(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御プログラム及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240123BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240123BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G09G5/00 510H
G09G5/00 530T
B41J29/42 F
(21)【出願番号】P 2019137747
(22)【出願日】2019-07-26
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志甫 裕一
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-094987(JP,A)
【文献】特開2015-090648(JP,A)
【文献】特開2003-244391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G09G 5/00 - 5/40
G06F 3/01
3/048- 3/04895
B41J 29/00 -29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ジョブの実行開始を指示する場合に指定される実行開始ボタンを表示させる制御を行った後、前記ジョブの実行停止を指示する場合に指定される実行停止ボタンを当該実行開始ボタンに替えて表示させる制御を行い、
表示部の表示領域のうち、テンキーに対する操作がなされた場合、ジョブに関する設定を行う操作がなされた場合、
又は、ジョブを実行する実行装置に設けられた操作部のうち、前記表示部とは異なる操作部に対して操作がなされた場合に、
表示されている前記実行停止ボタンに替えて、前記実行開始ボタンを表示させる表示制御を表示部に対して行う、
表示制御装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ジョブの実行開始を指示する場合に指定される実行開始ボタンを表示させる制御を行った後、前記ジョブの実行停止を指示する場合に指定される実行停止ボタンを当該実行開始ボタンに替えて表示させる制御を行い、
ジョブを実行する実行装置に対して、前記ジョブの実行に先立って配置する配置物の配置操作であって、且つ、前記実行装置の検知センサで検知される前記配置操作がなされた場合に、
表示されている前記実行停止ボタンに替えて、前記実行開始ボタンを表示させる表示制御を表示部に対して行う、
表示制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
ジョブを実行する実行装置に対して、前記ジョブの実行に先立って配置する配置物の配置操作であって、且つ、前記実行装置の検知センサで検知される前記配置操作がなされた場合に、
前記表示制御と共に、前記ジョブに関する設定操作が行われる設定画面を表示する制御を前記表示部に対して行う
請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ジョブの実行開始を指示する場合に指定される実行開始ボタンを表示させる制御を行った後、前記ジョブの実行停止を指示する場合に指定される実行停止ボタンを当該実行開始ボタンに替えて表示させる制御を行い、
ジョブを実行する実行装置が第一ジョブ及び第二ジョブを取得し、前記第一ジョブの実行が未指示である状態において、前記第二ジョブの実行が指示された場合に、
表示されている前記実行停止ボタンに替えて、前記実行開始ボタンを表示させる表示制御を表示部に対して行う、
表示制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
ジョブを実行する実行装置が第一ジョブ及び第二ジョブを取得し、前記第一ジョブの実行が未指示である状態において、前記第二ジョブの実行が指示された場合に、
前記表示制御と共に、前記第一ジョブの内容を表示する制御を表示部に対して行う
請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
コンピュータに、
ジョブの実行開始を指示する場合に指定される実行開始ボタンを表示させる制御を行った後、前記ジョブの実行停止を指示する場合に指定される実行停止ボタンを当該実行開始ボタンに替えて表示させる制御を行い、
表示部の表示領域のうち、テンキーに対する操作がなされた場合、ジョブに関する設定を行う操作がなされた場合、
又は、ジョブを実行する実行装置に設けられた操作部のうち、前記表示部とは異なる操作部に対して操作がなされた場合に、
表示されている前記実行停止ボタンに替えて、前記実行開始ボタンを表示させる表示制御を表示部に対して行う処理
を実行させるための表示制御プログラム。
【請求項7】
表示部を備え、
前記表示部は、
ジョブの実行開始を指示する場合に指定される実行開始ボタンを表示した後、前記ジョブの実行停止を指示する場合に指定される実行停止ボタンを当該実行開始ボタンに替えて表示し、
前記表示部の表示領域のうち、テンキーに対する操作がなされた場合、ジョブに関する設定を行う操作がなされた場合、
又は、ジョブを実行する実行装置に設けられた操作部のうち、前記表示部とは異なる操作部に対して操作がなされた場合に、
表示している前記実行停止ボタンに替えて、前記実行開始ボタンを表示する
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御プログラム及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示部と、前記表示部に表示され、入力操作を受け付けると、対応する機能を発揮させる第1機能キーと、前記表示部に表示され、入力操作を受け付けると、前記第1機能キーとは異なる機能を発揮させる第2機能キーであって、前記第1機能キーが有効状態のときは無効状態であり、前記第1機能キーが表示されている状態では表示されない第2機能キーと、前記第1機能キーが入力操作を受け付けた後の第1段階で、前記第1機能キーおよび前記第2機能キーを無効状態にし、かつ、前記第1機能キーを非表示にして前記第2機能キーを表示し、その後の第2段階で、前記第2機能キーを有効状態にする制御部と、を備える動作装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ジョブの実行開始ボタンに替えて実行停止ボタンを表示させる構成において、ジョブの実行が終了するまで実行停止ボタンの表示を常に継続する構成では、ジョブの実行が終了するまで、次のジョブの実行開始を指示できない。
【0005】
本発明は、ジョブの実行開始ボタンに替えて実行停止ボタンを表示させる構成において、ジョブの実行が終了するまで実行停止ボタンの表示を常に継続する構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ジョブの実行開始を指示する場合に指定される実行開始ボタンを表示させる制御を行った後、前記ジョブの実行停止を指示する場合に指定される実行停止ボタンを当該実行開始ボタンに替えて表示させる制御を行い、次のジョブの実行開始が指示されることを示す実行開始指定条件が成立した場合に、前記実行停止ボタンに替えて前記実行開始ボタンを表示する表示制御を表示部に対して行う、表示制御装置である。
【0007】
第2態様は、前記実行開始指定条件が成立する場合は、前記ジョブを実行する実行装置に対する操作であって、前記実行停止ボタンの指定以外の前記操作がなされた場合である第1態様に係る表示制御装置である。
【0008】
第3態様は、前記操作がなされた場合は、前記表示部における前記実行停止ボタンの表示領域以外の領域に対して操作がなされた場合、又は、前記表示部とは異なる操作部に対して操作がなされた場合である第2態様に係る表示制御装置である。
【0009】
第4態様は、前記操作は、ジョブに関する設定操作である、第3態様に係る表示制御装置である。
【0010】
第5態様は、前記操作がなされた場合は、前記実行装置に対して、前記ジョブの実行に先立って配置する配置物の配置操作がなされた場合である第2態様に係る表示制御装置である。
【0011】
第6態様は、前記プロセッサは、前記実行装置に対して、前記配置操作がなされた場合に、前記表示制御と共に、前記ジョブに関する設定操作が行われる設定画面を表示する制御を前記表示部に対して行う第5態様に係る表示制御装置である。
【0012】
第7態様は、前記実行開始指定条件が成立する場合は、実行が未指示である未指示ジョブが存在する場合である、第1態様から第6態様のいずれか1つの態様に係る表示制御装置である。
【0013】
第8態様は、前記プロセッサは、前記未指示ジョブが存在する場合に、前記表示制御と共に、前記未指示ジョブの内容を表示する制御を表示部に対して行う第7態様に係る表示制御装置である。
【0014】
第9態様は、コンピュータに、ジョブの実行開始を指示する場合に指定される実行開始ボタンを表示させる制御を行った後、前記ジョブの実行停止を指示する場合に指定される実行停止ボタンを当該実行開始ボタンに替えて表示させる制御を行い、次のジョブの実行開始が指示されることを示す実行開始指定条件が成立した場合に、前記実行停止ボタンに替えて前記実行開始ボタンを表示する表示制御を表示部に対して行う処理を実行させるための表示制御プログラムである。
【0015】
第10態様は、ジョブの実行開始を指示する場合に指定される実行開始ボタンを表示した後、前記ジョブの実行停止を指示する場合に指定される実行停止ボタンを当該実行開始ボタンに替えて表示し、次のジョブの実行開始が指示されることを示す実行開始指定条件が成立した場合に、前記実行停止ボタンに替えて前記実行開始ボタンを表示する表示部を備えた表示装置である。
【発明の効果】
【0016】
第1態様の構成によれば、ジョブの実行開始ボタンに替えて実行停止ボタンを表示させる構成において、ジョブの実行が終了するまで実行停止ボタンの表示を常に継続する構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0017】
第2態様の構成によれば、予め定められた期間の経過を実行開始指定条件とする構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0018】
第3態様の構成によれば、実行装置に対してジョブの実行に先立って配置する配置物(例えば、原稿)の配置操作がなされたことを実行開始指定条件とする構成に比べ、配置操作が必須ではないジョブにおいて、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0019】
第4態様の構成によれば、実行開始指定条件を、ジョブに関する設定操作が行われない条件とする構成に比べ、実行開始ボタンの誤表示が抑制される。
【0020】
第5態様の構成によれば、表示部又は操作部に対する操作がなされることを実行開始指定条件とする構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0021】
第6態様の構成によれば、配置操作がなされた場合に実行開始ボタンのみを表示する構成に比べ、次のジョブに関する設定操作が終了するまでの時間が短縮される。
【0022】
第7態様の構成によれば、表示部又は操作部に対する操作がなされることを実行開始指定条件とする構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0023】
第8態様の構成によれば、未指示ジョブが存在する場合に実行開始ボタンのみを表示する構成に比べ、ジョブの実行の指示者が、未指示ジョブの内容を把握しやすい。
【0024】
第9態様の構成によれば、ジョブの実行開始ボタンに替えて実行停止ボタンを表示させる場合において、ジョブの実行が終了するまで実行停止ボタンの表示を常に継続する構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0025】
第10態様の構成によれば、ジョブの実行開始ボタンに替えて実行停止ボタンを表示する場合において、ジョブの実行が終了するまで実行停止ボタンの表示を常に継続する構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施形態に係る実行装置の構成を模式的に示す概略図である。
【
図2】本実施形態に係る表示部のホーム画面を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る表示部のジョブ実行画面を示す図である。
【
図4】
図3に示されるジョブ実行画面において、実行開始ボタンに替えて実行停止ボタンを表示した状態を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係る表示制御装置による表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る表示部のホーム画面に対する操作の例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る操作部に対する操作の例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る表示部のホーム画面に対する操作の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0028】
(実行装置10)
まず、本実施形態に係る実行装置10の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る実行装置の構成を模式的に示す概略図である。
【0029】
図1に示される実行装置10は、ジョブを実行する実行装置である。具体的には、実行装置10は、ジョブを指示する者(以下、指示者という)が指示したジョブを実行する。
【0030】
実行装置10は、一例として、記録媒体に画像を形成する画像形成装置である。当該画像形成装置は、具体的には、一例として、プリント機能(すなわち、画像形成機能)、スキャン機能(すなわち、画像読取機能)、コピー機能(すなわち、複写機能)及びファクシミリ機能を有するデジタル複合機である。ここで、ジョブとは、指示者による一回の指示によって実行される動作の処理単位をいう。
【0031】
実行装置10は、さらに具体的には、
図1に示されるように、実行部30と、表示部20と、操作部60と、表示制御装置50と、を備えている。したがって、実行装置10は、表示部20を備える表示装置の一例でもある。以下、実行装置10の各部(実行部30、表示部20、操作部60及び表示制御装置50)について説明する。
【0032】
なお、上記画像形成装置としては、デジタル複合機に限られず、プリント機能のみを有するプリンターや、プリント機能、スキャン機能及びコピー機能のみを有する複写機などであってもよい。また、実行装置10としては、スキャン機能のみを有する画像読取装置などであってもよい。
【0033】
(実行部30)
実行部30は、実行装置10におけるジョブを実行する部分である。具体的には、実行部30は、一例として、媒体収容部31と、媒体搬送部32と、画像形成部33と、原稿収容部34と、原稿搬送部35と、画像読取部36と、送信部38と、を有している。
【0034】
原稿収容部34は、原稿を収容する。原稿収容部34は、例えば、指示者によって原稿が載せられる原稿トレイで構成されている。原稿搬送部35は、原稿収容部34に収容された原稿を画像読取部36へ搬送する。画像読取部36は、原稿搬送部35によって搬送された原稿の画像を読み取る(スキャン機能)。
【0035】
媒体収容部31は、記録媒体を収容する。媒体収容部31は、例えば、実行装置10の装置本体11に対して引出及び収納が可能とされている。媒体収容部31には、例えば、装置本体11から引き出された状態で指示者によって記録媒体が収容され、当該媒体収容部31が装置本体11に収納される。
【0036】
媒体搬送部32は、媒体収容部31に収容された記録媒体を画像形成部33へ搬送する。画像形成部33は、媒体搬送部32によって搬送された記録媒体に画像を形成する。具体的には、画像形成部33は、例えば、帯電、露光、現像、転写、及び定着の各工程を経て画像を記録媒体に形成する(プリント機能)。原稿の画像を記録媒体に複写する場合には、画像形成部33は、画像読取部36によって読み取った画像の画像データに基づいて、記録媒体に画像を形成する(コピー機能)
【0037】
送信部38は、画像読取部36によって読み取った画像の画像データを外部へ送信する(ファクシミリ機能)。
【0038】
(表示部20)
図1に示される表示部20は、実行装置10において、各種の情報を表示する部分である。具体的には、表示部20は、操作部を兼ねており、指示者によって指定される操作ボタンを表示する。さらに具体的には、表示部20は、例えば、タッチパネル式の表示装置で構成されている。
【0039】
表示部20は、一例として、ホーム画面22(
図2参照)と、ジョブ実行画面40(
図3参照)と、を選択的に表示可能とされている。
図2に示されるホーム画面22は、指示者が実行したい機能を選択するためのメニュー画面である。ホーム画面22には、
図2に示されるように、プリント機能、スキャン機能、コピー機能及びファクシミリ機能等の各種機能を示すアイコン23が示される。このホーム画面22においていずれかのアイコン23が選択されると、表示部20は、当該アイコン23に対応する機能のジョブ実行画面40を表示する。
【0040】
ジョブ実行画面40は、ジョブを実行するための画面である。具体的には、ジョブ実行画面40は、選択されたアイコン23に対応する機能のジョブに関する設定操作と、当該ジョブの実行開始の指示操作と、を行うための画面である。
図3には、一例として、コピー機能のアイコン23が選択された場合のジョブ実行画面40が示されている。
【0041】
図3のジョブ実行画面40には、コピー部数を入力するためのテンキー42と、テンキー42によって入力された部数を示す部数表示44と、が表示されている。また、ジョブ実行画面40には、画像モード、倍率及び濃度等を設定するための設定ボタン45が表示されている。
図3のジョブ実行画面40では、複数の設定ボタン45の一部がジョブ実行画面40に表示され、ジョブ実行画面40外に隠れている他の設定ボタン45をスクロール操作により表示される構成とされている。
図3では、ジョブ実行画面40外に隠れている設定ボタン45を二点鎖線により示している。このように、ジョブ実行画面40は、ジョブに関する各種の設定を行うための設定画面を含んでいる。
【0042】
また、ジョブ実行画面40の左上の領域には、ログインボタン47が表示されている。ログインボタン47は、ログインを行うためのボタンである。ログインとは、実行装置10が、予め登録しておいたアカウント情報を用いて、ユーザを認証する動作をいう。なお、実行装置10では、例えば、ID(Identification)カード等を用いて、ログインが可能となっていてもよい。
【0043】
さらに、ジョブ実行画面40の右上の領域には、実行開始ボタン48が表示されている。実行開始ボタン48は、ジョブの実行開始を指示する場合に、指示者によって指定される操作ボタンである。この実行開始ボタン48には、ジョブの実行開始を指示するためのボタンであることを指示者に認識させるための表示(具体的には、「スタート」の表示)がなされている。当該表示としては、「Start」や「開始」などであってもよい。
【0044】
さらに、ジョブ実行画面40では、
図4に示されるように、実行開始ボタン48に替えて、実行停止ボタン49を表示可能となっている。具体的には、実行停止ボタン49は、ジョブ実行画面40の右上の領域に表示される。すなわち、実行停止ボタン49は、実行開始ボタン48の表示領域に表示される。さらに具体的には、実行停止ボタン49は、実行開始ボタン48と同じサイズとされ、実行開始ボタン48と同一の表示領域に表示される。
【0045】
実行停止ボタン49は、ジョブの実行停止を指示する場合に、指示者によって指定される操作ボタンである。この実行停止ボタン49には、ジョブの実行停止を指示するためのボタンであることを指示者に認識させるための表示(具体的には、「ストップ」の表示)がなされている。当該表示としては、「Stop」や「停止」などであってもよい。
【0046】
本実施形態では、実行停止ボタン49が指定された場合に、実行中のジョブが中止される。なお、実行停止ボタン49が指定された場合に、実行中のジョブを一時停止する構成であってもよい。この場合では、例えば、実行中のジョブの再開又は中止をさらに選択可能とされる。
【0047】
このように、表示部20では、実行開始ボタン48と実行停止ボタン49とが選択的に表示可能となっている。すなわち、表示部20には、実行開始ボタン48及び実行停止ボタン49の一方のみが表示される。
【0048】
なお、表示部20では、実行開始ボタン48及び実行停止ボタン49が、ジョブ実行画面40における同一の表示領域に表示されていたが、これに限られない。例えば、実行開始ボタン48及び実行停止ボタン49は、一部又は全部がジョブ実行画面40の異なる領域に表示されてもよい。
【0049】
また、表示部20では、実行開始ボタン48及び実行停止ボタン49が、ジョブ実行画面40の右上の領域に表示されていたが、これに限られない。例えば、実行開始ボタン48及び実行停止ボタン49を、ジョブ実行画面40の左上の領域、ジョブ実行画面40の左右方向中央の上側の領域、又は、ジョブ実行画面40の上側の領域全体に表示してもよい。また、例えば、実行開始ボタン48及び実行停止ボタン49を、ジョブ実行画面40の上下方向の中央部、又は、ジョブ実行画面40の下部に表示してもよい。
【0050】
さらに、表示部20では、実行開始ボタン48及び実行停止ボタン49において、表示の仕方及び表示の大きさ等を変更してもよい。具体的には、例えば、実行停止ボタン49ついて、実行開始ボタン48における文字と背景の色を反転させる反転表示を行ってもよい。また、実行停止ボタン49を実行開始ボタン48よりも大きいサイズで表示してもよい。
【0051】
(操作部60)
図5に示される操作部60は、表示部20とは異なる操作部である。この操作部60は、実行装置10における表示部20が配置された位置とは異なる位置に配置されている。
【0052】
操作部60は、具体的には、例えば、物(すなわちハードボタン)として構成されたホームボタン62と電源ボタン64とを有している。電源ボタン64は、実行装置10の電源をオンオフするためのボタンである。ホームボタン62は、表示部20にホーム画面22を表示するためのボタンである。したがって、表示部20にジョブ実行画面40が表示されている状態で、ホームボタン62が指定されると、表示部20の表示がジョブ実行画面40からホーム画面22に戻る。さらに、操作部60は、数値を入力可能なテンキー等の設定ボタン66を有している。
【0053】
(表示制御装置50)
表示制御装置50は、表示部20の動作を制御する装置である。
図6には、表示制御装置50のハードウェア構成を示すブロック図が示されている。
【0054】
図6に示されるように、表示制御装置50は、コンピュータとしての機能を備え、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、ストレージ54、通信インタフェース56及びI/O(Input/Output)部57を有している。表示制御装置50の各部は、バス59を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU51は、プロセッサの一例である。
【0055】
CPU51は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部の動作を制御したりする。すなわち、CPU51は、ROM52又はストレージ54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。CPU51は、ROM52又はストレージ54に記録されているプログラムに従って、実行装置10の各部の制御および各種の演算処理を行う。
【0056】
ROM52は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ54は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0057】
通信インタフェース56は、パソコン等の外部装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース56の通信方式としては、有線又は無線が用いられる。通信インタフェース56の通信規格としては、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等が用いられる。I/O部57は、CPU51を実行装置10の表示部20、操作部60及び実行部30の各部と接続する。
【0058】
表示制御装置50では、CPU51が、ROM52又はストレージ54に記憶された表示制御プログラムを読み出し、以下の表示制御を表示部20に対して行う。具体的には、CPU51は、実行開始ボタン48を表示させる制御(以下、第一制御という)を行った後、実行停止ボタン49を当該実行開始ボタン48に替えて表示させる制御(以下、第二制御という)を行い、次のジョブの実行開始が指示されることを示す実行開始指定条件が成立した場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示する表示制御(以下、第三制御という)を表示部20に対して行う。
【0059】
具体的には、第一制御では、ホーム画面22においていずれかのアイコン23が選択された場合に、当該アイコン23に対応する機能のジョブの実行開始を指示する場合に指定される実行開始ボタン48を含むジョブ実行画面40を表示させる。
【0060】
第二制御では、具体的には、第一制御によって表示された実行開始ボタン48が指定されてジョブが実行開始された場合に、当該実行開始ボタン48に替えて実行停止ボタン49を表示させる。換言すれば、第二制御では、第一制御によって表示された実行開始ボタン48が指定されて、ジョブの実行開始の指定を実行装置10が正常に受け付けた場合に、当該実行開始ボタン48に替えて実行停止ボタン49を表示させる。
【0061】
第三制御では、具体的には、第二制御によって実行停止ボタン49を表示させた後に、実行開始指定条件が成立した場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示する。換言すれば、第三制御は、第二制御によって実行停止ボタン49を表示させた後に、次のジョブが実行されると考えられるタイミングで、実行開始ボタン48を表示する表示制御である。
【0062】
実行開始指定条件が成立する場合とは、具体的には、実行装置10に対する操作であって、実行停止ボタン49の指定以外の操作(以下、条件成立操作という)がなされた場合である。条件成立操作がなされた場合とは、具体的には、表示部20における実行停止ボタン49の表示領域以外の領域に対して操作(以下、領域外操作という)がなされた場合、又は、操作部60に対して操作がなされた場合である。さらに具体的には、当該操作は、ジョブに関する設定操作である。ジョブに関する設定操作とは、具体的には、例えば、ジョブ実行画面40のテンキー42に対する操作(
図8の符号HA参照)、ジョブ実行画面40の設定ボタン45に対する操作(
図8の符号HB参照)、及び、操作部60の設定ボタン66に対する操作(
図9の符号HC参照)のいずれかの操作である。なお、設定ボタン45として複数のボタンがある場合に、ジョブ実行画面40外に隠れている設定ボタン45をジョブ実行画面40に表示させるためのスクロール操作も、ジョブに関する設定操作に含まれる。
【0063】
また、第三制御において表示される実行開始ボタン48は、第一制御において表示される実行開始ボタン48と、表示方法、表示場所及び表示サイズ等が異なっていてもよい。
【0064】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
図7は、表示制御装置50によって実行される表示制御処理の流れを示すフローチャートである。表示制御処理は、例えば、ホーム画面22においていずれかのアイコン23が選択された場合に開始される。
【0065】
本実施形態に係る表示制御処理は、CPU51がROM52又はストレージ54から表示制御プログラムを読み出して実行することにより行なわれる。
【0066】
図7に示されるように、表示制御処理が開始されると、CPU51は、表示部20に実行開始ボタン48を表示させる(ステップS102)。具体的には、CPU51は、指示者によって選択されたアイコン23に対応する機能のジョブを実行開始するための実行開始ボタン48を含むジョブ実行画面40を表示部20に表示させる(
図3参照)。
【0067】
次に、CPU51は、実行開始ボタン48が指定されたか否かを判断することによりジョブが実行開始されたか否かを判断する(ステップS104)。CPU51は、ステップS104において、ジョブが実行開始されたと判断した場合に、一例として、
図4に示されるように、実行開始ボタン48に替えて実行停止ボタン49を表示部20に表示させる(ステップS106)。CPU51は、ステップS104において、ジョブが実行開始されていないと判断した場合は、ジョブが実行開始されたと判断するまで、ステップS104を繰り返す。
【0068】
次に、CPU51は、実行開始指定条件が成立しているか否かを判断する(ステップS108)。具体的には、CPU51は、前述の条件成立操作がなされたか否かを判断する。さらに、具体的には、CPU51は、前述の領域外操作、又は、操作部60に対する操作がなされたか否かを判断する。さらに言えば、CPU51は、ジョブに関する設定操作がなされたか否かを判断する。より具体的には、CPU51は、ジョブ実行画面40のテンキー42に対する操作(
図8の符号HA参照)、ジョブ実行画面40の設定ボタン45に対する操作(
図8の符号HB参照)、及び、操作部60の設定ボタン66に対する操作(
図9の符号HC参照)のいずれかの操作がなされたか否かを判断する。
【0069】
CPU51は、ステップS108において、少なくとも1つの実行開始指定条件が成立すると判断した場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させ(ステップS110)、表示制御処理を終了する。
【0070】
CPU51は、ステップS108において、いずれの実行開始指定条件も成立しないと判断した場合は、ジョブの実行が終了した否か判断する(ステップS112)。CPU51は、ステップS112において、ジョブの実行が終了していないと判断した場合は、ステップS108に戻る。CPU51は、ステップS112において、ジョブの実行が終了したと判断した場合には、表示制御処理を終了する。
【0071】
本実施形態では、前述のように、CPU51は、実行開始指定条件が成立した場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させる。このため、ジョブの実行が終了するまで実行停止ボタン49の表示を常に継続する構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0072】
また、本実施形態では、具体的には、前述のように、CPU51は、実行開始指定条件が成立した場合として、条件成立操作がなされた場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させる。
【0073】
ここで、例えば、予め定められた期間の経過を実行開始指定条件とする構成(以下、第1構成という)では、予め定められた期間が経過するまで実行停止ボタン49の表示が継続される。
【0074】
これに対して、本実施形態では、条件成立操作がなされた場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させるので、第1構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0075】
また、本実施形態では、具体的には、前述のように、CPU51は、条件成立操作がなされた場合として、領域外操作がなされた場合、又は、操作部60に対して操作がなされた場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させる。
【0076】
ここで、例えば、実行装置10に対してジョブの実行に先立って配置する配置物(例えば、原稿)の配置操作がなされたことを実行開始指定条件とする構成(以下、第2構成という)では、配置操作が必須ではないジョブ(例えば、プリント)において、実行停止ボタン49の表示が継続される。
【0077】
これに対して、本実施形態では、配置操作が必須ではないジョブであっても、領域外操作がなされた場合、又は、操作部60に対して操作がなされた場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させるので、配置操作が必須ではないジョブにおいて、第2構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0078】
また、本実施形態では、具体的には、前述のように、CPU51は、条件成立操作がなされた場合として、ジョブに関する設定操作がなされた場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させる。さらに具体的には、ジョブ実行画面40のテンキー42及び設定ボタン45に対する操作、又は、操作部60の設定ボタン66に対する操作がなされた場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させる。
【0079】
ここで、実行開始指定条件を、ジョブに関する設定操作が行われない条件とする構成(以下、第3構成という)、具体的には、例えば、ジョブ実行画面40における実行停止ボタン49、テンキー42及び設定ボタン45以外の領域に対する操作(すなわち接触)を条件とする構成では、指示者が次のジョブを実行することを意図せず操作している場合にも、実行開始ボタン48が表示される可能性がある。すなわち、第3構成では、指示者の誤操作によって、実行開始ボタン48が誤って表示される場合がある。
【0080】
これに対して、ジョブに関する設定操作がなされた場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させる構成では、次のジョブを実行することを意図して操作していると考えられ、第3構成に比べ、実行開始ボタン48の誤表示が抑制される。
【0081】
(条件成立操作の第一変形例)
上記実施形態では、条件成立操作は、領域外操作、又は、操作部60に対する操作であったが、これに限られない。例えば、条件成立操作としては、実行装置10に対してジョブの実行に先立って配置する配置物の配置操作であってよい。
【0082】
したがって、本変形例では、
図7に示されるフローチャートにおけるステップS108において、CPU51は、配置物の配置操作が行われたか否かを判断する。そして、CPU51は、ステップS108において配置物の配置操作が行われたと判断した場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させ(ステップS110)、表示制御処理を終了する。CPU51は、ステップS108において配置物の配置操作が行われていないと判断した場合は、ステップS112へ移行する。
【0083】
なお、領域外操作、操作部60に対する操作、及び、配置物の配置操作のいずれかが行われた場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させる構成であってもよい。
【0084】
ここで、配置とは、具体的には、実行装置10における予め定められた位置に配することをいう。すなわち、実行装置10における予め定められた位置に位置させればよく、配置には、収容すること、接続することなどが含まれる。したがって、配置操作には、例えば、実行装置10の収容部に収容物を収容する収容操作、及び実行装置10の接続部に接続物を接続する接続操作が含まれる。
【0085】
具体的には、収容操作として、実行装置10の原稿収容部34に収容物としての原稿を収容する収容操作が該当する。また、収容操作としては、実行装置10の媒体収容部31に収容物としての記録媒体Pを収容する収容操作が該当する。なお、収容部に収容物を収容する収容操作は、光センサ等の検知センサにより検知される。
【0086】
接続操作としては、接続部としてのUSB(Universal Serial Bus)等の接続端子に、USBメモリー等の接続物を接続する接続操作が該当する。
【0087】
以上のように、本変形例では、配置物の配置操作がなされた場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させる。ここで、例えば、表示部20又は操作部60に対する操作がなされることを実行開始指定条件とする構成(以下、第4構成という)では、配置物(例えば、原稿)の配置操作の後に表示部20又は操作部60に対する操作を必要とするジョブ(例えば、スキャン及びコピー)では、表示部20又は操作部60に対する操作がなされるまで、実行停止ボタン49の表示が継続される。
【0088】
これに対して、本変形例では、配置物の配置操作がなされた場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させるので、配置操作の後に表示部20又は操作部60に対する操作を必要とするジョブにおいて、第4構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0089】
さらに、本変形例では、配置操作がなされた場合に、CPU51は、前述の第三制御と共に、ジョブに関する設定操作が行われる設定画面を表示する制御を表示部20に対して行ってもよい。
【0090】
すなわち、CPU51は、ステップS108において配置物の配置操作が行われたと判断した場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させ且つ、ジョブに関する設定操作が行われる設定画面を表示部20に表示させ(ステップS110)、表示制御処理を終了する。
【0091】
この構成によれば、表示部20に表示された設定画面で次のジョブに関する設定操作が行えるので、配置操作がなされた場合に実行開始ボタン48のみを表示する構成に比べ、次のジョブに関する設定操作が終了するまでの時間が短縮される。
【0092】
なお、本変形例では、条件成立操作として、配置物の配置操作がなされる場合について説明したが、これに限られない。条件成立操作としては、例えば、実行装置10の媒体収容部31を引き出す操作であってもよい。
【0093】
(条件成立操作の第二変形例)
上記実施形態では、条件成立操作は、具体的には、例えば、ジョブ実行画面40のテンキー42に対する操作(
図8の符号HA参照)、ジョブ実行画面40の設定ボタン45に対する操作(
図8の符号HB参照)、及び、操作部60の設定ボタン66に対する操作(
図9の符号HC参照)のいずれかの操作であったが、これに限られない。
【0094】
例えば、領域外操作には、ログインボタン47を指定する操作(
図10の符号HD参照)であってもよい。なお、条件成立操作には、IDカード等を用いて、ログインするログイン操作も含まれてもよい。
【0095】
また、領域外操作には、各種操作ボタンが表示されていない領域に接触する操作(
図10の符号HE参照)が含まれてもよい。
【0096】
さらに、領域外操作には、操作部60のホームボタン62を指定する操作(
図9の符号HF参照)が含まれていてもよい。この構成では、例えば、ホームボタン62を指定された場合に(
図9の符号HF参照)、ホーム画面22(
図2参照)を表示し、ホーム画面22においていずれかのアイコン23が選択された場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を含むジョブ実行画面40(
図3参照)を表示させる。
【0097】
(実行開始指定条件の第一変形例)
上記実施形態では、条件成立操作が行われることが、実行開始指定条件とされていたが、これに限られない。例えば、実行が未指示であるジョブ(以下、未指示ジョブという)が存在することを実行開始指定条件としてもよい。
【0098】
したがって、本変形例では、
図7に示されるフローチャートにおけるステップS108において、CPU51は、未指示ジョブが存在するか否かを判断する。そして、CPU51は、ステップS108において未指示ジョブが存在すると判断した場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させ(ステップS110)、表示制御処理を終了する。CPU51は、ステップS108において未指示ジョブが存在しないと判断した場合は、ステップS112へ移行する。
【0099】
本変形例は、具体的には、例えば、画像形成を行うジョブ(以下、画像形成ジョブという)をパソコン等の外部装置から取得し、当該ジョブの実行が表示部20を用いて指示される実行装置10において、未指示ジョブが存在することを実行開始指定条件とする。
【0100】
当該実行装置10では、例えば、パソコン等の外部装置から画像形成ジョブを取得し、当該画像形成ジョブの実行が未指示である状態において、複写を行うジョブ(以下、複写ジョブという)の実行を指示者が実行装置10の表示部20を用いて指示した場合に、実行開始指定条件が成立する。この場合では、未指示ジョブとしての画像形成ジョブが存在することによって、実行開始指定条件が成立する。なお、この場合では、画像形成ジョブの指示者と、複写ジョブを生成した生成者とが一致する場合に、実行開始指定条件が成立するようにしてもよい。
【0101】
以上のように、本変形例では、未指示ジョブが存在する場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させる。ここで、表示部20又は操作部60に対する操作がなされることを実行開始指定条件とする構成(以下、第5構成という)では、表示部20又は操作部60に対する操作がなされるまで、実行停止ボタン49の表示が継続される。
【0102】
これに対して、本変形例では、未指示ジョブが存在する場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させるので、第5構成に比べ、次のジョブの実行開始を指示するまでの待ち時間が短縮される。
【0103】
さらに、本変形例では、未指示ジョブが存在する場合に、CPU51は、前述の第三制御と共に、未指示ジョブの内容を表示する制御を表示部20に対して行ってもよい。
【0104】
すなわち、CPU51は、ステップS108において、未指示ジョブが存在すると判断した場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させ且つ、未指示ジョブの内容を表示部20に表示させ(ステップS110)、表示制御処理を終了する。
【0105】
この構成によれば、未指示ジョブが存在する場合に実行開始ボタン48のみを表示する構成に比べ、ジョブ実行の指示者が未指示ジョブの内容を把握しやすい。
【0106】
(実行開始指定条件の第二変形例)
上記実施形態では、条件成立操作が行われることが、実行開始指定条件とされていたが、これに限られない。例えば、予め定められた期間の経過を実行開始指定条件としてもよい。
【0107】
したがって、本変形例では、
図7に示されるフローチャートにおけるステップS108において、CPU51は、予め定められた期間が経過したか否かを判断する。そして、CPU51は、ステップS108において予め定められた期間が経過したと判断した場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させ(ステップS110)、表示制御処理を終了する。CPU51は、ステップS108において予め定められた期間が経過していないと判断した場合は、ステップS112へ移行する。
【0108】
ここで、予め定められた期間の始点は、例えば、実行停止ボタンが表示された時点としてもよいし、当該ジョブの実行開始時点としてもよい。また、予め定められた期間の終点は、当該ジョブの実行が終了前の時点とされる。
【0109】
(実行開始指定条件の第三変形例)
上記実施形態では、条件成立操作が行われることが、実行開始指定条件とされていたが、これに限られない。例えば、実行中のジョブが中止できない状態(以下、中止不可状態という)に移行したことを実行開始指定条件としてもよい。
【0110】
したがって、本変形例では、
図7に示されるフローチャートにおけるステップS108において、CPU51は、中止不可状態に移行したか否かを判断する。そして、CPU51は、ステップS108において中止不可状態に移行したと判断した場合に、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示部20に表示させ(ステップS110)、表示制御処理を終了する。CPU51は、ステップS108において中止不可状態に移行していないと判断した場合は、ステップS112へ移行する。
【0111】
中止不可状態とは、具体的には、例えば、画像読取を行うジョブでは、最終原稿が原稿搬送部35によって、原稿収容部34から搬送された場合である。また、画像形成及び複写を行うジョブでは、最終の記録媒体が、媒体搬送部32によって、媒体搬送部32から搬送された場合である。
【0112】
(他の変形例)
上記実施形態では、第三制御において、実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示させていたが、これに限られない。例えば、第三制御において、実行停止ボタン49に替えて次のジョブの設定画面を表示させてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、第三制御において、第二制御によって表示された実行停止ボタン49に替えて実行開始ボタン48を表示させていたが、これに限られない。例えば、第二制御を行った後、第三制御を行う前に、例えば、中止不可状態に移行した場合に、実行停止ボタン49を、無効であることを示す無効状態の表示に変更し、第三制御において、無効状態となった実行停止ボタン49に替えて、実行開始ボタン48を表示させてもよい。
【0114】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【符号の説明】
【0115】
10 実行装置(表示装置の一例)
20 表示部
48 実行開始ボタン
49 実行停止ボタン
50 表示制御装置
51 CPU(プロセッサの一例)
60 操作部