(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】ドラム洗濯機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 37/04 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
D06F37/04
(21)【出願番号】P 2021538949
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(86)【国際出願番号】 CN2019130285
(87)【国際公開番号】W WO2020140884
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】201910000867.X
(32)【優先日】2019-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910000866.5
(32)【優先日】2019-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】523331692
【氏名又は名称】青島海爾洗滌電器有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108866922(CN,A)
【文献】特表2016-540574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 21/00-25/00
D06F 37/00-39/14
D06F 58/02-58/08
D06F 58/20-58/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内槽を含み、衣類の洗浄時に内槽内に洗浄水が蓄えられ、前記内槽は、内槽口、内槽口と対向する内槽底、及び内槽底を取り囲むように接続されて内部収容室を形成する内槽壁を有しているドラム洗濯機において、
前記内槽壁は、内径拡大部位及び内径縮小部位を有しており、内径拡大部位の内径は、内槽口から内槽底に向かって次第に拡大しており、内径縮小部位の内径は、内槽口から内槽底に向かって次第に縮小しており、
前記内径拡大部位の内径最小端は内槽口に近接しており、内径拡大部位の内径最大端は内槽壁の中央部に向かって延伸しており、前記内径縮小部位の内径最小端は内槽底に近接しており、内径縮小部位の内径最大端は内槽壁の中央部に向かって延伸しており、これにより、両端の内径が小さく、中央の内径が大きな内槽が形成されており、
前記内槽壁における内径拡大部位及び/又は内径縮小部位の内径最大端寄りにそれぞれ排水装置が設置されていることを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項2】
前記内径拡大部位の軸方向の長さをH1、内径縮小部位の軸方向の長さをH2とすると、これらはH1≧H2となり、好ましくは、これらはH1=H2となり、前記内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をA、内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をBとすると、前記A、Bは0°≦A≦B≦45°となることを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項3】
内径平直部位を含み、前記内径平直部位は内槽の中央部に位置し、両端が、内径拡大部位の内径最大端、内径縮小部位の内径最大端にそれぞれ連結しており、前記内径平直部位に排水装置が設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のドラム洗濯機。
【請求項4】
前記内径拡大部位の軸方向の長さをH1、内径縮小部位の軸方向の長さをH2、内径平直部位の軸方向の長さをH3とすると、
これらはH1≧H2≧H3となり、好ましくは、これらはH1=H2>H3となり、
又は、これらはH1<H3、H2<H3となり、
前記内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をA、内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をBとし、且つ、前記内径平直部位が円柱形の筒状構造をなしており、内径平直部位と水平面との夾角をCとすると、前記A、B、Cは、0°≦A≦B≦45°、C=0°を満たすことを特徴とする請求項3に記載のドラム洗濯機。
【請求項5】
前記内径縮小部位の内径最大端は内槽口に近接しており、内径縮小部位の内径最小端は内槽壁の中央部に向かって延伸しており、前記内径拡大部位の内径最大端は内槽底に近接しており、内径拡大部位の内径最小端は内槽壁の中央部に向かって延伸しており、これにより、両端の内径が大きく、中央の内径が小さな内槽が形成されており、前記内槽壁における内径拡大部位の内径最大端寄りには第1排水装置が設置されており、内槽壁における内径縮小部位の内径最大端寄りには第2排水装置が設置されていることを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項6】
前記内径縮小部位の軸方向の長さをH4、内径拡大部位の軸方向の長さをH5とすると、これらはH4≧H5となり、
前記内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をD、内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をEとすると、前記D、Eは、0°≦D≦E≦45°を満たすことを特徴とする請求項5に記載のドラム洗濯機。
【請求項7】
前記内槽壁は、第1内径平直部位と第2内径平直部位を含み、第1内径平直部位は内径縮小部位の内径最大端に連結されており、第2内径平直部位は内径拡大部位の内径最大端に連結されており、前記第1排水装置は第1内径平直部位に設置され、第2排水装置は第2内径平直部位に設置されることを特徴とする請求項5に記載のドラム洗濯機。
【請求項8】
前記内径縮小部位の軸方向の長さをH4、内径拡大部位の軸方向の長さをH5、第1内径平直部位の軸方向の長さをH6、第2内径平直部位の軸方向の長さをH7とすると、これらはH4≧H5≧H6=H7となり、
前記内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をD、内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をEとし、且つ、前記第1内径平直部位、第2内径平直部位はいずれも円筒状構造をなしており、第1内径平直部位と水平面との夾角をF、第2内径平直部位と水平面との夾角をGとすると、前記D、E、F、Gは0°≦D≦E≦45°、F,G=0°を満たすことを特徴とする請求項7に記載のドラム洗濯機。
【請求項9】
前記内槽壁は、内径拡大部位と内径平直部位を有しており、内径平直部位の内径は、内径拡大部位の最大端の内径以上であり、前記内径拡大部位は、内槽口から内槽底に向かって次第に移行及び拡大しており、内径平直部位は内径拡大部位の内径最大端に連結されており、前記排水装置は内径平直部位に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項10】
前記内径平直部位は円柱形の筒状構造をなしており、内径平直部位の一端は内径拡大部位の内径最大端に連結されており、他端は内槽底の周方向の外周に連結されており、前記排水装置は、内径平直部位の周方向に設けられる少なくとも1つの排水孔と、排水孔に装着されて排水孔の開通/閉止を制御する遠心弁を含むことを特徴とする請求項9に記載のドラム洗濯機。
【請求項11】
前記内槽壁は、内径縮小部位と内径平直部位を有しており、内径平直部位の内径は、内径縮小部位の最大端の内径以上であり、前記内径縮小部位は、内槽口から内槽底に向かって次第に移行及び縮小しており、内径平直部位は内径縮小部位の内径最大端に連結されており、前記排水装置は内径平直部位に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項12】
前記内径平直部位は円筒状構造をなしており、内径平直部位の一端は、内径縮小部位の内径最大端に連結されており、他端には開放/閉止可能な内槽密閉扉が装着されており、前記排水装置は、内径平直部位の周方向に設けられる少なくとも1つの排水孔と、排水孔に装着されて排水孔の開通/閉止を制御する遠心弁を含むことを特徴とする請求項11に記載のドラム洗濯機。
【請求項13】
前記内径拡大部位/内径縮小部位の軸方向の長さをH、内径平直部位の軸方向の長さをhとすると、これらはH≧hとなり、前記内径拡大部位/内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をAとすると、前記Aは、0°≦A≦45°を満たすことを特徴とする請求項9に記載のドラム洗濯機。
【請求項14】
前記内径拡大部位/内径縮小部位及び/又は内径平直部位に、内壁の周方向に沿う環状集水溝と、軸方向に環状集水溝を貫通して連通させる軸方向集水溝が設けられていることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載のドラム洗濯機。
【請求項15】
前記内径拡大部位/内径縮小部位の内壁には、複数の第1環状集水溝と、内径最大端に設けられる第2環状集水溝が軸方向に沿って順に設置されており、前記軸方向集水溝は、第1環状集水溝と第2環状集水溝を順に貫通して連通させ、前記排水装置は第2環状集水溝内に設置されていることを特徴とする請求項14に記載のドラム洗濯機。
【請求項16】
前記第2環状集水溝内の溝幅は第1環状集水溝内の溝幅よりも大きいことを特徴とする請求項15に記載のドラム洗濯機。
【請求項17】
前記内径拡大部位/内径縮小部位の内壁には、軸方向に沿って複数の第1環状集水溝が順に設けられており、前記内径平直部位の内壁には少なくとも1つの第3環状集水溝が設けられており、前記軸方向集水溝は、第1環状集水溝と第3環状集水溝を順に貫通して連通させることを特徴とする請求項14に記載のドラム洗濯機。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載のドラム洗濯機の制御方法であって、
洗濯機が内槽を含み、衣類の洗浄時に内槽内に洗浄水が蓄えられ、内槽の側壁には排水孔が開設されており、排水孔には排水孔の開通/閉止を制御する排水装置が装着されており、排水装置は遠心弁であるドラム洗濯機の制御方法において、
洗濯機の洗濯過程において、内槽の回転速度が所定の回転速度N0以上となるよう制御することで、遠心弁が遠心力を受けて排水孔を開放し、内槽からの排水を行うことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機器の技術分野に関し、具体的には、ドラム洗濯機及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、日常生活において最も広く使用されている家庭用電気製品であり、洗濯の煩わしさから人々を解放し、多大な利便性をもたらしている。しかし、所要時間の長さや使用水量の多さなど、洗濯機にも一定の欠点は存在する。一方、社会の発展に伴い、水資源は大切な自然資源としてますます重要視されている。それに伴い、人々の節水意識も高まっており、如何にして洗濯機の節水機能を実現するかがとりわけ重要となっている。
【0003】
洗濯機における節水の問題を解決するために、現在までに、例えば特許文献1のような特許が出願されている。特許文献1は、名称をドラム洗濯機とする中国の発明特許である。当該発明は、筐体を含むドラム洗濯機に関し、筐体内に内槽と外槽が設けられている。外槽と筐体の間にはドアシールが設けられており、内槽は駆動装置に接続されている。前記内槽は孔無し内槽である。且つ、前記内槽は、槽底部分の直径が小さく、槽口部分の直径が大きな錐状槽をなしている。内槽の槽口部分は内側に向かって円弧状に収縮している。また、前記ドアシールには給水導管が設けられている。給水導管の一端は洗浄水急速加熱装置に接続されており、給水導管の他端はドアシールを貫通して内槽に伸入している。前記外槽には排水口と水圧検出装置が設けられている。上記の技術方案から明らかなように、当該発明における内槽は孔無し内槽であり、ドアシールに設置された給水導管によって内槽への給水を実現するとともに、内槽自体の形状を利用して脱水過程で排水を実現している。こうすることで、内槽と外槽の間の溜水を回避可能なため、洗浄用水量が大幅に節約される。
【0004】
上記の発明は、孔無し内槽を有するドラム洗濯機を提供しているが、従来のドラム洗濯機の内槽を孔無し構造に設計したものにすぎず、現実的な意味は小さい。なぜなら、衣類を洗浄するには一定量の洗浄水で浸漬する必要があり、浸漬の効果を実現するためには孔無し内槽に一定の水量を保たねばならないからである。また、この場合には、モータの負担が増大するとともに、消費電力等の問題も招来される。このほか、特許文献1が開示するドラム洗濯機の給水方式ではドアシールを通過させている。しかし、ドアシールの主な役割は、洗濯機における外槽の槽口について密封を実現することである。そのため、ドアシールに給水導管を設置するとドアシールの密封効果に支障をきたしやすく、密封を実現しにくくなる。且つ、特許文献1では内槽内の給水水位の検出を実現することができない。
【0005】
そのほか、孔無し内槽を用いるドラム洗濯機について、排水及び脱水をどのように実現するかもまた解決を要する技術的課題となっている。
【0006】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許出願第201410215346.3号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の目的は、ドラム洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ドラム洗濯機は、内槽を含み、衣類の洗浄時に内槽内に洗浄水が蓄えられる。前記内槽は、内槽口、内槽口と対向する内槽底、及び内槽底を取り囲むように接続されて内部収容室を形成する内槽壁を有している。また、前記内槽壁は、内径拡大部位及び/又は内径縮小部位を有している。内径拡大部位の内径は、内槽口から内槽底に向かって次第に拡大しており、内径縮小部位の内径は、内槽口から内槽底に向かって次第に縮小している。
【0010】
更に、前記内槽壁における内径拡大部位及び/又は内径縮小部位の内径最大端寄りにそれぞれ排水装置が設置されている。
【0011】
更に、前記内径拡大部位の内径最小端は内槽口に近接しており、内径拡大部位の内径最大端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。また、前記内径縮小部位の内径最小端は内槽底に近接しており、内径縮小部位の内径最大端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。これにより、両端の内径が小さく、中央の内径が大きな内槽が形成されている。
【0012】
好ましくは、前記内径拡大部位の軸方向の長さをH1、内径縮小部位の軸方向の長さをH2とすると、これらはH1≧H2となり、好ましくは、これらはH1=H2となる。また、前記内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をA、内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をBとすると、前記A、Bは0°≦A≦B≦45°となる。
【0013】
更に、内径平直部位を含む。前記内径平直部位は内槽の中央部に位置し、両端が、内径拡大部位の内径最大端、内径縮小部位の内径最大端にそれぞれ連結している。また、前記内径平直部位に排水装置が設置されている。
【0014】
更に、前記内径拡大部位の軸方向の長さをH1、内径縮小部位の軸方向の長さをH2、内径平直部位の軸方向の長さをH3とすると、これらはH1≧H2≧H3となり、好ましくは、これらはH1=H2>H3となる。或いは、これらはH1<H3、H2<H3となる。
【0015】
前記内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をA、内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をBとする。且つ、前記内径平直部位は円柱形の筒状構造をなしており、内径平直部位と水平面との夾角をCとする。この場合、前記A、B、Cは、0°≦A≦B≦45°、C=0°を満たす。
【0016】
更に、前記内径縮小部位の内径最大端は内槽口に近接しており、内径縮小部位の内径最小端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。また、前記内径拡大部位の内径最大端は内槽底に近接しており、内径拡大部位の内径最小端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。これにより、両端の内径が大きく、中央の内径が小さな内槽が形成されている。また、前記内槽壁における内径拡大部位の内径最大端寄りには第1排水装置が設置されており、内槽壁における内径縮小部位の内径最大端寄りには第2排水装置が設置されている。
【0017】
更に、前記内径縮小部位の軸方向の長さをH4、内径拡大部位の軸方向の長さをH5とすると、これらはH4≧H5となり、好ましくは、これらはH4=H5となる。
【0018】
前記内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をD、内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をEとすると、前記D、Eは、0°≦D≦E≦45°を満たす。
【0019】
更に、前記内槽壁は、第1内径平直部位と第2内径平直部位を含む。第1内径平直部位は内径縮小部位の内径最大端に連結されており、第2内径平直部位は内径拡大部位の内径最大端に連結されている。前記第1排水装置は第1内径平直部位に設置され、第2排水装置は第2内径平直部位に設置される。
【0020】
更に、前記内径縮小部位の軸方向の長さをH4、内径拡大部位の軸方向の長さをH5、第1内径平直部位の軸方向の長さをH6、第2内径平直部位の軸方向の長さをH7とすると、これらはH4≧H5≧H6=H7となり、好ましくは、これらはH4=H5>H6=H7となる。
【0021】
前記内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をD、内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をEとする。且つ、前記第1内径平直部位、第2内径平直部位はいずれも円筒状構造をなしている。また、第1内径平直部位と水平面との夾角をF、第2内径平直部位と水平面との夾角をGとする。この場合、前記D、E、F、Gは0°≦D≦E≦45°、F,G=0°を満たす。
【0022】
更に、前記内槽壁は、内径拡大部位と内径平直部位を有している。内径平直部位の内径は、内径拡大部位の最大端の内径以上である。前記内径拡大部位は、内槽口から内槽底に向かって次第に移行及び拡大しており、内径平直部位は内径拡大部位の内径最大端に連結されている。また、前記排水装置は内径平直部位に設置されている。
【0023】
更に、前記内径平直部位は円柱形の筒状構造をなしている。内径平直部位の一端は内径拡大部位の内径最大端に連結されており、他端は内槽底の周方向の外周に連結されている。前記排水装置は、内径平直部位の周方向に設けられる少なくとも1つの排水孔と、排水孔に装着されて排水孔の開通/閉止を制御する遠心弁を含む。
【0024】
更に、前記内槽壁は、内径縮小部位と内径平直部位を有している。内径平直部位の内径は、内径縮小部位の最大端の内径以上である。前記内径縮小部位は、内槽口から内槽底に向かって次第に移行及び縮小しており、内径平直部位は内径縮小部位の内径最大端に連結されている。また、前記排水装置は内径平直部位に設置されている。
【0025】
更に、前記内径平直部位は円筒状構造をなしている。内径平直部位の一端は、内径縮小部位の内径最大端に連結されており、他端には開放/閉止可能な内槽密閉扉が装着されている。前記排水装置は、内径平直部位の周方向に設けられる少なくとも1つの排水孔と、排水孔に装着されて排水孔の開通/閉止を制御する遠心弁を含む。
【0026】
更に、前記内径拡大部位/内径縮小部位の軸方向の長さをH、内径平直部位の軸方向の長さをhとすると、これらはH≧hとなる。また、前記内径拡大部位/内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をAとすると、前記Aは、0°≦A≦45°を満たす。
【0027】
更に、前記内径拡大部位/内径縮小部位及び/又は内径平直部位に、内壁の周方向に沿う環状集水溝と、軸方向に環状集水溝を貫通して連通させる軸方向集水溝が設けられている。
【0028】
更に、前記内径拡大部位/内径縮小部位の内壁には、複数の第1環状集水溝と、内径最大端に設けられる第2環状集水溝が軸方向に沿って順に設置されている。また、前記軸方向集水溝は、第1環状集水溝と第2環状集水溝を順に貫通して連通させる。且つ、前記排水装置は第2環状集水溝内に設置されている。
【0029】
好ましくは、前記第2環状集水溝内の溝幅は第1環状集水溝内の溝幅よりも大きい。
【0030】
更に、前記内径拡大部位/内径縮小部位の内壁には、軸方向に沿って複数の第1環状集水溝が順に設けられており、前記内径平直部位の内壁には少なくとも1つの第3環状集水溝が設けられている。また、前記軸方向集水溝は、第1環状集水溝と第3環状集水溝を順に貫通して連通させる。
【0031】
好ましくは、前記第3環状集水溝内の溝幅は第1環状集水溝内の溝幅よりも大きい。
【0032】
本発明の第2の目的は、ドラム洗濯機の制御方法を提供することである。具体的には、以下の技術方案を採用する。
【0033】
ドラム洗濯機の制御方法では、洗濯機が内槽を含み、衣類の洗浄時に内槽内に洗浄水が蓄えられる。内槽の側壁には排水孔が開設されており、排水孔には排水孔の開通/閉止を制御する排水装置が装着されている。また、排水装置は遠心弁である。制御方法としては、洗濯機の洗濯過程において、内槽の回転速度が所定の回転速度N0以上となるよう制御することで、遠心弁が遠心力を受けて排水孔を開放し、内槽からの排水を行う。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、孔無し内槽を有する前開き構造のドラム洗濯機を提供する。本構造はシンプルであり、内槽と外槽の間に洗浄水/すすぎ水を満たす必要がないため、洗濯機の洗浄用水量を極めて大きく減少させられる。また、内槽と外槽の間に汚れが付着する恐れも回避される。よって、ユーザの健康及びユーザエクスペリエンスが極めて大きく向上するとともに、膨大な水資源の節約となる。
【0035】
本発明におけるドラム洗濯機の内槽の内槽壁は、内径拡大部位及び内径縮小部位を有している。排水時には、内槽の回転に伴う遠心力によって排水装置が開放される。また、内径拡大部位及び内径縮小部位の槽壁方向における遠心力の分力が、内槽内の洗浄水を、内径拡大部位及び内径縮小部位の槽壁沿いに内径最大端へと運動させて、内径拡大部位及び内径縮小部位の内径最大端に設置されている排水装置から排出するように作用する。
【0036】
そのため、本発明のドラム洗濯機の内槽構造は、孔無し内槽及び遠心力による排水方式を対象として、孔無し内槽における効率的な脱水性と遠心力による排水性を効果的に実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1におけるドラム洗濯機の原理図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例2におけるドラム洗濯機の原理図である(実施形態1)。
【
図3】
図3は、本発明の実施例2におけるドラム洗濯機の原理図である(実施形態2)。
【
図4】
図4は、本発明の実施例2におけるドラム洗濯機の原理図である(実施形態3)。
【
図5】
図5は、本発明の実施例3におけるドラム洗濯機の原理図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例3におけるドラム洗濯機の
図5の部分拡大図(減圧状態)である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例3におけるドラム洗濯機の
図5の部分拡大図(増圧状態)である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例4におけるドラム洗濯機の原理図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例4におけるドラム洗濯機の
図8の部分拡大図(実施形態1の減圧状態)である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例4におけるドラム洗濯機の
図8の部分拡大図(実施形態1の増圧状態)である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例4におけるドラム洗濯機の
図8の部分拡大図(実施形態2の減圧状態)である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例4におけるドラム洗濯機の
図8の部分拡大図(実施形態2の増圧状態)である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例5におけるドラム洗濯機の原理図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例5におけるドラム洗濯機の底面図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施例5におけるドラム洗濯機の立体構造を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施例6におけるドラム洗濯機の原理図である(実施形態1)。
【
図18】
図18は、本発明の実施例6におけるドラム洗濯機の原理図である(実施形態2)。
【
図19】
図19は、本発明の実施例7におけるドラム洗濯機の制御方法の一実施形態に係るフローチャートである。
【
図20】
図20は、本発明の実施例8におけるドラム洗濯機の原理図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施例8の更なる実施形態におけるドラム洗濯機の原理図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施例9におけるドラム洗濯機の原理図である。
【
図25】
図25は、本発明の実施例9の更なる実施形態におけるドラム洗濯機の原理図である。
【
図27】
図27は、本発明の実施例9の更なる実施形態におけるドラム洗濯機の原理図である。
【
図29】
図29は、本発明の実施例10におけるドラム洗濯機の原理図である。
【
図31】
図31は、本発明の実施例10におけるドラム洗濯機の内槽構造を示す図である。
【
図33】
図33は、本発明の実施例11におけるドラム洗濯機の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、図面を組み合わせて、本発明におけるドラム洗濯機及びその制御方法につき詳述する。
【0039】
図1~
図18に示すように、本実施例は、孔無し内槽を有する前開き構造のドラム洗濯機を提供する。本構造はシンプルであり、内槽と外槽の間に洗浄水/すすぎ水を満たす必要がないため、洗濯機の洗浄用水量を極めて大きく減少させられる。また、内槽と外槽の間に汚れが付着する恐れも回避される。よって、ユーザの健康及びユーザエクスペリエンスが極めて大きく向上するとともに、膨大な水資源の節約となる。
【0040】
本実施例のドラム洗濯機はハウジング19を有している。ハウジング19は、上部パネル2、前方パネル、後方パネル及びボトムプレートを含む。ボトムプレートには、洗濯機全体を支持するための底脚9が装着固定されている。ハウジング19の内部には外槽18が備わっており、外槽18内に内槽17が同軸に設置されている。外槽18の主な目的は、内槽17からの排水及び内槽17の高速遠心力による脱水に伴う排水を収集することである。内槽17が回転すると(好ましくは、リフティングリブ43を設置する)、衣類が継続的に昇降して叩き付けられることで洗濯が行われる。内槽17は孔無し構造となっている。また、外槽18は、軸受12が装着固定される中心装着孔を有している。且つ、内槽17にしっかりと接続された内槽軸13が、前記軸受12に挿通されるとともに、駆動モータ16に接続されている。内槽17の前部の槽口には開放/閉止可能な内槽ドア6が装着されており、これにより内槽17の密封室構造が実現される。
【0041】
本実施例のハウジング19には、開放/閉止可能な本体ドア5が装着されている。
【実施例1】
【0042】
本実施例では、主に、孔無し内槽を有するドラム洗濯機について、給水量を如何に正確に決定するかとの課題を解決する。具体的な方案は以下の通りである。
【0043】
ドラム洗濯機は、内槽17、及び内槽17と連通する給水管路を含む。前記内槽17は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。また、前記給水管路には、給水流量を検出するための流量センサ1が設置されている。
【0044】
本実施例では、給水管路に流量センサ1を設置して給水時の流量を監視し、所定の給水量に達した場合に給水弁20を閉止することで給水を完了する。本実施例では、流量センサを利用して、孔無し内槽を有するドラム洗濯機の所定水位に基づく給水の問題を解決しているため、洗浄効果が確保される。また、構造がシンプルであり、制御が容易である。
【0045】
更に、本実施例のドラム洗濯機は給水弁20と洗剤ケース3を含んでいる。前記給水管路は、第1給水管と第2給水管を含む。給水弁20の出口端は第1給水管を通じて洗剤ケース3と連通しており、洗剤ケース3の出口端は第2給水管を通じて内槽17と連通している。前記流量センサ1は、第1給水管又は第2給水管に設置される。
【0046】
好ましくは、前記流量センサ1は第1給水管に設置される。これにより、洗剤ケース内の洗剤が流量センサ1に進入しないよう防止可能となる。
【0047】
本実施例のドラム洗濯機は主制御装置4を含む。前記流量センサ1と主制御装置4は回路を通じて電気的に接続される。主制御装置4は、内槽17への給水量をリアルタイムで収集可能であり、所定の給水量に達すると給水弁20を閉止する。
【0048】
本実施例の一実施形態として、前記流量センサ1は、ロータ流量センサ、又はタービン流量センサ、又は超音波流量センサ、又は電磁流量センサ、又はオリフィス流量センサである。
【0049】
流量センサ1は、本実施例における前記給水管路の任意の位置に設置可能であるが、好ましくは、給水弁20の後部に設置して、密封された内槽17に進入する水流量を正確に計測する。前記流量センサ1の回路は主制御装置4に接続されている。主制御装置4は、内槽17への給水量をリアルタイムで収集可能であり、所定の給水量に達すると給水弁20を閉止する。
【0050】
本実施例における孔無し内槽への給水を実現するために、本実施例のドラム洗濯機は駆動モータ16と内槽軸13を含んでいる。前記駆動モータ16は、内槽軸13を介して内槽17に伝動可能に接続されており、内槽17を回転させる。前記内槽軸13内には内槽17の内部と連通する中空経路14が備わっており、前記給水管路が内槽軸13の中空経路と連通している。
【0051】
具体的に、前記内槽軸13は駆動モータ16に接続されている。駆動モータ16はステータ及びロータを含んでおり、ロータが内槽軸13に固定接続されている。前記ロータの中心には貫通孔が設けられており、前記給水管路がロータの貫通孔を貫通して内槽軸13の中空経路14と連通している。
【0052】
更に、前記給水管路とロータの貫通孔の間には第1動的シール構造15が設けられており、ロータの貫通孔と内槽軸13の中空経路14との間には第2シール構造が設けられている。
【0053】
孔無し内槽からの排水を実現するために、本実施例のドラム洗濯機は外槽18を含んでいる。前記内槽17の側壁には内槽排水孔が開設されており、内槽排水孔に常時閉のチェックバルブプラグ11が装着されている。また、前記外槽18には、チェックバルブプラグ11を押し開けて排水するための押上ロッド機構10が装着されている。
【0054】
好ましくは、前記外槽18には、内槽17の回転をロックするためのロック機構が更に設けられている。ロック機構が内槽をロックしたあとに、押上ロッド機構10がチェックバルブプラグ11を押し開けて排水する。
【0055】
孔無し内槽からの脱水を実現するために、本実施例における前記内槽17の側壁には複数の脱水孔が開設されている。また、脱水孔にはいずれも遠心弁が装着されている。前記遠心弁は、脱水時の遠心力の働きにより開放されて脱水及び排水を行う。
【0056】
本実施例は、更に、前記ドラム洗濯機の制御方法を提供する。洗濯機は洗浄/すすぎプログラムを実行し、給水過程で流量センサにより給水流量値をリアルタイム検出する。洗濯機は、給水流量値と給水時間に基づいて給水量を算出し、給水量が洗濯機の所定の給水量に達すると給水を停止する。
【0057】
ドラム洗濯機にはユーザが選択可能な複数の給水流量値が設定されており、洗濯機はユーザが選定した給水流量値に基づき給水を行う。
【0058】
ドラム洗濯機は衣類計量機能を有しており、衣類の重量に基づいて給水流量値を特定し、給水を行う。
【実施例2】
【0059】
図2~
図4に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17と給水管路を含む。前記内槽は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。また、給水量を計測するための量水装置を更に含む。前記給水管路は量水装置と連通しており、量水装置は内槽と連通している。
【0060】
本実施例のドラム洗濯機は、量水装置を設置することで、水を内槽1に供給する前に量水装置に進入させて定量計測を行う。また、所定の水位に基づいて、量水装置による量水回数を決定する。これにより、孔無し内槽を有するドラム洗濯機の所定水位に基づく給水の問題を解決して、洗浄効果を確保する。また、構造がシンプルであり、制御が容易である。
【0061】
更に、本実施例の前記量水装置は量水タンク21を含んでいる。量水タンク21は入水口と吐水口を有している。入水口は給水管路と連通しており、吐水口は内槽17と連通している。また、前記吐水口には、量水タンク21内の水量が所定の値に達したときに吐水口を開放するよう制御する吐水制御装置が設けられている。
【0062】
本実施例の一実施形態として、
図2に示すように、前記量水タンク21は内槽17の底部に設置されている。前記量水装置は、量水タンク21を検出するための水位検出装置22を含んでいる。また、前記吐水制御装置はタンク排水ポンプ23である。前記タンク排水ポンプ23は、量水タンク21内の水位が所定の値に達したことを水位検出装置22が検出したときに起動して、量水タンク21内の水を内槽17に押し出す。
【0063】
本実施例の一実施形態として、
図3に示すように、前記量水タンク21は内槽17の上部に設置されている。前記量水装置は、量水タンクを検出するための水位検出装置22を含んでいる。また、前記吐水制御装置はタンク排水弁25である。前記タンク排水弁25は、量水タンク21内の水位が所定の値に達したことを水位検出装置22が検出したときに起動して、量水タンク21内の水を内槽に排出する。
【0064】
本実施例における前記水位検出装置22は液位センサである。液位センサはガス室とセンサユニットを含んでおり、前記ガス室が量水タンクと連通している。或いは、前記水位検出装置22は、量水タンク内に設置されて深さ方向に配列される複数の水位検出プローブを含む。
【0065】
本実施例の一実施形態として、前記量水タンク21は内槽17の上部に設置されている。前記吐水口は量水タンク21の底壁に設けられており、吐水制御装置は吐水口を常時閉に保持するタンク逆止弁である。量水タンク内の水量が一定の値に達すると、タンク逆止弁は水圧及び重力によって開放される。そして、量水タンク21内の水が内槽17に排出されると、タンク逆止弁は位置復帰して吐水口の閉塞を維持する。
【0066】
本実施例における前記量水タンク21にはオーバーフローホール24が設けられている。オーバーフローホール24は、量水タンク内から溢れた水を導出するオーバーフロー管路に接続されている。
【0067】
好ましくは、ドラム洗濯機は排水管路8を含み、前記オーバーフロー管路は排水管路8と連通している。
【0068】
本実施例の一実施形態として、
図4に示すように、前記量水装置は、量水タンク21内に設置される加熱装置26と、量水タンク内の水温を検出する水温検出装置を含む。
【0069】
本実施例は、更に、前記ドラム洗濯機の制御方法を提供する。洗濯機は、洗浄/すすぎプログラムを実行する。洗濯機は、洗浄水を量水タンク内に進入させるよう制御して、量水タンク内の水量が所定の値に達すると給水を停止する。そして、量水タンク内の水を全て内槽内に排出してから、再び量水タンクへの水の供給を開始する。このようにして、内槽内の水位が所定の値に達するまで繰り返してから給水を終了する。
【0070】
更に、洗濯機は、洗浄水を量水タンク内に進入させるよう制御して、量水タンク内の水量が所定の値に達すると給水を停止する。そして、加熱装置を動作させて洗浄水を加熱するよう制御し、量水タンク内の水温が所定の値に達したことを水温検出装置が検出すると、量水タンク内の水を全て内槽内に排出する。
【実施例3】
【0071】
本実施例では、主に、孔無し内槽を有するドラム洗濯機において密封室の気圧の均衡を如何にして保証するかとの問題を解決する。具体的には、電磁弁が突然断水した場合、特に、水道管網が断水した場合に負圧が形成されて、密封室内の洗浄水が水道管網に逆流するとの問題や、内部にガスが存在することで給水が困難になるとの問題を解決する。
【0072】
図5~
図7に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17を含む。内槽17は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。また、内槽17を外部環境と連通させることで内槽内部の気圧のバランスを取る気圧バランス機構を更に含む。
【0073】
給水時には、内槽の密封室内のガスが圧力を受けて当該バランス機構から溢れることで、気圧の均衡を保証することができる。
【0074】
突然断水した場合には、外気が迅速に内槽の密封室に進入して逆流を阻むことで、気圧の均衡を保証することができる。これにより、水道管網に洗浄水が吸い込まれるとの事態が回避される。
【0075】
このほか、例えば脱水時にも、当該気圧バランス機構によって内槽の気圧の均衡を保証することができる。
【0076】
本実施例の一実施形態として、前記気圧バランス機構は、内槽17に設置される等圧孔27を含む。前記等圧孔27における内槽17の内部と連通する一端は、内槽17における回転中心軸寄りの位置に設けられており、且つ内槽17内の最高水位位置よりも常に高くなっている。
【0077】
本実施例のドラム洗濯機は駆動モータ16と内槽軸13を含んでいる。前記駆動モータ16は、内槽軸13を介して内槽17に伝動可能に接続されており、内槽17を回転させる。前記等圧孔27は、内槽軸13に開設されて内槽17の内部と外部環境を連通させる。また、前記内槽17内の最高水位は内槽軸13よりも低くなっている。これにより、等圧孔からの内槽内の水の流出を防止することができる。
【0078】
本実施例のドラム洗濯機は外槽18を含む。前記内槽17は外槽18の内部に設置されており、内槽17内から排出された水は外槽18を経由して排出される。前記内槽17の槽口には内槽を閉塞する内槽ドア6が装着されており、前記外槽18の槽口は開放されている。前記等圧孔27は、一端が内槽17の内部と連通しており、他端が外槽18の内部に設けられて外槽18と連通している。これにより、極端な状況が防止され、当該孔から水が流出したとしても外槽18内に収集することができる。
【0079】
更に、本実施例の前記内槽17の側壁には内槽排水孔が開設されており、内槽排水孔に常時閉のチェックバルブプラグ11が装着されている。また、前記外槽18には、チェックバルブプラグ11を押し開けて排水するための押上ロッド機構10が装着されている。
【0080】
好ましくは、前記外槽18には、内槽の回転をロックするためのロック機構が更に設けられている。ロック機構が内槽をロックしたあとに、押上ロッド機構がチェックバルブプラグを押し開けて排水する。
【0081】
更に、本実施例のドラム洗濯機は給水管路を含んでいる。また、前記内槽軸13内には、内槽17の内部と連通する中空経路14が備わっており、前記給水管路が内槽軸13の中空経路14と連通している。前記等圧孔27と中空経路14は、それぞれ内槽17の内部と連通するとともに、互いに離隔して設置されている。こうすることで、内槽の密封室内のガスを円滑に排出して内槽内部の気圧の均衡を保証可能になるとともに、進入した水が等圧孔27から直接排出されて漏水するとの事態も防止される。
【0082】
具体的に、前記中空経路27は、内槽軸の中心軸線方向に一端から他端まで延伸している。また、前記等圧孔は第1孔部と第2孔部を含んでいる。第1孔部は中空経路と平行に設置されており、一端が内槽の内部と連通している。且つ、第2孔部は、一端が第1孔部と連通しており、他端が内槽軸の外周壁まで延伸して外槽の内部と連通している。
【0083】
好ましくは、前記第2孔部と第1孔部は垂直に設置されてL字状の等圧孔を形成している。
【0084】
更に、前記内槽軸13は駆動モータ16に接続されている。駆動モータ16はステータ及びロータを含んでおり、ロータが内槽軸に固定接続されている。前記ロータの中心には貫通孔が設けられており、前記給水管路がロータの貫通孔を貫通して内槽軸の中空経路と連通している。
【0085】
好ましくは、前記給水管路とロータの貫通孔の間には第1動的シール構造が設けられており、ロータの貫通孔と内槽軸の中空経路との間には第2シール構造が設けられている。
【0086】
本実施例で記載するドラム洗濯機は、前記内槽17の側壁に複数の脱水孔が開設されている。また、脱水孔にはいずれも遠心弁が装着されている。前記遠心弁は、脱水時の遠心力の働きにより開放されて脱水及び排水を行う。
【実施例4】
【0087】
本実施例では、主に、孔無し内槽を有するドラム洗濯機において密封室の気圧の均衡を如何にして保証するかとの問題を解決する。具体的には、電磁弁が突然断水した場合、特に、水道管網が断水した場合に負圧が形成されて、密封室内の洗浄水が水道管網に逆流するとの問題や、内部にガスが存在することで給水が困難になるとの問題を解決する。
【0088】
図8~
図12に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17を含む。内槽17は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。また、内槽を外部環境と連通させることで内槽17内部の気圧のバランスを取る増圧機構及び/又は減圧機構を更に含む。
【0089】
本実施例における前記増圧機構は、増圧孔28及び負圧安全弁29を含む。前記負圧安全弁29は増圧孔28に設置されており、内槽17の内部の圧力が外部環境の大気圧よりも小さいときに増圧孔28を一方向に開通させる。これにより、外部環境のガスが増圧孔28から内槽17の内部に進入して増圧し、内槽17内部の気圧と外部環境の気圧が均衡すると、負圧安全弁29が閉止される。
【0090】
本実施例における前記減圧機構は、減圧孔30及び正圧安全弁31を含む。前記減圧孔30は、内槽17における回転中心軸寄りの位置に設けられており、且つ内槽17内の最高水位位置よりも常に高くなっている。前記正圧安全弁31は減圧孔30に設置されており、内槽17の内部の圧力が外部環境の大気圧よりも大きいときに減圧孔30を一方向に開通させて減圧を行う。そして、内槽17内部の気圧と外部環境の気圧が均衡すると、正圧安全弁31が閉止される。
【0091】
図9に示すように、給水時には、内槽17の密封室内のガスが圧力を受ける。そして、正圧安全弁の所定値よりも大きくなると、正圧安全弁が開放されて、当該減圧孔からガスが溢れ出すことで、気圧の均衡を保証可能となる。
【0092】
図10に示すように、突然断水した場合には、内槽17の密封室内のガスが圧力を受ける。そして、正圧安全弁の所定値よりも小さくなると、外気が迅速に密封室に進入して逆流を阻む。これにより、気圧の均衡が保証されるため、洗浄水が水道管網に吸い込まれるとの事態が回避される。
【0093】
このほか、例えば脱水時にも、当該気圧バランス機構によって内槽の気圧の均衡を保証することができる。
【0094】
本実施例のドラム洗濯機は駆動モータ16と内槽軸13を含んでいる。前記駆動モータ16は、内槽軸13を介して内槽17に伝動可能に接続されており、内槽17を回転させる。前記増圧孔28及び/又は減圧孔30は、内槽軸13に開設されて内槽17の内部と外部環境を連通させる。また、前記内槽17内の最高水位は内槽軸13よりも低くなっている。
【0095】
本実施例のドラム洗濯機は外槽18を含む。前記内槽17は外槽18の内部に設置されており、内槽17内から排出された水は外槽18を経由して排出される。前記内槽17の槽口には内槽を閉塞する内槽ドア6が装着されており、前記外槽18の槽口は開放されている。前記増圧孔28及び/又は減圧孔30は、一端が内槽17の内部と連通しており、他端が外槽18の内部に設けられて外槽18と連通している。
【0096】
本実施例のドラム洗濯機は給水管路を含んでいる。前記内槽軸13内には内槽17の内部と連通する中空経路14が備わっており、前記給水管路が内槽軸13の中空経路14と連通している。前記減圧孔30と中空経路14は、それぞれ内槽17の内部と連通するとともに、互いに離隔して設置されている。
【0097】
図9及び
図10に示すように、前記中空経路14は、内槽軸13の中心軸線方向に一端から他端まで延伸している。また、前記減圧孔30は第1孔部と第2孔部を含んでいる。第1孔部は中空経路と平行に設置されており、一端が内槽の内部と連通している。且つ、第2孔部は、一端が第1孔部と連通しており、他端が内槽軸の外周壁まで延伸して外槽の内部と連通している。
【0098】
好ましくは、前記第2孔部と第1孔部は垂直に設置されてL字状の減圧孔を形成している。
【0099】
本実施例のドラム洗濯機は給水管路を含んでいる。また、前記内槽軸13内には内槽17の内部と連通する中空経路14が備わっており、前記給水管路が内槽軸13の中空経路14と連通している。前記増圧孔28は中空経路14と連通している。
【0100】
更に、前記中空経路14は、内槽軸13の中心軸線方向に一端から他端まで延伸している。また、前記増圧孔28は、一端が中空経路14と連通しており、他端が内槽軸13の外周壁まで延伸して外槽18の内部と連通している。
【0101】
好ましくは、前記増圧孔28は中空経路14と垂直に設けられている。
【0102】
本実施例の前記内槽軸は駆動モータに接続されている。駆動モータはステータ及びロータを含み、ロータが内槽軸に固定接続されている。前記ロータの中心には貫通孔が設けられており、前記給水管路がロータの貫通孔を貫通して内槽軸の中空経路と連通している。
【0103】
好ましくは、前記給水管路とロータの貫通孔の間には第1動的シール構造が設けられており、ロータの貫通孔と内槽軸の中空経路との間には第2シール構造が設けられている。
【0104】
図11及び
図12に示すように、増圧孔28と減圧孔30はいずれも内槽軸13に設けられている。且つ、大気と連通する開口がいずれも外槽18の内側に位置しており、内槽17の密封室と連通する開口がいずれも内槽軸13の給水経路14の内側に位置している。
【0105】
連想可能なように、好ましくは、増圧孔28と減圧孔30はいずれも内槽軸13に設けられている。且つ、大気と連通する開口がいずれも外槽18の内側に位置しており、内槽17の密封室と連通する開口がいずれも密封室の内側に位置している。
【実施例5】
【0106】
図13~
図16に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17を含む。内槽17は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。また、内槽の位置を検出するための位置検出装置を更に含む。
【0107】
本実施例のドラム洗濯機は駆動モータ16と内槽軸13を含んでいる。駆動モータ16はステータ及びロータを含み、ロータが内槽軸13に固定接続されて内槽17を回転させる。前記位置検出装置は、位置センサ33及び被検出端子38を含む。前記被検出端子38はロータに設置されており、位置センサ33は前記被検出端子38に対応する位置に固定されている。
【0108】
本実施例のドラム洗濯機は外槽18を含む。前記位置センサ33は、外槽18における駆動モータ16寄りの側に設置されている。また、位置センサ33と被検出端子38は間隔を置いて対応するよう設置されている。
【0109】
本実施例の一実施形態として、前記位置センサは、電磁位置センサ、又は光電位置センサ、又は差動電圧センサ、又は渦電流センサ、又は静電容量センサ、又はリードスイッチセンサ、又はホールセンサである。
【0110】
本実施例のドラム洗濯機は、内槽の回転をロックするためのロック機構35を含んでいる。前記位置検出装置は、ロック機構35が内槽17をロックしたあとに、所定の位置にロックされたか否かを検出する。及び/又は、内槽17が所定の位置まで回転したことを前記位置検出装置が検出したあと、ロック機構35は内槽17をロックする。
【0111】
更に、前記ロック機構35は、外槽18における駆動モータ16寄りの側壁に装着されている。ロック機構35は、伸縮運動するロックロッド40と、ロックロッド40を伸縮運動させるよう駆動するロックモータ41を含む。また、前記駆動モータ16のロータには、ロックロッド40に対応して係合するロック溝39が設けられている。ロックロッド40がロックモータ41に駆動されて伸出し、ロック溝39に挿入されたときに、内槽17はロックされる。
【0112】
本実施例のドラム洗濯機は、前記内槽17の側壁に内槽排水孔が開設されており、内槽排水孔に常時閉のチェックバルブプラグ11が装着されている。また、前記外槽には、チェックバルブプラグを押し開けて排水するための押上ロッド機構10が装着されている。前記ロック機構35が内槽17をロックしたあと、押上ロッド機構10はチェックバルブプラグ11を押し開けて排水する。
【0113】
更に、前記押上ロッド機構は外槽に装着されている。押上ロッド機構は、伸縮運動する押上ロッドと、押上ロッドを伸縮運動させるよう駆動する押上ロッドモータを含む。前記押上ロッドは、外槽の槽壁を貫通して内槽の排水孔に挿入され、チェックバルブプラグを押し開けて排水する。
【0114】
本実施例のドラム洗濯機は主制御装置を含む。前記位置検出センサ、ロックモータ及び押上ロッドモータはいずれも主制御装置に電気的に接続される。
【0115】
本実施例のドラム洗濯機は、前記内槽の側壁に複数の脱水孔が開設されている。また、脱水孔にはいずれも遠心弁が装着されている。前記遠心弁は、脱水時の遠心力の働きにより開放されて脱水及び排水を行う。
【0116】
本実施例の洗濯機は位置センサ33を有している。位置センサ33は、外槽18と駆動モータ16に設置されており、具体的には、外槽18の後部と、駆動モータ16における回転するロータフレームに設置されている。
【0117】
当該位置センサ33は、回転するロータフレーム上の被検出端子38の位置を感知して、信号に変換するとともに、回路43を通じて洗濯機の主制御装置4にフィードバックする。
【0118】
ロータフレーム上の被検出端子38の位置は、回転する内槽の位置に対応している。
【0119】
本実施例の洗濯機は装着フレーム32を有している。固定部材34が外槽に固定されたあと、装着フレーム32に、ロックモータ、ロックロッド及び位置センサが装着される。また、駆動モータのロータフレームには、ロック溝及び被検出端子38が備わっている。
【実施例6】
【0120】
図17~
図18に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17と外槽18を含む。内槽17は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。外槽18は内槽17の外部に同軸に設置されており、内槽17から排出された水を収集して、排水管路経由で排出するために用いられる。また、外槽18に設けられて内槽の位置を検出するための位置検出装置を更に含む。
【0121】
更に、前記位置検出装置は、位置センサ37及び被検出端子38を含む。前記被検出端子38は内槽17に設置されている。また、位置センサ37は、外槽18の内壁に設置されて内槽17の被検出端子38に対応するよう設けられている。
【0122】
好ましくは、前記被検出端子38は内槽17の側壁に設置されており、前記位置センサ37は外槽18の内側壁に設置されている。前記被検出端子38が位置する内槽17の円周と、位置センサ37が位置する外槽18の円周は同心に設置されている。
【0123】
好ましくは、前記位置センサ37は、外槽18の上部に位置する内側壁に設置されている。
【0124】
好ましくは、前記位置センサは、電磁位置センサ、又は光電位置センサ、又は差動電圧センサ、又は渦電流センサ、又は静電容量センサ、又はリードスイッチセンサ、又はホールセンサである。
【0125】
本実施例のドラム洗濯機は、内槽の回転をロックするためのロック機構35を含んでいる。前記位置検出装置は、ロック機構35が内槽17をロックしたあとに、所定の位置にロックされたか否かを検出する。及び/又は、内槽17が所定の位置まで回転したことを前記位置検出装置が検出したあと、ロック機構35は内槽をロックする。
【0126】
更に、前記ロック機構35は外槽18に装着されている。ロック機構35は、伸縮運動するロックロッドと、ロックロッドを伸縮運動させるよう駆動するロックモータを含む。また、前記内槽17には、ロックロッドに対応して係合するロック溝39が設けられている。ロックロッドがロックモータに駆動されて伸出し、ロック溝39に挿入されたときに、内槽17はロックされる。
【0127】
図8に示すように、本実施例の一実施形態として、ロック溝39にリフティングリブ43を装着することで、ロック溝39の隠匿を実現する。更に、或いは、リフティングリブ43内に被検出端子38を装着する。
【0128】
本実施例の一実施形態として、前記内槽17の側壁には内槽排水孔が開設されており、内槽排水孔に常時閉のチェックバルブプラグ11が装着されている。また、前記外槽18には、チェックバルブプラグ11を押し開けて排水するための押上ロッド機構10が装着されている。前記ロック機構35が内槽17をロックしたあと、押上ロッド機構10はチェックバルブプラグ11を押し開けて排水する。
【0129】
更に、前記押上ロッド機構10は外槽18に装着されている。押上ロッド機構10は、伸縮運動する押上ロッドと、押上ロッドを伸縮運動させるよう駆動する押上ロッドモータを含む。前記押上ロッドは、外槽の槽壁を貫通して内槽の排水孔に挿入され、チェックバルブプラグを押し開けて排水する。
【0130】
本実施例のドラム洗濯機は主制御装置4を含む。前記位置検出センサ、ロックモータ及び押上ロッドモータはいずれも主制御装置に電気的に接続される。
【0131】
本実施例のドラム洗濯機は、前記内槽の側壁に複数の脱水孔が開設されている。また、脱水孔にはいずれも遠心弁が装着されている。前記遠心弁は、脱水時の遠心力の働きにより開放されて脱水及び排水を行う。
【実施例7】
【0132】
ドラム洗濯機の制御方法では、ドラム洗濯機が、内槽、内槽の位置を検出するための位置検出装置、及び内槽の回転をロックするためのロック機構を含んでいる。内槽は孔無し内槽であり、衣類を洗浄する際に洗浄水が蓄えられる。前記制御方法では、内槽が所定の位置まで回転したことを前記位置検出装置が検出したあと、ロック機構が内槽をロックするよう制御する。及び/又は、ロック機構が内槽をロックしたあと、前記位置検出装置は所定の位置にロックされたか否かを検出する。
【0133】
図19に示すように、洗濯機は、内槽を回転させるよう駆動する駆動モータを含む。洗浄又はすすぎプログラムにおいて、洗濯機は、駆動モータを減速させるよう制御して、内槽回転停止プログラムを実行する。これにより、内槽の回転速度が所定の安全回転速度以下まで低下したあと、内槽が所定の位置まで回転したことを位置検出装置が検出すると、駆動モータの回転を停止させるよう制御して、内槽の位置が動かないよう保持するとともに、ロック機構により内槽をロックするよう制御して排水を行う。
【0134】
洗濯機は、内槽を回転させるよう駆動する駆動モータを含む。洗浄又はすすぎプログラムにおいて、洗濯機は、駆動モータを減速させるよう制御して、内槽回転停止プログラムを実行する。これにより、内槽の回転速度が所定の安全回転速度以下まで低下したあと、ロック機構が内槽をロックするよう制御する。そして、内槽が所定の位置まで回転したことが位置検出装置により検出された場合には排水を行い、検出されない場合には排水を開始しない。
【0135】
本実施例の前記内槽の側壁には内槽排水孔が開設されており、内槽排水孔には常時閉のチェックバルブプラグが装着されている。また、前記外槽には、チェックバルブプラグを押し開けて排水するための押上ロッド機構が装着されている。前記排水プログラムでは、前記ロック機構が内槽をロックしたあと、押上ロッド機構がチェックバルブプラグを押し開けて排水を行うよう制御する。
【0136】
本実施例の洗濯機は、内槽を回転させるよう駆動する駆動モータを含む。脱水プログラムにおいて、洗濯機は、駆動モータを減速させるよう制御して、内槽回転停止プログラムを実行する。これにより、内槽の回転速度が所定の安全回転速度以下まで低下したあと、内槽が所定の位置まで回転したことを位置検出装置が検出すると、駆動モータの回転を停止させるよう制御して、内槽の位置が動かないよう保持するとともに、ロック機構により内槽をロックするよう制御する。そして、脱水プログラムを終了し、ドアのロックを解除する。
【0137】
本実施例の洗濯機は、内槽を回転させるよう駆動する駆動モータを含む。脱水プログラムにおいて、洗濯機は、駆動モータを減速させるよう制御して、内槽回転停止プログラムを実行する。これにより、内槽の回転速度が所定の安全回転速度以下まで低下したあと、ロック機構が内槽をロックするよう制御する。そして、脱水プログラムを終了し、ドアのロックを解除する。一方、内槽が所定の位置まで回転したことが位置検出装置により検出されない場合には、警報を発する。
【0138】
本実施例のドラム洗濯機は駆動モータと内槽軸を含む。駆動モータはステータ及びロータを含み、ロータが内槽軸に固定接続されて内槽を回転させる。また、前記位置検出装置は、位置センサ及び被検出端子を含む。前記被検出端子はロータに設置されており、位置センサは前記被検出端子に対応する位置に固定されている。
【0139】
ロータが被検出端子と位置センサが対向する位置まで回転していれば、内槽は所定の位置まで回転している。及び/又は、ロック機構が内槽をロックしたあと、ロータが被検出端子と位置センサが対向する位置まで回転していれば、内槽は所定の位置にロックされている。
【0140】
本実施例の前記ロック機構は、外槽における駆動モータ寄りの側壁に装着されている。ロック機構は、伸縮運動するロックロッドと、ロックロッドを伸縮運動させるよう駆動するロックモータを含む。また、前記駆動モータのロータには、ロックロッドに対応して係合するロック溝が設けられている。ロックロッドがロックモータに駆動されて伸出し、ロック溝に挿入されたときに、内槽はロックされる。
【0141】
本実施例のドラム洗濯機は外槽を含む。外槽は内槽の外部に同軸に設置されており、内槽から排出された水を収集して、排水管路経由で排出するために用いられる。また、前記位置検出装置は、位置センサ及び被検出端子を含む。前記被検出端子は内槽に設置されており、位置センサは、外槽の内壁に設置されて内槽の被検出端子に対応するよう設けられている。
【0142】
ロータが被検出端子と位置センサが対向する位置まで回転していれば、内槽は所定の位置まで回転している。及び/又は、ロック機構が内槽をロックしたあと、ロータが被検出端子と位置センサが対向する位置まで回転していれば、内槽は所定の位置にロックされている。
【0143】
本実施例の前記ロック機構は外槽に装着されている。ロック機構は、伸縮運動するロックロッドと、ロックロッドを伸縮運動させるよう駆動するロックモータを含む。また、前記内槽には、ロックロッドに対応して係合するロック溝が設けられている。ロックロッドがロックモータに駆動されて伸出し、ロック溝に挿入されたときに、内槽はロックされる。
【実施例8】
【0144】
図20~
図22に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17を含み、衣類を洗浄する際には内槽17に洗浄水が蓄えられる。前記内槽17は、内槽口、内槽口と対向する内槽底、及び内槽底を取り囲むように接続されて内部収容室を形成する内槽壁を有している。また、前記内槽壁は、内径拡大部位44/内径縮小部位46を有している。内径拡大部位44/内径縮小部位46の内径は、内槽口から内槽底に向かって次第に拡大/縮小している。また、前記内槽壁には、内径拡大部位/内径縮小部位の内径最大端に近接して排水装置45が設置されている。
【0145】
本実施例におけるドラム洗濯機の内槽の内槽壁は、内径拡大部位44/内径縮小部位46を有している。排水時には、内槽の回転に伴う遠心力によって排水装置45が開放される。また、内径拡大部位44/内径縮小部位46の槽壁方向における遠心力の分力が、内槽内の洗浄水を、内径拡大部位44/内径縮小部位46の槽壁沿いに内径最大端へと運動させて、内径拡大部位/内径縮小部位の内径最大端に設置されている排水装置45から排出するように作用する。そのため、本願のドラム洗濯機の内槽構造は、孔無し内槽及び遠心力による排水方式を対象として、孔無し内槽における効率的な脱水性と遠心力による排水性を効果的に実現可能である。
【0146】
図20及び
図21に示すように、本発明の一実施形態として、前記内槽壁は、内径拡大部位44及び内径平直部位を有している。内径平直部位の内径は、内径拡大部位44の最大端の内径以上である。前記内径拡大部位44は、内槽口から内槽底に向かって次第に移行及び拡大しており、内径平直部位は内径拡大部位44の内径最大端に連結されている。また、前記排水装置45は内径平直部位に設置されている。本実施形態の内径拡大部位44は、内径最大端への洗浄水の集合を実現するために用いられる。内径最大端には内径平直部位が連結及び設置されており、集合した水流を当該箇所に集束させて排水装置45から排出する。また、排水装置45は遠心力によって開放されるため、内径平直部位に設置することでいっそう良好に遠心力の作用を受けて正常に開放される。
【0147】
更に、前記内径平直部位は円柱形の筒状構造をなしている。内径平直部位の一端は内径拡大部位44の内径最大端に連結されており、他端は内槽底の周方向の外周に連結されている。前記排水装置45は、内径平直部位の周方向に設けられる少なくとも1つの排水孔と、排水孔に装着されて排水孔の開通/閉止を制御する遠心弁を含む。
【0148】
図22に示すように、本実施例の他の実施形態として、前記内槽壁は、内径縮小部位46と内径平直部位を有している。内径平直部位の内径は、内径縮小部位の最大端の内径以上である。前記内径縮小部位は、内槽口から内槽底に向かって次第に移行及び縮小しており、内径平直部位は内径縮小部位の内径最大端に連結されている。また、前記排水装置は内径平直部位に設置されている。当該実施形態において、内径縮小部位46の機能及び作用は内径拡大部位44と同様であるが、内径平直部位及び排水装置の設置位置のみが異なっている。
【0149】
更に、前記内径平直部位は円筒状構造をなしている。内径平直部位の一端は、内径縮小部位46の内径最大端に連結されており、他端には開放/閉止可能な内槽密閉扉が装着されている。前記排水装置は、内径平直部位の周方向に設けられる少なくとも1つの排水孔と、排水孔に装着されて排水孔の開通/閉止を制御する遠心弁を含む。
【0150】
内径拡大部位を採用するか内径縮小部位を採用するかに関わらず、前記内径拡大部位44/内径縮小部位46の軸方向の長さをH、内径平直部位の軸方向の長さをhとすると、これらはH≧hとなる。また、前記内径拡大部位/内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をAとすると、前記Aは、0°≦A≦45°を満たす。
【0151】
本実施例の一実施形態として、前記内径拡大部位44/内径縮小部位46は内径平直部位と一体的に成型される。
【実施例9】
【0152】
図23~
図28に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17を含み、衣類を洗浄する際には内槽17に洗浄水が蓄えられる。前記内槽17は、内槽口、内槽口と対向する内槽底、及び内槽底を取り囲むように接続されて内部収容室を形成する内槽壁を有している。また、前記内槽壁は、内径拡大部位44及び内径縮小部位46を有している。内径拡大部位44の内径は、内槽口から内槽底に向かって次第に拡大しており、内径縮小部位46の内径は、内槽口から内槽底に向かって次第に縮小している。また、前記内槽壁には、内径拡大部位44及び内径縮小部位46の内径最大端に近接して排水装置45がそれぞれ設置されている。
【0153】
本実施例におけるドラム洗濯機の内槽の内槽壁は、内径拡大部位44及び内径縮小部位46を有している。排水時には、内槽の回転に伴う遠心力によって排水装置45が開放される。また、内径拡大部位44及び内径縮小部位46の槽壁方向における遠心力の分力が、内槽内の洗浄水を、内径拡大部位44及び内径縮小部位46の槽壁沿いに内径最大端へと運動させて、内径拡大部位及び内径縮小部位の内径最大端に設置されている排水装置45から排出するように作用する。そのため、本願のドラム洗濯機の内槽構造は、孔無し内槽及び遠心力による排水方式を対象として、孔無し内槽における効率的な脱水性と遠心力による排水性を効果的に実現可能である。
【0154】
図23及び
図24に示すように、本実施例の一実施形態として、前記内径拡大部位44の内径最小端は内槽口に近接しており、内径拡大部位44の内径最大端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。また、前記内径縮小部位46の内径最小端は内槽底に近接しており、内径縮小部位46の内径最大端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。これにより、両端の内径が小さく、中央の内径が大きな内槽を形成している。こうすることで、排水過程において、内槽内の水流は両端から中央部に集合して排水装置45から排出されるため、効率的な脱水性と遠心力による排水性にいっそう有利となる。
【0155】
具体的に、前記内径拡大部位44の軸方向の長さをH1、内径縮小部位46の軸方向の長さをH2とすると、これらはH1≧H2となり、好ましくは、これらはH1=H2となる。
【0156】
前記内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をA、内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をBとすると、前記A、Bは0°≦A≦B≦45°となる。
【0157】
図25及び
図26に示すように、本実施例の一実施形態として、ドラム洗濯機は内径平直部位47を含む。前記内径平直部位47は内槽の中央部に位置し、両端が、内径拡大部位44の内径最大端、内径縮小部位46の内径最大端にそれぞれ連結している。また、前記内径平直部位47に排水装置45が設置されている。このように、遠心力を利用して開放される排水装置を内径平直部位47に設置することで、内槽の回転時に排水装置が遠心力を受けて確実に開放されるため、排水の有効性が保証される。
【0158】
具体的に、前記内径拡大部位44の軸方向の長さをH1、内径縮小部位46の軸方向の長さをH2、内径平直部位の軸方向の長さをH3とすると、これらはH1≧H2≧H3となり、好ましくは、これらはH1=H2>H3となる。
【0159】
前記内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をA、内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をBとする。且つ、前記内径平直部位は円柱形の筒状構造をなしており、内径平直部位と水平面との夾角をCとする。この場合、前記A、B、Cは、0°≦A≦B≦45°、C=0°を満たす。
【0160】
図27及び
図28に示すように、本実施例の一実施形態として、本実施形態は
図25及び
図26の実施形態と基本的には同じであるが、H1<H3、H2<H3である点のみが異なっている。
【0161】
本実施例の更なる実施形態として、前記内径縮小部位46の内径最大端は内槽口に近接しており、内径縮小部位46の内径最小端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。また、前記内径拡大部位44の内径最大端は内槽底に近接しており、内径拡大部位44の内径最小端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。これにより、両端の内径が大きく、中央の内径が小さな内槽を形成している。また、前記内槽壁における内径拡大部位の内径最大端寄りには第1排水装置が設置されており、内槽壁における内径縮小部位の内径最大端寄りには第2排水装置が設置されている。本実施形態では、内径が大きく、中央の内径が小さな内槽を提供する。排水時には、内槽内の水が両端に集合して排水装置から排出されるため、同様に、いっそう良好な効率的脱水性と遠心力による排水性を有する。
【0162】
具体的に、前記内径縮小部位46の軸方向の長さをH4、内径拡大部位44の軸方向の長さをH5とすると、これらはH4≧H5となり、好ましくは、これらはH4=H5となる。
【0163】
前記内径縮小部位46の側壁と水平面との夾角をD、内径拡大部位44の側壁と水平面との夾角をEとすると、前記D、Eは、0°≦D≦E≦45°を満たす。
【0164】
更に、ドラム洗濯機は、第1内径平直部位と第2内径平直部位を含む。第1内径平直部位は内径縮小部位の内径最大端に連結されており、第2内径平直部位は内径拡大部位の内径最大端に連結されている。前記第1排水装置は第1内径平直部位に設置され、第2排水装置は第2内径平直部位に設置される。
【0165】
具体的には、前記内径縮小部位の軸方向の長さをH4、内径拡大部位の軸方向の長さをH5、第1内径平直部位の軸方向の長さをH6、第2内径平直部位の軸方向の長さをH7とすると、これらはH4≧H5≧H6=H7となり、好ましくは、これらはH4=H5>H6=H7となる。
【0166】
前記内径縮小部位の側壁と水平面との夾角をD、内径拡大部位の側壁と水平面との夾角をEとする。且つ、前記第1内径平直部位、第2内径平直部位はいずれも円筒状構造をなしている。また、第1内径平直部位と水平面との夾角をF、第2内径平直部位と水平面との夾角をGとする。この場合、前記D、E、F、Gは0°≦D≦E≦45°、F,G=0°を満たす。
【実施例10】
【0167】
図29~
図32に示すように、本実施例のドラム洗濯機は内槽17を含み、衣類を洗浄する際には内槽17に洗浄水が蓄えられる。内槽17には、内壁の周方向に沿う複数の環状集水溝と、軸方向に環状集水溝(48,49)を貫通して連通させる軸方向集水溝50が設けられている。また、前記環状集水溝(48,49)内に排水装置45が設置されている。
【0168】
本実施例におけるドラム洗濯機の内槽の内壁には環状集水溝(48,49)が備わっており、内槽の壁面にN個の山谷構造が形成されているため、遠心力により放出された水は各環状集水溝(48,49)に集合可能となる。また、内槽の内壁には軸方向の溝構造が備わっており、前記軸方向の溝によって各環状集水溝(48,49)の連通を実現している。これにより、各環状集水溝(48,49)内の水をいっそう迅速かつ容易に集合させたあと、排水装置から排出可能となるため、効率的な排水性及び脱水・排水性が実現される。
【0169】
本実施例の一実施形態として、前記環状集水溝は、複数の第1環状集水溝48と、少なくとも1つの第2環状集水溝49を含み、第1環状集水溝48、第2環状集水溝49は、軸方向集水溝50を通じて互いに連通している。前記第2環状集水溝49内の溝幅は第1環状集水溝48内の溝幅よりも大きく、前記排水装置45は第2集水溝内に設置されている。
【0170】
本実施例における内槽の内壁には第1環状集水溝48が備わっており、内槽の壁面にN個の山谷構造が形成されているため、遠心力により放出された水は各第1環状集水溝48に集合可能となる。
【0171】
内槽の内壁には第2環状集水溝49が備わっているため、遠心力により集合させた水を全て集結させるのに都合がよい。且つ、孔構造を有している。孔構造は、遠心弁を有して密封されており、一定の回転速度で遠心力を受けた場合にのみ開放され得る。
【0172】
内槽の内壁には軸方向集水溝50が備わっている。前記軸方向集水溝50は、第1環状集水溝48と第2環状集水溝49の連通を実現し、各第1環状集水溝48内の水をより迅速且つ容易に第2環状集水溝49に集合させて、第2環状集水溝49の孔構造から排出可能とする。これにより、効率的な脱水性及び排水性が実現される。
【0173】
本実施例の一実施形態として、前記内槽17は内径が一定の円筒状構造をなしている。内槽17は、内槽口、内槽口と対向する内槽底、及び内槽底を取り囲むように接続されて内部収容室を形成する内槽壁を有している。前記内槽壁の中央部には第2環状集水溝49が1つ設けられており、内槽壁の内部における内槽口と第2環状集水溝49の間、内槽底と第2環状集水溝49の間に、軸方向に沿って複数の第1環状集水溝48が順に設けられている。
【0174】
好ましくは、前記軸方向集水溝50は、内槽壁の周方向に沿って均一に複数設置されており、それぞれが第2環状集水溝49と第1環状集水溝48を貫通して連通させる。
【0175】
更に、前記第2環状集水溝49と内槽口の間の軸方向の長さをL1、第2環状集水溝49と内槽底の間の軸方向の長さをL2とすると、前記L1、L2は、L1≧L2を満たす。
【実施例11】
【0176】
上記実施例10は、実施例8及び9とそれぞれ組み合わされることで新たな技術方案を形成可能である。
【0177】
本実施例で記載するドラム洗濯機は、内槽の内径拡大部位/内径縮小部位及び/又は内径平直部位に、内壁の周方向に沿う環状集水溝と、軸方向に環状集水溝を貫通して連通させる軸方向集水溝が設けられている。
【0178】
更に、前記内径拡大部位/内径縮小部位の内壁には、複数の第1環状集水溝と、内径最大端に設けられる第2環状集水溝が軸方向に沿って順に設置されている。また、前記軸方向集水溝は、第1環状集水溝と第2環状集水溝を順に貫通して連通させる。且つ、前記排水装置は第2環状集水溝内に設置されている。
【0179】
好ましくは、前記第2環状集水溝内の溝幅は第1環状集水溝内の溝幅よりも大きい。
【0180】
更に、前記内径拡大部位/内径縮小部位の内壁には、軸方向に沿って複数の第1環状集水溝が順に設けられており、前記内径平直部位の内壁には少なくとも1つの第3環状集水溝が設けられている。また、前記軸方向集水溝は、第1環状集水溝と第3環状集水溝を順に貫通して連通させる。
【0181】
好ましくは、前記第3環状集水溝内の溝幅は第1環状集水溝内の溝幅よりも大きい。
【0182】
更に、前記内槽壁は、内径拡大部位/内径縮小部位を有している。内径拡大部位/内径縮小部位の内径は、内槽口から内槽底に向かって次第に拡大/縮小している。前記内径拡大部位/内径縮小部位の内壁には、複数の第1環状集水溝と、内径最大端に設けられる第2環状集水溝が軸方向に沿って順に設置されている。また、前記軸方向集水溝は、第1環状集水溝と第2環状集水溝を順に貫通して連通させる。前記第2環状集水溝内の溝幅は第1環状集水溝内の溝幅よりも大きい。且つ、前記排水装置は第2環状集水溝内に設置されている。
【0183】
更に、前記内槽壁は内径平直部位を有している。内径平直部位の内径は内径拡大部位/内径縮小部位の最大端の内径以上である。前記内径平直部位は、内径拡大部位/内径縮小部位の内径最大端に連結されている。また、前記内径拡大部位/内径縮小部位の内壁には、軸方向に沿って複数の第1環状集水溝が順に設けられており、前記内径平直部位の内壁には少なくとも1つの第2環状集水溝が設けられている。前記第2環状集水溝内の溝幅は第1環状集水溝内の溝幅よりも大きい。また、前記軸方向集水溝は、第1環状集水溝と第2環状集水溝を順に貫通して連通させている。
【0184】
更に、前記内槽壁は、内径拡大部位と内径縮小部位を有している。前記内径拡大部位の内径最小端は内槽口に近接しており、内径拡大部位の内径最大端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。また、前記内径縮小部位の内径最小端は内槽底に近接しており、内径縮小部位の内径最大端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。これにより、両端の内径が小さく、中央の内径が大きな内槽を形成している。また、前記内径拡大部位及び内径縮小部位の内壁には、軸方向に沿って複数の第1環状集水溝が順に設けられている。且つ、前記第2環状集水溝は、内径拡大部位の内径最大端と内径縮小部位の内径最大端の間の槽壁に設けられている。
【0185】
更に、前記内槽壁は、内径拡大部位と内径縮小部位を有している。前記内径縮小部位の内径最大端は内槽口に近接しており、内径縮小部位の内径最小端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。また、前記内径拡大部位の内径最大端は内槽底に近接しており、内径拡大部位の内径最小端は内槽壁の中央部に向かって延伸している。これにより、両端の内径が大きく、中央の内径が小さな内槽を形成している。また、前記内径拡大部位及び内径縮小部位の内壁には、軸方向に沿って複数の第1環状集水溝が順に設けられている。且つ、内径拡大部位の内径最大端と内径縮小部位の内径最大端にそれぞれ設けられる2つの前記第2環状集水溝を含む。
【0186】
更に、内径平直部位を含む。内径平直部位は、内径拡大部位の内径最大端、内径縮小部位の内径最大端に連結されている。且つ、前記第2環状集水溝は内径平直部位に設置されている。
【実施例12】
【0187】
ドラム洗濯機の制御方法では、洗濯機が内槽を含み、衣類の洗浄時に内槽内に洗浄水が蓄えられる。内槽の側壁には排水孔が開設されており、排水孔には排水孔の開通/閉止を制御する遠心弁が装着されている。制御方法としては、洗濯機の洗濯過程において、内槽の回転速度が所定の回転速度N0以上となるよう制御することで、遠心弁が遠心力を受けて排水孔を開放し、内槽からの排水を行う。
【0188】
本実施例の排水装置は遠心弁を採用している。制御方法としては、内槽の回転制御により遠心力を発生させて、遠心弁を開放することで排水を実現する。このように、遠心弁+プログラム制御によって、孔無し内槽を有するドラム洗濯機の排水及び脱水を実現する。
【0189】
本実施例の一実施形態として、洗濯機が洗浄プログラム又はすすぎプログラムの実行を完了したあと、内槽の回転速度が第1回転速度N1となるよう制御して、所定の時間t1だけ維持する。前記N1≧N0である。また、N0は洗浄プログラム又はすすぎプログラムにおける内槽の回転速度よりも大きい。内槽が回転速度N1を維持して回転時間t1に達すると、内槽の回転を停止して次のプログラムに進むよう制御する。好ましくは、N1は110~400回転/分であり、より好ましくは、170±50回転/分であり、更に好ましくは、150±20回転/分である。好ましくは、t1の範囲は0.1~5分の間であり、より好ましくは、1~2分である。
【0190】
更に、洗濯機は、内槽内の重量を計測する計量装置を含む。計量装置は、内槽がN1での回転を開始する前の内槽内の重量W0を計測する。そして、回転時間がt1に達したあと、計量装置は内槽内の重量W1を検出し、制御システムが、W1とW0の比較に基づいて排水が正常か否かを判断する。
【0191】
更に、制御システムは、W1/W0の値kを比較することで排水が異常か否かを判断する。制御システムは、k≧0.7の場合には排水異常と判断して警告を発し、そうでない場合には排水が正常であると判断する。
【0192】
本実施例の更なる実施形態として、洗濯機が洗浄プログラム又はすすぎプログラムの実行を完了したあと、内槽の回転速度が第1回転速度N1となるよう制御する。前記N1≧N0である。また、N0は洗浄プログラム又はすすぎプログラムにおける内槽の回転速度よりも大きい。そして、内槽内の水を排出し終わると、内槽の回転を停止して次のプログラムに進むよう制御する。
【0193】
更に、洗濯機は、内槽内の重量を計測する計量装置を含む。洗濯機が内槽にN1での回転を維持させるよう制御する過程において、制御システムは、計量装置によってリアルタイムで検出される内槽内の重量値に基づき、排水が完了したか否かを判断する。
【0194】
更に、制御システムが、計量装置によってリアルタイムで検出される内槽内の重量値に基づき、排水が完了したか否かを判断する際には、以下を含む。即ち、計量装置によってリアルタイムで検出される内槽内の重量値をW0、W1、W2、・・・・・・、Wtとし、隣り合う時間の計量値を減算して、n1=W1-W0、n2=W2-W1、・・・・・・、nt=(Wt)-(Wt-1)を記録する。そして、ntが一定の時間変化せず、且つ0に近付いている場合には、排水が完了したと判断する。
【0195】
更に、制御システムは、n1、n2、・・・・・・、ntの変化の状況を比較して、排水が正常か否かを判断する。そして、n1=n2=・・・・・・=nt=0の場合、制御システムは排水異常と判断して警告を発する。
【0196】
更に、洗濯機は脱水プログラムを実行する。前記脱水プログラムにおける最低脱水回転速度N2はN0以上である。
【0197】
図33は、本実施例の前記制御方法を採用するドラム洗濯機を示している。
【0198】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。