(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】画像処理装置、課金処理実行方法および課金処理実行プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/34 20060101AFI20240123BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240123BHJP
H04N 1/21 20060101ALI20240123BHJP
G03G 21/02 20060101ALI20240123BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240123BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
H04N1/34 200
H04N1/00 912
H04N1/21
G03G21/02
G03G21/00 386
G03G21/14
(21)【出願番号】P 2020012980
(22)【出願日】2020-01-29
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】川村 勇司
(72)【発明者】
【氏名】河合 敦
(72)【発明者】
【氏名】村川 彰
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-222063(JP,A)
【文献】特開平08-079418(JP,A)
【文献】特開2005-062647(JP,A)
【文献】特開2010-278561(JP,A)
【文献】特開2013-021489(JP,A)
【文献】特開2000-238383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/32 - 1/36
1/42 - 1/44
H04N 1/00
H04N 1/21
G03G 15/00
15/36
21/00
21/02
21/14
21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取るごとに原稿を読み取って得られる画像データを出力する原稿読取手段と、
前記原稿読取手段が出力する前記画像データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に残された残容量を取得する残容量取得手段と、
前記原稿読取手段が出力する前記画像データのデータ量を読取データ量として予測するデータ量予測手段と、
前記原稿読取手段が原稿を読み取るごとに
、予測される前記読取データ量と取得される前記残容量
とに基づいて、前記原稿読取手段による原稿の読取を中断させる読取中断手段と、
前記原稿読取手段による原稿の読取が中断する場合に前記記憶手段に記憶された前記画像データに対する処理の対価を要求する対価要求手段と、
前記原稿読取手段による原稿の読取が中断した後に前記対価が回収されたことが確認されることに応じて前記記憶手段に記憶された前記画像データに対して処理を実行する処理実行手段と、を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記対価要求手段は、前記記憶手段に記憶された前記画像データに対して、前記処理実行手段により
ユーザーにより入力される処理条件に従って実行される予定の処理に対して定まる対価の額を表示する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記対価要求手段は、
前記画像データに対する処理の対価として予め定められた額を表示する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
原稿を読み取るごとに原稿を読み取って得られる画像データを出力する原稿読取手段と、
前記原稿読取手段が出力する前記画像データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に残された残容量を取得する残容量取得手段と、
前記原稿読取手段が出力する前記画像データのデータ量を読取データ量として予測するデータ量予測手段と、
前記原稿読取手段が原稿を読み取るごとに、予測される前記読取データ量と取得される前記残容量とに基づいて、前記原稿読取手段による原稿の読取を中断させる読取中断手段と、
前記記憶手段に記憶された前記画像データに対する処理の対価を要求する対価要求手段と、
前記対価が回収されたことが確認されることに応じて前記記憶手段に記憶された前記画像データの画像を記録媒体に形成する画像形成処理を実行する処理実行手段と、 前記処理実行手段により画像が形成された記録媒体を積載された状態で保持する保持手段
とを、備え、
前記対価要求手段は、前記保持手段により保持可能な記録媒体の枚数に基づいて予め定められた額を決定
し、前記予め定められた額を表示する
、画像処理装置。
【請求項5】
前記処理実行手段により前記処理が実行されるごとに、ユーザーにより支払われた額とユーザーによる支払後に実行された前記処理に対して定まる対価の額とに基づいて、残金を算出する残金算出手段を、さらに備え、
前記残金に基づいて、前記処理実行手段による前記処理の実行を中断させる処理中断手段と、をさらに備えた請求項3または4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記処理実行手段による前記処理の実行が中断した後に前記予め定められた額が新たに支払われたことが確認されることに応じて前記処理実行手段による前記処理の実行を再開させる処理再開手段と、をさらに備えた請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記処理実行手段が前記処理を実行した前記画像データを前記記憶手段から消去する消去手段と、
前記画像データが消去された後に取得される前記残容量に基づいて、前記原稿読取手段による原稿の読取を再開させる読取再開手段と、をさらに備えた請求項1~6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記原稿読取手段が原稿を読み取る読取条件を設定する読取条件設定手段
を、さらに備え、
前記データ量予測手段は、受け付けられた前記読取条件に基づいて、
前記読取データ量を予測する、請求項1~7のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記データ量予測手段は、前記原稿読取手段が原稿を読み取って出力
する前記画像データが前記記憶手段に記憶された容量に基づいて、前記原稿読取手段が次の原稿を読み取って出力す
る画像データのデータ量を予測する
、請求項1~7のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記原稿読取手段が原稿を読み取る読取条件を設定する読取条件設定手段と、
前記処理実行手段が前記処理を実行する処理条件を設定する処理条件設定手段と、
前記読取中断手段により中断された後は、読取の中断前に設定されている前記読取条件および前記処理条件の変更を禁止する設定禁止手段と、をさらに備えた請求項1~7のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
画像処理装置で実行される課金処理実行方法であって、
前記画像処理装置は、原稿を読み取るごとに原稿を読み取って得られる画像データを出力する原稿読取手段と、
前記原稿読取手段が出力する前記画像データを記憶する記憶手段と、を備え、
前記記憶手段に残された残容量を取得する残容量取得ステップと、
前記原稿読取手段が出力する前記画像データのデータ量を読取データ量として予測する予測ステップと、
前記原稿読取手段が原稿を読み取るごとに
、予測される前記読取データ量と取得される前記残容量
とに基づいて、前記原稿読取手段による原稿の読取を中断させる読取中断ステップと、
前記原稿読取手段による原稿の読取が中断する場合に前記記憶手段に記憶された前記画像データに対する処理の対価を要求する対価要求ステップと、
前記原稿読取手段による原稿の読取が中断した後に前記対価が回収されたことが確認されることに応じて前記記憶手段に記憶された前記画像データに対して処理を実行する処理実行ステップと、を実行させる課金処理実行方法。
【請求項12】
画像処理装置を制御するコンピューターで実行される課金処理実行プログラムであって、
前記画像処理装置は、原稿を読み取るごとに原稿を読み取って得られる画像データを出力する原稿読取手段と、
前記原稿読取手段が出力する前記画像データを記憶する記憶手段と、を備え、
前記記憶手段に残された残容量を取得する残容量取得ステップと、
前記原稿読取手段が出力する前記画像データのデータ量を読取データ量として予測する予測ステップと、
前記原稿読取手段が原稿を読み取るごとに
、予測される前記読取データ量と取得される前記残容量
とに基づいて、前記原稿読取手段による原稿の読取を中断させる読取中断ステップと、
前記原稿読取手段による原稿の読取が中断する場合に前記記憶手段に記憶された前記画像データに対する処理の対価を要求する対価要求ステップと、
前記原稿読取手段による原稿の読取が中断した後に前記対価が回収されたことが確認されることに応じて前記記憶手段に記憶された前記画像データに対して処理を実行する処理実行ステップと、を前記コンピューターに実行させる課金処理実行プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置、課金処理実行方法および課金処理実行プログラムに関し、特に、対価の支払いを条件に処理を実行する画像処理装置、その画像処理装置で実行される課金処理実行方法およびその課金処理実行方法を画像処理装置を制御するコンピューターに実行させる課金処理実行プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)で代表される画像形成装置により実行される処理に課金するサービスが知られている。このサービスにおいては、画像形成装置により実行される予定の処理の対価が回収された後に画像形成装置が予定された処理を実行する。
【0003】
例えば、特開2010-124279号公報には、画像データを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された画像データを出力する出力手段と、出力手段によって画像データを出力するために必要な所定の金額を課金する課金手段と、課金手段によって所定の金額を課金できる場合に、記憶手段に記憶された画像データを出力手段によって出力するよう制御する制御手段とを有し、制御手段は、所定の金額を課金できない場合に、記憶手段に記憶された画像データを、出力手段により出力することなく、記憶手段に保持させ、画像データが記憶手段に保持させた状態で、当該画像データとは別の画像データの出力要求を受付け、当該出力要求によって当該別の画像データの出力を行うよう制御することを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【0004】
しかしながら、画像形成装置が有する記憶手段の空き容量には上限があるので、記憶手段に画像データを記憶するために十分な容量を確保することができない場合がある。例えば、画像形成装置に原稿を読み取って得られる画像データを印刷するコピー処理を実行させる場合であって、原稿の枚数が多い場合や、原稿を読み取る解像度が高い場合は、画像データのデータ量が大きくなるので、画像形成装置に複数の原稿のすべてを読み取らせる前に記憶手段の空き容量が不足する場合がある。複写処理の対価は画像形成装置が画像を形成する用紙の枚数により定まるので、画像形成装置により複数の原稿のすべてが読み取られた後でなければ画像を形成する用紙の枚数が決定されず、対価が決定されない。このため、特開2010-124279号公報に記載の画像形成装置においては、記憶手段に画像データを記憶するために十分な容量を確保できない場合は課金することができず、その結果、画像データを出力することができないといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、複数の原稿に対する処理に課金しつつ処理を実行することが可能な画像処理装置を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、複数の原稿に対する処理に課金しつつ処理を実行することが可能な課金処理実行方法を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、複数の原稿に対する処理に課金しつつ処理を実行することが可能な課金処理実行プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面によれば、画像処理装置は、原稿を読み取るごとに原稿を読み取って得られる画像データを出力する原稿読取手段と、原稿読取手段が出力する画像データを記憶する記憶手段と、記憶手段に残された残容量を取得する残容量取得手段と、原稿読取手段が出力する画像データのデータ量を読取データ量として予測するデータ量予測手段と、原稿読取手段が原稿を読み取るごとに、予測される読取データ量と取得される残容量とに基づいて、原稿読取手段による原稿の読取を中断させる読取中断手段と、原稿読取手段による原稿の読取が中断する場合に記憶手段に記憶された画像データに対する処理の対価を要求する対価要求手段と、原稿読取手段による原稿の読取が中断した後に対価が回収されたことが確認されることに応じて記憶手段に記憶された画像データに対して処理を実行する処理実行手段と、を備える。
【0010】
この局面に従えば、原稿が読み取られるごとに予測される読取データ量と記憶手段に残された残容量とに基づいて原稿の読取が中断され、記憶手段に記憶された画像データに対する処理の対価が回収されたことが確認されることに応じて記憶手段に記憶された画像データに対して処理が実行される。このため、原稿のすべてを読み取るための記憶容量が残されていない場合であっても、読み取られた原稿に対する処理が実行される。その結果、複数の原稿に対する処理に課金しつつ処理を実行することが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0011】
好ましくは、対価要求手段は、記憶手段に記憶された画像データに対して処理実行手段によりユーザーにより入力される処理条件に従って実行される予定の処理に対して定まる対価の額を表示する。
【0012】
この局面に従えば、記憶手段に記憶された画像データに対して実行される処理に対して定まる対価の額が表示されるので、処理に対する対価をユーザーに要求できる。
【0013】
好ましくは、対価要求手段は、画像データに対する処理の対価として予め定められた額を表示する。
【0014】
この発明の他の局面によれば、画像処理装置は、原稿を読み取るごとに原稿を読み取って得られる画像データを出力する原稿読取手段と、原稿読取手段が出力する画像データを記憶する記憶手段と、記憶手段に残された残容量を取得する残容量取得手段と、原稿読取手段が出力する画像データのデータ量を読取データ量として予測するデータ量予測手段と、原稿読取手段が原稿を読み取るごとに、予測される読取データ量と取得される残容量とに基づいて、原稿読取手段による原稿の読取を中断させる読取中断手段と、記憶手段に記憶された画像データに対する処理の対価を要求する対価要求手段と、対価が回収されたことが確認されることに応じて記憶手段に記憶された画像データの画像を記録媒体に形成する画像形成処理を実行する処理実行手段と、処理実行手段により画像が形成された記録媒体を積載された状態で保持する保持手段と、を備え、対価要求手段は、保持手段により保持可能な記録媒体の枚数に基づいて予め定められた額を決定し、予め定められた額を表示する。
【0015】
この局面に従えば、予め定められた額を、画像処理装置が画像形成可能な範囲内で定めることができる。
【0016】
好ましくは、処理実行手段により処理が実行されるごとに、ユーザーにより支払われた額とユーザーによる支払後に実行された処理に対して定まる対価の額とに基づいて、残金を算出する残金算出手段を、さらに備え、残金に基づいて、処理実行手段による処理の実行を中断させる処理中断手段と、をさらに備える。
【0017】
この局面に従えば、処理が実行されるごとに残金が算出され、残金に基づいて、処理の実行が中断される。このため、処理が実行される前に対価を回収することができる。
【0018】
好ましくは、処理実行手段による処理の実行が中断した後に予め定められた額が新たに支払われたことが確認されることに応じて処理実行手段による処理の実行を再開させる処理再開手段と、をさらに備える。
【0019】
この局面に従えば、処理の実行が中断した後に予め定められた額の対価がユーザーにより新たに支払われたことが確認されることに応じて処理の実行が再開されるので、最後の原稿に対する処理まで実行することができる。
【0020】
好ましくは、処理実行手段が処理を実行した画像データを記憶手段から消去する消去手段と、画像データが消去された後に取得される残容量に基づいて、原稿読取手段による原稿の読取を再開させる読取再開手段と、をさらに備える。
【0021】
この局面に従えば、処理が実行された画像データが消去された後に取得される残容量に基づいて、原稿の読取が再開されるので、原稿を最後まで読み取ることができる。
【0022】
好ましくは、原稿読取手段が原稿を読み取る読取条件を設定する読取条件設定手段を、さらに備え、データ量予測手段、受け付けられた読取条件に基づいて、読取データ量を予測する。
【0023】
この局面に従えば、原稿を読み取る読取条件に基づいて、次の原稿が読み取られて出力される画像データのデータ量が予測される。このため、原稿を読み取る前に残容量を予測することができる。
【0024】
好ましくは、データ量予測手段は、原稿読取手段が原稿を読み取って出力する画像データが記憶手段に記憶された容量に基づいて、原稿読取手段が次の原稿を読み取って出力する画像データのデータ量を予測する。
【0025】
この局面に従えば、原稿が読み取られて出力される画像データが記憶された容量に基づいて、次の原稿が読み取られて出力される画像データのデータ量が予測される。このため、原稿を読み取る前に残容量を予測することができる。
【0026】
好ましくは、原稿読取手段が原稿を読み取る読取条件を設定する読取条件設定手段と、処理実行手段が処理を実行する処理条件を設定する処理条件設定手段と、読取中断手段により中断された後は、読取の中断前に設定されている読取条件および処理条件の変更を禁止する設定禁止手段と、をさらに備える。
【0027】
この局面に従えば、処理の実行が中断された後は、読取の中断前に設定されている読取条件および処理条件の変更が禁止されるので、中断前と中断後とで同じ読取条件で原稿が読取られ、同じ処理条件で処理が実行される。このため、中断の前後で同じ処理を実行することができる。
【0028】
この発明の他の局面によれば、課金処理実行方法は、画像処理装置で実行される課金処理実行方法であって、画像処理装置は、原稿を読み取るごとに原稿を読み取って得られる画像データを出力する原稿読取手段と、原稿読取手段が出力する画像データを記憶する記憶手段と、を備え、記憶手段に残された残容量を取得する残容量取得ステップと、原稿読取手段が出力する画像データのデータ量を読取データ量として予測する予測ステップと、原稿読取手段が原稿を読み取るごとに、予測される読取データ量と取得される残容量とに基づいて、原稿読取手段による原稿の読取を中断させる読取中断ステップと、原稿読取手段による原稿の読取が中断する場合に記憶手段に記憶された画像データに対する処理の対価を要求する対価要求ステップと、原稿読取手段による原稿の読取が中断した後に対価が回収されたことが確認されることに応じて記憶手段に記憶された画像データに対して処理を実行する処理実行ステップと、を実行させる。
【0029】
この局面に従えば、複数の原稿に対する処理に課金しつつ処理を実行することが可能な課金処理実行方法を提供することができる。
【0030】
この発明のさらに他の局面によれば、課金処理実行プログラムは、画像処理装置を制御するコンピューターで実行される課金処理実行プログラムであって、画像処理装置は、原稿を読み取るごとに原稿を読み取って得られる画像データを出力する原稿読取手段と、原稿読取手段が出力する画像データを記憶する記憶手段と、を備え、記憶手段に残された残容量を取得する残容量取得ステップと、原稿読取手段が出力する画像データのデータ量を読取データ量として予測する予測ステップと、原稿読取手段が原稿を読み取るごとに、予測される読取データ量と取得される残容量とに基づいて、原稿読取手段による原稿の読取を中断させる読取中断ステップと、原稿読取手段による原稿の読取が中断する場合に記憶手段に記憶された画像データに対する処理の対価を要求する対価要求ステップと、原稿読取手段による原稿の読取が中断した後に対価が回収されたことが確認されることに応じて記憶手段に記憶された画像データに対して処理を実行する処理実行ステップと、をコンピューターに実行させる。
【0031】
この局面に従えば、複数の原稿に対する処理に課金しつつ処理を実行することが可能な課金処理実行プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の実施の形態の1つにおけるサービス提供システムの全体概要を示す図である。
【
図2】電子決済システムにおける情報の流れの一例を示す図である。
【
図4】MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【
図5】MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【
図6】最大データ量テーブルの一例を示す図である。
【
図10】読取制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】ジョブ実行制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】残金返金処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】メモリ占有テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるサービス提供システムの全体概要を示す図である。
図1を参照して、サービス提供システム1は、MFP(Multi Function Peripheral)100と、携帯情報装置200と、課金サーバー300と、を含む。MFP100は、画像処理装置の一例である。携帯情報装置200は、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)など、ユーザーが携帯して使用する可搬型のコンピューターである。本実施の形態において、携帯情報装置200を、スマートフォンとしている。課金サーバー300は、一般的なコンピューターであり、電子決済取引を実行するコンピューターの一例である。
【0035】
MFP100は、LAN(ローカルエリアネットワーク)3に接続されており、LAN3はインターネット5に接続される。このため、MFP100は、インターネット5に接続された課金サーバー300と通信することができる。
【0036】
本実施の形態におけるMFP100は、実行する処理に対して課金し、対価の支払いを条件に処理を実行する。例えば、MFP100は、原稿を読み取って得られる画像データを印刷するコピー処理を実行する場合に、課金する。具体的には、MFP100は、コピー処理に対して定まる対価が回収されることを条件に処理を実行する。
【0037】
本実施の形態において、MFP100が処理の対価を回収する方法として電子決済システムを用いる。例えば、MFP100および携帯情報装置200それぞれが課金サーバー300に登録されている。MFP100に対する口座と携帯情報装置200に対する口座とが課金サーバー300に登録されており、携帯情報装置200が課金サーバー300にMFP100に対する口座への支払いを指示することにより、課金サーバー300が、携帯情報装置200に対する口座からMFP100に対する口座に要求された金額を送金する処理を実行する。携帯情報装置200は、支払いに関する支払情報をMFP100から取得する。支払情報は、例えば、MFP100を特定する情報と支払額とを含む。具体的には、MFP100が、支払情報を示す2次元コードを含む支払要求画面を操作パネルに表示し、携帯情報装置200がカメラでその2次元コードを読み取ることにより、携帯情報装置200が支払情報を取得する。
【0038】
図2は、電子決済システムにおける情報の流れの一例を示す図である。
図2を参照して、ユーザーがMFP100にコピー処理の対象となる原稿をセットし、スタートキーを押下すると、MFP100は、原稿を読み取って画像データを一時的に記憶する。そして、MFP100は、記憶された画像データの画像を用紙に形成する処理の対価の額として請求額を算出し、請求額の支払いを要求する支払情報を示す2次元コードの画像を含む支払要求画面を操作パネルに表示する。
【0039】
ユーザーが携帯情報装置200を操作して、携帯情報装置200が備えるカメラに2次元コードの画像を読み取らせる。携帯情報装置200には、課金サーバー300が提供する電子決済サービスの提供を受けるために定められたアプリケーションプログラムが予めインストールされており、課金サーバー300に支払いを依頼する支払依頼コマンドを送信する。支払依頼コマンドは、カメラによって読み取られた2次元コードで示される支払情報と、送金を指示するための指令と、を含む。送金を指示するための指令は、例えば、携帯情報装置200に対して予め定められた口座の情報と、その口座の持ち主であることを示す認証情報と、を含む。認証情報は、口座を管理する機関に、携帯情報装置200のユーザーが予め通知する情報であり、例えば、パスワードである。
【0040】
課金サーバー300は、支払処理を実行する。具体的には、支払情報に従って、支払依頼コマンドを送信してきた携帯情報装置200に対応する口座から支払情報で送金先として示されるMFP100に対応する口座に支払情報で示される支払額が送金される。課金サーバー300は、送金処理が完了することに応じて、支払いが完了したことをMFP100に通知する。
【0041】
MFP100は、支払いが完了したことの通知を受け付けることに応じて、記憶された画像データの画像を用紙に形成する。
【0042】
なお、携帯情報装置200が引き落とし情報をMFP100に通知し、MFP100が課金サーバー300に携帯情報装置200の口座からMFP100の口座に支払額の送金を依頼してもよい。また、電子決済システムは、これらに限定されるものではない。
【0043】
さらに、MFP100が処理の対価を回収する方法として電子決済システムを用いる例を示すが、これに限定されることなく、MFP100にコインベンダーが接続されてもよい。
【0044】
図3は、MFPの外観の一例を示す斜視図である。
図3を参照して、MFP100は、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0045】
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ127上に排出する。
【0046】
原稿読取部130は、光を照射する光源と、光を受光する光電変換素子とを含み、読取面に載置された原稿に形成されている画像を走査する。読取領域に原稿が載置されている場合、光源から照射された光は原稿で反射し、反射した光が光電変換素子で結像する。光電変換素子は、原稿で反射した光を受光すると、受光した光を電気信号に変換した画像データを生成する。
【0047】
給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成し、画像を形成した用紙を排紙トレイ155に排出する。
【0048】
図4は、MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図4を参照して、MFP100は、メイン回路110を含む。メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、通信I/F部112、ROM113、RAM114、HDD115、ファクシミリ部116、外部記憶装置117、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0049】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0050】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0051】
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、静電容量方式である。なお、タッチパネル165は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
【0052】
タッチパネル165は、その検出面が表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル165の検出面のサイズと、表示部161の表示面のサイズとを同じにしている。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル165は、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル165が出力する座標を、表示面の座標に置き換えることができる。
【0053】
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。
【0054】
通信I/F部112は、LAN3にMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、LAN3またはインターネット5に接続された他のコンピューターと通信する。なお、LAN3は、有線または無線を問わない。また、通信I/F部112は、LAN3に限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット5に接続されてもよい。
【0055】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0056】
外部記憶装置117は、CPU111により制御され、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)118、またはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置117を制御して、CD-ROM118からCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0057】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM118に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がLAN3またはインターネット5に接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、LAN3またはインターネット5に接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0058】
図5は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図5に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD-ROM118に記憶された課金処理実行プログラムを実行することにより、CPU111に実現される機能である。
【0059】
図5を参照して、CPU111は、読取制御部51と、記憶制御部53と、処理実行部55と、対価要求部57と、回収部59と、残金算出部61と、を含む。読取制御部51は、自動原稿搬送装置120および原稿読取部130を制御して、原稿トレイ125上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ原稿読取部130に読み取らせる。原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データは、RAM114に記憶される。
【0060】
読取制御部51は、読取条件設定部63と、データ量予測部65と、読取中断部67と、読取再開部69と、を含む。読取条件設定部63は、ユーザーが操作部163に入力する操作に従って、読取条件を設定する。読取条件は、原稿読取部130に原稿を読み取らせる条件である。読取条件は、例えば、原稿のサイズ、読取モード、解像度を含む。読取モードは、原稿をカラーで読み取るカラーモードと、モノクロで読み取るモノクロモードとを含む。カラーモードで読み取って得られる画像データは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)それぞれの明度を表すラスターデータで構成される。モノクロモードで読み取って得られる画像データは黒の明度を表すラスターデータで構成される。
【0061】
データ量予測部65は、読取条件に従って、原稿を読み取って得られる画像データがRAM114に記憶される際のデータ量を読取データ量として予測する。データ量予測部65は、読取データ量を読取中断部67および読取再開部69に出力する。例えば、データ量予測部65は、最大データ量テーブルを用いて、読取データ量を予測する。
【0062】
図6は、最大データ量テーブルの一例を示す図である。
図6を参照して、最大データ量テーブルは、原稿のサイズ別および読取モード別にデータ量の最大値が予め定められる。例えば、原稿のサイズがA3で読取モードがカラーモードの場合のデータ量の最大値をX1として示している。
【0063】
図5に戻って、データ量予測部65は、最大データ量テーブルを参照して、次に読み取る原稿に対する読取条件に含まれる原稿のサイズと読取モードとに基づいて、データ量の最大値を、読取データ量に決定する。
【0064】
なお、データ量予測部65は、最大データ量テーブルに代えて、読取条件に基づいて、予め定められた演算式を用いて、読取データ量を予測してもよい。演算式は、例えば、読取条件の原稿のサイズおよび解像度を変数として含み、読取モードにより定まる定数を含む。読取データ量は、原稿のサイズおよび解像度に比例する。また、読取データ量は、読取モードがカラーモードの場合よりもモノクロモードの場合の方が大きい。
【0065】
記憶制御部53は、RAM114を制御する。記憶制御部53は、消去部71と、残容量取得部73とを含む。残容量取得部73は、RAM114に残された残容量を取得する。残容量は、RAM114の空き領域の容量を示す値である。空き領域は、データを記憶することが可能な領域である。残容量取得部73は、残容量を読取中断部67および読取再開部69に出力する。消去部71は、後述する処理実行部55により処理が実行された画像データをRAM114から消去する。消去部71により画像データが消去されるとRAM114の残容量が増加する。一方、RAM114に原稿読取部130によって画像データが記憶されるとRAM114の残容量が減少する。残容量取得部73は、RAM114に画像データが記憶されることに応じて残容量を取得し、RAM114に記憶されている画像データが消去されることに応じて残容量を取得する。
【0066】
読取中断部67は、残容量取得部73から入力される残容量とデータ量予測部65から入力される読取データ量とに基づいて、原稿読取部130による原稿の読取を中断させる。具体的には、読取データ量が残容量よりも大きい場合に、原稿読取部130による原稿の読取を中断させる。読取中断部67は、原稿の読取を中断させることに応じて、対価要求部57および読取再開部69に原稿の読取を中断させたことを示す読取中断信号を出力する。
【0067】
読取再開部69は、読取中断部67により原稿読取部130による原稿の読取を中断された後に原稿読取部130による原稿の読取を再開させる。読取再開部69は、読取中断信号が入力された後に、残容量取得部73から入力される残容量とデータ量予測部65から入力される読取データ量とに基づいて、原稿読取部130による原稿の読取を再開させる。具体的には、読取再開部69は、読取データ量が残容量以下の場合に、原稿読取部130による原稿の読取を再開させる。
【0068】
処理実行部55は、画像形成部140および給紙部150を制御して、RAM114に記憶された画像データの画像を用紙に形成させる。処理実行部55は、処理条件設定部75と、処理中断部77と、処理再開部79と、を含む。処理条件設定部75は、ユーザーが操作部163に入力する操作に従って、処理条件を設定する。処理条件は、画像形成部140が用紙に画像を形成する条件である。処理条件は、例えば、用紙のサイズ、画像形成モードを含む。画像形成モードは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのトナーで用紙に画像を形成するカラーモードと、ブラックのトナーで用紙に画像を形成するモノクロモードとを含む。処理条件設定部75は、設定された処理条件を処理中断部77および対価要求部57に出力する。
【0069】
処理中断部77は、処理条件と後述する残金算出部61から入力される残金とに基づいて、画像形成部140による画像データの画像を用紙に形成させる画像形成処理の実行を中断させる。具体的には、処理中断部77は、課金テーブルを参照して、処理条件に従って実行される予定の画像形成処理の対価を決定する。
【0070】
図7は、課金テーブルの一例を示す図である。
図7を参照して、課金テーブルは、処理条件の組み合わせ別に対価を定める。例えば、画像形成モードがカラーで用紙サイズがA3の処理条件の組に対して100円の対価を定め、画像形成モードがカラーで用紙サイズがA4、B4、A5,B5のいずれかの処理条件の組に対して50円の対価を定め、画像形成モードがモノクロで用紙サイズがA3の処理条件の組に対して20円の対価を定め、画像形成モードがモノクロで用紙サイズがA4、B4、A5,B5のいずれかの処理条件の組に対して10円の対価を定める。
【0071】
図5に戻って、処理中断部77は、処理条件に従った画像形成処理の対価と残金とに基づいて、画像形成処理の実行を中断させる。具体的には、処理中断部77は、処理条件に従った画像形成処理の対価が残金よりも大きい場合に、画像形成処理の実行を中断させる。処理中断部77は、画像形成処理の実行を中断させることに応じて、対価要求部57および処理再開部79に画像形成処理の実行を中断させたことを示す処理中断信号を出力する。
【0072】
処理再開部79は、処理中断部77により画像形成処理の実行が中断された後に画像形成処理の実行を再開させる。処理再開部79は、処理中断信号が入力された後に、課金テーブルを参照して、処理条件に従った画像形成処理の対価を決定する。処理再開部79は、処理条件に従った画像形成処理の対価と残金算出部61から入力される残金とに基づいて、画像形成処理の実行を再開させる。具体的には、処理再開部79は、処理条件に従った画像形成処理の対価が残金以下の場合に、原稿読取部130による原稿の読取を再開させる。
【0073】
対価要求部57は、処理条件に従った画像形成処理の対価に相当する額を請求額とし、請求額の支払いをユーザーに要求する。対価要求部57は、読取中断部67から読取中断信号が入力されることに応じて、または、処理中断部77から処理中断信号が入力されることに応じて、請求額の支払いをユーザーに要求する。また、対価要求部57は、読取制御部51により原稿の読取が完了することに応じて、請求額の支払いをユーザーに要求する。対価要求部57は、都度要求部81と、定額要求部83と、を含む。都度要求部81および定額要求部83は、要求モードによっていずれか一方が有効となる。要求モードは、予めユーザーにより設定される。要求モードは、対価要求部57を有効にする都度要求モードと、定額要求部83を有効にする定額要求モードと、を含む。
【0074】
都度要求部81は、RAM114に記憶された画像データに対する処理条件に従った画像形成処理に対する対価を算出する。RAM114に複数の原稿にそれぞれ対する複数の画像データが記憶されている場合には、都度要求部81は、複数の画像データのすべてに対する画像形成処理に対する対価の総額を算出する。都度要求部81は、算出された対価の総額から残金を減算した額を請求額とし、請求額の支払いを要求する支払情報を生成する。残金は、ユーザーがスタートキーを押下する前はゼロである。都度要求部81は、請求額と、支払情報を示す2次元コードとを含む支払要求画面を表示部161に表示するとともに、支払情報を回収部59に出力する。
【0075】
図8は、支払要求画面の一例を示す図である。
図8を参照して、支払要求画面500は、支払い情報を示す2次元コード501を含む。また、支払要求画面500は、請求額を表示する領域503を含む。ここでは、請求額が1000円の場合を例に示している。このため、ユーザーは、支払要求画面500を見て、請求額を確認することができる。携帯情報装置200を操作するユーザーは、携帯情報装置200が有するカメラに、2次元コード501を撮像させることにより、携帯情報装置200により2次元コード501の画像が取得される。携帯情報装置200は、2次元コード501の画像を解析することにより支払情報を取得する。そして、携帯情報装置200は、支払情報に従って、課金サーバー300に支払いを依頼する支払依頼コマンドを送信する。これにより、上述したように課金サーバー300により支払情報で示されるMFP100に割り当てられた口座に携帯情報装置200のユーザーに割り当てられた口座から支払額が送金され、その後、支払いが完了したことがMFP100に通知される。
【0076】
図5に戻って、定額要求部83は、予め定められた額を請求額とし、請求額の支払いを要求する支払情報を生成する。定額要求部83は、請求額と、支払情報を示す2次元コードと含む支払要求画面を表示部161に表示するとともに、支払情報を回収部59に出力する。
【0077】
定額要求部83は、排紙トレイ155に積載可能な最大積載枚数に基づいて、請求額を決定する。定額要求部83は、HDD115に記憶された最大積載テーブルを用いて最大積載枚数を決定する。
【0078】
図9は、最大積載テーブルの一例を示す図である。
図9を参照して、最大積載テーブルは、排紙トレイ155の種類ごとに最大積載枚数を定める。
【0079】
図5に戻って、定額要求部83は、最大積載テーブルを用いて、MFP100に搭載されている排紙トレイ155の種類に対応する最大積載枚数を取得する。そして、定額要求部83は、最大積載枚数の用紙に画像を形成する処理の対価の最大値を乗算した値を請求額に決定する。処理の対価の最大値は、
図6に示した最大データ量テーブルを用いて決定される。これにより、請求額に対する額がユーザーにより支払われた場合に、ユーザーにより支払われた額で画像形成されても排紙トレイ155に積載される用紙の枚数が最大積載枚数を超えないようにできる。なお、定額要求部83は、最大積載枚数の用紙に画像を形成する処理の対価の最大値を乗算した値を所定の桁で切り捨てた値を請求額に決定してもよい。
【0080】
回収部59は、支払情報が入力されることに応じて、課金サーバー300と通信し、支払情報に対する支払い完了通知を受け付ける。支払い完了通知は、支払額を含む。支払額は請求額と同額である。回収部59は、支払い完了通知を受け付けることに応じて、残金算出部61に支払額を出力する。
【0081】
残金算出部61は、残金を算出する。具体的には、残金算出部61は、回収部59から入力される支払額と、処理実行部55により実行される予定の画像形成処理の対価の額とから残金を算出する。具体的には、残金算出部61は、回収部59から支払額が入力されることに応じて残金に支払額を加算し、画像形成処理が実行されるごとに残金から対価の額を減算する。
【0082】
図10は、読取制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。読取制御処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD-ROM118に記憶された読取制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。読取制御プログラムは、課金処理実行プログラムの一部である。
【0083】
図10を参照して、MFP100が備えるCPU111は、ジョブが設定され(ステップS01)、処理はステップS02に進む。ユーザーが操作部163に入力する操作に従って、読取条件および処理条件が設定される。具体的には、ユーザーが操作部163に操作を入力しない場合には、デフォルトで定められた読取条件および処理条件が設定され、ユーザーが操作部163に入力する操作に従って、デフォルトで定められた読取条件および処理条件が変更される。
【0084】
ステップS02においては、操作部163のハードキー部167に含まれるスタートキーが押下されたか否かが判断される。スタートキーが押下されたならば処理はステップS03に進むが、そうでなければ処理はステップS01に戻る。
【0085】
ステップS03においては、処理中フラグがONに設定され、処理はステップS04に進む。処理中フラグは、ジョブを実行する処理が継続中であることを示すフラグであり、ジョブが開始されてから終了するまでの間にONに設定され、ジョブが終了するとOFFに設定される。
【0086】
ステップS04においては、エラーフラグがONに設定されているか否かが判断される。エラーフラグがONに設定されているならば処理は終了するが、そうでなければ処理はステップS05に進む。エラーフラグは、MFP100の状態を示し、MFP100においてエラーが発生する場合にONに設定され、エラーが発生していない場合にOFFに設定される。エラーフラグは、後述するジョブ実行制御処理により設定される。
【0087】
ステップS05においては、読取データ量が予測され、処理はステップS06に進む。読取条件に従って、原稿を読み取って得られる画像データのデータ量が読取データ量として予測される。読取条件である原稿のサイズ、読取モードに基づいて、読取データ量が予測される。例えば、
図6に示した最大データ量テーブルを参照して、読取データ量が予測される。
【0088】
ステップS06においては、設定操作が受け付けられたか否かが判断される。設定操作は、ユーザーが操作部163に入力する操作であって、読取条件または処理条件を設定する操作である。設定操作が受け付けられたならば処理はステップS07に進むが、そうでなければ処理はステップS08に進む。ステップS07においては設定操作に従った設定を禁止し、処理はステップS08に進む。処理中フラグがONの場合は、ジョブが実行中で終了してない状態なので、ジョブが実行中の場合に読取条件および処理条件が変更されないようにできる。
【0089】
ステップS08においては、RAM114の残容量が取得され、処理はステップS09に進む。ステップS09においては、残容量と読取データ量が比較される。残容量が読取データ量以上ならば処理はステップS10に進むが、そうでなければ処理はステップS06に戻る。処理がステップS06に戻る場合、処理がステップS10に進まないので、原稿が読み取られない。このため、原稿を読み取る処理が中断される。
【0090】
ステップS10においては、自動原稿搬送装置120および原稿読取部130が制御され、原稿が読み取られる。次のステップS11においては、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データがRAM114に格納される。次のステップS12においては、読取対象となる原稿が存在するか否かが判断される。原稿トレイ125に備えられたセンサーにより原稿の有無が検出される。原稿が存在すれば処理はステップS04に戻るが、そうでなければ処理はステップS13に進む。ステップS13においては、処理中フラグがOFFに設定され、処理が終了する。
【0091】
図11は、ジョブ実行制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。ジョブ実行制御処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115、CD-ROM118に記憶されたジョブ実行制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ジョブ実行制御プログラムは、課金処理実行プログラムの一部である。
【0092】
図11を参照して、MFP100が備えるCPU111は、RAM114に画像データが記憶されているか否かを判断する(ステップS21)。RAM114に画像データが記憶されていれば処理はステップS22に進むがそうでなければ処理はステップS21に戻る。
【0093】
ステップS22においては、処理中フラグがONに設定されているか否かが判断される。処理中フラグがONに設定されているならば処理はステップS23に進むがそうでなければ処理はステップS31に進む。ステップS31においては、残金が残っているか否かが判断される。残金が残っているならば処理はステップS32に進むが、そうでなければステップS32がスキップされて処理は終了する。ステップS32においては、残金が返金され、処理は終了する。課金サーバー300に返金依頼をすることにより残金が返金される。
【0094】
ステップS23においては、設定操作が受け付けられたか否かが判断される。設定操作は、ユーザーが操作部163に入力する操作であって、読取条件または処理条件を設定する操作である。設定操作が受け付けられたならば処理はステップS24に進むが、そうでなければ処理はステップS25に進む。ステップS24においては設定操作に従った設定を禁止し、処理はステップS25に進む。処理中フラグがONの場合は、原稿の読取処理が中断しているがジョブが完了してない状態なので、ジョブが完了していない場合に読取条件および処理条件が変更されないようにできる。
【0095】
ステップS25においては、要求モードによって処理が分岐する。要求モードが都度要求モードに設定されていれば処理はステップS26に進み、要求モードが定額要求モードに設定されていれば処理はステップS28に進む。ステップS26においては、処理対象枚数が決定され、処理はステップS27に進む。画像形成処理により画像が形成される用紙の枚数が処理対象枚数に決定される。ここでは、RAM114に記憶されている画像データの数が処理対象枚数に決定される。
【0096】
ステップS27においては、請求額が算出され、処理はステップS29に進む。RAM114に記憶された画像データに対する処理条件に従った画像形成処理に対する対価から残金を減算した額が請求額として算出される。1つの画像データに対して処理条件に従った画像形成処理に対する対価に処理対象枚数を乗算した総額から残金を減算した額が請求額に決定される。ステップS28においては、予め定められた額が請求額に決定され、処理はステップS29に進む。
【0097】
ステップS29においては、表示部161に支払要求画面が表示され、処理はステップS30に進む。支払要求画面は、請求額と、支払いを要求する支払情報を示す2次元コードとを含む。請求額は、要求モードが都度要求モードの場合にはステップS27において算出された額であり、要求モードが定額要求モードの場合にはステップS28において決定された額である。ステップS30においては、処理実行制御処理が実行され、処理はステップS21に戻る。
【0098】
図12は、処理実行制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。処理実行制御処理は、ジョブ実行制御処理のステップS30において実行される処理である。
図12を参照して、請求額が回収されたか否かが判断される(ステップS41)。課金サーバー300から支払い完了通知が受信されたか否かが判断される。支払い完了通知が受信されるならば処理はステップS42に進むが、そうでなければ処理はS51に進む。
【0099】
ステップS51においては、表示部161にエラー画面が表示され、処理はステップS52に進む。ステップS52においては、RAM114に記憶されている画像データが消去され、処理はステップS53に進む。ステップS53においては、エラーフラグがONに設定され、処理は終了する。
【0100】
ステップS42においては、残金が更新され、処理はステップS43に進む。残金は、それに請求額を加算した値に更新される。ステップS43においては、RAM114に記憶されている画像データが読み出される。そして、その画像データの画像を用紙に形成する画像形成処理に対する対価が算出され(ステップS44)、処理はステップS45に進む。
【0101】
ステップS45においては、残金と対価とが比較される。残金が対価以上ならば処理はステップS46に進むが、そうでなければ処理はステップS50に進む。ステップS46においては、画像データに対して画像形成処理が実行され、処理はステップS47に進む。ステップS47においては、残金から対価が減算され、処理はステップS48に進む。ステップS48においては、ステップS46において画像形成処理の対象となった画像データがRAM114から消去され、処理はステップS49に進む。ステップS49においては、RAM114に画像データが記憶されているか否かが判断される。画像データが記憶されているならば処理はステップS43に戻るが、そうでなければ処理はジョブ実行制御処理に戻る。
【0102】
<第1の変形例>
データ量予測部65は、最大データ量テーブルを用いて読取データ量を予測するようにしたが、原稿を読み込んだ実績に基づいて、読取データ量を予測してもよい。例えば、記憶制御部53が読取データをRAM114に記憶するごとにメモリ占有テーブルを生成するようにし、データ量予測部65がそのメモリ占有テーブルを参照して、次の原稿に対する読取データ量を予測する。
【0103】
図13は、メモリ占有テーブルの一例を示す図である。
図13を参照して、第5枚目までの原稿を読み取られた時点に生成されるメモリ占有テーブルが示される。メモリ占有テーブルは、第1枚目から第5枚目の原稿ごとに、その原稿を読み取って得られる画像データがRAM114に記憶された状態におけるデータ量を読取データ量として示す。第1枚目の原稿に対する読取データ量が1.1MBであることを示し、第2枚目の原稿に対する読取データ量が1.5MBであることを示し、第3枚目の原稿に対する読取データ量が1.3MBであることを示し、第4枚目の原稿に対する読取データ量が1.2MBであることを示し、第5枚目の原稿に対する読取データ量が2.0MBであることを示す。原稿を読み取って得られる画像データは非可逆圧縮される場合があり、解像度および読取モードが同じでも読取データ量が異なる場合がある。
【0104】
データ量予測部65は、第N枚目の原稿に対する読取データ量を、第1枚目~第(N-1)枚目の原稿に対する読取データ量から予測する。データ量予測部65は、第N枚目の原稿に対する読取データ量を、第1枚目~第(N-1)枚目の原稿のうち読取条件が同じ原稿に対する読取データ量に基づいて決定する。例えば、第1枚目~第N枚目までの原稿に対する読取条件が同じ場合は、データ量予測部65は、第N枚目の原稿に対する読取データ量を、第1枚目~第(N-1)枚目の原稿に対する読取データ量の最大値に決定する。
【0105】
<第2の変形例>
定額要求部83は、排紙トレイ155に積載可能な最大積載枚数に基づいて、請求額を決定するようにしたが、ユーザーがMFP100に画像形成処理を実行させた履歴に基づいて、請求額を決定してもよい。例えば、定額要求部83は、売上情報テーブルに基づいて、請求額を決定する。売上情報テーブルは、HDD115に記憶されており、処理実行部55が処理を実行するごとに、売上情報レコードが追加される。
【0106】
図14は、売上情報テーブルの一例を示す図である。
図14を参照して、売上情報テーブルは、複数の売上情報レコードを含む。売上情報レコードは、日時の項目と、原稿枚数の項目と、課金額の項目と、を含む。例えば、第1番目の売上情報レコードは、9月20の13時36分に12枚の原稿が読み取られて画像形成されたジョブに対して、120円が課金されたことを示している。この売上情報テーブルは、MFP100を操作するユーザーが所属するグループごとに生成されてもよいし、ユーザーごとに生成されてもよい。定額要求部83は、売上情報テーブルを参照して、最大の課金額を請求額に決定する。これにより、過去の実績に基づいて請求額が決定されるので、適切な額の請求額を決定することができる。
【0107】
<第3の変形例>
処理実行部55が実行する処理を、原稿を読み取って取得される画像データの画像を用紙に形成するコピー処理とする場合を例に説明したが、原稿を読み取って取得される画像データを処理対象とする処理であればコピー処理に限定されない。例えば、処理実行部55が実行する処理は、画像データの画像を先鋭化する処理、平滑化する処理、または色変換する処理等の画像処理であってもよい。また、処理実行部55が実行する処理は、画像データのフォーマットを変換するフォーマット変換処理であってもよい。また、処理実行部55が実行する処理は、画像データの画像を文字認識する文字認識処理、文字認識された文字情報を翻訳する翻訳処理であってもよい。
【0108】
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、画像形成装置として機能し、原稿読取部130が原稿を読み取るごとに取得されるRAM114に残された残容量に基づいて、原稿読取部130による原稿の読取を中断させ、RAM114に記憶された画像データに対する処理の対価を要求し、対価が回収されたことが確認されることに応じてRAM114に記憶された画像データに対して処理を実行する。このため、原稿のすべてを読み取る前にRAM114の空き容量がなくなる場合であっても、それまでに読み取られた原稿に対する処理が実行される。換言すれば、原稿のすべてを読み取るための記憶容量がRAM114に残されていない場合であっても、複数の原稿に対する処理に課金しつつ処理を実行することができる。
【0109】
また、MFP100は、要求モードが都度要求モードに設定されている場合は、RAM114に記憶された画像データに対して実行される処理に対して定まる対価の額を請求額として含む支払要求画面500を表示部161に表示する。このため、請求額をユーザーに通知することができ、ユーザーに処理に対する対価を要求できる。
【0110】
また、MFP100は、要求モードが定額要求モードに設定されている場合は、請求額として予め定められた額を含む支払要求画面500を表示部161に表示する。この場合において、MFP100は、画像が形成された用紙が積載された状態で保持する排紙トレイ155に積載可能な用紙の枚数である最大積載枚数に基づいて請求額を決定する。このため、予め定められた額を、MFP100が画像形成可能な範囲内で定めることができる。
【0111】
また、MFP100は、用紙に画像を形成するごとに、ユーザーにより支払われた額とユーザーによる支払後に実行された処理に対して定まる対価の額とに基づいて、残金を算出し、残金に基づいて、用紙に画像を形成する処理の実行を中断させる。このため、用紙に画像を形成する処理が実行される前に対価を回収することができる。
【0112】
また、MFP100は、用紙に画像を形成する処理が中断した後にユーザーにより請求額が支払われたことが確認されることに応じて用紙に画像を形成する処理を再開させる。このため、複数の原稿のすべての画像を用紙に形成させることができる。
【0113】
また、MFP100は、用紙の画像を形成する処理が完了した画像データをRAM114から消去し、画像データが消去された後のRAM114の残容量に基づいて、原稿の読取を再開させる。このため、最後の原稿の画像を読み取ることができる。
【0114】
また、MFP100は、原稿を読み取る読取条件に基づいて、次の原稿を読み取って出力される画像データのデータ量を予測するので、原稿を読み取って得られる画像データを確実にRAM114に記憶することができる。原稿を読み取る前にRAM114の残容量を予測することができる。
【0115】
また、MFP100は、原稿を読み取って出力される画像データがRAM114に記憶された容量に基づいて、次の原稿を読み取って出力される画像データのデータ量を予測する。このため、原稿を読み取る前にRAM114の残容量を予測することができる。
【0116】
また、MFP100は、原稿の読取を中断した後は、原稿の読取を中断する前に設定されている読取条件および処理条件の変更を禁止する。このため、原稿の読取の中断の前後で同じ読取条件で原稿を読み取る処理を実行することができる。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0118】
1 サービス提供システム、3 LAN、5 インターネット、100 MFP、200 携帯情報装置、300 課金サーバー、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、117 外部記憶装置、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、161 表示部、163 操作部、51 読取制御部、53 記憶制御部、55 処理実行部、57 対価要求部、59 回収部、61 残金算出部、63 読取条件設定部、65 データ量予測部、67 読取中断部、69 読取再開部、71 消去部、73 残容量取得部、75 処理条件設定部、77 処理中断部、79 処理再開部、81 都度要求部、83 定額要求部。