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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】レコメンド装置及びレコメンド方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240123BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20240123BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
G06Q30/0251
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019205451
(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2021077269
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】有馬 慶
(72)【発明者】
【氏名】井ノ口 清洋
(72)【発明者】
【氏名】池ノ谷 真司
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-513631(JP,A)
【文献】特開2017-062741(JP,A)
【文献】特開2003-058783(JP,A)
【文献】特開2017-191498(JP,A)
【文献】特開2016-136410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の嗜好と志向との少なくともいずれかに関する1以上の情報である分析用情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記分析用情報に基づいて、嗜好の傾向を表す要素に用いられる複数の嗜好カテゴリそれぞれが前記顧客とマッチする程度を定量的に表す嗜好タイプスコアを算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記嗜好タイプスコアと、複数の商品それぞれが対応する前記嗜好カテゴリを示す嗜好カテゴリ情報を少なくとも含む商品情報とに基づいて前記顧客に推薦する前記商品を選択し、選択した前記商品に関する情報を出力する選択部と、
前記算出部が算出した前記顧客の前記嗜好タイプスコアと、当該顧客が選択した前記商品の前記嗜好カテゴリ情報とに基づいて、前記選択部が顧客の嗜好タイプスコア及び前記嗜好カテゴリ情報に基づいて推薦する前記商品を選択するためのアルゴリズムに用いられるパラメータの値を変更する第一学習部と、
を備えることを特徴とするレコメンド装置。
【請求項2】
顧客の嗜好と志向との少なくともいずれかに関する1以上の情報である分析用情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記分析用情報に基づいて、嗜好の傾向を表す要素に用いられる複数の嗜好カテゴリそれぞれが前記顧客とマッチする程度を定量的に表す嗜好タイプスコアを算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記嗜好タイプスコアと、複数の商品それぞれが対応する前記嗜好カテゴリを示す嗜好カテゴリ情報を少なくとも含む商品情報とに基づいて前記顧客に推薦する前記商品を選択し、選択した前記商品に関する情報を出力する選択部と、
前記算出部が算出した前記顧客の前記嗜好タイプスコアと、当該顧客が選択した前記商品とに基づいて、前記嗜好カテゴリ情報を変更する第二学習部と、
を備えることを特徴とするレコメンド装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記顧客の属性又は生体情報に関する情報である分析用情報をさらに取得する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレコメンド装置。
【請求項4】
前記商品情報は、前記商品の分類の情報を含み、
前記選択部は、前記顧客が選択した分類の前記商品の中から前記顧客に推薦する前記商品を選択する、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のレコメンド装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記顧客が選択した分類とは異なる分類の前記商品の中から前記顧客に推薦する前記商品を選択する、
ことを特徴とする請求項に記載のレコメンド装置。
【請求項6】
前記嗜好カテゴリ情報は、複数の前記嗜好カテゴリそれぞれが前記商品とマッチする程度を定量的に表す値によって表される、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のレコメンド装置。
【請求項7】
前記情報取得部は、前記顧客の嗜好と志向との少なくともいずれかに関する前記分析用情報を回答として得るための質問を前記顧客に提示する、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のレコメンド装置。
【請求項8】
レコメンド装置が実行するレコメンド方法であって、
顧客の嗜好と志向との少なくともいずれかに関する1以上の情報である分析用情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップにおいて取得した前記分析用情報に基づいて、嗜好の傾向を表す要素に用いられる複数の嗜好カテゴリそれぞれが前記顧客とマッチする程度を定量的に表す嗜好タイプスコアを算出する算出ステップと、
前記算出ステップにおいて算出された前記嗜好タイプスコアと、複数の商品それぞれが対応する前記嗜好カテゴリを示す嗜好カテゴリ情報を少なくとも含む商品情報とに基づいて前記顧客に推薦する前記商品を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択された前記商品に関する情報を出力する出力ステップと、
を有し、
前記算出ステップにおいて算出された前記顧客の前記嗜好タイプスコアと、当該顧客が選択した前記商品の前記嗜好カテゴリ情報とに基づいて、前記選択ステップにおいて、第一学習部が、顧客の嗜好タイプスコア及び前記嗜好カテゴリ情報に基づいて推薦する前記商品を選択するためのアルゴリズムに用いられるパラメータの値を変更する、
とを特徴とするレコメンド方法。
【請求項9】
レコメンド装置が実行するレコメンド方法であって、
顧客の嗜好と志向との少なくともいずれかに関する1以上の情報である分析用情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップにおいて取得した前記分析用情報に基づいて、嗜好の傾向を表す要素に用いられる複数の嗜好カテゴリそれぞれが前記顧客とマッチする程度を定量的に表す嗜好タイプスコアを算出する算出ステップと、
前記算出ステップにおいて算出された前記嗜好タイプスコアと、複数の商品それぞれが対応する前記嗜好カテゴリを示す嗜好カテゴリ情報を少なくとも含む商品情報とに基づいて前記顧客に推薦する前記商品を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択された前記商品に関する情報を出力する選択ステップと、
を有し、
前記算出ステップにおいて算出された前記顧客の前記嗜好タイプスコアと、当該顧客が選択した前記商品とに基づいて、第二学習部が前記嗜好カテゴリ情報を変更する、
ことを特徴とするレコメンド方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レコメンド装置及びレコメンド方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等を用いたEC(electronic commerce)サイトでは、顧客であるユーザがこれまでに購入した商品や閲覧した商品の情報に基づいて、ユーザが興味を持つと予想される商品を提案している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-160396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように従来は、ユーザがインターネットで閲覧したページや商品に関連する商品を提案していた。そのため、提案する商品の幅が、購入又は閲覧した商品に関連するものに限られてしまう。また、ユーザが購入した商品や情報を閲覧した商品は、本人のためのものではないことがある。その場合、上述した従来技術では、顧客の嗜好に合った商品を提案できないことがあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、幅広い商品の中から顧客の嗜好にマッチする商品をレコメンドすることができるレコメンド装置及びレコメンド方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、嗜好と志向との少なくともいずれかに関する1以上の情報である分析用情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記分析用情報に基づいて、嗜好の傾向を表す要素に用いられる複数の嗜好カテゴリそれぞれが前記顧客とマッチする程度を定量的に表す嗜好タイプスコアを算出する算出部と、前記算出部が算出した前記嗜好タイプスコアと、複数の商品それぞれが対応する前記嗜好カテゴリを示す嗜好カテゴリ情報を少なくとも含む商品情報とに基づいて前記顧客に推薦する前記商品を選択し、選択した前記商品に関する情報を出力する選択部と、前記算出部が算出した前記顧客の前記嗜好タイプスコアと、当該顧客が選択した前記商品の前記嗜好カテゴリ情報とに基づいて、前記選択部が顧客の嗜好タイプスコア及び前記嗜好カテゴリ情報に基づいて推薦する前記商品を選択するためのアルゴリズムに用いられるパラメータの値を変更する第一学習部と、を備えることを特徴とするレコメンド装置である。
また、上述した課題を解決する本発明の一態様は、顧客の嗜好と志向との少なくともいずれかに関する1以上の情報である分析用情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記分析用情報に基づいて、嗜好の傾向を表す要素に用いられる複数の嗜好カテゴリそれぞれが前記顧客とマッチする程度を定量的に表す嗜好タイプスコアを算出する算出部と、前記算出部が算出した前記嗜好タイプスコアと、複数の商品それぞれが対応する前記嗜好カテゴリを示す嗜好カテゴリ情報を少なくとも含む商品情報とに基づいて前記顧客に推薦する前記商品を選択し、選択した前記商品に関する情報を出力する選択部と、前記算出部が算出した前記顧客の前記嗜好タイプスコアと、当該顧客が選択した前記商品とに基づいて、前記嗜好カテゴリ情報を変更する第二学習部と、を備えることを特徴とするレコメンド装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上述したレコメンド装置であって、前記情報取得部は、前記顧客の属性又は生体情報に関する情報である分析用情報をさらに取得する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様は、上述したレコメンド装置であって、前記商品情報は、前記商品の分類の情報を含み、前記選択部は、前記顧客が選択した分類の前記商品の中から前記顧客に推薦する前記商品を選択する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様は、上述したレコメンド装置であって、前記選択部は、前記顧客が選択した分類とは異なる分類の前記商品の中から前記顧客に推薦する前記商品を選択する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様は、上述したレコメンド装置であって、前記嗜好カテゴリ情報は、複数の前記嗜好カテゴリそれぞれが前記商品とマッチする程度を定量的に表す値によって表される、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様は、上述したレコメンド装置であって、前記情報取得部は、前記顧客の嗜好と志向との少なくともいずれかに関する前記分析用情報を回答として得るための質問を前記顧客に提示する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様は、レコメンド装置が実行するレコメンド方法であって、顧客の嗜好と志向との少なくともいずれかに関する1以上の情報である分析用情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップにおいて取得した前記分析用情報に基づいて、嗜好の傾向を表す要素に用いられる複数の嗜好カテゴリそれぞれが前記顧客とマッチする程度を定量的に表す嗜好タイプスコアを算出する算出ステップと、前記算出ステップにおいて算出された前記嗜好タイプスコアと、複数の商品それぞれが対応する前記嗜好カテゴリを示す嗜好カテゴリ情報を少なくとも含む商品情報とに基づいて前記顧客に推薦する前記商品を選択する選択ステップと、前記選択ステップにおいて選択された前記商品に関する情報を出力する出力ステップと、を有し、前記算出ステップにおいて算出された前記顧客の前記嗜好タイプスコアと、当該顧客が選択した前記商品の前記嗜好カテゴリ情報とに基づいて、前記選択ステップにおいて、第一学習部が、顧客の嗜好タイプスコア及び前記嗜好カテゴリ情報に基づいて推薦する前記商品を選択するためのアルゴリズムに用いられるパラメータの値を変更する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様は、レコメンド装置が実行するレコメンド方法であって、顧客の嗜好と志向とのいずれかに関する1以上の情報である分析用情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップにおいて取得した前記分析用情報に基づいて、嗜好の傾向を表す要素に用いられる複数の嗜好カテゴリそれぞれが前記顧客とマッチする程度を定量的に表す嗜好タイプスコアを算出する算出ステップと、前記算出ステップにおいて算出された前記嗜好タイプスコアと、複数の商品それぞれが対応する前記嗜好カテゴリを示す嗜好カテゴリ情報を少なくとも含む商品情報とに基づいて前記顧客に推薦する前記商品を選択する選択ステップと、前記選択ステップにおいて選択された前記商品に関する情報を出力する出力ステップと、を有し、前記算出ステップにおいて算出された前記顧客の前記嗜好タイプスコアと、当該顧客が選択した前記商品とに基づいて、第二学習部が前記嗜好カテゴリ情報を変更する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、幅広い商品の中から顧客の嗜好にマッチする商品をレコメンドすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態におけるレコメンドシステムの全体構成を示す図である。
図2】本実施形態におけるレコメンド装置のブロック図である。
図3】本実施形態における顧客情報の例を示す図である。
図4】本実施形態における回答別スコア情報の例を示す図である。
図5】本実施形態における属性別スコア情報の例を示す図である。
図6】本実施形態における生体情報別スコア情報の例を示す図である。
図7】本実施形態における商品情報の例を示す図である。
図8】本実施形態におけるレコメンド装置の処理を示すフロー図である。
図9】本実施形態における質問表示画面の表示例を示す図である。
図10】本実施形態における嗜好タイプ表示画面の表示例を示す図である。
図11】本実施形態におけるレコメンドシステムを適用可能なビジネス形態の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、レコメンドシステム1の全体構成を示す図である。レコメンドシステム1は、情報提供業者のレコメンド装置2、顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4及び商品情報提供装置5と、クライアントのクライアント端末6及びウェブサーバ7と、顧客の顧客端末8とを備える。顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4及び商品情報提供装置5は、レコメンド装置2に接続される。レコメンド装置2、顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4及び商品情報提供装置5のうち任意の2台以上の装置が統合した1台の装置であってもよい。レコメンド装置2、クライアント端末6、ウェブサーバ7及び顧客端末8は、インターネットなどのネットワーク9に接続される。顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4及び商品情報提供装置5のうち一台以上が、ネットワーク9に接続されてもよい。クライアントは、商品を販売する企業等である。商品は、製品などの物理的な商品でもよく、各種サービスでもよい。顧客は、商品の購入や購入の検討のためクライアントを利用する。クライアントの数及び顧客の数は任意である。同図では、顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4、商品情報提供装置5、クライアント端末6、ウェブサーバ7及び顧客端末8を1台ずつ示しているが、それぞれの台数は任意である。また、クライアントが顧客情報記憶装置3及び商品情報提供装置5を有してもよい。
【0019】
レコメンド装置2は、クライアント端末6、あるいは、ウェブサーバ7に接続されている顧客端末8から、1以上の分析用情報を取得する。分析用情報は、顧客の嗜好又は志向の少なくともいずれかに関する情報である。レコメンド装置2は、分析用情報として顧客の属性又は生体情報に関する情報をさらに取得してもよい。顧客の嗜好、志向及び属性の情報は、顧客又はクライアントがクライアント端末6に入力するか、顧客がウェブサーバ7に接続されている顧客端末8に入力する。生体情報は、クライアント端末6又は顧客端末8が備える生体情報取得装置により収集される。生体情報取得装置として、専用の生体情報の測定機器のほか、カメラなどを用いることもできる。レコメンド装置2は、顧客の属性など分析用情報の一部を顧客情報記憶装置3から読み出してもよい。生体情報は、例えば、表情、肌色、脳波、脈拍、呼吸、発汗などである。生体情報は、顧客の嗜好又は志向に関する情報に加えて、又は代えて用いられる。
【0020】
レコメンド装置2は、取得した分析用情報に基づいて、顧客の嗜好の傾向を分類した嗜好タイプを判定する。嗜好タイプは、複数の異なる嗜好カテゴリそれぞれが顧客にマッチする程度を定量的に表す数値からなる嗜好タイプスコアに基づき表される。つまり、嗜好カテゴリは、顧客の嗜好の傾向を表す要素として用いられる。レコメンド装置2は、各商品に対応付けられた嗜好カテゴリと、顧客の嗜好タイプスコアとに基づいて、顧客にレコメンドする商品を選択する。レコメンド装置2は、選択した商品の情報をクライアント端末6へ、又は、ウェブサーバ7に接続している顧客端末8へ出力し、表示させる。
【0021】
顧客情報記憶装置3は、顧客に関する情報を示す顧客情報を記憶する。顧客情報は、顧客の属性の情報を含んでもよい。嗜好判断素材記憶装置4は、嗜好判断素材と、スコア計算用情報と、タイプ分類用情報とを記憶する。嗜好判断素材は、顧客の嗜好や志向の情報を得るために提示する素材のデータである。スコア計算用情報は、分析用情報に応じた嗜好タイプスコアの計算方法を示す。商品情報提供装置5は、クライアントが販売する各商品の商品情報を記憶する。商品情報は、商品に対応する嗜好カテゴリの情報を含む。
【0022】
クライアント端末6は、例えば、クライアントの実店舗等に設置されるPC(パーソナルコンピュータ)や、デジタルサイネージ等のコンピュータ端末である。ウェブサーバ7は、クライアントのウェブページを提供するコンピュータサーバである。ウェブサーバ7は、例えば、クライアントの企業サイトや、クライアントの商品を販売するECサイトのウェブページを提供する。顧客端末8は、顧客が利用するPC、スマートフォン、タブレット端末などのコンピュータ端末である。顧客端末8は、ウェブサーバ7から提供されるウェブページを表示する。
【0023】
図2は、レコメンド装置2の内部構成を示すブロック図である。レコメンド装置2は、通信部210、記憶部220及び処理部230を備える。
【0024】
通信部210は、ネットワーク9を介して他の装置と通信する。通信部210は、他の装置から情報を受信する受信部211と、他の装置へ情報を送信する送信部212とを有する。記憶部220は、処理部230が用いる各種の情報を記憶する。記憶部220は、顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4及び商品情報提供装置5から読み出した情報や、各顧客の嗜好タイプスコア及び嗜好タイプなどの情報を記憶する。
【0025】
処理部230は、レコメンド部240及び学習部250を備える。レコメンド部240は、情報取得部241と、算出部242と、分析結果出力部243と、選択部244とを有する。情報取得部241は、分析用情報を顧客情報記憶装置3、クライアント端末6、又は、ウェブサーバ7に接続される顧客端末8から取得する。分析用情報は、顧客の嗜好、志向、属性及び生体情報の少なくともいずれかに関する情報である。算出部242は、情報取得部241が取得した分析用情報と、嗜好判断素材記憶装置4に記憶されるスコア計算用情報とを用いて、顧客が複数の異なる嗜好カテゴリそれぞれとマッチする程度を定量的に表した嗜好タイプスコアを算出する。分析結果出力部243は、嗜好タイプスコアの情報をクライアント端末6に、又は、ウェブサーバ7に接続される顧客端末8に出力する。選択部244は、算出部242が算出した嗜好タイプスコアと各商品が対応する嗜好カテゴリとに基づいて顧客に推薦する商品を選択し、選択した商品の情報をクライアント端末6に、又は、ウェブサーバ7と接続されている顧客端末8に出力する。選択部244は、各商品が対応する嗜好カテゴリの情報を商品情報提供装置5から読み出す。
【0026】
学習部250は、第一学習部251及び第二学習部252を備える。第一学習部251は、算出部242が算出した顧客の嗜好タイプスコアと当該顧客が購入対象として選択した商品に対応した嗜好カテゴリとの情報を学習データに用いて、選択アルゴリズムに用いられるパラメータの値を学習する。選択アルゴリズムは、選択部244が嗜好タイプスコアと各商品が対応する嗜好カテゴリとに基づいて推薦する商品を選択するために用いるアルゴリズムである。第二学習部252は、算出部242が算出した顧客の嗜好タイプスコアと、顧客が購入対象として選択した商品とを学習データに用いて、商品に対応する嗜好カテゴリを学習する。
【0027】
レコメンド装置2は、例えば、1台以上のコンピュータ装置により実現される。レコメンド装置2がネットワーク接続される複数のコンピュータ装置により実現される場合、いずれのコンピュータ装置によりいずれの機能部が実現されるかは任意とすることができる。例えば、レコメンド部240と学習部250とを異なるコンピュータ装置により実現してもよい。また、1つの機能部を複数のコンピュータ装置により実現してもよい。
【0028】
図3は、顧客情報記憶装置3に記憶される顧客情報の一例を示す図である。顧客情報は、各顧客の顧客ID、名前、住所、生年月日、性別、職業、家族、購入履歴、嗜好タイプスコアなどの情報を含む。職業の情報には、役職の情報が含まれてもよい。また、家族の情報は、既婚であるか単身であるかの情報や、家族構成の情報が含まれる。顧客情報から、分析用情報として用いられる顧客の属性を表す属性情報が得られる。例えば、住所からは居住地域の属性情報が得られる。また、生年月日からは、顧客の年齢や年代などの属性情報が得られる。また、性別、職業、家族の情報はそのまま属性情報として用いられる。購入履歴は、顧客が過去に購入した商品を示す。さらに、顧客情報は、分析用情報として用いられる年収や可処分所得などの属性情報を含んでもよい。
【0029】
嗜好判断素材記憶装置4は、スコア計算用情報として、回答別スコア情報、属性別スコア情報及び生体情報別スコア情報を記憶する。
【0030】
図4は、回答別スコア情報の一例を示す図である。回答別スコア情報は、顧客の嗜好や志向に関する分析用情報を取得するための質問に対する顧客の回答に応じて顧客に付与する嗜好カテゴリ別のスコアを示す。回答別スコア情報は、質問番号、質問表示画面に用いられるテンプレート、嗜好判断素材、回答別の演算情報を関連付けた情報である。
【0031】
テンプレートは、嗜好判断素材を出力し、出力した嗜好判断素材が好きか嫌いか、あるいは、複数出力した嗜好判断素材のいずれか好きかの質問を表示する質問表示画面の画面データを生成するために用いられるデータである。嗜好判断素材は、画像データ、映像データ、テキストデータ、音声データなどである。嗜好判断素材として、例えば、直感的に好きか嫌いか(YES/NO)を選択しやすいものや、どちらが好きかを直感的に選択しやすいものを用いることができる。スコア計算用情報に含まれる嗜好判断素材の情報は、嗜好判断素材記憶装置4又は他の装置における嗜好判断素材の記憶場所であってもよい。
【0032】
演算情報は、質問に対する回答に応じて顧客の嗜好タイプスコアに行う演算を示す。回答は、二択以外にも、好きか嫌いかの程度を3以上の段階から選ぶものでもよく、3以上の選択肢から選択するものでもよい。演算情報は、加算、減算又は乗算する各嗜好カテゴリの値を示す。加算のみを行う場合などは、演算の種類の情報を省略することができる。一つの回答に対して一つの嗜好カテゴリだけを演算の対象としてもよく、一つの回答に対して複数の嗜好カテゴリを演算の対象としてもよい。演算情報は、質問番号と、その質問番号の質問の回答に応じて加算する各嗜好カテゴリの値に乗算する値を示してもよい。演算情報の各嗜好カテゴリに対応した値は、選択アルゴリズムに用いられるパラメータの値に相当する。
【0033】
図5は、属性別スコア情報の一例を示す図である。属性別スコア情報は、属性情報の属性値と、演算情報とを対応付けた情報である。演算情報は、回答別スコア情報に含まれる演算情報と同様に表される。
【0034】
図6は、嗜好判断素材記憶装置4に記憶される生体情報別スコア情報の一例を示す図である。生体情報別スコア情報は、顧客の嗜好や志向に関する分析用情報を取得するための質問に対する顧客の生体の変化に応じて顧客に付与する嗜好カテゴリ別のスコアを示す。生体情報は、質問表示画面に出力された嗜好判断素材が好きか嫌いか、あるいは、複数出力した嗜好判断素材のいずれか好きかの質問に対して、顧客が回答を入力する代わりに、又は、入力した回答に対する付加的な情報として用いることができる。例えば、嗜好判断素材の画像を見たときの顧客の表情の変化などの生体情報から、顧客の嗜好を判断することが可能である。生体情報別スコア情報は、質問番号、質問表示画面に用いられるテンプレート、嗜好判断素材、生体情報別の演算情報を関連付けた情報である。質問番号、テンプレート、嗜好判断素材、演算情報は、回答別スコア情報に含まれる質問番号、テンプレート、嗜好判断素材、演算情報と同様である。生体情報は、生体情報の種別と、その種別の値とを対応付けた情報である。1つの質問番号に複数の種類の生体情報が対応付けられている場合は、いずれかの種類の生体情報に対応した演算情報を嗜好タイプスコアの算出に用いてもよく、複数の種類の生体情報それぞれに対応した演算情報を嗜好タイプスコアの算出に用いてもよい。
【0035】
図7は、商品情報提供装置5に記憶される商品情報の一例を示す図である。商品情報は、各商品の商品ID、商品分類、商品名、商品画像、嗜好カテゴリ、商品グレード、商品説明、販売情報などを含む。商品分類は、階層化されていてもよい。例えば、「衣料-女性用-アウター」、「住宅-雑貨-ラグ」などのように商品分類を階層化することができる。職業の情報には、役職の情報が含まれてもよい。また、家族の情報は、既婚であるか単身であるかの情報や、家族構成の情報が含まれる。販売情報は、商品を取り扱っているクライアントを示す取扱店と、各取扱店における商品の価格及び納期との情報を含む。
【0036】
図8は、レコメンド装置2の処理を示すフロー図である。以下では、レコメンド装置2がクライアント端末6からアクセスを受けた場合を例に説明する。
【0037】
まず、レコメンド装置2の情報取得部241は、クライアント端末6からクライアントを識別する情報と、操作者が入力した顧客ID及び属性情報とを受信する。操作者は、顧客又はクライアントである。情報取得部241は、顧客IDにより特定される顧客情報を顧客情報記憶装置3から読み出し、読み出した顧客情報から分析用情報として用いる属性情報を取得する(ステップS105)。なお、情報取得部241は、全ての属性情報をクライアント端末6から受信してもよく、全ての属性情報を顧客情報から取得してもよい。全ての属性情報をクライアント端末6から受信する場合、情報取得部241は顧客IDを受信しなくてもよい。また、顧客情報記憶装置3に顧客情報が記憶されていない場合、情報取得部241は、操作者が入力した顧客に関する情報をクライアント端末6から受信し、受信した情報を用いて顧客情報を生成して顧客情報記憶装置3に書き込んでもよい。
【0038】
さらに、情報取得部241は、クライアント端末6から操作者が入力した商品分類の情報を受信する(ステップS110)。なお、情報取得部241は、商品分類の情報をステップS105よりも前に受信してもよく、ステップS105において受信する情報とともに受信してもよい。
【0039】
情報取得部241は、嗜好タイプスコアを構成する各嗜好カテゴリのスコアを0に初期化する(ステップS115)。情報取得部241は、質問数nに1を設定して初期化する(ステップS120)。
【0040】
情報取得部241は、嗜好判断素材記憶装置4が記憶する回答別スコア情報のうち、まだ選択していない質問番号の回答別スコア情報を選択する。情報取得部241は、選択した質問番号の回答別スコア情報からテンプレート及び嗜好判断素材を読み出す。情報取得部241は、テンプレートに嗜好判断素材を埋め込んだ質問表示画面の画面データを生成し、クライアント端末6に送信する(ステップS125)。クライアント端末6は、受信した画面データに基づいて質問表示画面を表示する。質問表示画面により、嗜好判断素材が顧客に提示される。
【0041】
クライアント端末6は、操作者が質問表示画面に入力した回答の情報を送信する。レコメンド装置2の情報取得部241は、クライアント端末6から回答の情報を受信する(ステップS130)。算出部242は、受信した回答に応じた演算情報を、選択した質問番号の回答別スコア情報から読み出し、読み出した演算情報が示す演算を嗜好タイプスコアに対して行う(ステップS135)。
【0042】
情報取得部241は、質問数nが全質問数Nに達したか否かを判定する(ステップS140)。情報取得部241は、全質問数Nに達していないと判定した場合(ステップS140:NO)、質問数nに1を加算する(ステップS145)。情報取得部241は、ステップS125からの処理を繰り返す。
【0043】
そして情報取得部241が、質問数nが全質問数Nに達したと判定した場合(ステップS140:YES)、算出部242は、ステップS150の処理を行う。算出部242は、ステップS105において取得した属性情報それぞれに対応した演算情報を嗜好判断素材記憶装置4が記憶する属性別スコア情報から読み出す。算出部242は、読み出した演算情報が示す演算を嗜好タイプスコアに対して行う(ステップS150)。算出部242は、算出した嗜好タイプスコアを顧客情報記憶装置3に記憶される顧客情報に設定する。
【0044】
分析結果出力部243は、顧客の嗜好タイプスコアを表示する嗜好タイプ表示画面の画面データを生成し、クライアント端末6に送信する(ステップS155)。クライアント端末6は、受信した画面データに基づいて嗜好タイプ表示画面を表示する。
【0045】
選択部244は、顧客にレコメンドする商品を選択する(ステップS160)。具体的には、選択部244は、顧客の嗜好タイプスコアに基づいて、スコアが高い嗜好カテゴリを所定数読み出す。選択部244は、商品情報提供装置5に記憶されている商品情報のうち、ステップS110において取得した商品分類に属し、読み出した嗜好カテゴリに対応付けられた商品の商品情報を特定する。さらに、選択部244は、特定した商品情報のうち、クライアント端末6から受信した識別情報が示すクライアントが取扱店に含まれている商品情報を、レコメンド商品情報として商品情報提供装置5から読み出す。選択部244は、クライアントと提携している他のクライアントが取扱店に含まれている商品情報をさらにレコメンド商品情報として読み出してもよい。なお、選択部244は、顧客情報から読み出した年収や可処分所得、役職に応じた商品グレードが商品情報に設定されていることをさらにレコメンド装置2からレコメンド商品情報として読み出す条件としてもよい。なお、選択部244は、クライアント端末6から操作者が入力した商品グレードの情報を受信してもよい。
【0046】
選択部244は、レコメンド商品情報を、例えば、レコメンドの順に表示するレコメンド画面の画面データを生成する。選択部244は、スコアが高い嗜好カテゴリと対応している商品ほど、レコメンドの順位を高くする。レコメンド画面は、レコメンド商品情報の少なくとも一部の情報を表示する。例えば、レコメンド画面に、商品名、商品画像、嗜好カテゴリ、商品グレード、商品説明、価格及び納期の情報を表示する。選択部244は、価格及び納期の情報を、クライアント端末6を使用しているクライアント(又はそのクライアントと提携している他のクライアント)が取扱店の販売情報から取得する。選択部244は、生成した画面データをクライアント端末6に送信する(ステップS165)。クライアント端末6は、受信した画面データに基づいて、レコメンド画面を表示する。
【0047】
商品情報は、各商品に対応した推薦対象属性の情報をさらに含んでもよい。推薦対象属性は、年齢や性別、居住地域など、レコメンド対象の顧客の属性情報を示す。この場合、選択部244は、推薦対象属性に顧客の属性情報が含まれることをさらにレコメンド装置2からレコメンド商品情報として読み出す条件としてもよい。また、ステップS125において、情報取得部241は、質問番号の順に回答別スコア情報を選択してもよい。
【0048】
なお、ユーザが質問表示画面の表示に対する回答を入力する代わりに、ユーザの生体情報を収集してもよい。この場合、レコメンド装置2は、ステップS125~ステップS135において以下のように動作する。すなわち、情報取得部241は、嗜好判断素材記憶装置4が記憶する生体情報別スコア情報のうち、まだ選択していない質問番号の生体情報別スコア情報を選択する。情報取得部241は、選択した質問番号の生体情報別スコア情報からテンプレート及び嗜好判断素材を読み出す。情報取得部241は、テンプレートに嗜好判断素材を埋め込んだ質問表示画面の画面データを生成し、クライアント端末6に送信する(ステップS125)。クライアント端末6は、受信した画面データに基づいて質問表示画面を表示する。質問表示画面により、嗜好判断素材が顧客に提示される。クライアント端末6は、質問表示画面の表示中に計測された顧客の生体情報をレコメンド装置2に送信し、レコメンド装置2の情報取得部241は、クライアント端末6から生体情報を受信する(ステップS130)。算出部242は、受信した生体情報応じた演算情報を、選択した質問番号の生体情報別スコア情報から読み出し、読み出した演算情報が示す演算を嗜好タイプスコアに対して行う(ステップS135)。
【0049】
また、レコメンド装置2は、ユーザが質問表示画面の表示に対して入力した回答を得ることに加え、さらに、ユーザの生体情報を収集してもよい。この場合、レコメンド装置2は、ステップS130~ステップS135において以下のように動作する。すなわち、クライアント端末6は、操作者が質問表示画面に入力した回答の情報と、質問表示画面の表示中に計測された顧客の生体情報とを送信する。レコメンド装置2の情報取得部241は、クライアント端末6から回答の情報及び生体情報を受信する(ステップS130)。算出部242は、受信した回答に応じた演算情報を、選択した質問番号の回答別スコア情報から読み出し、読み出した演算情報が示す演算を嗜好タイプスコアに対して行う。さらに、算出部242は、受信した生体情報に応じた演算情報を、選択した質問番号の生体情報別スコア情報から読み出し、読み出した演算情報が示す演算を嗜好タイプスコアに対して行う(ステップS135)。
【0050】
ステップS160において、選択部244は、商品情報提供装置5に記憶されている商品情報のうち、ステップS110において取得した商品分類とは異なる商品分類に属し、読み出した嗜好カテゴリに対応付けられた商品の商品情報を特定してもよい。そして、選択部244は、特定した商品情報のうち、クライアント端末6から受信した識別情報が示すクライアントが取扱店に含まれている商品情報を、レコメンド商品情報として商品情報提供装置5から読み出す。これにより、顧客が意識していない商品分類の商品についてもレコメンドすることが可能となる。異なる商品分類としては、例えば、ランダムに決めてもよく、クライアント別に決められてもよく、予め対応付けられた商品分類同士の情報に基づいて決められてもよい。これにより、家具を探している顧客に対して、電化製品や食品などをレコメンドすることが可能となる。なお、リコメンドする商品は、特定の商品であってもよく、関連する複数の商品を含む商品群(例えば特定のブランドやジャンル)であってもよい。
【0051】
上記においては、商品に対応する嗜好カテゴリが1つである場合を例に説明したが、商品と複数の嗜好カテゴリとを対応づけてもよい。この場合、商品情報に嗜好カテゴリに代えて嗜好タイプスコアが設定される。ステップS160において、選択部244は、ステップS110において取得した商品分類が設定され、さらに、クライアント端末6から受信した識別情報が示すクライアントが取扱店に含まれている商品情報を特定する。選択部244は、特定した商品情報に設定されている嗜好タイプスコアが表すベクトル(嗜好カテゴリ数Nを次元数としたN次元ベクトル)と、顧客の嗜好タイプスコアが表すベクトルとの内積又は角度を算出し、算出された内積が大ききほど又は算出された角度が小さいほどレコメンドの順位が高いと判断してもよい。選択部244は、順位が高いものから所定数の商品情報を、レコメンド商品情報として商品情報提供装置5から読み出す。
【0052】
上記では、クライアント端末6を用いる場合を説明したが、クライアント端末6に代えて、ウェブサーバ7が提供するウェブサイトにアクセスしている顧客端末8を用いてもよい。この場合、レコメンド装置2は、ウェブサーバ7を介して顧客端末8とデータを送受信する。
【0053】
クライアント端末6は、顧客IDと、顧客が購入した商品の情報をレコメンド装置2に送信してもよい。例えば、クライアント端末6は、店舗のPOS(Point Of Sale)システムと連携して顧客が購入した商品の情報を取得してもよく、クライアントがクライアント端末6に顧客が購入した商品の情報を入力してもよい。レコメンド装置2の処理部230は、顧客IDにより特定される顧客情報の購入履歴に、受信した商品の商品IDを書き込む。選択部244は、顧客が購入した商品に対応する嗜好カテゴリを商品情報から読み出し、読み出した嗜好カテゴリを、顧客の嗜好タイプスコアに基づいて読み出された、スコアの高い嗜好カテゴリとして用い、ステップS160及びステップS165の処理を行ってもよい。あるいは、選択部244は、顧客が購入した商品に対応付けられた嗜好タイプスコアを商品情報から読み出し、読み出した各嗜好カテゴリスコアを顧客の嗜好タイプスコアの代わりに用いてステップS160及びステップS165の処理を行ってもよい。クライアント端末6は、レコメンド装置2から受信した画面データに基づき、レコメンド画面を表示する。あるいは、選択部244は、ステップS160において読み出したレコメンド商品情報に設定されている商品名、価格等の情報をレコメンド情報としてクライアント端末6に送信してもよい。クライアント端末6は、受信したレコメンド情報をPOSシステムに送信する。POSシステムは、お勧め情報としてレシートにレコメンド情報を印刷してもよく、販売促進のためにレコメンド情報が印刷されたクーポンを発行してもよい。
【0054】
また、ウェブサーバ7は、自サーバが提供するECサイトなどのウェブサイトにおいて顧客の顧客IDと、当該顧客が購入した商品の情報とをレコメンド装置2に送信してもよい。レコメンド装置2の処理部230は、顧客IDにより特定される顧客情報の購入履歴に、受信した商品の商品IDを書き込む。選択部244は、顧客が購入した商品の情報をクライアント端末6から取得した場合と同様の上記の処理を行う。顧客端末8は、レコメンド装置2から受信した画面データに基づき、レコメンド画面を表示する。
【0055】
また、レコメンド装置2の選択部244は、顧客情報記憶装置3が記憶する顧客情報を参照して、顧客の嗜好タイプスコアに類似した嗜好タイプスコアの他の顧客のうち、レコメンド対象の商品を購入した顧客の割合を計算してもよい。類似は、嗜好タイプスコアが表すベクトル同士の内積又は嗜好タイプスコアが表すベクトル同士がなす角によって判断される。選択部244は、算出した割合を表示するレコメンド画面の画面データを生成し、クライアント端末6に送信する。
【0056】
なお、分析用情報は、顧客の属性の情報を含まなくてもよく、顧客の生体の情報を含まなくてもよい。また、属性情報に基づく嗜好タイプスコアの演算を、顧客の回答に基づく嗜好タイプスコアの演算よりも先に行ってもよい。
【0057】
また、回答別スコア情報、属性別スコア情報及び生体情報別スコア情報の演算情報は、演算の種類の情報を含まなくてもよい。算出部242は、演算情報で示される各嗜好カテゴリのスコアを足し合わせてもよく、加重平均を算出してもよい。
【0058】
なお、レコメンド装置2のレコメンド部240は、AI(人工知能)を用いてレコメンド対象の商品を選択してもよい。例えば、レコメンド部240は、顧客の属性、各質問の回答、生体情報などの分析用情報を入力とし、各商品のレコメンドの程度を定量的に表すレコメンドスコアを出力とするレコメンド商品選択モデルを用いる。レコメンド部240は、機械学習されたレコメンド商品選択モデルに、ステップS105において取得した顧客の属性情報と、ステップS130において受信した回答及び生体情報とをレコメンド商品選択モデルに入力し、各商品のレコメンドスコアを得る。レコメンド部240は、ステップS110において入力された商品分類に属し、かつ、クライアント端末6を使用しているクライアント(又はそのクライアントと提携している他のクライアント)が取扱店である商品を選択し、選択した商品のレコメンドの順位を、レコメンドスコアの高い順に決定する。レコメンド商品選択モデルは、顧客の分析用情報と、その顧客が購入した商品とを対応付けたビックデータを学習データに用いて機械学習により得られる。
【0059】
また、算出部242は、顧客の嗜好タイプスコアの算出に、顧客の属性、各質問の回答及び生体情報を入力とし、各嗜好カテゴリのスコアを出力とする嗜好タイプ判定モデルを用いてもよい。算出部242は、機械学習された嗜好判定モデルに、情報取得部241がステップS105において取得した顧客の属性情報と、ステップS130において受信した回答及び生体情報とを入力し、各嗜好カテゴリのスコアを得る。算出部242は、得られた各嗜好カテゴリのスコアを顧客の嗜好タイプスコアとして用いる。嗜好タイプ判定モデルは、顧客の分析用情報と、その顧客の正解の嗜好タイプスコアとを対応付けたビックデータを学習データに用いた機械学習により得られる。
【0060】
また、選択部244は、各嗜好カテゴリのスコアを入力とし、各商品のレコメンドの程度を定量的に表すレコメンドスコアを出力とするレコメンド商品選択モデルを用いてもよい。選択部244は、顧客の嗜好タイプスコアが表す各嗜好カテゴリのスコアを機械学習されたレコメンド商品選択モデルに入力し、各商品のレコメンドスコアを得る。レコメンド商品選択モデルは、顧客の嗜好タイプスコアと、その顧客が購入した商品とを対応付けたビックデータを学習データに用いた機械学習により得られる。
【0061】
図9は、クライアント端末6又は顧客端末8に表示される質問表示画面の表示例を示す図である。ここでは、1~3問目が、質問番号1~3である場合を例に説明する。1問目(n=1)の質問表示画面G1に用いられるテンプレートTM1は、n問目であることを示す表示G11と、質問内容G12と、音声データの再生を指示する再生ボタンG13と、YESの回答を入力するボタンG14と、NOの回答を入力するボタンG15とを含む。再生ボタンG13には、嗜好判断素材である音楽Aの音声データが埋め込まれている。情報取得部241は、表示G11のnに値「1」を用いた質問表示画面G1の画面データを生成する。
【0062】
2問目(n=2)の質問表示画面G2に用いられるテンプレートTM2は、n問目であることを示す表示G21と、フレーズが好きかを尋ねる質問内容G22と、YESの回答を入力するボタンG23と、NOの回答を入力するボタンG24を含む。質問内容G22には、嗜好判断素材であるフレーズAのテキストデータが埋め込まれている。情報取得部241は、表示G21のnに値「2」を用いた質問表示画面G2の画面データを生成する。
【0063】
3問目(n=3)の質問表示画面G3に用いられるテンプレートTM3は、n問目であることを示す表示G31と、質問内容G32と、一つ目の画像を選択するボタンG33と、二つ目の画像を選択するボタンG34を含む。ボタンG33、G34にはそれぞれ、嗜好判断素材である画像B、Cの画像データが埋め込まれている。情報取得部241は、表示G31のnに値「3」を用いた質問表示画面G3の画面データを生成する。
【0064】
図10は、クライアント端末6又は顧客端末8に表示される嗜好タイプ表示画面G4の表示例を示す図である。嗜好タイプ表示画面G4は、嗜好タイプマップG41と、顧客の嗜好タイプスコアG42と、嗜好カテゴリの割合を表す円グラフG43とを含む。嗜好タイプマップG41は、2次元のマップにおける嗜好タイプの分類別の領域を示している。各嗜好タイプは、嗜好カテゴリ空間の一定の座標範囲で表される。嗜好タイプマップG41には、顧客の嗜好タイプスコアに対応した点Pがプロットされている。円グラフG43は、顧客の嗜好タイプスコアを構成する各嗜好カテゴリのスコアの比率を示す。なお、分析結果出力部243は、嗜好タイプ表示画面G4に、嗜好タイプスコアに応じた説明文を含めてもよい。
【0065】
レコメンド装置2の第一学習部251は、図8の処理において算出された顧客の嗜好タイプスコアと、当該顧客が購入した商品の嗜好カテゴリ情報と用いて、選択部244が嗜好タイプスコア及び各商品の嗜好カテゴリに基づいて推薦する商品を選択するための選択アルゴリズムに用いられるパラメータの値を更新する。例えば、第一学習部251は、ある商品を購入した顧客である購入顧客の嗜好タイプスコアを嗜好カテゴリ別に合計し、合計スコアが最も高い嗜好カテゴリを選択する。第一学習部251は、選択した嗜好カテゴリと、顧客が購入した商品の嗜好カテゴリとが異なる場合、購入顧客の分析用情報を用いて嗜好タイプスコアを算出したときに、その商品に対応した嗜好カテゴリのスコアが高くなるように演算情報の値を変更する。あるいは、第一学習部251は、顧客の分析用情報を用いて嗜好タイプスコアを算出したときに、算出された嗜好タイプスコアにおける嗜好カテゴリの比率が、当該顧客が購入した全商品の嗜好タイプスコアの平均における嗜好カテゴリの比率に近づくように演算情報の値を変更する。
【0066】
また、レコメンド装置2の第二学習部252は、図8の処理において算出された顧客の嗜好タイプスコアと、当該顧客が購入した商品に対応した嗜好カテゴリとに基づいて、商品が対応する嗜好カテゴリ又は嗜好タイプスコアを変更する。例えば、第二学習部252は、ある商品を購入した顧客である購入顧客の嗜好タイプスコアを嗜好カテゴリ別に合計し、その商品が対応する嗜好カテゴリを、合計スコアが最も高い嗜好カテゴリに書替える。あるいは、第二学習部252は、購入顧客の嗜好タイプスコアの平均を算出し、商品に対応する嗜好タイプスコアが示す各嗜好カテゴリのスコアを、算出した平均に近づけるように変更する。
【0067】
あるいは、レコメンド装置2の学習部250は、学習済みのレコメンド商品選択モデル、嗜好タイプ判定モデル、レコメンド商品選択モデルを、図8の処理において得られた分析用情報や嗜好タイプスコアと、顧客が購入した商品や、顧客が購入した商品に対応した嗜好カテゴリ又は嗜好タイプスコアとを用いて更新してもよい。
【0068】
上述のように、レコメンド装置2は、顧客に嗜好や志向に関する質問を行う。例えば、レコメンド装置2は、複数の画像、キーワード、音(音楽)などを顧客に提示し、それぞれについて好きか嫌いかの判断をしてもらう。質問の対象を、物品や、色(模様)、音、など感性に関するものとすることで、例えば、顧客のライフスタイル傾向を表す嗜好タイプスコアを得ることができる。例えば、木目調の画像が好きという回答の場合、嗜好カテゴリ「ナチュラル」のスコアが上がるようにする。
【0069】
レコメンド装置2は、顧客の回答結果に基づいて、嗜好カテゴリの組み合わせとして表現される顧客の嗜好タイプを判定し、出力する。様々なライフスタイルに紐づいた質問を複数行うことで、レコメンド装置2は、ライフスタイル傾向(ペルソナともいう)を顧客ごとに嗜好カテゴリの割合で示すことができる。レコメンド装置2は、製品やサービスの分類の指定を受け、その分類の製品・サービス群と、嗜好カテゴリを紐付けたデータベースから、顧客のライフスタイル傾向に応じた製品やサービスをレコメンド対象として提示する。心理学的に人の好みには方向性(一定の色やデザインを好むなど)があるという知見に基づき、嗜好タイプによって、顧客の好みの商品を推定できる。ライフスタイルという同じ軸に様々な分類・分野の商品が対応付けられるため、顧客が意識して探索している分類・分野の商品とは違う商品であっても、顧客のライフスタイルに合った商品をレコメンドすることも可能となる。
【0070】
また、レコメンド装置2は、クライアントのウェブサイトからリンクされたレコメンドエンジンとして用いることもできる。レコメンド装置2は、クライアントが提供可能な製品及びサービス群からレコメンド対象を選択する。
【0071】
レコメンド装置2は、質問への回答結果から顧客の嗜好タイプスコアを算出するアルゴリズムとして、嗜好判断素材に対応付けられた各嗜好カテゴリのスコアの足し合わせや加重平均を用いてもよく、機械学習を用いてもよい。さらに、レコメンド装置2は、嗜好判断素材に加え、性別、年齢、職業などの属性情報を用いることで、商品のレコメンドの精度を上げることができる。そして、実際の店舗において顧客が購入した商品を嗜好判断素材として捉え、顧客が「好き」と判断したとして嗜好タイプスコアを更新してもよい。店舗では、顧客に購入を促したい製品・サービス群の中から顧客の嗜好にあったものを提案することができる。
【0072】
上述した実施形態によれば、顧客の購入履歴などに依存せずに顧客へ製品やサービス等の商品の提案を行えるため、顧客が新しい店舗やECサイトで商品の購入を考えた際に、顧客の嗜好にあった商品の提案を行うことが可能となる。
【0073】
図11は、レコメンドシステム1を適用したビジネス形態の例を示す図である。
(1)顧客は、物販、飲食、旅行などの商品を探索する。
(2)顧客は、商品探索のため、専門店、ショールーム(SR)、量販店、ショッピングセンター、モデルルームなどの店舗を訪ねる。店舗には、クライアント端末6が設置されている。クライアント端末6は、接客紹介を行う端末でもよく、サイネージであよい。あるいは、顧客は、顧客端末8からウェブサーバ7が提供する企業サイトや通販サイトにアクセスする。ここでは、夫婦二人の顧客が、家具一式を買い替えてインテリアイメージを変える目的で、最寄りの家具専門店を訪ねた場合を例に説明する。顧客は、専任のコーディネーターの勧めで、クライアント端末6によりレコメンドを受ける。
【0074】
(3)顧客は、レコメンド希望製品やサービスなどの商品分類を選定する。クライアント端末6はレコメンド装置2にアクセスし、顧客が選択したインテリア製品(家具)を表す商品分類を送信する。
(4)顧客は、クライアント端末6が表示する画面に、30代夫婦(子供なし)、共働き、都内在住、賃貸マンションなどの顧客の属性を入力する。クライアント端末6は、入力された顧客の属性をレコメンド装置2に送信する。
(5)クライアント端末6は、レコメンド装置2から受信した質問画面を表示する。顧客は、クライアント端末6に表示される設問の画面に、直感的に回答を入力する。例えば、クライアント端末6には、ランダムに画像などが短時間表示され、顧客は、その画像が好きかどうか(好みだけでなく、興味などでも良い)を入力する。
(6)クライアント端末6は、生体情報をセンシングしてレコメンド装置2に送信する。商品分類が化粧品などの場合、クライアント端末6は、肌色測定などを行った結果をレコメンド装置2に送信してもよい。
【0075】
(7)レコメンド装置2は、深層心理学を応用したアルゴリズムに基づいて、顧客の属性、質問の回答及び生体情報を用いて顧客のライフスタイル傾向(嗜好タイプ)を判定する。
(8)クライアント端末6は、ライフスタイル傾向の判定結果を示す嗜好タイプ表示画面を表示する。コーディネーターは、提示された嗜好タイプ表示画面に基づいて顧客に説明を行う。顧客端末8に嗜好タイプ表示画面を提示する場合、レコメンド装置2は、説明文等を含めた嗜好タイプ表示画面を提示する。
【0076】
(9)レコメンド装置2は、ライフスタイルと商品の事前マッチングに基づいて、顧客のライフスタイル傾向にマッチする商品を選択する。例えば、顧客が希望する商品グレードによって、レコメンド対象の商品を絞ることができる。また、レコメンド装置2は、ライフスタイル傾向を表す嗜好タイプスコアをAI分析することによって、顧客の嗜好カテゴリの比率に応じたレコメンド対象を選択して提示することができる。
【0077】
(10)クライアント端末6は、レコメンド装置2が選択したレコメンド対象の商品の情報を提示する。レコメンド装置2は、嗜好タイプスコアと、レコメンド対象の商品のマッチング傾向をクライアント端末6に提示してもよい。
【0078】
(11)店頭では、クライアント端末6が表示する情報を見ながら、コーディネーターが商品の説明を行う。なお、夫婦二人の場合、それぞれについてレコメンドを行ってもよく、決定権のあるどちらかへのレコメンドを行ってもよい。顧客は、コーディネーターとの対話の中で、購入する商品を決定する。
(12)顧客が購入を決定すると、クライアントは、顧客が購入した商品の情報をクライアント端末6からレコメンド装置2に通知する。
【0079】
なお、上述のレコメンド装置2、顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4、商品情報提供装置5、クライアント端末6、ウェブサーバ7及び顧客端末8としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のレコメンド装置2、顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4、商品情報提供装置5、クライアント端末6、ウェブサーバ7及び顧客端末8としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、レコメンド装置2、顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4、商品情報提供装置5、クライアント端末6、ウェブサーバ7及び顧客端末8で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされてレコメンド装置2、顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4、商品情報提供装置5、クライアント端末6、ウェブサーバ7及び顧客端末8で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にレコメンド装置2、顧客情報記憶装置3、嗜好判断素材記憶装置4、商品情報提供装置5、クライアント端末6、ウェブサーバ7及び顧客端末8で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…レコメンドシステム, 2…レコメンド装置, 3…顧客情報記憶装置, 4…嗜好判断素材記憶装置, 5…商品情報提供装置, 6…クライアント端末, 7…ウェブサーバ, 8…顧客端末, 210…通信部, 211…受信部, 212…送信部, 220…記憶部, 230…処理部, 240…レコメンド部, 241…情報取得部, 242…算出部, 243…分析結果出力部, 244…選択部, 250…学習部, 251…第一学習部, 252…第二学習部
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11