(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】ベルトコンベア用クリーナ装置
(51)【国際特許分類】
B65G 45/16 20060101AFI20240122BHJP
【FI】
B65G45/16 A
(21)【出願番号】P 2022581699
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 KR2022001562
(87)【国際公開番号】W WO2022225149
(87)【国際公開日】2022-10-27
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0053327
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516367006
【氏名又は名称】ハニル・マシーナリ-・カンパニ-・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒ コン
(72)【発明者】
【氏名】アン、チュル ユン
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-645(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2009-10629(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 45/00 - 45/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(110)と、
前記本体(110)に上下に移動可能に設けられた可動部材(120)と、
前記可動部材(120)を移動させるための上下移動ユニット(130)と、
前記可動部材(120)の下方に配置され、左右に延び、下端部がベルトコンベア(10)のベルト(12)の表面に接触して前記ベルト(12)の表面から異物を除去するスクレイパ(160)と、
前記可動部材(120)に少なくとも1つが設けられ、前記スクレイパ(160)を押し付け、前記スクレイパ(160)の下端部が前記ベルト(12)の表面に密着しているように前記スクレイパ(160)に対する押付力を自動的に維持させる押圧ユニット(140)と、を含み、
前記スクレイパ(160)は、複数設けられ、左右に隣り合い、複数の前記押圧ユニット(140)によってそれぞれ押し付けられ、隣り合う前記スクレイパ(160)のうち、左スクレイパ(160A)は、右端に第1傾斜部(161)が形成され、右スクレイパ(160B)は、左端に前記第1傾斜部(161)に対応して前記第1傾斜部(161)と密着する第2傾斜部(162)が形成され、隣り合う前記左スクレイパ(160A)と前記右スクレイパ(160B)のうちのいずれかは、潤滑液注入部(164)、及び前記潤滑液注入部(164)からの潤滑液を前記第1傾斜部(161)と前記第2傾斜部(162)との間に供給するための通路(165)を有し、前記第1傾斜部(161)と前記第2傾斜部(162)との間には、前記潤滑液を貯留するための貯留部(166)が形成され、隣り合う前記左スクレイパ(160A)と前記右スクレイパ(160B)における対向する右端と左端との間には、パッキン(163)が設けられたことを特徴とする、ベルトコンベア用クリーナ装置。
【請求項2】
前記本体(110)に上下に延びた案内孔(111)が設けられ、前記案内孔(111)に締結具(112)が前記案内孔(111)の案内に従って上下に移動可能に挿入され、前記締結具(112)に前記可動部材(120)が着脱可能に結合したことを特徴とする、請求項1に記載のベルトコンベア用クリーナ装置。
【請求項3】
前記上下移動ユニット(130)は、前記可動部材(120)の上方で前記本体(110)に設けられたブラケット(131)と、前記ブラケット(131)に上部が回転可能に設けられ、前記可動部材(120)に下部がねじ込まれて回転方向に応じて前記可動部材(120)を上下に移動させる位置調整具(132)と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のベルトコンベア用クリーナ装置。
【請求項4】
前記押圧ユニット(140)のそれぞれは、前記可動部材(120)に上下移動可能に貫通し、前記可動部材(120)の上部から上方に突出する上部領域と、前記可動部材(120)の下部から下方に突出する下部領域と、を有し、前記下部領域の下端部に前記スクレイパ(160)が連結された移動軸(141)と、前記移動軸(141)の前記上部領域に設けられ、前記移動軸(141)の下方移動を前記可動部材(120)の上部に当接して制限する止め部材(142)と、前記移動軸(141)の前記下部領域に設けられた係止部材(143)と、前記可動部材(120)の下部及び前記係止部材(143)に両端部がそれぞれ支持される状態で前記移動軸(141)の外側に挿入された弾性体(144)と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のベルトコンベア用クリーナ装置。
【請求項5】
前記第1傾斜部(161)又は前記第2傾斜部(162)は、表面に複数の凹溝(162a)が互いに離間するように間隔を置いて形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のベルトコンベア用クリーナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スクレイパ(scraper)を用いて、ベルトコンベア(belt conveyor)を構成するベルトの表面から異物を除去するクリーナ装置(cleaner device)に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベア用クリーナ装置は、ベルトコンベアのベルトの表面に固着された状態などのまま残っている各種異物を除去するために用いられる。一般に、このようなクリーナ装置は、循環するベルトの表面に密着状態で接触するスクレイパを用いてベルトの表面から異物を除去するように構成される。
【0003】
しかし、この種のクリーナ装置は、スクレイパがベルトとの摩擦によって次第に摩耗するにつれて、異物除去の効果が減少する可能性がある。また、ベルトの表面に対するスクレイパの密着状態をスクレイパの摩耗程度に応じて適正レベルに調整しなければならないので、メンテナンスの面で不便であるしかなく、作業効率を低下させるおそれがある。一方、ベルトの表面が均一ではなく屈曲状態である場合、スクレイパをベルトの表面に密に密着させることができず、異物除去自体を円滑に行うことができないという問題点がある。
【0004】
関連先行技術としては、韓国公開実用新案公報第20-2000-0012056号(2000.07.05.)、韓国登録実用新案公報第20-0379715号(2005.03.23.)、韓国公開特許公報第10-2009-0059621号(2009.06.11.)、韓国登録特許公報第10-1083438号(2011.11.15.)、韓国公開特許公報第10-2013-0083595号(2013.07.23.)、韓国公開特許公報第10-2016-0056706号(2016.05.20.)及び韓国公開特許公報第10-2017-0110897号(2017.10.12.)が参照できる。また、日本国特開2011-219257号(2011.11.04)公報が参照できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、スクレイパをベルトコンベアのベルトの表面に一定の圧力で自動的に密着させることができるベルトコンベア用クリーナ装置を提供しようとする。
【0006】
本発明の実施形態は、複数のスクレイパを備え、これらのスクレイパをベルトの表面の屈曲に対応するようにスムーズに移動させることができるベルトコンベア用クリーナ装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、本体110と、前記本体110に上下方向に移動可能に設けられた可動部材120と、前記可動部材120を移動させる上下移動ユニット130と、前記可動部材120の下方に配置され、左右方向に延びて一定の長さを有し、下端部がベルトコンベア10の循環するベルト12の表面に接触して前記ベルト12の表面から異物を除去するスクレイパ160と、前記可動部材120に少なくとも1つが設けられ、前記スクレイパ160を上方から押し付け、前記スクレイパ160の下端部がベルト12の表面に密着しているように前記スクレイパ160に対する押付力を自動的に維持させる押圧ユニット140と、を含む、ベルトコンベア用クリーナ装置が提供できる。このように構成される前記クリーナ装置は、前記スクレイパ160が下方向に移動すると、前記スクレイパ160の下端部が前記ベルト12の表面に接触し、かつ前記スクレイパ160の長手方向が前記ベルト12の循環方向と交差(例えば、直交)するように、前記ベルトコンベア10側に設置できる。
【0008】
前記クリーナ装置における上下及び左右とは、前記クリーナ装置を基準とした方向(
図1参照)であり、前記クリーナ装置を前記ベルトコンベア10側に上下反転させて設置する場合(
図4参照)、前記スクレイパ160の下端部が前記ベルト12の表面に接触するように前記スクレイパ160が下方に移動することは、前記ベルトコンベア10を基準とすると、前記スクレイパ160が上方に移動するのである。
【0009】
前記クリーナ装置は、前記本体110に上下方向に延びた案内孔111が設けられ、前記案内孔111に締結具112が前記案内孔111の案内に従って上下方向に移動可能に挿入され、前記締結具に前記可動部材120が着脱可能に結合することができる。
【0010】
前記上下移動ユニット130は、前記可動部材120の上方で前記本体110に設けられたブラケット(bracket)131と、前記ブラケット131に上部が回転可能に設けられ、前記可動部材120に下部がねじ込まれて回転方向に応じて前記可動部材120を上下方向に移動させる位置調整具132と、を含むことができる。
【0011】
前記押圧ユニット140は、前記可動部材120に上下方向に移動可能に貫通し、前記可動部材120の上部から上方に突出する上部領域と、前記可動部材120の下部から下方に突出する下部領域と、を有し、前記下部領域の下端部に前記スクレイパ160が連結された移動軸141と、前記移動軸141の前記上部領域に設けられ、前記移動軸141の下方移動を前記可動部材120の上部に当接して制限する止め部材142と、前記移動軸141の前記下部領域に設けられた係止部材143と、前記可動部材120の下部及び前記係止部材143に両端部がそれぞれ支持される状態で前記移動軸141の外側に挿入された弾性体144と、を含むことができる。
【0012】
前記スクレイパ160は、複数設けられ、左右に隣り合い、複数の前記押圧ユニット140によってそれぞれ押し付けられることができる。隣り合う前記スクレイパ160のうち、左スクレイパ160Aは、右スクレイパ160Bの左端と対向する右端に第1傾斜部161が形成され、前記右スクレイパ160Bは、前記左スクレイパ160Aの右端と対向する左端に、前記第1傾斜部161に対応して前記第1傾斜部161と密着する第2傾斜部162が形成されてもよい。隣り合う前記左スクレイパ160Aと前記右スクレイパ160Bのうちのいずれかは、潤滑液注入部164、及び前記潤滑液注入部164からの潤滑液を前記第1傾斜部161と前記第2傾斜部162との間に供給するための通路165を有することができる。隣り合う前記左スクレイパ160Aと前記右スクレイパ160Bにおける前記第1傾斜部161と前記第2傾斜部162との間には、前記潤滑液を貯留するための貯留部166が形成されることができる。隣り合う前記左スクレイパ160Aと前記右スクレイパ160Bにおける対向する右端と左端との間には、供給された前記潤滑液が外部へ排出されるのを遮断するパッキン163が設けられてもよい。
【0013】
ここで、前記潤滑液は、前記潤滑液注入部164の入口を介して注入され、注入された前記潤滑液は、前記通路165を介して貯留部166に貯留され、互いに密着した第1傾斜部161と第2傾斜部162との間に浸透して第1傾斜部161の表面と第2傾斜部162の表面に供給されることができる。前記貯留部166に貯留された前記潤滑液は、第1傾斜部161と第2傾斜部162との間に連続的に供給することができる。
【0014】
隣り合う前記左スクレイパ160Aと前記右スクレイパ160Bにおける前記第1傾斜部161又は前記第2傾斜部162は、表面に複数の凹溝162aが互いに離間するように間隔を置いて形成されることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によれば、スクレイパ160の下端部が押圧ユニット140の押付力自動維持作用によってベルト12の表面に常に一定の圧力で密着するため、ベルト12の表面から異物を残さずに効果的に除去することができる。
【0016】
また、本発明の実施形態は、スクレイパ160の密着角度を調節して作業効率を向上させることができる。
【0017】
また、本発明の実施形態によれば、複数のスクレイパ160(160A、160B)が互いに連結され、これらのスクレイパ160A、160Bがベルト12の表面の屈曲に沿って上下方向にスムーズに移動しながら異物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係るクリーナ装置の一例を示す正面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るクリーナ装置の一例がベルトコンベア側に設置された状態を示す概念図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るクリーナ装置の他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0020】
本発明の実施形態によるクリーナ装置の一例が
図1~
図4に示されている。
【0021】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るベルトコンベア用クリーナ装置は、本体110と、本体110の一側に上下方向に移動可能に設けられた可動部材120と、可動部材120を上下方向に移動させるための上下移動ユニット130と、可動部材120の下方に配置されたスクレイピングモジュール(scraping module、150及び160参照)、及び可動部材120からスクレイピングモジュールを下方に押し付ける少なくとも1つの押圧ユニット140と、を含む。スクレイピングモジュールは、押圧ユニット140に設けられた取付具150と、取付具150によって支持されたスクレイパ160と、を含む。取付具150とスクレイパ160は、左右方向に延びて一定の長さを有する。取付具150は、スクレイパ160の上側に配置される。スクレイパ160は、上部が取付具150の下部に着脱可能に結合することができる。スクレイパ160は、下端部がベルトコンベア10の循環するベルト12の表面に接触してベルト12の表面から異物を除去する。
【0022】
本体110は、スクレイパ160の下端部がベルト12の表面に接触し、スクレイパ160の長手方向がベルト12の循環方向と直交するなど、交差するようにベルトコンベア10側に設置される。一例として、本体110は、ベルトコンベア10においてベルト12が巻かれるローラ11に近接した位置に設置され、スクレイパ160の下端部をベルト12の表面に接触させることができる。
【0023】
本体110は、複数設けられ、左右方向に互いに離間するように一定の間隔をおいて配置されることができる。
【0024】
可動部材120は、位置が固定される本体110に対して移動することができる。このために、
図2に示すように、本体110に上下方向に延びて一定の長さを有する案内孔111が少なくとも1つ設けられ、案内孔111に少なくとも1つの締結具112が案内孔111のガイドに従って上下方向に移動可能に挿入され、締結具112に可動部材120が着脱可能に結合する。
【0025】
締結具112はボルトとナットを含むことができる。締結具112において、ボルトは、案内孔111に挿入された状態で可動部材120に貫通し、ナットは、可動部材120に貫通したボルトと螺合されることができる。締結具112のナットを締め付けると、可動部材120が締結具112のボルトに結合し、本体110に締結されることができる。締結具112のナットを緩めて本体110に対する可動部材120の締結力を緩和させると、可動部材120が締結具112のボルトと共に案内孔111の長さに沿って上下方向に移動することができる。締結具112のナットを完全に緩めると、可動部材120が締結具112のボルトから分離されることができる。
【0026】
上下移動ユニット130によれば、スクレイパ160を上下方向に移動させてスクレイパ160の下端部がベルト12の表面に接触するようにスクレイパ160の上下位置を調整することができる。
図2に示すように、上下移動ユニット130は、可動部材120の上方に配置されたブラケット131と、ブラケット131に上部が回転可能に設けられ、可動部材120に下部がねじ込まれて回転方向に応じて可動部材120を上下方向に移動させる位置調整具132と、を含む。
【0027】
位置調整具132としてボルトを用いることができる。位置調整具132としてのボルトは、ブラケット131に上下方向に貫通した状態で上下方向の軸を中心に空転可能に適用され、可動部材120にねじ込まれることにより、回転方向に応じて可動部材120を上下に移動させて可動部材120の上下位置を要求の位置に調整することができる。
【0028】
押圧ユニット140は、スクレイパ160を上方から一定の圧力で押し付けることができる。押圧ユニット140は、上下移動ユニット130によって下端部がベルト12の表面に接触したスクレイパ160がベルト12の表面に常に密着しているようにスクレイパ160に対する押付力を自動的に維持させることができる。
図3に示すように、押圧ユニット140は、移動軸141、止め部材142、係止部材143及び弾性体144を含む。
【0029】
移動軸141は、可動部材120に上下方向に移動可能に貫通し、可動部材120の上部から上方に突出する上部領域と、可動部材120の下部から下方に突出する下部領域と、を有する。移動軸141は、下方に突出した下部領域の下端部に取付具150が結合して取付具150を介してスクレイパ160に連結される。
【0030】
止め部材142は、移動軸141から上方に突出した上部領域に設けられ、移動軸141の下方移動を可動部材120の上部に当接して制限する。止め部材142は、移動軸141の上部領域に螺合され、回転方向に応じて移動軸141に沿って上下方向に移動することができる。止め部材142を回転させて止め部材142の位置を調整することにより、移動軸141が下方に移動可能な距離を変更することができる。
【0031】
係止部材143は、移動軸141の下部領域に設けられる。係止部材143は、フランジ状に形成されることができる。弾性体144は、可動部材120の下部と係止部材143に両端部がそれぞれ支持され、移動軸141に下方向に弾性力を提供する。弾性体144は、ばねであり、可動部材120の下部と係止部材143との間に位置するように移動軸141の外側に挿入されることができる。
【0032】
弾性体144の弾性力を利用する押付作用によれば、スクレイパ160は、下端部がベルト12の表面に一定に密着した状態に維持できる。
【0033】
取付具150は、スクレイパ160の上部が下部内側に結合した状態でスクレイパ160を支持して、スクレイパ160が異物除去過程で撓むなどの変形を防止することができる。
【0034】
スクレイパ160は、ベルト12の表面に対する密着性及び異物除去の効率面で有利な材質及び/又は構造を持つように構成できる。一例として、スクレイパ160の材質は、ゴム又は合成樹脂を含むことができる。
【0035】
本発明の実施形態によるクリーナ装置の他の例が
図5及び
図6に示されている。
【0036】
図5及び
図6を参照すると、本発明の実施形態に係るクリーナ装置の他の例は、
図1~
図4に示す一例と比較すると、その他の構成及び作用は全て同じであるのに対して、スクレイパ160のメンテナンスと交換をより容易に行い、ベルト12の表面が屈曲した場合でもスクレイパ160の下端部をベルト12の表面にさらに緊密に密着させて異物をよりスムーズに除去するために、スクレイパ160が複数設けられ、左右に隣り合って複数の押圧ユニット140によってそれぞれ押し付けられる構成を有し、スクレイパ160のそれぞれがベルト12の表面の屈曲に対応してより自然に上下方向に移動(弾性体144の弾性力によって下方に移動、弾性体144の弾性力を克服しながら上方に移動)する構成を有する点などにおいて互いに異なる。次に、これについて説明する。
【0037】
スクレイパ160は、押圧ユニット140によってそれぞれ押し付けられるので、ベルト12の表面が屈曲した場合にベルト12の表面の屈曲に沿って独立して上下方向に移動することができる。
【0038】
図6は
図5のC-C線に沿った断面図である。すなわち、
図6は、隣り合うスクレイパ160のうちの左スクレイパ160Aと右スクレイパ160Bとの間の部分を上方からみた断面図である。
【0039】
図6に示すように、隣り合うスクレイパ160において、左スクレイパ160Aと右スクレイパ160Bは、右端と左端とが互いに対向する。隣り合うスクレイパ160において、左スクレイパ160Aは右端に第1傾斜部161が形成され、右スクレイパ160Bは左端に第1傾斜部161に対応して第1傾斜部161と密着する第2傾斜部162が形成される。第1傾斜部161は、前方から後方に行くほど左又は右に傾斜した形状に形成されることができ、第2傾斜部162は、第1傾斜部161に対応する角度で形成されることができる。このような第1傾斜部161と第2傾斜部162によれば、隣り合うスクレイパ160の独立した上下移動を許容しながら、隣り合うスクレイパ160の密着状態が解除されることを積極的に防止することができる。
【0040】
隣り合うスクレイパ160において、左スクレイパ160Aの第1傾斜部161と右スクレイパ160Bの第2傾斜部162のうちのいずれか1つは、表面に複数の凹溝162aが互いに離間するように間隔をおいて形成される。凹溝162aは、対応する第1傾斜部161と第2傾斜部162との密着面積を縮小させることにより、スクレイパ160をベルト12の表面に密着させた状態で異物を除去する過程中にベルト12の表面が曲げられた場合、スクレイパ160のそれぞれがベルト12の表面の屈曲に沿って上下方向に自然に移動するように誘導することができる。
【0041】
隣り合うスクレイパ160において、左スクレイパ160Aと右スクレイパ160Bのうちのいずれかは、内部に潤滑液注入部164、及び潤滑液注入部164からの潤滑液を第1傾斜部161と第2傾斜部162との間に供給するための通路165が設けられる。第1傾斜部161と第2傾斜部162との間に供給された潤滑液は、潤滑作用を行うことにより、スクレイパ160をベルト12の表面に密着させた状態で異物を除去する過程中にベルト12の表面が曲げられた場合、スクレイパ160のそれぞれがベルト12の表面の屈曲に沿ってより自然に上下方向に移動するように導くことができる。
【0042】
一例として、潤滑液注入部164は、上側から下側に延びて右スクレイパ160Bの内部に一定の深さを有するように形成され、通路165は、右スクレイパ160Bの内部で潤滑液注入部164に連結されることができる。潤滑液注入部164における上側の入口は、外部と連通し、栓によって開閉できる。栓を開けて潤滑液注入部164の入口を開放することにより、潤滑液を注入することができる。栓を閉めて潤滑液注入部164の入口を閉鎖することにより、潤滑液注入部164の入口を介して潤滑液が排出されたり異物が投入されたりすることを防止することができる。
【0043】
隣り合うスクレイパ160において、左スクレイパ160Aの第1傾斜部161と右スクレイパ160Bの第2傾斜部162との間には、通路165からの潤滑液を貯留するための貯留部166が形成される。貯留部166は、対応する第1傾斜部161と第2傾斜部162との間に設けられる一定の空間であり、通路165からの潤滑液は、貯留部166に貯留され、貯留部166に貯留された潤滑液は、第1傾斜部161と第2傾斜部162との間に供給されることができる。
【0044】
隣り合うスクレイパ160において、左スクレイパ160Aの右端と右スクレイパ160Bの左端との間には、供給された潤滑液が外部へ排出されるのを遮断し、異物が外部から導入されるのを防止するパッキン163が設けられる。パッキン163によれば、第1傾斜部161と第2傾斜部162との間に供給された潤滑液が外部へ排出されるのを抑制して潤滑液の浪費を防止することができ、外部の異物が第1傾斜部161と第2傾斜部162との間に導入されてスクレイパ160の独立した上下方向を阻害することを防止することができる。このようなパッキン163は、様々な形状及び材質からなることができる。
【0045】
以上、本発明を説明したが、本発明は、開示された実施形態及び添付図面によって限定されず、本発明の技術的思想から逸脱することなく、通常の技術者によって様々に変形できる。
【符号の説明】
【0046】
10 ベルトコンベア
11 ローラ
12 ベルト
110 本体
111 案内孔
112 締結具
120 可動部材
130 上下移動ユニット
131 ブラケット
132 位置調整具
140 押圧ユニット
141 移動軸
142 止め部材
143 係止部材
144 弾性体
150 取付具
160 スクレイパ
161 第1傾斜部
162a 凹溝
162 第2傾斜部
163 パッキン
164 潤滑液注入部
165 通路
166 貯留部