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特許7423815治験管理装置、治験管理方法、治験管理プログラム及び治験管理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】治験管理装置、治験管理方法、治験管理プログラム及び治験管理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240122BHJP
【FI】
G16H20/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022557590
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 JP2021038825
(87)【国際公開番号】W WO2022085739
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2020176062
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】722010585
【氏名又は名称】セトラスホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】高 暢秀
(72)【発明者】
【氏名】大西 葉月
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-529479(JP,A)
【文献】特開2011-233066(JP,A)
【文献】国際公開第2019/191464(WO,A1)
【文献】特表2019-513504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨床試験において、被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬される盲検試験が実施される第1期間、及び前記第1期間経過後に前記被験薬が投薬される非盲検試験が実施される第2期間を示す期間情報を記憶する記憶部と、
被験者に前記被験薬又は前記偽薬が投薬された投薬時間を示す投薬時間情報を取得する投薬情報取得部と、
前記被験薬又は前記偽薬が投薬される被験者の体調を示す体調情報及び前記体調情報が得られた時間である体調時間情報を取得する体調情報取得部と、
要求に基づいて、所定の被験者に対応する前記投薬時間情報、前記投薬時間情報及び前記体調時間情報を、前記被験者が閲覧可能な第1端末装置に出力する情報出力部と、
前記要求がなされた時間が前記第1期間内である場合には、被験者に投薬された前記被験薬又は前記偽薬を示す投薬情報を前記第1端末装置に少なくとも出力せず、前記要求がなされた時間が前記第2期間内である場合には、前記第1期間内の前記投薬情報、前記投薬時間情報、前記体調情報及び前記体調時間情報を前記第1端末装置に出力しないことを決定する出力情報決定部と、
を有することを特徴とする治験管理装置。
【請求項2】
前記出力情報決定部は、前記要求がなされた時間が前記第1期間内である場合には、前記体調情報及び前記体調時間情報を全ての期間に亘って第1端末装置に出力することを決定し、前記要求がなされた時間が前記第2期間内である場合には、第2期間内の前記体調情報及び前記体調時間情報を第1端末装置に出力することを決定する、請求項1に記載の治験管理装置。
【請求項3】
前記投薬情報取得部は、被験者に投薬された前記被験薬又は前記偽薬の錠数を示す錠数情報を更に取得し、
前記投薬情報取得部は、前記要求がなされた時間が前記第1期間及び前記第2期間の何れかであるかにかかわらず、前記被験者が前記錠数情報、前記投薬時間情報、前記体調情報及び前記体調時間情報を入力可能な期間である入力可能期間内の前記錠数情報、前記投薬時間情報、前記体調情報及び前記体調時間情報を取得し、
前記情報出力部は、取得された前記錠数情報、前記投薬時間情報、前記体調情報及び前記体調時間情報を前記第1端末装置に出力する、請求項2に記載の治験管理装置。
【請求項4】
前記出力情報決定部は、前記要求がなされた時間が前記第2期間内であり且つ前記第1期間が前記入力可能期間に重畳する場合には、前記第2期間内の前記錠数情報、前記投薬時間情報、前記体調情報及び前記体調時間情報に加えて、前記第1期間と前記入力可能期間とが重畳する重畳期間内の前記錠数情報、前記投薬時間情報、前記体調情報及び前記体調時間情報を前記第1端末装置に出力することを決定する、請求項3に記載の治験管理装置。
【請求項5】
前記被験薬は、便秘症の治療薬であり、
前記体調情報は、排便に関する排便情報である、請求項1~4の何れか一項に記載の治験管理装置。
【請求項6】
前記排便情報は、ブリストルスケールで規定される便の性状を表す数値を示すブリストルスケール情報を含む、請求項5に記載の治験管理装置。
【請求項7】
被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬される盲検試験が実施される第1期間、及び前記第1期間経過後に前記被験薬が投薬される非盲検試験が実施される第2期間を示す期間情報を有する臨床試験において、コンピュータが、
被験者に前記被験薬又は前記偽薬が投薬された投薬時間を示す投薬時間情報を取得し、
前記被験薬又は前記偽薬が投薬される被験者の体調を示す体調情報及び前記体調情報が得られた時間である体調時間情報を取得し、
要求に基づいて、所定の被験者に対応する前記投薬時間情報、前記投薬時間情報及び前記体調時間情報を、前記被験者が閲覧可能な第1端末装置に出力し、
前記要求がなされた時間が前記第1期間内である場合には、被験者に投薬された前記被験薬又は前記偽薬を示す投薬情報を前記第1端末装置に少なくとも出力せず、前記要求がなされた時間が前記第2期間内である場合には、前記第1期間内の前記投薬情報、前記投薬時間情報、前記体調情報及び前記体調時間情報を前記第1端末装置に出力しないことを決定する、
ことを含むことを特徴とする治験管理方法。
【請求項8】
被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬される盲検試験が実施される第1期間、及び前記第1期間経過後に前記被験薬が投薬される非盲検試験が実施される第2期間を示す期間情報を有する臨床試験において、
被験者に前記被験薬又は前記偽薬が投薬された投薬時間を示す投薬時間情報を取得し、
前記被験薬又は前記偽薬が投薬される被験者の体調を示す体調情報及び前記体調情報が得られた時間である体調時間情報を取得し、
要求に基づいて、所定の被験者に対応する前記投薬時間情報、前記投薬時間情報及び前記体調時間情報を、前記被験者が閲覧可能な第1端末装置に出力し、
前記要求がなされた時間が前記第1期間内である場合には、被験者に投薬された前記被験薬又は前記偽薬を示す投薬情報を前記第1端末装置に少なくとも出力せず、前記要求がなされた時間が前記第2期間内である場合には、前記第1期間内の前記投薬情報、前記投薬時間情報、前記体調情報及び前記体調時間情報を前記第1端末装置に出力しないことを決定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする治験管理プログラム。
【請求項9】
臨床試験において、被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬される盲検試験が実施される第1期間、及び前記第1期間経過後に前記被験薬が投薬される非盲検試験が実施される第2期間を示す期間情報を記憶する記憶部と、
被験者に前記被験薬又は前記偽薬が投薬された投薬時間を示す投薬時間情報を取得する投薬情報取得部と、
前記被験薬又は前記偽薬が投薬される被験者の体調を示す体調情報及び前記体調情報が得られた時間である体調時間情報を取得する体調情報取得部と、
要求に基づいて、所定の被験者に対応する前記投薬時間情報、前記投薬時間情報及び前記体調時間情報を出力する情報出力部と、
前記要求がなされた時間が前記第1期間内である場合には、被験者に投薬された前記被験薬又は前記偽薬を示す投薬情報を少なくとも出力せず、前記要求がなされた時間が前記第2期間内である場合には、前記第1期間内の前記投薬情報、前記投薬時間情報、前記体調情報及び前記体調時間情報を出力しないことを決定する出力情報決定部と、
を有する治験管理装置と、
前記投薬時間情報、前記投薬時間情報及び前記体調時間情報が入力され、前記被験者が閲覧可能な第1端末装置と、
を有することを特徴とする治験管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、治験管理装置、治験管理方法、治験管理プログラム及び治験管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
新薬候補が投薬された被験者の生体値、症状等として現れる医療効果を確認する治験とも称される臨床試験を支援する治験支援装置が知られている(例えば、特開2015-18407号公報を参照)。特開2015-18407号公報に記載される治験支援装置は、被験者に投薬された薬品を特定する情報、投薬された薬品の分量、及び投薬された時点の情報を表示すると共に、被験者に薬品が投薬された動作を撮像した画像を表示して、投薬が適正であるか否かを確認者に確認させる。特許文献1に記載される治験支援装置は、投薬が適正であるか否かを確認者に確認させることで、治験における投薬についてのデータの信頼性を担保することができる。
【発明の概要】
【0003】
治験において、被験薬及びプラセボとも称される偽薬の何れかを複数の被験者のそれぞれに投薬されたかを、被験者、治験担当医及び治験を依頼した製薬会社の何れに知らせない二重盲検試験が採用されることがある。さらには、被験薬を投薬されることを被験者が認知できる非盲検試験が、二重盲検試験の直後に同一の被験者に採用されることがある。
【0004】
治験を管理する治験管理装置を使用して、二重盲検試験による治験を実施するとき、プラセボ効果を避けるために、治験の最中に、被験者に被験薬及び偽薬の何れかが投薬される治験に関する情報である治験情報は、少なくとも被験者に開示されることは好ましくなく、仮に開示されてしまうとデータの信頼性が損なわれかねない。治験の最中に、被験者が二重盲検試験の治験情報を知り得ないように非盲検試験による治験を実施されるが、同一の治験管理装置を使用するとき、非盲検試験の治験情報から二重盲検試験の治験情報を比較することで、被験者は二重盲検試験の治験情報を間接的に知り得るおそれがある。被験者は二重盲検試験の治験情報を間接的に知ると、間接的に知り得た情報が非盲検試験において被験者にプラセボ効果を生じ、非盲検試験のデータの信頼性を損ねることがある。
【0005】
なお、ここでは、関係者の全てが被験者に被験薬及び偽薬の何れかが投薬されたかを知らずに行う二重盲検試験について説明したが、被験者に被験薬及び偽薬の何れかが投薬されたかを被験者のみが知らずに行う単盲検試験においても同様の課題が生じる。以下では、単盲検試験及び二重盲検試験を併せて、盲検試験と記載する。
【0006】
本開示は、このような課題を解決するものであり、盲検試験の直後に行われる非盲検試験において、被験者にプラセボ効果が生じるおそれが低い治験管理装置を提供することを目的とする。
【0007】
本開示に係る治験管理装置は、臨床試験において、被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬される盲検試験が実施される第1期間、及び第1期間経過後に被験薬が投薬される非盲検試験が実施される第2期間を示す期間情報を記憶する記憶部と、被験者に被験薬又は偽薬が投薬された投薬時間を示す投薬時間情報を取得する投薬情報取得部と、被験薬又は偽薬が投薬される被験者の体調を示す体調情報及び体調情報が得られた時間である体調時間情報を取得する体調情報取得部と、要求に基づいて、所定の被験者に対応する投薬時間情報、投薬時間情報及び体調時間情報を、被験者が閲覧可能な第1端末装置に出力する情報出力部と、要求がなされた時間が第1期間内である場合には、被験者に投薬された被験薬又は偽薬を示す投薬情報を第1端末装置に少なくとも出力せず、要求がなされた時間が第2期間内である場合には、第1期間内の投薬情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を第1端末装置に出力しないことを決定する出力情報決定部とを有する。
【0008】
さらに、本開示に係る治験管理装置では、投薬情報取得部は、被験者に投薬された被験薬又は偽薬の錠数を示す錠数情報を更に取得し、出力情報決定部は、要求がなされた時間が第1期間内である場合には、体調情報及び体調時間情報を全ての期間に亘って第1端末装置に出力することを決定し、要求がなされた時間が第2期間内である場合には、第2期間内の体調情報及び体調時間情報を第1端末装置に出力することを決定することが好ましい。
【0009】
さらに、本開示に係る治験管理装置では、投薬情報取得部は、要求がなされた時間が第1期間及び第2期間の何れかであるかにかかわらず、被験者が錠数情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を入力可能な期間である入力可能期間内の錠数情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を取得し、情報出力部は、取得された錠数情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を第1端末装置に出力することが好ましい。
【0010】
さらに、本開示に係る治験管理装置では、出力情報決定部は、要求がなされた時間が第2期間内であり且つ第1期間が入力可能期間に重畳する場合には、第2期間内の錠数情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報に加えて、第1期間と入力可能期間とが重畳する重畳期間内の錠数情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を第1端末装置に出力することを決定することを決定することが好ましい。
【0011】
さらに、本開示に係る治験管理装置では、被験薬は、便秘症の治療薬であり、体調情報は、排便に関する排便情報であることを決定することが好ましい。
【0012】
さらに、本開示に係る治験管理装置では、排便情報は、ブリストルスケールで規定される便の性状を表す数値を示すブリストルスケール情報を含むことが好ましい。
【0013】
また、本開示に係る治験管理方法は、被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬される盲検試験が実施される第1期間、及び第1期間経過後に被験薬が投薬される非盲検試験が実施される第2期間を示す期間情報を有する臨床試験において、被験者に被験薬又は偽薬が投薬された投薬時間を示す投薬時間情報を取得し、被験薬又は偽薬が投薬される被験者の体調を示す体調情報及び体調情報が得られた時間である体調時間情報を取得し、要求に基づいて、所定の被験者に対応する投薬時間情報、投薬時間情報及び体調時間情報を、被験者が閲覧可能な第1端末装置に出力し、要求がなされた時間が第1期間内である場合には、被験者に投薬された被験薬又は偽薬を示す投薬情報を第1端末装置に少なくとも出力せず、要求がなされた時間が第2期間内である場合には、第1期間内の投薬情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を第1端末装置に出力しないことを決定することを含む。
【0014】
また、本開示に係る治験管理プログラムは、被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬される盲検試験が実施される第1期間、及び第1期間経過後に被験薬が投薬される非盲検試験が実施される第2期間を示す期間情報を有する臨床試験において、被験者に被験薬又は偽薬が投薬された投薬時間を示す投薬時間情報を取得し、被験薬又は偽薬が投薬される被験者の体調を示す体調情報及び体調情報が得られた時間である体調時間情報を取得し、要求に基づいて、所定の被験者に対応する投薬時間情報、投薬時間情報及び体調時間情報を、被験者が閲覧可能な第1端末装置に出力し、要求がなされた時間が第1期間内である場合には、被験者に投薬された被験薬又は偽薬を示す投薬情報を第1端末装置に少なくとも出力せず、要求がなされた時間が第2期間内である場合には、第1期間内の投薬情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を第1端末装置に出力しないことを決定する処理をコンピュータに実行させる。
【0015】
また、本開示に係る治験管理システムは、臨床試験において、被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬される盲検試験が実施される第1期間、及び第1期間経過後に被験薬が投薬される非盲検試験が実施される第2期間を示す期間情報を記憶する記憶部と、被験者に被験薬又は偽薬が投薬された投薬時間を示す投薬時間情報を取得する投薬情報取得部と、被験薬又は偽薬が投薬される被験者の体調を示す体調情報及び体調情報が得られた時間である体調時間情報を取得する体調情報取得部と、要求に基づいて、所定の被験者に対応する投薬時間情報、投薬時間情報及び体調時間情報を出力する情報出力部と、要求がなされた時間が第1期間内である場合には、被験者に投薬された被験薬又は偽薬を示す投薬情報を少なくとも出力せず、要求がなされた時間が第2期間内である場合には、第1期間内の投薬情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を出力しないことを決定する出力情報決定部と、を有する治験管理装置と、投薬時間情報、投薬時間情報及び体調時間情報が入力され、被験者が閲覧可能な第1端末装置とを有する。
【0016】
本開示に係る治験管理装置は、盲検試験の直後に行われる非盲検試験において、プラセボ効果が生じるおそれが低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る治験管理装置を含む治験管理システムを示す図である。
図2図1に示す第1端末装置のブロック図である。
図3図1に示す第2端末装置のブロック図である。
図4図1に示す治験管理装置のブロック図である。
図5図1に示す治験管理システムによる投薬情報登録処理のシーケンス図である。
図6】(a)は図5に示すS101の処理に応じて表示される画像を示し、(b)は図5に示すS109の処理に応じて表示される画像を示す。
図7】(a)は図5に示すS110の処理に応じて表示される画像を示し、(b)は図5に示すS111の処理に応じて表示される画像を示す。
図8図4に示す投薬情報テーブルの一例を示す図である。
図9図1に示す治験管理システムによるレスキュー薬情報登録処理のシーケンス図である。
図10図9に示すS211の処理に応じて表示される画像を示す。
図11図4に示すレスキュー薬情報テーブルの一例を示す図である。
図12図1に示す治験管理システムによる排便情報登録処理のシーケンス図である。
図13図12に示すS311の処理に応じて表示される画像を示す。
図14図4に示す排便情報テーブルの一例を示す図である。
図15図1に示す治験管理システムによる治験情報閲覧処理のシーケンス図である。
図16図15に示すS404の処理で表示される被験者一覧情報を示す図である。
図17図15に示すS414の処理で表示される治験情報を示す図である。
図18図15に示すS415の処理で表示される詳細情報を示す図である。
図19】I期において、治験管理装置、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれが表示可能な情報を示す図である。
図20】II期において、治験管理装置、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれが表示可能な情報を示す図である。
図21】変形例に係る第1端末装置のブロック図である。
図22図21に示す第1端末装置による情報入力処理のフローチャートである。
図23図22に示すS503の処理に応じて表示される画像を示す図である。
図24図1に示す治験管理システムによる変形例に係る治験情報閲覧処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本開示の様々な実施形態について説明する。ただし、本開示の技術的範囲は、それらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0019】
(実施形態に係る治験管理装置を含む治験管理システムの構成及び機能)
図1は、実施形態に係る治験管理装置を含む治験管理システムを示す図である。治験管理システム100は、被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬される盲検試験が実施されるI期、及びI期経過後に被験薬が投薬される非盲検試験が実施されるII期を含む臨床試験に使用される。治験管理装置1は、多くの被験者から治験情報を収集する第III相臨床試験において、電子的患者報告アウトカム(Electronic Patient―Reported Outcome、e-PRO)を収集するシステムとして使用することができる。
【0020】
治験管理システム100において、治験管理装置1は、通信ネットワーク101及びアクセスポイント102を介して、複数の第1端末装置110a~110n及び複数の第2端末装置120a~120mに接続される。治験管理装置1において、第1端末装置110a~110nは第1端末装置110と称されることがあり、第2端末装置120a~120mは第2端末装置120と称されることがある。
【0021】
複数の第1端末装置110a~110nは、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯情報端末であり、被験者のそれぞれに対応して配置され、被験者又は被験者への投薬を管理する投薬管理者に所持される。また、複数の第2端末装置120a~120mのそれぞれは、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ等の据置型の電子計算機であり、被験者の診療を担当する治験担当医及び治験コーディネーター(Clinical Research Coordinator、CRC)のそれぞれに対応して配置され、治験担当医及び治験コーディネーターによって所持される。治験担当医及び治験コーディネーターは、治験担当医等又は治験担当者と総称される。複数の第2端末装置120a~120mのそれぞれは、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯情報端末であってもよい。
【0022】
複数の第1端末装置110a~110nでは、被験者に投薬される治験薬の錠数を示す錠数情報及び治験薬が投薬される被験者の体調を示す体調情報を含む治験情報が被験者又は投薬管理者によって入力される。被験者及び投薬管理者は、投薬管理者等と総称されることがある。治験薬は、例えば便秘症の治療薬であり、錠数情報は、治験薬が投薬された錠数を示し、体調情報は、例えば被験者の排便に関する排便情報である。複数の第1端末装置110a~110nのそれぞれは、錠数情報を治験薬が投薬された投薬時間を示す投薬時間情報と共に治験管理装置1に出力すると共に、排便情報を被験者が排便した排便時間を示す排便時間情報と共に治験管理装置1に出力する。排便時間は、体調情報が得られた時間である体調時間の一例である。
【0023】
便秘症の治療では、治療薬の投薬数は、排便の回数及び便の性状が適切になるまで適宜増減しながら、年単位で経過観察が行われる。例えば、硬便が継続するとき、治療薬の投薬数は増加され、軟便が継続するとき、治療薬の投薬数は減少される。便秘症の治療は、治療の基本となる治療薬に加えて、排便の無いときに頓用で使用する頓用薬である座薬又は浣腸が投薬される。頓用薬である座薬又は浣腸は、レスキュー薬とも称される。
【0024】
複数の第2端末装置120a~120mは、画像を表示する表示部を有し、治験担当医等が担当する被験者に投薬された治験薬の錠数を示す錠数情報及び体調情報を示す画像が治験担当医等によって閲覧される。複数の第2端末装置120a~120mのそれぞれは、治験担当医等の指示に基づいて、被験者のそれぞれの錠数情報及び体調情報を示す画像を表示する。
【0025】
治験管理装置1は、治験を依頼した製薬会社により管理されるサーバであり、実施形態に係る治験管理処理を実行する。治験管理装置1は、治験管理処理を実行するための種々のデータを記憶する。例えば、治験管理装置1は、複数の第1端末装置110a~110nのそれぞれに対応する被験者のそれぞれの治験情報を記憶する。なお、単盲検試験では、治験管理装置1に記憶される治験情報は、被験者のそれぞれの錠数情報及び排便情報に加えて、被験者に投薬される治験薬が被験薬又は偽薬の何れかであるかを示す投薬情報を更に含んでもよい。単盲検試験では、被験者に投薬される治験薬が被験薬又は偽薬の何れかであるかを示す投薬情報は、治験管理装置1を管理する製薬会社及び第2端末装置120a~120mを閲覧する治験担当医等により閲覧可能である。しかしながら、単盲検試験では、治験管理装置1は、I期及びII期の何れの期間においても、複数の第1端末装置110a~110nの何れにも投薬情報を出力しない。治験管理装置1が複数の第1端末装置110a~110nの何れにも投薬情報を出力しないので、複数の第1端末装置110a~110nは、投薬情報を記憶しない。複数の第1端末装置110a~110nに投薬情報が記憶されないので、複数の第1端末装置110a~110nを管理する投薬管理者等は、被験者に投薬される治験薬が被験薬又は偽薬の何れかであるかを知り得るおそれは低い。なお、二重盲検試験では、治験管理装置1は、投薬情報を記憶するが、実施形態に係る治験管理装置は、投薬情報を記憶しない。
【0026】
図2は、第1端末装置110のブロック図である。
【0027】
第1端末装置110は、第1通信部111と、第1記憶部112と、第1タッチパネル113と、第1撮像部114と、第1処理部115とを有し、投薬管理者等により治験情報が入力され、入力された治験情報を治験管理装置1に出力する。なお、第1端末装置110は、投薬管理者等によって入力された治験情報は、表示可能であるが、他の被験者の治験情報は表示されない。第1通信部111、第1記憶部112、第1タッチパネル113、第1撮像部114及び第1処理部115は、バス118を介して互いに接続される。
【0028】
第1通信部111は、2.1GHz帯又は1.7GHz帯若しくは900MHz帯を感受帯域とするアンテナを含む通信インターフェース回路を有する。また、第1通信部111は、Wi-Fi(登録商標)等の無線の通信インターフェース回路を有し、アクセスポイント102と無線通信することで、第1端末装置110を通信ネットワーク101に接続する。
【0029】
第1記憶部112は、半導体記憶装置等の記憶装置を備え、第1端末装置110が実行する処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、第1記憶部112は、アプリケーションプログラムとして、ウェブページの取得及び表示を行うウェブブラウザプログラムを含む種々のプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、例えばフラッシュメモリを含む半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記憶媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶部112にインストールされてもよい。また、第1記憶部112は、第1端末装置110を使用する被験者を識別するID情報112a、並びに第1タッチパネル113を介して投薬管理者等によって入力された錠数情報及び体調情報した情報等を記憶する。
【0030】
第1タッチパネル113は、動画像、静止画像等の出力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の表示装置である。第1タッチパネル113は、第1処理部115から供給される動画像データに応じた動画像、静止画像データに応じた静止画像等を表示する。第1タッチパネル113は、タップ、ドラッグ、フリック等の接触により、ユーザの指示を受け付け、受け付けた指示に対応する信号を発生し、第1処理部115に出力する。
【0031】
第1撮像部114は、デジタルカメラ及びデジタルビデオカメラ等の撮像装置であり、静止画像及び映像とも称される動画像を撮像することができる。第1撮像部114は、撮像素子、レンズ及びAD(Analogue―Digital)変換器を有する。撮像素子は、例えばCMOS(Complementary MOS)及びCCD(Charge―Coupled Device)である。レンズは、撮像素子上に像を結ぶ。AD変換器は、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログデジタル変換を行う。第1撮像部114は、撮像した画像を示す画像情報を第1処理部115に出力する。
【0032】
第1処理部115は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。第1処理部115は、第1端末装置110の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。第1処理部115は、第1端末装置110の各種処理が第1記憶部112に記憶されているプログラムによる指示、及び第1タッチパネル113の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、第1通信部111及び第1タッチパネル113等の動作を制御する。第1処理部115は、第1記憶部112に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、第1処理部115は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0033】
第1処理部115は、ログイン情報表示部130と、ID識別部131と、カレンダ画像表示部132と、メニュー表示部133と、投薬情報入力表示部134と、レスキュー薬情報入力表示部135と、排便情報入力表示部136とを有する。第1処理部115は、情報登録部137と、情報出力部138とを更に有する。第1処理部115が有するこれらの各部は、第1処理部115が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、第1処理部115が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして第1処理部115に実装されてもよい。
【0034】
図3は、第2端末装置120のブロック図である。
【0035】
第2端末装置120は、第2通信部121と、第2記憶部122と、第2入力部123と、第2出力部124と、第2処理部125とを有し、第2端末装置120を所持する治験担当医等が所属する施設が担当する被験者の治験情報を表示する。なお、第2端末装置120は、第2端末装置120を所持する治験担当医等が所属する施設以外の施設が担当する被験者の治験情報は表示しない。また、第2端末装置120は、被験者の治験情報を修正及び削除する処理は実行できない。第2通信部121、第2記憶部122、第2入力部123、第2出力部124及び第2処理部125は、バス128を介して互いに接続される。
【0036】
第2通信部121は、2.1GHz帯又は1.7GHz帯若しくは900MHz帯を感受帯域とするアンテナを含む通信インターフェース回路を有する。また、第2通信部121は、Wi-Fi(登録商標)等の無線の通信インターフェース回路を有し、アクセスポイント102と無線通信することで、第2端末装置120を通信ネットワーク101に接続する。
【0037】
第2記憶部122は、半導体記憶装置等の記憶装置を備え、第2端末装置120が実行する処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、第2記憶部122は、アプリケーションプログラムとして、ウェブページの取得及び表示を行うウェブブラウザプログラムを含む種々のプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、例えばフラッシュメモリを含む半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記憶媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶部122にインストールされてもよい。
【0038】
第2入力部123は、データの入力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル、キーボード等である。第2端末装置120を所持する治験担当医等は、第2入力部123を用いて、文字、数字、記号等を入力することができる。第2入力部123は、治験担当医等により操作されると、その操作に対応する信号を生成する。そして、生成された信号は、治験担当医等の指示として、第2処理部125に供給される。
【0039】
第2出力部124は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等である。第2出力部124は、第2処理部125から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。また、第2出力部124は、紙などの表示媒体に、映像、画像又は文字等を印刷する出力装置であってもよい。第2出力部124は、被験者の治験情報を表示する。
【0040】
第2処理部125は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。第2処理部125は、第2端末装置120の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。第2処理部125は、第2端末装置120の各種処理が第2記憶部122に記憶されているプログラムの指示、及び第2入力部123の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、第2通信部121及び第2入力部123等の動作を制御する。第2処理部125は、第2記憶部122に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、第2処理部125は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0041】
第2処理部125は、ログイン情報表示部140と、情報要求部141と、被験者一覧情報画像データ生成部142と、画像データ出力部143と、投薬情報取得部144と、レスキュー薬情報取得部145と、排便情報取得部146と、治験情報画像データ出力部147と、詳細情報画像データ出力部148と、情報出力部149とを有する。第2処理部125が有するこれらの各部は、第2処理部125が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、第2処理部125が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして第2処理部125に実装されてもよい。
【0042】
図4は、治験管理装置1のブロック図である。
【0043】
治験管理装置1は、管理通信部11と、管理記憶部12と、管理入力部13と、管理出力部14と、管理処理部20とを有する。管理通信部11、管理記憶部12、管理入力部13、管理出力部14及び管理処理部20は、バス15を介して互いに接続される。
【0044】
管理通信部11は、イーサネット(登録商標)などの有線の通信インターフェース回路を有する。管理通信部11は、通信ネットワーク101を介して第1端末装置110及び第2端末装置120等と通信を行う。
【0045】
管理記憶部12は、例えば、半導体記憶装置、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。管理記憶部12は、管理処理部20での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、管理記憶部12は、被験者の情報を治験担当医等が閲覧する治験情報閲覧処理を管理処理部20に実行させるための治験情報閲覧プログラム等を記憶する。治験情報閲覧プログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記憶媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて管理記憶部12にインストールされてもよい。
【0046】
また、管理記憶部12は、治験情報12a、投薬情報テーブル40、レスキュー薬情報テーブル50及び排便情報テーブル60等の治験情報閲覧処理で使用される種々のデータを記憶する。治験情報12aは、被験者に被験薬及び偽薬の何れかが投薬される治験に関する情報である第1治験情報、及び被験者に被験薬のみが投薬される治験に関する情報である第2治験情報を含む。治験情報12aは、被験者を識別するログインIDと共に記憶される。
【0047】
投薬情報テーブル40は、被験者に投薬された治験薬が投薬された日付及び時間である投薬時間情報、並びに錠数を示す錠数情報を含む。レスキュー薬情報テーブル50は、被験者に排便の無いときに排便を促すために頓用で使用するレスキュー薬が投薬された日付及び時間を示すレスキュー薬時間情報、並びに投薬種別及び投薬数を示すレスキュー薬情報を含む。排便情報テーブル60は、被験者が排便した日付及び時間を示す排便時間情報、並びにブリストルスケールで規定される便の形状及び硬さ、すなわち性状、画像、及び転記の有無を示す排便情報を含む。
【0048】
管理入力部13は、データの入力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル、キーボード等である。排便管理システム100を管理する管理者は、管理入力部13を用いて、文字、数字、記号等を入力することができる。管理入力部13は、管理者により操作されると、その操作に対応する信号を生成する。そして、生成された信号は、管理者の指示として、管理処理部20に供給される。
【0049】
管理出力部14は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等である。管理出力部14は、管理処理部20から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。また、管理出力部14は、紙などの表示媒体に、映像、画像又は文字等を印刷する出力装置であってもよい。管理出力部14は、被験者の治験情報を表示する。
【0050】
管理処理部20は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。管理処理部20は、治験管理装置1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。管理処理部20は、管理記憶部12に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、管理処理部20は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。
【0051】
管理処理部20は、情報登録部21と、情報出力部22と、投薬情報取得部23と、レスキュー薬情報取得部24と、排便情報取得部25と、出力情報決定部26とを有する。これらの各部は、管理処理部20が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして管理処理部20に実装されてもよい。
【0052】
(実施形態に係る治験管理システムによる投薬情報登録処理)
図5は治験管理システム100による投薬情報登録処理のシーケンス図であり、図6及び7は図5に示す投薬情報登録処理で第1タッチパネル113に表示されるグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface、GUI)を示す図である。図5に示す投薬情報登録処理は、予め管理記憶部12及び第1記憶部112に記憶されているプログラムに基づいて、主に管理処理部20及び第1処理部115により各要素と協働して実行される。図6(a)はS101の処理に応じて表示される画像を示し、図6(b)はS109の処理に応じて表示される画像を示し、図7(a)はS110の処理に応じて表示される画像を示し、図7(b)はS111の処理に応じて表示される画像を示す。
【0053】
まず、ログイン情報表示部130は、ログイン画像30を第1タッチパネル113に表示する(S101)。ログイン画像30は、ログインID入力ボックス30aと、パスワード入力ボックス30bと、ログインボタン30cとを含む。投薬管理者等は、所定のログインID及びパスワードをログインID入力ボックス30a及びパスワード入力ボックス30bのそれぞれに入力し、ログインボタン30cを押下する。
【0054】
ID識別部131は、ログインボタン30cの押下に応じて、投薬管理者等によって入力されたログインIDとパスワードが、第1記憶部112に記憶されるID情報112aに記憶されるログインIDとパスワードに一致することを確認する(S102)。
【0055】
次いで、カレンダ画像表示部132は、ログインIDに関連付けて治験管理装置1に記憶される排便情報を送信することを要求する排便情報要求を治験管理装置1に出力する(S103)。
【0056】
次いで、投薬情報取得部23は、被験者が投薬された治験薬の錠数を示す錠数情報を、被験者が治験薬を投薬された日付及び時間を示す投薬時間情報と共に取得する(S104)。投薬情報取得部23は、管理記憶部12に記憶される投薬情報テーブル40を参照して、被験者が錠数情報を入力可能な期間である入力可能期間内の日付、時間及び錠数を取得する。入力可能期間は、例えば排便情報要求がされた日にちから3日前までの日にちである。
【0057】
次いで、レスキュー薬情報取得部24は、被験者に投薬されたレスキュー薬の種別及び投薬数を示すレスキュー薬情報、及び被験者がレスキュー薬を投薬された日付及び時間を示す投薬時間情報を取得する(S105)。投薬情報取得部23は、管理記憶部12に記憶されるレスキュー薬情報テーブル50を参照して、S103の処理と同様に、入力可能期間内の日付、時間、種別及び投薬数を取得する。
【0058】
次いで、排便情報取得部25は、被験者の排便に関する情報である排便情報、及び被験者が排便した日付及び時間を示す排便時間情報を取得する(S106)。排便情報取得部25は、管理記憶部12に記憶される排便情報テーブル60を参照して、排便情報テーブル60に記憶される便の硬さ、すなわち性状、日付及び時間を含む情報を全ての期間に亘って取得する。
【0059】
次いで、出力情報決定部26は、I期内の排便情報及び排便時間情報を出力するか否かを決定する(S107)。出力情報決定部26は、被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬されるI期の最終日を示す締め日情報を参照して、I期内の排便情報及び排便時間情報を出力するか否かを決定する。治験を開始した日にちから締め日情報に対応する日にちまでの期間は、被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬されるI期である。また、締め日情報に対応する日にちから今日までの期間は、被験者に被験薬が投薬されるII期である。以下、I期は第1期間とも称され、II期は第2期間とも称される。締め日情報は、臨床試験において、被験者に被験薬又は偽薬の何れかが投薬される第1期間、及び第1期間経過後に被験薬が投薬される第2期間を示す期間情報である。なお、管理記憶部12は、締め日情報の代わりに第2期間が開始する日を示す情報を期間情報として記憶してもよく、I期及びII期の少なくとも一方の期間を示す情報を期間情報として記憶してもよい。
【0060】
出力情報決定部26は、管理記憶部12に記憶された締め日情報を参照して、第1端末装置110から排便情報要求がされた時間がI期又はII期の何れかであるかを判定する。出力情報決定部26は、第1端末装置110から排便情報要求がされた時間がI期である場合には、S206の処理で取得された排便情報及び排便時間情報を全ての期間に亘って出力することを決定する。
【0061】
出力情報決定部26は、第1端末装置110から排便情報要求がされた時間がII期である場合には、I期内の排便情報及び排便時間情報を出力しないことを決定する。また、出力情報決定部26は、第1端末装置110から排便情報要求がされた時間がII期である場合には、II期内の排便情報及び排便時間情報を出力することを決定する。
【0062】
出力情報決定部26は、第1端末装置110から排便情報要求がなされた時間がII期間内であり且つI期間が入力可能期間に重畳する場合には、II期間内の排便情報及び排便時間情報に加えて、I期間と入力可能期間とが重畳する重畳期間内の排便情報及び排便時間情報を第1端末装置110に出力することを決定する。
【0063】
また、出力情報決定部26は、第1端末装置110から排便情報要求がなされた時間がII期間内であり且つI期間が入力可能期間に重畳しない場合には、II期間内の排便情報及び排便時間情報を出力し、I期間内の排便情報及び排便時間情報を第1端末装置110に出力しないことを決定する。
【0064】
また、出力情報決定部26は、入力可能期間内の錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報及びレスキュー薬時間情報を出力することを決定する。
【0065】
次いで、情報出力部22は、S107の処理で出力されることが決定された排便時間情報を第1端末装置110に出力する(S108)。情報出力部22は、S107の処理で出力することが決定された錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間情報、排便情報及び排便時間情報を第1端末装置に出力する。S108の処理で第1端末装置110に入力された錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間情報、排便情報及び排便時間情報は、第1記憶部112に記憶される。
【0066】
情報出力部22は、S103の処理で第1端末装置110から排便情報要求がされた時間がI期内である場合には、S106の処理で取得された排便情報及び排便時間情報を全ての期間に亘って出力する。情報出力部22は、S103の処理で第1端末装置110から排便情報要求がされた時間がII期内であり且つI期間が入力可能期間に重畳する場合には、重畳期間内及びII期内の排便情報及び排便時間情報を出力する。情報出力部22は、S103の処理で第1端末装置110から排便情報要求がされた時間がII期内であり且つI期間が入力可能期間に重畳しない場合には、I期内の排便時間情報を出力せず、II期内の排便時間情報のみを出力する。
【0067】
次いで、カレンダ画像表示部132は、カレンダ画像31を第1タッチパネル113に表示する(S109)。カレンダ画像表示部132は、S108の処理で入力された排便情報に基づいて、カレンダ画像31を生成し、生成したカレンダ画像31を第1タッチパネル113に表示する。
【0068】
カレンダ画像31は、月表示部31aと、月戻しボタン31bと、月進めボタン31cと、日付表示部31dとを有する。月表示部31aは、日付表示部31dに表示する年月を西暦で示す年及び月で示す。月戻しボタン31bは日付表示部31dに表示する年月を1月毎に戻し、月進めボタン31cは日付表示部31dに表示する年月を1月毎に進める。日付表示部31dは、月表示部31aに表示される月の日付の中で錠数情報、レスキュー薬情報及び排便情報を入力可能な日にちのそれぞれを曜日毎に列となるカレンダとして表示する。図6(b)では、2020年5月4日から現在の日にちである2020年5月7日までの4日間が錠数情報、レスキュー薬情報及び排便情報を入力可能な期間である入力可能期間として表示される。日付表示部31dに表示される日付は投薬管理者等により選択可能である。また、日付表示部31dでは、それぞれの日にちに排便があったか否かを示す日報情報が併せて表示される。日報情報では、排便があった日にちは便を示す画像が表示され、排便がなかった日にちは便を示す画像にバツ印が重畳された画像が表示される。
【0069】
カレンダ画像表示部132は、S108の処理で入力された排便時間情報に対応する日付に基づいて、便を示す画像が配置される日にちを決定する。カレンダ画像表示部132は、S108の処理で入力された排便時間情報に対応する日付のそれぞれに対応する領域に便を示す画像を配置する。また、カレンダ画像表示部132は、S108の処理で入力された排便時間情報に対応する日付以外の日にちに対応する領域には便を示す画像を配置しない。
【0070】
カレンダ画像表示部132は、S108の処理で入力された排便情報及び排便時間情報に基づいて、それぞれの日にちにおける排便の有無について判定する。カレンダ画像表示部132は、便を示す画像が配置された日にちに対応する排便情報が排便があることを示すとき、当該日にちに排便があったと判定する。カレンダ画像表示部132は、排便があったと判定すると、バツ印が重畳された画像を、便を示す画像が配置された領域に配置された便を示す画像に重畳して配置しない。また、カレンダ画像表示部132は、便を示す画像が配置された日にちに対応する排便情報が排便がないことを示すとき、当該日にちに排便がなかったと判定する。カレンダ画像表示部132は、排便がなかったと判定すると、バツ印が重畳された画像を、便を示す画像が配置された領域に配置された便を示す画像に重畳して配置する。
【0071】
また、図6(b)では、I期は4月28日に終了し、II期は4月29日に開始する。I期内の排便時間情報は、治験管理装置1から第1端末装置110に入力されず、I期内の4月28日までの日にちには、排便の有無を示す画像は、表示されない。II期内の排便時間情報は、治験管理装置1から第1端末装置110に入力され、II期内の4月29日以降の日にちには、排便の有無を示す画像は、表示される。
【0072】
投薬管理者等によって日付表示部31dに表示される入力可能期間内の日付のいずれかが選択されることに応じて、メニュー表示部133は、メニュー画像32を第1タッチパネル113に表示する(S110)。入力可能期間に含まれる4日の日にちに何れかが投薬管理者等により押下されたときに、メニュー表示部133は表示されるが、入力可能期間より前の日にちが投薬管理者等により押下されたとき、メニュー表示部133は表示されない。入力可能期間より前の日にちが投薬管理者等により押下されたとき、メニュー表示部133が表示されないので、第1端末装置は、入力可能期間が経過した後は、錠数情報、レスキュー薬情報及び排便情報の入力を禁止することができる。
【0073】
メニュー画像32は、投薬情報選択ボタン32aと、レスキュー薬情報選択ボタン32bと、排便情報選択ボタン32cと、押下されることでカレンダ画像31を表示する戻るボタン32dとを含む。投薬情報選択ボタン32aは、第1投薬情報選択ボタン32eと、第2投薬情報選択ボタン32fとを有する。排便情報選択ボタン32cは、排便追加ボタン32gと、排便なし登録ボタン32hとを有する。メニュー画像32は、投薬管理者等により選択された日付における錠数情報、レスキュー薬情報及び排便情報の何れかを入力するかを選択可能なGUIである。
【0074】
第1投薬情報選択ボタン32e及び第2投薬情報選択ボタン32fの何れかが投薬管理者等により選択されることに応じて、投薬情報入力表示部134は、投薬情報入力画像33を第1タッチパネル113に表示する(S111)。第1投薬情報選択ボタン32eが投薬管理者等により選択されると、投薬情報入力表示部134は、朝の錠数情報が入力可能な投薬情報入力画像33を表示する。第2投薬情報選択ボタン32fが投薬管理者等により選択されると、投薬情報入力表示部134は、夜の錠数情報が入力可能な投薬情報入力画像33を表示する。
【0075】
投薬情報入力画像33は、投薬時間ボックス33aと、錠数選択ボタン33bと、登録更新ボタン33cと、押下されることでメニュー画像32を表示する戻るボタン33dとを含む。投薬時間ボックス33aは、投薬管理者等により選択されることで、被験者に治験薬が投薬された時間が入力可能になる。錠数選択ボタン33bは、例えばプルダウンボタンであり、2錠、3錠及び4錠等の被験者に投薬された治験薬が選択可能である。
【0076】
また、投薬情報入力画像33では、錠数情報の登録処理を投薬管理者等が既に実行済の場合には、投薬時間ボックス33a及び錠数選択ボタン33bに登録された情報が表示される。投薬時間ボックス33a及び錠数選択ボタン33bに表示される情報は、S108の処理で情報出力部22によって出力され、第1記憶部112に記憶された錠数情報及び投薬時間情報である。
【0077】
登録更新ボタン33cが投薬管理者等によって押下されることに応じて、情報登録部137は、投薬時間ボックス33a及び錠数選択ボタン33bを介して入力された錠数情報を第1記憶部112に記憶する(S112)。錠数情報は、登録更新ボタン33cが押下された更新時間を示す更新時間情報と共に第1記憶部112に記憶される。
【0078】
次いで、情報出力部138は、第1記憶部112に記憶された錠数情報を示す錠数情報信号を更新時間情報と共に治験管理装置1に出力する(S113)。情報登録部21は、入力された錠数情報信号に対応する錠数情報を管理記憶部12に記憶する(S114)。情報登録部21が錠数情報を管理記憶部12の投薬情報テーブル40に記憶することで、投薬情報登録処理は終了する。
【0079】
図8は、投薬情報テーブル40の一例を示す図である。
【0080】
投薬情報テーブル40は、ログインID欄41と、日付欄42と、朝夜欄43と、時間欄44と、錠数欄45と、種別欄46と、入力時間欄47とを有する。ログインID欄41は、ログイン画像30において投薬管理者等によって入力されたログインIDを示すデータが格納される。日付欄42は、投薬管理者等によってカレンダ画像31において選択された日付に対応する日付を示すデータが格納される。
【0081】
朝夜欄43は、メニュー画像32において、第1投薬情報選択ボタン32e及び第2投薬情報選択ボタン32fの何れかが投薬管理者等によって選択されたかに応じて決定される。第1投薬情報選択ボタン32eが選択されたとき、朝夜欄43は「朝」を示すデータが格納され、第2投薬情報選択ボタン32fが選択されたとき、朝夜欄43は「夜」を示すデータが格納される。
【0082】
時間欄44は、投薬情報入力画像33において、投薬時間ボックス33aに投薬管理者等によって入力された時間を示すデータが格納される。錠数欄45は、投薬情報入力画像33において、錠数選択ボタン33bで投薬管理者等によって選択された錠数を示すデータが格納される。種別欄46は、記憶されたデータが新規のデータであるか更新されたデータであるかを示す。入力時間欄47は、投薬情報入力画像33において投薬管理者等によって登録更新ボタン33cが押下された時間を示すデータが格納される。
【0083】
(実施形態に係る治験管理システムによるレスキュー薬情報登録処理)
図9は治験管理システム100によるレスキュー薬情報登録処理のシーケンス図であり、図10図9に示すレスキュー薬情報登録処理で第1タッチパネル113に表示されるGUIを示す図である。図9に示すレスキュー薬情報登録処理は、予め管理記憶部12及び第1記憶部112に記憶されているプログラムに基づいて、主に管理処理部20及び第1処理部115により各要素と協働して実行される。図10は、S211の処理に応じて表示される画像を示す。
【0084】
S201~S210の処理は、S101~S110の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。レスキュー薬情報選択ボタン32bが投薬管理者等により選択されることに応じて、レスキュー薬情報入力表示部135は、レスキュー薬情報入力画像34を第1タッチパネル113に表示する(S211)。レスキュー薬情報入力画像34は、レスキュー薬時間ボックス34aと、浣腸選択ボタン34bと、坐薬選択ボタン34cと、投薬数選択ボタン34dと、登録更新ボタン34eと、押下されることでメニュー画像32を表示する戻るボタン34fとを含む。レスキュー薬時間ボックス34aは、投薬管理者等により選択されることで、被験者にレスキュー薬が投薬された時間が入力可能になる。浣腸選択ボタン34bは、レスキュー薬が浣腸により投薬されたときに、投薬管理者等により選択される。坐薬選択ボタン34cは、レスキュー薬が坐薬により投薬されたときに、投薬管理者等により選択される。投薬数選択ボタン34dは、例えばプルダウンボタンであり、2錠、3錠及び4錠等の被験者に投薬されたレスキュー薬が選択可能である。
【0085】
また、レスキュー薬情報入力画像34では、レスキュー薬情報の登録処理を投薬管理者等が既に実行済の場合には、レスキュー薬時間ボックス34a、浣腸選択ボタン34b、坐薬選択ボタン34c及び投薬数選択ボタン34dに登録された情報が表示される。レスキュー薬時間ボックス34a、浣腸選択ボタン34b、坐薬選択ボタン34c及び投薬数選択ボタン34dに表示される情報は、S208の処理で情報出力部22によって出力され、第1記憶部112に記憶されたレスキュー薬情報及びレスキュー薬情報である。
【0086】
登録更新ボタン34eが投薬管理者等によって押下されることに応じて、情報登録部137は、レスキュー薬時間ボックス34a~投薬数選択ボタン34dを介して入力されたレスキュー薬情報を第1記憶部112に記憶する(S213)。レスキュー薬情報は、登録更新ボタン34eが押下された更新時間情報と共に第1記憶部112に記憶される。
【0087】
次いで、情報出力部138は、第1記憶部112に記憶されたレスキュー薬情報を示すレスキュー薬情報信号を更新時間情報と共に治験管理装置1に出力する(S214)。情報登録部21は、入力されたレスキュー薬情報信号に対応するレスキュー薬情報を管理記憶部12に記憶する。情報登録部21がレスキュー薬情報を管理記憶部12のレスキュー薬情報テーブル50に記憶することで、レスキュー薬情報登録処理は終了する。
【0088】
図11は、レスキュー薬情報テーブル50の一例を示す図である。
【0089】
レスキュー薬情報テーブル50は、ログインID欄51と、日付欄52と、時間欄53と、投薬種別欄54と、投薬数欄55と、種別欄56と、入力時間欄57とを有する。ログインID欄51は、ログインID欄41と同様に、ログイン画像30において投薬管理者等によって入力されたログインIDを示すデータが格納される。日付欄52は、日付欄42と同様に、投薬管理者等によってカレンダ画像31において選択された日付に対応する日付を示すデータが格納される。時間欄53は、レスキュー薬情報入力画像34において、レスキュー薬時間ボックス34aに投薬管理者等によって入力された時間を示すデータが格納される。
【0090】
投薬種別欄54は、レスキュー薬情報入力画像34において、浣腸選択ボタン34b及び坐薬選択ボタン34cの何れかが投薬管理者等によって選択されたかに応じて決定される。浣腸選択ボタン34bが選択されたとき、投薬種別欄54は「浣腸」を示すデータが格納され、坐薬選択ボタン34cが選択されたとき、投薬種別欄54は「坐薬」を示すデータが格納される。
【0091】
種別欄56は、記憶されたデータが新規のデータであるか、更新されたデータであるか、取り消されたデータであるかを示す。入力時間欄57は、レスキュー薬情報入力画像34において投薬管理者等によって登録更新ボタン34eが押下された時間を示すデータが格納される。
【0092】
(実施形態に係る治験管理システムによる排便情報登録処理)
図12は治験管理システム100による排便情報登録処理のシーケンス図であり、図13図12に示す排便情報登録処理で第1タッチパネル113に表示されるGUIを示す図である。図12に示す排便情報登録処理は、予め管理記憶部12及び第1記憶部112に記憶されているプログラムに基づいて、主に管理処理部20及び第1処理部115により各要素と協働して実行される。図13は、S311の処理に応じて表示される画像を示す。
【0093】
S301~S310の処理は、S101~S110の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。排便追加ボタン32gが投薬管理者等により選択されることに応じて、排便情報入力表示部136は、排便情報入力画像35を第1タッチパネル113に表示する(S311)。排便情報入力画像35は、排便時間ボックス35aと、硬さ情報部35bと、便画像部35cと、転記無ボタン35dと、転記有ボタン35eと、撮影ボタン35fとを含む。排便情報入力画像35は、登録更新ボタン35gと、押下されることでメニュー画像32を表示する戻るボタン35hとを更に含む。
【0094】
また、排便情報入力画像35では、排便情報の登録処理を投薬管理者等が既に実行済の場合には、排便時間ボックス35a、硬さ情報部35b、便画像部35c、転記無ボタン35dお及び転記有ボタン35eに登録された情報が表示される。排便時間ボックス35a、硬さ情報部35b、便画像部35c、転記無ボタン35d及び転記有ボタン35eに表示される情報は、S308の処理で情報出力部22によって出力され、第1記憶部112に記憶された排便情報及び排便情報である。
【0095】
排便時間ボックス35aは、投薬管理者等により選択されることで、被験者が排便した時間が入力可能になる。硬さ情報部35bは、便画像部35cに含まれる何れかの便画像及び「不明」の何れかが投薬管理者等により選択されることに応じて、対応する便の硬さが記憶される。
【0096】
便画像部35cは、コロコロ便画像35iと、硬い便画像35jと、やや硬い便35kと、普通便35lと、やや柔らかい便35mと、泥状便35nと、水様便35oと、不明画像35pとを含む。コロコロ便画像35i、硬い便画像35j、やや硬い便35k、普通便35l、やや柔らかい便35m、泥状便35n及び水様便35oは、ブリストルスケールで規定される便の性状を表示する画像である。
【0097】
コロコロ便画像35iは硬くてコロコロ兎糞状の便の画像であり、硬い便画像35jはソーセージ状であるが硬い便の画像であり、やや硬い便35kは表面にひび割れのあるソーセージ状の便の画像である。普通便35lは表面がなめらかで柔らかいソーセージ状又は蛇のようなとぐろを巻く便の画像であり、やや柔らかい便35mははっきりとしたしわのある柔らかい半分固形の便の画像である。泥状便35nは境界がほぐれて、ふにゃふにゃの不定形の小片便の画像であり、水様便35oは水様で、固形物を含まない液体状の便である。不明画像35pは、コロコロ便画像35i~水様便35oの何れに分類するかが判断できないときに投薬管理者等によって選択される。
【0098】
転記無ボタン35dは便の硬さ等の排便情報を投薬管理者等が紙から転記しなかった場合に選択され、転記有ボタン35eは排便情報を投薬管理者等が紙から転記した場合に選択される。撮影ボタン35fは、押下されることによって、投薬管理者等が便の画像を撮像可能となる。撮影ボタン35fが押下されることに応じて撮像された便の画像は、便画像として排便情報に含まれる。
【0099】
登録更新ボタン35gが投薬管理者等によって押下されることに応じて、情報登録部137は、排便時間ボックス35a~撮影ボタン35fを介して入力された排便情報を第1記憶部112に記憶する(S312)。排便情報は、登録更新ボタン35gが押下された更新時間と共に第1記憶部112に記憶される。撮影ボタン35fが押下されることに応じて撮像された便の画像がないとき、排便情報は、データ量が大きい画像情報を含まないので、画像情報を含む場合よりもデータ量が小さい、例えば数ビットの情報である。
【0100】
次いで、情報出力部138は、第1記憶部112に記憶された排便情報を示す排便情報信号を更新時間と共に治験管理装置1に出力する(S313)。情報登録部21は、入力された排便情報信号に対応する排便情報を管理記憶部12に記憶する(S314)。情報登録部21が排便情報を管理記憶部12の排便情報テーブル60に記憶することで、排便情報登録処理は終了する。
【0101】
図14は、排便情報テーブル60の一例を示す図である。
【0102】
排便情報テーブル60は、ログインID欄61と、日付欄62と、排便時間欄63と、便の硬さ欄64と、画像欄65と、転記欄66と、種別欄67と、入力時間欄68とを有する。ログインID欄61は、ログインID欄41と同様に、ログイン画像30において投薬管理者等によって入力されたログインIDを示すデータが格納される。日付欄62は、日付欄42と同様に、投薬管理者等によってカレンダ画像31において選択された日付に対応する日付を示すデータが格納される。排便時間欄63は、排便情報入力画像35において、排便時間ボックス35aに投薬管理者等によって入力された時間を示すデータが格納される。
【0103】
便の硬さ欄64は、排便情報入力画像35において、便画像部35cに含まれるコロコロ便画像35i~不明画像35pの何れかが投薬管理者等によって選択されたかに応じて決定される。便の硬さ欄64は、コロコロ便画像35iが選択されたとき「1」を示すデータが格納され、硬い便画像35jが選択されたとき「2」を示すデータが格納され、やや硬い便35kが選択されたとき「3」を示すデータが格納される。また、便の硬さ欄64は、普通便35lが選択されたとき「4」を示すデータが格納され、やや柔らかい便35mが選択されたとき「5」を示すデータが格納される。また、便の硬さ欄64は、泥状便35nが選択されたとき「6」を示すデータが格納され、水様便35oが選択されたとき「7」を示すデータが格納され、不明画像35pが選択されたとき「不明」を示すデータが格納される。便の硬さ欄64に示す情報は、ブリストルスケールで規定される便の性状を表す数値を示すブリストルスケール情報である。
【0104】
画像欄65は、撮影ボタン35fが押下されることに応じて撮像された便の画像があるときに画像データが格納され、撮像された便の画像がないときに空欄となる。転記欄66は、排便情報入力画像35において、転記無ボタン35d及び転記有ボタン35eの何れかが投薬管理者等によって選択されたかに応じて決定される。転記無ボタン35dが選択されたとき、転記欄66は「なし」を示すデータが格納され、転記有ボタン35eが選択されたとき、転記欄66は「あり」を示すデータが格納される。
【0105】
種別欄67は、記憶されたデータが新規のデータであるか、更新されたデータであるか、取り消されたデータであるかを示す。入力時間欄68は、排便情報入力画像35において投薬管理者等によって登録更新ボタン35gが押下された時間である。
【0106】
(実施形態に係る治験管理システムによる治験情報閲覧処理)
図15は治験管理システム100による治験情報閲覧処理のシーケンス図である。図15に示す治験情報閲覧処理は、予め管理記憶部12及び第2記憶部122に記憶されているプログラムに基づいて、主に管理処理部20及び第2処理部125により各要素と協働して実行される。
【0107】
まず、ログイン情報表示部140は、ログイン画像を第2出力部124に表示する(S401)。S401の処理で第2入力部123に表示されるログイン画像は、ログイン画像30と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0108】
次いで、情報要求部141は、治験担当医等が担当する被験者の一覧を示す被験者一覧情報を要求することを示す被験者一覧要求を治験管理装置1に出力する(S402)。被験者一覧要求が入力されたことに応じて、情報出力部22は、被験者一覧情報を第2端末装置120に出力する(S403)。情報要求部141は、治験管理装置1から入力された被験者一覧情報を第2記憶部122に記憶する。次いで、被験者一覧情報画像データ生成部142は、表示部である第2出力部124に表示する被験者一覧情報70を示す被験者一覧情報画像データを生成する(S404)。被験者一覧情報画像データ生成部142は、生成した被験者一覧情報画像データを第2記憶部122に記憶する。次いで、画像データ出力部143は、被験者一覧情報70を示す被験者一覧画像データを表示部である第2出力部124に出力する(S404)。第2出力部124は、被験者一覧画像データが入力されることに応じて、被験者一覧情報70を表示する。
【0109】
図16は、被験者一覧情報70を示す図である。
【0110】
被験者一覧情報70は、ログインID情報71と、最終更新日情報72と、詳細情報73とを含む。ログインID情報71は、第2端末装置120を操作する治験担当医等が担当する被験者に対応するログインIDの一覧を含む。最終更新日情報72は、ログインID情報71に含まれるログインIDに対応する治験情報のそれぞれが最終的に更新された日時を含む。詳細情報73は、ログインID情報71に表示されるログインIDに対応する治験情報を選択可能な形で表示する。
【0111】
治験担当医等が複数の排便詳細の何れか一つを選択したことに応じて、情報要求部141は、選択された排便詳細に対応するログインIDの治験情報を要求することを示す治験情報要求を治験管理装置1に出力する(S405)。
【0112】
治験情報要求が入力されることに応じて、投薬情報取得部23は、投薬情報テーブル40に記憶される錠数情報を、治験薬が投薬された投薬時間を示す投薬時間情報と共に取得する(S406)。投薬情報取得部23は、投薬情報テーブル40のログインID欄41を参照して、治験情報要求に対応するログインIDに一致するログインIDに対応する錠数情報を取得する。
【0113】
次いで、レスキュー薬情報取得部24は、レスキュー薬情報テーブル50に記憶されるレスキュー薬情報を、レスキュー薬が投薬された時間であるレスキュー薬投薬時間を示す投薬時間情報と共に取得する(S407)。レスキュー薬情報取得部24は、レスキュー薬情報テーブル50のログインID欄51を参照して、治験情報要求に対応するログインIDに一致するログインIDに対応するレスキュー薬情報を取得する。
【0114】
次いで、排便情報取得部25は、排便情報テーブル60に記憶される排便情報を、排便情報テーブル60の排便時間欄63に含まれる排便時間情報と共に取得する(S408)。排便情報取得部25は、排便情報テーブル60のログインID欄61を参照して、治験情報要求に対応するログインIDに一致するログインIDに対応する排便情報を取得する。
【0115】
次いで、情報出力部22は、S406~S408の処理で取得した錠数情報、レスキュー薬情報及び排便情報、並びに投薬時間情報、レスキュー薬時間情報及び排便時間情報を含む治験情報を第2端末装置120に出力する(S409)。情報要求部141は、治験管理装置1から入力された治験情報を第2記憶部122に記憶する。
【0116】
次いで、投薬情報取得部144は、第2記憶部122に記憶される治験情報に含まれる錠数情報を及び投薬時間情報と共に取得する(S410)。次いで、レスキュー薬情報取得部145は、第2記憶部122に記憶される治験情報に含まれるレスキュー薬情報及びレスキュー薬投薬時間情報と共に取得する(S411)。次いで、排便情報取得部146は、第2記憶部122に記憶される治験情報に含まれる排便情報及び排便時間情報と共に取得する(S412)。
【0117】
次いで、治験情報画像データ生成部147は、錠数情報、体調情報及びレスキュー薬情報のそれぞれを時系列上に配置した治験情報画像を示す治験情報画像データを生成する(S413)。治験情報画像データ生成部147は、レスキュー薬時間から所定の非自発排便時間内の体調情報を非自発排便時間外の体調情報と異なる態様で第2出力部124に表示されるように治験情報画像データを生成する。治験情報画像データ生成部147は、生成した治験情報画像データを第2記憶部122に記憶する。治験情報画像データは診療情報画像データの一例であり、非自発排便時間は症状抑制期間の一例である。また、治験情報画像データ生成部147は、体調情報、及び頓用薬情報のそれぞれを時系列上に配置した診療情報画像を示す診療情報画像データを生成する診療情報画像データ生成部の一例である。
【0118】
治験情報画像データ生成部147は、レスキュー薬投薬時間から非自発排便時間が経過した後の排便情報を第1態様で表示し、レスキュー薬投薬時間から非自発排便時間が経過するまでの間の排便情報を第1態様と異なる第2態様で表示するように治験情報画像データを生成する。また、治験情報画像データ生成部147は、非自発排便時間を他の時間帯と異なる態様で表示するように治験情報画像データを生成する。
【0119】
非自発排便時間は、例えば24時間であり、レスキュー薬の種類、及び投薬されるレスキュー薬の錠数に応じて適宜設定可能である。また、排便情報を表示する第2態様は、第1態様と異なっていればよく、治験情報画像データ生成部147は、例えば第1態様として、自発排便時間に排便された便の性状をローマン体とし、第2態様として、非自発排便時間に排便された便の性状をイタリック体として表示するように治験情報画像データを生成してもよい。また、治験情報画像データ生成部147は、第1態様として、自発排便時間に排便された便の性状を黒色とし、第2態様として、非自発排便時間に排便された便の性状を赤色として表示するように治験情報画像データを生成してもよい。
【0120】
治験情報画像データ生成部147は、自発排便時間を示す欄の背景を白色等の第1の色で表示し、非自発排便時間を示す欄の背景を灰色等の第2の色で表示するように治験情報画像データを生成してもよい。また、治験情報画像データ生成部147は、自発排便時間を示す欄の背景を無地表示とし、非自発排便時間を示す欄の背景を網掛け表示するように治験情報画像データを生成してもよい。
【0121】
次いで、画像データ出力部143は、治験情報を含む治験情報画像データを第2出力部124に出力する(S411)。第2出力部124は、治験情報画像データが入力されることに応じて、治験情報80を表示する。画像データ出力部143は、診療情報画像データを出力する診療情報画像データ出力部の一例であり、第2出力部124は診療情報画像を表示する表示部の一例である。
【0122】
図17は、治験情報80を示す図である。
【0123】
図17では、治験情報80は、被験者情報部81と、ブリストルスケール部82と、月情報部83と、治験担当医によって押下されることに応じて被験者一覧情報70が表示される戻るボタン84とを有する。被験者情報部81は、ログインIDを示すログインID欄81a、最終更新日時を示す最終更新日欄81bと、締め日欄81cとを有する。ログインID欄81aは、被験者一覧情報70において治験担当医等によって選択された排便詳細に対応するログインIDが示される。最終更新日欄81bは、ログインIDに対応する被験者の錠数情報、レスキュー薬情報及び排便情報の更新日時の中で最も遅い更新日時が示される。
【0124】
締め日欄81cは、締め日ボックス81dと、締め日更新ボタン81eとを含み、排便の有無を示す情報を非表示とする非表示期間を設定するときに治験担当医等によって使用される。締め日ボックス81dは、排便の有無を示す情報を非表示とする日付であるI期の終了日が治験担当医等により入力される。締め日更新ボタン81eは、締め日ボックス81dに入力された日付を更新するときに治験担当医等により押下される。例えば、被験薬又は偽薬の何れかが被験者に投薬されるI期が2020年5月3日に終了するとき、治験担当医等は、2020年5月3日を締め日ボックス81dに入力して締め日更新ボタン81eを押下する。締め日更新ボタン81eが押下されることに応じて、I期の期間である2020年5月3日以前は、非表示期間に設定され、I期の期間である2020年5月3日以前の排便の有無を示す日報情報は被験者には非表示になる。一方、II期の期間である2020年5月4日以後は、非表示期間に設定されず、II期の期間である2020年5月4日以後の排便の有無を示す日報情報は表示される。
【0125】
締め日更新ボタン81eが押下されることに応じて、情報出力部145は、締め日を示す締め日情報を治験管理装置1に出力する。締め日情報が治験管理装置1に入力されると、情報登録部21は、締め日情報を管理記憶部12に記憶する。
【0126】
ブリストルスケール部82は、ブリストルスケールで規定される便の性状と、それぞれの便を示す数字との関係が表示される。コロコロ便は「1」で示され、硬い便画像は「2」で示され、やや硬い便は「3」で示され、普通便は「4」で示され、やや柔らかい便は「5」で示され、泥状便は「6」で示され、水様便は「7」で示される。
【0127】
月情報部83は、月戻りボタン83aと、月表示部83bとを有する。月戻りボタン83aは、治験担当医等によって押下されることに応じて月表示部83bに表示される情報が1月前の情報となる。
【0128】
月表示部83bは、選択可能に表示される日付のそれぞれについて、錠数情報、レスキュー薬情報及び排便情報を表示する。月表示部83bは、それぞれの日付毎に0時から23時まで表示欄が配置される。月表示部83bに配置される表示欄は、被験者にレスキュー薬が投薬されたことを示す記号「R」、及び被験者が排便したことを示す数字「1」~「7」あるいは「?」が表示される。月表示部83bに配置される表示欄に表示される数字「1」~「7」は、ブリストルスケールで規定される便の性状を示し、「?」は便の性状が不明であることを示す。
【0129】
月表示部83bでは、被験者にレスキュー薬が投薬された2020年5月5日の15時から24時間に亘る非自発排便時間は、他の時間帯と異なる態様で示される。
【0130】
月表示部83bでは、2020年5月5日の15時に被験者にレスキュー薬が投薬されたことを示す記号「R」が表示される。また、2020年5月2日の9時及び2020年5月7日の19時に被験者がやや硬い便を排便したことを示す記号「3」が表示され、2020年5月5日の17時に被験者が泥状便を排便したことを示す記号「6」が表示される。2020年5月5日の17時は、非自発排便時間に含まれるので、被験者の排便を示す記号「6」は、第2態様であるイタリック体で表示される。一方、2020年5月7日の19時は、非自発排便時間に含まれないので、被験者の排便を示す記号「3」は、第1態様であるローマン体で表示される。
【0131】
月表示部83bでは、被験者は、2020年5月5日の13時32分に治験薬が3錠投薬され、2020年5月7日の9時45分に治験薬が4錠投薬されたことが示される。
【0132】
次いで、詳細情報表示部144は、月表示部83bに選択可能に表示される日付の何れかによって選択されることに応じて、日毎の詳細情報90を含む詳細画像を示す詳細情報画像データを第2出力部124に出力する(S415)。第2出力部124は、詳細情報画像データが入力されることに応じて、詳細情報90を表示する。
【0133】
図18は、詳細情報90を示す図である。
【0134】
詳細情報90は、被験者情報部91と、投薬情報部92と、レスキュー薬情報部93と、排便情報部94と、投薬入力履歴部95と、レスキュー薬入力履歴部96と、排便入力履歴部97と、戻るボタン98とを有する。戻るボタン98が治験担当医等によって押下されると、治験情報80が表示される。
【0135】
被験者情報部91は、ログインID欄91aと、最終更新日欄91bとを有する。ログインID欄91a及び最終更新日欄91bに示される情報は、ログインID欄81a及び最終更新日欄81bに示される情報と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。投薬情報部92は、朝欄92aと、夜欄92bとを有する。朝欄92a及び夜欄92bのそれぞれは、投薬情報テーブル40に格納されたデータに対応する情報が表示される。レスキュー薬情報部93は、当日部93aと、前日部93bとを有する。当日部93aは、レスキュー薬情報テーブル50に格納された情報に対応するデータが表示される。前日部93bは、前日にレスキュー薬が投薬されたか否かが表示される。排便情報部94は、排便情報テーブル60に格納された情報に対応するデータが表示される。
【0136】
投薬入力履歴部95は、投薬情報テーブル40に格納された入力履歴に関する情報が表示される。レスキュー薬入力履歴部96は、レスキュー薬情報テーブル50に格納された入力履歴に関する情報が表示される。前日部93bは、前日にレスキュー薬が投薬されたか否かが表示される。排便入力履歴部97は、排便情報テーブル60に格納された入力履歴に関する情報が表示される。
【0137】
(実施形態に係る治験管理装置の作用効果)
治験管理装置1は、投薬管理者等によって入力された被験者の服薬情報及び排便情報を治験担当医等が閲覧することで、服薬者の服薬状況および治療効果を治験担当医等が遠隔地でリアルタイムに把握することができる。
【0138】
また、治験管理装置1は、排便情報が排便回数に加えてブリストルスケールの情報を含むので、ブリストルスケールにより便の性状を客観的に把握可能とすることができる。例えば、被験者の便が水様便である状態が続く理由としては、治療薬の副作用として生じる下痢、及び腸管内で固まった便の塞栓の間から漏れ出た水様便のみが排泄されてしまう症状である漏便の2つが挙げられる。排便情報が排便回数のみの場合、治験担当医等は、水様便である状態が続く理由を把握することは容易ではないが、ブリストルスケールの情報を含むことで、水様便である状態が続く理由を把握することができ、来院を促す等の対処が容易になる。
【0139】
また、治験管理装置1は、排便された被験者の便の画像を記憶できるので、投薬管理者等が便性状に異変が生じたと判断したとき等に、治験担当医等は、投薬管理者等から連絡を受けたときに投薬管理者等と同一の画像を確認しながら症状について判断できる。また、投薬管理者等が被験者の便を逐次撮像することで便性状の変化を正確かつ確実に記憶することができる。また、投薬管理者等は、治験担当医等に被験者の便の状態を確認させるために通院時に被験者の便を持ち込む必要がなくなり、撮像後に被験者の便を処分できるので、衛生面で有利である。
【0140】
また、治験管理装置1は、被験薬又は偽薬の何れかが被験者に投薬されるI期の終了後のII期において、被験者及び投薬管理者等により閲覧可能な第1端末装置110におけるI期の治験情報を非表示にできるので、治験の精度を担保することができる。より具体的には、治験管理装置1は、被験薬のみが被験者に投薬されるII期において被験薬又は偽薬の何れかが被験者に投薬されるI期におけるそれぞれの日にちに排便があったか否かを示す日報情報を第1端末装置110において閲覧不可とする。
【0141】
治験管理装置1は、排便情報要求がなされた時間がII期内である場合には、I期内の錠数情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を第1端末装置110に出力しないので、第1端末装置110は錠数情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を記憶しない。第1端末装置110は錠数情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を記憶しないので、II期においてI期のそれぞれの日にちに排便があったか否かを示す日報情報を第1端末装置110で非表示になる。II期においてI期のそれぞれの日にちに排便があったか否かを示す日報情報を第1端末装置110で非表示にすることで、II期において被験者及び投薬管理者等がI期におけるそれぞれの日にちに排便があったか否かを閲覧不可の状態とする。被験者及び投薬管理者等は、II期においてI期における排便状況を閲覧できないので、被験者がI期において被験薬あるいは偽薬の何れかを投薬されていたと認識することで、II期における被験薬の投薬の効果が低下あるいは向上する、いわゆるプラセボ効果が発生することを防止できる。
【0142】
また、治験管理装置1は、排便情報要求がなされた時間がI期内である場合には、体調情報及び体調時間を全ての期間に亘って第1端末装置110に出力するので、第1端末装置110は、排便があったか否かを示す日報情報をI期の全体に亘って表示可能になる。第1端末装置110が日報情報をI期の全体に亘って表示することで、投薬管理者等は、被験者の排便の状況をI期の全体に亘って把握することができる。
【0143】
また、治験管理装置1は、排便情報要求がなされた時間がII期内である場合には、I期内の体調情報及び体調時間を第1端末装置110に出力せずに、II期内の体調情報及び体調時間を第1端末装置110に出力する。治験管理装置1がII期内の体調情報及び体調時間のみを第1端末装置110に出力することで、第1端末装置110は、I期の日報情報を表示することなく、II期の日報情報を表示することができる。第1端末装置110がI期の日報情報を表示することなく、II期の日報情報を表示することで、投薬管理者等は、プラセボ効果が発生することなく、I期よりも現在の日にちに近いII期内の被験者の排便の状況を把握することができる。
【0144】
また、治験管理装置1は、入力可能期間の錠数情報、投薬時間情報、体調情報及び体調時間情報を第1端末装置110に出力するので、投薬管理者等は、過去に入力した錠数情報等を視認しながら錠数情報等を修正することができる。また、治験管理装置1は、記憶される錠数情報等の全てを第1端末装置110に出力することなく、入力可能期間の錠数情報等のみを第1端末装置110に出力するので、通信量を抑制することができる。
【0145】
また、治験管理装置1は、被験者の治験情報を治験担当医に提供するだけでなく、管理記憶部12に記憶される治験情報の収集及び監査証跡の自動取得等の機能も有するので、治験の監視及びe-PRO用システムとしても使用可能である。
【0146】
また、治験管理装置1は、治験を依頼した製薬会社により管理されるので、医療機関からの出力に時間を要する治験薬の承認申請に係る情報を医療機関と同時に確認できるため迅速な対応が可能となる。
【0147】
また、治験管理装置1は、レスキュー薬投薬時間から非自発排便時間が経過した後の排便情報を第1態様で表示し、レスキュー薬投薬時間から非自発排便時間が経過するまでの間の排便情報を第1態様と異なる第2態様で表示することを決定する。治験管理装置1は、レスキュー薬投薬時間から非自発排便時間が経過するまでの間の排便情報を他の期間の表示態様と異なる表示態様で表示することで、非自発排便時間に発生した排便が自発排便ではないことを第2端末装置120の閲覧者に明示することができる。第2端末装置120の閲覧者である治験担当医等は、自発的な排便である自発排便と、レスキュー薬による排便とを区別して治療効果を明確することで、より的確な治療を被験者及び投薬管理者等に提案することができる。
【0148】
例えば、便秘の診断基準は、「自発的な排便回数が週に3回未満であること」を含むものであり、治験担当医等は、1週間当たりの自発排便の回数を確認した上で便秘の治療方針を決定する。自発排便及びレスキュー薬による排便の表示態様を区別して表示しない場合、治験担当医等は、自発排便又はレスキュー薬による排便の何れかであるかを判断しながら1週間当たりの自発排便の回数を確認する。一方、治験管理システム100では、第2端末装置120は、自発排便とレスキュー薬による排便とを区別して第2出力部124に日報情報を表示するので、治験担当医等は、1週間当たりの自発排便の回数を容易に確認できる。
【0149】
図17の月表示部83bでは、2020年5月1日から2020年5月7日までの1週間の間に5月1日、5月2日及び5月5日の3回の排便があったことが示されるが、5月5日の排便はレスキュー薬を投薬したことによる非自発排便である。治験管理システム100では、レスキュー薬による5月5日の排便の表示態様を自発排便である5月1日及び5月2日の表示態様を異なる態様で表示することで、自発排便と非自発排便を容易に区別することができる。
【0150】
また、治験管理システム100では、第1端末装置110は、画像情報よりもデータ量が小さい数ビットのブリストルスケール情報を排便情報として治験管理装置1に通信することができるので、便の画像情報を送信する場合と比べて通信データ量を削減できる。
【0151】
また、治験管理システム100では、排便情報要求がされた時間がII期内である場合、取得した情報の内、I期内の情報を出力せずII期内の情報のみを出力するので、I期及びII期の全ての情報を出力する場合と比べて通信データ量を削減することができる。
【0152】
また、治験管理システム100では、所定の入力可能期間以外の錠数情報等を出力しないので、管理記憶部12に記憶される全ての錠数情報等を出力する場合と比べて通信データ量を削減できる。
【0153】
図19はI期において治験管理装置1、第1端末装置110及び第2端末装置120のそれぞれが表示可能な情報を示す図であり、図20はII期において治験管理装置1、第1端末装置110及び第2端末装置120のそれぞれが表示可能な情報を示す図である。図19において、「〇」は表示可能な情報を示し、「×」は表示されない情報を示す。
【0154】
I期において被験薬又は偽薬が投薬されたかを示す投薬情報は、I期及びII期に亘って、治験情報12aが管理記憶部12に記憶される治験管理装置1では表示可能であるが、第1端末装置110及び第2端末装置120では表示できない。投薬情報は、治験を依頼した製薬会社により管理される治験管理装置1で表示可能なので、治験を依頼した製薬会社は、I期において被験薬又は偽薬が投薬されたかを示す情報を閲覧することができる。一方、投薬情報は、第1端末装置110及び第2端末装置120で表示できないので、投薬管理者等及び治験担当医等は、投薬情報を閲覧できない。なお、本実施形態では、治験管理装置1で表示可能であるが、実施形態に係る治験管理システムでは、投薬情報は、治験管理装置で表示できなくてもよい。
【0155】
錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間は、I期及びII期に亘って治験管理装置1及び第2端末装置120で表示可能である。錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間が治験管理装置1で表示可能であるので、治験を依頼した製薬会社は、錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間を閲覧できる。治験を依頼した製薬会社は、錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間に基づいて試験の結果を検証することができる。また、錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間は、第2端末装置120で表示可能であるので、治験担当医等は、錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間を閲覧できる。治験担当医等は、錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間を閲覧して、被験者を診療する。
【0156】
錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間は、I期及びII期に亘って第1端末装置110では入力可能期間だけ表示可能である。投薬管理者等は、錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間を入力可能期間だけ第1端末装置110を介して閲覧して、錠数情報、レスキュー薬情報及び排便情報を登録できる。また、錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間は、第1端末装置110では入力可能期間以外は表示されないので、投薬管理者等は、入力可能期間以外は錠数情報、レスキュー薬情報及び排便情報を登録できない。
【0157】
排便された日にちを示す日報情報は、治験管理装置1では表示されない。なお、治験管理装置1は、第1端末装置110及び第2端末装置120と同様に、排便された日にちを示す日報情報を表示可能なアプリケーションプログラムが搭載される場合は、排便された日にちを示す日報情報を表示することができる。
【0158】
第1端末装置110では、I期内の排便された日にちを示す日報情報は表示されず、II期内の排便された日にちを示す日報情報は表示可能である。II期において、I期内の排便された日にちを示す日報情報が第1端末装置110に表示されないので、非盲検試験の治験情報から盲検試験の治験情報を比較することで、被験者は盲検試験の治験情報を間接的に知り得るおそれはない。
【0159】
第2端末装置120では、I期内及びII期内の双方において排便された日にちを示す日報情報は表示されず、II期内の排便された日にちを示す日報情報は表示可能である。
【0160】
(実施形態に係る治験管理システムの変形例)
治験管理システム100では、第1端末装置110は、投薬管理者等による入力処理を制限する機能は有さないが、実施形態に係る治験管理システムでは、第1端末装置110は、投薬管理者等による入力処理を制限する機能は有してもよい。
【0161】
図21は、変形例に係る第1端末装置のブロック図である。
【0162】
第1端末装置150は、第1処理部116を第1処理部115の代わりに有することが第1端末装置110と相違する。第1処理部116は、カレンダ画像表示部152及びメニュー表示部153をカレンダ画像表示部132及びメニュー表示部133の代わりに有することが第1処理部115と相違する。カレンダ画像表示部152及びメニュー表示部153以外の第1端末装置150の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された第1端末装置110の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0163】
(変形例に係る第1端末装置による情報入力処理)
図22は第1端末装置150による情報入力処理のフローチャートである。図22に示す情報入力処理は、予め管理記憶部12及び第2記憶部122に記憶されているプログラムに基づいて、主に第1処理部116により各要素と協働して実行される。
【0164】
S501~S502の処理は、S101~S102の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0165】
S103、S203及びS303の処理に対応する排便情報要求が第1端末装置150から入力されることに応じて、治験管理装置1は、S108、S208及びS308の処理に対応する排便情報を出力する処理を実行する。
【0166】
出力情報決定部26は、排便情報要求がされた時間がI期である場合には、S106、S206及びS306の処理で取得された排便時間情報を全ての期間に亘って出力することを決定する。情報出力部22は、排便情報要求がされた時間がI期である場合には、S108、S208及びS308の処理に対応する処理において、S106、S206及びS306の処理で取得された排便時間情報を全ての期間に亘って出力する。
【0167】
出力情報決定部26は、排便情報要求がされた時間がII期である場合には、I期内の排便時間情報の少なくとも一部を出力しないことを決定する。また、出力情報決定部26は、排便情報要求がされた時間がII期である場合には、II期内の排便時間情報を全ての期間に亘って出力することを決定する。情報出力部22は、排便情報要求がされた時間がII期である場合には、S108、S208及びS308の処理に対応する処理において、I期内の排便情報及び排便時間情報の少なくとも一部を出力せずに、II期内の排便情報及び排便時間情報を出力する。
【0168】
次いで、カレンダ画像表示部152は、カレンダ画像36を第1タッチパネル113に表示する(S503)。
【0169】
図23は、S503の処理に応じて表示されるカレンダ画像36を示す。
【0170】
カレンダ画像36は、日付表示部36dを日付表示部31dの代わりに有することがカレンダ画像31と相違する。日付表示部36d以外のカレンダ画像36の構成要素は、同一符号が付されたカレンダ画像31の構成要素と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。カレンダ画像表示部152は、日付表示部36dに表示される日にちのそれぞれが投薬管理者等によって入力可能であるか否かを判定して、入力可能の日にちは第1表示態様で表示し、入力不可の日にちは第2表示態様で表示する。入力不可の日にちが表示される第2表示態様は、一例ではグレーアウトである。
【0171】
図23では、現在の日にちである2020年5月27日から3日前までの2020年5月24日から2020年5月27日までの4日間が入力可能なことを示す第1表示形態である白色で表示される。一方、2020年5月24日から2020年5月27日以外の日にちは、第2表示形態であるグレーアウトで表示される。なお、II期の初日である2020年5月4日から現在の日にちである2020年5月27日までの間の日にちは、それぞれの日にちに排便があったか否かを示す日報情報が表示される。
【0172】
次いで、メニュー表示部153は、投薬管理者等によってログインされた日付が入力可能期間を経過した日付であるか否かを判定する(S504)。メニュー表示部153によって選択された日付が入力可能期間を経過した日付であると判定される(S504-YES)と、日付が入力可能期間を経過したことを示す画像がカレンダ画像36に表示されて処理は終了する。
【0173】
メニュー表示部153は、選択された日付が入力可能期間を経過していない日付であると判定する(S504-NO)と、メニュー画像32を表示する(S505)。メニュー表示部153は、メニュー画像32において投薬情報選択ボタン32aが押下されると錠数情報が入力されると判定する(S506-YES)。メニュー表示部153によって錠数情報が入力されると判定される(S506-YES)と、処理はS507に進む。S507~S509の処理は、S107~S109の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0174】
メニュー表示部153は、投薬情報選択ボタン32aが押下されず、レスキュー薬情報選択ボタン32bが押下されるとレスキュー薬情報が入力されると判定する(S510-YES)。メニュー表示部153によってレスキュー薬情報が入力されると判定される(S510-YES)と、処理はS511に進む。S511~S513の処理は、S207~S209の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0175】
メニュー表示部153は、レスキュー薬情報選択ボタン32bが押下されず、排便情報選択ボタン32cが押下されると排便情報が入力されると判定する(S510-NO)。メニュー表示部153によって排便情報が入力されると判定される(S510-NO)と、処理はS514に進む。S514~S516の処理は、S307~S309の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0176】
第1端末装置150は、入力可能期間が経過した日付であるときに、投薬管理者等による治験情報の入力を受け付けないので、入力可能期間経過後の投薬管理者等の記憶が不正確になり、治験情報の信頼性が低下することを防止できる。なお、第1端末装置150は、カレンダ画像36を第1タッチパネル113に表示するときに、選択できない日付は、灰色で表示する等の選択可能な日付の表示態様と異なる態様で表示してもよい。
【0177】
また、治験管理システム100では、II期においてI期のそれぞれの日にちに排便があったか否かを示す日報情報は第2端末装置120で表示される。しかしながら、実施形態に係る治験管理システムでは、II期においてI期のそれぞれの日にちに排便があったか否かを示す日報情報を第2端末装置120で非表示してもよい。
【0178】
図24は、図1に示す治験管理システムによる変形例に係る治験情報閲覧処理のシーケンス図である。図24に示す治験情報閲覧処理は、予め管理記憶部12及び第2記憶部122に記憶されているプログラムに基づいて、主に管理処理部20及び第2処理部125により各要素と協働して実行される。S601~S608の処理は、S401~S408の処理と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0179】
出力情報決定部26は、S107の処理と同様に、I期内の排便時間情報を出力するか否かを決定する(S609)。出力情報決定部26は、管理記憶部12に記憶された締め日情報を参照して、第2端末装置120から排便情報要求がされた時間がI期又はII期の何れかであるかを判定する。出力情報決定部26は、第2端末装置120から排便情報要求がされた時間がI期である場合には、S206の処理で取得された錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間情報、排便情報及び排便時間情報を全ての期間に亘って出力することを決定する。出力情報決定部26は、第2端末装置120から排便情報要求がされた時間がII期である場合には、I期内の排便時間の少なくとも一部を出力しないことを決定する。また、出力情報決定部26は、第2端末装置120から排便情報要求がされた時間がII期である場合には、II期内の錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間情報、排便情報及び排便時間情報を出力することを決定する。
【0180】
次いで、情報出力部22は、S609の処理で出力されることが決定された錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間情報、排便情報及び排便時間情報を第2端末装置120に出力する(S610)。S611~S613の処理は、S410~S412の処理と同様なので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0181】
治験情報画像データ生成部147は、錠数情報、体調情報及びレスキュー薬情報のそれぞれを時系列上に配置した治験情報画像を示す治験情報画像データを生成する(S614)。治験情報画像データ生成部147は、第2端末装置120から排便情報要求がされた時間がI期である場合には、S206の処理で取得された錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間情報、排便情報及び排便時間情報を全ての期間に亘って治験情報画像データを生成する。出力情報決定部26は、第1端末装置110から排便情報要求がされた時間がII期である場合には、I期内の錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間情報、排便情報及び排便時間情報を非表示にする治験情報画像データを生成する。また、出力情報決定部26は、第1端末装置110から排便情報要求がされた時間がII期である場合には、II期内の錠数情報、投薬時間情報、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間情報、排便情報及び排便時間情報を表示する治験情報画像データを生成する。
【0182】
治験管理装置1は、II期においてI期のそれぞれの日にちに排便があったか否かを示す日報情報を第2端末装置120で非表示にすることで、II期において治験担当医等がI期におけるそれぞれの日にちに排便があったか否かを閲覧不可の状態とする。被験者及び投薬管理者等は、II期においてI期における排便状況を閲覧できないので、被験者がI期において被験薬あるいは偽薬の何れかを投薬されていたと投薬管理者等を介して認識することで、プラセボ効果が発生することを防止できる。
【0183】
また、治験管理装置1は、被験者の排便情報を管理するが、実施形態に係る治験管理装置は、治験薬が投薬される被験者の体調を示す体調情報を排便情報の代わりに管理してもよい。実施形態に係る治験管理装置は、排便情報以外の体調情報を管理するとき、体調情報を管理する一般的な指標がない場合に治療効果を客観的に評価可能な指標を規定してもよい。
【0184】
また、製薬会社により管理される治験管理装置1は、治験を管理するサーバであるが、実施形態に係るサーバ及び第2端末装置は、担当医等の日常の診療を含む診療を支援する診療支援装置として使用されてもよい。実施形態に係るサーバ及び第2端末装置が治験管理装置として使用されるときと同様に、診療支援装置として使用されるとき、レスキュー薬の効果が継続すると推定される所定の効果継続期間である非自発排便時間は、他の期間と異なる表示態様で表示される。
【0185】
実施形態に係る診療支援システムでは、患者等により入力される日々の服薬情報、排便情報及びレスキュー薬情報を患者の担当医がリアルタイムで確認し、必要に応じて電話等で問診するオンライン診療ツール又は診療及び服薬支援ツールとして活用可能である。また、実施形態に係る診療支援システムを使用することで、患者が病院に通院することなく、服薬情報等の患者情報を医師が取得することにより遠隔診療が可能になる。患者が病院で担当医から薬を処方されることなく、オンラインによる担当医の指示に基づいて、病院と直接関係しない薬局で医薬品を処方されるときでも、投薬による治療効果は短期的及び長期的にリアルタイムに担当医が共有できる。
【0186】
なお、実施形態に係る診療支援装置が管理する体調情報は、血糖値であってもよい。診療支援装置が血糖値を体調情報として管理するとき、患者の血糖値を低下させるインスリン注射薬がレスキュー薬と同様に頓用薬として使用される。実施形態に係る診療支援システムでは、担当医等が閲覧可能な第2端末装置では、患者がインスリン注射薬を投薬されてからインスリン注射薬の効果が継続する所定の血糖値低下期間は、他の期間と異なる表示態様で表示される。
【0187】
また、実施形態に係る診療支援装置が管理する体調情報は、喘息発作回数であってもよい。診療支援装置が喘息発作回数を体調情報として管理するとき、患者の喘息発作の発生を抑制する吸引タイプの気管支拡張剤がレスキュー薬と同様に頓用薬として使用される。実施形態に係る診療支援システムでは、担当医等が閲覧可能な第2端末装置では、患者が吸引タイプの気管支拡張剤を投薬されてから吸引タイプの気管支拡張剤の効果が継続する所定の喘息発作抑制期間は、他の期間と異なる表示態様で表示される。
【0188】
また、治験管理装置1は、便の画像を記憶可能であるが、実施形態に係る診療支援装置は、患者に投薬される治療薬の画像を記憶してもよい。慢性便秘症のような長期的な内服治療が必要である症状については、服薬した治療薬の空の包装を映した画像を記憶することで、担当医は、治療薬が患者に指示通りに投薬されたことを確認できる。
【0189】
また、治験管理装置1では、第1端末装置110の第1タッチパネル113に表示される排便があったか否かを示す日報情報がII期において非表示にされるが、II期において非表示にされる情報は、日報情報以外の情報であってもよい。例えば、実施形態に係る治験管理装置では、II期において錠数情報を第1端末装置110及び第2端末装置120において非表示にしてもよい。
【0190】
また、治験管理装置1では、排便の有無を示す情報の一例である日報情報はI期に表示され、II期に非表示にされるが、実施形態に係る治験管理装置では、排便の有無を示す情報が非表示にされる期間はII期に限定されない。例えば、実施形態に係る治験管理装置では、排便の有無を示す情報を、II期の終了まで非表示とし、II期の終了後に第1端末装置110及び第2端末装置120において表示してもよい。
【0191】
また、第1端末装置110は、被験者及び投薬管理者が発生した音声を取得する音声取得部であるマイクロフォンと、被験者及び投薬管理者が聞くことができる音声を出力する音声出力部であるスピーカとを更に有してもよい。また、第2端末装置120は、治験担当医の静止画像及び映像を撮像可能な撮像部と、治験担当医が発生した音声を取得する音声取得部であるマイクロフォンと、治験担当医が聞くことができる音声を出力する音声出力部であるスピーカとを更に有してもよい。さらに、第1端末装置110及び第2端末装置120の双方の記憶部は、撮像した静止画像及び映像並び他方が取得した音声を取得すると共に、他方が撮像した静止画像及び映像並び他方が取得した音声を出力する双方向通信プログラムを記憶してもよい。
【0192】
第1端末装置110及び第2端末装置120の双方が、双方向通信プログラムを記憶することで、被験者及び投薬管理者と治験担当医との間で、いわゆる「オンライン診療」を行うことができる。
【0193】
また、治験管理装置1は、図20に示すように、II期において、入力可能期間では、錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間及び日報情報を表示する。しかしながら、実施形態に係る治験装置は、II期において、入力可能期間であっても、錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間及び日報情報を非表示としてもよい。実施形態に係る治験装置は、II期において、入力可能期間であっても、錠数情報、投薬時間、レスキュー薬情報、レスキュー薬時間、排便情報、排便時間及び日報情報を非表示とすることで、プラセボ効果が発生することを更に低くすることができる。
【0194】
また、治験管理システム100では、頓用薬時間から所定の症状抑制期間内の体調情報が症状抑制期間外の体調情報と異なる態様で表示部に表示される。しかしながら、実施形態に係る治験管理システムでは、治療薬を服薬した治療時間から所定の症状抑制期間内の体調情報が症状抑制期間外の治療薬の効果が及ばない無治療期間における体調情報と異なる態様で表示部に表示されてもよい。また、実施形態に係る治験管理システムでは、治療薬を服薬した治療時間から症状抑制期間は、症状抑制期間外の期間と異なる態様で表示部に表示されてもよい。
【0195】
実施形態に係る治験管理システムでは、診療情報画像データ生成部は体調情報を時系列上に配置した診療情報画像を示す診療情報画像データを生成し、診療情報画像データ出力部は診療情報画像データを出力し、表示部は診療情報画像を表示する。
【0196】
さらに、実施形態に係る治験管理システムでは、頓用薬時間から所定の症状抑制期間内の体調情報は、頓用薬時間の効果が及ばない症状抑制期間外の体調情報と異なる態様で表示部に表示されてもよい。実施形態に係る治験管理システムでは、頓用薬及び治療薬の効果が及ばない無治療期間における体調情報は、第1態様で表示される。治療薬の効果が及び且つ頓用薬の効果が及ばない、治療薬が投薬された投薬時間から所定の時間第1症状抑制期間における体調情報は、第1態様と異なる第2態様で表示される。治療薬の効果が及ぶ頓用薬時間から所定の第2症状抑制期間内の体調情報は、第1態様及び第2態様と異なる第3態様で表示される。また、実施形態に係る治験管理システムでは、無治療期間、第1症状抑制期間及び第2症状抑制期間のそれぞれは、異なる態様で表示部に表示されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24