(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
B66B 13/26 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
B66B13/26 F
B66B13/26 H
(21)【出願番号】P 2022194061
(22)【出願日】2022-12-05
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テー コク ロン
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-31193(JP,A)
【文献】特開2018-62397(JP,A)
【文献】特開2012-91903(JP,A)
【文献】国際公開第2021/240595(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごの出入口に設置され、物体の通過を光学的に検知する多光軸センサと、
前記乗りかご内に設置され、前記乗りかご内から前記出入口付近の乗場を撮影するカメラと、
前記カメラによって得られる撮影画像上の前記出入口付近に設定された検知エリア内で前記物体に繋がった紐の動きを検知する動き検知手段と、
前記多光軸センサによる前記物体の通過検知と、前記動き検知手段による前記紐の動き検知に連続性がある場合に、前記出入口付近に前記紐が存在していると判断する紐検知手段と
を具備したエレベータシステム。
【請求項2】
前記紐検知手段は、
前記多光軸センサによって前記物体の通過が検知された後、一定時間の間に前記動き検知手段によって前記検知エリア内で前記紐の動きが連続的に検知された場合に、前記出入口付近に前記紐が存在していると判断する
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記検知エリアは、前記乗りかご内の前記出入口付近の床面に設定された第1の検知エリアと、ドアのシルに設定された第2の検知エリアと、前記乗場の前記出入口付近の床面に設定された第3の検知エリアとを含み、
前記紐検知手段は、
前記第1の検知エリア、前記第2の検知エリア、前記第3の検知エリアのそれぞれで、前記物体又は前記紐の動きが同時に検知された場合に、前記出入口付近に前記紐が存在していると判断する
請求項2記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記検知エリアは、前記乗りかご内の前記出入口付近の床面に設定された第1の検知エリアと、ドアのシルに設定された第2の検知エリアと、前記乗場の前記出入口付近の床面に設定された第3の検知エリアとを含み、
前記紐検知手段は、
前記第1の検知エリア、前記第2の検知エリア、前記第3の検知エリアの何れかにおいて細長形状の物体が検知された場合には、前記出入口付近に前記紐が存在していると判断する
請求項2記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記検知エリアは、前記乗りかご内の前記出入口付近の床面に設定された第1の検知エリアと、ドアのシルに設定された第2の検知エリアと、前記乗場の前記出入口付近の床面に設定された第3の検知エリアとを含み、
前記紐検知手段は、
前記紐が前記第1の検知エリア、前記第2の検知エリア、前記第3の検知エリアを通過するパターンに基づいて、前記紐が前記乗りかご内に収まった、あるいは、前記乗りかご内から前記乗場に出たことを検知する
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記動き検知手段は、
前記多光軸センサからペットに相当する高さ情報が得られた場合、前記ペットに前記紐が繋がっているものとして動き検知を行う
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項7】
前記紐検知手段によって前記出入口に前記紐が検知されている間、戸開状態を維持する戸開閉制御手段をさらに具備する
請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項8】
前記紐検知手段によって前記出入口に前記紐が検知されている間、注意を喚起する通知手段をさらに具備する
請求項1記載のエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗りかごに、利用者のペット(犬など)が乗り込んだときに、そのペットに繋がれた紐(リード)が乗りかごの出入口に残り、戸閉時にドアに挟まれる事故が発生することがある。ペットが乗りかごから降りるときも同様であり、そのペットに繋がれた紐が戸閉時にドアに挟まれることがある。
【0003】
ここで、乗りかごの出入口に存在する異物を検知する方法として、カメラを用いる方法がある。しかし、検知対象がペットの紐のように細長形状の場合には、カメラの画像上で検知することが難しいため、例えば発光器で紐を照らしたり、ドアを開閉して紐を動かすなどの工夫が必要となる。
【0004】
また、別の方法として、乗りかごの出入口に設置された多光軸センサを用いる方法がある。しかし、ペットの紐が出入口を通過するときの高さが多光軸センサの設置位置よりも低いことや、紐の太さが多光軸センサの間隔よりも小さいことが多いため、既存の多光軸センサでは、ペットの紐を正確に検知できない。このため、例えば多光軸センサによって紐が検知された場合と人物が検知された場合の信号パターンを解析したり、あるいは、出入口の両側にガイド部材を設けて、乗場と乗りかごとの境に跨っている紐を多光軸センサの検知位置に導くなどの工夫が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4204896号公報
【文献】特許第5069672号公報
【文献】特許第5698628号公報
【文献】特許第6949225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、カメラを用いる方法でも、多光軸センサを用いる方法でも、乗りかごの出入口付近に存在する紐を正確に検知するためには、検知用の部材あるいはドア制御や信号解析などの煩雑な処理が必要となる。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、検知用の部材あるいは煩雑な処理を必要とせずに、カメラと多光軸センサを用いて、乗りかごの出入口付近に存在する紐を正確に検知することのできるエレベータシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係るエレベータシステムは、多光軸センサと、カメラと、動き検知手段と、紐検知手段とを備える。前記多光軸センサは、乗りかごの出入口に設置され、物体の通過を光学的に検知する。前記カメラは、前記乗りかご内に設置され、前記乗りかご内から前記出入口付近の乗場を撮影する。前記動き検知手段は、前記カメラによって得られる撮影画像上の前記出入口付近に設定された検知エリア内で前記物体に繋がった紐の動きを検知する。前記紐検知手段は、前記多光軸センサによる前記物体の通過検知と、前記動き検知手段による前記紐の動き検知に連続性がある場合に、前記出入口付近に前記紐が存在していると判断する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は一実施形態に係るエレベータシステムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は同実施形態に係る検知エリアの画像を所定のブロック単位でマトリックス状に分割した状態を示す図である。
【
図3】
図3は同実施形態に係る乗りかご内の出入口周辺部分の構成を示す図である。
【
図4】
図4は同実施形態に係るカメラの撮影画像の一例を示す図である。
【
図5】
図5は同実施形態における全戸開中の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は同実施形態における戸閉動作中の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7はペットが単独で乗りかごに乗り込む場合において、ペットが乗りかごの出入口に差し掛かったときを示す図である。
【
図8】
図8はペットが単独で乗りかごに乗り込む場合において、ペットが乗りかごの中まで移動したときを示す図である。
【
図9】
図9はペットが単独で乗りかごから出ていく場合において、ペットが乗りかごの出入口に差し掛かったときを示す図である。
【
図10】
図10はペットが単独で乗りかごから出ていく場合において、ペットが乗場まで移動したときを示す図である。
【
図11】
図11はペットが利用者よりも先に乗りかごに乗り込む場合において、ペットが乗りかごの出入口に差し掛かったときを示す図である。
【
図12】
図12はペットが利用者よりも先に乗りかごに乗り込む場合において、ペットが乗りかごの中まで移動したときを示す図である。
【
図13】
図13はペットが利用者よりも先に乗りかごに乗り込む場合において、利用者が出入口に差し掛かったときを示す図である。
【
図14】
図14はペットが利用者の後に乗りかごに乗り込む場合において、利用者が乗りかごの出入口に差し掛かったときを示す図である。
【
図15】
図15はペットが利用者の後に乗りかごに乗り込む場合において、利用者が乗りかごの中まで移動したときを示す図である。
【
図16】
図16はペットが利用者の後に乗りかごに乗り込む場合において、ペットが乗りかごの出入口に差し掛かったときを示す図である。
【
図17】
図17はペットが利用者よりも先に乗りかごから出ていく場合において、ペットが乗りかごの出入口に差し掛かったときを示す図である。
【
図18】
図18はペットが利用者よりも先に乗りかごから出ていく場合において、ペットが乗場まで移動したときを示す図である。
【
図19】
図19はペットが利用者よりも先に乗りかごから出ていく場合において、利用者が出入口に差し掛かったときを示す図である。
【
図20】
図20はペットが利用者の後に乗りかごから出ていく場合において、利用者が出入口に差し掛かったときを示す図である。
【
図21】
図21はペットが利用者の後に乗りかごから出ていく場合において、利用者が乗場まで移動したときを示す図である。
【
図22】
図22はペットが利用者の後に乗りかごから出ていく場合において、ペットが乗りかごの出入口に差し掛かったときを示す図である。
【
図23】
図23は同実施形態の検知エリア内において、利用者の動きが検知された状態を示す図である。
【
図24】
図24は同実施形態の検知エリア内において、紐の動きが検知された状態を示す図である。
【
図25】
図25は同実施形態の第1変形例において、ペットが乗りかごの出入口を通過して、乗りかごの中に入った直後を示す図である。
【
図26】
図26は同実施形態の第1変形例において、ペットが乗りかごの奥に移動したときを示す図である。
【
図27】
図27は同実施形態の第1変形例において、紐が乗りかご内に収まったときを示す図である。
【
図28】
図28は同実施形態の第2変形例における多光軸センサによって、ペットの通過が検知された場合を示す図である。
【
図29】
図29は同実施形態の第2変形例における多光軸センサによって、利用者の通過が検知された場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、各実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0011】
図1は、一実施形態に係るエレベータの紐検知システムの構成を示す図である。なお、ここでは、一台の乗りかごを例にして説明するが、複数台の乗りかごでも同様の構成である。
【0012】
乗りかご11の出入口上部にカメラ12が設置されている。具体的には、カメラ12は、乗りかご11の出入口上部を覆う幕板11aの中にレンズ部分を直下方向、もしくは、乗場15側あるいは乗りかご11内部側に所定の角度だけ傾けて設置される。
【0013】
カメラ12は、乗りかご11内に設置され、乗りかご11内から出入口付近の乗場15を撮影する。カメラ12は、例えば車載カメラ等の小型の監視用カメラであり、広角レンズもしくは魚眼レンズを有し、1秒間に数コマ(例えば30コマ/秒)の画像を連続的に撮影可能である。カメラ12は、乗りかご11が各階の乗場15に到着したときに起動され、かごドア13付近を含む所定の範囲Lを撮影する。
【0014】
各階の乗場15において、乗りかご11の到着口には、乗場ドア14が開閉自在に設置されている。乗場ドア14は、乗りかご11の到着時にかごドア13に係合して開閉動作する。なお、動力源(ドアモータ)は乗りかご11側にあり、乗場ドア14はかごドア13に追従して開閉するだけである。以下の説明においては、かごドア13を戸開しているときには乗場ドア14も戸開しており、かごドア13が戸閉しているときには乗場ドア14も戸開しているものとする。また、以下の説明で「ドア」とは、かごドア13と乗場ドア14の両方を含むものとする。以下の説明においては、かごドア13及び乗場ドア14は、2枚戸両開きのドアであることを想定するが、これに限定されず、かごドア13及び乗場ドア14は、他のタイプのドア(例えば、2枚戸片開きのドア等)であっても構わない。
【0015】
カメラ12によって連続的に撮影された各画像(映像)は、画像処理装置20によってリアルタイムに解析処理される。なお、
図1では、便宜的に画像処理装置20を乗りかご11から取り出して示しているが、実際には、画像処理装置20はカメラ12と共に幕板11aの中に収納されている。
【0016】
多光軸センサ16は、乗りかご11の出入口に設置され、物体の通過を光学的に検知する。なお、以下の説明において「物体」とは、エレベータの利用者、ペットのことを言うものとする。
【0017】
多光軸センサ16は、かごドア13を構成する左右のドアパネル13a、13bの先端部(戸当たり)に沿って、一定間隔で配列された複数の投光器16aと複数の受光器16bとを備える(
図4参照)。複数の投光器16aと複数の受光器16bは、それぞれに対向して設けられている。多光軸センサ16は、各投光器16aから照射された光(赤外線など)が各受光器16bで受光されたときの光量の変化によって、乗りかご11の出入口を通過する物体を検知する(通過検知)。
【0018】
ここで、通常、多光軸センサ16を構成する各投光器16aと各受光器16bとの配置間隔は、例えば65mmである。また、最下端の投光器16aと受光器16bの設置位置と床面との間には、例えば30mmの隙間(不感帯)がある。このため、例えばペットに繋がれた紐が乗りかご11の出入口に存在している場合(つまり、乗場15と乗りかご11との境に跨ってペットの紐がある場合)に、多光軸センサ16では、その紐を検知できない可能性が高い。
【0019】
画像処理装置20には、記憶部21と検知部22が備えられている。記憶部21は、カメラ12によって撮影された画像を逐次保存するとともに、検知部22の処理に必要なデータを一時的に保存しておくためのバッファエリアを有する。記憶部21は、画像記憶部21a及びフラグ記憶部21bを有する。なお、画像処理装置20の一部あるいは全部の機能をエレベータ制御装置30に持たせても良い。
【0020】
画像記憶部21aには、カメラ12によって撮影された画像が逐次保持される。なお、画像記憶部21aには、撮影画像に対する前処理として、ゆがみ補正や拡大縮小、一部切り取り等の処理が施された画像が保存されるとしても良い。
【0021】
フラグ記憶部21bには、フラグA及びフラグBが記憶されている。フラグAは、多光軸センサ16による物体の通過検知状態を示す情報であり、ONのときに多光軸センサ16によって物体の通過を検知したことを示す。フラグBは、カメラ12の撮影画像上に設定された検知エリア内における物体の動き検知状態を示す情報であり、ONのときに検知エリア内で物体の動きを検知したことを示す。フラグA及びフラグBの詳細については、
図5及び
図6のフローチャートの説明において後述する。
【0022】
検知部22は、カメラ12と多光軸センサ16を用いて、乗りかご11の出入口付近に存在する紐を検知する。この検知部22を機能的に分けると、検知エリア設定部23、動き検知部24、紐検知部25、第1タイマ26及び第2タイマ27で構成される。
【0023】
検知エリア設定部23は、カメラ12の撮影画像上で、乗りかご11の出入口付近に検知エリアを設定する。具体的には、検知エリア設定部23は、乗りかご11内の出入口付近の床面に第1検知エリアE1、シル47、18に第2検知エリアE2、乗場15の出入口付近の床面に第3検知エリアE3を設定する(
図4参照)。なお、シルとは、ドアの開閉動作をガイドするための部材であり、移動経路上に設けられている。また、以下の説明において第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3をまとめて「検知エリア」と表記することもある。
【0024】
動き検知部24は、カメラ12によって得られる撮影画像に基づいて、乗りかご11の出入口付近に設定された検知エリア内で、物体と物体に繋がった紐の動きを検知する。より詳しくは、動き検知部24は、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のそれぞれにおいて、物体と物体に繋がった紐の動きを検知する。「物体と物体に繋がった紐」とは、具体的には、「ペットとペットに繋がった紐」のことである。
【0025】
図2を用いて動き検知部24による動き検知処理について詳しく説明する。動き検知部24は、
図2に示すように、検知エリアの画像を所定のブロック単位でマトリックス状に分割し、これらのブロックの中で動きのあるブロックを検出する。
【0026】
詳しくは、動き検知部24は、画像記憶部21aに保持された各画像を時系列順に1枚ずつ読み出し、これらの画像の平均輝度値をブロック毎に算出する。その際、初期値として最初の画像が入力されたときに算出されたブロック毎の平均輝度値を記憶部21内の図示せぬバッファエリアに保持しておくものとする。
【0027】
2枚目以降の画像が送られると、動き検知部24は、現在の画像ブロック毎の平均輝度値と上記バッファエリアに保持された一つ前の画像のブロック毎の平均輝度値とを比較する。その結果、現在の画像の中であらかじめ設定された値(閾値)以上の輝度差を有するブロックが存在した場合には、動き検知部24は当該ブロックを動きありのブロックとして判定する。現在の画像に対する動きの有無を判定すると、動き検知部24は、当該画像のブロック毎の平均輝度値を次の画像との比較用として上記バッファエリアに保持する。以降同様にして、動き検知部24は、各画像の輝度値を時系列順にブロック単位で比較しながら動きの有無を判定することを繰り返す。
【0028】
動き検知部24は、上述したような動きの有無の判定を、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のそれぞれにおいて行う。
【0029】
紐検知部25は、多光軸センサ16による物体の通過検知と、動き検知部24による紐の動き検知に連続性がある場合に、乗りかご11の出入口付近に紐が存在していると判断する。「物体の通過検知と紐の動き検知に連続性がある場合」とは、多光軸センサ16によって物体の通過が検知された後、一定時間の間に動き検知部24によって検知エリア内で紐の動きが連続的に検知される状態を言う。例えば、「物体」がペットである場合に、乗りかご11の出入口で、そのペットの通過が多光軸センサ16で検知された後、検知エリア(第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3)で紐の動きが検知されれば、出入口付近に紐があり、乗場15と乗りかご11との境に跨っていると判断できる。
【0030】
第1タイマ26は、一定時間T1をカウントする。一定時間T1は、戸開閉制御部31によるかごドア13の全戸開から戸閉動作を開始するまでの時間に定められている。多光軸センサ16により物体の通過が検知された場合、第1タイマ26は一定時間T1のカウントをリセットする。第2タイマ27は、一定時間T2をカウントする。一定時間T2は、多光軸センサ16により物体の通過が検知されてから、動き検知部24による動き検知処理を行うための時間に定められている。一定時間T2は、一定時間T1よりも短い時間である(T2<T1)。
【0031】
エレベータ制御装置30は、乗りかご11に設置される各種機器類(行先階ボタンや照明等)の動作を制御する。エレベータ制御装置30は、戸開閉制御部31と通知部32とを備える。
戸開閉制御部31は、乗りかご11が乗場15に到着した時のかごドア13の戸開閉を制御する。詳しくは、戸開閉制御部31は、乗りかご11が乗場15に到着したときにかごドア13を全戸開する。戸開閉制御部31は、第1タイマ26のカウントが終了すると、かごドア13の戸閉動作を開始する。ここで、戸開閉制御部31は、かごドア13の全戸開中又は戸閉動作中において紐検知部25によって乗りかご11の出入口に紐が検知されている間、戸開状態を維持する。通知部32は、紐検知部25によって乗りかご11の出入口に紐が検知されている間、注意を喚起する。
【0032】
図3は、乗りかご11内の出入口周辺部分の構成を示す図である。乗りかご11の出入口にかごドア13が開閉自在に設けられている。
図3の例ではかごドア13を構成する2枚のドアパネル13a、13bが間口方向(水平方向)に沿って互いに逆方向に開閉動作する。なお、「間口」とは、乗りかご11の出入口と同じである。
【0033】
乗りかご11の出入口の両側に正面柱41a、41bが設けられており、幕板11aと共に乗りかご11の出入口を囲っている。かごドア13が戸開したときに、一方のドアパネル13aは正面柱41aの裏側に設けられた戸袋42aに収納され、他方のドアパネル13bは正面柱41bの裏側に設けられた戸袋42bに収納される。
【0034】
正面柱41a、41bの一方あるいは両方に表示器43や、行先階ボタン44などが配置された操作盤45、スピーカ46が設置されている。
図3の例では、正面柱41aにスピーカ46、正面柱41bに表示器43、操作盤45が設置されている。
【0035】
ここで、乗りかご11の出入口上部の幕板11aの中央部にカメラ12が設置されている。カメラ12は、かごドア13が乗場ドア14と共に戸開したときに、乗りかご11の出入口付近を含めて撮影できるように(
図4参照)、幕板11aの下部から下方向に向けて設置される。
【0036】
図4は、カメラ12の撮影画像の一例を示す図である。
図4は、投光器16a及び受光器16bを備えるかごドア13(ドアパネル13a、13b)と乗場ドア14(ドアパネル14a、14b)とが全開した状態で、乗りかご11の出入口上部から下方向に撮影した場合を示している。
図4において、上側は乗場15、下側は乗りかご11内を示している。
【0037】
乗場15において、乗りかご11の到着口の両側に三方枠17a、17bが設けられており、その三方枠17a、17bの間の床面に所定の幅を有する帯状の乗場シル18が乗場ドア14の開閉方向に沿って配設されている。また、乗りかご11の床面の出入口側に、所定の幅を有する帯状のかごシル47がかごドア13の開閉方向に沿って配設されている。
【0038】
ここで、乗場15の出入口付近の床面に、矩形状の第1検知エリアE1が設定されている。第1検知エリアE1のX軸方向の幅は乗場シル18と略同一である。第1検知エリアのY軸方向の幅は、例えば1mに設定されている。また、かごシル47と乗場シル18の両方を囲むように矩形状の第2検知エリアE2が設定されている。さらに、乗りかご11内の出入口付近の床面に、矩形状の第3検知エリアE3が設定されている。第3検知エリアE3のX軸方向の幅はかごシル47と略同一である。第3検知エリアE3のY軸方向の幅は、例えば100mmに設定されている。
【0039】
以下に、本システムの動作について、(a)全戸開中の処理と、(b)戸閉動作中の処理に分けて説明する。
(a)全戸開中の処理
図5は、本システムにおける全戸開中の処理の流れを示すフローチャートである。
乗りかご11が任意の階の乗場15に到着し、かごドア13が全戸開したときに(ステップS11)、第1タイマ26によって一定時間T1のカウントが開始される(ステップS12)。一定時間T1は、上述したようにかごドア13の全戸開から戸閉動作を開始するまでの時間である。この一定時間T1のカウントが終了するまでの間、多光軸センサ16によって乗りかご11の出入口を通過する物体の有無が検知される(ステップS13のNO→ステップS14)。
【0040】
一定時間T1のカウントが終了するまでの間に、物体の通過が検知された場合(ステップS14のYES)、第1タイマ26がリセットされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延期される(ステップS15)。このとき、フラグ記憶部21bに記憶されたフラグAがONに設定される(ステップS16)。
【0041】
次に、フラグ記憶部21bに記憶されたフラグBがOFFにされた状態で(ステップS17)、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが開始される(ステップS18)。この第2タイマ27によって一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知部24によって、動き検知処理が実行される(ステップS19)。
【0042】
動き検知処理によって、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のそれぞれで、物体又は物体に繋がった紐の動きが同時に検知された場合(ステップS20のYES)、フラグBがONに設定される(ステップS23)。以後、第1タイマ26のカウントが終了するまでの間、ステップS13~S23までの処理が繰り返される。
【0043】
一方、動き検知処理によって、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のいずれかにおいて、物体又は物体に繋がった紐の動きが同時に検知されなかった場合(ステップS20のNO)、動き検知部24は、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了されたか否か(すなわち、タイムアウトしたか否か)を判断する(ステップS21)。
【0044】
一定時間T2のカウントが終了されていない場合(ステップS21のNO)、動き検知部24は、動き検知処理を繰り返す。一定時間T2のカウントが終了した場合(ステップS21のYES)、フラグAがOFFに設定される(ステップS22)。以後、第1タイマ26のカウントが終了するまでの間、ステップS13~S23までの処理が繰り返される。
【0045】
第1タイマ26のカウントが終了すると(ステップS13のYES)、紐検知部25は、フラグA及びフラグBの状態を確認する(ステップS24)。フラグA及びフラグBが共にONであった場合には(ステップS24のYES)、紐検知部25は、乗りかご11の出入口付近に紐が存在していると判断する(ステップS25)。
【0046】
例えば、多光軸センサ16によって検知された物体がペットであり、当該ペットに紐がつながっている場合、一定時間T2の間に動き検知部24によって第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のそれぞれで、ペット又は紐の動きが同時に検知される。この場合、ステップS16においてフラグAがONになり、ステップS22においてフラグBもONとなる。
【0047】
つまり、ペットの通過検知と紐の動き検知に連続性がある場合に、フラグA及びフラグBが共にONの状態となり、物体に繋がった紐が乗場15と乗りかご11との境に跨り、乗りかご11の出入口付近に存在していると判断できる。
【0048】
一方、例えば、多光軸センサ16によって検知された物体が、ペットを連れていない単独の利用者であった場合、一定時間T2の間に動き検知部24によって第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のそれぞれで、上記利用者の動きが同時に検知される可能性は低い。この場合、ステップS16において一時的にフラグAはONに設定されるが、ステップS22において再びフラグAはOFFに設定される。
【0049】
紐検知部25によって出入口付近に紐が存在していると判断された場合、戸開閉制御部31は戸開状態を維持する。具体的には、ステップS12~ステップS26までの処理が繰り返される。このとき、乗りかご11内のスピーカ46を通じてアナウンス又はブザー音等を発し、周囲の利用者に対して注意を喚起しても良い。このアナウンス又はブザー音は、乗りかご11の出入口付近で紐が検知されている間、継続される。また、例えばビルの監視室又はエレベータの監視センタに、乗りかご11の出入口付近で紐が検知されたことを通知しても良い。その際、カメラ12によって撮影された画像を送信することでも良い。これにより、乗りかご11の出入口付近の状況を視覚的に監視でき、紐がいつまでも存在している状況であれば、乗りかご11の運転を一時停止して、管理者を向かわせるなどの対処ができる。
【0050】
フラグA及びフラグBのうちの少なくとも1つがOFFである場合(ステップS24のNO)、かごドア13の戸閉動作が開始され、戸閉動作中処理が行われる(ステップS26)。
【0051】
(b)戸閉動作中の処理
図6は、本システムにおける戸閉動作中の処理の流れを示すフローチャートである。戸閉動作中においても、
図5と同様に紐検知処理が行われる。以下の説明において、
図5と同様の処理については、その詳しい説明を省略する。
【0052】
かごドア13の戸閉動作が開始されてから(ステップS31)、全戸閉するまでの間に、多光軸センサ16によって乗りかご11の出入口を通過する物体の有無が検知される(ステップS32のNO→ステップS33)。
【0053】
全戸閉するまでの間に、物体の通過が検知された場合(ステップS33のYES)、戸閉動作中のかごドア13が戸開(リオープン)される(ステップS34)。その後、再びかごドア13の戸閉動作が開始される。このとき、フラグ記憶部21bに記憶されたフラグAがONに設定される(ステップS35)。
【0054】
次に、フラグ記憶部21bに記憶されたフラグBがOFFにされた状態で(ステップS36)、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが開始される(ステップS37)。この第2タイマ27によって一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知部24によって、動き検知処理が実行される(ステップS38)。
【0055】
動き検知処理によって、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のそれぞれで、物体又は物体に繋がった紐の動きが同時に検知された場合(ステップS39のYES)、フラグBがONに設定される(ステップS42)。一方、動き検知処理によって、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のいずれかにおいて、物体又は物体に繋がった紐の動きが検知されなかった場合(ステップS39のNO)、動き検知部24は、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了されたか否か(すなわち、タイムアウトしたか否か)を判断する(ステップS40)。
【0056】
一定時間T2のカウントが終了されていない場合(ステップS40のNO)、動き検知部24は、動き検知処理を繰り返す。一定時間T2のカウントが終了した場合(ステップS40のYES)、フラグAがOFFに設定される(ステップS41)。
【0057】
ステップS41又はステップS42の処理の後、紐検知部25はフラグA及びフラグBの状態を確認する(ステップS43)。フラグA及びフラグBが共にONであった場合には(ステップS43のYES)、紐検知部25は、乗りかご11の出入口付近に紐が存在していると判断する(ステップS44)。その後、かごドア13が全戸開され、再び
図5に示す全戸開中処理が開始される(ステップS45)。
【0058】
フラグA及びフラグBのうち少なくとも1つがOFFである場合(ステップS43のNO)、戸開動作中処理を終了する。すなわち、そのまま戸閉動作が行われ、かごドア13が全戸閉される。
【0059】
ここで、具体例を用いて、上述した処理について説明する。
図7~
図22は、戸開閉方向をX軸、戸開閉方向と直交する方向をY軸として示した平面図である。以下では、
図5に示したフローチャートの処理手順と照らし合わせながら説明する。
【0060】
・ペットが単独で乗りかご11に乗り込む場合
図7及び
図8は、ペットpが飼い主(利用者)と離れ、乗場15から乗りかご11に乗り込む状態を示している。ペットpには、一定の長さを有する紐lがつながれている。かごドア13が全戸開した状態で、第1タイマ26による一定時間T1のカウントが開始される(ステップS11~ステップS13)。
【0061】
図7に示すように、ペットpが乗りかご11の出入口に差し掛かったときに、多光軸センサ16(投光器16aと受光器16b)によって、ペットpの通過が物体の通過として検知される(ステップS14のYES)。物体の通過が検知されたことで、一定時間T1のカウントがクリアされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延長されると共に、フラグAがONに設定される(ステップS15~ステップS17)。
【0062】
続いて、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知処理が行われる(ステップS18~ステップS20)。
図7の状態では、第1検知エリアE1~第2検知エリアE2でペットp及び紐lの動きが検知されるが、第3検知エリアE3では検知されない。
【0063】
図8に示すように、第2タイマ27のカウントが終了するまでの間に、ペットpが乗りかご11の中まで移動すると、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のそれぞれにおいて、紐lの動きが同時に検知される(ステップS20のYES)。各検知エリアE1、E2、E3のそれぞれで紐lの動きが同時に検知されたことで、フラグBがONに設定される(ステップS23)。
【0064】
第1タイマ26のカウントが終了し、戸閉を開始するときに(ステップS13のYES)、フラグA及びフラグBが共にONであった場合には(ステップS24のYES)、乗りかご11の出入口付近に紐lが存在していると判断される(ステップS25)。
【0065】
・ペットが単独で乗りかご11から出ていく場合
図9及び
図10は、ペットpが飼い主(利用者)と離れ、乗りかご11から乗場15に出ていく状態を示している。ペットpには、一定の長さを有する紐lがつながれている。かごドア13が全戸開した状態で、第1タイマ26による一定時間T1のカウントが開始される(ステップS11~ステップS13)。
【0066】
図9に示すように、ペットpが乗りかご11の出入口に差し掛かったときに、多光軸センサ16(投光器16aと受光器16b)によって、ペットpの通過が物体の通過として検知される(ステップS14のYES)。ペットpの通過が検知されたことで、一定時間T1のカウントがクリアされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延長されると共に、フラグAがONに設定される(ステップS15~ステップS17)。
【0067】
続いて、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知処理が行われる(ステップS18~ステップS20)。
図9の状態では、第2検知エリアE2~第3検知エリアE3でペットp又は紐lの動きが検知されるが、第1検知エリアE1では検知されない。
【0068】
図10に示すように、第2タイマ27のカウントが終了するまでの間に、ペットpが乗場15まで移動すると、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のそれぞれにおいて、紐lの動きが同時に検知される(ステップS20のYES)。各検知エリアE1、E2、E3のそれぞれで紐lの動きが同時に検知されたことで、フラグBがONに設定される(ステップS23)。
【0069】
第1タイマ26のカウントが終了し、戸閉を開始するときに(ステップS13のYES)、フラグA及びフラグBが共にONであった場合には(ステップS24のYES)、乗りかご11の出入口付近に紐lが存在していると判断される(ステップS25)。
【0070】
・ペットが利用者と共に乗りかご11に乗り込む場合
以下では、(例1)ペットが利用者よりも先に乗りかご11に乗り込む場合と、(例2)ペットが利用者の後に乗りかご11に乗り込む場合とに分けて説明する。
【0071】
(例1)ペットが利用者よりも先に乗りかご11に乗り込む場合
図11~
図13は、ペットpが利用者uよりも先に乗りかご11に乗り込む状態を示している。ペットpには、一定の長さを有する紐lがつながれており、その紐lを利用者uが掴んでいる。かごドア13が全戸開した状態で、第1タイマ26による一定時間T1のカウントが開始される(ステップS11~ステップS13)。
【0072】
図11に示すように、ペットpが乗りかご11の出入口に差し掛かったときに、多光軸センサ16(投光器16aと受光器16b)によって、ペットpの通過が物体の通過として検知される(ステップS14のYES)。ペットpの通過が検知されたことで、一定時間T1のカウントがクリアされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延長されると共に、フラグAがONに設定される(ステップS15~ステップS17)。
【0073】
続いて、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知処理が行われる(ステップS18~ステップS20)。
図11の状態では、第1検知エリアE1~第2検知エリアE2でペットp、利用者u、又は紐lの動きが検知されるが、第3検知エリアE3では検知されない。
【0074】
図12に示すように、第2タイマ27がカウントを終了するまでの間に、ペットpが乗りかご11の中まで移動すると、第2検知エリアE2と第3検知エリアE3で紐lの動きが検知され、第1検知エリアE1で利用者uの動きが同時に検知される(ステップS20のYES)。各検知エリアE1、E2、E3のそれぞれで、紐l又は利用者uの動きが同時に検知されたことで、フラグBがONに設定される(ステップS23)。
【0075】
第1タイマ26のカウントが終了し、戸閉を開始するときに(ステップS13のYES)、フラグA及びフラグBが共にONであった場合には(ステップS24のYES)、乗りかご11の出入口付近に紐lが存在していると判断される(ステップS25)。
【0076】
なお、
図13に示すように、第1タイマ26のカウントが終了するまでに利用者uが出入口に差し掛かったとき、多光軸センサ16(投光器16aと受光器16b)によって、利用者uの通過が物体の通過として検知される(ステップS14のYES)。利用者uの通過が検知されたことで、一定時間T1のカウントがクリアされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延長されると共に、フラグAがONに設定される(ステップS15~ステップS16)。このとき、次の動き検知に備え、フラグBがOFFに設定される(ステップS17)。
【0077】
続いて、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知処理が行われる(ステップS18~ステップS20)。
図13の状態では第2検知エリアE2~第3検知エリアE3で、ペットp、紐l、利用者uのいずれかの動きが検知されるが、第1検知エリアE1では検知されないので、フラグBはOFFのままである(ステップS20のNO)。
【0078】
第2タイマ27がカウントを終了するまでの間に、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のいずれかにおいて、動きが検知されなかった場合には、フラグAがOFFに設定される(ステップS21のYES→ステップS22)。利用者uが乗りかご11に乗車したとき、フラグA及びフラグBは共にOFFであるため、戸閉動作が開始される(ステップS13のYES→ステップS24のNO→ステップS26)。
【0079】
(例2)ペットが利用者の後に乗りかご11に乗り込む場合
図14~
図16は、ペットpが利用者uの後に乗りかご11に乗り込む場合を示している。ペットpには、一定の長さを有する紐lがつながれており、その紐lを利用者uが掴んでいる。かごドア13が全戸開した状態で、第1タイマ26による一定時間T1のカウントが開始される(ステップS11~ステップS13)。
【0080】
図14に示すように、利用者uが乗りかご11の出入口に差し掛かったときに、多光軸センサ16(投光器16aと受光器16b)によって、利用者uの通過が物体の通過として検知される(ステップS14のYES)。利用者uの通過が検知されたことで、一定時間T1のカウントがクリアされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延長されると共に、フラグAがONに設定される(ステップS15~ステップS17)。
【0081】
続いて、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知処理が行われる(ステップS18~ステップS20)。
図14の状態では、第1検知エリアE1~第2検知エリアE2で利用者u又は紐lの動きが検知されるが、第3検知エリアE3では検知されない。
【0082】
図15に示すように、第2タイマ27がカウントを終了するまでの間に、利用者uが乗りかご11の中まで移動すると、第2検知エリアE2と第3検知エリアE3で紐lの動きが検知され、第1検知エリアE1と第2検知エリアE2でペットpの動きが同時に検知される(ステップS20のYES)。各検知エリアE1、E2、E3のそれぞれで紐l又はペットpの動きが同時に検知されたことで、フラグBはONに設定される(ステップS23)。
【0083】
第1タイマ26のカウントが終了し、戸閉を開始するときに(ステップS13のYES)、フラグA及びフラグBが共にONであった場合には(ステップS24のYES)、乗りかご11の出入口付近に紐lが存在していると判断される(ステップS25)。
【0084】
なお、
図16に示すように、第1タイマ26のカウントが終了するまでにペットpが出入口に差し掛かったとき、多光軸センサ16(投光器16aと受光器16b)によって、ペットpの通過が物体の通過として検知される(ステップS14のYES)。ペットpの通過が検知されたことで、一定時間T1のカウントがクリアされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延長されると共に、フラグAがONに設定される(ステップS15~ステップS16)。このとき、次の動き検知に備え、フラグBがOFFに設定される(ステップS17)。
【0085】
続いて、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知処理が行われる(ステップS18~ステップS20)。
図16の状態では、第2検知エリアE2~第3検知エリアE3でペットp、紐l、利用者uのいずれかの動きが検知されるが、第1検知エリアE1では検知されないので、フラグBはOFFのままである(ステップS20のNO)。
【0086】
第2タイマ27がカウントを終了するまでの間に、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のいずれかにおいて、動きが検知されなかった場合には、フラグAがOFFにされる(ステップS21のYES→ステップS22)。利用者uが乗りかご11に乗車したとき、フラグA及びフラグBは共にOFFであるため、戸閉動作が開始される(ステップS13のYES→ステップS24のNO→ステップS26)。
【0087】
・ペットが利用者と共に乗りかご11から出ていく場合
以下では、(例1)ペットが利用者よりも先に乗りかご11から出ていく場合と(例2)ペットが利用者の後に乗りかご11から出ていく場合とに分けて説明する。
【0088】
(例1)ペットが利用者よりも先に乗りかご11から出ていく場合
図17~
図19は、ペットpが利用者uよりも先に乗りかご11から出ていく状態を示している。ペットpには、一定の長さを有する紐lがつながれており、その紐lを利用者uが掴んでいる。かごドア13が全戸開した状態で、第1タイマ26による一定時間T1のカウントが開始される(ステップS11~ステップS13)。
【0089】
図17に示すように、ペットpが乗りかご11の出入口に差し掛かったときに、多光軸センサ16(投光器16aと受光器16b)によって、ペットpの通過が物体の通過として検知される(ステップS14のYES)。物体の通過が検知されたことで、一定時間T1のカウントがクリアされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延長されると共に、フラグAがONに設定される(ステップS15~ステップS17)。
【0090】
続いて、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知処理が行われる(ステップS18~ステップS20)。
図17の状態では、第2検知エリアE2~第3検知エリアE3でペットp又は紐lの動きが検知されるが、第1検知エリアE1では検知されない。
【0091】
図18に示すように、第2タイマ27がカウントを終了するまでの間に、ペットpが乗場15まで移動すると、第2検知エリアE2と第3検知エリアE3で紐lの動きが検知され、第1検知エリアE1でペットpの動きが同時に検知される(ステップS20のYES)。各検知エリアE1、E2、E3のそれぞれで紐l又はペットpの動きが同時に検知されたことで、フラグBはONに設定される(ステップS23)。
【0092】
第1タイマ26のカウントが終了し、戸閉を開始するときに(ステップS13のYES)、フラグA及びフラグBが共にONであった場合には(ステップS24のYES)、乗りかご11の出入口付近に紐lが存在していると判断される。
【0093】
なお、
図19に示すように、第1タイマ26のカウントが終了するまでに利用者uが出入口に差し掛かったとき、多光軸センサ16(投光器16aと受光器16b)によって、利用者uの通過が物体の通過として検知される(ステップS14のYES)。利用者uの通過が検知されたことで、一定時間T1のカウントがクリアされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延長されると共に、フラグAがONに設定される(ステップS15~ステップS16)。このとき、次の動き検知に備え、フラグBがOFFに設定される(ステップS17)。
【0094】
続いて、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知処理が行われる(ステップS18~ステップS20)。
図19の状態では、第1検知エリアE1~第2検知エリアE2でペットp、紐l、利用者uのいずれかの動きが検知されるが、第3検知エリアE3では検知されないので、フラグBはOFFのままである(ステップS20のNO)。
【0095】
第2タイマ27がカウントを終了するまでの間に、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のいずれかにおいて、動きが検知されなかった場合には、フラグAがOFFにされる(ステップS21のYES→ステップS22)。利用者uが乗りかご11から乗場15に降りたとき、フラグA及びフラグBは共にOFFであるため、戸閉動作が開始される(ステップS13のYES→ステップS24のNO→ステップS26)。
【0096】
(例2)ペットが利用者の後に乗りかご11から出ていく場合
図20~
図22は、ペットpが利用者uの後に乗りかご11から出ていく場合を示している。ペットpには、一定の長さを有する紐lがつながれており、その紐lを利用者uが掴んでいる。かごドア13が全戸開した状態で、第1タイマ26による一定時間T1のカウントが開始される(ステップS11~ステップS13)。
【0097】
図20に示すように、利用者uが乗りかご11の出入口に差し掛かったときに、多光軸センサ16(投光器16aと受光器16b)によって、利用者uの通過が物体の通過として検知される(ステップS14のYES)。利用者uの通過が検知されたことで、一定時間T1のカウントがクリアされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延長されると共に、フラグAがONに設定される(ステップS15~ステップS17)。
【0098】
続いて、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知処理が行われる(ステップS18~ステップS20)。
図20の状態では、第2検知エリアE2~第3検知エリアE3で利用者u又は紐lの動きが検知されるが、第1検知エリアE1では検知されない。
【0099】
図21に示すように、第2タイマ27がカウントを終了するまでの間に、利用者uが乗場15まで移動すると、第2検知エリアE2と第3検知エリアE3で紐lの動きが検知され、第1検知エリアE1で利用者uの動きが同時に検知される(ステップS20のYES)。各検知エリアE1、E2、E3のそれぞれで紐l又はペットpの動きが同時に検知されたことで、フラグBがONに設定される(ステップS23)。
【0100】
第1タイマ26のカウントが終了し、戸閉を開始するときに(ステップS13のYES)、フラグA及びフラグBが共にONであった場合には(ステップS24のYES)、乗りかご11の出入口付近に紐lが存在していると判断される(ステップS25)。
【0101】
なお、
図22に示すように、第1タイマ26のカウントが終了するまでにペットpが出入口に差し掛かったとき、多光軸センサ16(投光器16aと受光器16b)によって、ペットpの通過が物体の通過として検知される(ステップS14のYES)。ペットpの通過が検知されたことで、一定時間T1のカウントがクリアされ、戸閉動作が開始されるまでの時間が延長されると共に、フラグAがONに設定される(ステップS15~ステップS16)。このとき、次の動き検知に備え、フラグBがOFFに設定される(ステップS17)。
【0102】
続いて、第2タイマ27による一定時間T2のカウントが終了するまでの間、動き検知処理が行われる(ステップS18~ステップS20)。
図22の状態では、第1検知エリアE1~第2検知エリアE2でペットp、紐l、利用者uのいずれかの動きが検知されるが、第3検知エリアE3では検知されないので、フラグBはOFFのままである(ステップS20のNO)。
【0103】
第2タイマ27がカウントを終了するまでの間に、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のいずれかにおいて、動きが検知されなかった場合には、フラグAがOFFにされる(ステップS21のYES→ステップS22)。ペットpが乗りかご11から乗場15に降りたとき、フラグA及びフラグBは共にOFFであるため、戸閉動作が開始される(ステップS13のYES→ステップS24のNO→ステップS26)。
【0104】
このように本実施形態によれば、ペットpに繋がった紐lが乗場15と乗りかご11との境に跨っている場合に、多光軸センサ16でペットpの通過が検知された後に、カメラ12で検知エリア内における紐lの動きが連続的に検知されることに着目して、乗りかご11の出入口に紐lが存在していることを検知する。したがって、例えば出入口で紐lを検知しやすくするための部材や、ドア制御や信号解析などの煩雑な処理は不要であり、既存のセンサ(多光軸センサ16とカメラ12)だけを用いて、出入口付近にある紐lを正確に検知することができる。また、紐lが検知されている間、戸開状態を維持することにより、紐の挟まれ事故を未然に防ぐことができる。
【0105】
なお、上記では一例として全戸開中及び戸閉動作中における処理を説明したが、全戸開中あるいは戸閉動作中に限らず、戸閉しているどのような状態であっても、出入口付近にある紐を正確に検知することができる。
【0106】
なお、例えば複数の利用者が連続して乗りかご11に乗車又は降車している場合、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のそれぞれで、利用者の動きが同時に検知される(フラグBがON)。このとき、乗りかご11の出入口では多光軸センサ16が各利用者の通過を連続的に検知しているので(フラグAがON)、フラグAとフラグBが共にONになり、出入口に紐が存在していると判断される可能性がある(
図6のステップS24参照)。このような事態を回避するため、第1検知エリアE1~第3検知エリアE3で検知された物体の形状を確認することが好ましい。
【0107】
図23及び
図24は、第1検知エリアE1~第3検知エリアE3の一部を示す図である。
図23に示すように、第1検知エリアE1~第3検知エリアE3内において、利用者の動きは、上から見て楕円形状の物体の動きとして検知される。一方、
図24に示すように、紐の動きは、上から見てY軸方向に伸びる細長形状の物体の動きとして検知される。
【0108】
したがって、
図6のステップS24において、フラグAとフラグBが共にONの場合(つまり、多光軸センサ16による検知の後、一定時間の間に動き検知部24によって検知エリア内で紐の動きが連続的に検知された場合)に、第1検知エリアE1~第3検知エリアE3で検知された物体の形状が細長形状であれば、出入口付近に紐が存在していると判断する。一方、第1検知エリアE1~第3検知エリアE3で検知された物体が細長形状以外であれば、フラグAとフラグBが共にONの状態にあっても、紐として判断しないようにする。これにより、例えば複数の利用者が連続して乗降している場合に、各利用者の動きを紐として誤検知することを回避し、実際に出入口に紐がある場合にのみ、これを正確に検知することができる。
【0109】
(第1変形例)
乗りかご11の出入口に存在する紐が検知された場合に、さらに、その紐が乗りかご11内に収まったことを検知するための処理を紐検知部25に加えても良い。
【0110】
図25~
図27は、ペットpが乗りかご11の中に入っていく様子を示している。
図25に示すように、ペットpが乗りかご11の出入口を通過して、乗りかご11の中に入った直後では、ペットpにつながった紐lが後方に存在しているので、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3のそれぞれにおいて、紐lの動きが同時に検知されている。
【0111】
ここで、
図26及び
図27に示すように、ペットpが乗りかご11の奥に移動し、紐lが乗りかご11内に収まっていくのに伴い、第1検知エリアE1→第1検知エリアE1と第2検知エリアE2といった順で、紐lの動きが検知されなくなる。このように、紐lが第1検知エリアE1~第3検知エリアE3を通過するパターンに基づいて、紐lが乗りかご11内に収まったことを判断することができる。
【0112】
ペットpが乗りかご11から乗場15に出た場合でも、紐lが第1検知エリアE1~第3検知エリアE3を通過するパターンに基づいて、紐lが出入口の外(乗場15)に出ているか否かを判断できる。この場合、ペットpが乗りかご11とは反対方向に移動するのに伴い、第3検知エリアE3→第3検知エリアE3と第2検知エリアE2といった順で、紐lの動きが検知されなくなる。紐lが乗りかご11内に収まったと判断された場合、又は、紐lが出入口の外に出たと判断された場合に、戸閉動作を開始することができる。
【0113】
(第2変形例)
多光軸センサ16に備えられる複数の投光器16aと複数の受光器16bは、上述したようにドアパネル13a、13bの先端部(戸当たり)に沿って、一定間隔で配列される(
図4参照)。ここで、投光器16aと受光器16bとの間の光(赤外線)の遮断によって物体の通過が検知されたとき、受光量が減少した複数の受光器16bのなかの最上位の受光器16bの高さ方向の位置情報から当該物体の高さ情報を得ることができる。
【0114】
図28及び
図29は、戸開閉方向をX軸、戸開閉方向と直交する方向をY軸、乗りかご11の高さ方向をZ軸として示した図である。例えば、
図28に示すように、多光軸センサ16によってペットpの通過が検知された場合、床面からh1(例えば50cm)の位置までの間に設置された複数の受光器16bの受光量が減少する。これらの受光器16bのうちの最上位の受光器16bの位置情報から、ペットpの高さ情報としてh1を得ることができる。一方、
図29に示すように、多光軸センサ16によって利用者uの通過が検知された場合、床面からh2(例えば160cm)までの間に設置された複数の受光器16bの受光量が減少する。これらの受光器16bのうちの最上位の受光器16bの位置情報から、利用者uの高さ情報としてh2を得ることができる。
【0115】
このように、多光軸センサ16によって得られる物体の高さ情報に基づいて、その物体がペットpであるか利用者uであるかを区別できる。具体的には、例えば高さ情報がh1以下の場合、ペットpであり、高さ情報がh2の前後であった場合、利用者uであると区別できる。h1はペットpの平均的な高さから定められる。h2は利用者uの平均的な高さから定められる。なお、高さの範囲をもっと細かく分けて、利用者uとして、大人(例えば150cm以上)、子供又は車椅子利用者(例えば130cm以下)を区別することでも良い。
【0116】
多光軸センサ16からペットpに相当する高さ情報が得られた場合、ペットpに紐が繋がっているものとして、動き検知部24による動き検知処理を行うようにしても良い。例えば、第1検知エリアE1、第2検知エリアE2、第3検知エリアE3の画像のそれぞれを所定のブロック単位でマトリックス状に分割する際に、通常よりも細かいブロックに分割して、これらのブロック毎に動き検知を行う。これにより、紐のように細い物体の動きが検知されやすくなる。もしくは、動き検知処理に用いられる輝度変化の閾値を通常よりも下げて、紐の動きを検知しやすくしても良い。
【0117】
また、多光軸センサ16から得られる高さ情報によって、出入口で検知された物体がペットpであると認識された場合、紐検知処理で検知される紐は、そのペットpにつながれた紐である可能性が高い。この場合、ペットpが単独で行動している可能性があるため、ビルの監視室又はエレベータの監視センタに対して通知を行うことが好ましい。一方、多光軸センサ16から得られる高さ情報によって、出入口で検知された物体が利用者uであると認識された場合、紐検知処理で検知される紐は、その利用者uに付着した紐形状のごみである可能性がある。この場合は、利用者uに対して注意を喚起するアナウンスを行うことが良い。
【0118】
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、検知用の部材又は煩雑な処理を必要とせずに、カメラと多光軸センサを用いて、乗りかごの出入口付近に存在する紐を正確に検知することのできるエレベータシステムを提供することができる。
【0119】
なお、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していていない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明と、その均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
11…乗りかご、12…カメラ、13…かごドア、14…乗場ドア、15…乗場、16…多光軸センサ、20…画像処理装置、21…記憶部、21a…画像記憶部、21b…フラグ記憶部、22…検知部、23…検知エリア設定部、24…動き検知部、25…紐検知部、26…第1タイマ、27…第2タイマ、30…エレベータ制御装置、31…戸開閉制御部、32…通知部。
【要約】
【課題】検知用の部材あるいは煩雑な処理を必要とせずに、カメラと多光軸センサを用いて、乗りかごの出入口付近に存在する紐を正確に検知する。
【解決手段】一実施形態に係るエレベータシステムは、多光軸センサと、カメラと、動き検知手段と、紐検知手段とを備える。前記多光軸センサは、乗りかごの出入口に設置され、物体の通過を光学的に検知する。前記カメラは、前記乗りかご内に設置され、前記乗りかご内から前記出入口付近の乗場を撮影する。前記動き検知手段は、前記カメラによって得られる撮影画像上の前記出入口付近に設定された検知エリア内で前記物体に繋がった紐の動きを検知する。前記紐検知手段は、前記多光軸センサによる前記物体の通過検知と、前記動き検知手段による前記紐の動き検知に連続性がある場合に、前記出入口付近に前記紐が存在していると判断する。
【選択図】
図1