(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】店舗で利用可能なクーポンを発行するシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240123BHJP
【FI】
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2018172555
(22)【出願日】2018-09-14
【審査請求日】2021-09-08
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】517248421
【氏名又は名称】合同会社DGホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】山内 堅太
(72)【発明者】
【氏名】ハン ユ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】酒井 梨恵
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 晋司
(72)【発明者】
【氏名】山内 優花
(72)【発明者】
【氏名】梶谷 将太郎
(72)【発明者】
【氏名】梅田 直哉
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】渡邊 聡
【審判官】松尾 俊介
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-351039(JP,A)
【文献】特開2017-182555(JP,A)
【文献】特開2003-44768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のコンピュータプロセッサと、
複数の店舗の各々について、各店舗で利用可能なクーポンに関するクーポン情報を記憶するストレージと、
を備え、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
複数のユーザの各々に対して前記複数の店舗のうちの第1店舗にて利用可能な第1クーポンを発行し、
前記第1クーポンの利用期限前の所定の判定時点において前記複数のユーザのうちの前記第1クーポンを利用していない一または複数の未利用ユーザを特定し、
前記特定された一または複数の未利用ユーザの中から選ばれた一または複数の対象ユーザに対して前記第1クーポンの利用を促す利用促進通知を送信
し、
前記利用促進通知は、少なくとも前記第1店舗の稼働率が基準稼働率以下である場合に送信される、システム。
【請求項2】
一又は複数のコンピュータプロセッサと、
複数の店舗の各々について、各店舗で利用可能なクーポンに関するクーポン情報を記憶するストレージと、
を備え、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
複数のユーザの各々に対して前記複数の店舗のうちの第1店舗にて利用可能な第1クーポンを発行し、
前記第1クーポンの利用期限前の所定の判定時点において前記複数のユーザのうちの前記第1クーポンを利用していない一または複数の未利用ユーザを特定し、
前記特定された一または複数の未利用ユーザの中から選ばれた一または複数の対象ユーザに対して前記第1クーポンの利用を促す利用促進通知を送信し、
前記利用促進通知は、前記第1クーポンのクーポン消化率が基準消化率以下である場合に送信され、
前記クーポン消化率は、前記第1クーポンの発行総数に対する前記第1店舗で利用済みの前記第1クーポンの数の割合を示す、
システム。
【請求項3】
前記一または複数の未利用ユーザの各々について、既に利用期限が到来した一または複数の第2クーポンの利用率を算出し、前記利用促進通知は、前記一または複数の未利用ユーザのうち前記利用率が第1基準利用率以上であるユーザの割合が基準値以下である場合に送信される、
請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記一または複数の未利用ユーザの各々について、既に利用期限が到来した一または複数の第2クーポンの利用率を算出し、
前記一または複数の対象ユーザは、前記一または複数の未利用ユーザの中から前記利用率が第2基準利用率以上である
ユーザが選択される、
請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記所定の判定時点から、前記一または複数の未利用ユーザに含まれる第1未利用ユーザが利用可能な前記第1クーポンに設定されている有効期限
までの間に、前記第1未利用ユーザ
が、既に利用期限が到来した一または複数の第2クーポン
を利用
した時期
がある場合、前記第1未利用ユーザが前記対象ユーザとして選択される
、
請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記利用促進通知は、前記第1店舗の店舗データを含む情報を含む、
請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1クーポンの前記クーポン情報は、前記第1クーポンの利用時に与えられる第1特典を示す第1特典情報を含み、
前記利用促進通知は、前記第1特典情報とは異なる第2特典情報を含み、
前記第2特典情報は、前記利用促進通知の送信後に前記第1クーポンを利用するときに与えられる第2特典を示す、
請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2特典
は、
前記第1店舗の稼働率
が低いほど前記対象ユーザにとっての効用が大きくなるように決定される、
請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1店舗より前記第2特典の候補である一または複数の第2特典候補を示す第2特典候補情報を受け付け、
前記利用促進通知は、前記複数の第2特典候補から選択された選択第2特典を示す選択第2特典情報を含むように生成される、
請求項
7又は請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
一又は複数のコンピュータプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより実行する方法であって、
複数の店舗の各々について、各店舗で利用可能なクーポンに関するクーポン情報を記憶する工程と、
複数のユーザの各々に対して前記複数の店舗のうちの第1店舗にて利用可能な第1クーポンを発行する工程と、
前記第1クーポンの利用期限前の所定の判定時点において前記複数のユーザのうちの前記第1クーポンを利用していない一または複数の未利用ユーザを特定する工程と、
前記特定された一または複数の未利用ユーザの中から選ばれた一または複数の対象ユーザに対して前記第1クーポンの利用を促す利用促進通知を送信
し、前記利用促進通知は、少なくとも前記第1店舗の稼働率が基準稼働率以下である場合に送信される工程と、
を備える方法。
【請求項11】
一又は複数のコンピュータプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより実行する方法であって、
複数の店舗の各々について、各店舗で利用可能なクーポンに関するクーポン情報を記憶する工程と、
複数のユーザの各々に対して前記複数の店舗のうちの第1店舗にて利用可能な第1クーポンを発行する工程と、
前記第1クーポンの利用期限前の所定の判定時点において前記複数のユーザのうちの前記第1クーポンを利用していない一または複数の未利用ユーザを特定する工程と、
前記特定された一または複数の未利用ユーザの中から選ばれた一または複数の対象ユーザに対して前記第1クーポンの利用を促す利用促進通知を送信し、前記利用促進通知は、前記第1クーポンのクーポン消化率が基準消化率以下である場合に送信され、前記クーポン消化率は、前記第1クーポンの発行総数に対する前記第1店舗で利用済みの前記第1クーポンの数の割合を示す工程と、
を備える方法。
【請求項12】
一又は複数のコンピュータプロセッサに実行させるプログラムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサに、
複数の店舗の各々について、各店舗で利用可能なクーポンに関するクーポン情報を記憶する工程と、
複数のユーザの各々に対して前記複数の店舗のうちの第1店舗にて利用可能な第1クーポンを発行する工程と、
前記第1クーポンの利用期限前の所定の判定時点において前記複数のユーザのうちの前記第1クーポンを利用していない一または複数の未利用ユーザを特定する工程と、
前記特定された一または複数の未利用ユーザの中から選ばれた一または複数の対象ユーザに対して前記第1クーポンの利用を促す利用促進通知を送信
し、前記利用促進通知は、少なくとも前記第1店舗の稼働率が基準稼働率以下である場合に送信される工程と、
を実行させるプログラム。
【請求項13】
一又は複数のコンピュータプロセッサに実行させるプログラムであって、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサに、
複数の店舗の各々について、各店舗で利用可能なクーポンに関するクーポン情報を記憶する工程と、
複数のユーザの各々に対して前記複数の店舗のうちの第1店舗にて利用可能な第1クーポンを発行する工程と、
前記第1クーポンの利用期限前の所定の判定時点において前記複数のユーザのうちの前記第1クーポンを利用していない一または複数の未利用ユーザを特定する工程と、
前記特定された一または複数の未利用ユーザの中から選ばれた一または複数の対象ユーザに対して前記第1クーポンの利用を促す利用促進通知を送信し、前記利用促進通知は、前記第1クーポンのクーポン消化率が基準消化率以下である場合に送信され、前記クーポン消化率は、前記第1クーポンの発行総数に対する前記第1店舗で利用済みの前記第1クーポンの数の割合を示す工程と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における開示は、店舗で利用可能なクーポンを発行するシステム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品やサービスを提供する店舗が販売促進のために電子的なクーポンを発行するためのシステムが知られている。このような店舗によって電子的なクーポンを発行するためのシステムは、例えば、特開2004-272463号公報(特許文献1)及び特開2013-065109号公報(特許文献2)に開示されている。店舗が発行する電子的なクーポンは、販売促進目的のために無料でユーザの情報通信装置に配信される。クーポンによる販売促進効果は、ユーザが実際にクーポンを利用することで実現されるため、かかるシステムではクーポンの利用率を向上させることが求められる。上記特許文献1及び上記特許文献2では、クーポンの利用率を高めための改善が提案されている。
【0003】
複数の店舗のクーポンを提供するクーポンサイトが知られている。クーポンサイトにおいては、複数の店舗のクーポンの中からユーザの選択に応じたクーポンが当該ユーザに配信される。クーポンサイトを利用してクーポンを配信することにより、ユーザにとっては多様なクーポンへのアクセスが容易となり、店舗にとってはクーポンをより多くの潜在ユーザに配信可能となる。このようなクーポンサイトを利用したクーポンサービスとして、米国イリノイ州に本社をおくグルーポンGroupon,Inc.が提供するGroupon(商標)や楽天株式会社が提供するRaCoupon(商標)が知られている。
【0004】
クーポンサイトのユーザは、商品購入のため又はサービス利用のためのクーポンを当該クーポンサイトにおいて事前に購入し、後日、この事前購入したクーポンを店舗において利用する。ユーザは、クーポンを利用することにより、店舗において商品を購入したりサービスの提供を受けたりすることができる。クーポンには割引や特典が設定されており、ユーザは、クーポンの利用時に、利用するクーポンに応じた割引や特典を得ることができる。クーポンサイトにおいては店舗における商品の購入前又はサービスの利用前にクーポンが購入されるため、クーポンサイトにおいて発行されるクーポンは、事前購入型クーポンと呼ばれることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-272463号公報
【文献】特開2013-065109号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】"ご利用方法と注意事項 楽天クーポン RaCoupon(ラ・クーポン)"、[online]、[2018年8月13日検索]、インターネット〈URL:https://coupon.rakuten.co.jp/rule/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
クーポンには、当該クーポンを利用可能な利用期限が設定される。クーポンに設定された利用期限が過ぎると、ユーザは、当該クーポンを利用した商品の購入やサービスの利用ができなくなる。クーポンサイトにおいて購入されたクーポンの一部は、利用期限が過ぎるまで使用されないという実態がある。
【0008】
クーポンサイトのユーザの満足度の向上及びクーポンサイトを経由してクーポンを発行する店舗にとっての販売促進効果の向上のためには、クーポンサイトを介して購入されたクーポンの利用率を向上させることが望まれる。
【0009】
クーポンサイトにおいては、購入済みクーポンの利用を促すために、クーポンの利用期限の所定期間前に未使用のクーポンを保有するユーザに対して期限通知が送付される。例えば、上記の非特許文献1には、クーポンの利用期限の1週間前に未使用のクーポンを保有するユーザに対して期限通知を送付することが開示されている。このような期限通知により、ユーザに対して利用期限経過前に購入済みクーポンの利用を促すことができる。しかしながら、ユーザに対して利用期限の所定期間前に期限通知を行うと、クーポンの利用が利用期限の終了直前に集中してしまうおそれがある。店舗が提供する商品やサービスによっては、短期間の集中的な需要に応えられない場合がある。例えば、ヘアサロン、映画館、レストランといった店舗は、1日に所定数の客にしか対応できない。このように、各店舗について対応可能な客数があり、この上限を超えるクーポン利用の申し出があっても、その申し出に応じて商品を販売したりサービスを提供したりできないことがある。
【0010】
本開示の目的は、上述した従来のクーポンサイトにおける問題点の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することである。本開示のより具体的な目的の一つは、店舗による商品やサービスの供給力の範囲内で発行済みクーポンの利用を促進することである。本開示の上記以外の目的は、本願明細書の全体の記載を参照することにより理解される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、一又は複数のコンピュータプロセッサと、複数の店舗の各々について、各店舗で利用可能なクーポンに関するクーポン情報を記憶するストレージと、を備えるシステムに関する。当該システムにおいて、前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、複数のユーザの各々に対して前記複数の店舗のうちの第1店舗にて利用可能な第1クーポンを発行し、前記複数のユーザのうちの前記第1クーポンを利用していない一または複数の未利用ユーザの中から選ばれた一または複数の対象ユーザに対して前記第1クーポンの利用を促す利用促進通知を送信する。
【0012】
本発明の一態様において、前記利用促進通知は、少なくとも前記第1店舗の稼働率が基準稼働率以下である場合に送信される。
【0013】
本発明の一態様において、前記利用進通知は、前記第1クーポンのクーポン消化率が基準消化率以下である場合に送信される。このクーポン消化率は、前記第1クーポンの発行総数に対する前記第1店舗で利用済みの前記第1クーポンの数の割合を示す。
【0014】
本発明の一態様において、前記一または複数の未利用ユーザの各々について、既に利用期限が到来した一または複数の第2クーポンの利用率を算出し、前記利用促進通知は、前記一または複数の未利用ユーザのうち前記利用率が第1基準利用率以上であるユーザの割合が基準数以下である場合に送信される。
【0015】
本発明の一態様において、前記一または複数の未利用ユーザの各々について、既に利用期限が到来した一または複数の第2クーポンの利用率を算出し、前記一または複数の対象ユーザは、前記一または複数の未利用ユーザの中から前記一または複数の第2クーポンの利用履歴に基づいて選択される。
【0016】
本発明の一態様において、前記一または複数の未利用ユーザの各々について、既に利用期限が到来した一または複数の第2クーポンの利用率を算出し、前記一または複数の対象ユーザは、前記一または複数の未利用ユーザの中から前記利用率及び第2基準利用率に基づいて選択される。
【0017】
本発明の一態様において、前記一または複数の未利用ユーザの各々について、既に利用期限が到来した一または複数の第2クーポンの利用率を算出し、前記一または複数の未利用ユーザに含まれる第1未利用ユーザが利用可能な前記第1クーポンに設定されている有効期限と、前記第1未利用ユーザの前記第2クーポンの利用時期と、に基づいて、前記第1未利用ユーザが前記対象ユーザとして選択されるか否かを決定する。
【0018】
本発明の一態様において、前記利用促進通知は、前記第1店舗に関する情報を含む。
【0019】
本発明の一態様において、前記第1クーポンの前記クーポン情報は、前記第1クーポンの利用時に与えられる第1特典を示す第1特典情報を含み、前記利用促進通知は、前記第1特典情報とは異なる第2特典情報を含み、前記第2特典情報は、前記利用促進通知の送信後に前記第1クーポンを利用するときに与えられる第2特典を示す。
【0020】
本発明の一態様において、前記第2特典情報は、少なくとも前記第1店舗の稼働率に基づいて決定される。
【0021】
本発明の一態様において、前記第1店舗より前記第2特典の候補である一または複数の第2特典候補を示す第2特典候補情報を受け付け、前記利用促進通知は、前記複数の第2特典候補から選択された選択第2特典を示す選択第2特典情報を含むように生成される。
【0022】
本発明の一態様は、一又は複数のコンピュータプロセッサがコンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより実行する方法に関する。当該方法は、複数の店舗の各々について、各店舗で利用可能なクーポンに関するクーポン情報を記憶する工程と、複数のユーザの各々に対して前記複数の店舗のうちの第1店舗にて利用可能な第1クーポンを発行する工程と、前記複数のユーザのうちの前記第1クーポンを利用していない一または複数の未利用ユーザの中から選ばれた一または複数の対象ユーザに対して前記第1クーポンの利用を促す利用促進通知を送信する工程と、を備える。
【0023】
本発明の一態様は、一又は複数のコンピュータプロセッサに実行されるプログラムに関する。当該プログラムは、前記一又は複数のコンピュータプロセッサに、複数の店舗の各々について、各店舗で利用可能なクーポンに関するクーポン情報を記憶する工程と、複数のユーザの各々に対して前記複数の店舗のうちの第1店舗にて利用可能な第1クーポンを発行する工程と、前記複数のユーザのうちの前記第1クーポンを利用していない一または複数の未利用ユーザの中から選ばれた一または複数の対象ユーザに対して前記第1クーポンの利用を促す利用促進通知を送信する工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態によって、店舗による商品やサービスの供給力の範囲内で発行済みクーポンの利用を促進することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】一実施形態によるクーポン処理システムを示すブロック図である。
【
図2】
図1のクーポン処理システムにおいて記憶される情報を説明する図である。
【
図3】
図1のクーポン処理システムにおいて記憶される情報を説明する図である。
【
図4】
図1のクーポン処理システムにおいて記憶される情報を説明する図である。
【
図5】クライアント装置10におけるクーポンリストの表示例を説明する図である。
【
図6】一実施形態によるクーポン処理システムにおける処理を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】一実施形態によるクーポン処理システムにおける処理を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を適宜参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。複数の図面において同一の又は類似する構成要素には同じ参照符号が付される。
【0027】
図1から
図5を参照して、一実施形態によるクーポン処理システム1について説明する。
図1は、一実施形態によるクーポン処理システム1を示すブロック図であり、
図2から
図4はそれぞれ、
図1のクーポン処理システム1において記憶される情報を説明するための図であり、
図5は、クーポンリストの表示例を説明するための模式図である。
【0028】
図示のとおり、本発明の一実施形態によるクーポン処理システム1は、クライアント端末10と、クーポンサイトサーバ装置20と、店舗装置30a~30cと、ストレージ60と、を備える。
【0029】
クライアント装置10、クーポンサイトサーバ装置20、店舗装置30a~30c、及びストレージ60は、ネットワーク50を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク50は、単一のネットワークであってもよく、複数のネットワークが接続されて構成されていてもよい。ネットワーク50は、例えば、インターネット、移動通信網、及びこれらの組み合わせである。ネットワーク50としては、電子機器間の通信を可能とする任意のネットワークが適用され得る。
【0030】
クライアント端末10は、ユーザによって使用される情報端末装置である。クライアント装置10は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍リーダー、ウェアラブルコンピュータ、ゲーム用コンソール、ヘッドマウントディスプレイ、及びこれら以外の各種情報処理装置である。クライアント装置10は、ディスプレイを備えてもよい。このディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はこれら以外の画像を表示可能な任意の情報表示装置である。クライアント装置10のディスプレイは、プレイヤのタッチ操作(接触操作)を検出することができるタッチパネルを有していても良い。本明細書においては、説明の便宜上、クライアント装置10のユーザを「ユーザ」と呼ぶことがある。
【0031】
クーポンサイトサーバ装置20は、クーポンサイトの各種サービスを提供するサーバ装置である。ユーザは、クライアント装置10を介してクーポンサイトサーバ装置20にアクセスすることにより、クーポンサイトサーバ装置20が提供する各種サービスの提供を受けることができる。
【0032】
店舗装置30a~30cの各々は、商品の販売やサービスの提供を行う店舗が利用する情報処理装置である。この店舗には、例えば、宿泊サービスを提供するホテル、ヘアカットなどの美容サービスを提供するヘアサロン、映画を観客に見せる映画館、洋服を販売する洋服店、雑貨を販売する雑貨店、及びこれら以外の各種店舗が含まれる。店舗装置30a~30cの各々は、各店舗において、顧客情報の管理、予約の受付、予約の管理、売上の管理、クーポンサイトサーバ装置20との間でのデータの送受信、及びこれら以外の情報処理を行うために用いられ得る。店舗装置30a~30cは、各店舗のウェブページをホスティングしてもよい。店舗装置30a~30cは、そのウェブページを介して、クライアント装置10のユーザに対して、商品をオンラインで購入させるための商品購入サービス、サービスの予約を受け付ける予約機能、及びこれら以外の各種オンラインサービス又は機能を提供するためのサーバ装置であってもよい。店舗装置30aは、店舗装置30b及び店舗装置30cとは別の店舗により使用される情報処理装置であってもよい。店舗装置30a~30cを互いから区別する必要がない場合には、店舗装置30a~30cを店舗装置30と総称することがある。
【0033】
図1においては、クライアント装置10が1台のみ図示されているが、クーポン処理システム1において用いられ得るクライアント装置10の数は任意である。
【0034】
クーポンサイトサーバ装置20は、コンピュータプロセッサ21、通信I/F22、及びストレージ23を備えている。
【0035】
コンピュータプロセッサ21は、オペレーティングシステムや様々なプログラムをメモリにロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する演算装置である。コンピュータプロセッサ21は、例えば、CPU、MPU、DSP、GPU、これら以外の各種演算装置、又はこれらの組み合わせである。プロセッサ11は、ASIC、PLD、FPGA、MCU等の集積回路により実現されてもよい。
【0036】
通信I/F22は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装される。クーポンサイトサーバ装置20は、通信I/F22を介して、他の装置とデータを送受信することができる。
【0037】
ストレージ23は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ、又はデータを記憶可能な前記以外の各種記憶装置である。ストレージ23には、クーポンサイトサーバ装置20において利用される各種データが記憶される。図示のように、ストレージ23には、例えば、店舗情報23a、ユーザ情報23b、及びクーポン情報23cが記憶されてもよい。
【0038】
ストレージ23に記憶される情報について、以下で説明する。店舗情報23aの例が
図2に示されている。図示のように、クーポン処理システム1を利用する各店舗の23aは、各店舗のアカウント情報と、当該アカウント情報と対応付けられた各店舗に関する情報と、が含まれる。店舗のアカウント情報は、例えば、当該店舗を識別する店舗IDである。図示のように、ある店舗のアカウント情報と対応付けられる情報には、当該店舗において利用可能でありユーザに対して販売されるクーポンに関する情報を示すクーポン販売情報、当該店舗において利用可能なクーポンの利用状況を示すクーポン利用状況情報、及び当該店舗における稼働率などの店舗データが含まれてもよい。
【0039】
ある店舗についてのクーポン販売情報は、例えば、当該店舗において利用可能でありユーザに対して販売されるクーポンを識別するクーポンIDであってもよい。店舗は、複数のクーポンを販売用のクーポンとして設定することができる。よって、ある店舗で利用可能なクーポンが複数販売される場合には、当該店舗の店舗IDと対応付けて当該複数のクーポンの各々を示すクーポンIDが記憶されてもよい。例えば、ホテルAは、当該ホテルAでの宿泊サービスの提供を受ける際に利用可能なクーポンを100個販売することができる。この場合、100個のクーポンの各々にクーポンIDが発行される。ホテルAでの利用のために販売される100個のクーポンを識別するために、A1~A100の100個のクーポンIDが発行されてもよい。この場合、ホテルAの店舗IDと対応付けて、A1~A100の100個のクーポンIDが対応付けられる。クーポン販売情報には、当該クーポンの販売期間が含まれてもよい。A1~A100のクーポンIDで識別される100個のクーポンには、共通の販売期間が設定されていてもよい。後述するように、この販売対象となっているクーポンの購入を要求する購入要求がユーザから受け付けられると、当該購入対象のクーポンを発行するクーポン発行処理が行われる。
【0040】
ある店舗についてのクーポン利用状況情報には、当該店舗で利用可能でありユーザに対して発行されたクーポンの総数を示す発行済クーポン数、当該店舗で発行されたクーポンのうち既に利用されたクーポンの数を示す利用済クーポン数、発行済クーポン数に対する利用済クーポン数の割合を示すクーポン消化率、及びこれら以外のクーポンの利用状況を示す各種情報を含むことができる。上記の例において、ホテルAが販売するA1~A100の100個のクーポンが完売し、そのうちA1~A70の70個のクーポンが既にホテルAにおいて利用された場合には、当該ホテルAについてのクーポン消化率は70%となる。クーポン消化率は、店舗情報23aとしてストレージ23に記憶されていてもよいし、店舗情報23aとして記憶されている。各店舗は、複数の種類のクーポンを販売してもよい。発行済クーポン数、利用済クーポン数、及びクーポン消化率は、当該クーポンについての販売期間が経過するまで随時更新され得る。ある店舗についてのクーポン利用状況情報は、当該店舗から販売されるクーポンの種類ごとに管理されてもよい。
【0041】
ある店舗についての店舗データには、例えば、当該店舗の稼働率、当該店舗の所定期間における売上目標、当該店舗の売上実績、売上目標に対する売上実績の比である達成率、及びこれら以外の店舗に関する各種情報を含むことができる。店舗の稼働率とは、例えば、当該店舗におけるサービスを提供するための設備に対する実際に稼働している設備の割合を示す指標のことである。例えば、10席ある美容室において、そのうちの7席においてヘアカット等のサービスが提供されていれば、稼働率は70%である。ある店舗における月間の売上目標が1000万円であり、売上実績が800万円であれば、達成率は80%となる。これらの数値が店舗データとして、当該店舗の店舗IDと対応付けて記憶され得る。店舗データには、稼働率、売上目標、及び売上実績以外に、店舗の営業状況を示す様々なデータが含まれ得る。
【0042】
ある店舗についての店舗情報23aは、当該店舗から新たなクーポンが販売される場合、クーポンの利用状況が変わった場合、店舗から店舗データのアップデイトを受け付けた場合、及びこれら以外の場合に、随時更新され得る。例えば、店舗装置30aを利用している店舗は、商品またはサービスのプロモーションのために新たなクーポンを販売する際に、当該クーポンに関する各種情報を含むクーポン販売要求をクーポンサイトサーバ装置20に送信することができる。クーポンサイトサーバ装置20は、当該クーポンを配布するためのクーポン販売要求に基づいて、当該クーポンを識別するクーポンIDを発行し、当該当該クーポンIDを当該店舗の店舗IDと対応付けてクーポン販売情報としてストレージ23に格納することができる。
【0043】
ユーザ情報23bの例が
図3に示されている。図示のように、クーポン処理システム1を利用するユーザに関するユーザ情報には、各ユーザのアカウント情報と、当該アカウント情報と対応付けて記憶される各ユーザに関する各種情報が含まれ得る。ユーザのアカウント情報は、例えば、当該ユーザを識別するユーザIDである。ストレージ23には、ユーザのアカウント情報と対応付けて、当該ユーザが保有するクーポンを示す保有クーポン情報、当該ユーザによる既に利用期限が経過したクーポン(満期クーポン)の利用履歴を示す利用履歴情報、及びこれら以外の当該ユーザに関する情報が含まれ得る。
【0044】
あるユーザについての保有クーポン情報は、例えば、当該ユーザが保有するクーポンを識別するクーポンIDである。あるユーザが複数のクーポンを保有している場合には、当該ユーザのユーザIDと対応付けて、当該ユーザが保有する複数のクーポンの各々を識別する複数のクーポンIDが記憶されてもよい。ユーザが保有するクーポンを店舗において利用した場合には、当該利用されたクーポンのクーポンIDは保有クーポン情報から削除される。また、保有しているクーポンが未利用のままで当該クーポンの利用期限が到来した場合にも、当該利用期限が到来したクーポンのクーポンIDは保有クーポン情報から削除される。後述するように、クーポン処理システム1のユーザは、クーポンサイトサーバ装置20にアクセスしてクーポンを購入することにより、クーポンを保有することができる。
【0045】
あるユーザについての利用履歴情報は、当該ユーザによるクーポンの利用履歴を示す情報である。あるユーザの利用履歴情報には、当該ユーザが購入したクーポンのうち既に利用期限が到来した満期クーポンについての各種情報が含まれ得る。満期クーポンには、利用期限前に利用されたクーポン及び利用期限経過まで利用されなかったクーポンの両方を含む。例えば、あるユーザの利用履歴情報には、満期クーポン(すなわち、ユーザが購入したクーポンのうち既に利用期限が経過したクーポン)のクーポンID、利用期限前に利用されたクーポンを示す情報(例えば、利用されたクーポンのクーポンID)、クーポンが利用された日時、及び当該ユーザによるクーポンの利用履歴を示す前記以外の情報が含まれ得る。あるユーザの利用履歴情報には、満期クーポンの総数(つまり、当該ユーザによって購入されたクーポンのうち利用期限が経過したクーポンの総数)に対する利用されたクーポンの総数の割合を示すクーポン利用率が含まれても良い。満期クーポンは、「第2クーポン」の例である。
【0046】
ユーザ情報23bは、ユーザによるクーポンの購入、クーポンの利用、及びこれら以外のユーザによるクーポンに関するアクションに応じて随時更新され得る。例えば、ユーザが新たにクーポンを購入した場合には、購入されたクーポンを示すクーポンIDが保有クーポン情報に追加される。また、ユーザがクーポンを利用した場合には、その利用した店舗、利用した時期、及びこれら以外の当該クーポンの利用に関する情報に基づいて、利用履歴情報が更新され得る。
【0047】
クーポン情報23cの例が
図4に示されている。図示のように、クーポン処理システム1において利用されるクーポンに関するクーポン情報は、各クーポンを識別するクーポン識別情報と、当該クーポン識別情報と対応付けて記憶されるクーポンに関する各種情報と、を含む。クーポン識別情報は、例えば、クーポンを識別するクーポンIDである。あるクーポンのクーポン情報には、当該クーポンが利用済みか否かを示す利用済フラグ、当該クーポンを利用することで提供される商品またはサービスの内容を示す商品サービス情報、当該クーポンの利用期限を示す利用期限情報、及び当該クーポンの利用時にユーザに提供される特典の内容を示す特典情報が含まれる。クーポン情報23cに含まれている特典情報により示される特典は、「第1特典」の例である。
【0048】
利用済フラグは、例えば、2値のフラグ情報である。利用済フラグは、例えば、クーポンが利用済の場合には「1」に設定され、クーポンが未利用の場合には「0」に設定される。例えば、ユーザがクーポンを購入した時点では、利用済フラグは「0」に設定されており、その後店舗において当該クーポンが利用されると利用済フラグには「1」が設定される。
【0049】
商品サービス情報は、当該クーポンの利用によりユーザに提供される商品またはサービスの内容を示す情報である。例えば、美容院で利用可能なクーポンであれば、「カット」、「パーマ」、「ネイル」、「メイク」、及び前記以外の当該クーポンが利用可能な店舗で提供されるサービスの内容が例えばテキスト形式で記憶される。あるクーポンの商品サービス情報には、当該クーポンを利用可能な店舗名、当該クーポンを利用可能な店舗へのアクセス情報、及びこれら以外のクーポンと関連付けられた商品またはサービスを利用するための各種情報を含むことができる。
【0050】
あるクーポンについての利用期限情報は、当該クーポンの利用期限となる日時を示すデータであってもよい。例えば、あるクーポンが2018年9月30日まで利用可能でありそれ以後は利用不可となる場合には、当該クーポンのクーポン識別情報と対応付けて、2018年9月30日が利用期限情報として記憶される。
【0051】
あるクーポンについての特典情報は、当該クーポンを利用することによりユーザに与えられる特典の内容を示す情報である。特典情報は,例えば、テキスト形式で記憶される。特典情報には、例えば、利用料金の割引率または割引額を示す割引情報、クーポンを利用することにより提供を受ける基本サービスに付加して受けることができる追加サービスの内容を示す追加サービス情報、及びこれら以外の情報が含まれ得る。
【0052】
クーポン情報23cは、店舗装置30からの情報に基づいて随時更新され得る。上記のように、店舗装置30aを利用している店舗は、新たなクーポンを販売する際に当該クーポンに関する各種情報を含むクーポン販売要求をクーポンサイトサーバ装置20に送信することができる。このクーポン販売要求には、当該クーポンの利用により利用可能な商品またはサービスの内容を示す情報、当該クーポンの利用期限を示す情報、当該クーポンを利用するユーザに与えられる特典を示す特典情報、当該クーポンの販売期間、及び当該クーポンの販売数量が含まれてもよい。クーポン販売要求には、クーポンの利用期限を示す情報に代えて、クーポン購入後に当該クーポンを利用可能な利用可能期間を示す情報が含まれていてもよい。クーポンサイトサーバ装置20は、当該クーポンを配布するためのクーポン販売要求に基づいて、当該クーポンを識別するクーポンIDを発行し、当該クーポンIDに対応づけて、当該クーポン販売要求とともに受信した当該クーポンに関する各種情報をクーポン情報23cとして、ストレージ23に格納することができる。クーポンIDは、クーポン販売要求に含まれるクーポンの販売数量に対応する数だけ発行されてもよい。
【0053】
店舗装置30は、各種データを記憶することが可能なストレージを備えても良い。上記の店舗情報23a、ユーザ情報23b、及びクーポン情報23cの一部又は全部は、ストレージ23の代わりにまたはストレージ23に加えて、店舗装置30のストレージに記憶されてもよい。また、店舗情報23a、ユーザ情報23b、及びクーポン情報23cの一部又は全部は、ストレージ60に記憶されてもよい。
【0054】
続いて、クーポンサイトサーバ装置20の機能について説明する。プラットフォームサーバ装置20のプロセッサ21は、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、例えば、クーポン情報提供部21a、クーポン発行部21b、クーポン利用管理部21c、利用促進処理部21d、及び特典決定部21eとして機能する。プラットフォームサーバ装置20のプロセッサ21は、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、クーポンサイトから提供されるサービスを実現するための前記以外の各種機能を実行するように構成されてもよい。
【0055】
一実施形態において、クーポン情報提供部21aは、クーポンサイトサーバ装置20から配布されるクーポンに関する情報をクライアント装置10のユーザであるユーザに提供するように構成される。クーポン情報提供部21aは、例えば、クライアント装置10からクーポン情報の閲覧要求を受け付けたことに応じて、発行可能なクーポンのリストの一部または全部を当該クライアント装置10に対して送信することができる。クライアント装置10に送信される発行可能なクーポンのリストは、例えば、店舗情報23a及び/又はクーポン情報23cに基づいて作成される。クライアント装置10に送信されるクーポンのリストは、クライアント装置10のユーザの関心に基づいてカスタマイズされてもよい。例えば、クライアント装置10のユーザが映画及びレストランに関心がある場合には、映画館及びレストランにおいて利用可能なクーポンを含むリストが作成されてもよい。クーポン情報提供部21aは、クーポンの検索機能を提供してもよい。すなわち、クーポン情報提供部21aは、クライアント装置10から提供された検索キーに基づいて選択されたクーポンを含むリストを作成し、当該リストをクライアント装置10に返してもよい。
【0056】
図5には、クライアント装置10のディスプレイ11に表示されたクーポンのリストの例を示している。クライアント装置10は、クーポンサイトサーバ装置20からクーポンのリストを示す情報を受け取ると、当該リストに含まれる各クーポンを含む表示画面を生成し、生成した表示画面をディスプレイ11に表示することができる。図示されている実施形態では、クライアント装置10のディスプレイ11に、クーポンA、クーポンB、及びクーポンCに関する情報をそれぞれ示す表示要素12a~12cが表示されている。表示要素12aは、クーポンAに関するクーポン情報の一部または全部が表示されてもよい。例えば、クーポンAに関連付けられた表示要素12aには、クーポンAの使用により利用可能なサービスの内容を示す情報、クーポンAの利用可能期限を示す情報、クーポンAの使用により得られる特典の内容を示す情報が表示されてもよい。これらのクーポンAに関する各種情報は、表示領域12aに表示されてもよいし、表示領域12aには各種情報の全部は表示せず、当該各種情報の詳細を表示するための別ページへのリンクが含まれていてもよい。同様に、表示領域12b及び表示領域12cにはそれぞれ、クーポンB及びクーポンCに関するクーポン情報の一部または全部が表示される。
【0057】
表示領域12a~12cには、各表示領域に対応するクーポンを購入するための購入ボタンが含まれていてもよい。クライアント装置10の操作を介してあるクーポンについての購入ボタンが選択されると、当該購入ボタンの選択に基づいて、クライアント装置10からクーポンサイトサーバ装置20に対して、当該クーポンを購入するためのクーポン購入要求が送信される。例えば、クーポンAに関するクーポン情報が表示される表示領域12aには、クーポンAを購入するための購入ボタンが含まれても良い。表示領域12aにおける購入ボタンが選択されると、クーポンAの購入を要求するクーポン購入要求がクーポンサイトサーバ装置20に対して送信される。
【0058】
一実施形態において、クーポン発行部21bは、クライアント装置10のユーザからのクーポン購入要求に基づいて購入されたクーポンをクライアント装置10のユーザに対して発行するためのクーポン発行処理を行うように構成される。例えば、クーポンサイトサーバ装置20においてクライアント装置10からクーポンAの購入を要求するクーポン購入要求が受け付けられると、クーポンサイトサーバ装置20においては、その購入のための決済処理が行われ、決済処理が完了すると、クーポン発行部21bは、クライアント装置10のユーザに対して、購入が要求されたクーポンAを発行する。具体的には、ユーザによってクーポンAを購入するための決済処理が完了すると、ユーザのユーザIDと対応付けてクーポンAを示すクーポンIDが記憶されるようにユーザ情報23bが更新される。これにより、クーポンサイトサーバ装置20は、ユーザがクーポンAを保有していることを認識可能となる。
【0059】
クーポン発行部21bは、くじの景品としてクーポンを発行するように構成されてもよい。くじの景品としてクーポンが発行される場合には、店舗からは互いに異なる特典が設定された複数種類のクーポンが販売される。例えば、ホテルAは、くじの景品とするために、その宿泊サービスに関して4種類の異なるクーポンを販売することができる。この4種類の異なるクーポンには、それぞれ異なる割引率が特典として設定されてもよい。例えば、4種類のクーポンにはそれぞれ、10%、30%、50%、及び100%(つまり、宿泊費は無料)の割引率が特典として設定される。ユーザは、クライアント装置10を介して、ある店舗のくじの購入要求をクーポンサイトサーバ装置20に送信する。クーポンサイトサーバ装置20において、ある店舗のくじの購入を要求する購入要求が受け付けられると、クーポン発行部21bは、当該店舗から販売されているクーポンの中から当選クーポンを決定する。例えば、ホテルAのくじの購入を要求する購入要求が受け付けられた場合には、クーポン発行部21bは、上記の4種類の異なるクーポンの中から当選クーポンを決定し、当該当選クーポンを当該ユーザに対して発行する。異なる種類のクーポンには異なる当選確率が設定されていてもよい。例えば、上記のホテルAから販売される異なる割引率が設定された4種類のクーポンの例においては、最も割引率が高い100%の割引率が設定されているクーポンの当選確率が最も低くなり、最も割引率が低い10%の割引率が設定されているクーポンの当選確率が最も高くなるように、各クーポンの当選確率が設定されてもよい。
【0060】
ユーザがクーポンAを購入するための決済処理が完了すると、当該ユーザに対してクーポンAを示すクーポンチケットが発行される。クーポンAを示すクーポンチケットは、電子チケットであってもよいし、クーポンAのクーポン情報を担持する紙などの物理的なチケットであってもよい。クーポンチケットが電子チケットの形態で発行される場合には、当該電子チケットは、ユーザのクライアント装置10にネットワーク50を介して送信されてもよい。電子チケットは、クライアント装置10に代えて、コンビニエンスストアやそれ以外の場所に設置されるチケット発行端末に対して送信されてもよい。電子チケットがチケット発行端末に送信される場合には、ユーザは、当該チケット発行端末を操作することにより、当該チケット発行端末からチケットを受け取ることができる。クーポンチケットが物理的なチケットである場合には、当該物理的なチケットは、ユーザの自宅又はそれ以外の配達場所に配達されてもよい。
【0061】
クーポンを購入したユーザは、当該クーポンに対応するクーポンチケットを店舗に提示することで、当該クーポンチケットに対応する商品またはサービスの提供を受けることができる。例えば、クーポンAを購入したユーザは、当該クーポンAのクーポン情報において特定されている店舗において、クーポンAに対応するクーポンチケットを提示することにより、当該クーポンAに対応付けられている商品またはサービスの提供を受けることができる。クーポンAに対応付けられている商品やサービスによっては、当該クーポンAの利用を希望するユーザは、店舗に実際に足を運ぶ前に、当該店舗のウェブサイトや他の予約用ウェブサイトを通じて、商品またはサービスの利用予約をする必要がある。例えば、クーポンAがホテルAでの宿泊サービスを受けるためのクーポンである場合には、クーポンAを利用して宿泊サービスを受けようとするユーザは、希望する宿泊日にホテルAに空き部屋があるかを確認し、空き部屋がある場合には、当該ホテルAに宿泊する前に、当該希望日におけるホテルAの利用を予約することができる。
【0062】
店舗においてクーポンが利用された場合には、当該店舗は、店舗装置30又はそれ以外の装置を介して、クーポンサイトサーバ装置20に対して、当該クーポンの利用内容を示すクーポン利用情報を送信する。クーポン利用情報には、利用されたクーポンを特定するクーポンID、当該クーポンを使用したユーザを特定するユーザID、クーポンが利用された店舗の店舗ID、当該クーポンが利用された利用時刻、当該クーポンの利用により提供された商品またはサービスによる売上を示す売上データ、及び前記以外の利用されたークーポンに関する各種データを含み得る。クーポン利用情報の一部または全部は、クーポンを利用したユーザのクライアント装置10からクーポンサイトサーバ装置20に送信されてもよい。
【0063】
一実施形態において、クーポン利用管理部21cは、店舗から受け取ったクーポン利用情報に基づいて、ストレージ23又はそれ以外のストレージに格納されているクーポンの利用に関連するデータを更新するように構成される。例えば、クーポン利用管理部21cは、店舗から受け取ったクーポン利用情報に基づいて、店舗情報23a、ユーザ情報23b、及びクーポン情報23cとして格納されているデータの少なくとも一部を更新することができる。具体的には、クーポン利用管理部21cは、クーポン利用情報に含まれる店舗ID及びクーポンIDに基づいて、当該店舗ID及び当該クーポンIDに対応付けられている利用済クーポン数を更新する(増加させる)ことができる。また、クーポン利用管理部21cは、クーポン利用情報に含まれるユーザID及びそれ以外の情報を参照することにより、ユーザ情報23bを更新することができる。
【0064】
一実施形態において、利用促進処理部21dは、ある店舗で利用可能なクーポンが複数のユーザに対して発行されている場合に、この発行されたクーポンを利用していない未利用ユーザを特定し、この特定された未利用ユーザの中から利用促進通知の送信対象となる対象ユーザを選択するように構成される。利用促進処理部21dは、この選択された対象ユーザに対して、未利用となっているクーポンの利用を促す利用促進通知を送信することができる。
【0065】
利用促進通知は、例えば、受信したユーザにクーポンの使用を促すテキストメッセージを含んでもよい。当該利用促進通知に含まれるテキストメッセージは、クライアント装置10のディスプレイ11に表示されてもよい。後述するように、利用促進通知は、対象ユーザのみに付与される追加的な特典(第2特典)を含み、または、第2特典とともに対象ユーザに送信されてもよい。
【0066】
ある店舗で利用可能なクーポンの利用を促す利用促進通知は、当該店舗に関する店舗データを含んでもよく、または、当該店舗データとともに対象ユーザに送信されてもよい。この店舗データは、例えば、店舗情報23aとして記憶されている店舗データであってもよい。利用促進通知に含まれ、または、利用促進通知とともに対象ユーザに送信される店舗データには、当該店舗の稼働率を示す稼働率データが含まれてもよい。対象ユーザは、店舗の稼働率を知ることにより、当該店舗で利用可能クーポンを利用するように促される。例えば、対象ユーザは、利用可能クーポンについての利用促進通知の受信時に、当該利用可能クーポンを利用可能な店舗の稼働率が70%であることを知れば、店舗がそれほど混雑していないことを理解することができるので、その後の対象ユーザによる当該店舗で提供されるサービスの利用予約につながりやすい。
【0067】
一実施形態において、利用促進処理部21dは、通知条件が満たされた場合に、対象ユーザに対して利用促進通知を送信するように構成される。ある店舗で利用可能なクーポンの利用を促進するための利用促進通知を送信するための通知条件は、例えば、当該店舗の稼働率が基準稼働率以下であることであってもよい。店舗の稼働率は、例えば、店舗情報23aに基づいて確認され得る。ある店舗の稼働率は、上記のように、当該店舗におけるサービスを提供するための設備に対する稼働中の設備の割合を意味する。100室を有するホテルに関しては、全100室のうちのどの程度の部屋が利用されているかを示す割合が稼働率となる。例えば、100室のうち70室が利用されていれば、当該ホテルの稼働率は70%とされる。基準稼働率は、店舗ごとに定められてもよいし、全店舗で共通の基準稼働率が定められても良い。ホテルAに適用される基準稼働率が75%であり、店舗情報23aにより特定されたホテルAの稼働率が90%であれば、ホテルAの稼働率が基準稼働率を超えているため通知条件は満たされない。ホテルAに適用される基準稼働率が75%であり、店舗情報23aにより特定されたホテルAの稼働率が60%であれば、ホテルAの稼働率が基準稼働率以下であるため通知条件は満たされ、利用促進通知が対象ユーザに対して送信される。
【0068】
通知条件の判定に用いられる店舗の稼働率は、所定の期間における稼働率の平均値または中央値であってもよい。この所定の期間は、複数の営業日に跨がっていてもよい。例えば、この所定の期間は、例えば、ある店舗について通常条件の判定が行われる日の前3日間の期間とされる。複数の営業日に跨がる期間の稼働率の平均または中央値は、まず、当該期間中の各営業日における1日あたり稼働率を求め、当該期間における当該1日あたり稼働率の平均値または最小値を計算することで算出されてもよい。例えば、判定日の前3日間の1日あたり稼働率がそれぞれ70%、90%、80%であれば、当該3日間の期間における稼働率の平均値は80%である。複数の営業日における稼働率の平均値または中央値が通常条件の判定に用いられる場合には、店舗情報23aとして当該複数の営業日における稼働率が記憶される。所定の期間における稼働率の平均値または中央値は、稼働率をリアルタイムでモニタリングし、そのモニタリング結果に基づいて算出されてもよい。
【0069】
一実施形態において、ある店舗で利用可能なクーポンに関しての通知条件は、複数の日を含む所定の期間における1日あたり稼働率の最小値が、基準稼働率以下であることであってもよい。例えば、判定日の前3日間の1日あたり稼働率がそれぞれ70%、90%、80%であり、基準稼働率が75%である場合には、当該期間における1日あたり稼働率の最小値は70%であるから、通知条件は満たされている。
【0070】
一実施形態において、ある店舗で利用可能なクーポンに関しての通知条件は、複数の日を含む所定の期間における1日あたり稼働率が基準稼働率以下である日の数が所定日数以上であることであってもよい。より具体的な例において、通知条件は、通常条件の判定が行われる日の前5日間の期間における1日あたり稼働率が基準稼働率である75%以下である日の日数が3日以上であることであってもよい。この場合、判定日の前5日間における1日あたり稼働率がそれぞれ70%、90%、80%、65%、70%であれば、当該期間において1日あたり稼働率が基準稼働率である75%以下である日が3日あるため、通知条件は満たされている。
【0071】
このように、店舗の稼働率が基準稼働率以下である場合に未利用ユーザへ利用促進通知を送信できるので、店舗の稼働率が低く供給力が残存している場合に当該店舗でのクーポンの利用を促進できる。
【0072】
一実施形態において、ある店舗で利用可能なクーポンに関しての通知条件は、当該店舗についてのクーポン消化率が基準消化率以下であることとされる。ある店舗で利用可能なクーポンについてのクーポン消化率は、当該クーポンの発行総数を示す発行済クーポン数に対する利用済クーポンの数の割合を示す。ある店舗で利用可能なクーポンについてのクーポン消化率は、例えば、店舗情報23aに基づいて確認される。例えば、ホテルAが100個のクーポンを販売対象として設定し、そのうちの50個のクーポンがユーザによって購入され、そのうちの30個のクーポンが利用された場合には、クーポン消化率は60%となる。基準消化率は、店舗ごとに定められてもよいし、全店舗で共通の基準消化率が定められても良い。店舗がホテルAであり、ホテルAに適用される基準消化率が80%であり、店舗情報23aにより特定されたホテルAについてのクーポン消化率が90%であれば、ホテルAについてのクーポン消化率が基準消化率を超えているため通知条件は満たされない。ホテルAに適用される基準消化率が80%であり、店舗情報23aにより特定されたホテルAについてのクーポン消化率が70%であれば、ホテルAについてのクーポン消化率が基準消化率以下であるため通知条件は満たされ、利用促進通知が対象ユーザに対して送信される。ある店舗で利用可能なクーポンに関しての通知条件を判定するために用いられる基準消化率は、当該店舗から発行された全クーポンのうち未利用の未利用クーポンの各々について判定時から利用期限までの日数(残存日数)を算出し、この残存日数に基づいて変更されてもよい。一実施形態において、基準消化率は、未利用クーポンの残存日数の平均値が小さくなるほど大きくなるように設定されてもよい。他の一実施形態において、基準消化率には初期値が設定されており、未利用クーポンの残存日数の平均値が第1基準残存日数以下となったことに応じて基準消化率が増加してもよい。例えば、基準消化率の初期値が50%に設定されており、未利用クーポンの残存日数の平均値が15日以下となったことに応じて、基準消化率が60%に増加してもよい。また、未利用クーポンの残存日数の平均値が第1基準残存日数よりも小さい第2基準残存日数以下となったことに応じて基準消化率がさらに増加してもよい。例えば、未利用クーポンの残存日数の平均値が10日以下となったことに応じて、基準消化率が70%に増加してもよい。基準消化率を上昇させるために、第1基準残存日数及び第2基準残存日数に加えて、追加的な基準残存日数が設定され、この追加的な基準残存日数を超えたときに基準消化率がさらに上昇してもよい。このように、店舗についてのクーポン消化率が基準消化率以下である場合に未利用ユーザへ利用促進通知を送信できるので、ある店舗で発行されたクーポンのうち未利用のクーポンの比率が高い場合に、当該店舗でのクーポンの利用を促進できる。
【0073】
一実施形態において、ある店舗で利用可能なクーポンについての利用促進通知の通知条件は、未利用ユーザのクーポンの過去の利用履歴(例えば、満了クーポンのクーポン利用率)に基づいて定められる。例えば、一実施形態における通知条件は、クーポン利用率が第1基準利用率以上である未利用ユーザの割合が基準数以下であることとされる。上記のとおり、クーポン利用率は、各ユーザによって購入されたクーポンのうち利用期限が経過したクーポン(満了クーポン)の総数に対する利用された満期クーポンの総数の割合を示す。例えば、クーポン処理システム1を利用している店舗Aが100個のクーポンA1~クーポンA100をそれぞれユーザU1~ユーザU100に発行し、クーポンA1~クーポンA30の30個のクーポンが未利用となっており、第1基準利用率は80%に設定され、基準数は10に設定されていることを想定する。このクーポンA1~クーポンA30をそれぞれ未利用のまま保有するユーザU1~ユーザ30の中から、クーポン利用率が80%以上である高利用性向ユーザが特定される。未使用ユーザの各々のクーポン利用率は、ユーザ情報23bを参照することで特定可能である。次に、この高利用性向ユーザが10人以下であるか否かが判定され、高利用性向ユーザが10人以下であれば通知条件は満たされ、高利用性向ユーザが10人より多ければ通常件は満たされない。このように、クーポンの利用性向が高いユーザの数が基準数より少ない場合に利用促進通知を送付することで、未利用ユーザの利用見込みに応じて利用促進通知を送付することができる。
【0074】
一実施形態において、利用促進処理部21dは、未利用ユーザの中から、各未利用ユーザの満期クーポンの利用履歴(例えば、満了クーポンのクーポン利用率)に基づいて、利用促進通知の送信対象となる対象ユーザを選択する。例えば、クーポン利用率が第2基準利用率以上である未利用ユーザが対象ユーザとして選択されてもよい。第2基準利用率は、任意に定められ得る。第2基準利用率は、例えば、50%~100%の間の値を取り得る。第2基準利用率を高く設定することにより、未利用ユーザのうちクーポンの利用性向が高いユーザに対して効率的に利用促進通知を送信することができる。逆に言えば、クーポンの利用性向が低いユーザに対しては利用促進通知を送信しないことにより、クーポンサイトサーバ装置20のコンピュータ資源の使用を抑制することができる。
【0075】
一実施形態において、利用促進処理部21dは、ある店舗で利用可能な利用可能クーポンについて未利用ユーザの中から対象ユーザを選択する場合に、当該利用可能クーポンに設定されている利用期限、及び、未利用ユーザの各々の満期クーポンの利用時期に基づいて対象ユーザを選択するように構成されてもよい。例えば、ある未利用ユーザについての満期クーポンの利用時期が、対象ユーザの選択処理を行う時点(判定時点)から当該ユーザが保有する利用可能クーポンの利用期限までの期間内にある場合には、当該未利用ユーザが対象ユーザとして設定される。この判定において、満期クーポンの利用時期、及び、判定時点から当該ユーザが保有する利用可能クーポンの利用期限までの期間は、月日単位で表されてもよい。より具体的には、未利用ユーザのうちのユーザU1がクーポンを2017年10月15日に使用したことがあり、判定時点が2018年10月1日であり、当該ユーザU1が保有する利用可能クーポンの利用期限が2018年12月31日である場合において、当該ユーザU1が対象ユーザとなるか否かを判定する場合には、満了クーポンの利用時期を月日で表した10月15日が、判定時点を月日で表した10月1日と利用可能クーポンの利用期限を月日で表した12月31日との間の期間内にあるため、利用促進処理部21dは、このユーザU1を対象ユーザとして選択する。仮に、ユーザU1が、10月1日と12月31日との間の期間にクーポンを利用したことがなければ、当該ユーザU1は、対象ユーザとしては選択されない。未利用ユーザの各々についての満期クーポンの利用時期は、例えば、ユーザ情報23bに基づいて特定される。
【0076】
一実施形態において、特典決定部21eは、利用促進通知が送信される対象ユーザに付与される追加的な特典を決定するように構成される。上記のように、ユーザがクーポンを購入すると、当該クーポンには利用時に当該ユーザに付与される特典が関連付けられている。ユーザによるクーポンの購入時に当該クーポンに設定されている特典を第1特典と呼ぶ。特典決定部21eは、この第1特典とは別に、利用促進通知を対象ユーザに送信する際に、当該対象ユーザによってクーポンが使用されたときに当該対象ユーザに付与される第1特典とは異なる特典を決定する。この特典決定部21eによって決定され、対象ユーザのみに付与される特典を第2特典と呼ぶことがある。よって、特典決定部21eは、対象ユーザに付与される第2特典を決定するように構成される。
【0077】
第2特典は、対象ユーザによる利用可能クーポンの利用を促すように設定される。一実施形態において、特典決定部21eは、対象ユーザのユーザ情報23bを参照して当該対象ユーザの満期クーポンを特定し、またクーポン情報23cに含まれている利用済フラグを参照して当該満期クーポンが利用されたか否かを判定する。次に、特典決定部21eは、この利用済フラグによって利用済となっているクーポンIDに対応付けられている特典情報を参照し、この特典情報を第2特典情報として設定することができる。これによれば、過去に実際に利用されたクーポンに設定されていた特典を第2特典として決定することができるので、この第2特典を含む利用促進通知を受け取った対象ユーザによる利用可能クーポンの利用を促すことができる。
【0078】
別の一実施形態において、特典決定部21eは、利用可能クーポンに設定されている第1特典と関連する特典を第2特典として決定するように構成される。例えば、第1特典が第1割引率を提供するという特典である場合、第2特典として当該第1割引率よりも高い第2割引率が設定される。別の例において、第1特典が宿泊料金を無料とするという特典である場合、第2特典は、宿泊サービスに付随する有料オプションサービス(例えば、朝食を提供するサービス)を無料とするという特典とされる。クーポンサイトサーバ装置20においては、第2特典を示す第2特典情報を第1特典を示す第1特典情報と関連付けて管理する特典情報管理テーブルをストレージ23に記憶してもよい。特典決定部21eは、特典情報管理テーブルを参照することにより、第1特典と関連する第2特典を決定することができる。
【0079】
別の一実施形態において、特典決定部21eは、利用可能クーポンを利用可能な店舗の稼働率に基づいて第2特典を決定するように構成される。特典決定部21eは、例えば、利用可能クーポンを利用可能な店舗の稼働率が第1稼働率よりも低い第2稼働率である場合に、当該第1稼働率の場合に付与される高稼働率特典よりも対象ユーザにとっての効用が大きな低稼働率特典を第2特典として設定することができる。より具体的な例において、特典決定部21eは、利用可能クーポンを利用可能な店舗の稼働率が第1稼働率である場合に第1割引率(例えば、30%割引)を第2特典として設定し、当該店舗の稼働率が当該第1稼働率よりも低い第2稼働率である場合に第1割引率よりも高い第2割引率(例えば、50%割引)を第2特典として設定することができる。これにより、利用可能クーポンが利用される店舗の稼働率に応じたインセンティブを対象ユーザに提供することができる。よって、利用可能クーポンが利用される店舗の供給力に応じたインセンティブを対象ユーザに提供することができる。
【0080】
別の一実施形態において、特典決定部21eは、利用可能クーポンを利用可能な店舗の売上目標と売上実績とに基づいて第2特典を決定するように構成される。各店舗の売上目標及び売上実績は、例えば、店舗情報23aを参照することにより特定され得る。より具体的な例において、特典決定部21eは、売上実績が売上目標を下回る場合には、売上実績を増加させるべく、売上の増加につながる特典を第2特典として設定することができる。この売上増加につながる特典は、例えば、割引の提供である。特典決定部21eは、売上実績の売上目標に対する未達額が大きいほど、割引率が高くなうように第2特典を設定しても良い。他の例において、売上実績が売上目標を上回る場合には、売上の向上につながらないか売上の向上に対する寄与は小さいものの、ユーザの満足度を向上させるための特典が第2特典として設定される。このようなユーザの満足度を向上させるための特典は、例えば、通常は有料で提供されているオプションサービス(例えば、ホテルにおいて朝食を提供するサービス)を無料で提供するという特典である。
【0081】
特典決定部21eは、店舗から受け付けた第2特典の候補である第2特典候補にから、第2特典を選択するように構成されてもよい。店舗は、自らの供給能力及びそれ以外の営業状態に応じて、第2特典として提供することが望ましいインセンティブを第2特典候補として店舗装置30を介してクーポンサイトサーバ装置20に送信することができる。クーポンサイトサーバ装置20においては、店舗装置30から受け付けた第2特典候補を示す第2特典候補情報をストレージ23に記憶する。第2特典候補情報は、例えば、店舗情報23aとしてストレージ23に記憶されてもよい。特典決定部21eは、店舗情報23aに格納されている第2特典候補から、利用促進通知とともに対象ユーザに提供される第2特典を選択することができる。これにより、店舗の供給能力やその他の経営資源に応じた特典が第2特典として設定される。
【0082】
続いて、
図6を参照して、ユーザがクーポンサイトから配布されたクーポンを店舗において利用するためのクーポン利用処理について説明する。クーポン利用処理においては、まず、ステップST11において、クーポン処理システム1においてクーポンを配布使用とする店舗は、店舗装置30を利用して、クーポンサイトサーバ装置20に対して、所定のクーポンの販売を要求するクーポン販売要求を送信する。店舗から送られるクーポン販売要求には、当該店舗を識別する店舗ID及び販売対象のクーポンに関する情報を含むことができる。クーポンサイトサーバ装置20においては、当該クーポン販売要求を受け付けたことに応じて、当該クーポンを識別するクーポンIDを発行し、当該当該クーポンIDを当該店舗の店舗IDと対応付けてクーポン販売情報としてストレージ23に格納することができる。
【0083】
次に、ステップST12において、クーポンサイトサーバ装置20は、ユーザが購入可能なクーポンのリストをクライアント装置10に対して提供する。クライアント装置10は、クーポンサイトサーバ装置20にアクセスすることにより、当該購入可能なクーポンのリストを取得することができる。購入可能なクーポンのリストには、販売期間が経過していないクーポンに関する情報が含まれる。販売期間が経過していないクーポンのリストは、例えば、店舗情報23aに含まれているクーポン販売情報を参照することにより作成され得る。このステップST12における処理は、例えば、上記のクーポン情報提供部21aによって行われる。
【0084】
次に、ステップST13において、ユーザによるクライアント装置10の操作を介して、購入可能なクーポンのリストからあるクーポンについての購入ボタンが選択されると、当該購入ボタンの選択に基づいて、クライアント装置10からクーポンサイトサーバ装置20に対して、当該クーポンを購入するためのクーポン購入要求が送信される。
【0085】
次に、ステップST14において、クライアント装置10からのクーポン購入要求がクーポンサイトサーバ装置20において受け付けられ、この受け付けられたクーポン購入要求に基づいて、購入が希望されたクーポンをクライアント装置10のユーザに対して発行するための処理が行われる。具体的には、クーポンサイトサーバ装置20においては、購入が要求されたクーポンについて決済処理が行われ、この決済処理が完了すると、クライアント装置10のユーザに対して、購入が要求されたクーポンが発行される。この発行されたクーポンに対応するクーポンチケットが電子チケットである場合には、当該クーポンチケットは、クライアント装置10に対して送信される。このステップST14における処理は、例えば、上記のクーポン発行部21bによって行われる。
【0086】
次に、ステップST15において、クーポンチケットを取得したユーザは、クライアント装置10又はそれ以外の装置を利用して、店舗に対して当該クーポンの利用申し込みを行う。
【0087】
次に、ステップST16において、ユーザは、クーポンの利用申込みを行った後に、当該クーポンを利用可能な店舗を訪れて、当該店舗から商品またはサービスの提供を受ける。店舗が電子ショッピングサイトである場合には、実在の店舗を訪問しなくとも当該店舗の商品提供用のウェブサイトまたはサービス提供用のウェブサイトへアクセスし、当該ウェブサイト経由で商品またはサービスの提供を受けることができる。
【0088】
次に、ステップST17において、ユーザは、提供を受ける商品またはサービスの決済処理を行う。例えば、ユーザは、クーポンの利用により提供される商品またはサービスに対する対価を支払う。このときに、利用するクーポンに設定されている特典を受けることができる。この特典が30%の割引を受けるという特典であれば、決済時に、30%の割引を受けることができる。特典がオプションサービスを無料で又は割引料金で受けることができるというものである場合には、当該オプションサービスの提供を受けることができる。
【0089】
以上のようにして、ユーザは、クーポン処理システム1において、店舗から販売されているクーポンを購入し、この購入したクーポンを店舗で利用することによって、当該店舗から当該クーポンに対応する商品またはサービスの提供及び特典の付与を受けることができる。
【0090】
続いて、
図7を参照して、利用促進通知の送信処理について説明する。
図7に示されている利用促進通知の送信処理は、
図6に示されているクーポン利用処理と並行して実行され得る。
【0091】
利用促進通知の送信処理においては、まずステップST21において、通知条件が満たされているか否かが判定される。利用促進通知の通知条件は、上述したように、例えば、当該店舗の稼働率が基準稼働率以下であること、店舗のクーポン消化率が基準消化率以下であること、クーポン利用率が第1基準利用率以上である未利用ユーザの割合が基準数以下であること、またはこれら以外の条件である。
【0092】
ステップST21において通知条件が満たされたと判定された場合には、利用促進通知の送信処理は、ステップST22に進む。ステップST22では、利用促進通知が送信される対象ユーザが特定される。
【0093】
ステップST21における通知条件が満たされたか否かの判定処理及びステップST22における対象ユーザの特定処理は、例えば、上記の利用促進処理部21dにより実行される。
【0094】
ステップST22において対象ユーザが特定されると、利用促進通知の送信処理は、ステップST23に進む。ステップST23においては、対象ユーザに付与される第2特典が定められる。ステップST23における第2特典の決定処理は、例えば、上記の特典決定部21eにおいて実行される。
【0095】
次に、ステップST24において特定された対象ユーザに対して利用促進通知が送信される。上記のように、利用促進通知には、未利用クーポンの利用を促すテキストメッセージ、未利用クーポンの利用期限、店舗の稼働率を示す稼働率情報、第2特典を示す第2特典情報、及びこれら以外の情報が含まれても良い。
【0096】
次に、ステップST25において、クライアント端末10において、利用促進通知が表示される。クライアント装置10に表示される利用促進通知には、未利用クーポンの利用を促すテキストメッセージ、未利用クーポンの利用期限、店舗の稼働率を示す稼働率情報及びこれら以外の情報が含まれる。この利用促進通知によって、クライアント装置10のユーザに未利用クーポンの利用を促すことができる。特に、第2特典情報が表示される場合には、ユーザに対して未利用クーポンを利用するためのインセンティブを与えることができる。
【0097】
以上のようにして、未利用クーポンを保有する未利用ユーザから選択された対象ユーザに対して、未利用クーポンの利用を促すための利用促進通知が送信される。
【0098】
上記のフロー図において説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の範囲に含まれる。例えば、ステップST15におけるクーポンの利用申込み処理は、クライアント装置10で行われる必要はない。例えば、ユーザは、事前の利用申込みを行わずに発行されたクーポンチケットとを店舗に持参することにより、当該クーポンに対応する商品またはサービスの提供を受けようとしてもよい。また、クーポンに設定された特典は、その特典の内容に応じたタイミングでユーザに付与される。例えば、特典が利用料金の割引である場合には、当該特典は、上記のとおり、決済が行われるステップST17においてユーザに与えられてもよい。特典がオプションサービスの提供である場合には、当該特典は、ユーザに対してクーポンと対応付けられた商品またはサービスが提供されるステップST16においてユーザに与えられてもよい。
【0099】
上記の実施形態が奏する作用効果について以下で説明する。一実施形態においては、ある店舗にて利用可能なクーポンを利用していない一または複数の未利用ユーザの中から対象ユーザを選択し、この選択された対象ユーザに対して未利用のクーポンの利用を促す利用促進通知が送信される。このように、未利用ユーザ全員ではなく、その一部である対象ユーザへ利用促進通知を送信することにより、未利用のクーポンが利用期限直前の短期間に集中して利用されることを抑制できる。
【0100】
一実施形態においては、ある店舗の稼働率が基準稼働率以下である場合に、当該店舗にて利用可能で未利用のクーポンを保有する未利用ユーザに対して利用促進通知を送信することが決定される。これにより、店舗の稼働率が低く供給力が残存している場合に利用促進通知を送信して、未利用ユーザに対して未利用クーポンの利用を促すことができる。逆に、店舗の稼働率が高い場合には、供給力を超えた利用申し込みを引き起こす可能性があるため、利用促進通知は送信されない。このように、上記の実施形態によれば、店舗の供給力に応じて利用促進通知の送信要否が決定される。
【0101】
一実施形態においては、ある店舗にて利用可能なクーポンのクーポン消化率が基準消化率以下である場合に、当該クーポンの利用を促進するための利用促進通知が送信される。これにより、ある店舗にて利用可能なクーポンのクーポン消化率が低い場合に、未利用ユーザへの利用促進通知を送信することができる。
【0102】
一実施形態においては、ある店舗にて利用可能なクーポンを未利用のまま保有する未利用ユーザの各々について、過去のクーポン(満期クーポン)の利用率を算出し、この算出された利用率が第1基準利用率以下であるユーザの割合が基準数以下である場合に、当該クーポンの利用を促進するための利用促進通知が送信される。過去のクーポンの利用率が低いユーザについては、今後利用期限が到来するクーポンについても利用しない可能性が高いと推測される。そこえ、未利用ユーザのうち過去の利用率が高いユーザの数が基準数以下である場合に利用促進通知を送付することで、未利用ユーザによる未利用クーポンの利用見込みに応じて利用促進通知を送付することができる。
【0103】
一実施形態において、利用促進通知が送信される対象ユーザは、未利用ユーザの中から、過去のクーポンの利用履歴(満期クーポンの利用履歴)に基づいて選択される。例えば、未利用ユーザのうち満期クーポンの利用率が第2基準利用率以上であるユーザが対象ユーザとして選択される。別の具体例では、ある未利用ユーザの過去のクーポンの利用時期が、判定時点から当該未利用ユーザが保有する未利用クーポンの有効期限までの期間に含まれる場合には、当該未利用ユーザが対象ユーザとして選択される。これらの実施形態によれば、未利用ユーザのうち過去に購入されたクーポンの利用履歴に基づいて、利用期限までに未利用クーポンを利用することが見込まれるユーザに対して利用促進通知を送信することができる。これにより、利用促進通知の発行に要するクーポンサイトサーバ装置20の計算資源を抑制することができる。
【0104】
一実施形態において、利用促進通知には、前記第1店舗に関する情報が含まれる。これにより、利用促進通知を受けたユーザは、未利用クーポンを利用するための店舗の情報を参照して、未利用クーポンを利用するか否かを決定することができる。
【0105】
一実施形態において、利用促進通知には、第2特典を示す第2特典情報が含まれる。利用促進通知第1クーポン利用時に与えられる特典を変更することにより、利用促進通知を受けた対象ユーザによる未利用クーポンの利用をさらに促進することができる。
【0106】
一実施形態において、未利用クーポンの利用を促すための利用促進通知に含まれる第2特典情報は、当該未利用クーポンを利用可能な店舗の稼働率に基づいて決定される。これにより、未利用クーポンを利用可能な店舗の稼働状況に応じた利用者数が見込まれるように第2特典を決定することができる。
【0107】
一実施形態においては、店舗から第2特典の候補である第2特典候補を示す第2特典候補情報を受け付け、この2特典候補から選択された選択第2特典を示す選択第2特典情報を含むように利用促進通知が生成される。これにより、店舗の意向に沿った特典を第2特典として設定することができる。
【0108】
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更が可能である。例えば、プロセッサ21で実行される機能の一部又は全部は、発明の趣旨を逸脱しない限り、上記の実施形態では図示されていないプロセッサにより実現されてもよい。
図1においては、プロセッサ21は単一の構成要素として図示されているが、プロセッサ21は複数の物理的に別体のコンピュータプロセッサの集合であってもよい。本明細書において、プロセッサ21によって実行されるとして説明されるプログラム又は当該プログラムに含まれる命令は、単一のプロセッサで実行されてもよいし、複数のプロセッサにより分散して実行されてもよい。また、プロセッサ21によって実行されるプログラム又は当該プログラムに含まれる命令は、複数の仮想コンピュータプロセッサにより実行されてもよい。
【0109】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書中で説明されるデータ、テーブル、又はデータベースが単一のメモリに格納される旨説明されたとしても、そのようなデータ、テーブル、又はデータベースは、単一の装置に備えられた複数のメモリまたは複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納され得る。さらに、本明細書において説明されるソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 クーポン処理システム