(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】記録材搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/12 20060101AFI20240123BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240123BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B65H3/12 320A
G03G21/16 147
G03G15/00 405
(21)【出願番号】P 2019220720
(22)【出願日】2019-12-05
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 政仁
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-023354(JP,A)
【文献】特開2014-015313(JP,A)
【文献】特開昭53-026067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 3/12
G03G 21/16
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材束の記録材の吸引を上方から行う
とともに鉛直方向と交差する方向へ且つ一方向へ移動する吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材
であって当該一方向に沿って延びる他の移動部材とは別の部材により構成され当該一方向と交差する方向に延びる移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ
且つ当該一方向へ移動し
て、吸引した記録材を当該
一方向へ移動させるとともに、当該
一方向への移動に伴い、
当該一方向と交差する方向に延びる当該移動部
材が当該記録材束の外周縁よりも外側へ達する吸引部と、
前記外周縁よりも外側へ達した、
前記一方向と交差する方向に延びる前記移動部材の下方への移動を規制する規制手段と、
を備える記録材搬送装置。
【請求項2】
前記外周縁の前記外側へ達する前記
移動部材に連動するように設けられ、前記記録材束の当該外周縁の外側から内側方向へ向かうように配置された連動部をさらに備え、
前記連動部が、前記記録材束により下方から支持されることで、前記外周縁の前記外側へ達する前記
移動部材の下方への移動が規制される請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項3】
前記連動部は、前記吸引部による吸引により形成される減圧空間と大気圧となっている空間である大気圧空間とを仕切る役割を有する請求項2に記載の記録材搬送装置。
【請求項4】
前記移動部材は、前記吸引部による吸引により形成される減圧空間と大気圧となっている空間である大気圧空間とを仕切る役割を有する請求項1に記載の記録材搬送装置。
【請求項5】
記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させるとともに、当該交差する方向への移動に伴い、当該移動部材の少なく
とも一部が当該記録材束の外周縁よりも外側へ達する吸引部と、
前記移動部材のうちの前記外周縁よりも外側へ達した部分であって記録材による下方からの支持がなされていない状態にある当該部分の下方への移動を規制する規制手段と、
を備え
、
鉛直方向における上方から前記移動部材を見た場合に、当該移動部材は、L字状に形成され、互いに交差する関係の第1の部位および第2の部位を有し、
前記第1の部位が、前記記録材束の前記外周縁よりも外側に達し、前記第2の部位が、当該記録材束により下方から支持され、
前記第2の部位が前記記録材束により下方から支持されることで、前記外側へ達する部分である前記第1の部位の下方への移動が規制される、
記録材搬送装置。
【請求項6】
記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させ
る吸引
部を備え
、
前記移動部材は、板状に形成されるとともに、複数設けられ、
一の前記移動部材と他の前記移動部材とが、一方向に沿って配置されるとともに部分的に重なるように配置され、当該一の移動部材と当該他の移動部材とが重なる重なり部が存在するとともに、当該一の移動部材の一方の面側に当該他の移動部材が位置し、当該他の移動部材の一方の面側に当該一の移動部材が位置し、
前記一の移動部材の前記一方の面のうちの前記重なり部から外れた部分の対向箇所、及び/又は、前記他の移動部材の前記一方の面のうちの当該重なり部から外れた部分の対向箇所には、当該外れた部分から離れた側から当該外れた部分に向かって突出した突出部が設けられている、
記録材搬送装置。
【請求項7】
前記一方の面
の前記外れた部分に向かって突出した前記突出部の突出高さが、当該一方の面を有する一の前記移動部材とは異なるもう一方の前記移動部材の厚さよりも大きい請求項6に記載の記録材搬送装置。
【請求項8】
記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させ
る吸引
部を備え
、
前記移動部材は、板状に形成されるとともに、複数設けられ、
一の前記移動部材と他の前記移動部材とが、一方向に沿って配置されるとともに部分的に重なるように配置され、当該一の移動部材と当該他の移動部材とが重なる重なり部が存在するとともに、当該一の移動部材の一方の面側に当該他の移動部材が位置し、当該他の移動部材の一方の面側に当該一の移動部材が位置し、
前記一の移動部材の前記一方の面のうちの前記重なり部から外れた部分、及び/又は、前記他の移動部材の前記一方の面のうちの当該重なり部から外れた部分には、突出部が設けられている、
記録材搬送装置。
【請求項9】
前記一方の面
の前記外れた部分に設けられた前記突出部の突出高さが、当該一方の面を有する一の前記移動部材とは異なるもう一方の前記移動部材の厚さよりも大きい請求項8に記載の記録材搬送装置。
【請求項10】
記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させ
る吸引部と
、
上下方向に沿うように配置され、前記移動部材に対向配置された対向面と、
を備え
、
前記対向面の少なくとも一部が、上方から下方に向かうに従い前記移動部材から次第に離れるように傾斜している、
記録材搬送装置。
【請求項11】
前記対向面を有する部材が、被取り付け部材に対して弾性変形した状態で取り付けられており、
前記対向面を有する前記部材が弾性変形した状態で前記被取り付け部材に対して取り付けられることで、前記対向面の前記一部が、鉛直方向に対して傾斜し、当該一部が、上方から下方に向かうに従い前記移動部材から次第に離れる請求項10に記載の記録材搬送装置。
【請求項12】
記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させるとともに、当該交差する方向への移動に伴い、当該移動部材の少なく
とも一部が当該記録材束の外周縁よりも外側へ達する吸引
部を備え
、
前記移動部材の、前記外周縁よりも外側へ達する部分は、当該外周縁の内側へ戻る際、上方へ移動し、
前記移動部材の、前記外側へ達する前記部分である外側到達部分が前記内側へ戻る際、当該移動部材の下端部に位置し且つ当該外側到達部分よりも前記記録材束に近い側に位置する回転中心を中心に当該移動部材が回転して、当該移動部材が当該外側到達部分側とは反対側へ倒れ、
前記移動部材が前記回転中心を中心として回転して前記反対側へ倒れることで、前記外側到達部分が上方へ移動する、
記録材搬送装置。
【請求項13】
前記移動部材が前記反対側へ倒れると、前記下端部のうちの、前記回転中心を挟んで前記外側到達部分とは反対側に位置する部分が、前記記録材束の最上位の記録材に線接触する請求項
12に記載の記録材搬送装置。
【請求項14】
記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させ
る吸引部と
、
前記移動部材が下方に位置する記録材により押圧されて上方へ移動する際に当該移動部材を案内する案内部と、
を備え
、
前記移動部材は、下方に位置する前記記録材の幅方向における中央部側に位置する中央側端部と、当該中央側端部とは反対側に位置し当該記録材の幅方向における一端部側に位置する反対側端部とを備え、
前記移動部材のうちの前記中央側端部側には、上下方向に沿って配置され、前記案内部が入る溝が形成され、
前記溝の両側には、上下方向に沿って配置され、当該溝に臨む縁部が設けられ、
前記溝の前記両側に設けられた前記縁部のうちの、前記反対側端部側に位置する縁部には、下方に向かうに従い当該反対側端部側へ当該縁部が近づくようにする傾斜が付与されている、
記録材搬送装置。
【請求項15】
記録材束の記録材の吸引を上方から行
うとともに鉛直方向と交差する方向へ且つ一方向へ移動する吸引部であって、当該吸引により形成される減圧空間と大気圧となっている空間である大気圧空間とを仕切る役割を有し当該減圧空間よりも当該一方向における下流側に位置し上下方向への移動が可能に設けられ
当該一方向と交差する方向に延びる移動部材
である交差移動部材であって当該一方向に延びる他の移動部材とは別の部材により構成された当該交差移動部材を有する吸引部と、
前記
一方向と交差する方向に延びる前記交差移動部材に連動するように設けられ、
当該一方向における下流側へ移動した
当該交差移動部材が前記記録材束の外周縁を超えた箇所に位置する場合に、当該記録材束の当該外周縁の内側に位置する連動部と、
を備える記録材搬送装置。
【請求項16】
前記連動部は、前記一方向における下流側へ移動する前記
交差移動部材に連動して当該下流側へ移動するとともに、当該
交差移動部材の上下方向への移動に連動して上下方向へ移動する請求項
15に記載の記録材搬送装置。
【請求項17】
記録材束の記録材の吸引を上方から行
うとともに鉛直方向と交差する方向へ且つ一方向へ移動する吸引部であって、当該吸引により形成される減圧空間と大気圧となっている空間である大気圧空間とを仕切る役割を有し上下方向への移動が可能に設けられ
当該一方向と交差する方向に延びる板状の移動部材
である交差移動部材であって当該一方向に延びる他の移動部材とは別の部材により構成された当該交差移動部材を備える吸引部を有し、
前記一方向と交差する方向に延びる板状の前記
交差移動部材には、当該
交差移動部材の延び方向と交差する方向へ突出する突出部が設けられている記録材搬送装置。
【請求項18】
記録材束の記録材の吸引を上方から行
うとともに鉛直方向と交差する方向へ且つ一方向へ移動する吸引部であって、当該吸引により形成される減圧空間と大気圧となっている空間である大気圧空間とを仕切る役割を有し当該減圧空間よりも当該一方向における下流側に位置し上下方向への移動が可能に設けられ
当該一方向と交差する方向に延びる移動部材
である交差移動部材であって当該一方向に延びる他の移動部材とは別の部材により構成された当該交差移動部材を備える吸引部を有し、
前記一方向と交差する方向に延びる前記
交差移動部材の一部が、前記吸引部が移動する方向である前記一方向とは反対方向へ向かって延びている記録材搬送装置。
【請求項19】
記録材への画像の形成を行う画像形成手段と、記録材を搬送する記録材搬送装置とを備え、当該記録材搬送装置が、請求項1乃至
18の何れかに記載の記録材搬送装置を含んで構成された画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、用紙スタックの用紙を吸引して空気プレナム及び封止機構に接触させるため、空気プレナム内に真空圧を生成する送風機を備えた用紙給送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録材の搬送機能を有する装置では、上下方向へ移動する移動部材を有し記録材束の上方から記録材の吸引を行う吸引部が設けられ、この吸引部が記録材の吸引を行って記録材の取り出しを行った後に、この吸引部が鉛直方向と交差する方向へ移動することがある。
ここで、吸引の失敗や、吸引部に対する記録材の位置ずれが生じることがあり、この場合、吸引部により吸引される記録材が移動部材の直下に無い状態で、吸引部が移動することが起こり得る。
移動部材の直下に記録材が無い状態で、吸引部が移動すると、記録材束の外周縁を超えた部分へこの移動部材が達した際に、この移動部材が下降し、さらに、吸引部が元の位置に戻る際に、記録材束に含まれる記録材とこの移動部材とが干渉することが生じうる。記録材と移動部材とが干渉すると、記録材や移動部材の損傷を招く。
本発明の目的は、上下方向に移動可能に設けられた移動部材の下方への移動を規制する構成を有していない場合に比べ、上下方向に移動可能に設けられた移動部材と記録材とが干渉することに起因する不具合を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録材束の記録材の吸引を上方から行うとともに鉛直方向と交差する方向へ且つ一方向へ移動する吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材であって当該一方向に沿って延びる他の移動部材とは別の部材により構成され当該一方向と交差する方向に延びる移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ且つ当該一方向へ移動して、吸引した記録材を当該一方向へ移動させるとともに、当該一方向への移動に伴い、当該一方向と交差する方向に延びる当該移動部材が当該記録材束の外周縁よりも外側へ達する吸引部と、前記外周縁よりも外側へ達した、前記一方向と交差する方向に延びる前記移動部材の下方への移動を規制する規制手段と、を備える記録材搬送装置である。
請求項2に記載の発明は、前記外周縁の前記外側へ達する前記移動部材に連動するように設けられ、前記記録材束の当該外周縁の外側から内側方向へ向かうように配置された連動部をさらに備え、前記連動部が、前記記録材束により下方から支持されることで、前記外周縁の前記外側へ達する前記移動部材の下方への移動が規制される請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項3に記載の発明は、前記連動部は、前記吸引部による吸引により形成される減圧空間と大気圧となっている空間である大気圧空間とを仕切る役割を有する請求項2に記載の記録材搬送装置である。
請求項4に記載の発明は、前記移動部材は、前記吸引部による吸引により形成される減圧空間と大気圧となっている空間である大気圧空間とを仕切る役割を有する請求項1に記載の記録材搬送装置である。
請求項5に記載の発明は、記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させるとともに、当該交差する方向への移動に伴い、当該移動部材の少なくとも一部が当該記録材束の外周縁よりも外側へ達する吸引部と、前記移動部材のうちの前記外周縁よりも外側へ達した部分であって記録材による下方からの支持がなされていない状態にある当該部分の下方への移動を規制する規制手段と、を備え、鉛直方向における上方から前記移動部材を見た場合に、当該移動部材は、L字状に形成され、互いに交差する関係の第1の部位および第2の部位を有し、前記第1の部位が、前記記録材束の前記外周縁よりも外側に達し、前記第2の部位が、当該記録材束により下方から支持され、前記第2の部位が前記記録材束により下方から支持されることで、前記外側へ達する部分である前記第1の部位の下方への移動が規制される、記録材搬送装置である。
請求項6に記載の発明は、記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させる吸引部を備え、前記移動部材は、板状に形成されるとともに、複数設けられ、一の前記移動部材と他の前記移動部材とが、一方向に沿って配置されるとともに部分的に重なるように配置され、当該一の移動部材と当該他の移動部材とが重なる重なり部が存在するとともに、当該一の移動部材の一方の面側に当該他の移動部材が位置し、当該他の移動部材の一方の面側に当該一の移動部材が位置し、前記一の移動部材の前記一方の面のうちの前記重なり部から外れた部分の対向箇所、及び/又は、前記他の移動部材の前記一方の面のうちの当該重なり部から外れた部分の対向箇所には、当該外れた部分から離れた側から当該外れた部分に向かって突出した突出部が設けられている、記録材搬送装置である。
請求項7に記載の発明は、前記一方の面の前記外れた部分に向かって突出した前記突出部の突出高さが、当該一方の面を有する一の前記移動部材とは異なるもう一方の前記移動部材の厚さよりも大きい請求項6に記載の記録材搬送装置である。
請求項8に記載の発明は、記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させる吸引部を備え、前記移動部材は、板状に形成されるとともに、複数設けられ、一の前記移動部材と他の前記移動部材とが、一方向に沿って配置されるとともに部分的に重なるように配置され、当該一の移動部材と当該他の移動部材とが重なる重なり部が存在するとともに、当該一の移動部材の一方の面側に当該他の移動部材が位置し、当該他の移動部材の一方の面側に当該一の移動部材が位置し、前記一の移動部材の前記一方の面のうちの前記重なり部から外れた部分、及び/又は、前記他の移動部材の前記一方の面のうちの当該重なり部から外れた部分には、突出部が設けられている、記録材搬送装置である。
請求項9に記載の発明は、前記一方の面の前記外れた部分に設けられた前記突出部の突出高さが、当該一方の面を有する一の前記移動部材とは異なるもう一方の前記移動部材の厚さよりも大きい請求項8に記載の記録材搬送装置である。
請求項10に記載の発明は、記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させる吸引部と、上下方向に沿うように配置され、前記移動部材に対向配置された対向面と、を備え、前記対向面の少なくとも一部が、上方から下方に向かうに従い前記移動部材から次第に離れるように傾斜している、記録材搬送装置である。
請求項11に記載の発明は、前記対向面を有する部材が、被取り付け部材に対して弾性変形した状態で取り付けられており、前記対向面を有する前記部材が弾性変形した状態で前記被取り付け部材に対して取り付けられることで、前記対向面の前記一部が、鉛直方向に対して傾斜し、当該一部が、上方から下方に向かうに従い前記移動部材から次第に離れる請求項10に記載の記録材搬送装置である。
請求項12に記載の発明は、記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させるとともに、当該交差する方向への移動に伴い、当該移動部材の少なくとも一部が当該記録材束の外周縁よりも外側へ達する吸引部を備え、前記移動部材の、前記外周縁よりも外側へ達する部分は、当該外周縁の内側へ戻る際、上方へ移動し、前記移動部材の、前記外側へ達する前記部分である外側到達部分が前記内側へ戻る際、当該移動部材の下端部に位置し且つ当該外側到達部分よりも前記記録材束に近い側に位置する回転中心を中心に当該移動部材が回転して、当該移動部材が当該外側到達部分側とは反対側へ倒れ、前記移動部材が前記回転中心を中心として回転して前記反対側へ倒れることで、前記外側到達部分が上方へ移動する、記録材搬送装置である。
請求項13に記載の発明は、前記移動部材が前記反対側へ倒れると、前記下端部のうちの、前記回転中心を挟んで前記外側到達部分とは反対側に位置する部分が、前記記録材束の最上位の記録材に線接触する請求項12に記載の記録材搬送装置である。
請求項14に記載の発明は、記録材束の記録材の吸引を上方から行う吸引部であって、当該吸引に伴い上方へ移動する記録材により下方から押圧されて上方へ移動する移動部材を有し、鉛直方向と交差する方向へ移動し、吸引した記録材を当該交差する方向へ移動させる吸引部と、前記移動部材が下方に位置する記録材により押圧されて上方へ移動する際に当該移動部材を案内する案内部と、を備え、前記移動部材は、下方に位置する前記記録材の幅方向における中央部側に位置する中央側端部と、当該中央側端部とは反対側に位置し当該記録材の幅方向における一端部側に位置する反対側端部とを備え、前記移動部材のうちの前記中央側端部側には、上下方向に沿って配置され、前記案内部が入る溝が形成され、前記溝の両側には、上下方向に沿って配置され、当該溝に臨む縁部が設けられ、前記溝の前記両側に設けられた前記縁部のうちの、前記反対側端部側に位置する縁部には、下方に向かうに従い当該反対側端部側へ当該縁部が近づくようにする傾斜が付与されている、記録材搬送装置である。
請求項15に記載の発明は、記録材束の記録材の吸引を上方から行うとともに鉛直方向と交差する方向へ且つ一方向へ移動する吸引部であって、当該吸引により形成される減圧空間と大気圧となっている空間である大気圧空間とを仕切る役割を有し当該減圧空間よりも当該一方向における下流側に位置し上下方向への移動が可能に設けられ当該一方向と交差する方向に延びる移動部材である交差移動部材であって当該一方向に延びる他の移動部材とは別の部材により構成された当該交差移動部材を有する吸引部と、前記一方向と交差する方向に延びる前記交差移動部材に連動するように設けられ、当該一方向における下流側へ移動した当該交差移動部材が前記記録材束の外周縁を超えた箇所に位置する場合に、当該記録材束の当該外周縁の内側に位置する連動部と、を備える記録材搬送装置である。
請求項16に記載の発明は、前記連動部は、前記一方向における下流側へ移動する前記交差移動部材に連動して当該下流側へ移動するとともに、当該交差移動部材の上下方向への移動に連動して上下方向へ移動する請求項15に記載の記録材搬送装置である。
請求項17に記載の発明は、記録材束の記録材の吸引を上方から行うとともに鉛直方向と交差する方向へ且つ一方向へ移動する吸引部であって、当該吸引により形成される減圧空間と大気圧となっている空間である大気圧空間とを仕切る役割を有し上下方向への移動が可能に設けられ当該一方向と交差する方向に延びる板状の移動部材である交差移動部材であって当該一方向に延びる他の移動部材とは別の部材により構成された当該交差移動部材を備える吸引部を有し、前記一方向と交差する方向に延びる板状の前記交差移動部材には、当該交差移動部材の延び方向と交差する方向へ突出する突出部が設けられている記録材搬送装置である。
請求項18に記載の発明は、記録材束の記録材の吸引を上方から行うとともに鉛直方向と交差する方向へ且つ一方向へ移動する吸引部であって、当該吸引により形成される減圧空間と大気圧となっている空間である大気圧空間とを仕切る役割を有し当該減圧空間よりも当該一方向における下流側に位置し上下方向への移動が可能に設けられ当該一方向と交差する方向に延びる移動部材である交差移動部材であって当該一方向に延びる他の移動部材とは別の部材により構成された当該交差移動部材を備える吸引部を有し、前記一方向と交差する方向に延びる前記交差移動部材の一部が、前記吸引部が移動する方向である前記一方向とは反対方向へ向かって延びている記録材搬送装置である。
請求項19に記載の発明は、記録材への画像の形成を行う画像形成手段と、記録材を搬送する記録材搬送装置とを備え、当該記録材搬送装置が、請求項1乃至18の何れかに記載の記録材搬送装置を含んで構成された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、上下方向に移動可能に設けられた移動部材の下方への移動を規制する構成を有していない場合に比べ、上下方向に移動可能に設けられた移動部材と記録材とが干渉することに起因する不具合を低減することができる。
請求項2の発明によれば、移動部材のうちの、記録材束の外周縁の外側へ達する部分の下方への移動を規制できる。
請求項3の発明によれば、連動部が減圧空間と大気圧空間とを仕切る役割を有さない場合に比べ、仕切る役割を果たす部材を別途設けずに済み、部品点数の削減を図れる。
請求項4の発明によれば、減圧空間と大気圧空間とを仕切ることができる。
請求項5の発明によれば、移動部材のうちの、記録材束の外周縁の外側へ達する第1の部位の下方への移動を規制できる。
請求項6の発明によれば、移動部材の一方の面の対向箇所に突出部が設けられない場合に比べ、移動部材をより円滑に移動させることできる。
請求項7の発明によれば、一方の面に向かって突出した突出部の突出高さが、この一方の面を有する一の移動部材とは異なるもう一方の移動部材の厚さよりも小さい場合に比べ、一の移動部材、および、もう一方の移動部材をより円滑に移動させることできる。
請求項8の発明によれば、移動部材の一方の面に突出部が設けられない構成に比べ、移動部材をより円滑に移動させることできる。
請求項9の発明によれば、移動部材の一方の面に設けられた突出部の突出高さが、この一方の面を有する一の移動部材とは異なるもう一方の移動部材の厚さよりも小さい場合に比べ、一の移動部材、および、もう一方の移動部材をより円滑に移動させることできる。
請求項10の発明によれば、対向面が移動部材から次第に離れるように傾斜していない場合に比べ、移動部材をより円滑に移動させることできる。
請求項11の発明によれば、対向面に対して予め傾斜を付与しないでも、対向面の少なくとも一部を、上方から下方に向かうに従い移動部材から次第に離れるように傾斜させることができる。
請求項12の発明によれば、移動部材の、外周縁よりも外側へ達する部分が、外周縁の内側へ戻る際に上方へ移動しない場合に比べ、記録材束に対して移動部材が引っ掛かることが起きにくくなり、また、移動部材を上方へ移動させる機構を設けずに、外周縁よりも外側へ達する部分を、上方へ移動させることができる。
請求項13の発明によれば、移動部材が反対側へ倒れた際に移動部材の下端部と最上位の記録材とが点接触する場合に比べ、移動部材から最上位の記録材に作用する負荷を分散させることができる。
請求項14の発明によれば、縁部に対して傾斜が付与されていない場合に比べ、水平方向に対して傾斜する記録材に倣うように移動部材を変位させやすくなる。
請求項15の発明によれば、上下方向に移動可能に設けられた移動部材の下方への移動を規制する構成を有していない場合に比べ、上下方向に移動可能に設けられた移動部材と記録材とが干渉することに起因する不具合を低減することができる。
請求項16の発明によれば、連動部の下方への移動が規制されると、移動部材の下方への移動が規制されるようになる。
請求項17の発明によれば、上下方向に移動可能に設けられた移動部材の下方への移動を規制する構成を有していない場合に比べ、上下方向に移動可能に設けられた移動部材と記録材とが干渉することに起因する不具合を低減することができる。
請求項18の発明によれば、上下方向に移動可能に設けられた移動部材の下方への移動を規制する構成を有していない場合に比べ、上下方向に移動可能に設けられた移動部材と記録材とが干渉することに起因する不具合を低減することができる。
請求項19の発明によれば、上下方向に移動可能に設けられた移動部材の下方への移動を規制する構成を有していない場合に比べ、上下方向に移動可能に設けられた移動部材と記録材とが干渉することに起因する不具合を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】(A)~(D)は、用紙送り出し部を説明する図である。
【
図3】
図2(A)の矢III方向から吸引部を見た場合の斜視図である。
【
図4】
図2(A)の矢印IV方向から用紙積載部等を見た場合の図である。
【
図5】吸引部の側方から吸引部を見た場合の図である。
【
図6】
図2(B)における矢印VI方向から吸引部を眺めた場合の図である。
【
図7】鉛直方向における上方から吸引部を見た場合の図である。
【
図8】(A)、(B)は、吸着部の移動の様子を示した図である。
【
図11】(A)、(B)は、比較例を示した図である。
【
図12】
図7の矢印XIIで示す方向から吸引部を見た場合の図である。
【
図13】(A)、(B)は、最上流搬送ロール側にある吸引部が用紙束側に戻る際の第1先端側移動部材の動きを説明する図である。
【
図14】
図12のXIV-XIV線における吸引部の断面図である。
【
図15】支持部材に対して、取り付け部材が取り付けられる前の、取り付け部材、支持部材を示した図である。
【
図16】吸引部を
図13(A)の矢印XVIで示す方向から見た場合の図である。
【
図17】
図7の矢印XVIIで示す方向から吸引部を見た場合の図である。
【
図19】
図7の矢印XIXで示す方向から吸引部を見た場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置1を示した概略構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、タンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置1である。この画像形成装置1には、記録材の一例である用紙Pへの画像の形成を行う画像形成部1Aが設けられている。さらに、用紙積載部53に積載されている用紙Pを順次送り出して搬送する用紙搬送装置1Bが設けられている。
【0009】
画像形成手段の一例としての画像形成部1Aには、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kが設けられている。
また、画像形成部1Aには、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10が設けられている。また、画像形成部1Aには、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20が設けられている。
【0010】
また、画像形成装置1には、用紙P上に二次転写されたトナー像をこの用紙Pに定着させる定着装置60が設けられている。
さらに、各装置(各部)の動作を制御する制御部40、表示パネルなどにより構成されユーザからの情報を受け付けるとともにユーザに対して情報を表示するUI(User Interface)70が設けられている。
【0011】
各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kには、次の装置が設置されている。
まず、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、感光体ドラム11を帯電する帯電器12が設けられている。また、感光体ドラム11上に静電潜像を書込む露光装置13が設けられている。さらに、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより現像する現像器14が設けられている。
【0012】
また、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kには、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
また、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kには、感光体ドラム11上の残留トナー等を除去するドラムクリーナ17が設けられている。
【0013】
中間転写ベルト15は、
図1に示す矢印B方向に予め定められた速度で循環移動する。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向配置される一次転写ロール16を含んで構成されている。
本実施形態では、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に、重畳されたトナー像が形成される。
【0014】
二次転写部20は、中間転写ベルト15の外周面に対向配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とを含んで構成される。
二次転写ロール22は、中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接される。さらに、二次転写ロール22とバックアップロール25との間には電圧が印加され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像が二次転写される。
【0015】
本実施形態では、図示しない画像読み取り装置や、パーソナルコンピュータ(PC)等から画像形成装置1へ画像データが出力される。
そして、この画像データに対して、図示しない画像処理装置により画像処理が施され、Y、M、C、Kの4色の画像データが生成され、この画像データが、Y、M、C、Kの各色毎に設けられた露光装置13に出力される。
【0016】
露光装置13では、入力された画像データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射する。
各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、この露光装置13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。
【0017】
そして、現像器14により感光体ドラム11上にトナー像が形成された後、このトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15の移動により、トナー像が二次転写部20に搬送される。
【0018】
二次転写部20では、二次転写ロール22が中間転写ベルト15を介してバックアップロール25に押圧されている。用紙積載部53から搬送されてきた用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。
これにより、中間転写ベルト15上に保持された未定着のトナー像が、二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が転写された用紙Pは、定着装置60を経て、不図示の用紙排出部に排出される。
【0019】
ここで、用紙積載部53から、二次転写部20、定着装置60を経て、用紙排出部に向かう用紙Pの搬送は、記録材搬送装置の一例としての用紙搬送装置1Bにより行われる。
用紙搬送装置1Bには、用紙積載部53に積載されている用紙Pのうちの最上位の用紙Pを送り出す用紙送り出し部1Cが設けられている。
【0020】
さらに、用紙搬送装置1Bには、用紙送り出し部1Cにより送り出された用紙Pを搬送する複数の搬送ロール52が設けられている。
搬送ロール52の各々は、不図示のモータからの駆動力を受けて回転する駆動ロール52Aと、この駆動ロール52Aに接触配置されこの駆動ロール52Aから駆動力を受けて回転する従動ロール52Bとにより構成されている。
【0021】
本実施形態では、用紙送り出し部1Cにより送り出された用紙Pは、まず、複数の搬送ロール52のうち、用紙Pの搬送方向において最も上流側に位置する搬送ロール52(以下、「最上流搬送ロール52E」と称する)により搬送される。
そして、この用紙Pは、最上流搬送ロール52Eよりも下流側に位置する他の搬送ロール52によりさらに搬送され、二次転写部20、定着装置60へ向かう。
【0022】
なお、用紙搬送装置1Bには、搬送ベルト55がさらに設けられている。
この搬送ベルト55は、二次転写ロール22よりも用紙Pの搬送方向における下流側に設けられ、二次転写がなされた用紙Pを定着装置60へ搬送する。
【0023】
図2(A)~(D)は、用紙送り出し部1Cを説明する図である。
図3は、
図2(A)の矢印III方向から吸引部100(後述)を見た場合の斜視図である。
図2(A)に示すように、用紙送り出し部1Cには、用紙積載部53に積載された用紙Pを吸引する吸引部100が設けられている。さらに、この吸引部100を、図中矢印2Aで示す方向へ移動させる移動機構(不図示)が設けられている。
ここで、この移動機構は、モータ、ギア、ラック、ピニオン、ベルトドライブなどの公知の機構により構成すればよく、特定の機構に限定されるものではない。
【0024】
本実施形態では、移動機構によって、吸引部100が、矢印2Aで示すように、最上流搬送ロール52Eに向かう方向および最上流搬送ロール52Eから離れる方向へ移動する。
付言すると、本実施形態では、移動機構によって、吸引部100が、記録材束の一例である用紙束54の上方から、最上流搬送ロール52Eへ向かう方向へ移動する。さらに、本実施形態では、移動機構によって、最上流搬送ロール52E側へ移動した吸引部100が、用紙束54側へ移動し、用紙束54の上方へ戻る。
【0025】
図2(A)に示すように、吸引部100には、直方体状の装置本体101と、この装置本体101から垂れ下がった状態で設けられた複数の移動部材102が設けられている。
装置本体101には、吸引用の管(不図示)が接続され、後述するように、本実施形態では、装置本体101によって用紙Pが吸引される。
移動部材102は、板状に形成され、上下方向に移動可能に設けられている。
【0026】
図3に示すように、本実施形態では、移動部材102として、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102B、第1後端側移動部材102C、第2後端側移動部材102D、第1右側移動部材102E、第2右側移動部材102F、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hが設けられている。
【0027】
本実施形態では、これら8個の移動部材102により、装置本体101の下方に位置する直方体状の減圧空間105と、この減圧空間105の周囲に位置する大気圧空間106とが仕切られた形となる。
本実施形態では、8個の移動部材102により囲まれた直方体状の空間が、減圧空間105となる。また、この減圧空間105の外側に位置する空間が、大気圧となる大気圧空間106となる。
【0028】
より具体的には、本実施形態では、装置本体101の下面101Xに、複数の孔101Yが形成されており、この孔101Yを通じて、減圧空間105内の空気が吸引される。これにより、減圧空間105内の圧力が、大気圧よりも小さくなる。
本実施形態では、減圧空間105内の空気が吸引され、減圧空間105の圧力が小さくなると、
図2(A)、(B)に示すように、この減圧空間105の下方に位置する用紙Pが吸引され、この用紙Pが、装置本体101の下面101X(
図2(B)参照)に向かって移動する。
【0029】
そして、この用紙Pは、吸着部の一例としてのこの下面101Xに付着する。言い換えると、本実施形態では、この下面101Xに用紙Pが吸着する。より具体的には、本実施形態では、下面101Xに対して用紙Pが下方から吸着する。付言すると、本実施形態では、吸引部100は、用紙束54の上方から用紙Pの吸引を行い、本実施形態では、吸引部100に対して用紙Pが下方から付着する。
ここで、吸着部の一例としての下面101Xは、平面となっており、本実施形態では、吸着部は、面状の吸着部であり、この面状の吸着部に対して用紙Pが吸着する。言い換えると、本実施形態では、吸着面に対して用紙Pが吸着する。
【0030】
本実施形態では、装置本体101の下面101Xに用紙Pが吸着する際には、
図3にて示した8個の移動部材102が、
図2(A)に示した状態から上方へ移動し、8個の移動部材102は、
図2(B)に示した状態となる。
付言すると、本実施形態では、
図3にて示す下面101Xに用紙Pが吸着する際には、8個の移動部材102が、下方に位置する用紙Pにより下方から押圧され、上方へ向かって移動する。そして、8個の移動部材102が上方へ移動すると、装置本体101の下面101Xに用紙Pが吸着する。
【0031】
また、本実施形態では、下面101Xに用紙Pが吸着している状態にて、
図2(B)の矢印2Fで示すように、この下面101Xよりも上側から、下面101Xに吸着している用紙Pの縁部2Gに対して空気の吹き付けが行われる。
付言すると、本実施形態では、下面101Xに吸着している用紙Pの縁部2Gの上側から、この縁部2Gに対して空気の吹き付けが行われる。
【0032】
より具体的には、本実施形態では、
図2(B)にて示す縁部2Gは、用紙Pが搬送される際に用紙Pの先端に位置する縁部2G(以下、「先端縁部2G」と称する)であり、本実施形態では、この先端縁部2Gに対して、上方からの空気の吹き付けが行われる。
なお、本実施形態では、先端縁部2Gに対して、空気の吹き付けを行う場合を一例に説明するが、先端縁部2G以外の縁部に対して、上方からの空気の吹き付けを行ってもよい。
【0033】
その後、本実施形態では、
図2(C)に示すように、吸引部100が、最上流搬送ロール52Eに向かって移動し、装置本体101の下面101Xに吸着している用紙Pが、この最上流搬送ロール52Eへ供給される。
これにより、最上流搬送ロール52Eによるこの用紙Pの搬送が開始される。
【0034】
付言すると、本実施形態では、吸引部100は、鉛直方向と交差する方向へ且つ最上流搬送ロール52E側へ移動する。
これにより、装置本体101の下面101Xに付着している用紙Pが、鉛直方向と交差する方向へ移動し、最上流搬送ロール52Eへ供給され、この最上流搬送ロール52Eによる用紙Pの搬送が開始される。
【0035】
なお、本実施形態では、吸引部100が、最上流搬送ロール52E側へ移動すると、
図2(C)に示すように、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達するようになる。
付言すると、本実施形態では、吸引部100、用紙束54を上方から見た場合に、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達する。
【0036】
より具体的には、本実施形態では、用紙束54の外周縁104には、後述するように、先端側外周縁104Aが存在する。
本実施形態では、吸引部100が、最上流搬送ロール52E側へ移動すると、
図2(C)に示すように、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、この先端側外周縁104Aを超えた箇所に達するようになる。
その後、本実施形態では、
図2(D)に示すように、吸引部100が、用紙束54側へ戻り、用紙束54の上方に、吸引部100が再び位置する状態となる。
【0037】
図4は、
図2(A)の矢印IV方向から用紙積載部53等を見た場合の図である。付言すると、
図4は、用紙積載部53等を上方から見た場合の図である。
図4に示すように、本実施形態では、用紙積載部53に、複数枚の用紙Pが用紙Pの厚み方向に並んだ用紙束54が置かれる。この用紙束54およびこの用紙束54に含まれる各用紙Pは、矩形状の外周縁104を有する。
【0038】
この矩形状の外周縁104は、先端側外周縁104A、後端側外周縁104B、第1側方外周縁104C、および、第2側方外周縁104Dより成る。
先端側外周縁104Aは、用紙Pの搬送方向において最も下流側に位置する外周縁104である。この先端側外周縁104Aは、用紙Pの搬送方向と交差(直交)する方向に沿って延びる。
後端側外周縁104Bは、用紙Pの搬送方向において最も上流側に位置する外周縁104である。この後端側外周縁104Bも、用紙Pの搬送方向と交差(直交)する方向に沿って延びる。
【0039】
第1側方外周縁104Cは、先端側外周縁104Aの一端部と後端側外周縁104Bの一端部とを結ぶ外周縁104である。この第1側方外周縁104Cは、用紙Pの搬送方向に沿って延びる。
第2側方外周縁104Dは、先端側外周縁104Aの他端部と後端側外周縁104Bの他端部とを結ぶ外周縁104である。この第2側方外周縁104Dも、用紙Pの搬送方向に沿って延びる。
【0040】
ここで、用紙Pの吸引が行われる際には、
図4の符号4Aで示すように、用紙束54の外周縁104よりも内側に、吸引部100の装置本体101が位置する。そして、最上流搬送ロール52Eへの用紙Pの供給を行う際には、矢印2Bで示すように、最上流搬送ロール52Eに向かって吸引部100が移動する。
このとき、本実施形態では、上記のとおり、第1先端側移動部材102A(
図3参照)、第2先端側移動部材102Bが、用紙束54の先端側外周縁104Aを超えた箇所に達するようになる。
【0041】
さらに、本実施形態では、
図4に示すように、用紙束54の側方に、複数の開口4Xが設けられており、本実施形態では、この開口4Xから、用紙束54に向けて空気が送られ、用紙束54の側方からも空気の吹き付けが行われる。
さらに、本実施形態では、最上流搬送ロール52Eに設けられた駆動ロール52A、従動ロール52Bの各々は、回転軸52Xと、回転軸52Xの周囲に取り付けられた複数の円筒状部材52Yとを備える。
本実施形態では、吸引部100が最上流搬送ロール52E側へ移動すると、2つの円筒状部材52Yの間に、吸引部100が入る構成となっており、吸引部100と最上流搬送ロール52Eとの干渉が生じないようになっている。
【0042】
図3を再度参照し、吸引部100の構成を更に説明する。
吸引部100には、上記のとおり、装置本体101が設けられている。この装置本体101には、空気の案内を行う空気案内部材120が取り付けられている。
この空気案内部材120には、用紙Pの先端縁部2G(
図2(B)参照)に波形の形状を付与するための凹凸部121が設けられている。
【0043】
この凹凸部121は、用紙Pの搬送方向と直交する方向に延びるように配置されている。付言すると、凹凸部121は、用紙Pの先端縁部2Gに沿って延びるように配置されている。
本実施形態では、装置本体101の下面101Xに対して用紙Pが吸着した状態となると、用紙Pの先端縁部2Gがこの凹凸部121に押し当てられ、この先端縁部2Gに波形の形状が付与される。
【0044】
さらに、空気案内部材120には、凹凸部121より下面101X側に、下面101Xに付着した用紙Pの吸引をさらに行うための吸引用開口122が設けられている。
さらに、空気案内部材120には、先端縁部2Gに吹き付けられる空気の案内を行う空気案内部123が設けられている。
【0045】
本実施形態では、後述するように、吸着部である下面101Xよりも下方にファンなどの空気供給源が設けられており、本実施形態では、この下面101Xよりも下方から、この下面101Xよりも上方へ向けて空気が一旦供給される。
そして、本実施形態では、この上方へ向けて供給されたこの空気が、空気案内部123により案内され、この空気が下方に向かう。
【0046】
本実施形態では、1つの空気案内部材120に、凹凸部121と空気案内部123とが設けられている。付言すると、本実施形態では、空気案内部123は、凹凸部121が設けられた部材である空気案内部材120に設けられている。
付言すると、本実施形態では、凹凸部121および空気案内部123は、共通の1つの部材である空気案内部材120に設けられている。
【0047】
空気案内部123には、上側に向かって凸となる凹部124が形成されている。
より具体的には、空気案内部123の下面123Aには、上側に向かって凸となる凹部124が形成されている。この凹部124は、溝状に形成されている。さらに、この凹部124は、
図4に示すように、用紙Pの先端縁部2Gが延びる方向に沿って設けられている。
【0048】
より具体的には、本実施形態では、空気案内部123の下面123A(
図3参照)に、
図4に示すように、矩形状の開口125が形成され、この開口125よりも上方に(鉛直方向における上方に)、
図3に示すように、上方に向かって凸となる凹部124が設けられている。
本実施形態では、
図4に示すように、開口125の周囲には、この開口125を取り囲む開口縁126が存在する。この開口縁126は、矩形状に形成される。
【0049】
図4に示すように、開口縁126は、用紙側開口縁126Aと、反対側開口縁126Bと、2つの接続開口縁126Cとにより構成されている。
用紙側開口縁126Aは、用紙Pの先端縁部2Gに沿うように配置されている。
反対側開口縁126Bは、用紙側開口縁126Aを挟み、用紙Pの先端縁部2G側とは反対側に位置する。この反対側開口縁126Bも、用紙Pの先端縁部2Gに沿うように配置されている。
【0050】
2つの接続開口縁126Cの一方の接続開口縁126Cは、用紙側開口縁126Aの一端部と反対側開口縁126Bの一端部とを接続する。
他方の接続開口縁126Cは、用紙側開口縁126Aの他端部と反対側開口縁126Bの他端部とを接続する。
【0051】
図5は、吸引部100の側方から吸引部100を見た場合の図である。
上記では説明を省略したが、本実施形態では、
図5に示すように、先端縁部2Gに吹き付けられる空気を供給する空気供給部150が設けられている。
この空気供給部150には、ファンなどの空気供給源151、この空気供給源151により送り出された空気を斜め上方へ案内する管152が設けられている。
空気供給源151および管152は、装置本体101の下面101Xよりも下方に位置する。
【0052】
管152の先端部には、空気案内部材120に設けられた上記の凹部124に向かう空気を排出する排出口152Aが設けられている。
また、管152には、互いに対向配置された第1内壁面152Cおよび第2内壁面152Dが設けられている。さらに、第1内壁面152Cと第2内壁面152Dとを接続する第3内壁面152Eおよび第4内壁面(不図示)が設けられている。本実施形態では、第1内壁面152Cの方が、第2内壁面152Dよりも、用紙P側に位置する。
【0053】
本実施形態では、矢印5Aで示すように、装置本体101の下面101Xよりも下側からの空気が、この下面101Xよりも上方へ向かった後に、この空気が下方へ向かい、下面101Xよりも上側から、先端縁部2Gへこの空気が吹き付けられる。
付言すると、本実施形態では、下面101Xの延長面5Xよりも下側からの空気が、この延長面5Xよりも上方へ向かった後、この空気が延長面5Xよりも下方へ向かい、先端縁部2Gに対してこの空気が吹き付けられる。
【0054】
言い換えると、本実施形態では、管152により空気が案内されて上方へ空気が一旦向かい、その後、この空気は、下方へ向かう。そして、本実施形態では、下方へ向かったこの空気が、用紙Pの先端縁部2Gに吹き付けられる。
【0055】
付言すると、本実施形態では、用紙搬送装置1B(
図1参照)に設置された部材である空気案内部材120の下面123Aが利用されて、装置本体101の下面101Xよりも下方から来た空気が、下方へ向かう。そして、下方へ向かったこの空気が、用紙Pの先端縁部2Gに吹き付けられる。
【0056】
なお、本実施形態では、最上流搬送ロール52Eに設けられた駆動ロール52Aと従動ロール52Bとの接触部52Sよりも下方に、排出口152Aが設けられている。
付言すると、本実施形態では、管152を通った空気は、管152の先端に位置する排出口152Aから排出されるが、この排出口152Aは、駆動ロール52Aと従動ロール52Bとの接触部52Sよりも下方に位置する。
【0057】
また、本実施形態では、上方へ向かう空気を案内する管152が、用紙Pの搬送経路R100を横断しない構成となっている。付言すると、本実施形態では、管152の排出口152Aが、用紙Pの搬送経路R100よりも下方に位置している。
【0058】
これにより、本実施形態では、用紙Pの搬送経路R100を、空気のみが横断する。付言すると、本実施形態では、管152は、用紙Pの搬送経路R100を横断しておらず、先端縁部2Gに吹き付けられる空気のみが、用紙の搬送経路R100を横断する。
そして、本実施形態では、搬送経路R100を横断した空気は、凹部124に向かう。そして、凹部124によるこの空気の案内が行われ、案内が行われた後の空気が、先端縁部2Gに吹き付けられる。
【0059】
ここで、本実施形態では、上側からの先端縁部2Gへの空気の吹き付けにあたり、矢印5Hで示すように、斜め下方に向けて空気が送られ、斜め下方に向けて送られた空気が、先端縁部2Gに吹き付けられる。
より具体的には、本実施形態では、下面101Xに吸着している用紙Pの先端縁部2Gよりも上側から且つこの先端縁部2Gから離れた側から、斜め下方向に向けて空気が送られ、この空気が先端縁部2Gに吹き付けられる。
【0060】
より具体的には、本実施形態では、最上位の用紙Pの先端縁部2Gを挟み、下面101Xが設けられている側とは反対側から、且つ、下面101Xよりも上方から、斜め下方へ且つ先端縁部2G側へ空気を送り、下面101Xに吸着している用紙Pの先端縁部2Gに対して空気を吹き付ける。
このように、斜め下方に向けて空気を送ると、真下方向に向けて空気を送る場合に比べ、矢印5Hで示すように、用紙P間に空気が入りやすくなり、下面101Xに吸着している最上位の用紙Pに付着している2枚目以降の用紙Pが、この最上位の用紙Pからより離脱しやすくなる。
【0061】
ここで、本実施形態では、用紙積載部53に積載されている用紙Pの搬送にあたっては、まず、
図2(A)、(B)に示したように、積載されている用紙Pのうちの最上位の用紙Pを吸引部100に吸着させて、1枚の用紙Pの取り出しを行う。
付言すると、用紙束54の最も上に位置する用紙Pを吸引部100に吸着させて、1枚の用紙Pの取り出しを行う。
【0062】
その後、本実施形態では、用紙Pが吸着した状態の吸引部100が、最上流搬送ロール52E側へ移動し、吸引部100に吸着した用紙Pが最上流搬送ロール52Eへ供給される。
なお、本実施形態では、用紙Pの取り出しにあたり(吸引部100による用紙Pの吸着にあたり)、吸引部100の上下動は行わない。但し、これに限らず、用紙Pの取り出しのときに、吸引部100を下降させ、吸引部100に用紙Pが付着したら、吸引部100を上昇させるようにしてもよい。
【0063】
ここで、例えば、用紙P間の付着力が大きい場合には、吸引部100に吸着した最上位の用紙Pに対して、下方に位置する2枚目以降の用紙Pが付着することがある。この場合、最上流搬送ロール52Eに対して複数枚の用紙Pが供給され、いわゆる重送が発生してしまう。
本実施形態では、この重送の発生を抑制するため、上記のように、先端縁部2Gに対して、上側から空気を吹き付ける。これにより、最上位の用紙Pに付着している2枚目以降の用紙Pが、この最上位の用紙Pから離脱しやすくなる。
【0064】
付言すると、本実施形態では、空気供給部150および空気案内部材120により吹き付け手段が構成され、この吹き付け手段を用いて、装置本体101の下面101Xよりも上側から、先端縁部2Gに対して空気を吹き付ける。
これにより、最上位の用紙Pに付着している2枚目以降の用紙Pが、この最上位の用紙Pから離脱しやすくなり、重送の発生が抑制される。
【0065】
ここで、本実施形態では、用紙P間における用紙Pの吸着を抑制するため、
図4にて示した通り、用紙束54の側方からも、この用紙束54に対し、空気の吹き付けを行っている。
ここで、用紙束54の側方から空気を吹き付けると、用紙Pが浮遊して上方へ移動し、吸引部100に吸着している最上位の用紙Pに対して、2枚目以降の用紙Pが付着しやすくなる。
これに対し、本実施形態のように、上側からの空気の吹き付けを行うと、最上位の用紙Pと、2枚目以降の用紙Pとの間に空気が入りやすくなり、最上位の用紙Pから2枚目以降の用紙Pが離脱しやすくなる。
【0066】
図5を参照し、空気案内部材120についてさらに説明する。
図5に示すように、空気案内部材120には、凹凸部121よりも下面101X側に、下面101Xに用紙Pが付着した後のこの用紙Pの吸引をさらに行う吸引用開口122が設けられている。
本実施形態では、下面101Xに用紙Pが吸着した状態となると、この吸引用開口122による用紙Pの吸引が開始される。
【0067】
本実施形態では、
図5に示すように、吸引用開口122と装置本体101の内部とを接続する接続路129が設けられおり、この接続路129の内部が減圧される。なお、この接続路129は、
図3に示すように、下方に向かうに従いその幅(先端部縁2Gが延びる方向における幅)が次第に拡がるように形成されている。
本実施形態では、下面101Xに用紙Pが付着するまでの間は、この用紙Pと吸引用開口122との間に隙間が形成され、吸引用開口122による用紙Pの吸引は行われない。
【0068】
そして、下面101Xに対して用紙Pが吸着すると、用紙Pと吸引用開口122との間の隙間が無くなり、吸引用開口122により用紙Pが吸引される。
そして、吸引用開口122により用紙Pが吸引されると、この用紙Pの先端縁部2Gが凹凸部121に付勢され、先端縁部2Gが凹凸部121に押し当てられる。これにより、先端縁部2Gに、凹凸の形状が付与される。言い換えると、先端縁部2Gに波形の形状(後述)が付与される。
【0069】
図6は、
図2(B)における矢印VI方向から吸引部100を眺めた場合の図である。
本実施形態では、矢印7Aで示すように、先端縁部2Gの上側からこの先端縁部2Gへの空気の吹き付けが行われるが、この空気は、先端縁部2Gのうちの、波形の形状が付与されている部分に対して吹き付けられる。
より具体的には、本実施形態では、凹凸部121に対して用紙Pの先端縁部2Gが押し当てられ、これにより、用紙Pの先端縁部2Gに波形の形状が付与される。
本実施形態では、この波形の形状が付与される部分に対して、上側からの空気が吹き付けられる。
【0070】
これにより、用紙Pのうちの、波形の形状が付与されない部分に対して空気が吹き付けられる場合に比べ、吸引部100に吸着している最上位の用紙Pと、この最上位の用紙Pに付着している2枚目以降の用紙Pとの間に空気が入りやすくなる。
そして、この場合、この2枚目以降の用紙Pが、1枚目の用紙Pである最上位の用紙Pから離脱しやすくなる。
【0071】
ここで、「波形の形状」とは、用紙Pの一方の面側から他方の面側に且つ用紙Pの厚み方向に向かって突出した一の凸部と、用紙Pの他方の面側から一方の面側に且つ用紙Pの厚み方向に向かって突出した他の凸部とが、先端縁部2Gが延びる方向に交互に並んでいる形状をいう。
ここで、一の凸部と他の凸部の数は、特に限定されず、一の凸部と他の凸部とがそれぞれ1つ設けられ、この一の凸部とこの他の凸部とが互いに隣り合っている場合も、波形の形状が付与された状態と言える。
【0072】
図7は、鉛直方向における上方から吸引部100を見た場合の図である。なお、この
図7では、空気案内部材120や、後述する取り付け部材500の図示を省略している。
また、
図8(A)、(B)は、吸引部100の移動の様子を示した図である。なお、
図8では、空気案内部材120、取り付け部材500の図示、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102B以外の他の移動部材102の図示を省略している。
また、
図8(A)は、吸引部100が、最上流搬送ロール52E側へ移動する前の状態を示し、
図8(B)は、吸引部100が、最上流搬送ロール52E側へ移動した後の状態を示している。
【0073】
図7に示すように、本実施形態では、鉛直方向における上方から、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々を見た場合に、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々は、L字状に形成され、互いに交差する関係の第1の部位91および第2の部位92を有する。
ここで、本実施形態では、第1の部位91および第2の部位92が互いに直交する関係で配置されている。
【0074】
また、本実施形態では、符号7Aで示すように、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが上下方向へ移動する際に、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの案内を行う案内部が設けられている。
なお、同様に、他の移動部材102の移動を案内する他の案内部が設けられているが、
図7では、この他の案内部の図示を省略している。
【0075】
第1の部位91の各々は、吸引部100の移動方向と直交する方向に沿うように設けられている。第2の部位92の各々は、吸引部100の移動方向に沿うように設けられている。
ここで、本実施形態では、
図8(B)に示すように、吸引部100が最上流搬送ロール52E側へ移動した場合、第1の部位91が、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達する。
付言すると、本実施形態では、吸引部100が最上流搬送ロール52E側へ移動した場合、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々の一部が、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達する。
【0076】
その一方で、
図8(B)の符号8Xで示すように、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々の他の一部については、用紙束54の外周縁104の外側から内側方向へ向かい、この他の一部は、用紙束54により下方から支持される。
より具体的には、第2の部位92については、用紙束54の外周縁104の外側から内側方向へ向かい、外周縁104の内側にその一部が位置し、第2の部位92は、用紙束54により下方から支持される。
【0077】
そして、本実施形態では、このように、第2の部位92が用紙束54により下方から支持されることで、外周縁104よりも外側へ達する部分である第1の部位91の下方への移動が規制される。
言い換えると、本実施形態では、このように、第2の部位92が用紙束54により下方から支持されることで、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方への移動が規制される。
【0078】
ここで、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々は、例えば、第1の部位91のみにより構成することも可能である。
ところで、この場合、この第1の部位91が、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達すると、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bは、下方へ移動してしまう。
【0079】
付言すると、第1の部位91が、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達し、さらに、この第1の部位91の下方に、この第1の部位91を下方から支持する用紙Pが無い状態にあると、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bは、下方へ移動してしまう。
言い換えると、第1の部位91の下端部に、用紙Pが接触していない状態にあると、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bは、下方へ移動してしまう。
【0080】
より具体的には、吸引部100による用紙Pの吸引が失敗することもあり、この場合、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方に用紙Pが無い状態で、吸引部100が最上流搬送ロール52Eへ向かうことが起こりうる。
付言すると、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下端部に用紙Pが接触していない状態で、吸引部100が最上流搬送ロール52Eへ向かうことが起こりうる。
【0081】
この場合、第1の部位91が、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達した際に、この第1の部位91の下方に、用紙Pが無い状態となり、第1の部位91は、用紙束54の上面よりも下方へ移動してしまう。
言い換えると、この場合、第1の部位91の下端部に用紙Pが接触していない状態となり、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々が第1の部位91のみにより構成されていると、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々は、用紙束54の上面よりも下方へ移動してしまう。
この場合、後述するように、用紙Pの損傷や、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの損傷などを招きうる。
【0082】
これに対し、本実施形態の第2の部位92のように、第1の部位91に連動し用紙束54の外周縁104の外側から内側方向へ向かう機能部を設けると、この機能部が、用紙束54の上に載り用紙束54により下方から支持される。
そして、この場合、第1の部位91の下方に用紙Pが無い場合でも、外周縁104の外側へ達する第1の部位91の下方への移動が規制される。
付言すると、第1の部位91の下端部に用紙Pが接触していない場合でも、外周縁104の外側へ達する第1の部位91の下方への移動が規制される。
【0083】
なお、本実施形態の第2の部位92は、用紙束54の上に単に載るだけではなく、
図7に示すように、減圧空間105と大気圧空間106との間に配置され、減圧空間105と大気圧空間106とを仕切る機能を有する。
ここで、本実施形態の第2の部位92は、用紙束54の外周縁104の外側へ達する第1の部位91に連動する連動部として捉えることができる。
【0084】
さらに説明すると、本実施形態の吸引部100は、最上流搬送ロール52Eへの用紙Pの供給を行う際、
図4の矢印2Bで示す一方向へ移動する。
また、本実施形態では、第1先端側移動部材102A(
図7参照)、第2先端側移動部材102Bの各々に設けられた第1の部位91は、この一方向(吸引部100の移動方向)において、減圧空間105よりも下流側に位置する。
さらに、本実施形態では、上記の通り、第2の部位92は、第1の部位91に連動するように設けられている。
また、第2の部位92は、上記の一方向における下流側へ移動した第1の部位91が用紙束54の外周縁104を超えた箇所に位置する場合に(
図8(B)参照)、その一部が、この外周縁104の内側に位置する。これにより、第1の部位91の下方への移動が規制される。
【0085】
付言すると、連動部の一例としての第2の部位92は、上記の一方向における下流側へ移動する第1の部位91に連動して下流側へ移動するとともに、第1の部位91の上下方向への移動に連動して上下方向へ移動する。
本実施形態では、第2の部位92が、用紙束54の外周縁104の内側に位置し、この用紙束54により下方への移動が規制される場合に、第1の部位91についても、下方への移動が規制されるようになる。
【0086】
さらに、本実施形態では、第1の部位91を、板状の移動部材として捉えることができ、本実施形態では、この板状の移動部材が、上記の一方向において、減圧空間105よりも下流側に位置する。さらに、この板状の移動部材は、この一方向と交差(直交)する方向に沿うように配置されている。
【0087】
さらに、本実施形態は、板状の部材として捉えることができるこの第1の部位91に、第1の部位91の延び方向と交差する方向へ突出する突出部が設けられた構成となっている。より具体的には、本実施形態では、突出部として、第2の部位92が設けられた構成となっている。この第2の部位92は、第1の部位91との接続部を始点とした場合、上記の一方向とは反対方向に向かって突出している。
付言すると、第2の部位92は、吸引部100が移動する方向である上記の一方向とは反対方向へ向かって延びている。
付言すると、本実施形態では、第2の部位92が設けられていることにより、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々の一部が、吸引部100が移動する方向である上記の一方向とは反対方向へ向かって延びた構成となっている。
【0088】
ここで、上記では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々を、L字状に形成した場合を説明した。
ところで、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々の形状は、これに限らず、例えば、
図9(吸引部100の他の構成例を示した図)に示すように、T字状に形成してもよい。
【0089】
この構成例では、第1の部位91の長手方向における一端と他端との間に、第2の部位92が接続され、第2の部位92は、用紙束54(
図9では不図示)に載った際、第1の部位91との接続部を始点として、用紙束54の外周縁104よりも内側へ向かう。
この構成例では、第2の部位92は、減圧空間105と大気圧空間106とを仕切る機能を有しないが、この構成例でも、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方への移動が規制される。
なお、第2の部位92は、第1の部位91と一体となるように設けてもよいし、第1の部位91とは別部品として構成し、接着等により、第1の部位91に対して固定してもよい。
【0090】
また、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々の下方への移動の規制は、
図10(吸引部100の他の構成例を示した図)に示した構成により行ってもよい。
この構成例では、画像形成装置1(
図1参照)の本体側に、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方への移動を規制する規制用突起93が設けられている。
また、この構成例では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々が平板状に形成されるとともに、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々には、規制用突起93が入る貫通孔94が設けられている。
【0091】
この構成例では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、用紙束54の外周縁104を超える前に、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々に設けられた貫通孔94に、規制用突起93が入り込む。
そして、この構成例では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、用紙束54の外周縁104を超え、下方へ移動しようとすると、規制用突起93により、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方への移動が規制される。
【0092】
ここで、この構成例では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの全ての部分が、用紙束54の外周縁104の外側に達する構成となっている。
このため、この構成例では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの一部を利用するのではなく、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bとは異なる部材である規制用突起93を用いて、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方への移動を規制する。
【0093】
これに対し、
図7、
図9にて示した構成例では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの一部が、用紙束54の外周縁104の外側に達し、他の一部が、用紙束54の外周縁104の内側に残る。
そして、
図7、
図9にて示した構成例では、用紙束54の外周縁104の内側に残る、この他の一部を用いて、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方への移動を規制する。
【0094】
付言すると、本実施形態では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの一部や規制用突起93が規制手段として機能し、この規制手段により、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方への移動が規制される。
より具体的には、本実施形態では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの一部や、規制用突起93によって、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bのうちの、外周縁104よりも外側に達する部分(以下、「外側到達部分」と称する)の下方への移動が規制される。
【0095】
ここで、
図7や
図9にて示した実施形態では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの一部が、用紙束54により下方から支持されることで、外側到達部分であって、用紙Pによる下方からの支持がなされていない状態にある外側到達部分の下方への移動が規制される。
言い換えると、本実施形態では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの一部が、用紙束54により下方から支持されることで、外側到達部分であって、下端部に用紙Pが接触していない状態にある外側到達部分の下方への移動が規制される。
【0096】
付言すると、本実施形態では、外側到達部分は、用紙束54の上に載る第2の部位92を介してこの用紙束54(用紙P)により支持されるものの、外側到達部分の下端部には用紙Pは接触せず、本実施形態では、用紙Pによる外側到達部分の直接の支持は行われない。
本実施形態では、用紙Pが接触せず用紙Pによる下方からの支持が直接行われないこの外側到達部分の下方への移動が規制される。
【0097】
図11(A)、(B)は、比較例を示した図である。
この比較例では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々に、上記の第1の部位91に相当する部位のみが設けられ、第2の部位92に相当する部位が設けられていない。
付言すると、この比較例では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々は、平板状に形成され、且つ、吸引部100の移動方向と直交する方向に沿って配置されている。
【0098】
この場合、吸引部100が、最上流搬送ロール52E側へ移動すると、
図11(A)に示すように、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの全ての部分が、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達するようになる。
付言すると、吸引部100、用紙束54を上方から見た場合に、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの全ての部分が、外周縁104を超えた箇所に達するようになる。
【0099】
この場合、吸引部100の下方の本来有るべき位置に用紙Pが無い状態にあると、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが下方へ移動する。
付言すると、吸引部100が用紙Pの吸引に失敗することもあり、この場合、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方に、これらの移動部材102を下方から支持する用紙Pが無い状態となり、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが下方へ移動する。
【0100】
そして、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが下方へ移動した状態にて、
図11(B)に示すように、吸引部100が用紙束54側へ戻ると、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、用紙束54に引っ掛かる。
この場合、用紙束54に含まれる用紙Pの損傷を招いたり、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの損傷を招いたりするおそれがある。
【0101】
これに対し、上記のように、第2の部位92や、規制用突起93を設けると、用紙Pによる下方からの第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの支持が無い状態でも、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方への移動が規制される。
これにより、用紙Pの損傷や第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの損傷などが起きにくくなる。
【0102】
なお、その他、図示は省略するが、用紙束54の外周縁104よりも外側に、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bを下方から支持する支持部を設けてもよい。
この場合、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、外周縁104を超えると、この支持部により、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが下方から支持される。これにより、この場合も、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方への移動が規制される。
【0103】
図12は、
図7の矢印XIIで示す方向から吸引部100を見た場合の図である。
本実施形態の第2の部位92には、吸引部100の移動方向に沿って延び、第2の部位92の最も下部に位置する下縁部96が設けられている。
この下縁部96には、鉛直方向における下方向に向かって突出した突出部96Aが設けられている。さらに、下縁部96のうちの、突出部96Aを挟み、第1の部位91が設けられている側とは反対側には、傾斜部96Bが設けられている。
この傾斜部96Bは、突出部96Aから離れる方向に向かうに従い上方へ向かう。また、この傾斜部96Bは、直線状に形成されている。
【0104】
図13(A)、(B)は、最上流搬送ロール52E側にある吸引部100が用紙束54側に戻る際の第1先端側移動部材102Aの動きを説明する図である。
なお、本実施形態では、第1先端側移動部材102Aの動きを説明するが、第2先端側移動部材102B(
図13では不図示)も、第1先端側移動部材102Aと同様の動きを行う。
【0105】
本実施形態では、用紙束54側への吸引部100の移動が開始されると(最上流搬送ロール52Eから離れる方向への吸引部100の移動が開始されると)、下縁部96に対して、用紙束54側から抗力が作用し、
図13(B)の矢印13Xで示すように、第1先端側移動部材102Aが用紙束54(
図13では不図示)側へ倒れる。
そして、本実施形態では、この場合、矢印13Aで示すように、第1の部位91が、鉛直方向における上方へ移動する。
【0106】
付言すると、本実施形態では、用紙束54側への吸引部100の移動に伴い、第1の部位91が用紙束54の外周縁104の内側へ戻ろうとするが、この際、この第1の部位91は、上方へ移動する。
付言すると、本実施形態の第1の部位91は、用紙束54の外周縁104よりも外側へ達する外側到達部分であり、本実施形態では、この外側到達部分が、用紙束54の外周縁104の内側へ戻る際、上方へ移動する。
【0107】
より具体的には、本実施形態では、外側到達部分であるこの第1の部位91が、用紙束54の外周縁104の内側へ戻る際、第2の部位92の下端部に位置する突出部96Aの先端を回転中心として第1先端側移動部材102Aが回転する。
付言すると、本実施形態では、第1の部位91よりも用紙束54に近い側に位置する突出部96Aの先端が回転中心となって、第1先端側移動部材102Aが回転する。
【0108】
これにより、第1先端側移動部材102Aが用紙束54側へ倒れる。言い換えると、第1先端側移動部材102Aが、突出部96Aを挟み、第1の部位91が位置する側とは反対側へ倒れる。
これにより、本実施形態では、第1の部位91が上方へ移動する。そして、この場合、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが、用紙束54に引っ掛かることがさらに起きにくくなる。
【0109】
本実施形態では、上記のように、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの下方へ移動が規制され、用紙束54への第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの引っ掛かりが起きにくくなっている。
そして、上記のように、第1の部位91が、上方へ移動する構成であると、用紙束54に対して、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bがさらに引っ掛かりにくくなる。
【0110】
なお、本実施形態では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々が、用紙束54側に倒れると、
図13(B)に示す傾斜部96Bが、用紙束54(不図示)の最上位の用紙Pに線接触する状態となる。
付言すると、本実施形態では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々が、用紙束54側に倒れると、下縁部96のうちの、回転中心を挟んで第1の部位91とは反対側に位置する部分が、用紙束54の最上位の用紙Pに線接触する。
【0111】
図14は、
図12のXIV-XIV線における吸引部100の断面図である。なお、この
図14では、吸引部100のうちの、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hが設けられている側の状態を示している。
本実施形態では、吸引部100の装置本体101に、外面301を有し各種の部材を支持する支持部材300が設けられている。さらに、この支持部材300の上面302に取り付けられた取り付け部材500が設けられている。
本実施形態では、ボルト、ナット、螺子などの締結部材600が用いられて、被取り付け部材の一例としての支持部材300に対して、取り付け部材500が取り付けられる。
【0112】
本実施形態は、取り付け部材500に、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hに対向配置された対向面501が設けられている。
付言すると、
図12のXIV-XIV線における断面では、上記の第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bとは異なる他の移動部材102である、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hが設けられている。
さらに、この第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hの対向位置には、この第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hに対向配置された対向面501が設けられている。
【0113】
対向面501は、上下方向に沿うように配置されている。また、この対向面501は、上方から下方に向かうに従い、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hから次第に離れるように傾斜している。
なお、本実施形態では、対向面501の全面が傾斜しているが、全面を必ずしも傾斜させる必要はなく、対向面501の一部を傾斜させてもよい。
【0114】
本実施形態では、このように対向面501が傾斜していることで、対向面501が傾斜しない場合に比べ、対向面501と、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hとの間における接触圧が低下し、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hがより円滑に移動する。
【0115】
なお、本実施形態では、取り付け部材500が、支持部材300に対して弾性変形した状態で取り付けられている。
本実施形態では、取り付け部材500が支持部材300に対して弾性変形した状態で取り付けられることで、対向面501が、鉛直方向に対して傾斜し、対向面501が、上記のように、上方から下方に向かうに従い、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hから次第に離れる。
【0116】
図15は、支持部材300に対して、取り付け部材500が取り付けられる前の、取り付け部材500、支持部材300を示した図である。
本実施形態の取り付け部材500は、支持部材300の上面302に沿いこの上面302に対向する対向部分503と、この対向部分503と直交する関係で配置され上方に向かって延びる直交部分504とを有する。
【0117】
本実施形態では、締結部材600によって、取り付け部材500が、支持部材300に対して取り付けられる際、直交部分504の下端部504Aが、上面302に押し当てられる。
このとき、本実施形態では、対向部分503が、この下端部504Aよりも上方に位置し、対向部分503と、支持部材300の上面302との間には、間隙Gが形成される。
【0118】
その後、本実施形態では、締結部材600を用い、支持部材300に対して、取り付け部材500を固定する。
この場合、下端部504Aが上面302に接触している状態にて、対向部分503が、支持部材300の上面302に次第に近づくようになる。そして、この場合、本実施形態では、下端部504Aを中心として、矢印15Aに示す方向へ、取り付け部材500が回転する。
【0119】
そして、このように、取り付け部材500が回転すると、鉛直方向に対して対向面501が傾くようになり、上記のように、対向面501が、上方から下方に向かうに従い、第1左側移動部材102G(
図15では不図示)、第2左側移動部材102Hから次第に離れるようになる。
【0120】
なお、本実施形態では、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hに対向する対向面501が傾斜している場合を説明したが、これに限られない。
第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102H以外の他の移動部材102の対向位置にある対向面を傾斜させてもよい。
また、本実施形態では、弾性変形を利用して、対向面501を傾斜させたが、対向面501を傾斜させるための形状を、取り付け部材500に予め付与して、対向面501を傾斜させてもよい。
【0121】
図16は、吸引部100を
図13(A)の矢印XVIで示す方向から見た場合の図である。なお、この図では、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hが設けられている部分を表示している。
本実施形態では、一の移動部材の一例である第1左側移動部材102G、および、他の移動部材の一例である第2左側移動部材102Hは、板状に形成されている。
【0122】
また、本実施形態では、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hは、一方向(図中、左右方向)に沿って配置されるとともに、部分的に重なるように配置されている。
さらに、本実施形態は、第1左側移動部材102Gの一方の面99A側に、第2左側移動部材102Hが位置する。また、本実施形態では、第2左側移動部材102Hの一方の面99B側に、第1左側移動部材102Gが位置する。
【0123】
ここで、本実施形態では、第1左側移動部材102Gの一方の面99Aの対向箇所には、この一方の面99Aから離れた側からこの一方の面99Aに向かって突出した突出部99Eが設けられている。
より具体的には、第1左側移動部材102Gの一方の面99Aの対向箇所には、支持部材300の外面301が存在し、この外面301には、一方の面99Aに向かって突出した突出部99Eが設けられている。
【0124】
ここで、本実施形態では、一方の面99Aに向かって突出したこの突出部99Eの突出高さH1が、この一方の面99Aを有する第1左側移動部材102Gとは異なるもう一方の移動部材である第2左側移動部材102Hの厚さD2よりも大きくなっている。
また、本実施形態では、一方の面99Aに向かって突出したこの突出部99Eの突出高さH1と、この一方の面99Aを有する第1左側移動部材102Gの厚さD1とを足し合わせた値の方が、取り付け部材500の対向面501と支持部材300の外面301との離間距離LXよりも小さくなっている。
【0125】
また、本実施形態では、第2左側移動部材102Hの一方の面99Bの対向箇所には、この一方の面99Bから離れた側からこの一方の面99Bに向かって突出した突出部99Fが設けられている。
より具体的には、第2左側移動部材102Hの一方の面99Bの対向箇所には、取り付け部材500に設けられた上記の対向面501が存在し、この対向面501には、この一方の面99Bに向かって突出した突出部99Fが設けられている。
【0126】
そして、本実施形態では、上記と同様、一方の面99Bに向かって突出したこの突出部99Fの突出高さH2が、この一方の面99Bを有する第2左側移動部材102Hとは異なるもう一方の移動部材である第1左側移動部材102Gの厚さD1よりも大きくなっている。
また、本実施形態では、一方の面99Bに向かって突出したこの突出部99Fの突出高さH2と、この一方の面99Bを有する第2左側移動部材102Hの厚さD2とを足し合わせた値の方が、取り付け部材500の対向面501と支持部材300の外面301との離間距離LXよりも小さくなっている。
【0127】
ここで、本実施形態のように、第1左側移動部材102Gの一方の面99Aの対向箇所に、突出部99Eを設けると、第1左側移動部材102Gの厚み方向における移動であって、第2左側移動部材102Hが設けられている側への、第1左側移動部材102Gの移動が規制される。
この場合、第1左側移動部材102Gと第2左側移動部材102Hとの間における接触圧が低下し、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hが移動しやすくなる。
【0128】
同様に、第2左側移動部材102Hの一方の面99Bの対向箇所に、突出部99Fを設けると、第2左側移動部材102Hの厚み方向における移動であって、第1左側移動部材102Gが設けられている側への第2左側移動部材102Hの移動が規制される。
この場合、第1左側移動部材102Gと第2左側移動部材102Hとの間における接触圧が低下し、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hが移動しやすくなる。
【0129】
なお、本実施形態では、第1左側移動部材102Gの一方の面99Aの対向箇所、および、第2左側移動部材102Hの一方の面99Bの対向箇所の両者に、突出部が設けられた場合を一例に説明した。
ところでこれに限らず、第1左側移動部材102Gの一方の面99Aの対向箇所、および、第2左側移動部材102Hの一方の面99Bの対向箇所の何れか一方のみに、突出部を設けるようにしてもよい。
【0130】
また、上記では、第1左側移動部材102Gの一方の面99Aの対向箇所、および、第2左側移動部材102Hの一方の面99Bの対向箇所に、突出部を設けた場合を説明した。即ち、移動部材102とは異なる部材に突出部を設けた場合を説明した。
ところで、これに限らず、例えば、第1左側移動部材102Gの一方の面99A、および、第2左側移動部材102Hの一方の面99Bの何れか一方又は両方に、突出部を設けてもよい。
【0131】
なお、この場合は、一方の面に設けられた突出部の突出高さを、この一方の面を有する移動部材102とは異なるもう一方の移動部材102の厚さよりも大きくすることが好ましい。
即ち、第1左側移動部材102Gの一方の面99Aに突出部を設ける場合には、この突出部の突出高さを、この一方の面を有する第1左側移動部材102Gとは異なるもう一方の移動部材102である第2左側移動部材102Hの厚さD2よりも大きくすることが好ましい。
また、第2左側移動部材102Hの一方の面99Bに突出部を設ける場合には、この突出部の突出高さを、この一方の面99Bを有する第2左側移動部材102Hとは異なるもう一方の移動部材102である第1左側移動部材102Gの厚さD1よりも大きくすることが好ましい。
【0132】
また、突出部の数も特に問わず、上記の一方の面99A,99Bの対向箇所や、この一方の面99A,99B自体に、1つの突出部を設けるようにしてもよいし、複数の突出部を設けるようにしてもよい。
また、突出部は、例えば、リブ状に形成し、移動部材102の移動方向に沿うように設けるようにしてもよい。
【0133】
また、上記では、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102Hの対向箇所に、又は、第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102H自体に、突出部を設ける場合を説明したが、突出部の形成箇所はこれに限られない。
第1左側移動部材102G、第2左側移動部材102H以外の他の移動部材102の対向箇所や、この他の移動部材102自体に、突出部を設けてもよい。
【0134】
図17は、
図7の矢印XVIIで示す方向から吸引部100を見た場合の図である。
より具体的には、
図17は、用紙Pにより下方から第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが押圧され、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが上方へ移動した後の状態を示している。
また、
図17は、図中矢印17Aに示す方向における幅が大きい用紙Pが吸引部100により吸引されている場合の、吸引部100の状態を示している。また、
図17では、空気案内部材120の図示を省略している。
【0135】
幅が大きい用紙Pが吸引部100により吸引されると、用紙Pの幅方向における両端部が垂れ下がるようになり、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの各々は、
図17に示すように水平方向に対して傾く。
【0136】
ここで、第1先端側移動部材102Aは、下方に位置する用紙Pの幅方向における中央部C側に位置する中央部側端部97Aと、この中央部側端部97Aとは反対側に位置し用紙Pの幅方向における一端部P1側に位置する反対側端部97Bとを備える。
また、第2先端側移動部材102Bは、下方に位置する用紙Pの幅方向における中央部C側に位置する中央部側端部98Aと、この中央部側端部98Aとは反対側に位置し用紙Pの幅方向における他端部P2側に位置する反対側端部98Bとを備える。
【0137】
本実施形態では、幅が大きい用紙Pが吸引部100により吸引されると、反対側端部97Bの方が中央部側端部97Aよりも下方に位置するように、第1先端側移動部材102Aが傾斜する。
また、同様に、幅が大きい用紙Pが吸引部100により吸引されると、反対側端部98Bの方が中央部側端部98Aよりも下方に位置するように、第2先端側移動部材102Bが傾斜する。
【0138】
さらに、本実施形態では、装置本体101に設けられた支持部材300の外面301に(第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bに対向する面に)、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの案内を行う第1案内部G1~第3案内部G3が設けられている。
第1案内部G1~第3案内部G3は、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが上下動する際に、この第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bの案内を行う。
【0139】
また、本実施形態では、第1先端側移動部材102Aの中央部側端部97A側に、上下方向に沿って配置され、第2案内部G2が入る溝88が形成されている。
また、第2先端側移動部材102Bの中央部側端部98A側に、同じく、上下方向に沿って配置され、第2案内部G2が入る溝89が形成されている。
さらに、第1先端側移動部材102Aの反対側端部97B側には、第1案内部G1が入る溝81が形成されている。また、第2先端側移動部材102Bの反対側端部98B側には、第3案内部G3が入る溝82が形成されている。
【0140】
図18は、第1先端側移動部材102Aの正面である。
第1先端側移動部材102Aのうちの中央部側端部97A側には、上記のとおり、上下方向に沿って配置され、第2案内部G2が入る溝88が形成されている。
この溝88の両側には、上下方向に沿って配置され、この溝88に臨む縁部84が設けられている。
【0141】
そして、本実施形態では、溝88の両側に設けられた縁部84のうちの、反対側端部97B側に位置する縁部84Aには、下方に向かうに従い反対側端部97B側へ縁部84Aを向かわせるための傾斜が付与されている。
より具体的には、縁部84Aのうちの、上下方向における中央部18Cよりも下方には、下方に向かうに従い反対側端部97B側へ縁部84Aを近づけるようにするための傾斜が付与されている。
【0142】
ここで、本実施形態では、
図17に示したとおり、第1先端側移動部材102Aは、中央部側端部97Aの方が反対側端部97Bよりも上方に位置するように傾斜する。
この場合に、縁部84A(
図18参照)が、例えば破線18Xで示すように、直線状に形成されていると、第1先端側移動部材102Aと第2案内部G2とが干渉し、第1先端側移動部材102Aが傾斜しにくくなる。
この場合、湾曲する用紙Pに第1先端側移動部材102Aが追従しにくくなり、用紙Pと第1先端側移動部材102Aとの間に隙間が形成されやすくなる。そして、このように隙間が形成されると、吸引部100による用紙Pの吸着が解除されやすくなる。
【0143】
これに対し、本実施形態のように、縁部84Aが傾斜していると、第1先端側移動部材102Aが傾きやすくなり、湾曲する用紙Pに対して、第1先端側移動部材102Aが追従しやすくなる。
そして、この場合、上記のような隙間が形成されることが抑制され、吸引部100による用紙Pの吸引がより確実に行われる。
なお、ここでは、第1先端側移動部材102Aについて説明したが、第2先端側移動部材102Bも同様に構成されており、第2先端側移動部材102Bも、湾曲する用紙Pに対して追従しやすくなる。
【0144】
なお、溝88,89の幅を、全体に亘って大きくすれば、上記と同様、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが傾きやすくなる。
しかしながら、この場合、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが下降した際、第2案内部G2と溝88,89の縁部84との間の間隙が大きくなる。
この場合、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが下降した際の、これらの移動部材102の位置に、ばらつきが生じやすくなる。
【0145】
これに対し、上記のように、縁部84Aを部分的に傾斜させる構成では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが下降した際の、第2案内部G2と溝88,89の縁部84との間の間隙が小さくなる。
そして、この場合、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bが下降した際の、これらの移動部材102の位置に、ばらつきが生じにくくなる。
【0146】
なお、
図17、18では、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102Bに設けられた溝88,89の縁部84に対して傾斜を付与した場合を説明したが、第1先端側移動部材102A、第2先端側移動部材102B以外の他の移動部材102においても、同様に、溝の縁部に対して傾斜を付与してもよい。
【0147】
図19は、
図7の矢印XIXで示す方向から吸引部100を見た場合の図である。
支持部材300の外面301であって、吸引部100の移動方向に沿って延びる外面301には、凹部190が設けられている。
より具体的には、支持部材300の外面301のうち、第2先端側移動部材102Bの第2の部位92の対向箇所には、凹部190が設けられている。
【0148】
本実施形態では、
図17に示したように、吸引部100により、幅の大きい用紙Pが吸引されると、第2先端側移動部材102Bは、中央部側端部98A側の方が反対側端部98Bよりも上方に位置するように傾斜し、この場合、
図17に示すように、第2の部位92が傾斜するようになる。
【0149】
この場合に、上記のように凹部190が形成されていると、第2の部位92と支持部材300との干渉が起きにくくなり、第2先端側移動部材102Bが傾斜しやすくなる。そして、この場合、用紙Pに対して第2先端側移動部材102Bが追従しやすくなる。
なお、
図19では、支持部材300にうち、第2先端側移動部材102Bが有する第2の部位92の対向箇所に位置する部分を説明したが、本実施形態では、支持部材300のうち、第1先端側移動部材102Aが有する第2の部位92の対向箇所にも、同様に、凹部が形成されている。
【符号の説明】
【0150】
1…画像形成装置、1A…画像形成部、1B…用紙搬送装置、92…第2の部位、100…吸引部