(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】電気自動車用充電ステーションの識別方法
(51)【国際特許分類】
B60L 53/68 20190101AFI20240122BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240122BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240122BHJP
G06F 21/44 20130101ALI20240122BHJP
B60L 53/14 20190101ALN20240122BHJP
【FI】
B60L53/68
H02J7/00 P
G06Q50/10
G06F21/44
B60L53/14
(21)【出願番号】P 2023504788
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 FI2021050840
(87)【国際公開番号】W WO2022117924
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-01-24
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520154346
【氏名又は名称】リイケンネヴィルタ オイ / ヴィルタ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】アハティカリ ユッシ
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-149707(JP,A)
【文献】特開2013-125334(JP,A)
【文献】特表2014-523579(JP,A)
【文献】特開2014-153884(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0289463(US,A1)
【文献】特開2016-007036(JP,A)
【文献】特開2015-057725(JP,A)
【文献】特開2019-180227(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0129349(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
G06F 21/44
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスによって実行される方法であって、
電気自動車充電ステーションのモデルに関連する情報を前記電気自動車充電ステーションとの確立された接続に応答して、取得するステップと、
前記電気自動車充電ステーションの前記モデルの1つ以上の構成キーの個別セットを取得するために、前記電気自動車充電ステーションにメッセージを送信するステップであって、前記1つ以上の構成キーが公知でないように、前記1つ以上の構成キーがリクエストを通じてアクセスできるように構成される、ステップと、
前記モデル及び前記1つ以上の構成キーに関連する前記情報に基づいて、前記電気自動車充電ステーションの第一の識別子を生成するステップと、
前記第一の識別子を格納された第一の参照識別子と比較するステップであって、前記第一の参照識別子は、前記電気自動車充電ステーションと同じモデルに関連する情報に基づく、ステップと、
前記第一の識別子と前記第一の参照識別子とが一致する場合、認証が成功したと判断するステップと、
前記一致に基づいて、前記電気自動車充電ステーションを認証するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記電気自動車充電ステーションの前記モデルに関連する前記情報は、前記電気自動車充電ステーションのベンダー、モデル及びファームウェアバージョンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記認証に失敗したとき、前記電気自動車充電ステーションに関連するデータを隔離するステップであって、前記データが他のデータ及び操作から除外される、ステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
管理者からの認証に応答して、前記データを隔離から解放するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電気自動車充電ステーションの更新されたファームウェアバージョンに基づいて、前記第一の参照識別子を更新するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記電気自動車充電ステーションのIDを取得するステップと、
前記電気自動車充電ステーションの接続に関連する識別子を取得するステップと、
前記第一の識別子、前記電気自動車充電ステーションの前記ID、及び前記接続に関連する前記識別子に基づいて、前記電気自動車充電ステーションの第二の識別子を生成するステップと、
前記第二の識別子を、前記電気自動車充電ステーションに関連する第二の参照識別子と比較するステップと、
をさらに含み、
前記第二の識別子が前記第二の参照識別子と一致するとき、前記電気自動車充電ステーションは認証に成功する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第二の参照識別子は、前記電気自動車充電ステーションのために生成された以前の第二の識別子に基づいて、前記電気自動車充電ステーションとの新しい接続が確立されるたびに、新しい第二の識別子が生成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第二の識別子に基づく認証に失敗したことに応答して、アラートを送信するステップ
をさらに含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記接続に関連する前記識別子は、カード加入者識別モジュールの集積回路カード識別子又は前記電気自動車充電ステーションのインターネットプロトコルアドレスのうちの少なくとも1つを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記第一の識別子又は前記第二の識別子の少なくとも一方は、前記第一の識別子又は前記第二の識別子を生成するために取得した前記情報を文字列に結合し、前記文字列に基づいて暗号ハッシュを作成することによって生成される、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、
を備える、コンピューティングデバイスであって、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記コンピューティングデバイスに、
電気自動車充電ステーションのモデルに関連する情報を前記電気自動車充電ステーションとの確立された接続に応答して、取得するステップと、
前記電気自動車充電ステーションの前記モデルの1つ以上の構成キーの個別セットを取得するために、前記電気自動車充電ステーションにメッセージを送信するステップであって、前記1つ以上の構成キーが公知でないように、前記1つ以上の構成キーがリクエストを通じてアクセスできるように構成される、ステップと、
前記モデル及び前記1つ以上の構成キーに関連する前記情報に基づいて、前記電気自動車充電ステーションの第一の識別子を生成するステップと、
前記第一の識別子を格納された第一の参照識別子と比較するステップであって、前記第一の参照識別子は、前記電気自動車充電ステーションと同じモデルに関連する情報に基づく、ステップと、
前記第一の識別子と前記第一の参照識別子とが一致する場合、認証が成功したと判断するステップと、
前記一致に基づいて、前記電気自動車充電ステーションを認証するステップと、
を行わせるように構成される、コンピューティングデバイス。
【請求項12】
プログラムがコンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに請求項1に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項13】
コンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに請求項1に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な例示的な実施形態は、一般に、電気自動車充電ステーションの分野に関する。特に、いくつかの例示的な実施形態は、電気車両充電ステーションの識別のための安全な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車充電ステーションは、電気カー等の電気自動車(EV)を充電するために使用される。EV充電ステーションは、オープン充電ポイントプロトコル(OCPP)を有する充電ポイント管理システム(CPMS)等、中央管理デバイスに接続されることがある。EV充電ステーションがCPMSに接続するとき、EV充電ステーションは、EV充電ステーションのベンダーとモデルとともに、接続メッセージの中にEV充電ステーションの個々のID(identity)を送信することができる。しかしながら、EV充電ステーションの情報は、誰でも簡単に入手できる可能性があり、身元確認が安全性に欠ける。
【発明の概要】
【0003】
この概要は、詳細な説明において以下でさらに説明される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することも、特許請求される主題の範囲を制限するために使用することも意図していない。
【0004】
本開示の目的は、信頼性の高い方法で電気自動車充電ステーションを識別することである。少なくとも1つの識別子が電気自動車充電ステーションのために生成されてもよく、識別子に使用される情報は、公に利用可能でなくてもよい。識別子は、格納されている参照識別子と比較され、生成された識別子が有効であるかどうかを判断してもよい。比較に基づいて、電気自動車充電ステーションの通常の動作を許可してもよく、あるいは1つ以上のセキュリティ動作を開始してもよい。この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。いくつかの実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0005】
第一の態様によれば、方法が提供される。本方法は、電気自動車充電ステーションのモデルに関連する情報を電気自動車充電ステーションとの確立された接続に応答して、取得するステップと、電気自動車充電ステーションの構成データを取得するために、電気自動車充電ステーションにメッセージを送信するステップと、モデル及び構成データに関連する情報に基づいて、電気自動車充電ステーションの第一の識別子を生成するステップと、第一の識別子に基づいて、電気自動車充電ステーションを認証するステップと、を含んでもよい。
【0006】
一実施形態によれば、電気自動車充電ステーションのモデルに関連する情報は、電気自動車充電ステーションのベンダー、モデル、及びファームウェアバージョンを含んでもよい。
【0007】
一実施形態によれば、追加又は代替として、構成データは、1つ以上の構成キーを備えてもよい。
【0008】
一実施形態によれば、追加又は代替として、本方法は、第一の識別子を記憶された第一の参照識別子と比較するステップであって、第一の参照識別子は、電気自動車充電ステーションと同じモデルに関連する情報に基づく、ステップと、第一の識別子と第一の参照識別子とが一致する場合、認証が成功したと判断するステップと、をさらに含んでもよい。
【0009】
一実施形態によれば、追加又は代替として、本方法は、認証に失敗したときに、電気自動車充電ステーションに関連するデータを隔離するステップをさらに含んでもよく、このデータは、他のデータ及び操作から除外される。
【0010】
一実施形態によれば、追加又は代替として、本方法は、管理者からの検証に応答して、データを隔離から解放するステップを含んでもよい。
【0011】
一実施形態によれば、追加又は代替として、本方法は、電気自動車充電ステーションの更新されたファームウェアバージョンに基づいて、第一の参照識別子を更新するステップを含んでもよい。
【0012】
一実施形態によれば、追加又は代替として、本方法は、電気自動車充電ステーションのIDを取得するステップと、電気自動車充電ステーションのIDに関連する識別子を取得するステップと、第一の識別子、電気自動車充電ステーションのID、及び接続に関連する識別子に基づいて、電気自動車充電ステーションの第二の識別子を生成するステップと、第二の識別子を、電気自動車充電ステーションに関連する第二の参照識別子と比較するステップと、をさらに含み、第二の識別子が第二の参照識別子と一致するとき、電気自動車充電ステーションは認証に成功する。
【0013】
一実施形態によれば、追加又は代替として、第二の参照識別子は、電気自動車充電ステーションのために生成された以前の第二の識別子に基づいてもよく、電気自動車充電ステーションとの新しい接続が確立されるたびに、新しい第二の識別子が生成される。
【0014】
一実施形態によれば、追加又は代替として、本方法は、第二の識別子に基づく認証が失敗したことに応答して、アラートを送信するステップを含んでもよい。
【0015】
一実施形態によれば、追加又は代替として、接続に関連する識別子は、カード加入者識別モジュールの集積回路カード識別子又は電気自動車充電ステーションのインターネットプロトコルアドレスのうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0016】
一実施形態によれば、追加又は代替として、第一の識別子又は第二の識別子の少なくとも一方は、第一の識別子又は第二の識別子を生成するために取得した情報を文字列に結合し、その文字列に基づいて暗号ハッシュを作成することによって生成されてもよい。
【0017】
第二の態様によれば、コンピューティングデバイスが提供される。コンピューティングデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備えてもよく、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、コンピューティングデバイスに、電気自動車充電ステーションのモデルに関連する情報を電気自動車充電ステーションとの確立された接続に応答して、取得するステップと、電気自動車充電ステーションの構成データを取得するために、電気自動車充電ステーションにメッセージを送信するステップと、モデル及び構成データに関連する情報に基づいて、電気自動車充電ステーションの第一の識別子を生成するステップと、第一の識別子に基づいて、電気自動車充電ステーションを認証するステップと、を行わせるように構成される。コンピューティングデバイスは、第一の態様の任意の実施形態を実装するように、さらに構成されてもよい。
【0018】
第三の態様によれば、プログラムがコンピュータによって実行されるとき、コンピュータに第二の態様の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0019】
第四の態様によれば、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータに第二の態様の方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体が提供される。
【0020】
付随する特徴の多くは、添付の図面と関連して考慮される以下の詳細な説明を参照することによって、よりよく理解されるようになり、より容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
添付図面は、例示的な実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書の一部を構成するものであり、例示的な実施形態を示し、説明とともに例示的な実施形態を明確にするのに役立つ。
【0022】
【
図1】例示的な実施形態に従う充電管理システムの一例を示す。
【
図2】例示的な実施形態に従って、1つ以上の例示的な実施形態を実施するように構成されたコンピューティングデバイスの一例を示す。
【
図3】例示的な実施形態に従って、第一の識別子に基づいて電気自動車充電ステーションを識別するための方法の一例を示す。
【
図4】例示的な実施形態に従って、電気自動車充電ステーションを識別するための方法のデータモデルの一例を示す。
【
図5】例示的な実施形態に従って、電気自動車充電ステーションの第一の識別子に基づくセキュリティ手順の一例を示す。
【
図6】例示的な実施形態に従って、第二の識別子及び関連するセキュリティ手順に基づいて電気自動車充電ステーションを識別するための方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、例示的な実施形態について詳細に参照し、その実施例は、添付の図面に示されている。添付の図面に関連して以下で提供される詳細な説明は、本実施例の説明として意図されており、本実施例が構築又は利用され得る唯一の形態を表すことを意図していない。本説明は、本実施例の機能及び本実施例を構築し操作するための操作のシーケンスを明らかにするものである。しかしながら、同じ又は同等の機能及びシーケンスは、異なる実施例によって達成され得る。
【0024】
OCPPには、設計上、セキュリティ上の欠陥がある可能性がある。セキュリティ問題の一つは、CPMSがEV充電ステーションからメッセージを受け取ったとき、CPMSは、そのEV充電ステーションが本当に当ステーションであるのかどうかを判断する手段を有していない可能性があることである。誰でもCPMSに、あるIDを有するEV充電ステーションを名乗ってメッセージを送ることができるかもしれない。CPMSは、そのメッセージが本当にそのIDに関連するEV充電ステーションから来たものかどうか、知る手段を有しないことがある。OCPPの新バージョンでは、プロトコルレベルでの認証を提供し得るが、認証方法はオプションであり、ほとんどのEV充電ステーションが対応していない可能性がある。OCPPのプロトコルレベルでは、技術的にどのような認証も提供しないEV充電ステーションが数万ヵ所存在する可能性がある。したがって、OCPPプロトコルの認証機能を用いても、セキュリティの問題を解決できないことがある。
【0025】
本開示の目的は、メッセージが本当に特定の充電ステーションから来ているかどうかを検証するための方法を提供することである。この方法は、あらゆるEV充電ステーションの認証に使用することができる。古いEV充電ステーションは、OCPPによって提供される認証をサポートしていないこともあるが、これも安全に識別することができる。
【0026】
例示的な実施形態によれば、EV充電ステーションに対して「技術的指紋」を生成し、特定のEV充電ステーションが当ステーションであるかどうかを識別することができる。技術的指紋は、異なるEV充電ステーション及びEV充電ステーションモデルの個々の特性であるが、公知でない特性に基づく識別子として作成されてもよい。2つのタイプの識別子のうち少なくとも1つを使用してもよい。第一の識別子は、EV充電ステーションのモデルに基づいてもよい。第二の識別子は、EV充電ステーションの個々の特性に基づいてもよい。
【0027】
第一の識別子は、各EV充電ステーションのモデルが、例えば、リクエストによって、アクセス可能な構成キーの個別セットを有するという事実に基づいてもよい。構成キーは、公知でないことがある。さらに、構成キーは、単なるベンダー情報及びモデル情報よりも偽造が困難なこともある。第一の識別子は、EV充電ステーションの技術的なファームウェアバージョン名に、さらに基づいてもよく、これも公知でない場合がある。一実施形態において、EV充電ステーションの第一の識別子は、例えば、EV充電ステーションのベンダー、モデル、1つ以上の構成キー及び/又はファームウェアバージョンに基づいて作成されてもよい。EV充電ステーションの第一の識別子は、同じモデルの他のEV充電ステーションの第一の識別子と比較して、メッセージが偽のEV充電ステーションから来ているか本物のEV充電ステーションから来ているかを判断することができる。同じモデルのEV充電ステーションを認証するために、第一の参照識別子が格納されてもよい。
【0028】
図1は、例示的な実施形態に従う充電管理システム100の一例を示す。充電管理システム100は、少なくとも1つのEV充電ステーション102と、コンピューティングデバイス104とを備えてもよい。コンピューティングデバイス104は、サーバ等の単一のデバイスであってもよいし、あるいは分散され得る複数のデバイスを備えてもよい。EV充電ステーション102とコンピューティングデバイス104は、例えば、データ接続を用いて、通信可能に結合されるように構成されてもよい。EV充電ステーションとコンピューティングデバイスとの間の接続は、例えば、エンドポイントアドレスに基づいて確立されてもよい。エンドポイントアドレスは、EV充電ステーションが接続しているコンピューティングデバイスが提供するウェブソケット又はSOAP(シンプル・オブジェクト・アクセス・プロトコル)サービスに基づいてもよい。コンピューティングデバイス104は、1つ以上の電気自動車充電ステーション102を管理及び監視するように構成されてもよい。コンピューティングデバイス104は、EV充電ステーションデータを格納するローカルメモリ114を含んでいてもよい。EV充電ステーションデータは、EV充電ステーション102に関連する情報、例えば、特定のEV充電ステーションに関連するベンダー、モデル、使用状況、ID、位置、及び課金情報等を含んでもよい。コンピューティングデバイス104は、EV充電ステーション102及び他のデバイスとコンピューティングデバイス104との間で通信するためのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)112を備えてもよい。
【0029】
EV充電ステーション102は、コンピューティングデバイス104との接続を開始すると、特定のEV充電ステーション102に関連する情報、例えば、EV充電ステーション102のベンダー、モデル及びID等を含むリクエスト108を送信してもよい。コンピューティングデバイス104は、リクエスト108を承認しても、拒否してもよい。リクエストを承認した後、EV充電ステーション102は、コンピューティングデバイス104との通信を継続してもよい。通信は、例えば、充電トランザクション、すなわち、電気自動車がEV充電ステーションで充電を開始すること及び/又は充電イベントに対してユーザに課金することの許可を含んでいてもよい。
【0030】
しかしながら、誰かがEV充電ステーションのID、モデル、ベンダーを知っていれば、攻撃を単純に行うことができ、そこで、本物のEV充電ステーション102を装って、多くの無効なデータをコンピューティングデバイスに簡単に送信することができる。例えば、攻撃者がEV充電ステーション用の新しい偽のIDを作成し、市場から公知のモデル名の1つを取り出し、コンピューティングデバイス104に偽のメッセージを送信し始める。例えば、偽のEV充電ステーション106は、本物のEV充電ステーション102のリクエスト108と同じ情報を含む同一のリクエスト108を送信することができる。コンピューティングデバイスが偽の情報に基づいて偽のEV充電ステーション106を承認する場合、偽のEV充電ステーション106は、例えば、EV充電ステーションで充電する電気自動車に関する偽の情報を有し得る偽のメッセージを送信し続け、偽の金銭取引を生成することができる。
【0031】
一実施形態において、コンピューティングデバイス104は、例えば、リクエスト108に応答して、構成キーのためにEV充電ステーション102、106にリクエスト116を送信するように構成されてもよい。構成キーは、EV充電ステーションによって提供される機能性に関連付けられ、キーによって構成されてもよい。コンピューティングデバイス104は、構成キー及び関連する値を読み取ること、及び/又は変更することが可能であってもよい。コンピューティングデバイス104は、EV充電ステーション102から受信した構成キーに基づいて、EV充電ステーション102に関連する第一の識別子を計算するように構成されてもよい。第一の識別子は、第一の参照識別子と比較されてもよい。第一の参照識別子は、ローカルメモリ114に格納されてもよい。比較に基づいて、EV充電ステーション102の正常な動作が許可されてもよい。コンピューティングデバイス104とEV充電ステーション102との間の正常な通信によって、例えば、充電トランザクション110及びデータ交換を可能にし続けることができる。
【0032】
コンピューティングデバイス104からのリクエスト116に基づいて、偽EV充電ステーション106は、応答に失敗するか、あるいは認証のための有効な構成キーを提供することに失敗するかのいずれかであり得る。認証が失敗したことに応答して、偽のEV充電ステーション106、又は有効な第一の識別子を有さない任意のEV充電ステーションは、コンピューティングデバイス104によって拒否される場合がある。拒否されたEV充電ステーションは、正常に識別されるまで、コンピューティングデバイス104との通信を継続できないことがある。
【0033】
図2は、1つ以上の例示的な実施形態を実施するために構成されたコンピューティングデバイス104の例示的な実施形態を示す。コンピューティングデバイス104は、少なくとも1つのプロセッサ202を備えてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、例えば、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、付随するDSPを有する又は有しない処理回路等の様々な処理デバイス、あるいは、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロコントローラユニット(MCU)、ハードウェアアクセラレータ、特別目的コンピュータチップ等の集積回路を含む様々な処理デバイスのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0034】
コンピューティングデバイス104は、少なくとも1つのメモリ204をさらに備えてもよい。メモリは、例えば、コンピュータプログラムコード等、例えば、オペレーティングシステムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアを格納するように構成されてもよい。一実施形態では、メモリ204は、EV充電ステーションデータを備えてもよい。メモリ204は、1つ以上の揮発性メモリデバイス、1つ以上の不揮発性メモリデバイス、及び/又はそれらの組合せを備えてもよい。例えば、メモリは、磁気ストレージデバイス(ハードディスクドライブ、フロッピーディスク、磁気テープ等)、光磁気ストレージデバイス、又は半導体メモリ(マスクROM、PROM(プログラマブルROM)、EPROM(消去可能PROM)、フラッシュROM、RAM(ランダムアクセスメモリ)等)として具現化されてもよい。
【0035】
コンピューティングデバイス104は、コンピューティングデバイス104が情報を他のデバイスに送信すること、及び/又は他のデバイスから受信することを可能にするように構成された通信インターフェース208をさらに備えてもよい。通信インターフェース208は、例えば、3GPP(登録商標)モバイルブロードバンド接続(例えば3G、4G、5G)のような、少なくとも1つの無線接続を提供するように構成されてもよい。しかしながら、通信インターフェースは、例えば、IEEE 802.11シリーズ又はWi-Fiアライアンスによって標準化されているような無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)接続;例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC(近距離通信)、又はRFID接続等の近距離無線ネットワーク接続;例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続又は光ネットワーク接続等の有線接続;又は有線インターネット接続等の1つ以上の他のタイプの接続を提供するよう構成されてもよい。通信インターフェース208は、無線周波数信号を送信及び/又は受信するための少なくとも1つのアンテナを備えてもよいし、それに結合されるように構成されてもよい。様々なタイプの接続のうちの1つ以上は、別々の通信インターフェースとして実装されてもよく、これらのインターフェースは、複数のアンテナに結合されるか、又は結合されるように構成されてもよい。
【0036】
コンピューティングデバイス104は、入力デバイス及び/又は出力デバイスを備えるユーザインターフェース210をさらに備えてもよい。入力デバイスは、キーボード、タッチスクリーン、又は1つ以上の埋め込み制御ボタン等の様々な形態をとってもよい。出力デバイスは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、振動モータ等を備えてもよい。
【0037】
コンピューティングデバイス104が何らかの機能を実装するように構成される場合、コンピューティングデバイス104の何らかの1つ及び/又は複数のコンポーネントは、例えば、少なくとも1つのプロセッサ202及び/又はメモリ204等は、この機能を実装するように構成されてもよい。さらに、少なくとも1つのプロセッサ202が何らかの機能を実装するように構成されている場合、この機能は、例えば、メモリ204内に備えられたプログラムコード206を使用して実装されてもよい。
【0038】
本明細書に記載された機能は、少なくとも部分的に、ソフトウェアコンポーネント等の1つ以上のコンピュータプログラム製品コンポーネントによって実行されてもよい。一実施形態によれば、コンピューティングデバイス104は、例えば、マイクロコントローラ等のプロセッサ又はプロセッサ回路を備え、実行されたときに、プログラムコードによって、説明した動作及び機能の実施形態を実行するように構成される。代替又は追加として、本明細書に記載される機能は、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理コンポーネントによって実行されてもよい。例えば、限定するものではないが、使用可能なハードウェア論理コンポーネントの例示的なタイプには、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、グラフィック処理ユニット(GPU)等が含まれる。
【0039】
コンピューティングデバイス104は、本明細書に記載された少なくとも1つの方法を実行するための手段を具備する。一例では、手段は、少なくとも1つのプロセッサ202を備え、少なくとも1つのメモリ204は、少なくとも1つのプロセッサ202によって実行されると、コンピューティングデバイス200に本方法を実行させるように構成されたプログラムコード206を含む。
【0040】
コンピューティングデバイス104は、例えば、サーバデバイス、クライアントデバイス、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップ等を備えてもよい。コンピューティングデバイス104は、単一のデバイスとして図示されているが、適用可能な場合には、コンピューティングデバイス104の機能は、複数のデバイスに分散されてもよいことが理解される。
【0041】
図3は、例示的な実施形態に従って、第一の識別子に基づいてEV充電ステーションを識別するための方法の一例を示す。本方法は、例えば、コンピューティングデバイス104によって実行されてもよい。
【0042】
302において、本方法は、EV充電ステーションのモデルに関連する情報を取得するステップを含んでもよい。情報には、例えば、EV充電ステーションのベンダー、モデル、及びファームウェアバージョンを含んでもよい。一実施形態において、EV充電ステーションは、EV充電ステーションの構成に関する情報を有するリクエストをコンピューティングデバイス104に送信してもよい。リクエストは、EV充電ステーションのベンダー、モデル、及び/又はファームウェアバージョンを含んでもよい。コンピューティングデバイス104は、リクエストから情報を読み取るように構成されてもよい。
【0043】
コンピューティングデバイス104は、EV充電ステーションを承認するかどうかを示すために応答するように構成されてもよい。EV充電ステーションは、コンピューティングデバイス104との接続を開始又は再開するたびに、リクエストを送信するように構成されてもよい。EV充電ステーションが以前にコンピューティングデバイスとの接続を確立している場合、モデルに関連する情報をコンピューティングデバイス104のメモリから取得してもよい。各接続後にリクエストが成功する前に、EV充電ステーションは、コンピューティングデバイス104に他のリクエストを送信しないようにしてもよい。また、リクエストは、コンピューティングデバイス104によって拒否されてもよい。拒否に応答して、コンピューティングデバイス104は、例えば、通信チャネルを閉じてもよい。EV充電ステーションのステータスが承認されたことに応答したときのみ、任意のトランザクションの開始を許可してもよい。
【0044】
304において、本方法は、EV充電ステーションから構成データをリクエストするステップを含んでもよい。本方法は、受信した構成データから構成キーを取得するステップをさらに含んでもよい。
【0045】
306において、本方法は、EV充電ステーションに関連する第一の識別子を作成するステップを含んでもよい。第一の識別子は、EV充電ステーションのモデル及び構成キーのうちの1つ以上に関連する情報に基づいてもよい。その結果は、EV充電ステーションの特定のベンダー、モデル、及びファームウェアのバージョンに対応する個別の識別子であってもよい。
【0046】
一実施形態において、コンピューティングデバイス104は、302及び304で収集された全ての情報を単一の文字列(例えば、ベンダー+モデル+ファームウェアバージョン+構成キー)に結合するように構成されてもよい。結合された情報に基づいて、コンピューティングデバイス104は、文字列から暗号ハッシュを作成するように構成されてもよい。例えば、ハッシュ関数としてMD5を使用してもよいが、SHA-2又はCRCのような他のハッシュアルゴリズムもハッシュに使用することが可能である。
【0047】
308において、本方法は、作成された第一の識別子を第一の参照識別子と比較して、EV充電ステーションを認証するステップを含んでもよい。
【0048】
一実施形態において、EV充電ステーションは、コンピューティングデバイス104に接続されていてもよい。コンピューティングデバイス104は、接続時に、EV充電ステーションに関連する情報をローカルデータストレージに保存していてもよい。EV充電ステーションは、接続を失い、新たな接続を開くこともあるが、新たなリクエストを送信しないこともある。コンピューティングデバイス104は、EV充電ステーションに構成キーリクエストを送信し、コンピューティングデバイス104のローカルデータストレージから他の情報(ベンダー、モデル、及び/又はファームウェア)を読み出してもよい。
【0049】
第一の識別子は、同じベンダー、モデル、及びファームウェアバージョンを有する全てのEV充電ステーションについて同じであってもよい。第一の識別子は、少なくとも構成キーが公知でないことがあり、安全なことがある。さらに、暗号ハッシュに基づいて第一の識別子を作成する等、追加の安全対策を使用してもよい。
【0050】
新しいEV充電ステーションモデルを、例えば、人間が監督するテストを通じて、コンピューティングデバイス104のローカルストレージに追加してもよい。一実施形態において、新しいEV充電ステーションモデルを初めてコンピューティングデバイスに追加するとき、また、第一の識別子をEV充電ステーションモデル情報への第一の参照識別子として保存してもよい。
【0051】
EV充電ステーションのファームウェアのバージョンは、変更される場合がある。例えば、EV充電ステーションに対してファームウェアの更新が開始された場合、その更新が終了した後に、以前の第一の識別子は、第一の参照識別子と一致しなくなるため、有効でなくなる可能性がある。ファームウェアの更新は、例えば、コンピューティングデバイス104を介して開始してもよい。一実施形態において、コンピューティングデバイス104は、新しいファームウェアバージョンに基づいて、新しい第一の参照識別子を計算するように構成されてもよい。格納された第一の参照識別子は、新しい第一の参照識別子に基づいて更新されてもよい。
【0052】
図4は、例示的な実施形態に従って、EV充電ステーションを識別するための方法のデータモデルを示す。データモデルは、方法において使用され得るデータの要素と、データ要素がどのように互いに関係し、エンティティーに関係するかを示す。
【0053】
データモデルは、ゼロかそれ以上のEV充電ステーション402に関する情報を含む。各EV充電ステーション402は、IDを有してもよい。データモデルは、さらに、1つ以上のEV充電ステーションモデルを含んでもよい。EV充電ステーション402は、1つのEV充電ステーションモデル404と関連付けられてもよく、異なるEV充電ステーション402は、異なるEV充電ステーションモデル404と関連付けられてもよい。EV充電ステーションモデル404は、EV充電ステーション402のベンダー及びモデルに関する情報を含んでもよい。各EV充電ステーションモデルは、1つ以上のファームウェアバージョン406と関連付けられてもよく、各ファームウェアバージョンは、異なるバージョン名で構成されてもよい。単一のEV充電ステーション402は、その時点で1つのファームウェアバージョン406に関連付けられてもよく、1つのファームウェアバージョン406は、ゼロ又はそれ以上のEV充電ステーション402に関連付けされてもよい。ハッシュ識別子でもあり得る1つの識別子408は、1つのファームウェアバージョン406に関連付けられてもよい。さらに、1つの識別子408は、ゼロ又はそれ以上のEV充電ステーション402に関連付けられてもよい。識別子は、少なくとも1つのEV充電ステーション402を識別するように構成された第一の識別子又は第二の識別子であってもよい。
【0054】
図5は、例示的な実施形態に従って、電気自動車充電ステーションの第一の識別子に基づくセキュリティ手順の一例を示す。手順は、例えば、コンピューティングデバイス104によって実行されてもよい。
【0055】
502において、本方法は、コンピューティングデバイス104との通信のために、電気自動車充電ステーションによって開かれた新しい接続を検出するステップを含んでもよい。接続は、データを送信及び/又は受信するために構成された任意の接続であってもよい。接続は、例えば、ウェブソケット接続を備えてもよい。
【0056】
504において、本方法は、EV充電ステーションに関連する構成キーを取得するために、EV充電ステーションにメッセージを送信するステップを含んでもよい。本方法は、コンピューティングデバイス104によって、EV充電ステーションから受信した応答から構成キーを読み取るステップをさらに含んでもよい。本方法は、構成キーに基づいて、特定のEV充電ステーションに関連する第一の識別子を計算するステップをさらに含んでもよい。計算は、
図3に関連して前述したように実行されてもよい。
【0057】
506において、本方法は、メモリから第一の参照識別子を検索するステップを含んでもよい。第一の参照識別子は、EV充電ステーションのモデル情報に基づいて選択されてもよい。第一の参照識別子は、コンピューティングデバイス104のメモリに格納されてもよい。あるいは、第一の参照識別子は、コンピューティングデバイス104がアクセス可能なリモコンメモリに格納されてもよい。メモリは、複数の第一の参照識別子を備えてもよく、各第一の参照識別子は、異なるEV充電ステーションモデルに関連付けられる。
【0058】
508において、本方法は、第一の参照識別子をEV充電ステーションの第一の識別子と比較するステップを含んでもよい。
【0059】
510において、本方法は、EV充電ステーションの第一の識別子が第一の参照識別子と一致するか否かを判断するステップを含んでもよい。識別子が一致する場合、コンピューティングデバイスは、514において、EV充電ステーションの通常の使用を許可してもよい。識別子が一致しない場合、512において、EV充電ステーションは、断絶してもよい。一実施形態において、コンピューティングデバイス104は、認証に失敗したことに応答して、特定のEV充電ステーションの使用を所定時間にわたって許可しないことを決定してもよい。一実施形態において、コンピューティングデバイス104は、第一の識別子が不正確である理由を調査するために、管理者に警告してもよい。
【0060】
EV充電ステーションが断絶されると、EV充電ステーションに関連するデータがコンピューティングデバイス104に保存されてもよいが、データは、コンピューティングデバイス104の通常の機能から隔離され除外されてもよい。例えば、データは、通常のレポートに表示されなくてもよく、データは、請求に含まれなくてもよく、及び/又はデータは、API及びデータエクスポートから除外されてもよい。
【0061】
隔離されたデータは、管理者ユーザがコンピューティングデバイス104においてアクセスしてもよく、管理者ユーザは、データを検証すること及び/又はデータを修正することができる。データについて、例えば、何かを修正する必要がある場合に、修正してもよい。さらに、管理者ユーザは、データが正しいことを確認した後、隔離されたデータを通常のデータに解放することを許可してもよい。
【0062】
一実施形態において、単一のEV充電ステーションを識別するために、第二の識別子を生成してもよい。したがって、個々のEV充電ステーションは、同じEV充電ステーションベンダー及びモデルの全てのEV充電ステーションに対して同じであり得る充電ステーションモデルベースの第一の識別子の追加又は代替として、それ自身の識別子を有してもよい。
【0063】
図6は、例示的な実施形態に従って、第二の識別子及び関連するセキュリティ手順に基づいて、電気自動車充電ステーションを識別するための方法の一例を示す。本方法は、例えば、コンピューティングデバイスによって実行されてもよい。
【0064】
602において、本方法は、第一の識別子、EV充電ステーションのID、及び/又はEV充電ステーションとコンピューティングデバイスとの間の接続に関連する識別子に基づいて第二の識別子を計算するステップを含んでもよい。
【0065】
一実施形態において、接続に関連する識別子は、接続を開始するときにEV充電ステーションを識別することに関連する文字列等の任意の一意の識別子を含んでもよい。一実施形態において、接続に関連する識別子は、EV充電ステーションのSIMカード(SIM、加入者識別モジュール)のICCID(集積回路カード識別子)を備える。一実施形態において、接続に関連する識別子は、EV充電ステーションのインターネットプロトコル(IP)アドレスを備えてもよい。識別子は、EV充電ステーションの接続形態、例えば、EV充電ステーションが固定ネットワーク又はモバイルネットワークのいずれを介して接続されているかに依存してもよい。
【0066】
EV充電ステーションの識別子を、例えば、コンピューティングデバイスとの接続時にEV充電ステーションから受信したリクエストから取得してもよい。IDは、第一の指紋を計算するために使用したEV充電ステーションのベンダー、モデル、ファームウェアのバージョンと同じメッセージの中に含まれてもよい。
【0067】
一実施形態では、EV充電ステーションに関連する第二の識別子は、全ての情報(第一の識別子、EV充電ステーションのID及び/又は接続に関連する識別子)を1つの文字列に結合し、その文字列からハッシュを計算することによって生成されてもよい。
【0068】
コンピューティングデバイスは、EV充電ステーションがコンピューティングデバイスに初めて接続されたときに、EV充電ステーションのための第二の識別子を生成してもよい。604において、第二の識別子を、EV充電ステーションのための第二の参照識別子として格納してもよい。第二の参照識別子を、例えば、コンピューティングデバイス104のローカルメモリストレージに格納してもよい。ある時点でEV充電ステーションが接続を失い、新しい接続を開く場合、コンピューティングデバイス104は、606において、EV充電ステーションのための新しい第二の識別子を計算してもよい。608において、新しい第二の識別子を、EV充電ステーションについて計算された以前の第二の識別子と比較してもよい。
【0069】
一実施形態において、コンピューティングデバイス104は、新しい第二の識別子と第二の参照識別子とが一致しない場合、管理者に対するアラートを生成するように構成されてもよい。一実施形態において、アラートを、例えば、電子メール、SMS、又はモバイルアプリのプッシュ通知を通じて送信してもよい。第二の識別子が無効な場合、アラートは送信されても、EV充電ステーションが断絶されないこともある。EV充電ステーションの第二の識別子が変化し得るとき、稀なケースではあるが、有効な場合もあり得る。例えば、EV充電ステーションのSIMカードが新しいSIMカードに交換されたとき、第二の識別子が変更された可能性がある。そのため、ICCIDが変更され、その結果、第二の識別子が変更されている可能性がある。第二の識別子は、追加のセキュリティ機能として使用されてもよく、接続されたEV充電ステーションから検出されたデータが不正確である可能性についてアラートを発することができる。
【0070】
本方法のさらなる特徴は、例えば、本明細書全体及び添付の特許請求の範囲に記載されたコンピューティングデバイスの機能性から直接的に生じるものである。また、様々な例示的な実施形態に関連して説明したように、方法の異なるバリエーションが適用されてもよい。技術の進歩に伴い、本開示の基本的な考え方が様々な方法で実施され得ることは、当業者にとって自明である。したがって、本開示及び実施形態は、上述した例に限定されるものではなく、代わりに、特許請求の範囲内で変更することができる。
【0071】
コンピューティングデバイスは、本明細書に記載される方法の任意の態様を実行するように、又は実行させるように構成されてもよい。さらに、コンピュータプログラムは、実行されたときに、コンピューティングデバイスに本明細書に記載された方法の任意の態様を実行させるための命令を含んでもよい。さらに、コンピューティングデバイスは、本明細書に記載された方法の任意の態様を実行するための手段を含んでもよい。例示的な実施形態によれば、手段は、少なくとも1つのプロセッサと、プログラムコードを含むメモリとを備え、少なくとも1つのプロセッサ、及びプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、方法の任意の態様を実行させるように構成される。
【0072】
本明細書で与えられる任意の範囲又はデバイス値は、求められる効果を失うことなく、拡張又は変更してもよい。また、明示的に禁止されない限り、任意の実施形態を別の実施形態と組み合わせることができる。
【0073】
主題は、構造的特徴及び/又は動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例として開示され、他の同等の特徴及び動作も、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0074】
上述した利益及び利点は、1つの実施形態に関連することも、あるいは複数の実施形態に関連することもあり得ることを理解されたい。実施形態は、記載された問題のいずれか又は全部を解決するもの、あるいは記載された利益及び利点のいずれか又は全部を有するものに限定されない。さらに、「1つの」アイテムへの言及は、それらのアイテムの1つ以上を指し得ることを理解されたい。
【0075】
本明細書に記載される方法の操作は、任意の適切な順序で、又は適切な場合には同時に実行されてもよい。さらに、個々のブロックは、本明細書に記載される主題の範囲から逸脱することなく、方法のいずれかから削除されてもよい。上述した実施形態のいずれかの態様を、上述した他の実施形態のいずれかの態様と組み合わせて、求められる効果を失うことなく、さらなる実施形態を形成してもよい。
【0076】
「備える」という用語は、本明細書では、識別された方法、ブロック、又は要素を含むことを意味するために使用されるが、そのようなブロック又は要素は、排他的なリストを含まず、方法又はデバイスは、追加のブロック又は要素を含んでもよい。
【0077】
本明細書で使用される用語「自動化された」、「自動的に」、「自動」及びその変形は、プロセス又は操作が実行されるときに、人間の入力なしで行われる任意のプロセス又は操作を意味することがある。しかしながら、プロセス又は操作の実行が人間の入力を使用する場合でも、プロセス又は操作の実行前に入力が受信された場合、プロセス又は操作は自動化されることがある。
【0078】
対象物は、「第一」又は「第二」の対象物として示す場合もあるが、これは必ずしも対象物の順序又は重要度を示すものではない。むしろ、対象物間の差異を図る目的でのみ、このような属性を用いるものとする。
【0079】
上記の説明は、例としてのみ与えられ、様々な修正が当業者によってなされ得ることが理解されるであろう。上記の仕様、例、及びデータは、例示的な実施形態の構造及び使用の完全な説明を提供する。様々な実施形態について、特定の程度で、又は1つ以上の個々の実施形態を参照して、上記で説明してきたが、当業者は、本明細書の精神又は範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を行うことができる。