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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】保護装置、保護方法および無人航空機
(51)【国際特許分類】
   B64D 1/16 20060101AFI20240123BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20240123BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240123BHJP
   B64U 10/14 20230101ALI20240123BHJP
   B64U 20/80 20230101ALI20240123BHJP
   B64U 20/87 20230101ALI20240123BHJP
   B64U 101/30 20230101ALN20240123BHJP
【FI】
B64D1/16
B05B12/00 Z
B64C39/02
B64U10/14
B64U20/80
B64U20/87
B64U101:30
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020065014
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021164081
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小南 敦嗣
(72)【発明者】
【氏名】荒木 宗司
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-538613(JP,A)
【文献】特表2019-526206(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110369397(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第10225151(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0366375(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 12/00
B64C 39/02
B64D 1/16
B64U 10/14
B64U 20/80
B64U 20/87
B64U 101/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機に搭載されるセンサを保護するための保護装置であって、
筐体と、
前記筐体に設けられ、容器と接続されるノズルと
を備え、
前記保護装置は、前記ノズルから前記容器の内容物を吐出することによって、前記センサを保護し、
前記保護装置は、外部から情報を取得する情報取得部を更に備え、前記情報取得部が取得した前記情報に基づき、前記ノズルから前記内容物を吐出し、
前記情報取得部は、前記無人航空機から情報を取得する
保護装置。
【請求項2】
無人航空機に搭載されるセンサを保護するための保護装置であって、
筐体と、
前記筐体に設けられ、容器と接続されるノズルと
を備え、
前記保護装置は、前記ノズルから前記容器の内容物を吐出することによって、前記センサを保護し、
前記保護装置は、外部から情報を取得する情報取得部を更に備え、前記情報取得部が取得した前記情報に基づき、前記ノズルから前記内容物を吐出し、
前記保護装置は、環境の変化を検出する環境検出部を更に備え、前記環境検出部が検出した前記変化に基づき、前記ノズルから前記内容物を吐出する
保護装置。
【請求項3】
無人航空機に搭載されるセンサを保護するための保護装置であって、
筐体と、
前記筐体に設けられ、容器と接続されるノズルと
を備え、
前記保護装置は、前記ノズルから前記容器の内容物を吐出することによって、前記センサを保護し、
前記保護装置は、外部から情報を取得する情報取得部を更に備え、前記情報取得部が取得した前記情報に基づき、前記ノズルから前記内容物を吐出し、
前記保護装置は、異物を検出する異物検出部を更に備え、前記異物検出部が前記異物を検出したことに応答して、前記ノズルから前記内容物を吐出する
保護装置。
【請求項4】
無人航空機に搭載されるセンサを保護するための保護装置であって、
筐体と、
前記筐体に設けられ、容器と接続されるノズルと
を備え、
前記保護装置は、前記ノズルから前記容器の内容物を吐出することによって、前記センサを保護し、
前記筐体は、前記筐体の入口から底部に向かって筒状又は略テーパした形状を有する凹部を有し、
前記センサは前記底部に取りつけられ、前記ノズルは前記凹部の側面に設けられる
保護装置。
【請求項5】
無人航空機に搭載されるセンサを保護するための保護装置であって、
筐体と、
前記筐体に設けられ、容器と接続されるノズルと
を備え、
前記保護装置は、前記ノズルから前記容器の内容物を吐出することによって、前記センサを保護し、
前記吐出した内容物は生体に対する忌避剤を含む
保護装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、操作者から操作情報を取得する
請求項1から3の何れか一項に記載の保護装置。
【請求項7】
前記異物検出部は前記センサより前記筐体の入口近傍に設けられ、前記ノズルは前記センサと前記異物検出部との間に設けられる
請求項に記載の保護装置。
【請求項8】
前記異物検出部は、受光部を有し、前記受光部に前記異物が接近した際の受光量変化を検出する
請求項又は7に記載の保護装置。
【請求項9】
前記異物検出部は通電部を有し、前記通電部に前記異物が接触した場合の抵抗の変化を検出する
請求項又は7に記載の保護装置。
【請求項10】
前記ノズルは前記センサと前記筐体の入口との間に設けられ、
前記異物検出部は前記センサとして動作する
請求項に記載の保護装置。
【請求項11】
前記容器を更に備える
請求項1から10の何れか一項に記載の保護装置。
【請求項12】
前記ノズルから、前記センサへの方向と異なる方向に前記内容物を吐出する
請求項1から11の何れか一項に記載の保護装置。
【請求項13】
前記吐出した内容物は液体を含む
請求項1から12の何れか一項に記載の保護装置。
【請求項14】
無人航空機に搭載されるセンサを保護するための保護方法であって、
容器と接続されるノズルから前記容器の内容物を吐出することによって、前記センサを保護する段階と、
環境の変化を検出する段階と、
検出した前記変化に基づき、前記ノズルから前記内容物を吐出する段階と、
を備える保護方法。
【請求項15】
無人航空機に搭載されるセンサを保護するための保護方法であって、
容器と接続されるノズルから前記容器の内容物を吐出することによって、前記センサを保護する段階と、
異物を検出する段階と、
前記異物を検出したことに応答して、前記ノズルから前記内容物を吐出する段階と、
を備える保護方法。
【請求項16】
外部から情報を取得する段階と、
取得した前記情報に基づき、前記ノズルから前記内容物を吐出する段階と
を更に備える
請求項14又は15に記載の保護方法。
【請求項17】
請求項1から13の何れか一項に記載の保護装置を備える無人航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護装置、保護方法および無人航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および2には、無人航空機に搭載されるセンサに埃等が付着しないよう、筐体内で気流を生成する装置が記載されている。また、特許文献3には、無人航空機に搭載されるセンサに洗浄液を噴射して、センサ表面を洗浄する装置が記載されている。
特許文献1 国際公開第2018165937号
特許文献2 国際公開第2019100316号
特許文献3 特表2019-526206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無人航空機の利用範囲拡大に伴い、様々な環境においてセンサを効果的に保護することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、無人航空機に搭載されるセンサを保護するための保護装置であって、筐体と、筐体に設けられ、容器と接続されるノズルとを備え、ノズルから容器の内容物を吐出することによって、センサを保護する保護装置を提供する。
【0005】
保護装置は、外部から情報を取得する情報取得部を更に備え、情報取得部が取得した情報に基づき、ノズルから内容物を吐出してよい。
【0006】
情報取得部は、操作者から操作情報を取得してよい。
【0007】
情報取得部は、無人航空機から情報を取得してよい。
【0008】
保護装置は、環境の変化を検出する環境検出部を更に備え、環境検出部が検出した変化に基づき、ノズルから内容物を吐出してよい。
【0009】
保護装置は、異物を検出する異物検出部を更に備え、異物検出部が異物を検出したことに応答して、ノズルから内容物を吐出してよい。
【0010】
異物検出部はセンサより筐体の入口近傍に設けられ、ノズルはセンサと異物検出部との間に設けられてよい。
【0011】
異物検出部は、受光部を有し、受光部に異物が接近した際の受光量変化を検出してよい。
【0012】
異物検出部は通電部を有し、通電部に異物が接触した場合の抵抗の変化を検出してよい。
【0013】
ノズルはセンサと筐体の入口との間に設けられ、異物検出部はセンサとして動作してよい。
【0014】
筐体は、筐体の入口から底部に向かって筒状又は略テーパした形状を有する凹部を有し、センサは底部に取りつけられ、ノズルは凹部の側面に設けられてよい。
【0015】
保護装置は、容器を更に備えてよい。
【0016】
ノズルから、センサへの方向と異なる方向に内容物を吐出してよい。
【0017】
吐出した内容物は液体を含んでよい。
【0018】
吐出した内容物は生体に対する忌避剤を含んでよい。
【0019】
本発明の第2の態様においては、無人航空機に搭載されるセンサを保護するための保護方法であって、容器と接続されるノズルから容器の内容物を吐出することによって、センサを保護する段階を備える保護方法を提供する。
【0020】
保護方法は、外部から情報を取得する段階と、取得した情報に基づき、ノズルから内容物を吐出する段階とを更に備えてよい。
【0021】
保護方法は、環境の変化を検出する段階と、検出した変化に基づき、ノズルから内容物を吐出する段階とを更に備えてよい。
【0022】
保護方法は、物を検出する段階と、異物を検出したことに応答して、ノズルから内容物を吐出する段階とを更に備えてよい。
【0023】
本発明の第3の態様においては、本発明の第1の態様に係る保護装置を備える無人航空機を提供する。
【0024】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】無人航空機100の構成の一例を示す図である。
図2】操縦装置200の構成の一例を示す図である。
図3】端末装置300の構成の一例を示す図である。
図4A】筐体410の構成の一例を示す斜視図である。
図4B図4Aに示す筐体410の断面図である。
図5】吐出装置450の構成の一例を示す図である。
図6】実施例1に係る保護装置400の機能ブロックの一例を示す図である。
図7A】保護装置400の動作状態の一例を示す図である。
図7B図7Aにおける筐体410の断面の一例を示す図である。
図8】実施例2に係る保護装置400の機能ブロックの一例を示す図である。
図9A】保護装置400の動作状態の一例を示す図である。
図9B図9Aにおける筐体410の断面の一例を示す図である。
図10】実施例3に係る保護装置400の機能ブロックの一例を示す図である。
図11A】異物検出部412の一例を示す筐体410の断面図である。
図11B図11Aに示す異物検出部412に異物500が接近する例を示す図である。
図12A】異物検出部412の他の例を示す筐体410の斜視図である。
図12B図12Aにおける筐体410の断面図である。
図13】異物検出部412の他の例を示す筐体410の断面図である。
図14】保護方法の一例を示すフロー図である。
図15】保護方法の他の例を示すフロー図である。
図16】保護方法の他の例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0027】
図1は、無人航空機100の構成の一例を示す図である。
【0028】
無人航空機100は、空中を飛行する飛行体である。本例の無人航空機100は、本体部10と、推進部20と、可動カメラ30と、GPS情報受信部40とを備える。なお、本明細書では、図1において可動カメラ30が向けられた方向を無人航空機100の正面方向と称するが、飛行方向が正面方向に限定されるものではない。
【0029】
本体部10は、無人航空機100の各種制御回路および電源等を格納する。また、本体部10は、無人航空機100の構成同士を連結する構造体として機能してよい。本例の本体部10は、推進部20に連結されている。
【0030】
本体部10は、脚部15に連結される。脚部15は、着陸時に無人航空機100の姿勢を保持する。脚部15は、推進部20を停止した状態で、無人航空機100の姿勢を保持する。本例の無人航空機100は、2本の脚部15を有する。脚部15には、可動カメラ30および保護装置400が取り付けられてもよい。
【0031】
推進部20は、無人航空機100を推進させる。推進部20は、回転翼21および回転駆動部22を有する。本例の無人航空機100は、4つの推進部20を備える。推進部20は、腕部24を介して本体部10に取り付けられている。なお、無人航空機100は、固定翼を備える飛行体であってもよい。
【0032】
推進部20は、回転翼21を回転させることにより推進力を得る。回転翼21は、本体部10を中心として4つ設けられているが、回転翼21の配置方法は本例に限られない。回転翼21は、腕部24の先端に回転駆動部22を介して設けられる。
【0033】
回転駆動部22は、モータ等の動力源を有し回転翼21を駆動させる。回転駆動部22は、回転翼21のブレーキ機構を有してよい。回転翼21および回転駆動部22は、腕部24を省略して本体部10に直接取り付けられてもよい。
【0034】
腕部24は、本体部10から放射状に延伸して設けられる。本例の無人航空機100は、4つ推進部20に対応して設けられた4つの腕部24を備える。腕部24は、固定式であっても可動式であってもよい。腕部24には、カメラ等の他の構成が固定されてよい。
【0035】
可動カメラ30は、無人航空機100の周囲の映像を撮影する。本例の可動カメラ30は、本体部10の下方に設けられる。一例において、下方とは、本体部10に対して回転翼21が設けられた側と反対側を指す。
【0036】
なお図1では省略されているが、無人航空機100は、可動カメラ30の他に、本体部10の側面に設けられた固定カメラを備える。可動カメラ30および固定カメラは、異なる領域の映像を撮影する。例えば、固定カメラは無人航空機100の正面の映像を取得し、可動カメラ30は、固定カメラよりも狭い領域の映像を取得する。また、固定カメラが進行方向を撮影している場合に、可動カメラ30は、後述する保護装置400が容器の内容物465を吐出する吐出方向の映像を撮影してよい。
【0037】
一例において、可動カメラ30および固定カメラで撮像された映像は、後述する端末装置300に送信される。無人航空機100の操縦者は、固定カメラで撮像した映像に基づいて無人航空機100を操縦してよい。また、無人航空機100の操縦者は、直接、無人航空機100を見て操縦してもよい。
【0038】
本例の無人航空機100が操縦用の固定カメラおよび吐出制御用の可動カメラ30を備えることにより、操縦者による操作が容易になる。操縦用の操作画面と吐出制御用の操作画面を切り替える必要がないので、操縦者の混乱を防止できる。また、吐出制御しながら無人航空機100の周囲を容易に把握することができる。
【0039】
連結部32は、本体部10と可動カメラ30とを連結する。連結部32は、固定であっても可動であってもよい。連結部32は、可動カメラ30の位置を3軸方向に制御するためのジンバルであってよい。
【0040】
GPS情報受信部40は、本体部10の側面に設けられたアンテナである。GPS情報受信部40は、GPS衛星から無人航空機100の位置情報を受信する。
【0041】
無人航空機100には、無人航空機100に搭載されるセンサを保護する保護装置400が連結される。保護装置400は、筐体410と、延伸部430と、吐出装置450とを有する。センサは、カメラ、超音波センサ、光センサ等であってよい。保護装置400は、無人航空機100の構成要素として含まれてもよい。
【0042】
筐体410は、本体部10に連結される。筐体410は、腕部24または脚部15等の本体部10以外の部材に連結されてもよい。一例において、筐体410は、センサを収容するための凹部420を有する。
【0043】
延伸部430は、容器460の内容物465を吐出するためのチューブである。延伸部430は、吐出装置450の容器460から筐体410まで延伸して設けられ、筐体410および吐出装置450を連結する。延伸部430は筐体410内で分岐し、後述する各ノズル414と接続される。延伸部430は、筐体410の個数に応じた個数設けられてよい。
【0044】
吐出装置450は、内容物465が充填された後述の容器460を保持する。吐出装置450は、本体部10に連結される。吐出装置450は、腕部24または脚部15等の本体部10以外の部材に連結されてもよい。一例において、吐出装置450は、容器460を収容する筒状のスリーブである。
【0045】
吐出装置450の材料は、容器460を収容する収容部の形状を保持することができるものであれば、特に限定されない。例えば、吐出装置450の材料は、アルミ等の金属、プラスチック、または炭素繊維等の強度が高く軽量の素材を含む。また、吐出装置450の材料は、硬質の材料に限らず、軟質の材料、例えば、シリコーンゴムまたはウレタンフォーム等のゴム材料を含んでもよい。なお、吐出装置450は、容器460を加熱または保温するための加熱機構を備えてよい。
【0046】
図2は、操縦装置200の構成の一例を示す図である。操縦装置200は、アンテナ210と、操縦スティック220と、吐出ボタン230とを有する。
【0047】
操縦装置200は、アンテナ210を介して無人航空機100と通信可能に接続される。操縦スティック220は、無人航空機100の操縦者が無人航空機100の飛行指示を入力するための装置である。操縦装置200は、無人航空機100の操縦者が操縦スティック220を操作することによって入力した飛行指示を無人航空機100に送信し、無人航空機100の飛行を制御する。
【0048】
吐出ボタン230は、無人航空機100の操縦者が容器460の内容物465を吐出するための吐出指示を入力するための装置である。操縦装置200は、無人航空機100の操縦者が吐出ボタン230を押下することによって入力した吐出指示を保護装置400に送信し、容器460の内容物465の吐出を制御する。
【0049】
吐出ボタン230は、スティック等のボタン以外の形態であってもよい。吐出ボタン230は、操縦スティック220と一体であってもよい。
【0050】
操縦装置200は、有線または無線により端末装置300と接続されてよい。複数の操縦装置200が設けられ、無人航空機100の操縦用と、保護装置400の吐出制御用とで使い分けてもよい。
【0051】
なお、本例の操縦者は、操縦装置200を用いてマニュアルで無人航空機100を操縦する。但し、操縦者は、マニュアルではなく、プログラムによって自動で無人航空機100を操縦してもよい。また、無人航空機100の操縦を自動制御して、保護装置400の吐出をマニュアルで操作してもよい。
【0052】
図3は、端末装置300の構成の一例を示す図である。端末装置300は、表示部310を含む。一例において、端末装置300は、スマートフォン、タブレット等の携帯端末である。
【0053】
一例において、表示部310は、無人航空機100が飛行するエリアの地図情報を表示する。表示部310は、GPS情報受信部40から取得した無人航空機100の位置情報を、地図情報と重畳して表示してよい。また表示部310は、後述するように、予め設定された保護装置400の動作エリア320を、地図情報上に示してもよい。
【0054】
あるいは表示部310は、無人航空機100に搭載された固定カメラおよび可動カメラ30のそれぞれで撮影した映像を表示してもよい。例えば、表示部310は、固定カメラおよび可動カメラ30の映像を分割した画面で表示する。端末装置300は、無人航空機100と直接通信してもよいし、操縦装置200を介して間接的に無人航空機100と通信してもよい。端末装置300は、外部のサーバと接続されてもよい。
【0055】
端末装置300は、内容物465の吐出を制御するための吐出制御情報を操縦者が入力するための入力装置をさらに有してよい。一例において、吐出制御情報は、吐出時間、間隔および回数等の情報である。
【0056】
図4Aは、筐体410の構成の一例を示す斜視図である。筐体410は、底部424にセンサ50が取り付けられる凹部420を有する。センサ50は、カメラであってもよく、超音波センサ等の測距センサであってもよい。筐体410には、図示しない温度センサ443または湿度センサ444が設けられてもよい。
【0057】
ノズル414が、筐体410の入口411と、凹部420の底部424に取りつけられたセンサ50との間に設けられる。ノズル414の数は限定されないが、一例において、複数のノズル414が、底部424に取り付けられたセンサ50から放射状に、規則的に配置される。
【0058】
図4Bは、図4Aに示す筐体410の断面図である。図4Bの(a)に示す凹部420は、筐体410の入口411から底部424に向かって略テーパした形状を有する。図4Bの(b)に示す凹部420は、筐体410の入口411から底部424まで内径が一定の筒状形状を有する。凹部420の形状はこれらに限定されず、底部424に取り付けられたセンサ50と外部の検知対象物との間の経路を遮らないような形状であればよい。
【0059】
ノズル414は、凹部420の側面426に設けられる。各ノズル414は、筐体410に連結された延伸部430と接続され、各ノズル414から容器460の内容物465を吐出する。
【0060】
図4Bにおいて、各ノズル414の向きは側面426に対して垂直であるが、これに限定されない。各ノズル414は、当該ノズル414からセンサ50への方向と異なる方向に向けて配置されていればよい。すなわち、各ノズル414は、センサ50への方向と異なる方向に内容物465を吐出する。
【0061】
このように、保護装置400がノズル414から吐出した内容物465は、センサ50に直接当たらないので、センサ50表面への付着またはセンサ50表面の損傷等によるセンサ50の検出エラーを回避することができる。
【0062】
図5は、吐出装置450の構成の一例を示す図である。図5は、吐出装置450の断面図を示している。吐出装置450は、容器460を保持する。容器460は、保護装置400の構成要素として含まれてもよい。
【0063】
本例の吐出装置450は、本体451と、第1端カバー部453と、第2端カバー部455とを備える。また、吐出装置450は、容器460からの吐出を制御するための吐出駆動部480を備える。
【0064】
容器460は、内部に充填された内容物465をガス圧によって吐出するエアゾール容器であってよい。例えば、容器460は、内部に充填された液化ガスまたは圧縮ガスのガス圧によって内容物465を噴出する。本例の容器460は、金属製のエアゾール缶である。容器460は、耐圧性を有するプラスチック容器であってよい。容器460は、吐出装置450に収容された状態で搭載される。容器460は、エアゾール容器に限られず、樹脂製タンクであってもよい。
【0065】
内容物465は、無人航空機100の飛行エリアに応じて選択されてよい。換言すると、内容物465は、保護装置400の使用目的に応じて選択されてよい。内容物465は、気体であってもよく、液体であってもよい。またノズル414から吐出した内容物465は、液体を含んでもよく、乾燥気体であってもよく、あるいは加熱されていてもよい。吐出した内容物465は、水であってもよく、生体に対する忌避剤等の薬剤を含んでもよい。吐出した内容物465は、空気であってもよく、NまたはCOであってもよい。
【0066】
あるいは内容物465は、無人航空機100に搭載されるセンサ50の特性に応じて選択されてよい。超音波センサがセンサ50として搭載される場合、超音波センサは水に濡れると感度が低下するため、内容物465は気体であってよい。
【0067】
なお、噴射剤としては、炭化水素(液化石油ガス)(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、フッ化炭化水素(HFO-1234ze)等の液化ガス、二酸化炭素(CO)、窒素(N)、亜酸化窒素(NO)等の圧縮ガスが用いられてよい。
【0068】
本体451は、容器460より大径の円筒状の形状を有する。本例の本体451は、第1端カバー部453および第2端カバー部455に挟まれている。
【0069】
第1端カバー部453は、本体451の一方の端部を覆う。本例の第1端カバー部453は、容器460の噴射側の端部を覆う。第1端カバー部453は、本体451に対してネジ部452を介して着脱可能にねじ込み固定される。本例の第1端カバー部453は、ドーム状のカバー本体を有する。第1端カバー部453は、空力特性を考慮して先端に向かって徐々に小径となるように縮径される。第1端カバー部453は、先端が丸みを帯びた円錐状またはドーム状の曲面を有する。このように空力特性のよい形状とすることにより、横風の影響が小さくなり、飛行の安定化を図ることができる。
【0070】
第2端カバー部455は、本体451において、第1端カバー部453が覆う端部の他方の端部を覆う。本例の第2端カバー部455は、容器460の噴射側と反対側の端部を覆う。第2端カバー部455は、本体451と一体に構成されている。また、第2端カバー部455は、本体451と取り外し可能に設けられてよい。
【0071】
吐出駆動部480は、後述する異物検出部412、または後述する情報取得部440もしくは環境検出部442から受信した吐出信号に応答して、容器460から内容物465を吐出させる。吐出駆動部480は、容器460の底部側に位置する第2端カバー部455に収納されている。第2端カバー部455は、吐出駆動部480の筐体として機能している。吐出駆動部480は、カム481と、カムフォロワ482と、可動板483とを備える。吐出駆動部480が吐出装置450に設けられているので、容器460の交換時に吐出駆動部480を交換する必要がない。
【0072】
カム481は、駆動源によって回転駆動される。一例において、駆動源としてモータが用いられる。カム481は、回転中心から外周までの距離が異なる構造を有する。なお、図示例では、カム481の形状が誇張されている。カム481は、外周において、カムフォロワ482と接触している。
【0073】
カムフォロワ482は、カム481と可動板483との間に設けられる。カムフォロワ482は、カム481および可動板483に接続され、カム481の回転運動を可動板483に直線運動として伝達する。
【0074】
可動板483は、容器460の底面と接して設けられ、容器460のバルブの開閉を制御する。可動板483は、カムフォロワ482によって前後に移動する。例えば、カム481の回転中心と、カムフォロワ482が当接するカム481の接触領域との距離が短い場合、可動板483が容器460に対して後退し、容器460のバルブが閉じる。一方、カム481の回転中心と、カムフォロワ482が当接するカム481の接触領域との距離が長い場合、可動板483が容器460に対して前進し、容器460のバルブが開く。
【0075】
なお、吐出駆動部480は、モータの回転運動をカム機構によって直線運動に変換する構成を有するが、カム機構に限定されない。例えば、吐出駆動部480の機構は、ねじ送り機構、ラックアンドピニオン等、モータの回転運動を直線運動に変換する機構であればよい。また、駆動源としては、回転モータではなく、直線駆動用のリニアモータ、または電磁ソレノイド等を備えてよい。
【0076】
ステム462は、容器460に設けられる。ステム462がアクチュエータ454によって押圧されることにより、容器460から内容物465を吐出する。容器460から吐出された内容物465は、延伸部430を介して筐体410のノズル414から吐出される。
【0077】
本例の容器460は、エアゾール容器であるので、容器460が空になった場合であっても新たな容器460を搭載するだけで、容易に交換することができる。また、内容物465が人体に付着しにくく交換時の安全性が高い。
【0078】
[実施例1]
実施例1に係る保護装置について説明する。図6は、実施例1に係る保護装置400の機能ブロックの一例を示す図である。図6は、保護装置400の機能ブロックと併せて、無人航空機100の機能ブロックの一例を示す。
【0079】
無人航空機制御部110は、可動カメラ30、GPS情報受信部40、高度情報受信部42、センサ50および通信部60と、有線または無線により接続される。一例において、無人航空機制御部110、可動カメラ30、GPS情報受信部40、高度情報受信部42および通信部60は無人航空機100の本体部10に設けられ、センサ50は筐体410に設けられる。高度情報受信部42は、高度計から無人航空機100の高度情報を取得する。無人航空機制御部110は、通信部60を介して操縦装置200から操縦情報を取得する。
【0080】
無人航空機制御部110は、予め設定された周期で、可動カメラ30、GPS情報受信部40、高度情報受信部42、センサ50および通信部60から情報を取得し、取得した情報に基づき、無人航空機100の飛行を制御する。
【0081】
本例の保護装置400は、情報取得部440と、通信部441と、吐出装置450とを備える。情報取得部440および通信部441は、無人航空機100の本体部10にそれぞれ設けられてもよく、無人航空機制御部110および通信部60がこれらの機能をそれぞれ担ってもよい。情報取得部440および通信部441は、有線または無線により互いに接続される。また情報取得部440は、有線または無線により吐出装置450と接続される。情報取得部440は、通信部441を介して、操縦装置200と無線により接続される。また情報取得部440は、無人航空機100の無人航空機制御部110と有線または無線により接続される。
【0082】
あるいは情報取得部440および通信部441は筐体410に設けられてもよい。この場合、情報取得部440および通信部441は、有線または無線により互いに接続される。また情報取得部440は、有線または無線により吐出装置450と接続される。情報取得部440は、通信部441を介して、操縦装置200と無線により接続される。また情報取得部440は、無人航空機100の無人航空機制御部110と有線または無線により接続される。
【0083】
情報取得部440は、外部から情報を取得し、取得した情報に基づき、吐出装置450に吐出信号を送信する。一例において、情報取得部440は、通信部441を介して操縦装置200から情報を取得する。操縦装置200が、吐出ボタン230により入力された操縦者の吐出指示を保護装置400に送信すると、情報取得部440は、取得した吐出指示に基づいて生成した吐出信号を吐出装置450に送信する。吐出装置450の吐出駆動部480は、受信した吐出信号に基づき容器460のバルブを開閉して内容物465を放出させ、内容物465は、延伸部430を介して筐体410のノズル414から吐出される。
【0084】
あるいは情報取得部440および通信部441は、吐出装置450に設けられてもよい。この場合、情報取得部440および通信部441は、有線または無線により互いに接続される。情報取得部440は、通信部441を介して操縦装置200から情報を取得する。操縦装置200が、吐出ボタン230により入力された操縦者の吐出指示を保護装置400に送信すると、情報取得部440は、取得した吐出指示に基づいて生成した吐出信号を吐出駆動部480に出力する。吐出駆動部480は、入力された吐出信号に基づき容器460のバルブを開閉して内容物465を放出させ、内容物465は、延伸部430を介して筐体410のノズル414から吐出される。
【0085】
図7Aは、保護装置400の動作状態の一例を示す図である。ここでは、無人航空機100が動作エリア320に進入する場合を例に、保護装置400の動作を説明する。
【0086】
無人航空機100の操縦者は、保護装置400の動作エリア320の位置情報を端末装置300に入力する。動作エリア320は、無人航空機100が進入した場合に保護装置400が容器460の内容物465を吐出するように予め設定されたエリアである。一例において、動作エリア320は、異物500が群飛する森林等のエリアである。端末装置300は、表示部310に表示する地図情報上に動作エリア320を示してよい。
【0087】
端末装置300は、動作エリア320の位置情報を無人航空機制御部110に予め送信する。無人航空機制御部110は、取得した動作エリア320の位置情報をメモリ等に格納する。
【0088】
端末装置300は、操縦者が設定した吐出時間、間隔および回数等の吐出制御情報を情報取得部440に予め送信してもよい。情報取得部440は、取得した吐出制御情報をメモリ等に格納する。
【0089】
無人航空機100の飛行中に、無人航空機制御部110は、GPS情報受信部40から取得した無人航空機100の位置情報を、格納した動作エリア320の位置情報と比較する。無人航空機100の位置情報が動作エリア320の位置情報と一致する場合、無人航空機制御部110は、無人航空機100が動作エリア320に進入したことを示す進入情報を、保護装置400の情報取得部440に送信する。情報取得部440は、取得した進入情報および格納した吐出制御情報に基づき、吐出信号を吐出装置450に送信する。
【0090】
吐出装置450が取得した吐出信号に応答して、容器460の内容物465がノズル414から吐出される。一例において、吐出した内容物465は、生体に対する忌避剤を含む。吐出した内容物465は、筐体410の入口411近傍の大気中に浮遊して、センサ50への異物500の接近を妨害する。このように保護装置400は、異物500が多いエリアにおいて、ノズル414から容器460の内容物465を予防的に吐出することによって、センサ50を保護する。
【0091】
あるいは保護装置400は、操縦装置200から入力された操縦者の吐出指示に応答して、容器460の内容物465をノズル414から吐出してもよい。操縦装置200は、吐出ボタン230により入力された操縦者からの吐出指示を、アンテナ210を介して保護装置400に送信する。情報取得部440は、通信部441を介して吐出指示を受信し、取得した吐出指示に基づき、吐出信号を吐出装置450に送信する。
【0092】
このように保護装置400は、端末装置300の表示部310に表示された可動カメラ30の撮影画像から無人航空機100の飛行エリアの状況を確認した操縦者の指示に応答して、ノズル414から容器460の内容物465を吐出することによっても、センサ50を保護する。
【0093】
図7Bは、図7Aにおける筐体410の断面の一例を示す図である。
【0094】
保護装置400は、情報取得部440が取得した情報に基づき、容器460の内容物465をノズル414から吐出する。一例において、吐出した内容物465は、霧状の生体忌避剤を含む。複数のノズル414から吐出した内容物465は、筐体410の凹部420内から入口411近傍において合体してエアカーテンを形成し、センサ50への異物500の接近を妨害する。
【0095】
[実施例2]
次に、実施例2に係る保護装置について説明する。図8は、実施例2に係る保護装置400の機能ブロックの一例を示す図である。
【0096】
本例の保護装置400は、環境の変化を検出する環境検出部442と、温度センサ443および湿度センサ444と、吐出装置450とを備える。温度センサ443および湿度センサ444は、筐体410に設けられる。環境検出部442は、無人航空機100の本体部10に設けられてもよく、無人航空機制御部110がその機能を担ってもよい。あるいは環境検出部442は、筐体410に設けられてもよい。環境検出部442は、温度センサ443および湿度センサ444と有線または無線により接続される。また環境検出部442は、有線または無線により吐出装置450と接続される。
【0097】
温度センサ443および湿度センサ444は、それぞれ筐体410内の温度および湿度を測定し、予め設定された周期で環境検出部442に送信する。環境検出部442は、取得した温度および湿度から環境の変化を検出する。
【0098】
一例において、環境検出部442は、温度および湿度の変化量が予め定められた閾値を超えたことを検出した場合に、吐出信号を吐出装置450に送信する。吐出装置450の吐出駆動部480は、受信した吐出信号に基づき容器460のバルブを開閉して内容物465を放出させ、内容物465は、延伸部430を介して筐体410のノズル414から吐出される。
【0099】
あるいは環境検出部442は、吐出装置450に設けられてもよい。この場合、環境検出部442は温度センサ443および湿度センサ444と有線または無線により接続される。環境検出部442は、取得した温度および湿度から環境の変化を検出する。環境検出部442は、温度および湿度の変化量が予め定められた閾値を超えたことを検出した場合に、吐出信号を吐出駆動部480に出力する。吐出駆動部480は、入力された吐出信号に基づき容器460のバルブを開閉して内容物465を放出させ、内容物465は、延伸部430を介して筐体410のノズル414から吐出される。
【0100】
図9Aは、保護装置400の動作状態の一例を示す図である。ここでは、無人航空機100が消火活動現場に進入する場合を例に、保護装置400の動作を説明する。
【0101】
一般に、消火活動現場は、他のエリアより温度および湿度が高い。無人航空機100が消火活動現場を飛行する場合、吐出装置450は、内容物465として水分を含まないNまたはCO等の乾燥気体を充填した容器460を収容する。
【0102】
無人航空機100が消火活動現場に進入すると、環境検出部442は、温度および湿度が予め定められた閾値を超えて上昇したことを検出する。環境検出部442は、生成した吐出信号を吐出装置450に送信する。
【0103】
吐出装置450が取得した吐出信号に応答して、容器460の内容物465がノズル414から吐出される。吐出した内容物465は、筐体410の凹部420内の雰囲気における水分含有量を低下させる。
【0104】
図9Bは、図9Aにおける筐体410の断面の一例を示す図である。
【0105】
保護装置400は、環境検出部442が検出した変化に基づき、容器460の内容物465をノズル414から吐出する。複数のノズル414から吐出した内容物465は、筐体410の凹部420内の雰囲気における水分含有量を低下させ、センサ50表面の結露を防止する。
【0106】
あるいは、無人航空機100が寒冷地を飛行する場合、吐出装置450は、吐出した内容物465が温風となるように、加熱機構によって容器460を加熱または保温してよい。環境検出部442は、温度が予め定められた閾値を超えて低下したことを検出すると、生成した吐出信号を吐出装置450に送信する。吐出装置450が取得した吐出信号に応答して、容器460の内容物465がノズル414から吐出される。吐出した内容物465は、筐体410の凹部420内の温度を上昇させ、センサ50表面の凍結を防止する。
【0107】
[実施例3]
次に、実施例3に係る保護装置について説明する。図10は、実施例3に係る保護装置400の機能ブロックの一例を示す図である。
【0108】
本例の保護装置400は、異物を検出する異物検出部412と、吐出装置450とを備える。異物検出部412は、筐体410に設けられる。異物検出部412は、有線または無線により吐出装置450と接続される。
【0109】
異物検出部412は、異物500を検出すると、生成した吐出信号を吐出装置450に送信する。吐出装置450が取得した吐出信号に応答して、容器460の内容物465がノズル414から吐出される。
【0110】
この場合、内容物465は、気体であってもよく、液体を含んでもよい。保護装置400は、ノズル414から吐出した内容物465を検出した異物500に命中させ、その衝撃によって異物500を排除してよい。あるいは内容物465は、生体に対する忌避剤を含んでもよい。
【0111】
図11Aは、異物検出部412の一例を示す筐体410の断面図である。図11Aにおいて、異物検出部412は、筐体410の入口411近傍に設けられた一対の発光部および受光部を有する。一例において、凹部420の底部424には、センサ50としてのカメラおよびセンサカバー52が取り付けられている。
【0112】
異物検出部412の発光部は、受光部に向けて光を発する。異物検出部412は、受光部の受光量変化を検出すると、生成した吐出信号を吐出装置450に送信する。吐出装置450の吐出駆動部480は、受信した吐出信号に基づき容器460のバルブを開閉して内容物465を放出させ、内容物465は、延伸部430を介して筐体410のノズル414から吐出される。
【0113】
なお、無人航空機100が環境光の光量が十分に強いエリアを飛行する場合には、異物検出部412は、発光部を有さず、受光部のみを有してもよい。
【0114】
図11Bは、図11Aに示す異物検出部412に異物500が接近する例を示す図である。
【0115】
異物500が異物検出部412の発光部から受光部に向かう光の経路を通過すると、異物検出部412は、受光部の受光量変化を検出し、生成した吐出信号を吐出装置450に送信する。
【0116】
吐出装置450が取得した吐出信号に応答して、容器460の内容物465がノズル414から吐出される。吐出した内容物465は、センサ50に接近する異物500に命中し、異物500を排除する。
【0117】
このように、保護装置400は、異物検出部412が受光部の受光量変化を検出すると、受光部に異物500が接近したと判断してノズル414から容器460の内容物465を吐出し、センサ50を異物500から保護する。
【0118】
図12Aは、異物検出部412の他の例を示す筐体410の斜視図である。また図12Bは、図12Aにおける筐体410の断面図である。異物検出部412は、筐体410の入口411近傍に設けられたワイヤ等の通電部を有する。一例において、凹部420の底部424には、センサ50として、超音波センサ等が取り付けられている。
【0119】
異物検出部412は、通電部における電気抵抗の変化を検出すると、生成した吐出信号を吐出装置450に送信する。
【0120】
吐出装置450が取得した吐出信号に応答して、容器460の内容物465がノズル414から吐出される。吐出した内容物465は、センサ50に接近する異物500に命中し、異物500を排除する。
【0121】
このように、保護装置400は、異物検出部412が通電部における電気抵抗の変化を検出すると、導電体である異物500が通電部に接触したと判断してノズル414から容器460の内容物465を吐出し、センサ50を異物500から保護する。
【0122】
なお、実施例1から3に係る保護装置400は、組み合わせられてもよい。すなわち保護装置400は、情報取得部440、環境検出部442および異物検出部412の少なくともいずれかを備えてよい。
【0123】
図13は、異物検出部412の他の例を示す筐体410の断面図である。異物検出部412は、凹部420の底部424に取り付けられ、センサ50として動作する。一例において、異物検出部412は、超音波センサ、LiDAR等の測距センサである。一例において、異物検出部412はセンサ50として、無人航空機100の周囲の障害物の距離の監視を行う。
【0124】
異物500が異物検出部412の発した超音波またはレーザ光等の経路に位置すると、異物検出部412は、測距値の急激な変化を検出し、生成した吐出信号を吐出装置450に送信する。
【0125】
吐出装置450が取得した吐出信号に応答して、容器460の内容物465がノズル414から吐出される。吐出した内容物465は、センサ50に接近する異物500に命中し、異物500を排除する。
【0126】
このように、保護装置400は、異物検出部412が測距値の急激な変化を検出すると、センサ50(すなわち異物検出部412)に異物500が接近したと判断してノズル414から容器460の内容物465を吐出し、センサ50を異物500から保護する。
【0127】
図14は、保護方法の一例を示すフロー図である。本例の保護方法は、上述した保護装置400に適用されてよい。
【0128】
段階S1402において、保護装置400は、外部から情報を取得する。
【0129】
段階S1404において、保護装置400は、取得した情報に基づき、容器460と接続されるノズル414から容器460の内容物465を吐出する。
【0130】
図15は、保護方法の他の例を示すフロー図である。
【0131】
段階S1502において、保護装置400は、環境の変化を検出する。
【0132】
段階S1504において、保護装置400は、検出した変化に基づき、ノズル414から内容物465を吐出する。
【0133】
図16は、保護方法の他の例を示すフロー図である。
【0134】
段階S1602において、保護装置400は、異物500を検出する。
【0135】
段階S1604において、保護装置400は、異物500を検出したことに応答して、ノズル414から内容物465を吐出する。
【0136】
このように、本例の保護方法は、無人航空機100に搭載されるセンサ50を保護する。
【0137】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0138】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0139】
10・・・本体部、15・・・脚部、20・・・推進部、21・・・回転翼、22・・・回転駆動部、24・・・腕部、30・・・可動カメラ、32・・・連結部、40・・・GPS情報受信部、42・・・高度情報受信部、50・・・センサ、52・・・センサカバー、60・・・通信部、100・・・無人航空機、110・・・無人航空機制御部、200・・・操縦装置、210・・・アンテナ、220・・・操縦スティック、230・・・吐出ボタン、300・・・端末装置、310・・・表示部、320・・・動作エリア、400・・・保護装置、410・・・筐体、411・・・入口、412・・・異物検出部、414・・・ノズル、420・・・凹部、424・・・底部、426・・・側面、430・・・延伸部、440・・・情報取得部、441・・・通信部、442・・・環境検出部、443・・・温度センサ、444・・・湿度センサ、450・・・吐出装置、451・・・本体、452・・・ネジ部、453・・・第1端カバー部、454・・・アクチュエータ、455・・・第2端カバー部、460・・・容器、462・・・ステム、465・・・内容物、480・・・吐出駆動部、481・・・カム、482・・・カムフォロワ、483・・・可動板、500・・・異物
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16