(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】撮像モジュール、カメラ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G03B 9/06 20210101AFI20240122BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20240122BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20240122BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240122BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240122BHJP
【FI】
G03B9/06
G02B7/04 E
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N23/57
(21)【出願番号】P 2023112145
(22)【出願日】2023-07-07
【審査請求日】2023-08-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519312957
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-021846(JP,A)
【文献】特開2021-099417(JP,A)
【文献】特開2011-085666(JP,A)
【文献】特開2010-191130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0301246(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0373145(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2009-0048841(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 9/06
G02B 7/04
G03B 5/00
G03B 30/00
H04N 23/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズアセンブリと、
駆動部材が設けられているベースと、
前記レンズアセンブリの外縁に外嵌されたレンズアセンブリ支持枠であって、前記駆動部材が前記レンズアセンブリ支持枠を、光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動するレンズアセンブリ支持枠と、
前記光軸を回転軸として前記ベースに回転可能に設けられ、かつ、前記レンズアセンブリの外側に外嵌される羽根駆動枠であって、前記駆動部材が前記羽根駆動枠を回転させるように駆動することにも用いられる羽根駆動枠と、
前記羽根駆動枠に設けられ、かつ前記光軸を回転軸として前記レンズアセンブリの外側に回転可能に外嵌される羽根駆動リングであって、前記羽根駆動枠が前記駆動部材の駆動によって回転する時に前記羽根駆動リングを回転させるように駆動する羽根駆動リングと、
前記羽根駆動リングの周方向に沿って、前記羽根駆動リングに互いに間隔を置いて設けられる複数の遮光羽根であって、前記羽根駆動リングが回転する時に前記複数の遮光羽根を近接させたり、分離させたりする遮光羽根と、
前記レンズアセンブリ支持枠の物体側に係合固定される羽根支持部材であって、前記複数の遮光羽根が前記羽根駆動リングと前記羽根支持部材との間に位置し、前記複数の遮光羽根がいずれも前記羽根支持部材と回動可能に接続され、前記羽根支持部材が前記複数の遮光羽根を支持することに用いられる羽根支持部材と、を含
み、
前記レンズアセンブリ支持枠には第1従動部材が設けられ、前記駆動部材は前記第1従動部材を移動させるように駆動することによって前記レンズアセンブリ支持枠を前記光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動し、前記羽根駆動枠には第2従動部材が設けられ、前記駆動部材は前記第2従動部材を回転させるように駆動することによって前記羽根駆動枠を回転させるように駆動する、
ことを特徴とする撮像モジュール。
【請求項2】
前記駆動部材は磁石鋼であり、前記第1従動部材はフォーカス用コイルであり、前記第2従動部材は羽根駆動コイルであり、
前記磁石鋼は、前記フォーカス用コイルに通電した時、前記フォーカス用コイルを前記光軸に沿って移動させて、前記レンズアセンブリ支持枠を前記光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動し、前記磁石鋼は、前記羽根駆動コイルに通電した時、前記羽根駆動コイルを前記光軸を回転軸として回転させて、前記羽根駆動枠を前記光軸を回転軸として回転させるように駆動する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の撮像モジュール。
【請求項3】
前記ベースの前記羽根駆動枠に向かう側には、弧状に延びる少なくとも3つの第1収容溝があり、前記羽根駆動枠の前記ベースに向かう側には、弧状に延びる少なくとも3つの第2収容溝があり、前記第1収容溝と前記第2収容溝は1対1で対応して設置され、かつ収容空間を取り囲むように形成しており、各前記収容空間には球状支持部材があり、前記球状支持部材は前記第1収容溝と前記第2収容溝の内壁に同時に当接している、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項4】
羽根保持部材をさらに含み、前記羽根保持部材が前記羽根駆動枠に固定され、前記羽根保持部材は
ヨーク又は磁性流体である、
ことを特徴とする請求項
2に記載の撮像モジュール。
【請求項5】
前記羽根駆動リングには複数の貫通溝が設けられ、前記複数の貫通溝は前記羽根駆動リングの周方向に沿って間隔を置いて設置されており、各前記貫通溝は、前記羽根駆動リングの外縁から内縁に延びており、かつ各前記貫通溝の延在方向と前記羽根駆動リングの径方向とが挟角を成しており、前記複数の遮光羽根はいずれも弧形シート状を呈し、前記複数の遮光羽根の一端には、いずれもガイド部が設けられ、前記ガイド部は前記遮光羽根の像側面に位置し、前記複数の遮光羽根の前記ガイド部が前記貫通溝に1対1で対応しかつ摺動可能に入り込んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項6】
前記羽根支持部材の周方向に沿って、複数の位置決め穴が間隔を置いて設置されており、前記複数の遮光羽根の他端にはいずれも位置決め部が設けられており、前記位置決め部は前記遮光羽根の物体側表面に位置し、前記複数の遮光羽根の前記位置決め部は前記位置決め穴に1対1で対応しかつ回転可能に入り込んでいる、
ことを特徴とする請求項
5に記載の撮像モジュール。
【請求項7】
前記羽根駆動リングには接続アームが設けられており、前記羽根駆動枠には接続溝が設けられており、前記接続アームは前記光軸に沿って前記接続溝に摺動可能に入り込んで、前記羽根駆動リングと前記羽根駆動枠とを係合接続する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項8】
収容空間を有するハウジングをさらに含み、前記ベース、前記レンズアセンブリ支持枠および前記羽根駆動枠は前記収容空間内に位置し、前記ハウジングは中央貫通穴を有し、前記中央貫通穴は前記羽根駆動リング、前記複数の遮光羽根及び前記羽根支持部材を露出させることに用いられ、前記ハウジングは磁性材料から作られる、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項9】
手振れ補正機構と、前記手振れ補正機構に設けられたセンサアセンブリと、をさらに含み、前記手振れ補正機構が前記ベースの像側に位置し、前記手振れ補正機構が前記センサアセンブリを駆動して手振れ補正を実現することに用いられる、
ことを特徴とする請求項
1に記載の撮像モジュール。
【請求項10】
カメラ本体と、請求項1~
9のいずれか1項に記載の撮像モジュールと、を備え、前記撮像モジュールが前記カメラ本体に設けられている、
ことを特徴とするカメラ。
【請求項11】
機器本体と、請求項1~
9のいずれか1項に記載の撮像モジュールと、を備え、前記撮像モジュールが前記機器本体に設けられている、
ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、撮像装置の技術分野に関し、特に撮像モジュール、カメラ及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
絞り(可変絞り)は、光学系に入って結像に関与する光の量の大きさを変えることに用いられるもので、撮像モジュールに絞りを設けると、絞りの大きさを調整することによって、撮像モジュールは明るさの異なる場面での撮影ニーズに対応でき、フォーカス機構は、レンズアセンブリの位置を変えることで撮像モジュールのピント合わせを実現し、撮像モジュールが対象物をより明晰に撮影できるようになる。絞りとフォーカス機構を併用することで、撮像モジュールの撮影性能を高めることができる。これにより、絞りとフォーカス機構を備えた撮像モジュールを、例えばスマートフォン、タブレットなどの電子機器に応用することは、多くの消費者に喜ばれている。
【0003】
羽根駆動装置は、複数の羽根を動かすことによって、これらの羽根で囲まれた開口の大きさを変化させ、カメラにおける異なる光学ユニット、例えば、シャッター、絞りまたはフィルターなどに適用することができる。レンズ駆動装置でレンズを移動させて調整を行う光学系では、羽根駆動装置は大きさ、重さおよび組立方向による多方向への突出などの要因によって、レンズ駆動装置の動作と配置を妨げるおそれがある。形状記憶金属で作られた小型の羽根駆動機構を利用することで、重量と体積が大きいという問題を解決することができるが、羽根で囲まれた開口の大きさに大きな変化量を持たせる必要がある場合、形状記憶金属の長さを増やす必要がある。これにより、依然として羽根駆動機構の大きな体積と重量に起因する様々な問題を効果的に解決することができない。
【0004】
また、羽根駆動機構とフォーカス機構とに干渉が生じることを避ける必要があるため、フォーカス機構のサーボ制御に影響を及ぼす可能性がある。あるいは、レンズを移動させる時に、羽根駆動機構もそれに応じて移動し、適切に光を遮断できるようにするためには、羽根駆動機構の円周全体における重量を均一に分布させる必要がある。上記の設計方案は難しく、かつ上記の設計方案によって製造された製品の信頼性も確保できない。
【0005】
したがって、この分野では、上記の技術的な問題を解決できる撮像モジュールの開発が差し迫っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、撮像モジュールの重量と体積を減らし、羽根駆動機構とフォーカス機構とに干渉が生じることを避けることができる撮像モジュール、カメラ及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の第1面では、撮像モジュールが提供され、この撮像モジュールは、レンズアセンブリと、駆動部材が設けられているベースと、前記レンズアセンブリの外縁に外嵌されたレンズアセンブリ支持枠であって、前記駆動部材が前記レンズアセンブリ支持枠を、光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動するレンズアセンブリ支持枠と、前記光軸を回転軸として前記ベースに回転可能に設けられ、かつ、前記レンズアセンブリの外側に外嵌される羽根駆動枠であって、前記駆動部材が前記羽根駆動枠を回転させるように駆動することにも用いられる羽根駆動枠と、前記羽根駆動枠に設けられ、かつ前記光軸を回転軸として前記レンズアセンブリの外側に回転可能に外嵌される羽根駆動リングであって、前記羽根駆動枠が前記駆動部材の駆動によって回転する時に前記羽根駆動リングを回転させるように駆動する羽根駆動リングと、前記羽根駆動リングの周方向に沿って、前記羽根駆動リングに互いに間隔を置いて設けられる複数の遮光羽根であって、前記羽根駆動リングが回転する時に前記複数の遮光羽根を近接させたり、分離させたりする遮光羽根と、前記レンズアセンブリ支持枠の物体側に係合固定される羽根支持部材であって、前記複数の遮光羽根が前記羽根駆動リングと前記羽根支持部材との間に位置し、前記複数の遮光羽根がいずれも前記羽根支持部材と回動可能に接続され、前記羽根支持部材が前記複数の遮光羽根を支持することに用いられる羽根支持部材と、を含む。
【0008】
いくつかの実施例では、前記レンズアセンブリ支持枠には第1従動部材が設けられ、前記駆動部材は前記第1従動部材を移動させるように駆動することによって前記レンズアセンブリ支持枠を前記光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動し、前記羽根駆動枠には第2従動部材が設けられ、前記駆動部材は前記第2従動部材を回転させるように駆動することによって前記羽根駆動枠を回転させるように駆動する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記駆動部材は磁石鋼であり、前記第1従動部材はフォーカス用コイルであり、前記第2従動部材は羽根駆動コイルであり、前記磁石鋼は、前記フォーカス用コイルに通電した時、前記フォーカス用コイルを前記光軸に沿って移動させて、前記レンズアセンブリ支持枠を前記光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動し、前記磁石鋼は、前記羽根駆動コイルに通電した時、前記羽根駆動コイルを前記光軸を回転軸として回転させて、前記羽根駆動枠を前記光軸を回転軸として回転させるように駆動する。
【0010】
いくつかの実施例では、前記ベースの前記羽根駆動枠に向かう側には、弧状に延びる少なくとも3つの第1収容溝があり、前記羽根駆動枠の前記ベースに向かう側には、弧状に延びる少なくとも3つの第2収容溝があり、前記第1収容溝と前記第2収容溝は1対1で対応して設置され、かつ収容空間を取り囲むように形成しており、各前記収容空間には球状支持部材があり、前記球状支持部材は前記第1収容溝と前記第2収容溝の内壁に同時に当接している。
【0011】
いくつかの実施例では、羽根保持部材をさらに含み、前記羽根保持部材が前記羽根駆動枠に固定され、前記羽根保持部材は前記駆動部材と協働して前記羽根駆動枠を非通電状態で初期位置に保つことに用いられる。
【0012】
いくつかの実施例では、前記羽根駆動リングには複数の貫通溝が設けられ、前記複数の貫通溝は前記羽根駆動リングの周方向に沿って間隔を置いて設置されており、各前記貫通溝は、前記羽根駆動リングの外縁から内縁に延びており、かつ各前記貫通溝の延在方向と前記羽根駆動リングの径方向とが挟角を成しており、前記複数の遮光羽根はいずれも弧形シート状を呈し、前記複数の遮光羽根の一端には、いずれもガイド部が設けられ、前記ガイド部は前記遮光羽根の像側面に位置し、前記複数の遮光羽根の前記ガイド部が前記貫通溝に1対1で対応しかつ摺動可能に入り込んでいる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記羽根支持部材の周方向に沿って、複数の位置決め穴が間隔を置いて設置されており、前記複数の遮光羽根の他端にはいずれも位置決め部が設けられており、前記位置決め部は前記遮光羽根の物体側表面に位置し、前記複数の遮光羽根の前記位置決め部は前記位置決め穴に1対1で対応しかつ回転可能に入り込んでいる。
【0014】
いくつかの実施例では、前記羽根駆動リングには接続アームが設けられており、前記羽根駆動枠には接続溝が設けられており、前記接続アームは前記光軸に沿って前記接続溝に摺動可能に入り込んで、前記羽根駆動リングと前記羽根駆動枠とを係合接続する。
【0015】
いくつかの実施例では、収容空間を有するハウジングをさらに含み、前記ベース、前記レンズアセンブリ支持枠および前記羽根駆動枠は前記収容空間内に位置し、前記ハウジングは中央貫通穴を有し、前記中央貫通穴は前記羽根駆動リング、前記複数の遮光羽根及び前記羽根支持部材を露出させることに用いられ、前記ハウジングは磁性材料から作られる。
【0016】
いくつかの実施例では、手振れ補正機構と、前記手振れ補正機構に設けられたセンサアセンブリと、をさらに含み、前記手振れ補正機構が前記ベースの像側に位置し、前記手振れ補正機構が前記センサアセンブリを駆動して手振れ補正を実現することに用いられる。
【発明の効果】
【0017】
従来技術と比べて、本発明の実施形態では、ベースに駆動部材が設けられており、駆動部材がレンズアセンブリ支持枠を、光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動し、駆動部材が羽根駆動枠を光軸を回転軸として回転させるように駆動することにも用いられ、羽根駆動枠が回転する時に羽根駆動リングを同期に回転させるように駆動し、羽根駆動リングが複数の遮光羽根を近接させたり、分離させたりするように駆動し、これによって、遮光羽根で囲まれた開口の大きさに対する調整を実現する。つまり、遮光羽根とレンズアセンブリのフォーカスを駆動する駆動部材は同じものである。これにより、撮像モジュールの部品点数を減らし、前記撮像モジュールの体積と重量を減らし、前記撮像モジュールにおけるフォーカス用機構と遮光羽根を駆動する動力機構とに干渉が生じることを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、添付の図面において同じ符号で示す部品は類似する部品として表され、特に断りのない限り、添付の図面における図は縮尺に制限されない。
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の撮像モジュールの斜視構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例の撮像モジュールの正面構成図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例の撮像モジュールの分解構成図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施例の撮像モジュールの羽根駆動枠の斜視構成図である。
【
図7a】
図7aは、本発明の一実施例の複数の遮光羽根が限界位置まで近接した時の撮像モジュールの状態を示す図である。
【
図7b】
図7bは、本発明の一実施例の複数の遮光羽根が分離する過程における撮像モジュールの状態を示す図である。
【
図7c】
図7cは、本発明の一実施例の複数の遮光羽根が限界位置まで分離した時の撮像モジュールの状態を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施例の撮像モジュールの羽根駆動リングの斜視構成図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施例の撮像モジュールの遮光羽根の斜視構成図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施例の撮像モジュールの遮光羽根の正面図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施例の撮像モジュールの羽根支持部材の斜視構成図である。
【
図12】
図12は、本発明の別の実施例の撮像モジュールの斜視構成図である。
【
図13】
図13は、本発明の別の実施例の撮像モジュールの正面図である。
【
図14】
図14は、本発明の別の実施例の撮像モジュールの分解構成図である。
【
図15】
図15は、本発明の別の実施例の撮像モジュールの手振れ補正機構の分解構成図である。
【符号の説明】
【0019】
100 レンズアセンブリ
110 レンズ
120 鏡筒
200 ベース
210 駆動部材
220 第1収容溝
230 球状支持部材
300 レンズアセンブリ支持枠
310 第1従動部材
320 第1フレキシブル回路基板
321 第1センシング素子
330 第1位置検出素子
340 第1板バネ
350 第2板バネ
400 羽根駆動枠
410 第2収容溝
420 第2従動部材
430 第2フレキシブル回路基板
431 第2センシング素子
440 接続溝
450 羽根保持部材
500 羽根駆動リング
510 接続アーム
520 貫通溝
521 ストッパー部
600 遮光羽根
610 ガイド部
620 位置決め部
700 羽根支持部材
710 位置決め穴
720 第1中央貫通穴
730 駆動リングプラテン
740 羽根チャンバー
800 ハウジング
810 第2中央貫通穴
820 底部ケース
900 手振れ補正機構
910 センサアセンブリ
920 手振れ補正ベース
921 手振れ補正用磁石
922 第1収納溝
922a 第1スペーサ
923 取付穴
923a ダンピング部材
930 可動ホルダ
931 固定用ヨーク
932a 第2スペーサ
933 ボール
940 コイルホルダ
950 回路基板
1000 撮像モジュール
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明実施形態の目的、技術考案及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳しく説明する。ただし、本発明の各実施形態において、読者に本発明をよく理解させるために、多くの技術的細部まで記載されているが、これらの技術的細部および以下の各実施形態に基づく各種の変化及び修正がなくても、本発明が保護しようとする技術方案を実現可能であることは、当業者にとっては自明なことである。
【0021】
本発明の実施形態において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「中」、「垂直」、「水平」、「横方向」、「縦方向」などの用語に示される方位または位置関係は、図面に基づいて示される方位または位置関係である。これらの用語は、主として、本発明およびその実施形態をよりよく説明するためのものであり、指示された装置、ユニットまたは構成要素が特定の方位を有するか、または特定の方位で構成され、操作されなければならないことを限定するためには使用されるものではない。
【0022】
また、上記の一部の用語は、方位または位置関係を表す以外に、他の意味を表すためにも使用することができる。例えば、用語「上」は、場合によっては依存関係または接続関係を表すためにも使用することができる。当業者にとって、これらの用語の本発明における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0023】
さらに、用語「取り付ける」、「設置する」、「設けられている」、「開設」、「接続」、「繋がる」は広義として理解されなければならない。例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体的な構造であってもよいし、機械的接続、または電気的接続であってもよく、直接繋がっていてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよく、2つの装置、ユニットまたは構成要素間の内部の連通であってもよい。当業者にとって、上記の用語の本発明における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0024】
さらに、「第1」、「第2」などの用語は、主に、指示された装置、ユニットまたは構成要素の相対的な重要性と量を明示または暗示するためのものではなく、異なるデ装置、ユニットまたは構成要素を区別するために使用される(具体的な種類と構成は同じでも異なる場合もある)。特に説明がない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0025】
図1~
図5に示すように、本発明の一実施例は、撮像モジュール1000に関し、この撮像モジュールは、レンズアセンブリ100と、駆動部材210が設けられているベース200と、前記レンズアセンブリ100の外縁に外嵌されたレンズアセンブリ支持枠300であって、前記駆動部材200が前記レンズアセンブリ支持枠300を、光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動するレンズアセンブリ支持枠300と、前記光軸を回転軸として前記ベース200に回転可能に設けられ、かつ、前記レンズアセンブリ100の外側に外嵌される羽根駆動枠400であって、前記駆動部材210が前記羽根駆動枠400を回転させるように駆動することにも用いられる羽根駆動枠400と、前記羽根駆動枠400に設けられ、かつ前記光軸を回転軸として前記レンズアセンブリ100の外側に回転可能に外嵌される羽根駆動リング500であって、前記羽根駆動枠400が前記駆動部材210の駆動によって回転する時に前記羽根駆動リング500を回転させるように駆動する羽根駆動リング500と、前記羽根駆動リング500の周方向に沿って、前記羽根駆動リング500に互いに間隔を置いて設けられる複数の遮光羽根600であって、前記羽根駆動リング500が回転する時に前記複数の遮光羽根600を近接させたり、分離させたりする遮光羽根600と、前記レンズアセンブリ支持枠300の物体側に係合固定される羽根支持部材700であって、前記複数の遮光羽根600が前記羽根駆動リング500と前記羽根支持部材700との間に位置し、前記複数の遮光羽根600がいずれも前記羽根支持部材700と回動可能に接続され、前記羽根支持部材700が前記複数の遮光羽根600を支持することに用いられる羽根支持部材700と、を含む。
【0026】
従来技術と比べて、本発明の実施例では、前記ベース200には前記駆動部材210が設けられており、前記駆動部材210が前記レンズアセンブリ支持枠300を、光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動することに用いられ、前記駆動部材210が、さらに前記羽根駆動枠400を光軸を回転軸として回転させるように駆動することにも用いられ、前記羽根駆動枠400が回転する時に、前記羽根駆動リング500を同期に回転させるように駆動し、前記羽根駆動リング500が前記複数の遮光羽根600を近接させたり、分離させたりするように駆動し、これによって、前記複数の遮光羽根600で囲まれた開口の大きさに対する調整を実現する。つまり、前記複数の遮光羽根600と前記レンズアセンブリ100のフォーカスを駆動する前記駆動部材210は同じものである。これにより、前記撮像モジュール1000の部品点数を減らし、前記撮像モジュール1000の体積と重量を減らし、前記撮像モジュール1000におけるフォーカス用機構と前記遮光羽根600を駆動する動力機構とに干渉が生じることを避けることができる。
【0027】
以下、本実施例の撮像モジュールの実現詳細について具体的に説明するが、下記の内容は、理解を容易にするために提供された実現詳細だけであり、本技術考案を実施するために必要なものではない。
【0028】
本実施例では、前記ベース200、前記羽根駆動枠400、前記羽根駆動リング500、前記複数の遮光羽根600及び前記羽根支持部材700は、前記撮像モジュール1000の像側から物体側に向かって順次配置され、即ち、これらの部品が光軸に沿って順次配置されることで、前記撮像モジュール1000が光軸の延在方向に沿って組立てられ、組立ての難易度を低下させ、多方向の突出を避けることができる。
【0029】
理解できるように、レンズアセンブリ100は、レンズ110と、鏡筒120と、を含み、レンズ110が鏡筒120の内壁に固定され、鏡筒120がレンズ110を保護し、レンズ110の損傷を防止することに用いられる。また、鏡筒120はレンズアセンブリ支持枠300と接続するスペースを提供することができ、即ち、レンズアセンブリ支持枠300が鏡筒120の外壁に外嵌固定されている。
【0030】
図6を合わせて参照すると、本実施例では、前記ベース200の前記羽根駆動枠400に向かう側には、弧状に延びる少なくとも3つの第1収容溝220があり、前記羽根駆動枠400の前記ベース200に向かう側には、弧状に延びる少なくとも3つの第2収容溝410があり、前記第1収容溝220と前記第2収容溝410は1対1で対応して設置され、かつ収容空間を取り囲むように形成しており、各前記収容空間には球状支持部材230があり、前記球状支持部材230は前記第1収容溝220と前記第2収容溝410の内壁に同時に当接している。つまり、駆動部材410が羽根駆動枠400を回転させるように駆動する時、球状支持部材230は羽根駆動枠400を支持する役割を果たすと同時に、自身のローリングによって羽根駆動枠400をスムーズに回転させることができる。選択できるように、第1収容溝220と第2収容溝410がいずれも4つに設定され、かつ第1収容溝220と第2収容溝410が1対1で対向して設置され、球状支持部材230も対応的に4つに設定されることができる。
【0031】
具体的には、前記第1収容溝220と前記第2収容溝410はいずれも光軸を取り囲んで間隔を置いて設置されている。複数の前記第1収容溝220は、同じ円形の軌跡上に配置されてもよいし、同じ円形の軌跡上に配置されなくてもよい。好ましくは、同じ円形の軌跡上に配置されることである。複数の前記第2収容溝410は前記第1収容溝220と同じように配置される。
【0032】
その他の実現可能な実施例では、第1収容溝220と第2収容溝410はいずれも3つに設定され、前記球状支持部材230も3つに設定され、かつ各前記収容空間には1つの球状支持部材230が収容されてもよい。これにより、前記羽根駆動枠400が力を受けた場合、前記ベース200に対して回転することを確保しながら、安定を保ち、前記羽根駆動枠400が光軸の延在方向に反転することを防ぐことができる。また、前記球状支持部材230の数を減らし、前記撮像モジュール1000の重量をさらに減らすこともできる。
【0033】
なお、前記第1収容溝220、前記第2収容溝410と前記球状支持部材230の具体的な数と位置、および1つの収容溝内に設けられる前記球状支持部材230の数は、当業者が本発明の教示の下、実際に受ける力の需要に応じて設定することができる。これらはいずれも本発明の思想に属し、本発明ではこれらについて特に限定していない。
【0034】
本実施例では、前記レンズアセンブリ支持枠300には第1従動部材310が設けられ、前記駆動部材210は前記第1従動部材310を移動させるように駆動することによって前記レンズアセンブリ支持枠300を前記光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動し、前記羽根駆動枠400には第2従動部材420が設けられ、前記駆動部材210は前記第2従動部材420を回転させるように駆動することによって前記羽根駆動枠400を回転させるように駆動する。つまり、前記レンズアセンブリ100のピント合わせ移動は、前記駆動部材210が前記第1従動部材310に付勢し、また、前記第1従動部材310が前記レンズアセンブリ支持枠300に固定されているため、前記レンズアセンブリ支持枠300が駆動されて移動するようになり、前記レンズアセンブリ100が前記レンズアセンブリ支持枠300に固定されており、前記レンズアセンブリ100も前記レンズアセンブリ支持枠300の移動に追従してフォーカスを実現するものである。一方、前記駆動部材210は前記第2従動部材420に付勢し、前記羽根駆動枠400は光軸を回転軸として回転し、前記第1従動部材310と前記第2従動部材420の受ける力は互いに干渉せず、ピント合わせ移動と羽根移動の相互影響を避けている。
【0035】
さらに、前記駆動部材210は磁石鋼であり、前記第1従動部材310はフォーカス用コイルであり、前記第2従動部材420は羽根駆動コイルである。前記磁石鋼は、前記フォーカス用コイルに通電した時、前記フォーカス用コイルを前記光軸に沿って移動させて、前記レンズアセンブリ支持枠300を前記光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動する。前記磁石鋼は、前記羽根駆動コイルに通電した時、前記羽根駆動コイルを前記光軸を回転軸として回転させて、前記羽根駆動枠400を前記光軸を回転軸として回転させるように駆動する。具体的には、前記フォーカス用コイルと前記羽根駆動コイルは、通電時に前記磁石鋼との間にローレンツ力を生じさせ、ローレンツ力によって前記フォーカス用コイルと前記羽根駆動コイルを移動させるように駆動する。ピント合わせと羽根の移動が必要である場合、通電するだけでよく、前記撮像モジュール1000の制御可能性を高めている。
【0036】
本実施例では、前記フォーカス用コイルは、前記レンズアセンブリ支持枠300の外縁を取り囲んで周方向に設けられている。本実施形態では、レンズアセンブリ支持枠300はリング状を呈し、フォーカス用コイルはレンズアセンブリ支持枠300の外壁に巻きつけられており、フォーカス用コイルに通電すると、フォーカス用コイルと磁石鋼の間にローレンツ力が発生し、磁石鋼がベース200に固定されているため、フォーカス用コイルがレンズアセンブリ支持枠300を移動させるように駆動する。
【0037】
さらに具体的には、前記磁石鋼は複数あり、前記複数の磁石鋼は、光軸を取り囲んで前記ベース200に間隔を置いて設置され、かつ前記ベース200の前記レンズアセンブリ支持枠300に向かう側に位置している。
【0038】
または、他の実行可能な実施例では、前記フォーカス用コイルは複数あり、複数の前記フォーカス用コイルは前記レンズアセンブリ支持枠300の周方向に沿って前記レンズアセンブリ支持枠300に間隔を置いて設置されている。例えば、前記フォーカス用コイルは4つであり、4つのフォーカス用コイルは前記レンズアセンブリ支持枠300の外周を取り囲んで等間隔に前記レンズアセンブリ支持枠300に設けられており、前記フォーカス用コイルに通電した時、4つの前記フォーカス用コイルがいずれも力を受けて前記レンズアセンブリ支持枠300を移動させるように駆動する。理解できるように、前記フォーカス用コイルは他の数、例えば2つ、3つ、またはそれ以上の複数であってもよく、好ましくは、複数の前記フォーカス用コイルが光軸を取り囲んで等間隔に前記レンズアセンブリ支持枠300に設けられる。これにより、前記レンズアセンブリ支持枠300の受ける力はより均衡的になり、撮像モジュールの安定性と信頼性を高めることができる。
【0039】
さらに、前記羽根駆動コイルは複数あり、複数の前記羽根駆動コイルは前記羽根駆動枠400の周方向に沿って前記羽根駆動枠400に間隔を置いて設置されている。同じように、前記羽根駆動コイルは4つであってもよく、かつ4つの前記羽根駆動コイルは前記羽根駆動枠400に間隔を置いて設置され、前記羽根駆動コイルに通電した時、前記羽根駆動コイルと前記磁石鋼との間にローレンツ力が発生し、4つの前記羽根駆動コイルが力を受けて前記羽根駆動枠400を、前記光軸を回転軸として回転させるように駆動する。
【0040】
なお、前記レンズアセンブリ支持枠300はローレンツ力によって光軸に沿って平行に移動するが、前記羽根駆動枠400はローレンツ力によって光軸を回転軸として回転する。これは、前記レンズアセンブリ支持枠300と前記羽根駆動枠400の受けるローレンツ力の方向が異なるからである。その原因は前記フォーカス用コイルと前記羽根駆動コイルの配置方式が異なることである。具体的には、左手の法則に基づいて判断かつ決定することができる。
【0041】
さらに、前記レンズアセンブリ支持枠300には第1フレキシブル回路基板320が設けられ、前記羽根駆動枠400には第2フレキシブル回路基板430が設けられ、前記第1フレキシブル回路基板320は前記第2フレキシブル回路基板430と電気的に接続されている。これにより、通電時に前記第1フレキシブル回路基板320と前記第2フレキシブル回路基板430に同時に通電し、ピント合わせと絞りの大きさの同期調整を実現することができる。
【0042】
再び
図3を参照すると、本実施例では、撮像モジュールのピント合わせと絞りの調整を精確に制御するように、前記レンズアセンブリ支持枠300のピント合わせ移動量と前記羽根駆動枠400の回転量の大きさを検出する必要もある。具体的には、前記レンズアセンブリ支持枠300には第1位置検出素子330が設けられ、前記第1フレキシブル回路基板320には第1センシング素子321が電気的に接続されており、前記レンズアセンブリ支持枠300が移動する時に、前記第1センシング素子321は前記第1位置検出素子330の相対位置の変化を検出することで前記レンズアセンブリ支持枠300のピント合わせ移動量を決定する。例えば、前記第1位置検出素子330は磁石であってもよく、前記第1センシング素子321はホール素子であってもよく、前記レンズアセンブリ支持枠300が前記光軸に沿って移動する時、磁石は前記レンズアセンブリ支持枠300に追従して移動するが、ホール素子の位置は相対的に固定しており、ホール素子の位置における磁場が絶えず変化し、主にホール素子を通過する磁束が絶えず変化することに反映されている。これにより、前記レンズアセンブリ支持枠300の移動量を検出することができる。
【0043】
また、前記第2フレキシブル回路基板430には第2センシング素子431が電気的に接続されており、前記羽根駆動枠400が回転する時、前記第2センシング素子431は、前記駆動部材210の相対位置を検出することで前記羽根駆動枠400の回転角度を決定する。例えば、前記駆動部材210が磁性部材(即ち、磁石鋼)である場合、前記第2センシング素子431はホール素子であってもよく、前記駆動部材210が前記羽根駆動枠400を回転させるように駆動して前記第2センシング素子431を移動させる時、前記第2センシング素子431は異なる位置で前記駆動部材210によって引き起こされた磁束の変化を検出することで、前記羽根駆動枠400の回転角度を決定する。
【0044】
さらに、前記レンズアセンブリ支持枠300には第1板バネ340と第2板バネ350が設けられており、前記第1板バネ340と前記第2板バネ350はそれぞれ前記レンズアセンブリ支持枠300の物体側表面と像側表面に固定されており、同時に、前記第1板バネ340と前記第1板バネ350はそれぞれ前記ベース200の物体側表面と像側表面にも固定されている。これにより、前記レンズアセンブリ支持枠300を前記ベース200に吊り下げて固定することができる。
【0045】
本実施例では、前記レンズアセンブリ100がピント合わせをする時に、前記羽根駆動リング500が前記レンズアセンブリ100に干渉しないようにするために、前記羽根駆動リング500を光軸に沿って可動にする必要がある。具体的には、前記羽根駆動リング500には接続アーム510が設けられており、前記羽根駆動枠400には接続溝440が設けられており、前記接続アーム510は前記光軸に沿って前記接続溝440に摺動可能に入り込んで、前記羽根駆動リング500と前記羽根駆動枠400とを係合接続する。具体的には、前記接続溝440は光軸の方向に沿って前記羽根駆動枠400を貫通しているが、前記光軸に垂直な方向に前記接続アーム510を係合保持しており、即ち、前記接続溝440は光軸に沿って延びる貫通溝である。これにより、前記羽根駆動枠400が回転する時、前記羽根駆動リング500を、光軸を回転軸として回転させるように駆動することができるとともに、前記羽根駆動リング500の前記光軸の延在方向における移動に影響しない。前記羽根駆動リング500が前記レンズアセンブリ100の外側に外嵌されているため、前記レンズアセンブリ100が前記レンズアセンブリ支持枠300の駆動によって前記光軸に沿って前記ベース200から離れた方向に移動する場合、前記鏡筒120の外縁が前記羽根駆動リング500を全方向で移動させる。この時、前記接続アーム510が前記接続溝440内で摺動する。
【0046】
選択できるように、前記接続アーム510は複数あり、前記接続溝440は複数あり、複数の前記接続アーム510と複数の前記接続溝440は1対1で対応して係合接続されている。好ましくは、前記接続アーム510を2つ設けることができ、前記羽根駆動リング500の対向する両側にそれぞれ設け、前記接続溝440を2つ設けるとともに、前記羽根駆動枠400の対向する両側にそれぞれ設けることができる。これにより、撮像モジュールの製造難易度を増やすことなく、前記羽根駆動枠400と前記羽根駆動リング500との間の安定性を高めることができる。
【0047】
図7a~
図7cを合わせて参照すると、前記羽根駆動枠400の駆動によって、前記羽根駆動リング500が回転しかつ前記複数の遮光羽根600を近接させたり分離させたりするように駆動することで、絞りの大きさの調整を実現する。ここで、
図7aは、撮像モジュール1000の前記複数の遮光羽根600が限界位置まで近接した時の状態を示す図であり、
図7bは、撮像モジュール1000の前記複数の遮光羽根600が分離する過程における状態を示す図であり、
図7cは、撮像モジュール1000の前記複数の遮光羽根600が限界位置まで分離した時の状態を示す図である。
【0048】
理解できるように、前記羽根駆動リング500、前記複数の遮光羽根600と前記羽根支持部材700はともに1つの可変絞りを構成しており、前記羽根駆動リング500が駆動されて回転する時、前記羽根駆動リング500は前記複数の遮光羽根600を動かすように駆動して当該可変絞りの口径を変化させ、ひいては当該可変絞りを通過できる光束を調整することができる。前記羽根駆動コイルに通電した時、前記羽根駆動枠400が回転することによって前記羽根駆動リング500を回転させるように駆動することができるときに、前記羽根駆動リング500が前記複数の遮光羽根600を近接させるように駆動し、前記複数の遮光羽根600によって取り囲まれた開口が小さくなり、前記撮像モジュール1000の入光量を減らし、または、前記羽根駆動リング500が前記複数の遮光羽根600を分離させるように駆動し、前記複数の遮光羽根600によって取り囲まれた開口が大きくなり、前記撮像モジュール1000の入光量を増やす。場合によって、望ましくない動作または振動の影響で前記羽根駆動枠400が回転する可能性があり、前記撮像モジュール1000の入光量に予期されない変化が生じることもある。類似した状況を回避するために、本実施例における撮像モジュール1000は、羽根保持部材450をさらに含み、前記羽根保持部材450が前記羽根駆動枠400に固定され、前記羽根保持部材450は前記駆動部材210と協働して前記羽根駆動枠400を非通電状態で初期位置に保つことに用いられる。これにより、前記羽根駆動コイルに通電しない場合、予期されない振動によって前記羽根駆動枠400が回転し、前記複数の羽根600が運動したとしても、前記羽根保持部材450と前記駆動部材210が互いに協働して前記羽根駆動枠400を初期位置に保ち、これによって、前記複数の遮光羽根600の位置を安定に保ち、前記複数の遮光羽根600で取り囲まれた開口の大きさと形状を相対的に安定させ、前記撮像モジュール1000の入光量を安定に保つことができる。
【0049】
具体的には、前記羽根保持部材450と前記駆動部材210はいずれも磁性部材であり、前記駆動部材210は前記羽根保持部材450を吸引して前記羽根駆動枠400の前記ベース200に対する角度を維持する。より具体的には、本実施例における前記駆動部材210は磁石鋼であり、前記羽根保持部材450はヨークであり、磁石鋼は磁力によってヨークを吸引することで、前記羽根駆動枠400の位置を前記ベース200に対して安定に保つようにする。非通電状態で、期待されない動作または振動によって前記羽根駆動枠400を回転させた場合、磁石鋼とヨークの吸引力によって、前記羽根駆動枠400が自動的に復帰し、前記複数の遮光羽根600が比較的安定した位置に保たれ、ひいては絞りの大きさが維持される。
【0050】
理解できるように、本実施例では、前記ベース200と前記羽根駆動枠400は前記駆動部材210と前記羽根保持部材450の間の吸引力によって光軸の延在方向における相対的な固定を実現している。具体的には、前記駆動部材210は前記羽根保持部材450を吸引しており、前記羽根保持部材450が前記羽根駆動枠400に固定されているため、前記羽根駆動枠400は前記羽根保持部材450によって駆動されて、前記ベース200に対して固定される。上記から分かるように、前記ベース200と前記羽根駆動枠400との間には複数の前記球状支持部材230が挟持されており、前記球状支持部材230は前記ベース200と前記羽根駆動枠400に対してロールすることができる。また、前記球状支持部材230の運動軌跡が前記第1収容溝220と前記第2収容溝410によって制限されるため、前記羽根駆動枠400が前記駆動部材210と前記第2従動部材420との間のローレンツ力の作用を受けた場合、前記羽根駆動枠400は、光軸に垂直な平面内で光軸を回転軸として前記ベース200に対して回転することができる。
【0051】
選択できるように、前記羽根保持部材450は複数であってもよく、かつ前記羽根駆動枠400の周方向を取り囲んで間隔を置いて設置されている。これにより、磁石鋼とヨークとの間の吸引力の作用を増やし、前記複数の遮光羽根600の位置の安定性を高めることができる。好ましくは、前記羽根保持部材450の長さは、前記駆動部材210の長さの20%以上である。これにより、各対のヨークと磁石鋼との間の吸引力を増やし、前記複数の遮光羽根600の位置の安定性を高めることができる。また、ヨークの長さを調整することで、吸引力の大きさを変え、ひいては絞りの復帰能力を変えることもできる。より好ましくは、前記羽根保持部材450が前記駆動部材210に正対している時、前記羽根保持部材450の幾何学的中心と前記駆動部材210の幾何学的中心の接続線は前記光軸に平行である。このようなヨークと磁石鋼の位置の設置方式は、他の設置方式よりも磁力の作用を効果的に利用することができる。
【0052】
前記駆動部材210と前記羽根保持部材450について、両者の磁力を利用して前記羽根駆動枠400の位置を固定することは、その効果が弾性部材(例えば、バネ)で固定することと同じであるため、前記駆動部材210と前記羽根保持部材450の寸法、形状、位置、材質を調整することで、前記駆動部材210と前記羽根保持部材450との間の相互作用力を調整することができ、弾性部材の弾性係数を調整することで前記羽根駆動枠400の振動や手振れ時の復帰能力を変えることと類似している。
【0053】
理解できるように。本実施例では、前記撮像モジュール1000の製造難易度とテスト難易度を低減するために、前記駆動部材210に使われた磁石鋼は、例えば大きさ、形状、材質などの仕様が全く同じ磁石鋼であってもよい。前記第1従動部材310が複数の場合、前記第1従動部材310に使われたフォーカス用コイルは、全く同じ仕様のコイルを使ってもよい。前記第2従動部材420に使われた羽根駆動コイルは、全く同じ仕様のコイルであってもよく、かつ、前記第1従動部材310が複数の場合、前記第1従動部材310と前記第2従動部材420は全く同じ仕様のコイルであってもよい。前記羽根保持部材450に使われたヨークは、全く同じ仕様のヨークであってもよい。場合によって、前記駆動部材210に異なる磁石鋼を使用する必要がある場合、その仕様、数及び位置の配置は当業者が力を受ける状況に応じて調整することができる。前記第1従動部材310、前記第2従動部材420及び前記羽根保持部材450も同様であるため、ここでは繰り返して説明する必要がない。
【0054】
さらに、前記駆動部材210の位置安定性を高めるために、前記ベース200には、数量と輪郭が前記駆動部材210に対応する凹溝を設け、そして、前記駆動部材210を凹溝に1対1で対応して設け、凹溝の内壁を利用して前記駆動部材210をリミットかつ固定し、かつ接着剤接続の方式で前記駆動部材210と前記ベース200との接続強度を強化してもよい。第1従動部材310の場合、前記第1従動部材310が前記レンズアセンブリ支持枠300の外周を取り囲むように設けられたフォーカス用コイルである場合、前記レンズアセンブリ支持枠300の外縁には、周方向に延びる凹溝を設け、そして前記第1従動部材310を周方向に延びる凹溝に設けることができる。前記第1従動部材310は光軸を取り囲んで前記レンズアセンブリ支持枠300に間隔を置いて設置された複数のフォーカス用コイルである場合、前記レンズアセンブリ支持枠300には、数量と輪郭が前記複数のフォーカス用コイルに対応する凹溝を複数設け、そして前記第1従動部材310を凹溝に1対1で対応して設け、凹溝の内壁を利用して前記第1従動部材310をリミットかつ固定してもよい。第2従動部材420の場合、前記羽根駆動枠400に、数量と輪郭が前記第2従動部材420に対応する凹溝を設け、そして前記第2従動部材420を凹溝に1対1で対応して設け、凹溝の内壁を利用して前記第2従動部材420をリミットかつ固定することができる。前記羽根保持部材450は、前記第2従動部材420と同じ配置を採用することができる。また、一般的に、前記羽根保持部材450の寸法が第2従動部材420より小さい。したがって、前記第2従動部材420を取り付けるための凹溝の内壁に、前記羽根保持部材450を取り付けるための凹溝をもう一つ開設することができる。これにより、前記第2従動部材420と前記羽根保持部材450の取付ニーズを満たしながら、前記第2従動部材420を利用して前記羽根保持部材450をリミットし、前羽根保持部材450の前記羽根駆動枠400から離脱することを防ぐことができる。
【0055】
他の実行可能な実施例では、ヨークは磁性流体に置き換えられることもできる。その原理はヨーク使用時と同じであるため、ここでは繰り返して説明する必要がない。
【0056】
図8~
図10を合わせて参照すると、本実施例では、前記羽根駆動リング500には複数の貫通溝520が設けられ、前記複数の貫通溝520は前記羽根駆動リング500の周方向に沿って間隔を置いて設置されている。各前記貫通溝520は、前記羽根駆動リング500の外縁から内縁に延びており、かつ各前記貫通溝520の延在方向と前記羽根駆動リング500の径方向とが挟角を成している。前記複数の遮光羽根600はいずれも弧形シート状を呈し、前記複数の遮光羽根600の一端には、いずれもガイド部610が設けられ、前記ガイド部610は前記遮光羽根600の像側表面に位置し、前記複数の遮光羽根600の前記ガイド部610が前記貫通溝520に1対1で対応しかつ摺動可能に入り込んでいる。これにより、前記羽根駆動リング500が回転する時、前記ガイド部610が前記貫通溝520の内壁に制限されて前記貫通溝520に沿って摺動するように移動し、前記複数の遮光羽根600で取り囲まれた開口の大きさと形状が変化するようになり、ひいては前記撮像モジュール1000の入光量を変えることができる。
【0057】
さらに、前記複数の貫通溝520の内壁の前記光軸に近い位置には、いずれもストッパー部521が設けられ、前記ストッパー部521は前記ガイド部610の移動範囲を制限することに用いられる。実際には、前記ストッパー部521は、前記貫通溝520の前記光軸に近い位置における寸法を減らすことができ、前記ガイド部610が前記ストッパー部521に移動した時、前記ストッパー部521によって遮断され、前記ガイド部610が前記貫通溝520から離脱しない。また、ガイド部610が前記貫通溝520内でしか摺動できないように、前記貫通溝520の前記光軸から離れた位置にもストッパー部521を設けることができる。
【0058】
選択できるように、前記ガイド部610は、前記遮光羽根600の表面から突出した突起であってもよく、突起の具体的な形状と大きさは、実際に応じて設定されることができる。抵抗の影響を考慮すると、好ましくは、前記ガイド部610は円柱状構造である。他の実行可能な実施例では、前記ガイド部610は他の形状に適当に調整されることもできる。
【0059】
図11を合わせて参照すると、本実施例では、前記羽根支持部材700の周方向に沿って、複数の位置決め穴710が間隔を置いて設置されており、前記複数の遮光羽根600の他端にはいずれも位置決め部620が設けられており、前記位置決め部620は前記遮光羽根600の物体側表面に位置し、前記複数の遮光羽根600の前記位置決め部620は前記位置決め穴710に1対1で対応しかつ回転可能に入り込んでいる。即ち、各前記遮光羽根600の物体側表面に前記位置決め部620が設けられ、前記位置決め部620は前記位置決め穴710に回転可能に入り込み、前記羽根駆動リング500が回転すると、前記貫通溝520の内壁がガイド部610に付勢し、前記遮光羽根600を移動させるように駆動する。前記遮光羽根600の他端は前記位置決め部620を介して前記羽根支持部材700に制限されているが、依然として回転可能である。これにより、前記複数の遮光羽根600は、それぞれの対応する前記位置決め穴710の軸線を回転軸として回転して、近接したり、分離したりすることで、絞りの大きさの変化を実現している。
【0060】
本実施例では、前記羽根駆動リング500は円環状であり、前記遮光羽根600は弧形シート状を呈し、前記遮光羽根の長さは、前記羽根駆動リングの周長の30%~60%である。これにより、前記遮光羽根600は軽量を維持したまま、十分な長さを有し、異なる前記遮光羽根600の運動中の相互干渉を避けることができる。本実施例における前記複数の遮光羽根600は、順次積層されて円環状として囲まれており、具体的には、1番目の前記遮光羽根600の前記ガイド部610は1つの前記貫通溝520に入り込み、他端の前記位置決め部620は前記位置決め穴710に入り込み、2番目の前記遮光羽根600の前記ガイド部610が設けられた一端の物体側表面は、1番目の前記遮光羽根600の前記位置決め部710が設けられた一端の像側表面に密着し、かつ2番目の前記遮光羽根600の前記ガイド部610がもう1つの前記貫通溝520に入り込み、2番目の前記遮光羽根600の前記位置決め部620がもう1つの別の位置決め穴710に入り込んでいる。このように類推すると、すべての前記遮光羽根600が1つの円環を取り囲むように形成している。
【0061】
さらに、前記遮光羽根600の前記光軸に垂直な平面での正投影面積を第1面積とし、前記遮光羽根600の前記光軸から離れた縁を弧とする扇形の前記光軸に垂直な平面での正投影面積を第2面積とし、前記第1面積は前記第2面積の40%~70%である。これにより、前記複数の遮光羽根600の重量が軽いようになり、異なる前記遮光羽根600間の干渉を避けることもできる。
【0062】
選択できるように、前記遮光羽根600の数は実際の需要に応じて調整することができる。一般的に、前記遮光羽根600の数が多いほど、これらの前記遮光羽根600で取り囲まれた開口は円形に近くなる。撮像モジュールの重量と製造コストを考慮して、前記遮光羽根600の数は、5つ~7つに設定されることができる。
【0063】
再び
図4及び
図5を参照すると、本実施例では、前記羽根支持部材700は第1中央貫通穴720を有する凹溝状であり、前記羽根支持部材700の凹溝開口は前記レンズアセンブリ支持枠300に向かっており、この凹溝開口を取り囲んだ前記羽根支持部材700のエッジには1つの駆動リングプラテン730が固定設置されており、前記駆動リングプラテン730と前記羽根支持部材700とは羽根チャンバー740を取り囲むように形成し、前記羽根駆動リング500と前記複数の遮光羽根600はいずれも前記羽根チャンバー740内に位置し、前記駆動リングプラテン730は、前記羽根駆動リング500の光軸方向における位置を制限し、前記羽根駆動リング500と前記レンズアセンブリ100とが干渉して前記羽根駆動リング500の回転を妨害することを防ぐことに用いられる。
【0064】
本実施例では、前記駆動部材210、前記第1従動部材310及び前記レンズアセンブリ支持枠300は、フォーカス機構を構成することができ、前記駆動部材210、前記第2従動部材420、前記羽根駆動枠400、前記羽根駆動リング500及び前記羽根支持部材700は、羽根駆動機構を構成することができる。ここで、フォーカス機構と羽根駆動機構の駆動源はいずれも前記駆動部材210である。
【0065】
本実施例では、撮像モジュール1000は、収容空間を有するハウジング800をさらに含み、前記ベース200、前記レンズアセンブリ支持枠300および前記羽根駆動枠400は前記収容空間内に位置している。前記ハウジング800は第2中央貫通穴810を有し、前記第2中央貫通穴810は前記羽根駆動リング500、前記複数の遮光羽根600及び前記羽根支持部材700を露出させることに用いられる。前記ハウジング800は磁性材料から作られ、フォーカス用コイル、羽根駆動コイル、磁石鋼を閉磁路に閉じ込め、全体の磁性を高めることができる。
【0066】
本発明の別の実施例は、撮像モジュール1000に関し、
図12に示すように、本実施例における撮像モジュール1000は上記の実施例とほぼ同じであるが、その主な区別は、本実施例における撮像モジュール1000は、手振れ補正機構900と、前記手振れ補正機構900に設けられたセンサアセンブリ910と、をさらに含み、前記手振れ補正機構900が前記ベース200の像側に位置し、前記手振れ補正機構900が前記センサアセンブリ910を駆動して手振れ補正を実現することに用いられる。
【0067】
上記の実施例と比べて、本実施例は、前記光軸方向にピント合わせを実現し、前記複数の遮光羽根600によって絞り調整を実現することに加えて、前記手振れ補正機構900を利用して光軸に垂直な方向に前記センサアセンブリ910を手振れ補正することもでき、撮像モジュール1000の撮影効果をより高めることができる。また、前記手振れ補正機構900の前記センサアセンブリ910に対する駆動と前記駆動部材210の前記レンズアセンブリ100に対する駆動が互いに独立しているため、前記駆動部材210のピント合わせと絞りに対する駆動による変化は前記手振れ補正機構900の手振れ補正に対する駆動に影響しない。言い換えれば、前記手振れ補正機構900の前記センサアセンブリ910に対する手振れ補正は前記駆動部材210の駆動にも影響しない。これにより、前記撮像モジュール1000の性能評価では、前記フォーカス機構、前記羽根駆動機構および前記手振れ補正機構900のそれぞれの性能を独立してテストすることができ、前記撮像モジュール1000のテスト難易度を下げることができる。本発明における前記撮像モジュール1000は、構造の簡素化により、信頼性を高めていると同時に、部品の配置について改善しており、故障率を低減している。
【0068】
図15を合わせて参照すると、具体的には、前記撮像モジュール1000は、さらに底部ケース820を含み、前記底部ケース820は、前記ハウジング800と合わせて、前記レンズアセンブリ100、フォーカス機構、羽根駆動機構及び手振れ補正機構900を取り囲んで固定している。好ましくは、前記底部ケース820は、磁性材料で作られてもよい。
【0069】
本実施例では、前記手振れ補正機構900は、手振れ補正ベース920と、可動ホルダ930と、を含み、前記可動ホルダ930が前記手振れ補正ベース920の物体側に位置し、かつ、前記手振れ補正ベース920に対して光軸に垂直な方向に可動であり、前記センサアセンブリ910が前記可動ホルダ930に固定されている。これにより、前記可動ホルダ930を運動させることにより前記センサアセンブリ910を運動させるように駆動し、前記撮像モジュール1000の手振れ補正機能を実現している。
【0070】
具体的には、前記手振れ補正ベース920には、光軸を取り囲んで間隔を置いて設置された複数の手振れ補正用磁石鋼921が設けられ、前記可動ホルダ930には、光軸を取り囲んで間隔を置いて設置された複数の固定用ヨーク931が設けられ、前記手振れ補正ベース920と前記可動ホルダ930との間に少なくとも3つのボール933が挟設され、前記手振れ補正用磁石鋼921と前記固定用ヨーク931とが互いに吸引して、前記手振れ補正ベース920と前記可動ホルダ930とを互いに接近させて、すべての前記ボール933をクランプする。前記ボール933は球状を呈しているため、前記ボール933がロールする時、前記可動ホルダ930は前記手振れ補正ベース920に対して可動である。
【0071】
より具体的には、前記手振れ補正ベース920には、複数の第1収納溝922が設けられ、前記可動ホルダ930には複数の第2収納溝(図示せず)が設けられ、複数の前記ボール933が前記複数の第1収納溝922と1対1で対応し、かつ前記第1収納溝922の中に位置し、前記複数の第2収納溝が前記複数の第1収納溝922と1対1で対応している。収納溝を利用して前記ボール933を収納することにより、前記ボール933の運動範囲を制限し、前記ボール933の脱落を防ぎ、前記撮像モジュール1000の安定性を高めることができる。
【0072】
本実施例では、各前記第1収納溝922には第1スペーサ922aが設けられ、各前記第2収納溝に第2スペーサ932aが設けられている。前記第1スペーサ922aと前記第2スペーサ932aはいずれも前記ボール933を支持することに用いられる。
【0073】
本実施例では、前記手振れ補正機構900は、前記可動ホルダ930に固定されたコイルホルダ940を含み、前記コイルホルダ940には、光軸を取り囲んで間隔を置いて設置された複数の手振れ補正用コイル(図示せず)が設けられ、前記複数の手振れ補正用コイルが前記複数の手振れ補正用磁石鋼921と1対1で対応し、かつ対向して設置されている。前記手振れ補正用コイルは、通電時に前記手振れ補正用磁石鋼922との間にローレンツ磁力を生じさせることにより、前記コイルホルダ940を光軸に垂直な方向に移動させ、前記可動ホルダ930を同期運動させるように駆動し、前記可動ホルダ930が運動するときに、前記センサアセンブリ910が前記可動ホルダ930に追従して運動し、これにより、前記撮像モジュール1000の手振れ補正を実現している。
【0074】
つまり、前記手振れ補正ベース920と前記可動ホルダ930は、前記手振れ補正用磁石鋼921と前記固定用ヨーク931との間の吸引力によって光軸の延在方向に相対的に固定され、前記ボール933は、前記第1収納溝922と前記収容溝の中でロールすることができ、即ち、前記ボール933が前記手振れ補正ベース920と前記可動ホルダ930に対してロールすることができ、前記可動ホルダ930が手振れ補正用磁石鋼921と前記手振れ補正用コイルとの間のローレンツ力の作用を受けた時、前記可動ホルダ930が光軸に垂直な平面内で前記手振れ補正ベース920に対して移動するようになる。これにより、前記センサアセンブリ910が光軸に垂直な平面内で移動でき、ひいては手振れ補正を実現する。
【0075】
具体的には、本実施例では、前記撮像モジュール1000は、回路基板950を通じて前記複数の手振れ補正用コイルに給電する。
【0076】
本実施例では、前記手振れ補正ベース920に取付穴923が設けられ、前記取付穴923内にダンピング部材923aが設けられ、前記ダンピング部材923aは、前記取付穴923を貫通してそれぞれ前記底部ケース820と前記センサアセンブリ910に接触し、より具体的には、前記底部ケース820と前記センサアセンブリ910は前記ダンピング部材923aを挟持して、前記ダンピング部材923aをわずかに変形させている。これにより、前記ダンピング部材923aは、前記センサアセンブリ910の移動時に抵抗を与え、前記センサアセンブリ910の運動速度が遅くなり、手振れ補正中の前記センサアセンブリ910の速過ぎた移動による余分な振動を避けることができる。
【0077】
例示的に、本実施例では、前記取付穴923と前記ダンピング部材923aの数は4つであり、かついずれも光軸を取り囲んで間隔を置いて設置されている。ここで、前記ダンピング部材923aはゴムで作られている。理解できるように、前記取付穴923と前記ダンピング部材923aは他の数に設定されることができ、前記ダンピング部材923aはシリカゲル材質または他の一定の弾性を有し、摩擦抵抗を提供できる材質で作られてもよい。
【0078】
本発明の別の実施例では、カメラ本体と、上記の2つの実施例のいずれか一方のような撮像モジュールと、を備え、前記撮像モジュールが前記カメラ本体に設けられているカメラを提供する。
【0079】
本発明の別の実施例では、機器本体と、上記の2つの実施例のいずれか一方のような撮像モジュールと、を備え、前記撮像モジュールが前記機器本体に設けられている電子機器を提供する。
【0080】
理解できるように、本実施例における電子機器は、スマホ、タブレット、ノートパソコン、スマートウォッチなどの携帯端末であってもよい。
【0081】
以上、本発明の実施形態に係る撮像モジュール、カメラ及び電子機器について詳しく説明したが、本明細書では、具体的な例を使用して本発明の原理及び実施形態を述べたが、以上の実施形態の説明は本発明の構想に対する理解を助けるためのものだけであり、実施形態及び応用範囲は、いずれも変更されることがある。以上により、本明細書の内容は、本発明を限定するものとして理解してはならない。
【要約】
【課題】本発明の実施例は、撮像装置の技術分野に関し、撮像モジュールを開示する。
【解決手段】ベースに駆動部材が設けられており、駆動部材がレンズアセンブリ支持枠を、光軸に沿ってピント合わせ移動させるように駆動し、駆動部材が羽根駆動枠を光軸を回転軸として回転させるように駆動することにも用いられ、羽根駆動枠が回転する時に羽根駆動リングを同期に回転させるように駆動し、羽根駆動リングが複数の遮光羽根を近接させたり、分離させたりするように駆動し、これによって、遮光羽根で囲まれた開口の大きさに対する調整を実現する。つまり、遮光羽根とレンズアセンブリのフォーカスを駆動する駆動部材は同じものである。これにより、撮像モジュールの部品点数を減らし、ひいては前記撮像モジュールの体積と重量を減らし、前記撮像モジュールにおけるフォーカス用機構と遮光羽根を駆動する動力機構との干渉を避けることができる。本発明の実施例には、カメラ及び電子機器がさらに開示される。
【選択図】
図3