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特許7424119薬残数管理プログラム、薬残数管理システム、及び、薬残数管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】薬残数管理プログラム、薬残数管理システム、及び、薬残数管理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240123BHJP
   A61J 7/04 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
G16H20/10
A61J7/04 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020040920
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021144304
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(74)【代理人】
【識別番号】100189201
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 功
(72)【発明者】
【氏名】林 剣豪
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-103001(JP,A)
【文献】特開2015-022731(JP,A)
【文献】特開2017-108811(JP,A)
【文献】特表2016-531334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入院患者への薬の処方を指示する処方指示であって、前記処方された薬の総数を含む前記処方指示と、前記入院患者に対する前記薬の使用実績とを記憶する記憶部を管理し、
前記処方指示に対する前記薬の処方中止を指示する中止指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記中止指示で指定される使用の中止時点よりも前の前記薬の使用実績に基づく前記薬の総使用数を減じて得られる前記薬の残数を表示する、
処理をコンピュータに実行させる、薬残数管理プログラム。
【請求項2】
前記使用実績には、前記薬が処方された期間における所定の時間帯ごとに、前記入院患者に対して前記薬の使用を実施した場合に、使用済みを示す第1情報が設定され、前記入院患者に対して前記薬の使用を実施していないことが確認された場合に、未実施確認を示す第2情報が設定され、前記入院患者に対して前記薬の使用を中断した場合に、中断を示す第3情報が設定され、
前記表示は、前記使用実績における前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報の設定状況に基づき、前記薬の総使用数を取得する、
請求項1に記載の薬残数管理プログラム。
【請求項3】
前記表示は、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記第1情報が設定された回数と前記薬の1回あたりの使用数とを乗じて前記薬の総使用数を取得する、
請求項2に記載の薬残数管理プログラム。
【請求項4】
前記表示は、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記第1情報が設定された回数、及び、前記薬が処方されてから前記中止時点までの前記使用実績において前記第1情報前記第2情報、及び、前記第3情報が設定されていない回数と、前記薬の1回あたりの使用数とを乗じて前記薬の総使用数を取得する、
請求項2に記載の薬残数管理プログラム。
【請求項5】
前記表示は、前記処方指示に対する前記薬の処方中断を指示する中断指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記使用実績において前記第3情報が設定された回数と、前記薬の1回あたりの使用数とに基づく前記薬の残数を表示する、
請求項2~請求項4のいずれか1項に記載の薬残数管理プログラム。
【請求項6】
前記薬の残数を、前記薬の前記処方指示に対応付けて前記記憶部に記憶する、
処理を前記コンピュータに実行させる、
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の薬残数管理プログラム。
【請求項7】
前記薬の残数の入力を受け付ける入力画面を表示し、
前記入力画面に入力された入力値を、前記薬の残数の変更値として表示する、
処理を前記コンピュータに実行させる、
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の薬残数管理プログラム。
【請求項8】
入院患者への薬の処方を指示する処方指示であって、前記処方された薬の総数を含む前記処方指示と、前記入院患者に対する前記薬の使用実績とを記憶する記憶部と、
前記処方指示に対する前記薬の処方中止を指示する中止指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記中止指示で指定される使用の中止時点よりも前の前記薬の使用実績に基づく前記薬の総使用数を減じて得られる前記薬の残数を表示する表示部と、
を備える、薬残数管理システム。
【請求項9】
入院患者への薬の処方を指示する処方指示であって、前記処方された薬の総数を含む前記処方指示と、前記入院患者に対する前記薬の使用実績とを記憶する記憶部を管理し、
前記処方指示に対する前記薬の処方中止を指示する中止指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記中止指示で指定される使用の中止時点よりも前の前記薬の使用実績に基づく前記薬の総使用数を減じて得られる前記薬の残数を表示する、
処理をコンピュータが実行する、薬残数管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬残数管理プログラム、薬残数管理システム、及び、薬残数管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院等の医療機関における患者に対する薬剤(「薬品」、「医薬品」、又は、単に「薬」と称されてもよい)の処方情報等を管理する医療管理システム、例えば医事会計システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-87956号公報
【文献】特開2017-84159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、入院患者に対して処方された薬剤は、医療機関の薬剤管理部門から入院病棟に搬出され、入院病棟で管理されることがある。
【0005】
入院患者向けの処方オーダが中止処方された場合、医療機関では、医事会計データ等の医療管理データの修正作業や、例えば麻薬の管理のために、入院病棟に搬出された薬剤の残数の確認が行なわれ、患者に利用されなかった残数分の薬剤が管理部門に返却される。
【0006】
上述した医事会計システムでは、中止処方の指示(例えば中止処方箋)に応じて薬剤の残数を算出するための機能が実装されておらず、医療機関では、看護師等の職員が別作業にて残数を算出し、医事会計データの修正を行なうことがある。このため、薬剤の残数の算出に多くの時間及び職員の手間がかかるほか、算出ミスも生じ易い。
【0007】
1つの側面では、本発明は、処方された薬の残数を適切に管理できるようにすることを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの側面では、薬残数管理プログラムは、コンピュータに、以下の処理を実行させてよい。前記処理は、入院患者への薬の処方を指示する処方指示であって、前記処方された薬の総数を含む前記処方指示と、前記入院患者に対する前記薬の使用実績とを記憶する記憶部を管理してよい。また、前記処理は、前記処方指示に対する前記薬の処方中止を指示する中止指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記中止指示で指定される使用の中止時点よりも前の前記薬の使用実績に基づく前記薬の総使用数を減じて得られる前記薬の残数を表示してよい。
【発明の効果】
【0009】
1つの側面では、処方された薬の残数を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る処方薬剤管理システムの機能構成例を示すブロック図である。
図2】処方記録画面の一例を示す図である。
図3】中止指示画面の一例を示す図である。
図4】オーダDB(Database)の一例を示す図である。
図5】実施済みを考慮する場合の残数算出処理の一例を示す図である。
図6】実施済みを考慮しない場合の残数算出処理の一例を示す図である。
図7】一実施形態に係る処方薬剤管理システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
図8】変形例に係る中止指示画面を示す図である。
図9】数値入力画面の一例を示す図である。
図10】変形例に係る中止指示画面を示す図である。
図11】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形又は技術の適用を排除する意図はない。例えば、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、以下の説明で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
【0012】
〔1〕一実施形態
〔1-1〕薬剤管理システムの機能構成例
図1は、一実施形態に係る処方薬剤管理システム1の機能構成例を示すブロック図である。処方薬剤管理システム1は、薬の残数を管理する薬残数管理システムの一例であり、医療管理システム、例えば医事会計システムに含まれる、薬剤の管理機能に着目したシステムと位置付けられてよい。処方薬剤管理システム1(又は医事会計システム)は、組織、例えば、病院及び診療所等の医療機関において利用されてよい。
【0013】
図1に例示するように、処方薬剤管理システム1は、例示的に、サーバ2、及び、1以上(図1では複数)の操作端末3を備えてよい。
【0014】
操作端末3は、処方薬剤管理システム1において組織の従業員、例えば医師や看護師、医療スタッフ等の医療機関の職員が使用するPC(Personal Computer)又はサーバ等のコンピュータであり、ユーザが利用する情報処理端末の一例である。
【0015】
各操作端末3は、サーバ2に対して、入院患者に対する薬剤の各種処方情報の登録、変更、又は、参照等のアクセスを行なう。サーバ2と操作端末3との間は、図示しないネットワークを介して相互に通信可能に接続されてよい。ネットワークは、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、又はこれらの組み合わせを含んでよい。WANにはインターネットが含まれてよく、LANにはVPN(Virtual Private Network)が含まれてよい。
【0016】
サーバ2は、処方薬剤管理システム1において、各種処方情報の登録、変更、及び、参照等の管理を行なう、薬残数管理装置、情報処理装置、又は、コンピュータの一例である。サーバ2は、操作端末3によるアクセスに応じて、各種処方情報の登録、変更、又は、参照等の処理を実行し、操作端末3に応答を送信してよい。例えば、サーバ2は、操作端末3によるアクセスを可能とするための機能を提供してよい。当該機能としては、例えば、操作端末3によるアクセスに用いられる、ウェブ(web)ページ等の画面の生成及び表示制御が挙げられる。例えば、操作端末3は、ブラウザ等のアプリケーションを用いてサーバ2にアクセスし、ウェブページを介してアクセスを行なってよい。
【0017】
サーバ2は、仮想サーバ(VM:Virtual Machine)であってもよいし、物理サーバであってもよい。また、サーバ2の機能は、1台のコンピュータにより実現されてもよいし、2台以上のコンピュータにより実現されてもよい。さらに、サーバ2の機能のうちの少なくとも一部は、クラウド環境により提供されるHW(Hardware)リソース及びNW(Network)リソースを用いて実現されてもよい。
【0018】
図1に示すように、サーバ2は、処方された薬剤の残数を管理する機能に着目すると、機能構成として、例示的に、メモリ部21、通信部22、処理部23、及び、画面制御部24を備えてよい。
【0019】
メモリ部21は、記憶領域の一例であり、処方情報の管理に用いられる種々の情報を記憶する。図1に示すように、メモリ部21は、例示的に、オーダDB21aを記憶してよい。以下の説明では、便宜上、オーダDB21aのデータ形式をテーブル形式として説明するが、これに限定されるものではなく、種々のDB(Database)のデータ形式であってよい。
【0020】
オーダDB21aは、入院患者への薬剤の処方を指示する処方指示であって、処方された薬剤の総数を含む処方指示と、入院患者に対する薬剤の使用実績とを記憶する記憶部の一例である。処方指示及び使用実績は、入院患者に対する種々の処方情報の一例である。
【0021】
オーダDB21aは、医事会計システムで管理される処方情報のマスタDBであってもよいし、マスタデータから少なくとも一部の項目の情報を抽出して得られる、処方薬剤管理システム1用のDBであってもよい。
【0022】
通信部22は、サーバ2と操作端末3との間でアクセスに係る通信を行なう。例えば、通信部22は、操作端末3からのアクセス要求の受信に応じて、画面制御部24により生成又は更新されるウェブページの画面情報を、操作端末3に送信する。アクセス要求には、操作端末3によるウェブページ上での操作内容、例えば、オーダDB21aに対して登録、変更又は参照等を行なうための制御情報が含まれてもよい。通信部22は、アクセス要求の受信と画面情報の送信とを繰り返すことにより、操作端末3によるサーバ2へのアクセスを実現する。
【0023】
処理部23は、通信部22が操作端末3から受信したアクセス要求に基づき、メモリ部21が記憶するオーダDB21aに対する種々の処理を行なう。
【0024】
画面制御部24は、通信部22が操作端末3から受信したアクセス要求、及び、処理部23による処理結果、の一方又は双方に基づき、ウェブページの画面情報の生成又は更新を行なう。
【0025】
画面制御部24は、操作端末3からのアクセス要求の受信、例えば、サーバ2に対する処方情報の登録、変更、又は、参照に係るアクセス要求の受信に応じて、種々の画面情報を生成し、通信部22に出力する。例えば、処方された薬剤の残数の管理の機能に着目すると、画面情報には、処方記録画面200及び中止指示画面210を操作端末3に表示するための情報が含まれてよい。
【0026】
図2は、処方記録画面200の一例を示す図である。処方記録画面200は、指定された入院患者に対して処方された薬剤の処方記録(処方スケジュール)を表示する画面である。図2に示すように、処方記録画面200は、例示的に、薬品名201、用量202、用法203、及び、カレンダ部204を表示可能であってよい。
【0027】
薬品名201は、薬剤の正式名称が表示される領域である。薬品名201には、「100mg」等の規格単位が含まれてよい。なお、入院患者に複数種類の薬剤が処方されている場合、処方記録画面200には、処方された薬品名201ごとのエントリが表示されてよい。
【0028】
薬品名201の情報は、例えば、医療機関で採用されている薬剤の情報を記憶する薬剤マスタ又は院内採用薬マスタ(図示省略)から、医薬品コード等の薬剤のID(Identifier)をキーとして抽出されてよい。なお、薬品名201がオーダDB21aに含まれる場合にはオーダDB21aから抽出されてもよい。
【0029】
用量202は、薬品名201の薬剤の1日あたりの数量(1日量)、服用の単位、及び、1回あたりの数量(1回量)等の情報が表示される領域である。
【0030】
用法203は、処方された薬剤の数量(何日分、何回分、等)、使用(服用)のタイミング、投与経路、部位、投与量等の情報が表示される領域である。図2では、用法203には、定期的なタイミングで薬剤を使用する内服用法が表示される例を示すが、用法203には、処方情報に応じて、不定期なタイミング、例えば発熱時や疼痛時等の所定条件で薬剤を使用する頓用用法及び外用用法が表示されてもよい。
【0031】
用量202及び用法203の情報は、例えば、後述するオーダDB21aから抽出され表示されてよい。
【0032】
カレンダ部204は、薬剤が処方された期間における所定の時間帯ごとに、入院患者に対する薬剤の使用の実施状況が表示される領域である。カレンダ部204には、例えば、朝、昼、夜等の所定の時間帯別における、過去及び未来の日付の実施状況がマトリクス状に表示されてよい。
【0033】
実施状況は、一実施形態では、白抜きの丸「〇」で示す「未実施」、黒塗りの丸「●」で示す「実施済み」、バツ「×」で示す「未実施確認」、及び、「中断」の文字列で示す「中断」を含んでよい。「実施済み」及び「未実施確認」には、実施又は確認を行なったタイミングを示す時刻等の情報が併記されてもよい。
【0034】
処方記録画面200(例えばカレンダ部204)では、操作端末3による操作により、実施状況の登録が可能であってよい。実施状況の登録とは、カレンダ部204の該当するマトリクスに、「実施済み」、「未実施確認」、及び、「中断」等の実施状況を登録することを意味してよい。
【0035】
なお、頓用用法又は外用用法の場合、「実施済み」、「未実施確認」、及び、「中断」を行なったタイミングの属する時間帯における、該当する日付のマトリクスに実施状況が登録されてよい。
【0036】
「実施済み」は、薬剤の使用を実施した状況を示す第1情報の一例である。例えば、看護師や医療スタッフは、入院患者に薬剤の服用を実施する都度、操作端末3の操作を通じて、処方記録画面200に「実施済み」の実施状況を登録してよい。
【0037】
「未実施確認」は、薬剤の使用を実施していないことを職員が確認した状況を示す第2情報の一例である。例えば、医師や看護師、医療スタッフは、入院患者に対する薬剤の服用の未実施を確認する都度、操作端末3の操作を通じて、処方記録画面200に「未実施確認」の実施状況を登録してよい。
【0038】
「中断」は、薬剤の使用を、再開するという前提で一時的に取り止めた状況を示す第3情報の一例である。例えば、医師や看護師、医療スタッフは、薬剤の使用を中断する都度、操作端末3の操作を通じて、処方記録画面200に「中断」の実施状況を登録してよい。
【0039】
なお、「未実施」は、薬剤の使用を実施していない状況を示し、実施状況の登録が行なわれていない状況を示す。
【0040】
画面制御部24は、実施状況が登録されると、例えば、患者の識別情報(例えば患者ID)、薬品名201の識別情報(例えば薬ID)、用量202、及び、用法203等の対象エントリの情報を、登録された実施状況を示す伝票として処理部23に通知してよい。
【0041】
画面制御部24は、例えば、患者への処方を指示する処方指示画面(図示省略)を操作端末3に表示するための画面情報を生成してもよい。画面制御部24は、処方指示画面において登録された、患者ID、薬ID、用量、用法等の情報を、処方を指示する依頼伝票(処方指示)として処理部23に通知してよい。
【0042】
カレンダ部204には、処方指示で指定された薬剤の使用(服用)期間が示されてもよい。一例として、図2では、4/1(月)の昼食後の実施状況に、服用タイミングの開始時点を示す“[”が付加され、4/6(土)の朝食後の実施状況に、服用タイミングの終了時点を示す“]”が付加されている。
【0043】
ところで、入院患者への薬剤の使用、換言すれば、入院患者への薬剤の処方は、医師又は看護師等の判断により、「中止」されることがある。「中止」とは、入院患者への薬剤の使用を取り止めた(今後は行なわない)ことを示す。「中止」された場合、カレンダ部204には、「中止」した時点以降の実施状況は「未実施」となる。図2では、4/5(金)の朝食後の薬剤の使用が「中止」された例を示す。
【0044】
図3は、薬剤の使用の中止(処方の中止)を指示する中止指示画面210の一例を示す図である。中止指示画面210には、例えば、処方記録画面200のカレンダ部204上の操作により遷移可能であってよい。
【0045】
図3に示すように、中止指示画面210は、例示的に、服用中止日の指定領域211、服用を中止する服用タイミングの指定領域212、服用中止対象の処方情報の表示領域213、中止指示の確定ボタン217及び閉じるボタン218を表示可能であってよい。
【0046】
指定領域211及び212は、それぞれ、服用の中止を開始する日付及び服用タイミングを選択するための領域である。
【0047】
表示領域213は、薬剤ごとの処方情報、例えば上述した薬品名201、用量202及び用法203(図2参照)と、処方された薬剤の総数を特定可能な情報214、選択ボタン215、及び、残数の表示領域216とを含んでよい。
【0048】
処方された薬剤の総数を特定可能な情報214は、例えば、1日あたりの薬剤の使用数(用量202参照)と、何日分の薬剤が処方されたかを示す日数とを含んでよい。図3の例では、当該情報214により、6錠×5日分=30錠の薬剤が処方されたことを特定できる。選択ボタン215は、服用中止対象の薬剤を選択するためのボタン(例えばチェックボタン)である。
【0049】
残数の表示領域216は、中止指示画面210において発行される中止指示により服用が中止された際の、処方された薬剤の残数の算出結果が表示される領域である。処方された薬剤の残数は、後述する処理部23により算出される。
【0050】
なお、残数の表示領域216には、確定ボタン217の押下によって処理部23により残数が算出された場合に、当該残数が表示されてよく、確定ボタン217の押下前にはブランクであってもよい。
【0051】
確定ボタン217は、中止指示画面210における指定内容により薬剤の使用の中止を指示するためのボタンであり、確定ボタン217の押下により、中止指示画面210における指定内容を含む中止指示が発行される。
【0052】
中止指示は、処方指示に対する薬剤の処方中止の指示である。中止指示は、中止伝票として処理部23に通知されてよく、また、中止処方箋として医事会計システムにおいて処理されてよい。
【0053】
例えば、画面制御部24は、確定ボタン217が押下された場合、選択ボタン215が選択されている(例えばチェックが付いている)薬剤を、指定領域211及び212で指定された日付及びタイミングで服用中止することを示す中止指示を発行してよい。
【0054】
そして、中止指示の発行に応じて処理部23により算出された残数を、表示領域216に表示してよい。
【0055】
閉じるボタン218は、中止指示画面210において指定された内容を取り消して中止指示画面210を閉じるためのボタンである。
【0056】
このように、一実施形態に係るサーバ2によれば、薬剤の処方が中止される際に、中止日時点の薬剤の「残数」(例えば薬剤の残り「錠数」等)を表示可能となる。
【0057】
なお、薬剤の処方の「中止」には、処方された薬剤の種類、用量、用法等が変更される場合における、変更前の薬剤の処方を中止することが含まれてよい。
【0058】
例えば、医師又は看護師は、処方指示画面により処方した薬剤の種類、用量、用法等を変更する場合がある。画面制御部24は、薬剤の種類、用量、用法等の処方内容を変更するための変更指示画面(図示省略)の画面情報を生成してもよい。
【0059】
画面制御部24は、この変更指示画面において、処方指示画面により処方された当初の薬剤の種類、用量、用法等の変更が入力されると、当初の薬剤について、上述した「中止」の場合と同様に、薬剤の「残数」を表示してよい。なお、画面制御部24は、変更後の処方内容を、変更伝票(変更指示)として処理部23に通知してよい。
【0060】
〔1-2〕処理部の説明
次に、サーバ2の処理部23の詳細を説明する。図1に示すように、処理部23は、機能構成として、例示的に、DB制御部23a及び残数算出部23bを備えてよい。
【0061】
DB制御部23aは、画面制御部24による画面制御を通じて操作端末3から取得される制御情報に基づき、オーダDB21aに対する、処方情報の登録、変更及び参照等の種々の制御を行なう。
【0062】
図4は、オーダDB21aの一例を示す図である。図4に示すように、オーダDB21aは、例示的に、「患者ID」、「薬ID」、「伝票種別」、「数」、「残数」、「服用種別」、「返却済」及び「時刻」の項目を含んでよい。
【0063】
「患者ID」は、患者、例えば入院患者の識別情報の一例である。「薬ID」は、患者に処方された薬品の識別情報の一例である。
【0064】
「伝票種別」は、画面制御部24から入力される伝票(指示)の種別を示す情報である。例えば、「伝票種別」には、「依頼伝票」、「実施済み伝票」、「中断伝票」、並びに、図示しない「未実施確認伝票」及び「変更伝票」等が含まれてよい。
【0065】
「依頼伝票」は、入院患者に処方した薬剤の情報を示す伝票である。「実施済み伝票」は、入院患者に対して薬剤の服用を実施した(薬剤を使用した)ことを示す伝票である。
【0066】
「中断伝票」は、入院患者に対する薬剤の使用を中断したことを示す伝票である。中断伝票は、例えば、中止指示画面210と同様の中断指示画面(図示省略)において、1つ以上の服用タイミングを指定して入力された中断指示の内容を含んでよい。
【0067】
「未実施確認伝票」は、入院患者への薬剤の使用の未実施を医師や看護師、医療スタッフ等が確認したことを示す伝票である。
【0068】
「変更伝票」は、入院患者に処方した薬剤の変更後の情報を示す伝票である。「変更伝票」は、「変更伝票」による変更前の伝票である「依頼伝票」の中止指示と、変更後の伝票を処方情報とする「依頼伝票」とを組み合わせた伝票として捉えられてもよい。
【0069】
「依頼伝票」及び「変更伝票」は、入院患者への薬の処方を指示する処方指示であって処方された薬の総数を含む処方指示の一例である。また、オーダDB21aに蓄積された「実施済み伝票」は、入院患者に対する薬剤の使用実績の一例である。
【0070】
「数」には、「伝票種別」に応じた薬剤の数量が設定されてよい。例えば、「依頼伝票」及び「変更伝票」の「数」には、処方された薬剤の総数又は変更後の薬剤の総数が設定されてよく、「実施済み伝票」及び「中断伝票」の「数」には、1回量が設定されてよい。
【0071】
「残数」には、後述する残数算出部23bにより算出された、処方された薬剤の残数が設定されてよい。なお、「残数」は、「伝票種別」が「依頼伝票」又は「変更伝票」の場合に設定されてよい。
【0072】
「服用種別」には、「内服」、「外用」、「頓用」等の、薬剤の服用の種別が設定される。
【0073】
「返却済」は、「残数」のある「依頼伝票」又は「変更伝票」の薬剤が、例えば医療機関の管理部門に返却されたか否かを示す情報である。例えば、「返却済」には、「残数」分の薬剤が管理部門に返却済みの場合に「済」を示す情報が設定され、未返却の場合に「未」を示す情報が設定されてよい。なお、「返却済」は、「伝票種別」が「依頼伝票」又は「変更伝票」の場合に設定されてよい。
【0074】
なお、残数の算出処理においては、「未返却」の薬剤は、有効なエントリであり、参照や更新の対象として管理されてよく、「返却済」の薬剤は、無効なエントリであり、参照や更新の対象外として管理されてよい。
【0075】
「時刻」には、例えば、伝票が発行された時点、又は、オーダDB21aに伝票が登録された時点のタイムスタンプが設定されてよい。
【0076】
DB制御部23aは、オーダDB21aに対して、画面制御部24から取得した伝票の情報に含まれる患者IDごと、且つ、薬IDごとに、入院患者に処方された薬剤のオーダ情報のエントリを作成してよい。
【0077】
残数算出部23bは、中止指示が発行された場合に、オーダDB21aを参照して、処方指示に含まれる処方された薬剤の総数から、中止指示で指定される使用の中止時点よりも前の薬剤の使用実績に基づく薬剤の総使用数を減じて得られる残数を算出する。
【0078】
残数算出部23bは、例えば、以下の(a)及び(b)の2通りの指示について、それぞれ互いに異なる手法によって残数を算出してよい。
【0079】
(a)中止指示又は変更指示
例えば、残数算出部23bは、中止指示又は変更指示が発行された場合に、対象の薬剤について、依頼指示で処方された総量を取得し、総量から使用量を減じた結果を残数として算出し、オーダDB21aを更新してよい。
【0080】
(b)中断指示
例えば、残数算出部23bは、中断指示が発行された場合、対象の薬剤について、過去の中断回数と、1回量とを乗算した結果を残数として算出し、オーダDB21aを更新してよい。
【0081】
また、残数算出部23bは、残数の算出の際に、例えば、以下の(A)~(C)のいずれかの条件を用いてよい。
【0082】
(A)実施済みを考慮する場合
例えば、残数算出部23bは、処方記録画面200において「実施済み」であることが入力された件数をもとに残数を算出してもよい。この場合、残数算出部23bは、中止指示に含まれる中止の日時が未来の日時であっても、「実施済み」であることが入力された件数のみを考慮して残数を算出できるため、中止指示が作成された時点の実際の残数を算出することができる。
【0083】
(B)実施済みを考慮しない場合
例えば、残数算出部23bは、処方記録画面200において「実施済み」であることに依存せずに、残数を算出してもよい。この場合、残数算出部23bは、「実施済み」及び「未実施」の件数を考慮して残数を算出してよい。これにより、未実施又は実施予定を含む残数を算出することができるため、中止の日時が未来の日時の場合には推定値としての残数を算出することができる。
【0084】
(C)実施済みを考慮しない(頓用のみ実施済みを考慮する)場合
例えば、残数算出部23bは、上記(B)の場合において、頓用用法の薬剤については、上記(A)の場合を採用して、「実施済み」を考慮して残数を算出してもよい。
【0085】
なお、残数算出部23bは、例えば、頓用用法の薬剤について、上記(B)及び(C)のいずれの手法を採用するかを、例えば操作端末3等によりサーバ2に対して予め設定された設定値に応じて決定してもよい。
【0086】
以下、残数算出部23bによる残数の算出手法を説明する。なお、以下の説明では、1日3回(朝・昼・夕)、1回2錠、5日分の計30錠の薬剤が処方された場合を想定する。DB制御部23aは、当該処方内容の依頼指示に従いオーダDB21aにエントリを登録するものとする。
【0087】
(i)中止指示又は変更指示の場合における実施済みを考慮する場合の残数算出手法
例えば、残数算出部23bは、入院患者に処方された薬剤の総量を算出する。例えば、残数算出部23bは、オーダDB21aを参照して、処方記録画面200で表示されている患者IDに対応するエントリにおける、有効な依頼伝票及び変更伝票の「数」を合計することで総量(総数)を算出する。
【0088】
そして、残数算出部23bは、処方記録画面200における「実施済み」の総数をカウントする。一例として、「実施済み」の総数が“6”(回)の場合、1回量が2錠であるため、合計12錠が実施済みの総数となる。
【0089】
このように、残数算出部23bは、処方指示に含まれる処方された薬剤の総数から、「実施済み」が設定された回数と薬剤の1回あたりの使用数とを乗じて薬剤の総使用数を取得する。
【0090】
残数算出部23bは、算出した総量から実施済みの総数をマイナスすることで残数を得る。例えば、総数が“30”錠であり、実施済みの総数が“12”錠である場合、残数は、30-12=18錠となる。
【0091】
このように、実施済みを考慮する場合、未実施、未実施確認、中断では薬剤が服用されておらず、薬剤が余っているものとして捉え、残数算出部23bは、未実施、未実施確認、中断を残数として取り扱うのである。
【0092】
なお、患者に複数の薬剤が処方されている場合、残数算出部23bは、薬剤ごとに(換言すれば、依頼伝票ごとに)残数を算出してオーダDB21aを更新してよい。この場合、画面制御部24は、薬剤ごとの残数を表示してもよいし、患者に服用された複数の薬剤の残数の総数(合計)を算出して表示してもよい。
【0093】
残数算出部23bは、算出した残数を、画面制御部24に通知してよい。画面制御部24は、中止指示画面210又は変更指示画面において、残数の表示領域216に算出された残数を表示する。
【0094】
また、残数算出部23bは、中止指示画面210又は変更指示画面において中止処方が決定された場合(中止伝票又は変更伝票が発行された場合)には、算出した残数をオーダDB21aに書き込むことで、オーダDB21aを更新してよい。例えば、残数算出部23bは、算出した残数をオーダDB21aの依頼伝票又は変更伝票の「残数」に設定してよい。
【0095】
図5は、実施済みを考慮する場合の残数算出処理の一例を説明するための図である。図5に例示するように、残数算出部23bは、中止の日付及びタイミングにかかわらず、6/25(火)の昼食後に実施済みの2錠を総数である30錠から減算した残数“28錠”を、オーダDB21aの依頼伝票の「残数」に設定する。画面制御部24は、当該「残数」を中止指示画面210又は変更指示画面に表示する。
【0096】
(ii)中止指示又は変更指示の場合における実施済みを考慮しない場合の残数算出手法
例えば、残数算出部23bは、上記(i)と同様に、入院患者に処方された薬剤の総量を算出する。
【0097】
そして、残数算出部23bは、処方記録画面200における、中止又は変更の日付及びタイミングまでの「実施済み」及び「未実施」の総数をカウントする。一例として、中止又は変更の日付及びタイミングまでの「実施済み」及び「未実施」の総数が“8”(回)の場合、1回量が2錠であるため、合計16錠が実施済み及び未実施の総数となる。
【0098】
このように、残数算出部23bは、処方指示に含まれる処方された薬剤の総数から、「使用済み」が設定された回数、及び、「未使用」の回数と、薬剤の1回あたりの使用数とを乗じて薬剤の総使用数を取得する。なお、「未使用」の回数は、薬剤が処方されてから中止時点までの使用実績において「使用済み」、「未実施確認」及び「中断」が設定されていない回数、と捉えることができる。
【0099】
残数算出部23bは、算出した総量から実施済み及び未実施の総数をマイナスすることで残数を得る。例えば、総数が“30”錠であり、実施済みの総数が“16”錠である場合、残数は、30-16=14錠となる。
【0100】
このように、実施済みを考慮しない場合、未実施確認、中断では薬剤が服用されておらず、薬剤が余っているものとして捉え、残数算出部23bは、未実施確認、中断を残数として取り扱うのである。
【0101】
算出した残数の画面制御部24への通知、及び、オーダDB21aへの書き込みについては、上記(i)の場合と同様である。
【0102】
図6は、実施済みを考慮しない場合の残数算出処理の一例を説明するための図である。図6の例において、4/5(金)の朝食後から(12回目の服用から)中止を行なう場合を想定する。図6の例では、処方されてから中止されるまでの服用状況は、以下のように、実施済みが2回、未実施が2回、未実施確認が1回、中断が6回であり、実施済み及び未実施の回数が4回であるため、消費した薬剤は4回×2錠(1回量)=8錠となる。
【0103】
・1日目:昼食後に実施済み …2錠消費
夕食後に未実施 …2錠消費
・2日目:朝食後に実施済み …2錠消費
昼食後に未実施確認…消費無し(残数)
夕食後に未実施 …2錠消費
・3日目:中断 …消費無し(残数)
・4日目:中断 …消費無し(残数)
・5日目:朝食後服用中止
【0104】
従って、残数算出部23bは、総量30錠から、服用を中止する4/5(金)の朝食後までに消費する8錠を減算した残数“22錠”を、オーダDB21aの依頼伝票の「残数」に設定する。画面制御部24は、当該「残数」を中止指示画面210又は変更指示画面に表示する。
【0105】
このように、残数算出部23bは、薬剤の消費が発生しない未実施確認と中断とを考慮して、服用中止時点までに服用されたとする残数を算出する。
【0106】
(iii)中止指示又は変更指示の場合における実施済みを考慮しない(頓用のみ実施済みを考慮する)場合の残数算出手法
頓用用法では、患者が薬剤を服用するタイミングが不定である。このため、残数算出部23bは、「実施済み」の服用状況に基づいて、頓用用法の薬剤の残数を算出してよい。
【0107】
例えば、残数算出部23bは、入院患者に処方された複数の薬剤について上記(ii)の手法を採用する場合であっても、処方された薬剤のうちの頓用用法の薬剤については、上記(i)の手法を採用してもよい。
【0108】
(iv)中断指示の場合の残数算出手法
中断指示の場合、上記(i)~(iii)の場合とは残数の捉え方が異なる。中断指示に関しては、処方された薬剤は、全数が服用されることを前提とする。このため、残数算出部23bは、処方された薬剤の残数を0錠として判断し、当該薬剤について中断指示が発行された件数分、残数が増加すると判断する。
【0109】
例えば、1回量が2錠である場合、薬剤の服用が1回中断されると残数が2錠になり、2回中断されると残数が4錠になる。このため、残数算出部23bは、中断された回数に1回量を乗じた錠数を残数として算出してよい。
【0110】
また、残数算出部23bは、算出した残数をオーダDB21aに書き込むことで、オーダDB21aを更新してよい。例えば、残数算出部23bは、算出した残数をオーダDB21aの依頼伝票又は変更伝票の「残数」に設定してよい。なお、中断指示の後に中止指示又は変更指示が発行された場合、中断指示に応じて算出された残数は、中止指示又は変更指示に応じて算出された残数により更新(上書き)されてよい。
【0111】
このように、DB制御部23aは、入院患者への薬剤の処方を指示する処方指示であって、処方された薬剤の総数を含む処方指示と、入院患者に対する薬剤の使用実績とを記憶するオーダDB21aを管理する管理部の一例である。
【0112】
また、残数算出部23b及び画面制御部24は、中止指示が発行された場合に、オーダDB21aを参照して、処方された薬剤の総数から、中止時点よりも前の薬剤の使用実績に基づく総使用数を減じて得られる残数を表示する表示部の一例である。
【0113】
以上のように、管理部及び表示部を備える処方薬剤管理システム1によれば、入院病棟等において管理される薬剤の残数を、オーダDB21aに基づき算出することにより、処方された薬剤の残数を適切に管理することができる。換言すれば、処方薬剤管理システム1により、管理業務の負荷を軽減でき、管理業務の支援を行なうことができる。
【0114】
また、残数算出部23bによれば、「実施済み」、「未実施確認」、「中断」等の、医事会計システムで利用される既存の実施状況に基づき、薬剤の総使用量を取得し、残数を算出できる。従って、既存の医事会計システムで利用される実施状況等の登録、更新機能を流用できるため、一実施形態に係る処方薬剤管理システム1を実現するためのコストの増加を軽減することができる。
【0115】
〔1-3〕動作例
以下、上述した処方薬剤管理システム1の動作例を、フローチャートを参照しながら説明する。図7は、一実施形態に係る処方薬剤管理システム1の動作例を説明するフローチャートである。
【0116】
なお、以下の説明では、処方薬剤管理システム1における、処方された薬剤の残数の算出処理に着目する。このため、以下の説明では、残数算出部23bによる残数の算出処理以外の処理の説明を省略する場合がある。
【0117】
図7に例示するように、サーバ2は、処方記録画面200を起動する(ステップS1)。なお、DB制御部23aは、処方記録画面200の起動後、画面制御部24からの依頼伝票及び更新伝票の受信に応じて、オーダDB21aに薬剤の処方情報を登録してよい。また、DB制御部23aは、画面制御部24からの実施済み伝票、未実施確認伝票及び中断伝票の受信に応じて、オーダDB21aにエントリを追加してよい。
【0118】
残数算出部23bは、発行済みの処方オーダに対する服用の中止、中断又は変更指示が発行されたか否かを判定する(ステップS2)。中止、中断又は変更指示は、患者単位で、当該患者に処方された1以上の薬剤を対象としてもよいし、或る患者に処方された複数の薬剤のうちの1以上の薬剤を対象としてもよい。いずれの指示も発行されていない場合(ステップS2でNO)、処理が終了する。
【0119】
中止、中断又は変更指示が発行された場合(ステップS2でYES)、残数算出部23bは、発行された指示が中止又は変更指示であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0120】
発行された指示が中止又は変更指示である場合(ステップS3でYES)、残数算出部23bは、実施済みを考慮するか否かを判定する(ステップS4)。実施済みを考慮するか否かは、例えば、メモリ部21等に記憶された設定情報のパラメータにより特定されてよい。当該パラメータの値は、例えば、操作端末3により変更可能である。
【0121】
実施済みを考慮しない場合(ステップS4でNO)、残数算出部23bは、オーダDB21aの「服用種別」を参照し、対象となる薬剤が内服又は外用か否かを判定する(ステップS5)。
【0122】
内服又は外用である場合(ステップS5でYES)、残数算出部23bは、患者に対して処方された1以上の薬剤の総数と、これらの薬剤の未実施及び実施済みの総数とをオーダDB21aから取得する(ステップS6)。
【0123】
そして、残数算出部23bは、処方された1以上の薬剤の総数から、未実施及び実施済みの総数を減じた残数により、オーダDB21aを更新する(ステップS7)。
【0124】
画面制御部24は、残数算出部23bが算出した残数を、例えば中止指示画面210又は変更指示画面等に表示し(ステップS11)、処理が終了する。
【0125】
一方、実施済みを考慮する場合(ステップS4でYES)、又は、内服又は外用ではない(例えば頓用である)場合(ステップS5でNO)、残数算出部23bは、処方された薬剤の総数と、実施済みの総数とをオーダDB21aから取得する(ステップS8)。
【0126】
そして、残数算出部23bは、処方された薬剤の総数から、実施済みの総数を減じた残数により、オーダDB21aを更新し(ステップS9)、処理がステップS11に移行する。
【0127】
また、発行された指示が中止又は変更指示ではない場合(ステップS3でNO)、例えば中断指示である場合、残数算出部23bは、中断回数をオーダDB21aから取得する。そして、残数算出部23bは、中断回数と、薬剤の1回量(例えばオーダDB21aの「数」の値)とを乗算することで得られる残数によりオーダDB21aを更新し(ステップS10)、処理がステップS11に移行する。
【0128】
以上により、一実施形態に係る処方薬剤管理システム1による、処方された薬剤の残数の算出処理が完了する。
【0129】
〔1-4〕変形例
一実施形態に係る処方薬剤管理システム1は、中止指示等の作成に応じて、処方された薬剤の残数を、例えば中止指示画面210等の画面に自動で表示させるものとしたが、これに限定されるものではない。
【0130】
例えば、処方薬剤管理システム1は、操作端末3を介して、中止指示画面210等の画面に表示された残数を手動で変更可能であってもよく、或いは、残数を手動で入力可能であってもよい。
【0131】
図8は、変形例に係る中止指示画面210の一例を示す図である。図8に例示するように、残数の表示領域216には、残数変更ボタン219が表示されてもよい。残数変更ボタン219が押下されると、画面制御部24は、数値入力画面220の画面情報を生成する。
【0132】
図9は、数値入力画面220の一例を示す図である。図9に示すように、数値入力画面220は、例示的に、数値の入力領域221、表示領域222、単位選択領域223、確定ボタン224及び閉じるボタン225を表示可能であってよい。
【0133】
入力領域221には、数値の入力ボタンが表示されてよい。表示領域222には、入力領域221で入力(選択)された数値が表示されてよい。なお、操作端末3のキーボード等の入力手段により入力された数値が表示領域222に表示されてもよい。
【0134】
単位選択領域223には、薬剤の数量の単位(「錠」等)のリストが表示され、いずれか1つの単位が選択可能であってよい。確定ボタン224は、数値入力画面220に入力された情報を確定するためのボタンである。閉じるボタン225は、数値入力画面220を閉じるためのボタンである。
【0135】
画面制御部24は、確定ボタン224が押下されると、表示領域222に表示された数値、及び、単位選択領域223で選択された単位を、残数の入力値として、中止指示画面210等の画面に表示してよい。
【0136】
数値入力された残数は、図10に例示するように、残数の表示領域216に表示されてよい。この場合、表示領域216には、残数が、残数算出部23bにより(自動で)算出された値とは異なる、手入力の値であることを示す情報が表示されてよい。図10の例では、表示領域216に、「手入力で編集された値です」という文言が表示される。
【0137】
なお、残数算出部23bは、中止指示画面210において確定ボタン217が押下された際に、数値入力された残数によりオーダDB21aの依頼伝票又は変更伝票のエントリを更新してもよい。例えば、オーダDB21aには、残数が数値入力であることを示す情報(例えばフラグ)の項目をさらに含んでよく、残数算出部23bは、数値入力された残数によりオーダDB21aを更新する際に、上記情報(例えばフラグ)をオン(有効)に設定してよい。
【0138】
これにより、職員は、処方薬剤管理システム1における残数の算出及び表示機能を柔軟に利用することが可能となる。
【0139】
〔1-5〕ハードウェア構成例
図11は、サーバ2の機能を実現するコンピュータ10のハードウェア(HW)構成例を示すブロック図である。サーバ2の機能を実現するHWリソースとして、複数のコンピュータが用いられる場合は、各コンピュータが図11に例示するHW構成を備えてよい。
【0140】
図11に示すように、コンピュータ10は、HW構成として、例示的に、プロセッサ10a、メモリ10b、記憶部10c、IF(Interface)部10d、I/O(Input / Output)部10e、及び読取部10fを備えてよい。
【0141】
プロセッサ10aは、種々の制御や演算を行なう演算処理装置の一例である。プロセッサ10aは、コンピュータ10内の各ブロックとバス10iで相互に通信可能に接続されてよい。なお、プロセッサ10aは、複数のプロセッサを含むマルチプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサコアを有するマルチコアプロセッサであってもよく、或いは、マルチコアプロセッサを複数有する構成であってもよい。
【0142】
プロセッサ10aとしては、例えば、CPU、MPU、GPU、APU、DSP、ASIC、FPGA等の集積回路(IC:Integrated Circuit)が挙げられる。なお、プロセッサ10aとして、これらの集積回路の2以上の組み合わせが用いられてもよい。CPUはCentral Processing Unitの略称であり、MPUはMicro Processing Unitの略称である。GPUはGraphics Processing Unitの略称であり、APUはAccelerated Processing Unitの略称である。DSPはDigital Signal Processorの略称であり、ASICはApplication Specific ICの略称であり、FPGAはField-Programmable Gate Arrayの略称である。
【0143】
メモリ10bは、種々のデータやプログラム等の情報を格納するHWの一例である。メモリ10bとしては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリ、及び、PM(Persistent Memory)等の不揮発性メモリ、の一方又は双方が挙げられる。
【0144】
記憶部10cは、種々のデータやプログラム等の情報を格納するHWの一例である。記憶部10cとしては、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)等の半導体ドライブ装置、不揮発性メモリ等の各種記憶装置が挙げられる。不揮発性メモリとしては、例えば、フラッシュメモリ、SCM(Storage Class Memory)、ROM(Read Only Memory)等が挙げられる。
【0145】
また、記憶部10cは、コンピュータ10の各種機能の全部若しくは一部を実現するプログラム10g(薬残数管理プログラム)を格納してよい。例えば、サーバ2のプロセッサ10aは、記憶部10cに格納されたプログラム10gをメモリ10bに展開して実行することにより、図1に例示するサーバ2としての機能を実現できる。
【0146】
なお、メモリ10b及び記憶部10cの少なくとも1つが有する記憶領域には、図1に示すオーダDB21aが格納されてよい。換言すれば、図1に示すメモリ部21は、メモリ10b及び記憶部10cの少なくとも1つが有する記憶領域により実現されてよい。
【0147】
IF部10dは、ネットワークとの間の接続及び通信の制御等を行なう通信IFの一例である。例えば、IF部10dは、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)、或いは、FC(Fibre Channel)等の光通信等に準拠したアダプタを含んでよい。当該アダプタは、無線及び有線の一方又は双方の通信方式に対応してよい。例えば、サーバ2は、IF部10dを介して、操作端末3と相互に通信可能に接続されてよい。また、例えば、プログラム10gは、当該通信IFを介して、ネットワークからコンピュータ10にダウンロードされ、記憶部10cに格納されてもよい。
【0148】
I/O部10eは、入力装置、及び、出力装置、の一方又は双方を含んでよい。入力装置としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等が挙げられる。出力装置としては、例えば、モニタ、プロジェクタ、プリンタ等が挙げられる。
【0149】
読取部10fは、記録媒体10hに記録されたデータやプログラムの情報を読み出すリーダの一例である。読取部10fは、記録媒体10hを接続可能又は挿入可能な接続端子又は装置を含んでよい。読取部10fとしては、例えば、USB(Universal Serial Bus)等に準拠したアダプタ、記録ディスクへのアクセスを行なうドライブ装置、SDカード等のフラッシュメモリへのアクセスを行なうカードリーダ等が挙げられる。なお、記録媒体10hにはプログラム10gが格納されてもよく、読取部10fが記録媒体10hからプログラム10gを読み出して記憶部10cに格納してもよい。
【0150】
記録媒体10hとしては、例示的に、磁気/光ディスクやフラッシュメモリ等の非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体が挙げられる。磁気/光ディスクとしては、例示的に、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク、HVD(Holographic Versatile Disc)等が挙げられる。フラッシュメモリとしては、例示的に、USBメモリやSDカード等の半導体メモリが挙げられる。
【0151】
上述したコンピュータ10のHW構成は例示である。従って、コンピュータ10内でのHWの増減(例えば任意のブロックの追加や削除)、分割、任意の組み合わせでの統合、又は、バスの追加若しくは削除等は適宜行なわれてもよい。例えば、サーバ2において、I/O部10e及び読取部10fの少なくとも一方は、省略されてもよい。
【0152】
なお、情報処理端末の一例である操作端末3は、上述したコンピュータ10と同様のHW構成により実現されてよい。
【0153】
例えば、操作端末3のプロセッサ10aは、記憶部10cに格納されたプログラム10gをメモリ10bに展開して実行することにより、図1に示す操作端末3としての機能を実現できる。
【0154】
なお、図1に示す操作端末3は、I/O部10eの一例である入力装置及び表示装置を備えてよい。例えば、操作端末3のプロセッサ10aは、IF10dを介してサーバ2から受信した情報に基づき、図2図3図5図6図8図10に示す各画面を表示装置に表示してよい。また、操作端末3のプロセッサ10aは、職員により入力装置を介して入力された情報を、IF10dを介してサーバ2に送信してよい。
【0155】
〔2〕その他
上述した一実施形態に係る技術は、以下のように変形、変更して実施することができる。
【0156】
例えば、図1に示すサーバ2が備える通信部22、処理部23(DB制御部23a及び残数算出部23b)、並びに、画面制御部24は、任意の組み合わせで併合してもよく、それぞれ分割してもよい。
【0157】
また、図1に示すサーバ2は、複数の装置がネットワークを介して互いに連携することにより、各処理機能を実現する構成であってもよい。一例として、通信部22及び画面制御部24はWebサーバ、処理部23はアプリケーションサーバ、メモリ部21はDBサーバ、であってもよい。この場合、Webサーバ、アプリケーションサーバ及びDBサーバが、ネットワークを介して互いに連携することにより、サーバ2としての各処理機能を実現してもよい。
【0158】
なお、残数算出部23bは、中止指示、変更指示又は中断指示が発行された場合に残数を算出し、算出した残数によりオーダDB21aを更新するものとしたが、これに限定されるものではない。
【0159】
例えば、残数算出部23bは、中止指示画面210、変更指示画面又は中断指示画面において、確定ボタン217等の押下前であって、中止、変更又は中断する日付及びタイミングが選択(入力)された場合に、その時点の入力内容に基づき残数を算出してもよい。この場合、残数算出部23bは、確定ボタン217等が押下されるまではオーダDB21aを更新せずに、算出した残数を画面制御部24に通知してよい。
【0160】
これにより、医師等の職員は、処方の中止、変更又は中断の指示を作成する段階で、選択中の日付及びタイミングのときの残数を把握することができる。
【0161】
〔3〕付記
以上の実施形態及び変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0162】
(付記1)
入院患者への薬の処方を指示する処方指示であって、前記処方された薬の総数を含む前記処方指示と、前記入院患者に対する前記薬の使用実績とを記憶する記憶部を管理し、
前記処方指示に対する前記薬の処方中止を指示する中止指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記中止指示で指定される前記使用の中止時点よりも前の前記薬の使用実績に基づく前記薬の総使用数を減じて得られる前記薬の残数を表示する、
処理をコンピュータに実行させる、薬残数管理プログラム。
【0163】
(付記2)
前記使用実績には、前記薬が処方された期間における所定の時間帯ごとに、前記入院患者に対して前記薬の使用を実施した場合に、使用済みを示す第1情報が設定され、前記入院患者に対して前記薬の使用を実施していないことが確認された場合に、未実施確認を示す第2情報が設定され、前記入院患者に対して前記薬の使用を中断した場合に、中断を示す第3情報が設定され、
前記表示は、前記使用実績における前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報の設定状況に基づき、前記薬の総使用数を取得する、
付記1に記載の薬残数管理プログラム。
【0164】
(付記3)
前記表示は、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記第1情報が設定された回数と前記薬の1回あたりの使用数とを乗じて前記薬の総使用数を取得する、
付記2に記載の薬残数管理プログラム。
【0165】
(付記4)
前記表示は、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記第1情報が設定された回数、及び、前記薬が処方されてから前記中止時点までの前記使用実績において前記第1、第2及び第3情報が設定されていない回数と、前記薬の1回あたりの使用数とを乗じて前記薬の総使用数を取得する、
付記2に記載の薬残数管理プログラム。
【0166】
(付記5)
前記表示は、前記処方指示に対する前記薬の処方中断を指示する中断指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記使用実績において前記第3情報が設定された回数と、前記薬の1回あたりの使用数とに基づく前記薬の残数を表示する、
付記2~付記4のいずれか1項に記載の薬残数管理プログラム。
【0167】
(付記6)
前記薬の残数を、前記薬の前記処方指示に対応付けて前記記憶部に記憶する、
処理を前記コンピュータに実行させる、
付記1~付記5のいずれか1項に記載の薬残数管理プログラム。
【0168】
(付記7)
前記薬の残数の入力を受け付ける入力画面を表示し、
前記入力画面に入力された入力値を、前記薬の残数の変更値として表示する、
処理を前記コンピュータに実行させる、
付記1~付記6のいずれか1項に記載の薬残数管理プログラム。
【0169】
(付記8)
入院患者への薬の処方を指示する処方指示であって、前記処方された薬の総数を含む前記処方指示と、前記入院患者に対する前記薬の使用実績とを記憶する記憶部と、
前記処方指示に対する前記薬の処方中止を指示する中止指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記中止指示で指定される前記使用の中止時点よりも前の前記薬の使用実績に基づく前記薬の総使用数を減じて得られる前記薬の残数を表示する表示部と、
を備える、薬残数管理システム。
【0170】
(付記9)
前記使用実績には、前記薬が処方された期間における所定の時間帯ごとに、前記入院患者に対して前記薬の使用を実施した場合に、使用済みを示す第1情報が設定され、前記入院患者に対して前記薬の使用を実施していないことが確認された場合に、未実施確認を示す第2情報が設定され、前記入院患者に対して前記薬の使用を中断した場合に、中断を示す第3情報が設定され、
前記表示部は、前記使用実績における前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報の設定状況に基づき、前記薬の総使用数を取得する、
付記8に記載の薬残数管理システム。
【0171】
(付記10)
前記表示部は、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記第1情報が設定された回数と前記薬の1回あたりの使用数とを乗じて前記薬の総使用数を取得する、
付記9に記載の薬残数管理システム。
【0172】
(付記11)
前記表示部は、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記第1情報が設定された回数、及び、前記薬が処方されてから前記中止時点までの前記使用実績において前記第1、第2及び第3情報が設定されていない回数と、前記薬の1回あたりの使用数とを乗じて前記薬の総使用数を取得する、
付記9に記載の薬残数管理システム。
【0173】
(付記12)
前記表示部は、前記処方指示に対する前記薬の処方中断を指示する中断指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記使用実績において前記第3情報が設定された回数と、前記薬の1回あたりの使用数とに基づく前記薬の残数を表示する、
付記9~付記11のいずれか1項に記載の薬残数管理システム。
【0174】
(付記13)
前記薬の残数を、前記薬の前記処方指示に対応付けて前記記憶部に記憶する管理部、
を備える、付記8~付記12のいずれか1項に記載の薬残数管理システム。
【0175】
(付記14)
前記表示部は、
前記薬の残数の入力を受け付ける入力画面を表示し、
前記入力画面に入力された入力値を、前記薬の残数の変更値として表示する、
付記8~付記13のいずれか1項に記載の薬残数管理システム。
【0176】
(付記15)
入院患者への薬の処方を指示する処方指示であって、前記処方された薬の総数を含む前記処方指示と、前記入院患者に対する前記薬の使用実績とを記憶する記憶部を管理し、
前記処方指示に対する前記薬の処方中止を指示する中止指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記中止指示で指定される前記使用の中止時点よりも前の前記薬の使用実績に基づく前記薬の総使用数を減じて得られる前記薬の残数を表示する、
処理をコンピュータが実行する、薬残数管理方法。
【0177】
(付記16)
前記使用実績には、前記薬が処方された期間における所定の時間帯ごとに、前記入院患者に対して前記薬の使用を実施した場合に、使用済みを示す第1情報が設定され、前記入院患者に対して前記薬の使用を実施していないことが確認された場合に、未実施確認を示す第2情報が設定され、前記入院患者に対して前記薬の使用を中断した場合に、中断を示す第3情報が設定され、
前記表示は、前記使用実績における前記第1情報、前記第2情報、及び、前記第3情報の設定状況に基づき、前記薬の総使用数を取得する、
付記15に記載の薬残数管理方法。
【0178】
(付記17)
前記表示は、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記第1情報が設定された回数と前記薬の1回あたりの使用数とを乗じて前記薬の総使用数を取得する、
付記16に記載の薬残数管理方法。
【0179】
(付記18)
前記表示は、前記処方指示に含まれる前記処方された薬の総数から、前記第1情報が設定された回数、及び、前記薬が処方されてから前記中止時点までの前記使用実績において前記第1、第2及び第3情報が設定されていない回数と、前記薬の1回あたりの使用数とを乗じて前記薬の総使用数を取得する、
付記16に記載の薬残数管理方法。
【0180】
(付記19)
前記表示は、前記処方指示に対する前記薬の処方中断を指示する中断指示が発行された場合に、前記記憶部を参照して、前記使用実績において前記第3情報が設定された回数と、前記薬の1回あたりの使用数とに基づく前記薬の残数を表示する、
付記16~付記18のいずれか1項に記載の薬残数管理方法。
【0181】
(付記20)
前記薬の残数を、前記薬の前記処方指示に対応付けて前記記憶部に記憶する、
処理を前記コンピュータに実行させる、
付記15~付記19のいずれか1項に記載の薬残数管理方法。
【符号の説明】
【0182】
1 処方薬剤管理システム
10 コンピュータ
2 サーバ
21 メモリ部
21a オーダDB
22 通信部
23 処理部
23a DB制御部
23b 残数算出部
24 画面制御部
3 操作端末
図1
図2
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図11