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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】LCフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/01 20060101AFI20240123BHJP
   H03H 7/09 20060101ALI20240123BHJP
   H01F 27/00 20060101ALI20240123BHJP
   H01G 4/40 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
H03H7/01 A
H03H7/09 Z
H01F27/00 S
H01G4/40 321
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022527603
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(86)【国際出願番号】 JP2021016620
(87)【国際公開番号】W WO2021241103
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2020090710
(32)【優先日】2020-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】元山 洋人
【審査官】▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/090917(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/018798(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/100923(WO,A1)
【文献】特開2017-069670(JP,A)
【文献】国際公開第2015/059963(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/00
H01G 4/40
H03H1/00-H03H3/00
H03H5/00-H03H7/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子から出力端子に信号を伝達するLCフィルタであって、
複数の誘電体層が積層された積層体と、
前記積層体において、互いに異なる誘電体層に形成された平板形状の第1電極および第2電極と、
前記第2電極との間でキャパシタを形成する第1キャパシタ電極第2キャパシタ電極および第3キャパシタ電極と、
前記第1電極と前記第1キャパシタ電極に接続された第1インダクタビアと、
前記第1電極と前記第2キャパシタ電極に接続された第2インダクタビアと、
前記第1電極と前記第3キャパシタ電極に接続された第3インダクタビアと、
前記第1電極と前記第2電極とを接続する第1グランドビア第2グランドビアおよび第3グランドビアとを備え、
前記第1インダクタビアおよび前記第1キャパシタ電極は、前記入力端子から信号を受ける第1共振回路を形成し、
前記第2インダクタビアおよび前記第2キャパシタ電極は、前記出力端子に信号を伝達する第2共振回路を形成し、
前記第3インダクタビアおよび前記第3キャパシタ電極は第3共振回路を形成し、
前記積層体は、互いに対向する第1側面および第2側面を有する直方体に形成されており、
前記積層体の積層方向から平面視した場合に、
前記第1グランドビアおよび前記第2インダクタビアは、前記第1側面に沿って配置され、
前記第1インダクタビアおよび前記第2グランドビアは、前記第2側面に沿って配置され、
前記第2グランドビアは、前記第2側面に沿って前記第1インダクタビアと前記第3インダクタビアとの間に配置され、
前記第2インダクタビアは、前記第1側面に沿って前記第1グランドビアと前記第3グランドビアとの間に配置され、
前記第2共振回路は、前記第3共振回路を介して前記出力端子に信号を伝達する、LCフィルタ。
【請求項2】
前記積層体の積層方向から平面視した場合に、前記第1インダクタビアと前記第2インダクタビアとを結ぶ第1仮想線と、前記第1グランドビアと前記第2グランドビアとを結ぶ第2仮想線とが交差する、請求項に記載のLCフィルタ。
【請求項3】
前記第2仮想線は、前記第1仮想線の中点において前記第1仮想線と交差する、請求項に記載のLCフィルタ。
【請求項4】
前記第2仮想線は、前記第2仮想線の中点において前記第1仮想線と交差する、請求項に記載のLCフィルタ。
【請求項5】
入力端子から出力端子に信号を伝達するLCフィルタであって、
複数の誘電体層が積層された積層体と、
前記積層体において、互いに異なる誘電体層に形成された平板形状の第1電極および第2電極と、
前記第2電極との間でキャパシタを形成する第1キャパシタ電極および第2キャパシタ電極と、
前記第1電極と前記第1キャパシタ電極に接続された第1インダクタビアと、
前記第1電極と前記第2キャパシタ電極に接続された第2インダクタビアと、
前記第1電極と前記第2電極とを接続する第1グランドビア、第2グランドビア、第3グランドビアおよび第4グランドビアを備え
前記第1インダクタビアおよび前記第1キャパシタ電極は、前記入力端子から信号を受ける第1共振回路を形成し、
前記第2インダクタビアおよび前記第2キャパシタ電極は、前記出力端子に信号を伝達する第2共振回路を形成し、
前記積層体は、互いに対向する第1側面および第2側面を有する直方体に形成されており、
前記積層体の積層方向から平面視した場合に、
前記第1グランドビアおよび前記第2インダクタビアは、前記第1側面に沿って配置され、
前記第1インダクタビアおよび前記第2グランドビアは、前記第2側面に沿って配置され、
前記第2インダクタビアは、前記第1側面に沿って、前記第1グランドビアと前記第3グランドビアとの間に配置され、
前記第1インダクタビアは、前記第2側面に沿って、前記第2グランドビアと前記第4グランドビアとの間に配置される、LCフィルタ。
【請求項6】
前記積層体は、セラミックで形成される、請求項1~のいずれか1項に記載のLCフィルタ。
【請求項7】
前記LCフィルタは、特定の周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタとして機能する、請求項1~のいずれか1項に記載のLCフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はLCフィルタに関し、より特定的には、積層LCフィルタを小型化するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2000-165171号公報(特許文献1)には、インダクタおよびキャパシタにより構成された複数段の共振器が多層基板内に形成されたLCフィルタが開示されている。特開2000-165171号公報(特許文献1)に開示されたLCフィルタにおいては、各段の共振器が、隣接する他の共振器と磁気結合および/または容量結合することによって、所望のフィルタ特性を実現している。
【0003】
特開2000-165171号公報(特許文献1)においては、LCフィルタが形成される積層体は直方体の形状を有しており、積層体の上面側には平板形状の第1電極が形成され、下面側には平板形状の第2電極が形成されている。第2電極は接地電位に接続されており、第1電極および第2電極は積層体の側面に形成された平板形状の接続電極によって接続されている。各段の共振器は第1電極に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-165171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなLCフィルタは、携帯電話あるいはスマートフォンに代表される携帯用の通信機器に用いられる場合がある。このような携帯端末においては、小型化および薄型化のニーズが依然として高く、それに伴って内部に搭載される電子部品についても小型化が求められている。
【0006】
特開2000-165171号公報(特許文献1)に記載されたLCフィルタにおいては、上述のように、積層体の内部に形成される各段の共振器は、積層体の側面に形成された接続電極に挟まれた位置に配置されている。このような構成のLCフィルタを小型化する場合、側面の接続電極と各共振器との結合を抑制するために、各共振器を積層体においてより内側(中心方向)に配置することによって、接続電極と各共振器との間の距離を確保することが必要となる。しかしながら、共振器を中心方向に配置すると、逆に各共振器同士の結合が強まり、かえってフィルタ特性が低下してしまう場合がある。
【0007】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、多段型の積層LCフィルタにおいて、小型化に伴うフィルタ特性の低下を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係るLCフィルタは、入力端子から出力端子に信号を伝達するLCフィルタであって、複数の誘電体層が積層された積層体と、平板形状の1電極および第2電極と、第1キャパシタ電極および第2キャパシタ電極と、第1インダクタビアおよび第2インダクタビアと、第1グランドビアおよび第2グランドビアとを備える。第1電極および第2電極は、積層体において互いに異なる誘電体層に形成される。第1キャパシタ電極および第2キャパシタ電極は、第2電極との間でキャパシタを形成する。第1インダクタビアは第1電極と第1キャパシタ電極に接続され、第2インダクタビアは第1電極と第2キャパシタ電極に接続される。第1グランドビアおよび第2グランドビアは、第1電極と第2電極とを接続する。第1インダクタビアおよび第1キャパシタ電極は、入力端子から信号を受ける第1共振回路を形成する。第2インダクタビアおよび第2キャパシタ電極は、出力端子に信号を伝達する第2共振回路を形成する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によるLCフィルタにおいては、2つの平板電極(第1電極,第2電極)の間に複数段の共振回路(第1共振回路,第2共振回路)が形成されており、第1電極と第2電極とがビア形状の接続電極によって接続されている。このような構成においては、LCフィルタのサイズを小さくしても、接続電極と各共振回路との間の結合の増加が抑制される。これにより、共振回路同士の距離を確保することができるため、共振回路間の結合の増加も抑制することができる。したがって、多段型の積層LCフィルタにおいて、小型化に伴うフィルタ特性の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に従うLCフィルタの斜視透視図である。
図2図1のLCフィルタの側面透視図である。
図3図1のLCフィルタの等価回路図である。
図4】比較例のLCフィルタの斜視透視図である。
図5】実施の形態1に従うLCフィルタおよび比較例のLCフィルタのフィルタ特性を説明するための図である。
図6】変形例1のLCフィルタの斜視透視図である。
図7】変形例2のLCフィルタの斜視透視図である。
図8】実施の形態2に従うLCフィルタの斜視透視図である。
図9図8のLCフィルタの側面透視図である。
図10図8のLCフィルタにおいて、第1電極を伝播する信号(電流)を説明するための図である。
図11】実施の形態2のLCフィルタのフィルタ特性を説明するための図である。
図12】変形例3のLCフィルタの斜視透視図である。
図13】変形例4のLCフィルタの平面図である。
図14】変形例5のLCフィルタの平面図である。
図15】変形例6のLCフィルタの平面図である。
図16】実施の形態3に従うLCフィルタの分解斜視図である。
図17図16のLCフィルタの平面図である。
図18図16のLCフィルタの等価回路図である。
図19】実施の形態3のLCフィルタのフィルタ特性を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0012】
[実施の形態1]
(フィルタの構成)
図1および図2を用いて、実施の形態1に従うLCフィルタ100の構成について説明する。図1はLCフィルタ100の斜視透視図である。また、図2は、LCフィルタ100の側面透視図である。LCフィルタ100は、複数の誘電体層を積層方向に積層することによって形成された、直方体または略直方体の積層体110を備えている。積層体110の各誘電体層は、たとえばセラミックにより形成されている。積層体110の内部において、各誘電体層に形成された複数の配線パターンおよび電極、ならびに誘電体層間に形成された複数のビアによって、LC共振回路を構成するためのインダクタおよびキャパシタが形成される。
【0013】
以下の説明においては、積層体110の積層方向を「Z軸方向」とし、Z軸方向に垂直であって積層体110の長辺に沿った方向を「X軸方向」とし、積層体110の短辺に沿った方向を「Y軸方向」とする。また、以下では、各図におけるZ軸の正方向を上側、負方向を下側と称する場合がある。
【0014】
なお、図1および後述する図4図6図8図12においては、積層体110の誘電体は省略されており、内部に形成される配線パターン、ビアおよび端子の導電体のみが示されている。
【0015】
図1および図2を参照して、LCフィルタ100は、積層体110と、入力端子T1および出力端子T2と、インダクタビアV1~V4と、グランドビアVG1~VG4と、キャパシタ電極P1~P4とを備える。
【0016】
積層体110は、上面111および下面112を有する。LCフィルタ100と外部機器とを接続するための外部端子(入力端子T1、出力端子T2および接地端子GND)は平板状の電極であり、積層体110の下面112に規則的に配置されたLGA(Land Grid Array)端子である。
【0017】
積層体110の下面112に近接した誘電体層に、平板電極PG2が形成されている。図2に示されているように、平板電極PG2は、ビアVGA,VGBを介して下面112の接地端子GNDに接続されている。また、積層体110の上面111に近接した誘電体層に、平板電極PG1が形成されている。なお、図1においては、平板電極PG1は破線で示されている。
【0018】
グランドビアVG1~VG4は、積層体110を積層方向(Z軸方向)から平面視した場合に、積層体110の四隅にそれぞれ配置されている。具体的には、グランドビアVG1,VG3は、積層体110の側面113に沿ってX軸方向に、グランドビアVG1およびグランドビアVG3の順に配置されている。また、グランドビアVG2,VG4は、積層体110の側面114に沿ってX軸方向に、グランドビアVG2およびグランドビアVG4の順に配置されている。グランドビアVG1~VG4の各々は、平板電極PG1と平板電極PG2とを接続している。
【0019】
平板電極PG1と平板電極PG2との間の誘電体層には、平板状のキャパシタ電極P1~P4が形成されている。キャパシタ電極P1~P4は、平板電極PG2から離間して配置されており、平板電極PG2との間でキャパシタを形成する。
【0020】
キャパシタ電極P2,P3は、積層体110を積層方向から平面視した場合に、X軸方向の中央付近にY軸に沿って互いに離間して配置されている。キャパシタ電極P2,P3には、一方端が平板電極PG1に接続されたインダクタビアV2,V3がそれぞれ接続されている。インダクタビアV2は、積層体110の側面114に沿って、グランドビアVG2とグランドビアVG4との間に配置されている。インダクタビアV3は、積層体110の側面113に沿って、グランドビアVG1とグランドビアVG3との間に配置されている。インダクタビアV2およびキャパシタ電極P2によって、LC共振回路(第2共振回路RC2)が形成される。インダクタビアV3およびキャパシタ電極P3によって、LC共振回路(第3共振回路RC3)が形成される。
【0021】
キャパシタ電極P1,P4は、積層体110を積層方向から平面視した場合に、Y軸方向の中央付近にX軸に沿って互いに離間して配置されている。キャパシタ電極P1,P4は、キャパシタ電極P1とキャパシタ電極P4との間に、キャパシタ電極P2,P3の一部が形成されるように配置されている。
【0022】
キャパシタ電極P1は、ビアV1Aを介して、積層体110の下面112に形成された入力端子T1に接続される。また、キャパシタ電極P1には、インダクタビアV1の一方端が接続される。インダクタビアV1の他方端は、平板電極PG1に接続されている。インダクタビアV1およびキャパシタ電極P1によって、LC共振回路(第1共振回路RC1)が形成される。
【0023】
キャパシタ電極P4は、ビアV4Aを介して、積層体110の下面112に形成された出力端子T2に接続される。また、キャパシタ電極P4には、インダクタビアV4の一方端が接続される。インダクタビアV4の他方端は、平板電極PG1に接続されている。インダクタビアV4およびキャパシタ電極P4によって、LC共振回路(第4共振回路RC4)が形成される。
【0024】
このように、LCフィルタ100は、複数の共振回路が隣接した構成を有しており、隣接する共振回路同士が磁気結合および/または容量結合することによって生じる減衰極によりバンドパスフィルタとして機能する。入力端子T1に供給された高周波信号は、第1共振回路RC1、第2共振回路RC2、第3共振回路RC3、および第4共振回路RC4を経由して、出力端子T2から出力される。
【0025】
図3は、図1で示したLCフィルタ100の等価回路図である。図3において、破線で示した接続部分は、図1における平板電極PG1,PG2およびキャパシタ電極P1~P4に対応する。
【0026】
入力端子T1はキャパシタ電極P1に接続されている。キャパシタ電極P1と、接地端子GNDに接続された平板電極PG2との間には、キャパシタC1が形成される。キャパシタ電極P1と平板電極PG1との間には、インダクタL1が接続される。インダクタL1は、インダクタビアV1に対応する。
【0027】
平板電極PG1とキャパシタ電極P2との間には、インダクタL2が接続される。インダクタL2は、インダクタビアV2に対応する。キャパシタ電極P2と平板電極PG2との間には、キャパシタC2が形成される。
【0028】
平板電極PG1とキャパシタ電極P3との間には、インダクタL3が接続される。インダクタL3は、インダクタビアV3に対応する。キャパシタ電極P3と平板電極PG2との間には、キャパシタC3が形成される。
【0029】
出力端子T2はキャパシタ電極P4に接続されている。キャパシタ電極P4と平板電極PG2との間には、キャパシタC4が形成される。キャパシタ電極P4と平板電極PG1との間には、インダクタL4が接続される。インダクタL4は、インダクタビアV4に対応する。
【0030】
平板電極PG1と平板電極PG2との間には、インダクタLGが接続される。インダクタLGは、並列接続されたグランドビアVG1~VG4に対応する。
【0031】
キャパシタ電極P1とキャパシタ電極P2と間には、キャパシタC12が形成される。キャパシタ電極P1とキャパシタ電極P3と間には、キャパシタC13が形成される。キャパシタ電極P1とキャパシタ電極P4と間には、キャパシタC14が形成される。キャパシタ電極P2とキャパシタ電極P3と間には、キャパシタC23が形成される。キャパシタ電極P3とキャパシタ電極P4と間には、キャパシタC34が形成される。
【0032】
なお、実施の形態1における「平板電極PG1」および「平板電極PG2」は、本開示における「第1電極」および「第2電極」にそれぞれ対応する。実施の形態1における「グランドビアVG1~VG4」は、本開示における「第1グランドビア」~「第4グランドビア」にそれぞれ対応し、包括的に本開示における「接続電極」に対応する。実施の形態1における「キャパシタ電極P2」および「キャパシタ電極P3」は、本開示における「第1キャパシタ電極」および「第2キャパシタ電極」にそれぞれ対応する。実施の形態1における「インダクタビアV2」および「インダクタビアV3」は、本開示における「第1インダクタビア」および「第2インダクタビア」にそれぞれ対応する。
【0033】
(フィルタ特性)
次に、実施の形態1のLCフィルタ100の通過特性を、比較例の場合と比較しつつ説明する。
【0034】
図4は、比較例のLCフィルタ100#の斜視透視図である。比較例のLCフィルタ100#においては、実施の形態1のLCフィルタ100におけるグランドビアVG1~VG4に代えて、積層体110に側面に形成された平板状の側面電極PGA,PGBによって、平板電極PG1および平板電極PG2が接続される。なお、図4において、LCフィルタ100と重複する要素の説明は繰り返さない。
【0035】
図4を参照して、LCフィルタ100#においては、積層体110の側面113に平板状の側面電極PGAが形成されており、側面114に平板状の側面電極PGBが形成されている。側面電極PGA,PGBには、平板電極PG1,PG2の端面が接続されている。
【0036】
比較例のLCフィルタ100#のように、側面電極PGA,PGBによって平板電極PG1,PG2が接続される構成においては、内部に形成される共振回路(特に、図4における第2共振回路RC2および第3共振回路RC3)と、接地電位に結合された側面電極PGA,PGBとが結合しやすくなる。そうなると、共振回路から接地電位に向かって信号が漏洩しやすくなるため、フィルタの損失が増加する。特に、フィルタ装置のサイズを小型化する場合には、側面電極PGA,PGBと共振回路との距離がさらに短くなるため、損失の増加を抑制するためには、共振回路を積層体の中央付近に配置して、側面電極と共振回路との間の距離を確保することが必要となる。
【0037】
LCフィルタにおいて積層体内に複数の共振回路を設けることによって、非通過帯域における減衰特性を改善することができることが知られている。しかしながら、上述のように、共振回路を積層体の中央付近に配置すると、共振回路同士の結合が強まってしまうため、かえって非通過帯域の信号に対する減衰特性が低下する可能性がある。
【0038】
実施の形態1のLCフィルタ100においては、平板電極PG1,PG2を接続するための接続電極が、側面電極ではなくビアで形成される構成となっている。このような構成とすることによって、接続電極と共振回路間の結合を低減でき、さらに、共振回路同士の結合も低減できる。なお、接続電極を面積の大きな側面電極からビアに変更することによって、接続電極自体の抵抗成分はやや増加するが、ビアへの変更に伴う損失の増加よりも、接続電極と共振回路と間の結合を弱めることに伴う損失改善効果のほうが大きくなることを、発明者は見出した。実施の形態1のLCフィルタ100のように接続電極がビアで形成された構成とすることによって、比較例のLCフィルタ100#に比べてフィルタ損失を改善しつつ、非通過帯域における減衰特性を向上させることが可能となる。
【0039】
図5は、実施の形態1におけるLCフィルタ100および比較例におけるLCフィルタ100#のフィルタ特性を説明するための図である。図5においては、横軸には周波数が示されており、縦軸には挿入損失および反射損失が示されている。図5においては、実線LN10,LN10A,LN20は、実施の形態1のLCフィルタ100の場合を示しており、破線LN11,LN11A,LN21は、比較例のLCフィルタ100#の場合を示している。実線LN10,LN10Xおよび破線LN11,LN11Aは挿入損失を示しており、実線LN20および破線LN21は反射損失を示している。なお、実線LN10Aおよび破線LN11Aは、それぞれ実線LN10および破線LN11の縦軸を拡大して示したものである(右軸目盛)。なお、当該LCフィルタの通過帯域の仕様は4400MHz~5000MHzである。
【0040】
図5を参照して、挿入損失については、通過帯域内の全域にわたって、実施の形態1のLCフィルタ100の方が、比較例のLCフィルタ100#よりも低くなっている。また、反射損失についても、通過帯域内においては、実施の形態1のLCフィルタ100は、比較例のLCフィルタ100#と同等あるいはそれ以下の損失となっている。
【0041】
減衰特性については、通過帯域よりも低周波数側については、比較例よりも実施の形態1の減衰量が大きくなっている。また、通過帯域よりも高周波数側については、実施の形態1の方が比較例よりも急峻な減衰を実現できている。
【0042】
このように、実施の形態1のLCフィルタ100においては、各共振回路のインダクタビアに共通して接続される平板電極PG1と、接地端子GNDに接続される平板電極PG2とを、ビアによって接続することによって、フィルタ装置の小型化に伴うフィルタ特性の低下を抑制することが可能となる。さらに、積層体内における、共振回路の配置の自由度を高めることができる。
【0043】
(変形例)
実施の形態1においては、4段の共振回路を有するLCフィルタの構成の例について説明したが、LCフィルタを構成する共振回路の数は4つには限定されない。
【0044】
たとえば、図6の変形例1のLCフィルタ100Aに示されるように、共振回路が2段の構成であってもよい。LCフィルタ100Aは、実施の形態1のLCフィルタ100における第2共振回路RC2および第3共振回路RC3が削除された構成を有している。
【0045】
あるいは、図7の変形例2のLCフィルタ100Bに示されるように、共振回路が3段の構成であってもよい。LCフィルタ100Bにおいては、図6の変形例1のLCフィルタ100Aにおける第1共振回路RC1と第4共振回路RC4との間に、第2共振回路RC2Bが配置された構成となっている。第2共振回路RC2Bは、キャパシタ電極P2B、および、キャパシタ電極P2Bと平板電極PG1との間に接続されたインダクタビアV2Bにより構成されている。インダクタビアV2Bは、X軸方向に沿って、インダクタビアV1とインダクタビアV4との間に配置されている。
【0046】
変形例のLCフィルタ100A,100Bにおいても、平板電極PG1および平板電極PG2がグランドビアVG1~VG4によって接続される構成となっている。これにより、フィルタ装置の小型化に伴うフィルタ特性の低下を抑制することが可能となる。
【0047】
なお、図には示していないが、LCフィルタは、5段以上の共振回路を有する構成であってもよい。
【0048】
なお、変形例1および変形例2における「キャパシタ電極P1」および「キャパシタ電極P4」は、本開示における「第1キャパシタ電極」および「第2キャパシタ電極」にそれぞれ対応する。変形例1および変形例2における「インダクタビアV1」および「インダクタビアV4」は、本開示における「第1インダクタビア」および「第2インダクタビア」にそれぞれ対応する。
【0049】
[実施の形態2]
実施の形態2においては、インダクタビアおよびグランドビアを異なる配置としたLCフィルタの構成の例について説明する。
【0050】
(フィルタの構成)
図8は、実施の形態2に従うLCフィルタ100Cの斜視透視図である。また、図9は、LCフィルタ100Cにおいて、積層体110の側面114から見たときの側面透視図である。LCフィルタ100Cは、5段の共振回路を備えた構成を有している。
【0051】
図8および図9を参照して、LCフィルタ100Cは、積層体110に形成された平板電極PG1,PG2と、入力端子T1および出力端子T2と、インダクタビアV11~V15と、グランドビアVG11~VG13と、キャパシタ電極P11~P15と、配線電極PA1,PA2とを備える。
【0052】
実施の形態1のLCフィルタ100と同様に、積層体110の上面111に近接した誘電体層に平板電極PG1が形成され、下面112に近接した誘電体層に平板電極PG2が形成されている。平板電極PG2は、ビアVGA,VGBを介して下面112に形成された接地端子GNDに接続されている。
【0053】
平板電極PG1および平板電極PG2は、積層体110の積層方向に延在するグランドビアVG11、VG12,VG13によって接続されている。グランドビアVG11,VG13は、積層体110のY軸の正方向の側面113(第1側面)に沿って配置されている。グランドビアVG11はX軸の負方向の隅に配置され、グランドビアVG13はX軸の正方向の隅に配置されている。グランドビアVG12は、積層体110において、側面113に対向する側面114(第2側面)に沿って、X軸方向のほぼ中央付近に配置されている。
【0054】
キャパシタ電極P11~P15は、平板電極PG1と平板電極PG2との間の誘電体層に形成されている。キャパシタ電極P11~P15は、平板電極PG2から離間して配置されており、平板電極PG2との間でキャパシタを形成する。また、キャパシタ電極P11~P15は、互いに離間して配置されており、互いに容量結合している。キャパシタ電極P11~P15には、LC共振回路を形成するためのインダクタビアV11~V15がそれぞれ接続されている。
【0055】
入力端子T1は、ビアV11Aおよび配線電極P11Aを介して、キャパシタ電極P11に接続されている。インダクタビアV11は、一方端がキャパシタ電極P11に接続されており、他方端が配線電極PA1に接続されている。配線電極PA1は、平板電極PG1とキャパシタ電極P11との間の誘電体層に形成されており、インダクタビアV11とグランドビアVG11とを接続している。すなわち、インダクタビアV11の他方端は、配線電極PA1によって、グランドビアVG11における平板電極PG1と平板電極PG2との間の位置に接続されている。このような構成によって、インダクタビアV11およびキャパシタ電極P11は、グランドビアに直接接続されたLC共振回路(第1共振回路RC1C)を形成する。
【0056】
出力端子T2は、ビアV15Aおよび配線電極P15Aを介して、キャパシタ電極P15に接続されている。インダクタビアV15は、一方端がキャパシタ電極P15に接続されており、他方端が配線電極PA2に接続されている。配線電極PA2は、平板電極PG1とキャパシタ電極P15との間の誘電体層に形成されており、インダクタビアV15とグランドビアVG13とを接続している。すなわち、インダクタビアV15の他方端は、配線電極PA2によって、グランドビアVG13における平板電極PG1と平板電極PG2との間の位置に接続されている。このような構成によって、インダクタビアV15およびキャパシタ電極P15は、グランドビアに直接接続されたLC共振回路(第5共振回路RC5C)を形成する。
【0057】
インダクタビアV12は、側面114に沿って、X軸の負方向の隅に配置されている。インダクタビアV12は、平板電極PG1およびキャパシタ電極P12に接続されており、LC共振回路(第2共振回路RC2C)を形成する。
【0058】
インダクタビアV13は、側面113に沿って、X軸方向の中央付近に配置されている。すなわち、インダクタビアV13は、側面113に沿って、グランドビアVG11とグランドビアVG13との間に配置されている。インダクタビアV13は、平板電極PG1およびキャパシタ電極P13に接続されており、LC共振回路(第3共振回路RC3C)を形成する。
【0059】
インダクタビアV14は、側面114に沿って、X軸の正方向の隅に配置されている。インダクタビアV14は、平板電極PG1およびキャパシタ電極P14に接続されており、LC共振回路(第4共振回路RC4C)を形成する。
【0060】
このように、LCフィルタ100Cは、5つの共振回路が隣接した構成を有しており、隣接する共振回路同士が磁気結合および/または容量結合することによって生じる減衰極によりバンドパスフィルタとして機能する。入力端子T1に供給された高周波信号は、第1共振回路RC1C、第2共振回路RC2C、第3共振回路RC3C、第4共振回路RC4Cおよび第5共振回路RC5Cを経由して、出力端子T2から出力される。
【0061】
図10は、図8のLCフィルタ100Cの平板電極PG1における信号(電流)の伝達経路を説明するための平面図である。図10を参照して、入力端子T1に供給された高周波信号は、インダクタビアV11、キャパシタ電極P11および配線電極PA1によって形成される第1共振回路RC1Cから、磁気結合によって、隣接する第2共振回路RC2C(インダクタビアV12+キャパシタ電極P12)へ伝達される(矢印AR0)。第2共振回路RC2Cに伝達された信号は、次に、平板電極PG1を通して隣接する第3共振回路RC3C(インダクタビアV13+キャパシタ電極P13)へ伝達され(矢印AR1)、さらに第3共振回路RC3Cに隣接する第4共振回路RC4C(インダクタビアV14+キャパシタ電極P14)へと伝達される(矢印AR2)。そして、信号は、第4共振回路RC4Cから、インダクタビアV15、キャパシタ電極P15および配線電極PA2によって形成される第5共振回路RC5Cに磁気結合により伝達されて、出力端子T2から出力される。
【0062】
ここで、各共振回路間において信号を伝達する場合、所望の通過帯域の信号の損失を低減させる観点からは、共振回路間の結合度を大きくしてQ値を高めることが重要である。一方で、フィルタ装置の場合、非通過帯域の信号についてはできるだけ伝達されないようにすることが好ましい。すなわち、非通過帯域の信号を減衰させる観点からは、共振回路間の結合度を低減することも必要となる。
【0063】
そこで、実施の形態2のLCフィルタ100Cにおいては、共振回路間の結合が強くなり過ぎないようにするために、入出力端子に接続される共振回路(第1共振回路RC1C,第5共振回路RC5C)を、配線電極PA1,PA2を用いてグランドビアに接続した構成している。より詳細には、図8に示されるように、第1共振回路RC1Cおよび第5共振回路RC5CにおけるインダクタビアV11,V15は、他の共振回路のように平板電極PG1に直接接続されておらず、配線電極PA1,PA2をそれぞれ介して、グランドビアVG11,VG13により平板電極PG1,PG2に接続されている。このような構成とすることによって、第1共振回路RC1Cと第2共振回路RC2Cとの間の結合度、および、第4共振回路RC4Cと第5共振回路RC5Cとの間の結合度を、第2共振回路RC2Cと第3共振回路RC3Cとの間の結合度、および、第3共振回路RC3Cと第4共振回路RC4Cとの間の結合度よりも弱くすることができる。
【0064】
なお、一般的に、多段型のLCフィルタにおいては、中段部に配置された共振回路のQ値がフィルタ全体のQ値に大きく寄与し、端部(入出力端子)に近い共振回路のQ値はフィルタ全体のQ値への影響が比較的小さいことが知られている。そのため、上記のように、入出力端子に接続された共振回路をグランドビアに接続した回路とすることで、フィルタ全体のQ値を維持しつつ、共振回路間の結合度が強くなり過ぎないようにすることができる。
【0065】
また、実施の形態2のLCフィルタ100Cにおいては、図10に示されるように、積層体110を積層方向(Z軸方向)から平面視した場合に、平板電極PG1におけるインダクタビアV12,V13,V14間の信号伝達経路(矢印AR1,AR2)の両側にグランドビアVG11,VG12,VG13が配置されている。具体的には、インダクタビアV12とインダクタビアV13とを結ぶ仮想線CL1(第1仮想線)と、グランドビアVG11とグランドビアVG12とを結ぶ仮想線CL2(第2仮想線)とが交差している。同様に、インダクタビアV13とインダクタビアV14とを結ぶ仮想線CL3と、グランドビアVG12とグランドビアVG13とを結ぶ仮想線CL4とが交差している。
【0066】
なお、フィルタにおける特性の対称性を実現するために、仮想線CL1と仮想線CL2とが互いに中点で交差し、仮想線CL3と仮想線CL4とが互いに中点で交差するように、インダクタビアおよびグランドビアを対称的に配置することが好ましい。
【0067】
このようなビアの配置によって、平板電極PG1上において、インダクタビアV12からインダクタビアV13へ伝達される信号(電流)の一部が、矢印AR1A,矢印AR1BのようにグランドビアVG11,VG12へと漏洩する。同様に、インダクタビアV13からインダクタビアV14へ伝達される信号(電流)の一部が、矢印AR2A,矢印AR2BのようにグランドビアVG12,VG13へと漏洩する。これによって、第2共振回路RC2Cと第3共振回路RC3Cとの間の結合度、および、第3共振回路RC3Cと第4共振回路RC4Cとの間の結合度が若干弱められる。
【0068】
なお、実施の形態2における「平板電極PG1」および「平板電極PG2」は、本開示における「第1電極」および「第2電極」にそれぞれ対応する。実施の形態2における「グランドビアVG11~VG13」は、本開示における「第1グランドビア」~「第3グランドビア」にそれぞれ対応し、包括的に本開示における「接続電極」に対応する。実施の形態2における「キャパシタ電極P12」,「キャパシタ電極P13」,「キャパシタ電極P14」は、本開示における「第1キャパシタ電極」~「第3キャパシタ電極」にそれぞれ対応する。実施の形態2における「インダクタビアV12」,「インダクタビアV13」,「インダクタビアV14」は、本開示における「第1インダクタビア」~「第3インダクタビア」にそれぞれ対応する。
【0069】
(フィルタ特性)
次に、図11を用いて実施の形態2のLCフィルタ100Cのフィルタ特性について説明する。図11においては、横軸には周波数が示されており、縦軸には挿入損失(実線LN30)および反射損失(破線LN31)が示されている。
【0070】
図11を参照して、通過帯域(4400MHz~5000MHz)内においては、挿入損失は5dB以下となっており、反射損失についても20dB以下が実現されている。また、通過帯域近傍の非通過帯域における減衰特性については、通過帯域よりも低周波数側および高周波数側の両方において40dB以上の減衰となっており、図5で示した実施の形態1のLCフィルタ100よりもさらに高い減衰特性を実現することができている。
【0071】
このように、実施の形態2のLCフィルタ100Cのような構成においても、平板電極PG1と平板電極PG2とをビアによって接続することによって、フィルタ装置の小型化に伴うフィルタ特性の低下を抑制することができる。さらに、入出力端子に接続される共振回路をグランドビアに直接接続した回路とすることによって、通過帯域におけるフィルタの損失の増加を抑制しつつ、非通過帯域における減衰特性をさらに向上させることができる。
【0072】
(変形例)
(a)変形例3
図11で示した実施の形態2のLCフィルタ100Cにおけるグランドビアに直接接続された共振回路(第1共振回路RC1C,第5共振回路RC5C)は、必ずしも必須の構成ではない。変形例3においては、LCフィルタ100Cにおけるこのような共振回路が設けられない構成について説明する。
【0073】
図12は、変形例3のLCフィルタ100Dの斜視透視図である。LCフィルタ100Dにおいては、実施の形態2のLCフィルタ100CにおけるインダクタビアV11,V15およびキャパシタ電極P11,P15が取り除かれた構成となっている。入力端子T1は、インダクタビアV12に接続されたキャパシタ電極P12に、ビアV11Aおよび配線電極P11Bを介して接続されている。また、出力端子T2は、インダクタビアV14に接続されたキャパシタ電極P14に、ビアV15Aおよび配線電極P15Bを介して接続されている。
【0074】
LCフィルタ100Dにおいては、インダクタビアV12およびキャパシタ電極P12によって形成される共振回路が第1共振回路RC1Dとなり、インダクタビアV13およびキャパシタ電極P13によって形成される共振回路が第2共振回路RC2Dとなり、インダクタビアV14およびキャパシタ電極P14によって形成される共振回路が第3共振回路RC3Dとなる。すなわち、LCフィルタ100Dは、3段の共振回路を有するフィルタ装置である。入力端子T1に供給された高周波信号は、第1共振回路RC1D、第2共振回路RC2Dおよび第3共振回路RC3Dを経由して、出力端子T2から出力される。
【0075】
変形例3のLCフィルタ100Dにおいても、平板電極PG1と平板電極PG2とがグランドビアによって接続されており、さらに、隣接する共振回路間の信号伝達経路の両側にグランドビアが配置されている。このような構成とすることによって、フィルタ装置の小型化に伴うフィルタ特性の低下を抑制することができる。
【0076】
なお、変形例3における「平板電極PG1」および「平板電極PG2」は、本開示における「第1電極」および「第2電極」にそれぞれ対応する。変形例3における「グランドビアVG11~VG13」は、本開示における「第1グランドビア」~「第3グランドビア」にそれぞれ対応し、包括的に本開示における「接続電極」に対応する。変形例3における「キャパシタ電極P12」,「キャパシタ電極P13」,「キャパシタ電極P14」は、本開示における「第1キャパシタ電極」~「第3キャパシタ電極」にそれぞれ対応する。変形例3における「インダクタビアV12」,「インダクタビアV13」,「インダクタビアV14」は、本開示における「第1インダクタビア」~「第3インダクタビア」にそれぞれ対応する。
【0077】
(b)変形例4
変形例4においては、共振回路が2段の場合の例について説明する。図13は、変形例4のLCフィルタ100Eの平面図である。LCフィルタ100Eは、変形例3で示したLCフィルタ100Dを2段の共振回路とした構成となっている。より具体的には、LCフィルタ100Eは、インダクタビアV21を含む第1共振回路RC1Eと、インダクタビアV22を含む第2共振回路RC2Eとを備えている。インダクタビアV21およびインダクタビアV22の各々は、一方端が平板電極PG1に接続されており、他方端が変形例3と同様にキャパシタ電極(図示せず)に接続されている。
【0078】
積層体110を積層方向から平面視した場合に、インダクタビアV21,V22は矩形の平板電極PG1の一方の対角線の隅に配置されている。また、グランドビアVG21、VG22は、平板電極PG1の他方の対角線の隅に配置されている。言い換えれば、グランドビアVG21およびインダクタビアV22は、積層体110の側面113に沿って配置されている。また、インダクタビアV21およびグランドビアVG22は、積層体110の側面114に沿って配置されている。インダクタビアV21,V22を結ぶ仮想線と、グランドビアVG21、VG22を結ぶ仮想線とが交差するように、インダクタビアV21,V22およびグランドビアVG21、VG22が配置されている。
【0079】
入力端子T1に供給された高周波信号は、第1共振回路RC1Eから平板電極PG1を通って第2共振回路RC2Eへと伝達され(矢印AR21)、出力端子T2から出力される。
【0080】
変形例4のLCフィルタ100Eにおいては、平板電極PG1と平板電極PG2とがグランドビアによって接続されている。また、隣接する共振回路間の信号伝達経路の両側にグランドビアが配置されている。このような構成とすることによって、フィルタ装置の小型化に伴うフィルタ特性の低下を抑制することができる。
【0081】
なお、変形例4における「グランドビアVG21」および「グランドビアVG22」は、本開示における「第1グランドビア」および「第2グランドビア」にそれぞれ対応し、包括的に本開示における「接続電極」に対応する。変形例4における「インダクタビアV21」および「インダクタビアV22」は、本開示における「第1インダクタビア」および「第2インダクタビア」にそれぞれ対応する。
【0082】
(c)変形例5
図14は、変形例5のLCフィルタ100Fの平面図である。LCフィルタ100Fは、変形例3のLCフィルタ100Dの構成にさらにもう1段共振回路を追加した、4段の共振回路を含む構成を有している。
【0083】
より具体的には、LCフィルタ100Fは、インダクタビアV31を含む第1共振回路RC1Fと、インダクタビアV32を含む第2共振回路RC2Fと、インダクタビアV33を含む第3共振回路RC3Fと、インダクタビアV34を含む第4共振回路RC4Fとを備えている。なお、図14には図示されていないが、各インダクタビアには、キャパシタ電極が接続されている。
【0084】
積層体110を積層方向から平面視した場合に、グランドビアVG31,VG33およびインダクタビアV32,V34は、積層体110の側面113に沿ってX軸の正方向に、グランドビアVG31、インダクタビアV32、グランドビアVG33、およびインダクタビアV34の順に配置されている。また、グランドビアVG32,VG34およびインダクタビアV31,V33は、積層体110の側面114に沿ってX軸の正方向に、インダクタビアV31、グランドビアVG32、インダクタビアV33、およびグランドビアVG34の順に配置されている。
【0085】
入力端子T1に供給された高周波信号は、図14における矢印AR31~AR33で示されるように、第1共振回路RC1F、第2共振回路RC2F、第3共振回路RC3Fおよび第4共振回路RC4Fの順に伝達されて、出力端子T2から出力される。グランドビアVG31~VG34は、平板電極PG1における信号の伝達経路(矢印AR31~AR33)の両側に配置されている。
【0086】
変形例5のLCフィルタ100Fにおいては、平板電極PG1と平板電極PG2とがグランドビアによって接続されている。また、隣接する共振回路間の信号伝達経路の両側にグランドビアが配置されている。このような構成とすることによって、フィルタ装置の小型化に伴うフィルタ特性の低下を抑制することができる。
【0087】
なお、変形例5における「グランドビアVG31~VG33」は、本開示における「第1グランドビア」~「第3グランドビア」にそれぞれ対応する。また、変形例5における「グランドビアVG31~VG34」は、包括的に本開示における「接続電極」に対応する。変形例5における「インダクタビアV31~V33」は、本開示における「第1インダクタビア」~「第3インダクタビア」にそれぞれ対応する。
【0088】
(d)変形例6
図15は、変形例6のLCフィルタ100Gの平面図である。LCフィルタ100Gは、変形例5のLCフィルタ100Fの構成にさらにもう1段共振回路を追加した、5段の共振回路を含む構成を有している。
【0089】
より具体的には、LCフィルタ100Gは、インダクタビアV41を含む第1共振回路RC1Gと、インダクタビアV42を含む第2共振回路RC2Gと、インダクタビアV43を含む第3共振回路RC3Gと、インダクタビアV44を含む第4共振回路RC4Gと、インダクタビアV45を含む第5共振回路RC5Gとを備えている。なお、図15には図示されていないが、各インダクタビアには、キャパシタ電極が接続されている。
【0090】
積層体110を積層方向から平面視した場合に、グランドビアVG41,VG43,VG45およびインダクタビアV42,V44は、積層体110の側面113に沿ってX軸の正方向に、グランドビアVG41、インダクタビアV42、グランドビアVG43、インダクタビアV44、およびグランドビアVG45の順に配置されている。また、グランドビアVG42,VG44およびインダクタビアV41,V43,V45は、積層体110の側面114に沿ってX軸の正方向に、インダクタビアV41、グランドビアVG42、インダクタビアV43、グランドビアVG44、およびインダクタビアV45の順に配置されている。
【0091】
入力端子T1に供給された高周波信号は、図15における矢印AR41~AR44で示されるように、第1共振回路RC1G、第2共振回路RC2G、第3共振回路RC3G、第4共振回路RC4Gおよび第5共振回路RC5Gの順に伝達されて、出力端子T2から出力される。グランドビアVG41~VG45は、平板電極PG1における信号の伝達経路(矢印AR41~AR44)の両側に配置されている。
【0092】
変形例6のLCフィルタ100Gにおいては、平板電極PG1と平板電極PG2とがグランドビアによって接続されている。また、隣接する共振回路間の信号伝達経路の両側にグランドビアが配置されている。このような構成とすることによって、フィルタ装置の小型化に伴うフィルタ特性の低下を抑制することができる。
【0093】
なお、変形例6における「グランドビアVG41~VG43」は、本開示における「第1グランドビア」~「第3グランドビア」にそれぞれ対応する。変形例6における「グランドビアVG41~VG45」は、包括的に本開示における「接続電極」に対応する。変形例6における「インダクタビアV41~V43」は、本開示における「第1インダクタビア」~「第3インダクタビア」にそれぞれ対応する。
【0094】
[実施の形態3]
実施の形態3においては、上述の実施の形態1のLCフィルタおよび実施の形態2のLCフィルタの中間的な特性を有するLCフィルタの構成の例について説明する。
【0095】
図16は、実施の形態3に従うLCフィルタ100Hの分解斜視図である。図16を参照して、LCフィルタ100Hは、複数の誘電体層LY1~LY8が積層された積層体110で形成されており、略直方体の外形を有している。積層体110の上面111(第1層LY1)には、方向を表わす方向性マークDMが付されている。積層体110の下面112(第8層LY8)には、外部機器と接続するための入力端子T1、出力端子T2および接地端子GNDが配置されている。
【0096】
LCフィルタ100Hは、実施の形態1のLCフィルタ100および変形例5のLCフィルタ100Fと同様に、4段の共振回路を有している。より具体的には、インダクタビアV51およびキャパシタ電極P51で形成された第1共振回路RC1Hと、インダクタビアV52およびキャパシタ電極P52で形成された第2共振回路RC2Hと、インダクタビアV53およびキャパシタ電極P53で形成された第3共振回路RC3Hと、インダクタビアV54およびキャパシタ電極P54で形成された第4共振回路RC4Hとを含む。
【0097】
第1共振回路RC1Hのキャパシタ電極P51および第4共振回路RC4Hのキャパシタ電極P54は、第6層LY6に形成されている。キャパシタ電極P51およびキャパシタ電極P54は、第5層LY5に形成された平板電極PG2Aとの間でキャパシタを形成する。
【0098】
キャパシタ電極P51は、ビアV5A,V5Bを介して入力端子T1に接続されている。キャパシタ電極P51は、インダクタビアV51を介して、第2層LY2に形成された平板電極PG1Aに接続されている。キャパシタ電極P54は、ビアV5C,V5Dを介して出力端子T2に接続されている。キャパシタ電極P54は、インダクタビアV54を介して、平板電極PG1Aに接続されている。
【0099】
キャパシタ電極P51およびキャパシタ電極P54は、略C字形状に形成されており、一方端にインダクタビアが接続され、他方端に外部端子(入力端子T1,出力端子T2)に接続するためのビアが接続されている。キャパシタ電極P51およびキャパシタ電極P54をこのような形状に形成し、外部端子に接続されるビアと、インダクタビアとの間に接続経路を設けることによって、インピーダンスを高くすることができる。
【0100】
第2共振回路RC2Hのキャパシタ電極P52および第3共振回路RC3Hのキャパシタ電極P53は、第4層LY4に形成されている。キャパシタ電極P52およびキャパシタ電極P53は、第5層LY5に形成された平板電極PG2Aとの間でキャパシタを形成する。キャパシタ電極P52は、インダクタビアV52を介して、平板電極PG1Aに接続されている。キャパシタ電極P53は、インダクタビアV53を介して平板電極PG1Aに接続されている。
【0101】
このように、4つの共振回路RC1H~RC4Hは、第2層LY2に形成された平板電極PG1Aに共通に接続されている。平板電極PG1Aは、4本のグランドビアVG51~VG54によって、第5層LY5の平板電極PG2Aに接続されている。平板電極PG2Aは、ビアVG5A,VG5Bを介して、第8層LY8に形成された接地端子GNDに接続されている。
【0102】
第3層LY3には、キャパシタ電極P5A,P5Bが形成されている。キャパシタ電極P5Aは、第1共振回路RC1HのインダクタビアV51と接続されている。また、キャパシタ電極P5Aは、第4層LY4に形成された第2共振回路RC2Hのキャパシタ電極P52と対向している。したがって、キャパシタ電極P5Aおよびキャパシタ電極P52によって、第1共振回路RC1Hと第2共振回路RC2Hとの間の容量結合が形成される。
【0103】
キャパシタ電極P5Bは、第4共振回路RC4HのインダクタビアV54と接続されている。また、キャパシタ電極P5Bは、第4層LY4に形成された第3共振回路RC3Hのキャパシタ電極P53と対向している。したがって、キャパシタ電極P5Bおよびキャパシタ電極P53によって、第3共振回路RC3Hと第4共振回路RC4Hとの間の容量結合が形成される。
【0104】
第7層LY7には、キャパシタ電極P5Cが形成されている。キャパシタ電極P5Cは、第6層LY6のキャパシタ電極P51,P54に対向している。これによって、第1共振回路RC1Hと第4共振回路RC4Hとの間の容量結合が形成される。
【0105】
図17は、図16における積層体110の第2層LY2を、積層方向から平面視したときの平面図である。図17を参照して、上述のように、LCフィルタ100Hの第2層LY2に形成された平板電極PG1Aには、インダクタビアV51~V54およびグランドビアVG51~VG54が接続されている。積層体110の側面113に沿ってX軸方向に、インダクタビアV51、グランドビアVG52、グランドビアVG53、およびインダクタビアV54の順に配置されている。また、積層体110の側面114に沿ってX軸方向に、グランドビアVG51、インダクタビアV52、インダクタビアV53、グランドビアVG54の順に配置されている。
【0106】
入力端子T1に供給された高周波信号は、図17における矢印AR51~AR53で示されるように、第1共振回路RC1H、第2共振回路RC2H、第3共振回路RC3Hおよび第4共振回路RC4Hの順に伝達されて、出力端子T2から出力される。インダクタビアV51からインダクタビアV52への伝達経路(矢印AR51)の両側には、グランドビアVG51,VG52が配置されており、インダクタビアV53からインダクタビアV54への伝達経路(矢印AR53)の両側には、グランドビアVG53,VG54が配置されている。そのため、矢印AR51,AR53の伝達経路で信号が伝達される際には、信号の一部がグランドビアVG51~VG54へと漏洩する。これによって、第1共振回路RC1Hと第2共振回路RC2Hとの間の結合度、および、第3共振回路RC3Hと第4共振回路RC4Hとの間の結合度が若干弱められる。
【0107】
一方で、インダクタビアV52およびインダクタビアV53は、側面114に沿って互いに隣接して配置されており、インダクタビアV52からインダクタビアV53への信号の伝達経路(矢印AR52)に交差する位置には、グランドビアが配置されていない。そのため、第2共振回路RC2Hと第3共振回路RC3Hとの間の結合度は、第1共振回路RC1Hと第2共振回路RC2Hとの間の結合度、および、第3共振回路RC3Hと第4共振回路RC4Hとの間の結合度よりも大きくなる。すなわち、実施の形態1のLCフィルタ100よりも共振回路間の結合は弱まるが、変形例5のLCフィルタ100Fよりも共振回路間の結合は強くなる。したがって、実施の形態3のLCフィルタ100Hは、LCフィルタ100およびLCフィルタ100Fの間の中間的な通過特性となる。
【0108】
図18は、図16で示したLCフィルタ100Hの等価回路図である。なお、図18の等価回路は、実施の形態1で説明した図3の等価回路図と類似しているが、第1共振回路RC1Hと第3共振回路RC3Hとの間の容量結合、第2共振回路RC2Hと第3共振回路RC3Hとの間の容量結合、および、第2共振回路RC2Hと第4共振器RC4Hとの間の容量結合は含まれていない。
【0109】
LCフィルタ100Hにおいては、図3と同様に、各共振回路に含まれるインダクタビアV51~V54(図18のインダクタL1~L4にそれぞれ対応)が、共通の平板電極PG1Aに接続されており、当該平板電極PG1Aが、グランドビアVG51~VG54(包括して、図18のインダクタLGに対応)を介して、接地端子GNDに接続された平板電極PG2Aと接続されている。
【0110】
実施の形態3のLCフィルタ100Hにおいても、平板電極PG1A,PG2Aを接続するための接続電極が、側面電極ではなくビアで形成される構成となっている。そのため、接続電極と共振回路間の結合を低減できフィルタ損失を改善できる。また、平板電極PG1Aにおける信号の伝達において、共振回路同士の結合を部分的に低減できるので、非通過帯域における減衰特性を向上させることができる。
【0111】
次に、図19を用いて実施の形態3のLCフィルタ100Hのフィルタ特性について説明する。図19においては、横軸には周波数が示されており、縦軸には挿入損失(実線LN40)および反射損失(破線LN41)が示されている。
【0112】
図19を参照して、通過帯域内(8000MHz~9000MHz)においては、挿入損失は5dB以下となっており、反射損失についても15dB以下が実現されている。また、通過帯域近傍の非通過帯域における減衰特性については、特に通過帯域よりも低周波数側において30dB以上の減衰が実現できている。
【0113】
このように、実施の形態3のLCフィルタ100Hのような構成においても、平板電極PG1Aと平板電極PG2Aとビアによって接続されており、さらに、隣接する共振回路間の信号伝達経路の一部において両側にグランドビアが配置されている。このような構成とすることによって、フィルタ装置の小型化に伴うフィルタ特性の低下を抑制することができる。
【0114】
なお、実施の形態3における「平板電極PG1A」および「平板電極PG2A」は、本開示における「第1電極」および「第2電極」にそれぞれ対応する。実施の形態3における「グランドビアVG51」および「グランドビアVG52」は、本開示における「第1グランドビア」および「第2グランドビア」にそれぞれ対応する。実施の形態3における「グランドビアVG51~VG54」は、包括的に本開示における「接続電極」に対応する。実施の形態3における「キャパシタ電極P51」および「キャパシタ電極P52」は、本開示における「第1キャパシタ電極」および「第2キャパシタ電極」にそれぞれ対応する。実施の形態3における「インダクタビアV51」および「インダクタビアV52」は、本開示における「第1インダクタビア」および「第2インダクタビア」にそれぞれ対応する。実施の形態3における「側面114」および「側面113」は、本開示における「第1側面」および「第2側面」にそれぞれ対応する。
【0115】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
100,100A~100H,100# フィルタ、110 積層体、C1~C4,C12~C14,C23,C34 キャパシタ、DM 方向性マーク、GND 接地端子、L1~L4,LG インダクタ、LY1~LY8 誘電体層、P1~P4,P2B,P11~P15,P51~P54,P5A~P5C キャパシタ電極、P11A,P11B,P15A,P15B,PA1,PA2 配線電極、PG1,PG1A,PG2,PG2A 平板電極、PGA,PGB 側面電極、RC1,RC1C~RC1H,RC2,RC2B~RC2H,RC3,RC3C,RC3D,RC3F,RC3G,RC3H,RC4,RC4C,RC4F,RC4G,RC4H,RC5C,RC5G 共振回路、T1 入力端子、T2 出力端子、V1A,V4A,V11A,V15A,V5A~V5D,VG5A,VG5B ビア、V1~V4,V2B,V11~V15,V21,V22,V31~V34,V41~V45,V51~V54 インダクタビア、VG1~VG4,VG11~VG13,VG21,VG22,VG31~VG34,VG41~VG45,VG51~VG54 グランドビア。
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