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特許7424361演奏装置、電子楽器、演奏フレーズ決定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】演奏装置、電子楽器、演奏フレーズ決定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/00 20060101AFI20240123BHJP
   G10G 1/00 20060101ALI20240123BHJP
   G09B 15/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
G10H1/00 Z
G10H1/00 102Z
G10G1/00
G09B15/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021193722
(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公開番号】P2023080398
(43)【公開日】2023-06-09
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石岡 ゆき奈
【審査官】佐久 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-195022(JP,A)
【文献】特開2007-058164(JP,A)
【文献】特開2009-157063(JP,A)
【文献】特開昭56-092563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10H 1/00- 7/12
G10G 1/00- 7/02
G09B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
或る曲に含まれる複数のフレーズの中から、ユーザによる演奏対象となる任意の第1のフレーズを決定し、
前記複数のフレーズの中から、第2のフレーズとして推奨するおすすめフレーズを決定し、
前記第2のフレーズを選択するユーザ操作に応じて、前記第1のフレーズから前記第2のフレーズまでの複数のフレーズを前記ユーザによる演奏対象のフレーズとして決定する、
処理を実行する制御部を備える演奏装置。
【請求項2】
前記制御部は、
定された前記おすすめフレーズの情報を表示部に表示させる、
処理を実行する請求項1に記載の演奏装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1のフレーズが小節の途中から始まる場合に、前記第1のフレーズの1つ前のフレーズを前記おすすめフレーズとして決定する、
請求項1又は2に記載の演奏装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1のフレーズの1つ前又は1つ後のフレーズにユーザが実施すべき演奏操作がある場合に、前記第1のフレーズの1つ前又は1つ後のフレーズを前記おすすめフレーズとして決定し、
前記第1のフレーズの1つ前又は1つ後のフレーズにユーザが実施すべき演奏操作がない場合に、前記ユーザが実施すべき演奏操作があるフレーズであって前記第1のフレーズに最も近いフレーズを前記おすすめフレーズとして決定する、
請求項1又は2に記載の演奏装置。
【請求項5】
前記制御部は、演奏操作に基づく前記第1のフレーズの演奏データと前記第1のフレーズの部分の曲データとの比較に基づいて、前記演奏データを採点し、
採点結果が閾値に達した場合に、前記第2のフレーズとして推奨するおすすめフレーズを提案する表示を表示部に表示させる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の演奏装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の演奏装置と、
演奏操作子と、
を備える電子楽器。
【請求項7】
コンピュータが、
或る曲に含まれる複数のフレーズの中から、ユーザによる演奏対象となる任意の第1のフレーズを決定し、
前記複数のフレーズの中から、第2のフレーズとして推奨するおすすめフレーズを決定し、
前記第2のフレーズを選択するユーザ操作に応じて、前記第1のフレーズから前記第2のフレーズまでの複数のフレーズを前記ユーザによる演奏対象のフレーズとして決定する、
演奏フレーズ決定方法。
【請求項8】
コンピュータに、
或る曲に含まれる複数のフレーズの中から、ユーザによる演奏対象となる任意の第1のフレーズを決定し、
前記複数のフレーズの中から、第2のフレーズとして推奨するおすすめフレーズを決定し、
前記第2のフレーズを選択するユーザ操作に応じて、前記第1のフレーズから前記第2のフレーズまでの複数のフレーズを前記ユーザによる演奏対象のフレーズとして決定する、
処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演奏装置、電子楽器、演奏フレーズ決定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、模範演奏情報を適宜フレーズ単位に設定するとともに、フレーズごとに練習用鍵盤から入力される演奏情報と対比して採点を行い、採点結果が設定基準点数に至らなかったときに、同じフレーズを繰り返し演奏できるようにした鍵盤楽器の自動練習装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭56-92563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術では、一つ一つのフレーズを繰り返し演奏して練習するのには有効であるが、ピアノ教室でのレッスンのように少しずつ練習範囲を広げて1曲を完成させることができない。フレーズを一つずつ練習してから全体を通して練習すると、フレーズ間のつなぎや曲の表現を意識した練習が行いにくい。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、フレーズ間のつなぎや曲の表現を意識した練習ができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の演奏装置は、
或る曲に含まれる複数のフレーズの中から、ユーザによる演奏対象となる任意の第1のフレーズを決定し、
前記複数のフレーズの中から、第2のフレーズとして推奨するおすすめフレーズを決定し、
前記第2のフレーズを選択するユーザ操作に応じて、前記第1のフレーズから前記第2のフレーズまでの複数のフレーズを前記ユーザによる演奏対象のフレーズとして決定する、
処理を実行する制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フレーズ間のつなぎや曲の表現を意識した練習が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の電子楽器の機能的構成を示すブロック図である。
図2図1の制御部により実行される演奏練習処理の流れを示すフローチャートである。
図3】フレーズコマンド管理配列のデータ格納例を示す図である。
図4図1の制御部により実行されるフレーズレッスン基本処理の流れを示すフローチャートである。
図5図1の制御部により実行されるフレーズ接続モード処理の流れを示すフローチャートである。
図6図1の制御部により実行されるおすすめ接続先表示処理の流れを示すフローチャートである。
図7図1の制御部により実行されるおすすめ接続先表示処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
[電子楽器100の構成]
本発明に係る演奏装置の実施形態について、電子鍵盤楽器である電子楽器100を例にとり説明する。
図1は、電子楽器100の機能的構成を示すブロック図である。
電子楽器100は、図1に示すように、制御部11と、鍵盤(演奏操作子)12と、操作部13と、表示部14と、記憶部15と、出力部16と、通信部17と、を備えて構成されており、各部はバス18により接続されている。
【0011】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成されている。制御部11のCPUは、ROMに格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて各種処理を実行することにより、電子楽器100の各部を集中制御する。例えば、制御部11は、後述する演奏練習処理を実行し、ユーザによる演奏の練習を支援する。
【0012】
鍵盤12は、複数の鍵(操作子)、及び押鍵/離鍵された鍵を検出する検出部等を備え、押鍵/離鍵された鍵の音高やタイミングの情報を制御部11に出力する。
【0013】
操作部13は、曲選択スイッチ、再生スイッチ、カーソルスイッチ等の各種スイッチや操作ボタンを有し、ユーザによる各種スイッチや操作ボタンの操作情報を制御部11に出力する。
【0014】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、制御部11から入力される表示信号の指示に従って、表示を行う。
【0015】
記憶部15は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。記憶部15には、複数の曲の曲データが、曲を識別するための曲番号に対応付けて記憶されている。曲データは、例えば、右手、左手のパートごとのノートON/ノートOFFのタイミング(押鍵/離鍵のタイミング)、音高等の情報により構成される。また、曲データには、複数のフレーズコマンドが埋め込まれている。フレーズコマンドは、フレーズ(音楽の流れのなかでのひとまとまり)の区切りであることを示す情報であり、曲データにおけるフレーズの区切りの位置に埋め込まれている。曲データの終端には、これ以上フレーズがないことを示す最終フレーズコマンド(フレーズEOT)が埋め込まれている。また、曲データには、拍子の情報も含まれる。この拍子の情報とtick情報に基づいて、制御部11が、小節の区切りの位置を決定する。
また、記憶部15には、電子楽器100を動作させるためのプログラムやプログラムの実行に必要なパラメータが記憶されていることとしてもよい。
【0016】
出力部16は、音源部、D/Aコンバータ、増幅器、スピーカ等を備える。出力部16は、制御部11からの指示に従って、音源部により、音源部に備えられた波形ROMに予め記憶された波形データを読み出すか又は波形データを生成して、波形データに基づく音をスピーカから出力する。
【0017】
通信部17は、外部機器と通信を行うための無線ユニットまたは有線ユニットを備える。通信部17は、制御部11の制御に基づいて、外部機器とデータ通信を行う。
【0018】
[電子楽器100の動作]
次に、電子楽器100の動作について説明する。
図2は、ユーザの演奏の練習を支援するための演奏練習処理の流れを示すフローチャートである。図2に示す演奏練習処理は、ユーザによる操作部13の操作に応じて制御部11のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。以下、演奏練習処理について説明する。
【0019】
操作部13の曲選択スイッチにより曲番号が選択されると(ステップS1)、制御部11は、選択された曲番号の曲データを記憶部15から読み出して、フレーズコマンド管理配列111を生成する(ステップS2)。
【0020】
図3は、フレーズコマンド管理配列111のデータ格納例を示す図である。図3に示すように、フレーズコマンド管理配列111は、フレーズ[0]~フレーズ[n](nは選択された曲のフレーズ数)のそれぞれについての、フレーズコマンド位置情報(例えば、図3の192、1692、・・・)と、レッスン有無情報(例えば、図3の右手:無、左手:有、・・・)が格納されている。
【0021】
フレーズコマンド位置情報は、例えば、曲データに含まれる各フレーズのフレーズコマンドの位置を曲の先頭からのtickの数で表した情報である。1フレーズの範囲は曲データ上の各フレーズコマンド間となり、m番目(mは0~n-1の任意の数)のフレーズの範囲は、m番目のフレーズコマンド位置情報が示す位置とm+1番目のフレーズコマンド位置情報が示す位置の間の範囲として表すことができる。例えば、0番目のフレーズは、配列[0]のフレーズコマンド位置情報が示す位置から配列[1]のフレーズコマンド位置情報が示す位置までとなる。
【0022】
レッスン有無情報は、そのフレーズ範囲内の右手のレッスン情報の有無及び左手のレッスン情報の有無を示す情報、又はフレーズの終端(フレーズEOT)であることを示す情報である。左右の手のレッスン情報の有無は、フレーズ範囲内にユーザがそれぞれの手で演奏するパートがあるかないか、を示す。例えば、フレーズ範囲内に右手の演奏パートがあれば右手のレッスン情報は有りとなり、右手の演奏パートがなければ右手のレッスン情報は無しとなる。例えば、前奏部分で左手の伴奏だけのフレーズでは右手のレッスン情報は無しとなる。また、間奏部分で自動演奏のみ鳴っているフレーズの場合は、ユーザが演奏する必要がなく、右手左手ともレッスン情報が無い。
【0023】
次いで、制御部11は、操作部13によるレッスン対象の手(レッスンハンド;右手、左手、又は両手)の選択を受け付ける(ステップS3)。
【0024】
次いで、制御部11は、フレーズレッスンがONであるか否かを判断する(ステップS4)。フレーズレッスンは、フレーズ単位で行うレッスンである。フレーズレッスンの初期設定はOFFであるが、操作部13の所定の操作によりフレーズレッスンのON/OFFを切り替えることができる。フレーズレッスンのON/OFFの状態は、RAMに記憶される。
【0025】
フレーズレッスンがOFFであると判断した場合(ステップS4;NO)、制御部11は、1曲全体を通しての全体レッスン処理を実施する(ステップS5)。
フレーズレッスンがONであると判断した場合(ステップS4;YES)、制御部11は、フレーズレッスン基本処理に移行する(ステップS6)。
【0026】
以下、フレーズレッスン基本処理について詳細に説明する。
図4は、フレーズレッスン基本処理の流れを示す図である。フレーズレッスン基本処理は、制御部11のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0027】
まず、制御部11は、レッスン対象(ユーザによる演奏対象)となるフレーズ(複数のフレーズの中に含まれる任意の第1のフレーズ)のフレーズ番号(レッスン対象のフレーズ番号という)を決定する(ステップS61)。
ここで、レッスン対象のフレーズ番号は、デフォルトでは0であるが、ユーザによる操作部13の操作(ユーザ操作)により他のフレーズ番号を選択することができる。複数の連続するフレーズ番号からなるフレーズ範囲を選択してもよい。ユーザ操作により一又は複数のフレーズ番号が選択されると、制御部11は、選択されたフレーズ番号をレッスン対象のフレーズ番号として決定し、決定されたフレーズ番号を曲名に対応付けてRAMに記憶する。同じ曲について繰り返しフレーズレッスンを実施する場合、制御部11は、RAMに記憶されているフレーズ番号をレッスン対象のフレーズ番号として決定してもよい。すなわち、前回のフレーズレッスンでレッスン対象となったフレーズのフレーズ番号をレッスン対象のフレーズ番号として決定してもよい。
【0028】
次いで、制御部11は、フレーズ接続モードを選択するか否かをユーザに選択させ、フレーズ接続モードが選択されたか否かを判断する(ステップS62)。
ここで、フレーズ接続モードとは、現在選択されているレッスン対象のフレーズ(第1のフレーズ)に対し、それとは異なる他のフレーズ(第2のフレーズ)を接続するモードである。レッスン対象として選択されたフレーズに、その前又は後の1又は複数のフレーズを接続してレッスンを行うことで、フレーズ間の曲のつなぎや流れについての練習が可能となる。
【0029】
フレーズ接続モードが選択されていないと判断した場合(ステップS62;NO)、制御部11は、ステップS64に移行する。
フレーズ接続モードが選択されたと判断した場合(ステップS62;YES)、制御部11は、フレーズ接続モード処理を実行し(ステップS63)、ステップS64に移行する。
【0030】
図5は、フレーズ接続モード処理の流れを示す図である。フレーズ接続モード処理は、制御部11のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0031】
フレーズ接続モード処理において、制御部11は、まず、おすすめ接続先表示処理を実行する(ステップS631)。
【0032】
図6図7は、おすすめ接続先表示処理の流れを示すフローチャートである。おすすめ接続先表示処理は、制御部11のCPUとROMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0033】
おすすめ接続先表示処理において、制御部11は、まず、RAMに記憶されているフレーズコマンド管理配列111を参照し、ステップS61で決定したフレーズ番号(フレーズ範囲の場合は終端のフレーズ番号)の次のフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報があるか否かを判断する(ステップS6031)。
【0034】
ステップS61で決定したフレーズ番号の次のフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報があると判断した場合(ステップS6031;YES)、制御部11は、ステップS61で決定したフレーズ番号の次のフレーズ番号のフレーズをおすすめ接続先に決定し(ステップS6032)、ステップS6058に移行する。
ステップS61で決定したフレーズ番号の次のフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報がないと判断した場合(ステップS6031;NO)、制御部11は、ステップS6033に移行する。
【0035】
ステップS6033において、制御部11は、ステップS61で決定したフレーズ番号のフレーズ(フレーズ範囲の場合は先頭のフレーズ番号)の開始位置が、小節の途中から始まるか否かを判断する(ステップS6033)。
ステップS6033において、制御部11は、フレーズコマンド管理配列111及び曲データを参照し、ステップS61で決定したフレーズ番号のフレーズの開始位置が、小節の先頭以外(小節の途中の位置)であるか否かを判断する。
【0036】
ステップS61で決定したフレーズ番号のフレーズの開始位置が、小節の途中の位置であると判断した場合(ステップS6033;YES)、制御部11は、ステップS61で決定したフレーズ番号の1つ前のフレーズ番号のフレーズをおすすめ接続先に決定し(ステップS6034)、ステップS6058に移行する。
ここで、レッスン対象のフレーズの開始位置が小節の途中である場合、その前のフレーズから曲の流れがつながっている場合が多く、この場合、1つ前のフレーズとつなげて弾くことでユーザにとってつなぎの練習効果が望める。そこで、レッスン対象のフレーズの開始位置が小節の途中である場合、1つ前のフレーズ番号のフレーズをおすすめ接続先に決定する。
ステップS61で決定したフレーズ番号のフレーズの開始位置が、小節の途中位置ではないと判断した場合(ステップS6033;NO)、制御部11は、ステップS6035に移行する。
【0037】
ステップS6035において、制御部11は、フレーズコマンド管理配列111を参照し、ステップS61で決定したフレーズ番号(フレーズ範囲の場合は終端のフレーズ番号)のフレーズが、最終フレーズであるか否かを判断する(ステップS6035)。
【0038】
ステップS61で決定したフレーズ番号のフレーズが、最終フレーズであると判断した場合(ステップS6035;YES)、制御部11は、フレーズコマンド管理配列111を参照し、1つ前のフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報があるか否かを判断する(ステップS6036)。
【0039】
1つ前のフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報がないと判断した場合(ステップS6036;NO)、制御部11は、フレーズ番号-1にポインタを移動させ(ステップS6037)、先頭フレーズに到達したか否かを判断する(ステップS6038)。先頭フレーズに到達していないと判断した場合(ステップS6038;NO)、制御部11は、ステップS6036に戻る。
ステップS6036において、1つ前のフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報があると判断した場合(ステップS6036;YES)、制御部11は、1つ前のフレーズ番号のフレーズをおすすめ接続先に決定し(ステップS6039)、ステップS6058に移行する。
【0040】
ステップS6038において、先頭フレーズに到達したと判断した場合(ステップS6038;YES)、制御部11は、曲の全体通しをおすすめ接続先に決定し(ステップS6040)、ステップS6058に移行する。
【0041】
一方、ステップS6035において、ステップS61で決定したフレーズ番号のフレーズが、最終フレーズではないと判断した場合(ステップS6035;NO)、制御部11は、フレーズコマンド管理配列111を参照し、ステップS61で決定したフレーズ番号1つ後ろのフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報があるか否かを判断する(ステップS6041)。
【0042】
1つ後ろのフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報がないと判断した場合(ステップS6041;NO)、制御部11は、フレーズ番号+1にポインタを移動させ(ステップS6042)、最終フレーズに到達したか否かを判断する(ステップS6043)。最終フレーズに到達していないと判断した場合(ステップS6043;NO)、制御部11は、ステップS6041に戻る。
ステップS6041において、1つ後ろのフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報があると判断した場合(ステップS6041;YES)、制御部11は、1つ後ろのフレーズ番号を後方のおすすめ番号に設定し(ステップS6044)、ステップS6046に移行する。
【0043】
一方、ステップS6043において、最終フレーズに到達したと判断した場合(ステップS6043;YES)、制御部11は、-1を後方のおすすめ番号に設定し(ステップS6045)、ステップS6046に移行する。
【0044】
ステップS6041~S6045においては、現在レッスン対象として決定しているフレーズ番号のフレーズ(終端)の1つ後ろのフレーズにレッスン対象の手のレッスン情報がない場合は、接続しても演奏することなく待ち状態となってしまうため、現在レッスン対象として決定しているフレーズから曲の最終フレーズに向けて、レッスン対象の手のレッスン情報を有するフレーズをサーチする。そして、みつかった場合、そのフレーズのフレーズ番号を後方のおすすめ番号として設定する。レッスン対象の手のレッスン情報を有するフレーズがみつかることなく最終フレーズに到達した場合は、後方にはレッスン対象の手のレッスン情報がないことを示す-1を後方のおすすめ番号として設定する。
【0045】
ステップS6046において、制御部11は、フレーズコマンド管理配列111を参照し、ステップS61で決定したフレーズ番号の1つ前のフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報があるか否かを判断する(ステップS6046)。
【0046】
1つ前のフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報がないと判断した場合(ステップS6046;NO)、制御部11は、フレーズ番号-1にポインタを移動させ(ステップS6047)、先頭フレーズに到達したか否かを判断する(ステップS6048)。先頭フレーズに到達していないと判断した場合(ステップS6048;NO)、制御部11は、ステップS6046に戻る。
ステップS6046において、1つ前のフレーズ番号のフレーズに、レッスン対象の手のレッスン情報があると判断した場合(ステップS6046;YES)、制御部11は、1つ前のフレーズ番号を前方のおすすめ番号に設定し(ステップS6049)、ステップS6051に移行する。
【0047】
一方、ステップS6048において、先頭フレーズに到達したと判断した場合(ステップS6048;YES)、制御部11は、-1を前方のおすすめ番号に設定し(ステップS6050)、ステップS6051に移行する。
【0048】
ステップS6046~S6050においては、現在レッスン対象として決定しているフレーズ番号のフレーズ(先頭)の1つ前のフレーズにレッスン対象の手のレッスン情報がない場合は、接続しても演奏することなく待ち状態となってしまうため、現在レッスン対象として決定しているフレーズから、曲の先頭フレーズに向けて、レッスン対象の手のレッスン情報を有するフレーズをサーチする。そして、レッスン対象の手のレッスン情報を有するフレーズがみつかった場合、そのフレーズのフレーズ番号を前方のおすすめ番号に設定する。レッスン対象の手のレッスン情報を有するフレーズがみつかることなく先頭フレーズに到達した場合は、前方にはレッスン対象の手のレッスン情報がないことを示す-1を前方のおすすめ番号に設定する。
【0049】
ステップS6051において、制御部11は、前方と後方のおすすめ番号がどちらも-1であるか否かを判断する。
前方と後方のおすすめ番号がどちらも-1であると判断した場合(ステップS6051;YES)、制御部11は、全体通しをおすすめ接続先として決定し(ステップS6052)、ステップS6058に移行する。
前方と後方のおすすめ接続先のいずれかが-1ではないと判断した場合(ステップS6051;NO、ステップS6053;YES)、制御部11は、-1ではない方のおすすめ接続先を最終的なおすすめ接続先として決定し(ステップS6054)、ステップS6058に移行する。
前方と後方のおすすめ接続先のいずれも-1ではないと判断した場合(ステップS6051;NO、ステップS6053;NO)、制御部11は、前方のおすすめ番号とステップS61で決定したフレーズ番号の先頭との距離を算出するとともに、後方のおすすめ番号とステップS61で決定したフレーズ番号の終端との距離を算出し、算出した距離が同じか又は後方が近いと判断する(ステップS6055)。
算出した距離が同じか又は後方が近いと判断した場合(ステップS6055;YES)、制御部11は、おすすめ接続先を後方のおすすめ番号のフレーズに決定し(ステップS6056)、ステップS6058に移行する。
算出した距離が前方の方が近いと判断した場合(ステップS6055;NO)、制御部11は、おすすめ接続先を前方のおすすめ番号のフレーズに決定し(ステップS6057)、ステップS6058に移行する。
【0050】
ステップS6058において、制御部11は、おすすめ接続先のフレーズの情報(例えば、フレーズ番号等)を表示させ(ステップS6058)、図5のステップS632に移行する。
【0051】
図5のステップS632において、制御部11は、フレーズ接続をするか又はフレーズ接続解除をするかをユーザに選択させ、操作部13によりフレーズ接続をすることが選択されると(ステップS632;フレーズ接続)、ユーザによる操作部13の操作により、フレーズ接続先のフレーズ番号を選択させる(ステップS633)。
ステップS633では、ステップS61で決定したフレーズ番号とは異なるフレーズ番号をフレーズ接続先として選択させる。
【0052】
フレーズ接続先のフレーズ番号が選択されると、制御部11は、ステップS61で決定したフレーズ番号のフレーズからフレーズ接続先のフレーズ番号のフレーズまでの全てのフレーズを含む範囲を、レッスン対象のフレーズとして決定する(ステップS634)。
そして、制御部11は、決定したフレーズ範囲のフレーズ番号で、RAMに記憶されているレッスン対象のフレーズ番号を更新し(ステップS638)、図4のステップS64に移行する。
【0053】
例えば、ステップS61で決定したフレーズ番号が1であり、フレーズ接続先のフレーズ番号が4の場合、フレーズ番号1~4までのフレーズが次のレッスン対象のフレーズとして決定される。ステップS61で決定したフレーズ番号が4であり、フレーズ接続先のフレーズ番号が1の場合、フレーズ番号4~1まで(すなわち、1~4まで)のフレーズが次のレッスン対象のフレーズとして決定される。ステップS61で決定したフレーズ番号が1~3であり、フレーズ接続先のフレーズ番号が5の場合、フレーズ番号1~5までのフレーズが次のレッスン対象のフレーズとして決定される。
【0054】
一方、ステップS632において、フレーズ接続解除が選択された場合(ステップS632;フレーズ接続解除)、制御部11は、レッスン対象のフレーズ番号に複数のフレーズ番号が含まれているかを判断する(ステップS635)。
レッスン対象のフレーズ番号に複数のフレーズ番号が含まれていると判断した場合(ステップS635;YES)、制御部11は、フレーズ接続を解除する範囲のフレーズ番号をユーザに選択させ、操作部13によりフレーズ接続解除範囲のフレーズ番号が選択されると(ステップS636)、制御部11は、選択された範囲のフレーズ番号をフレーズ接続先から解除する(ステップS637)。そして、制御部11は、解除後のフレーズ範囲でRAMに記憶されているレッスン対象のフレーズ番号を更新し(ステップS638)、図4のステップS64に移行する。
【0055】
ステップS635において、レッスン対象のフレーズ番号に複数のフレーズ番号が含まれていないと判断した場合(ステップS635;NO)、制御部11は、図4のステップS64に移行する。
【0056】
図4のステップS64において、ユーザによる再生スイッチの押下により再生開始が指示されると(ステップS64)、制御部11は、RAMに記憶されているレッスン対象のフレーズ番号とフレーズコマンド管理配列111を参照して、再生開始位置と終了位置を決定する(ステップS65)。このとき、再生開始位置は、レッスン対象の先頭のフレーズ番号のフレーズコマンド位置、再生終了位置は、最後のフレーズ番号+1のフレーズ番号のフレーズコマンド位置-1となる。
【0057】
そして、制御部11は、選択された曲の曲データの再生開始位置から終了位置までを順次読み出してレッスン処理を実施する(ステップS66)。
例えば、レッスン処理において、制御部11は、まず、選択された曲の、レッスン対象のフレーズの曲データに基づく音の出力(すなわち、レッスン対象のフレーズの再生)を出力部16に指示して出力させる(再生させる)。次いで、そのフレーズをユーザに演奏させ、鍵盤12における演奏操作に基づく演奏音を出力部16により出力させる。そして、鍵盤12における演奏操作に基づく演奏データ(押鍵/離鍵された鍵の音高やタイミングを表すデータ)をフレーズ範囲の曲データと比較して採点を行う。例えば、音高が正しいか、タイミングが正しいか、等に基づいて、採点を行う。なお、本実施形態では、レッスン処理において採点を行うこととするが、これに限定されず、例えば、曲データの再生に応じた鍵盤12の鍵の位置を光らせてユーザに演奏させることとしてもよい。また、例えば、レッスン対象の手が右手である場合、レッスン対象のフレーズ範囲の左手のパートを再生し、ユーザに右手の演奏をさせることとしてもよい。
【0058】
レッスン処理が終了すると、制御部11は、得点が所定の点数、例えば、90点以上であるか否かを判断する(ステップS67)。
得点が90点以上であると判断した場合(ステップS67;YES)、制御部11は、接続メッセージを表示部14に表示させ(ステップS68)、フレーズレッスン基本処理を終了する。
接続メッセージとは、例えば、「レッスン範囲を広げてみませんか」等の、フレーズ接続を提案するメッセージである。
なお、制御部11は、ステップS68において上述のおすすめ接続先表示処理を実行し、現在選択されているレッスン対象のフレーズに接続するフレーズとして推奨する、おすすめ接続先のフレーズの情報を表示することとしてもよい。
【0059】
得点が90点未満であると判断した場合(ステップS67;NO)、制御部11は、フレーズレッスン基本処理を終了する。
【0060】
なお、ユーザが前回レッスンしたものと同じ曲の同じフレーズについて繰り返しレッスンを行いたいときは、例えば、再生スイッチを押下すると、制御部11により、フレーズレッスン基本処理のステップS64以降の処理が実行され、繰り返しレッスンを行うことが可能である。同じ曲の他のフレーズのレッスンを行いたいときは、例えば、フレーズ番号を選択すると、制御部11により、選択されたフレーズ番号をレッスン対象のフレーズ番号として決定してフレーズレッスン基本処理が実行される。また、前回レッスンしたものと同じ曲の同じフレーズに他のフレーズを接続してレッスンを行いたい場合は、例えば、操作部13の所定の操作によりフレーズ接続モードを選択すると、制御部11により、フレーズレッスン基本処理のステップS63以降の処理が実行され、前回レッスンを行ったフレーズからユーザが選択した他のフレーズまでの全てをレッスン対象としてレッスンを行うことが可能となる。すなわち、前回レッスンを行ったフレーズから範囲を広げてレッスンを行うことが可能となる。
【0061】
以上説明したように、電子楽器100の制御部11によれば、選択された曲に含まれる複数のフレーズの中から、ユーザによる演奏対象とする任意の第1のフレーズを決定し、第1のフレーズに接続する、第1のフレーズとは異なる第2のフレーズを複数のフレーズの中から選択するユーザ操作に応じて、第1のフレーズから第2のフレーズまでの複数のフレーズを、ユーザによる演奏対象のフレーズとして決定する。
したがって、ユーザが演奏するフレーズの範囲を第1のフレーズから広げていくことができるので、フレーズ間のつなぎや曲の表現を意識した練習を行うことが可能となる。
【0062】
また、制御部11は、選択された曲に含まれる複数のフレーズの中から、第2のフレーズとして推奨するおすすめフレーズを決定し、決定したおすすめフレーズの情報を表示部14に表示させる。
したがって、どのフレーズを接続したらよいかをユーザが容易に把握することが可能となるので、ユーザが演奏する範囲を広げて練習することを支援することができる。
【0063】
また、制御部11は、第1のフレーズが小節の途中から始まる場合に、第1のフレーズの1つ前のフレーズをおすすめフレーズとして決定するので、フレーズ間のつなぎの練習効果の高いフレーズの接続をユーザにおすすめすることができる。
【0064】
また、制御部11は、第1のフレーズの1つ前又は1つ後のフレーズにユーザが実施すべき演奏操作がある場合に、第1のフレーズの1つ前又は1つ後のフレーズをおすすめフレーズとして決定し、第1のフレーズの1つ前又は1つ後のフレーズにユーザが実施すべき演奏操作がない場合に、ユーザが実施すべき演奏操作があるフレーズであって第1のフレーズに最も近いフレーズをおすすめフレーズとして決定する。したがって、ユーザが実施すべき演奏操作があるフレーズであって、第1のフレーズに最も近いフレーズの接続をユーザにおすすめすることができる。
【0065】
また、制御部11は、鍵盤12の演奏操作に基づく第1のフレーズの演奏データと第1のフレーズの部分の曲データとの比較に基づいて、演奏データを採点し、採点結果が閾値に達した場合、第2のフレーズとして推奨するおすすめフレーズを提案する表示を表示部14に表示させる。したがって、フレーズの演奏が一定の基準に達した場合に他のフレーズを接続することをユーザに促すことができ、効率の良い練習を支援することが可能となる。
【0066】
また、制御部11は、ユーザによる演奏対象として決定されたフレーズの再生を出力部16に指示する。したがって、決定されたフレーズの手本となる演奏をユーザに聴かせることができ、効率の良い練習を支援することが可能となる。
【0067】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明に係る演奏装置、演奏フレーズ決定方法及びプログラムの好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、本発明の演奏装置が電子楽器100に含まれる構成として説明したが、これに限定されない。例えば、本発明の演奏装置の機能が、有線又は無線による通信インターフェースを介して電子楽器100に接続された電子機器(例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等)に備えられていることとしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、採点結果が所定の閾値以上である場合に、接続をおすすめするメッセージを表示することとしたが、採点結果が所定の閾値以上である場合に、現在のレッスン対象のフレーズに、自動的に新たなフレーズを接続した範囲を次のレッスン対象のフレーズ範囲としてもよい。例えば、図6図7のおすすめ接続先表示処理と同様のフローによりおすすめ接続先を決定し、決定したおすすめ接続先を自動的に接続した範囲を次のレッスン対象のフレーズ範囲としてもよい。
【0069】
また、上記実施形態においては、電子楽器100が電子鍵盤楽器である場合を例にとり説明したが、これに限定されず、例えば、電子弦楽器、電子管楽器等の他の電子楽器であってもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM等の半導体メモリーやハードディスクを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、SSDや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0071】
その他、電子楽器の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0072】
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載に基づいて定められる。更に、特許請求の範囲の記載から本発明の本質とは関係のない変更を加えた均等な範囲も本発明の技術的範囲に含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
或る曲に含まれる複数のフレーズの中から、ユーザによる演奏対象となる任意の第1のフレーズを決定し、
前記第1のフレーズに接続する、前記第1のフレーズとは異なる第2のフレーズを前記複数のフレーズの中から選択するユーザ操作に応じて、前記第1のフレーズから前記第2のフレーズまでの複数のフレーズを前記ユーザによる演奏対象のフレーズとして決定する、
処理を実行する制御部を備える演奏装置。
<請求項2>
前記制御部は、
前記複数のフレーズの中から、前記第2のフレーズとして推奨するおすすめフレーズを決定し、
決定された前記おすすめフレーズの情報を表示部に表示させる、
処理を実行する請求項1に記載の演奏装置。
<請求項3>
前記制御部は、前記第1のフレーズが小節の途中から始まる場合に、前記第1のフレーズの1つ前のフレーズを前記おすすめフレーズとして決定する、
請求項2に記載の演奏装置。
<請求項4>
前記制御部は、
前記第1のフレーズの1つ前又は1つ後のフレーズにユーザが実施すべき演奏操作がある場合に、前記第1のフレーズの1つ前又は1つ後のフレーズを前記おすすめフレーズとして決定し、
前記第1のフレーズの1つ前又は1つ後のフレーズにユーザが実施すべき演奏操作がない場合に、前記ユーザが実施すべき演奏操作があるフレーズであって前記第1のフレーズに最も近いフレーズを前記おすすめフレーズとして決定する、
請求項2に記載の演奏装置。
<請求項5>
前記制御部は、演奏操作に基づく前記第1のフレーズの演奏データと前記第1のフレーズの部分の曲データとの比較に基づいて、前記演奏データを採点し、
採点結果が閾値に達した場合に、前記第2のフレーズとして推奨するおすすめフレーズを提案する表示を表示部に表示させる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の演奏装置。
<請求項6>
請求項1~5のいずれか一項に記載の演奏装置と、
演奏操作子と、
を備える電子楽器。
<請求項7>
コンピュータが、
或る曲に含まれる複数のフレーズの中から、ユーザによる演奏対象となる任意の第1のフレーズを決定し、
前記第1のフレーズに接続する、前記第1のフレーズとは異なる第2のフレーズを前記複数のフレーズの中から選択するユーザ操作に応じて、前記第1のフレーズから前記第2のフレーズまでの複数のフレーズを前記ユーザによる演奏対象のフレーズとして決定する、
演奏フレーズ決定方法。
<請求項8>
コンピュータに、
或る曲に含まれる複数のフレーズの中から、ユーザによる演奏対象となる任意の第1のフレーズを決定し、
前記第1のフレーズに接続する、前記第1のフレーズとは異なる第2のフレーズを前記複数のフレーズの中から選択するユーザ操作に応じて、前記第1のフレーズから前記第2のフレーズまでの複数のフレーズを前記ユーザによる演奏対象のフレーズとして決定する、
処理を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0073】
100 電子楽器
11 制御部
12 鍵盤
13 操作部
14 表示部
15 記憶部
16 出力部
17 通信部
18 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7