(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】インバータの制御装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20240123BHJP
【FI】
H02M7/48 E
(21)【出願番号】P 2020023510
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】早川 雅文
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亮次
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-121403(JP,A)
【文献】特開2017-175772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形波制御によってインバータに入力されるスイッチング信号の位相であるスイッチング位相を、比例項を含むフィードバック制御にて変更することにより前記インバータに接続された交流モータのトルク制御を行う制御装置であって、
前記交流モータの回転速度の変化量が規定の判定値以下である場
合には、前記フィードバック制御の応答性を低下させる低下処理を実行する
インバータの制御装置。
【請求項2】
矩形波制御によってインバータに入力されるスイッチング信号の位相であるスイッチング位相を、比例項を含むフィードバック制御にて変更することにより前記インバータに接続された交流モータのトルク制御を行う制御装置であって、
前記インバータに入力される電圧の変化量が規定の判定値以下である場合には、前記フィードバック制御の応答性を低下させる低下処理を実行する
インバータの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載の装置では、交流モータが接続されたインバータを矩形波制御することにより、当該交流モータの駆動制御を行うようにしている。
こうした駆動制御では、インバータに入力されるスイッチング信号の位相であるスイッチング位相が、比例項を含むフィードバック制御にて変更されることにより、交流モータのトルクは目標トルクに制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した矩形波制御を行う場合に、インバータに入力される電圧の変動量が過剰に大きくなることがあるため、そうした変動量はできる限り小さくすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのインバータの制御装置は、矩形波制御によってインバータに入力されるスイッチング信号の位相であるスイッチング位相を、比例項を含むフィードバック制御にて変更することにより前記インバータに接続された交流モータのトルク制御を行う。この制御装置は、前記交流モータの回転速度の変化量が規定の判定値以下である場合には、前記フィードバック制御の応答性を低下させる低下処理を実行する。
上記課題を解決するためのインバータの制御装置は、矩形波制御によってインバータに入力されるスイッチング信号の位相であるスイッチング位相を、比例項を含むフィードバック制御にて変更することにより前記インバータに接続された交流モータのトルク制御を行う。この制御装置は、前記インバータに入力される電圧の変化量が規定の判定値以下である場合には、前記フィードバック制御の応答性を低下させる低下処理を実行する。
【0006】
本発明者は、インバータを矩形波制御する場合に同インバータに入力される電圧の変動量が過剰に大きくなるのは、スイッチング位相の変動に原因があることを見出した。
すなわち、スイッチング位相の変動は電気1次周期(交流電動機の電気角1周期に相当する基本波の周波数)で変動するが、このスイッチング位相が変動すると、矩形波制御におけるスイッチング信号のON期間とOFF期間とのバランスが崩れるようになるため、交流モータを流れる電流が変動する。交流モータを流れる電流が変動すると、交流モータのトルクが変動して当該交流モータで消費される電力が変動するため、インバータに入力される電圧が変動する。ここで、スイッチング位相の変動周波数が高いと、インバータに入力される電圧が共振して同電圧が大きく変動するようになることを本発明者は見出した。
【0007】
そこで、同構成では、交流モータの回転速度の変化量が規定の判定値以下である場合、またはインバータに入力される電圧の変化量が規定の判定値以下である場合、つまり交流モータのトルクをフィードバック制御する際のトルク追従性がそれほど要求されない場合には、フィードバック制御の応答性を低下させる低下処理を実行する。そのため、スイッチング位相の変動周波数は低くなり、これによりインバータに入力される電圧が共振しにくくなるため、同インバータに入力される電圧の変動量が大きくなることを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態におけるインバータの制御装置の模式図。
【
図2】同実施形態の制御装置が実行する矩形波制御によるスイッチング信号の変化を示すタイミングチャート。
【
図3】位相指令値の変動がスイッチング信号に与える影響を示すタイミングチャート。
【
図4】同実施形態の制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャート。
【
図5】同実施形態の変更例において制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、ハイブリッド自動車や電気自動車などのように、駆動源として交流モータを備える車両に搭載されるインバータの制御装置について、これを具体化した一実施形態を
図1~
図4を参照して説明する。
【0010】
図1に示すように、車両VCには、走行用のバッテリ10が搭載されている。バッテリ10には昇圧用のコンバータ310が接続されており、コンバータ310にはインバータ320が接続されている。このインバータ320は、交流モータの各相に対応するスイッチング素子として機能する6個のトランジスタを備えている。インバータ320には車両VCの駆動源として機能する三相交流モータ(以下、モータという)400が接続されている。なお、インバータ320に接続されるモータ400の数は適宜変更することができる。モータ400には、同モータ400の回転子の位置θを検出する位置センサ56が設けられている。
【0011】
バッテリ10の正極側には、バッテリ10から流れる電流IBを検出する電流検知部50が設けられている。また、バッテリ10とコンバータ310とを繋ぐ電力線には、バッテリ10からコンバータに入力される電圧である第1電圧VLを検出する第1電圧検知部52が設けられている。また、コンバータ310とインバータ320とを繋ぐ電力線には、コンバータ310と並列に接続されたコンデンサ330や、コンバータ310からインバータ320に入力される電圧である第2電圧VHを検出する第2電圧検知部54が設けられている。
【0012】
制御装置100は、中央処理装置(以下、CPUという)110や、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリ120を備えている。そして、制御装置100は、メモリ120に記憶されたプログラムをCPU110が実行することにより各種制御に関する処理を実行する。
【0013】
制御装置100には、上記電流IB、第1電圧VL、第2電圧VH、上記位置θ、モータ400の相電流などの各種値が入力される。そして、制御装置100は、第2電圧VHが所定の目標値となるようにコンバータ310の作動状態を制御する電圧制御を行う。また、制御装置100は、インバータ320の作動状態を制御することによりモータ400の回転速度及びトルクを制御する。
【0014】
図2に示すように、制御装置100は、インバータ320を矩形波制御することによりモータ400の駆動制御を行う。
この矩形波制御では、インバータ320の各トランジスタをON-OFF動作させるパルス状のスイッチング信号(以下、SW信号という)が制御装置100からインバータ320に入力される。各SW信号のON期間及びOFF期間は共に180°に設定されている。また、モータ400のV相に対応するSW信号は、モータ400のU相に対応するSW信号に対して位相が120°遅れており、モータ400のW相に対応するSW信号は、モータ400のV相に対応するSW信号に対して120°遅れている。そして、電気角が360°進むとモータ400の回転子は1回転する。また、回転子の位置に対するスイッチング信号の位相(以下、SW位相という)を変更することにより、モータ400のトルクが調整される。すなわち、SW位相を進角するとモータ400のトルクは増大し、SW位相を遅角するとモータ400のトルクは低下する。
【0015】
制御装置100は、そうしたモータ400のトルク制御を、比例項を含むフィードバック制御にて実施する。
すなわち、制御装置100は、トルク制御を行うSW位相の指令値である位相指令値Ppを次式(1)に基づいて算出する。
【0016】
位相指令値Pp=フォードフォワード項FF+フィードバック項FB…(1)
フォードフォワード項FFは、モータ400に要求されるトルクの指令値であるトルク指令値から求められる。
【0017】
フィードバック項FBは、次式(2)から求められる。
フィードバック項FB=比例項P+積分項I…(2)
比例項Pは、モータ400の推定トルクとトルク指令値との差であるトルク偏差ΔTに比例項ゲインKpを乗算した値である。また、積分項Iは、トルク偏差ΔTの積算値に積分項ゲインKiを乗算した値である。
【0018】
なお、モータ400の推定トルクは、上記相電流及び上記位置θから求められるモータ400の電気角から算出される。また、比例項ゲインKp及び積分項ゲインKiは、フィードバック制御が発散しない範囲内で上記トルク偏差ΔTをできる限り速やかに小さくすることのできるプラスゲインの値(正の値)が設定されている。このプラスゲインの値は、上記フィードバック制御を実行する際の通常値になっている。
【0019】
そして、制御装置100は、モータ400の電気角が60°進む毎に上記フィードバック制御による位相指令値Ppの調整を行う。つまり、モータ400が1回転する間に実行されるフィードバックの回数は6回になっている。
【0020】
ところで、上記の矩形波制御を行う場合には、インバータ320に入力される電圧、つまり上記第2電圧VHの変動量が過剰に大きくなることがあり、この場合には、第2電圧VHの変動量の増大に伴って、コンバータ310の入力側である電流IBの変動量も過剰に大きくなる。そのようにして第2電圧VHや電流IBの変動量が過剰に大きくなると、制御装置100は、第2電圧VHの過電圧や電流IBの過電流を検知して、モータ400への電力供給を停止する電力停止処理を実行するため、モータ400が駆動できなくなる。
【0021】
この点、本発明者は、インバータ320を矩形波制御する場合に同インバータ320に入力される電圧、つまり上記第2電圧VHの変動量が過剰に大きくなるのは、SW位相の変動に原因があることを見出した。
【0022】
すなわち、SW位相の変動は、電気1次周期(交流モータの電気角1周期に相当する基本波の周波数)で変動するが、位相指令値Ppが一定であり、SW位相が変化しない場合には、矩形波制御におけるSW信号のON期間とOFF期間は共に180°であり、バランスがとれているため、モータ400を流れる電流は概ね一定になる。
【0023】
一方、
図3に示すように、位相指令値Ppが変動することによりSW位相が変動すると、矩形波制御におけるSW信号のON期間とOFF期間とのバランスが崩れるようになる。例えば、位相指令値Ppが進角側に変化すると、SW信号がOFFからONになるタイミングがα1の分だけ早くなるため、ON期間が長くなる。また、位相指令値Ppが遅角側に変化すると、SW信号がONからOFFになるタイミングがα2の分だけ遅くなるため、これによってもON期間が長くなる。従って、SW信号のON期間は「180°+α1+α2」となる一方で、SW信号のOFF期間は「180°-α1-α2」となり、互いの期間の長さが異なるようになる。このようにしてSW信号のON期間とOFF期間とのバランスが崩れると、モータ400の各相を流れる電流が変動する。モータ400の各相を流れる電流が変動すると、モータ400のトルクが変動して当該モータ400で消費される電力が変動するため、インバータ320に入力される電圧、つまり第2電圧VHが変動する。ここで、SW位相の変動周波数が高いと第2電圧VHが共振して同第2電圧VHが大きく変動するようになることを本発明者は見出した。
【0024】
そこで、本実施形態では、モータ400のトルクを調整する上記フィードバック制御の応答性を低下させる低下処理を実行してSW位相の変動周波数を低下させることにより、第2電圧VHの変動量が大きくなることを抑えるようにしている。
【0025】
図4に、上記低下処理を実行するために制御装置100が実施する処理の手順を示す。なお、この処理手順は、車両VCの走行中において繰り返し実行される。また、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、ステップ番号を表現する。
【0026】
図4に示す処理を開始すると、制御装置100は、モータ400の回転速度変化量SCが判定値SCref以下であるか否かを判定する(S100)。この判定値SCrefとしては、回転速度変化量SCが判定値SCref以下であることに基づき、現在、モータ400のトルクをフィードバック制御する際のトルク追従性がそれほど要求されない状況にあること、つまり車両VCは定速走行しており車速が大きく変化する状況ではないことを的確に判定することができるように、その値の大きさは設定されている。
【0027】
そして、S100において回転速度変化量SCが判定値SCref以下であると判定する場合には(S100:YES)、制御装置100は、上記比例項ゲインKpを上述した通常値から「0」に変更する処理を実行して(S120)、本処理を一旦終了する。
【0028】
上記S120の処理にて比例項ゲインKpが「0」に設定されると上記比例項Pは「0」になるため、フィードバック制御の応答性が低下して、SW位相の変動周波数が低くなる。このS120の処理が上記低下処理となっている。
【0029】
一方、S100において回転速度変化量SCが判定値SCrefを超えていると判定する場合には(S100:NO)、制御装置100は、第2電圧VHの変化量である電圧変化量VHCが判定値VHCref以下であるか否かを判定する(S110)。この判定値VHCrefとしては、電圧変化量VHCが判定値VHCref以下であることに基づき、現在、モータ400のトルクをフィードバック制御する際のトルク追従性がそれほど要求されない状況であること、つまり車両VCは定速走行しており車速が大きく変化する状況ではないことを的確に判定することができるように、その値の大きさは設定されている。
【0030】
そして、S110において電圧変化量VHCが判定値VHCref以下であると判定する場合には(S110:YES)、制御装置100は、上記S120の処理を実行して、本処理を一旦終了する。
【0031】
一方、S110において電圧変化量VHCが判定値VHCrefを超えていると判定する場合には(S110:NO)、制御装置100は、上記比例項ゲインKpを上述した通常値に設定して(S130)、本処理を一旦終了する。
【0032】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
(1)
図4に示したS100の処理またはS110の処理にて肯定判定される場合、つまりモータ400のトルクをフィードバック制御する際のトルク追従性がそれほど要求されない状況であると判定される場合には、比例項ゲインKpを「0」にすることでフィードバック制御の応答性を低下させる低下処理が実行される。この低下処理の実行により、SW位相の変動周波数が低くなるため、インバータ320に入力される第2電圧VHが共振しにくくなる。そのため、同インバータ320に入力される第2電圧VHの変動量が大きくなることを抑えることができる。
【0033】
(2)
図4に示したS100の処理及びS110の処理にてともに否定判定される場合、つまりモータ400のトルクをフィードバック制御する際のトルク追従性が要求される状況であると判定される場合には、比例項ゲインKpが通常値に設定される。そのため、トルク追従性が要求される状況下では、同トルク追従性を適切に確保することができる。
【0034】
(3)上述したコンバータ310の電圧制御は、上記バッテリ10の出力特性などが予め想定された特性であることを前提にして制御系のゲイン等が設定される。また、車両の駆動源として交流モータと内燃機関とを備える場合には、その内燃機関の出力特性などが予め想定された特性であることを前提にして同じく制御系のゲイン等が設定される。ここで、想定外の出力特性を有するバッテリがコンバータ310に接続されたり、想定外の出力特性を有する内燃機関が駆動源として組み合わされたりすると、第2電圧VHの制御性が悪化するため、上述したような第2電圧VHの変動量が増大した場合には、その変動を抑えることが困難になるおそれがある。この点、本実施形態では、第2電圧VHの変動量が大きくなることを抑えることができるため、想定外の出力特性を有するバッテリがコンバータ310に接続される場合や、想定外の出力特性を有する内燃機関が組み合わされる場合でも、第2電圧VHは安定するようになる。
【0035】
(4)第2電圧VHの変動量が大きくなることを抑えることができるため、上述した電力停止処理の実行機会を減らすことができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0036】
・上記実施形態で説明したS120の処理では、モータ400のトルクを調整するフィードバック制御の応答性を低下させる低下処理として、比例項ゲインKpを「0」にする処理を実行したが、他の低下処理として、比例項ゲインKpをマイナスゲイン(負の値)に変更する処理を実行することにより、フィードバック制御の応答性を低下させてもよい。この場合でも、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0037】
・上記実施形態では、モータ400のトルクを調整するフィードバック制御の応答性を低下させる低下処理として、比例項ゲインKpを「0」にする処理を実行したが、他の態様でフィードバック制御の応答性を低下させてもよい。例えば、上述したように制御装置100は、モータ400の電気角が60°進む毎に上記フィードバック制御による位相指令値Ppの調整を行うようにしていた。つまり、モータ400が1回転する間に実行されるフィードバック回数は6回になっていた。こうしたモータ400の1回転当たりのフィードバック回数を6回よりも少ない回数にしても、フィードバック制御の応答性は低下するため、SW位相の変動周波数は低くなる。そこで、
図3に示した処理に代えて、
図5に示す処理を実行するようにしてもよい。
【0038】
すなわち、
図5に示すように、上記S100の処理及び上記S110の処理において、ともに否定判定される場合には、モータ400の1回転当たりのフィードバック回数を通常値である6回に設定する(S230)。
【0039】
一方、上記S100の処理や、上記S110の処理において肯定判定される場合、つまりモータ400のトルクをフィードバック制御する際のトルク追従性がそれほど要求されない状況であると判定される場合には、上記低下処理として、モータ400の1回転当たりのフィードバック回数を低減させる処理を実行する(S220)。このS220の処理では、モータ400の1回転当たりのフィードバック回数が通常値である6回よりも少ない回数に変更される。なお、S220の処理にて設定されるモータ400の1回転当たりのフィードバック回数としては、例えば定速走行中のモータ400のトルクをトルク指令値に追従させることのできる最低限の回数を設定することが好ましく、可能であれば1回にしてもよい。こうした変更例でも、上記実施形態に準じた作用効果を得ることができる。
【0040】
・
図4や
図5に示したS100の処理及びS110の処理のうちの一方を省略してもよい。
・制御装置100はCPU110とメモリ120とを備えており、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。例えば、上記各実施形態において実行されるソフトウェア処理の少なくとも一部を処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、制御装置100は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てをプログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するメモリ等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置及びプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置及びプログラム格納装置を備えたソフトウェア処理回路や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。すなわち、上記処理は、1または複数のソフトウェア処理回路及び1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路によって実行されればよい。
【符号の説明】
【0041】
10…バッテリ
50…電流検知部
52…第1電圧検知部
54…第2電圧検知部
100…制御装置
110…中央処理装置(CPU)
120…メモリ
310…コンバータ
320…インバータ
330…コンデンサ
400…交流モータ
VC…車両