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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240123BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240123BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20240123BHJP
【FI】
G06F3/12 336
G06F3/12 325
G06F3/12 304
B41J29/38 401
H04L67/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020005992
(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公開番号】P2021114087
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蜷川 貴康
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134680(JP,A)
【文献】特開2005-071228(JP,A)
【文献】特開2009-253702(JP,A)
【文献】特開平10-322395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04L67/00-67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、複数の画像形成装置と、前記情報処理装置と前記画像形成装置の通信を中継して前記情報処理装置とそれぞれの前記画像形成装置を通信可能に接続する中継器と、を含み、
前記情報処理装置は、使う前記画像形成装置の選択を受け付ける入力デバイスを含み、印刷に用いるプリントジョブデータを送信する前に、選択された前記画像形成装置に向けて印刷要求データを送信し、
前記印刷要求データを受信したとき、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置から前記画像形成装置までに前記中継器が中継した回数である中継回数を認識し、
前記中継回数が予め定められた上限値以上のとき、前記情報処理装置に向けて、認識した前記中継回数が前記上限値以上であることを知らせる第1返答データを返信することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
ディスプレイを含み、
前記第1返答データを受信したとき、自機が通信可能な前記画像形成装置を検索し、
前記ディスプレイに検索結果を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、通信可能な前記画像形成装置のうち、前記中継回数が最小の前記画像形成装置のみを、前記検索結果として前記ディスプレイに表示することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記入力デバイスは、前記検索結果として表示された前記画像形成装置を1つ指定する操作を受け付け、
前記情報処理装置は、
指定された前記画像形成装置から位置メッセージを取得し、
取得した前記位置メッセージを前記ディスプレイに表示し、
それぞれの前記画像形成装置は、自機の設置位置を示す文字列を前記位置メッセージとして記憶することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記入力デバイスは、前記検索結果として表示された前記画像形成装置を1つ指定する操作を受け付け、
前記情報処理装置は、
指定された前記画像形成装置から位置画像データを取得し、
取得した前記位置画像データに基づく画像を前記ディスプレイに表示し、
それぞれの前記画像形成装置は、自機の設置位置を示す地図の画像データを前記位置画像データとして記憶することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
指定された前記画像形成装置のドライバーソフトウェアがインストールされていないとき、
前記情報処理装置は、
指定された前記画像形成装置の前記ドライバーソフトウェアをインストールしてよいか否かを確認するためのインストール確認画面を前記ディスプレイに表示し、
前記入力デバイスがインストールの開始指示を受け付けたとき、指定された前記画像形成装置の前記ドライバーソフトウェアをインストールし、
インストール後、指定された前記画像形成装置に向けて、前記プリントジョブデータ
を送信することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、
ディスプレイを含み、
前記第1返答データを受信したとき、前記第1返答データを返信した前記画像形成装置に前記プリントジョブデータを送信してよいかを確認するための問い合わせ画像を前記ディスプレイに表示し、
前記入力デバイスが送信してよい回答を受け付けたとき、前記第1返答データを返信した前記画像形成装置に向けて、前記プリントジョブデータを送信することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記中継回数が前記上限値未満のとき、
前記画像形成装置は、前記情報処理装置に向けて、前記中継回数が前記上限値未満であることを知らせる第2返答データを返信し、
前記第2返答データを受信したとき、
前記情報処理装置は、前記第2返答データを返信した前記画像形成装置に向けて前記プリントジョブデータを送信することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用データを送信する情報処理装置と、情報処理装置からの印刷用データに基づき印刷を行う画像形成装置を含む画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
PCのようなコンピューターには、周辺装置が用意される。コンピューターは周辺装置の接続を認識し、周辺装置と通信し、周辺装置を動作させる。画像形成装置も周辺装置(プリンター)として利用されている。周辺装置を利用する場合、利用したい周辺装置のドライバーソフトウェアのコンピューターへのインストールが必要な場合がある。コンピューターへのドライバーソフトウェアのインストールに関する技術の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、コンピューター処理装置上で周辺装置を動作させるためのソフトウェアのインストール方法であって、周辺装置のメモリーにインストールソフトウェアを格納し、コンピューター処理装置と周辺装置との接続を検出すると、周辺装置がコンピューター処理装置にインストールソフトウェアをインストールする方法が記載されている。装置の不揮発性メモリーからの装置ドライバのダウンロードとインストールにより、プラグアンドプレイを実現しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0008]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-353073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンピューター(PC)でファイルを作成、編集することがある。画像形成装置はファイル内容の印刷に用いられている。画像形成装置のドライバーソフトウェアはコンピューターに予めインストールされる。ドライバーソフトウェアを利用して、画像形成装置はファイルを印刷するための印刷用データを生成する。コンピューターは、印刷用データを画像形成装置に送信する。受信した印刷用データに基づき、画像形成装置は印刷する。このように、画像形成装置をプリンターとして用いるには、ドライバーソフトウェアのインストールが必要である。
【0006】
勤務者が多く、オフィスが広いほど、ローカルネットワークに接続される画像形成装置の数が多くなる傾向がある。通常、各個人のコンピューターでは、通常使う画像形成装置が設定される。例えば、座席に最も近い画像形成装置が通常使う画像形成装置に設定される。コンピューターには、通常使う画像形成装置のドライバーソフトウェアがインストールされる。
【0007】
使用者は、PCを持って座席から移動し、移動先で仕事をすることがある。例えば、会議のとき、PC持参で移動する場合がある。オフィスが大きいほど、移動距離が長くなりやすい。別の階に移動することもある。移動先で印刷したいとき、通常使う画像形成装置(ドライバーソフトウェアをインストールしている画像形成装置)が遠いことがあるという問題がある。移動先なのに、クセでいつもどおりにコンピューターを操作し、通常使う画像形成装置で印刷したとき、印刷物を取りに行くのに時間がかかる。
【0008】
特許文献1記載の技術は、プラグアンドプレイのためのインストールの手法である。位置的に離れた画像形成装置に印刷させてしまうことを防ぐものではない。
【0009】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、移動先にいるとき、位置的に離れた画像形成装置に印刷することを防ぎ、近い位置にある画像形成装置で印刷させる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題解決のため、請求項1に係る画像形成システムは、情報処理装置と、複数の画像形成装置と、中継器を含む。前記中継器は、前記情報処理装置と前記画像形成装置の通信を中継して前記情報処理装置とそれぞれの前記画像形成装置を通信可能に接続する。前記情報処理装置は、使う前記画像形成装置の選択を受け付ける入力デバイスを含む。印刷に用いるプリントジョブデータを送信する前に、前記情報処理装置は、選択された前記画像形成装置に向けて印刷要求データを送信する。前記印刷要求データを受信したとき、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から前記画像形成装置までに前記中継器が中継した回数である中継回数を認識する。前記中継回数が予め定められた上限値以上のとき、前記画像形成装置は、前記情報処理装置に向けて、認識した前記中継回数が前記上限値以上であることを知らせる第1返答データを返信する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、移動先にいるとき、位置的に離れた画像形成装置に印刷することを防ぐことができる。近い位置にある画像形成装置で印刷するように仕向けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は実施形態に係る画像形成システムの一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る印刷要求の処理の一例を説明する。
図5図5は、実施形態に係る第1返答データを受信したときの情報処理装置の処理の流れの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る確認画面の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る検索結果画面の一例を示す図である。
図8図8は実施形態に係るインストール確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1図8を用いて本発明に係る画像形成システム100の一例を説明する。画像形成システム100は、画像形成装置1と情報処理装置2と中継器3を含む。画像形成システム100は、画像形成装置1を複数含む。また、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0014】
(画像形成システム100)
まず、図1を用いて、実施形態に係る画像形成システム100の一例を説明する。図1は実施形態に係る画像形成システム100の一例を示す図である。
【0015】
画像形成システム100は少なくとも1台の情報処理装置2と複数の画像形成装置1を含む。情報処理装置2は複数でもよい。情報処理装置2はコンピューターである。例えば、情報処理装置2は、PC、サーバーである。情報処理装置2は各画像形成装置1、中継器3と通信可能に接続され、ネットワークを構成する。情報処理装置2は、画像形成装置1に向けて、プリントジョブデータを送信する。図1に示すように、画像形成システム100では、無線機器をアクセスポイントとして用いてもよい。無線機器を介して、画像形成装置1と情報処理装置2とを通信可能に接続してもよい。
【0016】
例えば、画像形成装置1は、プリンター、又は、複合機である。全ての画像形成装置1がプリンターでもよいし、複合機でもよい。自機宛のプリントジョブデータを受信した画像形成装置1は、プリントジョブデータを解析して印刷用画像データを生成する。生成した印刷用画像データに基づき、画像形成装置1は印刷する。
【0017】
情報処理装置2と画像形成装置1を含むネットワーク(画像形成システム100)の構築のため、中継器3が用いられる。中継器3はネットワークの一部とネットワークの一部をつなぐ。中継器3を介して、画像形成システム100が含む情報処理装置2と画像形成装置1は、互いに通信できる。中継器3は、例えば、ルーターである(L3スイッチ又はブリッジでもよい)。中継器3は、例えば、複数のポート(コネクター)、電源回路、プロセッサー、スイッチ回路を含む。図1は、ある会社の画像形成システム100の一例を示す。オフィスは1階部分と2階部分を含む。図1の例では、1階の各機器と2階の各機器が中継器3を介して、通信可能に接続されている。同じ階の機器も中継器3を介して通信可能に接続されている。
【0018】
(画像形成装置1)
次に、図2を用いて、実施形態に係る画像形成装置1の一例を説明する。図2は、実施形態に係る画像形成装置1の一例を示す図である。
【0019】
画像形成装置1は、制御部10、記憶部11、操作パネル12、印刷部13を含む。制御部10は画像形成装置1の動作を制御する。制御部10は、制御回路10a、画像処理回路10b、通信回路10cを含む(制御基板)。例えば、制御回路10aはCPUである。画像処理回路10bは各種画像処理を行う。例えば、画像処理回路10bは、画像処理専用の回路(ASIC)である。通信回路10cはコネクター、通信制御回路、通信用メモリーを含む。通信用メモリーは通信ソフトウェアを記憶する。通信回路10cは情報処理装置2、中継器3、無線機器4と通信できる。
【0020】
記憶部11はROM、ストレージ、RAMを含む。例えば、ROMはフラッシュROMである。ストレージは大容量の不揮発性記憶装置である(例えば、HDD又はSSD)。制御回路10aは、記憶部11が記憶するプログラム、データ、アプリケーションを用いて、各部(操作パネル12、印刷部13)を制御する。
【0021】
操作パネル12は表示パネル14、タッチパネル15、ハードキー16を含む。表示パネル14は、画面、画像を表示する。制御部10は表示パネル14の表示を制御する。制御部10は設定用の操作画像を表示パネル14に表示させる。操作画像は、例えば、ボタン、キー、タブである。タッチパネル15は、表示パネル14に表示された画像への使用者の操作を受け付ける。タッチパネル15の出力に基づき、制御部10は操作された操作画像を認識する。操作された操作画像に基づき、制御部10は、使用者の操作内容を認識する。ハードキー16も使用者の操作を受け付ける。
【0022】
印刷部13は、給紙部17、用紙搬送部18、画像形成部19、定着部110を含む。給紙部17は用紙カセットと給紙ローラーを含む。用紙束が用紙カセットにセットされる。印刷ジョブのとき、制御部10は給紙ローラーを回転させ、用紙を供給する。用紙搬送部18は、搬送ローラー対、搬送モーターを含む。制御部10は搬送ローラー対を回転させ、用紙を用紙搬送部18に搬送させる。
【0023】
画像形成部19は、感光体ドラム、帯電装置、現像装置、転写ローラーを含む。画像処理回路10bは受信したプリントジョブデータを解析して印刷用画像データを生成する。画像処理回路10bは印刷用画像データの画像処理を行う。印刷用画像データに基づき、制御部10はトナー像を画像形成部19に形成させる。印刷のとき、制御部10は、感光体ドラムを回転させる。制御部10は、感光体ドラムを帯電装置に帯電させる。印刷用画像データに基づき、制御部10は感光体ドラムを露光装置に露光させる。制御部10は感光体ドラムの静電潜像を現像装置にトナーで現像させる。制御部10は搬送される用紙へのトナー像の転写を転写ローラーに行わせる。
【0024】
制御部10は、用紙に転写されたトナー像の定着を定着部110に行わせる。定着部110はヒーターと定着用回転体を含む。ヒーターは定着用回転体を熱する。定着用回転体は、トナー像が転写された用紙を加熱、加圧する。加熱、加圧により、用紙にトナー像が定着する。制御部10は、機外に向けて定着後の用紙を用紙搬送部18に排出させる。
【0025】
(情報処理装置2)
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置2の一例を説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置2の一例を示す図である。
【0026】
使用者が情報処理装置2を使用する。情報処理装置2は1人に1台支給されてもよい。例えば、情報処理装置2は持ち運び可能である(ノートPC)。情報処理装置2は、処理部20、情報記憶部21、ディスプレイ22、入力デバイス23を含む。
【0027】
処理部20は複数の回路、素子を含む基板である(メイン基板)。処理部20は、制御回路20a、画像処理回路20b、情報通信回路20cを含む。例えば、制御回路20aはCPUである。情報記憶部21はフラッシュROM、ストレージ、RAMを含む。例えば、ストレージはHDD、又は、SSDである。情報記憶部21はOS、データ、プログラム、アプリケーションを不揮発的に記憶する。情報記憶部21が記憶するOS、データ、プログラム、アプリケーションに基づき、処理部20は情報処理装置2の動作を制御する。情報通信回路20cは通信制御回路、通信用メモリーを含む。通信用メモリーは通信用ソフトウェアを記憶する。情報通信回路20cは処理部20の指示に応じて画像形成装置1、他の情報処理装置2、中継器3、無線機器4と通信する。
【0028】
処理部20は、画面、情報をディスプレイ22に表示させる。ディスプレイ22は、例えば、液晶パネル、又は、有機ELパネルを含む。入力デバイス23は使用者の操作を受け付ける。例えば、入力デバイス23はキーボードやマウスである。入力デバイス23はディスプレイ22に貼り付けられたタッチパネル15でもよい。入力デバイス23の出力に基づき、処理部20は操作内容を認識する。
【0029】
また、情報記憶部21には、画像形成装置1のドライバーソフトウェア5をインストールすることができる。使用者は、使用する画像形成装置1の機種に対応するドライバーソフトウェア5を情報記憶部21にインストールする。例えば、使用者は、入力デバイス23を用いて、アプリケーションの印刷コマンドを入力する。ドライバーソフトウェア5に基づき、処理部20は、印刷コマンドが入力されたファイルのプリントジョブデータを生成する。例えば、処理部20は、ファイルの内容をページ記述言語で記述したデータをプリントジョブデータに含める。画像形成装置1は、ページ記述言語で記述されたデータを解析し、印刷用画像データを生成する。
【0030】
(プリントジョブデータ送信前の印刷要求)
次に、図4を用いて、実施形態に係る印刷要求の処理の一例を説明する。図4は、実施形態に係る印刷要求の処理の一例を説明する。
【0031】
使用者は、移動先で印刷したい場合がある。通常使う画像形成装置1が現在の仕事場所から遠いことがある。いつものように印刷コマンドを入力すると(例えば、アプリケーション上の印刷アイコンを操作する)、遠い画像形成装置1に印刷物が出力されることがある。そこで、プリントジョブデータを送受信する前に、情報処理装置2と画像形成装置1は、画像形成装置1が遠いか否かを確認するための処理を行う。
【0032】
具体的に、図4を用いて説明する。図4のスタートは、入力デバイス23を用いて、使用者が印刷コマンドを入力した時点である。まず、情報処理装置2の処理部20は、印刷させる(使う)画像形成装置1として選択された画像形成装置1を認識する(ステップ♯1)。情報処理装置2では、印刷させる画像形成装置1を選択することができる。入力デバイス23は使う画像形成装置1の選択を受け付ける。選択操作を行わずに印刷開始の指示がなされる場合もある。この場合、処理部20は、通常使う画像形成装置1として予め選択されている画像形成装置1(デフォルトの画像形成装置1)を、選択された画像形成装置1と認識する。
【0033】
情報処理装置2の処理部20は、選択された画像形成装置1に向けて、印刷要求データを情報通信回路20cに送信させる(ステップ♯2)。印刷要求データは、プリントジョブデータの送信前に送信されるデータである。印刷要求データに対する画像形成装置1からの返答に応じて、処理部20はプリントジョブデータを送信するか否かを定める。
【0034】
情報処理装置2の情報記憶部21は、画像形成システム100(ネットワーク)に接続された各画像形成装置1のアドレスを記憶する。例えば、情報記憶部21は各画像形成装置1のIPアドレスとMACアドレスを記憶する。処理部20は、選択された画像形成装置1のアドレスを宛先として含む印刷要求データを生成する。
【0035】
選択された画像形成装置1の通信回路10cは、印刷要求データを受信する(ステップ♯3)。中継器3は、選択された画像形成装置1が印刷要求データを受信するように、印刷要求データを中継する。中継するとき、中継器3は、情報処理装置2から選択された画像形成装置1までの中継回数がわかるように、印刷要求データを加工する。
【0036】
例えば、中継器3は、印刷要求データに自分の(中継器3の)アドレスを付してもよい。例えば、中継器3は、自機のIPアドレスを印刷要求データに加える(MACアドレスでもよい)。この場合、画像形成装置1の制御部10は、印刷要求データに付されたアドレスの個数に基づき、中継回数を認識できる。
【0037】
また、印刷要求データに中継の最大回数値を含めておき、中継するとき、中継器3は、最大回数値を1減じてもよい。最大回数値の初期値は予め定められる。この場合、画像形成装置1の制御部10は、受信時の最大回数値と最大回数値の初期値との差に基づき、中継回数を認識できる。
【0038】
受信した印刷要求データに基づき、画像形成装置1の制御部10は中継回数を認識する(ステップ♯4)。制御部10は中継回数が上限値D1以上か否かを確認する(ステップ♯5)。上限値D1は予め定められる。各画像形成装置1の記憶部11(例えば、ストレージ)は上限値D1を不揮発的に記憶する(図2参照)。上限値D1は、印刷要求データを送信した情報処理装置2から、印刷要求データを受信した画像形成装置1までの距離が遠いか否かを判定するための値である。例えば、操作パネル12は上限値D1の設定を受け付ける。制御部10は、設定された上限値D1を用いて確認する。
【0039】
中継回数が上限値D1以上のとき(ステップ♯5のYes)、制御部10は、情報処理装置2に向けて、第1返答データを通信回路10cに返信させる(ステップ♯6)。宛先は、印刷要求データを送信した情報処理装置2である。例えば、情報処理装置2の処理部20は、自己のアドレスを発信者のアドレスとして、印刷要求データに含める。印刷要求データに基づき、制御部10は、印刷要求データを送信した情報処理装置2のアドレスを認識する。制御部10は、印刷要求データを送信した情報処理装置2のアドレスを宛先として含む第1返答データを生成する。
【0040】
第1返答データは中継回数が上限値D1以上であることを知らせるメッセージである。つまり、画像形成装置1までの距離が遠い可能性を、印刷要求データを送信した情報処理装置2に知らせるためのメッセージである。印刷要求データを送信した情報処理装置2(情報通信回路20c)は、第1返答データを受信する(ステップ♯7)。なお、制御部10は、認識した中継回数を第1返答データに含めてもよい。
【0041】
第1返答データを受信したとき、処理部20は第1返答データの受信時の処理を開始する。以後の処理は別図面を用いて後述するので、便宜上、図4では、ステップ♯7で本フローチャートは終了とする(エンド)。
【0042】
中継回数が上限値D1未満のとき(ステップ♯5のNo)、制御部10は、情報処理装置2に向けて、第2返答データを通信回路10cに返信させる(ステップ♯8)。宛先は、印刷要求データを送信した情報処理装置2である。制御部10は、宛先として、印刷要求データを送信した情報処理装置2のアドレスを含む第2返答データを生成する。
【0043】
第2返答データは、中継回数が上限値D1未満であることを知らせるメッセージである。つまり、画像形成装置1まで遠くないことを、印刷要求データを送信した情報処理装置2に知らせるためのメッセージである。印刷要求データを送信した情報処理装置2(情報通信回路20c)は、第2返答データを受信する(ステップ♯9)。なお、制御部10は、認識した中継回数を第2返答データに含めてもよい。
【0044】
第2返答データを受信した情報処理装置2の処理部20は、ドライバーソフトウェア5に基づく処理を行ってプリントジョブデータを生成する。そして、処理部20は、第2返答データを返信してきた(選択した、印刷要求データを送信した)画像形成装置1に向けて、生成したプリントジョブデータを通信回路10cに送信させる(ステップ♯10)。
【0045】
第2返答データを返信した画像形成装置1はプリントジョブデータを受信する。受信したプリントジョブデータに基づいて、画像形成装置1の制御部10は印刷部13に印刷させる(ステップ♯11→エンド)。
【0046】
(第1返答データを受信したときの処理)
次に、図5図8を用いて、実施形態に係る第1返答データを受信したときの情報処理装置2の処理の一例を説明する。図5は、実施形態に係る第1返答データを受信したときの情報処理装置2の処理の流れの一例を示す図である。図6は、実施形態に係る確認画面61の一例を示す図である。図7は、実施形態に係る検索結果画面62の一例を示す図である。図8は実施形態に係るインストール確認画面63の一例を示す図である。
【0047】
図5のスタートは、情報処理装置2が第1返答データを受信した時点である。まず、情報処理装置2の処理部20は、確認画面61をディスプレイ22に表示させる(ステップ♯21)。図6は確認画面61の一例を示す。確認画面61は、先に選択した(印刷要求データを送信した、第1返答データを返信してきた)画像形成装置1が遠い可能性を知らせるメッセージを含む。これにより、使用者は遠い画像形成装置1で印刷しようとしていることに気づくことができる。このとき、処理部20は、画像形成装置1が通知してきた中継回数も表示させてもよい。
【0048】
また、処理部20は確認画面61内に問い合わせ画像i1を含める。問い合わせ画像i1は、第1返答データを返信した画像形成装置1にプリントジョブデータを送信してよいかを確認するための画像である。問い合わせ画像i1は、YesボタンB1とNoボタンB2である。図6の例では、YesボタンB1は「印刷する」のテキストを含む。NoボタンB2は「印刷しない」のテキストを含む。会議が終わって座席に戻ろうとしているなど、第1返答データを返信した画像形成装置1に印刷させたい場合もある。第1返答データを返信した画像形成装置1に印刷をさせたいとき、使用者はYesボタンB1を操作する。別の画像形成装置1に印刷させたいとき、使用者はNoボタンB2を操作する。
【0049】
そして、処理部20は、第1返答データを返信した画像形成装置1にプリントジョブデータを送信してよいか否かを確認する(ステップ♯22)。具体的に、処理部20は、YesボタンB1とNoボタンB2のうち、何れが操作されたかを確認する。YesボタンB1が操作されたとき、処理部20は、入力デバイス23が送信してよい回答を受け付けたと判定する。NoボタンB2が操作されたとき、処理部20は、入力デバイス23が送信しない回答を受け付けたと判定する。
【0050】
入力デバイス23が送信してよい回答を受け付けたとき(ステップ♯22のYes)、処理部20は、プリントジョブデータを生成し、第1返答データを返信した画像形成装置1に向けて、生成したプリントジョブデータを送信する(ステップ♯23→エンド)。その結果、第1返答データを返信した画像形成装置1はプリントジョブデータを受信する。受信したプリントジョブデータに基づき、制御部10は、印刷部13に印刷させる。
【0051】
入力デバイス23が送信しない回答を受け付けたとき(ステップ♯22のNo)、処理部20は、自機が通信可能な画像形成装置1を検索する(ステップ♯24)。例えば、処理部20は、画像形成装置1への問い合わせをブロードキャストで送信してよい。また、処理部20は、情報記憶部21が記憶する検索用プログラムを実行して、通信可能な画像形成装置1を検索してもよい。例えば、検索用プログラムは、画像形成装置1を認識するためのネットワークのプロトコルのコマンドを実行するプログラムである。
【0052】
また、サーバーが、ネットワークに接続される各画像形成装置1の情報を記憶してもよい。画像形成装置1の情報は、例えば、名前、機種番号、アドレスのような情報を含む。この場合、処理部20はサーバーから各画像形成装置1の情報を取得する。取得した情報に基づき、処理部20は各画像形成装置1との通信を情報通信回路20cに試行させる。
【0053】
いずれにしても、処理部20は、ネットワークに接続された各画像形成装置1に向けて、情報通信回路20cに問い合わせを送信させる。問い合わせに応じて、各画像形成装置1の制御部10は、情報処理装置2に向けて、問い合わせに対する応答メッセージを通信回路10cに送信させる。受信した応答メッセージに基づき、処理部20は、通信可能な画像形成装置1を認識する。応答メッセージは、例えば、画像形成装置1の名前、アドレスのような情報を含む。
【0054】
画像形成装置1を認識するとき、処理部20は各画像形成装置1までの中継回数も認識する。例えば、中継するとき、中継器3は、情報処理装置2から画像形成装置1までの中継回数がわかるように、問い合わせのデータを加工してもよい。例えば、中継器3は、問い合わせに自分のアドレスを含めてもよい。また、問い合わせに中継の最大回数値を含めておき、中継するとき、中継器3は、最大回数値を1減じてもよい。画像形成装置1の制御部10は、問い合わせの中継回数を認識する。制御部10は応答メッセージに認識した中継回数を含めてもよい。
【0055】
例えば、応答メッセージを中継するとき、中継器3は、画像形成装置1から情報処理装置2までの中継回数がわかるように、応答メッセージを加工してもよい。例えば、中継器3は、応答メッセージに自分のアドレスを付してもよい。また、応答メッセージに中継の最大回数値を含めておき、中継するとき、中継器3は、最大回数値を1減じてもよい。そして、情報処理装置2の処理部20は、応答メッセージの中継回数を認識してもよい。
【0056】
そして、処理部20は、検索結果画面62をディスプレイ22に表示させる(ステップ♯25)。図7は検索結果画面62の一例を示す。処理部20は、通信可能な画像形成装置1の一覧表L1をディスプレイ22に表示させる。一覧表L1の1行に1台の画像形成装置1に関する情報が並べられる。例えば、名前、アドレス、認識した中継回数が並べられる。このように、処理部20は、ディスプレイ22に検索結果を表示させる。
【0057】
ここで、処理部20は、プルダウンメニューP1を検索結果画面62内に表示させる。プルダウンメニューP1により、中継回数を選ぶことができる。プルダウンメニューP1の右端の矩形(三角形を含む図形)が操作されたとき、処理部20は、選べる中継回数の一覧を、メニューとしてディスプレイ22に表示させる。
【0058】
図7では、中継回数として最小値が選択されている。この場合、処理部20は、画像形成装置1のうち、中継回数が最小値の画像形成装置1のみを一覧表L1に含める。このように、処理部20は、情報処理装置2と通信可能な画像形成装置1のうち、中継回数が最小の画像形成装置1のみを、検索結果としてディスプレイ22に表示させてもよい。
【0059】
また、プルダウンメニューP1では、数字を選択可能としてもよい。例えば、1、2のような数字を選択可能としてもよい。例えば、数字「2」が選択されたとき、処理部20は、情報処理装置2と通信可能な画像形成装置1のうち、中継回数が2回の画像形成装置1のみを、検索結果としてディスプレイ22に表示させる。
【0060】
図7に示すように、一覧表L1は指定ボタンB3を含んでもよい。1台の画像形成装置1につき、1つの指定ボタンB3が設けられる。指定ボタンB3を用いて、使用者は印刷させたい画像形成装置1を指定する。入力デバイス23は、指定ボタンB3への操作を、検索結果として表示された画像形成装置1を1つ指定する操作として受け付ける(ステップ♯26)。
【0061】
画像形成装置1が指定されたとき、処理部20は、指定された画像形成装置1から、位置メッセージD2と位置画像データD3を取得する(ステップ♯27)。各画像形成装置1の記憶部11(ストレージ)は、予め定められた位置メッセージD2と位置画像データD3を、不揮発的に記憶する。処理部20は、指定された画像形成装置1に向けて、位置メッセージD2と位置画像データD3の送信要求を通信回路10cに送信させる。この要求を受けて、画像形成装置1の制御部10は、情報処理装置2(情報)に向けて、位置メッセージD2と位置画像データD3を送信する。
【0062】
画像形成装置1ごとに、位置メッセージD2が予め定められる。位置メッセージD2は、自機(画像形成装置1)の設置位置(設置場所)を示す文字列である。例えば、「設置位置は2階、南東です。」のように、位置メッセージD2は、画像形成装置1の設置フロア、方角を組み合わせた文字列でもよい。また、「開発部のAさんの机の近くです。」のように、位置メッセージD2は、指定した画像形成装置1を探すための目印を示す文字列を含んでもよい。
【0063】
位置画像データD3は、自機の設置位置を示す地図の画像データである。位置画像データD3は、画像形成装置1の設置フロアの地図である。地図には、机、PC、扉、衝立、棚、窓のような部屋にあるものが描かれてもよい。また、地図には、画像形成装置1を示すマークが描かれてもよい。
【0064】
処理部20は、取得した位置メッセージD2と位置画像データD3をディスプレイ22に表示させる(ステップ♯28)。つまり、メッセージと地図が表示される。これにより、指定した画像形成装置1を使ったことがなくても、指定した画像形成装置1の場所がわかる。次に、処理部20は、指定した画像形成装置1のドライバーソフトウェア5がインストールされているか否かを確認する(ステップ♯29)。インストールされていないとき(ステップ♯29のNo)、処理部20は、インストール確認画面63をディスプレイ22に表示させる(ステップ♯210)。
【0065】
図8はインストール確認画面63の一例を示す。インストール確認画面63は、インストール実行ボタンB4とインストール不実行ボタンB5を含む。指定した画像形成装置1のドライバーソフトウェア5をインストールするとき、使用者はインストール実行ボタンB4を操作する。指定した画像形成装置1のドライバーソフトウェア5をインストールしないとき、使用者はインストール不実行ボタンB5を操作する。
【0066】
入力デバイス23は、インストール実行ボタンB4への操作を、インストールの開始指示として受け付ける。入力デバイス23は、インストール不実行ボタンB5への操作を、インストールを開始しない回答として受け付ける。処理部20は、インストールの開始指示がなされたか否か(ステップ♯211)、及び、インストールを開始しない回答がなされたか否かの確認を続ける(ステップ♯212、ステップ♯211がNo→ステップ♯212へ、ステップ♯212がNo→ステップ♯211に戻る。)。
【0067】
インストールを開始しない回答(選択)がなされたとき(インストール不実行ボタンB5が操作されたとき、ステップ♯212のYes)、処理部20は本フローチャートを終了する(エンド)。あるいは、再度、画像形成装置1を指定できるように、処理部20は、ステップ♯25を実行してもよい。
【0068】
インストールの開始指示がなされたとき(インストール実行ボタンB4が操作されたとき、ステップ♯211のYes)、処理部20はドライバーソフトウェア5のインストールを行う(ステップ♯213)。処理部20は、指定された画像形成装置1のドライバーソフトウェア5を情報通信回路20cに取得させる。処理部20は、取得したドライバーソフトウェア5を情報記憶部21(ストレージ)にインストールする。
【0069】
情報通信回路20cは、インターネットを用いて、指定された画像形成装置1のドライバーソフトウェア5をダウンロードしてもよい。また、サーバーが各画像形成装置1のドライバーソフトウェア5を記憶しておいてもよい。この場合、情報通信回路20cは、サーバーから指定された画像形成装置1のドライバーソフトウェア5をダウンロードする。
【0070】
ドライバーソフトウェア5が既にインストールされているとき(ステップ♯29のYes)、又は、新たなドライバーソフトウェア5をインストールしたとき(ステップ♯213)、処理部20はプリントジョブデータを生成し、指定された画像形成装置1に向けて、生成したプリントジョブデータを送信する(ステップ♯214→エンド)。その結果、指定された画像形成装置1はプリントジョブデータを受信する。受信したプリントジョブデータに基づき、指定された画像形成装置1の制御部10は、印刷部13に印刷させる。
【0071】
このようにして、実施形態に係る画像形成システム100は、情報処理装置2と、複数の画像形成装置1と、中継器3を含む。中継器3は、情報処理装置2と画像形成装置1の通信を中継して情報処理装置2とそれぞれの画像形成装置1を通信可能に接続する。情報処理装置2は、使う画像形成装置1の選択を受け付ける入力デバイス23を含む。印刷に用いるプリントジョブデータを送信する前に、情報処理装置2は、選択された画像形成装置1に向けて印刷要求データを送信する。印刷要求データを受信したとき、画像形成装置1は、情報処理装置2から画像形成装置1までに中継器3が中継した回数である中継回数を認識する。中継回数が予め定められた上限値D1以上のとき、画像形成装置1は、情報処理装置2に向けて、認識した中継回数が上限値D1以上であることを知らせる第1返答データを返信する。
【0072】
情報処理装置2と画像形成装置1の距離が遠いほど、情報処理装置2から送信したデータが画像形成装置1に到達するまでに経る中継器3の数は、多くなる。情報処理装置2と画像形成装置1の距離が遠いほど、通信路が長いためである。中継器3の数により、情報処理装置2と画像形成装置1の距離の長短を判断することができる。検知結果を画像形成装置1から情報処理装置2に知らせることができる。画像形成装置1からの通知に基づき、使用者は選択した画像形成装置1が離れていることに気づくことができる。遠く離れた画像形成装置1へのプリントジョブデータの送信を防ぐことができる。
【0073】
情報処理装置2は、ディスプレイ22を含む。第1返答データを受信したとき、情報処理装置2は自機が通信可能な画像形成装置1を検索する。情報処理装置2は、ディスプレイ22に検索結果を表示する。ネットワークに接続された画像形成装置1を確認することができる。代わりに用いる画像形成装置1の候補を示すことができる。位置的に近い画像形成装置1を気づかせることができる。
【0074】
情報処理装置2は、通信可能な画像形成装置1のうち、中継回数が最小の画像形成装置1のみを、検索結果としてディスプレイ22に表示する。中継回数が少なく、位置的に近い画像形成装置1のみを使用者に提示することができる。現在位置(移動先)からみて、近い画像形成装置1を使用者に知らせることができる。
【0075】
入力デバイス23は、検索結果として表示された画像形成装置1を1つ指定する操作を受け付ける。情報処理装置2は、指定された画像形成装置1から位置メッセージD2を取得する。情報処理装置2は、取得した位置メッセージD2をディスプレイ22に表示する。それぞれの画像形成装置1は、自機の設置位置を示す文字列を位置メッセージD2として記憶する。位置メッセージD2により、指定した画像形成装置1の位置を把握することができる。使用者はどこに印刷物を取りに行けばよいかがわかる。
【0076】
入力デバイス23は、検索結果として表示された画像形成装置1を1つ指定する操作を受け付ける。情報処理装置2は、指定された画像形成装置1から位置画像データD3を取得する。情報処理装置2は、取得した位置画像データD3に基づく画像をディスプレイ22に表示する。それぞれの画像形成装置1は、自機の設置位置を示す地図の画像データを位置画像データD3として記憶する。地図を見て、指定した画像形成装置1の位置を把握することができる。画像形成装置1はどこにあるかを確認することができる。使用者はどこに印刷物を取りに行けばよいかがわかる。
【0077】
指定された画像形成装置1のドライバーソフトウェア5がインストールされていないとき、情報処理装置2は、指定された画像形成装置1のドライバーソフトウェア5をインストールしてよいか否かを確認するためのインストール確認画面63をディスプレイ22に表示する。入力デバイス23がインストールの開始指示を受け付けたとき、情報処理装置2は、指定された画像形成装置1のドライバーソフトウェア5をインストールする。インストール後、情報処理装置2は、指定された画像形成装置1に向けて、プリントジョブデータを送信する。ドライバーソフトウェア5のインストールには、ある程度の時間がかかる。そして、指定した画像形成装置1を利用するためにドライバーソフトウェア5をインストールするか否かを選択することができる。使用者にとって不要なドライバーソフトウェア5を自動的にインストールすることを防ぐことができる。
【0078】
情報処理装置2はディスプレイ22を含む。第1返答データを受信したとき、情報処理装置2は第1返答データを返信した画像形成装置1にプリントジョブデータを送信してよいかを確認するための問い合わせ画像i1をディスプレイ22に表示する。入力デバイス23が送信してよい回答を受け付けたとき、情報処理装置2は、第1返答データを返信した画像形成装置1に向けて、プリントジョブデータを送信する。中継回数が多いと通知があった画像形成装置1にプリントジョブデータを送信することができる。中継回数が多い画像形成装置1での印刷を禁止しない。位置的に遠い画像形成装置1に印刷させることもできる。
【0079】
中継回数が上限値D1未満のとき、画像形成装置1は、情報処理装置2に向けて、中継回数が上限値D1未満であることを知らせる第2返答データを返信する。第2返答データを受信したとき、情報処理装置2は、第2返答データを返信した画像形成装置1に向けてプリントジョブデータを送信する。中継回数が上限値D1未満であり、遠いと認められないとき、最初に選んだ画像形成装置1で印刷を開始することができる。

【0080】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0081】
中継回数に基づいて近い画像形成装置1にプリントジョブデータを送信できるようにする画像形成システム100を説明した。中継回数をカウントせずに、現在位置(移動先)から近い画像形成装置1を認識してもよい。例えば、移動先のアクセスポイントを介して、情報処理装置2からサーバーに問い合わせデータを送信してもよい。この場合、情報処理装置2の処理部20は、使用しているアクセスポイント(無線機器)のアドレスを問い合わせデータに含める。サーバーは、アクセスポイントごとに、最寄りの画像形成装置1のアドレスを記憶する。サーバーは、問い合わせデータの返答として、アクセスポイントの最寄りの画像形成装置1のアドレスを情報処理装置2に返信する。情報処理装置2の処理部20は、返信されたアドレスの画像形成装置1に向けて、プリントジョブデータを情報通信部に送信させてもよい。このようにしても、移動先にいるときに最寄りの画像形成装置1に印刷出力することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、情報処理装置と画像形成装置を含む画像形成システムに使用可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 画像形成システム 1 画像形成装置
2 情報処理装置 22 ディスプレイ
23 入力デバイス 3 中継器
5 ドライバーソフトウェア 63 インストール確認画面
D1 上限値 D2 位置メッセージ
D3 位置画像データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8