(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】導電性ペースト、積層セラミックコンデンサの製造方法、積層セラミックコンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01B 1/22 20060101AFI20240123BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
H01B1/22 A
H01G4/30 517
H01G4/30 516
H01G4/30 201G
H01G4/30 311E
(21)【出願番号】P 2021063553
(22)【出願日】2021-04-02
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】多賀 和哉
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-190490(JP,A)
【文献】国際公開第2012/114784(WO,A1)
【文献】特開2016-9836(JP,A)
【文献】特開2017-63109(JP,A)
【文献】特開2004-262741(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0155227(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 1/22
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉体とガラス粉体とを含み、
前記金属粉体は、銅粉体であり、
前記金属粉体の焼結収縮完了温度T2は、427℃以上664℃以下であり、
前記ガラス粉体の軟化点T1は、546℃以上734℃以下であり、
前記ガラス粉体の
前記軟化点T1と前記金属粉体の
前記焼結収縮完了温度T2との差(T1-T2)は、12℃以上200℃以下である、導電性ペースト。
【請求項2】
前記金属粉体の焼結収縮開始温度T3は
300℃以上350℃以下であり、前記金属粉体の前記焼結収縮完了温度T2は
427℃以上550℃以下である、請求項1に記載の導電性ペースト。
【請求項3】
前記金属粉体のメディアン径は、0.1μm以上1.2μm以下である、請求項1
または2に記載の導電性ペースト。
【請求項4】
前記ガラス粉体は、
Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、
Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含む、請求項1~
3のいずれか1項に記載の導電性ペースト。
【請求項5】
内部電極が露出しているセラミック素体の表面に請求項1~
4のいずれか1項に記載の導電性ペーストを塗布し、前記導電性ペーストの塗膜を形成する形成工程と、
前記導電性ペーストの前記塗膜を、前記金属粉体の焼結収縮開始温度T3以上前記ガラス粉体の前記軟化点T1未満に加熱する第1加熱工程と、
前記導電性ペーストの前記塗膜を、前記ガラス粉体の前記軟化点T1以上に加熱する第2加熱工程と
を有する、積層セラミックコンデンサの製造方法。
【請求項6】
請求項1~
4のいずれか1項に記載の導電性ペーストの焼結体を備える、積層セラミックコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、導電性ペースト、積層セラミックコンデンサの製造方法、積層セラミックコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサの端子電極のうち、外部電極の下地電極層は、一般に、金属粉体を導電性成分とする導電性ペーストを用いて形成される。下地電極層の形成温度を下げるために、焼結助剤としてガラス粉体を導電性ペーストに添加することがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、金属粉末およびガラスを含む外部電極用ペーストが開示されている。特許文献1の外部電極用ペーストでは、ガラスは、ケイ素およびホウ素からなる群から選択される何れか一つ以上の酸化物、リチウム、カリウムおよびバリウムからなる群から選択される何れか一つ以上の酸化物、バナジウムおよびマンガンからなる群から選択される何れか一つ以上の酸化物、および亜鉛酸化物を含有し、ガラスの全体組成を基準として、亜鉛酸化物を19~31mol%含有する。
【0004】
このようなガラス粉体を含む導電性ペーストでは、ガラス粉体は、金属粉体の焼結開始温度から焼結完了温度の間で軟化流動し、金属粉体の焼結を促進させる。また、導電性ペーストのガラス粉体が軟化流動し、下地電極層とセラミック素体との間にガラス層が形成されることで、セラミック素体と外部電極とが固着される。ガラス層がセラミック素体の表面を覆うことで、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性が向上する。
【0005】
このように、軟化流動したガラス粉体について、軟化流動した金属粉体に比べて、セラミック素体との親和性が高いため、ガラス層はセラミック素体の表面に形成される。しかしながら、ガラス層がセラミック素体と外部電極の下地電極層との間に設けられるため、セラミック素体の内部電極と外部電極との接合性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性に優れると共に、セラミック素体の内部電極と外部電極との接合性に優れる導電性ペースト、導電性ペーストを用いた積層セラミックコンデンサの製造方法、導電性ペーストの焼結体を備える積層セラミックコンデンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1] 金属粉体とガラス粉体とを含み、前記ガラス粉体の軟化点T1と前記金属粉体の焼結収縮完了温度T2との差(T1-T2)は、12℃以上200℃以下である、導電性ペースト。
[2] 前記金属粉体の焼結収縮開始温度T3は350℃以下であり、前記金属粉体の前記焼結収縮完了温度T2は550℃以下である、上記[1]に記載の導電性ペースト。
[3] 前記金属粉体は銅粉体である、上記[1]または[2]に記載の導電性ペースト。
[4] 前記金属粉体のメディアン径は、0.1μm以上1.2μm以下である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の導電性ペースト。
[5] 前記ガラス粉体は、Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含む、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の導電性ペースト。
[6] 内部電極が露出しているセラミック素体の表面に上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の導電性ペーストを塗布し、前記導電性ペーストの塗膜を形成する形成工程と、前記導電性ペーストの前記塗膜を、前記金属粉体の焼結収縮開始温度T3以上前記ガラス粉体の前記軟化点T1未満に加熱する第1加熱工程と、前記導電性ペーストの前記塗膜を、前記ガラス粉体の前記軟化点T1以上に加熱する第2加熱工程とを有する、積層セラミックコンデンサの製造方法。
[7] 上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の導電性ペーストの焼結体を備える、積層セラミックコンデンサ。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性に優れると共に、セラミック素体の内部電極と外部電極との接合性に優れる導電性ペースト、導電性ペーストを用いた積層セラミックコンデンサの製造方法、導電性ペーストの焼結体を備える積層セラミックコンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態の積層セラミックコンデンサの一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、外部電極を形成する前のセラミック素体の表面に導電性ペーストを塗布したA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に基づき詳細に説明する。
【0012】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、金属粉体の焼結収縮完了温度に着目し、ガラス粉体の軟化点と金属粉体の焼結収縮完了温度との関係が積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性およびセラミック素体の内部電極と外部電極との接合性に影響を及ぼすことを見出し、かかる知見に基づき本開示を完成させるに至った。
【0013】
実施形態の導電性ペーストは、金属粉体とガラス粉体とを含み、ガラス粉体の軟化点T1と金属粉体の焼結収縮完了温度T2との差(T1-T2)は、12℃以上200℃以下である。
【0014】
導電性ペーストは、複数の金属粉体および複数のガラス粉体を含む。なお、本明細書では、便宜上、複数の金属粉体を単に金属粉体ともいい、複数のガラス粉体を単にガラス粉体ともいう。
【0015】
ガラス粉体の温度がガラス粉体の軟化点T1未満では、ガラス粉体は粉体状である。ガラス粉体の温度が軟化点T1以上になると、粉体状のガラス粉体は軟化する。
【0016】
金属粉体の温度が金属粉体の焼結収縮開始温度T3未満では、金属粉体は粉体状である。金属粉体の温度が焼結収縮開始温度T3以上になると、粉体状の金属粉体は軟化する。また、金属粉体の温度が焼結収縮開始温度T3よりも高い焼結収縮完了温度T2になると、軟化した粉体状の金属粉体の焼結性が最も高くなる。
【0017】
導電性ペーストに含まれる金属粉体とガラス粉体について、ガラス粉体の軟化点T1と金属粉体の焼結収縮完了温度T2との差(T1-T2)は、12℃以上200℃以下である。
【0018】
セラミック素体の表面に塗布された導電性ペーストが金属粉体の焼結収縮開始温度T3以上ガラス粉体の軟化点T1未満に加熱されると、ガラス粉体の軟化前に軟化流動する金属粉体が内部電極の表面を含むセラミック素体の表面を覆う。そして、内部電極の金属成分と金属粉体の金属成分とが反応して、内部電極の金属成分と金属粉体の金属成分とを含む合金層が内部電極の表面を含むセラミック素体の表面に形成される。また、導電性ペーストがガラス粉体の軟化点T1以上に加熱されると、軟化流動するガラス粉体は親和性の高いセラミック素体を主に覆う。そして、セラミック素体における合金層の周囲の表面には、ガラス層が形成される。合金層およびガラス層の表面には、導電性ペーストに含まれる金属粉体の金属成分から構成される外部電極の下地電極層が形成される。
【0019】
このように、合金層は内部電極の表面を含むセラミック素体の表面を覆うため、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性が向上する。さらに、内部電極と外部電極との間に形成される合金層は、セラミック素体の内部電極と接合すると共に、外部電極の下地電極層とも接合するため、セラミック素体の内部電極と外部電極との接合性が向上する。また、セラミック素体と外部電極との間に形成されるガラス層は、セラミック素体と外部電極とを固着させるため、セラミック素体と内部電極との接合強度は良好である。さらに、ガラス層はセラミック素体の表面を覆うため、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性が向上する。
【0020】
ガラス粉体の軟化点T1と金属粉体の焼結収縮完了温度T2との差(T1-T2)が12℃以上であると、上記のように、内部電極の表面を含むセラミック素体の表面上に、内部電極の金属成分と金属粉体の金属成分とを含む合金層を形成できると共に、セラミック素体における合金層の周囲の表面上に、ガラス層を形成できる。そのため、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性が優れていると共に、セラミック素体の内部電極と外部電極との接合性が優れている。このような観点から、差(T1-T2)は、好ましくは22℃以上、より好ましくは52℃以上である。
【0021】
ガラス粉体の軟化点T1と金属粉体の焼結収縮完了温度T2との差(T1-T2)が200℃以下であると、導電性ペーストの焼結温度を低下できる。そのため、積層セラミックコンデンサの生産性が向上する。このような観点から、差(T1-T2)は、好ましくは121℃以下、より好ましくは90℃以下である。
【0022】
導電性ペーストに含まれるガラス粉体の軟化点T1は、熱重量示差熱分析(TG-DTA)から得ることができる。熱重量示差熱分析では、0.5μm以上2.0μm以下のメディアン径(D50)を有するガラス粉体を30mg、ガラス粉体の容器をAl2O3、空気流量を100cc/mim、大気下で、室温から800℃まで20℃/mimで昇温して得られるDTAチャートの第4変曲点から、ガラス粉体の軟化点T1を測定することができる。
【0023】
導電性ペーストに含まれる金属粉体の焼結収縮完了温度T2は、熱機械分析(TMA)から得ることができる。熱機械分析では、直径4mm、高さ3mmの柱状の金属粉体の圧粉体成型物、圧粉体成型物の試料板をAl2O3単板、窒素ガス流量を20cc/mim、窒素雰囲気下で、室温から1000℃まで20℃/mimで昇温して得られるTMAチャートの極小点から、金属粉体の焼結収縮完了温度T2を測定することができる。
【0024】
また、金属粉体の焼結収縮開始温度T3は350℃以下であり、金属粉体の焼結収縮完了温度T2は550℃以下であることが好ましい。金属粉体について、焼結収縮開始温度T3が350℃以下であり、焼結収縮完了温度T2が550℃以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できると共に、導電性ペーストの焼結温度をさらに低下できる。そのため、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性およびセラミック素体の内部電極と外部電極との接合性がさらに優れると共に、積層セラミックコンデンサの生産性がさらに向上する。
【0025】
このような観点から、金属粉体の焼結収縮開始温度T3は、好ましくは350℃以下、より好ましくは335℃以下である。同様の観点から、金属粉体の焼結収縮完了温度T2は、好ましくは550℃以下、より好ましくは535℃以下である。また、金属粉体の焼結収縮開始温度T3は、300℃以上であることが好ましい。また、金属粉体の焼結収縮完了温度T2は、420℃以上であることが好ましい。
【0026】
導電性ペーストに含まれる金属粉体の焼結収縮開始温度T3は、熱機械分析から得ることができる。熱機械分析では、直径4mm、高さ3mmの柱状の金属粉体の圧粉体成型物、圧粉体成型物の試料板をAl2O3単板、窒素ガス流量を20cc/mim、窒素雰囲気下で、室温から1000℃まで20℃/mimで昇温して得られるTMAチャートのベースラインの接線及び焼結収縮による体積収縮領域の急峻な下降位置の接線との交点から、金属粉体の焼結収縮開始温度T3を測定することができる。
【0027】
また、金属粉体は銅粉体であることが好ましい。金属粉体が銅粉体であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できるため、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性およびセラミック素体の内部電極と外部電極との接合性がさらに優れる。さらに、金属粉体に含まれる銅の含有量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは97質量%以上であると、セラミック素体の内部電極と外部電極との接合性がさらに優れる。
【0028】
また、ガラス粉体の軟化点T1は、好ましくは500℃以上、より好ましくは530℃以上、さらに好ましくは550℃以上である。ガラス粉体の軟化点T1が500℃以上であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できるため、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性およびセラミック素体の内部電極と外部電極との接合性がさらに優れる。また、ガラス粉体の軟化点T1は、好ましくは750℃以下、より好ましくは700℃以下、さらに好ましくは680℃以下である。ガラス粉体の軟化点T1が750℃以下であると、導電性ペーストの焼結温度を低下できるため、積層セラミックコンデンサの生産性が向上する。
【0029】
また、ガラス粉体は、Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むことが好ましい。ガラス粉体が上記元素を含むと、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できるため、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性およびセラミック素体の内部電極と外部電極との接合性がさらに優れる。
【0030】
ガラス粉体の軟化点T1は、Ba、Ca、Li、Naの添加量で容易に調整できる。例えば、Ba、Ca、Si、B、AlおよびZrからなるガラス粉体の場合、SiとBとAlとの合計量に対するBaとCaとの合計量の比((Ba+Ca)/(Si+B+Al))を0.60以上0.66以下にして、ガラス粉体の軟化点T1を734℃に調整できる。また、Ba、Ca、Si、B、AlおよびZnからなるガラス粉体の場合、SiとBとAlとの合計量に対するBaとCaとの合計量の比((Ba+Ca)/(Si+B+Al))を0.51以上0.57以下にして、ガラス粉体の軟化点T1を619℃に調整できる。また、Ba、Ca、Si、B、Al、Zn、LiおよびNaからなるガラス粉体の場合、SiとBとAlとの合計量に対するBaとCaとLiとNaとの合計量の比((Ba+Ca+Li+Na)/(Si+B+Al))を0.35以上0.39以下にして、ガラス粉体の軟化点T1を586℃に調整できる。また、Ba、Ca、Si、B、Al、Ti、LiおよびNaからなるガラス粉体の場合、SiとBとAlとの合計量に対するBaとCaとLiとNaとの合計量の比((Ba+Ca+Li+Na)/(Si+B+Al))を0.38以上0.42以下にして、ガラス粉体の軟化点T1を546℃に調整できる。
【0031】
ガラス粉体に含まれるBa(バリウム)の含有量が10.0質量%以上であると、合金層が形成されやすいと共に、セラミック素体に対する外部電極の固着力が向上する。Baの含有量が50.0質量%以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できる。このため、Baの含有量の下限値は、好ましくは10.0質量%であり、Baの含有量の上限値は、好ましくは50.0質量%である。
【0032】
ガラス粉体に含まれるCa(カルシウム)の含有量が5.0質量%以上であると、合金層が形成されやすい。Caの含有量が40.0質量%以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できる。このため、Caの含有量の下限値は、好ましくは5.0質量%であり、Caの含有量の上限値は、好ましくは40.0質量%である。
【0033】
ガラス粉体に含まれるSi(ケイ素)の含有量が3.0質量%以上であると、合金層が形成されやすい。Siの含有量が20.0質量%以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できる。このため、Siの含有量の下限値は、好ましくは3.0質量%であり、Siの含有量の上限値は、好ましくは20.0質量%である。
【0034】
ガラス粉体に含まれるB(ホウ素)の含有量が15.0質量%以上であると、合金層が形成されやすい。Bの含有量が30.0質量%以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できる。このため、Bの含有量の下限値は、好ましくは15.0質量%であり、Bの含有量の上限値は、好ましくは30.0質量%である。
【0035】
ガラス粉体に含まれるAl(アルミニウム)の含有量が5.0質量%以上であると、合金層が形成されやすい。Alの含有量が20.0質量%以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できる。このため、Alの含有量の下限値は、好ましくは5.0質量%であり、Alの含有量の上限値は、好ましくは20.0質量%である。
【0036】
ガラス粉体に含まれるZr(ジルコニウム)の含有量が3.0質量%以上であると、合金層が形成されやすい。Zrの含有量が30.0質量%以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できる。このため、Zrの含有量の下限値は、好ましくは3.0質量%であり、Zrの含有量の上限値は、好ましくは30.0質量%である。
【0037】
ガラス粉体に含まれるTi(チタン)の含有量が3.0質量%以上であると、合金層が形成されやすい。Tiの含有量が30.0質量%以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できる。このため、Tiの含有量の下限値は、好ましくは3.0質量%であり、Tiの含有量の上限値は、好ましくは30.0質量%である。
【0038】
ガラス粉体に含まれるZn(亜鉛)の含有量が3.0質量%以上であると、合金層が形成されやすい。Znの含有量が30.0質量%以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できる。このため、Znの含有量の下限値は、好ましくは3.0質量%であり、Znの含有量の上限値は、好ましくは30.0質量%である。
【0039】
ガラス粉体に含まれるLi(リチウム)の含有量が2.0質量%以上であると、合金層が形成されやすいと共に、ガラス粉体の軟化点T1が低下するために、導電性ペーストの焼結温度が低下する。Liの含有量が10.0質量%以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できる。このため、Liの含有量の下限値は、好ましくは2.0質量%であり、Liの含有量の上限値は、好ましくは10.0質量%である。
【0040】
ガラス粉体に含まれるNa(ナトリウム)の含有量が2.0質量%以上であると、合金層が形成されやすいと共に、ガラス粉体の軟化点T1が低下するために、導電性ペーストの焼結温度が低下する。Naの含有量が10.0質量%以下であると、差(T1-T2)を上記数値範囲内に容易に制御できる。このため、Naの含有量の下限値は、好ましくは2.0質量%であり、Naの含有量の上限値は、好ましくは10.0質量%である。
【0041】
また、金属粉体のメディアン径(D50)は、0.1μm以上1.2μm以下であることが好ましい。金属粉体のメディアン径が0.1μm以上であると、金属粉体を容易に製造できる。そのため、積層セラミックコンデンサの生産性が向上する。また、金属粉体のメディアン径が1.2μm以下であると、金属粉体の焼結収縮完了温度T2が十分に低下し、差(T1-T2)を上記数値範囲内にさらに容易に制御できる。そのため、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性、およびセラミック素体の内部電極と外部電極との接合性がさらに優れている。
【0042】
上記のように、積層セラミックコンデンサの生産性を向上する観点から、金属粉体のメディアン径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上である。また、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性、およびセラミック素体の内部電極と外部電極との接合性を向上する観点から、金属粉体のメディアン径は、好ましくは1.2μm以下、より好ましくは1.0μm以下、さらに好ましくは0.6μm以下である。
【0043】
金属粉体のメディアン径(D50)は、前処理として有機溶媒中にて超音波分散を施した金属粉体スラリーを、マイクロトラック粒度分布装置にて測定した結果から得られることができる。
【0044】
また、金属粉体の表面には、金属粉体の焼結遅延を目的として、無機被覆層が形成されてもよい。無機被覆層は金属粉体の表面を被覆する。金属粉体の表面が無機被覆層で覆われていると、金属粉体の焼結収縮完了温度T2および焼結収縮開始温度T3が高くなる。無機被覆層がジルコニアまたはアルミナであると、金属粉体の焼結収縮完了温度T2および焼結収縮開始温度T3の制御が容易である。
【0045】
また、導電性ペーストについて、金属粉体の含有量とガラス粉体の含有量との合計に対する金属粉体の含有量の比r(金属粉体の含有量/(金属粉体の含有量+ガラス粉体の含有量))は、好ましくは0.60以上、より好ましくは0.70以上である。比rが0.60以上であると、合金層の厚さおよびガラス層の厚さのバランスが良好である。また、比rは、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.85以下である。比rが0.90以下であると、導電性ペーストの塗工性が良好である。
【0046】
また、導電性ペーストは、上記の金属粉体およびガラス粉体に加えて、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性や内部電極と外部電極との接合性が低下しない程度に、例えば塗工性向上剤のような各種の添加剤を含んでもよい。
【0047】
次に、実施形態の積層セラミックコンデンサの製造方法および積層セラミックコンデンサについて説明する。
【0048】
図1は、実施形態の積層セラミックコンデンサの一例を示す斜視図である。
図2は、
図1のA-A断面図である。
図3は、
図1のB-B断面図である。
図4は、外部電極を形成する前のセラミック素体の表面に導電性ペーストを塗布したA-A断面図である。
【0049】
ここで、
図1に示すように、外部電極2である第1外部電極2aと第2外部電極2bとが対向する方向を、積層セラミックコンデンサ1の長さ方向Lと定義する。また、
図1~3に示すように、複数の内部電極51と複数の誘電体セラミック層52とが積層されている方向を、積層セラミックコンデンサ1の積層方向Tと定義する。また、
図1に示すように、長さ方向Lおよび積層方向Tのいずれの方向にも直交する方向を、積層セラミックコンデンサ1の幅方向Wと定義する。
【0050】
積層セラミックコンデンサの製造方法は、形成工程、第1加熱工程および第2加熱工程を有する。
【0051】
形成工程では、
図4に示すように、内部電極51が露出しているセラミック素体5の表面に上記の導電性ペーストを塗布し、導電性ペーストの塗膜200を形成する。導電性ペーストの塗膜200は、セラミック素体5において、少なくとも、内部電極51が露出している表面に形成される。
【0052】
形成工程の後に実施される第1加熱工程では、導電性ペーストの塗膜200を、金属粉体の焼結収縮開始温度T3以上ガラス粉体の軟化点T1未満に加熱する。導電性ペーストの塗膜200が上記加熱温度で加熱されると、内部電極51の金属成分と塗膜200に含まれる金属粉体の金属成分とが反応して、
図2に示すように、内部電極51の金属成分と金属粉体の金属成分とを含む合金層3がセラミック素体5の表面に形成される。第1加熱工程において、上記加熱温度の加熱時間は、好ましくは100秒以上720秒以内である。
【0053】
第1加熱工程の後に実施される第2加熱工程では、導電性ペーストの塗膜200を、ガラス粉体の軟化点T1以上に加熱する。導電性ペーストの塗膜200が上記加熱温度で加熱されると、
図2に示すように、ガラス層4が合金層3の周囲のセラミック素体5の表面に形成される。合金層3およびガラス層4の表面には、導電性ペーストの塗膜200に含まれる金属粉体の金属成分から構成される外部電極2(2aおよび2b)が形成される。外部電極2は、塗膜200に含まれる金属粉体の焼結体である。
【0054】
こうして、得られた実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、外部電極2として、上記導電性ペーストの焼結体を備える。積層セラミックコンデンサ1において、内部電極51と外部電極2との間に形成される合金層3は、内部電極51の表面を含むセラミック素体5の表面を覆うため、積層セラミックコンデンサ1の耐湿信頼性が向上する。さらに、合金層3は、内部電極51と接合すると共に、外部電極2とも接合するため、セラミック素体5の内部電極51と外部電極2との接合性が向上する。また、セラミック素体5と外部電極2との間に形成されるガラス層4は、セラミック素体5と外部電極2とを固着させるため、セラミック素体5と内部電極との接合強度は良好である。さらに、ガラス層4は、セラミック素体5の表面を覆うため、積層セラミックコンデンサ1の耐湿信頼性が向上する。
【0055】
以上説明した実施形態によれば、導電性ペーストに含まれる金属粉体の焼結収縮完了温度T2に着目し、ガラス粉体の軟化点T1と金属粉体の焼結収縮完了温度T2とが所望の関係を満たすことによって、積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性が優れていると共に、セラミック素体の内部電極と外部電極との接合性が優れている。
【0056】
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本開示の範囲内で種々に改変することができる。
【実施例】
【0057】
次に、実施例および比較例について説明するが、本開示はこれら実施例に限定されるものではない。
【0058】
(実施例1-1~1-6)
金属粉体として、表1に示す無機被覆層およびメディアン径(D50)を有する銅粉体を調製した。調整した実施例1-1~1-6の銅粉体は、以下の実施例2-1~2-22で製造した導電性ペーストの原料に用いた。
【0059】
(実施例2-1~2-7)
表2に示す軟化点T1を有し、Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むガラス粉体、ならびに焼結収縮完了温度T2、メディアン径(D50)、無機被覆層を有する銅粉体を混合して、導電性ペーストを製造した。導電性ペーストについて、銅粉体の含有量とガラス粉体の含有量との合計に対する銅粉体の含有量の比(銅粉体の含有量/(銅粉体の含有量+ガラス粉体の含有量))は、0.80とした。
【0060】
続いて、内部電極が露出しているセラミック素体の表面に対して、得られた導電性ペーストを塗布し、導電性ペーストの塗膜を形成した。続いて、銅粉体の焼結収縮開始温度T3以上ガラス粉体の軟化点T1未満の加熱温度および600秒の加熱時間で塗膜を加熱した後、さらに塗膜を700℃で加熱した。こうして、内部電極として導電性ペーストの焼結体を備える積層セラミックコンデンサを製造した。
【0061】
(比較例2-1~2-2)
表2に示す軟化点T1を有し、Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むガラス粉体、ならびに銅粉体を用い、塗膜を550℃で加熱した後、さらに塗膜を700℃で加熱した以外は、実施例2-1と同様にして、積層セラミックコンデンサを製造した。
【0062】
(実施例2-8~2-12)
表3に示す軟化点T1を有し、Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むガラス粉体、ならびに銅粉体を用い、銅粉体の焼結収縮開始温度T3以上ガラス粉体の軟化点T1未満で塗膜を加熱した後、さらに塗膜を770℃で加熱した以外は、実施例2-1と同様にして、積層セラミックコンデンサを製造した。
【0063】
(比較例2-3~2-7)
表3に示す軟化点T1を有し、Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むガラス粉体、ならびに銅粉体を用い、塗膜を610℃で加熱した後、さらに塗膜を770℃で加熱した以外は、実施例2-1と同様にして、積層セラミックコンデンサを製造した。
【0064】
(実施例2-13~2-18)
表4に示す軟化点T1を有し、Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むガラス粉体、ならびに銅粉体を用い、銅粉体の焼結収縮開始温度T3以上ガラス粉体の軟化点T1未満で塗膜を加熱した後、さらに塗膜を840℃で加熱した以外は、実施例2-1と同様にして、積層セラミックコンデンサを製造した。
【0065】
(比較例2-8~2-13)
表4に示す軟化点T1を有し、Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むガラス粉体、ならびに銅粉体を用い、塗膜を670℃で加熱した後、さらに塗膜を840℃で加熱した以外は、実施例2-1と同様にして、積層セラミックコンデンサを製造した。
【0066】
(実施例2-19~2-22)
表5に示す軟化点T1を有し、Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むガラス粉体、ならびに銅粉体を用い、銅粉体の焼結収縮開始温度T3以上ガラス粉体の軟化点T1未満で塗膜を加熱した後、さらに塗膜を650℃で加熱した以外は、実施例2-1と同様にして、積層セラミックコンデンサを製造した。
【0067】
(比較例2-14~2-15)
表5に示す軟化点T1を有し、Ba、Ca、Si、BおよびAlを含み、Zr、Ti、Zn、LiおよびNaからなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むガラス粉体、ならびに銅粉体を用い、塗膜を490℃で加熱した後、さらに塗膜を650℃で加熱した以外は、実施例2-1と同様にして、積層セラミックコンデンサを製造した。
【0068】
[測定および評価]
上記実施例および比較例で得られた銅粉体および積層セラミックコンデンサについて、下記の測定および評価を行った。結果を表1~5に示す。
【0069】
[1] ガラス粉体の軟化点T1
熱重量示差熱分析(株式会社リガク製)を用いて、0.5μm以上2.0μm以下のメディアン径(D50)を有するガラス粉体を30mg、ガラス粉体の容器をAl2O3、空気流量を100cc/mim、大気下で、室温から800℃まで20℃/mimで昇温して得られるDTAチャートの第4変曲点から、導電性ペーストに含まれるガラス粉体の軟化点T1を測定した。
【0070】
[2] 金属粉体の焼結収縮完了温度T2
熱機械分析(株式会社リガク製)を用いて、直径4mm、高さ3mmの柱状の銅粉体の圧粉体成型物、圧粉体成型物の試料板をAl2O3単板、窒素ガス流量を20cc/mim、窒素雰囲気下で、室温から1000℃まで20℃/mimで昇温して得られるTMAチャートの極小点から、導電性ペーストに含まれる銅粉体の焼結収縮完了温度T2を測定した。
【0071】
[3] 金属粉体の焼結収縮開始温度T3
熱機械分析(株式会社リガク製)を用いて、直径4mm、高さ3mmの柱状の銅粉体の圧粉体成型物、圧粉体成型物の試料板をAl2O3単板、窒素ガス流量を20cc/mim、窒素雰囲気下で、室温から1000℃まで20℃/mimで昇温して得られるTMAチャートのベースラインの接線及び焼結収縮による体積収縮領域の急峻な下降位置の接線との交点から、銅粉体の焼結収縮開始温度T3を測定した。
【0072】
[4] 金属粉体のメディアン径
前処理として有機溶媒中にて超音波分散を施した金属粉体スラリーを、マイクロトラック粒度分布装置にて測定した結果から銅粉体のメディアン径(D50)を測定した。
【0073】
[5] 接合性
製造した18個の積層セラミックコンデンサの各々について、静電容量測定を行って、3CVを求めた。3CVが10%未満である場合、セラミック素体の内部電極と外部電極との接合性は良(〇)、3CVが10%以上である場合、接合性は不良(×)とした。
【0074】
[6] 耐湿信頼性
製造した18個の積層セラミックコンデンサの各々について、次のようにして積層セラミックコンデンサの耐湿信頼性を測定した。まず、製造直後の積層セラミックコンデンサに対して、電圧を4V印加し、電流を測定して、初期の抵抗値を算出した。次に、85℃、85%RHの環境下で200時間静置した積層セラミックコンデンサに対して、電圧を4V印加し、電流を測定して、200時間後の抵抗値を算出した。
【0075】
18個全ての積層セラミックコンデンサについて、200時間後の抵抗値が初期の抵抗値から1桁未満に低下した場合、耐湿信頼性は優(◎)とした。18個全ての積層セラミックコンデンサについて、200時間後の抵抗値が初期の抵抗値から1桁以上2桁未満に低下した場合、耐湿信頼性は良(○)とした。1個以上の積層セラミックコンデンサについて、200時間後の抵抗値が初期の抵抗値から2桁以上低下した場合、耐湿信頼性は不良(×)とした。
【0076】
[7] クラック耐性
製造した10個の積層セラミックコンデンサの各々について、外部電極を備えている面を研磨して、当該面に直交する4つの面における外部電極とセラミック素体との界面を露出させた。そして、外部電極とセラミック素体との界面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。
【0077】
10個全ての積層セラミックコンデンサについて、セラミック素体の4つ全ての角部で、外部電極のクラックが観察されなかった場合、クラック耐性は優(◎)とした。1個以上の積層セラミックコンデンサについて、セラミック素体の4つの角部のうちの1つのみで、外部電極のクラックが観察された場合、クラック耐性は良(○)とした。1個以上の積層セラミックコンデンサについて、セラミック素体の4つの角部のうちの2つ以上で、外部電極のクラックが観察された場合、クラック耐性は不良(×)とした。
【0078】
[8] 総合評価
上記の接合性、耐湿信頼性およびクラック耐性のうち、不良の評価がなかった場合には、良(○)とし、不良の評価が1つでもあった場合には、不良(×)とした。
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
表1に示すように、実施例1-1~1-6では、メディアン径や無機被覆層の有無によって、金属粉体である銅粉末の焼結収縮完了温度T2および焼結収縮開始温度T3を調製することができた。また、無機被覆層を有すると、焼結収縮完了温度T2および焼結収縮開始温度T3を上昇することができた。
【0085】
また、表2~5に示すように、実施例2-1~2-22では、ガラス粉体の軟化点T1と銅粉体の焼結収縮完了温度T2との差(T1-T2)が所定の値に制御されていたため、接合性、耐湿信頼性、クラック耐性が優または良であり、総合評価は良であった。一方、比較例2-1~2-15では、差(T1-T2)が所定の値に制御されていなかったため、接合性、耐湿信頼性、クラック耐性のいずれか1つ以上が不良であり、総合評価は不良であった。
【0086】
1 積層セラミックコンデンサ
2 外部電極
2a 第1外部電極
2b 第2外部電極
3 合金層
4 ガラス層
5 セラミック素体
51 内部電極
52 誘電体セラミック層
200 導電性ペーストの塗膜