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特許7424446分析装置の部品管理システムおよび部品管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】分析装置の部品管理システムおよび部品管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20240123BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
G01N35/00 F
G05B19/418 Z
G01N35/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022157921
(22)【出願日】2022-09-30
(62)【分割の表示】P 2021501500の分割
【原出願日】2019-02-28
(65)【公開番号】P2023011565
(43)【公開日】2023-01-24
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100102037
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100149962
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 好二
(74)【代理人】
【識別番号】100170988
【弁理士】
【氏名又は名称】妹尾 明展
(74)【代理人】
【識別番号】100189566
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 雅之
(72)【発明者】
【氏名】横井 祐介
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-021034(JP,A)
【文献】特開2010-217039(JP,A)
【文献】特開2014-122852(JP,A)
【文献】特開平10-281978(JP,A)
【文献】特開2013-029531(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0132375(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の分析装置と、
前記複数の分析装置とネットワークを介して接続されたサーバと、
を備え、
各分析装置は、
各分析装置に取り付けられた部品の使用量および前記使用量に対応付けられた動作情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報を前記サーバに転送する転送部と、を含み、
前記サーバは、
前記複数の分析装置から受信した前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報をデータベースに登録する登録部と、
前記データベースに登録された前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報に基づいて生成された、前記複数の分析装置で使用された同種の部品の前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報の比較情報を提供する比較情報提供部と、
前記使用量および前記動作情報を示す前記複数の分析装置ごとの複数のグラフを前記比較情報として表示する比較情報表示部と、を含み、
前記比較情報表示部は、前記複数の分析装置の前記比較情報を並べて表示する、分析装置の部品管理システム。
【請求項2】
前記比較情報提供部は、同種の部品の使用可能量、および前記動作情報の基準値をさらに提供し、
前記比較情報表示部は、前記使用可能量および前記基準値を前記グラフ内に表示することを特徴とする、請求項1に記載の分析装置の部品管理システム。
【請求項3】
複数の分析装置と、
前記複数の分析装置とネットワークを介して接続されたサーバと、
を備え、
各分析装置は、
各分析装置に取り付けられた部品の使用量および前記使用量に対応付けられた動作情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報を前記サーバに転送する転送部と、を含み、
前記サーバは、
前記複数の分析装置から受信した前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報をデータベースに登録する登録部と、
前記データベースに登録された前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報に基づいて生成された、前記複数の分析装置で使用された同種の部品の前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報の比較情報を提供する比較情報提供部と、
前記使用量および前記動作情報を示す前記複数の分析装置ごとの複数のグラフを前記比較情報として表示する比較情報表示部と、を備え、
前記使用量は、第1の部品の使用回数を含み、
前記動作情報は、前記第1の部品の使用回数と対応付けられた、前記第1の部品が正常動作するまでのリトライ回数を含む、分析装置の部品管理システム。
【請求項4】
前記比較情報提供部は、前記複数の分析装置で使用された同種の部品の中で、前記動作情報が基準値を超える部品に関する情報を明示し、
前記第1の部品はオートサンプラのニードルであり、
前記基準値は前記リトライ回数の基準値である、請求項3に記載の分析装置の部品管理システム。
【請求項5】
複数の分析装置と、
前記複数の分析装置とネットワークを介して接続されたサーバと、
を備え、
各分析装置は、
各分析装置に取り付けられた部品の使用量および前記使用量に対応付けられた動作情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報を前記サーバに転送する転送部と、を含み、
前記サーバは、
前記複数の分析装置から受信した前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報をデータベースに登録する登録部と、
前記データベースに登録された前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報に基づいて生成された、前記複数の分析装置で使用された同種の部品の前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報の比較情報を提供する比較情報提供部と、
前記使用量および前記動作情報を示す前記複数の分析装置ごとの複数のグラフを前記比較情報として表示する比較情報表示部と、を備え、
前記比較情報提供部は、前記複数の分析装置で使用された同種の部品の中で、前記動作情報が基準値を超える部品に関する情報を明示し、
前記部品はランプであり、
前記使用量は前記ランプの使用回数を含み、
前記動作情報は前記ランプの使用回数と対応付けられた、前記ランプに流れる電流値であり、
前記基準値は前記電流値の基準値である、分析装置の部品管理システム。
【請求項6】
複数の分析装置と、
前記複数の分析装置とネットワークを介して接続されたサーバと、
を備え、
各分析装置は、
各分析装置に取り付けられた部品の使用量および前記使用量に対応付けられた動作情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報を前記サーバに転送する転送部と、を含み、
前記サーバは、
前記複数の分析装置から受信した前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報をデータベースに登録する登録部と、
前記データベースに登録された前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報に基づいて生成された、前記複数の分析装置で使用された同種の部品の前記使用量および前記使用量に対応付けられた前記動作情報の比較情報を提供する比較情報提供部と、
前記使用量および前記動作情報を示す前記複数の分析装置ごとの複数のグラフを前記比較情報として表示する比較情報表示部と、を備え、
前記比較情報提供部は、前記複数の分析装置で使用された同種の部品の中で、前記動作情報が基準値を超える部品に関する情報を明示し、
前記部品は送液ポンプであり、
前記使用量は前記送液ポンプの送液量を含み、
前記動作情報は前記送液量に対応付けられた平均圧力であり、
前記基準値は前記平均圧力の基準値である、分析装置の部品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置の部品管理システム、および、部品管理システムが提供する情報を利用する部品管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフ等の分析装置において、多数の部品が使用される。これら部品には、使用回数が所定の回数に達した時点で交換を要する消耗品が含まれる。また、これら部品には、使用期間が所定の期間に達した時点で交換を要する保守部品が含まれる。分析装置が正常に動作するためには、これら消耗品および保守部品が適切に交換される必要がある。下記特許文献1においては、一日あたりの平均使用度に応じて交換予定日を算出することにより、部品の管理が行われる。
【文献】特開2014-32022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
分析装置において使用される消耗品および保守部品の中には、使用可能な回数あるいは使用可能な期間に到達する前に交換が必要となる不良品が含まれる場合がある。ユーザは、部品の使用回数が交換すべき回数に達していない場合、あるいは、部品の使用期間が交換すべき期間に達していない場合、部品の交換は行わない。このため、部品に不良品が含まれている場合、分析装置にエラーが発生する場合がある。
【0004】
不良部品に起因する分析装置のエラーは、ユーザは予期することができない。ユーザは、分析装置にエラーが発生した時点で、製造会社に対応を依頼することになる。このため、分析装置が使用できないダウンタイムが長引く可能性がある。また、製造会社は、このような予期しないエラーの発生に対応するために、常に、フィールドエンジニアを待機させなければならない。また、製造会社は、常に、交換部品の在庫を準備しておく必要がある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザにとって予期しない部品の交換に対応するために、分析装置の部品を管理することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、複数の分析装置と、複数の分析装置とネットワークを介して接続されたサーバとを備え、各分析装置は、各分析装置に取り付けられた部品の使用量に対応付けられた動作情報を取得する取得部と、取得部が取得した動作情報をサーバに転送する転送部とを含み、サーバは、複数の分析装置から受信した動作情報をデータベースに登録する登録部と、データベースに登録された動作情報に基づいて生成された、複数の分析装置で使用された同種の部品の比較情報を提供する比較情報提供部とを含む分析装置の部品管理システムに関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の分析装置の管理システムによれば、ユーザにとって予期しない部品の交換に対応するができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る液体クロマトグラフの部品管理システムの全体図である。
図2図2は、実施の形態に係る液体クロマトグラフ、サーバおよび管理PCの機能ブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る管理PCの構成図である。
図4図4は、動作情報のデータ構造を示す図である。
図5図5は、管理PCのモニタに表示された部品Aのリトライ回数を比較して表したグラフである。
図6図6は、管理PCのモニタに表示された部品Bの電流値を比較して表したグラフである。
図7図7は、管理PCのモニタに表示された部品Cの平均圧力を比較して表示したグラフである。
図8図8は、部品管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)部品管理システムの全体構成
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態に係る液体クロマトグラフの部品管理システムの構成について説明する。図1は、実施の形態にかかる液体クロマトグラフの部品管理システムを示す全体図である。部品管理システムは、ユーザの研究室1に設置されたLAN(Local Area Network)10、製造会社4に設置されたLAN40、および、LAN10およびLAN40に接続されたWAN(Wide Area Network)3を備える。
【0010】
ユーザの研究室1のLAN10には、複数の液体クロマトグラフ2,2・・・が接続される。LAN10は、ゲートウェイ(GW)11を介してWAN3に接続される。WAN3は、例えばInternetである。
【0011】
製造会社4のLAN40には、管理PC(Personal Computer)5が接続される。LAN40は、ゲートウェイ(GW)41を介してWAN3に接続される。製造会社4は、ユーザの研究室1に設置されている液体クロマトグラフ2を製造する会社である。
【0012】
サーバ6は、WAN3に接続される。サーバ6は、いわゆるクラウドサーバである。サーバ6は、例えば、WAN3に接続されたデータセンター内のLANに接続される。データセンターは、厳重な管理がされており、サーバ6に記憶されたデータはセキュリティが確保されている。
【0013】
このように、液体クロマトグラフ2は、LAN10およびWAN3を含むネットワークを介してサーバ6に接続される。サーバ6には、図1に示す研究室1に設置された液体クロマトグラフ2以外にも、他の場所に設置された液体クロマトグラフがネットワーク経由で接続される。例えば、別の地点の別のLANに接続された液体クロマトグラフがネットワーク経由でサーバ6に接続される。
【0014】
例えば、複数のユーザ企業が液体クロマトグラフを使用する。そのユーザ企業の各研究室、分析室等に接続された多数の液体クロマトグラフがネットワーク経由でサーバ6に接続される。サーバ6は、後で説明するように、ネットワーク経由で接続された複数の液体クロマトグラフに取り付けられた部品の動作情報を管理する。つまり、本実施の形態においては、複数の液体クロマトグラフの部品の動作情報が、クラウド上のサーバ6において管理される。
【0015】
(2)液体クロマトグラフの構成
図2は、液体クロマトグラフ2、サーバ6および管理PC5の機能ブロック図である。図2に示すように、液体クロマトグラフ2は、システムコントローラ21および機能ユニット22を備える。システムコントローラ21は、液体クロマトグラフ2の全体制御を行う。システムコントローラ21は、LAN10に接続される。
【0016】
液体クロマトグラフ2は、複数の機能ユニット22を備える。例えば、液体クロマトグラフ2は、機能ユニット22として、ポンプユニット、オートサンプラユニット、カラムユニットおよび検出器ユニット等を備える。これら各機能ユニット22は、通信ケーブルによってシステムコントローラ21に接続される。各機能ユニット22は、システムコントローラ21によって制御される。
【0017】
システムコントローラ21は、転送部211を備える。転送部211は、LAN10、ゲートウェイ11およびWAN3を介してサーバ6との間で通信を行う。システムコントローラ21は、図示しないモニタおよび操作部を備える。オペレータは、システムコントローラ21が備えるモニタを参照し、液体クロマトグラフ2の状態を確認するとともに、操作部を操作することで液体クロマトグラフ2に対する各種の設定操作を行う。
【0018】
機能ユニット22は、取得部221を備える。上述したように、液体クロマトグラフ2は、機能ユニット22として、ポンプユニット、オートサンプラユニット、カラムユニットおよび検出器ユニット等を備える。図2においては、これら複数の機能ユニット22を代表して1つの機能ユニット22を図示しているが、これら複数の機能ユニット22のそれぞれが、取得部221を備える。
【0019】
取得部221は、記憶部を備えており、機能ユニット22に取り付けられた部品の動作情報を記憶部に記憶する。上記のように、各機能ユニット22は、それぞれ取得部221を備える。各機能ユニット22が備える取得部221には、自身の機能ユニット22に取り付けられた部品についての動作情報が記憶される。例えば、ポンプユニットの取得部221には、ポンプユニットに取り付けられた部品の動作情報が記憶される。部品に動作情報の内容については後で説明する。
【0020】
(3)サーバの構成
図2に示すように、サーバ6は、通信部61、登録部62、比較情報提供部63およびデータベース65を備える。通信部61は、WAN3に接続される。通信部61は、WAN3、ゲートウェイ11およびLAN10を介して、液体クロマトグラフ2のシステムコントローラ21と通信を行う。また、通信部61は、WAN3、ゲートウェイ41およびLAN40を介して、管理PC5と通信を行う。データベース65は、ネットワーク経由で取得した動作情報を管理するデータベースである。
【0021】
通信部61は、液体クロマトグラフ2から動作情報を受信する。通信部61は、受信した動作情報を登録部62に与える。登録部62は、取得した動作情報をデータベース65に登録する。上述したように、サーバ6には、図1で示す液体クロマトグラフ2を含め、複数の液体クロマトグラフが接続される。通信部61は、これら複数の液体クロマトグラフから動作情報を受信する。そして、登録部62は、複数の液体クロマトグラフに取り付けられた部品に関する動作情報を、データベース65に登録して一元管理する。
【0022】
比較情報提供部63は、データベース65に登録されている部品の動作情報を、管理PC5において閲覧可能な情報(比較情報)としてネットワーク経由で送信する。
【0023】
(4)管理PCの機能構成
図2に示すように、管理PC5は、受信部51および比較情報表示部52を備える。管理PC5は、上述したように、製造会社4のLAN40に接続される。管理PC5は、製造会社4のオペレータが、ユーザの研究室1に設置された液体クロマトグラフ2を保守および管理するために使用するコンピュータである。
【0024】
図3は、管理PC5の構成図である。管理PC5は、CPU(Central Processeing Unit)501、RAM(Random Access Memory)502、記憶装置503、外部インタフェース504およびモニタ505を備える。CPU501、RAM502、記憶装置503、外部インタフェース504およびモニタ505はバスで接続される。記憶装置503には、部品管理プログラム510が格納される。記憶装置503としては、例えば、ハードディスクが用いられる。図2に示した受信部51および比較情報表示部52は、図3で示した部品管理プログラム510がRAM502をワークエリアとして使用してCPU501上で動作することにより実現する機能部である。
【0025】
(5)動作情報の内容
図4は、機能ユニット22の取得部221が記憶する動作情報のデータ構造を示す図である。図4に示すように、動作情報は、部品ごとに使用量と対応付けられる。部品によって記憶される使用量および動作情報の種類(組み合わせ)が異なる。図4には、「部品」、「使用量」および「動作情報」の組み合わせについて、3つの例が示されている。
【0026】
第1の例は「部品A」に関する情報であり、使用量として「使用回数」、動作情報として「リトライ回数」が対応付けられている。液体クロマトグラフ2の電源がONされたとき、「部品A」についても電源が供給され、初期状態に遷移する。このとき、「部品A」が正しく初期状態に遷移しなかったとき、「部品A」を備える機能ユニット22は、「部品A」を初期状態に遷移させるための動作をリトライする。「リトライ回数」には、機能ユニット22が「部品A」を初期状態に遷移させるために行ったリトライの回数が記憶される。液体クロマトグラフ2の電源がONされたとき、1回目の動作で「部品A」が初期状態に遷移した場合、「リトライ回数」には“0”が記憶される。機能ユニット22の取得部221は、「部品A」の「使用回数」と「リトライ回数」を対応付けて記憶する。
【0027】
「部品A」は、例えば、オートサンプラユニットが備えるニードルである。オートサンプラユニットは、ニードルを駆動する機構として、モータ、ベルトおよびプーリーを備える。オートサンプラユニットは、モータにパルスを与えて駆動することで、ベルトを介してプーリーを回転させる。このプーリーの回転によってニードルが駆動する。液体クロマトグラフ2の電源がONされたとき、オートサンプラユニット(機能ユニット22)は、モータに与えたパルスとプーリーの回転数をチェックすることで、モータが正常に回転しているか否かを判定する。モータに与えたパルスと、センサが検出したモータの回転数の関係が正常でない場合には、オートサンプラユニットは、モータにパルスを与える動作をリトライする。そして、オートサンプラユニット(機能ユニット22)の取得部221は、モータが正常に回転するまでに行った動作の「リトライ回数」を、ニードルの「使用回数」に対応付けて記憶する。
【0028】
第2の例は「部品B」に関する情報であり、使用量として「使用回数」、動作情報として「電気的特性」が対応付けられている。液体クロマトグラフ2が使用されるとき、「部品B」についても電源が供給される。このとき、「部品B」における電流値または電圧値などの電気的特性がセンサによって検出される。「部品B」を備える機能ユニット22の取得部221は、「部品B」の「使用回数」と「電気的特性」を対応付けて記憶する。
【0029】
「部品B」は、例えば、検出器ユニットが備えるD2ランプ(重水素ランプ)である。この場合、「電気的特性」は、D2ランプに流れる電流値である。検出器ユニットは、D2ランプに電力を供給することで、D2ランプを点灯させる。液体クロマトグラフ2が分析処理を実行している間、検出器ユニット(機能ユニット22)は、D2ランプの電流値を検出する。そして、検出器ユニット(機能ユニット22)の取得部221は、D2ランプの「電流値」を、D2ランプの「使用回数」に対応付けて記憶する。
【0030】
第3の例は「部品C」に関する情報であり、使用量として「送液量」、動作情報として「平均圧力」が対応付けられている。「部品C」は、例えば、ポンプユニットが備える送液ポンプである。ポンプユニットは、送液ポンプの平均圧力を検出する。ポンプユニット(機能ユニット22)の取得部221は、送液ポンプの「平均圧力」を、送液ポンプの「送液量」に対応付けて記憶する。ポンプユニットは、送液ポンプの使用が開始された時点から、送液ポンプの使用量の指標として、送液量を積算して記憶している。
【0031】
(6)データベースの内容
上述したように、液体クロマトグラフ2の機能ユニット22が備える取得部221は、各部品について、「使用量」および「動作情報」を対応付けて記憶する。そして、液体クロマトグラフ2のシステムコントローラ21が備える転送部211は、取得部221が記憶している情報、つまり、「部品」、「使用量」および「動作情報」の組み合わせの情報を、サーバ6に転送する。サーバ6の登録部62は、各液体クロマトグラフ2から転送された「部品」、「使用量」および「動作情報」の組み合わせの情報をデータベース65に登録する。このようにして、サーバ6のデータベース65には、複数の液体クロマトグラフ2の複数の機能ユニット22が備える複数の部品について、「使用量」および「動作情報」が対応付けて登録される。
【0032】
(7)部品管理システムの処理の流れ
次に、部品管理システムの処理の流れを説明する。まず、液体クロマトグラフ2の機能ユニット22が備える取得部221が、機能ユニット22の各部品について、「使用量」および「動作情報」を対応付けて記憶する。この動作は、複数の液体クロマトグラフ2の複数の機能ユニット22において実行される。
【0033】
次に、液体クロマトグラフ2のシステムコントローラ21が備える転送部211が、取得部221が記憶している情報、つまり、「部品」、「使用量」および「動作情報」の組み合わせの情報を、サーバ6に転送する。転送部211が、これら情報をサーバ6に転送するタイミングは特に限定されない。例えば、転送部211は、1日に1回など定期的に、これら情報をサーバに転送する。あるいは、転送部211は、これら情報が更新されるごとに、これら情報をサーバに転送する。
【0034】
次に、サーバ6の登録部62が、各液体クロマトグラフ2から転送された「部品」、「使用量」および「動作情報」の組み合わせの情報を、データベース65に登録する。登録部62は、「部品」、「使用量」および「動作情報」の組み合わせの情報を、「部品」が取り付けられている装置を特定する情報(ユーザ名、設置場所、装置名称)と関連付けてデータベース65に登録する。これにより、データベース65には、各ユーザの各装置(液体クロマトグラフ2)の各部品に関する管理情報が一元管理される。
【0035】
次に、サーバ6の比較情報提供部63が、データベース65に格納された情報を、装置間で比較可能な情報として、管理PC5に送信する。つまり、データベース65には、複数の液体クロマトグラフ2に取り付けられた同種の部品について、「使用量」および「動作情報」が対応付けて登録されている。比較情報提供部63は、複数の液体クロマトグラフ2に取り付けられている同種の部品の「使用量」および「動作情報」に基づいて比較情報を生成し、比較情報を管理PC5に送信する。
【0036】
次に、管理PC5の受信部51は、比較情報提供部63が送信した比較情報を受信する。受信部51は、受信した比較情報を、比較情報表示部52に与える。比較情報表示部52は、比較情報提供部63が送信した比較情報を、管理PC5のモニタ505に表示させる。
【0037】
図5は、管理PC5のモニタ505に表示された比較情報の一例を示す図である。図5は、図4に示した「部品A」についての比較情報を示す。図5に示すように、モニタ505には、液体クロマトグラフ2A~2Dのそれぞれについて、「部品A」に関して、「使用回数」および「リトライ回数」の情報がグラフで表示されている。なお、装置間で比較可能な情報として、図5に示すようなグラフ表示をする場合、情報の加工は、サーバ6の比較情報提供部63で行われてもよいし、管理PC5の比較情報表示部52で行われてもよい。
【0038】
図5において、S1は、「部品A」の使用可能回数である。使用可能回数S1は、部品製造会社によって定められている。図5において、T1は、リトライ回数の閾値である。部品製造会社は、「部品A」の使用可能回数S1を超えない使用に関しては、リトライ回数が閾値T1を超えないことを想定している。言い換えると、リトライ回数の閾値T1は、使用可能回数S1内で正常に動作している「部品A」に許容されているリトライ回数である。図5において、液体クロマトグラフ2A,2Bおよび2Cの「部品A」は、使用可能回数S1に到達するまでに、リトライ回数が閾値T1を超えていない。しかし、液体クロマトグラフ2Dの「部品A」については、使用可能回数S1に到達する前に、リトライ回数が閾値T1を超えている。
【0039】
これにより、管理PC5を操作する製造会社4のオペレータは、液体クロマトグラフ2Dの「部品A」が正常に動作していないことを視覚的に把握することができる。つまり、液体クロマトグラフ2の「部品A」は、使用可能回数S1を超えていないにも関わらず、交換が必要であること、あるいは、メンテナンスが必要であることが示される。例えば、「部品A」が不良品であり、想定されていた使用可能回数S1よりも少ない回数で交換時期が到来したことが考えられる。あるいは、使用環境または使用条件などの要因により、過度に「部品A」が消耗または磨耗したために、使用可能回数S1よりも少ない回数で交換時期が到来したことが考えられる。
【0040】
図5においては、液体クロマトグラフ2A~2Cのグラフの射線部分は、通常表示されていることを示している。これに対して、液体クロマトグラフ2Dのグラフの砂地部分は、強調表示されていることを示している。つまり、使用可能回数S1を超える前にリトライ回数が閾値T1(基準値)を超えているため、基準値を超えたグラフが強調表示されている。例えば、他のグラフが黒色表示であるのに対して、強調表示されるグラフは赤色表示される。あるいは、強調表示されるグラフが点滅表示される。
【0041】
上述したように、「部品A」がオートサンプラのニードルである場合、製造会社4のオペレータは、液体クロマトグラフ2Dのニードルが正常に動作していないことを把握することができる。例えば、モータに巻回されたベルトが緩んでいること等が考えられるため、ベルトの交換またはベルトの締め直しなど適切な対応の措置を取ることができる。
【0042】
図6は、管理PC5のモニタ505に表示された比較情報の別の例を示す図である。図6は、図4に示した「部品B」についての比較情報を示す。図6に示すように、モニタ505には、液体クロマトグラフ2E~2Hのそれぞれについて、「部品B」に関して、「使用回数」および「電流値」の情報がグラフで表示されている。
【0043】
図6において、S2は、「部品B」の使用可能回数である。使用可能回数S2は、部品製造会社によって定められている。図6において、T2は、電流値の閾値である。部品製造会社は、「部品B」の使用可能回数S2を超えない使用に関しては、電流値が閾値T2を超えないことを想定している。言い換えると、電流値の閾値T2は、使用可能回数S2内で正常に動作している「部品B」に許容されている電流値である。図6において、液体クロマトグラフ2E,2Fおよび2Hの「部品B」は、使用可能回数S2に到達するまでに、電流値が閾値T2を超えていない。しかし、液体クロマトグラフ2Gの「部品B」については、使用可能回数S2に到達する前に、電流値が閾値T2を超えている。
【0044】
これにより、管理PC5を操作する製造会社4のオペレータは、液体クロマトグラフ2Gの「部品B」が正常に動作していないことを視覚的に把握することができる。つまり、液体クロマトグラフ2の「部品B」は、使用可能回数S2を超えていないにも関わらず、交換が必要であること、あるいは、メンテナンスが必要であることが示される。例えば、「部品B」が不良品であり、想定されていた使用可能回数S2よりも少ない回数で交換時期が到来したことが考えられる。あるいは、使用環境または使用条件などの要因により、過度に「部品B」が消耗または磨耗したために、使用可能回数S2よりも少ない回数で交換時期が到来したことが考えられる。
【0045】
図6においては、液体クロマトグラフ2Gのグラフは、強調表示されてもよい。つまり、使用可能回数S2に到達する前に電流値が閾値T2(基準値)を超えている部品のグラフが強調表示される。例えば、液体クロマトグラフ2E,2Fおよび2Hのグラフが黒色表示であるのに対して、液体クロマトグラフ2Gのグラフは赤色表示される。あるいは、液体クロマトグラフ2Gのグラフが点滅表示されてもよい。
【0046】
図7は、管理PC5のモニタ505に表示された比較情報の別の例を示す図である。図7は、図4に示した「部品C」についての比較情報を示す。図7に示すように、モニタ505には、液体クロマトグラフ2I~2Lのそれぞれについて、「部品C」に関して、「送液量」および「平均圧力」の情報がグラフで表示されている。「部品C」は、ポンプユニット(機能ユニット22)が備える送液ポンプである。
【0047】
図7において、液体クロマトグラフ2I,2Kおよび2Lの「部品C」は、平均圧力の変動が所定の範囲内に収まっている。しかし、液体クロマトグラフ2Jの「部品C」については、平均圧力の変動が所定の範囲を超えている。平均圧力が所定の範囲内に収まっているか否かの判断は、例えば、平均圧力の変動の分散値が所定の閾値に収まっているか否かにより決定される。
【0048】
これにより、管理PC5を操作する製造会社4のオペレータは、液体クロマトグラフ2Jの「部品C」が正常に動作していないことを視覚的に把握することができる。
【0049】
図7においては、液体クロマトグラフ2Jのグラフは、強調表示されてもよい。つまり、平均圧力の変動の分散値が所定の閾値(基準値)を超えている部品のグラフが強調表示される。例えば、液体クロマトグラフ2I,2Kおよび2Lのグラフが黒色表示であるのに対して、液体クロマトグラフ2Jのグラフは赤色表示される。あるいは、液体クロマトグラフ2Jのグラフが点滅表示されてもよい。
【0050】
製造会社4のオペレータは、液体クロマトグラフ2Jのポンプ(部品C)が正常に動作していないことを把握することができる。ポンプがこのような状態であることを把握できずに放置した場合、ポンプのシールの損傷が進み、ポンプが液漏れ等を起こす可能性がある。オペレータは、事前にポンプの状態を知ることにより、ポンプの液漏れが発生する前に、シール交換等の対応を取ることが可能である。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態の部品管理システムは、液体クロマトグラフ2の機能ユニット22に取り付けられた部品の比較情報を提供する。比較情報は、複数の液体クロマトグラフ2で使用されている同種の部品の比較情報である。液体クロマトグラフ2の製造会社4のオペレータは、比較情報を参照することにより、交換時期が到来する前の段階で交換が必要となった部品、または、メンテナンスが必要な部品を見つけ出すことができる。あるいは、ユーザの研究室1に管理PCを設置することにより、ユーザ自身が比較情報を参照してもよい。これによりユーザは、部品の状態をモニタリングし、液体クロマトグラフ2がエラーを発生する前に、製造会社4に連絡をとり、部品の交換、メンテナンスの対応を取ることができる。
【0052】
本実施の形態で説明したように、サーバ6がクラウド上に設置され、管理PC5は製造会社4に設置されている場合、製造会社4のオペレータは、様々な分析を行うことができる。製造会社4のオペレータは、ユーザ企業単位、ユーザの研究室単位、全ユーザ等、様々な単位で比較情報を参照することができる。これにより、ユーザ企業内で基準値から外れる部品、または、全ユーザ内で基準値から外れる部品等を分析することができる。
【0053】
(8)部品管理方法
図8は部品管理方法を示すフローチャートである。図8で示す部品管理方法は、図4で示したCPU501が記憶装置503に記憶された部品管理プログラム510を実行することにより実行される。つまり、図8の部品管理方法は、管理PC5において比較情報を参照するために実行される部品管理方法である。
【0054】
まず、受信部51が、LAN40、ゲートウェイ41およびWAN3を介して、サーバ6の比較情報提供部63が送信した比較情報を受信する(ステップS1)。次に、受信部51が、比較情報表示部52に比較情報を与える(ステップS2)。そして、比較情報表示部52が、図5図6に示したような比較情報を管理PC5のモニタ505に表示させる(ステップS3)。なお、上述したように、比較情報表示部52が、サーバ6から受信した比較情報を加工する処理を実行してもよい。
【0055】
上記の実施の形態においては、部品管理プログラム510は記憶装置503に格納される場合を説明した。これ以外の例として、部品管理プログラム510は、CD-ROMなどの記録媒体511に格納されて提供されてもよい。CPU501は、外部インタフェース504を介して記録媒体511に格納された部品管理プログラム510を実行することができる。
【0056】
(9)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。上記の実施の形態では、液体クロマトグラフ2が分析装置の例であり、LAN10およびWAN3がネットワークの例である。また、上記の実施の形態では、リトライ回数の閾値、電流値の閾値、および、平均圧力の変動値の分散の閾値が基準値の例である。また、上記の実施の形態において、部品Aが第1の部品の例であり、部品Bが第2の部品の例である。また、上記の実施の形態において、管理PC5がコンピュータの例である。
【0057】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する種々の要素を用いることもできる。
【0058】
(10)他の実施の形態
上記の実施の形態においては、部品管理システムは、液体クロマトグラフ2に取り付けられた部品を管理するシステムとして用いられる場合を例に説明した。本実施の形態の部品管理システムは、液体クロマトグラフ以外にも、ガスクロマトグラフ、質量分析装置等の他の分析装置に用いることもできる。
【0059】
上記の実施の形態においては、管理PC5は、製造会社4のLAN40に接続される場合を例に説明した。管理PC5は、LAN40とは異なる別のネットワークに接続されていてもよい。例えば、ユーザの研究室1のLAN10に管理PC5が接続されてもよい。また、上記の実施の形態においては、サーバ6はWAN3に接続される。つまり、部品管理システムはクラウド上のサーバ6を利用した。この構成は一例であり、サーバ6は、ユーザのネットワークに設置されていてもよい。例えば、サーバ6が、液体クロマトグラフ2が接続されるLAN10に接続されてもよい。
【0060】
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
【0061】
(11)態様
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0062】
(第1項)一態様に係る分析装置の部品管理システムは、
複数の分析装置と、
前記複数の分析装置とネットワークを介して接続されたサーバと、
を備え、
各分析装置は、
各分析装置に取り付けられた部品の使用量に対応付けられた動作情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記動作情報を前記サーバに転送する転送部と、
を含み、
前記サーバは、
前記複数の分析装置から受信した前記動作情報をデータベースに登録する登録部と、
前記データベースに登録された前記動作情報に基づいて生成された、前記複数の分析装置で使用された同種の部品の比較情報を提供する比較情報提供部と、
を含む。
【0063】
複数の分析装置において使用されている同種の部品の動作情報が比較可能となる。これにより、交換が必要となった部品、または、メンテナンスが必要な部品を見つけ出すことが可能となる。
【0064】
(第2項)第1項に記載の分析装置の部品管理システムにおいて、
前記比較情報提供部は、前記複数の分析装置で使用された同種の部品の中で、前記動作情報が基準値を超える部品に関する情報を明示してもよい。
【0065】
動作情報が基準値を超える部品が把握可能となる。これにより、交換が必要となった部品、または、メンテナンスが必要な部品を見つけ出すことが可能となる。
【0066】
(第3項)第1項に記載の分析装置の部品管理システムにおいて、
前記比較情報提供部は、前記複数の分析装置の前記動作情報を比較可能なグラフを提供してもよい。
【0067】
複数の分析装置において使用されている同種の部品の動作情報が視覚的に比較可能となる。これにより、交換が必要となった部品、または、メンテナンスが必要な部品を見つけ出すことが容易となる。
【0068】
(第4項)第1項に記載の分析装置の部品管理システムにおいて、
前記使用量は、第1の部品の使用回数を含み、
前記動作情報は、前記第1の部品の使用回数と対応付けられた、前記第1の部品が正常動作するまでのリトライ回数を含んでもよい。
【0069】
複数の分析装置において使用されている同種の部品の中で、リトライ回数が増加している部品を見つけ出すことが可能となる。これにより、交換可能時期が到来していないにも関わらず、交換が必要となった部品、または、メンテナンスが必要な部品を見つけ出すことが容易となる。
【0070】
(第5項)第1項に記載の分析装置の部品管理システムにおいて、
前記使用量は、第2の部品の使用回数を含み、
前記動作情報は、前記第2の部品の使用回数と対応付けられた、前記第2の部品の電気的特性を含んでもよい。
【0071】
複数の分析装置において使用されている同種の部品の中で、電気的特性が劣化している部品を見つけ出すことが可能となる。これにより、交換可能時期が到来していないにも関わらず、交換が必要となった部品、または、メンテナンスが必要な部品を見つけ出すことが容易となる。
【0072】
(第6項)第1項に記載の分析装置の部品管理システムにおいて、
前記使用量は、ポンプの送液量を含み、
前記動作情報は、前記ポンプの送液量と対応付けられた、前記ポンプの平均圧力を含んでもよい。
【0073】
複数の分析装置において使用されているポンプの中で、平均圧力が正常値を示さないポンプを見つけ出すことが可能となる。これにより、交換可能時期が到来していないにも関わらず、交換が必要となったポンプ、または、メンテナンスが必要なポンプを見つけ出すことが容易となる。
【0074】
(第7項)第1項に記載の前記サーバとネットワークを介して接続されたコンピュータであって、
前記比較情報提供部が提示する前記比較情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記比較情報を前記コンピュータが備えるモニタに表示させる比較情報表示部と、
を備えてもよい。
【0075】
コンピュータにより、比較情報が表示される。コンピュータを使用するオペレータは、部品の状態を管理することができる。
【0076】
(第8項)第1項に記載の前記サーバとネットワークを介して接続されたコンピュータにおいて実行される部品管理プログラムであって、
前記比較情報提供部が提示する前記比較情報を受信する処理と、
受信した前記比較情報をモニタに表示させる処理と、
をコンピュータに実行させてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8