(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】シート搬送装置及びシート後処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/60 20060101AFI20240123BHJP
B65H 29/58 20060101ALI20240123BHJP
B65H 45/18 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B65H29/60 C
B65H29/58 B
B65H45/18
(21)【出願番号】P 2022579507
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 JP2022003294
(87)【国際公開番号】W WO2022168751
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2021016541
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021187067
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 正尚
(72)【発明者】
【氏名】村田 耕治
【審査官】久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-17207(JP,A)
【文献】特開2012-30923(JP,A)
【文献】特開2019-64836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/60
B65H 29/58
B65H 45/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが搬送される第1シート搬送路と、
前記第1シート搬送路上の分岐部から分岐して前記第1シート搬送路に対して交差する方向に延び、前記シートが搬送される第2シート搬送路と、
前記分岐部において前記シートの搬送方向を切り替える切替ガイドと、
前記第1シート搬送路のシート搬送方向に対して前記分岐部の上流側に配置され、前記分岐部に向かって前記シートを搬送する送りローラー対と、
前記第1シート搬送路のシート搬送方向に対して前記送りローラー対の下流側、且つ前記分岐部の上流側において互いに対向配置された第1ローラー及び第2ローラーで構成され、前記第1シート搬送路上の前記シートを搬送する第1搬送ローラー対と、
前記第2シート搬送路のシート搬送方向に対して前記分岐部の下流側において互いに対向配置された前記第1ローラー及び第3ローラーで構成され、前記切替ガイドによって前記第1シート搬送路から前記第2シート搬送路に搬送方向が切り替えられた前記シートを前記分岐部から離れる方向に搬送する第2搬送ローラー対と、
前記第2ローラーを前記第1ローラーに対して接近、離間させる接離機構と、
前記送りローラー対、前記第1搬送ローラー対、前記第2搬送ローラー対、前記切替ガイド及び前記接離機構の駆動を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記分岐部において前記第1シート搬送路のシート搬送方向上流側から前記第2シート搬送路に向けて前記シートを搬送する場合に、前記切替ガイドを所定位置に配置し、前記接離機構によって前記第2ローラーを前記第1ローラーに対して離間させ、前記シートを前記送りローラー対によって搬送することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記分岐部において前記第1シート搬送路のシート搬送方向上流側から前記第2シート搬送路に向けて前記シートを搬送する場合に、前記第2シート搬送路のシート搬送方向に対して前記シートの下流端が前記第2搬送ローラー対のニップ部を通過し、前記シートの上流端が前記ニップ部に到達した後、前記接離機構によって前記第2ローラーを前記第1ローラーに対して離間させることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記分岐部を含む領域に配置され、前記シートに折り処理を施すシート折り部を備え、 前記シート折り部は、前記第1搬送ローラー対と、前記第2搬送ローラー対と、前記切替ガイドと、を含み、
前記第2搬送ローラー対は、第1折りニップ部を形成し、前記第1シート搬送路上の前記シートに前記折り処理を施して前記第2シート搬送路へ搬送する第1折りローラー対であり、
前記切替ガイドは、前記分岐部において前記第1折りニップ部と対向配置されて前記第1シート搬送路上を搬送される前記シートを前記第1折りニップ部に導く折りブレードであることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記第1折りローラー対は、前記第3ローラーである第1折りローラーと、前記第1ローラーである第2折りローラーとが接触することにより前記第1折りニップ部を形成することを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記接離機構は、
前記第2ローラーを回転可能に保持するホルダーと、
前記第2ローラーが前記第1ローラーに対して離間する方向に前記ホルダーを付勢する付勢部材と、
前記ホルダーに接触し、前記付勢部材の付勢力に抗して回転して前記第2ローラーが前記第1ローラーに接近する方向に前記ホルダーを移動させる偏心カムと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記第1折りローラーは、軸方向と直交する径方向に移動不能に支持され、
前記第2折りローラーは、前記径方向に移動可能に支持され、前記第1折りローラーに向かって付勢されて接触することにより、前記第1折りニップ部を形成することを特徴とする請求項4に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記第2折りローラーを回転駆動させる駆動部を更に備えることを特徴とする請求項6に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記第2シート搬送路から分岐して前記第2シート搬送路に対して交差する方向に延びる折り搬送路を更に備え、
前記シート折り部は、第2折りニップ部を形成し、前記第2シート搬送路上の前記シートに前記折り処理を施して前記折り搬送路へ搬送する第2折りローラー対を備え、
前記第2折りローラー対は、前記第1折りローラーと、前記第1折りローラーに向かって付勢されて接触することにより前記第2折りニップ部を形成する第3折りローラーと、によって構成されることを特徴とする請求項6に記載のシート搬送装置。
【請求項9】
前記第1折りローラー、前記第2折りローラー及び前記第3折りローラーは、シート搬送時及び折り処理時において、一方向にのみ回転することを特徴とする請求項6に記載のシート搬送装置。
【請求項10】
請求項1に記載のシート搬送装置を備えることを特徴とするシート後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置、及びそのシート搬送装置を備えた、画像形成装置によって画像形成された後のシートに対して後処理を施すシート後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートを搬送するシート搬送装置は、例えばシートの搬送先を複数有するとともに、シートの搬送先を変えるための分岐部を有することがある。このようなシート搬送装置に係る従来技術の一例が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された従来の後処理装置は、装置内に用紙が搬入される導入口と、導入口から略水平にメイントレイまで延びる搬送路と、当該搬送路から略直角に下方向に分岐し、ベルトトレイが位置する方向に向かって延びる搬送路と、これら2つの搬送路が分岐する箇所に配置された揺動爪と、を有する。揺動爪は、回動することによって、用紙の搬送路を切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術において、導入口から略水平に延びる搬送路から、揺動爪によって略直角に下方向に搬送路が切り替えられる場合、用紙は湾曲しながら搬送される。この構成において、例えば厚紙である用紙を搬送した場合、湾曲することで用紙に強固なカールが生じるという課題があった。強固なカールが生じることで用紙の品質が低下したり、用紙のジャムが発生したりする虞があった。そして、このような用紙のカールを回避するためには、湾曲する用紙の内側に配置されたローラーの直径を大きくすることが考えられ、装置が大型化することが懸念された。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、小型化が図られた構成であって、シートの搬送方向を切り替える場合に、シートにカールが生じることを回避することが可能なシート搬送装置及びシート後処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のシート搬送装置は、第1シート搬送路と、第2シート搬送路と、切替ガイドと、送りローラー対と、第1搬送ローラー対と、第2搬送ローラー対と、接離機構と、制御部と、を備える。前記第1シート搬送路は、シートが搬送される。前記第2シート搬送路は、前記第1シート搬送路上の分岐部から分岐して前記第1シート搬送路に対して交差する方向に延び、前記シートが搬送される。前記切替ガイドは、前記分岐部において前記シートの搬送方向を切り替える。前記送りローラー対は、前記第1シート搬送路のシート搬送方向に対して前記分岐部の上流側に配置され、前記分岐部に向かって前記シートを搬送する。前記第1搬送ローラー対は、前記第1シート搬送路のシート搬送方向に対して前記送りローラー対の下流側、且つ前記分岐部の上流側において互いに対向配置された第1ローラー及び第2ローラーで構成され、前記第1シート搬送路上の前記シートを搬送する。前記第2搬送ローラー対は、前記第2シート搬送路のシート搬送方向に対して前記分岐部の下流側において互いに対向配置された前記第1ローラー及び第3ローラーで構成され、前記切替ガイドによって前記第1シート搬送路から前記第2シート搬送路に搬送方向が切り替えられた前記シートを前記分岐部から離れる方向に搬送する。前記接離機構は、前記第2ローラーを前記第1ローラーに対して接近、離間させる。前記制御部は、前記送りローラー対、前記第1搬送ローラー対、前記第2搬送ローラー対、前記切替ガイド及び前記接離機構の駆動を制御する。前記制御部は、前記分岐部において前記第1シート搬送路のシート搬送方向上流側から前記第2シート搬送路に向けて前記シートを搬送する場合に、前記切替ガイドを所定位置に配置し、前記接離機構によって前記第2ローラーを前記第1ローラーに対して離間させ、前記シートを前記送りローラー対によって搬送する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成によれば、第2ローラーが第1ローラーに対して離間するので、分岐部において第1シート搬送路のシート搬送方向上流側から第2シート搬送路に向かうシートの曲率半径を大きくすることができる。すなわち、シート搬送装置は、小型化が図られた構成であって、シートの搬送方向を切り替える場合に、シートにカールが生じることを回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態のシート後処理装置の構成を示す概略断面正面図である。
【
図2】
図1のシート後処理装置のシート搬送装置周辺の部分断面正面図である。
【
図3】
図2のシート搬送装置の第1搬送ローラー対周辺の断面正面図であって、第1搬送ローラー対が搬送ニップ部を形成している状態を示す図である。
【
図4】
図2のシート搬送装置の第1搬送ローラー対周辺の断面正面図であって、第1搬送ローラー対の2つのローラーを離間させた状態を示す図である。
【
図5】
図2のシート搬送装置周辺を示す断面正面図であって、第1シート搬送路のシート搬送方向上流側からから第2シート搬送路に向けてシートを搬送している状態を示す図である。
【
図6】
図2のシート折り部の部分断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0011】
図1は、実施形態のシート後処理装置1の構成を示す概略断面正面図である。シート後処理装置1は、例えば画像形成装置(不図示)の側面に対して着脱可能に連結される。シート後処理装置1は、画像形成装置によって画像形成(印刷)された後のシートに対して後処理を行う。
【0012】
シート後処理装置1は、
図1に示すように、シート搬入口2と、第1シート搬送路3と、第1シート排出部4と、第2シート搬送路5と、第3シート搬送路6と、第2シート排出部7と、第4シート搬送路8と、第3シート排出部9と、後処理部11と、後処理制御部12と、シート搬送装置20と、を備える。
【0013】
シート搬入口2は、シート後処理装置1の、画像形成装置(不図示)と対向する側面に設けられ、開口する。画像形成装置からシート後処理装置1に向けて搬送されたシートは、シート搬入口2を通ってシート後処理装置1の内部に搬入される。
【0014】
第1シート搬送路3は、シート搬入口2から第1シート排出部4まで、画像形成装置から離れる方向(
図1における左方向)に略水平方向に延びる。なお、この説明において、シート搬入口2から第1シート排出部4に向かう方向を、第1シート搬送路3におけるシート搬送方向と呼ぶ。シート搬入口2は、第1シート搬送路3のシート搬送方向の上流端に位置する。
【0015】
第1シート搬送路3には、後述する第1搬送ローラー対50と、複数の送りローラー対3r1、3r2(
図1及び
図2参照)とが配置される。第1搬送ローラー対50及び送りローラー対3r1、3r2は、シート搬入口2からシート後処理装置1内に搬入されたシートを、第1シート搬送路3上において搬送する。なお、第1シート搬送路3上の送りローラー対は、第1シート搬送路3のシート搬送方向に対して第1分岐部(分岐部)31の上流側に配置され、第1分岐部31に向かってシートを搬送する送りローラー対3r1(
図1参照)と、第1分岐部31の下流側に配置された3r2(
図2参照)とを含む。
【0016】
第1シート排出部4は、シート後処理装置1の、画像形成装置と対向する側面に対して反対側の側面に設けられる。第1シート排出部4は、第1シート搬送路3のシート搬送方向下流端に配置される。第1シート排出部4は、第1排出口41と、第1排出ローラー対42と、第1排出トレイ43と、を有する。
【0017】
第1排出口41は、第1シート搬送路3のシート搬送方向の下流端に位置する。第1排出ローラー対42は、第1排出口41に配置される。第1排出トレイ43は、第1排出口41のシート搬送方向の下流側に位置する。第1シート搬送路3を搬送され、第1排出口41に到達したシートは、第1排出ローラー対42によって、第1排出口41を通して第1排出トレイ43上に排出される。第1排出トレイ43は、シート後処理装置1によって後処理が施されたシートの最終的な排出場所の1つである。
【0018】
第2シート搬送路5は、第1シート搬送路3上の第1分岐部(分岐部)31から分岐する。第1分岐部31は、穿孔部111に対して、第1シート搬送路3におけるシート搬送方向下流側に配置される。第2シート搬送路5は、第1シート搬送路3に対して交差する方向に延びる。詳細に言えば、第2シート搬送路5は、略水平方向に延びる第1シート搬送路3に対し、第1シート搬送路3上の第1分岐部31から略直角に下方向に延びる。なお、この説明において、第1分岐部31から下方向に離れていく方向を、第2シート搬送路5におけるシート搬送方向と呼ぶ。第1分岐部31は、第2シート搬送路5のシート搬送方向の上流端に位置する。第2シート搬送路5は、後述する第1折りローラー対(第2搬送ローラー対)103が配置される。
【0019】
第1分岐部31は、第1切替ガイド(切替ガイド)311を有する。第1切替ガイド311は、シート搬入口2側から第1シート搬送路3上を搬送されるシートを第1排出口41側に導く第1位置と、シート搬入口2側から第1シート搬送路3上を搬送されるシートを第2シート搬送路5に導く第2位置と、に往復移動する。第1切替ガイド(切替ガイド)311は、第1分岐部(分岐部)31においてシートの搬送方向を切り替える。
【0020】
第3シート搬送路6は、第1シート搬送路3上の第2分岐部32から分岐して第2シート排出部7まで、画像形成装置から離れる方向(
図1における左方向)に横方向に、且つ上方向に延びる。第2分岐部32は、第1分岐部31に対して、第1シート搬送路3におけるシート搬送方向下流側に配置される。なお、この説明において、第2分岐部32から第2シート排出部7に向かう方向を、第3シート搬送路6におけるシート搬送方向と呼ぶ。第2分岐部32は、第3シート搬送路6のシート搬送方向の上流端に位置する。第3シート搬送路6は、複数の送りローラー対6rが配置され、第2分岐部32において第1シート搬送路3から離れたシートを、シート搬送方向の下流側に向けて搬送する。
【0021】
第2分岐部32は、第2切替ガイド321を有する。第2切替ガイド321は、シート搬入口2側から第1シート搬送路3上を搬送されるシートを第1排出口41に導く第1位置と、シート搬入口2側から第1シート搬送路3上を搬送されるシートを第3シート搬送路6に導く第2位置と、に回動する。
【0022】
第2シート排出部7は、シート後処理装置1の、画像形成装置と対向する側面に対して反対側の側面であって、第1シート排出部4の上側に設けられる。第2シート排出部7は、第3シート搬送路6のシート搬送方向下流端に配置される。第2シート排出部7は、第2排出口71と、第2排出ローラー対72と、第2排出トレイ73と、を有する。
【0023】
第2排出口71は、第3シート搬送路6のシート搬送方向の下流端に位置する。第2排出ローラー対72は、第2排出口71に配置される。第2排出トレイ73は、第2排出口71のシート搬送方向の下流側に位置する。第3シート搬送路6を搬送され、第2排出口71に到達したシートは、第2排出ローラー対72によって、第2排出口71を通して第2排出トレイ73上に排出される。第2排出トレイ73は、シート後処理装置1によって後処理が施されたシートの最終的な排出場所の1つである。
【0024】
第4シート搬送路8は、第1シート搬送路3上の第3分岐部33から分岐して第3シート排出部9まで、下方向に延びる。なお、この説明において、第3分岐部33から第3シート排出部9に向かう方向を、第4シート搬送路8におけるシート搬送方向と呼ぶ。第3分岐部33は、第1シート搬送路3上の第2分岐部32よりシート搬送方向の下流側に位置し、第4シート搬送路8のシート搬送方向の上流端に位置する。第4シート搬送路8は、複数の送りローラー対8rを有し、第3分岐部33において第1シート搬送路3から離れたシートを、シート搬送方向の下流側に向けて搬送する。
【0025】
第3分岐部33は、第3切替ガイド331を有する。第3切替ガイド331は、シート搬入口2側から第1シート搬送路3上を搬送されるシートを第1排出口41に導く第1位置と、シート搬入口2側から第1シート搬送路3上を搬送されて第3分岐部33を通過し、スイッチバックしたシートを第4シート搬送路8に導く第2位置と、に回動する。
【0026】
第3シート排出部9は、シート後処理装置1の、画像形成装置と対向する側面に対して反対側の側面であって、第1シート排出部4の下側に設けられる。言い換えれば、第3シート排出部9は、シート後処理装置1の底部付近に配置される。第3シート排出部9は、第3排出口91と、第3排出ローラー対92と、第3排出トレイ93と、を有する。
【0027】
第3排出口91は、第4シート搬送路8のシート搬送方向の下流端に位置する。第3排出ローラー対92は、第3排出口91に配置される。第3排出トレイ93は、第3排出口91のシート搬送方向の下流側に位置する。第4シート搬送路8を搬送され、第3排出口91に到達したシートは、第3排出ローラー対92によって、第3排出口91を通して第3排出トレイ93上に排出される。第3排出トレイ93は、シート後処理装置1によって後処理が施されたシートの最終的な排出場所の1つである。
【0028】
後処理部11は、画像形成装置によって画像形成され、シート後処理装置1内に搬入されたシートに対して所定の後処理を施す。後処理部11は、穿孔部111と、ステープル部112と、シート折り部100と、製本部114と、を含む。
【0029】
穿孔部111は、第1シート搬送路3の、シート搬入口2のすぐ下流側に配置される。穿孔部111は、第1シート搬送路3上を搬送されるシートに対して穿孔処理を施し、パンチ穴を形成することができる。
【0030】
ステープル部112は、第1シート搬送路3のシート搬送方向下流部であって、第1シート排出部4の近傍に配置される。ステープル部112は、複数枚のシートをスタックして形成したシート束に対してステープル処理(綴じ処理)を施し、シート束を綴じることができる。
【0031】
シート折り部100は、第1シート搬送路3の、穿孔部111より下流側であって、ステープル部112より上流側に配置される。言い換えれば、シート折り部100は、第1分岐部31を含む領域に配置される。シート折り部100は、1枚のシートに対して折り処理を施し、折り目を形成することができる。シート折り部100は、1枚のシートに対し、例えば2つ折り、Z折り、外3つ折り、内3つ折り、4つ折り等の折り処理を施すことができる。
【0032】
製本部114は、第4シート搬送路8のシート搬送方向下流部であって、第3シート排出部9の近傍に配置される。製本部114は、複数枚のシートをスタックして形成したシート束に対し、シート搬送方向の略中央部を折り曲げて綴じる中折り処理及び中綴じ処理を施し、冊子を形成することができる。
【0033】
後処理制御部12は、CPU、画像処理部、記憶部、並びにその他の電子回路及び電子部品を含む(いずれも不図示)。後処理制御部12は、画像形成装置(不図示)の本体制御部と通信可能に接続される。後処理制御部12は、本体制御部から指令を受け、CPUを用いて記憶部に記憶された制御用のプログラムやデータに基づき、シート後処理装置1に設けられた各構成要素の動作を制御してシート後処理装置1の機能に係る処理を行う。第1シート搬送路3、第1シート排出部4、第2シート搬送路5、第3シート搬送路6、第2シート排出部7、第4シート搬送路8、第3シート排出部9、及び後処理部11のそれぞれは、後処理制御部12から個別に指令を受け、連動してシートに後処理を施す。なお、後処理制御部12の機能は、画像形成装置の本体制御部が有することにしても良い。
【0034】
シート搬送装置20は、第1シート搬送路3と、第1分岐部31と、第2シート搬送路5と、を含む領域に配置される。
【0035】
続いて、シート搬送装置20の構成及び動作について詳細に説明する。
図2は、
図1のシート後処理装置1のシート搬送装置20周辺の部分断面正面図である。シート搬送装置20は、第1シート搬送路3と、第2シート搬送路5と、第1切替ガイド(切替ガイド)311と、送りローラー対3r1と、第1搬送ローラー対50と、第1折りローラー対(第2搬送ローラー対)103と、接離機構60と、シート折り部100と、を備える。なお、本実施形態において、シート搬送装置20の駆動は、後処理制御部12によって実現されるが、シート搬送装置20が独自に制御部を備えることにしても良い。
【0036】
第1搬送ローラー対50は、第1シート搬送路3のシート搬送方向に対し、送りローラー対3r1の下流側、且つ第1分岐部31の上流側に配置される。第1搬送ローラー対50は、第1シート搬送路3上のシートを搬送する。
【0037】
第1搬送ローラー対50は、互いに対向配置された第1ローラー51及び第2ローラー52によって構成される。本実施形態において、第1ローラー51は、第1シート搬送路3の下側であって、第2シート搬送路5に隣接して配置される。第2ローラー52は、第1シート搬送路3の上側であって、第2シート搬送路5に対して第1シート搬送路3を隔てて離して配置される。第1搬送ローラー対50は、接離機構60によって、第2ローラー52が第1ローラー51に向かって付勢されて互いが接触し、搬送ニップ部Ncを形成する。
【0038】
第1ローラー51は、第1分岐部31において第1シート搬送路3から第2シート搬送路5に向かって湾曲するシートSの内側に位置する(
図5参照)。第2ローラー52は、第1分岐部31において第1シート搬送路3から第2シート搬送路5に向かって湾曲するシートSの外側に位置する(
図5参照)。すなわち、第1分岐部31は、第1シート搬送路3から第2シート搬送路5に向かって、シートSが第1ローラー51の周面に沿って湾曲しながら搬送される形状に形成されている。
【0039】
第1折りローラー対103は、第2シート搬送路5のシート搬送方向に対し、第1分岐部31の下流側に配置される。第1折りローラー対103は、互いに対向配置された第1ローラー51及び第1折りローラー(第3ローラー)131で構成される。第1折りローラー対103は、第1切替ガイド311によって第1シート搬送路3から第2シート搬送路5に搬送方向が切り替えられたシートを第1分岐部31から離れる方向に搬送する。
【0040】
接離機構60は、第2ローラー52に隣接して配置される。
図3は、
図2のシート搬送装置20の第1搬送ローラー対50周辺の断面正面図であって、第1搬送ローラー対50が搬送ニップ部Ncを形成している状態を示す図である。
図4は、
図2のシート搬送装置20の第1搬送ローラー対50周辺の断面正面図であって、第1搬送ローラー対50の2つのローラーを離間させた状態を示す図である。接離機構60は、ホルダー61と、付勢部材62と、偏心カム63と、を備える。
【0041】
ホルダー61は、例えばシート搬送方向と直交するシート幅方向に沿って延びる箱形状に形成される。ホルダー61は、第2ローラー52を内部に収容するとともに、第2ローラー52を回転可能に保持する。詳細に言えば、ホルダー61は、第2ローラー52の軸部52xの軸線方向両端部を回転可能に支持する。第2ローラー52の下部周面は、ホルダー61の下部開口部611から下側に露出する。
【0042】
なお、第1搬送ローラー対50に関して、第2ローラー52は、第1ローラー51よりも第1シート搬送路3のシート搬送方向上流側に位置する。言い換えれば、
図3に示すようにシート幅方向の一端側から見て、第1ローラー51の軸部51xの軸線と、第2ローラー52の軸部52xの軸線とを結ぶ直線Lは、第1ローラー51側(下側)から第2ローラー52側(上側)に向かうにつれて第1シート搬送路3のシート搬送方向上流側(
図3の右側)に向かって傾斜している。
【0043】
ホルダー61は、例えばシート後処理装置1のフレームに設けられたガイド部材(不図示)によって、上下方向に移動可能に支持されている。すなわち、第2ローラー52は、ホルダー61とともに、上下方向に移動可能である。
【0044】
付勢部材62は、ホルダー61と、偏心カム63の軸部63xとの間に連結される。なお、付勢部材62は、例えば引張ばねで構成され、ホルダー61が偏心カム63の軸部63xに接近する方向、すなわち
図3及び
図4において上方向に向かってホルダー61を付勢している。言い換えれば、付勢部材62は、第2ローラー52が第1ローラー51に対して離間する方向にホルダー61を付勢している。
【0045】
偏心カム63は、例えばシート幅方向に沿って延びる軸部63xに固定されている。なお、偏心カム63の軸部63xは、例えばシート後処理装置1のフレームに回転可能に支持されている。偏心カム63は、軸部63xとともに、軸部63xの軸線回りに回転する。軸部63xは、モーター等の駆動源(不図示)に連結され、当該駆動源によって回転される。
【0046】
偏心カム63は、ホルダー61に接触する。偏心カム63は、付勢部材62の付勢力に抗して回転し、第2ローラー52が第1ローラー51に接近する方向、すなわち
図3及び
図4において下方向にホルダー61を移動させる。なお、ホルダー61の上限位置及び下限位置は、例えば光センサー(不図示)等によって検知される。
【0047】
接離機構60は、第2ローラー52を上下方向に移動させることができる。言い換えれば、接離機構60は、第1搬送ローラー対50を構成する第1ローラー51及び第2ローラー52を接近、離間させる。接離機構60の駆動は、後処理制御部12によって制御される。
【0048】
図5は、
図2のシート搬送装置20周辺を示す断面正面図であって、第1シート搬送路3のシート搬送方向上流側から第2シート搬送路5に向けてシートSを搬送している状態を示す図である。シート搬送装置20において、後処理制御部12は、第1分岐部31において第1シート搬送路3のシート搬送方向上流側から第2シート搬送路5に向けてシートSを搬送する場合に、第1切替ガイド311を第2位置(所定位置)に配置し、接離機構60によって第2ローラー52を第1ローラー51に対して離間させ、シートを送りローラー対3r1(
図1参照)によって搬送する。
【0049】
詳細に言えば、本実施形態において、後処理制御部12は、第2シート搬送路5へのシートSの搬送指令を受け付けたタイミングで、接離機構60によって第2ローラー52を第1ローラー51に対して離間させる。後処理制御部12は、第1分岐部31において第1シート搬送路3のシート搬送方向上流側から第2シート搬送路5に向けてシートSを搬送するとき、第1分岐部31のシート搬送方向上流側に位置する送りローラー対3r1(
図1参照)のみによってシートSを保持し、搬送する。
【0050】
この構成によれば、第2ローラー52が第1ローラー51に対して離間するので、第1分岐部31において第1シート搬送路3のシート搬送方向上流側から第2シート搬送路5に向かうシートSの曲率半径を大きくすることができる。これにより、シートSにカールが生じることを回避するために、湾曲するシートSの内側に配置された第1ローラー51の直径を大きくする必要が無い。したがって、第1シート搬送路3のシート搬送方向に沿ったシート搬送装置20のサイズ、すなわち
図1及び
図2における左右横方向のシート搬送装置20のサイズが大型化することを防止できる。すなわち、シート搬送装置20は、小型化が図られた構成であって、シートSの搬送方向を切り替える場合に、シートSにカールが生じることを回避することが可能である。
【0051】
なお、詳細に言えば、後処理制御部12は、第1分岐部31において第1シート搬送路3のシート搬送方向上流側から第2シート搬送路5に向けてシートSを搬送する場合に、第2シート搬送路5のシート搬送方向に対してシートの下流端(先端)が第1折りローラー対103の後述する第1折りニップ部N1を通過し、シートの上流端(後端)が第1折りニップ部N1に到達した後、接離機構60によって第2ローラー52を第1ローラー51に対して離間させる。この構成によれば、シートの下流端(先端)が第1折りローラー対103によって保持され、シートのたわみ、位置ずれ等の発生を抑制することができる。これにより、シートの搬送性能を向上させることが可能になる。
【0052】
また、上記構成のように、接離機構60は、ホルダー61と、付勢部材62と、偏心カム63と、を備える。この構成によれば、第1シート搬送路3に対して交差する方向(上下方向)に、第1ローラー51及び第2ローラー52を接近、離間させることができる。したがって、第1シート搬送路3のシート搬送方向に沿ったシート搬送装置20のサイズの小型化を図ることが可能である。
【0053】
シート折り部100は、第1分岐部31を含む領域に配置される。シート折り部100は、先に説明した第1搬送ローラー対50と、第1折りローラー対103と、第1切替ガイド311と、を含む。さらに、シート折り部100は、
図2に示すように、第1折り曲げ部101と、第2折り曲げ部105と、折り搬送路106と、第2折りローラー対107と、折りガイド108と、を備える。
【0054】
第1折り曲げ部101は、第1分岐部31に配置される。言い換えれば、第1折り曲げ部101は、第1シート搬送路3上の穿孔部111(
図1参照)の配置箇所よりもシート搬送方向下流側であって、第2分岐部32よりもシート搬送方向上流側に位置する。
【0055】
第1折りローラー対103は、第1折り曲げ部101において第2シート搬送路5上に配置される。詳細に言えば、第1折りローラー対103は、第2シート搬送路5上の第1分岐部31に隣接して配置される。
【0056】
第1折りローラー対103は、第1折りニップ部N1を形成する。詳細に言えば、第1折りローラー対103は、第1ローラー(第2折りローラー)51及び第1折りローラー(第3ローラー)131の一方が他方に向かって付勢されて接触することにより、第1折りニップ部N1を形成する。第1折りローラー対103は、第1シート搬送路3上のシートに折り処理を施して第2シート搬送路5へ搬送する。第2シート搬送路5に進入したシートは、第1折りニップ部N1を通過し、第1折りローラー対103の下側に向かって搬送される。
【0057】
第1切替ガイド(切替ガイド)311は、第1分岐部31、すなわち第1折り曲げ部101において第1折りニップ部N1と対向配置される。詳細に言えば、第1切替ガイド311は、第1折りニップ部N1に対して第2シート搬送路5のシート搬送方向上流側、すなわち第1折りニップ部N1の
図2における上側に配置される。シートに折り処理を施さない場合、第1切替ガイド311は、第1シート搬送路3よりも第1折りニップ部N1から離れる方向、すなわち
図2において第1シート搬送路3よりも上側の第1位置に退避する。これにより、第1シート搬送路3を通過するシートは、第1切替ガイド311に接触しない。
【0058】
第1切替ガイド311は、駆動機構(不図示)に接続され、第1折りニップ部N1に対して接近、離間する方向に往復移動が可能である。第1シート搬送路3上を搬送されるシートを第2シート搬送路5に向けて搬送する場合に、第1切替ガイド311は、第1折りニップ部N1に接近する方向に移動されて第2位置(所定位置)に配置される(
図5参照)。これにより、第1切替ガイド311は、第1シート搬送路3上を搬送されるシートを第1折りニップ部N1に導く折りブレードである。第1切替ガイド311の駆動は、後処理制御部12によって制御される。
【0059】
第2折り曲げ部105は、第2シート搬送路5上に配置される。詳細に言えば、第2折り曲げ部105は、第2シート搬送路5上の、第1折りローラー対103の配置箇所よりもシート搬送方向下流側であって、第1折りニップ部N1よりも下側に位置する。
【0060】
折り搬送路106は、第2シート搬送路5上の第2折り曲げ部105から分岐し、第2シート搬送路5に対して交差する方向に延びる。折り搬送路106は、第2折り曲げ部105から第1シート排出部4が設けられたシート後処理装置1の側面側に、すなわち
図2において左側に向かって延びる。言い換えれば、折り搬送路106は、第1シート搬送路3の延伸方向と略同じ方向に延びる。
【0061】
第1シート搬送路3は、第2分岐部32よりもシート搬送方向下流側に位置する合流部34を備える。折り搬送路106は、合流部34において第1シート搬送路3に合流する。言い換えれば、合流部34は、第1シート搬送路3の第2分岐部32よりもシート搬送方向下流側に位置し、シート折り部100で折り処理が施されたシートが合流する。
【0062】
第2折りローラー対107は、第2折り曲げ部105において折り搬送路106上に配置される。第2折りローラー対107は、第1折りローラー131及び第3折りローラー132によって構成される。第2折りローラー対107は、第1折りローラー131及び第3折りローラー132の一方が他方に向かって付勢されて接触することにより、第2折りニップ部N2を形成する。折り搬送路106に進入したシートは、第2折りニップ部N2を通過し、合流部34側に、すなわち第2折りローラー対107の
図2における左側に向かって搬送される。
【0063】
折りガイド108は、第2折り曲げ部105において第2折りニップ部N2と対向配置される。詳細に言えば、折りガイド108は、第2折りニップ部N2に対して折り搬送路106のシート搬送方向上流側、すなわち第2折りニップ部N2の
図2における右側に配置される。シートに折り処理を施さない場合、折りガイド108は、第2シート搬送路5よりも第2折りニップ部N2から離れる方向、すなわち
図2において第2シート搬送路5よりも右側に退避する。これにより、第2シート搬送路5を通過するシートは、折りガイド108に接触しない。
【0064】
折りガイド108は、駆動機構(不図示)に接続され、第2折りニップ部N2に対して接近、離間する方向に往復移動が可能である。第2シート搬送路5上を搬送されるシートを折り搬送路106に向けて搬送する場合に、折りガイド108は、第2折りニップ部N2に接近する方向に移動されて所定位置に配置される。これにより、折りガイド108は、第2シート搬送路5上を搬送されるシートを第2折りニップ部N2に導く。折りガイド108の駆動は、後処理制御部12によって制御される。
【0065】
上記構成によれば、シート折り部100でシートに対して折り処理を施すために、第1分岐部31において第1シート搬送路3のシート搬送方向上流側から第2シート搬送路5に向けてシートを搬送する場合に、接離機構60によって第2ローラー52を第1ローラー51に対して離間させることができる。したがって、シート搬送装置20は、シートに対して折り処理を施す場合に、シートにカールが生じることを回避することが可能である。
【0066】
また、上記構成のように、シート折り部100は、第1折りニップ部N1を形成する第1折りローラー対103を備える。そして、第1切替ガイド311は、第1シート搬送路3上を搬送されるシートを第1折りニップ部N1に導く折りブレードである。この構成によれば、第1分岐部31において第1シート搬送路3のシート搬送方向上流側から第2シート搬送路5に向けてシートを搬送する場合と、第1折り曲げ部101(第1分岐部31)においてシートに対して折り処理を施す場合と、において、第1切替ガイド311を共用することができる。これにより、シート搬送装置20の小型化を図ることが可能である。
【0067】
また、第1折りローラー対103は、第1折りローラー131と、第1ローラー51とによって第1折りニップ部N1を形成する。この構成によれば、第1搬送ローラー対50と、第1折りローラー対103との2つのローラー対において、第1ローラー51を共用することができる。これにより、シート搬送装置20の小型化を図ることが可能である。
【0068】
図6は、
図2のシート折り部100の部分断面正面図である。シート折り部100は、第1折りローラー対103と、第2折りローラー対107と、を備える。
【0069】
さらに、本実施形態において、シート折り部100は、第1付勢機構103Uと、第2付勢機構107Uと、を備える。なお、本実施形態において、第1折りローラー131は、シート後処理装置1の筐体等に、軸方向と直交する径方向(
図6の紙面と平行な方向)に移動不能に支持されている。
【0070】
第1付勢機構103Uは、第1ローラー51に隣接して配置される。第1付勢機構103Uは、例えばバネ等の付勢部材を有し、第1ローラー51を第1折りローラー131に向かって付勢する。なお、第1ローラー51は、軸方向と直交する径方向に移動可能に支持されている。そして、第1ローラー51は、第1折りローラー131に向かって付勢されて接触することにより、第1折りニップ部N1を形成する。
【0071】
この構成によれば、第1折りローラー対103において、シート搬送及び折り処理を好適に実現することが可能である。
【0072】
また、シート搬送装置20は、モーター21mを含む駆動部21を更に備える。駆動部21は、第1ローラー51を回転駆動させる。この構成によれば、第1ローラー51に接触する第2ローラー52及び第1折りローラー131を個別に回転させることができる。これにより、第1シート搬送路3上のシート搬送と、第2シート搬送路5上のシート搬送及び第1折りローラー対103によるシートの折り処理とを容易に実現することが可能である。
【0073】
第2付勢機構107Uは、第3折りローラー132に隣接して配置される。第2付勢機構107Uは、例えばバネ等の付勢部材を有し、第3折りローラー132を第1折りローラー131に向かって付勢する。なお、第3折りローラー132は、軸方向と直交する径方向に移動可能に支持されている。そして、第2折りローラー対107は、第1折りローラー131と、第1折りローラー131に向かって付勢されて接触することにより第2折りニップ部N2が形成される第3折りローラー132と、によって構成される。第2折りローラー対107は、第2シート搬送路5上のシートに折り処理を施して折り搬送路106へ搬送する。
【0074】
第1折りローラー対103及び第2折りローラー対107において、折り精度を向上させるためには、これらの共通のローラーである第1折りローラー131が、径方向に移動不能である必要がある。第1折りローラー131は、第1シート搬送路3に対して、第1ローラー51よりも下流側に位置する。そこで、上記の構成のように、第1ローラー51と、第2ローラー52とが第1シート搬送路3上においてシートを搬送するローラー対であることにより、第1シート搬送路3の第1分岐部31よりも上流側において、ローラー対同士の間隔が広くなり過ぎることを抑制することができる。これにより、必要以上にローラー対を搭載しなくても良くなり、シート搬送装置20の部品点数低減、小型化を図ることが可能である。
【0075】
また、第1折りローラー131、第1ローラー(第2折りローラー)51及び第3折りローラー132は、シート搬送時及び折り処理時において、一方向にのみ回転する。詳細に言えば、本実施形態において、第1折りローラー131及び第1ローラー51は、第2シート搬送路5上において、シートSを第1シート搬送路3から離れる方向(
図6の下方向)に向かって搬送する方向にのみ回転する。また、本実施形態において、第1折りローラー131及び第3折りローラー132は、折り搬送路106上において、シートSを第2シート搬送路5から離れる方向(
図6の左方向)に向かって搬送する方向にのみ回転する。
【0076】
この構成によれば、シート搬送装置20は、複雑な制御を必要とせず、シンプルな構成にすることが可能である。これにより、シート搬送装置20の部品点数低減、小型化を図ることができる。
【0077】
また、シート後処理装置1は、上記構成のシート搬送装置20を備えることで、小型化が図られた構成であって、シートの搬送方向を切り替える場合に、シートにカールが生じることを回避することが可能である。
【0078】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、シート搬送装置、及びそのシート搬送装置を備えた、画像形成装置のシート後処理装置において利用可能である。