(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04746 20160101AFI20240122BHJP
H01M 8/0606 20160101ALI20240122BHJP
H01M 8/0432 20160101ALI20240122BHJP
H01M 8/04313 20160101ALI20240122BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20240122BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20240122BHJP
H01M 8/04701 20160101ALI20240122BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240122BHJP
H01M 8/00 20160101ALN20240122BHJP
【FI】
H01M8/04746
H01M8/0606
H01M8/0432
H01M8/04313
H01M8/04537
H01M8/04858
H01M8/04701
H01M8/10 101
H01M8/00 A
(21)【出願番号】P 2022568712
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 KR2020019138
(87)【国際公開番号】W WO2021230456
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0055684
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522439836
【氏名又は名称】ヨ,ヨンチャン
【氏名又は名称原語表記】YEO, Youngchan
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ヨ,ヨンチャン
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特許第3682884(JP,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0051910(KR,A)
【文献】特開2013-149577(JP,A)
【文献】特開2002-249303(JP,A)
【文献】特開2018-081850(JP,A)
【文献】特開2002-050378(JP,A)
【文献】特開2017-107702(JP,A)
【文献】特開2006-147250(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0148730(US,A1)
【文献】特開2000-040519(JP,A)
【文献】特開2006-008418(JP,A)
【文献】特開2018-152962(JP,A)
【文献】特開2008-108733(JP,A)
【文献】特表2005-530675(JP,A)
【文献】特表2016-506490(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0892160(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-0778626(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04-8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を改質する改質装置と、
前記改質装置から改質燃料が提供されて貯蔵する改質燃料貯蔵部と、
前記改質燃料を利用して電力及び熱を生成する燃料電池スタックと、
暖房水を利用して暖房を提供するボイラ部と、
前記燃料電池スタックで生成された電力を貯蔵するバッテリ部と、
前記改質装置、前記改質燃料貯蔵部、前記燃料電池スタック、前記ボイラ部及び前記バッテリ部の動作を制御する制御部とを含み、
前記制御部は、前記ボイラ部の暖房水温度が第1基準値よりに大きく、
前記改質燃料貯蔵部に貯蔵された改質燃料貯蔵量が第2基準値以下である場合、前記ボイラ部の暖房水を利用して前記改質装置が動作するように制御する、燃料電池システム。
【請求項2】
外部への電力提供が必要で、前記改質燃料貯蔵部の改質燃料貯蔵量が前記第2基準値以下で、前記バッテリ部の電力量が第3基準値以下である場合、
前記制御部は、前記改質装置が動作するように制御して前記改質燃料を生成し、前記改質燃料を利用して前記燃料電池スタックが動作するように制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
外部への電力提供が必要で、前記改質燃料貯蔵部の改質燃料貯蔵量が前記第2基準値よりも大きく、前記バッテリ部の電力量が第3基準値以下である場合、
前記制御部は、前記改質装置を非動作するように制御し、前記改質燃料貯蔵部に貯蔵された前記改質燃料を利用して、前記燃料電池スタックを動作するように制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
外部への電力提供が必要で、前記バッテリ部の電力量が第3基準値よりも大きい場合、
前記制御部は、前記バッテリ部に貯蔵された電力を外部に提供するように制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
外部への暖房提供が必要で、前記ボイラ部の暖房水温度が前記第1基準値以下で、前記バッテリ部の電力量が第3基準値よりも大きい場合、
前記制御部は、前記バッテリ部に貯蔵された電力を利用して前記ボイラ部の暖房水を加熱するように制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
外部への暖房提供が必要で、前記ボイラ部の暖房水温度が前記第1基準値以下で、前記バッテリ部の電力量が第3基準値以下である場合、
前記制御部は、前記燃料電池スタックを動作するように制御し、前記制御部は、前記燃料電池スタックで生成された熱を利用して前記ボイラ部の暖房水を加熱するように制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記改質燃料貯蔵部の改質燃料貯蔵量が前記第2基準値以下である場合、
前記制御部は、前記改質装置を動作するように制御する、請求項6に記載燃料電池システム。
【請求項8】
前記改質燃料貯蔵部の改質燃料貯蔵量が前記第2基準値よりも大きい場合、
前記制御部は、前記改質装置を非動作するように制御し、前記改質燃料貯蔵部に貯蔵された改質燃料を利用して前記燃料電池スタックを動作するように制御する、請求項6に記載燃料電池システム。
【請求項9】
前記制御部は、高度な計測インフラストラクチャ(AMI:Advanced Metering Infrastructure)を含み、
前記高度な計測インフラストラクチャを通じて受信した電気料金が第4基準値よりも大きい場合、
前記制御部は、前記燃料電池スタックを動作するように制御し、前記燃料電池スタックで生成された電力を外部に提供するように制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記制御部は、高度な計測インフラストラクチャ(AMI:Advanced Metering Infrastructure)を含み、
前記高度な計測インフラストラクチャを通じて受信した電気料金が第5基準値以下である場合、
前記制御部は、外部で電力を受けて前記バッテリ部に貯蔵するように制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記バッテリ部の電力が第3基準値よりも大きく、前記燃料電池スタックが動作中である場合、
前記制御部は、前記燃料電池スタックで生成された電力を外部に提供するように制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高分子電解質燃料電池(PEMFC)のような低温型燃料電池システムは、家庭または建物に利用される。低温型燃料電池は、改質装置と燃料電池スタックを含んでいる。改質装置は、都市ガスを水素ガスに改質するのに用いられ、燃料電池スタックは、水素ガスと空気を利用して電力及び熱を生成する。燃料電池スタックで生成された電力は、家庭または建物に供給されて、電力源として利用される。燃料電池スタックで生成された熱は、家庭または建物に供給されて、家庭または建物の暖房に利用される。
【0003】
現在の燃料電池システムでは、電力及び暖房の何れか一つを提供するために、改質装置及び燃料電池スタックが全部動作する必要がある。しかしながら、家庭または建物で常に電力と暖房を同時に必要とせず、家庭または建物で電力及び暖房の何れか一つを要求する場合には、他のエネルギーが不必要に生成されて消耗されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、改質装置と燃料電池スタックの動作を独立的に実行することにより、エネルギーの効率が改善された燃料電池システムを提供することである。
【0005】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、熱エネルギー損失が最小化される燃料電池システムを提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとするまた他の技術的課題は、電力売買戦略を樹立して、利益が極大化される燃料電池システムを提供することである。
【0007】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されなかったまた他の技術的課題は、以下の記載から当該技術分野における通常の技術者に明確に理解され得るはずである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を達するための本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムは、燃料を改質する改質装置と、改質装置から改質燃料が提供されて貯蔵する改質燃料貯蔵部と、改質燃料を利用して、電力及び熱を生成する燃料電池スタックと、暖房水を利用して、暖房を提供するボイラ部と、燃料電池スタックで生成された電力を貯蔵するバッテリ部と、改質装置、改質燃料貯蔵部、燃料電池スタック、ボイラ部及びバッテリ部の動作を制御する制御部とを含み、制御部は、ボイラ部の暖房水温度が基準値よりも大きく、改質燃料貯蔵部に貯蔵された改質燃料貯蔵量が基準値以下である場合、ボイラ部の暖房水を利用して改質装置が動作するように制御する。
【0009】
いくつかの実施形態において、外部への電力提供が必要で、改質燃料貯蔵部の改質燃料貯蔵量が基準値以下で、バッテリ部の電力量が基準値以下である場合、制御部は、改質装置が動作するように制御して改質燃料を生成し、改質燃料を利用して燃料電池スタックが動作するように制御する。
【0010】
いくつかの実施形態において、外部への電力提供が必要で、改質燃料貯蔵部の改質燃料貯蔵量が基準値よりも大きく、バッテリ部の電力量が基準値以下である場合、制御部は、改質装置を非動作するように制御し、改質燃料貯蔵部に貯蔵された改質燃料を利用して燃料電池スタックを動作するように制御する。
【0011】
いくつかの実施形態において、外部への電力提供が必要で、バッテリ部の電力量が基準値よりも大きい場合、制御部は、バッテリ部に貯蔵された電力を外部に提供するように制御する。
【0012】
いくつかの実施形態において、外部への暖房提供が必要で、ボイラ部の暖房水温度が基準値以下で、バッテリ部の電力量が基準値よりも大きい場合、制御部は、バッテリ部に貯蔵された電力を利用して、ボイラ部の暖房水を加熱するように制御する。
【0013】
いくつかの実施形態において、外部への暖房提供が必要で、ボイラ部の暖房水温度が基準値以下で、バッテリ部の電力量が基準値以下である場合、制御部は、燃料電池スタックを動作するように制御し、制御部は、燃料電池スタックで生成された熱を利用して、ボイラ部の暖房水を加熱するように制御する。
【0014】
いくつかの実施形態において、改質燃料貯蔵部の改質燃料貯蔵量が基準値以下である場合、制御部は改質装置を動作するように制御する。
【0015】
いくつかの実施形態において、改質燃料貯蔵部の改質燃料貯蔵量が基準値よりも大きい場合、制御部は、改質装置を非動作するように制御し、改質燃料貯蔵部に貯蔵された改質燃料を利用して、燃料電池スタックを動作するように制御する。
【0016】
いくつかの実施形態において、制御部は、高度な計測インフラストラクチャ(AMI:Advanced Metering Infrastructure)を含み、高度な計測インフラストラクチャを通じて受信した電気料金が基準値よりも大きい場合、制御部は、燃料電池スタックを動作するように制御し、燃料電池スタックで生成された電力を外部に提供するように制御する。
【0017】
いくつかの実施形態において、制御部は、高度な計測インフラストラクチャ(AMI:Advanced Metering Infrastructure)を含み、高度な計測インフラストラクチャを通じて受信した電気料金が基準値以下である場合、制御部は外部で電力が提供されて、バッテリ部に貯蔵されるように制御する。
【0018】
いくつかの実施形態において、バッテリ部の電力が基準値よりも大きく、燃料電池スタックが動作中である場合、制御部は、燃料電池スタックで生成された電力を外部に提供するように制御する。
【0019】
その他実施形態の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0020】
本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムは、改質装置と燃料電池スタックの動作を独立的に実行することにより、熱エネルギーの損失を最小化し、それにより、エネルギー効率を改善させることができる。
【0021】
また、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムは、電力売買戦略を樹立することにより、利益を極大化させることができる。
【0022】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されなかったまた他の効果は、特許請求範囲の記載から当業者に明確に理解され得るはずである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムを説明するための例示図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムの動作を説明するための例示図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムの動作を説明するための例示図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムの動作を説明するための例示図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムの動作を説明するための例示図である。
【
図6】本発明の他のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムを説明するための例示図である。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムの運営方法を説明するための例示図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システムの運営方法を説明するための例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になり得る。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるのでなく、互いに異なる多様な形態に具現されることができ、単に本実施形態は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇により定義されるだけである。図面で表示された構成要素の大きさ及び相対的な大きさは、説明の明瞭性のために誇張されたものであり得る。明細書の全体に亘って同一参照符号は同一構成要素を称する。「及び/または」は、言及されたアイテムのそれぞれ及び一つ以上の全ての組み合わせを含む。
【0025】
本明細書で用いられた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするのではない。本明細書において、単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。明細書に用いられる「含む(comprise)」または「から~なる(comprising)」は、言及された構成要素以外に一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
【0026】
たとえ第一、第二などが多様な素子や構成要素を敍述するために用いられるが、これら素子や構成要素はこれらの用語によって制限されないことは勿論である。これら用語は、ただ一つの素子や構成要素を他の素子や構成要素と区別するために用いるのである。よって、以下で言及される第一素子や構成要素は本発明の技術的思想内で第二素子や構成要素であり得ることは勿論である。
【0027】
異なりに定義されない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に共通的に理解され得る意味で用いられることができるはずである。また、一般的に用いられる辞典に定義されている用語は、明白に特別に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されてはならない。
【0028】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム1を説明するための例示図である。本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム1は、低温型燃料電池システムであり得る。例えば、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム1は、高分子電解質燃料電池(PEMFC)であり得るが、実施例がこれに制限されるのではない。
【0029】
図1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム1は、エネルギー生成部10、エネルギー提供部20及び制御部30を含むことができる。エネルギー生成部10は、改質装置100、改質燃料貯蔵部110、燃料電池スタック120及び副産物利用部130を含むことができる。また、エネルギー提供部20は、ボイラ部200及びバッテリ部210を含むことができる。
【0030】
改質装置100は、外部で燃料を提供されることができる。改質装置100は、外部で提供された燃料を改質(reforming)して、改質燃料と改質副産物を生成することができる。改質装置100で生成された改質燃料は、改質燃料貯蔵部110に提供されることができる。また、改質装置100で生成された改質副産物は副産物利用部130に提供されることができる。
【0031】
例えば、外部で提供される燃料は、メタン(CH4)ガスを含むことができる。また、改質装置100は、メタン(CH4)ガスと水(H2O)を利用して水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を生成することができる。この時、生成された水素(H2)は、改質燃料として改質燃料貯蔵部110に提供され、生成された二酸化炭素(CO2)は、改質副産物として副産物利用部130に提供されることができる。しかしながら、これは一例に過ぎず、実施例がこれに制限されるのではない。
【0032】
改質燃料貯蔵部110は、改質装置100から改質燃料が提供されることができる。改質燃料貯蔵部110は、改質燃料を貯蔵することができる。改質燃料貯蔵部110は、改質燃料を気体相(phase)、液体相及び固体相の何れか一つで貯蔵することができる。例えば、改質燃料貯蔵部110は、改質装置100から改質燃料である水素(H2)を受けて、水素(H2)を金属水素化物(metal hydride)の形態で貯蔵することができる。この時、改質燃料貯蔵部110は、水素(H2)を効果的に貯蔵するために、改質装置100と金属水素化物との間に温度及び圧力調節器をさらに含むことができる。温度及び圧力調節器は、金属水素化物の温度及び圧力を適切に調節して、水素(H2)ガスの貯蔵及び放出を制御することができる。温度及び圧力調節器は、例えば、スクリュー(screw)タイプのコンプレッサが利用されることができるが、実施例がこれに制限されるのではない。改質燃料貯蔵部110は、貯蔵された改質燃料を燃料電池スタック120に提供することができる。
【0033】
燃料電池スタック120は、改質燃料貯蔵部110から改質燃料が提供されることができる。燃料電池スタック120は、提供された改質燃料と、空気(例えば、酸素(O2))を利用して電力を生産することができる。燃料電池スタック120が改質燃料を利用して電力を生産する時、内部化学反応により熱が発生され得る。言い換えると、燃料電池スタック120は、改質燃料を利用して電力及び熱を生成することができる。燃料電池スタック120で生成された電力は、バッテリ部210に提供されることができる。例えば、燃料電池スタック120で生成された電力は、バッテリ部210内の蓄電池に貯蔵されることができる。
【0034】
また、燃料電池スタック120で生成された熱は、ボイラ部200に提供されることができる。例えば、燃料電池スタック120で生成された熱は、ボイラ部200の暖房水に提供されることができる。暖房水は、暖房供給のために、ボイラ部200で燃料電池システム1の外部に提供される水を意味する。
【0035】
例えば、燃料電池スタック120で生成された熱は、燃料電池スタック120の内部を流動する冷却水に提供されることができる。燃料電池スタック120の冷却水は、燃料電池スタック120で生成された熱が提供されるので、温度が上昇することができる。温度が上昇された冷却水は、熱交換器(heat exchanger)を通じてボイラ部200の暖房水と熱を交換することができる。すなわち、温度が上昇された冷却水は、熱交換器を通じて暖房水に熱を提供するので、温度が減少されることができ、暖房水は熱交換器を通じて温度が上昇された冷却水から熱が提供されるので、温度が上昇されることができる。言い換えると、燃料電池スタック120で生成された熱は、熱交換器を通じてボイラ部200の暖房水を加熱するのに利用されることができる。
【0036】
他の例として、燃料電池スタック120の冷却水は、ボイラ部200に直接提供されて暖房水として用いられることができる。言い換えると、燃料電池スタック120の内部を流動する冷却水は、燃料電池スタック120で生成された熱が提供されて温度が上昇し、温度が上昇された冷却水は、ボイラ部200に提供されて、暖房水として直接利用されることができる。言い換えると、燃料電池スタック120で生成された熱は、ボイラ部200の暖房水を直接加熱するのに利用されることができる。結果的に、燃料電池スタック120で生成された熱は、ボイラ部200の暖房水に提供されることができる。
【0037】
いくつかの実施形態に係ると、改質装置100は、ボイラ部200から熱が提供されることができる。例えば、改質装置100は、ボイラ部200の暖房水が直接提供されることができる。他の例として、改質装置100は、ボイラ部200の暖房水から熱交換器を通じて熱が提供されることができる。具体的な説明は後述する。
【0038】
ボイラ部200は、燃料電池システム1の外部に暖房を提供することができる。例えば、ボイラ部200は、建物などに暖房を提供することができる。すなわち、ボイラ部200は、温度が増加された暖房水を建物などに提供することにより暖房を提供することができる。
【0039】
バッテリ部210は、燃料電池システム1の外部に電力を提供することができる。例えば、バッテリ部210は、バッテリ部210内の蓄電器に貯蔵された電力を建物などに提供することができる。いくつかの実施形態に係ると、バッテリ部210は、蓄電器、BMS(Battery Management System)及びPCS(Power Conditioning System)などを含むことができるが、実施例がこれに制限されるのではない。
【0040】
いくつかの実施形態に係ると、バッテリ部210に貯蔵された電力は、ボイラ部200の暖房水の温度を増加させるのに利用されることができる。具体的な説明は後述する。
【0041】
副産物利用部130は、改質装置100で発生された改質副産物を利用することができる。本発明のいくつかの実施形態に係ると、副産物利用部130は、改質副産物の少なくとも一部を利用して、改質燃料及び電力を生成することができる。副産物利用部130で利用されなかった改質副産物は排気口を通じて排出されることができる。排気口は外部に露出されることもでき、改質副産物の追加的な処理のための装置に連結されることもできる。
【0042】
例えば、副産物利用部130は、改質副産物である二酸化炭素(CO2)を液体相の水(H2O)に溶解して、水素イオン(H+)と炭酸水素イオン(HCO3-)を生成し、水素イオン(H+)を還元することにより、改質燃料である水素気体(H2)を生成することができる。水素イオン(H+)が還元される過程で、電子の流れ(すなわち、電流)が発生され得る。言い換えると、副産物利用部130は、改質副産物である二酸化炭素(CO2)を利用して、改質燃料である水素気体(H2)及び電力を生成することができる。副産物利用部130で生成された改質燃料は、改質燃料貯蔵部110に提供されることができる。また、副産物利用部130で生成された電力は、バッテリ部210に提供されることができる。
【0043】
図示しなかったが、副産物利用部130は、副産物処理部及び副産物貯蔵部を含むことができる。いくつかの実施形態に係ると、副産物処理部は、改質副産物の一部を利用して、改質燃料及び電力を生成し、副産物貯蔵部は、副産物処理部で利用されなかった残り改質副産物を貯蔵することができる。副産物貯蔵部に改質副産物が特定水準以上貯蔵された場合、副産物利用部130は、改質副産物を排気口で排出することができる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態に係ると、制御部30は、エネルギー生成部10、及びエネルギー提供部20の全般的動作を制御することができる。言い換えると、制御部30は、改質装置100、改質燃料貯蔵部110、燃料電池スタック120、副産物利用部130、ボイラ部200及びバッテリ部210の全般的動作を制御することができる。
【0045】
図1は、本発明のいくつかの実施形態を説明するために参考的に図示されたのである。また、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム1を実施する際に、
図1に示された構成要素が全部必ず備えなければならないのではなく、
図1に示した構成要素のみで構成される必要もない。言い換えると、本発明の技術分野で通常の知識を有する者は、
図1に示された構成要素の一部を省略して実施したり、
図1に示されなかった他の構成要素を追加して実施することができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム1は、副産物利用部130を省略して構成されてもよい。
【0046】
図2は、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム1の動作を説明するための例示図である。
図1及び
図2を参照して、燃料電池システム1の外部(例えば、建物)で電力及び暖房の提供を要求する場合の燃料電池システム1の動作を説明する。
【0047】
燃料電池システム1の外部で電力及び暖房の提供を要請すると(S200)、制御部30は、バッテリ部210に貯蔵された電力が第1基準値を超えるか否かを確認することができる(S201)。第1基準値は、燃料電池システム1の使用者が必要によって設定することもでき、燃料電池システム1の設置事業者が予め設定した値でもあり得る。言い換えると、制御部30は、バッテリ部210に充電された電力量が第1基準値よりも大きいか否かを確認することができる。
【0048】
バッテリ部210に貯蔵された電力が第1基準値よりも大きい場合(S201、Y)、制御部30は、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超えるか否かを確認することができる(S202)。第2基準値は、燃料電池システム1の使用者が必要によって設定することもでき、燃料電池システム1の設置事業者が予め設定した値でもあり得る。
【0049】
ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超える場合(S202、Y)、制御部30は、バッテリ部210に貯蔵された電力を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S203)。また、制御部30は、温度が第2基準値よりも大きいボイラ部200の暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S204)。言い換えると、バッテリ部210の電力が第1基準値よりも大きく、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値よりも大きい場合、制御部30は、燃料電池スタック120を動作させることなく、燃料電池システム1の外部に電力及び暖房を提供することができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超える場合にも、制御部30は、バッテリ部210に貯蔵された電力を利用して、ボイラ部200の暖房水を追加的に加熱し、加熱された暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる。
【0051】
ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値以下である場合(S202、N)、制御部30は、バッテリ部210に貯蔵された電力を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S205)。また、制御部30は、バッテリ部210に貯蔵された電力を利用して、ボイラ部200の暖房水を加熱することができる。制御部30は、バッテリ部210に貯蔵された電力によって加熱されたボイラ部200の暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S206)。言い換えると、バッテリ部210の電力が第1基準値よりも大きく、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値以下である場合、制御部30は、燃料電池スタック120を動作させることなく、バッテリ部210に貯蔵された電力のみを利用して、燃料電池システム1の外部に電力及び暖房を提供することができる。
【0052】
バッテリ部210に貯蔵された電力が第1基準値以下である場合(S201、N)、制御部30は、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超えるか否かを確認することができる(S207)。ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超える場合(S207、Y)、制御部30は、改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料の貯蔵量が第3基準値を超えるか否かを確認することができる(S208)。第3基準値は、燃料電池システム1の使用者が必要によって設定することもでき、燃料電池システム1の設置事業者が予め設定した値でもあり得る。
【0053】
いくつかの実施形態に係ると、改質装置100の動作と燃料電池スタック120の動作は、互いに独立的に制御されることができる。改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値を超える場合(S208、Y)、制御部30は、改質装置100を動作させることなく、改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料のみで燃料電池スタック120が動作するように制御することができる。言い換えると、制御部30は、改質装置100を動作させることなく、改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料を燃料電池スタック120に提供するように制御し、改質燃料貯蔵部110で提供された改質燃料を利用して、燃料電池スタック120が動作するように制御することができる。燃料電池スタック120は、改質燃料を利用して電力を生産し、制御部30は、燃料電池スタック120で生産された電力を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S209)。例えば、制御部30は、燃料電池スタック120で生産された電力を電力変換装置などを通じて燃料電池システム1の外部に直接提供するように制御することができる。他の例として、燃料電池スタック120で生産された電力はバッテリ部210に貯蔵され、制御部30は、バッテリ部210を制御して外部に電力を提供するように制御することもできる。
【0054】
ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超えるので、制御部30は、ボイラ部200の暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる。制御部30は、ボイラ部200の暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することにより、暖房を提供することができる(S210)。いくつかの実施形態において、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超える場合にも、制御部30は、燃料電池スタック120の動作時に生成される熱を利用して、ボイラ部200の暖房水を追加的に加熱し、加熱された暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる。しかしながら、実施例がこれに制限されるのではなく、制御部30は、ボイラ部200の暖房水をさらに加熱せずに、ボイラ部200の暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができることは勿論である。
【0055】
改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値以下である場合(S208、N)、改質装置100の動作が必要な場合がある。この時、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超えるので、制御部30は、ボイラ部200の暖房水を利用して改質装置100が動作するように制御することができる。
【0056】
改質装置100は、燃料を改質する時、燃料と気体相(phase)の水(すなわち、水蒸気)が必要な場合がある。液体相の水を気体相の水に相変化するためには、液体相の水に熱エネルギーを提供する必要がある。いくつかの実施形態に係ると、制御部30は、バッテリ部210の電力または外部電力を利用して液体相の水を加熱して蒸気化することができる。この時、バッテリ部210または外部電力の消耗を減少するために、制御部30は、温度が第2基準値よりも大きいボイラ部200の暖房水を利用することができる。例えば、ボイラ部200の暖房水は、改質装置100に直接提供され、制御部30は、改質装置100に提供された暖房水を加熱して蒸気化することができる。他の例として、ボイラ部200の暖房水は熱交換器を通じて改質装置100に提供される液体相の水に熱を提供することができる。言い換えると、制御部30は、ボイラ部200の暖房水の熱を利用して改質装置100を動作させるので、改質装置100の動作に発生される電力消費を減少することができて、効率が増加されることができる。
【0057】
言い換えると、バッテリ部210の電力量が第1基準値以下で、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超え、改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値以下である場合、制御部30は、ボイラ部200の暖房水を利用して改質装置100を動作するように制御し、改質装置100で生成された改質燃料を燃料電池スタック120に提供することができる。制御部30は、改質燃料を利用して燃料電池スタック120が動作するように制御し、燃料電池スタック120で生成される電力を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S211)。また、制御部30は、ボイラ部200の暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S212)。
【0058】
いくつかの実施形態において、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超える場合にも、制御部30は、燃料電池スタック120の動作時に生成される熱を利用してボイラ部200の暖房水を追加的に加熱し、加熱された暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる。しかしながら、実施形態がこれに制限されるのではなく、制御部30は、ボイラ部200の暖房水を追加的に加熱せずに、ボイラ部200の暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができることは勿論である。
【0059】
ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値以下である場合(S207、N)、制御部30は、改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料の貯蔵量が第3基準値を超えるか否かを確認することができる(S213)。
【0060】
改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値を超える場合(S213、Y)、制御部30は、改質装置100を動作させることなく、改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料のみで燃料電池スタック120を動作させることができる。言い換えると、制御部30は、改質装置100を動作させることなく、改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料を燃料電池スタック120に提供するように制御することができる。制御部30は、燃料電池スタック120を動作して電力を生産し、生産された電力を燃料電池システム1の外部に提供するように制御することができる(S214)。また、制御部30は、燃料電池スタック120で生成された熱を利用して、ボイラ部200の暖房水を加熱し、加熱された暖房水を燃料電池システム1の外部に提供するように制御することができる(S215)。
【0061】
改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値以下である場合(S213、N)、改質装置100の動作が必要な場合がある。制御部30は、改質装置100の動作を制御して、改質燃料を生成し、生成された改質燃料を利用して燃料電池スタック120が動作するように制御することができる。燃料電池スタック120は、電力及び熱を生成することができる。制御部30は、燃料電池スタック120で生成された電力を燃料電池システム1の外部に提供するように制御することができる(S216)。また、制御部30は、燃料電池スタック120で生成された熱を利用して、ボイラ部200の暖房水を加熱し、これを燃料電池システム1の外部に提供するように制御することができる(S217)。
【0062】
図3は、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム1の動作を説明するための例示図である。
図1及び
図3を参照して、燃料電池システム1の外部で電力の提供のみ要求する場合の燃料電池システム1の動作を説明する。説明の便宜のために、前述の内容と類似または同じ内容は簡単に説明するか省略する。
【0063】
燃料電池システム1の外部で電力の提供を要請すると(S300)、制御部30は、バッテリ部210に貯蔵された電力が第1基準値を超えるか否かを確認することができる(S301)。バッテリ部210に貯蔵された電力が第1基準値を超える場合(S301、Y)、制御部30は、バッテリ部210に貯蔵された電力を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S302)。
【0064】
バッテリ部210に貯蔵された電力が第1基準値以下である場合(S301、N)、制御部30は、改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料貯蔵量が第3基準値を超えるか否かを確認することができる(S302)。改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料貯蔵量が第3基準値を超える場合(S302、Y)、制御部30は改質装置100を動作させることなく、改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料を利用して燃料電池スタック120を動作するように制御することができる。制御部30は、燃料電池スタック120で生成される電力を燃料電池システム1の外部に提供するように制御することができる(S303)。
【0065】
改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料貯蔵量が第3基準値以下である場合(S302、N)、制御部30は、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超えるか否かを確認することができる(S304)。ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超える場合(S304、Y)、制御部30は、ボイラ部200の暖房水を利用して改質装置100を動作するように制御することができる。制御部30は、改質装置100で生成された改質燃料を利用して、燃料電池スタック120を動作するように制御し、燃料電池スタック120で生成された電力を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S305)。
【0066】
ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値以下である場合(S304、N)、制御部30は、改質装置100を動作するように制御し、改質装置100で生成された改質燃料を燃料電池スタック120に提供するように制御することができる。制御部30は、改質装置100で生成された改質燃料を利用して燃料電池スタック120を動作するように制御し、燃料電池スタック120で生成された電力を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S306)。
【0067】
図4は、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム1の動作を説明するための例示図である。
図1及び
図4を参照して燃料電池システム1の外部で暖房の提供のみ要求する場合の燃料電池システム1の動作を説明する。説明の便宜のために、前述の内容と類似または同じ内容は簡単に説明するか、省略する。
【0068】
燃料電池システム1の外部で暖房の提供を要請すると(S400)、制御部30は、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超えるか否かを確認することができる(S401)。ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超える場合(S401、Y)、制御部30は、ボイラ部200の暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S402)。
【0069】
ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値以下である場合(S401、N)、制御部30は、バッテリ部210の電力量が第1基準値を超えるか否かを確認することができる(S403)。バッテリ部210の電力量が第1基準値を超える場合(S403、Y)、制御部30は、バッテリ部210の電力を利用してボイラ部200の暖房水を加熱し、加熱されたボイラ部200の暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S404)。
【0070】
バッテリ部210の電力量が第1基準値以下である場合(S403、N)、制御部30は、改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値を超えるか否かを確認することができる(S405)。改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値を超える場合(S405、Y)、制御部30は、改質装置100を動作させることなく、改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料を利用して、燃料電池スタック120を動作するように制御することができる。この時、制御部30は、燃料電池スタック120で生成される電力を利用して、バッテリ部210を充電するように制御することができる(S406)。また、制御部30は、燃料電池スタック120で生成される熱を利用して、ボイラ部200の暖房水を加熱し、加熱された暖房水を燃料電池システム1の外部に提供するように制御することができる(S407)。
【0071】
改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値以下である場合(S405、N)、制御部30は、改質装置100が動作するように制御することができる。制御部30は、改質装置100で提供された改質燃料を利用して燃料電池スタック120を動作するように制御することができる。制御部30は、燃料電池スタック120で生成される電力をバッテリ部210に貯蔵するように制御することができる(S408)。制御部30は、燃料電池スタック120で生成される熱を利用して、ボイラ部200の暖房水を加熱し、加熱された暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる(S407)。
【0072】
図5は、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム1の動作を説明するための例示図である。
図1及び
図5を参照して、燃料電池システム1の常時動作を説明する。説明の便宜のために、前述の内容と類似または同じ内容は簡単に説明するか、省略する。
【0073】
制御部30は、ボイラ部200の暖房水温度と、改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量を常時確認することができる。ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超え、改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値以下である場合(S500)、制御部30は、ボイラ部200の暖房水を利用して、改質装置100が動作するように制御することができる。制御部30は、改質装置100で生成された改質燃料を改質燃料貯蔵部110に貯蔵するように制御することができる(S510)。
【0074】
以上、本発明のいくつかの実施形態に係ると、燃料電池システム1の外部に電力提供が必要で、バッテリ部210の電力量が第1基準値を超える場合、制御部30は、改質装置100及び燃料電池スタック120を動作させることなく、バッテリ部210に貯蔵された電力を燃料電池システム1の外部に提供するように制御することができる。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態に係ると、燃料電池システム1の外部に電力提供が必要で、バッテリ部210の電力量が第1基準値以下で、改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値を超える場合、制御部30は、改質装置100を動作させることなく、改質燃料貯蔵部110に貯蔵された改質燃料を利用して、燃料電池スタック120を動作するように制御することができる。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態に係ると、燃料電池システム1の外部に電力提供が必要で、バッテリ部210の電力量が第1基準値以下で、改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値以下で、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超える場合、制御部30は、ボイラ部200の暖房水を利用して、改質装置100を動作するように制御することができる。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態に係ると、燃料電池システム1の外部に暖房提供が必要で、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超える場合、制御部30は、改質装置100及び燃料電池スタック120を動作させることなく、ボイラ部200の暖房水を燃料電池システム1の外部に提供することができる。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態に係ると、燃料電池システム1の外部に暖房提供が必要で、バッテリ部210の電力量が第1基準値を超え、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値以下である場合、制御部30は、燃料電池スタック120を動作させることなく、バッテリ部210に貯蔵された電力を利用してボイラ部200の暖房水を加熱することができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態に係ると、制御部30は、ボイラ部200の暖房水温度及び改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量を常時確認し、ボイラ部200の暖房水温度が第2基準値を超え、改質燃料貯蔵部110の改質燃料貯蔵量が第3基準値以下である場合、ボイラ部200の暖房水を利用して、改質装置100が動作するように制御することができる。
【0080】
図6は、本発明の他のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム2を説明するための例示図である。説明の便宜のために、前述の内容と類似または同じ内容は簡単に説明するか、省略する。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム2の制御部30は、高度な計測インフラストラクチャ(AMI:Advanced Metering Infrastructure)310を含むことができる。制御部30は、高度な計測インフラストラクチャ310を通じて使用電力などの情報を外部に提供することができ、外部から燃料料金、電気料金などの情報を受信することができる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム2は、ネットワークを通じて外部装置3と連結されることができる。いくつかの実施形態に係ると、外部装置3は、制御部30の制御が適切であるか否かなどをモニタリングすることができる。また、外部装置3は、燃料電池システム2が誤作動する場合、リモートコントロールなどを通じて制御部30を制御することができる。また、外部装置3は、燃料電池システム2の運営情報などを受けて、これをデータベース化して、制御部30の機能及び効率を改善し、これをアップデートすることができる。また、燃料電池システム2の設置事業者は、外部装置3を通じて電気料金及び燃料料金などを反映したエネルギー節約プログラムなどを運営することができる。
【0083】
図7及び
図8は、本発明のいくつかの実施形態に係る燃料電池システム2の運営方法を説明するための例示図である。
図6、
図7及び
図8を参照して、燃料電池システム2の運営方法を説明する。説明の便宜のために、前述の内容と類似または同じ内容は簡単に説明するか、省略する。
【0084】
図6及び
図7を参照すると、制御部30の高度な計測インフラストラクチャ310は、電気料金情報を受信することができる(S700)。電気料金が第4基準値よりも小さい場合(S701、Y)、制御部30は、バッテリ部210に貯蔵された電力量が第1基準値よりも大きいか否かを確認することができる(S702)。バッテリ部210の電力量が第1基準値よりも大きい場合(S702、Y)、制御部30は、一般的な制御動作を実行することができる(S703)。一般的な制御動作は、
図1乃至
図5を利用して前述した燃料電池システムの動作を意味する。第4基準値は、燃料電池スタック120が動作する時に発生する費用を参考して決められることができる。
【0085】
バッテリ部210の電力量が第1基準値以下である場合(S702、N)、制御部30は、燃料電池システム2の外部から電力を購入することができる。制御部30は、燃料電池システム2の外部から購入した電力をバッテリ部210に貯蔵するように制御することができる(S704)。
【0086】
電気料金が第4基準値以上の場合(S701、N)、制御部30は、電気料金が第5基準値よりも大きいか否かを確認することができる(S705)。電気料金が第5基準値以下である場合(S705、N)、制御部30は、一般的な制御動作を実行することができる(S703)。第5基準値は、燃料電池スタック120が動作する時に発生する費用を参考して決めることができる。第4基準値と第5基準値は互いに同じでも異なっていてもよい。
【0087】
電気料金が第5基準値よりも大きい場合(S705、Y)、制御部30は、燃料電池スタック120が動作するように制御することができる(S706)。制御部30は、燃料電池スタック120が生成した電力を燃料電池システム2の外部に提供するように制御して、電力を売り渡すことができる(S707)。
【0088】
図6及び
図8を参照すると、制御部30は、バッテリ部210の電力量及び燃料電池スタック120の動作可否を確認することができる。バッテリ部210の電力量が第1基準値より大きいが、燃料電池スタック120の持続的な動作が必要な場合(S800)、制御部30は、燃料電池スタック120で生成する電力を外部に提供して、電力を売り渡すことができる(S801)。例えば、燃料電池スタック120の持続的動作でよって、バッテリ部210にこれ以上電力が貯蔵されることができない場合、制御部30は、燃料電池スタック120で生成する電力を売り渡すことができる。
【0089】
以上、本発明のいくつかの実施形態に係ると、燃料電池システム2は、高度な計測インフラストラクチャ310で受信した電気料金情報に基づいて、電力売買戦略を構築することができる。言い換えると、燃料電池システム2を通じた発電に所要される費用よりも電気料金が廉価である場合、制御部30は、電力を購入してこれをバッテリ部210に貯蔵するように制御することができる。また、燃料電池システム2を通じた発電に所要される費用よりも電気料金が高い場合、制御部30は、燃料電池スタック120を動作して電力を売り渡すように制御することができる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態に係ると、バッテリ部210にこれ以上電力が貯蔵される空間がないが、燃料電池スタック120が動作して電力が生成される場合、制御部30は、燃料電池スタック120で生成される電力を燃料電池システム2の外部に売り渡すことができる。
【0091】
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるのではなく、互いに異なる多様な形態に製造されることができ、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須的特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施され得ることを理解すべきである。したがって、以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なもので限定的でないことを理解すべきである。