジを冷却するための好適な様々な冷却剤を収容することができる。いくつかの態様では、冷却剤が、冷却バッキング140に導かれ、または冷却バッキング140から取り出されるように、様々なノズルまたはポート142が設けられてもよい。いくつかの例では、インシュレータ134は、冷却バッキング140を介して支持されているが、そうである必要はない。様々な例において、冷却バッキング140は、ベルト122が鋳造キャビティ106の長さの一部分に沿って冷却バッキング140によって補強されるように、サイドダム112上に設けられている。ある特定の例では、冷却バッキング140によって冷却されるベルト122の部分が、インシュレータ134によって補強されるベルト122の部分の下流にある。インシュレータ134は、ベルト122が、鋳造キャビティ106の長さの一部分に沿って鋳造キャビティ106に面している間に、インシュレータ134によって補強されるように、サイドダム112上に設けられている。非限定的な一例では、冷却剤は、インシュレータ134の下流で冷却バッキング140に入り、冷却バッキング140の面の近くを移動して、インシュレータ134の後ろでベルト122を冷却し、その後、インシュレータ134の上流で出ることができる。この例では、冷却剤の経路は、構造体が時間とともに熱くならないようにしつつ、熱をインシュレータ134の領域に隔離することができる。ある特定の場合には、この冷却剤のシステムは、開ループシステムであってもよく、または閉ループシステムであってもよい。
【0030】
サイドダム112のベルト122の向きにより、サイドダム112には、既存の機械と比較して、鋳造作業の性能ニーズに応えることになる、より大きな柔軟性が与えられる。例えば、場合によっては、ベルト122が、鋳造キャビティ106のエッジを形成するように、水平面内を移動してもよい(現行の機械にあるような、鋳造機の全長にわたって垂直面内を移動し、下部キャリッジの下でループするベルトとは対照的である)。水平面内でのベルト122の移動により、鋳造キャビティの側端の長さが、操作上の要件次第で、必要に応じて、短くしたり、または長くしたりできるようになる。さらに、スラブとの接触を減らすために、必要に応じてサイドダムベルトを引き起こして、スラブから離すことができる。逆に、必要に応じて、サイドダムベルトを、よりスラブに密着させることができる。非限定的な例として、対向するサイドダム上のサイドダムベルト122が、互いに向かって近づいてもよく、及び/または所望であれば、他の方法でスラブとの接触を増加させてもよい。
【0031】
図4は、連続鋳造システム400の別の例を示す。連続鋳造システム400は、連続鋳造システム400のサイドダム112のインシュレータ434が、鋳造キャビティ106に面するインシュレータ434の面446に少なくとも1つのポケット444を含むことを除いては、連続鋳造システム100と実質的に同様である。鋳造中、インシュレータ434に隣接して通過するベルト122は、面446に隣接し、したがって少なくとも1つのポケット444に隣接して通過し、それによって鋳造スラブとサイドダム112との間の熱伝達をさらに低減することができる。例えば、場合によっては、ポケット444内の空気が、さらなるインシュレータとして作用する可能性があり、及び/または、鋳造スラブとサイドダム112との間の熱伝達をさらに低減させ、または制限する可能性がある。インシュレータ434の面446に設けられたポケット444の個数、大きさ、形状、またはパターンは、現在の開示を限定するものと考えるべきではない。いくつかの例では、複数のポケット444が面446に設けられている。いくつかの例では、図4に示されているように、2つの細長いポケット444が面446に設けられている。所望に応じて、ポケット444の様々な他のパターンまたはパターンの組み合わせを利用することができる。いくつかの非限定的な例では、ポケット444は、面446の約60~65%などから、面446の約60~70%までに設けられている。言い換えれば、ポケット444を使用してインシュレータ面の60~65%が取り除かれ、熱伝達が低減される。他の例では、ポケット444は、面446の60%未満、または面の70%を超えて設けられてもよい。面上のポケット444の構成は、現在の開示を限定するものと考えるべきではない。
【0032】
図5は、連続鋳造システム400と実質的に類似する連続鋳造システム500の別の例を示す。鋳造システム400と比較して、鋳造システム500のサイドダム112のインシュレータ534は、インシュレータ534の長さに沿って間隔を空けて面446に設けられているポケット544の対を含む。
【0033】
図6図9は、現在の開示の態様によるサイドダム612の別の例を示す。サイドダム612は、サイドダム112と類似しており、支持体618、ベルトシステム620、及びインシュレータ134を含む。サイドダム112と比較して、サイドダム612は、冷却バッキング140を含まず、代わりにサイドダム612は、以下で詳細に説明するように、ベルトシステム620のプーリを介して冷却を提供する。
【0034】
支持体618は、支持体618が支持体118を貫通する1つ以上の開口部652を画定していることを除いては、支持体118と同様である。開口部652の個数、大きさ、形状、またはパターンは、現在の開示を限定するものと考えるべきではない。いくつかの例では、開口部652は、任意選択で、ベルト122が移動可能な平面に対して実質的に垂直な方向に延在してもよい。様々な例において、開口部652は、支持体618を通る空気の流れを促進して、鋳造キャビティ106の外側の支持体618への熱伝達を制限することができる。
【0035】
ベルトシステム620は、ベルトシステム120と類似しており、エンドレスベルト122、プーリ626、駆動モータ128、及びベルトテンショナ632を含む。ベルトシステム120におけるベルト122の経路と比較して、サイドダム612のキャビティ対面側115のベルト122の経路は、第1の部分148と、第2の部分150と、第1の部分148に対して斜めに延びる第3の部分656とを含む。
【0036】
ベルトシステム620のプーリ626は、少なくとも1つの駆動プーリ626Aと、少なくとも1つのアイドラプーリ626Bと、少なくとも1つのテンショナプーリ626Cとを含む。他の例では、プーリの他の組み合わせまたは部分的組み合わせを利用してもよく、及び/または他の種類のプーリを利用してもよいことが理解されよう。図6図10に示すように、いくつかの例では、アイドラプーリ626Bは、テンショナプーリ626Cが鋳造キャビティ106の両端にあるようなサイドダム612の両端にある。サイドダム612の両端にあるアイドラプーリ626Bは、ベルト122が支持体618のそれらの部分の周りを移動する際に、ベルト122と支持体618との間の摩擦を任意選択で低減させることができる。いくつかの例では、プーリ626の1つ以上が、空気、水、油などの好適な様々な冷却剤または冷却剤の組み合わせを使用して冷却される。プーリ626は、所望に応じて内部で冷却してもよく、または外部から冷却してもよい。様々な例において、冷却プーリ626は、ベルト122が鋳造キャビティ106に再び入る前に冷却してもよく、非冷却プーリと比較してベルト122をより低温に保つことができる場合がある。図6図10の例では、駆動プーリ626A及びテンショナプーリ626Cは、圧縮空気で内部冷却され、アイドラプーリ626Bは、プーリ内に画定された開口部を介して空冷される。他の例では、冷却剤は、所望に応じて、他の好適な種類の冷却剤であってもよい。この例では、ポート142が、冷却剤を選択的にプーリに供給すること、及びプーリから除去することができるように、駆動プーリ626A及びテンショナプーリ626Cと流体連通していてもよい。
【0037】
サイドダム112のベルトテンショナ132と比較して、サイドダム612のベルトテンショナ632は、テンショナプーリ626Cを軸に沿って選択的に移動させる(図6の矢印658で表される移動)リニアテンショナである。図6図9の例では、リニアテンショナの移動軸は、サイドダム612の上流端116から下流端114へ延びる軸と実質的に平行である。他の例では、リニアテンショナの移動軸は、上流端116から下流端114へ延びる軸と実質的に平行である必要はない。場合によっては、リニアベルトテンショナ632は、動作中のベルト122の曲げが少ないことを必要としてもよく、サイドダム612へのベルト122の取り外しまたは取り付けを容易にすることができる。
【0038】
様々な例では、ベルトシステム620はまた、ベルト122を駆動プーリ626Aの表面に押し付けた状態に保つことができる押圧システム660を含む。押圧システム660は、支持体618に結合され得るか、または支持体618と一体的に形成され得る、押圧システム支持体664に支持されてもよい。様々な例では、押圧システム支持体664は、押圧システム660のタイプを所望に応じて変更することができるように、複数のタイプの押圧システム660を支持することができる。他の例において、図6及び図7を参照すると、押圧システム660は、1つ以上のプーリ670上に支持された押圧ベルト668を含み、押圧ベルト668は、ベルト122及び駆動プーリ626Aを圧迫する。他の例において、図8及び図9を参照すると、押圧システム660は、ベルト122及び駆動プーリ626Aを圧迫するピンチローラ662を含む。様々な例では、プーリ670の1つ以上は任意選択で直接駆動されてもよく、残りのプーリ670はアイドラプーリであってもよい。
【0039】
様々な例において、金属製品を連続的に鋳造する方法は、溶融金属102を鋳造キャビティ106に供給することを含む。いくつかの例では、溶融金属102を鋳造キャビティ106に供給することは、ベルト表面124が溶融金属102に面するように、サイドダム112(またはサイドダム612)の可動ベルト122に隣接して溶融金属102を供給することを含む。いくつかの非限定的な例では、溶融金属102は、1xxxシリーズのアルミニウム合金、2xxxシリーズのアルミニウム合金、3xxxシリーズのアルミニウム合金、4xxxシリーズのアルミニウム合金、5xxxシリーズのアルミニウム合金、6xxxシリーズのアルミニウム合金、7xxxシリーズのアルミニウム合金、または8xxxシリーズのアルミニウム合金を含むがこれらに限定されない、アルミニウムを含み得る。他の例では、溶融金属102は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅系材料、鋼、鋼系材料、または連続鋳造に好適な他の様々な材料であってもよい。
【0040】
様々な例において、本方法は、溶融金属102を鋳造キャビティ106中に前進させ、溶融材料を凝固させて凝固金属製品108を形成することを含む。いくつかの例では、溶融金属102を前進させることは、ベルト122及び104A~104Bが溶融金属102に対して静的な可動キャビティを形成するように、ベルト104A~104Bの速度と一致する速度で、サイドダム112上のエンドレスベルト122を移動させることを含む。様々な例では、ベルト122を移動させることは、ベルト駆動モータ128でベルト122を駆動することを含む。ある特定の場合では、ベルト122を移動させることは、少なくとも1つのポケット444を有するインシュレータ134の面446に隣接してベルト122を移動させることを含む。いくつかの例では、ベルト122を移動させることは、ベルト表面124に垂直な平面内の経路に沿ってベルト122を移動させることを含む。任意選択で、この平面は水平面である。いくつかの例では、本方法は、ベルトテンショナ132でベルト122の張りを調整することを含む。
【0041】
本明細書に記載された概念による、様々な例の種類のさらなる説明を提供する「実施例」として明示的に列挙された少なくともいくつかを含む、例示的な例の集合体を以下に提供する。これらの例は、相互に排他的、網羅的、または制限的であることを意図しておらず、本発明は、これらの例示的な例に限定されるのではなく、むしろ発行された特許請求の範囲及びその均等物の範囲内の全ての考えられる修正及び変形を包含する。
【0042】
実施例1.連続金属鋳造装置用のサイドダムであって、インシュレータと、エンドレスベルトが前記インシュレータに対して移動できるように、移動可能に支持された前記エンドレスベルトを備えるベルトシステムとを備え、前記エンドレスベルトはベルト表面を有し、前記エンドレスベルトの前記ベルト表面の一部分は、前記エンドレスベルトが移動される際に、前記連続金属鋳造装置の鋳造キャビティに面するように構成されており、前記エンドレスベルトは、前記ベルト表面に垂直な動作平面内で移動できる、前記サイドダム。
【0043】
実施例2.前記ベルトシステムは、前記エンドレスベルトを支持する少なくとも1つのプーリと、前記エンドレスベルトを前記インシュレータに対して移動させるように構成されたベルト駆動モータと、前記エンドレスベルトの張りを調整するように構成されたベルトテンショナとをさらに備える、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0044】
実施例2a.前記ベルトシステムは、前記エンドレスベルトを支持する少なくとも1つのプーリをさらに備え、前記少なくとも1つのプーリは冷却プーリである、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0045】
実施例2b.前記少なくとも1つのプーリは内部冷却される、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0046】
実施例2c.前記少なくとも1つのプーリは、空冷式または水冷式である、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0047】
実施例2d.前記ベルトシステムは、前記エンドレスベルトを支持する少なくとも1つのプーリをさらに備え、前記少なくとも1つのプーリは、アイドラプーリ、駆動プーリ、またはテンショナプーリの少なくとも1つを備える、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0048】
実施例2e.ベルトテンショナをさらに備え、前記ベルトテンショナはリニアベルトテンショナである、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0049】
実施例2f.前記サイドダムは、キャビティ対面側と外向きの側とをさらに有しており、前記キャビティ対面側に沿った前記エンドレスベルトの経路は、第1の部分と第2の部分とを含み、前記経路の前記第1の部分にある前記エンドレスベルトの前記一部分は、前記サイドダムの長さに沿った方向で、前記経路の前記第2の部分にある前記エンドレスベルトの一部分と同一平面上にない、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0050】
実施例3.支持体と、前記支持体に接続された水冷式バッキングとをさらに備え、前記インシュレータは、前記水冷式バッキング上に支持されており、前記エンドレスベルトは、前記支持体上で移動可能に支持され、前記エンドレスベルトは、前記インシュレータと前記鋳造キャビティとの間、及び前記水冷式バッキングと前記鋳造キャビティとの間で移動できる、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0051】
実施例4.前記サイドダムはサイドダム長を有し、前記インシュレータはインシュレータ長を有し、前記インシュレータ長は前記サイドダム長よりも短い、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0052】
実施例5.前記サイドダム長が前記鋳造キャビティの長さよりも短い、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0053】
実施例6.前記インシュレータは、前記連続金属鋳造装置のインジェクタに隣接し、前記インジェクタに対して上流に延在するように構成されている、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0054】
実施例7.前記インシュレータはインシュレータ表面を有し、前記インシュレータ表面は複数のポケットを有し、前記エンドレスベルトは、前記鋳造キャビティに面するように構成された前記エンドレスベルトの前記一部分が、前記複数のポケットを有する前記インシュレータ表面に隣接するように移動できる、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0055】
実施例8.第1の鋳造表面を有する第1のエンドレス鋳造ベルトと、第2の鋳造表面を有する第2のエンドレス鋳造ベルトであって、前記第1の鋳造表面と前記第2の鋳造表面とが前記鋳造キャビティを画定する、前記第2のエンドレス鋳造ベルトと、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダムとを備える、連続鋳造装置。
【0056】
実施例9.前記エンドレスベルトの速度は、前記エンドレスベルトの前記速度が、前記第1の鋳造表面の速度及び前記第2の鋳造表面の速度と一致するように調整可能である、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載の連続鋳造装置。
【0057】
実施例10.前記鋳造キャビティ及び前記エンドレスベルトが、鋳造スラブに対して静的な可動キャビティを形成する、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載の連続鋳造装置。
【0058】
実施例11.連続金属鋳造装置用のサイドダムであって、インシュレータ表面を有するインシュレータであって、前記インシュレータ表面が複数のポケットを有する、前記インシュレータと、エンドレスベルトが前記インシュレータに対して移動できるように、移動可能に支持された前記エンドレスベルトを備えるベルトシステムとを備え、前記エンドレスベルトはベルト表面を有し、前記ベルト表面の一部分は、前記エンドレスベルトが移動される際に、前記連続金属鋳造装置の鋳造キャビティに面するように構成されており、前記エンドレスベルトは、前記鋳造キャビティに面するように構成された前記エンドレスベルトの前記一部分が、前記複数のポケットを有する前記インシュレータ表面に隣接するように移動できる、前記サイドダム。
【0059】
実施例12.前記エンドレスベルトは、前記ベルト表面に垂直な動作平面内で移動できる、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0060】
実施例13.前記ベルトシステムは、前記エンドレスベルトを支持する少なくとも1つのプーリと、前記エンドレスベルトを前記インシュレータに対して移動させるように構成されたベルト駆動モータと、前記エンドレスベルトの張りを調整するように構成されたベルトテンショナとをさらに備える、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0061】
実施例13a.前記ベルトシステムは、前記エンドレスベルトを支持する少なくとも1つのプーリをさらに備え、前記少なくとも1つのプーリは冷却プーリである、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0062】
実施例13b.前記少なくとも1つのプーリは内部冷却される、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0063】
実施例13c.前記少なくとも1つのプーリは、空冷式または水冷式である、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0064】
実施例13d.前記ベルトシステムは、前記エンドレスベルトを支持する少なくとも1つのプーリをさらに備え、前記少なくとも1つのプーリは、アイドラプーリ、駆動プーリ、またはテンショナプーリの少なくとも1つを備える、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0065】
実施例13e.ベルトテンショナをさらに備え、前記ベルトテンショナはリニアベルトテンショナである、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0066】
実施例13f.前記サイドダムは、キャビティ対面側と外向きの側とをさらに有しており、前記キャビティ対面側に沿った前記エンドレスベルトの経路は、第1の部分と第2の部分とを含み、前記経路の前記第1の部分にある前記エンドレスベルトの前記一部分は、前記サイドダムの長さに沿った方向で、前記経路の前記第2の部分にある前記エンドレスベルトの一部分と同一平面上にない、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0067】
実施例14.支持体と、前記支持体に接続された水冷式バッキングとをさらに備え、前記インシュレータは、前記水冷式バッキング上に支持されており、前記エンドレスベルトは、前記支持体上で移動可能に支持され、前記エンドレスベルトは、前記インシュレータと前記鋳造キャビティとの間、及び前記水冷式バッキングと前記鋳造キャビティとの間で移動できる、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0068】
実施例15.前記サイドダムはサイドダム長を有し、前記インシュレータはインシュレータ長を有し、前記インシュレータ長は前記サイドダム長よりも短い、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0069】
実施例16.前記サイドダム長が前記鋳造キャビティの長さよりも短い、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0070】
実施例17.前記インシュレータは、前記連続金属鋳造装置のインジェクタに隣接し、前記インジェクタに対して上流に延在するように構成されている、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0071】
実施例18.前記インシュレータはインシュレータ表面を有し、前記インシュレータ表面は複数のポケットを有し、前記エンドレスベルトは、前記鋳造キャビティに面するように構成された前記エンドレスベルトの前記一部分が、前記複数のポケットを有する前記インシュレータ表面に隣接するように移動できる、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0072】
実施例19.第1の鋳造表面を有する第1のエンドレス鋳造ベルトと、第2の鋳造表面を有する第2のエンドレス鋳造ベルトであって、前記第1の鋳造表面と前記第2の鋳造表面とが前記鋳造キャビティを画定する、前記第2のエンドレス鋳造ベルトと、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダムとを備える、連続鋳造装置。
【0073】
実施例20.前記エンドレスベルトの速度は、前記エンドレスベルトの前記速度が、前記第1の鋳造表面の速度及び前記第2の鋳造表面の速度と一致するように調整可能である、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載の連続鋳造装置。
【0074】
実施例21.前記鋳造キャビティ及び前記エンドレスベルトが、鋳造スラブに対して静的な可動キャビティを形成する、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載の連続鋳造装置。
【0075】
実施例22.連続金属鋳造装置用のサイドダムであって、支持体と、エンドレスベルト及びテンショナを備えるベルトシステムとを備え、前記エンドレスベルトは、前記エンドレスベルトが前記支持体に対して移動できるように、前記支持体上で移動可能に支持されており、前記エンドレスベルトはベルト表面を有し、前記エンドレスベルトの前記ベルト表面の一部分は、前記エンドレスベルトが移動される際に、前記連続金属鋳造装置の鋳造キャビティに面するように構成されており、前記エンドレスベルトの張りは、前記テンショナによって調整可能である、前記サイドダム。
【0076】
実施例23.前記支持体に接続されたインシュレータをさらに備え、前記エンドレスベルトは、前記インシュレータに対して移動可能である、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0077】
実施例24.前記インシュレータはインシュレータ表面を有し、前記インシュレータ表面は複数のポケットを有し、前記エンドレスベルトは、前記鋳造キャビティに面するように構成された前記エンドレスベルトの前記一部分が、前記複数のポケットを有する前記インシュレータ表面に隣接するように移動できる、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0078】
実施例25.前記エンドレスベルトは、前記ベルト表面に垂直な動作平面内で移動可能であり、いくつかの任意選択の実施例では、前記動作平面は水平面である、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0079】
実施例26.前記ベルトシステムは、前記エンドレスベルトを支持する少なくとも1つのプーリと、前記エンドレスベルトを前記インシュレータに対して移動させるように構成されたベルト駆動モータとをさらに備える、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0080】
実施例27.インシュレータと、前記支持体に接続された水冷式バッキングとをさらに備え、前記インシュレータは、前記水冷式バッキング上に支持されており、前記エンドレスベルトは、前記支持体上で移動可能に支持され、前記エンドレスベルトは、前記インシュレータと前記鋳造キャビティとの間、及び前記水冷式バッキングと前記鋳造キャビティとの間で移動できる、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0081】
実施例28.インシュレータをさらに備え、前記サイドダムはサイドダム長を有し、前記インシュレータはインシュレータ長を有し、前記インシュレータ長は前記サイドダム長よりも短い、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0082】
実施例29.前記サイドダム長が前記鋳造キャビティの長さよりも短い、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0083】
実施例30.インシュレータをさらに備え、前記インシュレータは、前記連続金属鋳造装置のインジェクタに隣接し、前記インジェクタに対して上流に延在するように構成されている、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダム。
【0084】
実施例31.第1の鋳造表面を有する第1のエンドレス鋳造ベルトと、第2の鋳造表面を有する第2のエンドレス鋳造ベルトであって、前記第1の鋳造表面と前記第2の鋳造表面とが前記鋳造キャビティを画定する、前記第2のエンドレス鋳造ベルトと、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載のサイドダムとを備える、連続鋳造装置。
【0085】
実施例32.前記エンドレスベルトの速度は、前記エンドレスベルトの前記速度が、前記第1の鋳造表面の速度及び前記第2の鋳造表面の速度と一致するように調整可能である、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載の連続鋳造装置。
【0086】
実施例33.前記鋳造キャビティ及び前記エンドレスベルトが、鋳造スラブに対して静的な可動キャビティを形成する、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載の連続鋳造装置。
【0087】
実施例34.凝固金属製品を連続して鋳造する方法であって、連続鋳造機の鋳造キャビティに溶融金属を供給することであって、サイドダムのエンドレスベルトのベルト面の一部分が前記鋳造キャビティに面している、前記供給することと、前記溶融金属を前記鋳造キャビティ中に前進させ、前記溶融金属を凝固させて前記凝固金属製品を形成することとを含み、前記溶融金属を前進させることは、前記エンドレスベルトが、複数のポケットを有するインシュレータのインシュレータ表面に隣接して移動するように、前記サイドダムの前記インシュレータに対して、前記溶融金属と共に前記エンドレスベルトを移動させることを含む、前記方法。
【0088】
実施例35.前記エンドレスベルトを移動させることは、前記ベルト面に垂直な動作平面内で前記エンドレスベルトを移動させることを含み、いくつかの任意選択の例では、前記動作平面は水平面である、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0089】
実施例36.前記エンドレスベルトを移動させることは、前記鋳造キャビティの鋳造表面の速度に一致する速度で前記エンドレスベルトを移動させて、前記溶融金属に対して静的な可動キャビティを形成することを含む、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0090】
実施例37.前記溶融金属はアルミニウムを含む、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0091】
実施例38.前記アルミニウムは、1xxxシリーズのアルミニウム合金、2xxxシリーズのアルミニウム合金、3xxxシリーズのアルミニウム合金、4xxxシリーズのアルミニウム合金、5xxxシリーズのアルミニウム合金、6xxxシリーズのアルミニウム合金、7xxxシリーズのアルミニウム合金、及び8xxxシリーズのアルミニウム合金からなる群から選択される、先行実施例もしくは後続実施例または実施例の組み合わせのいずれかに記載の方法。
【0092】
上記の態様は、実施態様の単なる可能な例であり、本開示の原理を明確に理解するために単に記述されている。本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態(複数可)に多くの変形及び修正を加えることができる。そのような全ての修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対する全ての考えられる請求は、本開示によって裏付けられることが意図される。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、説明された発明または以下の特許請求の範囲を限定する目的ではない。
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