(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】内燃機関の温度調整機構
(51)【国際特許分類】
F02M 35/10 20060101AFI20240123BHJP
F02M 26/17 20160101ALI20240123BHJP
F02M 26/50 20160101ALI20240123BHJP
F02B 29/04 20060101ALI20240123BHJP
F02M 26/05 20160101ALI20240123BHJP
F02M 26/06 20160101ALI20240123BHJP
F02M 31/20 20060101ALI20240123BHJP
F01P 3/20 20060101ALI20240123BHJP
F01P 7/16 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
F02M35/10 311B
F02M26/17
F02M26/50 321
F02B29/04 K
F02M35/10 311E
F02M26/05
F02M26/06 311
F02M31/20 A
F01P3/20 F
F01P7/16 504B
F01P7/16 504Z
(21)【出願番号】P 2020071750
(22)【出願日】2020-04-13
【審査請求日】2022-07-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 卓央
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-180301(JP,A)
【文献】特開2017-101611(JP,A)
【文献】特開2013-189974(JP,A)
【文献】特開2011-190744(JP,A)
【文献】特開2014-152712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 35/10
F02M 31/00
F02M 26/50
F02B 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室を有する内燃機関の排気流路と、
前記燃焼室に延びるインテークマニホール
ドを含む、前記内燃機関の吸気流路と、
前記排気流路に接続され、前記排気流路を流れる排気ガスの一部を前記吸気流路に環流させるEGR流路と、
前記吸気流路を流れる吸気ガスを冷却するインタークーラと、
前記インタークーラに接続された冷却水循環流路と、
前記吸気流路における前記インタークーラから前記インテークマニホールドまでの区間のいずれかの位置に隣接配置された温度調整部とを備え、
前記温度調整部は、前記冷却水循環流路の一部で構成され、かつ前記インテークマニホールド
の周壁における円管状の外周面の少なくとも一部に沿うように隣接配置されており、
前記温度調整部の内部を流れる冷却水は、前記インテークマニホールドの
前記周壁の外側を該周壁
の前記外周面に沿って通流可能である、内燃機関の温度調整機構。
【請求項2】
前記冷却水循環流路には、冷却水を冷却するラジエータおよび冷却水を圧送するポンプが設けられており、
前記冷却水循環流路は、前記ラジエータ、前記ポンプ、前記インタークーラおよび前記インテークマニホールドをこの順に通過している、請求項1に記載の内燃機関の温度調整機構。
【請求項3】
前記冷却水循環流路には、冷却水を冷却するラジエータおよび冷却水を圧送するポンプが設けられており、
前記冷却水循環流路は、前記ラジエータ、前記ポンプ、前記インテークマニホールドおよび前記インタークーラをこの順に通過している、請求項1に記載の内燃機関の温度調整機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の温度調整機構に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の凝縮水抑制装置を開示した先行文献として、特開2018-021510号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された内燃機関の凝縮水抑制装置においては、低圧EGR通路と吸気通路との接続部と、過給機との間の吸気通路に、当該吸気通路の壁温を加温する壁温加温装置が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外気温が低い場合、EGR流路と吸気流路との接続部におけるEGRガスが露点温度より高くても、吸気流路においてEGR流路と吸気流路との接続部より下流側に配置されるインテークマニホールドの温度が低いため、インテークマニホールド内においてEGRガスの温度が露点未満となって凝縮水が発生することがある。一方、外気温が高い場合、内燃機関からの伝熱によりインテークマニホールドの温度が高くなって吸気効率が低下することがある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、外気温の影響を緩和して、吸気効率の低下を抑制しつつ凝縮水の発生を抑制することができる、内燃機関の温度調整機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく内燃機関の温度調整機構は、燃焼室を有する内燃機関の排気流路と、内燃機関の吸気流路と、EGR流路と、インタークーラと、冷却水循環流路と、温度調整部とを備える。内燃機関の吸気流路は、燃焼室に延びるインテークマニホールドを含む。EGR流路は、排気流路に接続され、排気流路を流れる排気ガスの一部を吸気流路に環流させる。インタークーラは、吸気流路を流れる吸気ガスを冷却する。冷却水循環流路は、インタークーラに接続されている。温度調整部は、吸気流路におけるインタークーラからインテークマニホールドまでの区間のいずれかの位置に隣接配置されている。
【0007】
本発明の一形態においては、温度調整部は、冷却水循環流路の一部で構成されている。
【0008】
本発明の一形態においては、温度調整部は、電気ヒータで構成されている。
【0009】
本発明の一形態においては、温度調整部は、排気流路に接続されて排気流路を流れる排気ガスの一部が環流する排気環流路の一部で構成されている。
【0010】
本発明の一形態においては、温度調整部は、インテークマニホールドに隣接配置されている。
【0011】
本発明の一形態においては、冷却水循環流路には、冷却水を冷却するラジエータおよび冷却水を圧送するポンプが設けられており、冷却水循環流路は、ラジエータ、ポンプ、インタークーラおよびインテークマニホールドをこの順に通過している。
【0012】
本発明の一形態においては、冷却水循環流路には、冷却水を冷却するラジエータおよび冷却水を圧送するポンプが設けられており、冷却水循環流路は、ラジエータ、ポンプ、インテークマニホールドおよびインタークーラをこの順に通過している。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外気温の影響を緩和して、吸気効率の低下を抑制しつつ凝縮水の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構が備える温度調整部とインテークマニホールドとの配置関係を示す横断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態1の第1変形例に係る内燃機関の温度調整機構が備える温度調整部とインテークマニホールドとの配置関係を示す横断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1の第2変形例に係る内燃機関の温度調整機構の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態2に係る内燃機関の温度調整機構の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施の形態3に係る内燃機関の温度調整機構の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施の形態に係る内燃機関の温度調整機構について図面を参照して説明する。以下の実施の形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構1は、内燃機関2の排気流路10と、内燃機関2の吸気流路20と、EGR流路30と、インタークーラ110と、冷却水循環流路50と、温度調整部180とを備える。本実施の形態においては、内燃機関の温度調整機構1は、ターボチャージャ120と、排気処理装置140と、エアクリーナ162とをさらに備える。
【0017】
内燃機関2は、燃焼室101を有している。燃焼室101は、内燃機関2における図示しないヘッド、シリンダブロックおよびピストンにより構成された空間である。
【0018】
吸気流路20は、燃焼室101に延びるインテークマニホールド100を含み、エアクリーナ162から吸気されて燃焼室101に供給される吸気ガスの流路である。排気流路10は、燃焼室101から延びるエキゾーストマニホールド102を含み、燃焼室101から排出された排気ガスの流路である。
【0019】
本実施の形態においては、インテークマニホールド100およびエキゾーストマニホールド102の各々は、内燃機関2のヘッドに取り付けられているが、インテークマニホールド100およびエキゾーストマニホールド102の少なくとも一方が、内燃機関2のヘッドに内蔵されていてもよい。
【0020】
ターボチャージャ120は、吸気流路20および排気流路10の各々に接続されている。ターボチャージャ120においては、エキゾーストマニホールド102から流入する排気ガスの運動エネルギを利用して図示しないタービンを回転させることにより、タービンに接続されている図示しないコンプレッサを稼働させて吸気流路20中の吸気ガスを圧送する。
【0021】
排気処理装置140は、排気流路10におけるターボチャージャ120より下流側に配置されている。排気処理装置140は、たとえばディーゼル微粒子捕集フィルターで構成され、排気ガスを浄化する。排気処理装置140を通過した排気ガスは、排気バルブ130を通じて大気中に排出される。
【0022】
本実施の形態に係る内燃機関の温度調整機構1は、排気性能の改善および燃費の向上を目的としたEGR(Exhaust Gas Recirculation)システムを備えている。本実施形態においては、内燃機関の温度調整機構1は、高圧EGRおよび低圧EGRの両方を備えているが、高圧EGRおよび低圧EGRの少なくとも一方を備えていればよい。
【0023】
EGR流路30は、高圧EGR流路35および低圧EGR流路40から構成されている。高圧EGR流路35は、エキゾーストマニホールド102とインテークマニホールド100とを互いに接続している。高圧EGR流路35には、高圧EGRクーラ150および高圧EGRバルブ151が設けられている。エキゾーストマニホールド102から流出した排気ガスの一部は、高圧EGR流路35に導入され、高圧EGRクーラ150および高圧EGRバルブ151を通じてインテークマニホールド100に環流させられる。
【0024】
低圧EGR流路40は、排気流路10におけるターボチャージャ120より下流側と、吸気流路20におけるターボチャージャ120より上流側とを、互いに接続している。低圧EGR流路40には、低圧EGRクーラ160および低圧EGRバルブ161が設けられている。排気処理装置140を通過後の排気ガスの一部は、低圧EGR流路40に導入され、低圧EGRクーラ160および低圧EGRバルブ161を通じて、吸気流路20におけるターボチャージャ120より上流側に環流させられる。
【0025】
このように、EGRシステムは、EGRガスをEGR流路30から吸気流路20に環流させることにより、燃焼室101における燃焼温度を低下させることで、窒素酸化物の発生を低減させる。
【0026】
低圧EGRにおいては、排気処理装置140を通過後の比較的エネルギが低いEGRガスが使用されるため、EGRガスの温度が低い。仮に、EGRガスの温度が露点未満となった場合、EGRガスに含まれていた窒素酸化物および硫黄酸化物を含有する強酸性の凝縮水が発生する。強酸性の凝縮水が吸気流路20を通じて内燃機関2に侵入した場合、内燃機関2におけるシリンダ内壁面、プラグ類または燃料弁類などの鉄系の部品を腐食させる可能性がある。
【0027】
エアクリーナ162は、吸気流路20に取り込まれる吸気ガスを浄化する。エアクリーナ162とターボチャージャ120との間に位置する部分の吸気流路20に、低圧EGR流路40が接続されている。エアクリーナ162を通過した吸気ガスと、低圧EGR流路40を通過したEGRガスとは、吸気流路20と低圧EGR流路40との接続部において混合され、ターボチャージャ120によってインテークマニホールド100に向けて圧送される。
【0028】
インタークーラ110は、吸気流路20を流れる吸気ガスを冷却する。インタークーラ110には、インタークーラ110の冷却に利用される冷却水が循環する冷却水循環流路50が接続されている。
【0029】
冷却水循環流路50には、冷却水を冷却するラジエータ111および冷却水を圧送するポンプ112が設けられている。冷却水循環流路50は、インタークーラ110、ラジエータ111およびポンプ112を、冷却水が通流する配管によって接続することにより形成されている。
【0030】
図2は、本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構が備える温度調整部とインテークマニホールドとの配置関係を示す横断面図である。
【0031】
図1および
図2に示すように、温度調整部180は、吸気流路20におけるインタークーラ110からインテークマニホールド100までの区間のいずれかの位置に隣接配置されている。
【0032】
本実施の形態においては、温度調整部180は、冷却水循環流路50の一部で構成されている。具体的には、温度調整部180は、インテークマニホールド100に隣接配置されている冷却水循環流路50の一部で構成されている。
【0033】
本実施の形態においては、冷却水循環流路50は、ラジエータ111、ポンプ112、インタークーラ110およびインテークマニホールド100をこの順に通過している。すなわち、冷却水循環流路50は、インタークーラ110とラジエータ111との間の区間においてインテークマニホールド100に隣接配置されている。
【0034】
図2に示すように、本実施の形態においては、インテークマニホールド100と温度調整部180とは、二重管構造で構成されている。具体的には、温度調整部180は、冷却水80が通流する管路51を含む。インテークマニホールド100を外側から隙間をあけて取り囲むように管路51が配置され、管路51内を冷却水80が通流する。これにより、インテークマニホールド100内を通過する吸気ガス70と、インタークーラ110を通過した冷却水80とが、インテークマニホールド100の周壁を介して熱交換することにより、インテークマニホールド100内の吸気ガス70の温度が調整される。
【0035】
ここで、温度調整部の構造が異なる、本発明の実施の形態1の第1変形例に係る内燃機関の温度調整機構について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1の第1変形例に係る内燃機関の温度調整機構が備える温度調整部とインテークマニホールドとの配置関係を示す横断面図である。
【0036】
図3に示すように、本発明の実施の形態1の第1変形例に係る内燃機関の温度調整機構が備える温度調整部180mは、冷却水80が通流する管路51mを含む。管路51mは、インテークマニホールド100の外周面に沿うように湾曲しつつインテークマニホールド100と隣接する凹面部を有している。インテークマニホールド100内を通過する吸気ガス70と、インタークーラ110を通過した冷却水80とが、インテークマニホールド100の周壁および管路51mの凹面部を介して熱交換することにより、インテークマニホールド100内の吸気ガス70の温度が調整される。
【0037】
図2および
図3に示すように、温度調整部180,180mは、ウォータージャケット構造により、インテークマニホールド100内の吸気ガス70の温度を調整する。このように、冷却水循環流路50におけるインテークマニホールド100に隣接配置されている部分が、温度調整部180として機能する。
【0038】
ここで、冷却水循環流路50において各構成を冷却水が通流する順番が異なる本発明の実施の形態1の第2変形例に係る内燃機関の温度調整機構について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1の第2変形例に係る内燃機関の温度調整機構の構成を示すブロック図である。
【0039】
図4に示すように、本発明の実施の形態1の第2変形例に係る内燃機関の温度調整機構が備える冷却水循環流路50は、ラジエータ111、ポンプ112、インテークマニホールド100およびインタークーラ110をこの順に通過している。これにより、ラジエータ111において冷却された冷却水80は、インタークーラ110を通過する前に、インテークマニホールド100を通過する。このように、冷却水循環流路50は、インタークーラ110の上流側においてインテークマニホールド100に接続されていてもよい。
【0040】
本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構1においては、吸気流路20におけるインタークーラ110からインテークマニホールド100までの区間のいずれかの位置に隣接配置された温度調整部180を備えている。これにより、外気温が低い場合は、インテークマニホールド100の内部を通流する吸気ガス70の温度が吸気ガス70の露点以上で維持されるように温度調整部180によって加熱することによって、インテークマニホールド100内にて凝縮水が発生することを抑制することができる。外気温が高い場合は、インテークマニホールド100の内部を通流する吸気ガス70の温度が内燃機関2からの伝熱によって高くなりすぎないように、温度調整部180によって吸気ガス70を冷却することによって、吸気ガス70を収縮させて吸気効率の低下を抑制することができる。このように、温度調整部180の温度調整によって、外気温の影響を緩和して、吸気効率の低下を抑制しつつ凝縮水の発生を抑制することができる。
【0041】
本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構1においては、温度調整部180が冷却水循環流路50の一部で構成されていることにより、温度調整部180を簡易に構成することができる。
【0042】
本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構1においては、温度調整部180がインテークマニホールド100に隣接配置されていることにより、温度調整部180が吸気流路20におけるインテークマニホールド100から離れた位置に配置されている場合に比較して、吸気効率の低下を効果的に抑制しつつ凝縮水の発生を効果的に抑制することができる。
【0043】
本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構1においては、冷却水循環流路50は、ラジエータ111、ポンプ112、インタークーラ110およびインテークマニホールド100をこの順に通過している。これにより、インタークーラ110の冷却性能を維持しつつ、インテークマニホールド100の内部を通流する吸気ガス70の温度を調整することができる。
【0044】
冷却水循環流路50が、ラジエータ111、ポンプ112、インテークマニホールド100およびインタークーラ110をこの順に通過している場合、ラジエータ111において冷却された温度の低い冷却水80をインテークマニホールド100に供給することができる。これにより、外気温が高いことが多い環境下にて内燃機関2が使用される場合に、インテークマニホールド100の内部を通流する吸気ガス70の冷却効率を向上し、吸気効率の低下を抑制することができる。
【0045】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2に係る内燃機関の温度調整機構について説明する。本発明の実施の形態2に係る内燃機関の温度調整機構は、温度調整部の構成のみ本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構1と異なるため、本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0046】
図5は、本発明の実施の形態2に係る内燃機関の温度調整機構の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、本発明の実施の形態2に係る内燃機関の温度調整機構1bにおいては、温度調整部280は、インテークマニホールド100に隣接配置されている。温度調整部280は、電気ヒータで構成されている。温度調整部280は、図示しない電気配線により通電され、インテークマニホールド100の外部から吸気ガス70の温度を調整する。
【0047】
本発明の実施の形態2に係る内燃機関の温度調整機構1bにおいては、外気温が低い場合は、インテークマニホールド100の内部を通流する吸気ガス70の温度が吸気ガス70の露点以上で維持されるように温度調整部280によって加熱することによって、インテークマニホールド100内にて凝縮水が発生することを抑制することができる。外気温が高い場合は、インテークマニホールド100の内部を通流する吸気ガス70の温度が内燃機関2からの伝熱によって高くなりすぎないように、温度調整部280によって吸気ガス70を冷却することによって、吸気ガス70を収縮させて吸気効率の低下を抑制することができる。このように、温度調整部280の温度調整によって、外気温の影響を緩和して、吸気効率の低下を抑制しつつ凝縮水の発生を抑制することができる。
【0048】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3に係る内燃機関の温度調整機構について説明する。本発明の実施の形態3に係る内燃機関の温度調整機構は、温度調整部の構成のみ本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構1と異なるため、本発明の実施の形態1に係る内燃機関の温度調整機構1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0049】
図6は、本発明の実施の形態3に係る内燃機関の温度調整機構の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、本発明の実施の形態3に係る内燃機関の温度調整機構1cにおいては、温度調整部380は、排気流路10に接続されて排気流路10を流れる排気ガスの一部が環流する排気環流路60の一部で構成されている。温度調整部380は、インテークマニホールド100に隣接配置されている。
【0050】
具体的には、インテークマニホールド100と温度調整部380とは、二重管構造で構成されていてもよいし、互いに並んで隣接するように構成されていてもよい。なお、排気環流路60と排気流路10とは、排気流路10の中で排気ガスの温度が比較的低い、排気処理装置140よりも下流側の位置において互いに接続されることが望ましい。
【0051】
本発明の実施の形態3に係る内燃機関の温度調整機構1cにおいては、外気温が低い場合は、インテークマニホールド100の内部を通流する吸気ガス70の温度が吸気ガス70の露点以上で維持されるように温度調整部380によって加熱することによって、インテークマニホールド100内にて凝縮水が発生することを抑制することができる。外気温が高い場合は、インテークマニホールド100の内部を通流する吸気ガス70の温度が内燃機関2からの伝熱によって高くなりすぎないように、温度調整部380によって吸気ガス70を冷却することによって、吸気ガス70を収縮させて吸気効率の低下を抑制することができる。このように、温度調整部380の温度調整によって、外気温の影響を緩和して、吸気効率の低下を抑制しつつ凝縮水の発生を抑制することができる。
【0052】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本開示の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではない。また、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。上述した実施の形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1,1b,1c 温度調整機構、2 内燃機関、10 排気流路、20 吸気流路、30 EGR流路、35 高圧EGR流路、40 低圧EGR流路、50 冷却水循環流路、51,51m 管路、60 排気環流路、70 吸気ガス、80 冷却水、100 インテークマニホールド、101 燃焼室、102 エキゾーストマニホールド、110 インタークーラ、111 ラジエータ、112 ポンプ、120 ターボチャージャ、130 排気バルブ、140 排気処理装置、150 高圧EGRクーラ、151 高圧EGRバルブ、160 低圧EGRクーラ、161 低圧EGRバルブ、162 エアクリーナ、180,180m,280,380 温度調整部。