(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 7/02 20060101AFI20240123BHJP
A47C 7/54 20060101ALI20240123BHJP
A47C 7/36 20060101ALI20240123BHJP
A47C 3/04 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
A47C7/02 A
A47C7/54 Z
A47C7/36
A47C3/04
(21)【出願番号】P 2019226020
(22)【出願日】2019-12-14
【審査請求日】2021-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】519430114
【氏名又は名称】中野 潤
(72)【発明者】
【氏名】中野潤
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01665956(EP,A2)
【文献】特開2018-130630(JP,A)
【文献】特開平02-159216(JP,A)
【文献】実公平07-050987(JP,Y2)
【文献】登録実用新案第3166260(JP,U)
【文献】特開平06-253944(JP,A)
【文献】特開2014-226329(JP,A)
【文献】特表昭57-501489(JP,A)
【文献】特開2017-169638(JP,A)
【文献】中国実用新案第203041379(CN,U)
【文献】特開2009-100999(JP,A)
【文献】特開2005-349053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/00 - A47C 7/74
A47C 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の前脚と、前記前脚の内側境界部よりも内側に配置された座板を受ける部材と、前記前脚の内側境界部よりも内側に配置された肘掛けと、前記前脚の内側境界部よりも内側に配置され前記肘掛けと一体とされた背もたれ部材とを有し、積み重ねようとする椅子の肘掛けの下面が積み重ねられる椅子の肘掛けの上面に重なることで、後ろからまたは前後から上に積み重ねることができることを特徴とする椅子。
【請求項2】
後脚を有し、この後脚は前記前脚の内側境界面より内側に配置されてなる、請求項1に記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は椅子、特に肘掛け椅子のスタッキングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子、特に肘掛け椅子の積み重ねは通常椅子の前方から為されるが、椅子へのアプローチは多くの場合後方からであり、積み重ねる場合も後方からでないと座が邪魔し腰への負担が大きくなる。また、従前のスタッキングチェアはそのほとんどが後部の脚を座の高さである400ミリ程度まで持ち上げなければならず、非常に作業性が悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-198179
【文献】特開平02-191411
【文献】特許第5905138号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の椅子は一般的なスタッキングできる肘掛け椅子であるが、積み重ねの際に後脚を座面の高さまで持ち上げる必要がある。特許文献2の椅子は持ち上げる高さは低くて良いが、テーブルなどが前にある場合は一度十分なスペースを確保しなければならない。特許文献3の椅子は後方から積み重ねられるが肘掛け椅子を想定されていない。また脚の形が4本脚、3本脚、2本脚である場合にはそれぞれスタッキングとしての機能を果たすことができないという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は椅子の前脚を担う左右一対の部材の内側境界部より内側に、一体成型、溶接、ボルト留め、リベット留め等、接合方法を問わず、座板を受ける部材及び座板、肘掛けおよび肘掛けと一体になった背もたれ部材を配置する。肘掛けと背もたれを一体にしたものを前脚の内側に取り付けることにより脚の形状が4本脚でも3本脚でも2本脚でも関係なく後方からわずかに持ち上げるだけで積み重ねできるようにするものである。なお2本脚の場合は下部も同様に脚の内側に取り付けることにより前方からも後方からも積み重ねることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によって、積み重ねようとする椅子を後方から、2本脚の椅子においては前方からまたは後方からまたは両方から、積み重ねられる椅子の肘掛けの上に載せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の肘掛け椅子の後方からのスタッキング状態を示す斜視図
【
図4】本発明の肘掛け椅子の前方からのスタッキング状態を示す斜視図
【
図5】本発明の後脚形状の異なる肘掛け椅子の後方からのスタッキング状態を示す斜視
図1
【
図6】本発明の後脚形状の異なる肘掛け椅子の前方からのスタッキング状態を示す斜視図
【
図7】本発明の後脚形状の異なる肘掛け椅子の後方からのスタッキング状態を示す斜視
図2
【
図8】本発明の後脚形状の異なる肘掛け椅子の後方からのスタッキング状態を示す斜視
図3
【
図9】本発明の後脚形状の異なる肘掛け椅子の後方からのスタッキング状態を示す斜視
図4
【
図10】本発明の後脚形状の異なる肘掛け椅子の後方からのスタッキング状態を示す斜視
図5
【
図11】本発明の後脚形状の異なる肘掛け椅子の後方からのスタッキング状態を示す斜視
図6
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1から
図11が示すように左右一対の3.前脚構造を担う部材(以下、前脚という)の内側境界部より内側に固定された2.肘掛け、肘掛けと一体化された4.背もたれ、5.座板、6.ボルト、7.座板受け部材、
さらに後脚を有する場合は後脚から構成され、2.肘掛け一体化された4.背もたれ、5.座板、7.座板受け部材、
さらに後脚を有する場合は後脚を3.前脚の内側境界部より内側にすべて取り付けることにより後方からのスタッキングを可能にする。
【0009】
図4が示すように1.肘掛け椅子は同一の形状をしたほかの1.肘掛け椅子を前方からも2.肘掛け上部にスタッキングすることができる。
【0010】
図5が示すように2本脚の椅子において同様に脚の下部も前脚の内側境界部より内側に取り付けることにより後方からスタッキングすることができる。
【0011】
図6に示すように本発明により2本脚の椅子を前方からもスタッキングすることができる。
【0012】
図7が示すように後部脚が座板と座板受け部材と一体成形されたものを前脚内側境界部より内側に取り付けられた肘掛椅子においても請求項1の方法により後方から容易にスタッキングすることができる。
【0013】
図8に示すように座板と座板受け部材が後脚と一体化されたものにおいても請求項1の方法により後方から容易にスタッキングすることができる。
【0014】
図9に示すように後脚が一本の椅子においても後方から容易にスタッキングすることができる。
【0015】
図10に示すように下部を前脚内側境界部より内側に取り付けたものに後脚を接合したものにおいても後方から容易にスタッキングすることができる。
【0016】
図11に示すように後脚が2本の椅子においても後方より容易にスタッキングすることができる。
【符号の説明】
【0017】
1.肘掛け椅子
2.肘掛け
3.前脚
4.背もたれ
5.座板
6.ボルト
7.座板を受ける部材