(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】シートリクライニング位置制御装置
(51)【国際特許分類】
B60N 2/22 20060101AFI20240123BHJP
B60N 2/06 20060101ALI20240123BHJP
A47C 1/024 20060101ALI20240123BHJP
B60N 2/16 20060101ALI20240123BHJP
B60W 50/16 20200101ALI20240123BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240123BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B60N2/22
B60N2/06
A47C1/024
B60N2/16
B60W50/16
G01C21/26 A
G08G1/16 F
(21)【出願番号】P 2020134990
(22)【出願日】2020-08-07
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】小谷 彩子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 有華里
(72)【発明者】
【氏名】林 哲洋
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】千葉 晋彦
【審査官】五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-008098(JP,A)
【文献】特開2010-083297(JP,A)
【文献】国際公開第2015/011866(WO,A1)
【文献】特開2019-142356(JP,A)
【文献】特開2018-016135(JP,A)
【文献】特開2007-153220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-2/90
A47C 1/024
B60W 50/16
G01C 21/26
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)と
、前記シートの背もたれ部(111)の角度を調節する調節部(130)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)と
、前記調節部を作動させて、前記角度を制御する制御部(150)と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記車両の車室内状態を検出する車室内検出部(140)を設け、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部によって前記乗員の前記睡眠状態が検出されると、前記車室内状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記背もたれ部の前記角度を睡眠に適した睡眠用角度に調節するシート角度制御を実施するようになっており、
前記調節部は、前記角度に加えて、前記シートの座面部(112)の位置の調節も可能としており、
前記制御部は、前記車室内状態として前記睡眠状態の前記乗員の後部シート(120)に他の乗員がいない場合に、前記シート角度制御を実施すると共に、前記座面部の位置を後方下側へ移動させるシートリクライニング位置制御装置。
【請求項2】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)と
、前記シートの背もたれ部(111)の角度を調節する調節部(130)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)と
、前記調節部を作動させて、前記角度を制御する制御部(150)と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記車両の車室内状態を検出する車室内検出部(140)を設け、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部によって前記乗員の前記睡眠状態が検出されると、前記車室内状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記背もたれ部の前記角度を睡眠に適した睡眠用角度に調節するシート角度制御を実施するようになっており、
前記制御部は、前記車室内状態として前記睡眠状態の前記乗員の後部シート(120)に他の乗員がいる場合に、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記シート角度制御を実施する
と共に、前記
後部シートの後部背もたれ部(121)をリクライニングさせるシートリクライニング位置制御装置。
【請求項3】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)と
、前記シートの背もたれ部(111)の角度を調節する調節部(130)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)と
、前記調節部を作動させて、前記角度を制御する制御部(150)と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記車両の車室内状態を検出する車室内検出部(140)を設け、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部によって前記乗員の前記睡眠状態が検出されると、前記車室内状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記背もたれ部の前記角度を睡眠に適した睡眠用角度に調節するシート角度制御を実施するようになっており、
前記車両には、自動走行を可能とする自動運転装置(10)と、前記車両の自車位置を把握して目的地案内を行うカーナビゲーション装置(20)と、が設けられており、
前記制御部は、前記
車両が自動走行されており、前記目的地案内による目的地までの所要時間が予め定めた所定時間よりも短いと、前記乗員のうち、運転者(211)に対して前記シート角度制御の実施を禁止すると共に、前記運転者以外の他の乗員に対して前記シート角度制御の実施を許可するシートリクライニング位置制御装置。
【請求項4】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)と
、前記シートの背もたれ部(111)の角度を調節する調節部(130)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)と
、前記調節部を作動させて、前記角度を制御する制御部(150)と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記車両の車室内状態を検出する車室内検出部(140)を設け、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部によって前記乗員の前記睡眠状態が検出されると、前記車室内状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記背もたれ部の前記角度を睡眠に適した睡眠用角度に調節するシート角度制御を実施するようになっており、
前記
乗員への通知を行う通知部(160)を備え、
前記制御部は、前記
シート角度制御を実施する際に、前記睡眠状態の前記乗員の後部シート(120)に他の乗員がいる場合に、前記他の乗員が起きていると、前記通知部によって、前記シート角度制御を実施する旨を前記他の乗員に対して事前に前記通知すると共に、前記
他の乗員が前記睡眠状態にあると、前記通知を禁止するシートリクライニング位置制御装置。
【請求項5】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)と
、前記シートの背もたれ部(111)の角度を調節する調節部(130)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)と
、前記調節部を作動させて、前記角度を制御する制御部(150)と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記車両の車室内状態を検出する車室内検出部(140)を設け、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部によって前記乗員の前記睡眠状態が検出されると、前記車室内状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記背もたれ部の前記角度を睡眠に適した睡眠用角度に調節するシート角度制御を実施するようになっており、
前記制御部は、前記
睡眠状態の前記乗員(220)と、隣接する隣接乗員(221)とを検出すると、前記睡眠状態の前記乗員に対して前記シート角度制御
を実施すると共に、前記
隣接乗員に対しても同様に前記シート角度制御
を実施するシートリクライニング位置制御装置。
【請求項6】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)と
、前記シートの背もたれ部(111)の角度を調節する調節部(130)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)と
、前記調節部を作動させて、前記角度を制御する制御部(150)と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記車両の車室内状態を検出する車室内検出部(140)を設け、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部によって前記乗員の前記睡眠状態が検出されると、前記車室内状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記背もたれ部の前記角度を睡眠に適した睡眠用角度に調節するシート角度制御を実施するようになっており、
前記
車両には、前記車両の自車位置を把握して目的地案内を行うカーナビゲーション装置(20)が設けられており、
前記制御部は、前記
睡眠状態の前記乗員に対して、前記シート角度制御を実施した場合に、前記車両が予め定めた見どころポイントに至る前段階で、前記角度を基の設定に戻すシートリクライニング位置制御装置。
【請求項7】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)と
、前記シートの背もたれ部(111)の角度を調節する調節部(130)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)と
、前記調節部を作動させて、前記角度を制御する制御部(150)と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記車両の車室内状態を検出する車室内検出部(140)を設け、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部によって前記乗員の前記睡眠状態が検出されると、前記車室内状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記背もたれ部の前記角度を睡眠に適した睡眠用角度に調節するシート角度制御を実施するようになっており、
前記制御部は、前記睡眠状態の前記乗員
を検出した際に、前記乗員によって既に前記角度が変更されている場合は、前記シート角度制御の実施を禁止するシートリクライニング位置制御装置。
【請求項8】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)
の角度を制御するシート角度制御を実施する制御部(150)と、
前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)の検出結果を取得する取得部と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部の前記睡眠状態に基づいて、前記
睡眠状態の前記乗員に対して、前記シート角度制御を実施するようになっており、
前記制御部は、前記
車両に設けられた自動運転装置(10)により自動走行されており、目的地案内を行うカーナビゲーション装置(20)による目的地までの所要時間が予め定めた所定時間よりも短いと、前記乗員のうち、運転者(211)に対して前記シート角度制御の実施を禁止すると共に、前記
運転者以外の他の乗員に対して前記シート角度制御
の実施
を許可するシートリクライニング位置制御装置。
【請求項9】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)
の角度を制御するシート角度制御を実施する制御部(150)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)
の検出結果を取得する取得部と
、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部
の前記睡眠状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記シート角度制御を実施するようになっており、
前記制御部は、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記シート角度制御を実施した場合に、
目的地案内を行うカーナビゲーション装置(20)による目的地までのルートにおいて、前記車両が予め定めた見どころポイントに至る前段階で、前記角度を基の設定に戻すシートリクライニング位置制御装置。
【請求項10】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)
の角度を制御するシート角度制御を実施する制御部(150)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)
の検出結果を取得する取得部と
、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部の前記睡眠状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記シート角度制御を実施するようになっており、
前記制御部は、前記睡眠状態の前記乗員を検出した際に、前記乗員によって既に前記角度が変更されている場合は、前記シート角度制御の実施を禁止するシートリクライニング位置制御装置。
【請求項11】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)の角度を制御するシート角度制
御と、前記シートの座面部(112)の位置の調節と、を実施する制御部(150)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)の検出結果
と、前記車両の車室内状態を検出する車室内検出部(140)の検出結果と、を取得する取得部と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部の前記睡眠状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記シート角度制御を実施するようになっており、
前記制御部は、前記車
室内状態として前記睡眠状態の前記乗員の後部シート(120)に他の乗員がいない場合に、前記シート角度制御
を実施すると共に、前記
座面部の位置を後方下側へ移動させるシートリクライニング位置制御装置。
【請求項12】
車両の乗員(200)が着座するシート(110)の角度を制御するシート角度制御を実施する制御部(150)と
、前記乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)の検出結果
と、前記車両の車室内状態を検出する車室内検出部(140)の検出結果と、を取得する取得部と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
前記制御部は、前記睡眠状態検出部の前記睡眠状態に基づいて、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記シート角度制御を実施するようになっており、
前記制御部は、前記車
室内状態として前記睡眠状態の前記乗員の後部シート(120)に他の乗員がいる場合に、前記睡眠状態の前記乗員に対して、前記シート角度制御
を実
施すると共に、前記
後部シートの後部背もたれ部(121)をリクライニングさせるシートリクライニング位置制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、車両用シートのリクライニング位置制御を行うシートリクライニング位置制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のシートリクライニング位置制御装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1のシートリクライニング位置制御装置(入眠装置)では、車両の搭乗者の生体情報(例えば、脈波データや心拍データ等)に基づいて、搭乗者が眠気を有する状態か否かを眠気検出手段で検出する。そして、眠気を有する状態であることが検出されると、制御手段は、車両に搭載される所定の車載装置に対して、搭乗者の睡眠に適した動作を行わせるようにしている。車載装置としては、例えば、シートのリクライニング装置が挙げられており、搭乗者が眠気を有する状態になると、シートバックが入眠に適切となる位置(角度)まで、リクライニングされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、搭乗者が眠気を有するか否かのみに基づいてシートのリクライニング制御を実施しており、搭乗者の眠気以外の状態、あるいは搭乗者以外の乗員の状態については、何ら考慮されていない。
【0005】
例えば、眠気を有する搭乗者の姿勢によっては、シートをリクライニングさせると、搭乗者は、意図しない方向に移動してしまう、あるいは反動を受ける可能性があり、搭乗者に不快感を与えてしまう。また、搭乗者(制御対象となる乗員)以外の他の乗員が後部座席にいる場合に、搭乗者のシートが突然リクライニングされると、他の乗員に不快感を与えてしまう。
【0006】
本開示の目的は、上記問題に鑑み、シート角度制御の対象乗員、および他の乗員に不快感を与えることなく、シート角度制御を実施可能とするシートリクライニング位置制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0008】
本開示では、車両の乗員(200)が着座するシート(110)と、
シートの背もたれ部(111)の角度を調節する調節部(130)と、
乗員の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部(140)と、
調節部を作動させて、角度を制御する制御部(150)と、を備えるシートリクライニング位置制御装置であって、
車両の車室内状態を検出する車室内検出部(140)を設け、
制御部は、睡眠状態検出部によって乗員の睡眠状態が検出されると、車室内状態に基づいて、睡眠状態の乗員に対して、背もたれ部の角度を睡眠に適した睡眠用角度に調節するシート角度制御を実施するようになっており、
調節部は、角度に加えて、シートの座面部(112)の位置の調節も可能としており、
制御部は、車室内状態として睡眠状態の乗員の後部シート(120)に他の乗員がいない場合に、シート角度制御を実施すると共に、座面部の位置を後方下側へ移動させることを特徴としている。
【0009】
この開示によれば、乗員の睡眠状態と、車室内検出部(140)によって検出された車室内状態とに基づいて、睡眠状態の乗員に対するシート角度制御を実施するので、シート角度制御の対象乗員、および他の乗員に不快感を与えることなくシート角度の制御を実施することが可能となる。
【0010】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】シートリクライニング位置制御装置の全体構成を示す説明図である。
【
図2】第1実施形態の乗員の着座姿勢(まっすぐ)を示す説明図である。
【
図3】乗員の着座姿勢(多少傾き)を示す説明図である。
【
図4】乗員の頭がヘッドレストから外れている場合を示す説明図である。
【
図5】乗員の背中が背もたれ部に対して前方に傾いている(離れている)場合を示す説明図である。
【
図6】第2実施形態のリクライニング前の状態を示す説明図である。
【
図7】背もたれ部をリクライニングした状態を示す説明図である。
【
図8】更に、座面部を後方下側に移動させた状態を示す説明図である。
【
図9】第3実施形態の後席者がいない場合のリクライニング状態を示す説明図である。
【
図10】後席者がいる場合のリクライニング状態を示す説明図である。
【
図11】第4実施形態の後席者がいる場合のリクライニング状態を示す説明図である。
【
図12】第7実施形態のシートリクライニング位置制御装置の全体構成を示す説明図である。
【
図13】第8実施形態のシートリクライニング位置制御装置の全体構成を示す説明図である。
【
図14】第9実施形態の後席者をよび隣接乗員を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態のシートリクライニング位置制御装置100について、
図1~
図5を用いて説明する。シートリクライニング位置制御装置100は、車両に搭載されており、乗員200のうち、睡眠状態にある乗員、例えば、前席者210、あるいは後席者220に対して、前部シート110、あるいは後部シート120の背もたれ部111、121の角度を制御(シート角度制御)する装置である。
【0014】
車両は、例えば、5人乗りの乗用車であり、搭乗者は、運転者211のみの場合、あるいは運転者211と他の乗員(少なくとも一人)の場合が含まれる。また、車両には、自動運転装置10、または/およびカーナビゲーション装置20が搭載されてる場合が含まれる。
【0015】
自動運転装置10は、車両の走行状態、走行環境(走行している道路や、周辺環境)等に基づいて、自動運転レベル1~5の実施が可能である。自動運転レベル1は、自動運転装置10が、ステアリング操作、あるいは加減速操作のいずれかをサポートする運転レベルである。自動運転レベル2は、自動運転装置10が、ステアリング操作、および加減速操作の両者のサポートをする運転レベルである。自動運転レベル3は、特定の場所で、自動運転装置10がすべての操作を行うが、緊急時は、運転者211が操作する運転レベルである。自動運転レベル4は、特定の場所で、運転者211による運転に代えて自動運転装置10がすべての操作を行う運転レベルである。尚、特定の場所を過ぎると、運転者211による運転が必要となる。自動運転レベル5は、場所の限定なく、運転者211による運転に代えて自動運転装置10がすべての操作を行う運転レベルである。
【0016】
また、カーナビゲーション装置20は、GPS(Global Positioning System)によって、自車位置を把握し、その結果を地図画面上に表示させると共に、希望する目的地までの目的地案内を実施する。
【0017】
シートリクライニング位置制御装置100は、
図1に示すように、前部シート110、後部シート120、調節部130、カメラ140、および制御部150等を備えている。
【0018】
前部シート110は、前席者210用(例えば、運転者211、助手席者212用)の2つのシートである。各前部シート110には、背もたれ部111、座面部112、およびヘッドレスト113がそれぞれ設けられている。前部シート110は、背もたれ部111のリクライニング機能と、座面部112の位置調節機能とを有している。前部シート110は、本開示のシートに対応する。
【0019】
後部シート120は、後席者220用の3つのシートである。各後部シート120には、背もたれ部121、座面部122、およびヘッドレスト123がそれぞれ設けられている。後部シート120は、背もたれ部121のリクライニング機能を有している。後部シート120は、本開示のシートに対応する場合がある。また、後部シート120における背もたれ部121は、本開示の後部背もたれ部に対応する。
【0020】
尚、前部シート110、後部シート120において、ヘッドレスト113、123は、背もたれ部111、121の一部であると捉えることができる。
【0021】
調節部130は、前部シート110、および後部シート120にそれぞれ設けられている。調節部130は、背もたれ部111、121の角度を調節する(リクライニング機能)。つまり、調節部130は、睡眠状態にある乗員の背もたれ部111、121の角度を、睡眠に適した角度になるようにリクライニングさせると共に、乗員の睡眠が覚醒すると元へ戻す。また、調節部130は、前部シート110の座面部112の上下方向、および前後方向の位置調節を行う(位置調節機能)。調節部130は、制御部150によって制御されて、背もたれ部111、121の角度変更、および座面部112の位置調節を行う。
【0022】
カメラ140は、乗員200の睡眠状態を検出する睡眠状態検出部である。カメラ140は、例えば、CCDカメラ、CMOSカメラ、あるいは赤外線カメラ等が使用されて、車両の天井部前方に設けられている。カメラ140は、前部シート110、および後部シート120に搭乗しているすべての乗員200の顔画像を取得する。カメラ140は、取得した顔画像のデータを制御部150へ出力する。
【0023】
また、カメラ140は、本実施形態では、車室内の状態を検出する車室内検出部としても機能する。カメラ140は、搭乗しているすべての乗員200の着座位置、および姿勢等の画像を取得し、取得した画像データ(状態画像のデータ)を制御部150へ出力する。
【0024】
制御部150は、カメラ140による顔画像から乗員200のうち、睡眠状態にある乗員200を検出する。制御部150は、乗員200の顔画像から、例えば、瞼が所定時間以上連続して閉じていると、その乗員200は、睡眠状態にあると判定する。また、制御部150は、カメラ140による状態画像から、各乗員200の着座位置、姿勢等を把握する。また、制御部150は、調節部130との連携により、各背もたれ部111、121の現在の設定角度、および座面部112の設定位置を把握する。
【0025】
総じて、制御部150は、車室内状態として、各シート110、120のうち、背もたれ部111、121の角度設定状況、座面部112の位置設定状況、どのシートに乗員200が着座しているのか、どの乗員200が睡眠状態にあるのか、また、各乗員200の座っている姿勢がどのような状態にあるのか等を把握する。
【0026】
また、車両に自動運転装置10が設けられている場合であると、制御部150は、自動運転装置10からの情報に基づき、現在実行されている自動運転のレベル(1~5)を把握する。また、車両にカーナビゲーション装置20が設けられている場合であると、制御部150は、カーナビゲーション装置20からの情報に基づき、目的地までの所要時間、現走行道路の運転難易度、目的地到着までの見どころポイント等のナビ情報を把握する。
【0027】
そして、制御部150は、睡眠状態にある乗員200に対して、車室内状態、更には、自動運転レベル、ナビ情報等を加味して、背もたれ部111(あるいは背もたれ部121)の角度調節の制御を行う(詳細後述)。
【0028】
本実施形態のシートリクライニング位置制御装置100の構成は、以上のようになっており、以下
図2~
図5を加えて、作用および作用効果について説明する。
【0029】
制御部150は、カメラ140から得られる乗員200の顔画像から、前部シート110あるいは後部シート120において、睡眠状態にある乗員200を検出する。
【0030】
尚、睡眠状態にある乗員200は、運転者211が含まれる。運転者211が睡眠状態にある場合というのは、例えば、自動運転装置10によって、車両が自動運転レベル4、または自動運転レベル5にて制御されている場合、あるいは、駐車場にて駐車あるいは停車して、仮眠をする場合等が想定される。車両の運転においては、運転者211は、安全運転のために緊張を伴うことから、上記のような自動運転時や仮眠時であれば、優先してリラックスさせることが望まれる。当然のことながら、睡眠状態にある乗員200は、運転者211以外の助手席者212、あるいは後席者220も含まれる。
【0031】
そして、制御部150は、カメラ140から得られる乗員200の状態画像から睡眠状態にある乗員200の姿勢を検出する。制御部150は、睡眠状態にある乗員200の姿勢が、例えば、
図2、
図3に示すように、背もたれ部111、あるいは/およびヘッドレスト113から外れていない場合に、背もたれ部111をリクライニングさせて、背もたれ部111の角度を睡眠に適した睡眠用角度に調節する(シート角度制御を実施する)。背もたれ部111の睡眠用角度は、予め睡眠用として設定された角度である。尚、睡眠状態にある乗員200が後席者220の場合は、シート角度制御の対象は、背もたれ部121となる。
【0032】
一方、制御部150は、睡眠状態にある乗員200の姿勢が、
図4に示すように、頭部がヘッドレスト113から外れている場合、また、
図5に示すように、上半身が前方に傾いており、背中が背もたれ部111に当たってない場合には、シート角度制御を実施しない(禁止する)。
【0033】
以上のように、本実施形態では、制御部150は、乗員200の睡眠状態と、着座姿勢に基づいて、シート角度制御を実施するようにしている。
図4で説明したように、乗員200の頭部がヘッドレスト113から外れている場合にシート角度制御を実施してしまうと、乗員200が意図しない方向に移動してしまう(シートからずり落ちる)おそれがある。また、
図5で説明したように、乗員200の背中が背もたれ部111に当たっていない場合にシート角度制御を実施してしまうと、乗員200は、リクライニングに伴う反動を受けて背中が背もたれ部111に当たる恐れがある。本実施形態では、このようなことを加味して、乗員200が背もたれ部111、あるいは/およびヘッドレスト113から外れていない場合にシート角度制御を実施するので、乗員200に対して不快感を与えることがない。
【0034】
尚、制御部150は、睡眠状態の乗員200が運転者211であり、車両が自動走行されている場合、あるいは駐車時に仮眠を取る場合等であれば、運転者211に対してシート角度制御を実施する。よって、運転者211に対しても快適な睡眠を取らせることができる。
【0035】
(第2実施形態)
第2実施形態におけるシート角度制御の要領を
図6~
図8に示す。シートリクライニング位置制御装置100の構成は、上記第1実施形態と同一である。第2実施形態では、前部シート110の座面部112が、位置調節可能(移動可能)である点を活用したシート角度制御を実施する。座面部112の位置調節可能な方向は、上下および前後方向である。
【0036】
また、睡眠状態の乗員200を、ここでは、前部シート110の前席者210、例えば、運転者211、あるいは助手席者212としている(
図6)。
【0037】
そして、制御部150は、車室内状態として睡眠状態の乗員200の後部シート120に、後席者220(他の乗員)がいない場合に、
図7に示すシート角度制御を実施する。加えて、制御部150は、
図8に示すように、座面部112を後方下側へ移動させる。
【0038】
これにより、睡眠状態の乗員200は、足を延ばしやすくなり、より快適な環境での睡眠が可能となる。尚、後部シート120には、乗員200がいないので、不快な思いをする後席者220は発生しない。
【0039】
(第3実施形態)
第3実施形態におけるシート角度制御の要領を
図9、
図10に示す。シートリクライニング位置制御装置100の構成は、上記第1実施形態と同一である。第3実施形態では、制御部150は、車室内状態として睡眠状態の乗員200(前席者210)の後部シート120に、後席者220(他の乗員)がいる場合に、睡眠状態の前席者210に対して、シート角度制御を実施するにあたって、リクライニングする角度を、
図9で示す通常の睡眠用角度よりも、
図10に示すように、小さい側に調節する。
【0040】
尚、制御部150は、座面部112の制御位置から、睡眠状態の前席者210の足元空間に余裕がある(所定以上の空間がある)と判断した場合は、シート角度制御を実施すると共に、座面部112の位置を前方に移動させるようにしてもよい。
【0041】
これにより、後席者220の快適性を損なわないようにして(不快感を与えないようにして)、前席者210に対するシート角度制御を実施することができる。
【0042】
(第4実施形態)
第4実施形態におけるシート角度制御の要領を
図11に示す。シートリクライニング位置制御装置100の構成は、上記第1実施形態と同一である。第4実施形態では、制御部150は、車室内状態として睡眠状態の乗員200(前席者210)の後部シート120に後席者220(他の乗員)がいる場合に、睡眠状態の前席者210に対して、シート角度制御を実施すると共に、
図11に示すように、後部シート120の背もたれ部121(後部背もたれ部)をリクライニングさせる。
【0043】
ここで、後席者220も睡眠状態にあると、後部シート120の背もたれ部121を、前部シート110の背もたれ部111と同様の角度でリクライニングさせる(
図11)。また、後席者220が、起きているときは、後部シート120の背もたれ部121のリクライニング角度を通常の睡眠用角度よりも小さい側に調節する。
【0044】
これにより、後席者220の快適性を損なわないようにして(不快感を与えないようにして)、前席者210に対するシート角度制御を実施することができる。睡眠状態にある乗員200が運転者211の場合は、上記第3実施形態に対して、より運転者211を優先したシート角度制御(フルリクライニング)が可能となる。
【0045】
(第5実施形態)
第5実施形態では、車両が自動運転装置10によって、自動運転レベル4あるいは5にて自動走行されており、カーナビゲーション装置20による目的地案内が実施されている場合のシート角度調節の実施要領を示す。シートリクライニング位置制御装置100の構成は、上記第1実施形態と同一である。
【0046】
制御部150は、カーナビゲーション装置20のナビ情報から、目的地までの所要時間を把握する。そして、制御部150は、目的地までの所要時間が予め定めた所定時間よりも短いと、乗員200のうち、運転者211に対しては、シート角度制御の実施を禁止すると共に、運転者211以外の他の乗員(助手席者212、後席者220)に対しては、シート角度制御の実施を許可する。通常、仮眠に最適な時間が、15~30分であることから、予め定めた所定時間(判定時間)は、例えば、5~10分程度の時間として定めることができる。
【0047】
これにより、目的地までの所要時間(距離)が短く、十分な睡眠時間を確保できない場合は、運転者211については、深い眠りに誘わないようにすることができる。また、他の乗員については、シート角度制御を実施することで、心地よく睡眠できるようにすることができる。
【0048】
(第6実施形態)
第6実施形態では、自動走行時に、運転難易度を伴う道路を走行する際におけるシート角度調整の実施要領を示す。運転難易度を伴う道路とは、例えば、市街地道路、車両の動きが頻繁な道路、カーブの連なる山岳道路、崖道等である。制御部150は、運転難易度を伴う道路情報を、カーナビゲーション装置20から取得する。シートリクライニング位置制御装置100の構成は、上記第1実施形態と同一である。
【0049】
制御部150は、車両が自動走行されており、車両が予め定めた運転難易度を伴う道路を走行中、あるいはこれから走行する際に、乗員200のうち、運転者211に対しては、シート角度制御の実施を禁止すると共に、運転者211以外の他の乗員(助手席者212、後席者220)に対しては、シート角度制御の実施を許可する。
【0050】
これにより、自動走行時であっても万が一、危険が発生するような場合に備えて、運転者211に対するシート角度制御を禁止することで、いつでも運転者211への運転交代ができるように準備することができる。また、他の乗員については、シート角度制御を実施することで、心地よい睡眠ができる。
【0051】
(第7実施形態)
第7実施形態におけるシートリクライニング位置制御装置100Aを
図12に示す。シートリクライニング位置制御装置100Aは、後席者220への通知を行うための通知部160を備えている。通知部160は、例えば、各後部シート120に対応する後席者220のそれぞれに対して、指向性を有する指向性スピーカとすることができる。通知部160は、例えば、ヘッドレスト123に設けられている。
【0052】
制御部150は、シート角度制御を実施する際に、睡眠状態の乗員200(運転者211、あるいは助手席者212)の後部シート120に後席者220(他の乗員)がいる場合に、後席者220が起きていると、通知部160を用いてシート角度制御を実施する旨を後席者220に対して事前に通知する。具体的な、通知内容としては、例えば、「前部シートがリクライニングされます。注意してください。」といった内容にすることができる。一方、後席者220が睡眠状態にあると、制御部150は、後席者220に対する通知を禁止する。
【0053】
これにより、事前の通知を行うことで、急なシートリクライニングによって後席者220を驚かせてしまうことがないようにして(不快感を与えないようにして)、シート角度制御を実施することができる。
【0054】
(第8実施形態)
第8実施形態におけるシートリクライニング位置制御装置100Bを
図13に示す。シートリクライニング位置制御装置100Bは、睡眠状態にある乗員200を覚醒するための覚醒部170を備えている。覚醒部170は、例えば、睡眠状態の乗員200に対して振動を発生させる振動発生器や、オーディオ機器のボリュームを大きくするボリューム調整器等とすることができる。覚醒部170は、振動発生器として設定された場合は、
図13に示すように、例えば、背もたれ部111に設けられる。また、覚醒部170は、ボリューム調整器として設定された場合は、例えば、オーディオ機器に設けられる。
【0055】
そして、睡眠状態の乗員200が運転者211であり、車両が自動走行されている場合であれば、制御部150は、運転者211に対してシート角度制御を実施すると共に、自動走行を可能とする自動走行可能区間が終了するまでの時間が、予め定めた所定時間よりも短くなると、覚醒のための支援を行う。覚醒のための支援は、例えば、上記の振動発生機やボリューム調整器等(覚醒部170)を作動させる。
【0056】
これにより、自動走行中において運転者211が睡眠状態にあるとき、自動走行が可能な走行区間が終了する前に、運転者211を覚醒させることができ、自動運転から運転者211による手動運転へ、スムースに移行することができる。
【0057】
(第9実施形態)
第9実施形態におけるシート角度制御の要領を
図14に示す。シートリクライニング位置制御装置100の構成は、上記第1実施形態と同一である。第9実施形態では、制御部150は、睡眠状態の乗員200と、隣接する隣接乗員221とを検出すると、睡眠状態の乗員200に対してシート角度制御を実施すると共に、隣接乗員221に対しても同様にシート角度制御を実施する。
【0058】
本実施形態では、睡眠状態の乗員200は、後部シート120の中央に着座する後席者220(例えば、子供)であり、その隣に隣接乗員221(例えば、親)が着座している状況を想定している。
【0059】
尚、隣接乗員221も後席者220と同様に睡眠状態であると、制御部150は、隣接乗員221の背もたれ部121の角度を、後席者220の背もたれ部121の角度と同様となるように設定する。尚、制御部150は、隣接乗員221が睡眠状態にないときは、隣接乗員221の背もたれ部121の角度を、後席者220の背もたれ部121の角度よりも小さい側に設定するようにしてもよい。
【0060】
これにより、後席者220と隣接乗員221とにおいて、背もたれ部121が同様にリクライニングされることで、両背もたれ部121における段差の発生を小さくすることができ、利便性を向上させる(不快感を与えない)ようにすることができる。
【0061】
(第10実施形態)
第10実施形態では、睡眠状態の乗員200に対して、シート角度制御を実施した場合に、カーナビゲーション装置20によるナビ情報に応じて、リクライニング角度を基の設定に戻す。シートリクライニング位置制御装置100の構成は、上記第1実施形態と同一である。
【0062】
ナビ情報は、目的地案内を行っているときの、予め定めた見どころポイント(途中の絶景ポイント、名所、および目的地自身等)に至る前段階(通過する手前の位置)に来たことを示す情報である。このナビ情報を得たときに、制御部150は、すでにシート角度制御を実施していた乗員200の背もたれ部111、あるいは背もたれ部121の角度を基に戻す。
【0063】
これにより、背もたれ部111、121の角度を基に戻すことで、睡眠状態の乗員200を覚醒させて、走行中における見どころポイントを見逃してしまうことを防止できる。
【0064】
(第11実施形態)
第11実施形態では、制御部150は、睡眠状態の乗員200を検出した際に、その乗員200によって既に背もたれ部111、あるいは背もたれ部121の角度が変更されている場合は、シート角度制御の実施を禁止する。シートリクライニング位置制御装置100の構成は、上記第1実施形態と同一である。
【0065】
乗員200自身が背もたれ部111、あるいは背もたれ部121の角度を変更した場合であると、その角度は、乗員200の好みの角度である可能性が高い。よって、シート角度制御の実施を禁止することで、乗員200の設定した角度を維持することができる。
【0066】
(その他の実施形態)
上記各実施形態において、前席者210と後席者220との関係において、シート角度制御を実施する際に、前部シート110と後部シート120とを例にして説明した。しかしながら、例えば、車両がミニバン等のように3列シートを有する場合は、2列めのシートを前部シート110とし、また3列めのシートを後部シート120として対応することも可能である。
【0067】
また、上記各実施形態では、睡眠状態検出部としてカメラ140を用いたが、これに限らず、例えば、生体センサを用いて、乗員200の心拍や脈伯等から睡眠状態を検出するようにしてもよい。
【0068】
また、上記各実施形態では、車室内状態検出部として、睡眠状態検出用のカメラ140を兼用する構成としたが、専用のカメラとしてもよい。
【0069】
本開示に記載の制御部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つないしは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ、およびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。
【0070】
あるいは、本開示に記載の制御部およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア理論回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。
【0071】
もしくは、本開示に記載の制御部およびその手法は、一つないしは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと、一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合せにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。
【0072】
また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0073】
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0074】
10 自動運転装置
20 カーナビゲーション装置
100、100A、100B シートリクライニング位置制御装置
110 前部シート(シート)
111 背もたれ部
112 座面部
120 後部シート
121 背もたれ部(後部背もたれ部)
130 調節部
140 カメラ(睡眠状態検出部、車室内検出部)
150 制御部
160 通知部
170 覚醒部
200 乗員
210 前席者
211 運転者
220 後席者
221 隣接乗員