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特許7423772集積アセンブリ及び集積アセンブリを形成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】集積アセンブリ及び集積アセンブリを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240122BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20240122BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20240122BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20240122BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240122BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H10B41/27
H10B43/27
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022527049
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 US2020052030
(87)【国際公開番号】W WO2021096596
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】16/681,200
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョン チュル
(72)【発明者】
【氏名】スルティ シャム
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0062460(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0198510(US,A1)
【文献】特開2011-249803(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0293623(US,A1)
【文献】米国特許第9773882(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0294980(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0286883(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
H10B 41/27
H10B 43/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互の絶縁性レベル及び導電性レベルの垂直スタックであって、前記導電性レベルは、第1の垂直方向の厚さの第1の領域を有し、前記第1の垂直方向の厚さよりも厚い第2の垂直方向の厚さの末端領域を有し、かつ、前記第1の領域と前記末端領域との間のテーパー状の遷移領域を有し、前記絶縁性レベルは、前記導電性レベルの前記第1の領域上に拡張する絶縁性材料からなり、かつ、前記導電性レベルの前記末端領域を越えて拡張する突出した末端を有する、前記垂直スタックと、
前記絶縁性材料の前記突出した末端間の前記導電性レベルの前記末端領域に沿った空洞と、
前記空洞内にあって且つ前記絶縁性材料の前記突出した末端に接触している、前記末端領域に隣接する電荷遮断材料と、
前記電荷遮断材料に隣接し、垂直方向に積み重ねられたセグメント内に配列された電荷蓄積材料であって、前記セグメントは、前記導電性レベルに沿い、間隙によって相互に垂直方向に離隔される、前記電荷蓄積材料と、
前記電荷蓄積材料に隣接する誘電体材料と、
前記誘電体材料に隣接するチャネル材料と
を含む集積構造体。
【請求項2】
前記導電性レベルは、導電性コア材料の外周面に沿って拡張する導電性ライナー材料を含む、請求項1に記載の集積構造体。
【請求項3】
前記導電性ライナー材料は窒化チタンを含み、前記導電性コア材料はタングステンを含む、請求項2に記載の集積構造体。
【請求項4】
前記導電性レベルの個々の前記導電性ライナー材料は、前記導電性レベルの前記個々と関連付けられたフレア遷移領域内のテーパーに沿って拡張する外周面を有する、請求項3に記載の集積構造体。
【請求項5】
前記導電性レベルの前記個々の前記導電性コア材料は、前記導電性レベルの前記個々と関連付けられたフレア遷移領域内の前記テーパーに沿っても拡張する外周面を有する、請求項4に記載の集積構造体。
【請求項6】
前記電荷遮断材料は、前記垂直スタックを通って拡張する連続層として構成される、請求項1に記載の集積構造体。
【請求項7】
前記連続層は、前記垂直スタックの前記絶縁性レベル及び前記導電性レベルに隣接する第1の側壁面を有し、前記第1の側壁面に対して対向する関係にある第2の側壁面を有し、前記第1の側壁面は、前記絶縁性レベルに沿った第1のポケット領域を有する第1の起伏のあるトポグラフィを有し、前記第2の側壁面は、前記導電性レベルに沿った第2のポケット領域を有する第2の起伏のあるトポグラフィを有する、請求項6に記載の集積構造体。
【請求項8】
前記電荷蓄積材料の前記セグメントは前記第2のポケット領域内にある、請求項7に記載の集積構造体。
【請求項9】
前記末端領域と前記電荷遮断材料との間に高k材料を更に含む、請求項1に記載の集積構造体。
【請求項10】
前記チャネル材料は、前記垂直スタックに沿って平坦である、請求項1に記載の集積構造体。
【請求項11】
交互の第1レベル及び第2レベルの垂直スタックを形成することであって、前記第1のレベルは第1の材料を含み、前記第2のレベルは第2の材料を含むことと、
前記垂直スタックを通って拡張するように開口部を形成することと、
前記第1のレベルに対して前記第2のレベルを凹ませることであって、前記第1のレベルは、凹んだ前記第2のレベルを越えて拡張する突出した末端を有し、凹んだ前記第2レベルに沿い、突出した前記末端の間の垂直方向に空洞があることと、
突出した前記末端の周囲及び前記空洞内に拡張するように第3の材料を形成することであって、前記第3の材料は前記空洞を狭めることと、
狭められた前記空洞内に第4の材料を形成することと、
前記第2のレベルに沿って、突出した構造体を残すために、前記第3の材料の領域を除去することであって、突出した前記構造体は前記第4の材料を含み、突出した前記構造体は、介在する間隙によって、突出した前記末端から垂直方向に離隔されることと、
突出した前記末端の周囲及び突出した前記構造体の周囲に拡張し、介在する前記間隙中に拡張するように追加の第1の材料を形成することと、
前記追加の第1の材料の大部分を電荷遮断材料に変換することであって、介在する前記間隙内の前記追加の第1の材料の領域は非変換領域であり、前記非変換領域は、突出した前記末端の表面に直接隣接し、前記電荷遮断材料は、前記垂直スタックを通って垂直方向に拡張し、前記第1のレベルに沿ったポケットを画定する起伏のあるトポロジを有するエッジを有することと、
前記ポケット内に電荷蓄積材料を形成することであって、前記電荷蓄積材料及び前記電荷遮断材料は実質的に平坦な表面を共に形成することと、
前記実質的に平坦な表面に沿って誘電体材料を形成することと、
前記誘電体材料に隣接してチャネル材料を形成することと、
ボイドを残すために、前記第1のレベルの前記第1の材料及び前記非変換領域を除去することと、
前記ボイド内に導電性材料を形成すること
を含む、集積構造体を形成する方法。
【請求項12】
前記ボイド内の前記導電性材料は導電性レベルを形成し、前記導電性レベルは、第1の垂直方向の厚さの第1の領域を有し、前記第1の垂直方向の厚さよりも厚い第2の垂直方向の厚さの第2の領域を有し、前記第2の領域は、前記第1の領域と前記電荷遮断材料との間にある、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ボイド内に前記導電性材料を形成する前に、前記ボイドをライニングするように前記ボイド内に高k材料を形成することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記導電性材料は導電性コア材料を含み、前記導電性コア材料の外周を少なくとも部分的に取り囲む導電性ライナー材料を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願のデータ]
この出願は、“Integrated Assemblies and Methods of Forming Integrated Assemblies”と題され、2019年11月12日に出願された米国特許出願シリアル番号16/681,200に関連し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
集積アセンブリ(例えば、メモリデバイス)及び集積アセンブリを形成する方法。
【背景技術】
【0003】
メモリは、電子システムにデータ蓄積を提供する。フラッシュメモリはメモリの一種であり、最近のコンピュータ及びデバイスで多くの使用を有する。実例として、最近のパーソナルコンピュータは、フラッシュメモリチップ上に蓄積されたBIOSを有し得る。別の例として、コンピュータ及びその他のデバイスが従来のハードドライブを置き換えるためにソリッドステートドライブ内にフラッシュメモリを利用することが益々一般的になっている。更に別の例として、フラッシュメモリは、製造者が、新たな通信プロトコルが標準化されたときにそれらをサポートすること、及び強化された機構のためにデバイスをリモートでアップグレードする能力を提供することが可能であるため、無線電子デバイスではポピュラーである。
【0004】
NANDは、フラッシュメモリの基本的なアーキテクチャであり得、垂直方向に積み重ねられたメモリセルを含むように構成され得る。
【0005】
NANDを具体的に説明する前に、集積された配列内のメモリアレイの関係をより一般的に説明することが役立ち得る。図1は、アクセス線1004(例えば、信号を伝導するためのワード線WL0~WLm)及び第1のデータ線1006(例えば、信号を伝導するためのビット線BL0~BLn)と共に、行及び列内に配列された複数のメモリセル1003を有するメモリアレイ1002を含む従来技術のデバイス1000のブロック図を示す。アクセス線1004及び第1のデータ線1006は、メモリセル1003との間で情報を転送するために使用され得る。行デコーダ1007及び列デコーダ1008は、メモリセル1003の内の何れの1つがアクセスされるかを判定にするために、アドレス線1009上のアドレス信号A0~AXをデコードする。センスアンプ回路1015は、メモリセル1003から読み出された情報の値を判定するように動作する。I/O回路1017は、メモリアレイ1002と入力/出力(I/O)線1005との間で情報の値を転送する。I/O線1005上の信号DQ0~DQNは、メモリセル1003から読み出される、又はメモリセル1003中に書き込まれる情報の値を表し得る。他のデバイスは、I/O線1005、アドレス線1009、又は制御線1020を通じてデバイス1000と通信し得る。メモリ制御ユニット1018は、メモリセル1003上で実施されるメモリ動作を制御するために使用され、制御線1020上の信号を利用する。デバイス1000は、第1の供給線1030及び第2の供給線1032上の供給電圧信号Vcc及びVssを夫々受信し得る。デバイス1000は、選択回路1040及び入力/出力(I/O)回路1017を含む。選択回路1040は、メモリセル1003から読み出され又はメモリセル1003中にプログラミングされる情報の値を表し得る、第1のデータ線1006及び第2のデータ線1013上の信号を選択するために、I/O回路1017を介して、信号CSEL1~CSELnに応答し得る。列デコーダ1008は、アドレス線1009上のA0~AXアドレス信号に基づいて、CSEL1~CSELn信号を選択的に活性化し得る。選択回路1040は、読み出し及びプログラミング動作の間にメモリアレイ1002とI/O回路1017との間の通信を提供するために、第1のデータ線1006及び第2のデータ線1013上の信号を選択し得る。
【0006】
図1のメモリアレイ1002は、NANDメモリアレイであり得、図2は、図1のメモリアレイ1002に利用され得る3次元NANDメモリデバイス200の概略図を示す。デバイス200は、電荷蓄積デバイスの複数のストリングを含む。第1の方向(Z-Z´)では、電荷蓄積デバイスの各ストリングは、例えば、相互に積み重ねられた32個の電荷蓄積デバイスを含み得、各電荷蓄積デバイスは、例えば、32個のティア(ティア0~ティア31)の内の1つに対応する。個別のストリングの電荷蓄積デバイスは、電荷蓄積デバイスのストリングがその近くに形成される半導体材料(例えば、ポリシリコン)の個別のピラー内に形成されるもの等の共通のチャネル領域を共有し得る。第2の方向(X-X´)では、例えば、複数のストリングの16個の第1のグループの各第1のグループは、例えば、複数(例えば、32個)のアクセス線(すなわち、ワード線WLとしても知られる“グローバル制御ゲート(CG)線”)を共有する8つのストリングを含み得る。アクセス線の各々は、ティア内の電荷蓄積デバイスを結合し得る。同じアクセス線によって結合された(したがって同じティアに対応する)電荷蓄積デバイスは、例えば、各電荷蓄積デバイスが2ビットの情報を蓄積することが可能なセルを含む場合に、P0/P32、P1/P33、及びP2/P34等の2つのページに論理的にグループ化され得る。第3の方向(Y-Y´)では、例えば、複数のストリングの8つの第2のグループの各第2のグループは、8つのデータ線の内の対応する1つによって結合された16個のストリングを含み得る。メモリブロックのサイズは、1,024ページ及び合計で約16MB(例えば、16WL×32ティア×2ビット=1,024ページ/ブロック、ブロックサイズ=1,024ページ×16KB/ページ=16MB)を含み得る。ストリング、ティア、アクセス線、データ線、第1のグループ、第2のグループ、及び/又はページの数は、図2に示されるものよりも多くてもよく、少なくてもよい。
【0007】
図3は、図2に関して説明されたストリングの16個の第1のグループの内の1つ内に電荷蓄積デバイスの15個のストリングを含む、X-X´方向における図2の3D NANDメモリデバイス200のメモリブロック300の断面図を示す。メモリブロック300の複数のストリングは、タイル列、タイル列、及びタイル列等の複数のサブセット310、320、330(例えば、タイル列)にグループ化され得、各サブセット(例えば、タイル列)は、メモリブロック300の“部分的ブロック”を含む。グローバルドレイン側選択ゲート(SGD)線340は、複数のストリングのSGDに結合され得る。例えば、グローバルSGD線340は、複数(例えば、3つ)のサブSGDドライバ332、334、336の内の対応する1つを介して、各サブSGD線が個別のサブセット(例えば、タイル列)に対応する複数(例えば、3つ)のサブSGD線342、344、346に結合され得る。サブSGDドライバ332、334、336の各々は、他の部分的ブロックのものとは独立して、対応する部分的ブロック(例えば、タイル列)のストリングのSGDを同時に結合又は切断し得る。グローバルソース側選択ゲート(SGS)線360は、複数のストリングのSGSに結合され得る。例えば、グローバルSGS線360は、複数のサブSGSドライバ322、324、326の内の対応する1つを介して、各サブSGS線が個別のサブセット(例えば、タイル列)に対応する複数のサブSGS線362、364、366に結合され得る。サブSGSドライバ322、324、326の各々は、他の部分的ブロックのものとは独立して、対応する部分的ブロック(例えば、タイル列)のストリングのSGSを同時に結合又は切断し得る。グローバルアクセス線(例えば、グローバルCG線)350は、複数のストリングの各々の個別のティアに対応する電荷蓄積デバイスを結合し得る。各グローバルCG線(例えば、グローバルCG線350)は、複数のサブストリングドライバ312、314、及び316の内の対応する1つを介して、複数のサブアクセス線(例えば、サブCG線)352、354、356に結合され得る。サブストリングドライバの各々は、他の部分的ブロック及び/又は他のティアのものとは独立して、個別の部分的ブロック及び/又はティアに対応する電荷蓄積デバイスを同時に結合又は切断し得る。個別のサブセット(例えば、部分的ブロック)及び個別のティアに対応する電荷蓄積デバイスは、電荷蓄積デバイスの“部分的ティア”(例えば、単一の“タイル”)を含み得る。個別のサブセット(例えば、部分的ブロック)に対応するストリングは、サブソース372、374、及び376(例えば、“タイルソース”)の内の対応する1つに結合され得、各サブソースは、個別の電源に結合される。
【0008】
NANDメモリデバイス200は、代替的には、図4の概略図を参照して説明される。
【0009】
メモリアレイ200は、ワード線202~202、及びビット線228~228を含む。
【0010】
メモリアレイ200はまた、NANDストリング206~206を含む。各NANDストリングは、電荷蓄積トランジスタ208~208を含む。電荷蓄積トランジスタは、電荷を蓄積するためにフローティングゲート材料(例えば、ポリシリコン)を使用し得、又は電荷を蓄積するために電荷トラップ材料(例えば、窒化ケイ素、金属ナノドット等)を使用し得る。
【0011】
電荷蓄積トランジスタ208は、ワード線202とストリング206との交点に設置される。電荷蓄積トランジスタ208は、データの蓄積のための不揮発性メモリセルを表す。各NANDストリング206の電荷蓄積トランジスタ208は、ソース選択デバイス(例えば、ソース側選択ゲート、SGS)210とドレイン選択デバイス(例えば、ドレイン側選択ゲート、SGD)212との間でソースからドレインに直列に接続される。各ソース選択デバイス210は、ストリング206とソース選択線214との交点に設置され、一方、各ドレイン選択デバイス212は、ストリング206とドレイン選択線215との交点に設置される。選択デバイス210及び212は、任意の適切なアクセスデバイスであり得、図4にボックスを用いて一般的に説明される。
【0012】
各ソース選択デバイス210のソースは、共通のソース線216に接続される。各ソース選択デバイス210のドレインは、対応するNANDストリング206の第1の電荷蓄積トランジスタ208のソースに接続される。例えば、ソース選択デバイス210のドレインは、対応するNANDストリング206の電荷蓄積トランジスタ208のソースに接続される。ソース選択デバイス210は、ソース選択線214に接続される。
【0013】
各ドレイン選択デバイス212のドレインは、ドレイン接点でビット線(すなわち、デジット線)228に接続される。例えば、ドレイン選択デバイス212のドレインは、ビット線228に接続される。各ドレイン選択デバイス212のソースは、対応するNANDストリング206の最後の電荷蓄積トランジスタ208のドレインに接続される。例えば、ドレイン選択デバイス212のソースは、対応するNANDストリング206の電荷蓄積トランジスタ208のドレインに接続される。
【0014】
電荷蓄積トランジスタ208は、ソース230、ドレイン232、電荷蓄積領域234、及び制御ゲート236を含む。電荷蓄積トランジスタ208は、ワード線202に結合されたそれらの制御ゲート236を有する。電荷蓄積トランジスタ208の列は、所与のビット線228に結合されたNANDストリング206内のそれらのトランジスタである。電荷蓄積トランジスタ208の行は、所与のワード線202に共通に結合されたそれらのトランジスタである。
【0015】
改善されたNANDアーキテクチャ及びNANDアーキテクチャを製造するための改善された方法を開発することが望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】メモリセルを備えたメモリアレイを有する従来技術のメモリデバイスのブロック図を示す。
図2】3D NANDメモリデバイスの形式で図1の従来技術のメモリアレイの概略図を示す。
図3】X-X´の方向の図2の従来技術の3D NANDメモリデバイスの断面図を示す。
図4】従来技術のNANDメモリアレイの概略図である。
図5】例示的なメモリデバイスの領域を示す集積アセンブリの概略的断面側面図である。
図5A図5の集積アセンブリの一部分の概略的断面上面図であり、図5の線5A-5Aに沿う。
図6】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図7】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図8】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図9】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図10】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図11】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図12】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図13】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図14】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図15】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図16】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図17】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図18】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
図19】例示的なメモリデバイスを製造するための例示的な方法の例示的な連続的プロセス段階で示される集積アセンブリの領域の概略的断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
メモリセルの動作は、チャネル材料と電荷蓄積材料との間の電荷の移動を含み得る。実例として、メモリセルのプログラミングは、電荷(すなわち、電子)をチャネル材料から電荷蓄積材料中に移動させることと、電荷を電荷蓄積材料内にその後蓄積することを含み得る。メモリセルの消去は、電荷蓄積材料内に蓄積された電子と再結合し、それによって電荷蓄積材料から電荷を放出するように電荷蓄積材料中に正孔を移動させることを含み得る。電荷蓄積材料は、電荷トラップ材料(実例として、窒化ケイ素、金属ドット等)を含み得る。従来のメモリに伴う問題は、電荷トラップ材料がメモリアレイの複数のメモリセルに渡って拡張し、そうしたことが、あるメモリセルから別のメモリセルへの電荷のマイグレーションにつながり得ることであり得る。電荷のマイグレーションは、データ保持の問題につながり得る。幾つかの実施形態は、メモリセル間の領域内の電荷トラップ材料内に切れ目を有するメモリデバイス(例えば、NANDアーキテクチャ)を含み、そうした切れ目は、メモリセル間の電荷のマイグレーションを有利に妨げ得る。
【0018】
従来のメモリセルで遭遇し得る別の問題は、メモリセルの所望の迅速なプログラミング及び消去を達成するには制御ゲートが狭すぎることであり得る。幾つかの実施形態は、従来のアーキテクチャで一般的に利用可能であるより広いプログラム/消去ウィンドウを提供するように調整された比較的広い制御ゲートを備えたメモリデバイスを含む。広い制御ゲートは、垂直方向に積み重ねられたルーティング構造体間の望ましくない寄生容量を低減するように調整された狭いルーティング構造体(ワード線)と組み合わせて形成され得る。例示的な実施形態は、図5図19を参照して説明される。
【0019】
図5に示すように、構築物(すなわち、アセンブリ、アーキテクチャ等)10は、交互の第1及び第2のレベル14及び16の垂直スタック12を含む。第1のレベル14は導電性レベルであり、第2のレベル16は絶縁性レベルである。
【0020】
導電性レベル14は、NAND構成のメモリセルレベル(本明細書ではワード線レベル又はルーティング/制御ゲートレベルとも称される)である。NAND構成は、メモリセルのストリング(すなわち、NANDストリング)を含み、ストリング内のメモリセルの数は、垂直方向に積み重ねられたレベル14の数によって決定される。NANDストリングは、任意の適切な数のメモリセルレベルを含み得る。実例として、NANDストリングは、8個のメモリセルレベル、16個のメモリセルレベル、32個のメモリセルレベル、64個のメモリセルレベル、512個のメモリセルレベル、1024個のメモリセルレベル等を有し得る。図5の図面に具体的に説明するレベルよりも多くの垂直方向に積み重ねられたレベルがあり得ることを示すために、垂直スタック12は、説明する領域を越えて垂直方向に拡張するように指し示されている。
【0021】
スタック12は、ベース18の上方に支持されるように示されている。ベース18は、半導体材料を含み得、例えば、単結晶シリコンを含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得る。ベース18は半導体基板と称され得る。用語“半導体基板”は、半導体ウエハ等のバルク半導体材料(単独又は他の材料を含むアセンブリ内の何れか)、及び半導体材料層(単独又は他の材料を含むアセンブリ内の何れか)を含むがこれらに限定されない半導体材料を含む任意の構築物を意味する。用語“基板”は、上に説明した半導体基板を含むがこれらに限定されない任意の支持構造体を指す。幾つかの用途では、ベース18は、集積回路の製造と関連付けられる1つ以上の材料を含む半導体基板に対応し得る。こうした材料は、例えば、高融点金属材料、バリア材料、拡散材料、絶縁体材料等の内の1つ以上を含み得る。
【0022】
スタック12とベース18との間に他のコンポーネント及び材料が提供され得ることを指し示すために、スタック12とベース18との間に間隙が提供されている。そうした他のコンポーネント及び材料は、スタックの追加のレベル、ソース線レベル、ソース側選択ゲート(SGS)等を含み得る。
【0023】
絶縁性レベル16は絶縁性材料20を含む。絶縁性材料20は、任意の適切な組成物を含み得、幾つかの実施形態では、二酸化ケイ素を含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得る。
【0024】
導電性レベル14は導電性領域22を含む。導電性領域は、内側導電性材料24及び外側導電性材料26を含む。内側導電性材料24は、導電性コア25として構成されるとみなされ得、外側導電性材料26は、導電性コアの外周に沿って拡張する外側導電層(ライナー)27として構成されるとみなされ得る。
【0025】
導電性材料24及び26は、例えば、様々な金属(例えば、チタン、タングステン、コバルト、ニッケル、白金、ルテニウム等)、金属含有組成物(例えば、金属ケイ化物、金属窒化物、金属炭化物等)、及び/又は導電性ドープ半導体材料(例えば、導電性ドープシリコン、導電性ドープゲルマニウム等)の内の1つ以上等の任意の適切な導電性組成物を含み得る。導電性材料24及び26は、相互に組成的に異なる。幾つかの実施形態では、コア材料24は、1つ以上の金属を含み得(例えば、タングステンを含み得)、外側導電性材料26は、1つ以上の金属窒化物を含み得る(例えば、窒化チタンを含み得る)。幾つかの実施形態では、材料26は導電性ライナー材料と称され得、導電性材料24は導電性コア材料と称され得る。
【0026】
誘電体材料28は外側導電性材料26に沿う。誘電体材料28は、誘電体バリア材料であり得、任意の適切な組成物を含み得る。幾つかの実施形態では、誘電体材料28は、高k材料を含み、用語“高k”は、二酸化ケイ素の誘電率よりも大きい誘電率を意味する。幾つかの実施形態では、誘電体材料28は、AlO、HfO、HfSiO、ZrO、及びZrSiOの内の1つ以上を含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得、化学式は特定の化学量論ではなく主成分を指し示す。
【0027】
導電性レベル(ワード線レベル)14は、第1の垂直方向の厚さTを有する第1の領域30を有し、第1の垂直方向の厚さよりも厚い第2の垂直方向の厚さTを有する第2の領域(末端領域)32を有する。幾つかの実施形態では、第2の垂直方向の厚さTは、第1の垂直方向の厚さTよりも約10%~約70%の範囲内の量だけ厚い。説明する実施形態では、第1の領域30は、第2の領域32に対して凡そ垂直方向に中央にある。
【0028】
導電性レベル14は、第1の領域30を第2の領域32(すなわち、第1の領域30と第2の領域32との間)に接続するフレア遷移領域(テーパー状の遷移領域)31を有する。説明する実施形態では、材料24、26、及び28は全て、フレア遷移領域内のテーパーに沿って拡張する表面を有する。具体的には、材料28は、フレア遷移領域31のテーパーに沿った外周面33を有し、材料26は、フレア遷移領域31のテーパーに沿った外周面35を有し、材料24は、フレア遷移領域31のテーパーに沿った外周面37を有する。
【0029】
電荷遮断材料34は末端領域32に沿う。電荷遮断材料34は、スタック12を通って垂直方向に拡張する連続層として構成される。電荷遮断材料34は、任意の適切な組成物を含み得、幾つかの実施形態では、酸窒化ケイ素(SiON)を含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得、化学式は特定の化学量論ではなく主成分をリスト化する。
【0030】
電荷遮断材料34の連続層は、スタック12のレベル14及び16に隣接する第1の側壁面39を有し、第1の側壁面に対して対向する関係にある第2の側壁面41を有する。第1の側壁面39は、絶縁性レベル16に沿った第1のポケット領域43を有する起伏のあるトポグラフィ(第1の起伏のあるトポグラフィ)を有し、第2の側壁面41は、導電性レベル14に沿った第2のポケット領域45を有する起伏のあるトポグラフィ(第2の起伏のあるトポグラフィ)を有する。
【0031】
電荷遮断材料34は、誘電体バリア材料28に隣接し、誘電体バリア材料(高k材料)28によって末端領域32の導電性材料26から離隔される。
【0032】
電荷蓄積材料38は、電荷遮断材料に隣接し、垂直方向に積み重ねられたセグメント40内に配列される。セグメント40は、導電性レベル14に沿い、そうした導電性レベルの末端領域32に近接する。説明する実施形態では、電荷蓄積材料のセグメント40は、電荷遮断材料34の起伏のあるトポグラフィにより画定される第2のポケット領域45内にある。
【0033】
セグメント40(すなわち、電荷蓄積材料38のセグメント)は、間隙36によって相互に垂直方向に離隔される。電荷蓄積材料38は任意の適切な組成物を含み得る。幾つかの実施形態では、電荷蓄積材料38は、例えば、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、導電性ナノドット等の電荷トラップ材料を含み得る。実例として、幾つかの実施形態では、電荷蓄積材料38は、窒化ケイ素を含み得、本質的それからなり得、又はそれからなり得る。
【0034】
誘電体材料(すなわち、トンネル材料、ゲート誘電体材料)42は、電荷蓄積材料38に隣接する。誘電体材料42は任意の適切な組成物を含み得る。幾つかの実施形態では、誘電体材料42は、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム等の内の1つ以上を含み得る。誘電体材料42は、所望の電気的特性を達成するようにバンドギャップ設計され得、それに応じて、2つ以上の異なる材料の組み合わせを含み得る。
【0035】
チャネル材料44は、誘電体材料42に隣接し、スタック12に沿って垂直方向に拡張する。チャネル材料44は、半導体材料を含み、任意の適切な組成物又は組成物の組み合わせを含み得る。実例として、チャネル材料44は、シリコン、ゲルマニウム、III/V半導体材料(例えば、リン化ガリウム)、半導体酸化物等の内の1つ以上を含み得、用語III/V半導体材料は、周期表のIII族及びV族から選択された元素を含む半導体材料を指す(III族及びV族は、古い命名法であり、現在は13族及び15族と称される)。幾つかの実施形態では、チャネル材料44は、シリコンを含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得る。
【0036】
絶縁性材料46はチャネル材料44に隣接する。絶縁性材料46は、任意の適切な組成物を含み得、幾つかの実施形態では、二酸化ケイ素を含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得る。
【0037】
図5Aは、アセンブリ10の領域の上面図を示し、チャネル材料44が絶縁材料46を取り囲む環状リングとして構成され得ることを示す。チャネル材料の説明する構成は、環状リング形状のチャネル構成の“中空”内に絶縁性材料46が提供されるという点で、中空チャネルを含むとみなされ得る。他の実施形態(図示せず)では、チャネル材料は、中実ピラー構成として構成され得る。
【0038】
図5を再び参照すると、導電性レベル14は、チャネル材料44に近接する制御ゲート領域48を含み、制御ゲート領域に隣接するワード線(ルーティング)領域50を含むとみなされ得る。説明する実施形態では、制御ゲート領域48は末端領域32を含む。
【0039】
制御ゲート領域48、誘電体バリア材料28、電荷遮断材料34、電荷蓄積材料38、ゲート誘電体材料42、及びチャネル材料44は、メモリセル52(例えば、図1図4を参照して上に説明したものと類似するNANDメモリセル)中に組み込まれる。説明するメモリセル52は、メモリセルの垂直方向に拡張するストリングの一部分を形成する。こうしたストリングは、NANDメモリアセンブリの製造中に形成される多数の実質的なNANDストリングを表し得る(用語“実質的に同一”は、製造及び測定の合理的な許容範囲内で同一であることを意味する)。
【0040】
図5のアセンブリ10は例示的なメモリデバイスに対応するとみなされ得、そうしたメモリデバイスはメモリセル52を含む。ルーティング領域50は、メモリセルの制御ゲート48を他の回路(例えば、図1を参照して上に説明したタイプの行デコーダ回路)と電気的に結合し得る。
【0041】
特に、チャネル材料44は、図5の構成では、起伏があるのとは対照的に、“平坦”である(すなわち、実質的に垂直方向の連続的な厚さであり、実質的に垂直方向に真っ直ぐである)。平坦なチャネル材料は、幾つかの従来の設計の非平坦な構成と比較して、ストリング電流にプラスの影響を与え得る。幾つかの実施形態では、チャネル材料44の構成は、“平坦な構成”と称され得る。
【0042】
動作中、電荷蓄積材料38は、メモリセル52内に情報を蓄積するように構成され得る。個々のメモリセル内に蓄積される情報の値(用語“値”は1ビット又は複数ビットを表す)は、メモリセルの電荷蓄積領域内に蓄積された電荷の量(たとえば、電子の数)に基づき得る。個々の電荷蓄積領域内の電荷の量は、少なくとも部分的に、関連するゲート48に印加される電圧の値に基づいて、及び/又はチャネル材料44に印加される電圧の値に基づいて制御され(例えば、増加又は減少し)得る。
【0043】
トンネル材料42は、メモリセル52のトンネル領域を形成する。こうしたトンネル領域は、電荷蓄積材料38とチャネル材料44との間の電荷(例えば、電子)の所望のマイグレーション(例えば、輸送)を可能にするように構成され得る。トンネル領域は、例えば、非限定的に、等価酸化膜厚(EOT)等の選択された基準を達成するように構成(すなわち、設計)され得る。EOTは、代表的な物理的厚さの観点で、トンネル領域の電気的特性(例えば、静電容量)を定量化する。例えば、EOTは、リーク電流と信頼性の考慮事項とを無視して、所望の誘電体と同じ静電容量密度を持つ必要があるであろう理論上の二酸化ケイ素層の厚さとして定義され得る。
【0044】
電荷遮断材料34は、電荷蓄積材料38に隣接し、電荷が電荷蓄積材料38から関連するゲート48に流れるのを遮断するメカニズムを提供し得る。
【0045】
誘電体バリア材料28は、電荷遮断材料34と関連するゲート48との間に提供され、ゲート48から電荷蓄積材料38に向かう電荷キャリアの逆トンネリングを抑制するために利用され得る。幾つかの実施形態では、誘電体バリア材料28は、メモリセル52内に誘電体バリア領域を形成するとみなされ得る。
【0046】
図5の実施形態は、絶縁性レベル14全体に渡って絶縁性材料20を有する。他の実施形態では、絶縁性レベル内にボイドがあり得る。
【0047】
図5の例示的なメモリデバイス10は、任意の適切な処理を用いて形成され得る。例示的な処理は、図6図19を参照して説明される。
【0048】
図6を参照すると、構築物(集積アセンブリ、集積構造体)10は、交互の第1及び第2のレベル14及び16の垂直スタック12を含む。第1のレベル14は第1の材料60を含み、第2のレベル16は第2の材料20(図5を参照して上に説明した同じ材料20)を含む。第1及び第2の材料は、任意の適切な組成物を含み得、相互に異なる組成物のものである。幾つかの実施形態では、第1の材料60は、窒化ケイ素を含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得、第2の材料20は、二酸化ケイ素を含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得る。レベル14及び16は、任意の適切な厚さのものであり得、相互に同じ厚さであり得、又は相互に異なる厚さであり得る。幾つかの実施形態では、レベル14及び16は、約10ナノメートル(nm)~約400nmの範囲内の垂直方向の厚さを有し得る。幾つかの実施形態では、レベル14及び16は、約10nm~約50nmの範囲内の厚さを有し得る。
【0049】
スタック12は、ベース18の上方で支持されることが示されている。
【0050】
図7を参照すると、開口部64は、スタック12を通って拡張するように形成される。開口部64は、第1及び第2の材料60及び20に沿って拡張する側壁65を有する。開口部64は、上から見た場合に、閉鎖された形状(円形、楕円形、多角形等)を有し得、図6の断面図に示す側壁65は、開口部64の閉鎖された形状の周囲に拡張する単一の連続した側壁の一部であり得る。開口部64は、図6のプロセス段階で形成された多数の実質的に同一の開口部を表し得、メモリアレイ(例えば、NANDアーキテクチャ)のメモリセルを製造するために利用され得、用語“実質的に同一”は、製造及び測定の合理的な許容範囲内で同一であることを意味する。
【0051】
図8を参照すると、第2のレベル16は、空洞62を形成するように第1のレベル14に対して凹んでいる。第2のレベル16は、任意の適切な量だけ凹み得、幾つかの実施形態では、約3nm~約25nmの範囲内の量まで凹み得る。第1のレベル14は、凹んだ第2のレベル16を越えて拡張する突出した末端63を有する。空洞62は、凹んだ第2のレベル16に沿い、突出した末端63間に垂直方向にある。
【0052】
第3の材料66は、突出した末端63の周囲及び空洞62内に拡張するように形成される。第3の材料66は空洞62を狭める。第3の材料66は、任意の適切な組成物を含み得、幾つかの実施形態では、二酸化ケイ素を含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得る。第3の材料66は、任意の適切な厚さを含み得、幾つかの実施形態では、約3nm~約25nmの範囲内の厚さを有し得る。第3の材料は、レベル14及び16に沿ってコンフォーマルに堆積され、任意の適切な方法(例えば、原子層堆積、化学気相成長等)を用いて堆積され得る。
【0053】
図9を参照すると、狭められた空洞62内に第4の材料68が形成される。第4の材料は、任意の適切な組成物を含み得、幾つかの実施形態では、シリコン(例えば、多結晶シリコン及びアモルファスシリコンの内の一方又は両方)を含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得る。
【0054】
第4の材料68は、堆積され、その後、第4の材料68及び第の材料66が開口部64の内側に沿って実質的に平坦な垂直面67を共に形成するようにエッチングされ得る。
【0055】
図10を参照すると、第3の材料66の領域は、第1のレベル14の突出した末端63を露出し、第2のレベル16に沿って突出した構造体70を残すために除去される。突出した構造体70は、介在する間隙72によって、突出した末端63から垂直方向に離隔される。
【0056】
図11を参照すると、第4の材料68(図10)は酸化される。説明する実施形態では、第4の材料68(図10)はシリコンを含み、酸化はそれを二酸化ケイ素に変換し、それは第3の材料66の二酸化ケイ素と融合する。それに応じて、突出した構造体70は、図11の処理段階において二酸化ケイ素66を含み得、本質的にそれからなり得、又はそれからなり得る。
【0057】
図12を参照すると、追加の第1の材料60は、突出した末端63の周囲、突出した構造体70の周囲、及び介在する間隙72内に拡張するように形成される。追加の第1の材料60は、第1のレベル14の材料60と融合するであろうが、追加の第1の材料60を読者が視覚するのを支援するために、第1のレベルの材料60とは別個に示されている。
【0058】
図13を参照すると、追加の第1の材料60の大部分は、電荷遮断材料34に変換される。そうした変換は、電荷遮断材料34の酸窒化ケイ素を形成するための、材料60の窒化ケイ素の酸化を含み得る。酸化は、任意の適切な酸化剤を利用し得、例えば、HO、O、O、H等を含む。特に、介在する間隙72内の深部にある追加の第1の材料60の領域は、酸化剤が追加の第1の材料60のそうした領域に到達することを妨げる幾何学的制約(及び/又はその他の理由)に起因して電荷遮断材料34に変換されない。介在する間隙72内に残る材料60の領域は、非変換領域76とみなされ得る。
【0059】
非変換領域76は、第1のレベル14の突出した末端63の表面に直接接触し、第1のレベル14と同じ材料(60)を含む。図14は、図13と同じ処理段階を示すが、突出した末端63と融合した非変換領域76を示している。
【0060】
電荷遮断材料34は、スタック12を通って垂直方向に拡張し、第1のレベル14に沿ったポケット領域(ポケット)45を画定する起伏のあるトポグラフィを有するエッジ41を有する。幾つかの実施形態では、電荷遮断材料34のエッジ41は、開口部64の内側に沿うので、内側エッジと称され得る。
【0061】
図15を参照すると、電荷蓄積材料38はポケット45内に形成される。電荷蓄積材料38は、堆積され、その後、電荷蓄積材料38及び電荷遮断材料34が開口部64の内側に沿って実質的に平坦な垂直面77を共に形成するようにエッチングされ得る。電荷蓄積材料38のエッチングは、任意の適切な条件及びエッチャントを利用し得、幾つかの実施形態では、そうしたエッチングはリン酸を利用し得る。
【0062】
図16を参照すると、誘電体材料42は、実質的に平坦な垂直面77に沿って形成され、チャネル材料44は、誘電体材料42に隣接して形成され、絶縁性材料46は、チャネル材料44に隣接して形成される。
【0063】
図17を参照すると、第1の材料60(図16)は、第1のレベル14に沿ってボイド78を残すために除去される。第1の材料60は、任意の適切な条件及びエッチャントを用いて除去され得、幾つかの実施形態では、そうした除去はリン酸を利用し得る。
【0064】
図18を参照すると、誘電体バリア材料28、導電性材料26、及び導電性材料24がボイド78(図17)内に形成される。材料28は、ボイド78をまずライニングするために提供され得、その後、材料26は、ボイドを更にライニングするために提供され得、最後に、材料24は、ライニングされたボイドを充填するために提供され得る。
【0065】
図18の第1のレベル16は、図5を参照して上に説明したものに類似した導電性レベルである。
【0066】
第2のレベル16に沿った材料66及び20は、相互に同じ組成物を含み得(例えば、二酸化ケイ素を共に含み得)、それに応じて、そうした材料は、図19に示すように、融合し得、単一の材料20であるように表され得る。図19の構築物10は、図5を参照して上に説明したものと同一であり、したがって、垂直方向に積み重ねられたメモリセル52を含むメモリデバイスであるとみなされ得る。
【0067】
本明細書に説明する実施形態は、ゲート長(すなわち、制御ゲート48の末端領域の垂直方向の厚さT)を調整するために利用され得る方法を有利に提供し、そうしたゲート長は、メモリセル(すなわち、メモリセル52)内の蓄積ノード(すなわち、電荷蓄積材料38のセグメント40)の長さ以上である。そうしたものは、メモリセルと関連付けられる所望の広さのプログラム/消去ウィンドウを可能にし得る。更に、ルーティング領域(ワード線領域)50は、(制御ゲートと比較して)比較的狭く保たれ得、このことは、垂直方向に隣接するルーティング領域間の望ましくない寄生容量を軽減し得る。幾つかの実施形態では、ボイドは、垂直方向に隣接するルーティング領域50間の望ましくない寄生容量を更に軽減するために、第2のレベル16に沿って提供され得る。
【0068】
上で論じたアセンブリ及び構造体は、集積回路内で利用され得(用語“集積回路”は、半導体基板により支持される電子回路を意味する)、電子システム中に組み込まれ得る。そうした電子システムは、例えば、メモリモジュール、デバイスドライバ、パワーモジュール、通信モデム、プロセッサモジュール、及びアプリケーション固有のモジュールで使用され得、多層、マルチチップモジュールを含み得る。電子システムは、例えば、カメラ、無線デバイス、ディスプレイ、チップセット、セットトップボックス、ゲーム、照明、車両、時計、テレビ、携帯電話、パーソナルコンピュータ、自動車、産業用制御システム、航空機等の広範囲のシステムの内の何れかであり得る。
【0069】
特に明記しない限り、本明細書で説明する様々な材料、物質、組成物等は、例えば、原子層堆積(ALD)、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)等を含む、現在知られている、又はまだ開発されていない任意の適切な方法論を用いて形成され得る。
【0070】
用語“誘電性”及び“絶縁性”は、絶縁性の電気的特性を有する材料を説明するために利用され得る。この開示では、該用語は同義語とみなされる。幾つかの実例での用語“誘電性”の利用、及び他の実例での用語“絶縁性”(又は“電気的に絶縁性”)の利用は、後続する特許請求の範囲内の先行詞を単純化するために、この開示内の言語のバリエーションを提供するものであり得、化学的又は電気的な何らかの重要な相違を指し示すために利用されない。
【0071】
用語“電気的に接続された”及び“電気的に結合された”は、この開示において両方とも利用され得る。該用語は同義語とみなされる。幾つかの実例での一方の用語の利用、及び他の実例での他方の用語の利用は、以下の特許請求の範囲内の先行詞を単純化するために、この開示内の言語のバリエーションを提供するものであり得る。
【0072】
図面中の様々な実施形態の特定の向きは、説明の目的のみのためのものであり、幾つかの用途では、実施形態は、示された向きに対して回転させられ得る。本明細書で提供される説明及び後続する特許請求の範囲は、構造体が図面の特定の向きにあるか、それとも、そうした向きに対して回転されるかに関係なく、様々な機構間の説明された関係を有する任意の構造体に関係する。
【0073】
添付の例証の断面図は、断面の平面内の機構のみを示しており、図面を簡略化するために、特に明記しない限り、断面の平面の背後にある材料を示していない。
【0074】
構造体が別の構造体に対して“上”、“隣接”、又は“接触(against)”であると上で言及される場合、それは、別の構造上に直接あり得、又は介在する構造体も存在し得る。対照的に、構造体が別の構造体に対して“直接上”、“直接隣接”、又は“直接接触(directly against)”であると言及される場合、介在する構造体は存在しない。用語“真下”、“真上”等は、(特に明記されていない限り)直接の物理的接触を指し示すのではなく、直立した位置合わせを指し示す。
【0075】
構造体(例えば、層、材料等)は、構造体が一般的に、下にあるベース(例えば、基板)から上向きに拡張することを指し示すために“垂直方向に拡張する”と称され得る。垂直方向に拡張する構造体は、ベースの上面に対して実質的に直交して拡張してもよく、しなくてもよい。
【0076】
幾つかの実施形態は、交互の絶縁性レベル及び導電性レベルの垂直スタックを有する集積構造体を含む。導電性レベルは、第1の垂直方向の厚さの第1の領域を有し、第1の垂直方向の厚さよりも厚い第2の垂直方向の厚さの末端領域を有し、第1の領域と末端領域との間にフレア遷移領域を有する。電荷遮断材料は末端領域に隣接する。電荷蓄積材料は電荷遮断材料に隣接し、垂直方向に積み重ねられたセグメント内に配列される。セグメントは導電性レベルに沿い、間隙によって相互に垂直方向に離隔される。誘電体材料は電荷蓄積材料に隣接する。チャネル材料は誘電体材料に隣接する。
【0077】
幾つかの実施形態は、交互の絶縁性レベル及び導電性レベルの垂直スタックを有するメモリデバイスを含む。メモリセルは導電性レベルに沿う。導電性レベルは、第1の垂直方向の厚さを含む制御ゲート領域を有し、第1の垂直方向の厚さより薄い第2の垂直方向の厚さを含むルーティング領域を有し、第1の垂直方向の厚さと第2の垂直方向の厚さとの間のテーパー状の遷移領域を有する。電荷遮断材料は制御ゲート領域に隣接する。電荷蓄積材料は電荷遮断材料に隣接する。誘電体材料は電荷蓄積材料に隣接する。チャネル材料は、垂直スタックに沿って垂直方向に拡張し、誘電体材料に隣接する。メモリセルは、制御ゲート領域を含み、電荷遮断材料、電荷蓄積材料、誘電体材料、及びチャネル材料の領域を含む。
【0078】
幾つかの実施形態は、集積構造体を形成する方法を含む。交互の第1レベル及び第2レベルの垂直スタックが形成される。第1レベルは第1材料を含み、第2レベルは第2材料を含む。スタックを通って拡張するように開口部が形成される。第2のレベルは、第1のレベルに対して凹む。第1レベルは、凹んだ第2レベルを越えて拡張する突出した末端を有する。空洞は、凹んだ第2レベルに沿い、突出した末端間に垂直方向にある。第3の材料は、突出した末端の周囲及び空洞内に拡張するように形成される。第3の材料は空洞を狭める。第4の材料は、狭められた空洞内に形成される。第3の材料の領域は、第2のレベルに沿って、突出した構造体を残すために除去される。突出した構造体は第4の材料を含む。突出した構造体は、介在する隙間によって、突出した末端から垂直方向に離隔される。追加の第1の材料は、突出した末端の周囲及び突出した構造体の周囲に拡張し、介在する間隙中に拡張するように形成される。追加の第1の材料の大部分は、電荷遮断材料に変換される。介在する間隙内の追加の第1の材料の領域は非変換領域である。非変換領域は、突出した末端の表面に直接隣接する。電荷遮断材料は、スタックを通って垂直方向に拡張し、第1のレベルに沿ったポケットを画定する起伏のあるトポロジを有するエッジを有する。ポケット内に電荷蓄積材料が形成される。電荷蓄積材料及び電荷遮断材料は、実質的に平坦な表面を共に形成する。誘電体材料は、実質的に平坦な表面に沿って形成される。チャネル材料は、誘電体材料に隣接して形成される。第1のレベルの第1の材料及び非変換領域は、ボイドを残すために除去される。ボイド内に導電性材料が形成される。
【0079】
法令に準拠して、本明細書に開示される主題は、構造的及び系統的機構に関して多かれ少なかれ具体的な言語で説明されている。しかしながら、本明細書に開示される手段は例示的な実施形態を含むので、特許請求の範囲は、示され説明される特定の機構に限定されないことは理解されるべきである。特許請求の範囲は、したがって、文字通りの言葉で全範囲を与えられ、均等論に従って適切に解釈されるべきである。
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