(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】ロールクランプ装置
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20240123BHJP
B66F 9/18 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B66F9/24 N
B66F9/18 B
B66F9/24 Z
(21)【出願番号】P 2020188948
(22)【出願日】2020-11-12
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】近藤 英介
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-142874(JP,A)
【文献】実開昭63-190296(JP,U)
【文献】特開2000-335900(JP,A)
【文献】特開2001-139298(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0104781(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00-11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役車両に装着されるロールクランプ装置であって、
少なくとも1つの可動アームを含む2つのアームであって、前記可動アームが動くことによって2つのアーム同士が近付く閉動作及び2つのアーム同士が離れる開動作を行うことが可能なアームと、
前記2つのアームのそれぞれに取り付けられ、ワークを把持するパッドと、
回転部材と、
前記パッドが前記ワークを正常に把持していることの報知を行う報知装置と、を備え、
前記報知装置は、
前記回転部材の回転に従動して回転する軸部材と、
前記軸部材の回転によって発電を行う発電機と、
前記発電機により発電された電力によって充電される蓄電装置と、
前記蓄電装置の電力によって作動する報知部と、
前記蓄電装置と前記報知部との接続と非接続とを切り替える接続切替部と、を備え、
前記接続切替部は、前記パッドに連動して前記蓄電装置と前記報知部との接続と非接続とを切り替え可能に設けられており、
前記パッドが前記ワークを正常に把持しているか否かにより前記蓄電装置と前記報知部との接続と非接続とが切り替わるロールクランプ装置。
【請求項2】
前記回転部材は、前記可動アームである請求項1に記載のロールクランプ装置。
【請求項3】
前記アームの閉動作により前記発電機から前記蓄電装置に流れる電流を許容し、かつ、前記アームの開動作により前記発電機から前記蓄電装置に電流が流れることを防止するように設けられたダイオードを備える請求項2に記載のロールクランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロールクランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
円柱状のワークを把持するロールクランプ装置は、2つのアームと、アームのそれぞれに取り付けられたパッドと、を備える。ロールクランプ装置は、回転可能な状態で荷役車両に装着される。ワークを把持する際には、ワークに対してパッドの位置決めを行う。この際、パッドの位置決めが正常でないと、ワークが脱落する原因となる。
【0003】
特許文献1には、ロールクランプ装置に搭載される報知装置が開示されている。報知装置は、スイッチと、報知部と、電源と、を備える。スイッチは、パッドがワークを正常に把持している場合にオンとなり、パッドがワークを正常に把持していない場合にはオフとなる。報知部は、パッドがワークを正常に把持していることを荷役車両の搭乗者に認識させるものである。特許文献1では報知部として、ランプが用いられている。ランプは、スイッチがオンされると点灯し、スイッチがオフされると消灯する。荷役車両の搭乗者は、ランプが点灯したことを視認することで、パッドがワークを正常に把持していることを認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電源として荷役車両の車体に内蔵されるバッテリを用いる場合、報知部とバッテリとを配線によって接続する必要がある。ロールクランプ装置は、回転可能な状態で荷役車両に装着されるため、ロールクランプ装置の回転により断線が生じないように配線を取り付ける必要がある。荷役車両の車体に内蔵されるバッテリを報知部の電源とする場合、配線の取り回しが複雑となるため、荷役車両の車体に内蔵されるバッテリを用いずに報知部を作動させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するロールクランプ装置は、荷役車両に装着されるロールクランプ装置であって、少なくとも1つの可動アームを含む2つのアームであって、前記可動アームが動くことによって2つのアーム同士が近付く閉動作及び2つのアーム同士が離れる開動作を行うことが可能なアームと、前記2つのアームのそれぞれに取り付けられ、ワークを把持するパッドと、回転部材と、前記パッドが前記ワークを正常に把持していることの報知を行う報知装置と、を備え、前記報知装置は、前記回転部材の回転に従動して回転する軸部材と、前記軸部材の回転によって発電を行う発電機と、前記発電機により発電された電力によって充電される蓄電装置と、前記蓄電装置の電力によって作動する報知部と、前記蓄電装置と前記報知部との接続と非接続とを切り替える接続切替部と、を備え、前記接続切替部は、前記パッドに連動して前記蓄電装置と前記報知部との接続と非接続とを切り替え可能に設けられており、前記パッドが前記ワークを正常に把持しているか否かにより前記蓄電装置と前記報知部との接続と非接続とが切り替わる。
【0007】
発電機は、回転部材の回転力によって発電する。蓄電装置は、発電機により発電された電力によって充電される。パッドがワークを正常に把持するか否かにより、報知部が作動するか否かが切り替わる。報知部が作動しているか否かの切り替わりにより、荷役車両の搭乗者は、パッドがワークを正常に把持しているか否かを認識することができる。発電機の発電によって得られた電力を用いて報知部を作動させることができるため、荷役車両の車体に内蔵されるバッテリを用いずに報知部を作動させることができる。
【0008】
上記ロールクランプ装置について、前記回転部材は、前記可動アームであってもよい。
可動アームは、ワークを把持する過程で、必ず回転する部材である。可動アームの回転によって発電機が発電するようにすることで、蓄電装置の残容量が不足することを抑制できる。
【0009】
上記ロールクランプ装置について、前記アームの閉動作により前記発電機から前記蓄電装置に流れる電流を許容し、かつ、前記アームの開動作により前記発電機から前記蓄電装置に電流が流れることを防止するように設けられたダイオードを備えていてもよい。
【0010】
パッドがワークを把持する前に蓄電装置の充電が行われることになる。蓄電装置が充電された状態でワークの把持を行うことができるため、蓄電装置の残容量不足を原因として報知部が作動しないことを抑制できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車体に内蔵されるバッテリを用いずに報知部を作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ロールクランプ装置が装着された荷役車両を示す概略平面図。
【
図6】パッドがワークを正常に把持している状態を示す図。
【
図7】パッドがワークを正常に把持していない状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、ロールクランプ装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、荷役車両10は、車体11と、バッテリ12と、コントロールバルブ13と、荷役装置16と、を備える。
【0014】
バッテリ12は、車体11に内蔵されている。バッテリ12は、電力によって駆動する機器に電力を供給する。バッテリ12は、補機類等の電装品に電力を供給するものであってもよいし、荷役車両10がモータによって駆動する場合にはモータに電力を供給するものであってもよい。
【0015】
コントロールバルブ13は、車体11に搭載されている。本実施形態のコントロールバルブ13は、セクショナルタイプのコントロールバルブである。コントロールバルブ13は、第1セクション14と、第2セクション15と、を備える。第1セクション14及び第2セクション15は、それぞれ制御弁を備える。第1セクション14及び第2セクション15には、個別に油圧機器を接続可能である。第1セクション14及び第2セクション15は、油圧機器への作動油の給排を行う。
【0016】
荷役装置16は、車体11の前部に設けられている。荷役装置16は、マスト17と、リフトブラケット20と、を備える。マスト17は、前後方向に傾動可能である。マスト17は、アウタマスト18と、インナマスト19と、を備える。インナマスト19は、アウタマスト18に対して昇降可能である。リフトブラケット20は、インナマスト19に取り付けられている。
【0017】
荷役車両10には、ロールクランプ装置30が装着されている。ロールクランプ装置30は、リフトブラケット20に装着されている。ロールクランプ装置30は、円柱状のワークWを把持する。ロールクランプ装置30によってワークWを把持した状態で荷役車両10が走行することで、ワークWの搬送が行われる。
【0018】
図2及び
図3に示すように、ロールクランプ装置30は、プレート31と、油圧モータ36と、減速機37と、ターンテーブルベアリング41と、クランプ本体50と、報知装置100と、を備える。
【0019】
プレート31は、第1面32と、第2面33と、を備える。第1面32と第2面33とは、プレート31の厚み方向に互いに反対となる面である。プレート31は、貫通孔34を画定している画定面35を備える。画定面35は、第1面32と第2面33との間で延びる面である。貫通孔34は、プレート31を厚み方向に貫通している。プレート31は、第1面32が荷役装置16を向く態様で荷役装置16に固定されている。
【0020】
油圧モータ36は、プレート31の第1面32に固定されている。油圧モータ36には、第1セクション14から作動油が給排される。第1セクション14から給排される作動油により油圧モータ36の回転軸は回転する。なお、油圧モータ36への作動油の給排は、荷役車両10の搭乗者による操作によって行われる。
【0021】
減速機37は、プレート31の第1面32に固定されている。減速機37は、油圧モータ36の回転軸に連結されている。減速機37は、出力ギヤ38を備える。減速機37は、油圧モータ36の回転軸の回転を減速させて出力ギヤ38に出力する。出力ギヤ38は、貫通孔34を貫通して、第1面32から第2面33に向かう方向に突出している。
【0022】
ターンテーブルベアリング41は、プレート31の第2面33とクランプ本体50との間に設けられている。ターンテーブルベアリング41は、外輪42と、内輪43と、を備える。外輪42と内輪43との間には、転動体が設けられている。これにより、内輪43は、外輪42に対して回転可能に設けられている。内輪43は、従動ギヤ44を備える。従動ギヤ44は、内輪43の内周部に設けられている。外輪42は、プレート31に固定されている。例えば、外輪42は、ボルトによってプレート31に固定されている。出力ギヤ38と従動ギヤ44は互いに噛み合っている。内輪43は、出力ギヤ38の回転に従動して回転する。
【0023】
クランプ本体50は、固定部51と、固定部51に取り付けられた2つのアームホルダ54,55と、2つのアーム61,71と、2つのアーム61,71のそれぞれをアームホルダ54,55に支持させる回転軸57,58と、ジョイント68と、クランプシリンダ80と、を備える。クランプ本体50は、2つのアーム61,71のそれぞれに取り付けられたパッド90,91と、パッド90,91を回転可能な状態で2つのアーム61,71のそれぞれに支持させるパッド取付軸94と、を備える。2つのアーム61,71のうち一方を第1アーム61、他方を第2アーム71とする。
【0024】
固定部51は、板状の部材である。固定部51は、第1面52と、第2面53と、を備える。第1面52と第2面53とは、固定部51の厚み方向に互いに反対となる面である。内輪43は、固定部51に固定されている。例えば、内輪43は、ボルトによって固定部51に固定されている。クランプ本体50は、内輪43と一体となって回転可能である。
【0025】
アームホルダ54,55は、固定部51の第2面53に設けられている。2つのアームホルダ54,55のうち一方を第1アームホルダ54、他方を第2アームホルダ55とする。第1アームホルダ54と第2アームホルダ55とは、互いに間隔を空けて設けられている。
【0026】
第1アーム61は、2つのアーム部材62,63を備える。2つのアーム部材62,63は、同一形状である。アーム部材62,63は、ワークWの外周面に沿うように円弧状に湾曲している。アーム部材62,63は、基端部64と、先端部65と、を備える。アーム部材62,63は、基端部64にアームホルダ54,55を挟む一対の取付部66,67を備える。アーム部材62,63は、アームホルダ54,55に1つずつ取り付けられている。各アーム部材62,63は、アームホルダ54,55を挟んだ一対の取付部66,67を貫通する回転軸57によってアームホルダ54,55に取り付けられている。
【0027】
ジョイント68は、第1アーム61とアームホルダ54,55に取り付けられている。ジョイント68により、第1アーム61が回転軸57を回転中心として回転することを抑制している。
【0028】
第2アーム71は、第1アーム61と間隔を空けた状態で、第1アーム61と向かい合うように設けられている。第2アーム71と第1アーム61とが向かい合う方向と、2つのアームホルダ54,55同士が向かい合う方向とは、互いに直交する方向である。
【0029】
第2アーム71は、2つのアーム部材72,73を備える。2つのアーム部材72,73のうち一方を第1アーム部材72、他方を第2アーム部材73とする。アーム部材72,73は、ワークWの外周面に沿うように円弧状に湾曲している。以下、第1アーム部材72と第2アーム部材73の共通箇所については同一符号を付して説明を行う。
【0030】
アーム部材72,73は、基端部74と、先端部75と、を備える。アーム部材72,73は、基端部74にアームホルダ54,55を挟む一対の取付部76,77を備える。取付部76,77は、例えば、板状の部材である。第1アーム部材72は、第1アームホルダ54に取り付けられている。第2アーム部材73は、第2アームホルダ55に取り付けられている。各アーム部材72,73は、アームホルダ54,55を挟んだ一対の取付部76,77を貫通する回転軸58によって、回転軸58を回転中心として回転可能な状態でアームホルダ54,55に取り付けられている。これにより、第2アーム71は、回転軸58を回転中心として回転可能である。なお、本実施形態における「回転」とは、360°未満の回転も含む。従って、第2アーム71の回転とは、回転軸58を回転中心として第2アーム71が弧状の軌跡で動けばよい。
【0031】
第1アーム部材72は、ドライブギヤ78を備える。ドライブギヤ78は、第1アーム部材72の一対の取付部76,77のうち1つの取付部76の周縁に設けられている。言い換えれば、取付部76の周縁にギヤとして機能する凹凸を設けることで、第1アーム部材72がドライブギヤ78として機能するようにしている。第2アーム部材73は、ドライブギヤ78を備えない点を除いて、第1アーム部材72と同様の形状である。
【0032】
第2アーム71におけるアーム部材72,73の基端部74から先端部75までの長さは、第1アーム61におけるアーム部材62,63の基端部64から先端部65までの長さよりも長い。第2アーム71は、第1アーム61よりも長いロングアームである。第1アーム61は、第2アーム71よりも短いショートアームである。
【0033】
クランプシリンダ80は、回転軸58を回転中心として第2アーム71を回転させる。クランプシリンダ80は、油圧シリンダである。クランプシリンダ80は、シリンダチューブ81と、ロッド82と、を備える。シリンダチューブ81は、アームホルダ54,55に取り付けられている。ロッド82は、第2アーム71に取り付けられている。クランプシリンダ80には、第2セクション15から作動油が給排される。第2セクション15から給排される作動油によりシリンダチューブ81に対してロッド82が伸縮する。ロッド82の伸縮により、第2アーム71は、回転軸58を回転中心として回転する。第2アーム71の回転により、第2アーム71が第1アーム61に接近又は離間する。以下では、2つのアーム61,71同士が近付くことをアーム61,71の閉動作、2つのアーム61,71同士が離れることをアーム61,71の開動作と称する。本実施形態において、第2アーム71は回転軸58を回転中心として動く可動アームである。第2アーム71は、回転部材である。第1アーム61は、回転軸57を回転中心とした動きが規制された固定アームである。なお、クランプシリンダ80への作動油の給排は、荷役車両10の搭乗者による操作によって行われる。
【0034】
パッド90,91は、2つのアーム61,71のそれぞれに設けられている。第1アーム61に取り付けられているパッド90を第1パッド90、第2アーム71に取り付けられているパッド91を第2パッド91とする。第1パッド90と第2パッド91とは同一形状である。
【0035】
パッド90,91は、ワークWの外周面に接してワークWを把持する把持部92と、パッド90,91を回転可能な状態でアーム61,71に取り付けるためのパッド取付部93と、を備える。把持部92は、板状である。把持部92は、矩形状である。
【0036】
第1パッド90は、把持部92の長辺方向が2つのアーム部材62,63の並ぶ方向と一致する態様で第1アーム61に取り付けられている。第1パッド90は、パッド取付軸94によって回転可能な状態で第1アーム61に取り付けられている。パッド取付軸94を回転中心として第1パッド90は回転可能である。
【0037】
第2パッド91は、把持部92の長辺方向が2つのアーム部材72,73の並ぶ方向と一致する態様で第2アーム71に取り付けられている。第2パッド91は、パッド取付軸94によって回転可能な状態で第2アーム71に取り付けられている。パッド取付軸94を回転中心として第2パッド91は回転可能である。
【0038】
パッド取付部93は、把持部92の厚み方向の一面に設けられている。パッド取付部93は、把持部92の厚み方向に突出している。パッド取付部93は、把持部92の短辺方向の中心位置に設けられている。本実施形態において、パッド取付部93は、把持部92の長辺方向に並んで2つ設けられている。パッド取付部93は、カム形状である。パッド取付部93は、パッド取付軸94からの距離が位置によって変化する円弧面95を備える。円弧面95のうち把持部92から最も離間している位置96は、パッド取付軸94からの距離が最も長くなる。
【0039】
報知装置100は、ターンテーブルベアリング41より前方に設けられている。報知装置100は、パッド90,91がワークWを正常に把持していることの報知を行う。
図4及び
図5に示すように、報知装置100は、発電ユニットGUと、発光ダイオードLと、接続切替部SWと、を備える。発電ユニットGUは、ドリブンギヤ101と、軸部材102と、発電機Gと、蓄電装置Cと、ダイオードDと、筐体103と、ブラケット104と、を備える。
【0040】
ドリブンギヤ101は、ドライブギヤ78と噛み合っている。ドリブンギヤ101は、ドライブギヤ78の回転に従動して回転する。言い換えれば、ドリブンギヤ101は、第2アーム71の回転に伴い回転する。なお、ドリブンギヤ101とドライブギヤ78との間にギヤを追加して、ドライブギヤ78が回転した際のドリブンギヤ101の回転量を増やしてもよい。
【0041】
軸部材102は、ドリブンギヤ101に連結されている。軸部材102は、ドリブンギヤ101と一体となって回転する。軸部材102は、第2アーム71の回転に従動して回転するといえる。
【0042】
発電機Gは、軸部材102の回転によって直流電力を発生させる直流発電機である。発電機Gは、例えば、磁界中でコイルを回転させ発生した交流を整流子とブラシで整流して直流を発生させる発電機である。第2アーム71の回転によりドライブギヤ78がドリブンギヤ101を回転させ、これに伴い軸部材102が回転すると、発電機Gは直流電力を発生させる。
【0043】
発電機Gは、第1端子G1と、第2端子G2と、を備える。発電機Gの発電により第1端子G1と第2端子G2の間に直流電圧が生じる。アーム61,71の閉動作が行われると、第1端子G1の電位が第2端子G2の電位よりも高くなる。アーム61,71の開動作が行われると、第2端子G2の電位が第1端子G1の電位よりも高くなる。
【0044】
蓄電装置Cは、発電機Gが発電した直流電力によって充電される。蓄電装置Cとしては、キャパシタや二次電池を用いることができる。蓄電装置Cは、第1端子C1と、第2端子C2と、を備える。蓄電装置Cの第1端子C1は、発電機Gの第1端子G1に電気的に接続されている。蓄電装置Cの第2端子C2は発電機Gの第2端子G2に電気的に接続されている。
【0045】
ダイオードDは、蓄電装置Cの第2端子G2と発電機Gの第2端子G2との間に設けられている。ダイオードDは、アーム61,71の閉動作により発電機Gから蓄電装置Cに流れる電流を許容し、かつ、アーム61,71の開動作により発電機Gから蓄電装置Cに電流が流れることを防止するように設けられている。本実施形態では、ダイオードDのアノードは蓄電装置Cの第2端子C2に、ダイオードDのカソードは発電機Gの第2端子G2にそれぞれ接続されている。ダイオードDは、発電機Gの第2端子G2から電流が流れることを防止しているといえる。
【0046】
アーム61,71の閉動作により第1端子G1の電位が第2端子G2の電位よりも高くなると、
図4に破線で示すように、第1端子G1→蓄電装置C→ダイオードD→第2端子G2の順に電流が流れることで蓄電装置Cが充電される。アーム61,71の開動作により第2端子G2の電位が第1端子G1の電位よりも高くなるが、ダイオードDにより電流が流れることが防止される。
【0047】
筐体103は、発電機G、蓄電装置C及びダイオードDを収容している。発電機G、蓄電装置C、及びダイオードDはこれによりユニット化されている。
ブラケット104は、発電ユニットGUをクランプ本体50に固定している。ブラケット104は、ドリブンギヤ101及び軸部材102がドライブギヤ78の回転により回転可能であり、かつ、筐体103及び筐体103に収容された部材がドライブギヤ78の回転により回転しないように筐体103を固定している。本実施形態において、ブラケット104は第1アームホルダ54に取り付けられているが、ブラケット104は固定部51や第1アーム61等、ブラケット104との相対位置が変化しない部材に取り付けられていればよい。
【0048】
発光ダイオードLは、蓄電装置Cに接続されている。発光ダイオードLは、報知部である。発光ダイオードLは、蓄電装置Cから供給される電力によって作動する。発光ダイオードLの作動とは、発光ダイオードLの点灯である。発光ダイオードLは、荷役車両10に搭乗した搭乗者の視認可能な位置に設けられている。
【0049】
搭乗者の視認可能な位置は、ロールクランプ装置30の使用態様により異なる。ロールクランプ装置30は、縦置きのワークWも横置きのワークWも把持可能である。縦置きとは、ワークWの軸線が鉛直方向に延びる態様でワークWが置かれていることである。横置きとは、ワークWの軸線が水平方向に延びる態様でワークWが置かれていることである。縦置きのワークWを把持する際には、2つのアーム61,71が水平方向からワークWを把持するようにクランプ本体50は回転させられる。横置きのワークWを把持する際には、2つのアーム61,71が上下方向からワークWを把持するようにクランプ本体50は回転させられる。
【0050】
本実施形態では、縦置きのワークWをロールクランプ装置30によって把持することを想定して発光ダイオードLの設けられる位置を定めている。発光ダイオードLは、第1アームホルダ54の表面のうち、縦置きのワークWをロールクランプ装置30によって把持する際に上方を向く面に設けられている。
【0051】
接続切替部SWは、発光ダイオードLと蓄電装置Cとの接続と非接続とを切り替えるスイッチである。接続切替部SWは、固定接点FCと、可動接点MCと、を備える。可動接点MCと固定接点FCとが接触することで接続切替部SWは導通状態となり発光ダイオードLと蓄電装置Cとが接続される。可動接点MCと固定接点FCとが接触しなくなることで接続切替部SWは非導通状態となり発光ダイオードLと蓄電装置Cとが非接続となる。発光ダイオードLと蓄電装置Cとが接続されることで、
図4に一点鎖線で示すように、蓄電装置C→接続切替部SW→発光ダイオードLの順に電流が流れて発光ダイオードLは点灯する。発光ダイオードLと蓄電装置Cとが非接続となることで、発光ダイオードLは消灯する。
【0052】
図6及び
図7に示すように、接続切替部SWは第2アーム71に取り付けられている。可動接点MCは、第2アーム71のパッド取付部93による押圧によって固定接点FCに接近又は離間するように設けられている。可動接点MCの位置は、第2アーム71に対する第2パッド91の角度によって変化する。パッド90,91がワークWを正常に把持しているか否かにより接続切替部SWによる蓄電装置Cと発光ダイオードLの接続と非接続とは切り替わる。以下の説明において、第2パッド91のパッド取付部93に適宜、符号93aを付して説明を行う。
【0053】
図8に示すように、パッド取付部93aの円弧面95のうちパッド取付軸94からの距離が最も長い位置96から、円弧面95の周方向の両側に対して所定の範囲を接触部位97とする。接触部位97は、円弧面95のうち接触部位97とは異なる部位よりもパッド取付軸94からの距離が長い部位である。
【0054】
図6に示すように、接触部位97が可動接点MCを押圧している場合に可動接点MCは固定接点FCに接触する。一方で、
図7に示すように、接触部位97が可動接点MCを押圧していない場合に可動接点MCは固定接点FCに接触しない。なお、パッド取付部93aの円弧面95による可動接点MCの押圧は、円弧面95により可動接点MCが直接押圧されるようにしてもよいし、円弧面95と可動接点MCとの間に介在部材を設けて、円弧面95により押圧された介在部材によって可動接点MCが間接的に円弧面95に押圧されるようにしてもよい。
【0055】
パッド90,91がワークWを正常に把持していれば、パッド取付部93aによる押圧により可動接点MCが固定接点FCに接触するようにパッド90,91及び可動接点MCは設けられている。言い換えれば、パッド90,91がワークWを正常に把持していなければ、可動接点MCが固定接点FCに接触しない。本実施形態において、2つのパッド90,91同士の間にワークWの中心軸CPが位置している状態であれば、ワークWは正常に把持されているといえる。詳細にいえば、2つのパッド取付軸94同士を結ぶ線分と、中心軸CPとの離間距離が許容差内に収まる状態でワークWが把持されている状態がワークWを正常に把持している状態である。許容差は、ワークWが脱落しない程度にパッド90,91からの把持力がワークWに伝わる範囲である。
【0056】
パッド90,91がワークWを正常に把持している際のパッド取付部93aとワークWとの位置関係、第2アーム71に対するパッド取付部93aの角度はワークWの径によって異なる。このため、ロールクランプ装置30により搬送を行うと想定されるワークWの径に応じて、パッド取付部93aの位置、パッド取付部93aの形状、及び、パッド取付部93aと可動接点MCとの位置関係が調整される。即ち、パッド90,91がワークWを正常に把持している場合に接触部位97によって可動接点MCが押圧され、パッド90,91がワークWを正常に把持していない場合には接触部位97が可動接点MCを押圧しないように調整を行えばよい。パッド90,91の位置及び角度によって可動接点MCと固定接点FCとが接触するか否かが切り替わる。接続切替部SWは、パッド90,91に連動して蓄電装置Cと発光ダイオードLとの接続と非接続とを切り替え可能に設けられているといえる。
【0057】
図6に示すように、本実施形態では、パッド90,91がワークWを正常に把持していれば、パッド90,91の短辺方向の中心位置がワークWに接する。この状態では、接触部位97がワークWを押圧することで、可動接点MCが固定接点FCに接触する。
【0058】
図7に示すように、本実施形態では、パッド90,91がワークWを正常に把持していなければ、パッド90,91の短辺方向の中心位置からずれた位置がワークWに接する。この状態では、接触部位97がワークWを押圧せず、可動接点MCが固定接点FCに接触しない。上記したように、接続切替部SWが蓄電装置Cと発光ダイオードLとを接続するか非接続とするかは、パッド取付部93aによって切り替えられる。第2パッド91は、接続切替部SWによる蓄電装置Cと発光ダイオードLとの接続と非接続とを切り替え可能に設けられているといえる。本実施形態では、パッド90,91がワークWを正常に把持していれば、接続切替部SWは蓄電装置Cと発光ダイオードLとを接続するように切り替えられる。パッド90,91がワークWを正常に把持していなければ、接続切替部SWは蓄電装置Cと発光ダイオードLとを非接続とするように切り替えられる。
【0059】
本実施形態の作用について説明する。
ロールクランプ装置30によりワークWを把持する際には、搭乗者は、荷役車両10を制御することで2つのパッド90,91同士の間にワークWを位置させる。そして、アーム61,71を閉動作させることで、2つのパッド90,91によってワークWを把持する。アーム61,71を閉動作させることで、発電機Gは第2アーム71の回転力によって発電する。蓄電装置Cは、発電機Gによって発電された電力によって充電される。パッド90,91がワークWを正常に把持すると、パッド取付部93によって接続切替部SWが導通状態とされる。蓄電装置Cと発光ダイオードLとが接続されるように接続切替部SWは切り替えられるといえる。蓄電装置Cと発光ダイオードLとが接続されることで、発光ダイオードLは点灯する。荷役車両10の搭乗者は、発光ダイオードLの点灯を視認することで、ワークWが正常に把持されたことを認識することができる。発光ダイオードLが点灯しない場合、搭乗者は、ワークWが正常に把持されていないことを認識できる。この場合、アーム61,71を開動作させた後に、パッド90,91の位置を調整して、ワークWを再度把持する。
【0060】
ロールクランプ装置30によるワークWの把持を解除する際には、アーム61,71を開動作させることで、パッド90,91をワークWから離間させる。この際、アーム61,71の開動作によって蓄電装置Cに電流が流れることをダイオードDにより防止している。また、ダイオードDにより、アーム61,71が停止した際に蓄電装置Cから発電機Gに電流が流れることによる軸部材102の回転を抑止している。
【0061】
本実施形態の効果について説明する。
(1)蓄電装置Cは、発電機Gの発電によって充電される。パッド90,91がワークWを正常に把持しているか否かにより、蓄電装置Cと発光ダイオードLとの接続と非接続とが切り替わる。蓄電装置Cと発光ダイオードLとの接続と非接続とが切り替わることで、発光ダイオードLの点灯と消灯とが切り替わる。発光ダイオードLの点灯と消灯との切り替わりにより、荷役車両10の搭乗者はパッド90,91がワークWを正常に把持しているか否かを認識することができる。実施形態であれば、発光ダイオードLが消灯から点灯に切り替わることで、荷役車両10の搭乗者はパッド90,91がワークWを正常に把持したことを認識できる。発電機Gの発電によって得られた電力を用いて発光ダイオードLを点灯させることができる。このため、荷役車両10の車体11に内蔵されるバッテリ12を用いずに発光ダイオードLを点灯させることができる。
【0062】
(2)発光ダイオードLの電源として、発電機Gによる充電が可能な蓄電装置Cを用いている。ワークWの搬送を行うことで蓄電装置Cの充電を行うことができるため、発光ダイオードLの電源として一次電池を用いた場合に比べて、電源の残容量が不足することを抑止することができる。
【0063】
(3)第2アーム71の回転力によって得られる発電機Gの発電が行われるようにしている。第2アーム71は、ワークWを把持する過程で、必ず回転する部材である。第2アーム71の回転によって発電機Gが発電するようにすることで、蓄電装置Cの残容量が不足することを抑制することができる。
【0064】
(4)アーム61,71の閉動作により蓄電装置Cが充電されるようにダイオードDが設けられている。ワークWを把持する際には、アーム61,71の閉動作が行われるため、アーム61,71の閉動作により蓄電装置Cが充電されるようにすると、パッド90,91がワークWを把持する前に蓄電装置Cの充電が行われることになる。蓄電装置Cが充電された状態でワークWの把持を行うことができるため、蓄電装置Cの残容量不足を原因として発光ダイオードLが点灯しないことを抑制できる。
【0065】
(5)パッド90,91がワークWを正常に把持しているかを判定するため、センサと、センサの検出結果から把持が正常か否かを判定するコンピュータと、を備える報知装置を用いることも考えられる。この場合には、報知装置がセンサやコンピュータを備える必要があり、更に、把持が正常か否かを判定するためのプログラムも必要になる。これに対して、パッド取付部93aによる接続切替部SWの切り替えによって報知を行えるようにすることで、報知装置100を簡易な構成にすることができ、製造コストの低減が図られる。
【0066】
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○発電ユニットGUは、ダイオードDに代えて蓄電装置Cと発電機Gとの接続と非接続とを切り替える開閉器を備えていてもよい。開閉器は、アーム61,71が閉動作した際に蓄電装置Cと発電機Gとを接続し、アーム61,71が開動作した際に蓄電装置Cと発電機Gとを非接続にする。例えば、軸部材102に軸部材102と一体となって回転する突起を設けて、軸部材102の回転に伴う突起の移動により開閉器の導通状態と非導通状態とを切り替えられるようにする。アーム61,71が閉動作する際の軸部材102の回転により突起が開閉器を導通状態にし、アーム61,71が開動作する際の軸部材102の回転により突起が開閉器を非導通状態にすればよい。これにより、蓄電装置Cは、アーム61,71が閉動作する際に充電される。
【0067】
○蓄電装置Cは、アーム61,71が開動作する際に充電されるようにしてもよい。この場合、アーム61,71が閉動作する際に、発電機Gから蓄電装置Cに電流が流れないようにダイオードDを取り付ける。例えば、ダイオードDのアノードが蓄電装置Cの第1端子C1、ダイオードDのカソードが発電機Gの第1端子G1にそれぞれ接続されるようにすればよい。アーム61,71の開動作は、ワークWを搬送する際に必ず行われる動作なので、この動作により蓄電装置Cを充電することで、蓄電装置Cの残容量が不足していることを原因として発光ダイオードLが発光しないことを抑制できる。自然放電により蓄電装置Cの残容量が不足することで発光ダイオードLが発光しないことも生じ得るが、アーム61,71の開動作を行うことで蓄電装置Cは充電される。荷役車両10を起動し、ワークWの搬送作業を行う際に、最初にワークWを把持する際に発光ダイオードLが発光しない場合があるが、以降の作業では蓄電装置Cの残容量不足を原因として発光ダイオードLが発光しないことが抑制される。
【0068】
○発電ユニットGUは、内輪43に取り付けられていてもよい。ドリブンギヤ101は、内輪43のギヤに噛み合うように設けられる。これにより、内輪43の回転によって発電機Gに発電を行わせることができる。ワークWの搬送を行う際に、縦置きのワークWを横置きにしたり、横置きのワークWを縦置きにする場合には、ワークWの搬送の過程で内輪43を回転させる工程が生じる。このように、ロールクランプ装置30の使用態様によっては、ワークWを搬送する過程で内輪43の回転に伴い蓄電装置Cの充電を行うことができる。ワークWの搬送の過程で内輪43を回転させる工程が生じる場合には、発電ユニットGUを内輪43に設けることで、実施形態と同様の効果を得ることが出来る。この場合、内輪43が回転部材となる。
【0069】
○軸部材102は、回転部材の回転によって発電機Gに発電を行わせることができればよく、発電ユニットGUはドリブンギヤ101を備えていなくてもよい。例えば、軸部材102を第2アーム71の回転中心に設けて、第2アーム71の回転と一体となって軸部材102が回転するようにしてもよい。
【0070】
○発電機Gは、交流電力を発電するものであってもよい。この場合、発電ユニットGUは、交流電力を直流電力に変換する整流回路を備えていればよい。
○発光ダイオードLは、荷役車両10の搭乗者に視認可能な位置に設けられていればよい。例えば、発光ダイオードLは、各アーム61,71、固定部51、外輪42、プレート31等に設けられていてもよい。また、発光ダイオードLは、単数であってもよいし、複数であってもよい。
【0071】
○第2アーム部材73は、ドライブギヤ78を備えていてもよい。この場合、第1アーム部材72と第2アーム部材73を同一形状にすることができるため、部品の共通化を図ることができる。第2アーム部材73にドライブギヤ78を設ける場合、第2アーム部材73の回転によって発電する発電機Gを設けてもよい。この場合、第1アーム部材72の回転によって発電する発電機Gは省略してもよいし、第1アーム部材72の回転によって発電する発電機Gと第2アーム部材73の回転によって発電する発電機Gの両方を用いて蓄電装置Cを充電してもよい。
【0072】
○第1アーム61は、可動アームであってもよい。この場合、クランプ本体50は、ジョイント68に代えて、第1アーム61を動かすためのシリンダを備える。このシリンダへの作動油の給排により、第1アーム61が第2アーム71に接近又は離間する。第1アーム61を可動アームとする場合、発電ユニットGUは、第1アーム61に設けられていてもよい。
【0073】
○第1パッド90のパッド取付部93は、カム形状ではなくてもよい。即ち、接続切替部SWの切り替えを行わないパッド取付部93については、任意の形状とすることができる。
【0074】
○パッド90,91の形状は任意である。第1パッド90と第2パッド91の形状は互いに異なっていてもよい。第1パッド90は、各アーム部材62,63に1つずつ設けられてもよいし、第2パッド91は、各アーム部材72,73に1つずつ設けられていてもよい。把持部92の長辺方向に並ぶ2つのパッド取付部93を連結して1つとしてもよい。
【0075】
○接続切替部SWによる蓄電装置Cと発光ダイオードLとの接続と非接続とを切り替える部材は、パッド取付部93aとは異なる部材であってもよい。例えば、第2アーム71に設けられたレバーを用いて、接続切替部SWによる蓄電装置Cと発光ダイオードLとの接続と非接続とを切り替えられるようにしてもよい。レバーは、第1端部と、第2端部と、を備える。レバーの第1端部は、接続切替部SWの導通状態と非導通状態とを切替可能に設けられている。レバーの第2端部は、第2パッド91の把持部92に常時接するように設けられている。
図6及び
図7に示すように、第2アーム71に対する把持部92の角度は、パッド90,91がワークWを正常に把持しているか否かにより異なる。レバーの第2端部が把持部92に常時接するようにすることで、把持部92の角度変化に応じてレバーの第1端部の位置も変化することになる。レバーは、パッド90,91がワークWを正常に把持している場合に接続切替部SWを導通状態にし、パッド90,91がワークWを正常に把持していない場合に接続切替部SWを非導通状態にするように設けられる。接続切替部SWは、パッド90,91の位置や角度に連動して導通状態と非導通状態とが切り替えられればよい。接続切替部SWは、パッド90,91によって直接的に導通状態と非導通状態とが切り替えられてもよい。接続切替部SWは、上記したレバーを用いる場合のように、パッド90,91に連動する部材によって間接的に導通状態と非導通状態とが切り替えられてもよい。
【0076】
○接続切替部SWは、パッド90,91がワークWを正常に把持していない場合に蓄電装置Cと発光ダイオードLとを接続し、パッド90,91がワークWを正常に把持している場合に蓄電装置Cと発光ダイオードLとを非接続としてもよい。この場合、荷役車両10の搭乗者は、発光ダイオードLが点灯から消灯に切り替わることを視認することで、パッド90,91によりワークWが正常に把持されたことを認識することができる。
【0077】
この場合、パッド90,91がワークWを正常に把持していない場合にパッド取付部93aが接続切替部SWを導通状態にし、パッド90,91がワークWを正常に把持している場合にパッド取付部93aが接続切替部SWを非導通状態にするようにパッド取付部93aの形状を実施形態から変更する。アーム61,71が閉動作する際には、蓄電装置C及び発光ダイオードLに電力が供給されるように発電ユニットGUは構成される。パッド90,91がワークWを正常に把持すると、発光ダイオードLが消灯する。アーム61,71の閉動作を終えた時点で、パッド90,91がワークWを正常に把持していない場合には、蓄電装置Cからの電力供給により発光ダイオードLの点灯が継続される。このように、接続切替部SWは、パッド90,91がワークWを正常に把持しているか否かにより蓄電装置Cと発光ダイオードLとの接続と非接続とを切り替えればよい。パッド90,91がワークWを正常に把持している場合と、パッド90,91がワークWを正常に把持していない場合とで、いずれに点灯が対応付けられ、いずれに消灯が対応付けられるかは任意である。
【0078】
○報知部としては、白熱球又は蛍光球を用いてもよい。報知部として白熱球又は蛍光球を用いる場合であっても、点灯により荷役車両10の搭乗者に報知を行うことができる。報知部としては、ブザーを用いてもよい。報知部としてブザーを用いる場合、パッド90,91が正常にワークWを把持している場合にブザーが音を発するようにする。報知部としては、点灯による報知を行う部材及び、音による報知を行う部材の両方を備えていてもよい。
【0079】
○第2アーム71におけるアーム部材72,73の基端部74から先端部75までの長さは、第1アーム61におけるアーム部材62,63の基端部64から先端部65までの長さと同一であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
C…蓄電装置、D…ダイオード、G…発電機、L…報知部としての発光ダイオード、SW…接続切替部、W…ワーク、10…荷役車両、30…ロールクランプ装置、61…第1アーム、71…可動アーム及び回転部材としての第2アーム、90,91…パッド、100…報知装置、102…軸部材。