(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】インクボトル保持装置、錠剤印刷装置、及び錠剤印刷方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240123BHJP
A61J 3/06 20060101ALI20240123BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B41J2/175 151
A61J3/06 Q
B41J2/01 109
B41J2/175 115
(21)【出願番号】P 2019176384
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【氏名又は名称】木内 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】110000866
【氏名又は名称】特許業務法人三澤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷尾 哲嗣
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-140852(JP,A)
【文献】特開2005-104000(JP,A)
【文献】特開2006-263960(JP,A)
【文献】国際公開第2009/025371(WO,A1)
【文献】特開2010-201810(JP,A)
【文献】特開2013-176968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0254902(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107379547(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
A61J 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる色又は種類のインクを収容する外形及び大きさが同じである複数のインクボトルを保持するインクボトル保持装置であって、
前記複数のインクボトル
の蓋部にそれぞれ装着され、前記インクボトルごとに外形が異なるアジャスタ
と、
前記アジャスタの個々の一部と嵌り合う形状に形成された
複数の切欠き部を有する受け部材
と、
前記インクボトルごとに配管を介して設けられ、それぞれ異なる色又は種類のインクで印刷を行う複数のインクジェットヘッドと、
前記複数のインクボトルを載置する載置台と、
前記載置台に立てた状態で、前記受け部材を所定高さで支持する支持板と、を備え
、
前記受け部材は、前記アジャスタを介して前記複数のインクボトルの個々の前記蓋部を保持し、前記複数のインクボトルの個々の前記蓋部を保持していない端部が前記支持板に固定されるインクボトル保持装置。
【請求項2】
搬送装置をさらに有し、
前記搬送装置により搬送される錠剤に対し、前記複数のインクジェットヘッドにより印刷を行う、請求項1記載のインクボトル保持装置を有する錠剤印刷装置。
【請求項3】
請求項1に記載のインク保持装置により保持される前記インクボトルに接続される前記インクジェットヘッドによって、錠剤に印刷を行う、錠剤印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インクボトル保持装置、錠剤印刷装置、インクボトル保持方法及び錠剤印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤に文字やマークなどの識別情報(情報の一例)を印刷するため、インクジェットヘッドを用いて印刷を行う技術が知られている。この技術を用いる錠剤印刷装置は、コンベアなどの搬送装置により錠剤を搬送し、搬送装置の上方に配置されたインクジェットヘッドの各ノズルから、インクジェットヘッド下方を通過する錠剤に向けてインクを吐出し、錠剤に識別情報を印刷する。
【0003】
この錠剤印刷装置の中には、二色や三色などの多色で錠剤に印刷を行うものがある。この場合、インクの色や種類ごとにインクボトル及びインクジェットヘッドが設けられており、各インクボトルはインクボトル保持装置により保持されている。インクボトル内のインクが不足すると、作業者はインク不足のインクボトルを新しいインクボトル(インクが満杯に収容されたインクボトル)に交換する。具体的には、作業者はインク不足のインクボトルをインクボトル保持装置から取り外し、そのインク不足のインクボトル内のインクと同じ色のインクを収容する新しいインクボトルを、インクボトル保持装置においてインク不足のインクボトルを取り外した箇所に取り付ける。
【0004】
通常、各インクボトルは同じ形及び大きさで製造されている。このため、作業者にとっては、どのインクボトルも同じように見え、また、持った感覚も同じとなるので、インクボトルの外面にはカラーシールなどが貼られ、インクボトル内のインクの色が示されている。ところが、作業者は、作業の迅速化や作業環境(照明の色)などによって、カラーシールを見落としたり、見間違ったりすることがある。この場合、作業者は、取り外したインク不足のインクボトルのインクと異なる色のインクを収容する新しいインクボトルを手に取り、インクボトル保持装置においてインク不足のインクボトルを取り外した箇所に間違って取り付けてしまう。
【0005】
その後、作業者は、前述のようなインクボトルの設置間違いに気づかず、錠剤印刷装置による錠剤印刷を開始する。インクボトルの設置間違いが生じた状態のまま、錠剤に対する印刷が実行されると、所望の色と異なる色で識別情報が印刷されることになる。このため、印刷不良の錠剤が発生し、生産性が低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、生産性を上げることができるインクボトル保持装置、錠剤印刷装置、インクボトル保持方法及び錠剤印刷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係るインクボトル保持装置は、
それぞれ異なる色又は種類のインクを収容する外形及び大きさが同じである複数のインクボトルを保持するインクボトル保持装置であって、
前記複数のインクボトルの蓋部にそれぞれ装着され、前記インクボトルごとに外形が異なるアジャスタと、
前記アジャスタの個々の一部と嵌り合う形状に形成された複数の切欠き部を有する受け部材と、
前記インクボトルごとに配管を介して設けられ、それぞれ異なる色又は種類のインクで印刷を行う複数のインクジェットヘッドと、
前記複数のインクボトルを載置する載置台と、
前記載置台に立てた状態で、前記受け部材を所定高さで支持する支持板と、を備え、
前記受け部材は、前記アジャスタを介して前記複数のインクボトルの個々の前記蓋部を保持し、前記複数のインクボトルの個々の前記蓋部を保持していない端部が前記支持板に固定される。
【0009】
本発明の実施形態に係る錠剤印刷装置は、
前述の実施形態に係るインクボトル保持装置と、
前記インクボトル保持装置により保持され、それぞれ異なる色又は種類のインクを収容する外形及び大きさが同じである複数のインクボトルと、
前記インクボトルごとに設けられ、それぞれ異なる色のインクで錠剤に印刷を行う複数のインクジェットヘッドと、
を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、生産性を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態に係る錠剤印刷装置の概略構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る錠剤印刷装置の一部を示す平面図である。
【
図3】第1の実施形態に係るインクボトル及びインクボトル保持部を示す正面図である。
【
図4】第1の実施形態に係るインクボトル保持部を示す平面図である。
【
図5】第2の実施形態に係るインクボトル及びインクボトル保持部を示す正面図である。
【
図6】第2の実施形態に係るインクボトル保持部を示す平面図である。
【
図7】第3の実施形態に係るインクボトル及びインクボトル保持部を示す正面図である。
【
図8】第3の実施形態に係るインクボトル及びインクボトル保持部を示す側面図である。
【
図9】第3の実施形態に係るインクボトル保持部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について
図1から
図4を参照して説明する。
【0015】
(基本構成)
図1に示すように、実施の一形態に係る錠剤印刷装置1は、供給部10と、搬送部20と、検出部30と、撮像部40と、印刷部50と、撮像部60と、回収部70と、インク供給部80と、制御部90とを備えている。検出部30は撮像タイミング検出用であり、撮像部40は錠剤位置検出用であり、撮像部60は印刷状態検査用である。
【0016】
供給部10は、ホッパ11及びシュータ12を有している。この供給部10は、印刷対象となる錠剤Tを搬送部20に供給することが可能に構成されており、搬送部20の一端側に位置付けられている。ホッパ11は、多数の錠剤Tを収容し、収容した錠剤Tをシュータ12に順次供給する。シュータ12は、ホッパ11から供給された錠剤Tを一列に整列させて搬送部20に供給する。供給部10は制御部90に電気的に接続されており、その駆動が制御部90により制御される。
【0017】
搬送部20は、搬送ベルト21、駆動プーリ22、複数(
図1の例では、三つ)の従動プーリ23、モータ(駆動部)24、位置検出器25及び吸引チャンバ(吸引部)26を有している。搬送ベルト21は、無端状のベルトであり、駆動プーリ22及び各従動プーリ23に架け渡されている。駆動プーリ22及び各従動プーリ23は装置本体に回転可能に設けられており、駆動プーリ22はモータ24に連結されている。モータ24は制御部90に電気的に接続されており、その駆動が制御部90により制御される。位置検出器25は、エンコーダなどの機器であり、モータ24に取り付けられている。この位置検出器25は電気的に制御部90に接続されており、検出信号を制御部90に送信する。制御部90は、検出信号に基づいて搬送ベルト21の位置や速度、移動量などの情報を得ることができる。搬送部20は、モータ24による駆動プーリ22の回転によって各従動プーリ23と共に搬送ベルト21を回転させ、搬送ベルト21上の錠剤Tを
図1中の矢印H1の方向(搬送方向H1)に搬送する。
【0018】
搬送ベルト21には、
図2に示すように、円形状の吸引孔21aが複数形成されている。これらの吸引孔21aは、それぞれ錠剤Tを吸着する貫通孔であり、一本の搬送経路を形成するように搬送方向H1に沿って一列に並べられている。各吸引孔21aは、吸引チャンバ26(
図1参照)に形成された吸引路(図示せず)を介して吸引チャンバ26内に接続されており、吸引チャンバ26により吸引力を得ることが可能になっている。吸引チャンバ26には、ポンプなどの吸気部が吸引管(いずれも図示せず)を介して接続されており、吸気部の作動により吸引チャンバ26の内部は減圧される。吸引管は、吸引チャンバ26の側面(搬送方向H1と平行な面)の略中央に接続されている。また、吸気部は制御部90に電気的に接続されており、その駆動が制御部90により制御される。吸引チャンバ26の内部が減圧されると、搬送ベルト21の各吸引孔21a上に置かれた錠剤Tは吸引チャンバ26により吸引され、搬送ベルト21上に保持される。
【0019】
検出部30は、供給部10が設けられた位置よりも搬送方向H1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21の上方に設けられている。この検出部30は、レーザ光の投受光によって搬送ベルト21上の錠剤TのX方向(搬送方向H1)の位置を検出し、下流に位置する各装置のトリガーセンサとして機能する。検出部30としては、例えば、反射型レーザセンサなど各種のレーザセンサを用いることが可能である。検出部30は制御部90に電気的に接続されており、制御部90に検出信号を送信する。
【0020】
撮像部40は、検出部30が設けられた位置よりも搬送方向H1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21の上方に設けられている。この撮像部40は、前述の錠剤TのX方向の位置情報に基づき、錠剤Tが撮像部40の直下に到達したタイミングで撮像を行い、錠剤Tの上面を含む画像(錠剤位置検出用の画像)を取得し、取得した画像を制御部90に送信する。撮像部40としては、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの撮像素子を有する各種のカメラを用いることが可能である。撮像部40は制御部90に電気的に接続されており、その駆動が制御部90により制御される。なお、必要に応じて撮像用の照明も設けられている。
【0021】
ここで、前述の検出部30は、搬送ベルト21上の錠剤TのX方向(搬送方向H1)の位置を検出する検出部として機能し、撮像部40は、錠剤位置検出用の画像を撮像することで、搬送ベルト21上の錠剤TのX方向の位置に加え、Y方向(水平面内において搬送方向H1と直交する方向)及びθ方向の位置を検出する(
図2参照)。このため、撮像部40は、水平面内において、搬送ベルト21上の錠剤Tの搬送方向H1と直交(交差の一例)する方向の位置を検出する検出部として機能する。
【0022】
前述のX方向及びY方向の位置とは、例えば、撮像部40の撮像視野の中心(基準位置)に対するXY座標系の位置である。また、θ方向の位置とは、例えば、撮像部40の撮像視野のY方向の中心線に対する錠剤Tの回転度合いを示す位置である。このθ方向の位置は、錠剤Tに割線が設けられている場合や錠剤Tが楕円形や長円形、四角形などに成型されている場合など、錠剤Tが方向性を有する形態である場合に検出される。
【0023】
印刷部50は、複数のインクジェットヘッド51を有している。
図1及び
図2の例では、三つのインクジェットヘッド51が設けられている。この印刷部50は、三色の多色で錠剤Tに印刷を行うため、インクの色ごとに専用のインクジェットヘッド51を有している。例えば、黒インク用のインクジェットヘッド51があり、赤インク用のインクジェットヘッド51があり、青インク用のインクジェットヘッド51がある。各インクジェットヘッド51は、撮像部40が設けられた位置よりも搬送方向H1の下流側にそれぞれ位置付けられ、搬送ベルト21の上方に搬送方向H1に並べられて設けられている。これらのインクジェットヘッド51は、それぞれ複数のノズル51a(
図2参照)を有し、それらのノズル51aから個別にインクを吐出する。各インクジェットヘッド51は、それぞれノズル51aが一列に並ぶ方向(ノズル列)が水平面内で搬送方向H1と直交(交差の一例)するように設けられている。各インクジェットヘッド51としては、圧電素子、発熱素子又は磁歪素子などの駆動素子を有する各種のインクジェット方式の印刷ヘッドを用いることが可能である。各インクジェットヘッド51はそれぞれ制御部90に電気的に接続されており、それらの駆動が制御部90により制御される。
【0024】
撮像部60は、印刷部50が設けられた位置よりも搬送方向H1の下流側に位置付けられ、搬送ベルト21の上方に設けられている。この撮像部60は、前述の錠剤TのX方向の位置情報に基づき、錠剤Tが撮像部60の直下に到達したタイミングで撮像を行い、錠剤Tの上面を含む画像(印刷状態検査用の画像)を取得し、取得した画像を制御部90に送信する。撮像部60としては、例えば、前述の撮像部40と同様、CCDやCMOSなどの撮像素子を有する各種のカメラを用いることが可能である。撮像部60は制御部90に電気的に接続されており、その駆動が制御部90により制御される。なお、必要に応じて撮像用の照明も設けられている。
【0025】
回収部70は、撮像部60が設けられた位置よりも搬送方向H1の下流側に位置付けられ、搬送部20における搬送方向H1の下流側の端部に設けられている。この回収部70は、搬送部20による保持が解除されて落下する錠剤Tを良品と不良品とに分けて回収するように構成されている。なお、搬送部20は、搬送ベルト21上の個々の錠剤Tが所定の位置、例えば、搬送部20における搬送方向H1の下流側の端部に到達した場合に錠剤Tの保持を解除する。
【0026】
インク供給部80は、
図1及び
図3に示すように、複数のインクボトル81と、インクボトル保持部(インクボトル保持装置)82とを有している。このインク供給部80は、印刷部50が三色の多色で錠剤Tに印刷を行うため、インクの色ごとに専用のインクボトル81を有しており、それらのインクボトル81をインクボトル保持部82により保持している。
図1及び
図3の例では、三本のインクボトル81が設けられている。
【0027】
各インクボトル81は、インクジェットヘッド51ごとに設けられている。例えば、黒インク用のインクジェットヘッド51に対応させて黒インクを収容する黒インク用のインクボトル81があり、赤インク用のインクジェットヘッド51に対応させて赤インクを収容する赤インク用のインクボトル81があり、青インク用のインクジェットヘッド51に対応させて青インクを収容する青インク用のインクボトル81がある。各インクボトル81は、それぞれ各インクジェットヘッド51に配管81aを介して接続されている(
図1参照)。これらのインクボトル81は、形及び大きさが同じである。このため、インクボトル81を低コストで大量に製造することが可能であり、インクボトル81の価格を抑えることができる。また、インクボトル81を交換しても、インクボトル81の交換前後でインクボトル81の内形(内部の形)及び大きさ(体積)が変わらないため、インクボトル81内のインクをインクジェットヘッド51に供給するための空気圧や水頭差などの管理をインクボトル81の交換前後で変えることなく同様に行うことができる。
【0028】
各インクボトル81には、
図3に示すように、それぞれアジャスタ83が装着されている。各アジャスタ83は、各インクボトル81の個々の底部にそれぞれ取付可能に形成されており、各インクボトル81の個々の底部にそれぞれ装着されている。これらのアジャスタ83の個々の形や大きさは、インクボトル81に収容されるインクの色ごとに異なっている(同一の色のインクが収容されるインクボトル81のアジャスタ83はすべて同一の形や大きさを有している)。各アジャスタ83は、それぞれ凹部83aを有している。各凹部83aは各アジャスタ83の個々の上面に形成されている。各アジャスタ83の個々の凹部83aと各インクボトル81の個々の底部とがそれぞれ嵌め合わされ、各アジャスタ83がそれぞれ各インクボトル81に装着されている。なお、アジャスタ83は、インクボトル81の製造工場やインク充填工場などで予めインクボトル81に装着されるものであり、アジャスタ83が装着された状態のインクボトル81が、錠剤印刷装置1が置かれた印刷工場に届けられる。
【0029】
ここで、説明の簡略化のため(適宜使用)、
図3中の左側のアジャスタ83を第1のアジャスタA1とし、その第1のアジャスタA1が装着されたインクボトル81を黒インク用のインクボトルB1とする。また、
図3中の中央のアジャスタ83を第2のアジャスタA2とし、その第2のアジャスタA2が装着されたインクボトル81を赤インク用のインクボトルB2とする。
図3中の右側のアジャスタ83を第3のアジャスタA3とし、その第3のアジャスタA3が装着されたインクボトル81を青インク用のインクボトルB3とする。
【0030】
インクボトル保持部82は、
図3に示すように、受け部材84を有している。このインクボトル保持部82は、各インクボトル81に個別に装着された各アジャスタ83が受け部材84に嵌め込まれることで、各インクボトル81を固定して保持する。
【0031】
受け部材84は、各アジャスタ83の個々の下部(アジャスタ83の一部)と嵌り合う形状に形成されている。この受け部材84は、
図3及び
図4に示すように、それぞれ凹部84aを有している。各凹部84aは、各アジャスタ83の個々の形状に合わせ、それらのアジャスタ83の個々の下部とそれぞれ嵌り合うように形成されている。例えば、
図4に示すように、
図4中の左側の凹部84aは、第1のアジャスタA1の下部の外形に合わせて平面視で正方形に形成されている。また、
図4中の中央の凹部84aは、第2のアジャスタA2の下部の外形に合わせて平面視で外形が円形に形成されている。
図4中の右側の凹部84aは、第3のアジャスタA3の下部の外形に合わせて平面視で八角形に形成されている。
【0032】
ここで、説明の簡略化のため(適宜使用)、受け部材84において、第1のアジャスタA1に対応する
図3及び
図4中の左側の凹部84aを第1の凹部C1とし、第2のアジャスタA2に対応する
図3及び
図4中の中央の凹部84aを第2の凹部C2とし、第3のアジャスタA3に対応する
図3及び
図4中の右側の凹部84aを第3の凹部C3とする。
【0033】
制御部90は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータと、処理情報や各種プログラムなどを記憶する記憶部(いずれも図示せず)と、画像処理部91とを備えている。この制御部90は、各種情報及び各種プログラムに基づいて供給部10や搬送部20、撮像部40、印刷部50、撮像部60などを制御する。また、制御部90は、検出部30や位置検出器25から送信される検出信号などを受信する。
【0034】
画像処理部91は、撮像部40により撮像された錠剤位置検出用の画像及び撮像部60によって撮像された印刷状態検査用の画像を取り込み、公知の画像処理技術を用いて画像を処理する。例えば、画像処理部91は、撮像部40から得られた錠剤位置検出用の画像を処理し、錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置を取得する(
図2参照)。また、画像処理部91は、撮像部60から得られた印刷状態検査用の画像を処理し、錠剤Tに印刷された印刷パターン(例えば、文字やマーク)の印刷位置や形状、サイズ、色を取得する。そして、画像処理部91は、前述のように取得した各錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置情報、さらに、各錠剤T上の印刷パターンの印刷位置情報、形状情報、サイズ情報及び色情報を制御部90に送信する。
【0035】
制御部90は、画像処理部91から送信された錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置情報に基づいて、その位置情報に対応する錠剤Tに対して印刷条件を設定する。なお、記憶部には、文字やマークなどの印刷パターン及びその印刷パターンの錠剤T上での印刷位置などを含む印刷データ、搬送ベルト21の移動速度データなどが記憶されている。
【0036】
例えば、制御部90は、錠剤TのY方向の位置情報や印刷パターンに基づいて、インクジェットヘッド51において対象の錠剤Tの印刷に使用するノズル51aの範囲(使用ノズル範囲)を決定し、また、錠剤TのX方向の位置情報に基づいて、錠剤Tに対して印刷を開始するタイミングを決定し、印刷条件を設定する。また、前述のように錠剤Tが方向性を有する形態である場合、制御部90は、錠剤Tのθ方向の位置情報に基づいて、錠剤Tのθ方向の位置に対応させて印刷条件を設定する。一例として、制御部は、印刷パターンの向きを0度から179度の範囲で1度ずつ回転させた180通りの印刷データを制御部90の記憶部に登録しておき、それらの印刷データの中から、検出されたθ方向の位置に適合する角度の印刷データを選択して印刷条件を設定する。
【0037】
また、制御部90は、画像処理部91から送信された錠剤Tの印刷パターンの印刷位置情報、形状情報、サイズ情報及び色情報に基づいて、印刷パターンが所定形状及び所定サイズで錠剤Tの所定位置に印刷されたか否か、すなわち印刷パターンが錠剤Tに正常に印刷されたか否かを判断する(印刷状態検査)。例えば、制御部90は、印刷パターンの形状及びサイズ判断において、印刷に使用した印刷パターンを検査用の印刷パターンとして制御部90の記憶部に登録しておき、その検査用の印刷パターンと実際の印刷後の錠剤T上の印刷パターン(錠剤Tに印刷された印刷パターン)とを比較する。
【0038】
(印刷工程)
次に、前述の錠剤印刷装置1が行う印刷工程(検査工程も含む)について説明する。なお、印刷に要する印刷データなどの各種情報は、制御部90の記憶部に予め記憶されている。
【0039】
印刷の前段階として、作業者は各インクボトル81内のインクが不足しているか否かを確認し、インクが不足しているインクボトル81が存在している場合、そのインク不足のインクボトル81を交換する。作業者はインク不足のインクボトル81をインクボトル保持部82から取り外し、インク不足のインクボトル81内のインクと同じ色のインクを収容する新しいインクボトル(インクが満杯に収容されたインクボトル)81を、インクボトル保持部82においてインク不足のインクボトル81を取り外した箇所に取り付ける。
【0040】
例えば、
図3において、黒インク用のインクボトルB1がインク不足のインクボトルである場合には、作業者は黒インク用のインクボトルB1を第1のアジャスタA1と共に受け部材84の第1の凹部C1から取り外す。第1のアジャスタA1は黒インク用のインクボトルB1に装着されて一体となっている。次に、作業者は、取り外したインク不足の黒インク用のインクボトルB1と同じ色の黒インクを収容する新しいインクボトル81を手に取り、先ほど取り外した受け部材84の同じ箇所である第1の凹部C1に、新しいインクボトル81を取り付ける。新しい黒インク用のインクボトルB1には取り換える前のインクボトル81と同じ形状の第1のアジャスタA1が装着されており、新しい黒インク用のインクボトルB1は第1のアジャスタA1と共に受け部材84の第1の凹部C1に取り付けられる。
【0041】
このとき、新しいインクボトル81のアジャスタ83が第1のアジャスタA1であり、受け部材84の第1の凹部C1に対応する場合、作業者は、新しいインクボトル81のアジャスタ83の下部(底部)を受け部材84の第1の凹部C1に嵌め合わせ、新しい黒インク用のインクボトルB1を適切に受け部材84に取り付けることができる。しかしながら、作業者が誤って青インク用のインクボトルB3を取り付けようとした場合には、新しいインクボトル81のアジャスタ83が第3のアジャスタA3であるため、受け部材84の第1の凹部C1に対応しない。つまり、作業者は、新しい青インク用のインクボトルB3の第3のアジャスタA3の下部を受け部材84の第1の凹部C1に嵌め合わせることができないため、新しいインクボトル81を適切に受け部材84に取り付けることができない。したがって、作業者は、取り付けるべきインクボトル81(黒インク用のインクボトルB1)と、実際に取り付けようとしているインクボトル81(青インク用のインクボトルB3)とが相違していることに気が付くことができる。
【0042】
なお、新しいインクボトル81のアジャスタ83が第2のアジャスタA2である場合、作業者は、新しいインクボトル81を第1の凹部C1に置くことは可能であるが、新しいインクボトル81は第1の凹部C1内でスライド移動が可能な状態となり、新しいインクボトル81のアジャスタ83の下部を受け部材84の第1の凹部C1に嵌め合わせることは不可能であり、新しいインクボトル81を適切に受け部材84に取り付けることができない。つまり、受け部材84に対してアジャスタ83が固定された状態がインクボトル81のアジャスタ83と受け部材84とが適切に取り付けられた状態である。
【0043】
前述のように適切な取り付けができない場合、作業者は、手に取った新しいインクボトル81が、取り外したインク不足のインクボトル81と同じ色のインクを収容するインクボトル81ではないこと、つまり、取り外したインク不足のインクボトル81と異なる色のインクを収容するインクボトル81であることを把握することができる。作業者が、このように取り外したインク不足のインクボトル81と、取り付けようとしている新しいインクボトル81との色が相違していることを把握すると、正しく新しいインクボトル81のアジャスタ83の下部を再び、受け部材84の第1の凹部C1に嵌め合わせる作業を行うことができる。新しいインクボトル81のアジャスタ83が第1のアジャスタA1であり、受け部材84の第1の凹部C1に対応する場合、作業者は、新しいインクボトル81のアジャスタ83の下部を受け部材84の第1の凹部C1に嵌め合わせることができ、新しいインクボトル81を適切に受け部材84に取り付けることができる。
【0044】
つまり、交換用に用意されている複数のインクボトル81において、第1のアジャスタA1が装着されたインクボトル81は全て黒インク用のインクボトルB1であり、第2のアジャスタA2が装着されたインクボトル81は全て赤インク用のインクボトル81bであり、第3のアジャスタA3が装着されたインクボトル81は全て青インク用のインクボトルB3である。インクボトル81の交換時、作業者は、黒インク用のインクボトルB1を第1のアジャスタA1により受け部材84の第1の凹部C1にだけ嵌め合すことが可能であり、赤インク用のインクボトル81bを第2のアジャスタA2により受け部材84の第2の凹部C2にだけに嵌め合すことが可能であり、青インク用のインクボトルB3を第3のアジャスタA3により受け部材84の第3の凹部C3にだけに嵌め合すことが可能である。このため、作業者は、インク不足のインクボトル81をインクボトル保持部82から取り外し、その取り外したインクボトル保持部82の同じ箇所に、インク不足のインクボトル81内のインクと同じ色のインクを収容する新しいインクボトル81を間違えずに取り付けることができる。これにより、インクボトル81の設置間違いを抑えることが可能になり、インクボトル81の設置間違いが生じた状態のまま、錠剤Tに対する印刷が実行されて所望の色と異なる色で識別情報が錠剤Tに印刷されることを抑制することができる。したがって、印刷不良の錠剤Tの発生を抑えることが可能となり、生産性を上げることができる。
【0045】
さらに、異なる色のインクが錠剤印刷装置1内(特にインクジェットヘッド51)で混ざり合ってしまった場合には、洗浄液をインクジェットヘッド51や配管81aに供給して洗浄処理を行わなければならないが、このような手間を抑えることが可能となり、生産性を上げることができる。
【0046】
このようなインクボトル81の交換が完了すると、作業者は錠剤印刷装置1による錠剤印刷を開始する。まず、搬送ベルト21が駆動され、その搬送ベルト21は、モータ24による駆動プーリ22及び従動プーリ23の回転に伴い、搬送方向H1に回転する。そして、搬送ベルト21が回転している状態で、ホッパ11から錠剤Tがシュータ12に順次供給され、シュータ12により一列に並べられて搬送ベルト21上に一定間隔ではなくランダムに供給される。錠剤Tは搬送ベルト21上に一列に並んで所定の移動速度で搬送されていく。
【0047】
搬送ベルト21上の錠剤Tは検出部30によって検出される。これにより、錠剤TのX方向の位置情報が取得され、制御部90に入力される。この錠剤TのX方向の位置情報は、制御部90の記憶部に保存されて後処理で用いられる。次に、搬送ベルト21上の錠剤Tが前述の錠剤TのX方向の位置情報に基づくタイミングで撮像部40によって撮像され、撮像された画像が画像処理部91に送信される。撮像部40から送信された画像に基づき、錠剤Tの位置情報(例えば、X方向、Y方向及びθ方向の位置情報)が画像処理部91により生成され、制御部90の記憶部に保存される。この錠剤Tの位置情報などの情報に基づき、使用ノズル範囲の決定手順(決定処理)が制御部90により実行され、使用ノズル範囲を含む印刷条件が制御部90の記憶部に設定される。
【0048】
撮像部40の下方を通過した搬送ベルト21上の錠剤Tは、前述の錠剤TのX方向の位置情報に基づくタイミング、すなわち錠剤Tが各インクジェットヘッド51の個々の直下に到達したタイミングで、S前述の印刷条件に基づいて各インクジェットヘッド51により順次印刷される。各インクジェットヘッド51では、各ノズル51aからインクが適宜吐出され、錠剤Tの上面である被印刷面に文字(例えばアルファベット、片仮名、番号)やマーク(例えば記号、図形)などが搬送方向H1の上流側から順次印刷されていき(例えば、黒インク用のインクジェットヘッド51による印刷、赤インク用のインクジェットヘッド51による印刷、青インク用のインクジェットヘッド51による印刷が順次行われ)、識別情報を示す印刷パターンが多色で印刷される。この錠剤Tに塗布されたインクは急速に乾燥する。なお、気体あるいは熱による乾燥を行う乾燥部(図示せず)によりインクを乾燥させるようにしても良い。
【0049】
その後、識別情報を示す印刷パターンが印刷された錠剤Tは、前述の錠剤TのX方向の位置情報に基づくタイミングで撮像部60によって撮像され、撮像された画像が制御部90に送信される。撮像部60から送信された個々の画像に基づき、錠剤Tごとの印刷パターンの印刷位置情報、形状情報、サイズ情報及び色情報が画像処理部91により生成され、制御部90の記憶部に保存される。その印刷位置情報、形状情報、サイズ情報及び色情報に基づき、錠剤Tに対する印刷良否が制御部90により判断され(印刷状態検査)、錠剤Tごとの印刷良否の結果を示す印刷良否結果情報が制御部90の記憶部に保存される。
【0050】
例えば、印刷状態検査では、錠剤Tに印刷された印刷パターンが所定形状及び所定サイズ、所定色で錠剤Tの所定位置に印刷されたか否か、すなわち印刷パターンが所望の配色で錠剤Tに正常に印刷されたか否かが判断され、印刷の良否が決定される。この印刷状態検査では、印刷に使用した印刷パターンが用いられ、その印刷パターンの所定印刷位置や所定形状、所定サイズ、所定色と、制御部90の記憶部に保存された印刷パターンの印刷位置情報、形状情報、サイズ情報及び色情報が比較され、印刷パターンが錠剤Tに正常に印刷されたか否かが判断される。
【0051】
検査後の錠剤Tは、搬送ベルト21の移動に伴って搬送ベルト21の下流側の端部に位置すると、搬送ベルト21に保持された状態から解放され、搬送ベルト21から落下して回収部70により回収される。このとき、検査が合格であった錠剤Tは、そのまま落下して回収部70により回収されるが、検査が不合格であった錠剤(印刷不良の錠剤など)Tは、搬送ベルト21から落下する途中でエアの吹き付けにより排除される。なお、エアの吹き付けにより排除された錠剤Tは、例えば、回収部70の隣に設けられた他の回収容器(図示せず)によって回収される。
【0052】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、各インクボトル81にそれぞれ装着された外形が異なる複数のアジャスタ83の個々の一部と嵌り合う形状に形成された受け部材84が設けられている。これにより、作業者は、各インクボトル81にそれぞれ装着された各アジャスタ83を受け部材84に嵌り合わせることで、各アジャスタ83に従って各インクボトル81を所望の決まった箇所だけに設けることが可能となる。これにより、インクボトル81の設置間違いを抑えることが可能になり、インクボトル81の設置間違いが生じた状態のまま、錠剤Tに対する印刷が実行されて所望の色と異なる色で識別情報が錠剤Tに印刷されることを抑制することができる。したがって、印刷不良の錠剤Tの発生を抑えることが可能となり、生産性を上げることができる。
【0053】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について
図5及び
図6を参照して説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点(各アジャスタ及び受け部材)について説明し、その他の説明は省略する。ただし、相違点以外も適宜説明することがある。
【0054】
図5に示すように、第2の実施形態に係る各アジャスタ83は、第1の実施形態と同様、各インクボトル81の個々の底部にそれぞれ取付可能に形成されており、各インクボトル81の個々の底部にそれぞれ装着されている。これらのアジャスタ83の個々の形及び大きさ(体積)は異なっている。各アジャスタ83は、それぞれ凹部84aに加え、それぞれ複数の凸部83bを有している。各凹部84aは各アジャスタ83の個々の上面に形成されており、各凸部83bは各アジャスタ83の個々の下面に形成されている。各アジャスタ83の個々の凹部84aと各インクボトル81の個々の底部とがそれぞれ嵌め合わされ、各アジャスタ83がそれぞれ各インクボトル81に装着されている。なお、第1のアジャスタA1は二つの凸部83bを有しており、第2のアジャスタA2は四つの凸部83bを有しており、第3のアジャスタA3は五つの凸部83bを有している(
図6参照)。凸部83bの形状は、例えば円柱である。
【0055】
受け部材84は、
図5及び
図6に示すように、それぞれ複数の凹部84aを有している。各凹部84aは、各アジャスタ83の個々の形状に合わせ、それらのアジャスタ83の個々の凸部(アジャスタ83の一部)83bとそれぞれ嵌り合うように形成されている。例えば、
図6中の受け部材84において、長手方向に領域を三等分し(左側領域、中央領域、右側領域)、
図6中の左側領域の二つの凹部84aは、第1のアジャスタA1の二つの凸部83bとそれぞれ嵌り合うように形成されている。また、
図6中の中央領域の四つの凹部84aは、第2のアジャスタA2の四つの凸部83bとそれぞれ嵌り合うように形成されている。
図6中の右側領域の五つの凹部84aは、第3のアジャスタA3の五つの凸部83bとそれぞれ嵌り合うように形成されている。すなわち、アジャスタ83ごとに、アジャスタ83の凸部83bと受け部材84の凹部84aとの位置、数及び形状が合致する。
【0056】
なお、第1のアジャスタA1の二つの凸部83b(受け部材84の二つの凹部84a)が第2のアジャスタA2の四つの凸部83b(受け部材84の四つの凹部84a)や第3のアジャスタA3の五つの凸部83b(受け部材84の五つの凹部84a)よりも一番太く形成されており、第3のアジャスタA3の五つの凸部83b(受け部材84の五つの凹部84a)が第1のアジャスタA1の二つの凸部83b(受け部材84の二つの凹部84a)や第2のアジャスタA2の四つの凸部83b(受け部材84の四つの凹部84a)よりも一番細く形成されている。また、アジャスタ83ごとに各凸部83b(各凹部84a)の離間距離は異なっている。つまり、インクボトル81に収容されたインクの色ごとに、アジャスタ83の凸部83bの数や大きさ、位置などのパターンが異なっている。なお、受け部材84の凹部84aの数や大きさ、位置などのパターンもすべて異なっており、本実施形態の場合には三種類の色のインクボトル81を設置するため三種類のパターンの凹部84aが設けられている。
【0057】
ここで、説明の簡略化のため(適宜使用)、第1のアジャスタA1に対応する
図6中の左側領域の二つの凹部84aを第1の凹部C1とし、第2のアジャスタA2に対応する
図6中の中央領域の凹部84aを第2の凹部C2とし、第3のアジャスタA3に対応する
図6中の右側領域の凹部84aを第3の凹部C3とする。なお、第1のアジャスタA1の二つの凸部83bを第1の凸部D1とし、第2のアジャスタA2の四つの凸部83bを第2の凸部D2とし、第3のアジャスタA3の五つの凸部83bを第3の凸部D3とする。
【0058】
例えば、
図5において、黒インク用のインクボトルB1がインク不足のインクボトルである場合には、作業者は黒インク用のインクボトルB1を第1のアジャスタA1と共に受け部材84の第1の凹部C1から取り外す。第1のアジャスタA1は黒インク用のインクボトルB1に装着されて一体となっている。次に、作業者は、取り外したインク不足の黒インク用のインクボトルB1と同じ色の黒インクを収容する新しいインクボトル81を手に取り、先ほど取り外した受け部材84の同じ箇所である第1の凹部C1に、新しいインクボトル81を取り付ける。新しい黒インク用のインクボトル81には取り換える前のインクボトル81と同じ形状の第1のアジャスタA1が装着されており、新しいインクボトル81は第1のアジャスタA1と共に受け部材84の第1の凹部C1に取り付けられる。
【0059】
このとき、新しいインクボトル81のアジャスタ83が第1のアジャスタA1であり、第1のアジャスタA1の第1の凸部D1が受け部材84の第1の凹部C1に対応する場合、作業者は、新しいインクボトル81のアジャスタ83の第1の凸部D1を受け部材84の第1の凹部C1に嵌め合わせ、新しい黒インク用のインクボトルB1を適切に受け部材84に取り付けることができる。しかしながら、作業者が誤って青インク用のインクボトルB3を取り付けようとした場合には、新しいインクボトル81のアジャスタ83が第3のアジャスタA3であるため、第3のアジャスタA1の第3の凸部D3が受け部材84の第1の凹部C1に対応しない。つまり、作業者は、新しい青インク用のインクボトルB3の第3のアジャスタA3の第3の凸部D3を受け部材84の第1の凹部C1に嵌め合わせることができないため、新しいインクボトル81を適切に受け部材84に取り付けることができない。したがって、作業者は、取り付けるべきインクボトル81(黒インク用のインクボトルB1)と、実際に取り付けようとしているインクボトル81(青インク用のインクボトルB3)とが相違していることに気が付くことができる。
【0060】
前述のように適切な取り付けができない場合、作業者は、手に取った新しいインクボトル81が、取り外したインク不足のインクボトル81と同じ色のインクを収容するインクボトル81ではないこと、つまり、取り外したインク不足のインクボトル81と異なる色のインクを収容するインクボトル81であることを把握することができる。作業者が、このように取り外したインク不足のインクボトル81と、取り付けようとしている新しいインクボトル81との色が相違していることを把握すると、正しく新しいインクボトル81のアジャスタ83の下部を再び、受け部材84の第1の凹部C1に嵌め合わせる作業を行うことができる。新しいインクボトル81のアジャスタ83が第1のアジャスタA1であり、受け部材84の第1の凹部C1に対応する場合、作業者は、新しいインクボトル81のアジャスタ83の下部を受け部材84の第1の凹部C1に嵌め合わせることができ、新しいインクボトル81を適切に受け部材84に取り付けることができる。
【0061】
つまり、第1の実施形態と同様、交換用に用意されている複数のインクボトル81において、第1のアジャスタA1が装着されたインクボトル81は全て黒インク用のインクボトルB1であり、第2のアジャスタA2が装着されたインクボトル81は全て赤インク用のインクボトル81bであり、第3のアジャスタA3が装着されたインクボトル81は全て青インク用のインクボトルB3である。インクボトル81の交換時、作業者は、黒インク用のインクボトルB1を第1のアジャスタA1により受け部材84の第1の凹部C1にだけ嵌め合すことが可能であり、赤インク用のインクボトル81bを第2のアジャスタA2により受け部材84の第2の凹部C2にだけに嵌め合すことが可能であり、青インク用のインクボトルB3を第3のアジャスタA3により受け部材84の第3の凹部C3にだけに嵌め合すことが可能である。このため、作業者は、インク不足のインクボトル81をインクボトル保持部82から取り外し、その取り外したインクボトル保持部82の同じ箇所に、インク不足のインクボトル81内のインクと同じ色のインクを収容する新しいインクボトル81を間違えずに取り付けることができる。これにより、インクボトル81の設置間違いを抑えることが可能になり、インクボトル81の設置間違いが生じた状態のまま、錠剤Tに対する印刷が実行されて所望の色と異なる色で識別情報が錠剤Tに印刷されることを抑制することができる。したがって、印刷不良の錠剤Tの発生を抑えることが可能となり、生産性を上げることができる。
【0062】
さらに、異なる色のインクが錠剤印刷装置1内(特にインクジェットヘッド51)で混ざり合ってしまった場合には、洗浄液をインクジェットヘッド51や配管81aに供給して洗浄処理を行わなければならないが、このような手間を抑えることが可能となり、生産性を上げることができる。
【0063】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0064】
<第3の実施形態>
第3の実施形態について
図7から
図9を参照して説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点(インクボトル保持部)について説明し、その他の説明は省略する。ただし、相違点以外も適宜説明することがある。
【0065】
図7から
図9に示すように、第3の実施形態に係るインクボトル保持部82は、受け部材84に加え、載置台85と、支持板86とを有している。載置台85は、各インクボトル81がそれぞれ載置される支持台である。支持板86は、載置台85に立てた状態で設けられている。この支持板86は、受け部材84を所定高さで水平状態に支持する。この所定高さは、受け部材84の下面が載置台85上の各インクボトル81の個々の肩部分に当接する高さである。
【0066】
各アジャスタ83は、各インクボトル81のネック部(又は蓋部)にそれぞれ取付可能に形成されており、各インクボトル81のネック部(又は蓋部)にそれぞれ装着されている。これらのアジャスタ83の個々の形及び大きさは異なっている。例えば、各アジャスタ83は、それぞれ環状に形成されており、各インクボトル81の個々のネック部(又は蓋部)にそれぞれ嵌め合わされ、各インクボトル81に装着されている。なお、インクボトル81のネック部(又は蓋部)は、アジャスタ83の環の中に入れられて嵌め合されている。ネック部はインクボトル81の開口に向かって細くなる部分(上部)であり、蓋部はインクボトル81の開口を塞ぐ蓋体である。
【0067】
受け部材84は、載置台85上の各インクボトル81の個々のネック部(又は蓋部)を、各アジャスタ83を介して保持しつつ、それらのインクボトル81の個々の肩部分を抑え込み(
図8及び
図9参照)、各インクボトル81を固定する固定部材として機能する。この受け部材84は、
図9に示すように、それぞれ切欠き部84bを有している。各切欠き部84bは、各アジャスタ83の個々の形状に合わせ、それらのアジャスタ83の個々の一部にそれぞれ嵌り合うように形成されている。例えば、
図9に示すように、
図9中の左側の切欠き部84bは、第1のアジャスタA1の外形(平面視で正方形)に合わせて形成されている。また、
図9中の中央の切欠き部84bは、第2のアジャスタA2の外形(平面視で円形)に合わせて形成されている。
図9中の右側の切欠き部84bは、第3のアジャスタA3の外形(平面視で八角形)に合わせて形成されている。アジャスタ83の形状は、インクボトル81に収容されたインクの色ごとに異なっており、切欠き部84bの形状もすべて異なっており、本実施形態の場合には三種類の色のインクボトル81を設置するため三種類の形状の切欠き部84bが設けられている。
【0068】
ここで、説明の簡略化のため(適宜使用)、第1のアジャスタA1に対応する
図9中の左側の切欠き部84bを第1の切欠き部E1とし、第2のアジャスタA2に対応する
図9中の中央の切欠き部84bを第2の切欠き部E2とし、第3のアジャスタA3に対応する
図9中の右側の切欠き部84bを第3の切欠き部E3とする。
【0069】
例えば、
図9において(
図7参照)、黒インク用のインクボトルB1がインク不足のインクボトルである場合には、作業者は黒インク用のインクボトルB1を第1のアジャスタA1と共に受け部材84の第1の切欠き部E1から取り外す。第1のアジャスタA1は黒インク用のインクボトルB1に装着されて一体となっている。次に、作業者は、取り外したインク不足の黒インク用のインクボトルB1と同じ色の黒インクを収容する新しいインクボトル81を手に取り、先ほど取り外した受け部材84の同じ箇所である第1の切欠き部E1に、新しいインクボトル81を取り付ける。新しい黒インク用のインクボトル81には取り換える前のインクボトル81と同じ形状の第1のアジャスタA1が装着されており、新しいインクボトル81は第1のアジャスタA1と共に受け部材84の第1の切欠き部E1に取り付けられる。
【0070】
このとき、新しいインクボトル81のアジャスタ83が第1のアジャスタA1であり、受け部材84の第1の切欠き部E1に対応する場合、作業者は、新しいインクボトル81のアジャスタ83の一部を受け部材84の第1の切欠き部E1に嵌め合わせ、新しい黒インク用のインクボトルB1を適切に受け部材84に取り付けることができる。しかしながら、作業者が誤って青インク用のインクボトルB3を取り付けようとした場合には、新しいインクボトル81のアジャスタ83が第3のアジャスタA3であるため、受け部材84の第1の切欠き部E1に対応しない。つまり、作業者は、新しい青インク用のインクボトルB3のアジャスタ83の一部を受け部材84の第1の切欠き部E1に嵌め合わせることができず、新しいインクボトル81を適切に受け部材84に取り付けることができない。したがって、作業者は、取り付けるべきインクボトル81(黒インク用のインクボトルB1)と、実際に取り付けようとしているインクボトル81(青インク用のインクボトルB3)とが相違していることに気が付くことができる。
【0071】
前述のように適切な取り付けができない場合、作業者は、手に取った新しいインクボトル81が、取り外したインク不足のインクボトル81と同じ色のインクを収容するインクボトル81ではないこと、つまり、取り外したインク不足のインクボトル81と異なる色のインクを収容するインクボトル81であることを把握することができる。作業者が、このように取り外したインク不足のインクボトル81と、取り付けようとしている新しいインクボトル81との色が相違していることを把握すると、正しく新しいインクボトル81のアジャスタ83の下部を再び、受け部材84の第1の切欠き部E1に嵌め合わせる作業を行うことができる。新しいインクボトル81のアジャスタ83が第1のアジャスタA1であり、受け部材84の第1の切欠き部E1に対応する場合、作業者は、新しいインクボトル81のアジャスタ83の下部を受け部材84の第1の切欠き部E1に嵌め合わせることができ、新しいインクボトル81を適切に受け部材84に取り付けることができる。
【0072】
つまり、第1の実施形態と同様、交換用に用意されている複数のインクボトル81において、第1のアジャスタA1が装着されたインクボトル81は全て黒インク用のインクボトルB1であり、第2のアジャスタA2が装着されたインクボトル81は全て赤インク用のインクボトル81bであり、第3のアジャスタA3が装着されたインクボトル81は全て青インク用のインクボトルB3である。インクボトル81の交換時、作業者は、黒インク用のインクボトルB1を第1のアジャスタA1により受け部材84の第1の凹部C1にだけ嵌め合すことが可能であり、赤インク用のインクボトル81bを第2のアジャスタA2により受け部材84の第2の凹部C2にだけに嵌め合すことが可能であり、青インク用のインクボトルB3を第3のアジャスタA3により受け部材84の第3の凹部C3にだけに嵌め合すことが可能である。このため、作業者は、インク不足のインクボトル81をインクボトル保持部82から取り外し、その取り外したインクボトル保持部82の同じ箇所に、インク不足のインクボトル81内のインクと同じ色のインクを収容する新しいインクボトル81を間違えずに取り付けることができる。これにより、インクボトル81の設置間違いを抑えることが可能になり、インクボトル81の設置間違いが生じた状態のまま、錠剤Tに対する印刷が実行されて所望の色と異なる色で識別情報が錠剤Tに印刷されることを抑制することができる。したがって、印刷不良の錠剤Tの発生を抑えることが可能となり、生産性を上げることができる。
【0073】
さらに、異なる色のインクが錠剤印刷装置1内(特にインクジェットヘッド51)で混ざり合ってしまった場合には、洗浄液をインクジェットヘッド51や配管81aに供給して洗浄処理を行わなければならないが、このような手間を抑えることが可能となり、生産性を上げることができる。
【0074】
また、第3の実施形態における受け部材84は、インクボトル81の浮き上がり防止の役割も果たす。載置台85にはインクボトル81の重さを検出する測定部(不図示)が備えられており、この測定部によって検出されたインクボトル81の重さによってインクボトル81中のインク容量を検知し、これによって、インクボトル81中のインクの容量の不足を認識することができる。しかしながら、インクボトル81中のインクをインクジェットヘッド51に圧送する際、それまで撓んだ状態にあった配管81aにインクが供給されることによって張り、配管81aのインクボトル81側の端部がインクボトル81の壁部分に衝突する。これによってインクボトル81が斜めに傾いて載置台85から浮き上がってしまう。このようにインクボトル81が載置台85から浮き上がると、前述した測定部によってインクボトル81中のインクの容量の測定が正確に行うことができなくなる。例えば、インクボトル81中にインクが十分に存在するにもかかわらず、インクが不足しているとしてエラーが出てしまい、作業を中断することになってしまう。また浮き上がりを繰り返すことによってインクボトル81中のインクが泡立ち、気泡を含んだインクがインクジェットヘッド51に送液されやすくなってしまう。気泡を含むインクがインクジェットヘッド51に供給されると、インクジェットヘッド51からうまくインクを吐出することができず、印刷不良の錠剤Tが生じてしまうことになる。
【0075】
また、第3の実施形態における受け部材84は、アジャスタ83を介してインクボトル81の個々のネック部(又は蓋部)に嵌め合わされ、さらに一端が支持板86に固定されているので、各インクボトル81の浮き上がりを防止することもできる。これによって不要なエラーの発生を抑制することができるとともに、印刷不良の錠剤Tの発生も抑制することができるので、生産性を上げることができる。
【0076】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0077】
<他の実施形態>
前述の説明においては、各アジャスタ83の各種形状、受け部材84の各種形状を例示したが、これに限るものではなく、他の各種形状を用いるようにしても良く、また、各アジャスタ83の個数や受け部材84の個数、インクボトル81の個数も特に限定するものではない。また、嵌め合い形状として、アジャスタ83に凸部83bを形成し、その凸部83bに対応する凹部84aを受け部材84に形成することを例示したが(第2の実施形態参照)、これに限るものでなく、例えば、受け部材84に凸部を形成し、その凸部に対応する凹部をアジャスタ83に形成するようにしてもよい。また、嵌め合い形状として、第1のアジャスタ83に凸部83bを形成し、その凸部83bに対応する凹部84aを受け部材84に形成し、第2のアジャスタ83に凹部を形成し、その凹部に対応する凸部を受け部材84に形成するようにしてもよく、アジャスタ83ごとに嵌め合い形状を変えるようにしてもよい。
【0078】
また、前述の説明においては、インクボトル81に収容されたインクの色ごとにアジャスタ83や受け部材84(凹部84a、切欠き部84b)の形状を異ならせることを例示したが、これに限るものではなく、インクボトル81に収容されるインク(液)の種類によって異ならせるようにしてもよい。インクの種類として、例えば、インクボトル81に収容されるインクに含まれる成分(印刷に用いるインクと洗浄液など)によって異ならせるようにしてもよい。
【0079】
また、前述の説明においては、アジャスタ83はインクボトル81の製造工場やインク充填工場においてインクボトル81に装着されることを例示したが、これに限るものではなく、錠剤Tに印刷を行う工場内で装着されるようにしてもよい。好ましくは、印刷処理を行う作業者とは異なる者によって装着されることが望ましい。または、印刷処理とは異なる工程において装着されることが望ましい。これは、アジャスタ83の誤ったインクボトル81への装着を抑えるためである。
【0080】
また、前述の説明においては、錠剤Tを一列で搬送することを例示したが、これに限るものではなく、その列数は二列や三列又は四列以上であっても良く、特に限定されるものではなく、搬送ベルト21の本数も二本以上であっても良く、特に限定されるものではない。また、インクジェットヘッド51の個数も二個以上であっても良く、特に限定されるものではない。
【0081】
また、前述の説明においては、インクジェットヘッド51として、ノズル51aが一列に並ぶ印刷ヘッドを例示したが、これに限るものではなく、例えば、ノズル51aが複数列に並ぶ印刷ヘッドを用いるようにしても良い。また、水平面内において搬送方向H1と直交する方向にインクジェットヘッド51を複数並べて用いるようにしても良い。
【0082】
また、前述の説明においては、インクジェットヘッド51をノズル51aが並ぶ方向が水平面内において搬送方向H1と直交する方向になるように設けることを例示したが、これに限るものではなく、例えば、ノズル51aが並ぶ方向が水平面内において搬送方向H1と交差する方向になるように設けるようにしても良い。
【0083】
また、前述の説明においては、錠剤Tの片面を印刷することを例示したが、これに限るものではなく、例えば、搬送部20、検出部30、撮像部40、印刷部50及び撮像部60を一つのユニットし、そのユニットを上下に重ねて配置して、上側の搬送部20で印刷した錠剤Tを反転して下側の搬送部20に受け渡し、錠剤Tの両面を印刷するようにしても良い。
【0084】
また、前述の説明においては、搬送ベルト21上に錠剤Tを吸引により保持することを例示したが、これに限るものではなく、例えば、搬送ベルト21上に錠剤Tを自重により保持するようにしても良い。
【0085】
ここで、前述の錠剤としては、医薬用、飲食用、洗浄用、工業用あるいは芳香用として使用される錠剤を含めることができる。また、錠剤としては、裸錠(素錠)や糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠、ゼラチン被包錠、多層錠、有核錠などがあり、硬カプセルや軟カプセルなど各種のカプセル錠も錠剤に含めることができる。さらに、錠剤の形状としては、円盤形やレンズ形、三角形、楕円形など各種の形状がある。また、印刷対象の錠剤が医薬用や飲食用である場合には、使用するインクとして可食性インクが好適である。この可食性インクとしては、合成色素インク、天然色素インク、染料インク、顔料インクのいずれを使用しても良い。
【0086】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1 錠剤印刷装置
51 インクジェットヘッド
81 インクボトル
83 アジャスタ
84 受け部材
82 インクボルト保持部
A1 第1のアジャスタ
A2 第2のアジャスタ
A3 第3のアジャスタ
B1 黒インク用のインクボトル
B2 赤インク用のインクボトル
B3 青インク用のインクボトル
T 錠剤