(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】販売支援システムおよび販売支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240123BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240123BHJP
【FI】
G06Q30/0601 320
G06Q30/0601 312
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019148823
(22)【出願日】2019-08-14
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】本間 透
(72)【発明者】
【氏名】松下 政樹
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2002/037341(WO,A1)
【文献】特開平03-264244(JP,A)
【文献】特開2003-108816(JP,A)
【文献】特開2018-073087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売支援ウェブサイトを通じてネットワークを介した商品販売を支援する販売支援装置と、前記販売支援ウェブサイトに接続可能なユーザ端末装置と、代理店ウェブサイトを介して商品販売を行う代理店端末装置とを有する販売支援システムであって、
前記販売支援装置は、
ユーザが前記販売支援ウェブサイト上で入力した入力情報を前記ユーザ端末装置から受け取る入力情報処理手段と、
前記入力情報処理手段が受け取った入力情報に基づいて、各々異なる構成からなる複数の商品を設計する商品設計手段と、
前記商品設計手段が設計した複数の商品の構成情報を前記ユーザ端末装置に与え、当該複数の商品の構成情報に基づいて、前記複数の商品から所望の商品を選択するようユーザに促すとともに、当該ユーザが選択した商品を識別する選択情報を前記ユーザ端末装置から受け取る構成情報処理手段と、
前記構成情報処理手段が受け取った選択情報に対応する商品の仮注文情報を前記ユーザ端末装置から受け取るとともに、当該仮注文情報を受け取ったことを契機として、当該仮注文情報に対応する商品の商品情報を製造元に与える注文情報処理手段と、を有し、
前記販売支援装置は、前記販売支援ウェブサイトを介して、前記代理店ウェブサイトを介して行われる商品販売を支援し、
前記代理店端末装置は、前記商品設計手段が設計する商品の識別番号が所定数だけ予め登録された登録情報データベースを有し、
前記ユーザによる仮注文があった後、前記仮注文情報に対応する商品の登録情報が、前記識別番号に対応付けられて前記登録情報データベースに登録される販売支援システム。
【請求項2】
前記構成情報処理手段は、前記商品設計手段が設計した複数の商品から、ユーザに推奨すべき推奨商品を選択し、当該推奨商品の構成情報を前記ユーザ端末装置に与える請求項1に記載の販売支援システム。
【請求項3】
前記構成情報処理手段から前記選択情報を受け取るとともに、当該選択情報に基づいて、当該選択情報に対応する商品について前記商品情報を作成する商品情報処理手段をさらに有し、
前記商品情報処理手段は、前記商品情報を前記注文情報処理手段に与えるとともに、前記商品情報を前記ユーザ端末装置に与え、当該商品情報に対応する商品の仮注文をユーザに促す請求項1または2に記載の販売支援システム。
【請求項4】
前記入力情報が記憶される入力情報データベースと、前記商品情報が記憶される商品情報データベースとを有する記憶部をさらに有する請求項1~3のいずれかに記載の販売支援システム。
【請求項5】
ユーザが前記代理店ウェブサイトにおいて所定の操作を行ったことを契機として、前記代理店ウェブサイトから前記販売支援ウェブサイトに移行可能となっている請求項1~4のいずれかに記載の販売支援システム。
【請求項6】
前記ユーザによる仮注文があった後、前記ユーザが前記販売支援ウェブサイトにおいて所定の操作を行ったことを契機として、前記販売支援ウェブサイトから前記代理店ウェブサイトに移行可能となっている請求項1~5のいずれかに記載の販売支援システム。
【請求項7】
前記商品は電子部品であり、
前記代理店端末装置は、前記代理店ウェブサイトを介して、既製品からなる電子部品の提供を行うとともに、
前記販売支援装置は、前記販売支援ウェブサイトを介して、カスタム品またはセミカスタム品からなる電子部品の提供を行う請求項1~6のいずれかに記載の販売支援システム。
【請求項8】
販売支援装置の販売支援ウェブサイトを通じてネットワークを介した商品販売を支援する販売支援方法であって、
ユーザが、ユーザ端末装置を介して前記販売支援ウェブサイト上で入力情報を入力するステップと、
前記販売支援装置が、前記受け取った入力情報に基づいて、各々異なる構成からなる複数の商品を設計するステップと、
前記販売支援装置が、前記設計した複数の商品の構成情報を前記ユーザ端末装置に与え、当該複数の商品の構成情報に基づいて、前記複数の商品から所望の商品を選択するようユーザに促すステップと、
前記販売支援装置が、前記ユーザが選択した商品の仮注文情報を前記ユーザ端末装置から受け取るとともに、当該仮注文情報を受け取ったことを契機として、当該仮注文情報に対応する商品の商品情報を製造元に与えるステップと、
前記販売支援装置が、前記ユーザによる仮注文があった後、前記販売支援装置が設計する商品の識別番号が所定数だけ予め登録された登録情報データベースを参照し、前記仮注文情報に対応する商品の登録情報を、前記識別番号に対応付けて前記登録情報データベースに登録するステップと、を有する販売支援方法。
【請求項9】
前記登録情報が対応付けられた前記識別番号が前記所定数に達すると、または前記登録情報が対応付けられた前記識別番号が前記所定数に近づくと、さらに複数の識別番号が前記登録情報データベースに追加される請求項1~7のいずれかに記載の販売支援
システム。
【請求項10】
前記販売支援装置は、前記登録情報が対応付けられた前記識別番号が前記所定数に達すると、または前記登録情報が対応付けられた前記識別番号が前記所定数に近づくと、さらに複数の識別番号を前記登録情報データベースに追加する請求項8に記載の販売支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットなどのネットワークを介した商品販売を支援する販売支援システムおよび販売支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどのネットワーク技術を利用して商品販売を行う販売システムが普及している。例えば、特許文献1に記載の販売システムは、商品毎に商品IDを商品名に対応付けて記憶したデータベースを有しており、データベースに記憶された商品IDに対応する商品の中から所望の商品をユーザ(顧客)に提供することが可能となっている。
【0003】
この種の販売システムは、例えばトランス等の電子部品の販売においても利用されている。この場合、データベースには電子部品に関する種々の情報が記憶されており、ユーザがウェブサイト上でこれらの情報を入力(検索)あるいは選択していくことで、当該情報に基づく所定の電子部品がデータベースから選定され、これをユーザに提供することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電子部品のような商品はユーザが要求する特性が多岐にわたるため、従来の販売システムでは、データベースに記憶された既存の電子部品の範囲内で、ユーザの要求を満たす電子部品を一意に選定することができず、ユーザの要求に即した所望の電子部品をユーザに提供することができない場合があった。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、ユーザに所望の商品を提供することができるよう支援する販売支援システムおよび販売支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る販売支援システムは、
販売支援ウェブサイトを通じてネットワークを介した商品販売を支援する販売支援装置と、前記販売支援ウェブサイトに接続可能なユーザ端末装置と、を有する販売支援システムであって、
前記販売支援装置は、
ユーザが前記販売支援ウェブサイト上で入力した入力情報を前記ユーザ端末装置から受け取る入力情報処理手段と、
前記入力情報処理手段が受け取った入力情報に基づいて、各々異なる構成からなる複数の商品を設計する商品設計手段と、
前記商品設計手段が設計した複数の商品の構成情報を前記ユーザ端末装置に与え、当該複数の商品の構成情報に基づいて、前記複数の商品から所望の商品を選択するようユーザに促すとともに、当該ユーザが選択した商品を識別する選択情報を前記ユーザ端末装置から受け取る構成情報処理手段と、
前記構成情報処理手段が受け取った選択情報に対応する商品の仮注文情報を前記ユーザ端末装置から受け取るとともに、当該仮注文情報を受け取ったことを契機として、当該仮注文情報に対応する商品の商品情報を製造元に与える注文情報処理手段と、を有する。
【0008】
本発明に係る販売支援システムでは、ユーザ(顧客)が販売支援ウェブサイト上で入力情報を入力すると、当該入力情報に基づいて、各々異なる構成からなる複数の商品が商品設計手段によって設計される。そのため、販売支援ウェブサイトを介して、入力情報に基づいてカスタマイズした商品をユーザに提供することが可能であり、ユーザは自身の要求が反映された所望の商品を得ることができる。
【0009】
また、ユーザには商品設計手段によって設計された複数の商品の構成情報が与えられ、ユーザはこれらの構成情報に基づいて複数の商品から所望の商品を選択する。そのため、商品の使用態様等に応じて適切な商品をユーザに選択させることが可能であり、ユーザによる商品選択の自由度を高めることができる。
【0010】
好ましくは、前記構成情報処理手段は、前記商品設計手段が設計した複数の商品から、ユーザに推奨すべき推奨商品を選択し、当該推奨商品の構成情報を前記ユーザ端末装置に与える。このような構成とすることにより、ユーザに推奨商品を提案することが可能となり、商品に関する知識の少ないユーザであっても、複数の商品のうちいずれの商品を選択すべきか容易に判断することができる。
【0011】
好ましくは、前記構成情報処理手段から前記選択情報を受け取るとともに、当該選択情報に基づいて、当該選択情報に対応する商品について前記商品情報を作成する商品情報処理手段をさらに有し、前記商品情報処理手段は、前記商品情報を前記注文情報処理手段に与えるとともに、前記商品情報を前記ユーザ端末装置に与え、当該商品情報に対応する商品の仮注文をユーザに促す。ユーザ端末装置に商品情報を与えることにより、ユーザに所望の商品のより詳細な情報について通知することが可能となり、ユーザによる仮注文実施の判断を支援することができる。また、注文情報処理手段に商品情報を与え、さらに当該商品情報を、注文情報処理手段を介して製造元に与えることにより、製造元は、この商品情報に基づいてユーザが仮注文した商品を製造することができる。
【0012】
好ましくは、前記入力情報が記憶される入力情報データベースと、前記商品情報が記憶される商品情報データベースとを有する記憶部をさらに有する。
【0013】
好ましくは、代理店ウェブサイトを介して商品販売を行う代理店端末装置をさらに有し、前記販売支援装置は、前記販売支援ウェブサイトを介して、前記代理店ウェブサイトを介して行われる商品販売を支援する。このような構成とすることにより、ユーザは、代理店ウェブサイトで所望の商品が販売されていない場合には、販売支援ウェブサイトを訪れ、自身の要求に即してカスタマイズされた商品を得ることができる。
【0014】
好ましくは、前記代理店端末装置は、前記商品設計手段が設計する商品の識別番号が所定数だけ予め登録された登録情報データベースを有し、前記ユーザによる仮注文があった後、前記仮注文情報に対応する商品の登録情報が、前記識別番号に対応付けられて前記登録情報データベースに登録される。このような構成とすることにより、カスタム品あるいはセミカスタム品のように、予め登録情報(例えば、商品情報等)が決定されていない場合であっても、ユーザによる仮注文に応じて、柔軟に登録情報を登録情報データベースに登録することができる。
【0015】
好ましくは、ユーザが前記代理店ウェブサイトにおいて所定の操作を行ったことを契機として、前記代理店ウェブサイトから前記販売支援ウェブサイトに移行可能となっている。このような構成とすることにより、代理店ウェブサイトから販売支援ウェブサイトへリンクさせることが可能となり、ユーザは、必要に応じて、販売支援ウェブサイトに移行し、カスタマイズした商品を得ることができる。また、カスタマイズした商品をユーザに提案する機能を販売支援ウェブサイト(販売支援装置)側に具備させることにより、代理店ウェブサイト(代理店端末装置)側の負荷を低減させ、代理店ウェブサイトのプログラムをほとんど変更することなく、簡易に販売支援システムを構築することができる。
【0016】
好ましくは、前記ユーザによる仮注文があった後、前記ユーザが前記販売支援ウェブサイトにおいて所定の操作を行ったことを契機として、前記販売支援ウェブサイトから前記代理店ウェブサイトに移行可能となっている。このような構成とすることにより、販売支援ウェブサイトから代理店ウェブサイトへリンクさせることが可能となり、商品の仮注文があった後は、販売支援ウェブサイトから代理店ウェブサイトに移行し、代理店ウェブサイトにおいて、当該商品の本注文等を行うことができる。
【0017】
好ましくは、前記商品は電子部品であり、前記代理店端末装置は、前記代理店ウェブサイトを介して、既製品からなる電子部品の提供を行うとともに、前記販売支援装置は、前記販売支援ウェブサイトを介して、カスタム品またはセミカスタム品からなる電子部品の提供を行う。このような構成とすることにより、代理店ウェブサイト側と販売支援ウェブサイト側とで、ユーザに提供する商品の住み分けを行うとともに、販売支援システムを介して、既製品からカスタム品等まで広くユーザに提供することができる。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明に係る販売支援方法は、
販売支援ウェブサイトを通じてネットワークを介した商品販売を支援する販売支援方法であって、
ユーザ端末装置を介して前記販売支援ウェブサイト上で入力情報を入力するステップと、
前記受け取った入力情報に基づいて、各々異なる構成からなる複数の商品を設計するステップと、
前記設計した複数の商品の構成情報を前記ユーザ端末装置に与え、当該複数の商品の構成情報に基づいて、前記複数の商品から所望の商品を選択するようユーザに促すステップと、
前記ユーザが選択した商品の仮注文情報を前記ユーザ端末装置から受け取るとともに、当該仮注文情報を受け取ったことを契機として、当該仮注文情報に対応する商品の商品情報を製造元に与えるステップと、を有する。
【0019】
上記各ステップを行うことにより、販売支援ウェブサイトを介して、カスタマイズした商品をユーザに提供することが可能となり、ユーザは自身の要求が反映された所望の商品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、ユーザ、販売代理店およびメーカに具備される各装置間で行われる処理の流れを示す図である。
【
図2】
図2は、販売支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、代理店ウェブサイトの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、販売支援ウェブサイトのスタート画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1入力画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第2入力画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、推奨形状表示画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、注文予約画面の一例を示す図である。
【
図9A】
図9Aは、トランス設計ツールの利用場面において販売支援装置が実行する処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図9B】
図9Bは、
図9Aに示すフローチャートに記載された処理の続きを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、登録情報データベースの一例を示す一部概略図である。
【
図11】
図11は、推奨形状表示画面に推奨形状の一覧を表示する際に構成情報処理手段が実行する処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、ボビンリストの一例を示す一部概略図である。
【
図13】
図13は、推奨形状表示画面の生成処理について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
(A:販売支援システムの全体構成)
図1に示すように、本実施形態の販売支援システム1は、電子部品(本実施形態では、トランス)の販売を支援するためのシステムであり、販売支援装置10と、代理店端末装置20と、ユーザ端末装置30と、営業部門端末装置40と、製造部門端末装置50とを有する。
【0022】
代理店端末装置20は、販売代理店に設置されるコンピュータであり、代理店ウェブサイト200を介して既製品からなる各種電子部品の販売を行う。販売支援装置10は、電子部品の製造等を行うメーカに設置されるコンピュータであり、販売支援ウェブサイト100を介して、代理店ウェブサイト200による電子部品(本実施形態では、特にトランス)の販売を支援する。販売支援装置10は、カスタム品あるいはセミカスタム品からなるトランスの購入を希望するユーザ(顧客)に対し、その要求に即した構成からなるトランスを設計し、カスタマイズしたトランスを提案(提供)する機能を有する。すなわち、本実施形態では、ユーザは、インターネットなどのネットワークを介して仮想空間上で、トランスをオーダーメイドすることができる。
【0023】
ユーザ端末装置30は、ユーザの自宅等に設置されるパーソナルコンピュータ等であり、代理店ウェブサイト200および販売支援ウェブサイト100に接続可能となっている。営業部門端末装置40はメーカの営業部門に設置されるコンピュータであり、製造部門端末装置50はメーカの製造部門(製造元)に設置されるコンピュータである。上記各装置10~50の各々は、インターネットなどのネットワークを介して接続されており、図中(1)~(9)に示す流れに沿って情報のやり取りを行う。以下、図中(1)~(9)に示す処理の詳細について説明する。
【0024】
(B:販売支援システム1で実行される処理)
(B-1:処理(1))
ユーザがユーザ端末装置30を用いて販売代理店の代理店ウェブサイト200にアクセスすると、
図3に示すように、例えばユーザ端末装置30の表示画面に画像A~Eが表示されたウェブサイトが表示される。
【0025】
この画面において、画像Aは、例えばアイキャッチ画像である。また、画像Bは、例えば販売代理店が扱う電子部品の製品カテゴリー(製品一覧)画像である。画像Bには、「半導体」や「受動部品」等の製品カテゴリーが列記されており、例えばユーザが「受動部品」をクリックすると、「コンデンサ」や「トランス」等のさらに細分化された製品カテゴリー画像が表示されるようになっている。また、画像C~Eは、例えば広告用のバナーである。本実施形態では、画像Eとして、
図1に示すメーカのバナーが表示される。
【0026】
(B-2:処理(2))
画像Eに対して所定の操作を行う(例えば、画像E内の「スタート」ボタンをクリックする)と、代理店ウェブサイト200から販売支援ウェブサイト100に移行し、ユーザ端末装置30に、
図4に示すトランス設計ツールのスタート画面110が表示される。
【0027】
ユーザは、このトランス設計ツールを介して、販売支援装置10に各種情報を提供することが可能となっている。また、販売支援装置10は、この情報を基に、トランス設計ツールを介して、カスタム品あるいはセミカスタム品からなるトランスをユーザに提案することが可能となっている。トランス設計ツールを用いた処理の詳細については後述する。
【0028】
なお、ユーザが既製品からなるトランスの購入を希望する場合、例えば
図3に示す代理店ウェブサイト200の製品カテゴリー画像(画像B)から「受動部品」をクリックするとともに、その後に表示される製品カテゴリーから「トランス」をクリックすることにより、既製品からなる所望のトランスを選定し、購入することができる。
【0029】
(B-3:処理(3-1)~(3-3))
トランス設計ツールにおいてトランスの設計が完了し、仮注文(注文予約)が行われると、当該トランスの商品情報等(客先提示情報)が、メール等によって、販売支援装置10からユーザ端末装置30に与えられるとともに(処理(3-2))、代理店端末装置20に与えられる(処理(3-3))。また、上記トランスの商品情報等(製造用情報)が、メール等によって、販売支援装置10から製造部門端末装置50に与えられる(処理(3-1))。
【0030】
(B-4:処理(4))
販売支援装置10によって設計されたトランスの本注文を行うため、ユーザが、仮注文後、販売支援ウェブサイト100において所定の操作を行う(後述するように、代理店ウェブサイト200に開設される注文サイトへのリンクアドレスにアクセスする)と、販売支援ウェブサイト100から代理店ウェブサイト200に移行し、ユーザ端末装置30の表示画面に、
図1中に示す購入画面が表示される。この購入画面において、ユーザが「注文(Order)」をクリックすると、設計されたトランスの注文(本注文)が完了する。
【0031】
(B-5:処理(5)以降)
本注文が完了すると、注文書(メーカ用)が代理店端末装置20によって発行され、営業部門端末装置40に与えられる(処理(5))。この注文書を営業部門端末装置40が受け取ると、営業部門端末装置40によって注文書(社内用)が発行され、製造部門端末装置50に与えられる(処理(6))。
【0032】
この注文書を製造部門端末装置50が受け取ると、メーカの製造部門は、処理(3-1)において受け取った製造用情報に基づいて、販売支援装置10によって設計されたトランス(製品)を製造し、これを営業部門に出荷するとともに(処理(7))、この製品の注文番号等をデータベースに登録する。営業部門は、製造部門から製品を受け取ると、これを販売代理店に出荷する(処理(8))。販売代理店は、メーカの営業部門から製品を受け取ると、これをユーザに出荷する(処理(9))。以上が、販売支援システム1で行われる処理の概要である。
【0033】
(C:トランス設計ツールの構成)
(C-1:スタート画面)
次に、トランス設計ツールの詳細について説明する。
図4に示すように、トランス設計ツールのスタート画面110には、トランス設計ツールの特徴および仕様適用範囲に関する説明が記載されている。トランス設計ツールでは、この仕様適用範囲に記載された仕様に即したトランスの設計を行うことが可能となっている。
【0034】
スタート画面110の下方には、「ご使用上の注意事項」と記載されたボタンが表示されており、当該ボタンがクリックされると、ユーザ端末装置30の表示画面に、トランス設計ツールの使用上の注意事項が表示される。ユーザが、注意事項を確認し、上記ボタンの下方に表示されている「上記内容に同意して設計ツールを利用する」と記載されたボタンをクリックすると、ユーザ端末装置30の表示画面に、
図5に示す第1入力画面120が表示される。
【0035】
(C-2:第1入力画面)
図5に示すように、第1入力画面120では、入力情報として、回路方式、AC入力電圧、ACライン周波数および出力条件の各々について、選択あるいは入力することが可能となっている。より詳細には、回路方式として疑似共振またはPWMの選択が可能であり、AC入力電圧として100-120Vタイプ、220-240Vタイプまたはワイドタイプの選択が可能であり、ACライン周波数として50Hzまたは60Hzの選択が可能である。また、出力条件として、出力1~出力3の各々に対して、出力電圧値、出力電流値(ティピカル値/最大値)および順方向降下電圧値の各々について設定(入力)することが可能となっている。
【0036】
第1入力画面120において入力情報の入力が完了し、第1入力画面120の下方に表示されている「出力条件確認」と記載されたボタンがクリックされると、ユーザ端末装置30の表示画面に、
図6に示す第2入力画面130が表示される。
【0037】
(C-3:第2入力画面)
図6に示すように、第2入力画面130では、入力情報として、動作周波数、Kファクタ、最大デューティおよびマスプロダクション情報(量産情報)の各々について入力することが可能となっている。
【0038】
第2入力画面130の下方には、「設計条件同意」、「再入力」および「終了」と記載されたボタンが表示されている。「設計条件同意」ボタンがクリックされると、ユーザ端末装置30の表示画面に、
図7に示す推奨形状表示画面140が表示される。推奨形状表示画面140の詳細については後述する。「再入力」ボタンがクリックされると、ユーザ端末装置30の表示画面に、
図5に示す第1入力画面120が表示され、入力情報の再入力(調整)を行うことが可能となっている。「終了」ボタンがクリックされると、トランス設計ツールが終了する。
【0039】
(C-4:推奨形状表示画面)
図7に示すように、推奨形状表示画面140には、第1入力画面120および第2入力画面130で入力された入力情報に基づいて設計(カスタマイズ)された複数(本実施形態では、4つ)のトランスの推奨形状(推奨構成)が構成情報(設計図面)として表示される。これら4つのトランスは、上記入力情報に基づいて設計された複数のトランスのうち、ユーザに推奨すべきものとして相応しい形状(構成)からなるトランスとして、所定のアルゴリズムによって選択されたものである。本実施形態では、推奨形状として、縦型推奨形状および横型推奨形状がそれぞれ2つずつユーザに提示され、ユーザはこれらの推奨形状から、所望の形状を1つ選択することができる。
【0040】
推奨形状表示画面140の右下には、「選択形状確認」、「再設計」および「終了」と記載されたボタンが表示されている。例えば、ユーザが、4つの推奨形状のうち、右上に表示された「推奨(2):ECO2023-VI」を所望の形状として選択し、「選択形状確認」ボタンをクリックすると、ユーザ端末装置30の表示画面には、
図8に示す注文予約画面150(仮注文画面)が表示される。注文予約画面150の詳細については後述する。
【0041】
図7に示す推奨形状表示画面140において、4つの推奨形状のいずれもユーザにとって所望の形状ではなく、「再設計」ボタンがクリックされると、ユーザ端末装置30の表示画面に、
図5に示す第1入力画面120が表示され、入力情報の再入力(調整)を行うことが可能となっている。「終了」ボタンがクリックされると、トランス設計ツールが終了する。
【0042】
(C-5:注文予約画面)
図8に示すように、注文予約画面150の下方には、「設計図面」、「前ページに戻る」および「再設計」と記載されたボタンが表示されている。「設計図面」ボタンがクリックされると、選択された推奨形状からなるトランスの構成情報や仕様等(以下、商品情報)が注文予約画面150に表示され、ユーザが選択した所望の推奨形状からなるトランスの詳細について確認することが可能となっている。なお、商品情報は、
図7に示す構成情報(設計図面)に仕様等に関する情報を加えたものである。
【0043】
「前ページに戻る」ボタンがクリックされると、推奨形状表示画面140に戻る。ここで、他の推奨形状が選択され、「選択形状確認」ボタンがクリックされると、ユーザ端末装置30の表示画面には、
図8に示す注文予約画面150が再度表示される。「再設計」ボタンがクリックされると、ユーザ端末装置30の表示画面に、
図5に示す第1入力画面120が表示され、入力情報の再入力(調整)を行うことが可能となっている。
【0044】
図8に示す注文予約画面150において、上記各ボタンの下方には、「上記仕様に同意する/販売代理店で製品を注文する」と記載されたボタンが表示されている。このボタンがクリックされると、選択された推奨形状からなるトランスの仮注文処理が行われ、ユーザ端末装置30の表示画面に、ユーザ情報登録画面(図示略)が表示される。ユーザ情報登録画面では、ユーザの名前やメールアドレス等の個人情報を登録することが可能となっており、個人情報の登録が完了すると、仮注文が完了し、上記(B-3)に示す処理が実行される。
【0045】
(D:販売支援装置の構成)
次に、
図2を参照しつつ、トランスのカスタマイズ処理を実行するための販売支援装置10の機能構成について説明する。
【0046】
図2に示すように、販売支援装置10は、入力情報処理手段11と、商品設計手段12と、構成情報処理手段13と、商品情報処理手段14と、注文情報処理手段15と、記憶部16とを有する。記憶部16には、入力情報が記憶される入力情報データベース161と、商品情報が記憶される商品情報データベース162と、後述するボビンリスト1630が記憶されるボビン情報データベース163とが設けられている。なお、
図2には、販売支援装置10に加えて、代理店端末装置20、ユーザ端末装置30および製造部門端末装置50が図示されている。
【0047】
入力情報処理手段11は、ユーザが第1入力画面120(
図5)および第2入力画面130(
図6)上で入力した入力情報をユーザ端末装置30から受け取り、当該入力情報を記憶部16の入力情報データベース161に格納する。
【0048】
商品設計手段12は、入力情報データベース161から入力情報を読み出し、当該入力情報に基づいて、各々異なる構成からなる複数のトランスを設計するとともに、設計したトランスの構成情報を構成情報処理手段13に与える。
【0049】
構成情報処理手段13は、商品設計手段12が設計した複数のトランスから、ユーザに推奨すべき推奨トランスを選択し、当該推奨トランスの推奨形状(推奨構成)を推奨形状表示画面140(
図7)を介してユーザ端末装置30に与える。これにより、構成情報処理手段13は、当該複数の推奨形状からなるトランスの構成情報に基づいて、複数の推奨形状(推奨トランス)から所望の推奨形状(推奨トランス)を選択するようユーザに促す。
【0050】
推奨形状表示画面140(
図7)において、ユーザが所望の推奨形状を選択すると、ユーザが選択した推奨形状(推奨トランス)を識別する選択情報がユーザ端末装置30から構成情報処理手段13に与えられる。構成情報処理手段13は、選択情報を受け取ると、当該選択情報を商品情報処理手段14に与える。
【0051】
商品情報処理手段14は、構成情報処理手段13から選択情報を受け取ると、当該選択情報に基づいて、当該選択情報に対応する推奨形状からなるトランスについて商品情報を作成する。なお、商品情報は、上述したように、選択された推奨形状からなるトランスの構成情報や仕様等を含む。
【0052】
商品情報処理手段14は、商品情報を作成すると、当該商品情報を注文情報処理手段15に与えるとともに、注文予約画面150(
図8)を介してユーザ端末装置30に与え、当該商品情報に対応するトランス(すなわち、
図7に示す推奨形状表示画面140で選択された推奨形状からなるトランス)の仮注文をユーザに促す。また、商品情報処理手段14は、商品情報を記憶部16の商品情報データベース162に格納しておき、必要に応じて、設計済みのトランスの商品情報を商品情報データベース162から読み出す。
【0053】
注文予約画面150(
図8)において、「上記仕様に同意する/販売代理店で製品を注文する」ボタンがクリックされた後、ユーザが仮注文したトランスの仮注文情報がユーザ端末装置30から注文情報処理手段15に与えられると、この仮注文情報を注文情報処理手段15は受け取り、これを契機として、注文情報処理手段15は、当該仮注文情報に対応するトランスについて、(B-3)で示したように客先提示情報および製造用情報の生成・送信を行う。
【0054】
すなわち、注文情報処理手段15は、仮注文されたトランスのメーカ品番(管理番号)および代理店品番と、代理店ウェブサイト200に開設される上記トランスの注文サイトのリンクアドレスとを生成し、設計されたトランスの商品情報とともに、これらを客先提示情報としてユーザ端末装置30および代理店端末装置20に与える。また、注文情報処理手段15は、これらの情報に加えて、設計されたトランスの製造用図面等を、製造用情報として製造部門端末装置50に与える。
【0055】
(E:販売支援装置の動作)
次に、
図2および
図9A,9B等を参照しつつ、トランス設計ツールの利用場面における販売支援装置10の動作について説明する。まず、入力情報処理手段11は、ユーザ端末装置30の表示画面に第1入力画面120(
図5)を表示する(ステップSA1)。第1入力画面120において、ユーザが入力情報を入力し、その入力情報を入力情報処理手段11が受け取ると(ステップSA2)、入力情報処理手段11は、当該入力情報に基づいて所定の計算を実行し、出力電力値(ティピカル値および最大値)やトータル出力電力値等を算出する。
【0056】
第1入力画面120において、ユーザが「出力条件確認」ボタンをクリックすると、入力情報処理手段11は、上記算出結果を第1入力画面120の所定欄に表示するとともに、上記入力情報あるいは上記算出結果が第1入力画面120に表示された注記1~注記9の条件を満たしているか否か(入力情報等が適切であるか否か)を判定する(ステップSA3)。
【0057】
ステップSA3の判定結果が「NG」の場合、入力情報処理手段11は、注記1~9のうち、「NG」と判定された項目を赤字で強調表示する(ステップSA4)。これにより、いずれの入力情報が適切でなかったのかユーザに警告を与え、入力情報の訂正を促すことが可能となっている。ユーザによる入力情報の訂正が行われ、ユーザ端末装置30から入力情報(再入力情報)が送信されると、入力情報処理手段11はステップSA2以降の処理を実行する。
【0058】
ステップSA3の判定結果が「OK」の場合、入力情報処理手段11は、ユーザ端末装置30の表示画面に第2入力画面130(
図6)を表示する(ステップSA5)。第2入力画面130において、ユーザが入力情報を入力し、その入力情報を入力情報処理手段11が受け取ると(ステップSA6)、入力情報処理手段11は、当該入力情報に基づいて所定の計算を実行し、Vds(MOSFET最大電圧)等を算出し、算出結果を第2入力画面130の所定欄に表示する。
【0059】
次いで、入力情報処理手段11は、第2入力画面130において、「設計条件同意」ボタン、「再入力」ボタンおよび「終了」ボタンのうち、いずれのボタンがユーザによりクリックされたか判定する(ステップSA7)。
【0060】
入力情報処理手段11は、「再入力」ボタンがクリックされたと判定した場合、ステップSA1に移行する。入力情報処理手段11は、「終了」ボタンがクリックされたと判定した場合、トランス設計ツールを終了する。入力情報処理手段11は、「設計条件同意」ボタンがクリックされたと判定した場合、入力情報を記憶部16の入力情報データベース161に書き込む(ステップSA8)。
【0061】
ステップSA8の処理が完了すると、商品設計手段12は、入力情報データベース161から入力情報を読み出して所定の計算を実行し、トランスの設計を行う(ステップSA9)とともに、設計したトランスの構成情報を構成情報処理手段13に与える。
【0062】
構成情報処理手段13は、構成情報を受け取ると、設計したトランスについて推奨形状の有無を判定する(ステップSA10)。なお、ステップSA10で実行される判定処理の詳細については後述する。ステップSA10の判定結果が「No」の場合、構成情報処理手段13は、推奨形状がない旨を推奨形状表示画面140(
図7)に表示する(ステップSA11)。
【0063】
次いで、構成情報処理手段13は、トランスの再設計が必要であるか否かユーザ端末装置30に通知するとともに(ステップSA12)、この通知に対するユーザ端末装置30からの返答が、トランスの再設計が必要であることを示すものなのか否かを判定する(ステップSA13)。ステップSA13の判定結果が「Yes」の場合、入力情報処理手段11は、ステップSA1に移行する。ステップSA13の判定結果が「No」の場合、構成情報処理手段13はトランス設計ツールを終了する。
【0064】
ステップSA10の判定結果が「Yes」の場合、構成情報処理手段13は、推奨形状表示画面140(
図7)に、設計されたトランス(推奨トランス)の推奨形状(推奨構成)を構成情報として一覧で表示する(ステップSA14)。
【0065】
次いで、構成情報処理手段13は、推奨形状表示画面140において、「選択形状確認」ボタン、「再設計」ボタンおよび「終了」ボタンのうち、いずれのボタンがユーザによりクリックされたかを判定する(ステップSA15)。
【0066】
構成情報処理手段13が「再設計」ボタンがクリックされたと判定した場合、入力情報処理手段11はステップSA1に移行する。構成情報処理手段13は、「終了」ボタンがクリックされたと判定した場合、トランス設計ツールを終了する。構成情報処理手段13は、推奨形状表示画面140において所望の推奨形状が選択され(ステップSA16)、「選択形状確認」ボタンがクリックされた(ステップSA17)と判定した場合、ユーザ端末装置30から送信される選択情報を受け取り、当該選択情報を商品情報処理手段14に与える。
【0067】
商品情報処理手段14は、選択情報を受け取ると、商品情報を作成し(ステップSA18)、これを記憶部16の商品情報データベース162に格納するとともに(ステップSA19)、注文情報処理手段15に与える。
【0068】
次いで、商品情報処理手段14は、ユーザ端末装置30の表示画面に注文予約画面150(
図8)を表示し(ステップSA20)、注文予約画面150の下方に表示された「設計図面」ボタン、「前ページに戻る」ボタンおよび「再設計」ボタンのうち、いずれのボタンがユーザによりクリックされたかを判定する(ステップSA21)。
【0069】
商品情報処理手段14は、「前ページに戻る」ボタンがクリックされたと判定した場合、ステップSA15に移行する。商品情報処理手段14が「再設計」ボタンがクリックされたと判定した場合、入力情報処理手段11はステップSA1に移行する。商品情報処理手段14は、「設計図面」ボタンがクリックされたと判定した場合、商品情報を商品データベース162から読み出し、注文予約画面150に表示する(ステップSA22)。なお、注文予約画面150には商品情報が予め表示されていてもよく、「設計図面」ボタンがクリックされたことを契機として、商品情報を強調表示(拡大表示)するようにしてもよい。
【0070】
注文予約画面150において、「上記仕様に同意する/販売代理店で製品を注文する」ボタンがクリックされ(ステップSA23)、注文情報処理手段15がユーザ端末装置30から送信される仮注文情報を受け取ると、注文情報処理手段15はユーザ端末装置30がトランス設計ツールにログインしているか否かを判定する(ステップSA24)。ステップSA24の判定結果が「No」の場合、注文情報処理手段15は、トランス設計ツールにログインするようユーザ端末装置30に通知し(ステップSA25)、ステップSA24の処理を実行する。
【0071】
ステップSA24の判定結果が「Yes」の場合、注文情報処理手段15は、仮注文されたトランスのメーカ品番を決定し(ステップSA26)、販売代理店の代理店ウェブサイト200に開設される注文サイトで本注文を行うよう促すべく、ユーザ端末装置30の表示画面にボップアップ画面(図示略)を表示する(ステップSA27)。
【0072】
次いで、注文情報処理手段15は、客先提示情報をユーザ端末装置30および代理店端末装置20に与えるとともに、製造用情報を製造部門端末装置50に与え(ステップSA28)、処理を終了する。
【0073】
なお、
図10に示すように、代理店端末装置20には、設計されるトランスの識別番号(1~20のダミーの注文番号あるいは品番)が所定数(本実施形態では、20個)だけ予め登録された登録情報データベースが設けられている。ユーザによる仮注文があった後(例えば、ステップSA28の処理が完了した後)、仮注文されたトランスの登録情報(商品情報等)が、識別番号に対応付けられて登録情報データベースに登録される。すべての識別番号に仮注文されたトランスの登録情報が対応付けられると(あるいは、登録情報が対応付けられた識別番号の個数が20個に近付くと)、さらに複数の識別番号(21以降の識別番号)が所定数だけ登録情報データベースに追加される。
【0074】
図10に示す登録情報データベースは、「DIY P#」欄に示すように、「DECO2017SEO」タイプのトランスに関する登録情報データベースであり、他のタイプのトランスについても、別途登録情報データベースが代理店端末装置20に設けられている。
【0075】
(F:推奨形状表示画面の生成処理)
上述したように、構成情報処理手段13は、ステップSA10において、商品設計処理手段12が設計した複数のトランスから、ユーザに推奨すべき推奨トランス(推奨形状)を選択する。以下では、このとき構成情報処理手段13が実行する処理の詳細について
図11等を参照しつつ説明する。
【0076】
構成情報処理手段13は、ステップSA10の処理を実行するにあたって、
図2に示す記憶部16のボビン情報データベース163から、
図12に示すボビンリスト1630を読み出す。
【0077】
次いで、構成情報処理手段13は、商品設計手段12が設計した複数のトランスのうち、縦型形状のトランスとしてユーザに推奨すべきものを特定する。より具体的には、構成情報処理手段13は、設計されたトランスのサイズ(床面積や高さ等)等を考慮しつつ、推奨すべきトランスとして最も優先順位の高いトランスを特定する。
【0078】
次いで、構成情報処理手段13は、このトランスに用いられるボビンのボビン名をボビンリスト1630のCatalog_Bobbin_Name欄から特定し、そのボビン名を
図13に示す推奨形状表示画面140’(推奨形状の一覧が表示される前の推奨形状表示画面)の「#Field1」における「#縦推奨形状(1)_形状名」欄に表示する(ステップSB1)。
【0079】
次いで、構成情報処理手段13は、上記トランスの画像ファイルを
図12に示すボビンリスト1630のSHAPES欄から特定し、その画像ファイルを
図13に示す推奨形状表示画面140’の「#Field1」における「#縦推奨形状(1)_形状図」欄に表示する(ステップSB2)。
【0080】
次いで、構成情報処理手段13は、商品設計手段12が設計した複数のトランスのうち、縦型形状のトランスとしてユーザに推奨すべきものが他にあるか否かを判定する(ステップSB3)。ステップSB3の判定結果が「No」の場合、構成情報処理手段13は、推奨形状表示画面140’の「#Field2」に縦型推奨形状を表示することなく(ステップSB4)、後述するステップSB7の処理を実行する。
【0081】
ステップSB3の判定結果が「Yes」の場合、構成情報処理手段13は、このトランス(他の縦型推奨形状のトランス)に用いられるボビンのボビン名を
図12に示すボビンリスト1630のCatalog_Bobbin_Name欄から特定し、そのボビン名を
図13に示す推奨形状表示画面140’の「#Field2」における「#縦推奨形状(2)_形状名」欄に表示する(ステップSB5)。
【0082】
次いで、構成情報処理手段13は、上記トランスの画像ファイルを
図12に示すボビンリスト1630のSHAPES欄から特定し、その画像ファイルを
図13に示す推奨形状表示画面140’の「#Field2」における「#縦推奨形状(2)_形状図」欄に表示する(ステップSB6)。
【0083】
次いで、構成情報処理手段13は、商品設計手段12が設計した複数のトランスのうち、横型形状のトランスとしてユーザに推奨すべきものがあるか否かを判定する(ステップSB7)。ステップSB7の判定結果が「No」の場合、構成情報処理手段13は、推奨形状表示画面140の「#Field3」に、例えば「横型推奨形状なし」と表示するとともに、「#Field4」に横型推奨形状を表示することなく処理を終了する(ステップSB8)。
【0084】
ステップSB7の判定結果が「Yes」の場合、構成情報処理手段13は、このトランス(横型推奨形状のトランス)に用いられるボビンのボビン名を
図12に示すボビンリスト1630のCatalog_Bobbin_Name欄から特定し、そのボビン名を
図13に示す推奨形状表示画面140’の「#Field3」における「#横推奨形状(1)_形状名」に表示する(ステップSB9)。
【0085】
次いで、構成情報処理手段13は、上記トランスの画像ファイルを
図12に示すボビンリスト1630のSHAPES欄から特定し、その画像ファイルを
図13に示す推奨形状表示画面140’の「#Field3」における「#横推奨形状(1)_形状図」に表示する(ステップSB10)。
【0086】
次いで、構成情報処理手段13は、商品設計手段12が設計した複数のトランスのうち、横型形状のトランスとしてユーザに推奨すべきものが他にあるか否か判定する(ステップSB11)。ステップSB11の判定結果が「No」の場合、構成情報処理手段13は、推奨形状表示画面140’の「#Field4」に横型推奨形状を表示することなく(ステップSB12)、処理を終了する。
【0087】
ステップSB11の判定結果が「Yes」の場合、構成情報処理手段13は、このトランス(他の横型形状のトランス)に用いられるボビンのボビン名を
図12に示すボビンリスト1630のCatalog_Bobbin_Name欄から特定し、そのボビン名を
図13に示す推奨形状表示画面140’の「#Field4」における「#横推奨形状(2)_形状名」欄に表示する(ステップSB13)。
【0088】
次いで、構成情報処理手段13は、上記トランスの画像ファイルを
図12に示すボビンリスト1630のSHAPES欄から特定し、その画像ファイルを
図13に示す推奨形状表示画面140’の「#Field4」における「#横推奨形状(2)_形状図」欄に表示する(ステップSB14)。以上の処理を経て、
図7に示す推奨形状表示画面140が生成される。
【0089】
本実施形態の販売支援システム1では、ユーザ(顧客)が販売支援ウェブサイト100上で入力情報を入力すると、当該入力情報に基づいて、各々異なる構成からなる複数のトランスが商品設計手段12によって設計される。そのため、販売支援ウェブサイト100を介して、入力情報に基づいてカスタマイズしたトランスをユーザに提供することが可能であり、ユーザは自身の要求が反映された所望のトランスを得ることができる。
【0090】
また、ユーザには商品設計手段12によって設計された複数のトランスの構成情報が与えられ、ユーザはこれらの構成情報に基づいて複数のトランスから所望のトランスを選択する。そのため、トランスの使用態様等に応じて適切なトランスをユーザに選択させることが可能であり、ユーザによる商品選択の自由度を高めることができる。
【0091】
また、本実施形態では、構成情報処理手段13は、商品設計手段12が設計した複数のトランスから、ユーザに推奨すべき推奨トランスを選択し、当該推奨トランスの構成情報をユーザ端末装置30に与える。そのため、ユーザに推奨トランスを提案することが可能であり、トランスに関する知識の少ないユーザであっても、複数のトランスのうちいずれのトランスを選択すべきか容易に判断することができる。
【0092】
また、本実施形態では、商品情報処理手段14は、商品情報を注文情報処理手段15に与えるとともに、商品情報をユーザ端末装置30に与え、当該商品情報に対応するトランスの仮注文をユーザに促す。ユーザ端末装置30に商品情報を与えることにより、ユーザに所望のトランスのより詳細な情報について通知することが可能となり、ユーザによる仮注文実施の判断を支援することができる。また、注文情報処理手段15に商品情報を与え、さらに当該商品情報を、注文情報処理手段15を介して製造部門端末装置50に与えることにより、製造元は、この商品情報に基づいてユーザが仮注文したトランスを製造することができる。
【0093】
また、本実施形態では、販売支援装置10は、販売支援ウェブサイト100を介して、代理店ウェブサイト200を介して行われるトランスの販売を支援する。そのため、ユーザは、代理店ウェブサイト200で所望のトランスが販売されていない場合には、販売支援ウェブサイト100を訪れ、自身の要求に即してカスタマイズされたトランスを得ることができる。
【0094】
また、本実施形態では、代理店端末装置20は、商品設計手段12が設計するトランスの識別番号が所定数だけ予め登録された登録情報データベース(
図10)を有し、ユーザによる仮注文があった後、仮注文情報に対応するトランスの登録情報が、識別番号に対応付けられて登録情報データベースに登録される。そのため、カスタム品あるいはセミカスタム品のように、予め登録情報(例えば、商品情報等)が決定されていない場合であっても、ユーザによる仮注文に応じて、柔軟に登録情報を登録情報データベースに登録することができる。
【0095】
また、本実施形態では、ユーザが代理店ウェブサイト200において所定の操作を行ったことを契機として、代理店ウェブサイト200から販売支援ウェブサイト100に移行可能となっている。そのため、代理店ウェブサイト200から販売支援ウェブサイト100へリンクさせることが可能となり、ユーザは、必要に応じて、販売支援ウェブサイト100に移行し、カスタマイズしたトランスを得ることができる。また、カスタマイズしたトランスをユーザに提案する機能を販売支援ウェブサイト100(販売支援装置10)側に具備させることにより、代理店ウェブサイト200(代理店端末装置20)側の負荷を低減させ、代理店ウェブサイト200のプログラムをほとんど変更することなく、簡易に販売支援システム1を構築することができる。
【0096】
また、本実施形態では、ユーザによる仮注文があった後、ユーザが販売支援ウェブサイト100において所定の操作を行ったことを契機として、販売支援ウェブサイト100から代理店ウェブサイト200に移行可能となっている。そのため、販売支援ウェブサイト100から代理店ウェブサイト200へリンクさせることが可能となり、トランスの仮注文があった後は、販売支援ウェブサイト100から代理店ウェブサイト200に移行し、代理店ウェブサイト200において、当該トランスの本注文等を行うことができる。
【0097】
また、本実施形態では、代理店端末装置20は、代理店ウェブサイト200を介して、既製品からなる電子部品の提供を行うとともに、販売支援装置10は、販売支援ウェブサイト100を介して、カスタム品またはセミカスタム品からなるトランスの提供を行う。そのため、代理店ウェブサイト200側と販売支援ウェブサイト100側とで、ユーザに提供するトランスの住み分けを行うとともに、販売支援システム1を介して、既製品からカスタム品等まで広くユーザに提供することができる。
【0098】
また、本実施形態では、
ユーザ端末装置30を介して販売支援ウェブサイト100上で入力情報を入力するステップと、
受け取った入力情報に基づいて、各々異なる構成からなる複数のトランスを設計するステップと、
設計した複数のトランスの構成情報をユーザ端末装置30に与え、当該複数のトランスの構成情報に基づいて、複数のトランスから所望のトランスを選択するようユーザに促すステップと、
ユーザが選択したトランスの仮注文情報をユーザ端末装置30から受け取るとともに、当該仮注文情報を受け取ったことを契機として、当該仮注文情報に対応するトランスの商品情報を製造元に与えるステップと、を有する。
【0099】
上記各ステップを行うことにより、販売支援ウェブサイト100を介して、カスタマイズしたトランスをユーザに提供することが可能となり、ユーザは自身の要求が反映された所望のトランスを得ることができる。
【0100】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
【0101】
(1)上記実施形態では、カスタマイズする電子部品としてトランスを例示したが、他の電子部品をカスタマイズし、ユーザに提供してもよい。また、上記実施形態では、カスタマイズする商品として電子部品を例示したが、他の商品をカスタマイズし、ユーザに提供してもよい。
【0102】
(2)上記実施形態において、代理店端末装置20(あるいは、販売代理店)は必須ではなく、省略してもよい。この場合において、既製品からなるトランスの販売については行わずに、販売支援装置10によってカスタマイズされたトランスのみを販売支援ウェブサイト100を介してユーザに提供してもよい。あるいは、販売支援装置10に代理店端末装置20の機能を具備させ、販売支援ウェブサイト100を介して、カスタム品あるいはセミカスタム品からなるトランスだけでなく、既製品からなるトランスもユーザに提供してもよい。また、
図1において、トランスの出荷時には、販売代理店を経由することなく、直接メーカからユーザにトランスを出荷してもよい。また、
図1において、(3-3)に示す処理を省略してもよい。
【0103】
(3)上記実施形態において、商品設計手段12が設計するトランスの個数は特に限定されるものではない。なお、5個以上のトランスが設計された場合には、その中からユーザに推奨すべきものとして特に好ましいものを構成情報処理手段13が4個選択し、これらを推奨形状表示画面140(
図7)に表示すればよい。
【0104】
(4)上記実施形態において、推奨形状表示画面140に表示する推奨形状の数は、4個に限定されるものではなく、3個以下でもよく、あるいは5個以上でもよい。また、推奨形状表示画面140において、推奨形状として、縦型推奨形状および横型推奨形状のいずれか一方のみを表示してもよい。
【0105】
(5)上記実施形態において、
図2に示す商品情報処理手段14および注文状処理手段15が実行する各処理を一つの手段に実行させてもよい。また、それ以外にも、必要に応じて、
図2に示す各手段11~15を統合してもよい。また、必要に応じて、各手段11~15の一部の機能を販売支援装置10とは異なる装置に移管させてもよい。
【0106】
(6)下記のプログラムを提供してもよい。
コンピュータを、
ユーザが販売支援ウェブサイト上で入力した入力情報をユーザ端末装置から受け取る入力情報処理手段と、
入力情報処理手段が受け取った入力情報に基づいて、各々異なる構成からなる複数の商品を設計する商品設計手段と、
商品設計手段が設計した複数の商品の構成情報をユーザ端末装置に与え、当該複数の商品の構成情報に基づいて、複数の商品から所望の商品を選択するようユーザに促すとともに、当該ユーザが選択した商品を識別する選択情報をユーザ端末装置から受け取る構成情報処理手段と、
構成情報処理手段が受け取った選択情報に対応する商品の仮注文情報をユーザ端末装置から受け取るとともに、当該仮注文情報を受け取ったことを契機として、当該仮注文情報に対応する商品の商品情報を製造元に与える注文情報処理手段として機能させるための販売支援プログラム。
【符号の説明】
【0107】
1…販売支援システム
10…販売支援装置
11…入力情報処理手段
12…商品設計手段
13…構成情報処理手段
14…商品情報処理手段
15…注文情報処理手段
16…記憶部16
161…入力情報データベース
162…商品情報データベース
163…ボビン情報データベース
1630…ボビンリスト
100…販売支援ウェブサイト
110…スタート画面
120…第1入力画面
130…第2入力画面
140,140’…推奨形状表示画面
150…注文予約画面
20…代理店端末装置
200…代理店ウェブサイト
30…ユーザ端末装置
40…営業部門端末装置
50…製造部門端末装置