(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】エネルギー蓄積装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6557 20140101AFI20240123BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240123BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240123BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240123BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20240123BHJP
H01M 10/6567 20140101ALI20240123BHJP
【FI】
H01M10/6557
H02J7/00 P
H02J7/00 301A
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/643
H01M10/6567
(21)【出願番号】P 2020010208
(22)【出願日】2020-01-24
(62)【分割の表示】P 2019519260の分割
【原出願日】2017-10-05
【審査請求日】2020-10-02
(32)【優先日】2016-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519122459
【氏名又は名称】ボルトゥ モーター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ゲブハート,ホルヘ ギレルモ
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/064956(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0293986(US,A1)
【文献】国際公開第2013/018151(WO,A1)
【文献】特開2011-018640(JP,A)
【文献】特開2004-171856(JP,A)
【文献】特開2012-221844(JP,A)
【文献】特開2010-003520(JP,A)
【文献】特開2009-252460(JP,A)
【文献】特開平11-329515(JP,A)
【文献】特表2012-525307(JP,A)
【文献】米国特許第09290105(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0008850(US,A1)
【文献】特表2019-532610(JP,A)
【文献】国際公開第2018/067880(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/151131(WO,A1)
【文献】特開2013-243846(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014019074(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H02J 7/00
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/643
H01M 10/6567
H01M 10/6557
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部容積を画定するハウジングと、
前記ハウジングの内部容積内に、前記ハウジングの第1の側面と前記第1の側面と対向する第2の側面とを結ぶ第1の方向、及び前記ハウジングの第3の側面と前記第3の側面と対向する第4の側面とを結ぶ第2の方向に沿って配置された複数のパワーセルであって、それぞれの前記パワーセルは一方の端部に第1の端子を、他方の端部に第2の端子を有し、複数の前記パワーセルのそれぞれは、隣接する前記パワーセルの間に設けられた介在スペースに実質的に平行な構成で延びている、複数の前記パワーセルと、
複数の前記パワーセルのそれぞれの前記一方の端部の前記第1の端子及び前記他方の端部の前記第2の端子の少なくとも一方を封止し、複数の前記パワーセルを剛性のある構成で保持する樹脂シートと、
複数の前記パワーセルのうちの少なくとも1つの外部と接触する前記介在スペースを通って循環する、前記ハウジング内の熱吸収流体と、
を備え、
前記樹脂シートは、複数の前記パワーセルのそれぞれの前記一方の端部の前記第1の端子及び前記他方の端部の前記第2の端子の少なくとも一方から前記熱吸収流体を分離し、複数の前記パワーセルの少なくとも1つの外部と接触するように前記熱吸収流体を保持し、
前記熱吸収流体は、前記第1の側面の前記第3の側面側に位置する上部交換ポートを通って前記ハウジングに入り、前記第2の側面の前記第4の側面側に位置する下部交換ポートを通って前記ハウジングから出て、前記上部交換ポートと前記下部交換ポートは、それぞれ、前記第1の側面と前記第2の側面の対角線上にある反対側の縁部に配置されて
おり、
前記樹脂シートは、
複数の前記パワーセルのそれぞれの第1の端部を封止する第1の樹脂シートと、
複数の前記パワーセルのそれぞれの反対側の第2の端部を封止する第2の樹脂シートと、
を備え、
前記第1の樹脂シート及び前記第2の樹脂シートのうちの少なくとも一方が、複数の前記パワーセルのうちの少なくとも1つの前記パワーセルの端子を、複数の前記パワーセルの少なくとも1つの他の前記パワーセルの端子に連結する電気接点を封止する、
電気自動車用のエネルギー蓄積装置。
【請求項2】
複数の前記パワーセルのそれぞれは、略円筒形状を有し、前記第1の端子は前記円筒形状の一方の端部に位置し、前記第2の端子は前記円筒形状の他方の端部に位置し、
複数の前記パワーセルは、複数の行と列を有するマトリックス状に配置されている、
請求項1に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項3】
第1の前記行の複数の前記パワーセルのうちの少なくとも1つの前記パワーセルは、前記第1の行に隣接する第2の前記行の複数の前記パワーセルのうちの少なくとも1つの前記パワーセルの前記第1の端子の方向と反対の方向に延びる前記第1の端子を有する向きに向いている、請求項2に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項4】
前記第1の樹脂シートと前記第2の樹脂シートとの間の長手方向領域に流体循環空間が画定されている、
請求項1に記載のエネルギー蓄積装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記パワーセルの少なくとも1つの状態を監視するマイクロコントローラを有する統合されたバッテリ管理システムをさらに備える、請求項1に記載のエネルギー蓄積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施の形態の態様は、電気によって動力を供給される車両に関し、より具体的には、電動機、電動機コントローラ、及びバッテリパック充電器、ならびに電動二輪車に関連して使用される関連する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)(例えば、電気自動車、電気トラック、電気自転車、電気オートバイ、又は当業者に明らかであり得る任意の他の電気自動車)は、技術が向上し、支援インフラストラクチャ(例えば、充電ステーション、家庭用充電器)が普及するにつれて、より遍在するようになっている。
図1乃至
図3は、関連技術のEVの電気システムの回路図を示す。図に示すように、関連技術のEVでは、電気ドライブシステムと充電システムとに別々のシステムが設けられている。特に、
図1は、従来の電気自動車の電気ドライブシステム100を示し、
図2は、従来のEVの充電システム200を示している。電気ドライブシステム100のユニットは、充電システム200と通信可能に連結することができる。
【0003】
図1に示すように、電気ドライブシステム100は、3つのモータコイル107a~107cを含む3相電動機105と、バッテリパック130と、バッテリパック130とモータ105との間の電気の流れを制御するマイクロコントローラ125とを含む。電気ドライブシステム100は、モータ105の各相(モータコイル107a~107c)を通る電流を監視し、マイクロコントローラ125に検出値を提供する、3つの電流センサ110a~110cを備える。さらに、複数のトランジスタモジュール115a~115cもドライブシステム100に設けられる。トランジスタモジュール115a~115cのそれぞれはモータ105の相(モータコイル107a~107c)に連結され、バッテリ130とモータの3相(モータコイル107a~107c)との間の電流の流れをマイクロコントローラ125からの信号に従って制御する。また、ドライブシステムは、バッテリパック130の端子に電気的に結合されたコンデンサ120と、バッテリパック130からの電圧及び電流センサ(135、140)とを含んでいてもよい。モータとモータコントローラとバッテリパック充電器は別ユニットとして用意されている。これらのユニットは互いに通信可能に結合されてもよい。次の図は、そのような従来技術のEVシステムを示している。
【0004】
図2に示すように、充電システム200は、AC電圧を受け取るためにAC電源に連結するように構成されたコネクタ205と、バッテリパック130と、AC電圧を受け取るバッテリパック130とコネクタ205との間の電気の流れを制御する充電器マイクロコントローラ225とを含む。また、充電システム200は、AC電源からの電圧及び電流を測定し、充電器マイクロコントローラ225に検出値を提供する電圧及び電流センサ201、203を含む。充電器マイクロコントローラ225は、図示するように、ブリッジ回路211及びコンデンサを介してコネクタ205をシステム200の充電回路214に選択的に連結するリレー209を制御してもよい。
【0005】
また、充電システム200は、充電回路214の各相(インダクタ207a~207c)を通る電流を監視する3つの電流センサ210a~210cを含み、充電マイクロコントローラ225に検出値を提供する。充電回路214には、複数のトランジスタモジュール215a~215cも設けられている。トランジスタモジュール215a~215cのそれぞれは充電回路214の相(インダクタ207a~207c)に連結され、充電マイクロコントローラ225からの信号に基づいて、バッテリ130と、充電回路214の3つの相(インダクタ207a~207c)との間の電流の流れを制御する。また、充電システム200は、バッテリパック130の端子に電気的に結合されたコンデンサ220と、バッテリパック130からの電圧及び電流センサ(235、240)とを含んでいてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、
図3に示すように、別個の電気ドライブシステム100及び充電システム200を有することは、2つのシステム100、200の間に冗長構成要素をもたらす。例えば、電気ドライブシステム100及び充電システム200の双方は、3相のAC電圧に対応する1組の3つのインダクタ(たとえば、モータ105のモータコイル107a~107c及び充電回路214のインダクタ207a~207c)を含む。同様に、電気ドライブシステム100及び充電システム200の双方は、3相のAC電圧に対応する1組の3つの電流センサ(例えば、電流センサ110a~110c及び電流センサ210a~210c)を含む。さらに、電気ドライブシステム100及び充電システム200の双方は、3相のAC電圧に対応する3組のトランジスタモジュール(例えば、トランジスタモジュール115a~115c及びトランジスタモジュール215a~215c)を含む。これらの冗長構成部品は重量を増す可能性があり、それはEVの走行距離を短くする可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様は、電気自動車のための電気制御システムを含んでいてもよい。電気制御システムは、複数のモードで動作するように構成されてもよい。電気制御システムは、複数のモータコイルを有する多相電動機と、電気制御システムにエネルギーを供給するように構成されたエネルギー蓄積装置と、電動機をエネルギー蓄積装置に選択的に連結する複数のトランジスタモジュールと、AC電源に選択的に連結するように構成されたコネクタ、コネクタを多相電動機に選択的に連結するように構成された制御可能なスイッチング装置、及び、検出された充電モードにおいて、コネクタをモータの少なくとも1つに選択的に連結するようにスイッチング装置を制御し、検出された充電モードにおいて、少なくとも1つのモータコイルをエネルギー蓄積装置に選択的に連結するように、複数のトランジスタモジュールのうちの1つ以上を制御するように構成されたマイクロコントローラを備えていてもよい。
【0008】
本開示のさらなる態様は、電気自動車を含んでいてもよい。電気自動車は、少なくとも1つの車輪を有するドライブトレインと、少なくとも1つの車輪にトルクを提供するためドライブトレインに連結された複数のモータコイルを有する多相電動機と、複数のモードで動作するように構成された電気制御システムと、を備える。電気制御システムは、電気制御システムにエネルギーを供給するように構成されたエネルギー蓄積装置と、電動機をエネルギー蓄積装置に選択的に連結する複数のトランジスタモジュールと、AC電源に選択的に連結するように構成されたコネクタと、コネクタを多相電動機に選択的に連結するように構成された制御可能なスイッチング装置と、検出された充電モードにおいてコネクタをモータコイルのうちの少なくとも1つに選択的に連結するようにスイッチング装置を制御し、検出された充電モードにおいて、少なくとも1つのモータコイルをエネルギー蓄積装置に選択的に連結するように複数のトランジスタモジュールの1以上を制御するコントローラと、を備えていてもよい。
【0009】
さらに、本開示の態様は、電気自動車用のエネルギー蓄積装置を含んでいてもよい。エネルギー蓄積装置は、内部容積を画定するハウジングと、ハウジングの内部容積内に配置され、一方の端部に第1の端子を、他方の端部に第2の端子を有する複数のパワーセルであって、隣接するパワーセル間に介在するスペースを介して実質的に平行に延びる複数のパワーセルと、前記複数のパワーセルのそれぞれの少なくとも1つの端部を封止して前記複数のパワーセルを剛性のある構成で保持する樹脂シートと、複数のパワーセルのうちの少なくとも1つの外部と接触する介在スペースを通って循環する、ハウジング内の熱吸収流体と、を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、関連技術のEVの電気システムの回路図を示す。
【
図2】
図2は、関連技術のEVの電気システムの回路図を示す。
【
図3】
図3は、関連技術のEVの電気システムの回路図を示す。
【
図4】
図4は、本願の実施の形態に係るフルEVドライブトレインシステムの回路図を示す。
【
図5】
図5は、本願の実施の形態に係るフルEVドライブトレインシステムの回路図を示す。
【
図6】
図6は、本願の実施の形態に係るフルEVドライブトレインシステムの回路図を示す。
【
図7】
図7は、本願の実施の形態に係るフルEVドライブトレインシステムの回路図を示す。
【
図8】
図8は、本願の実施の形態に係るフルEVドライブトレインシステムの回路図を示す。
【
図9】
図9は、本願の実施の形態に係るフルEVドライブトレインシステムの回路図を示す。
【
図10】
図10は、本願の実施の形態に係るフルEVドライブトレインシステムの回路図を示す。
【
図12】
図12は、本願に係るバッテリパックのための個々のセルのいくつかの実施の形態を示す。
【
図13A】
図13Aは、本願の実施の形態に係るバッテリパック内のセルを梱包する構成を示す図である。
【
図13B】
図13Bは、本願の実施の形態に係るバッテリパック内のセルを梱包する構成を示す図である。
【
図13C】
図13Cは、本願の実施の形態に係るバッテリパック内のセルを梱包する構成を示す図である。
【
図13D】
図13Dは、本願の実施の形態に係るバッテリパック内のセルを梱包する構成を示す図である。
【
図13E】
図13Eは、本願の実施の形態に係るバッテリパック内のセルを梱包する構成を示す図である。
【
図14A】
図14Aは、本願の実施の形態に係るバッテリパックの個々のセルを冷却するための構成を示す。
【
図14B】
図14Bは、本願の実施の形態に係るバッテリパックの個々のセルを冷却するための構成を示す。
【
図14C】
図14Cは、本願の実施の形態に係るバッテリパックの個々のセルを冷却するための構成を示す。
【
図14D】
図14Dは、本願の実施の形態に係るバッテリパックの個々のセルを冷却するための構成を示す。
【
図15】
図15は、本願の実施の形態に係る複数のバッテリパックから形成されたエネルギーモジュールの実装形態を示す。
【
図16A】
図16Aは、本願の実施の形態に係る統合された冷却システムを備えた
図15に示すエネルギーモジュールの斜視図を示す。
【
図16B】
図16Bは、本願の実施の形態に係る統合された冷却システムを備えた
図15に示すエネルギーモジュールの斜視図を示す。
【
図17A】
図17Aは、本願の実施の形態に係るバッテリ管理システム(BMS)の動作の概略図を示す。
【
図17B】
図17Bは、本願の実施の形態に係るバッテリ管理システム(BMS)の動作の概略図を示す。
【
図19A】
図19Aは、本願の実施の形態に係るセグメント化されたステータの斜視図を示す。
【
図19B】
図19Bは、本願の実施の形態に係るステータ歯ユニットの斜視図を示す。
【
図19D】
図19Dは、本願の実施の形態に係るステータ歯を形成するために使用され得るステータシートを示す。
【
図20E】
図20Eは、本願の実施の形態に従って設置されたステータアセンブリを有するモータ本体の斜視図である。
【
図20F】
図20Fは、本願の実施の形態に従って設置されたステータアセンブリを有するモータ本体の端面図である。
【
図20G】
図20Gは、本願の実施の形態に従って設置されたステータアセンブリを有するモータ本体の側面図である。
【
図20H】
図20Hは、ステータアセンブリが設置されたモータ本体の断面図である。
【
図22C】
図22Cは、本願の実施の形態に係る複数のローターシートから形成されたローターコアの斜視図である。
【
図24A】
図24Aは、本願の実施の形態に係る、組み立てられたローターの平面図を示す。
【
図24B】
図24Bは、本願の実施の形態に係る、組み立てられたローターの斜視図を示す。
【
図24C】
図24Cは、本願の実施の形態に従って取り付けられた車軸を有する組み立てられたローターの平面図を示す。
【
図24D】
図24Dは、本願の実施の形態に従って取り付けられた車軸を有する組み立てられたローターの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、本出願の図及び実施の形態のさらなる詳細を提供する。明確にするため、図面間の参照番号及び重複する要素の説明は省略する。説明を通して使用される用語は例として提供されており、限定することを意図していない。例えば、「自動」という用語の使用は、本発明の実施を実施する当業者の所望の実施に応じて、実施の特定の態様に対するユーザ又はオペレータの制御を含む全自動又は半自動の実施を含んでいてもよい。
【0012】
上述のように、関連技術の電気自動車(EV)は、車載バッテリを充電し、バッテリから電動機を駆動するために別々のシステムを使用する。しかしながら、完全に別々のシステムを使用することは、電気システムの重量及び複雑さを増大させる重複要素(例えば、インダクタ、センサ、及びトランジスタモジュール)をそれぞれ有する2つのシステムをもたらしてしまう。本出願の実施の形態は、エンジンドライブシステム、バッテリ充電システム、及び任意選択で交流発電機を組み合わせて、同じハードウェアで複数の動作モードを実現し、モータを走行時(motoring)だけでなく充電にも使用することが可能になる。モータコイルをバック又はブーストコンバータのインダクタとして再利用してAC(交流)を発生させる。これにより、コスト、重量、システムの複雑さ、及び走行時(motoring)と同じピーク電流への充電を低減できる。
【0013】
図4は、本願の実施の形態によるフルEVドライブトレインシステム400の電気回路図を示す。フルEVドライブトレインシステム400の実施の形態は、電気自動車、電気自転車、及び電気オートバイなどの電気自動車による複数の動作モードを提供するために使用され得る。例えば、本明細書に記載のシステムは、300キロメートル[Km]の範囲で90馬力[HP]の出力を有する電気高性能オートバイに使用することができる。電気自動車のドライブトレインは、最先端技術の独自の電子技術およびアルゴリズムと比較して高性能、エネルギー効率、および体積の減少を可能にし、バッテリエネルギーを使用する同期モータ技術を含むことができる。
【0014】
図に示すように、フルEVドライブトレインシステム400は、3つのモータコイル407a~407cを含む3相電動機405と、バッテリパック430と、バッテリパック430とモータ405との間の電気の流れを制御するマイクロコントローラ425とを含む。また、フルEVドライブトレインシステム400は、モータ405の各相(モータコイル407a~407c)を通る電流を監視する3つの電流センサ410a~410cを含み、それらの検出値をマイクロコントローラ425に提供する。フルEVドライブトレインシステム400には複数のトランジスタモジュール415a~415cも設けられている。それぞれのトランジスタモジュール415a~415cは、モータ405の3相(モータコイル407a~407c)に連結され、マイクロコントローラ425からの信号に従って、バッテリ430とモータの3相(モータコイル407a~407c)との間の電流の流れを制御する。また、ドライブシステムは、バッテリパック430の端子に電気的に結合されたコンデンサ420と、バッテリパック430からの電圧及び電流を検出するセンサ(435、440)とを備えていてもよい。
【0015】
さらに、フルEVドライブトレインシステム400の電力入力回路414は、AC電圧に連結されるように構成されたコネクタ401を備えていてもよい。コネクタ401は、マイクロコントローラ425によって制御される一対のリレースイッチ402a、402bに連結されて、インバータ(駆動)モードと充電モードとの間、及び任意選択でAC発電機モードを選択的に切り替えることができる。一方の位置では、リレースイッチ402a、402bは、ブリッジ回路409及びバックスイッチ403を介して、モータ405のコイル407a、407b、407cに連結する。第2の位置では、リレースイッチ402aの一方は、(A)によって示されるように、ブリッジ回路409及びバックスイッチ403をバイパスすることにより、コネクタ401をモータ405のコイル407a、407b、407cに連結することができる。当該第2の位置において、他方のリレースイッチ402bは、(B)によって示されるように、コネクタ401をバッテリパック430の中間端子に連結する。
【0016】
一対のリレースイッチが位置1にある(整流器ブリッジ409に連結されている)とき、回路はインバータ(駆動)として、及び充電器として機能することができる。スイッチが位置2にあるとき、回路は、交流を発生させ、グリッドに当該交流を注入することができる。
【0017】
また、フルEVドライブトレインシステム400は、バックスイッチ403における電流及び電圧を測定し、マイクロコントローラ425に検出値を提供する電流及び電圧センサ419、421を含む。さらに、制御システムは、コイル407a~407cにおける電圧を測定し、マイクロコントローラ425に検出値を提供する電圧センサ422も含んでいてもよい。
【0018】
この構成の実施の形態は、フルEVドライブトレインシステム400内で選択的にスイッチングを制御することによってモータコイルを充電インダクタとして再使用することによって、モータを駆動するため及びバッテリを充電するために同じハードウェアの使用を可能にしる。これにより、コスト、重量、システムの複雑さ、及び走行時(motoring)と同じピーク電流への充電を低減することができる。
【0019】
このシステムの実施の形態は、速度/トルク曲線全体において、バッテリで利用可能なすべての電力を効率的に使用するように設計されてもよい。通常、他のシステムは、モータの最大出力能力に適応する。
【0020】
このシステムの実施の形態は、同じハードウェア上において、主要な車両制御ユニットを実装してもよい。
【0021】
さらに、後述するように、このシステムの実施の形態は、バッテリ430及び同じEVドライブトレインシステム400のハードウェアを用いて交流を生成することにより、公共電力網(community power grid)にエネルギーを供給することができる。追加の当該機能は、それを必要とする可能性がある住宅又は他の任意の用途への安定したAC電源の提供を可能にする。
【0022】
この選択的機能は、モータコントローラ、充電器、及びインバータを単一のハードウェア構成に組み合わせることによって達成することができ、電動機を走行だけでなく、モータコイルをバックコンバータ及びブーストコンバータのインダクタ(buck and boost converter inductors)として再利用することによる充電及び反転にも使用することができる。いくつかの実施の形態では、フルEVドライブトレインシステム400は、モータ405を、3相同期モータコントローラとして、又は、フィールドベクトル制御、磁束低減制御(flux weakening control)、回生制動(regenerative braking)、充電器及び車両制御ユニット(車両全般管理)を有するBLDCモータとして、用いることができる。
【0023】
後述するように、モータ405が作動していないとき、フルEVドライブトレイン車システム400は、モータコイル407a~407c及び同じトランジスタモジュール415a~415cを使用してバッテリを充電するために入力電圧を上昇させることによって充電器として働くことができる。それは、バッテリの電圧が入力及び同じシステム上に実装されたPFCマイクロコントローラ425よりも低いときに、バッテリパック430及びバックスイッチ403に統合されたバッテリ管理システム(BMS)432からの情報と組み合わされて、バッテリを充電する。これにより、フルEVドライブトレインシステム400は、バッテリを駆動し充電する。
【0024】
このフルEVドライブトレインシステム400の実施の形態の別の任意選択の機能は、モータが動作していないときに、AC電圧/電流源として振る舞う能力を含んでいてもよい。この機能は、AC入力コネクタ401に連結されている一対のリレースイッチ402a、402bを制御することによって達成することができる。この構成は、共有のトランジスタモジュール415a~415cを、モータ405を駆動するための配置とバッテリパック430を充電するための配置との間で切り替えることによって得られる正弦波の供給を可能にする。
【0025】
いくつかの実施の形態では、フルEVドライブトレインシステムは、システムの他の部分と通信するためのコントローラエリアネットワーク(CAN)通信プロトコルを確立し、インフォテインメントシステム(infotainment system)から情報を送受信するためのUSB通信チャネルを組み込んでもよい。
【0026】
図5乃至
図10は、
図4に示したフルEVドライブトレインシステム400の異なるモードを表す簡略化した回路構成を示している。
図5乃至
図10に示す回路構成は、
図4に示すフルEVドライブトレインシステム400のリレーの位置及びスイッチの位置を選択的に変更することによって達成される機能回路を表す。
【0027】
モータ駆動モード
図5は、バッテリパック430からのエネルギーに基づいてモータ405を駆動するために使用される機能回路500を示す。この構成では、機能回路500は、
図4に示す電力入力回路414から分離されている。図に示すように、駆動時には、3つのトランジスタモジュール415a~415cが、モータ405が永久磁石同期モータ(PMSM)である場合にDCバッテリ電流を3相平衡正弦波電流に変調し、モータ405がブラシレスDC電気モータ(BLDCモータ)である場合にDCバッテリ電流を台形電流に変調するため、3つのハーフブリッジとして機能することによって、電流はバッテリパック430からモータ405に流れる。さらに、機能回路は、各トランジスタモジュール415a~415c内のスイッチを使用して、電圧を上昇し、バッテリに流れる電流を制御することができる。また、3つのトランジスタモジュール415a~415cは、磁束ベクトル制御、磁束低減、回生制動、電流制御及び速度制御を実施するために使用されてもよい。
【0028】
例えば、電気自動車が減速しているとき、回生制動モード(regenerative braking mode)を使用して自動車の運動エネルギーを使用してモータ405を発電機として回転させ、3つのトランジスタモジュール415a~415cを作動させてバッテリパック430を部分充電するためにモータ405によって生成された電流を送ってもよい。
【0029】
充電モード
図6及び
図7は、非駆動モータ駆動モード(non-driving motor driving mode)においてバッテリパック430を充電するために使用される機能回路600、700を示す。これらの構成では、機能回路600、700は、
図4に示す電源入力回路414に連結されている。
【0030】
充電モードでは、モータ405が停止され、AC主電源がコネクタ401に連結される。フルEVドライブトレインシステム400のマイクロコントローラ425が、AC主電源が連結されて通常の動作状態であることを検出した場合、充電プロセスが行われてもよい。このフルEVドライブトレイン車システム400は、2つのメインの充電ステージ:
図7に示されるバックトポロジーステージ及び
図6に示すブーストトポロジーステージを含むことができる。バッテリ電圧がAC電源の整流されたピーク電圧よりも高い場合(典型的な場合)、コントローラ425は、1つのトランジスタモジュール415aの下方を切り替えることによって、電流制御ブーストコンバータを実施する。それぞれのトランジスタモジュール415a~415cの一方の脚を使用するだけで、充電サイクルを完全に完了するのに十分である。いくつかの実施の形態では、フルEVドライブトレインシステム400のマイクロコントローラ425は、トランジスタモジュール415a~415cの部品の一部である構成要素の寿命を延ばすため、充電モードが起動されるたびに、それぞれのトランジスタモジュール415a~415cの異なる脚を使用して構成されてもよい。
【0031】
この構成により、充電回路内のAC電源に連結された入力コンデンサの必要性を排除することができる。いくつかの実施の形態では、この構成は、充電器において使用される改善された力率補正(PFC)アルゴリズムの実装も可能にする。例えば、バッテリ管理システム(BMS)432は、バッテリパック430(エネルギーパックとも呼ばれる)に直列に連結された各セル(又は並列セルのグループ)を個別に監視し、特定のセル(または並列セルのグループ)の電圧が事前に設定された制限に達した場合に、バランスプロトコルを実施することができる。ユーザが選択した構成に応じて、全てのセルが予め設定された最大充電電圧に達すると、マイクロコントローラ425は、電流が最小になり充電が終了するまで電圧制御ループを実施することができる。
【0032】
図6は、本出願の実施の形態に従って実施されたPFCブーストコンバータの簡易的な回路
図600を示す。図に示すように、ブーストコンバータ回路の構成要素を強調する3つの円601~603がある。円601では、バックスイッチ403が示されている。バックスイッチ403は、バッテリ電圧値が入力ピーク電圧値よりも高いときに充電モードにおいて力率補正するように構成されてもよい。円602では、トランジスタモジュール415aの上側のスイッチ604が示されている。ブーストコンバータ構成では、上側のスイッチ604は完全にオフになる(例えば、トランジスタモジュール415aの並列ショットキーダイオードは、ブースト回路のフリーランダイオードとして機能する)。最後に、円603内のトランジスタモジュール415aの絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)605は、フルEVドライブトレインシステム400のブースト構成のメインスイッチとなる。いくつかの実施の形態では、改善された効率を達成する(例えば、より小さい構成要素を使用することを可能にする)ため、及び入力フィルタコンデンサの要件を回避するために、力率補正アルゴリズムがマイクロコントローラ425によって使用されてもよい。
【0033】
図7は、本出願の実施の形態に従って実施されたバック充電構成の簡略回路700を示す。バッテリパック430のバッテリ電圧がコネクタ401からの整流された入力電圧よりも低い場合、降圧充電スイッチ403はパルス幅変調(PWM;pulse width modulation)信号で駆動され、3つのトランジスタモジュール415a~415cはオフに維持される(例えば、トランジスタモジュール415a~415cの並列ショットキーダイオードのみが示されている。なぜなら、下側のトランジスタはオフであり、単純化された等価回路には影響を及ぼさないからである)。この構成では、力率改善器アルゴリズムもマイクロコントローラ425によって実施され、効率を改善し、入力コンデンサのいかなる要件も回避する。マイクロコントローラ425は、バッテリ内の電圧が入力と等しくなるまで入力電流を制御することができる。その後、バック充電スイッチはPFC状態に保たれ、上記の充電フェーズが開始される(ブーストコンバータフェーズ)。
【0034】
追加の機能性:電力網へのエネルギー注入
また、駆動モード及び充電モードに加えて、フルEVドライブトレインシステム400の実施の形態は、電気を貯蔵し、エネルギーを電力網に注入するための1つ又は複数のモードを含むことができる。
図8~
図10は、電力を貯蔵し、電力網にエネルギーを注入する実施の形態のための簡略化された回路を示す。
【0035】
図8の単純化された回路800に示されるように、1つの実施の形態は、それぞれのトランジスタモジュール415a~415cの脚部のうちの1つをインバータとして使用すること、及び、
図4の専用リレー402a、402bのスイッチを含むことができる。例えば、
図4に示すように、リレー402bのスイッチは、連結(B)に沿ってバッテリパック430の中間点に連結し、AC入力コネクタ401をAC出力コネクタ401に変換するとともに、コネクタのピンを整流ダイオードブリッジ409から切り離し、それらをバッテリパック430の中間点及びインバータの出力(モータインダクタ407aの右側ピン)にそれぞれ連結するように構成され得る。
【0036】
いくつかの実施の形態では、この特徴は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)入力に正弦波パルス幅変調(SPWM)を実施し、それによって、
図8に示す回路の出力に正弦波を生成することによって達成され得る。
【0037】
図に示すように、トランジスタモジュール415aの一方の脚部は、中間点の構成でバッテリパック430に連結されている。言い換えれば、上側トランジスタ801は、正のバッテリパック端子803(コレクタ)と、モータ405(エミッタ)のインダクタ(モータコイル407a)とに連結され、一方、下側トランジスタ802は、インダクタモータコイル407a(コレクタ)とバッテリパック430(エミッタ)の接地端子804との間に連結されている。この回路800及び十分に実施された正弦波パルス幅変調を用いて、共にACコネクタ401に連結された、バッテリパック430の中間点のピン805とモータコイル407aの右側ピンとの間にほぼ純粋な正弦波(a nearly pure sinusoidal wave)が得られ、回路出力の最大ピーク振幅は、バッテリパック430の絶対電圧の半分である。正弦波の最初の半サイクルでは、上側のトランジスタ801がゲートされ(出力において正の電圧に達する)、そして、正弦波の後半のサイクルでは、下側のトランジスタ802がゲートされる(負電圧出力を生成する)。3相交流出力は、トランジスタモジュールの他の2つの脚部をゲートすることによって発生させることができ、それぞれ120度及び240度位相のずれた正弦波を生成する。
【0038】
図9は、フルEVドライブトレインシステム400のハードウェアを再利用してAC電流を生成するための回路900の別の実施の形態を示す。
図9に示すように、フルEVドライブトレインシステム400は、各トランジスタモジュール415a~415cの中間点902a~902cと各インダクタ(モータコイル407a~407c)との間にスイッチ901a~901cを追加し、及び、コネクタ401を各トランジスタモジュール415a~415cの中間点902a~902cに選択的に連結するスイッチ901d~901fを追加することによって、修正されている。いくつかの実施の形態では、スイッチ901a及び901dは、所望の動作を達成するために互いにペアにされてもよい。さらに、いくつかの実施の形態では、スイッチ901b及び901eは、望ましい動作を達成するために互いにペアにされてもよい。さらに、いくつかの実施の形態では、スイッチ901c及び901fは、所望の動作を達成するために互いにペアにされてもよい。
【0039】
図9の実施形態では、H-ブリッジインバータの実装形態が用いられるため、バッテリパック430に中間点を追加する必要はない。さらに、マイクロコントローラ425は、フルEVドライブトレインシステム400の動作寿命を延ばすために、ジェネレータとしてトランジスタモジュール415a~415cを交互に使用することができる。
【0040】
図10は、
図9のインバータの簡略回路図を示す。図に示すように、
図9に示す3つのリレー901a~901c(それぞれ二極双投(DPDT)リレーとすることができる)のうちの1つのみを切り替えることにより、
図10の簡略化された回路1000が生成される。この単純化された回路1000は、トランジスタモジュール415a、415bのトランジスタのゲートにおいて正弦波パルス幅変調を使用することによってその出力にAC電流を生成することができるインバータである。左上のトランジスタ1001及び右下のトランジスタ1002がゲート制御されており、他の2つのトランジスタ1003、1004がオフ状態にあるとき、正の半サイクル正弦波が負荷において発生し、右上のトランジスタ1004及び左下トランジスタ1003がゲート制御されており、他の2つのトランジスタ1001、1002がオフ状態にあるとき、負の半サイクル正弦波が服において発生する。いくつかの実施の形態では、出力に正弦波を生成するためにモータコイル407a~407cのインダクタンスと組み合わせてローパスフィルタを形成するために、ACコネクタのピン間に出力コンデンサを配置してもよい。
【0041】
バッテリパック/エネルギーモジュール構成
図11A~
図11Eは、上述の
図4~
図10に示されたバッテリパック430の実施の形態の外観を示す異なる図を示している。いくつかの実施の形態では、単一のバッテリパック430が使用されてもよい。しかしながら、いくつかの実施の形態では、複数のバッテリパック430を積み重ねてより大きなエネルギーパックが構築されてもよい。
【0042】
図11Aは、バッテリパック430の実施の形態の斜視図を示す。
図11Bは、バッテリパック430の実施の形態の上面図を示す。
図11Cは、バッテリパック430の実施の形態の側面図を示す。
図11Dは、バッテリパック430の実施の形態の端面図を示す。
図11Eは、バッテリパック430の実施の形態の底面図を示す。
図11Fは、バッテリパック430の実施の形態の分解図を示す。図に示すように、バッテリパック430は、上壁1110、下壁1115、及び一対の側壁1120によって形成されたバッテリハウジング1105を含む。バッテリパック430の端部1125は、バッテリハウジング1105の内部の視覚化を可能にするために開いているように示されている。上壁1110、下壁1115、及び一対の側壁1120は、当業者にとって明らかな任意の機構によって互いに接合することができる。例えば、本願の実施の形態において、上壁1110、下壁1115、及び一対の側壁1120は、互いにボルト止めされ、互いにねじ込まれ、互いにリベット止めされ、又は互いに溶接されてもよい。
【0043】
バッテリハウジング1105内には、セル1200の端子同士を連結する複数の導電シート1140とともに複数のセル1200が設けられてもよい。以下に説明するように、一対の樹脂シート1305、1310をバッテリハウジング1105の1125側の壁として使用してセル1200を囲んでもよい。後述するように、バッテリパック430は、その中に配置された複数の個々のセルと共に組み立てられた特定のバッテリモジュールの実施の形態であってもよい。さらに、個々のセルを冷却するために、バッテリパック430を通して冷却流体を循環させることができる。
図11A~
図11Fに示すように、上壁1110及び下壁1115はそれぞれ、バッテリパック430を他のバッテリパック430又はフルEVドライブトレインシステム400の他の構成要素と連結するための電気連結ポート1130を有していてもよい。また、上壁1110及び下壁1115は、冷却流体をバッテリパック430に出し入れすることを可能にするための交換ポート1135を有していてもよい。
【0044】
図11Fに、側壁1120、上壁1110及び下壁1115によって形成されたバッテリハウジング1105が示されている。交換ポート1135は、バッテリハウジング1105を貫通して流体連通を提供する。いくつかの実施の形態では、漏れを防ぐために各流体ポートの周りにシールリング1137を設けてもよい。いくつかの実施の形態では、樹脂シート1144によって覆われた支持ブロック1155及びBMSボード432が、側壁1120のいずれかに設けられてもよい。
【0045】
バッテリハウジング1105内には、両端に配置された複数の導電シート1140を有する複数の円筒形状のセル1200が配置されている。導電シート1140は、個々のセル1200のそれぞれの端子間に電気的相互連結を提供することができる。金属シートは、例えば、銅、金、銀、又は当業者に明らかであり得る他の任意の電気接続材料を含む当業者に明らかであり得る任意の導電金属から形成することができる。個々のセル1200の構造は、以下でさらに詳細に説明される。
【0046】
樹脂シート1305、1310を導電シート1140の外側に設けることにより、セル1200の端部に構造的支持及び電気絶縁を付与ことができる。さらに、導電性端子ブロック1142を導電性シート1140の上端および下端に設けて、電気ポート1130に挿入された上下の端子1315、1320を連結して、他のバッテリパック430又は上述した電気システム400への電気連結を可能にする。さらに、一連のバッテリ管理システム(BMS)ボード432を側壁1120のうちの1つに設けて、バッテリの充電状態(SOC)を制御することにより、より長い寿命を保証するように補助してもよい。また、BMS基板432は、支持及び電気的絶縁を提供するために樹脂シート1144によって覆われてもよい。
【0047】
図12は、個々のセル1200のいくつかの実施の形態を示す。いくつかの実施の形態では、個々のセル1200は、多数で事前に製造することができるパワーセル業界標準18650に準拠し得る。これは、市場で入手可能な異なる選択肢から選択することによって所望の性能要件に応じてセルモデルを変更することによって、コスト削減、製造業者独立性、セル化学独立性、連続供給、セル化学の継続的改善、及び異なる用途を可能にし得る。
【0048】
図に示すように、個々のセル1200は、両端に端子1205が配置された実質的に円筒形状の構造を有していてもよい。さらに、プラスチック、セラミック、又は他の非導電性材料から形成された非導電性コーティング1210を各セルの側面に塗布してもよい。
【0049】
図13A~
図13Eは、バッテリパック430内のセルの構成の実施の形態を示す。
図13Aは、バッテリパック430内のセルの実施の形態の斜視図を示す。
図13Bは、バッテリパック430内のセルの実施の形態の正面図を示す。
図13Cは、バッテリパック430内のセルの実施の形態の側面図を示す。
図13Dは、バッテリパック430内のセルの実施の形態の端面図を示す。
図13Eは、ハウジング1105内の個々のセル1200の構成を示す線XIII-XIII'に沿ったバッテリパック430の断面図を示す。バッテリパック430内では、セル構成は特に限定されず、異なる特定のタイプを選択することができ、必要なアプリケーションに応じて、さまざまなレベルの電流、つまりさまざまなレベルの電力を供給する。
【0050】
図13A~
図13Eを参照すると、セル1200は、他のバッテリパック430又は上述したフルEVドライブトレインシステム400の他の構成要素への連結を可能にするために提供される上部端子1315及び下部端子1320を備えた行及び列の密にパッキングされた構造であってもよい。上部端子1315及び下部端子1320は、上述の電気連結ポート1130内に配置されてもよい。各行のセル1200は、全ての同じ端子が同じ方向を向くように配置することができる(例えば、
図13Bの最下段は、前側に向いた正の(+)端子を有する)。さらに、垂直方向に隣接する列のセル1200は、反対方向の端子を有するように配置されてもよい(例えば、
図13Bの下から2番目の列は、前側に向いた負(-)の端子を有する)。個々のセル1200の端子1205のいくつかは、充電及び放電動作中に監視及び制御を提供するためにバッテリパック430の電圧及び電流レベルを監視するためにバッテリ管理システム432に連結されてもよい。
【0051】
また、図に示すように、個々のセル1200の各端子1205に一対の樹脂シート1305、1310が設けられている。これらの樹脂シート1305、1310は、個々のセル1200の端子1205と金属シート(
図11Fに示す1140)とを絶縁するために使用される特別な樹脂コンパウンドによって形成されてもよく、これにより、個々のセル1200の間に相互連結を提供することができる。樹脂シート1305、1310は、バッテリパックハウジング1105構造内のセル1200を密封し、かつ機械的に支持することができる。また、樹脂シート1305、1310は、上述のバッテリパック430の電気連結ポート1130(
図11A~
図11Fに図示)内の上下の端子1315、1320によって形成される電気コネクタ(EC)部を固定して封止してもよい。樹脂の材料は特に限定されず、耐水性であり、その特性を劣化させることなくバッテリパック430の温度作業範囲に耐えることができる任意の樹脂を含むことができる。これらの樹脂シートは、内部支持フレームの壁を形成するものである。
【0052】
いくつかの実施の形態では、樹脂シート1305は、各セル1200の裏面側の端子1205を封止する裏面側樹脂シートと認識されてもよい。樹脂シート1310は、導電性シート1140及び導電性端子ブロック1142とともに各セル1200の表面側の端子1205を封止する表面側樹脂シートと認識されてもよい。いくつかの実施の形態では、樹脂シートは、電気連結ポート1130内のEC部分(例えば、バッテリパック430の電気連結ポート1130(
図11A~
図11Fに図示)内の上下の端子1315、1320)を封止してもよい。
【0053】
樹脂シート1305、1310は、所望される個々のセル1200の間のスペースを樹脂によって埋めるため、及び、バッテリパック430のスペースを樹脂によって埋めるために、キャスティング法を用いて形成されてもよい。この方法では、ピストンを使用してバッテリパック430の内側に液体樹脂を押し込み、セル端子1205、電気端子1315、1320、及び個々のセル1200を電気的に相互連結するのに使用される導電性シート1140に樹脂を分配する。
【0054】
いくつかの実施の形態では、樹脂シート1305と樹脂シート1310との間に間隙1325が形成されていてもよい。図に示すように、交換ポート1135は、間隙1325と整列するように配向されて、以下に詳細に説明するように、バッテリパック430の動作中に個々のセル1200の外側を浸漬させて個々のセルを冷却するための間隙に冷却流体を出し入れする。
【0055】
図14A~
図14Dは、本願の実施の形態に係るバッテリパック430の個々のセル1200の冷却構成を示す。
図14A及び
図14Bは、冷却構成の正面斜視図および背面斜視図を示す。
図14Cは、
図13Eに示す断面図を示す。
図14Dは、バッテリパック430の内部を通る流体の流れの概略図を示す。
【0056】
上述のように、樹脂シート1305、1310は、個々のセル1200の端子1205ならびにEC部分(例えば、電気連結ポート1130内の上部端子1315及び下部端子1320)を封入することによって、バッテリパックハウジング1105構造内のセル1200に封止及び機械的支持を提供することができる。また、樹脂シート1305と樹脂シート1310との間には、間隙1325が形成されている。交換ポート1135は、間隙1325と整列するように配置され、以下に詳細に説明するように、バッテリパック430の動作中に個々のセル1200の外側を浸漬させて個々のセルを冷却するための間隙1325に冷却流体を出し入れする。
【0057】
図14Cに示すように、冷却流体1405をシート1305、1310の間の間隙1325に注入して、個々のセル1200間の任意の空間を埋めてもよい。この構成では、セル1200の側面を覆う非導電性コーティング1210によって隔離された非導電性冷却流体(例えば冷却流体1405)によってセル1200を囲むことができる。セル1200の端部にある端子1205は、樹脂によって封止されて絶縁されていてもよい。
【0058】
冷却流体1405は、小さい体積で高い熱容量を可能にし、周囲環境からの熱、及び、充電及び放電の両方を通してセルによって発生した熱を吸収するように、高い比熱を有する材料になるように選択されてもよく、これにより、バッテリパック430内を一定の温度に維持してもよい。いくつかの実施の形態では、冷却流体1405は、グリコール、超純水溶液、非導電性オイル、又はそれらの組み合わせ、あるいは当業者に明らかであり得る任意の他の冷却流体であってもよい。
【0059】
いくつかの実施の形態では、冷却流体はバッテリパック430を通って循環させることができる。例えば、
図14Dに示すように、流体1405は、バッテリパックの上面の交換ポート1135を通ってバッテリパック430に注入され、バッテリパックの底面に位置する交換ポート1135を通って引き出される。バッテリパック内では、セル1200間の経路指定又は流体案内構造は設けられていない。流体1405は、セル1200の間を自由に流れ、バッテリパック430の上面の交換ポート1135での流体1405の正の流体圧力と、バッテリパック430の下面の交換ポート1135での流体1405の負の流体圧力と、矢印1410によって示される重力とによってバッテリを通って流れる。バッテリパック430の外側では、流体1405は、後述する冷却に基づく強制空気、水、又は油を含むラジエータなどの冷却装置によって冷却されてもよい。さらに、以下でより詳細に説明するいくつかの実施の形態では、流体1405を一方のバッテリパック430から別のバッテリパック430に直列に送り出すことができるように、又は、流体1405を複数のバッテリパックに並列に送り出すことができるように、複数のバッテリパック430が互いに連結されてもよい。
【0060】
いくつかの実施の形態では、複数のバッテリパック430が互いに連結されて、エネルギーパック又は電力モジュールが形成されてもよい。
図15は、4つのバッテリパック430A~430Dから形成されたエネルギーモジュール1500の実施の形態を示す。図に示すように、各バッテリパック430A~430Dの矩形ハウジング1105は、互いに積み重ねられ、ブリッジ連結電力線によって電気コネクタと相互連結されてもよい。電気コネクタは、特に限定されず、当業者に明らかであり得る任意の種類のコネクタであってもよい。さらに、ジョイントされたBMSは、すべてのバッテリパック430A~430Dにわたって共有されてもよい。セルの化学的性質及び特性、並びにセルの内部構成は、エネルギーモジュール1500の所望する総電圧、エネルギー及び電力を達成するために、用途ごとに調整されてもよい。
【0061】
図16A及び
図16Bは、統合された冷却システム1600を備えたエネルギーモジュール1500の斜視図を示す。上述のように、エネルギーモジュール1500は、統合された電力ブロックとして互いに連結された複数のバッテリパック430A~430Dを備える。ブリッジ連結電力線1610A~1610Cは、隣接するバッテリパック430A~430Dを電気的に連結するために設けられている。例えば、ブリッジ連結電力線1610Aは、バッテリパック430Aの下部端子1320Aをバッテリパック430Bの下部端子1320Bに電気的に連結する。また、ブリッジ連結電力線1610Bは、バッテリパック430Bの上部端子1320Bとバッテリパック430Cの上部端子1320Cとを電気的に連結する。さらに、ブリッジ連結電力線1610Cは、バッテリパック430Cの下部端子1320Cをバッテリパック430Dの下部端子1320Dに電気的に連結する。
【0062】
統合された冷却システム1600は、隣接するバッテリパック403A~430Dの流体交換ポート1135A~1135Dを連結する一連の配管相互連結部1605A~1605Cを含む。例えば、配管相互連結部1605Aは、バッテリパック430Aの下部交換ポート1135Aをバッテリパック430Bの下部交換ポート1135Bに流体的に連結する(fluidly connect)。さらに、配管相互連結部1605Bは、バッテリパック430Bの上部交換ポート1135Bをバッテリパック430Cの上部交換ポート1135Cに流体連結する。さらに、配管相互連結部1605Cは、バッテリパック430Cの下部交換ポート1135Cをバッテリパック430Dの下部交換ポート1135Dに流体的に連結する。
【0063】
さらに、統合された冷却システム1600は、入力管1620によってバッテリパック430Aの上部交換ポート1135Aに、及び、出力管1625によってバッテリパック430Dの上部交換ポート1135Dに流体的に連結されたラジエータ1615も備える。ラジエータ1615から冷却流体は、入力管1620を通ってバッテリパック430B~430Dを通ってバッテリパック430Aに流れ、出力管1625を通ってラジエータ1615に戻る。ポンプ1630を設けて、統合された冷却システムを通して流体を送り出すことができる。
【0064】
バッテリ管理システム(BMS)
図17A及び
図17Bは、本願の実施の形態に係るバッテリ管理システム(BMS)432の動作の概略図を示す。上述のように、BMS432は、各バッテリパック430に統合されてもよく、電圧及び充電状態(SoC)の監視だけでなく、フルEVドライブトレインシステム400の自律性および各セル1200のライフサイクルを最大化するため、充電動作中のバッテリパック430内の各セル1200の充電の平衡化も担当してもよい。平衡化及び監視アルゴリズムは、マイクロコントローラ425又はBMSに統合されたマイクロコントローラを用いて実行されてもよい。さらに、BMSは、いくつかの点で各バッテリパック430の温度も監視してもよい。
【0065】
BMS432は、フルEVドライブトレインシステム400との通信のいくつかのモード及び/又はプロトコルをサポートすることができる。
図17Aは、コントローラエリアネットワーク(CAN)通信プロトコルを使用してマスタースレーブ分散システム(Master-Slave Distributed System)で通信するBMS432の実施の形態を示す。
図17Bは、通信がすべてのBMSボード間のカスケード通信であるBMS432の実施の形態を示す。
【0066】
図17Aに示すマスタースレーブ分散通信(MSDC)では、それぞれのBMS432は、コントローラエリアネットワーク(CANバス)プロトコルを用いてフルEVドライブトレインシステム400と通信する。この構成では、それぞれのBMS432は他のBMS432とは通信しないが、フルEVドライブトレインシステム400と通信する。
【0067】
逆に、
図17Bの実施の形態に示されるように、カスケード通信構成では、異なるBMSボード432A~432nの間の通信はシリアルモード1705で実行され、単一のBMS432はフルEVドライブトレインシステム400と通信する。
【0068】
いくつかの実施の形態では、BMS432は、個々のBMS432ユニット間の通信と、複数のBMS432ユニットによるフルEVドライブトレインシステム400との直接連結の両方を可能にするハイブリッドモードも有していてもよい。
【0069】
さらに、BMS432A~432nは、モジュール温度又はバッテリパック430A~430nの充電状態(SoC)などの関連情報を共有することを可能にするために、フルEVドライブトレインシステム400との双方向通信をサポートしてもよい。
【0070】
いくつかの実施の形態では、BMS432A~432nは、それぞれのセル1200を保護するために過電流保護を提供してもよい。BMS432A~432nは、以下の機能も実行してもよい。
各セル1200の電圧監視;
ユーザ構成に応じた、それぞれのセル1200のプリセット電圧へのバランス;
バッテリ430A~430nの充電レベルを示す充電状態;
それぞれのセル1200に付与された又は貯蔵された電荷[Ah](クーロンカウンタ(Coulomb counter));
過電圧(充電中)及び低電圧(放電中)の保護;
エネルギーモジュール1500の平均温度;及び
高温及び低温に対する保護。
【0071】
いくつかの実施の形態では、バッテリのつながりを形成するため、バッテリパック430A~430nのセル1200は、銅ストリップを用いて互いに並列に連結されてもよい。いくつかの実施の形態では、ワイヤを銅ストリップに溶接し、それぞれのBMS432A~432nに結び付けてもよい。放電抵抗は、エネルギーモジュール1500の側面のうちの1つと接触し、フィルムによって隔離されてもよい。これは、エネルギーモジュール冷却システム1600を用いることによって放電抵抗の熱放散を可能にする。いくつかの実施の形態では、BMS432A~432nは、BMS432A~432nを保護し環境から隔離するために樹脂で覆われてもよい。
【0072】
モータ
図18A及び
図18Bは、本願の実施の形態に係るモータ405の端面図を示す。
図18C及び
図18Dは、本願の実施の形態に係るモータ405の側面図を示す。
図18E及び
図18Fは、本願の実施の形態に係るモータ405の斜視図を示す。
図18Gは、本願の実施の形態に係るモータ405の分解図を示す。
図18Hは、本願の実施の形態に係るモータ405の断面図を示す。モータ405は、ラジアル永久磁石同期モータ(PMSM)とすることができる。いくつかの実施の形態では、モータ405は、一対のエンドシールド1805(例えば、左右のカバー)、モータ本体1810、ステータアセンブリ1900、ローターアセンブリ2400、ローターアセンブリ2400を支持する一対のベアリング2150、及びベアリング2150を支持し、エンドシールド1805に取り付けられる一対のベアリングホルダ2175を備えていてもよい。また、モータは、3相及びモータ相の星形連結の中心への電気的連結を可能にする4つの電力コネクタ1815を含むことができる。また、モータ本体1810は、冷媒ポート1825を介して冷媒を循環させることができる流体キャビティ1830と、流体キャビティ1830を覆うカバー1820とを備えていてもよい。また、モータ405は、温度センサ1835と、モータ405の角回転(angular rotation)を測定するエンコーダ1840とを備えていてもよい。
【0073】
ステータ
ステータは特に限定されず、当業者に明らかであり得る任意の構成を有していてもよい。いくつかの実施の形態では、ステータアセンブリ1900はセグメント化されたステータであってもよい。
図19Aは、本願の実施の形態に係るセグメント化されたステータ1900の斜視図を示す。
図19Bは、本出願の実施の形態に係るステータ歯ユニット1920の斜視図を示す。
図19Cは、本出願の実施の態様に係るステータ歯本体1910を示す。
図19Dは、本出願に係るステータ歯本体1910を形成するために用いられるステータシート1905を示す。セグメント化されたステータアセンブリ1900は、標準化された製造方法と共に、スロット内における直接の且つより容易な高密度の巻線を可能にし得る。
【0074】
図19Aの斜視図に示すように、セグメント化されたステータアセンブリ1900は、複数のステータ歯ユニット1920によって形成されてもよい。
図19B及び
図19Cに示すように、各ステータ歯ユニット1920は、その中央領域1925の周りに巻線1915のコイルを有するステータ歯本体1910によって形成されている。各ステータ歯本体1910は、略T型出荷構造を有する複数のステータシート1905を積み重ねることによって形成されてもよい。
【0075】
モータ本体
モータ本体は、ステータ1900を覆ってもよく、歯ユニット1920を機械的に支持してもよい。
図20Aは、本願の実施の形態に係るモータ本体1810の平面図を示す。
図20Bは、本願の実施の形態に係るモータ本体1810の側面図を示す。
図20Cは、本願の実施の形態に係るモータ本体1810の底面図を示す。
図20Dは、本願の実施の形態に係るモータ本体1810の断面図を示す。図に示すように、モータ本体は、ステータ1900を受容するように構成された中空の内部1814を有する実質的に環状の側壁1812を有する。いくつかの実施の形態では、モータ本体1810はアルミニウム製であってもよい。
【0076】
図20Eは、ステータアセンブリ1900が設置されたモータ本体1810の斜視図である。
図20Fは、ステータアセンブリ1900が設置されたモータ本体1810の端面図である。
図20Gは、ステータアセンブリ1900が設置されたモータ本体1810の側面図である。
図20Hは、ステータアセンブリ1900が設置されたモータ本体1810の断面図である。いくつかの実施の形態では、モータ本体1810は、モータ本体1810の側壁1812とモータ本体1810を囲むカバー1820との間に形成された冷却流体キャビティ1830を有していてもよい。冷却流体は、カバー1820を貫通して形成された一対の冷媒ポート1825を介して流体キャビティに出入りするように送り出されてもよい。
【0077】
エンドシールド
図21Aは、本願の実施の形態に係るエンドシールド1805の斜視図である。
図21Bは、本願の実施の形態に係るエンドシールド1805の正面図である。
図21Cは、本願の実施の形態に係るエンドシールド1805の背面図である。
図21Dは、本願の実施の形態に係るエンドシールド1805の断面図である。実施の形態において、エンドシールド1805は、アルミニウム製でよく、ローター軸が回転するボールベアリング2150を支持するためにモータ本体1810の端部及び凹部2105を囲んでもよい。
【0078】
ローター
図22Aは、本出願の1つの実施の形態に係るローターシート2205の平面図である。
図22Bは、本出願の1つの実施の形態に係るローターシート2205の斜視図である。
図22Cは、本出願の実施の形態に係る複数のローターシート2205から形成されたローターコア2200の斜視図である。いくつかの実施の形態では、ローターシート2205は、複数のタブ2215を有する鋼板であってもよく、複数のタブ2215の間には、磁石受容ギャップ2210が形成されている。さらに、ローターシート2205は、ローターシート2205を貫通して形成された複数の横方向の穴2220を有してもよい。また、ローターシート2205は、軸が挿入され得る軸方向穴2225を有していてもよい。いくつかの実施の形態では、それぞれのローターシート2205は、特定の要件に対する磁気効率を最大にし、ドライブトレインへの適切な機械的取り付けを可能にするように選択された特定の形状で形成されてもよい。ローターコア2200は、当該シートを積み重ねることによって形成されたスチールコアであってもよい。
【0079】
図23Aは、本願の実施の形態に係るローターアセンブリ2400を形成するためにローターコア2200に挿入する磁石2300の上面図を示す。
図23Bは、本願の実施の形態に係るローターアセンブリ2400を形成するためにローターコア2200に挿入する磁石2300の斜視図を示す。磁石2300のサイズ及び形状は、ローターコア2200への強固な機械的取り付けで最適性能を可能にする特定のサイズ及び形状となるように決定されてもよい。いくつかの実施の形態では、磁石2300は、ローターシート2205の磁石受容ギャップ2210と緊密に圧入係合するようにサイズ設定されてもよい。
【0080】
図24Aは、本願の実施の形態に従って磁石2300がローターコア2200内に設置されたローターアセンブリ2400の平面図を示す。
図24Bは、本願の実施の形態に従って本願の実施の形態に従って磁石2300がローターコア2200内に設置されたローターアセンブリ2400の斜視図を示す。
図24Cは、本願の実施の形態に従って取り付けられた車軸2410を有するローターアセンブリ2400の平面図を示す。
図24Dは、車軸2410が取り付けられた状態のローターアセンブリ2400の斜視図を示す。図に示すように、磁石2300は、ローターコア2200のギャップ2210に挿入されている。
【0081】
センサ
いくつかの実施の形態では、モータ405は、ステータ1900に対するローター2400の位置を正確に知り、必要な正確な位相電力信号(the exact phases power signals needed)を提供するために、角度位置センサ(例えば、エンコーダ1840)を装備していてもよい。また、必要な場合、モータ保護を確実にし、温度制御を実施するために、温度センサ1835が設けられてもよい。
【0082】
インフォテインメントシステム
いくつかの実施の形態では、電気自動車は、接続機能及びデジタル対話機能を提供するインフォテインメントシステムも備えていてもよい。例えば、電気自動車は、ダッシュボードの構成、自動車の自動車設定の変更、内蔵GPSの使用、ブルートゥース(登録商標)又はWi-Fi接続を介した音楽の聴取、記録トラックデータのコンピュータへのダウンロード又はソーシャルメディア上への公開、乗車中のフロントカメラ及びリアカメラのビデオ記録又はトラックモーメントのキャプチャ、並びに、当業者には明らかであり得る他の任意の実施を可能にする7インチタッチスクリーン装置を装備していてもよい。
【0083】
前述の詳細な説明は、ブロック図、概略図、及び実施例を用いて、デバイス及び/又はプロセスの様々な実施の形態を説明した。そのようなブロック図、概略図、及び実施例が1つ又は複数の機能及び/又は動作を含む限り、そのようなブロック図、フローチャート、又は実施例内の各機能及び/又は動作は、広範囲で個別に及び/又はまとめて、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は事実上それらの組み合わせによって、実施され得る。1つの実施の形態では、本主題は、特定用途向け集積回路(ASIC)を介して実施されてもよい。しかしながら、本明細書に開示される実施形態は、全体として又は部分的に、1つ又は複数のプロセッサによって実行される1つ又は複数のプログラムとして、1つ又は複数のコントローラ(例えばマイクロコントローラ)によって実行される1つ又は複数のプログラムとして、ファームウェアとして、又は事実上それらの任意の組み合わせとして、標準的な集積回路において同等に実施されてもよい。
【0084】
特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は例として提示したにすぎず、保護の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法及び装置は、他の様々な形態で具現化することができる。さらに、保護の思想から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、その保護の範囲及び趣旨の範囲内に入るようなそのような形態又は修正を網羅することを意図している。