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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】掃除機用収納装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/00 20060101AFI20240123BHJP
   A47L 9/04 20060101ALI20240123BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20240123BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
A47L9/00 104
A47L9/04
A47L5/24 A
A47L9/28 U
A47L9/28 Z
A47L9/28 E
A47L9/28 T
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021044873
(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2022144035
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】狩野 泰毅
(72)【発明者】
【氏名】関口 剛徳
(72)【発明者】
【氏名】内田 龍一
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-182301(JP,A)
【文献】国際公開第2020/081931(WO,A1)
【文献】特表2015-506763(JP,A)
【文献】特開2019-170664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00
A47L 9/04
A47L 5/24
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ブラシを有する掃除機を収納する掃除機用収納装置であって、
前記掃除機が前記掃除機用収納装置に収納された収納状態のときに前記回転ブラシに付着している塵埃を除去するための塵埃除去具を備え、
前記塵埃除去具は、前記収納状態のときに前記回転ブラシに向かい合う対向面と、前記対向面から突出する複数の突起部とを有し、
前記複数の前記突起部は、互いの間に間隔を空けて、前記収納状態のときの前記回転ブラシのブラシ中心軸に平行な方向に沿って、一列に並んでいる掃除機用収納装置であって、
前記突起部は、櫛歯凸部と櫛歯凹部とが交互に配置された櫛歯形状を有し、
前記回転ブラシは、前記掃除機が清掃する面に接する清掃部材を備え、
前記清掃部材は、前記ブラシ中心軸に対して、螺旋状に延びており、
前記突起部が均等に前記清掃部材に接触するように、前記突起部の長手方向は、前記ブラシ中心軸に対して斜めの方向であり、
前記突起部の複数の前記櫛歯凸部は、前記対向面からの高さが互いに異なり、
前記突起部において、前記清掃部材が前記ブラシ中心軸に対して螺旋状に設けられていることに対応して、前記複数の前記櫛歯凸部は、前記高さの順に並んでいる掃除機用収納装置。
【請求項2】
記対向面に対して垂直な方向から見て、前記突起部に接する部分の前記清掃部材の長手方向は、前記ブラシ中心軸に対して斜めの方向であり、前記突起部は、当該斜めの方向と同じ方向を長手方向とする形状を有する請求項1に記載の掃除機用収納装置。
【請求項3】
前記突起部は、前記ブラシ中心軸の方向から見て、前記ブラシ中心軸を中心とする円弧に沿う表面を有する請求項1または請求項2に記載の掃除機用収納装置。
【請求項4】
前記櫛歯凸部は、前記ブラシ中心軸の方向から見て、前記ブラシ中心軸を中心とする第一円弧に沿う表面を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の掃除機用収納装置。
【請求項5】
前記櫛歯凹部は、前記ブラシ中心軸の方向から見て、前記第一円弧と同心で前記第一円弧よりも半径が大きい第二円弧に沿う表面を有する請求項4に記載の掃除機用収納装置。
【請求項6】
前記突起部の複数の前記櫛歯凸部のうちの少なくとも一つの前記櫛歯凸部は、前記回転ブラシの回転方向と反対の方向に向かって突出する突出部を有する請求項1から請求項のいずれか一項に記載の掃除機用収納装置。
【請求項7】
前記突起部において、前記突出部を有する前記櫛歯凸部と、前記突出部を有しない前記櫛歯凸部とが、交互に配置されている請求項に記載の掃除機用収納装置。
【請求項8】
前記突起部の複数の前記櫛歯凸部は、前記ブラシ中心軸との間の最短距離が、互いに等しい請求項から請求項のいずれか一項に記載の掃除機用収納装置。
【請求項9】
前記対向面からの前記突起部の高さは、前記掃除機が前記掃除機用収納装置に対して着脱するときの前記掃除機の移動を妨げない高さになっている請求項1から請求項のいずれか一項に記載の掃除機用収納装置。
【請求項10】
前記収納状態の前記掃除機の一部を上から覆う覆い部を備え、
前記掃除機が前記掃除機用収納装置から取り外された状態の上面視において、前記突起部の少なくとも一部が前記覆い部の下に隠れる請求項1から請求項のいずれか一項に記載の掃除機用収納装置。
【請求項11】
前記ブラシ中心軸の方向から見て、前記突起部は、前記ブラシ中心軸から前記対向面に下ろした垂線の足の位置に対して、前記回転ブラシの回転方向と反対の方向に位置する請求項1から請求項1のいずれか一項に記載の掃除機用収納装置。
【請求項12】
前記収納状態において前記回転ブラシを回転させることで前記回転ブラシに付着した塵埃を除去する請求項1から請求項1のいずれか一項に記載の掃除機用収納装置。
【請求項13】
前記収納状態において前記掃除機の送風機を作動させることで前記回転ブラシから除去された塵埃を前記掃除機に吸い込む請求項1から請求項1のいずれか一項に記載の掃除機用収納装置。
【請求項14】
前記掃除機は、被清掃面上を自律移動するロボット掃除機であり、
前記ロボット掃除機のホームベースあるいは充電ドックとして用いられる請求項1から請求項1のいずれか一項に記載の掃除機用収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、掃除機用収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示された電気掃除機スタンドは、電気掃除機を直立した状態で支持するための支柱部と、支柱部を支持する台座部と、台座部の一端側に設けられ、上側に電気掃除機の吸込具が載置されるための載置部と、載置部の台座部とは反対側に設けられ、載置部から離れるに従って次第に低くなる傾斜部と、傾斜部の取付面部に設けられ、吸込具の底面に形成された開口に臨んで設けられた回転ブラシを吸込具の底面側から清掃する回転ブラシ清掃部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6750541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
掃除機の回転ブラシに付着した塵埃を除去する効率の向上が求められているという課題がある。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、掃除機の回転ブラシに付着した塵埃を効率良く除去する上で有利になる掃除機用収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る掃除機用収納装置は、回転ブラシを有する掃除機を収納する掃除機用収納装置であって、掃除機が掃除機用収納装置に収納された収納状態のときに回転ブラシに付着している塵埃を除去するための塵埃除去具を備え、塵埃除去具は、収納状態のときに回転ブラシに向かい合う対向面と、対向面から突出する複数の突起部とを有し、複数の突起部は、互いの間に間隔を空けて、収納状態のときの回転ブラシのブラシ中心軸に平行な方向に沿って、一列に並んでいる掃除機用収納装置であって、突起部は、櫛歯凸部と櫛歯凹部とが交互に配置された櫛歯形状を有し、回転ブラシは、掃除機が清掃する面に接する清掃部材を備え、清掃部材は、ブラシ中心軸に対して、螺旋状に延びており、突起部が均等に清掃部材に接触するように、突起部の長手方向は、ブラシ中心軸に対して斜めの方向であり、突起部の複数の櫛歯凸部は、対向面からの高さが互いに異なり、突起部において、清掃部材がブラシ中心軸に対して螺旋状に設けられていることに対応して、複数の櫛歯凸部は、高さの順に並んでいるものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、掃除機の回転ブラシに付着した塵埃を効率良く除去する上で有利になる掃除機用収納装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1による掃除機用収納装置に電気掃除機が収納された収納状態を示す側面図である。
図2図1に示す電気掃除機の単品の状態を示す正面図である。
図3図1に示す掃除機用収納装置の単品の状態を示す斜視図である。
図4】実施の形態1における塵埃除去具を単品の状態で斜め上から見た斜視図である。
図5】実施の形態1における掃除機用収納装置に備えられた塵埃除去具及びその周囲を斜め上から見た斜視図である。
図6】実施の形態1における塵埃除去具の単品の状態を示す上面図である。
図7】実施の形態1における塵埃除去具の単品の状態を示す正面図である。
図8】実施の形態1における塵埃除去具の単品の状態を示す背面図である。
図9】実施の形態1における塵埃除去具が備える突起部のうちの一つを拡大した正面図である。
図10】実施の形態1における塵埃除去具が備える突起部のうちの一つを拡大した背面図である。
図11】実施の形態1における塵埃除去具をブラシ中心軸の方向から見た側面図である。
図12】収納状態における電気掃除機の一部及び掃除機用収納装置の一部をブラシ中心軸の方向から見た側面断面図である。
図13図12の一部を拡大した側面断面図である。
図14】実施の形態1における塵埃除去具と回転ブラシとの接触部分をブラシ中心軸の方向から見た側面断面図である。
図15】実施の形態1による掃除機用収納装置の単品の状態を示す上面図である。
図16】実施の形態1による掃除機用収納装置に収納された電気掃除機が掃除機用収納装置から引き出されるときの掃除機用収納装置の一部及び電気掃除機の一部をブラシ中心軸の方向から見た側面断面図である。
図17】実施の形態1による掃除機用収納装置に収納された電気掃除機が掃除機用収納装置から引き出されるときの掃除機用収納装置の一部及び電気掃除機の一部をブラシ中心軸の方向から見た側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、説明を簡略化または省略する。なお、本開示で角度に言及した場合において、和が360°となる優角と劣角とがあるときには原則として劣角の角度を指すものとし、和が180°となる鋭角と鈍角とがある場合には原則として鋭角の角度を指すものとする。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による掃除機用収納装置20に電気掃除機1が収納された収納状態を示す側面図である。図2は、図1に示す電気掃除機1の単品の状態を示す正面図である。図3は、図1に示す掃除機用収納装置20の単品の状態を示す斜視図である。なお、図1において、紙面に対し、それぞれ、右方向が前方を、左方向が後方を、上方向が上方を、下方向が下方を、手前方向が右方を示す。また、図2において、紙面に対し、それぞれ、手前方向が前方を、上方向が上方を、下方向が下方を、左方向が右方を、右方向が左方を示す。つまり、前方を向いて、右方向が右方を、左方向が左方を示す。
【0011】
本開示では、塵埃及びその他のゴミを総称して単に「塵埃」と呼ぶ。本開示における「塵埃」には、例えば、髪の毛、動物の毛、糸くずなどの繊維ゴミが含まれ得る。また、本開示では、塵埃が混じった空気を「含塵空気」と呼び、塵埃が取り除かれた空気を「清浄空気」と呼ぶ場合がある。
【0012】
電気掃除機1は、コードレスタイプの縦型電気掃除機である。図1及び図2に示すように、電気掃除機1は、筐体2、電動送風機3、バッテリー4、筒状部5、集塵部6、ハンドル7、延長管9及び吸込具10を備えている。電動送風機3は、筐体2の内部に収容されている。電動送風機3は、塵埃を吸い込むための気流を発生させる。バッテリー4は、電動送風機3を駆動するための電源となる。バッテリー4は、充電可能な二次電池である。
【0013】
筒状部5は、塵埃を吸い込むための接続口8を有する。接続口8は、筒状部5の一端に形成された開口である。筒状部5の内部には、接続口8を通過した含塵空気の気流を集塵部6へ導く風路が形成されている。
【0014】
集塵部6は、塵埃を捕集する。集塵部6は、接続口8から吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、その塵埃を捕集する。本実施の形態における集塵部6は、サイクロン分離器を備える。なお、サイクロン分離器を有する集塵部6に代えて、例えば、集塵袋によって気流を濾過することで塵埃を捕集する集塵部が備えられてもよい。ハンドル7は、使用中に使用者が手で握る部位である。使用者は、ハンドル7を握ることで電気掃除機1を把持する。
【0015】
延長管9は、筒状部5の接続口8に接続されている。延長管9は、直状かつ中空管状の部材である。延長管9の一端部は、筒状部5の接続口8に対して、着脱可能である。延長管9の他端部には、関節部14を介して、吸込具10が接続されている。吸込具10の内部には、回転ブラシ11が配置されている。回転ブラシ11は、吸込具10に内蔵された、例えば電気モータまたはタービンのような駆動手段によって回転駆動される。
【0016】
電気掃除機1は、電動送風機3及び回転ブラシ11の動作を制御する制御部(図示省略)を有する。当該制御部は、例えば、少なくとも一つのメモリと、少なくとも一つのプロセッサとを有するものでもよい。当該制御部は、例えば、ハンドル7に設けられた操作部12に対する使用者の操作に応じて、電動送風機3及び回転ブラシ11の動作を制御する。電動送風機3が駆動すると、集塵部6、筒状部5、延長管9の内部に吸引力が作用し、吸込具10から含塵空気が吸い込まれる。この時、回転ブラシ11が回転し、回転ブラシ11の回転によって掻き上げられた塵埃等も吸引される。吸込具10に吸い込まれた含塵空気は、延長管9及び筒状部5を通過して集塵部6の内部に取り込まれる。集塵部6では、含塵空気から塵埃が分離される。集塵部6から排出された清浄空気は、電動送風機3を通過する。電動送風機3を通過した清浄空気は、筐体2の外部に排出される。
【0017】
掃除機用収納装置20は、電気掃除機1を収納しておくための装置である。本開示では、電気掃除機1が掃除機用収納装置20に収納された状態を「収納状態」と称する。本実施の形態の掃除機用収納装置20は、電気掃除機1を直立した状態として収納する。図1及び図3に示すように、掃除機用収納装置20は、台座部21、支柱部22、載置部26及び傾斜部27を備えている。
【0018】
台座部21は、支柱部22を支持している。支柱部22は、台座部21の上方に形成されている。支柱部22は、台座部21の上面から鉛直上向きに直立して形成されている。支柱部22は、ハンドル7と同等の太さの柱状の部分を有する。支柱部22の軸は、台座部21の左右方向における中心に位置している。つまり、支柱部22は、前面視及び後面視において、掃除機用収納装置20の中央に位置している。また、図1及び図3に示すように、支柱部22は、平面視において、台座部21の前方寄りに位置している。
【0019】
載置部26は、台座部21において、支柱部22の後方の一端側に設けられる。すなわち、載置部26は、台座部21の前後方向の略中央から、台座部21の後端方向に向かって広がって設けられている。載置部26の底部は、床面に接している。載置部26の上面は、台座部21の支柱部22が設けられている上面よりも、吸込具10の厚み以上低い位置に配置される。
【0020】
傾斜部27は、載置部26から、載置部26の後方の端部方向に連続して設けられている。傾斜部27の底部は、床面に接している。傾斜部27は、載置部26から離れるに従って次第に低くなるように傾斜している。傾斜部27と載置部26との接続部分においては、傾斜部27の上面と載置部26の上面とが滑らかに連続している。
【0021】
本実施の形態において、台座部21、載置部26、及び傾斜部27は、全体として、上面視において、円形の輪郭を呈する。このような例に限らず、台座部21、載置部26、及び傾斜部27は、全体として、上面視において、例えば、楕円形、正方形、または長方形の輪郭を呈してもよい。
【0022】
台座部21には、覆い部28が設けられている。覆い部28は、台座部21の上面の後端に形成され、この後端から載置部26の上方へ庇または屋根のように突出して設けられている。なお、覆い部28の後端の左右方向の端部は、載置部26の左右方向の側壁から連なるように形成される。
【0023】
支柱部22は、支持部23、集塵部支持部24及び接続口受け部25を備えている。支持部23は、支柱部22の上端部に設けられている。集塵部支持部24は、支柱部22の上下方向の中途の位置に固定されている。集塵部支持部24は、支柱部22の側面における載置部26及び傾斜部27がある側(後方側)に配置されている。集塵部支持部24は、例えば、筐体2及び集塵部6と直径が等しい円筒形状を呈している。接続口受け部25は、集塵部支持部24の側面における載置部26及び傾斜部27がある側に配置されている。
【0024】
収納状態では、以下のようになる。電気掃除機1の前側が掃除機用収納装置20の支柱部22の方へと向けた状態になる。載置部26の上に電気掃除機1の吸込具10が載置される。支持部23の上にハンドル7が載置される。集塵部支持部24の上面に集塵部6が載置される。接続口受け部25は、接続口8を含む筒状部5の下端側の一部と延長管9の上端側の一部とを支持する。
【0025】
本実施の形態の掃除機用収納装置20は、電気掃除機1を充電する機能を備えている。掃除機用収納装置20の支持部23には、給電部が設けられている。給電部は、掃除機用収納装置20の電源ケーブルと電気的に接続された端子である。電気掃除機1は、ハンドル7の前側の下端部に受電部を備えている。受電部は、電気掃除機1に内蔵されたバッテリー4の充電回路と電気的に接続された端子である。
【0026】
電気掃除機1が掃除機用収納装置20に載置されると、電気掃除機1側の受電部と、掃除機用収納装置20の給電部とが電気的に接続される。こうして、掃除機用収納装置20の電源ケーブルが外部電源に接続され、電気掃除機1が掃除機用収納装置20に載置されることで、電気掃除機1に設けられたバッテリー4が充電される。すなわち、掃除機用収納装置20は、支柱部22が電気掃除機1を支持した状態で電気掃除機1のバッテリー4を充電する充電手段を備えている。
【0027】
図3に示すように、掃除機用収納装置20は、塵埃除去具30を備える。塵埃除去具30は、収納状態のときに、回転ブラシ11に付着している塵埃を除去するための器具である。本実施の形態では、載置部26の上面に塵埃除去具30が配置されている。
【0028】
図4は、実施の形態1における塵埃除去具30を単品の状態で斜め上から見た斜視図である。図5は、実施の形態1における掃除機用収納装置20に備えられた塵埃除去具30及びその周囲を斜め上から見た斜視図である。図6は、実施の形態1における塵埃除去具30の単品の状態を示す上面図である。図7は、実施の形態1における塵埃除去具30の単品の状態を示す正面図である。図8は、実施の形態1における塵埃除去具30の単品の状態を示す背面図である。
【0029】
図4から図8に示すように、塵埃除去具30は、対向面31と、対向面31から突出する複数の突起部32とを有する。対向面31は、収納状態のときに回転ブラシ11に向かい合う表面である。対向面31は、収納状態のときに回転ブラシ11に接してもよい。
【0030】
本開示では、回転ブラシ11の中心軸に相当する直線を「ブラシ中心軸」と称する。複数の突起部32は、互いの間に間隔を空けて、収納状態のときのブラシ中心軸に平行な方向に沿って、一列に並んでいる。図示の例では、塵埃除去具30は、一列に並ぶ9個の突起部32を有する。
【0031】
収納状態のときに塵埃除去具30の突起部32が回転ブラシ11に接することで、回転ブラシ11に付着している塵埃を除去することが可能となる。複数の突起部32が一列に並んだ列の長さは、回転ブラシ11の長手方向の長さに対応している。複数の突起部32が一列に並ぶことで、回転ブラシ11の長手方向の位置に関して、塵埃を除去しきれない領域が生じることを、より確実に防止する上で有利になる。すなわち、回転ブラシ11に付着している塵埃を、概ね残らず除去することが可能となる。
【0032】
収納状態のときに回転ブラシ11を回転させることで回転ブラシ11に付着した塵埃を塵埃除去具30により除去する動作を以下「塵埃除去動作」と称する。電気掃除機1が掃除機用収納装置20に収納されたことを電気掃除機1の制御部が検知すると、当該制御部が自動で回転ブラシ11を回転させて塵埃除去動作を実行してもよい。このように、収納状態になったときに自動で塵埃除去動作を実行することで、回転ブラシ11に付着している塵埃を自動で除去することが可能となる。
【0033】
塵埃除去動作において、電気掃除機1の制御部は、回転ブラシ11を一定時間回転させた後、回転ブラシ11を停止させて、塵埃除去動作を終了してもよい。あるいは、当該制御部は、回転ブラシ11から塵埃が除去されたことを検知した場合に、回転ブラシ11を停止させて、塵埃除去動作を終了してもよい。回転ブラシ11から塵埃が除去されると回転ブラシ11を駆動するモータの負荷が減少する。このことを利用して、当該制御部は、例えば、回転ブラシ11を駆動するモータの電流値に基づいて、回転ブラシ11から塵埃が除去されたかどうかを検知してもよい。
【0034】
塵埃除去具30により回転ブラシ11から除去された塵埃は、塵埃除去具30に付着する。電気掃除機1が掃除機用収納装置20に収納されたことを電気掃除機1の制御部が検知すると当該制御部が電動送風機3を一定時間作動させて吸込具10から含塵空気を吸い込むように制御してもよい。このように、収納状態になったときに電動送風機3を一定時間自動で作動させることで、回転ブラシ11から除去されて塵埃除去具30に付着した塵埃を電気掃除機1に自動で吸い込むことができる。収納状態では、載置部26の上面と、吸込具10の底面との間隔が狭いので、電動送風機3が作動すると、塵埃除去具30の上面に、強い吸引風が発生する。それゆえ、塵埃除去具30に付着した塵埃を確実に除去して電気掃除機1に吸い込むことができる。
【0035】
なお、電気掃除機1が掃除機用収納装置20に収納されたことを電気掃除機1の制御部が検知したときに、当該制御部は、回転ブラシ11の回転による塵埃除去動作と同時に電動送風機3を作動させてもよいし、回転ブラシ11の回転を停止して塵埃除去動作が終了した後に電動送風機3を作動させてもよい。
【0036】
本開示では、収納状態のときに電気掃除機1の制御部が回転ブラシ11及び電動送風機3を自動で作動させることに代えて、使用者が操作部12を操作して回転ブラシ11及び電動送風機3を作動させてもよい。
【0037】
本実施の形態の塵埃除去具30では、対向面31上に、複数の突起部32が、互いの間に間隔を空けて、一列だけ設けられている。これにより、以下の効果が得られる。複数の突起部32同士の間に間隔を空けることで、空気が流れる風路が形成される。このため、突起部32と回転ブラシ11との接触による塵埃除去効果に加えて、当該風路から流れる風の力を利用することができるので、回転ブラシ11から塵埃を除去する効果がさらに向上する。また、突起部32が一列だけ設けられていることで、塵埃除去具30回転ブラシ11から除去された塵埃が、塵埃除去具30に絡みついて取れにくくなることを確実に防止できる。すなわち、仮に突起部32が複数列設けられていると、ある1つの列の突起部により回転ブラシ11から除去された繊維ゴミのような塵埃が、他の列の突起部32に絡みついて取れにくくなり得る。これに対し、本実施の形態であれば、回転ブラシ11から除去された塵埃が、塵埃除去具30に絡みつくことなく、円滑に電気掃除機1に吸い込まれるようにすることが可能となる。
【0038】
図4に示すように、本実施の形態において、対向面31は、平板状の部材により形成されている。上面視において、対向面31は、ブラシ中心軸の方向を長手方向とする長方形状の輪郭を有する。対向面31には、一対の開口33が形成されている。一対の開口33は、対向面31の長手方向の中央よりも両端部に近い位置にある。一対の開口33の間に7個の突起部32が配置されている。一方の開口33と、対向面31の長手方向の一端との間に、1個の突起部32が配置されている。他方の開口33と、対向面31の長手方向の他端との間に、1個の突起部32が配置されている。
【0039】
図5に示すように、本実施の形態において、対向面31が載置部26の上面に重なるように塵埃除去具30が載置部26に設置されている。つまり、対向面31は、載置部26の上面よりも、例えば、対向面31を有する塵埃除去具30を構成する板の厚み分だけ高くなる。載置部26の上面、及び、対向面31は、掃除機用収納装置20が置かれている床面に対して平行でもよい。
【0040】
載置部26の上面から、一対の位置決め突起29が突出している。一対の位置決め突起29のそれぞれは、一対の開口33を通って、対向面31よりも上へ突出している。一対の位置決め突起29は、載置部26に載置された吸込具10に接することで吸込具10を適正な位置に位置決めする機能を有する。
【0041】
上述したように、本実施の形態における塵埃除去具30は、載置部26とは別体の部品として構成されている。このような構成に代えて、塵埃除去具30が載置部26と一体に形成されていてもよい。その場合、載置部26の上面と、対向面31とが、滑らかに連続する表面を形成していてもよい。
【0042】
図9は、実施の形態1における塵埃除去具30が備える突起部32のうちの一つを拡大した正面図である。ここで、正面図とは、突起部32を前方向に向いて見た、つまり、関節部14から回転ブラシ11側(前方側)を向いて見た方向の図である。図10は、実施の形態1における塵埃除去具30が備える突起部32のうちの一つを拡大した背面図である。ここで、背面図とは、突起部32を前方から後方に向いて見た図である。図11は、実施の形態1における塵埃除去具30をブラシ中心軸の右側の方向から見た側面図である。つまり、図11の紙面の右方向が前方を、左方向が後方を示す。図12は、収納状態における電気掃除機1の一部及び掃除機用収納装置20の一部をブラシ中心軸の右側の方向から見た側面断面図である。つまり、図12の紙面の上方向が前方を、下方向が後方を示す。図13は、図12の一部を拡大した側面断面図である。図14は、実施の形態1における塵埃除去具30と回転ブラシ11との接触部分をブラシ中心軸の右側の方向から見た側面断面図である。つまり、図14の紙面の上方向が前方を、下方向が後方を示す。
【0043】
図14に示すように、回転ブラシ11は、清掃部材13を備える。清掃部材13は、電気掃除機1の使用時に電気掃除機1が清掃する面に接する部材である。清掃部材13は、例えば、植毛でもよい。本実施の形態において、清掃部材13は、ブラシ中心軸に対して螺旋状に延びるように設けられている。すなわち、清掃部材13は、ブラシ中心軸を中心とする仮想の円筒面に対して、ブラシ中心軸に対して斜めの方向に延びながら巻き付くように配置されている。図示の例では、回転ブラシ11の周方向についての位相が異なるように配置された、複数列の清掃部材13が設けられている。
【0044】
図6に示すように、対向面31に対して垂直な方向から見て、それぞれの突起部32は、当該突起部32に接する部分の清掃部材13の長手方向に沿う形状を有する。本実施の形態では、清掃部材13がブラシ中心軸に対して螺旋状に配設されているため、突起部32に接する部分の清掃部材13の長手方向は、ブラシ中心軸に対して斜めの方向になる。対向面31に対して垂直な方向から見て、それぞれの突起部32は、当該突起部32に接する部分の清掃部材13の長手方向と同じ方向を長手方向とする形状を有している。このため、それぞれの突起部32の長手方向は、ブラシ中心軸に対して斜めの方向になる。上述したような構成によれば、清掃部材13の長手方向に沿って、突起部32が均等に清掃部材13に接触する。その結果、清掃部材13に付着している塵埃をより効率良く除去することが可能となる。
【0045】
以下の説明では、対向面31に対して垂直な方向から見たときの突起部32の長手方向を単に「突起部32の長手方向」と称する。図9及び図10は、突起部32の長手方向に対して垂直な方向、かつ、対向面31に対して平行な方向から見た図に相当する。
【0046】
変形例として、清掃部材13は、ブラシ中心軸に対して平行に延びるように設けられていてもよい。清掃部材13がブラシ中心軸に対して平行に延びる場合には、対向面31に対して垂直な方向から見て、それぞれの突起部32は、ブラシ中心軸に平行な方向を長手方向とする形状を有することが好ましい。
【0047】
図14に示すように、本実施の形態における突起部32は、ブラシ中心軸の方向から見て、ブラシ中心軸を中心とする円弧に沿う表面34を有する。収納状態で回転ブラシ11が回転すると、清掃部材13が表面34に接触しながら突起部32に対して移動する。この際に、本実施の形態であれば、清掃部材13と表面34との接触状態を一定に保つことができるので、清掃部材13に付着している塵埃をより効率良く除去することが可能となる。
【0048】
図9及び図10に示すように、本実施の形態における突起部32は、櫛歯凸部35と櫛歯凹部36とが交互に配置された櫛歯形状を有する。櫛歯凸部35と櫛歯凹部36とは、突起部32の長手方向に沿って、交互に並ぶ。櫛歯凸部35の上端は、櫛歯凹部36の上端よりも、対向面31からの高さが高い。櫛歯凹部36の上端は、対向面31よりも高い位置にある。
【0049】
本実施の形態であれば、突起部32が、上述したような櫛歯形状を有することで、以下の効果が得られる。回転ブラシ11の清掃部材13が、櫛歯形状の突起部32に接触しながら移動すると、清掃部材13に付着している塵埃が、櫛歯凸部35及び櫛歯凹部36により、細かく揺り動かされる。その結果、清掃部材13に付着している塵埃が解きほぐされ、清掃部材13に対する塵埃の付着が緩くなる。それゆえ、清掃部材13に付着している塵埃をより効率良く除去することが可能となる。
【0050】
図9及び図10に示す突起部32は、一対の開口33の間に配置された複数の突起部32のうちの一つを示す。一対の開口33の間に配置された突起部32のそれぞれは、四箇所の櫛歯凸部35と、三箇所の櫛歯凹部36とを有する。これに対し、図6から図8に示されるように、一対の開口33よりも外側に配置された突起部32のそれぞれは、三箇所の櫛歯凸部35と、二箇所の櫛歯凹部36とを有する。
【0051】
図示の例において、櫛歯凸部35と櫛歯凹部36との境界となる壁面は、突起部32の長手方向に対して垂直である。櫛歯凸部35の幅、及び、櫛歯凹部36の幅は、突起部32の長手方向に対して垂直な方向についての幅である。図9に示すように、複数の櫛歯凸部35のそれぞれの幅は、いずれもW1であり、互いに等しい。また、複数の櫛歯凹部36のそれぞれの幅は、いずれもW2であり、互いに等しい。さらに、櫛歯凸部35の幅W1は、櫛歯凹部36の幅W2に等しい。
【0052】
図14に示すように、前述した表面34は、櫛歯凸部35の表面に相当する。すなわち、櫛歯凸部35は、ブラシ中心軸の方向から見て、ブラシ中心軸を中心とする第一円弧に沿う表面34を有する。第一円弧の半径は、回転ブラシ11の半径よりも小さい。なお、本開示において、回転ブラシ11の半径とは、清掃部材13が他の物に接しておらず、清掃部材13に外力が作用していないときの、ブラシ中心軸から回転ブラシ11の清掃部材13の先端までの距離を意味するものとする。
【0053】
櫛歯凹部36は、ブラシ中心軸の方向から見て、第一円弧と円の中心が同じで第一円弧よりも半径が大きい第二円弧に沿う表面37を有する。第二円弧の半径は、回転ブラシ11の半径と同等でもよいし、回転ブラシ11の半径に比べて僅かに大きくてもよいし、回転ブラシ11の半径に比べて僅かに小さくてもよい。すなわち、ブラシ中心軸と表面37との間の距離は、回転ブラシ11の半径と同等でもよいし、回転ブラシ11の半径に比べて僅かに大きくてもよいし、回転ブラシ11の半径に比べて僅かに小さくてもよい。
【0054】
本実施の形態であれば、櫛歯凸部35及び櫛歯凹部36に対して清掃部材13が接触しながら移動するときに、清掃部材13と、表面34及び表面37との接触状態を一定に保つことができるので、清掃部材13に付着している塵埃をより効率良く除去することが可能となる。
【0055】
以下の説明では、回転ブラシ11が回転する方向を「ブラシ回転方向」と称する。図12から図14においては、回転ブラシ11は、時計回りに回転する。
【0056】
図14に示すように、本実施の形態において、一つの突起部32が有する複数の櫛歯凸部35のうちの一部の櫛歯凸部35は、ブラシ回転方向と反対の方向に向かって突出する突出部38を有する。突出部38は、回転ブラシ11が回転するときに突出部38に接する清掃部材13が移動する方向と反対の方向に向かって突出する。突出部38は、櫛歯凸部35の背面から櫛歯凸部35の前方側に突出する。突出部38の少なくとも一部は、回転ブラシ11の外径の円の内側に位置する。
【0057】
本実施の形態であれば、上記の突出部38を備えたことで、以下の効果が得られる。回転ブラシ11に巻付いた髪の毛のような繊維状の塵埃が、突出部38に引っ掛かることで、回転ブラシ11による回転力により、その繊維状の塵埃が切断される。その結果、回転ブラシ11への、繊維状の塵埃の巻付きが解除されるので、繊維状の塵埃を、より効率良く確実に除去することが可能となる。
【0058】
図10に示すように、本実施の形態では、一つの突起部32において、突出部38を有する櫛歯凸部35と、突出部38を有しない櫛歯凸部35とが、交互に配置されている。仮に、すべての櫛歯凸部35に突出部38が設けられているとすると、一度に多くの繊維状の塵埃が突起部32に引っ掛かり、その多くの繊維状の塵埃を切断するために、回転ブラシ11に大きな回転力が必要となる可能性がある。その結果、回転ブラシ11を駆動するモータのような駆動手段に、大きな負荷がかかってしまう可能性がある。これに対し、本実施の形態であれば、突出部38を有する櫛歯凸部35と、突出部38を有しない櫛歯凸部35とを交互に配置したことで、突起部32に一度に引っ掛かる繊維状の塵埃の量が多くなりすぎることを確実に回避できる。それゆえ、回転ブラシ11を駆動する駆動手段に大きな負荷がかかってしまうことを確実に防止できる。
【0059】
なお、本開示では、一つの突起部32が有する複数の櫛歯凸部35のうちの少なくとも一つの櫛歯凸部35が突出部38を有していれば、繊維状の塵埃を、回転ブラシ11から、より効率良く確実に除去する効果が得られる。また、回転ブラシ11を駆動する駆動手段が高負荷に耐えうるものである場合には、一つの突起部32が有するすべての櫛歯凸部35に突出部38が設けられていてもよい。
【0060】
図9及び図10に示すように、本実施の形態では、一つの突起部32が有する複数の櫛歯凸部35は、対向面31からの高さが互いに異なる。そして、一つの突起部32において、それら複数の櫛歯凸部35は、対向面31からの高さの順に並んでいる。これは、清掃部材13がブラシ中心軸に対して螺旋状に設けられていることに対応している。このようにすることで、本実施の形態であれば、それぞれの櫛歯凸部35に対して清掃部材13が接触しながら移動するときに、それぞれの櫛歯凸部35と、清掃部材13との接触状態を一定に保つことができるので、清掃部材13に付着している塵埃をより効率良く除去することが可能となる。
【0061】
図14から理解できるように、表面34とブラシ中心軸との間の距離は、櫛歯凸部35とブラシ中心軸との間の最短距離に相当する。対向面31からの高さが互いに異なる複数の櫛歯凸部35のそれぞれの表面34と、ブラシ中心軸との間の距離は、互いに等しい。すなわち、対向面31からの高さが互いに異なる複数の櫛歯凸部35は、ブラシ中心軸との間の最短距離が、互いに等しい。このような構成により、本実施の形態であれば、それぞれの櫛歯凸部35に対して清掃部材13が接触しながら移動するときに、それぞれの櫛歯凸部35と、清掃部材13との接触状態を一定に保つことができるので、清掃部材13に付着している塵埃をより効率良く除去することが可能となる。
【0062】
図14に示すように、ブラシ中心軸の方向から見て、突起部32は、ブラシ中心軸から対向面31に下ろした垂線の足の位置PLに対して、ブラシ回転方向と反対の方向に位置する。すなわち、回転ブラシ11が回転するときに上記垂線の足の位置PLを通過する清掃部材13が移動する方向が、図14中の左へ向かう方向であるのに対して、突起部32は、上記垂線の足の位置PLよりも右の方向に位置する。このような構成であれば、回転ブラシ11が回転するときに清掃部材13の先端が対向面31に近づいていく過程で清掃部材13が突起部32に接触する。その結果、清掃部材13に付着している塵埃をより効率良く除去することが可能となる。
【0063】
図13に示すように、本実施の形態における吸込具10は、車輪15を有する。吸込具10の前後方向の位置に関して、車輪15は、回転ブラシ11よりも後方に位置する。図示の例では、吸込具10の後端に車輪15が配置されている。収納状態では、車輪15を含めて吸込具10の全体が載置部26の上に位置する。収納状態では、載置部26と傾斜部27との境界の近くに車輪15が位置する。
【0064】
また、本実施の形態における吸込具10は、第一前面壁16と、第二前面壁17とを有する。第一前面壁16は、吸込具10の最も前方の壁を形成する。第一前面壁16は、第二前面壁17よりも柔らかい材質でもよい。図示の例において、第一前面壁16は、吸込具10の被清掃面に対して実質的に垂直となる平板状の形状を有する。収納状態では、載置部26側の台座部21の側壁に、第一前面壁16が、接触または隣接してもよい。
【0065】
第二前面壁17は、第一前面壁16の内側に重なるように配置されている。図示の例において、第二前面壁17の外壁面の一部は、第一前面壁16の内壁面の一部に対して、接触または隣接している。第二前面壁17の内壁面の一部は、回転ブラシ11の外周に向かい合う。第二前面壁17の内壁面の一部は、ブラシ中心軸を中心とする円筒面であって回転ブラシ11よりも半径が大きい円筒面に沿う形状を有していてもよい。
【0066】
図14に示すように、突起部32の最上端は、位置決め突起29の最上端よりも高い位置にある。収納状態では、以下のような位置関係となる。第一前面壁16の下端は、対向面31よりも僅かに上に位置する。第一前面壁16の下端は、突起部32の最上端の位置よりも低い位置にある。第二前面壁17の下端は、突起部32の最上端の位置よりも低い位置にある。第二前面壁17の下端は、位置決め突起29の最上端の位置よりも低い位置にある。第二前面壁17は、位置決め突起29に接触して係合しうるように位置する。第二前面壁17の下端が位置決め突起29に接触して係合することで、載置部26上で吸込具10を適正な位置に位置決めできる。吸込具10の前後方向の位置に関して、第二前面壁17の下端と、ブラシ中心軸から対向面31に下ろした垂線の足の位置PLとの間に、位置決め突起29及び突起部32が位置する。
【0067】
図13に示すように、覆い部28は、収納状態のときに、電気掃除機1の吸込具10の一部を上から覆う。覆い部28は、載置部26側の台座部21の端面の上部から、載置部26の上方の空間へ向かって、庇または屋根のように突出している。覆い部28の先端は、突起部32の鉛直上方の位置にまで達している。収納状態のときに、覆い部28と、吸込具10の上面との間には、隙間39が形成される。すなわち、収納状態のときに、吸込具10は、覆い部28に接触しない。
【0068】
図15は、実施の形態1による掃除機用収納装置20の単品の状態を示す上面図である。図15に示すように、電気掃除機1が掃除機用収納装置20から取り外された状態の上面視において、突起部32の大半が覆い部28の下に隠れる。これにより、以下の効果が得られる。使用者が誤って足で突起部32を踏むことを確実に防止できる。また、突起部32が、覆い部28の下に隠れた奥の位置にあることで、使用者が手で突起部32を触れることが容易でなくなる。これらのことから、使用者の手足が突起部32に触れて痛覚が刺激されるようなことをより確実に防止できる。なお、電気掃除機1が掃除機用収納装置20から取り外された状態の上面視において、突起部32の少なくとも一部が覆い部28の下に隠れるように構成されていれば、上記と類似の効果が得られる。
【0069】
図16及び図17は、実施の形態1による掃除機用収納装置20に収納された電気掃除機1が掃除機用収納装置20から引き出されるときの掃除機用収納装置20の一部及び電気掃除機1の一部をブラシ中心軸の左方向から見た側面断面図である。この図16及び図17は、図12から図14とは反対側から見た図に相当する。つまり、紙面に対し、上方向(白抜きの矢印方向)が後方、下方向が前方、手前方向が左方を示す。
【0070】
掃除機用収納装置20に収納された電気掃除機1を使用者が引き出すときには、吸込具10が水平に吸込具10の後方へ移動するように電気掃除機1が引き出される第一の場合と、吸込具10が後方の斜め上に向かって移動するように電気掃除機1が引き出される第二の場合とがある。
【0071】
図16は、上述した第一の場合を示す。図16に示すように、第一の場合には、車輪15が載置部26の上面及び傾斜部27の上面に接触しながら吸込具10が後退する。このとき、関節部14から吸込具10に作用する力により、吸込具10の前方が浮き上がるように吸込具10が傾斜する。その結果、吸込具10の上面が覆い部28の先端に接触する。そして、第一前面壁16の下端及び第二前面壁17の下端は、突起部32の最上端の位置以上の高さになる。それゆえ、第一前面壁16及び第二前面壁17が突起部32に引っ掛かるようなことがないので、吸込具10が円滑に移動でき、使用者が電気掃除機1を引き出す操作が妨げられることがない。
【0072】
図17は、上述した第二の場合を示す。図17に示すように、第二の場合には、車輪15も含めて吸込具10の全体が載置部26から離れて、後方の斜め上に向かって吸込具10が上昇する。このとき、吸込具10は、その底面が水平の状態を維持するか、吸込具10の前方がやや低くなるように傾斜し、吸込具10の上面が覆い部28の先端に接触する。そして、第一前面壁16の下端及び第二前面壁17の下端は、突起部32の最上端の位置以上の高さになる。それゆえ、第一前面壁16及び第二前面壁17が突起部32に引っ掛かるようなことがないので、吸込具10が円滑に移動でき、使用者が電気掃除機1を引き出す操作が妨げられることがない。
【0073】
なお、使用者が電気掃除機1を掃除機用収納装置20に収納する際に吸込具10が載置部26上へ移動する動作のときにも、図16または図17に示される状態を経て、吸込具10が載置部26へ着地する。それゆえ、第一前面壁16及び第二前面壁17が突起部32に引っ掛かるようなことがないので、吸込具10が円滑に移動でき、使用者が電気掃除機1を掃除機用収納装置20に収納する操作が妨げられることがない。
【0074】
以上説明したように、対向面31からの突起部32の高さは、上述した図16及び図17のいずれの場合でも、電気掃除機1の吸込具10が掃除機用収納装置20に対して着脱するときの吸込具10の移動を妨げない高さになっている。
【0075】
本開示による掃除機用収納装置、及び、当該掃除機用収納装置に収納される掃除機は、図示の例に限定されるものではない。例えば、本開示による掃除機用収納装置は、被清掃面上を自律移動するロボット掃除機を収納するように構成されたものでもよい。すなわち、本開示による掃除機用収納装置は、回転ブラシを有するロボット掃除機のホームベースあるいは充電ドックとして用いられ、当該回転ブラシに付着している塵埃を除去するための塵埃除去具を備えたものでもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 電気掃除機、 2 筐体、 3 電動送風機、 4 バッテリー、 5 筒状部、 6 集塵部、 7 ハンドル、 8 接続口、 9 延長管、 10 吸込具、 11 回転ブラシ、 12 操作部、 13 清掃部材、 14 関節部、 15 車輪、 16 第一前面壁、 17 第二前面壁、 20 掃除機用収納装置、 21 台座部、 22 支柱部、 23 支持部、 24 集塵部支持部、 25 接続口受け部、 26 載置部、 27 傾斜部、 28 覆い部、 29 位置決め突起、 30 塵埃除去具、 31 対向面、 32 突起部、 33 開口、 34 表面、 35 櫛歯凸部、 36 櫛歯凹部、 37 表面、 38 突出部、 39 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17