(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20240122BHJP
F24F 11/83 20180101ALI20240122BHJP
【FI】
F25B1/00 304S
F25B1/00 371F
F24F11/83
(21)【出願番号】P 2022550077
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2020034967
(87)【国際公開番号】W WO2022059076
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲田 裕治
(72)【発明者】
【氏名】三浦 賢
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-075402(JP,A)
【文献】特開2016-211780(JP,A)
【文献】特開平09-264616(JP,A)
【文献】特開平05-236777(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0155369(US,A1)
【文献】特許第6479205(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 ー 11/83
F25B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、室外熱交換器と、室外送風機と、室外膨張弁と、前記圧縮機の動作を制御する
能力演算部とを有する室外ユニットと、
室内膨張弁を有する膨張弁キットと、
室内熱交換器と、室内送風機とを有する少なくとも一つのエアハンドリングユニットと、
前記室内膨張弁を動作させるコントローラと、を備え、
前記
能力演算部もしくは前記コントローラは、
所定のパラメータ値が第1の閾値と前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値とで規定される範囲内にない場合、前記室内膨張弁の開度と前記開度の変更周期もしくは前記圧縮機の運転周波数と前記運転周波数の変更周期をそれぞれ調整
し、
前記パラメータ値は、前記室内送風機から吹き出される空気の温度と前記室内送風機から吹き出される空気の目標温度との温度差を前記開度の変更周期もしくは前記運転周波数の変更周期で除した値、あるいは前記室内送風機で吸い込まれる空気の温度と前記室内送風機で吸い込まれる空気の目標温度との温度差を前記開度の変更周期もしくは前記運転周波数の変更周期で除した値である
空気調和機。
【請求項2】
前記パラメータ値が前記第1の閾値を超えている場合、前記
能力演算部もしくは前記コントローラは、前記室内膨張弁の開度を上げるとともに、前記開度の変更周期を短縮させ、
前記パラメータ値が前記第2の閾値未満である場合、前記
能力演算部もしくは前記コントローラは、前記室内膨張弁の開度を下げるとともに、前記開度の変更周期を延長させる
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記
能力演算部は、前記室内膨張弁の開度と前記開度の変更周期をそれぞれ調整する指令を前記コントローラに付与し、前記コントローラは、前記指令を受けて前記室内膨張弁の開度と前記開度の変更周期をそれぞれ調整する
請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記パラメータ値が前記第1の閾値を超えている場合、前記
能力演算部もしくは前記コントローラは、前記圧縮機の運転周波数を上げるとともに、前記運転周波数の変更周期を短縮させ、
前記パラメータ値が前記第2の閾値未満である場合、前記
能力演算部もしくは前記コントローラは、前記圧縮機の運転周波数を下げるとともに、前記運転周波数の変更周期を延長させる
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記コントローラは、前記圧縮機の運転周波数と前記運転周波数の変更周期をそれぞれ調整する指令を前記
能力演算部に付与し、前記
能力演算部は、前記指令を受けて前記圧縮機の運転周波数と前記運転周波数の変更周期をそれぞれ調整する
請求項4に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記エアハンドリングユニットもしくは前記室外ユニットは、前記室内膨張弁の開度と前記開度の変更周期もしくは前記圧縮機の運転周波数と前記運転周波数の変更周期を、前記
能力演算部もしくは前記コントローラのいずれで調整するかを設定する第1の設定部を有する
請求項1から
5のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記エアハンドリングユニットもしくは前記室外ユニットは、前記室内膨張弁の開度と前記開度の変更周期の調整もしくは前記圧縮機の運転周波数と前記運転周波数の変更周期の調整のいずれの調整を行うかを設定する第2の設定部を有する
請求項1から
5のいずれか一項に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エアハンドリングユニットが膨張弁キットを介して室外ユニットと接続された空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
エアハンドリングユニットが膨張弁キットを介して室外ユニットと接続されて冷媒の冷凍サイクルを構成し、所定空間の空調を行う空気調和機が知られている。エアハンドリングユニットは、主たる要素として送風機(室内ファン)と熱交換器と各種センサを備えているが、冷媒の膨張装置は備えていない。膨張弁キットは、エアハンドリングユニットの空調能力を制御するためのオプション機器であり、エアハンドリングユニットの熱交換器と配管接続される膨張弁を備え、所定の制御ユニット(インターフェースコントローラ)によって動作制御される。制御ユニットは、エアハンドリングユニットのセンサが検出した室内ファンの吹出温度などの検出データに基づいて膨張弁キットの膨張弁を動作させ、エアハンドリングユニットの能力制御を行う。
【0003】
かかる空気調和機においては、エアハンドリングユニットが膨張弁キットおよび室外ユニットとは別の第三者製である場合がある。このように製造者が異なる機器が混在している場合であっても、冷凍サイクルの挙動を安定させ、空気調和機を適切に運転させることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、これを踏まえてなされたものであり、その目的は、エアハンドリングユニットが膨張弁キットを介して室外ユニットと接続されてなる冷凍サイクルの挙動を安定させることが可能な空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、空気調和機は、室外ユニットと、膨張弁キットと、少なくとも一つのエアハンドリングユニットと、コントローラとを備える。前記室外ユニットは、圧縮機と、室外熱交換器と、室外送風機と、室外膨張弁と、前記圧縮機の動作を制御する能力演算部とを有する。前記膨張弁キットは、室内膨張弁を有する。前記エアハンドリングユニットは、室内熱交換器と室内送風機とを有する。前記コントローラは、前記室内膨張弁を動作させる。前記能力演算部もしくは前記コントローラは、所定のパラメータ値が第1の閾値と前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値で規定される範囲内にない場合、前記膨張弁の開度と前記開度の変更周期もしくは前記圧縮機の運転周波数と前記運転周波数の変更周期をそれぞれ調整する。前記パラメータ値は、前記室内送風機から吹き出される空気の温度と前記室内送風機から吹き出される空気の目標温度との温度差を前記開度の変更周期もしくは前記運転周波数の変更周期で除した値、あるいは前記室内送風機で吸い込まれる空気の温度と前記室内送風機で吸い込まれる空気の目標温度との温度差を前記開度の変更周期もしくは前記運転周波数の変更周期で除した値である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す回路図である。
【
図2】第1の実施形態および第2の実施形態に係る空気調和機におけるエアハンドリングユニットの能力制御時の制御フロー図である。
【
図3】第3の実施形態および第4の実施形態に係る空気調和機におけるエアハンドリングユニットの能力制御時の制御フロー図である。
【
図4】第5の実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す回路図である。
【
図5】第5の実施形態に係る空気調和機におけるエアハンドリングユニットの能力制御時の制御フロー図の一例である。
【
図6】第5の実施形態に係る空気調和機におけるエアハンドリングユニットの能力制御時の制御フロー図の別例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る空気調和機1の構成を概略的に示す回路図である。
図1に示すように、空気調和機1は、室外ユニット2と、エアハンドリングユニット3と、膨張弁キット4と、インターフェースコントローラ(以下、単にコントローラという)5とを備えている。室外ユニット2とエアハンドリングユニット3とは、膨張弁キット4を介して冷媒を循環させる流路6で接続されている。コントローラ5は、室外ユニット2、エアハンドリングユニット3、膨張弁キット4とそれぞれ有線もしくは無線で接続され、これらの各要素との間で動作制御のためのデータ通信を行う。
【0009】
室外ユニット2は、主たる要素として、圧縮機2a、オイルセパレータ2b、逆止弁2c、四方弁2d、熱交換器(以下、室外熱交換器という)2e、送風機(以下、室外ファンという)2f、膨張弁(以下、室外膨張弁という)2g、アキュムレータ2h、サクションカップ2iを備えている。室外ファン2f以外の各要素は、順次配管接続され、膨張弁キット4を経由してエアハンドリングユニット3に繋がる流路6にそれぞれ配置されている。室外ファン2fは、室外熱交換器2eに隣接して配置されている。
【0010】
また、室外ユニット2は、能力演算部2j、設定部2kを備えている。
能力演算部2jは、CPU、メモリ、記憶装置(不揮発メモリ)、入出力回路、タイマなどを含み、所定の演算処理を実行する。例えば、能力演算部2jは、室外ユニット2の各要素の動作を制御するとともに、コントローラ5と連携してエアハンドリングユニット3および膨張弁キット4の動作を制御する。具体的には、能力演算部2jは、圧縮機2aの運転周波数や後述する膨張弁キット4の室内膨張弁4aの開閉動作を直接的に制御可能である。なお、室内膨張弁4aの開閉動作を制御する際、能力演算部2jは、当該制御の実行指令を後述するコントローラ5の制御部5aに付与し、制御部5aを介して室内膨張弁4aの開閉動作を間接的に制御することで、室内膨張弁4aの開度を調整してもよい。
【0011】
設定部2kは、第1の設定部21kと第2の設定部22kを有する。第1の設定部21kは、後述する室内膨張弁4aの開閉動作の制御、具体的には室内膨張弁4aの開度と該開度の変更周期を能力演算部2jもしくは制御部5aのいずれで行うかを設定する。第2の設定部22kは、室内膨張弁4aの開度と該開度の変更周期の調整、もしくは圧縮機2aの運転周波数と該運転周波数の変更周期の調整のいずれの調整を行うかを設定する。これらの設定部21k,22kは、例えば筐体21の扉(図示省略)を開けた際に外部に臨む操作用のパネル、スイッチ、ボタン、表示用のディスプレイなどで構成される。なお、第1の設定部21kと第2の設定部22kは、互いの機能を兼ねた一つの構成であってもよいし、それぞれが独立した構成であってもよい。また、設定部2kは、後述するエアハンドリングユニット3の設定部3dと択一的に備えられていてもよく、設定部3dが在している場合には省略可能である。
【0012】
エアハンドリングユニット3は、主たる要素として、熱交換器(以下、室内熱交換器という)3a、送風機(以下、室内ファンという)3b、検出部3c、設定部3dを備えている。なお、
図1には、一例としてエアハンドリングユニット3を一つのみ示すが、エアハンドリングユニット3は複数であってもよい。室内熱交換器3aは、膨張弁キット4を経由して室外ユニット2に繋がる流路6をなす筐体31内の配管上に配置されている。室内ファン3bは、筐体31内で室内熱交換器3aに隣接して配置されている。筐体31は、エアハンドリングユニット3の外郭を規定する。検出部3cは、エアハンドリングユニット3において次のような各対象の温度を検出する要素であり、例えばサーミスタなどの温度センサである。
【0013】
図1に示す例では、検出部3cは、四つの検出部31c,32c,33c,34cを含んでいる。第1の検出部31cは、室内ファン3bに近接して配置され、室内熱交換器3aでの熱交換により温調されて室内ファン3bから吹き出される空気の温度(以下、吹出温度という)を検出する。第2の検出部32cは、室内熱交換器3aの液冷媒側の流路6に配置され、室内熱交換器3aに対して流入もしくは流出する液冷媒の温度(以下、液冷媒温度という)を検出する。第3の検出部33cは、室内熱交換器3aのガス冷媒側の流路6に配置され、室内熱交換器3aに対して流入もしくは流出するガス冷媒の温度(以下、ガス冷媒温度という)を検出する。第4の検出部34cは、第2の検出部32cと第3の検出部33cの間の流路6に配置され、その間における冷媒の温度(以下、中間冷媒温度という)を検出する。各検出部31c,32c,33c,34cは、後述するコントローラ5の制御部5aに検出した温度の値をそれぞれ付与する。
【0014】
設定部3dは、第1の設定部31dと第2の設定部32dを有する。第1の設定部31dは、後述する膨張弁キット4の室内膨張弁4aの開閉動作の制御、具体的には室内膨張弁4aの開度と該開度の変更周期を、能力演算部2jもしくは後述するコントローラ5の制御部5aのいずれで行うかを設定する。第2の設定部32dは、室内膨張弁4aの開度と該開度の変更周期の調整、もしくは圧縮機2aの運転周波数と該運転周波数の変更周期の調整のいずれの調整を行うかを設定する。これらの設定部31d,32dは、例えば操作用のパネル、スイッチ、ボタン、表示用のディスプレイなどを含むエアハンドリングユニット3のリモートコントローラである。なお、第1の設定部31dと第2の設定部32dは、互いの機能を兼ねた一つの構成であってもよいし、それぞれが独立した構成であってもよい。また、設定部3dは、室外ユニット2の設定部2kと択一的に備えられていてもよく、設定部2kが在している場合には省略可能である。
【0015】
膨張弁キット4は、主たる要素として、膨張弁(以下、室内膨張弁という)4aを備えている。上述したとおり、エアハンドリングユニット3は、室内熱交換器3aおよび室内ファン3bを備えているが、その空調能力を制御するための膨張弁を備えていない。このため、膨張弁キット4は、かかるエアハンドリングユニット3の空調能力を制御するためのオプション機器として空気調和機1に備えられている。室内膨張弁4aは、筐体41内で室外ユニット2とエアハンドリングユニット3との間に配管接続され、これらユニット2,3を繋ぐ流路6に配置される。筐体41は、膨張弁キット4の外郭を規定する。
【0016】
コントローラ5は、室外ユニット2、エアハンドリングユニット3および膨張弁キット4の動作を制御する。また、コントローラ5は、室外ユニット2、エアハンドリングユニット3および膨張弁キット4の動作を制御するための指令を室外ユニット2に付与可能とされている。コントローラ5は、かかる制御を実行する制御部5aを備えている。制御部5aは、CPU、メモリ、記憶装置(不揮発メモリ)、入出力回路、タイマなどを含み、所定の演算処理を実行する。例えば、制御部5aは、エアハンドリングユニット3の検出部3cの動作を制御するとともに、検出部3cから取得した各温度値を解析する。解析結果に基づいて、制御部5aは、室内膨張弁4aの開閉動作の制御、圧縮機2aの運転周波数の制御などを行う。室内膨張弁4aの開閉動作を制御する際、制御部5aは、自身の実行指令により当該制御を実行可能であり、あるいは能力演算部2jからの実行指令に応じて当該制御を実行することも可能である。また、圧縮機2aの運転周波数を制御する際、制御部5aは、当該制御の実行指令を室外ユニット2の能力演算部2jに付与し、能力演算部2jを介して圧縮機2aの駆動を制御し、運転周波数を調整する。
【0017】
次に、本実施形態に係る空気調和機1の運転時におけるエアハンドリングユニット3の能力制御の一例について、制御部5aの制御フローに従って説明する。
図2には、エアハンドリングユニット3の能力制御時における制御部5aの制御フローを示す。
図2に示すように、空気調和機1が運転開始されると、制御部5aは、検出部3cに温度検出を開始させ、検出結果(温度値)を取得する(S101)。具体的には、制御部5aは、各検出部31c,32c,33c,34cを動作させ、吹出温度、液冷媒温度、ガス冷媒温度、中間冷媒温度の検出値を取得する。
【0018】
次いで、制御部5aは、エアハンドリングユニット3の能力判定可否条件を判定する。能力可否判定条件は、エアハンドリングユニット3の空調能力を適切に判定可能な状態であるか否かの判定条件であり、空気調和機1が運転開始から基準時間に亘って継続して運転されているか否かによって判定される。空気調和機1の運転開始後、基準時間が経過するまでは、空気調和機1の運転状態が安定せず、エアハンドリングユニット3の空調能力を適切にサンプリングできない可能性がある。このため、基準時間は、エアハンドリングユニット3の空調能力を適切に判定可能となるのに要する空気調和機1の継続運転時間として予め設定されている。基準時間は、例えば制御部5aの記憶装置に格納され、能力判定可否条件の判定時にメモリに読み出される。基準時間の値は、空気調和機1の性能などに応じて任意に設定可能であり、例えば10分程度である。
【0019】
能力判定可否条件の判定にあたって、制御部5aは、空気調和機1の運転時間(t)を基準時間(t0)と比較し、運転時間が基準時間以上(t≧t0)であるか否かを判定する(S102)。運転時間は、運転開始から能力判定可否条件の判定時までの経過時間である。制御部5aは、運転時間が基準時間以上(t≧t0)となるまで、能力判定可否条件の判定を繰り返す。
【0020】
運転時間が基準時間以上となると、制御部5aは、エアハンドリングユニット3の能力判定条件を判定する。能力判定条件は、空気調和機1の運転時におけるエアハンドリングユニット3の空調能力を判定するための条件であり、能力判定条件パラメータに応じて判定される。能力判定条件パラメータは、吹出温度(TF)と目標吹出温度(TFO)との温度差の所定時間(tn)当たりの変化量((TF-TFO)/tn)の値である。吹出温度(TF)は、第1の検出部31cによって検出され、制御部5aに付与されている。目標吹出温度(TFO)は、エアハンドリングユニット3において温調されて吹き出される空気の目標温度であり、最終的には設定された室内温度に相当する。目標吹出温度(TFO)の値は、例えば設定部3dを介してユーザによって設定され、制御部5aのメモリに保持されている。吹出温度と目標吹出温度との温度差(TF-TFO)は、絶対値である。所定時間(tn)は、エアハンドリングユニット3の能力判定の時間間隔、つまり能力判定条件の判定間隔(サンプリングタイム)として予め設定されている。サンプリングタイム(tn)は、例えば制御部5aの記憶装置に格納され、能力判定条件の判定時にメモリに読み出される。かかるサンプリングタイムは、エアハンドリングユニット3の能力などに応じて任意に設定可能であり、例えば基準時間を超えない程度、1分から10分程度の初期値に設定される。
【0021】
能力判定条件の判定にあたっては、二つの閾値を用いる。第1の閾値(X)は、能力判定条件パラメータの上限を規定する値として予め設定されている。第2の閾値(Y)は、能力判定条件パラメータの下限を規定する値として予め設定されている。第1の閾値および第2の閾値は、例えば制御部5aの記憶装置に格納され、能力判定条件の判定時にメモリに読み出される。これらの閾値は、エアハンドリングユニット3の空調能力などに応じて任意に設定可能であり、例えば第1の閾値は10℃程度、第2の閾値は3℃程度である。
【0022】
能力判定条件の判定にあたって、制御部5aは、能力判定条件パラメータ((TF-TFO)/tn)の値を算出し、算出値を第1の閾値(X)と比較する。例えば、制御部5aは、能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている((TF-TFO)/tn>X)か否かを判定する(S103)。
【0023】
能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている場合、制御部5aは、室内膨張弁4aの開度変更量(ΔPLS)を上げ、該開度変更量に応じて室内膨張弁4aの開度を調整する(S104)。これにより、室内膨張弁4aの開度が調整前よりも大きくなる。室内膨張弁4aの開度変更量は、室内膨張弁4aの開き具合を示す尺度であり、能力判定条件パラメータの値に応じて変動する変動値である。例えば、能力判定条件パラメータの値が大きいほど、開度変更量が大きくなればよい。開度変更量の値は、例えば能力判定条件パラメータの値と紐付けてテーブル化されて制御部5aの記憶装置に格納され、開度変更量の調整時にメモリに読み出される。
【0024】
続けて、制御部5aは、サンプリングタイム(tn)を短縮させる。例えば、制御部5aは、今回の能力判定条件の判定時のサンプリングタイム(tn)を、前回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn-1)よりも所定時間(α)だけ短縮させる(tn=tn-1-α)(S105)。サンプリングタイム(tn)は、能力判定条件を次に判定するまでの時間間隔であり、室内膨張弁4aの開度の変更周期、本実施形態では開度変更量(ΔPLS)の変更周期に相当する。所定時間(α)は、サンプリングタイム(tn)の調整時間であり、エアハンドリングユニット3の空調能力などに応じて任意に設定可能である。かかる調整時間(α)は、例えばサンプリングタイムの10%程度の値であり、サンプリングタイムが1分から10分程度であれば、0.1分から1分程度である。
【0025】
これに対し、S103において能力判定条件パラメータの値が第1の閾値以下((TF-TFO)/tn≦X)である場合、制御部5aは、能力判定条件パラメータの値を第2の閾値(Y)と比較する。例えば、制御部5aは、能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満((TF-TFO)/tn<Y)であるか否かを判定する(S106)。
【0026】
能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満である場合、制御部5aは、室内膨張弁4aの開度変更量(ΔPLS)を下げ、該開度変更量に応じて室内膨張弁4aの開度を調整する(S107)。これにより、室内膨張弁4aの開きが調整前よりも小さくなる。室内膨張弁4aの開度変更量は、例えば、能力判定条件パラメータの値が小さいほど、変更量が小さくなればよい。
【0027】
続けて、制御部5aは、サンプリングタイム(tn)を延長させる。例えば、制御部5aは、今回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn)を、前回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn-1)よりも調整時間(α)だけ延長させる(tn=tn-1+α)(S108)。なお、ここでは、調整時間(α)をサンプリングタイム(tn)の短縮時(S105)の値と一致させているが、異ならせてもよい。
【0028】
これに対し、S106において能力判定条件パラメータの値が第2の閾値以上((TF-TFO)/tn≧Y)である場合、制御部5aは、空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されているか否かを判定する(S109)。例えば、制御部5aは、空気調和機1の運転時間がサンプリングタイム以上(t≧tn)であるか否かを判定する。この場合、能力判定条件の判定にあたって、能力判定条件パラメータの値が第2の閾値以上、かつ第1の閾値以下である場合に相当する。この場合には、室内膨張弁4aの開度変更量(ΔPLS)は調整されずに維持され、サンプリングタイムは前回の能力判定時の値に維持される。
【0029】
また、S105においてサンプリングタイム(tn)を短縮させると、あるいはS108においてサンプリングタイム(tn)を延長させると、制御部5aは、同様の判定を行う(S109)。
【0030】
空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されると、制御部5aは、再びエアハンドリングユニット3の能力判定条件を判定する(S103)。その際、制御部5aは、空気調和機1の運転時間(t)をゼロリセットする(t=0)(S110)。そして、能力判定条件の判定結果に応じて、制御部5aは、以降の処理(S104~S108)を適宜繰り返す。
【0031】
これに対し、空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されるまでの間、制御部5aは、空気調和機1の運転停止条件を判定する(S111)。運転停止条件は、空気調和機1を運転停止させるか否かの判定条件であり、例えば、制御部5aが空気調和機1の運転停止を示す信号を受信したか否かなどに応じて判定される。運転停止を示す信号は、例えば室外ユニット2の設定部2kやエアハンドリングユニット3の設定部3dから作業者やユーザが運転停止を選択することで発信される。
【0032】
運転停止条件が成立しない場合、制御部5aは、空気調和機1がサンプリングタイムに亘って継続して運転されている(t≧tn)か否かの判定を繰り返す(S109)。
一方、運転停止条件が成立する場合、制御部5aは、空気調和機1の運転を停止する(S112)。
すなわち、空気調和機1が運転されている間、エアハンドリングユニット3の能力制御を実行するための一連の処理が繰り返される。そして、空気調和機1が運転停止されると、エアハンドリングユニット3の能力制御を実行するための一連の処理も終了する。
【0033】
このように本実施形態によれば、能力判定条件パラメータ((TF-TFO)/tn)の値が第1の閾値(X)を超えている場合、室内膨張弁4aの開度変更量(ΔPLS)を上げるとともに、サンプリングタイム(tn)を短縮させることができる。能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている場合は、吹出温度(TF)と目標吹出温度(TFO)との温度差が大きい場合に相当する。したがって、この場合には、室内膨張弁4aの開度変更量を上げるとともにサンプリングタイムを短縮させることで、能力判定条件の判定間隔、つまり室内膨張弁4aの開度変更量の変更周期を短縮できる。このため、室内膨張弁4aの開度を短周期で調整でき、エアハンドリングユニット3における吹出温度を目標吹出温度までより迅速に到達させることができる。
【0034】
また、能力判定条件パラメータ((TF-TFO)/tn)の値が第2の閾値(Y)未満である場合、室内膨張弁4aの開度変更量(ΔPLS)を下げるとともに、サンプリングタイム(tn)を延長させることができる。能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満である場合は、吹出温度(TF)と目標吹出温度(TFO)との温度差が小さく、ハンチングしている状態に相当する。したがって、この場合には、室内膨張弁4aの開度変更量を下げるとともにサンプリングタイムを延長させることで、室内膨張弁4aの開度変更量の変更周期を延長できる。このため、室内膨張弁4aの開度を長周期で調整、つまり吹出温度と目標吹出温度との温度差が大きい場合よりも室内膨張弁4aの開度変更量の変更周期を遅らせることができ、吹出温度を目標吹出温度までより効率的に到達させることができる。
【0035】
なお、能力判定条件パラメータの値が第2の閾値以上、かつ第1の閾値以下である場合、室内膨張弁4aの開度変更量を調整せずに維持でき、サンプリングタイムを前回の能力判定時の値に維持できる。能力判定条件パラメータの値が第2の閾値以上、かつ第1の閾値以下である場合は、吹出温度と目標吹出温度との温度差が比較的安定している場合に相当する。したがって、この場合には、室内膨張弁4aの開度変更量とサンプリングタイムを維持することで、室内膨張弁4aの開度変更量の変更周期もそのまま維持できる。このため、吹出温度と目標吹出温度との温度差が大きい場合および小さい場合と併せ、吹出温度を目標吹出温度まで適切に到達させることができる。
【0036】
これらの室内膨張弁4aの開度変更量および開度変更量の変更周期の調整は、制御部5a、つまりコントローラ5によって行われる。このため、例えばエアハンドリングユニット3が室外ユニット2、膨張弁キット4、コントローラ5とは異なる第三者製であっても、エアハンドリングユニット3の空調能力を適切に制御できる。したがって、かかる第三者製のエアハンドリングユニット3を含む空気調和機1における冷凍サイクルの挙動を安定させることが可能となる。
【0037】
なお、室内膨張弁4aの開度変更量および開度変更量の変更周期の調整は、制御部5a、つまりコントローラ5ではなく、室外ユニット2、具体的には能力演算部2jによって行わせてもよい。以下、かかる調整が能力演算部2jによって行われる実施形態を第2の実施形態として説明する。なお、第2の実施形態における空気調和機1の構成は、第1の実施形態(
図1)と同様である。したがって、以下では、かかる空気調和機の構成についての説明は省略し(
図1参照)、第2の実施形態におけるエアハンドリングユニット3の能力制御の一例について説明する。この場合、能力演算部2jの制御フローにおいて、
図2に示す第1の実施形態の制御フローの各ステップ(S101~S111)と制御内容は同等であるが、各々の制御主体は異なる。このため、第2の実施形態の説明にあたっては、
図2に示す制御フローを参酌する。
【0038】
(第2の実施形態)
本実施形態において、室内膨張弁4aの開度変更量および開度変更量の変更周期の調整を含むエアハンドリングユニット3の能力制御は、室外ユニット2の能力演算部2jを主体として実行される。
【0039】
空気調和機1が運転開始されると、
図2に示すステップS101において、能力演算部2jは、検出部3cが検出した温度の検出値(温度値)を制御部5aから取得する(S101)。具体的には、能力演算部2jは、各検出部31c,32c,33c,34cが検出した吹出温度、液冷媒温度、ガス冷媒温度、中間冷媒温度の検出値を取得する。
【0040】
次いで、能力演算部2jは、エアハンドリングユニット3の能力判定可否条件を判定する。能力判定可否条件の判定にあたって、能力演算部2jは、空気調和機1の運転時間(t)を基準時間(t0)と比較し、運転時間が基準時間以上(t≧t0)であるか否かを判定する(S102)。能力演算部2jは、運転時間が基準時間以上となるまで、能力判定可否条件の判定を繰り返す。
【0041】
運転時間が基準時間以上となると、能力演算部2jは、エアハンドリングユニット3の能力判定条件を判定する。能力判定条件の判定にあたって、能力演算部2jは、能力判定条件パラメータ((TF-TFO)/tn)の値を算出し、算出値を第1の閾値(X)と比較する。例えば、能力演算部2jは、能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている((TF-TFO)/tn>X)か否かを判定する(S103)。
【0042】
能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている場合、能力演算部2jは、室内膨張弁4aの開度変更量(ΔPLS)を上げ、該開度変更量に応じて室内膨張弁4aの開度を調整する(S104)。室内膨張弁4aの開度変更量(ΔPLS)を上げる際、能力演算部2jは、当該制御の実行指令を制御部5aに付与する。かかる実行指令を受け、制御部5aは、室内膨張弁4aの開度変更量を上げ、該開度変更量に応じて室内膨張弁4aの開度を調整するべく、室内膨張弁4aを動作させる。
【0043】
続けて、能力演算部2jは、サンプリングタイム(tn)を短縮させる。例えば、能力演算部2jは、今回の能力判定条件の判定時のサンプリングタイム(tn)を、前回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn-1)よりも調整時間(α)だけ短縮させる(tn=tn-1-α)(S105)。
【0044】
これに対し、S103において能力判定条件パラメータの値が第1の閾値以下((TF-TFO)/tn≦X)である場合、能力演算部2jは、能力判定条件パラメータの値を第2の閾値(Y)と比較する。例えば、能力演算部2jは、能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満((TF-TFO)/tn<Y)であるか否かを判定する(S106)。
【0045】
能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満である場合、能力演算部2jは、室内膨張弁4aの開度変更量(ΔPLS)を下げ、該開度変更量に応じて室内膨張弁4aの開度を調整する(S107)。室内膨張弁4aの開度変更量(ΔPLS)を下げる際、能力演算部2jは、当該制御の実行指令を制御部5aに付与する。かかる実行指令を受け、制御部5aは、室内膨張弁4aの開度変更量を上げ、該開度変更量に応じて室内膨張弁4aの開度を調整するべく、室内膨張弁4aを動作させる。
【0046】
続けて、能力演算部2jは、サンプリングタイム(tn)を延長させる。例えば、能力演算部2jは、今回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn)を、前回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn-1)よりも調整時間(α)だけ延長させる(tn=tn-1+α)(S108)。
【0047】
これに対し、S106において能力判定条件パラメータの値が第2の閾値以上((TF-TFO)/tn≧Y)である場合、能力演算部2jは、空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されているか否かを判定する(S109)。
【0048】
また、S105においてサンプリングタイム(tn)を短縮させると、あるいはS108においてサンプリングタイム(tn)を延長させると、能力演算部2jは、同様の判定を行う(S109)。
【0049】
空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されると、能力演算部2jは、再びエアハンドリングユニット3の能力判定条件を判定する(S103)。その際、能力演算部2jは、空気調和機1の運転時間(t)をゼロリセットする(t=0)(S110)。そして、能力判定条件の判定結果に応じて、能力演算部2jは、以降の処理(S104~S108)を適宜繰り返す。
【0050】
これに対し、空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されるまでの間、能力演算部2jは、空気調和機1の運転停止条件を判定する(S111)。運転停止条件は、例えば、能力演算部2jが空気調和機1の運転停止を示す信号を受信したか否かなどに応じて判定される。
【0051】
運転停止条件が成立しない場合、能力演算部2jは、空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されているか否かの判定を繰り返す(S109)。
一方、運転停止条件が成立する場合、能力演算部2jは、空気調和機1の運転を停止する(S112)。
【0052】
このように本実施形態では、室内膨張弁4aの開度変更量および開度変更量の変更周期の調整は、能力演算部2j、つまり室外ユニット2によって行われる。したがって、本実施形態は、上述した第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果を奏する。すなわち、本実施形態によれば、空気調和機1が複数のエアハンドリングユニット3を備えている場合であっても、室内膨張弁4aの開度変更量および開度変更量の変更周期を能力演算部2jで一元的に調整でき、各エアハンドリングユニット3の空調能力を室外ユニット2で一括管理できる。
【0053】
また、上述した第1の実施形態および第2の実施形態においては、エアハンドリングユニット3の能力制御にあたって、室内膨張弁4aの開度変更量および開度変更量の変更周期をそれぞれ調整している。ただし、エアハンドリングユニット3の能力制御は、室内膨張弁4aの開度変更量およびその変更周期の調整以外によっても可能である。例えば、室内膨張弁4aの開度変更量およびその変更周期の調整に代えてもしくは加えて、室外ユニット2の圧縮機2aの運転周波数の調整によっても可能である。以下、室外ユニット2の圧縮機2aの運転周波数の調整によりエアハンドリングユニット3の能力制御が行われる実施形態を第3の実施形態および第4の実施形態として説明する。第3の実施形態は制御の主体を制御部5aとした実施形態であり、第4の実施形態は制御の主体を能力演算部2jとした実施形態である。なお、これらの実施形態における空気調和機1の構成は、第1の実施形態(
図1)と同様である。したがって、以下では、かかる空気調和機の構成についての説明は省略し(
図1参照)、これらの実施形態におけるエアハンドリングユニット3の能力制御の一例について説明する。
【0054】
(第3の実施形態)
図3には、本実施形態におけるエアハンドリングユニット3の能力制御時における制御部5aの制御フローを示す。なお、この場合の制御部5aの制御フローは、
図2に示す第1の実施形態の制御フローの一部を第3の実施形態に特有の制御に入れ替えるものである。したがって、上述した第1の実施形態と同等の制御については、同一のステップ番号を付して説明を簡略化し、第3の実施形態に特有の制御についてのみ詳述する。
【0055】
図3に示すように、空気調和機1が運転開始されると、制御部5aは、各検出部31c,32c,33c,34cから吹出温度、液冷媒温度、ガス冷媒温度、中間冷媒温度の検出値(温度値)を取得し(S101)、エアハンドリングユニット3の能力判定可否条件を判定する。能力判定可否条件を判定するべく、制御部5aは、空気調和機1の運転時間が基準時間以上(t≧t0)であるか否かを判定する(S102)。そして、運転時間が基準時間以上となると、制御部5aは、能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている((TF-TFO)/t
n>X)か否かを判定する(S103)。
【0056】
能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている場合、制御部5aは、圧縮機2aの周波数変更量(ΔHz)を上げ、該周波数変更量に応じて圧縮機2aの運転周波数を調整する(S301)。圧縮機2aの周波数変更量を上げる際、制御部5aは、当該制御の実行指令を能力演算部2jに付与する。かかる実行指令を受け、能力演算部2jは、圧縮機2aの周波数変更量を上げ、該周波数変更量に応じて圧縮機2aの運転周波数を調整するべく、圧縮機2aを動作させる。これにより、圧縮機2aの運転周波数が調整前よりも大きくなる。圧縮機2aの周波数変更量は、圧縮機2aの運転周波数の変更度合を示す尺度であり、能力判定条件パラメータの値に応じて変動する変動値である。例えば、能力判定条件パラメータの値が大きいほど、周波数変更量が大きくなればよい。周波数変更量の値は、例えば能力判定条件パラメータの値と紐付けてテーブル化されて制御部5aの記憶装置に格納され、周波数変更量の調整時にメモリに読み出される。
【0057】
続けて、制御部5aは、サンプリングタイム(tn)を短縮させる。例えば、制御部5aは、今回の能力判定条件の判定時のサンプリングタイム(tn)を、前回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn-1)よりも所定時間(α)だけ短縮させる(tn=tn-1-α)(S105)。サンプリングタイム(tn)は、能力判定条件を次に判定するまでの時間間隔であり、圧縮機2aの運転周波数の変更周期、本実施形態では周波数変更量(ΔHz)の変更周期に相当する。所定時間(α)は、サンプリングタイム(tn)の調整時間であり、エアハンドリングユニット3の空調能力などに応じて任意に設定可能である。かかる所定時間(α)は、上述した第1の実施形態における調整時間(α)と一致させているが、異なっていてもよい。
【0058】
これに対し、S103において能力判定条件パラメータの値が第1の閾値以下((TF-TFO)/tn≦X)である場合、制御部5aは、能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満((TF-TFO)/tn<Y)であるか否かを判定する(S106)。
【0059】
能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満である場合、制御部5aは、圧縮機2aの周波数変更量(ΔHz)を下げ、該周波数変更量に応じて圧縮機2aの運転周波数を調整する(S302)。圧縮機2aの周波数変更量を下げる際、制御部5aは、当該制御の実行指令を能力演算部2jに付与する。かかる実行指令を受け、能力演算部2jは、圧縮機2aの周波数変更量を下げ、該周波数変更量に応じて圧縮機2aの運転周波数を調整するべく、圧縮機2aを動作させる。これにより、圧縮機2aの運転周波数が調整前よりも小さくなる。圧縮機2aの周波数変更量は、例えば、能力判定条件パラメータの値が小さいほど、変更量が小さくなればよい。
【0060】
続けて、制御部5aは、サンプリングタイム(tn)を延長させる。例えば、制御部5aは、今回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn)を、前回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn-1)よりも所定時間(α)だけ延長させる(tn=tn-1+α)(S108)。なお、本実施形態では、ここでの所定時間(α)をサンプリングタイム(tn)の短縮時(S105)の値と一致させているが、異ならせてもよい。
【0061】
これに対し、S106において能力判定条件パラメータの値が第2の閾値以上((TF-TFO)/tn≧Y)である場合、制御部5aは、空気調和機1がサンプリングタイムに亘って継続して運転されている(t≧tn)か否かを判定する(S109)。この場合、能力判定条件の判定にあたって、能力判定条件パラメータの値が第2の閾値以上、かつ第1の閾値以下である場合に相当する。この場合には、圧縮機2aの周波数変更量(ΔHz)は調整されずに維持され、サンプリングタイムは前回の能力判定時の値に維持される。
【0062】
また、S105においてサンプリングタイム(tn)を短縮させると、あるいはS108においてサンプリングタイム(tn)を延長させると、制御部5aは、同様の判定を行う(S109)。
【0063】
空気調和機1がサンプリングタイムに亘って継続して運転されると、制御部5aは、再びエアハンドリングユニット3の能力判定条件を判定する(S103)。その際、制御部5aは、空気調和機1の運転時間(t)をゼロリセットする(t=0)(S110)。そして、能力判定条件の判定結果に応じて、制御部5aは、以降の処理(S104~S108)を適宜繰り返す。
【0064】
これに対し、空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されるまでの間、制御部5aは、空気調和機1の運転停止条件を判定する(S111)。運転停止条件が成立しない場合、制御部5aは、空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されているか否かの判定を繰り返す(S109)。
一方、運転停止条件が成立する場合、制御部5aは、空気調和機1の運転を停止する(S112)。
【0065】
このように本実施形態によれば、能力判定条件パラメータ((TF-TFO)/tn)の値が第1の閾値(X)を超えている場合、圧縮機2aの周波数変更量(ΔHz)を上げるとともに、サンプリングタイム(tn)を短縮させることができる。能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている場合は、吹出温度(TF)と目標吹出温度(TFO)との温度差が大きい場合に相当する。したがって、この場合には、圧縮機2aの周波数変更量を上げるとともにサンプリングタイムを短縮させることで、能力判定条件の判定間隔、つまり圧縮機2aの周波数変更量の変更周期を短縮できる。このため、圧縮機2aの運転周波数を短周期で調整でき、エアハンドリングユニット3における吹出温度を目標吹出温度までより迅速に到達させることができる。
【0066】
また、能力判定条件パラメータ((TF-TFO)/tn)の値が第2の閾値(Y)未満である場合、圧縮機2aの周波数変更量(ΔHz)を下げるとともに、サンプリングタイム(tn)を延長させることができる。能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満である場合は、吹出温度(TF)と目標吹出温度(TFO)との温度差が小さく、ハンチングしている状態に相当する。したがって、この場合には、圧縮機2aの周波数変更量を下げるとともにサンプリングタイムを延長させることで、圧縮機2aの周波数変更量の変更周期を延長できる。このため、圧縮機2aの運転周波数を長周期で調整、つまり吹出温度と目標吹出温度との温度差が大きい場合よりも圧縮機2aの周波数変更量の変更周期を遅らせることができ、吹出温度を目標吹出温度までより効率的に到達させることができる。
【0067】
なお、能力判定条件パラメータの値が第2の閾値以上、かつ第1の閾値以下である場合、圧縮機2aの周波数変更量を調整せずに維持でき、サンプリングタイムを前回の能力判定時の値に維持できる。能力判定条件パラメータの値が第2の閾値以上、かつ第1の閾値以下である場合は、吹出温度と目標吹出温度との温度差が比較的安定している場合に相当する。したがって、この場合には、圧縮機2aの周波数変更量とサンプリングタイムを維持することで、圧縮機2aの周波数変更量の変更周期もそのまま維持できる。このため、吹出温度と目標吹出温度との温度差が大きい場合および小さい場合と併せ、吹出温度を目標吹出温度まで適切に到達させることができる。
【0068】
本実施形態では、室内膨張弁4aの開度変更量および開度変更量の変更周期の調整に代えて、圧縮機2aの周波数変更量および周波数変更量の変更周期の調整を行っている。したがって、空気調和機1の全体における冷媒の循環量を調整できるため、冷凍サイクルの挙動を安定させることが可能となる。なお、圧縮機2aの周波数変更量の調整は、室内膨張弁4aの開度変更量の調整に加えて行ってもよい。この場合、例えば
図3に示すステップS301の処理の前もしくは後に、
図2に示すステップS104の処理を行えばよい。また、例えば
図3に示すステップS302の処理の前もしくは後に、
図2に示すステップS107の処理を行えばよい。これにより、圧縮機2aの周波数変更量の調整と室内膨張弁4aの開度変更量の調整の双方を実行可能となる。
【0069】
なお、例えばエアハンドリングユニット3が室外ユニット2、膨張弁キット4、コントローラ5とは異なる第三者製であっても、エアハンドリングユニット3の空調能力を適切に制御でき、空気調和機1における冷凍サイクルの挙動を安定させることが可能であることは、第1の実施形態と同様である。
【0070】
(第4の実施形態)
本実施形態において、室内膨張弁4aの開度変更量および開度変更量の変更周期の調整を含むエアハンドリングユニット3の能力制御は、室外ユニット2の能力演算部2jを主体として実行される。この場合、能力演算部2jの制御フローにおいて、
図3に示す第3の実施形態の制御フローの各ステップと制御内容は同等であるが、各々の制御主体は異なる。このため、第4の実施形態の説明にあたっては、
図3に示す制御フローを参酌する。
【0071】
空気調和機1が運転開始されると、能力演算部2jは、各検出部31c,32c,33c,34cから吹出温度、液冷媒温度、ガス冷媒温度、中間冷媒温度の検出値(温度値)を取得し(S101)、エアハンドリングユニット3の能力判定可否条件を判定する。能力判定可否条件を判定するべく、能力演算部2jは、空気調和機1の運転時間が基準時間以上(t≧t0)であるか否かを判定する(S102)。そして、運転時間が基準時間以上となると、能力演算部2jは、能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている((TF-TFO)/tn>X)か否かを判定する(S103)。
【0072】
能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている場合、能力演算部2jは、圧縮機2aの周波数変更量(ΔHz)を上げ、該周波数変更量に応じて圧縮機2aの運転周波数を調整する(S301)。これにより、圧縮機2aの運転周波数が調整前よりも大きくなる。
【0073】
続けて、能力演算部2jは、サンプリングタイム(tn)を短縮させる。例えば、能力演算部2jは、今回の能力判定条件の判定時のサンプリングタイム(tn)を、前回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn-1)よりも所定時間(α)だけ短縮させる(tn=tn-1-α)(S105)。
【0074】
これに対し、S103において能力判定条件パラメータの値が第1の閾値以下((TF-TFO)/tn≦X)である場合、能力演算部2jは、能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満((TF-TFO)/tn<Y)であるか否かを判定する(S106)。
【0075】
能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満である場合、能力演算部2jは、圧縮機2aの周波数変更量(ΔHz)を下げ、該周波数変更量に応じて圧縮機2aの運転周波数を調整する(S302)。これにより、圧縮機2aの運転周波数が調整前よりも小さくなる。
【0076】
続けて、能力演算部2jは、サンプリングタイム(tn)を延長させる。例えば、制御部5aは、今回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn)を、前回の能力判定条件判定時のサンプリングタイム(tn-1)よりも所定時間(α)だけ延長させる(tn=tn-1+α)(S108)。なお、本実施形態では、ここでの所定時間(α)をサンプリングタイム(tn)の短縮時(S105)の値と一致させているが、異ならせてもよい。
【0077】
これに対し、S106において能力判定条件パラメータの値が第2の閾値以上((TF-TFO)/tn≧Y)である場合、能力演算部2jは、空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されているか否かを判定する(S109)。この場合には、圧縮機2aの周波数変更量(ΔHz)は調整されずに維持され、サンプリングタイムは前回の能力判定時の値に維持される。
【0078】
また、S105においてサンプリングタイム(tn)を短縮させると、あるいはS108においてサンプリングタイム(tn)を延長させると、能力演算部2jは、同様の判定を行う(S109)。
【0079】
空気調和機1がサンプリングタイムに亘って継続して運転されると、能力演算部2jは、再びエアハンドリングユニット3の能力判定条件を判定する(S103)。その際、制御部5aは、空気調和機1の運転時間(t)をゼロリセットする(t=0)(S110)。そして、能力判定条件の判定結果に応じて、能力演算部2jは、以降の処理(S104~S108)を適宜繰り返す。
【0080】
これに対し、空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されるまでの間、能力演算部2jは、空気調和機1の運転停止条件を判定する(S111)。運転停止条件が成立しない場合、能力演算部2jは、空気調和機1がサンプリングタイム(tn)に亘って継続して運転されているか否かの判定を繰り返す(S109)。
一方、運転停止条件が成立する場合、能力演算部2jは、空気調和機1の運転を停止する(S112)。
【0081】
このように本実施形態では、圧縮機2aの周波数変更量および周波数変更量の変更周期の調整は、能力演算部2j、つまり室外ユニット2によって行われる。したがって、本実施形態は、上述した第3の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果を奏する。すなわち、本実施形態によれば、空気調和機1が複数のエアハンドリングユニット3を備えている場合であっても、圧縮機2aの周波数変更量および周波数変更量の変更周を能力演算部2jで一元的に調整でき、各エアハンドリングユニット3の空調能力を室外ユニット2で一括管理できる。
【0082】
ここで、上述した第1の実施形態から第4の実施形態においては、能力判定条件パラメータとして、吹出温度(TF)と目標吹出温度(TFO)との温度差の所定時間(tn)当たりの変化量((TF-TFO)/tn)の値を用いている。ただし、能力判定条件パラメータの値は、これに限定されず、その他の値を用いることも可能である。以下、吹出温度と目標吹出温度との温度差の所定時間当たりの変化量((TF-TFO)/tn)の値以外を用いた実施形態を第5の実施形態として説明する。
【0083】
(第5の実施形態)
図4は、本実施形態に係る空気調和機10の構成を概略的に示す回路図である。なお、第5の実施形態における空気調和機10の構成は、第1の実施形態における空気調和機1(
図1)の構成と基本的に同様である。具体的には、したがって、空気調和機1と同一もしくは類似の構成については図面上で同一符号を付して説明を省略する。
【0084】
図4に示すように、エアハンドリングユニット30は、主たる要素として、熱交換器(、室内熱交換器)3a、送風機(室内ファン)3b、検出部3c、設定部3dを備えている。なお、
図1には、一例としてエアハンドリングユニット30を一つのみ示すが、エアハンドリングユニット30は複数であってもよい。
【0085】
検出部3cは、四つの検出部32c,33c,34c,35cを含んでいる。すなわち、
図4に示す例では、
図1に示す例の第1の検出部31cに代えて、第5の検出部35cが備えられている。これらの検出部32c,33c,34c,35cは、例えばサーミスタなどの温度センサである。第5の検出部35cは、例えば筐体31に形成された室内空間の空気(室内気)の吸込口(図示省略)に近接して配置され、室内ファン3bで吸い込まれる室内気の温度(以下、吸込温度という)を検出する。室内気は、室内ファン3bが駆動されることで吸込口から筐体31内に吸い込まれ、室内熱交換器3aでの熱交換により温調される。すなわち、吸込温度は、室内熱交換器3aでの熱交換により温調される前の室内気の温度、端的には室内温度に相当する。第5の検出部35cは、検出した吸込温度をコントローラ5の制御部5aに付与する。なお、第5の検出部35cは、
図1に示す例の検出部3cに加えて備えられていてもよく、第1の検出部31cと併存していてもよい。
【0086】
本実施形態においては、能力判定条件パラメータとして、吸込温度(TA)と目標吸込温度(TAO)との温度差のサンプリングタイム(tn)当たりの変化量((TA-TAO)/tn)の値が用いられている。目標吸込温度(TAO)は、エアハンドリングユニット3で温調される前に吸い込まれる空気の目標温度であり、最終的には設定された室内温度に相当する。目標吸込温度(TAO)の値は、例えば設定部3dを介してユーザによって設定され、制御部5aのメモリに保持されている。吸込温度(TA)と目標吸込温度(TAO)との温度差は、絶対値である。
【0087】
したがって、本実施形態によれば、能力判定条件の判定にあたって、制御部5aもしくは能力演算部2jは、吸込温度(TA)と目標吸込温度(TAO)の値に応じて能力判定条件パラメータ((TA-TAO)/tn)の値を算出し、算出値を第1の閾値(X)および第2の閾値(Y)と比較する。例えば、制御部5aもしくは能力演算部2jは、能力判定条件パラメータの値が第1の閾値を超えている((TA-TAO)/tn>X)か否かを判定する。また例えば、制御部5aもしくは能力演算部2jは、能力判定条件パラメータの値が第2の閾値未満((TA-TAO)/tn<Y)であるか否かを判定する。
【0088】
図5および
図6には、本実施形態に係るエアハンドリングユニット30の能力制御時における制御部5aもしくは能力演算部2jの制御フローを示す。
図5は、室内膨張弁4aの開度変更量および開度変更量の変更周期をそれぞれ調整する場合の制御フローである。
図6は、圧縮機2aの周波数変更量および周波数変更量の変更周期の調整する場合の制御フローである。
【0089】
室内膨張弁4aの開度変更量および開度変更量の変更周期をそれぞれ調整する場合、
図5に示すように、ステップ501,502において、能力判定条件パラメータ((TA-TAO)/t
n)の値を第1の閾値(X)および第2の閾値(Y)と比較して、能力判定条件の判定を行えばよい。それ以外の制御内容は、上述した第1の実施形態および第2の実施形態の制御フローの各ステップ(
図2)と同等である。
【0090】
圧縮機2aの周波数変更量および周波数変更量の変更周期の調整する場合、
図6に示すように、ステップ501,502において、能力判定条件パラメータ((TA-TAO)/t
n)の値を第1の閾値(X)および第2の閾値(Y)と比較して、能力判定条件の判定を行えばよい。それ以外の制御内容は、上述した第3の実施形態および第4の実施形態の制御フローの各ステップ(
図3)と同等である。
【0091】
これにより、本実施形態においても、上述した第1の実施形態から第4の実施形態においてそれぞれ奏される効果と同様の効果を奏することができる。
【0092】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1,10…空気調和機、2…室外ユニット、2a…圧縮機、2b…オイルセパレータ、2c…逆止弁、2d…四方弁、2e…熱交換器(室外熱交換器)、2f…送風機(室外ファン)、2g…膨張弁(室外膨張弁)、2h…アキュムレータ、2i…サクションカップ、2j…能力演算部、2k…設定部、3,30…エアハンドリングユニット、3a…熱交換器(室内熱交換器)、3b…送風機(室内ファン)、3c…検出部、3d…設定部、
4…膨張弁キット、4a…膨張弁(室内膨張弁)、5…インターフェースコントローラ(コントローラ)、5a…制御部、6…流路、21k…第1の設定部、22k…第2の設定部、31c…第1の検出部、32c…第2の検出部、33c…第3の検出部、34c…第4の検出部、35c…第5の検出部。