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特許7423860発光が調整可能な発光ダイオードデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】発光が調整可能な発光ダイオードデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/08 20100101AFI20240122BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240122BHJP
   H01L 33/10 20100101ALI20240122BHJP
   H01L 33/40 20100101ALI20240122BHJP
   H01L 33/38 20100101ALI20240122BHJP
   H01L 33/42 20100101ALI20240122BHJP
   H01L 33/20 20100101ALI20240122BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/00 J
H01L33/10
H01L33/40
H01L33/38
H01L33/42
H01L33/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023524904
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 US2021051174
(87)【国際公開番号】W WO2022093433
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】63/107,111
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/190,762
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アーミテージ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ワイルドソン,アイザック
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0058824(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0288088(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0372514(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0067334(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0132162(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)デバイスであって、
半導体層を備えるメサであって、前記半導体層がn型層、活性層、及びp型層を含む、メサと、
ギャップによって分離された第1のアノード領域及び第2のアノード領域を含むアノードコンタクトであって、前記第1のアノード領域が前記メサの上面上にあり、前記第2のアノード領域が前記第1のアノード領域に隣接する、アノードコンタクトと、
前記第1のアノード領域と前記第2のアノード領域とを接続するスイッチと、
前記アノードコンタクトに隣接し、前記n型層と電気的に連通するカソードコンタクトと
を備えるLEDデバイス。
【請求項2】
前記第1のアノード領域は第1の面積を有し、前記第2のアノード領域は第2の面積を有し、前記第2の面積は前記第1の面積より大きい、請求項1に記載のLEDデバイス。
【請求項3】
前記ギャップは、約1ミクロンより大きい幅を有する、請求項1に記載のLEDデバイス。
【請求項4】
前記ギャップ内に第1の誘電体層を更に備える、請求項3に記載のLEDデバイス。
【請求項5】
前記アノードコンタクトの上面上の第2の誘電体層と、前記第1の誘電体層の上面上のミラー層とを更に備える、請求項4に記載のLEDデバイス。
【請求項6】
前記第1の誘電体層は、酸化ケイ素(SiO )、酸化アルミニウム(Al )、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO )、酸化ニオブ(Nb )、酸化ジルコニウム(ZrO )、及び酸化ハフニウム(HfO )のうちの1つ又は複数を含み、前記第2の誘電体層は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの1つ又は複数を含む、請求項5に記載のLEDデバイス。
【請求項7】
前記ミラー層は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、金属窒化物、及びそれらの合金のうちの1つ又は複数を含む、請求項5に記載のLEDデバイス。
【請求項8】
前記第1のアノード領域及び前記第2のアノード領域は、独立して、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む、請求項1に記載のLEDデバイス。
【請求項9】
前記アノードコンタクト上のアノード端子と、前記カソードコンタクト上のカソード端子と、前記スイッチ上のスイッチ端子とを更に備える、請求項1に記載のLEDデバイス。
【請求項10】
請求項1に記載のLEDデバイスを動作させる方法であって、
前記スイッチを開くステップと、
590nm未満の重心波長を有する光を放出するために、前記アノードコンタクトを通して前記第1のアノード領域に電流を流すステップと
を含む方法。
【請求項11】
請求項1に記載のLEDデバイスを動作させる方法であって、
前記スイッチを閉じるステップと、
610nmより大きい重心波長を有する光を放出するために、前記アノードコンタクトを通して前記第1のアノード領域及び前記第2のアノード領域に電流を流すステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、発光ダイオード(LED)デバイスのアレイ及びその製造方法に関する。より具体的には、実施形態は、長波長光及び短波長光を放出する発光ダイオードデバイスを対象とする。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電流が流れると可視光を放射する半導体光源である。LEDは、P型半導体とN型半導体とを組み合わせたものである。LEDには、一般に、III族化合物半導体が使用される。III族化合物半導体は、他の半導体を用いたデバイスに比べて、高温で安定した動作が得られる。III族化合物は、典型的には、サファイア又は炭化ケイ素(SiC)から形成された基板上に形成される。
【0003】
光の投影は、多くの小さなLEDが互いに密にパックされたモジュールを必要とする。いくつかのアプリケーションでは、異なる色のLEDを同じモジュール内に密接に配置すること、又は1つのLEDに異なる色を放出させることが望ましい。この能力により、例えば、ブレーキインジケータ(赤色)及びターンインジケータ(琥珀色)の機能性を1つのコンパクトなモジュールに統合することができ、自動車内で占める空間を少なくすることができる。将来的には、歩行者又は他の車両とコミュニケーションをとるために、車両が異なる色の光を車道又は歩道に投影することが望まれる可能性がある。
【0004】
標準的なAlInGaP赤色及び琥珀色発光体に基づくLEDのコンパクトな集積は、各色に対して異なるウェハが使用しなければならず、温度変化に対するLED効率の応答が色ごとに大きく異なるので、困難である。加えて、標準的なInGaN LEDを使用し、駆動電流を変化させると、赤色光(低電流密度)よりはるかに高い輝度の琥珀色光(高電流密度)となる。多くのアプリケーションは、琥珀色光と同様の輝度の赤色光を必要とする。例えば、自動車のブレーキシグナル及びターンシグナルは両方とも、日光の下で見えるように十分に明るくなければならない。従って、異なる色の光を発することができ、かつ、同様の輝度レベルを有するLEDが必要である。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、LEDデバイス及びLEDデバイスの製造方法を対象としている。第1の実施形態では、発光ダイオード(LED)デバイスは、半導体層を備えるメサであって、半導体層がn型層、活性層、及びp型層を含む、メサと、ギャップによって分離された第1のアノード領域及び第2のアノード領域を含むアノードコンタクトであって、第1のアノード領域がメサの上面上にあり、第2のアノード領域が第1のアノード領域に隣接する、アノードコンタクトと、第1のアノード領域と第2のアノード領域とを接続するスイッチと、アノードコンタクトに隣接し、n型層と電気的に連通するカソードコンタクトとを備える。
【0006】
第2の実施形態では、第1のアノード領域が第1の面積を有し、第2のアノード領域が第2の面積を有し、第2の面積が第1の面積より大きくなるように、第1の実施形態が修正される。第3の実施形態では、ギャップが約1ミクロンより大きい幅を有するように第1の実施形態が修正される。
【0007】
第4の実施形態では、ギャップ内に第1の誘電体層が存在するという特徴を第3の実施形態が更に含む。第5の実施形態では、アノードコンタクトの上面上の第2の誘電体層と、第1の誘電体層の上面上のミラー層とがあるという特徴を第4の実施形態が更に含む。第6の実施形態では、第1の誘電体層及び第2の誘電体層が、独立して、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの1つ又は複数を含むように第5の実施形態が修正される。第7の実施形態では、ミラー層が、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、金属窒化物、及びそれらの合金のうちの1つ又は複数を含むという特徴を第5の実施形態が更に含む。
【0008】
第8の実施形態では、第1のアノード領域及び第2のアノード領域が、独立して、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含むように第1の実施形態が修正される。第9の実施形態では、アノードコンタクト上のアノード端子と、カソードコンタクト上のカソード端子と、スイッチ上のスイッチ端子という特徴を第1の実施形態が更に含む。
【0009】
本開示の別の態様は、第1の実施形態のLEDデバイスを動作させる方法に関する。第10の実施形態では、方法は、スイッチを開くステップと、590nm未満の重心波長を有する光を放出するために、アノードコンタクトを通して第1のアノード領域に電流を流すステップとを含む。第11の実施形態では、方法は、スイッチを閉じるステップと、610nmより大きい重心波長を有する光を放出するために、アノードコンタクトを通して第1のアノード領域及び第2のアノード領域に電流を流すステップとを含む。
【0010】
本開示の別の態様は、発光ダイオード(LED)デバイスに関する。第12の実施形態では、発光ダイオード(LED)デバイスは、トレンチによって分離された第1のメサ及び第2のメサを含むメサアレイであって、第1のメサ及び第2のメサが半導体層を含み、半導体層がn型層、活性層、及びp型層を含み、トレンチが、少なくとも1つの側壁を有し、n型層まで延在し、第1のメサが第1の幅を有し、第2のメサが第2の幅を有し、第1の幅が第2の幅より大きい、メサアレイを備える。第1のアノードコンタクトは、第1のメサの上面上にある。第2のアノードコンタクトは、第2のメサの上面上にあり、カソードコンタクトは、第1のメサに隣接し、第2のメサに隣接する。第13の実施形態では、第1のアノードコンタクト及び第2のアノードコンタクトが、独立して、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含むように第12の実施形態が修正される。第14の実施形態では、第1のアノードコンタクト上の第1のアノード端子と、第2のアノードコンタクト上の第2のアノード端子と、カソードコンタクト上のカソード端子という特徴を第12の実施形態が更に含む。第15の実施形態では、トレンチの少なくとも1つの側壁上の誘電体層という特徴を第12の実施形態が更に含む。第16の実施形態では、誘電体層が、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの1つ又は複数を含むように第15の実施形態が修正される。
【0011】
本開示の別の態様は、第12の実施形態のLEDデバイスを動作させる方法に関する。第17の実施形態では、方法は、590nm未満の重心波長を有する光を放出するために、第1のアノードコンタクトを通して電流を流すステップを含む。第18の実施形態では、方法は、610nmより大きい重心波長を有する光を放出するために、第2のアノードコンタクトを通して電流を流すステップを含む。
【0012】
本開示のさらなる態様は、発光ダイオード(LED)デバイスに関する。第19の実施形態では、発光ダイオード(LED)デバイスは、第1のトレンチによって分離された複数の第1のメサを含む第1のメサアレイであって、第1のトレンチが誘電体層で充填されている、第1のメサアレイと、第2のトレンチによって分離された複数の第2のメサを含む第2のメサアレイであって、第2のトレンチが誘電体層で充填される、第2のメサアレイと、第1のメサアレイの上面上の第1のアノードコンタクトと、第2のメサアレイの上面上の第2のアノードコンタクトと、第1のメサアレイ及び第2のメサアレイに隣接するカソードコンタクトとを備える。複数の第1のメサ及び複数の第2のメサは、半導体層を含む。半導体層は、n型層と、活性層と、p型層とを含み、第1のトレンチ及び第2のトレンチは、n型層まで延在する。第20の実施形態では、第1のアノードコンタクト及び第2のアノードコンタクトが、独立して、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含むように第19の実施形態が修正される。第21の実施形態では、第1のアノードコンタクト上の第1のアノード端子と、第2のアノードコンタクト上の第2のアノード端子と、カソードコンタクト上のカソード端子という特徴を更に含む。第22の実施形態では、誘電体層が、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの1つ又は複数を含むように第19の実施形態が修正される。
【0013】
本開示の別の態様は、第19の実施形態のLEDデバイスを動作させる方法に関する。第23の実施形態では、方法は、590nm未満の重心波長を有する光を放出するために、第1のアノードコンタクトを通して電流を流すステップを含む。第24の実施形態では、方法は、610nmより大きい重心波長を有する光を放出するために、第2のアノードコンタクトを通して電流を流すステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の上記の特徴が詳細に理解され得るように、上記で簡潔に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって行われ得、そのうちのいくつかが添付の図面に示される。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、従って、本開示は他の等しく有効な実施形態を認め得るので、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。本明細書で説明される実施形態は、同様の参照符号が同様の要素を示す添付の図面の図において、限定ではなく例として示される。
図1A】1つ又は複数の実施形態によるLEDデバイスの上面図を示す。
図1B図1AのLEDデバイスの断面図を示す。
図2】1つ又は複数の実施形態による方法のプロセスフロー図を示す。
図3A】1つ又は複数の実施形態によるLEDデバイスの断面図を示す。
図3B図3AのLEDデバイスの上面図を示す。
図4】1つ又は複数の実施形態による方法のプロセスフロー図を示す。
図5A】1つ又は複数の実施形態によるLEDデバイスの断面図を示す。
図5B】1つ又は複数の実施形態によるLEDデバイスの断面図を示す。
図5C図5A及び図5BのLEDデバイスの上面図を示す。
図6】1つ又は複数の実施形態による方法のプロセスフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が、以下の説明に記載される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することが可能である。
【0016】
1つ又は複数の実施形態に従って本明細書で使用される「基板(substrate)」という用語は、プロセスが作用する表面又は表面の一部を有する中間又は最終の構造を指す。加えて、いくつかの実施形態における基板への言及はまた、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、基板の一部のみを指す。更に、いくつかの実施形態による基板上に堆積させることへの言及は、裸の基板上に、又は1つ若しくは複数の層、膜、フィーチャ、若しくは材料が堆積若しくは形成された基板上に堆積させることを含む。
【0017】
1つ又は複数の実施形態では、「基板」は、任意の基板又は製造プロセス中に膜処理が行われる基板上に形成された材料表面を意味する。例示的な実施形態では、処理が実行される基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、シリコンオンインシュレータ(SOI)、歪みシリコン、アモルファスシリコン、ドープシリコン、炭素ドープ酸化ケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに金属、金属窒化物、III族窒化物(例えば、GaN、AlN、InN、及び他の合金)、金属合金、及び他の導電性材料などの任意の他の適切な材料が含まれる。基板には、限定されないが、発光ダイオード(LED)デバイスが含まれる。いくつかの実施形態における基板は、基板表面を、研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム硬化及び/又は焼成(bake)するための前処理プロセスにさらされる。基板自体の表面上での直接的な膜処理に加えて、いくつかの実施形態では、開示される膜処理ステップのいずれかは、基板上に形成された下層上でも行われ、「基板表面(substrate surface)」という用語は、文脈が示すように、そのような下層を含むことが意図される。従って、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積されている場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面になる。
【0018】
「ウェハ(wafer)」及び「基板」という用語は、本開示では同義で使用される。従って、本明細書で使用される場合、ウェハは、本明細書に説明されるLEDデバイスの形成のための基板としての役割を果たす。
【0019】
本明細書で説明される実施形態は、LEDデバイス及びLEDデバイスの形成方法を説明する。特に、本開示は、単一のウェハから複数の色又は波長を有利に放出するLEDデバイス及びLEDデバイスの製造方法を説明する。LEDデバイスでは、異なる駆動電流密度に対して同様の輝度レベルの光を放出することができる。本開示の1つ又は複数の実施形態は、マイクロLEDディスプレイの製造にすることができる。
【0020】
1つ又は複数の実施形態では、InGaN量子井戸を含む窒化ガリウム(GaN)ベースのLEDウェハが提供され、これは、十分に低い電流密度に対して610nmより大きい重心波長を有する光を放出し、より大きい電流密度に対して590nm未満の重心波長を有する光を放出する。
【0021】
1つ又は複数の実施形態では、LEDを駆動するためにパルス電流源が使用される。1つ又は複数の実施形態では、電流に加えて、電流源のデューティサイクルが制御される。1つ又は複数の実施形態では、デューティサイクルを減少させながら電流を増加させることによって、610nmより大きい重心波長を有する光と同様の時間平均放射輝度の、590nm未満の重心波長を有する光が得られる。1つ又は複数の実施形態では、個々のパルスからの強度変調が見えないようにパルス周波数が十分高く設定される。
【0022】
1つ又は複数の実施形態では、LEDを駆動するためにパルス電圧源が使用される。1つ又は複数の実施形態では、電圧に加えて、電圧源のデューティサイクルが制御される。1つ又は複数の実施形態では、デューティサイクルを減少させながら電圧を増加させることによって、610nmより大きい重心波長を有する光と同様の時間平均放射輝度の、590nm未満の重心波長を有する光が得られる。1つ又は複数の実施形態では、個々のパルスからの強度変調が見えないようにパルス周波数が十分高く設定される。
【0023】
1つ又は複数の実施形態では、LEDは、重心波長が610nmより大きい発光モードでLEDが動作されるときにアノードの接触面積(anode contact area)を増加させる一体型スイッチを含む。1つ又は複数の実施形態では、この接触面積の増加は、LEDが固定dc電流で動作されるときに、590nm未満の重心波長を有する光から610nmより大きい重心波長を有する光に色をシフトさせるように設計される。
【0024】
1つ又は複数の実施形態では、LEDウェハは、各アレイ内に異なるサイズで等しい数のピクセルを有する2つのピクセルアレイに分割される。2つの別個のアノードコンタクトが設けられている(各アレイに対して1つ)。ピクセルサイズがより大きいアレイは、610nmより大きい重心波長を有する光を放出し、ピクセルサイズがより小さいアレイは、590nm未満の重心波長を有する光を放出する。1つ又は複数の実施形態では、2つのアレイを同じ電流源又は異なる電流源で駆動することができる。いくつかの実施形態では、2つのアレイを固定DC電流源で駆動することができる。
【0025】
1つ又は複数の実施形態では、LEDウェハは、各アレイ内に等しいサイズで異なる数のピクセルを有する2つのピクセルアレイに分割される。2つの別個のアノードコンタクトが設けられている(各アレイに対して1つ)。1つ又は複数の実施形態では、より多くのピクセルを有するアレイは、610nmより大きい重心波長を有する光を放出する。1つ又は複数の実施形態では、より少ないピクセルを有するアレイは、590nm未満の重心波長を有する光を放出する。2つのアレイを同じ電流源又は異なる電流源で駆動することができる。より多くのピクセルを有するアレイは、610nmより大きい重心波長を有する光を放出し、より少ないピクセルを有するアレイは、590nm未満の重心波長を有する光を放出する。1つ又は複数の実施形態では、2つのアレイを同じ電流源又は異なる電流源で駆動することができる。いくつかの実施形態では、2つのアレイを固定DC電流源で駆動することができる。
【0026】
図1Aは、1つ又は複数の実施形態によるLEDデバイスの上面図を示す。図1Bは、図1AのLEDデバイスの線A-A’に沿った断面図を示す。図1A及び図1Bを参照すると、1つ又は複数の実施形態では、基板102上に半導体層122を成長させる。1つ又は複数の実施形態による半導体層122は、エピタキシャル層、III族窒化物層、又はエピタキシャルIII族窒化物層を含む。1つ又は複数の実施形態では、半導体層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有するエピタキシャル半導体層である。
【0027】
基板102は、当業者に知られている任意の基板であってもよい。1つ又は複数の実施形態では、基板102は、サファイア、炭化ケイ素、ケイ素(Si)、石英、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、スピネルなどのうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の実施形態では、基板102は、Epi層の成長前にパターン化されない。従って、いくつかの実施形態では、基板102は、パターン化されず、平坦又は実質的に平坦であると考えることができる。他の実施形態では、基板は、パターン化され、例えばパターン化サファイア基板(PSS)である。
【0028】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層122は、III族窒化物材料を含み、特定の実施形態では、エピタキシャルIII族窒化物材料を含む。いくつかの実施形態では、III族窒化物材料は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、及びインジウム(In)のうちの1つ又は複数を含む。従って、いくつかの実施形態では、半導体層122は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化インジウムアルミニウム(InAlN)、窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)などのうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の特定の実施形態では、半導体層122は、p型層110と、活性領域120と、n型層104とを含む。特定の実施形態では、LEDのn型層104及びp型層110は、nドープ及びpドープGaNを含む。
【0029】
1つ又は複数の実施形態では、LEDを形成するIII族窒化物材料の層は、スパッタ堆積(sputter deposition)、原子層堆積(atomic layer deposition:ALD)、化学気相堆積(chemical vapor deposition:CVD)、物理気相堆積(physical vapor deposition:PVD)、プラズマ強化原子層堆積(plasma enhanced atomic layer deposition:PEALD)、及びプラズマ強化化学気相堆積(plasma enhanced chemical vapor deposition:PECVD)のうちの1つ又は複数によって堆積される。他の実施形態では、基板は、半導体層122を成長させるために、LEDデバイス層のエピタキシのための有機金属気相エピタキシ(metalorganic vapor-phase epitaxy:MOVPE)反応器内に配置される。
【0030】
本明細書で使用される「スパッタ堆積」は、スパッタリングによる薄膜堆積の物理気相堆積(PVD)法を指す。スパッタ堆積では、材料、例えば、III族窒化物が、ソースであるターゲットから基板上に噴出される。この技法は、ソース材料であるターゲットのイオン衝撃(ion bombardment)に基づいている。イオン衝撃は、純粋に物理的なプロセス、すなわちターゲット材料のスパッタリングによって蒸気をもたらす。
【0031】
本明細書のいくつかの実施形態に従って使用される場合、「原子層堆積」(ALD)又は「周期的堆積(cyclical deposition)」は、基板表面上に薄膜を堆積させるために使用される気相技法を指す。ALDのプロセスは、基板表面上に材料の層を堆積させるために、基板の表面又は基板の一部が、交互の前駆体、すなわち2つ以上の反応性化合物に曝露されることを含む。基板が交互の前駆体に曝露されるとき、前駆体は、順次又は同時に導入される。前駆体は、処理チャンバの反応ゾーンに導入され、基板又は基板の一部は、前駆体に別々に曝露される。
【0032】
いくつかの実施形態に従って本明細書で使用される場合、「化学気相堆積」は、基板表面上の化学物質の分解によって気相から材料の膜が堆積されるプロセスを指す。CVDにおいて、基板表面は、前駆体及び/又は共試薬に同時に又は実質的に同時に曝露される。本明細書で使用される場合、「実質的に同時に」とは、並行流、又は前駆体の曝露の大部分に重複がある場合のいずれかを指す。
【0033】
いくつかの実施形態に従って本明細書で使用される場合、「プラズマ強化原子層堆積(PEALD)」は、基板上に薄膜を堆積させるための技法を指す。熱ALDプロセスに対するPEALDプロセスのいくつかの例では、材料は、同じ化学前駆体から形成され得るが、より高い堆積速度及びより低い温度で形成され得る。PEALDプロセスでは、一般に、反応ガス及び反応プラズマが、チャンバ内に基板を有するプロセスチャンバに順次導入される。第1の反応ガスは、プロセスチャンバにおいてパルス化され、基板表面上に吸着される。その後、反応プラズマが、プロセスチャンバにパルス化され、第1の反応ガスと反応して、堆積材料、例えば基板上の薄膜を形成する。熱ALDプロセスと同様に、反応物のそれぞれの供給の間にパージステップが行われ得る。
【0034】
1つ又は複数の実施形態に従って本明細書で使用される場合、「プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)」は、基板上に薄膜を堆積させるための技法を指す。PECVDプロセスでは、キャリアガスに混入された気相III族窒化物材料又は液相III族窒化物材料の蒸気などの気相又は液相のソース材料がPECVDチャンバに導入される。プラズマ開始ガスもチャンバに導入される。チャンバ内でのプラズマの発生は、励起されたラジカルを発生させる。励起されたラジカルは、チャンバ内に配置された基板の表面に化学的に結合され、その上に所望の膜を形成する。
【0035】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層122は、非ドープIII族窒化物材料及びドープIII族窒化物材料のスタックを含む。III族窒化物材料は、p型のIII族窒化物材料が必要とされるかn型のIII族窒化物材料が必要とされるかに応じて、シリコン(Si)、酸素(O)、ホウ素(B)、リン(P)、ゲルマニウム(Ge)、マンガン(Mn)、又はマグネシウム(Mg)のうちの1つ又は複数がドープされ得る。特定の実施形態では、半導体層122は、n型層104と、活性層120と、p型層110とを含む。
【0036】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層122は、約1μm~約10μmの範囲の合計厚さを有し、これには、約1μm~約9μm、1μm~約8μm、1μm~約7μm、1μm~約6μm、1μm~約5μm、1μm~約4μm、1μm~約3μm、2μm~約10μmが含まれ、2μm~約10μmには、約2μm~約9μm、2μm~約8μm、2μm~約7μm、2μm~約6μm、2μm~約5μm、2μm~約4μm、2μm~約3μm、3μm~約10μm、3μm~約9μm、3μm~約8μm、3μm~約7μm、3μm~約6μm、3μm~約5μm、3μm~約4μm、4μm~約10μm、4μm~約9μm、4μm~約8μm、4μm~約7μm、4μm~約6μm、4μm~約5μm、5μm~約10μm、5μm~約9μm、5μm~約8μm、5μm~約7μm、5μm~約6μm、6μm~約10μm、6μm~約9μm、6μm~約8μm、6μm~約7μm、7μm~約10μm、7μm~約9μm、又は7μm~約8μmの範囲が含まれる。
【0037】
1つ又は複数の実施形態では、n型層104とp型層110との間に活性領域120が形成される。活性領域120は、当業者に知られている任意の適切な材料を含み得る。1つ又は複数の実施形態では、活性領域120は、III族窒化物材料多重量子井戸(MQW)と、III族窒化物電子ブロック層とから構成される。
【0038】
1つ又は複数の実施形態では、エピタキシにおける量子井戸設計は、電流によるピークシフトを意図的に増加させるように変更される。いくつかの実施形態では、量子井戸の物理的な幅が広くされる。従って、1つ又は複数の実施形態では、量子井戸の幅は、約2nm~約7nmの範囲にある。
【0039】
いくつかの実施形態では、半導体層122及び基板102は、メサ130を形成するためにエッチングされる。図1Bに示す実施形態では、メサ130は、上面130t及び少なくとも1つの側壁130sを有する。
【0040】
1つ又は複数の実施形態では、発光ダイオード(LED)デバイス100は、アノードコンタクト113及びカソードコンタクト108を含む。1つ又は複数の実施形態では、アノードコンタクト113は、第1のアノード領域112及び第2のアノード領域118という2つの領域に分割される。第1のアノード領域112及び第2のアノード領域118は、等しくないサイズである。典型的には、第1のアノード領域及び第2のアノード領域は、ギャップ115によって互いに分離される。従って、1つ又は複数の実施形態では、アノードコンタクト113は、ギャップ115によって分離された第1のアノード領域112及び第2のアノード領域118を有する。第1のアノード領域112は、メサ130の上面130t上にある。第2のアノード領域118は、第1のアノード領域112に隣接している。
【0041】
1つ又は複数の実施形態では、第1のアノード領域112及び第2のアノード領域118は、スイッチ116を使用して互いに短絡される。1つ又は複数の実施形態では、スイッチ116は電子スイッチである。スイッチ116は、第1のアノード領域と第2のアノード領域118とを接続する。
【0042】
第1のアノード領域112と第2のアノード領域118の両方の面積の合計に対する第1のアノード領域112の面積比は、所与の入力電流に対して、電流が第1のアノード領域112のみに注入されたときに590nm未満の重心波長を有する発光(light emission)が得られるように選択される。1つ又は複数の実施形態では、第1のアノード領域112及び第2のアノード領域118の両方に電流が注入されると、610nmより大きい重心波長を有する発光が得られる。言い換えれば、電流を変化させるのではなく、アノード面積を切り替えることによって電流密度を変える。理論に束縛されることを意図するものではないが、この手法により、輝度を大きく変化させることなく電流密度(及び色)を変えることができると考えられる。
【0043】
1つ又は複数の実施形態では、第1のアノード領域112と第2のアノード領域118との間のギャップ115は、スイッチ116が開いているときに電流が第1のアノード領域112のみを通って流れるように、誘電体層106で充填される。1つ又は複数の実施形態では、ギャップ115は、スイッチ116が開いた状態で第1のアノード領域112及び第2のアノード領域118からp型層110を通って広がる横方向の電流が無視できるように、5ミクロンより大きい幅を有する。任意選択で、成長基板102の側面から光を放出するLEDの場合、第1のアノード領域112と第2のアノード領域118との間のギャップ115を通って光が逃げるのを防ぐために、アノードコンタクト113の上に別個のミラー層114を配置することができる。追加の誘電体層106は、ミラー114のアノードコンタクト113への短絡を防止することができる。
【0044】
1つ又は複数の実施形態では、アノードコンタクト113は、反射性材料又は透明導電体を含む。1つ又は複数の実施形態では、アノードコンタクト113は、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の実施形態では、第1のアノード領域及び第2のアノード領域は、独立して、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む。
【0045】
本明細書で使用される場合、「誘電体(dielectric)」という用語は、印加された電界によって分極することができる電気絶縁体材料を指す。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層106は、限定はしないが、酸化物、例えば、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化物、例えば、窒化ケイ素(Si)を含む。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層106は、窒化ケイ素(Si)を含む。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層106は、酸化ケイ素(SiO)を含む。いくつかの実施形態では、誘電体層106の組成は、理想的な分子式に対して非化学量論的である。例えば、いくつかの実施形態では、誘電体層は、限定はしないが、酸化物(例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム)、窒化物(例えば、窒化ケイ素(SiN))、オキシカーバイド(oxycarbides)(例えば、シリコンオキシカーバイド(silicon oxycarbide:SiOC))、及びオキシニトロカーバイド(oxynitrocarbides)(例えば、酸炭窒化シリコン(silicon oxycarbonitride:SiNCO))を含む。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層106は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの1つ又は複数を含む。
【0046】
1つ又は複数の実施形態では、誘電体層106は、スパッタ堆積、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、プラズマ強化原子層堆積(PEALD)、及びプラズマ強化化学気相堆積(PECVD)のうちの1つ又は複数によって堆積される。
【0047】
1つ又は複数の実施形態では、カソードコンタクト108は、アノードコンタクト113に隣接し、n型層104と電気的に連通している。
【0048】
1つ又は複数の実施形態では、カソードコンタクト108は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銀(Ag)、金(Au)、及びそれらの合金又は多層からなる群から選択される金属を含む。
【0049】
図1Aを参照すると、LEDの通常のカソードコンタクト端子108t及びアノードコンタクト113の端子113tに加えて、スイッチ116の動作のための電気端子116tが必要とされる。
【0050】
図2Aは、1つ又は複数の実施形態による方法150のプロセスフロー図を示す。1つ又は複数の実施形態では、図1A及び図1BのLEDを動作させる方法150は、動作152において、LEDが処理のために提供されることを必要とする。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「提供される(provided)」という用語は、LEDが動作のために利用可能にされることを意味する。いくつかの実施形態では、LEDは既に製造されている。他の実施形態では、LEDは、本明細書で説明される1つ又は複数の実施形態に従って製造される。動作154において、スイッチ116が開かれ、動作156において、アノードコンタクト113を通って第1のアノードコンタクト領域112に電流が流されて、590nm未満の重心波長を有する光を放出する。
【0051】
図2Bは、1つ又は複数の実施形態による方法160のプロセスフロー図を示す。1つ又は複数の実施形態では、図1A及び図1BのLEDを動作させる方法160は、動作162において、LEDが処理のために提供されることを必要とする。動作164において、スイッチ116が閉じられ、動作166において、アノードコンタクト113を通って第1のアノードコンタクト領域112に電流が流されて、610nmより大きい重心波長を有する光を放出する。
【0052】
図3Aは、1つ又は複数の実施形態によるLEDデバイスの断面図を示す。図3Bは、図3AのLEDデバイスの上面図を示す。図3A及び図3Bを参照すると、1つ又は複数の実施形態では、基板202上に半導体層222を成長させる。1つ又は複数の実施形態による半導体層222は、エピタキシャル層、III族窒化物層、又はエピタキシャルIII族窒化物層を含む。1つ又は複数の実施形態では、半導体層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有するエピタキシャル半導体層である。
【0053】
基板202は、当業者に知られている任意の基板であってもよい。1つ又は複数の実施形態では、基板202は、サファイア、炭化ケイ素、ケイ素(Si)、石英、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、スピネルなどのうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の実施形態では、基板202は、Epi層の成長前にパターン化されない。従って、いくつかの実施形態では、基板202は、パターン化されず、平坦又は実質的に平坦であると考えることができる。他の実施形態では、基板202は、パターン化され、例えばパターン化サファイア基板(PSS)である。
【0054】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層222は、III族窒化物材料を含み、特定の実施形態では、エピタキシャルIII族窒化物材料を含む。いくつかの実施形態では、III族窒化物材料は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、及びインジウム(In)のうちの1つ又は複数を含む。従って、いくつかの実施形態では、半導体層222は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化インジウムアルミニウム(InAlN)、窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)などのうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の特定の実施形態では、半導体層222は、p型層210と、活性領域220と、n型層204とを含む。特定の実施形態では、LEDのn型層204及びp型層210は、nドープ及びpドープGaNを含む。
【0055】
1つ又は複数の実施形態では、LEDを形成するIII族窒化物材料の層は、スパッタ堆積、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、プラズマ強化原子層堆積(PEALD)、及びプラズマ強化化学気相堆積(PECVD)のうちの1つ又は複数によって堆積される。他の実施形態では、基板は、半導体層222を成長させるために、LEDデバイス層のエピタキシのための有機金属気相エピタキシ(MOVPE)反応器内に配置される。
【0056】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層222は、非ドープIII族窒化物材料及びドープIII族窒化物材料のスタックを含む。III族窒化物材料は、p型のIII族窒化物材料が必要とされるかn型のIII族窒化物材料が必要とされるかに応じて、ケイ素(Si)、酸素(O)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、炭素(C)、又はマグネシウム(Mg)のうちの1つ又は複数がドープされ得る。特定の実施形態では、半導体層222は、n型層204と、活性層220と、p型層210とを含む。
【0057】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層222は、約1μm~約10μmの範囲の合計厚さを有し、これには、約1μm~約9μm、1μm~約8μm、1μm~約7μm、1μm~約6μm、1μm~約5μm、1μm~約4μm、1μm~約3μm、2μm~約10μmが含まれ、2μm~約10μmには、約2μm~約9μm、2μm~約8μm、2μm~約7μm、2μm~約6μm、2μm~約5μm、2μm~約4μm、2μm~約3μm、3μm~約10μm、3μm~約9μm、3μm~約8μm、3μm~約7μm、3μm~約6μm、3μm~約5μm、3μm~約4μm、4μm~約10μm、4μm~約9μm、4μm~約8μm、4μm~約7μm、4μm~約6μm、4μm~約5μm、5μm~約10μm、5μm~約9μm、5μm~約8μm、5μm~約7μm、5μm~約6μm、6μm~約10μm、6μm~約9μm、6μm~約8μm、6μm~約7μm、7μm~約10μm、7μm~約9μm、又は7μm~約8μmの範囲が含まれる。
【0058】
1つ又は複数の実施形態では、n型層204とp型層210との間に活性領域220が形成される。活性領域220は、当業者に知られている任意の適切な材料を含み得る。1つ又は複数の実施形態では、活性領域220は、III族窒化物材料多重量子井戸(MQW)と、III族窒化物電子ブロック層とから構成される。
【0059】
いくつかの実施形態では、半導体層222及び基板202は、メサ230a、230bのアレイを形成するためにエッチングされる。図3Bに示す実施形態では、メサ230a、230bは、上面230t及び少なくとも1つの側壁230sを有する。メサアレイは、トレンチ226によって分離された第1のメサ230a及び第2のメサ230bを含む。第1のメサ230a及び第2のメサ230bは、半導体層222を含む。1つ又は複数の実施形態では、トレンチ226は、少なくとも1つの側壁226sを有する。トレンチ226は、n型層204まで延在している。1つ又は複数の実施形態では、第1のメサ230aは、第1の幅wを有し、第2のメサ230bは、第2の幅wを有する。1つ又は複数の実施形態では、第1の幅wは、第2の幅wより大きい。
【0060】
1つ又は複数の実施形態では、発光ダイオード(LED)デバイス200は、アノードコンタクト213及びカソードコンタクト208を含む。1つ又は複数の実施形態では、アノードコンタクト213は、第1のアノード領域218及び第2のアノード領域212という2つの領域に分割される。第1のアノード領域218及び第2のアノード領域212は、等しくないサイズである。第1のアノード領域218は、第1のメサ230aの上面230t上にある。第2のアノード領域212は、第2のメサ230bの上面230t上にある。
【0061】
1つ又は複数の実施形態では、メサ230bのサイズは、590nm未満の重心波長を有する光を放出するアレイにおいて、610nmより大きい重心波長を有する光を放出するアレイの場合より小さい。1つ又は複数の実施形態では、各アレイは、それ自体のアノード領域218、218を有し、それは、別個の電流ドライバに、又はLEDの外部の回路を使用して2つのアノード間で切り替えられる1つの電流ドライバに接続され得る。従って、同じ駆動電流の場合、より小さいメサ230bを有するアレイは、590nm未満の重心波長を有する光を放出し、より大きいメサ230aを有するアレイは、同様の輝度レベルの、610nmより大きい重心波長を有する光を放出する。1つ又は複数の実施形態では、メサの大きい面積に対する小さい面積の必要な比は、同じタイプのエピタキシャルウェハから構築された標準的なアノードコンタクトを有するLEDのスペクトル対電流密度測定によって見出すことができる。
【0062】
1つ又は複数の実施形態では、誘電体層206は、トレンチ226の少なくとも1つの側壁226s上にある。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層206は、限定はしないが、酸化物、例えば、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化物、例えば、窒化ケイ素(Si)を含む。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層206は、窒化ケイ素(Si)を含む。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層206は、酸化ケイ素(SiO)を含む。いくつかの実施形態では、誘電体層206の組成は、理想的な分子式に対して非化学量論的である。例えば、いくつかの実施形態では、誘電体層は、限定はしないが、酸化物(例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム)、窒化物(例えば、窒化ケイ素(SiN))、オキシカーバイド(例えば、シリコンオキシカーバイド(SiOC))、及びオキシニトロカーバイド(例えば、酸炭窒化シリコン(SiNCO))を含む。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層206は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの1つ又は複数を含む。
【0063】
1つ又は複数の実施形態では、アノードコンタクト213は、反射性材料又は透明導電体を含む。1つ又は複数の実施形態では、アノードコンタクト213は、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の実施形態では、第1のアノード領域218及び第2のアノード領域212は、独立して、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む。
【0064】
1つ又は複数の実施形態では、カソードコンタクト208は、アノードコンタクト213に隣接し、n型層204と電気的に連通している。
【0065】
1つ又は複数の実施形態では、カソードコンタクト208は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銀(Ag)、金(Au)、及びそれらの合金又は多層からなる群から選択される金属を含む。
【0066】
図3Bを参照すると、590nm未満の重心波長を有する光を放出するアレイのための電気端子232と、610nmより大きい重心波長を有する光を放出するアレイのための電気端子228とが必要である。加えて、カソードコンタクト端子230が存在する。
【0067】
図4Aは、1つ又は複数の実施形態による方法250のプロセスフロー図を示す。1つ又は複数の実施形態では、図4AのLEDを動作させる方法250は、動作252において、LEDが処理のために提供される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「提供される」という用語は、LEDが動作のために利用可能にされることを意味する。いくつかの実施形態では、LEDは既に製造されている。他の実施形態では、LEDは、本明細書で説明される1つ又は複数の実施形態に従って製造される。動作254において、アノードコンタクト213を通って第1のアノードコンタクト領域218に電流が流されて、590nm未満の重心波長を有する光を放出する。
【0068】
図4Bは、1つ又は複数の実施形態による方法260のプロセスフロー図を示す。1つ又は複数の実施形態では、図4BのLEDを動作させる方法260は、動作262において、LEDが処理のために提供されることを必要とする。動作264において、アノードコンタクト1213を通って第1のアノードコンタクト領域218及び第2のアノードコンタクト領域212に電流が流されて、610nmより大きい重心波長を有する光を放出する。
【0069】
図5Aは、1つ又は複数の実施形態によるLEDデバイスの上面図を示す。図5Bは、図5AのLEDデバイスの線B-B’及びB-B’から見た断面図を示す。図5Cは、図5AのLEDデバイスの線C-C’及びC-C’から見た断面図を示す。図5A図5Cを参照すると、1つ又は複数の実施形態では、基板302上に半導体層322を成長させる。1つ又は複数の実施形態による半導体層322は、エピタキシャル層、III族窒化物層、又はエピタキシャルIII族窒化物層を含む。1つ又は複数の実施形態では、半導体層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有するエピタキシャル半導体層である。
【0070】
基板302は、当業者に知られている任意の基板であってもよい。1つ又は複数の実施形態では、基板302は、サファイア、炭化ケイ素、ケイ素(Si)、石英、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、スピネルなどのうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の実施形態では、基板302は、Epi層の成長前にパターン化されない。従って、いくつかの実施形態では、基板302は、パターン化されず、平坦又は実質的に平坦であると考えることができる。他の実施形態では、基板302は、パターン化され、例えばパターン化サファイア基板(PSS)である。
【0071】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層322は、III族窒化物材料を含み、特定の実施形態では、エピタキシャルIII族窒化物材料を含む。いくつかの実施形態では、III族窒化物材料は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、及びインジウム(In)のうちの1つ又は複数を含む。従って、いくつかの実施形態では、半導体層322は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化インジウムアルミニウム(InAlN)、窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)などのうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の特定の実施形態では、半導体層322は、p型層310と、活性領域320と、n型層304とを含む。特定の実施形態では、LEDのn型層304及びp型層310は、nドープ及びpドープGaNを含む。
【0072】
1つ又は複数の実施形態では、LEDを形成するIII族窒化物材料の層は、スパッタ堆積、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、プラズマ強化原子層堆積(PEALD)、及びプラズマ強化化学気相堆積(PECVD)のうちの1つ又は複数によって堆積される。他の実施形態では、基板は、半導体層322を成長させるために、LEDデバイス層のエピタキシのための有機金属気相エピタキシ(MOVPE)反応器内に配置される。
【0073】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層322は、非ドープIII族窒化物材料及びドープIII族窒化物材料のスタックを含む。III族窒化物材料は、p型のIII族窒化物材料が必要とされるかn型のIII族窒化物材料が必要とされるかに応じて、ケイ素(Si)、酸素(O)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、炭素(C)、又はマグネシウム(Mg)のうちの1つ又は複数がドープされ得る。特定の実施形態では、半導体層322は、n型層304と、活性層320と、p型層310とを含む。
【0074】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層322は、約1μm~約10μmの範囲の合計厚さを有し、これには、約1μm~約9μm、1μm~約8μm、1μm~約7μm、1μm~約6μm、1μm~約5μm、1μm~約4μm、1μm~約3μm、2μm~約10μmが含まれ、2μm~約10μmには、約2μm~約9μm、2μm~約8μm、2μm~約7μm、2μm~約6μm、2μm~約5μm、2μm~約4μm、2μm~約3μm、3μm~約10μm、3μm~約9μm、3μm~約8μm、3μm~約7μm、3μm~約6μm、3μm~約5μm、3μm~約4μm、4μm~約10μm、4μm~約9μm、4μm~約8μm、4μm~約7μm、4μm~約6μm、4μm~約5μm、5μm~約10μm、5μm~約9μm、5μm~約8μm、5μm~約7μm、5μm~約6μm、6μm~約10μm、6μm~約9μm、6μm~約8μm、6μm~約7μm、7μm~約10μm、7μm~約9μm、又は7μm~約8μmの範囲が含まれる。
【0075】
1つ又は複数の実施形態では、n型層304とp型層310との間に活性領域320が形成される。活性領域320は、当業者に知られている任意の適切な材料を含み得る。1つ又は複数の実施形態では、活性領域320は、III族窒化物材料多重量子井戸(MQW)と、III族窒化物電子ブロック層とから構成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、半導体層322及び基板302は、メサ336、332のアレイ324、334を形成するためにエッチングされる。1つ又は複数の実施形態では、各アレイ324、334内のメサ336、332の数は変化する。1つ又は複数の実施形態では、610nmより大きい重心波長を有する光を放出するアレイ324は、より少ないメサ322を有する、590nm未満の重心波長を有する光を放出するアレイ334より多くのメサ336を有する。各アレイ334、324内のメサ322、336の数の必要な比は、同じタイプのエピタキシャルウェハから構築された標準的なアノードコンタクトを有するLEDのスペクトル対電流密度測定によって見出すことができる。
【0077】
図5Bに示す実施形態では、メサ336は、上面336t及び少なくとも1つの側壁336sを有する。メサアレイ324は、トレンチ326によって分離された複数のメサ336を含む。複数のメサ336は、半導体層322を含む。1つ又は複数の実施形態では、トレンチ326は、少なくとも1つの側壁326sを有する。トレンチ326は、n型層304まで延在している。
【0078】
図5Cに示す実施形態では、メサ322は、上面322t及び少なくとも1つの側壁322sを有する。メサアレイ334は、トレンチ340によって分離された複数のメサ322を含む。複数のメサ322は、半導体層322を含む。1つ又は複数の実施形態では、トレンチ340は、少なくとも1つの側壁340sを有する。トレンチ340は、n型層304まで延在している。
【0079】
1つ又は複数の実施形態では、発光ダイオード(LED)デバイス300は、第1のアノード領域318及び第2のアノード領域312という2つの領域に分割されたアノードコンタクトを含む。第1のアノード領域318は、複数のメサ336の上面336t上にある。第2のアノード領域3212は、複数のメサ322の上面322t上にある。
【0080】
図5Bを参照すると、1つ又は複数の実施形態では、誘電体層306がトレンチ326を充填する。図5Cを参照すると、1つ又は複数の実施形態では、誘電体層306がトレンチ340を充填する。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層306は、限定はしないが、酸化物、例えば、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化物、例えば、窒化ケイ素(Si)を含む。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層306は、窒化ケイ素(Si)を含む。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層306は、酸化ケイ素(SiO)を含む。いくつかの実施形態では、誘電体層306の組成は、理想的な分子式に対して非化学量論的である。例えば、いくつかの実施形態では、誘電体層は、限定はしないが、酸化物(例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム)、窒化物(例えば、窒化ケイ素(SiN))、オキシカーバイド(例えば、シリコンオキシカーバイド(SiOC))、及びオキシニトロカーバイド(例えば、酸炭窒化シリコン(SiNCO))を含む。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層306は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの1つ又は複数を含む。
【0081】
1つ又は複数の実施形態では、アノードコンタクトは、反射性材料又は透明導電体を含む。1つ又は複数の実施形態では、アノードコンタクトは、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の実施形態では、第1のアノード領域318及び第2のアノード領域312は、独立して、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む。
【0082】
図5Aを参照すると、1つ又は複数の実施形態では、発光ダイオード(LED)デバイス300は、カソードコンタクト308を含む。1つ又は複数の実施形態では、カソードコンタクト308は、メサアレイ334及びメサアレイ324に隣接し、n型層304と電気的に連通している。
【0083】
1つ又は複数の実施形態では、カソードコンタクト308は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銀(Ag)、金(Au)、及びそれらの合金又は多層からなる群から選択される金属を含む。
【0084】
図5Aを参照すると、590nm未満の重心波長を有する光を放出するアレイのための電気端子332と、610nmより大きい重心波長を有する光を放出するアレイのための電気端子328とが必要である。加えて、カソードコンタクト端子330が存在する。
【0085】
図6Aは、1つ又は複数の実施形態による方法350のプロセスフロー図を示す。1つ又は複数の実施形態では、図6AのLEDを動作させる方法350は、動作352において、LEDが処理のために提供される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「提供される」という用語は、LEDが動作のために利用可能にされることを意味する。いくつかの実施形態では、LEDは既に製造されている。他の実施形態では、LEDは、本明細書で説明される1つ又は複数の実施形態に従って製造される。動作354において、アノードコンタクト312を通して、590nm未満の重心波長を有する光を放出する。
【0086】
図6Bは、1つ又は複数の実施形態による方法360のプロセスフロー図を示す。1つ又は複数の実施形態では、図6BのLEDを動作させる方法360は、動作362において、LEDが処理のために提供されることを必要とする。動作364において、アノードコンタクト318を通って電流が流されて、610nmより大きい重心波長を有する光を放出する。
【0087】
実施形態
様々な実施形態を以下に列挙する。以下に列挙される実施形態は、本発明の範囲に従って、全ての態様及び他の実施形態と組み合わされ得ることが理解されよう。
【0088】
実施形態(a).発光ダイオード(LED)デバイスであって、半導体層を備えるメサであって、半導体層がn型層、活性層、及びp型層を含む、メサと、ギャップによって分離された第1のアノード領域及び第2のアノード領域を含むアノードコンタクトであって、第1のアノード領域がメサの上面上にあり、第2のアノード領域が第1のアノード領域に隣接する、アノードコンタクトと、第1のアノード領域と第2のアノード領域とを接続するスイッチと、アノードコンタクトに隣接し、n型層と電気的に連通するカソードコンタクトとを備えるLEDデバイス。
【0089】
実施形態(b).第1のアノード領域は第1の面積を有し、第2のアノード領域は第2の面積を有し、第2の面積は第1の面積より大きい、実施形態(a)のLEDデバイス。
【0090】
実施形態(c).ギャップは、約1ミクロンより大きい幅を有する、実施形態(a)~(b)のLEDデバイス。
【0091】
実施形態(d).ギャップ内に第1の誘電体層を更に備える、実施形態(a)~(c)のLEDデバイス。
【0092】
実施形態(e).アノードコンタクトの上面上の第2の誘電体層と、第1の誘電体層の上面上のミラー層とを更に備える、実施形態(a)~(d)のLEDデバイス。
【0093】
実施形態(f).第1の誘電体層及び第2の誘電体層は、独立して、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの1つ又は複数を含む、実施形態(a)~(e)のLEDデバイス。
【0094】
実施形態(g).ミラー層は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、金属窒化物、及びそれらの合金のうちの1つ又は複数を含む、実施形態(a)~(f)のLEDデバイス。
【0095】
実施形態(h).第1のアノード領域及び第2のアノード領域は、独立して、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む、実施形態(a)~(g)のLEDデバイス。
【0096】
実施形態(i).アノードコンタクト上のアノード端子と、カソードコンタクト上のカソード端子と、スイッチ上のスイッチ端子とを更に備える、実施形態(a)~(h)のLEDデバイス。
【0097】
実施形態(j).実施形態(a)~(i)のLEDデバイスを動作させる方法であって、スイッチを開くステップと、590nm未満の重心波長を有する光を放出するために、アノードコンタクトを通して第1のアノード領域に電流を流すステップとを含む方法。
【0098】
実施形態(k).実施形態(a)から(i)のLEDデバイスを動作させる方法であって、スイッチを閉じるステップと、610nmより大きい重心波長を有する光を放出するために、アノードコンタクトを通して第1のアノード領域及び第2のアノード領域に電流を流すステップとを含む方法。
【0099】
実施形態(l).発光ダイオード(LED)デバイスであって、トレンチによって分離された第1のメサ及び第2のメサを含むメサアレイであって、第1のメサ及び第2のメサが半導体層を含み、半導体層がn型層、活性層、及びp型層を含み、トレンチが、少なくとも1つの側壁を有し、n型層まで延在し、第1のメサが第1の幅を有し、第2のメサが第2の幅を有し、第1の幅が第2の幅より大きい、メサアレイと、第1のメサの上面上の第1のアノードコンタクトと、第2のメサの上面上の第2のアノードコンタクトと、第1のメサに隣接し、第2のメサに隣接するカソードコンタクトとを備えるLEDデバイス。
【0100】
実施形態(m).第1のアノードコンタクト及び第2のアノードコンタクトは、独立して、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む、実施形態(l)のLEDデバイス。
【0101】
実施形態(n).第1のアノードコンタクト上の第1のアノード端子と、第2のアノードコンタクト上の第2のアノード端子と、カソードコンタクト上のカソード端子とを更に備える、実施形態(l)~(m)のLEDデバイス。
【0102】
実施形態(o).トレンチの少なくとも1つの側壁上の誘電体層を更に備える、実施形態(l)~(n)のLEDデバイス。
【0103】
実施形態(p).誘電体層は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの1つ又は複数を含む、実施形態(l)~(o)のLEDデバイス。
【0104】
実施形態(q).実施形態(l)~(p)のLEDデバイスを動作させる方法であって、590nm未満の重心波長を有する光を放出するために、第1のアノードコンタクトを通して電流を流すステップを含む方法。
【0105】
実施形態(r).実施形態(l)~(p)のLEDデバイスを動作させる方法であって、610nmより大きい重心波長を有する光を放出するために、第2のアノードコンタクトを通して電流を流すステップを含む方法。
【0106】
実施形態(s).発光ダイオード(LED)デバイスであって、第1のトレンチによって分離された複数の第1のメサを含む第1のメサアレイであって、第1のトレンチが誘電体層で充填されている、第1のメサアレイと、第2のトレンチによって分離された複数の第2のメサを含む第2のメサアレイであって、第2のトレンチが誘電体層で充填される、第2のメサアレイと、第1のメサアレイの上面上の第1のアノードコンタクトと、第2のメサアレイの上面上の第2のアノードコンタクトと、第1のメサアレイ及び第2のメサアレイに隣接するカソードコンタクトとを備え、複数の第1のメサ及び複数の第2のメサが半導体層を含み、半導体層がn型層、活性層、及びp型層を含み、第1のトレンチ及び第2のトレンチがn型層まで延在する、LEDデバイス。
【0107】
実施形態(t).第1のアノードコンタクト及び第2のアノードコンタクトは、独立して、銀(Ag)、インジウムスズ酸化物(ITO)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む、実施形態(s)のLEDデバイス。
【0108】
実施形態(u).第1のアノードコンタクト上の第1のアノード端子と、第2のアノードコンタクト上の第2のアノード端子と、カソードコンタクト上のカソード端子とを更に備える、実施形態(s)~(t)のLEDデバイス。
【0109】
実施形態(v).誘電体層は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、及び酸化ハフニウム(HfO)のうちの1つ又は複数を含む、実施形態(s)~(u)のLEDデバイス。
【0110】
実施形態(w).実施形態(s)から(v)のLEDデバイスを動作させる方法であって、590nm未満の重心波長を有する光を放出するために、第1のアノードコンタクトを通して電流を流すステップを含む方法。
【0111】
実施形態(x).実施形態(s)~(v)のLEDデバイスを動作させる方法であって、610nmより大きい重心波長を有する光を放出するために、第2のアノードコンタクトを通して電流を流すステップを含む方法。
【0112】
本明細書で議論される材料及び方法を説明する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)「a」及び「an」及び「the」という用語並びに同様の指示対象の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の指示がない限り、その範囲内に入る各別個の値を個々に言及する省略法としての役割を果たすことが意図されているにすぎず、各別個の値は、本明細書において個々に列挙されたかのように本明細書に援用される。本明細書で説明する全ての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書で提供される任意の及び全ての例、又は例示的な言語(例えば、「など(such as)」)の使用は、材料及び方法をよりよく明らかにすることを意図しているにすぎず、別段の主張がない限り、範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言語も、特許請求されていない任意の要素を、開示された材料及び方法の実施に必須であると示すとして解釈されるべきではない。
【0113】
本明細書を通して、第1、第2、第3などの用語への言及は、様々な要素を説明するために本明細書で使用され得、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用され得る。
【0114】
本明細書を通して、層、領域、又は基板が別の要素の「上に(on)」あるか、又は別の要素の「上に(onto)」延在していると称される場合、それが別の要素上に直接ある若しくは別の要素上に直接延在してもよいか、又は介在要素も存在してもよいことを意味する。ある要素が別の要素の「上に直接(directly on)」ある、又は「上に直接(directly onto)」延在していると称される場合、介在要素は存在しなくてもよい。更に、ある要素が別の要素に「接続される(connected)」又は「結合される(coupled)」と称される場合、その要素は、その別の要素に直接接続若しくは結合されてもよく、及び/又は1つ若しくは複数の介在要素を介して別の要素に接続若しくは結合されてもよい。ある要素が別の要素に「直接接続される(directly connected)」又は「直接結合される(directly coupled)」と称される場合、その要素とその別の要素との間に介在要素は存在しない。これらの用語は、図に示される任意の向きに加えて、要素の異なる向きを包含することが意図されることが理解されよう。
【0115】
「下(below)」、「上(above)」、「上側の(upper)」、「下側の(lower)」、「水平の(horizontal)」、又は「垂直の(vertical)」などの相対的な用語は、本明細書では、図に示されているように、ある要素、層、又は領域の、別の要素、層、又は領域に対する関係を説明するために使用され得る。これらの用語は、図に示される向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されよう。
【0116】
本明細書全体を通して、「一実施形態(one embodiment)」、「特定の実施形態(certain embodiments)」、「1つ又は複数の実施形態(one or more embodiments)」、又は「ある実施形態(an embodiment)」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通して様々な箇所における「1つ又は複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」又は「ある実施形態では」などの語句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。1つ又は複数の実施形態では、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な様式で組み合わせられる。
【0117】
本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の単なる例示であることを理解されたい。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内にある修正及び変形を含むことが意図される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6