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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022569668
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 JP2020047476
(87)【国際公開番号】W WO2022130624
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】辻本 喜之
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-056583(JP,A)
【文献】特開2009-182160(JP,A)
【文献】特開2009-049440(JP,A)
【文献】特開2011-054711(JP,A)
【文献】特開2011-054900(JP,A)
【文献】国際公開第2019/167258(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装される部品のうち同一の部品を供給する複数の同一部品供給部と、
前記複数の同一部品供給部から供給される部品を吸着し基板に部品を実装することにより基板を生産する複数のノズルが各々に取り付けられた、第1ヘッドおよび第2ヘッドと、
前記ノズルにより前記複数の同一部品供給部から部品を吸着して基板に実装する制御を行う制御部とを備え、
前記複数の同一部品供給部は、
前記第1ヘッドに対して部品を供給する一の前記同一部品供給部と、
前記基板に部品を実装する基板作業位置に対して前記一の同一部品供給部とは逆側に配置され、前記第2ヘッドに対して部品を供給する他の前記同一部品供給部とを含み、
前記制御部は、前記一の同一部品供給部から部品を前記第1ヘッドに供給するとともに、前記他の同一部品供給部から部品を前記第2ヘッドに供給して同じ基板作業位置に配置された基板に実装する場合に、前記一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になったことに基づいて、前記一の同一部品供給部による部品の供給を停止するとともに、前記一の同一部品供給部から供給する分の部品を前記他の同一部品供給部から前記第1ヘッドに供給する制御に切り替えるように構成されている、部品実装装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の同一部品供給部の各々の部品の残数を取得するとともに、所定のタイミングで、前記一の同一部品供給部において取得した部品の残数がしきい値未満になったか否かを確認する制御を行うように構成されている、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記複数の同一部品供給部の配置場所情報を互いに関連付けた関連付け情報を記憶した記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になった際、前記関連付け情報に基づいて、前記他の同一部品供給部の前記配置場所情報を取得するように構成されている、請求項1または2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記他の同一部品供給部の部品の残数と、前記一の同一部品供給部から供給する分の部品を前記他の同一部品供給部から供給する制御に切り替えた場合の実装完了時間とを表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記関連付け情報に基づいて取得された前記他の同一部品供給部が複数ある場合、前記表示部に表示された複数の前記他の同一部品供給部の各々のうちから1つの前記他の同一部品供給部が選択されたことに基づいて、前記一の同一部品供給部から供給する分の部品を選択された前記他の同一部品供給部から部品を供給する制御に切り替えるように構成されている、請求項3に記載の部品実装装置。
【請求項5】
前記記憶部には、前記複数の同一部品供給部の各々の部品の残数、および、前記複数の同一部品供給部の各々の部品の吸着に用いられるヘッドの種類が記憶されており、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記複数の同一部品供給部のうちの複数の前記他の同一部品供給部の各々の部品の残数、または、複数の前記他の同一部品供給部の各々の前記ヘッドの種類に基づいて、前記他の同一部品供給部を選択するとともに、前記一の同一部品供給部から供給する分の部品を選択した前記他の同一部品供給部から部品を供給する制御に切り替えるように構成されている、請求項3に記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記制御部は、部品の残数がしきい値未満になった前記一の同一部品供給部の部品の残数が部品の補充によりしきい値以上に戻ったことに基づいて、前記一の同一部品供給部から供給する分の部品を前記他の同一部品供給部から部品を供給する制御を、前記一の同一部品供給部から部品を供給する制御に切り替えて基板への部品の実装を継続させるように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項7】
前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドの各々は、前記複数のノズルが平面視において環状に複数配置されたロータリーヘッドであり
前記制御部は、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドの各々の前記複数のノズルにより前記一の同一部品供給部の各々から順次部品を吸着する場合に、前記一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になったことに基づいて、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドのうち前記一の同一部品供給部から吸着していた前記第1ヘッドと、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドのうち前記他の同一部品供給部から吸着していた前記第2ヘッドとにより共有された前記他の同一部品供給部から部品を供給する制御に切り替えて基板への部品の実装を継続させるように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項8】
前記複数の同一部品供給部は、前記一の同一部品供給部において部品が無くなった際に代わりに部品を供給するように予め設定された代替供給部を有し、
前記制御部は、基板の生産が終盤になるまでの間、前記一の同一部品供給部において部品がしきい値未満になったことに基づいて、前記代替供給部から部品の供給する制御に切り替えるように構成されており、
前記制御部は、基板の生産が終盤になった場合に、前記一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になったことに基づいて、前記代替供給部ではなく、前記一の同一部品供給部から供給する分の部品を前記他の同一部品供給部から供給する制御に切り替えるように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品実装装置に関し、特に、複数のノズルが取り付けられたヘッドを備える部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のノズルが取り付けられたヘッドを備える部品実装装置が知られている。このような部品実装装置は、たとえば、特開2004-282102号公報に開示されている。
【0003】
上記特開2004-282102号公報には、複数のノズルが取り付けられたヘッド部(ヘッド)を備える単位電子部品実装装置(部品実装装置)が開示されている。単位電子部品実装装置は、一列に複数配置されている。これにより、実装ラインが構成されている。単位電子部品実装装置は、電子部品の供給部に配置された複数のテープフィーダを備えている。単位電子部品実装装置は、制御部と、記憶部とを備えている。制御部は、単位電子部品実装装置を制御するように構成されている。記憶部には、単位電子部品実装装置自身において実装される電子部品に関連する単位実装データ、および、実装ラインを構成する複数の単位電子部品実装装置全体において実装される電子部品に関連する全体実装データが記憶されている。
【0004】
上記特開2004-282102号公報の制御部は、複数の単位電子部品実装装置の一の単位電子部品実装装置において部品切れが発生した場合、全体実装データに基づいて、複数の単位電子部品実装装置のうちの他の単位電子部品実装装置において電子部品の実装を代行させる制御を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-282102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特開2004-282102号公報の単位電子部品実装装置では、一の単位電子部品実装装置の基板作業位置ではなく、他の単位電子部品実装装置の基板作業位置に基板を配置しなければ、電子部品の実装を代行させることができないという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、異なる基板作業位置に基板を配置しなくても、部品の実装を代行させることが可能な部品実装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一の局面による部品実装装置は、基板に実装される部品のうち同一の部品を供給する複数の同一部品供給部と、複数の同一部品供給部から供給される部品を吸着し基板に部品を実装することにより基板を生産する複数のノズルが各々に取り付けられた、第1ヘッドおよび第2ヘッドと、ノズルにより複数の同一部品供給部から部品を吸着して基板に実装する制御を行う制御部とを備え、複数の同一部品供給部は、第1ヘッドに対して部品を供給する一の同一部品供給部と、基板に部品を実装する基板作業位置に対して一の同一部品供給部とは逆側に配置され、第2ヘッドに対して部品を供給する他の同一部品供給部とを含み、制御部は、一の同一部品供給部から部品を第1ヘッドに供給するとともに、他の同一部品供給部から部品を第2ヘッドに供給して同じ基板作業位置に配置された基板に実装する場合に、一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になったことに基づいて、一の同一部品供給部による部品の供給を停止するとともに、一の同一部品供給部から供給する分の部品を他の同一部品供給部から第1ヘッドに供給する制御に切り替えるように構成されている。
【0009】
この発明の一の局面による部品実装装置では、上記のように、制御部を、複数の同一部品供給部のうちの一の同一部品供給部および他の同一部品供給部の各々から供給された部品を同じ基板作業位置に配置された基板に実装する場合に、一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になったことに基づいて、一の同一部品供給部による部品の供給を停止するとともに、一の同一部品供給部から供給する分の部品を他の同一部品供給部から供給する制御に切り替えるように構成する。これにより、一の同一部品供給部から供給する分の部品を部品実装装置上の他の同一部品供給部における電子部品の実装に切り替えることにより、一の同一部品供給部から供給していた際と同じ基板作業位置に配置された基板に他の同一部品供給部から部品を供給することができるので、一の同一部品供給部から供給する分の部品を他の同一部品供給部から確実に供給することができる。その結果、異なる基板作業位置に基板を配置しなくても、部品の実装を代行させることができる。また、一の同一部品供給部において部品の残数がしきい値未満になった際、電子部品が配置されたテープが巻き回したリールを新たに一の同一部品供給部に供給する必要がないので、新たなリールが使われないようにすることができる。その結果、使いかけのリールを減少させることができる。また、電子部品が配置されたテープが巻き回したリールを新たに一の同一部品供給部に供給する必要がないことにより、オペレータによるリールの交換作業を減少させることができるので、オペレータの作業負担を軽減させることができる。
【0010】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、複数の同一部品供給部の各々の部品の残数を取得するとともに、所定のタイミングで、一の同一部品供給部において取得した部品の残数がしきい値未満になったか否かを確認する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、複数の同一部品供給部の各々の部品の残数を取得した後の所定のタイミングで、取得した部品の残数がしきい値未満になったか否かを確認することができるので、一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になったか否かを確実に確認することができる。
【0011】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、複数の同一部品供給部の配置場所情報を互いに関連付けた関連付け情報を記憶した記憶部をさらに備え、制御部は、一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になった際、関連付け情報に基づいて、他の同一部品供給部の配置場所情報を取得するように構成されている。このように構成すれば、関連付け情報により他の同一部品供給部の配置場所情報を容易に取得することができるので、他の同一部品供給部と、他の同一部品供給部の配置場所情報とが関連付けられておらず、他の同一部品供給部の配置場所を総当り的に検索する場合と比較して、一の同一部品供給部から供給する分の部品を他の同一部品供給部から供給する制御への切り替えを効率良く行うことができる。
【0012】
この場合、好ましくは、他の同一部品供給部の部品の残数と、一の同一部品供給部から供給する分の部品を他の同一部品供給部から供給する制御に切り替えた場合の実装完了時間とを表示する表示部をさらに備え、制御部は、関連付け情報に基づいて取得された他の同一部品供給部が複数ある場合、表示部に表示された複数の他の同一部品供給部の各々のうちから1つの他の同一部品供給部が選択されたことに基づいて、一の同一部品供給部から供給する分の部品を選択された他の同一部品供給部から部品を供給する制御に切り替えるように構成されている。このように構成すれば、オペレータが表示部により表示された他の同一部品供給部の部品の残数を参照して他の同一部品供給部を選択することにより、他の同一部品供給部から部品を供給する制御の切り替え回数を考慮して他の同一部品供給部を選択することができるので、他の同一部品供給部から部品を供給する制御の切り替え回数の増加を抑制することができる。また、オペレータが表示部により表示された実装完了時間を参照して他の同一部品供給部を選択することにより、基板の生産時間が短い他の同一部品供給部を選択することができるので、他の同一部品供給部からの部品の実装に切り替えた後の基板の生産時間の増加を抑制することができる。
【0013】
上記記憶部を備える部品実装装置において、好ましくは、記憶部には、複数の同一部品供給部の各々の部品の残数、および、複数の同一部品供給部の各々の部品の吸着に用いられるヘッドの種類が記憶されており、制御部は、記憶部に記憶された複数の同一部品供給部のうちの複数の他の同一部品供給部の各々の部品の残数、または、複数の他の同一部品供給部の各々のヘッドの種類に基づいて、他の同一部品供給部を選択するとともに、一の同一部品供給部から供給する分の部品を選択した他の同一部品供給部から部品を供給する制御に切り替えるように構成されている。このように構成すれば、他の同一部品供給部を制御部により自動で選択することができるので、オペレータの作業負担を軽減させることができる。
【0014】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、制御部は、部品の残数がしきい値未満になった一の同一部品供給部の部品の残数が部品の補充によりしきい値以上に戻ったことに基づいて、一の同一部品供給部から供給する分の部品を他の同一部品供給部から部品を供給する制御を、一の同一部品供給部から部品を供給する制御に切り替えて基板への部品の実装を継続させるように構成されている。このように構成すれば、一の同一部品供給部から部品を吸着する経路が予め最適な移動経路として取得されている場合、最適なノズルの移動経路に戻して部品の実装を行うことができるので、基板への部品の実装を効率良く行うことができる。
【0016】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、第1ヘッドおよび第2ヘッドの各々は、複数のノズルが平面視において環状に複数配置されたロータリーヘッドであり、制御部は、第1ヘッドおよび第2ヘッドの各々の複数のノズルにより一の同一部品供給部の各々から順次部品を吸着する場合に、一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になったことに基づいて、第1ヘッドおよび第2ヘッドのうち一の同一部品供給部から吸着していた第1ヘッドと、第1ヘッドおよび第2ヘッドのうち他の同一部品供給部から吸着していた第2ヘッドとにより共有された他の同一部品供給部から部品を供給する制御に切り替えて基板への部品の実装を継続させるように構成されている。このように構成すれば、一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になる前において、ロータリーヘッドの複数のノズルにより一の同一部品供給部から順次部品を吸着することにより、複数のノズルの各々に部品を吸着させるための時間の増大を抑制することができる。また、一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になり一の同一部品供給部からの部品の供給を停止した後において、部品が配置されたテープが巻き回されたリールを新たに一の同一部品供給部に供給する必要がないので、新たなリールが使われないようにすることができる。これらの結果、部品を基板に実装する際に必要な実装時間の増大を抑制することができるとともに、使いかけのリールが増加することをより確実に抑制することができる。
【0017】
上記一の局面による部品実装装置において、好ましくは、複数の同一部品供給部は、一の同一部品供給部において部品が無くなった際に代わりに部品を供給するように予め設定された代替供給部を有し、制御部は、基板の生産が終盤になるまでの間、一の同一部品供給部において部品がしきい値未満になったことに基づいて、代替供給部から部品の供給する制御に切り替えるように構成されており、制御部は、基板の生産が終盤になった場合に、一の同一部品供給部の部品の残数がしきい値未満になったことに基づいて、代替供給部ではなく、一の同一部品供給部から供給する分の部品を他の同一部品供給部から供給する制御に切り替えるように構成されている。このように構成すれば、基板の生産の終盤までの間において一の同一部品供給部または代替供給部と、他の同一部品供給部とにより部品を供給することができるので、他の同一部品供給部のみから部品を供給する終盤の場合と比較して、基板の生産の効率が低下することを抑制することができる。また、基板の生産の終盤において一の同一部品供給部から供給する分の部品を他の同一部品供給部から供給する制御に切り替えることにより、基板の生産の終盤において一の同一部品供給部および代替供給部からの部品の供給を停止させることができる。その結果、基板の生産の終盤において一の同一部品供給部または代替供給部と、他の同一部品供給部との両方を使用する場合と比較して、使いかけのリールの増加をより確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記のように、異なる基板作業位置に基板を配置しなくても、部品の実装を代行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1〕第1実施形態の部品実装装置を示した模式図である。
図2〕第1実施形態の部品実装装置のテーブルを示した模式図である。
図3〕第1実施形態の部品実装装置において通常の部品の実装が行われている状態を
示した模式図である。
図4〕第1実施形態の部品実装装置のテーブルにおいて第1箇所の第1同一部品供給
部からの部品の供給を第2箇所の第4同一部品供給部からの部品の供給に切り替えた状態を示した模式図である。
図5〕第1実施形態の部品実装装置において第1箇所の第1同一部品供給部からの部
品の供給を第2箇所の第4同一部品供給部からの部品の供給に切り替えた際の部品の実装が行われている状態を示した模式図である。
図6〕第1実施形態の部品実装装置のテーブルにおいて第1箇所の第1同一部品供給
部からの部品の供給を第5箇所の第2同一部品供給部からの部品の供給に切り替えた状態を示した模式図である。
図7〕第1実施形態の部品実装装置において第1箇所の第1同一部品供給部からの部
品の供給を第5箇所の第2同一部品供給部からの部品の供給に切り替えた際の部品の実装が行われている状態を示した模式図である。
図8〕第1実施形態の部品実装装置の部品実装処理を示したフローチャートである。
図9〕第2実施形態の部品実装装置の表示部の画面の一例を示した模式図である。
図10〕第2実施形態の部品実装装置の部品実装処理を示したフローチャートである

図11〕第3実施形態の部品実装装置の部品実装処理を示したフローチャートである

図12〕第4実施形態の部品実装装置の部品実装処理を示したフローチャートである

図13参考例の部品実装装置を示した模式図である。
図14参考例の部品実装装置のテーブルを示した模式図である。
図15参考例の部品実装装置において通常の部品の実装が行われている状態を示し
た模式図である。
図16参考例の部品実装装置のテーブルにおいて第1箇所の第1同一部品供給部か
らの部品の供給を第4箇所の第4同一部品供給部からの部品の供給に切り替えた状態を示した模式図である。
図17参考例の部品実装装置において第1箇所の第1同一部品供給部からの部品の
供給を第4箇所の第4同一部品供給部からの部品の供給に切り替えた際の部品の実装が行われている状態を示した模式図である。
図18参考例の部品実装装置のテーブルにおいて第1箇所の第1同一部品供給部か
らの部品の供給を第2箇所の第2同一部品供給部からの部品の供給に切り替えた状態を示した模式図である。
図19参考例の部品実装装置において第1箇所の第1同一部品供給部からの部品の
供給を第2箇所の第2同一部品供給部からの部品の供給に切り替えた際の部品の実装が行われている状態を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1図7を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
【0022】
図1に示すように、部品実装装置100は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品Eを基板作業位置Wに配置されたプリント基板などの基板Bに実装するように構成されている。なお、電子部品Eは、請求の範囲の「部品」の一例である。
【0023】
ここで、部品実装装置100において、基板Bを搬送する搬送方向をX1方向とし、基板Bを搬送する搬送方向の逆方向をX2方向とし、X1方向およびX2方向を合わせた方向をX方向とする。また、水平方向のうちのX方向に直交する方向をY方向とし、Y方向の一方をY1方向とし、Y方向の他方をY2方向とする。また、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向(上下方向)とし、Z方向の一方をZ1方向(上方向)とし、Z方向の他方をZ2方向(下方向)とする。
【0024】
部品実装装置100は、基台1と、フィーダ配置部2と、表示部3と、基板搬送部4と、複数の支持部(図示せず)と、複数の一対のレール部(図示せず)と、第1ヘッド5と、第2ヘッド6と、部品認識カメラ7と、基板認識カメラ8と、制御部9とを備えている
【0025】
(基台)
基台1は、部品実装装置100において各構成要素を配置する基礎となる台である。基台1上には、構成要素として、基板搬送部4、複数のレール部、および、部品認識カメラ7が設けられている。また、基台1内には、制御部9が設けられている。また、基台1には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、複数のテープフィーダ2aを配置可能なフィーダ配置部2が設けられている。
【0026】
(テープフィーダ)
テープフィーダ2aは、基板Bに実装される電子部品Eを供給する部品供給部である。テープフィーダ2aは、オートローディングフィーダである。テープフィーダ2aは、複数の電子部品Eを所定の間隔を隔てて保持したテープを巻き回したリール(図示せず)を保持している。また、テープフィーダ2aは、第1ヘッド5および第2ヘッド6による電子部品Eの取り出しのための部品保持動作に応じて、テープを送り出すことによりリールを回転させるように構成されている。テープフィーダ2aは、テープを送り出すことにより、基板作業位置W側の先端部から電子部品Eを供給するように構成されている。テープフィーダ2aは、テープを送り出した回数に基づいて、第1ヘッド5および第2ヘッド6により吸着されて電子部品Eの個数を算出するように構成されている。
【0027】
ここで、部品実装装置100では、基板Bへの実装点数が多い電子部品Eに関して、テープフィーダ2aを複数用意(部品分割)することにより、複数箇所から分散して電子部品Eが供給される。これにより、第1ヘッド5および第2ヘッド6によるテープフィーダ2aと基板Bとの間の往復動作の増加に起因する生産性の低下を回避することが可能である。すなわち、複数のテープフィーダ2aは、複数の同一部品供給部20を含んでいる。複数の同一部品供給部20は、基板Bに実装される電子部品Eのうち同一の電子部品Eを供給するように構成されている。
【0028】
ここで、複数の同一部品供給部20は、第1同一部品供給部20aと、第2同一部品供給部20bと、第3同一部品供給部20cと、第4同一部品供給部20dとを有している。なお、第1同一部品供給部20aは、請求の範囲の「一の同一部品供給部」の一例である。また、第2同一部品供給部20bは、請求の範囲の「他の同一部品供給部」の一例である。また、第3同一部品供給部20cは、請求の範囲の「他の同一部品供給部」の一例である。また、第4同一部品供給部20dは、請求の範囲の「代替供給部」の一例である。
【0029】
第1同一部品供給部20aは、通常、第1ヘッド5に電子部品Eを供給するように構成されている。第1同一部品供給部20aは、基台1の基板搬送部4よりもY1方向側に配置されている。第2同一部品供給部20bは、通常、第2ヘッド6に電子部品Eを供給するように構成されている。第2同一部品供給部20bは、基台1の基板搬送部4のY2方向側に配置されている。第3同一部品供給部20cは、通常、第2ヘッド6に電子部品Eを供給するように構成されている。第3同一部品供給部20cは、基台1の基板搬送部4のY2方向側に配置されている。第4同一部品供給部20dは、第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eが無くなった際に代わりに電子部品Eを供給するように予め設定されている。第4同一部品供給部20dは、第1同一部品供給部20aのX1方向側に配置されている。
【0030】
複数のテープフィーダ2aは、複数の異部品供給部21を含んでいる。複数の異部品供給部21は、第1同一部品供給部20a、第2同一部品供給部20b、第3同一部品供給部20cおよび第4同一部品供給部20dとは異なる電子部品Eを供給するように構成されている。複数の異部品供給部21は、第1異部品供給部21aおよび第2異部品供給部21bを有している。
【0031】
(表示部)
表示部3は、液晶ディスプレイなどから構成されている。表示部3は、制御部9から送信された情報を画面に表示するように構成されている。すなわち、表示部3は、複数の同一部品供給部20の各々の部品の残数、および、実装完了時間に関する情報などを、オペレータに報知するように構成されている。
【0032】
(基板搬送部)
基板搬送部4は、部品実装装置100の外部から基板Bを搬入し、基板Bを搬送方向(X1方向)に搬送するように構成されている。基板搬送部4は、一対のコンベア41と、一対のコンベア41を回転駆動させるための駆動モータ(図示せず)とを含んでいる。一対のコンベア41の各々は、プーリ(図示せず)と、プーリに掛け回された輪状の搬送ベルトとを有している。制御部9は、駆動モータを制御することにより、一対のコンベア41上に載置された基板Bの搬送速度を制御するように構成されている。
【0033】
(支持部およびレール部)
複数の支持部は、それぞれ、第1ヘッド5および第2ヘッド6をX方向に移動可能に支持するように構成されている。複数の一対のレール部は、それぞれ、複数の支持部をY方向に移動可能に支持するように構成されている。
【0034】
このような構成により、第1ヘッド5および第2ヘッド6の各々は、基台1上を水平面内で(X方向およびY方向に)移動可能に構成されている。
【0035】
(第1ヘッドおよび第2ヘッド)
第1ヘッド5および第2ヘッド6の各々は、同じ構成を有している。第1ヘッド5および第2ヘッド6の各々は、部品実装用のユニットであり、基板作業位置Wにおいて固定された基板Bに電子部品Eを実装するように構成されている。第1ヘッド5および第2ヘッド6の各々は、複数のノズルNが平面視において環状に複数配置されたロータリーヘッドである。
【0036】
(部品認識カメラ)
部品認識カメラ7は、図1に示すように、基板Bへの電子部品Eの実装に先立ってノズルNに保持(吸着)された電子部品Eを撮像する部品撮像用のカメラである。部品認識カメラ7は、基台1上に固定されており、電子部品Eの下方(Z2方向)から、ノズルNに保持(吸着)された電子部品Eを撮像するように構成されている。
【0037】
(基板認識カメラ)
基板認識カメラ8は、第1ヘッド5および第2ヘッド6の各々に取り付けられ、基板Bへの電子部品Eの実装に先立って、基板Bの上面に付されたFIマーク(Fiducial Mark(フィデューシャルマーク):図示せず)を撮像するマーク撮像用のカメラである。FIマークは、基板Bの位置を確認するためのマークである。
【0038】
(制御部)
制御部9は、ノズルNによりテープフィーダ2aから電子部品Eを吸着して基板Bに実装する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部9は、CPU(Central Processing Unit)および記憶部などを含み、部品実装装置100の動作を制御する制御回路である。制御部9は、テープフィーダ2a、基板搬送部4、第1ヘッド5、第2ヘッド6、部品認識カメラ7、基板認識カメラ8、支持部およびレール部に電気的に接続されている。
【0039】
記憶部は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリを有する記憶装置である。記憶部には、部品実装プログラムと、関連付け情報9a(図2参照)とが記憶されている。部品実装プログラムは、基板B上に実装される電子部品Eの実装処理を行うためのプログラムである。
【0040】
図2に示すように、関連付け情報9aは、複数の同一部品供給部20の配置場所情報を互いに関連付けさせたテーブルである。すなわち、関連付け情報9aは、部品供給部情報と、部品供給部情報に対応する同一部品供給部情報とを関連付けさせた情報である。
【0041】
部品供給部情報は、たとえば、複数の同一部品供給部20の各々の配置箇所、部品名、ヘッドの種類、ノズルNの種類、および、電子部品Eの残数などの情報を含んでいる。また、部品供給部情報は、たとえば、複数の異部品供給部21の各々の配置箇所、部品名、ヘッドの種類、ノズルNの種類、および、電子部品Eの残数などの情報を含んでいる。
【0042】
同一部品供給部情報は、たとえば、配置箇所、および、部品名などの情報を含んでいる。このように、記憶部には、複数の同一部品供給部20の各々の電子部品Eの残数、および、複数の同一部品供給部20の各々の電子部品Eの吸着に用いられるヘッドの種類が記憶されている。
【0043】
〈部品実装処理〉
第1実施形態の制御部9は、基板Bに電子部品Eを実装して生産する際、使いかけのリールの発生を抑制するために、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第2同一部品供給部20bのみから電子部品Eを供給する制御に切り替えるように構成されている。詳細には、制御部9は、複数の同一部品供給部20のうちの第1同一部品供給部20aおよび第2同一部品供給部20bの各々から供給された電子部品Eを同じ基板作業位置Wに配置された基板Bに実装する場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第1同一部品供給部20aによる電子部品Eの供給を停止するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。
【0044】
図2図7を参照して、以下に、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替える制御の一例について説明する。まず、関連付け情報9aの一例について説明する。
【0045】
図2および図3に示すように、第1箇所P1には、たとえば、第1同一部品供給部20aが配置されている。第1同一部品供給部20aには、たとえば、第1部品C1が配置されている。第1同一部品供給部20aの第1部品C1を吸着するヘッドの種類は、たとえば、第1ヘッド5(図2図4および図6ではH1と記載)である。さらに、第1同一部品供給部20aの第1部品C1を吸着するノズルNの種類は、たとえば、第1ノズルN1である。第1箇所P1の同一部品供給部情報としては、たとえば、第5箇所P5に配置された第1部品C1が設定されている。第1箇所P1の同一部品供給部情報としては、たとえば、第6箇所P6に配置された第1部品C1が設定されている。
【0046】
第2箇所P2には、たとえば、第4同一部品供給部20dが配置されている。第4同一部品供給部20dには、たとえば、第1部品C1が配置されている。第4同一部品供給部20dの第1部品C1を吸着するヘッドの種類は、たとえば、第1ヘッド5(図2図4および図6ではH1と記載)である。さらに、第4同一部品供給部20dの第1部品C1を吸着するノズルNの種類は、たとえば、第2ノズルN2である。第2箇所P2の同一部品供給部情報としては、たとえば、設定されていない。
【0047】
第3箇所P3には、たとえば、第1異部品供給部21aが配置されている。第1異部品供給部21aには、たとえば、第2部品C2が配置されている。第1異部品供給部21aの第2部品C2を吸着するヘッドの種類は、たとえば、第1ヘッド5(図2図4および図6ではH1と記載)である。さらに、第1異部品供給部21aの第2部品C2を吸着するノズルNの種類は、たとえば、第3ノズルN3である。第3箇所P3の同一部品供給部情報としては、たとえば、設定されていない。
【0048】
第4箇所P4には、たとえば、第2異部品供給部21bが配置されている。第2異部品供給部21bには、たとえば、第3部品C3が配置されている。第2異部品供給部21bの第3部品C3を吸着するヘッドの種類は、たとえば、第2ヘッド6(図2図4および図6ではH2と記載)である。さらに、第2異部品供給部21bの第3部品C3を吸着するノズルNの種類は、たとえば、第1ノズルN1である。第3箇所P3の同一部品供給部情報としては、たとえば、設定されていない。
【0049】
第5箇所P5には、たとえば、第2同一部品供給部20bが配置されている。第2同一部品供給部20bには、たとえば、第1部品C1が配置されている。第2同一部品供給部20bの第1部品C1を吸着するヘッドの種類は、たとえば、第2ヘッド6(図2図4および図6ではH2と記載)である。さらに、第2同一部品供給部20bの第1部品C1を吸着するノズルNの種類は、たとえば、第2ノズルN2である。第5箇所P5の同一部品供給部情報としては、たとえば、第1箇所P1に配置された第1部品C1が設定されている。第5箇所P5の同一部品供給部情報としては、たとえば、第6箇所P6に配置された第1部品C1が設定されている。
【0050】
第6箇所P6には、たとえば、第3同一部品供給部20cが配置されている。第3同一部品供給部20cには、たとえば、第1部品C1が配置されている。第3同一部品供給部20cの第1部品C1を吸着するヘッドの種類は、たとえば、第2ヘッド6(図2図4および図6ではH2と記載)である。さらに、第3同一部品供給部20cの第1部品C1を吸着するノズルNの種類は、たとえば、第3ノズルN3である。第6箇所P6の同一部品供給部情報としては、たとえば、第1箇所P1に配置された第1部品C1が設定されている。第6箇所P6の同一部品供給部情報としては、たとえば、第5箇所P5に配置された第1部品C1が設定されている。
【0051】
図2および図3に示すように、制御部9は、通常、第1箇所P1の第1同一部品供給部20a、第5箇所P5の第2同一部品供給部20b、および、第6箇所P6の第3同一部品供給部20cの全てから電子部品Eを供給する制御を行うように構成されている。また、制御部9は、通常、第3箇所P3の第1異部品供給部21a、および、第4箇所P4の第2異部品供給部21bの両方から電子部品Eを供給する制御を行うように構成されている。
【0052】
ここで、図4および図5に示すように、制御部9は、基板Bの生産が終盤になるまでの間、第1箇所P1の第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第2箇所P2の第4同一部品供給部20dから電子部品Eの供給する制御に切り替えるように構成されている。具体的には、制御部9は、基板Bの生産が終盤になるまでの間、第1箇所P1の第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eの残数が0になったことに基づいて、予め設定された第2箇所P2の第4同一部品供給部20dから電子部品Eを補給するように構成されている。
【0053】
また、図6および図7に示すように、制御部9は、基板Bの生産が終盤になった場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第2箇所P2の第4同一部品供給部20dではなく、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第5箇所P5の第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。
【0054】
具体的には、制御部9は、基板Bの残り生産枚数が所定値以下になった場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数が0になったことに基づいて、第2箇所P2の第4同一部品供給部20dではなく、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第5箇所P5の第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。この際、制御部9は、Y1方向側のフィーダ配置部2からに配置された複数のテープフィーダ2aだけでなく、Y2方向側のフィーダ配置部2に配置された複数のテープフィーダ2aからも電子部品Eを吸着するように、第1ヘッド5を移動させる制御を行うように構成されている。また、制御部9は、第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、テープフィーダ2aでの電子部品Eの補充を行うことなく、第1同一部品供給部20aによる電子部品Eの供給を停止するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。
【0055】
制御部9は、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第5箇所P5の第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるために、基板Bに電子部品Eを実装させる制御ごとに、記憶部に記憶された複数の同一部品供給部20の各々の電子部品Eの残数を更新する制御を行うように構成されている。すなわち、制御部9は、第1同一部品供給部20a、第2同一部品供給部20bおよび第3同一部品供給部20cの各々の電子部品Eの残数を取得する制御を行うように構成されている。
【0056】
そして、制御部9は、所定のタイミングで、第1同一部品供給部20aにおいて取得した電子部品Eの残数がしきい値未満になったか否かを確認する制御を行うように構成されている。そして、制御部9は、第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eの残数がしきい値未満になった場合に、第1同一部品供給部20aによる電子部品Eの供給を停止するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを他の同一部品供給部20から供給する制御に切り替えるように構成されている。
【0057】
具体的には、制御部9は、基板Bに電子部品Eを実装させる制御ごとに、第1同一部品供給部20aにおいて取得した電子部品Eの残数が0になったか否かを確認する制御を行うように構成されている。そして、制御部9は、第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eの残数が0になった場合に、第1同一部品供給部20aによる電子部品Eの供給を停止するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを他の同一部品供給部20から供給する制御に切り替えるように構成されている。
【0058】
ここで、制御部9は、第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eの残数がしきい値未満になった際、関連付け情報9aに基づいて、第2同一部品供給部20bの配置場所情報を取得する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部9は、第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eの残数が0になった際、第1箇所P1の部品供給部情報に関連付けられた同一部品供給部情報に基づいて、第2同一部品供給部20bの配置場所情報を取得する制御を行うように構成されている。そして、制御部9は、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。
【0059】
上記した制御の切り替えは、第1ヘッド5(ロータリーヘッド)の複数のノズルNにより第1同一部品供給部20aから順次部品を吸着するとともに、第2ヘッド6(ロータリーヘッド)の複数のノズルNにより第2同一部品供給部20bから順次部品を吸着する際に行われる。すなわち、制御部9は、第1ヘッド5および第2ヘッド6により順次部品を吸着する場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第1ヘッド5と、第2ヘッド6とにより共有された第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御に切り替えて基板Bへの電子部品Eの実装を継続させるように構成されている。
【0060】
具体的には、制御部9は、第1ヘッド5および第2ヘッド6により順次部品を吸着する場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数が0になったことに基づいて、第1ヘッド5と、第2ヘッド6とにより、第2同一部品供給部20bを共有して電子部品Eを供給する制御を行うように構成されている。
【0061】
(部品実装処理のフローチャート)
以下に、図8を参照して、制御部9による部品実装処理について説明する。部品実装処理は、複数の同一部品供給部20の電子部品Eの残数に基づいて、第1ヘッド5と、第2ヘッド6とにより、同一部品供給部20を共有するように制御を切り替える処理である。
【0062】
ステップS1において、制御部9では、複数の同一部品供給部20の部品残数が更新される。ステップS2において、制御部9では、更新された部品残数に基づいて、しきい値未満の同一部品供給部20が存在するか否かが判断される。しきい値未満の同一部品供給部20が存在する場合にはステップS3に進み、しきい値未満の同一部品供給部20が存在しない場合には部品実装処理を終了する。
【0063】
ステップS3において、制御部9では、関連付け情報9aに基づいて、共有可能な同一部品供給部20が存在するか否かが判断される(図6参照)。共有可能な同一部品供給部20が存在するならばステップS4に進み、共有可能な同一部品供給部20が存在しないならば部品実装処理を終了する。ステップS4において、制御部9では、共有可能な同一部品供給部20の配置場所情報に基づいて、吸着場所を切り替えて実装が継続される。ステップS4の後、部品実装処理は終了する。
【0064】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0065】
第1実施形態では、上記のように、制御部9は、複数の同一部品供給部20のうちの第1同一部品供給部20aおよび第2同一部品供給部20bの各々から供給された電子部品Eを同じ基板作業位置Wに配置された基板Bに実装する場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第1同一部品供給部20aによる電子部品Eの供給を停止するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。これにより、第1同一部品供給部20aから供給していた際と同じ基板作業位置Wに配置された基板Bに第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給することができるので、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから確実に供給することができる。この結果、異なる基板作業位置Wに基板Bを配置しなくても、電子部品Eの実装を代行させることができる。また、第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eの残数がしきい値未満になった際、電子部品Eが配置されたテープが巻き回したリールを新たに第1同一部品供給部20aに供給する必要がないので、新たなリールが使われないようにすることができる。この結果、使いかけのリールの増加をより確実に抑制することができる。また、電子部品Eが配置されたテープが巻き回したリールを新たに第1同一部品供給部20aに供給する必要がないことにより、オペレータによるリールの交換作業を減少させることができるので、オペレータの作業負担を軽減させることができる。
【0066】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部9は、複数の同一部品供給部20の各々の電子部品Eの残数を取得するとともに、所定のタイミングで、第1同一部品供給部20aにおいて取得した電子部品Eの残数がしきい値未満になったか否かを確認する制御を行うように構成されている。これにより、複数の同一部品供給部20の各々の電子部品Eの残数を取得した後の所定のタイミングで、取得した電子部品Eの残数がしきい値未満になったか否かを確認することができるので、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったか否かを確実に確認することができる。
【0067】
また、第1実施形態では、上記のように、部品実装装置100は、複数の同一部品供給部20の配置場所情報を互いに関連付けた関連付け情報9aを記憶した記憶部を備えている。制御部9は、第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eの残数がしきい値未満になった際、関連付け情報9aに基づいて、第2同一部品供給部20bの配置場所情報を取得するように構成されている。これにより、関連付け情報9aにより第2同一部品供給部20bの配置場所情報を容易に取得することができるので、第2同一部品供給部20bと、第2同一部品供給部20bの配置場所情報とが関連付けられておらず、第2同一部品供給部20bの配置場所を総当り的に検索する場合と比較して、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御への切り替えを効率良く行うことができる。
【0068】
また、第1実施形態では、上記のように、第1ヘッド5および第2ヘッド6の各々は、複数のノズルNが平面視において環状に複数配置された複数のロータリーヘッドを含んでいる。制御部9は、複数のロータリーヘッドの各々の複数のノズルNにより第1同一部品供給部20aから順次電子部品Eを吸着する場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、複数のロータリーヘッドのうち第1同一部品供給部20aから吸着していたロータリーヘッドと、複数のロータリーヘッドのうち第2同一部品供給部20bから吸着していたロータリーヘッドとにより共有された第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御に切り替えて基板Bへの電子部品Eの実装を継続させるように構成されている。これにより、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になる前において、ロータリーヘッドの複数のノズルNにより第1同一部品供給部20aから順次電子部品Eを吸着することにより、複数のノズルNの各々に電子部品Eを吸着させるための時間の増大を抑制することができる。また、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になり第1同一部品供給部20aからの電子部品Eの供給を停止した後において、電子部品Eが配置されたテープが巻き回されたリールを新たに第1同一部品供給部20aに供給する必要がないので、新たなリールが使われないようにすることができる。これらの結果、電子部品Eを基板Bに実装する際に必要な実装時間の増大を抑制することができるとともに、使いかけのリールが増加することをより確実に抑制することができる。
【0069】
また、第1実施形態では、上記のように、複数の同一部品供給部20は、第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eが無くなった際に代わりに電子部品Eを供給するように予め設定された第4同一部品供給部20dを有している。制御部9は、基板Bの生産が終盤になるまでの間、第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eがしきい値未満になったことに基づいて、第4同一部品供給部20dから電子部品Eの供給する制御に切り替えるように構成されている。制御部9は、基板Bの生産が終盤になった場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第4同一部品供給部20dではなく、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。これにより、基板Bの生産の終盤までの間において第1同一部品供給部20aまたは第4同一部品供給部20dと、第2同一部品供給部20bとにより部品を供給することができるので、第2同一部品供給部20bのみから電子部品Eを供給する終盤の場合と比較して、基板Bの生産の効率が低下することを抑制することができる。また、基板Bの生産の終盤において第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えることにより、基板Bの生産の終盤において第1同一部品供給部20aおよび第4同一部品供給部20dからの電子部品Eの供給を停止させることができる。この結果、基板Bの生産の終盤において第1同一部品供給部20aまたは第4同一部品供給部20dと、第2同一部品供給部20bとの両方を使用する場合と比較して、使いかけのリールの増加をより確実に抑制することができる。
【0070】
[第2実施形態]
図1図9および図10を参照して、第2実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、オペレータにより共有する同一部品供給部20が選択される。なお、第2実施形態では、第1実施形態の構成と重複する部分については、符号を流用するとともに詳細な説明を省略する。
【0071】
図1に示すように、部品実装装置100は、基台1と、フィーダ配置部2と、表示部3と、基板搬送部4と、複数の支持部(図示せず)と、複数の一対のレール部(図示せず)と、第1ヘッド5と、第2ヘッド6と、部品認識カメラ7と、基板認識カメラ8と、制御部9とを備えている
【0072】
表示部3は、第2同一部品供給部20bおよび第3同一部品供給部20cの各々の電子部品Eの残数を表示する。表示部3は、図9に示すように、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bまたは第3同一部品供給部20cから供給する制御に切り替えた場合の実装完了時間t1(実装完了時間t2)とを表示する。
【0073】
(部品実装処理)
第2実施形態の制御部9は、基板Bに電子部品Eを実装して生産する際、使いかけのリールの発生を抑制するために、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、オペレータにより選択された第2同一部品供給部20bのみから電子部品Eを供給する制御に切り替えるように構成されている。ここで、オペレータは、表示部3に表示された上記電子部品Eの残数および上記実装完了時間を参照して適切な同一部品供給部20(たとえば、第2同一部品供給部20b)を選択する。
【0074】
このように、制御部9は、関連付け情報9aに基づいて第2同一部品供給部20bおよび第3同一部品供給部20cが取得された場合、表示部3に表示された第2同一部品供給部20bおよび第3同一部品供給部20cの各々のうちから1つの第2同一部品供給部20bが選択されたことに基づいて、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを選択された第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御に切り替えるように構成されている。なお、選択された第3同一部品供給部20cであってもよい。また、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0075】
(部品実装処理のフローチャート)
以下に、図10を参照して、制御部9による部品実装処理について説明する。部品実装処理は、オペレータにより選択された同一部品供給部20を共有するように制御を切り替える処理である。
【0076】
ステップS1~S4は、第1実施形態の部品実装処理のステップS1~S4と同じ処理であるので説明を省略する。ステップS201において、制御部9では、切り替え可能な同一部品供給部20のリストが表示される。ステップS202において、制御部9では、表示部3に表示されたリストからオペレータにより選択された同一部品供給部20が受け付けられる。
【0077】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、制御部9は、複数の同一部品供給部20のうちの第1同一部品供給部20aおよび第2同一部品供給部20bの各々から供給された電子部品Eを同じ基板作業位置Wに配置された基板Bに実装する場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第1同一部品供給部20aによる電子部品Eの供給を停止するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。これにより、異なる基板作業位置Wに基板Bを配置しなくても、電子部品Eの実装を代行させることができる。
【0078】
また、第2実施形態では、上記のように、部品実装装置100は、第2同一部品供給部20bの電子部品Eの残数を表示する表示部3を備えている。表示部3は、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えた場合の実装完了時間とを表示する。制御部9は、関連付け情報9aに基づいて取得された第2同一部品供給部20bが複数ある場合、表示部3に表示された複数の第2同一部品供給部20bの各々のうちから1つの第2同一部品供給部20bが選択されたことに基づいて、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを選択された第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御に切り替えるように構成されている。これにより、オペレータが表示部3により表示された第2同一部品供給部20bの電子部品Eの残数を参照して第2同一部品供給部20bを選択することにより、第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御の切り替え回数を考慮して第2同一部品供給部20bを選択することができるので、第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御の切り替え回数の増加を抑制することができる。また、オペレータが表示部3により表示された実装完了時間を参照して第2同一部品供給部20bを選択することにより、基板Bの生産時間が短い第2同一部品供給部20bを選択することができるので、第2同一部品供給部20bからの電子部品Eの実装に切り替えた後の基板Bの生産時間の増加を抑制することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
【0079】
[第3実施形態]
図1図6図7および図11を参照して、第3実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。第3実施形態では、第2実施形態とは異なり、制御部9により自動で第1ヘッド5と第2ヘッド6とで共有する同一部品供給部20が選択される。なお、第3実施形態では、第2実施形態の構成と重複する部分については、符号を流用するとともに詳細な説明を省略する。
【0080】
図1に示すように、部品実装装置100は、基台1と、フィーダ配置部2と、表示部3と、基板搬送部4と、複数の支持部(図示せず)と、複数の一対のレール部(図示せず)と、第1ヘッド5と、第2ヘッド6と、部品認識カメラ7と、基板認識カメラ8と、制御部9とを備えている
【0081】
(部品実装処理)
第3実施形態の制御部9は、基板Bに部品を実装して生産する際、使いかけのリールの発生を抑制するために、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、自動で選択された第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御に切り替えるように構成されている。ここで、制御部9は、予め設定された優先度に基づいて、適切な同一部品供給部20(たとえば、第2同一部品供給部20b)を選択する制御を行うように構成されている。
【0082】
このように、制御部9は、記憶部に記憶された第2同一部品供給部20bおよび第3同一部品供給部20cの各々の電子部品Eの残数に基づいて、第2同一部品供給部20bを選択するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを選択した第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御に切り替えるように構成されている。ここで、制御部9は、第2同一部品供給部20bおよび第3同一部品供給部20cの各々の電子部品Eの残数のうち電子部品Eの残数が多い方を優先的に選択する制御を行うように構成されている。なお、第3実施形態のその他の構成は、第2実施形態の構成と同様である。
【0083】
(部品実装処理のフローチャート)
以下に、図11を参照して、制御部9による部品実装処理について説明する。部品実装処理は、優先度に基づいて自動で選択された同一部品供給部20を共有するように制御を切り替える処理である。
【0084】
ステップS1~S4は、第1実施形態の部品実装処理のステップS1~S4と同じ処理であるので説明を省略する。ステップS301において、制御部9では、電子部品Eの残数が多い同一部品供給部20が選択される。なお、制御部9では、電子部品Eの残数が少ない同一部品供給部20、または、吸着されるヘッドが同じヘッドである同一部品供給部20が選択されてもよい。
【0085】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0086】
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、制御部9は、複数の同一部品供給部20のうちの第1同一部品供給部20aおよび第2同一部品供給部20bの各々から供給された電子部品Eを同じ基板作業位置Wに配置された基板Bに実装する場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第1同一部品供給部20aによる電子部品Eの供給を停止するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。これにより、異なる基板作業位置Wに基板Bを配置しなくても、電子部品Eの実装を代行させることができる。
【0087】
また、第3実施形態では、上記のように、記憶部には、複数の同一部品供給部20の各々の電子部品Eの残数、および、複数の同一部品供給部20の各々の電子部品Eの吸着に用いられるヘッドの種類が記憶されている。制御部9は、記憶部に記憶された複数の同一部品供給部20のうちの複数の第2同一部品供給部20bの各々の電子部品Eの残数、または、複数の第2同一部品供給部20bの各々のヘッドの種類に基づいて、第2同一部品供給部20bを選択するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを選択した第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御に切り替えるように構成されている。これにより、第2同一部品供給部20bを制御部9により自動で選択することができるので、オペレータの作業負担を軽減させることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態の効果と同様である。
【0088】
[第4実施形態]
図1および図12を参照して、第4実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。第4実施形態では、第1実施形態とは異なり、第1ヘッド5および第2ヘッド6により共有された同一部品供給部20が選択された後、共有が解除される。なお、第4実施形態では、第1実施形態の構成と重複する部分については、符号を流用するとともに詳細な説明を省略する。
【0089】
図1に示すように、部品実装装置100は、基台1と、フィーダ配置部2と、表示部3と、基板搬送部4と、複数の支持部(図示せず)と、複数の一対のレール部(図示せず)と、第1ヘッド5と、第2ヘッド6と、部品認識カメラ7と、基板認識カメラ8と、制御部9とを備えている
【0090】
(部品実装処理)
第4実施形態の制御部9は、基板Bに電子部品Eを実装して生産する際、使いかけのリールの発生を抑制するために、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第2同一部品供給部20bのみから電子部品Eを供給する制御に切り替えるように構成されている。そして、制御部9は、第1同一部品供給部20aに電子部品Eが補充されたことに基づいて、第2同一部品供給部20bのみから電子部品Eを供給する制御を、第1同一部品供給部20aおよび第2同一部品供給部20bの両方から電子部品Eを供給する制御に切り替えるように構成されている。
【0091】
具体的には、制御部9は、電子部品Eの残数がしきい値未満になった第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数が電子部品Eの補充によりしきい値以上に戻ったことに基づいて、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御を、第1同一部品供給部20aから電子部品Eを供給する制御に切り替えて基板Bへの電子部品Eの実装を継続させるように構成されている。なお、第4実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0092】
(部品実装処理のフローチャート)
以下に、図12を参照して、制御部9による部品実装処理について説明する。部品実装処理は、共有された同一部品供給部20の共有を解除して元の同一部品供給部20からの電子部品Eの供給に復帰する処理である。
【0093】
ステップS1~S3は、第1実施形態の部品実装処理のステップS1~S3と同じ処理であるので説明を省略する。ステップS401において、制御部9では、第2同一部品供給部20bのみで電子部品Eを供給する状態から、第1同一電子部品E供給部および第2同一部品供給部20bの両方で電子部品Eが供給される状態に切り替えられる。
【0094】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、制御部9は、複数の同一部品供給部20のうちの第1同一部品供給部20aおよび第2同一部品供給部20bの各々から供給された電子部品Eを同じ基板作業位置Wに配置された基板Bに実装する場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第1同一部品供給部20aによる電子部品Eの供給を停止するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。これにより、異なる基板作業位置Wに基板Bを配置しなくても、電子部品Eの実装を代行させることができる。
【0095】
また、第4実施形態では、上記のように、制御部9は、電子部品Eの残数がしきい値未満になった第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数が電子部品Eの補充によりしきい値以上に戻ったことに基づいて、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御を、第1同一部品供給部20aから電子部品Eを供給する制御に切り替えて基板Bへの電子部品Eの実装を継続させるように構成されている。これにより、第1同一部品供給部20aから電子部品Eを吸着する経路が予め最適な移動経路として取得されている場合、最適なノズルNの移動経路に戻して電子部品Eの実装を行うことができるので、基板Bへの電子部品Eの実装を効率良く行うことができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
【0096】
参考例
図13図19を参照して、参考例による部品実装装置500の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、部品実装装置500は、インラインヘッドを有している。なお、参考例では、第1実施形態の構成と重複する部分については、符号を流用するとともに詳細な説明を省略する。
【0097】
図13に示すように、部品実装装置500は、基台1と、フィーダ配置部2と、表示部3と、基板搬送部4と、複数の支持部(図示せず)と、複数の一対のレール部(図示せず)と、ヘッド505と、部品認識カメラ7と、基板認識カメラ8と、制御部509とを備えている。
【0098】
(ヘッド)
ヘッド505は、部品実装用のユニットであり、作業位置において固定された基板Bに電子部品Eを実装するように構成されている。ヘッド505は、複数のノズルNが直線上に複数配置されたインラインヘッドである。
【0099】
(部品実装処理)
参考例の制御部509は、複数の同一部品供給部20のうちの第1同一部品供給部20aおよび第2同一部品供給部20bの各々から供給された電子部品Eを同じ基板作業位置Wに配置された基板Bに実装する場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第1同一部品供給部20aによる電子部品Eの供給を停止するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。
【0100】
図14図19を参照して、以下に、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替える制御の一例について説明する。まず、関連付け情報9aの一例について説明する。
【0101】
図14に示すように、第1箇所P1には、たとえば、第1同一部品供給部20aが配置されている。第1同一部品供給部20aには、たとえば、第1部品C1が配置されている。第1同一部品供給部20aの第1部品C1を吸着するヘッドの種類は、たとえば、ヘッド505(図14図16および図18ではH1と記載)である。さらに、第1同一部品供給部20aの第1部品C1を吸着するノズルNの種類は、たとえば、第1ノズルN1である。第1箇所P1の同一部品供給部情報としては、たとえば、第2箇所P2に配置された第1部品C1が設定されている。第1箇所P1の同一部品供給部情報としては、たとえば、第3箇所P3に配置された第1部品C1が設定されている。
【0102】
第2箇所P2には、たとえば、第2同一部品供給部20bが配置されている。第2同一部品供給部20bには、たとえば、第1部品C1が配置されている。第2同一部品供給部20bの第1部品C1を吸着するヘッドの種類は、たとえば、ヘッド505(図14図16および図18ではH1と記載)である。さらに、第2同一部品供給部20bの第1部品C1を吸着するノズルNの種類は、たとえば、第2ノズルN2である。第2箇所P2の同一部品供給部情報としては、たとえば、第1箇所P1に配置された第1部品C1が設定されている。第2箇所P2の同一部品供給部情報としては、たとえば、第3箇所P3に配置された第1部品C1が設定されている。
【0103】
第3箇所P3には、たとえば、第3同一部品供給部20cが配置されている。第3同一部品供給部20cには、たとえば、第1部品C1が配置されている。第3同一部品供給部20cの第1部品C1を吸着するヘッドの種類は、たとえば、ヘッド505(図14図16および図18ではH1と記載)である。さらに、第3同一部品供給部20cの第1部品C1を吸着するノズルNの種類は、たとえば、第3ノズルN3である。第3箇所P3の同一部品供給部情報としては、たとえば、第1箇所P1に配置された第1部品C1が設定されている。第3箇所P3の同一部品供給部情報としては、たとえば、第2箇所P2に配置された第1部品C1が設定されている。
【0104】
第4箇所P4には、たとえば、第4同一部品供給部20dが配置されている。第4同一部品供給部20dには、たとえば、第1部品C1が配置されている。第4同一部品供給部20dの第1部品C1を吸着するヘッドの種類は、たとえば、第1ヘッドである。さらに、第4同一部品供給部20dの第1部品C1を吸着するノズルNの種類は、たとえば、第1ノズルN1である。第4箇所P4の同一部品供給部情報としては、たとえば、設定されていない。
【0105】
図14および図15に示すように、制御部509は、通常、第1箇所P1の第1同一部品供給部20a、第2箇所P2の第2同一部品供給部20b、および、第3箇所P3の第3同一部品供給部20cの全てから電子部品Eを供給する制御を行うように構成されている。
【0106】
ここで、図16および図17に示すように、制御部509は、基板Bの生産が終盤になるまでの間、第1箇所P1の第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eがしきい値未満になったことに基づいて、第4箇所P4の第4同一部品供給部20dから電子部品Eの供給する制御に切り替えるように構成されている。具体的には、制御部509は、基板Bの生産が終盤になるまでの間、第1箇所P1の第1同一部品供給部20aにおいて電子部品Eの残数が0になったことに基づいて、予め設定された第4箇所P4の第4同一部品供給部20dから電子部品Eを補給するように構成されている。
【0107】
また、図18および図19に示すように、制御部509は、基板Bの生産が終盤になった場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第4箇所P4の第4同一部品供給部20dではなく、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2箇所P2の第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。なお、参考例のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0108】
参考例の効果)
参考例では、以下のような効果を得ることができる。
【0109】
参考例では、上記第1実施形態と同様に、制御部509は、複数の同一部品供給部20のうちの第1同一部品供給部20aおよび第2同一部品供給部20bの各々から供給された電子部品Eを同じ基板作業位置Wに配置された基板Bに実装する場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、第1同一部品供給部20aによる電子部品Eの供給を停止するとともに、第1同一部品供給部20aから供給する分の電子部品Eを第2同一部品供給部20bから供給する制御に切り替えるように構成されている。これにより、異なる基板作業位置Wに基板Bを配置しなくても、電子部品Eの実装を代行させることができる。
【0110】
また、参考例では、上記のように、ヘッド507は、複数のノズルNが直線上に複数配置されたインラインヘッドを含んでいる。制御部509は、インラインヘッドの複数のノズルNにより複数の同一部品供給部20の各々から同時に電子部品Eの吸着動作をさせる場合に、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になったことに基づいて、複数のノズルNのうち第1同一部品供給部20aから吸着していたノズルNと、複数のノズルNのうち第2同一部品供給部20bから吸着していたノズルNとにより共有された第2同一部品供給部20bから電子部品Eを供給する制御に切り替えて基板Bへの電子部品Eの実装を継続させるように構成されている。これにより、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満になる前において、インラインヘッドの複数のノズルNにより複数の同一部品供給部20の各々から同時に電子部品Eの吸着動作をさせることにより、複数のノズルNの各々への電子部品Eの吸着を効率良く行うことができる。また、第1同一部品供給部20aの電子部品Eの残数がしきい値未満にり第1同一部品供給部20aからの電子部品Eの供給を停止した後において、電子部品Eが配置されたテープが巻き回されたリールを新たに第1同一部品供給部20aに供給する必要がないので、新たなリールが使われないようにすることができる。これらの結果、電子部品Eを基板Bに実装する効率を向上させることができるとともに、使いかけのリールが増加することをより確実に抑制することができる。なお、参考例のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
【0111】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0112】
たとえば、上記第1~第4実施形態および参考例では、第1同一部品供給部20a(一の同一部品供給部)における電子部品Eの残数のしきい値が1である例を示したが、本発明はこれに限られにない。本発明では、一の同一部品供給部における部品の残数のしきい値が1以外の数値であってもよい。
【0113】
また、第1~第4実施形態および参考例では、制御部9(509)は、第1同一部品供給部20a、第2同一部品供給部20bおよび第3同一部品供給部20c(複数の同一部品供給部)の各々の電子部品Eの残数を取得するとともに、所定のタイミングで、第1同一部品供給部20a(一の同一部品供給部)において取得した部品の残数がしきい値未満になったか否かを確認する制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、複数の同一部品供給部の各々の電子部品の残数を取得した後、一の同一部品供給部において取得した部品の残数がしきい値未満になったか否かを確認する制御を行うように構成されていてもよい。
【0114】
また、上記第1~第4実施形態および参考例では、関連付け情報9aは、テーブルである例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、関連付け情報は、テーブル以外のマップなどのデータベースにより表された情報であってもよい。
【0115】
また、上記第3実施形態では、制御部9は、記憶部に記憶された複数の同一部品供給部20のうちの第2同一部品供給部20bおよび第3同一部品供給部20c(複数の同一部品供給部)の各々の部品の残数に基づいて、第2同一部品供給部20b(他の同一部品供給部)を選択する制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、部品の基板への実装時間が増大することを抑制するために、基板の記憶部に記憶された複数の他の同一部品供給部の各々のヘッドの種類に基づいて、同じヘッドの種類である他の同一部品供給部を選択する制御を行うように構成されていてもよい。また、制御部は、基板の記憶部に記憶された複数の他の同一部品供給部の各々のノズルの種類に基づいて、異なるノズルの種類である他の同一部品供給部を選択する制御を行うように構成されていてもよい。
【0116】
上記第1~第4実施形態および参考例では、第1同一部品供給部20aが、特許請求の範囲の「一の同一部品供給部」である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2同一部品供給部または第3同一部品供給部が、特許請求の範囲の「一の同一部品供給部」であってもよい。
【0117】
また、上記第1~第4実施形態および参考例では、説明の便宜上、制御部9(509)の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0118】
3 表示部
5 第1ヘッド(ヘッド)
6 第2ヘッド(ヘッド)
9、509 制御部
11a 関連付け情報
20 同一部品供給部
20a 第1同一部品供給部(一の同一部品供給部)
20b 第2同一部品供給部(他の同一部品供給部)
20c 第3同一部品供給部(他の同一部品供給部)
20d 第4同一部品供給部(代替供給部)
100、500 部品実装装置
505 ヘッド
B 基板
E 電子部品(部品)
N ノズル
W 基板作業位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19