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特許7423816注文情報処理方法、装置、コンピュータ機器及び媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】注文情報処理方法、装置、コンピュータ機器及び媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20240122BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022559325
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 CN2021087173
(87)【国際公開番号】W WO2021208950
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】202010293111.1
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522380893
【氏名又は名称】北京沃▲東▼天▲駿▼信息技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Wodong Tianjun Information Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room A402,4/f,No.2 Building,No.18 Kechuang 11th Street,Economic and Technological Development Zone,Beijing 100176,China
(73)【特許権者】
【識別番号】517156872
【氏名又は名称】北京京東尚科信息技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Jingdong Shangke Information Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】8th floor of building No. 76, Zhichun Road,Haidian District, Beijing 100086 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン ニンシュェン
(72)【発明者】
【氏名】シュ イェ
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ ヂェ
(72)【発明者】
【氏名】ルー ジーレン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ ルイ
(72)【発明者】
【氏名】シェン ズゥォジュン
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-208549(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110874700(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109447355(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文情報処理方法であって、プロセッサによって実行され、
指定アドレスの情報及び少なくとも一つの指定物品の情報を含む注文情報を取得することと、
複数の倉庫の在庫情報及び前記複数の倉庫の配送情報を含む倉庫情報を取得することと、
予め構築された最適化モデルを利用して前記注文情報及び前記倉庫情報を処理して、前記最適化モデルの出力結果に基づいて前記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定し、それによって第一数値と第二数値との和が所定値以下になるようにすることと、を含み、
ここで、前記第一数値は、前記少なくとも一つの指定物品を前記配送倉庫から前記指定アドレスに配送するためにかかる配送時間長を表すためのものであり、前記第二数値は、前記少なくとも一つの指定物品を前記配送倉庫から前記指定アドレスに配送するためにかかる配送料金を表すためのものであ
前記少なくとも一つの指定物品のうちの各指定物品の情報は、前記各指定物品の識別情報及び前記各指定物品の需要数量を含み、
前記複数の倉庫のうちの各倉庫の在庫情報は、前記各倉庫に収納された物品の識別情報及び前記各倉庫における各物品の収納数量を含み、
前記複数の倉庫のうちの各倉庫の配送情報は、前記各倉庫の複数のアドレスに対する所望配送時間長及び前記各倉庫の所望配送料金を含み、
前記最適化モデルは、第一サブモデルを含み、
前記予め構築された最適化モデルを利用して前記注文情報及び前記倉庫情報を処理することは、前記第一サブモデルを利用して、
前記少なくとも一つの指定物品に少なくとも一つの第一カテゴリ物品が存在する場合、各第一カテゴリ物品に対して、前記第一カテゴリ物品の識別情報及び需要数量に基づいて、前記複数の倉庫の中から前記第一カテゴリ物品が収納されかつ収納数量が前記需要数量以上である第一候補倉庫を特定し、前記第一候補倉庫から前記指定アドレスに対する所望配送時間長が最も短い第一候補倉庫を特定して、前記第一カテゴリ物品の未定倉庫とすること、及び、
前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫を前記第一サブモデルの出力結果とすること、を実行することを含み、
前記最適化モデルは、さらに第二サブモデルを含み、前記第二サブモデルは、整数計画モデルであり、前記整数計画モデルの目的関数は、前記第一数値と前記第二数値との和を表し、前記整数計画モデルは、少なくとも一つの制約条件を含み、
前記予め構築された最適化モデルを利用して前記注文情報及び前記倉庫情報を処理することは、さらに、
前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫が同一倉庫ではない場合に、前記少なくとも一つの制約条件、前記注文情報及び前記倉庫情報に基づいて、少なくとも一つの倉庫割当方式を特定し、各倉庫割当方式は、前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品と前記複数の倉庫のうちの少なくとも一つの倉庫との間の配送関係を含むことと、
前記少なくとも一つの倉庫割当方式に基づいて、前記第一数値及び前記第二数値の数値範囲を特定することと、
前記第一数値及び前記第二数値の数値範囲に基づいて、前記目的関数の値を算出することと、
前記目的関数の値を最小にする倉庫割当方式を、前記第二サブモデルの出力結果とすることと、を含む、
注文情報処理方法。
【請求項2】
前記最適化モデルの出力結果に基づいて前記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定することは、
前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫が同一倉庫である場合に、前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫を前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫として特定することを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記最適化モデルの出力結果に基づいて前記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定することは、さらに、
前記第二サブモデルの前記出力結果を得る前における動作時間長が所定の時間長よりも大きいか否かを特定することと、
そうであれば、前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫を前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫として特定することと、
そうでなければ、前記第二サブモデルの出力結果に基づいて前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫を特定することと、を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記各倉庫割当方式は、前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品とM個の倉庫との間の配送関係を含み、Mが1以上の整数であり、
前記少なくとも一つの倉庫割当方式に基づいて、前記第一数値及び前記第二数値の数値範囲を特定することは、前記各倉庫割当方式に対して、
前記M個の倉庫のうちの各倉庫の前記指定アドレスに対する所望配送時間長に基づいて、前記各倉庫割当方式に対する前記第一数値を特定することと、
前記M個の倉庫のうちの各倉庫の所望配送料金に基づいて、前記各倉庫割当方式に対する前記第二数値を特定することと、を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも一つの制約条件は、第一カテゴリ物品ごとの配送倉庫の数、第一カテゴリ物品ごとの配送倉庫における前記第一カテゴリ物品の収納数、及び倉庫ごとに配送された第一カテゴリ物品の数のうち少なくとも一つを制限するために用いられる、
請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記最適化モデルは、さらに第三サブモデルを含み、
前記予め構築された最適化モデルを利用して前記注文情報及び前記倉庫情報を処理することは、さらに、前記第三サブモデルを利用して、
前記少なくとも一つの指定物品に少なくとも一つの第二カテゴリ物品が存在する場合に、各前記第二カテゴリ物品に対して、前記第二カテゴリ物品の識別情報及び需要数量に基づいて、前記複数の倉庫から前記第二カテゴリ物品が収納されかつ収納数量が前記需要数量以上である第二候補倉庫を特定し、前記第二候補倉庫から前記指定アドレスに対する所望配送時間長が最も短い第二候補倉庫を特定して、前記第二カテゴリ物品の配送倉庫とすることと、
前記少なくとも一つの第二カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫を前記第三サブモデルの出力結果とすること、を実行することを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記最適化モデルの出力結果に基づいて前記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定することは、さらに、前記第三サブモデルの出力結果に基づいて、前記少なくとも一つの第二カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫を特定することを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
注文情報処理装置であって、
指定アドレスの情報及び少なくとも一つの指定物品の情報を含む注文情報を取得するための第一取得モジュールと、
複数の倉庫の在庫情報及び前記複数の倉庫の配送情報を含む倉庫情報を取得するための第二取得モジュールと、
予め構築された最適化モデルを利用して前記注文情報及び前記倉庫情報を処理して、前記最適化モデルの出力結果に基づいて前記複数の倉庫の中から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定し、それによって第一数値と第二数値との和が所定値以下になるようにするためのモデル処理モジュールとを含み、
前記第一数値は、前記少なくとも一つの指定物品を前記配送倉庫から前記指定アドレスに配送するためにかかる配送時間長を表すためのものであり、前記第二数値は、前記少なくとも一つの指定物品を前記配送倉庫から前記指定アドレスに配送するためにかかる配送料金を表すためのものであ
前記少なくとも一つの指定物品のうちの各指定物品の情報は、前記各指定物品の識別情報及び前記各指定物品の需要数量を含み、
前記複数の倉庫のうちの各倉庫の在庫情報は、前記各倉庫に収納された物品の識別情報及び前記各倉庫における各物品の収納数量を含み、
前記複数の倉庫のうちの各倉庫の配送情報は、前記各倉庫の複数のアドレスに対する所望配送時間長及び前記各倉庫の所望配送料金を含み、
前記最適化モデルは、第一サブモデルを含み、
前記予め構築された最適化モデルを利用して前記注文情報及び前記倉庫情報を処理することは、前記第一サブモデルを利用して、
前記少なくとも一つの指定物品に少なくとも一つの第一カテゴリ物品が存在する場合、各第一カテゴリ物品に対して、前記第一カテゴリ物品の識別情報及び需要数量に基づいて、前記複数の倉庫の中から前記第一カテゴリ物品が収納されかつ収納数量が前記需要数量以上である第一候補倉庫を特定し、前記第一候補倉庫から前記指定アドレスに対する所望配送時間長が最も短い第一候補倉庫を特定して、前記第一カテゴリ物品の未定倉庫とすること、及び、
前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫を前記第一サブモデルの出力結果とすること、を実行することを含み、
前記最適化モデルは、さらに第二サブモデルを含み、前記第二サブモデルは、整数計画モデルであり、前記整数計画モデルの目的関数は、前記第一数値と前記第二数値との和を表し、前記整数計画モデルは、少なくとも一つの制約条件を含み、
前記予め構築された最適化モデルを利用して前記注文情報及び前記倉庫情報を処理することは、さらに、
前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫が同一倉庫ではない場合に、前記少なくとも一つの制約条件、前記注文情報及び前記倉庫情報に基づいて、少なくとも一つの倉庫割当方式を特定し、各倉庫割当方式は、前記少なくとも一つの第一カテゴリ物品と前記複数の倉庫のうちの少なくとも一つの倉庫との間の配送関係を含むことと、
前記少なくとも一つの倉庫割当方式に基づいて、前記第一数値及び前記第二数値の数値範囲を特定することと、
前記第一数値及び前記第二数値の数値範囲に基づいて、前記目的関数の値を算出することと、
前記目的関数の値を最小にする倉庫割当方式を、前記第二サブモデルの出力結果とすることと、を含む、
注文情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータ機器であって、
コンピュータ命令が記憶されたメモリと、
少なくとも一つのプロセッサと、を含み、
前記コンピュータ命令が前記プロセッサによって実行されると、請求項1~のいずれか一項に記載の方法を実行させる、
コンピュータ機器。
【請求項10】
コンピュータ命令が記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令がプロセッサによって実行されると、請求項1~のいずれか一項に記載の方法を実行させる、
コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、コンピュータの技術分野に関し、より具体的には、注文情報処理方法、装置、コンピュータ機器及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット技術の急速な発展に伴い、電子商取引が急速に盛んになり、様々な電子商取引プラットフォームは、多種なオンライン商品取引チャネルを提供し、人々の仕事及び生活に大きな利便性をもたらす。
【0003】
電子商取引フルフィルメントとは、注文の生成から、ユーザが注文された物品を受け取るまでの全過程を指す。業者は、一般的に、サービス領域内又は周囲に複数の配送センターを設置し、各配送センターには、販売対象の物品を収納するための複数の倉庫を設置することがある。フルフィルメント策定とは、各注文に対して、候補の複数の倉庫から、一つ又は複数の倉庫を実際のフルフィルメント倉庫として特定し、配送倉庫と呼ばれてもよく、注文における指定物品を特定された配送倉庫から該注文に指定された荷受アドレスへ配送することを指す。異なる倉庫の位置及び在庫レベル等は、いずれも異なる可能性があり、かつ、異なる倉庫の集荷及び配送コストも異なる。したがって、フルフィルメント策定の結果は、配送時間長及び配送料金に直接的に影響を与え、それによってユーザのショッピング体験及び業者のフルフィルメントコストに影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本開示の実施例は、電子商取引フルフィルメント策定方案をより一層最適化して、注文に対してより実際の需要に合致する配送倉庫を特定することができる注文情報処理方法及び装置、コンピュータ機器及び媒体を提供している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の一態様は、注文情報処理方法を提供し、該注文情報処理方法は、指定アドレスの情報及び少なくとも一つの指定物品の情報を含む注文情報を取得することと、複数の倉庫の在庫情報及び複数の倉庫の配送情報を含む倉庫情報を取得することと、予め構築された最適化モデルを利用して上記注文情報及び倉庫情報を処理して、最適化モデルの出力結果に基づいて上記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定し、それによって第一数値と第二数値との和が所定値以下になるようにすることと、を含む。ここで、第一数値は、少なくとも一つの指定物品を上記配送倉庫から指定アドレスに配送するためにかかる配送時間長を表すためのものであり、第二数値は、少なくとも一つの指定物品を上記配送倉庫から指定アドレスに配送するためにかかる配送料金を表すためのものである。
【0006】
本開示の実施例によれば、上記少なくとも一つの指定物品のうちの各指定物品の情報は、各指定物品の識別情報及び各指定物品の需要数量を含む。上記複数の倉庫のうちの各倉庫の在庫情報は、各倉庫に収納された物品の識別情報及び各倉庫における各物品の収納数量を含む。そして、上記複数の倉庫のうちの各倉庫の配送情報は、各倉庫の複数のアドレスに対する所望配送時間長、及び各倉庫の所望配送料金を含む。
【0007】
本開示の実施例によれば、最適化モデルは、第一サブモデルを含む。上記予め構築された最適化モデルを利用して注文情報及び倉庫情報を処理することは、第一サブモデルを利用して次の操作を行うことを含む。即ち、上記少なくとも一つの指定物品に少なくとも一つの第一カテゴリ物品が存在する場合、各第一カテゴリ物品に対して、該第一カテゴリ物品の識別情報及び需要数量に基づいて、上記複数の倉庫から該第一カテゴリ物品が収納されかつ収納数量が需要数量以上である第一候補倉庫を特定し、第一候補倉庫から指定アドレスに対する所望配送時間長が最も短い第一候補倉庫を特定して、該第一カテゴリ物品の未定倉庫とする。上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫を第一サブモデルの出力結果とする。
【0008】
本開示の実施例によれば、上記最適化モデルの出力結果に基づいて複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定することは、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫が同一倉庫である場合、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫を上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫として特定することを含む。
【0009】
本開示の実施例によれば、最適化モデルは、さらに第二サブモデルを含み、第二サブモデルは、整数計画モデルであり、整数計画モデルの目的関数は、第一数値と第二数値との和を表し、整数計画モデルは、少なくとも一つの制約条件を含む。上記予め構築された最適化モデルを利用して注文情報及び倉庫情報を処理することは、さらに、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫が同一倉庫ではない場合、上記少なくとも一つの制約条件、上記注文情報及び上記倉庫情報に基づいて、少なくとも一つの倉庫割当方式を特定することを含み、ここで、各倉庫割当方式は、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品と上記複数の倉庫のうちの少なくとも一つの倉庫との間の配送関係を含む。上記少なくとも一つの倉庫割当方式に基づいて、第一数値及び第二数値の数値範囲を特定する。さらに第一数値及び第二数値の数値範囲に基づいて、目的関数の値を算出する。次に、目的関数の値を最小にする倉庫割当方式を、第二サブモデルの出力結果とする。
【0010】
本開示の実施例によれば、上記最適化モデルの出力結果に基づいて複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定することは、さらに、第二サブモデルの出力結果を得る前における動作時間長が所定の時間長よりも大きいか否かを特定することを含む。そうであれば、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫を上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫として特定する。そうでなければ、第二サブモデルの出力結果に基づいて上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫を特定する。
【0011】
本開示の実施例によれば、上記各倉庫割当方式は、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品とM個の倉庫との間の配送関係を含み、ここで、Mが1以上の整数である。上記少なくとも一つの倉庫割当方式に基づいて第一数値及び第二数値の数値範囲を特定することは、各倉庫割当方式に対して、M個の倉庫のうちの各倉庫の指定アドレスに対する所望配送時間長に基づいて、各倉庫割当方式に対する第一数値を特定することを含む。そして、M個の倉庫のうちの各倉庫の所望配送料金に基づいて、各倉庫割当方式に対する第二数値を特定する。
【0012】
本開示の実施例によれば、上記少なくとも一つの制約条件は、第一カテゴリ物品ごとの配送倉庫の数、第一カテゴリ物品ごとの配送倉庫における該第一カテゴリ物品の収納数、及び倉庫ごとに配送された第一カテゴリ物品の数のうち少なくとも一つを制限するために用いられる。
【0013】
本開示の実施例によれば、最適化モデルは、さらに第三サブモデルを含む。上記予め構築された最適化モデルを利用して注文情報及び倉庫情報を処理することは、さらに、第三サブモデルを利用して次の操作を行うことを含む。即ち、上記少なくとも一つの指定物品に少なくとも一つの第二カテゴリ物品が存在する場合、各第二カテゴリ物品に対して、該第二カテゴリ物品の識別情報及び需要数量に基づいて、上記複数の倉庫から該第二カテゴリ物品が収納されかつ収納数量が需要数量以上である第二候補倉庫を特定し、第二候補倉庫から指定アドレスに対する所望配送時間長が最も短い第二候補倉庫を特定して、該第二カテゴリ物品の配送倉庫とする。上記少なくとも一つの第二カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫を前記第三サブモデルの出力結果とする。
【0014】
本開示の実施例によれば、上記最適化モデルの出力結果に基づいて複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定することは、さらに、第三サブモデルの出力結果に基づいて、上記少なくとも一つの第二カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫を特定することを含む。
【0015】
本開示の実施例の別の態様は、注文情報処理装置を提供し、該注文情報処理装置は、第一取得モジュールと、第二取得モジュールと、モデル処理モジュールとを含む。第一取得モジュールは、指定アドレスの情報及び少なくとも一つの指定物品の情報を含む注文情報を取得するために用いられる。第二取得モジュールは、複数の倉庫の在庫情報及び複数の倉庫の配送情報を含む倉庫情報を取得するために用いられる。次に、モデル処理モジュールは、予め構築された最適化モデルを利用して上記注文情報及び倉庫情報を処理して、最適化モデルの出力結果に基づいて上記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定し、それによって第一数値と第二数値との和が所定値以下になるようにする。ここで、第一数値は、少なくとも一つの指定物品を上記配送倉庫から指定アドレスに配送するためにかかる配送時間長を表すためのものであり、第二数値は、少なくとも一つの指定物品を上記配送倉庫から指定アドレスに配送するためにかかる配送料金を表すためのものである。
【0016】
本開示の実施例のさらに別の態様は、コンピュータ機器を提供し、該コンピュータ機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されかつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサが前記プログラムを実行するときに前記のような方法が実現される。
【0017】
本開示の実施例のさらに別の態様は、コンピュータで実行可能な命令が記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供し、前記命令が実行されるときに前記のような方法を実現するために用いられる。
【0018】
本開示の実施例のさらに別の態様は、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムは、コンピュータで実行可能な命令を含み、前記命令が実行されるときに前記のような方法を実現するために用いられる。
【0019】
本開示の実施例によれば、予め構築された最適化モデルを利用して注文のフルフィルメント策定を行う。注文情報及び倉庫情報を最適化モデルの入力特徴とし、最適化モデルの出力結果に基づいて注文情報で指示された少なくとも一つの指定物品の配送倉庫を特定する。最適化モデルのフルフィルメント策定結果は、配送時間長と配送料金とのバランスを総合的に取ることができ、それによって注文情報で指示された全ての指定物品を特定された1つ又は複数の配送倉庫から指定アドレスまで配送する場合、配送時間長を表す第一数値と配送料金を表す第二数値との総和が所定値以下になるようにできるだけ最適化される。それによって、ユーザ体験及びフルフィルメントコストを向上させ、ユーザと商家の両方の需要を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例を説明することによって、本開示の実施例の上記及び他の目的、特徴及び利点は、より明らかになるであろう。
図1図1は、本開示の実施例による注文情報処理方法及び装置を適用した例示的なシステムアーキテクチャを概略的に示す。
図2図2は、本開示の実施例による注文情報処理方法のフローチャートを概略的に示す。
図3図3は、本開示の別の実施例による注文情報処理方法の例示的なフローチャートを概略的に示す。
図4図4は、本開示の別の実施例による注文情報処理方法の例示的なフローチャートを概略的に示す。
図5図5は、本開示の実施例による注文情報処理装置のブロック図を概略的に示す。
図6図6は、本開示の実施例によるコンピュータ機器のブロック図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本開示の実施例を説明する。ただし、これらの説明は、例示的なものに過ぎず、本開示の実施例の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。以下の詳細な説明において、説明しやすくするために、多くの具体的な詳細を説明して本開示の実施例に対する全面的な理解に供する。しかしながら、明らかに、一つ又は複数の実施例は、これらの具体的な詳細がない場合にも実施され得る。また、以下の説明において、公知の構造及び技術に対する説明を省略することにより、本開示の実施例の概念を不必要に混同することを回避する。
【0022】
ここで使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本開示の実施例を限定するものではない。ここで使用される用語「含む」、「含まれる」などは、前記特徴、ステップ、操作及び/又は部材の存在を示すが、一つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作又は部材の存在または追加を排除するものではない。
【0023】
ここで使用される全ての用語(技術及び科学用語を含む)は、特別に定義されない限り、当業者に一般的に理解される意味を有する。なお、ここで使用された用語は、本明細書のコンテキストと一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化又は硬すぎる方式で解釈されるべきではない。
【0024】
「A、B及びCなどのうちの少なくとも一つ」に類似したような記述を使用する場合、一般的には、当業者が一般的に該記述を理解する意味で解釈すべきである(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、Aを単独で有し、Bを単独で有し、Cを単独で有し、A及びBを有し、A及びCを有し、B及びCを有し、及び/又はA、B、Cを有するシステム等を含むがこれらに限定されない)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも一つ」に類似したような記述を使用する場合、一般的には、当業者が一般的に該記述を理解する意味で解釈すべきである(例えば、「A、B又はCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、Aを単独で有し、Bを単独で有し、Cを単独で有し、A及びBを有し、A及びCを有し、B及びCを有し、及び/又はA、B、Cを有するシステム等を含むがこれらに限定されない)。
【0025】
本開示の実施例は、注文情報処理方法、装置、コンピュータ機器及び媒体を提供する。ここで、注文情報処理方法は、第一取得工程と、第二取得工程と、モデル処理工程とを含んでよい。第一取得工程において、指定アドレスの情報及び少なくとも一つの指定物品の情報を含む注文情報を取得する。第二取得工程において、複数の倉庫の在庫情報及び複数の倉庫の配送情報を含む倉庫情報を取得する。次に、モデル処理工程を行い、予め構築された最適化モデルを利用して上記注文情報及び倉庫情報を処理して、第一数値と第二数値との和が所定値以下になるように、最適化モデルの出力結果に基づいて上記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定する。ここで、第一数値は、少なくとも一つの指定物品を上記配送倉庫から指定アドレスに配送するためにかかる配送時間長を表すものであり、第二数値は、少なくとも一つの指定物品を上記配送倉庫から指定アドレスに配送するためにかかる配送料金を表すものである。
【0026】
インターネット技術の急速な発展に伴い、電子商取引が急速に盛んになり、様々な電子商取引プラットフォームは、多種なオンライン商品取引チャネルを提供し、人々の仕事及び生活に大きな利便性をもたらす。電子商取引フルフィルメントとは、注文生成からユーザが注文された物品を受け取るまでの全過程を指す。業者は、一般的に、サービス領域内又は周囲に複数の配送センターを設置し、各配送センターには、販売対象の物品を収納するための複数の倉庫を設置することがある。フルフィルメント策定とは、各注文に対して、候補の複数の倉庫から、一つ又は複数の倉庫を実際のフルフィルメント倉庫として特定し、配送倉庫と呼ばれてもよく、注文における指定物品を特定された配送倉庫から該注文に指定された荷受アドレスへ配送することを指す。一方、異なる倉庫の位置及び在庫レベル等は、いずれも異なる可能性があるため、配送倉庫に対する選択は、ユーザの荷受け時効に直接的に影響を与え、すなわち配送時間長に影響を与える。他方、同じ注文について、配送倉庫に対する選択も配送コストに影響を与える。例えば、同じ倉庫から出荷された複数の物品を一つのパッケージに併合することができ、それによって物流費用を低減させる。また、異なる倉庫の集荷及び配送コストにも差異が存在する。したがって、フルフィルメント策定の結果は、配送時間長及び配送料金に直接的に影響を与え、それによってユーザのショッピング体験及び業者のフルフィルメントコストに影響を与える。
【0027】
従来のフルフィルメント策定方案は、主として、予め設定されたルールに基づいて、ユーザの指定した荷受けアドレス又は購入された物品の種類に応じて倉庫の優先度を予め設定し、ある注文における物品にフルフィルメント策定を行う場合、優先度の高い倉庫を優先的に考慮するものである。一つの注文に複数の物品が含まれる場合、フルフィルメント策定の際に、注文における全ての物品を満たすことができる倉庫を優先的に考慮する。上記条件を満たす倉庫が見つからなければ、予め設定された注文分割アルゴリズムに基づいて、注文を複数のサブ注文に分割し、サブ注文ごとにそれぞれ元の注文の一部の商品が含まれ、さらに各サブ注文にそれぞれフルフィルメント策定を行う。
【0028】
以上の方案は、ユーザ体験とフルフィルメントコストを総合的に考慮することができない。各倉庫の優先度は、予め設定されたものに基づいて得られたものであるため、配送時間長の長さが完全に反映されない。優先度の高い倉庫を選択しても、必ずしも配送時間長が最も短い倉庫ではなく、かつ配送料金が考慮されていない。例えば、現在のフルフィルメント策定方法では、複数の物品を含む一つの注文に対して、注文における全ての物品を提供できる倉庫が一つだけある場合、該倉庫が選択され、該注文の全ての物品の配送倉庫とし、該注文に指定された荷受けアドレスに対する該倉庫の配送時間長が長すぎるか否かについて考慮されない。該倉庫の配送時間長が長すぎると、該注文のユーザ体験が非常に悪いことをもたらす。かつ、注文における全ての物品を提供できる倉庫が見つからない場合、従来の注文分割アルゴリズムは、配送時間長と配送料金のバランスと最適化を保証することができない。
【0029】
本開示の実施例によれば、注文のフルフィルメント策定を行い、複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定するために、注文情報処理方法及び装置を提供している。本開示の実施例による注文情報処理方法は、フルフィルメント策定過程において配送時間長と配送料金を総合的に考慮することができ、ユーザのショッピング体験を向上させるだけでなく、同時に商家のフルフィルメントコストをできるだけ低減させる。
【0030】
図1は、本開示の実施例による注文情報処理方法及び装置を適用できる例示的なシステムアーキテクチャ100を概略的に示す。なお、図1に示すのは、当業者による本開示の実施例の技術内容に対する理解を助けるために、本開示の実施例を適用できるシステムアーキテクチャの一例に過ぎず、本開示の実施例が他の機器、システム、環境又はシーンに用いることができないことを意味するものではない。
【0031】
図1に示すように、本開示の実施例によるシステムアーキテクチャ100は、端末機器101、102、103と、ネットワーク104と、サーバ105とを含んでよい。ネットワーク104は、端末機器101、102、103とサーバ105との間で通信リンクの媒体を提供するためのものである。ネットワーク104は、例えば有線、無線通信リンク又は光ファイバケーブルなどの様々な接続タイプを含んでよい。
【0032】
端末機器101、102、103は、ネットワーク104を介してサーバ105と通信することによって、メッセージなどを送受信する。端末機器101、102、103には、例えばショッピングアプリケーション、ウェブページブラウザアプリケーション、検索アプリケーション、インスタントメッセージツール、メールクライアント、ソーシャルプラットフォームソフトウェアなど(例示に過ぎない)という様々な機能を有するクライアントアプリケーションをインストールすることができる。
【0033】
端末機器101、102、103は、様々な電子機器であってもよく、車載ナビゲーション、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ型携帯コンピュータ及びデスクトップコンピュータなどを含むが、これらに限定されない。
【0034】
サーバ105は、様々なサービスを提供するサーバであってもよく、例えば端末機器101、102、103における様々なクライアントアプリケーションにサポートを提供するバックグラウンド管理サーバである。バックグラウンド管理サーバは、端末機器101、102、103から送信された要求メッセージを受信し、受信された要求メッセージに分析処理などの応答を行い、該要求メッセージに対する応答結果(例えば要求メッセージに基づいて取得され、又は処理して生成されたウェブページ、情報、又はデータなど)を端末機器101、102、103にフィードバックし、端末機器101、102、103は、これらの応答結果をユーザに出力する。
【0035】
なお、本開示の実施例による注文情報処理方法は、端末機器101、102、103において実施することができ、それに応じて、本開示の実施例による注文情報処理装置は、端末機器101、102、103に設置することができる。又は、本開示の実施例による注文情報処理方法は、サーバ105において実施することもでき、それに応じて、本開示の実施例による注文情報処理装置は、サーバ105に設置することができる。又は、本開示の実施例による注文情報処理方法は、端末機器101、102、103及び/又はサーバ105と通信可能な他のコンピュータ機器において実施することもでき、それに応じて、本開示の実施例による注文情報処理装置は、端末機器101、102、103及び/又はサーバ105と通信可能な他のコンピュータ機器に設置することができる。
【0036】
理解されるように、図1における端末機器、ネットワーク及びサーバの数及びタイプは、単に例示的なものである。実際の必要に応じて、任意の数、任意のタイプの端末機器、ネットワーク及びサーバを有することができる。
【0037】
本開示の実施例によれば、注文情報処理方法を提供している。以下、図例によって該方法を例示的に説明する。なお、以下の方法における各操作の番号は、説明の便宜のために該操作の表示とするだけであり、該各操作の実行順序を表示するものと見なすべきではない。該方法は、特に断りのない限り、完全に示された順序に従って実行する必要がない。
【0038】
図2は、本開示の実施例による注文情報処理方法のフローチャートを概略的に示す。
図2に示すように、該方法は、操作S210~操作S230を含んでよい。
【0039】
操作S210において、注文情報を取得する。
ここで、該注文情報は、指定アドレスの情報及び少なくとも一つの指定物品の情報を含む。
操作S220において、倉庫情報を取得する。
ここで、該倉庫情報は、複数の倉庫の在庫情報及び複数の倉庫の配送情報を含む。
次に、操作S230において、予め構築された最適化モデルを利用して上記注文情報及び倉庫情報を処理して、最適化モデルの出力結果に基づいて上記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定する。
【0040】
本開示の実施例によれば、例えば、第一数値によって、上記注文情報で指示された少なくとも一つの指定物品を上記配送倉庫から指定アドレスに配送するためにかかる配送時間長が表され、該配送時間長は、注文生成から注文情報で指示された指定物品の全てを指定アドレスに配送するためにかかる時間長であってもよく、又は、該配送時間長は、配送開始から注文情報で指示された指定物品の全てを指定アドレスに配送するためにかかる時間長であってもよい。第二数値によって、上記注文情報で指示された少なくとも一つの指定物品を上記配送倉庫から指定アドレスに配送するためにかかる配送料金が表され、配送料金は、業者が配送過程において費やす必要があるコストを表し、例えば注文情報で指示された全ての指定物品が配送過程において費やす交通費用、パッケージ梱包費用、配送過程人工費用などの一種又は複数種を含んでよい。上記最適化モデルの出力結果に基づいて複数の倉庫から特定された配送倉庫は、第一数値と第二数値との和を所定値以下にすることができる。
【0041】
当業者に理解されるように、本開示の実施例による注文情報処理方法は、予め構築された最適化モデルを利用して注文のフルフィルメント策定を行う。注文情報及び倉庫情報を最適化モデルの入力特徴とし、最適化モデルの出力結果に基づいて注文情報で指示された少なくとも一つの指定物品の配送倉庫を特定する。最適化モデルのフルフィルメント策定結果は、配送時間長と配送料金とのバランスを総合的に取ることができ、それによって注文情報で指示された全ての指定物品を特定された1つ又は複数の配送倉庫から指定アドレスまで配送する場合、配送時間長を表す第一数値と配送料金を表す第二数値との総和が所定値以下になるようにできるだけ最適化される。それによって、ユーザ体験及びフルフィルメントコストを向上させ、ユーザと商家の両方の需要を満たすことができる。
【0042】
本開示の実施例によれば、上記少なくとも一つの指定物品における各指定物品の情報は、各指定物品の識別情報及び各指定物品の需要数量を含んでよい。上記複数の倉庫のうちの各倉庫の在庫情報は、各倉庫に収納された物品の識別情報及び各倉庫における各物品の収納数量を含んでよい。そして、上記複数の倉庫のうちの各倉庫の配送情報は、各倉庫の複数のアドレスに対する所望配送時間長、及び各倉庫の所望配送料金を含んでよい。
【0043】
例えば、指定物品又は物品の識別情報は、SKU(Stock Keeping Unit、在庫単位)番号であってもよい。一つの倉庫の一つのアドレスに対する所望配送時間長は、該倉庫から該アドレスに物品を配送するためにかかる所望配送時間長を表すことができる。一つの倉庫の所望配送料金は、該倉庫が一つのパッケージを配送することに必要な予想費用を表すことができ、一つのパッケージは、一つ又は複数の物品を梱包して得ることができ、各物品は、1件又は複数件を含むことができる。例示的には、各倉庫のいずれか一つのアドレスに対する所望配送時間長は、該倉庫の該アドレスに対する履歴配送時間長データに基づいて統計して取得されてもよく、又は該倉庫の該アドレス近傍の他のアドレスに対する履歴配送時間長データに基づいて予測して取得されてもよい。各倉庫の所望配送料金も履歴配送料金データに基づいて統計して取得されてもよい。本開示の別の実施例によれば、倉庫情報は、さらに複数の倉庫のそれぞれの識別情報を含んでもよい。
【0044】
図3は、本開示の別の実施例による注文情報処理方法の例示的なフローチャートを概略的に示し、上記した、予め構築された最適化モデルを利用して上記注文情報及び倉庫情報を処理して、最適化モデルの出力結果に基づいて上記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定する操作S230の例示的な実施過程を説明するために用いられる。
【0045】
図3に示すように、実行を開始した後、該方法は、操作S231~S235を含んでよい。
操作S231において、注文情報で指示された少なくとも一つの指定物品に少なくとも一つの第一カテゴリ物品が存在するか否かを特定する。そうであれば、操作S232を実行する。そうでなければ、開始状態に戻る。
【0046】
例示的には、第一カテゴリ物品は、必要に応じて設定することができる。例えば、第一カテゴリ物品は、梱包する必要がある全ての物品を指してもよく、「オリジナルでない包装物品」と呼ばれてもよく、すなわちオリジナル包装のままで直接的に配送する物品ではない。注文情報で指示された少なくとも一つの指定物品に第一カテゴリ物品が存在すれば、フルフィルメント策定を行う過程において、該少なくとも一つの指定物品の一部又は全部が併合されて梱包される可能性を考慮する必要がある。
【0047】
操作S232において、各第一カテゴリ物品に対して、該第一カテゴリ物品の識別情報及び需要数量に基づいて、上記複数の倉庫から該第一カテゴリ物品が収納されかつ収納数量が需要数量以上である第一候補倉庫を特定する。
【0048】
以下、いずれかの第一カテゴリ物品Aを例として例示的に説明する。注文情報には、該第一カテゴリ物品Aの識別情報「A」と、該第一カテゴリ物品Aの需要数量M件とが含まれる。該第一カテゴリ物品Aに対して、複数の倉庫から、第一カテゴリ物品Aに対する一つ又は複数の第一候補倉庫を特定する。特定された各第一候補倉庫には、いずれも該第一カテゴリ物品Aが収納され、かつ各第一候補倉庫に収納された第一カテゴリ物品Aの収納数量は、上記注文情報で指示された第一カテゴリ物品Aの需要数量M以上である。上記第一候補倉庫を特定する過程は、例えば、識別情報「A」に基づいて複数の倉庫の在庫情報にマッチング検索を行い、在庫情報に識別情報「A」が含まれる倉庫を特定することであってもよい。さらに需要数量Mに基づいて識別情報「A」を含む在庫情報にマッチング検索を行い、在庫情報における識別情報「A」に対応する収納数量がM以上である倉庫を特定して、第一カテゴリ物品Aに対する第一候補倉庫とする。
【0049】
操作S233において、上記第一候補倉庫から指定アドレスに対する所望配送時間長が最も短い第一候補倉庫を特定して、該第一カテゴリ物品の未定倉庫とする。
【0050】
例示的には、本操作S233において、上記特定された第一候補倉庫のそれぞれの配送情報に基づいて、第一候補倉庫のそれぞれの注文情報で指示された指定アドレスに対する所望配送時間長を特定する。そのうちの指定アドレスに対する所望配送時間長が最も短い第一候補倉庫を、第一カテゴリ物品の未定倉庫とする。例えば、注文情報によって指定アドレスL及び第一カテゴリ物品Aが指示され、操作S232によって第一カテゴリ物品Aの第一候補倉庫が倉庫D、D及びDを含むことが特定される。倉庫D、D及びDのそれぞれの配送情報から分かるように、倉庫Dの指定アドレスLに対する所望配送時間長がtであり、倉庫Dの指定アドレスLに対する所望配送時間長がtであり、倉庫Dの指定アドレスLに対する所望配送時間長がtである。t<t<tであれば、倉庫Dを第一カテゴリ物品Aの未定倉庫として特定する。同様に、注文情報がさらに他の第一カテゴリ物品を指示する場合、上記論理に従って各第一カテゴリ物品の未定倉庫を特定することができる。
【0051】
本開示の実施例によれば、最適化モデルは、第一サブモデルを含んでよい。上記操作S231~S233は、いずれも第一サブモデルを利用して実行することができ、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫を第一サブモデルの出力結果とする。
【0052】
操作S234において、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫が同一倉庫であるか否かを特定する。そうであれば、操作S235を実行する。
【0053】
操作S235において、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫を上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫として特定する。
【0054】
例示的には、第一サブモデルの出力結果が注文情報のうちの少なくとも一つの第一カテゴリ物品の未定倉庫が同一倉庫であることを表す場合、該同一倉庫が上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品を同時に提供することができることを示し、該同一倉庫を上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品の配送倉庫とすれば、上記第一カテゴリ物品を同一のパッケージに梱包し、配送コストを低減することができる。そして、該同一倉庫の各第一カテゴリ物品に対する所望配送時間長がいずれも短いため、該同一倉庫を上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品の配送倉庫とすることは、配送時間長の増加を招くことがない。したがって、本操作S234は、第一サブモデルの出力結果に基づいて注文情報で指示された少なくとも一つの第一カテゴリ物品の配送倉庫を特定し、未定倉庫を配送倉庫とすることができる。
【0055】
本開示の実施例によれば、最適化モデルは、第二サブモデルをさらに含んでよく、第二サブモデルは、整数計画(integer programming)モデルである。該整数計画モデルの目的関数は、第一数値と第二数値との和を表し、すなわち、配送時間長と配送料金との総和を表すことができ、該整数計画モデルは、少なくとも一つの制約条件を含む。図3に示すように、上記予め構築された最適化モデルを利用して上記注文情報及び倉庫情報を処理して、最適化モデルの出力結果に基づいて上記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定する操作S230は、操作S236~S239をさらに含んでもよい。
【0056】
上記操作S234において少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの未定倉庫が同一倉庫ではないと特定する場合、上記少なくとも一つの制約条件、上記注文情報及び上記倉庫情報に基づいて、少なくとも一つの倉庫割当方式を特定するという操作S236を実行する。ここで、各倉庫割当方式は、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品と上記複数の倉庫のうちの少なくとも一つの倉庫との間の配送関係を含んでよい。例えば、注文情報によって第一カテゴリ物品A、A及びAが指示されると、特定された各倉庫割当方式は、第一カテゴリ物品Aと複数の倉庫のうちの一つの倉庫との間の配送関係、第一カテゴリ物品Aと複数の倉庫のうちの一つの倉庫との間の配送関係、第一カテゴリ物品Aと複数の倉庫のうちの一つの倉庫との間の配送関係を含んでよい。
【0057】
操作S237において、上記少なくとも一つの倉庫割当方式に基づいて、目的関数の値を算出する。目的関数の値を最小にする倉庫割当方式を、第二サブモデルの出力結果とする。
【0058】
例示的には、本開示の実施例は、上記少なくとも一つの倉庫割当方式に基づいて、第一数値及び第二数値の数値範囲を特定することができる。さらに第一数値及び第二数値の数値範囲に基づいて、目的関数の値を算出する。次に、目的関数の値を最小にする倉庫割当方式を、第二サブモデルの出力結果とする。
【0059】
例えば、上記各倉庫割当方式は、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品とM個の倉庫との間の配送関係を含んでよく、ここで、Mが1以上の整数である。上記少なくとも一つの倉庫割当方式に基づいて、第一数値及び第二数値の数値範囲を特定することは、各倉庫割当方式に対して、M個の倉庫のうちの各倉庫の指定アドレスに対する所望配送時間長に基づいて、各倉庫割当方式に対する第一数値を特定することを含む。そして、M個の倉庫のうちの各倉庫の所望配送料金に基づいて、各倉庫割当方式に対する第二数値を特定する。
【0060】
以下、具体的な例を参照しながら上記整数計画モデルを利用して注文データ及び倉庫データを処理する過程を例示的に説明する。
【0061】
例えば、整数計画モデルを式(1)~(7)に示すように設けることができる。
【数1】






【0062】
ここで、式(1)は、整数計画モデルの目標が目的関数を最小化することであることを示す。式(2)~(7)は、該整数計画モデルの制約条件を示す。例示的には、iは、物品のSKU番号を示し、Iは、注文情報における全ての指定物品のSKU番号の集合である。jは、倉庫の番号を示し、Jは、複数の倉庫の集合である。sijの値は、倉庫jが注文情報で指示された指定物品iの全ての需要を満たすことができるか否かを表すために用いられ、sij=1である場合には、満たすことができることを示し、sij=0である場合には、満たすことができないことを示す。tは、倉庫jの所望配送時間長を示す。nは、注文情報で指示された指定商品iの需要数量を示す。nは、注文情報で指示された全ての指定物品の総数を示す。wは、重みであり、該重みは、例えばいずれかの倉庫がパッケージを一回配送する所望配送料金を表すことができ、異なる倉庫に対して同じ又は異なる重みを設定することができる。Xijの値は、指定物品iが倉庫jにより配送されるか否か、すなわち指定物品iが倉庫jと配送関係を有するか否かを表すために用いられる。Xij=1である場合には、指定物品iが倉庫jにより配送されることを示し、Xij=0である場合には、指定物品iが倉庫jにより配送されないことを示す。Yの値は、注文情報に倉庫jにより配送された指定物品が存在するか否かを表すために用いられ、Y=1である場合には、存在することを示し、Y=0である場合には、存在しないことを示す。式(1)は、平均所望配送時間長及び平均所望配送料金を最小化することを表し、本例において平均所望配送料金は、注文分割数の重みづけ加算結果に等しいものとする。式(2)による制約条件は、各物品(例えばSKU番号により一意に識別される)が該物品の全ての需要数量を満たす能力を有する倉庫のみで配送されることを制限する。式(3)による制約条件は、各物品が一つの倉庫のみで配送されることを制限する。式(4)及び(5)による制約条件は、ある倉庫が少なくとも一つの物品を配送することによって初めて実際の配送倉庫となる可能性があることを制限する。式(6)および式(7)による制約条件は、XijおよびYが[0-1]区間の変数であることを制限する。
【0063】
理解できるように、本開示の実施例によれば、上記少なくとも一つの制約条件は、第一カテゴリ物品ごとの配送倉庫の数、第一カテゴリ物品ごとの配送倉庫における該第一カテゴリ物品の収納数、及び倉庫ごとに配送された第一カテゴリ物品の数のうち少なくとも一つを制限するために用いられる。整数計画モデルによって、若干の倉庫配送方式を限定することができる。該限定範囲内には、目的関数に基づいて、最適化される出力結果を特定することができる。
【0064】
引き続き図3を参照し、操作S238において、第二サブモデルの出力結果を得る前における動作時間長が所定の時間長よりも大きいか否かを特定する。そうであれば、操作S235の実行に戻る。そうでなければ、操作S239を実行する。
【0065】
操作S239において、第二サブモデルの出力結果に基づいて、上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫を特定する。
【0066】
本開示の実施例によれば、操作S239は、次のように実行することができる。即ち、操作S2391において、第二サブモデルの出力結果が第一サブモデルの出力結果よりも良いか否かを特定する。そうであれば、操作S2392を実行する。そうでなければ、操作S235の実行に戻る。操作S2392において、第二サブモデルの出力結果が対象とする倉庫割当方式に基づいて上記少なくとも一つの第一カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫を特定する。
【0067】
図4は、本開示の別の実施例による注文情報処理方法の例示的なフローチャートを概略的に示し、上記予め構築された最適化モデルを利用して上記注文情報及び倉庫情報を処理して、最適化モデルの出力結果に基づいて上記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定するという操作S230の別の例示的な実施過程を説明するために用いられる。
【0068】
図4に示すように、実行を開始した後、該方法は、操作S2310~S2312を含んでよい。
操作S2310において、上記少なくとも一つの指定物品に少なくとも一つの第二カテゴリ物品が存在するか否かを特定する。そうであれば、操作S2311を実行する。そうでなければ、開始状態に戻る。
【0069】
例示的には、第二カテゴリ物品は、必要に応じて設定することができる。例えば、第二カテゴリ物品は、梱包する必要がない物品の全てを指し、「オリジナル包装物品」と呼ばれてもよく、すなわち、オリジナル包装のままで直接的に配送することができる物品である。注文情報で指示された少なくとも一つの指定物品に第二カテゴリ物品が存在すれば、フルフィルメント策定を行う過程において、これらの第二カテゴリ物品が併合されて梱包される可能性を考慮しなくてもよい。
【0070】
操作S2311において、各第二カテゴリ物品に対して、該第二カテゴリ物品の識別情報及び需要数量に基づいて、上記複数の倉庫から該第二カテゴリ物品が収納されかつ収納数量が需要数量以上である第二候補倉庫を特定する。
【0071】
操作S2312において、第二候補倉庫から指定アドレスに対する所望配送時間長が最も短い第二候補倉庫を特定して、該第二カテゴリ物品の配送倉庫とする。
【0072】
上記操作S2311~S2312は、上記操作S232~S233の実施原理と同じであり、ここでは説明を省略する。一つの第二カテゴリ物品の所望配送時間長が最も短い第二候補倉庫を特定した後に、直接的に該第二カテゴリ物品の配送倉庫とすることができる。
【0073】
本開示の実施例によれば、最適化モデルは、さらに第三サブモデルを含んでもよい。上記操作S2310~S2312は、いずれも第三サブモデルを利用して実行することができ、上記特定された少なくとも一つの第二カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫を前記第三サブモデルの出力結果とする。それによって、第三サブモデルの出力結果に基づいて、少なくとも一つの第二カテゴリ物品のそれぞれの配送倉庫を特定することができる。
【0074】
図5は、本開示の実施例による注文情報処理装置のブロック図を概略的に示す。
図5に示すように、注文情報処理装置500は、第一取得モジュール510と、第二取得モジュール520と、モデル処理モジュール530とを含んでよい。
【0075】
第一取得モジュール510は、指定アドレスの情報及び少なくとも一つの指定物品の情報を含む注文情報を取得するために用いられる。
【0076】
第二取得モジュール520は、複数の倉庫の在庫情報及び複数の倉庫の配送情報を含む倉庫情報を取得するために用いられる。
【0077】
モデル処理モジュール530は、予め構築された最適化モデルを利用して上記注文情報及び倉庫情報を処理して、最適化モデルの出力結果に基づいて上記複数の倉庫から少なくとも一つの倉庫を配送倉庫として特定し、それによって第一数値と第二数値との和が所定値以下になるようにする。ここで、第一数値は、少なくとも一つの指定物品を上記配送倉庫から指定アドレスに配送するためにかかる配送時間長を表すためのものであり、第二数値は、少なくとも一つの指定物品を上記配送倉庫から指定アドレスに配送するためにかかる配送料金を表すためのものである。
【0078】
なお、装置部分の実施例における各モジュール/ユニット/サブユニットなどの実施形態、解決される技術的問題、実現される機能、及び達成される技術効果は、それぞれ方法部分の実施例における各対応するステップの実施形態、解決される技術的問題、実現される機能、及び達成される技術効果と同一又は類似であり、ここでは説明を省略する。
【0079】
本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちの任意の複数、又はそのうちの任意の複数の少なくとも一部の機能は、一つのモジュールにおいて実現されてよい。本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちのいずれか一つ又は複数は、複数のモジュールに分割して実現されてよい。本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちのいずれか一つ又は複数は、少なくとも部分的にハードウェア回路、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、システムオンチップ、基板上のシステム、パッケージ上のシステム、特定用途向け集積回路(ASIC)に実現されてもよく、又は回路を集積又はパッケージングする如何なる他の合理的な方式のハードウェア又はファームウェアで実現されてもよく、又はソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの三つの実現方式のうちのいずれか一つ又はそのうちの任意のいくつかの適切な組み合わせで実現されてもよい。又は、本開示の実施例によるモジュール、サブモジュール、ユニット、サブユニットのうちの一つ又は複数は、少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現されてよく、該コンピュータプログラムモジュールが実行されると、対応する機能を実行することができる。
【0080】
例えば、第一取得モジュール510、第二取得モジュール520及びモデル処理モジュール530のうちの任意の複数のモジュールは、一つのモジュールに統合して実現されてもよく、又はそのうちのいずれか一つのモジュールが複数のモジュールに分割されてもよい。又は、これらのモジュールのうちの一つ又は複数のモジュールの少なくとも一部の機能は、他のモジュールの少なくとも一部の機能と組み合わせて、一つのモジュールにおいて実現されてもよい。本開示の実施例によれば、第一取得モジュール510、第二取得モジュール520及びモデル処理モジュール530のうちの少なくとも一つは、少なくとも部分的にハードウェア回路、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、システムオンチップ、基板上のシステム、パッケージ上のシステム、特定用途向け集積回路(ASIC)に実現されてもよく、又は回路を集積又はパッケージングする如何なる他の合理的な方式のハードウェア又はファームウェアで実現されてもよく、又はソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの三つの実現方式のうちのいずれか一つ又はそのうちの任意のいくつかの適切な組み合わせで実現されてもよい。又は、第一取得モジュール510、第二取得モジュール520及びモデル処理モジュール530のうちの少なくとも一つは、少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現されてもよく、該コンピュータプログラムモジュールが実行されると、対応する機能を実行することができる。
【0081】
図6は、本開示の実施例による上記した注文情報処理方法を実現することに適するコンピュータ機器のブロック図を概略的に示す。図6に示すコンピュータ機器は、一例に過ぎず、本開示の実施例の機能及び使用範囲に何ら制限を与えるものではない。
【0082】
図6に示すように、本開示の実施例によるコンピュータ機器600は、リードオンリーメモリ(ROM)602に記憶されたプログラム、又は記憶部分608からランダムアクセスメモリ(RAM)603にロードされたプログラムに基づいて、様々な適切な動作及び処理を実行することができるプロセッサ601を含む。プロセッサ601は、例えば、汎用マイクロプロセッサ(例えば、CPU)、コマンドセットプロセッサ及び/又は関連チップセット及び/又は特定用途向けマイクロプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))などを含んでよい。プロセッサ601は、さらにキャッシュの用途に用いられるオンボードメモリを含んでもよい。プロセッサ601は、本開示の実施形態による方法フローに従った異なる動作を実行するための単一の処理ユニット、或いは複数の処理ユニットを含んでよい。
【0083】
RAM603には、装置600の操作に必要な様々なプログラム及びデータが記憶される。プロセッサ601、ROM602、およびRAM603は、バス604を介して相互に接続されている。プロセッサ601は、ROM602及び/又はRAM603に格納されたプログラムを実行することにより、本開示の実施例による方法フローに従った各種の操作を実行する。なお、前記プログラムは、ROM602及びRAM603以外の一つ又は複数のメモリに記憶されてもよい。プロセッサ601は、前記一つ又は複数のメモリに格納されたプログラムを実行することにより、本開示の実施例による方法フローに従った各種の操作を実行してもよい。
【0084】
本開示の実施例によれば、装置600は、入出力(I/O)インターフェース605をさらに含んでもよく、入出力(I/O)インターフェース605もバス604に接続される。装置600は、I/Oインターフェース605に接続された、キーボード、マウス等を含む入力部分606、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等及びスピーカ等を含む出力部分607、ハードディスク等を含む記憶部分608、及びLANカード、モデム等のネットワークインターフェースカードを含む通信部分609のうちの一つ又は複数をさらに含んでもよい。通信部分609は、インターネット等のネットワークを介して通信処理を行う。ドライバ610も、必要に応じてI/Oインターフェース605に接続されている。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルメディア611は、必要に応じてドライバ610にインストールされ、それによりそれから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部分608にインストールされる。
【0085】
本開示の実施例によれば、本開示の実施例による方法フローは、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現することができる。例えば、本開示の実施例は、コンピュータプログラム製品を含み、それはコンピュータ読取可能な媒体に担持されたコンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムはフローチャートに示された方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例において、該コンピュータプログラムは、通信部分609を介してネットワークからダウンロード及びインストールされ、及び/又はリムーバブルメディア611からインストールされてよい。該コンピュータプログラムがプロセッサ601により実行されると、本開示の実施例によるシステムに限定された上記機能を実行する。本開示の実施例によれば、前文で説明したシステム、機器、装置、モジュール、ユニットなどは、コンピュータプログラムモジュールにより実現されてよい。
【0086】
本開示は、コンピュータ読取可能な媒体をさらに提供し、該コンピュータ読取可能な媒体は上記実施例で説明した機器/装置/システムに含まれてもよく、単独で存在し、該機器/装置/システムに組み込まれていなくてもよい。上記コンピュータ読取可能な媒体には、一つ又は複数のプログラムが担持されており、上記一つ又は複数のプログラムが実行される場合、本開示の実施例による注文情報処理方法を実現する。
【0087】
本開示の実施例によれば、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、不揮発性のコンピュータ読取可能な記憶媒体であってもよく、例えば、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光収納デバイス、磁気収納デバイス、又は上記任意の適切な組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。本開示の実施例において、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、プログラムを含み又は記憶する如何なる有形の媒体であってもよく、該プログラムは、コマンド実行システム、装置又はデバイスに使用され、又はそれらと組み合わせて使用されてもよい。例えば、本開示の実施例によれば、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、上記したROM602及び/又はRAM603及び/又はROM602及びRAM603以外の一つ又は複数のメモリを含むことができる。
【0088】
図面におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な実施例によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点において、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、一つのモジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部を表すことができ、上記モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部は、一つ又は複数の、所定の論理機能を実現するための実行可能な命令を含む。注意すべきことは、いくつかの代替としての実現において、ブロックにマークされた機能は図面と異なる順序で発生してもよい。例えば、二つの連続的に示されるブロックは、実際に基本的に並行して実行されてもよく、それらは逆の順序で実行されてもよく、これは係られた機能に依存する。注意すべきこととして、ブロック図又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は操作を実行する専用のハードウェアに基づくシステムで実現されてもよく、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせで実現されてもよい。
【0089】
当業者であれば理解されるように、本開示の各実施例及び/又は特許請求の範囲に記載の特徴は、様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができ、このような組み合わせ又は結合が本開示に明確に記載されていなくてもよい。特に、本開示の精神及び教示から逸脱することなく、本開示の各実施例及び/又は請求項に記載の特徴は、様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができる。これらの組み合わせ及び/又は結合は、いずれも本開示の範囲に属するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6