(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240123BHJP
H01M 8/12 20160101ALI20240123BHJP
H01M 8/04303 20160101ALI20240123BHJP
H01M 8/04694 20160101ALI20240123BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240123BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/12 101
H01M8/04303
H01M8/04694
H01M8/10 101
(21)【出願番号】P 2019197907
(22)【出願日】2019-10-30
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】中塚 正美
(72)【発明者】
【氏名】白井 良和
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-186109(JP,A)
【文献】特開2013-243862(JP,A)
【文献】国際公開第2009/093456(WO,A1)
【文献】特開2014-197458(JP,A)
【文献】特開2013-197696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
該燃料電池の発電開始および発電停止の制御をする制御手段と、
前記発電開始および前記発電停止をさせるための操作が可能で、かつ発電状況を表示するリモコン装置と、
を備えた燃料電池システムであって、
前記リモコン装置は、前記燃料電池の発電開始前であって、所定の条件に該当する場合に、前記発電開始させるための操作部の表示を行わない、または発電開始の操作を受け付けないことを表示する、もしくは前記発電開始させるための操作による発電開始指令を受け付け
ず、
前記所定の条件が、前記燃料電池の試運転が未実施である場合である、燃料電池システム。
【請求項2】
燃料電池の発電開始および発電停止の制御をする制御手段と、
前記発電開始および前記発電停止をさせるための操作が可能で、かつ発電状況を表示するリモコン装置と、
を備えた燃料電池システムであって、
前記燃料電池はメンテナンスモードを含む複数の動作モードを備え、
前記リモコン装置は、前記燃料電池の発電開始前であって、所定の条件に該当する場合に、前記発電開始させるための操作部の表示を行わない、または発電開始の操作を受け付けないことを表示する、もしくは前記発電開始させるための操作による発電開始指令を受け付けず、
前記所定の条件が、前記メンテナンスモードが選択されている場合である、燃料電池システム。
【請求項3】
前記リモコン装置は、発電開始の操作を受け付けない場合に、該当する前記所定の条件の表示をする、請求項1
または2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記リモコン装置は、前記燃料電池の発電停止の場合に、発電停止中であることを継続して表示する、請求項1
または2に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リモコン装置を備える燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池と、燃料電池の発電指示を行うことができ、さらに発電状況を表示するリモコン装置とを備えた燃料電池システムが開示されている。使用者はリモコン装置の操作部を操作することで、燃料電池の発電開始および発電停止の実行や、自動発電等を実行することが可能であり、さらにリモコン装置の表示部で燃料電池の発電状態や異常状態を確認することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池の発電開始前は、燃料電池の動作確認等が必要であるため発電開始を受け付けることができない場合がある。しかしながら、使用者はリモコン装置からの報知がなければ、燃料電池が運転可能な状態であると認識し、発電開始の指示を実行する可能性がある。また、リモコン装置からの報知があったとしても使用者の誤認識により、発電開始の指示を実行する可能性がある。燃料電池の動作確認等が完了していない状態で燃料電池の発電が開始された場合、燃料電池システムが損傷するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様である燃料電池システムは、
燃料電池と、
該燃料電池の発電開始および発電停止の操作が可能で、かつ発電状況を表示するリモコン装置と、を備えた燃料電池システムであって、
前記リモコン装置は、前記燃料電池の発電開始前に、所定の条件に該当する場合に、前記発電開始の表示を行わない、または発電開始の操作を受け付けないことを表示する、もしくは前記発電を開始させるための操作を受け付けず、
前記所定の条件が、前記燃料電池の試運転が未実施である場合である。
本開示の一態様である燃料電池システムは、
燃料電池の発電開始および発電停止の制御をする制御手段と、
前記発電開始および前記発電停止をさせるための操作が可能で、かつ発電状況を表示するリモコン装置と、
を備えた燃料電池システムであって、
前記燃料電池はメンテナンスモードを含む複数の動作モードを備え、
前記リモコン装置は、前記燃料電池の発電開始前であって、所定の条件に該当する場合に、前記発電開始させるための操作部の表示を行わない、または発電開始の操作を受け付けないことを表示する、もしくは前記発電開始させるための操作による発電開始指令を受け付けず、
前記所定の条件が、前記メンテナンスモードが選択されている場合である。
【発明の効果】
【0006】
本開示の燃料電池システムによれば、使用者の発電開始指示に起因する燃料電池システムが損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係るリモコンのメイン画面の構成図である。
【
図3】本開示のリモコンの発電設定画面の参考図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係るリモコンの発電設定制限画面の構成図である。
【
図5】本開示の第二実施形態に係るリモコンの発電設定制限画面の構成図である。
【
図6】本開示の第三実施形態に係るリモコンの発電設定制限画面の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本開示の実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。
図1は、実施形態に係る燃料電池システムの概略的構成を示す図である。
【0009】
実施形態の燃料電池システム100は、燃料ガスと酸素含有ガスとを用いて発電を行なう燃料電池11を備える。燃料電池11は、複数の燃料電池セルを含むセルスタック構造を有していてもよい。また、下記の説明においては、燃料電池セルとして固体酸化物形の燃料電池セルを有する燃料電池11を用いて説明するが、例えば固体高分子形や、リン酸形等各種タイプを用いることができる。
【0010】
燃料電池システム100は、収納容器10内に収容された燃料電池11および燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する改質器12を有する。改質器12は、天然ガス、LPガス等の原燃料ガスを改質し、燃料ガスを生成する。また、燃料電池システム100は、改質器12に原燃料ガスを供給する原燃料供給装置Gと、燃料電池11に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給装置Fを含む、燃料電池11の発電運転を補助するための補機を備える。なお、例えば、燃料電池セルとして固体高分子形を用いる場合には、改質器を別体として設けてもよい。
【0011】
燃料電池システム100は、また、モジュール1の排熱と熱媒との熱交換を行う第1熱交換器2および熱媒を貯留する蓄熱タンク3とを備える。なお、改質器を別体として設ける場合には、改質器からの排熱と熱媒との熱交換を行う熱交換器および熱媒を貯留する蓄熱タンクを設けてもよい。モジュール1から排出される排ガス(排熱)は、第1熱交換器2において、第1熱交換器2内を流れる熱媒と熱交換する。この際、排ガスに含まれる水分が結露して、凝縮水が生じ、生じた凝縮水は改質器12に供給され、改質水として改質器12における水蒸気改質反応に用いられる。水分が取り除かれた排ガスは、排ガス流路Eを介して、外部に排気される。
【0012】
燃料電池システム100は、第一循環経路HC1を備えている。第一循環経路HC1は、蓄熱タンク3と第1熱交換器2との間で熱媒が循環する経路である。第一循環経路HC1は、蓄熱タンク3と第1熱交換器2とを繋ぎ、熱媒が流過する配管を有している。第一循環経路HC1には、熱媒を循環させる循環ポンプや、熱媒を冷却する放熱器が設けられていてもよい。
【0013】
また、燃料電池システム100は、外部に供給する上水を加熱するための第二循環経路HC2を備えている。第二循環経路HC2は、第2熱交換器4と蓄熱タンク3との間で熱媒が循環する経路である。本実施形態では、外部装置として給湯器60を備える構成であるが、燃料電池システム100は、外部への温水供給を行わない、いわゆるモノジェネレーションシステムとしてもよい。
【0014】
燃料電池システム100は、燃料電池11の発電運転を補助するための補機として、パワーコンディショナ20、制御装置30、リモコン装置40、操作基板50等をさらに備える。
【0015】
制御装置30は、少なくとも1つのプロセッサおよび記憶装置等を含み、以下に詳細に述べるように、種々の機能を実行するための制御および処理能力を提供する。
【0016】
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路として、または、複数の通信可能に接続された集積回路および/もしくはディスクリート回路として、実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術にしたがって実行されることが可能である。
【0017】
1つの実施形態において、プロセッサは、たとえば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続または処理を実行するように構成された、1以上の回路またはユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続きまたは処理を実行するように構成された、ファームウェア、たとえばディスクリートロジックコンポーネントであってもよい。
【0018】
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、デジタル信号処理部、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または、これらのデバイスもしくは構成の任意の組み合わせ、または、他の既知のデバイスおよび構成の組み合わせ、を含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
【0019】
制御装置30は、記憶装置および表示装置(ともに図示省略)と、燃料電池システム100を構成する各種構成部品および各種センサと接続され、これらの各機能部をはじめとして、燃料電池システム100の全体を制御および管理する。制御装置30は、それに付属する記憶装置に記憶されているプログラムを取得して、このプログラムを実行することにより、燃料電池システム100の各部に係る、種々の機能を実現する。
【0020】
制御装置30から、他の機能部または装置に制御信号または各種の情報などを送信する場合、制御装置30と他の機能部とは、有線または無線により接続されていればよい。制御装置30が行う、実施形態に特徴的な制御については、後記で説明する。なお、実施形態において、制御装置30は特に、燃料電池に繋がる外部装置の指示、指令や、先に述べた各種センサの指示や計測値に基づいて、各種補機を制御する。図では、制御装置30と、燃料電池を構成する各装置および各センサとを結ぶ接続線の図示を、省略している場合がある。
【0021】
図示しない記憶装置は、プログラムおよびデータを記憶できる。記憶装置は、処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用してもよい。記憶装置は、記録媒体を含む。記録媒体は、半導体記憶媒体、および磁気記憶媒体等の任意の非一時的(non-transitory)な記憶媒体を含んでよい。また、記憶装置は、複数の種類の記憶媒体を含んでいてもよい。記憶装置は、メモリカード、光ディスク、または光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶の読み取り装置との組合せを含んでいてもよい。記憶装置は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでいてもよい。
【0022】
なお、燃料電池システム100の制御装置30および記憶装置は、燃料電池システム100の外部に有する構成として実現することもできる。さらに、本開示に係る制御装置30における特徴的な制御工程を含む制御方法として実現したり、上記工程をコンピュータに実行させるための制御プログラムとして実現したりすることも可能である。
【0023】
リモコン装置40は、使用者宅に設けられており、表示部28および操作部27を有する。使用者は、リモコン装置40により燃料電池11の発電状況や、発電に関する設定を確認することができる。また、リモコン40を操作することにより、燃料電池11の発電開始と発電停止を含む、燃料電池11の運転に係る種々の指示や設定の変更を制御装置30に送信することができる。なお、リモコン装置40の操作により、給湯器60の運転に係る種々の指示や設定の変更をおこなえるように構成されていてもよい。
【0024】
燃料電池システム100には操作基板50が設けられており、操作基板50を操作することにより、燃料電池11の運転に係る種々の指示や設定の変更を制御装置30に送信することができる。操作基板50は、燃料電池システム100の施工時、またはメンテナンス時に施工作業者、もしくはメンテナンス作業者が操作可能であり、使用者は操作基板50を操作することができないことがよい。
【0025】
また、操作基板50の操作により燃料電池システム100の施工時、またはメンテナンス時に試運転が実行可能である。試運転の指示は、施工作業者、もしくはメンテナンス作業者が操作基板50を操作することにより、制御装置30に送信される。試運転は施工完了後、またはメンテナンス完了後の発電開始前に燃料電池11および補機等が発電可能な状態であるか動作確認をおこなう運転である。つまり、試運転は施工作業者もしくはメンテナンス作業者のみが実行可能であり、使用者は実行できないことがよい。
【0026】
燃料電池システム100は通常モードとメンテナンスモードを含む複数のモードを備えている。試運転は通常モードでは実行できず、メンテナンスモードからのみ実行可能であり、通常モードとメンテナンスモードの切り替えは操作基板50からのみ実行することができる。つまり、モード切り替えは施工作業者もしくはメンテナンス作業者が実行可能であり、使用者は実行できないことがよい。
【0027】
制御装置30は、燃料電池システム100の状態に応じて、リモコン装置40からの発電指示に関する表示および操作を制限する。以下、リモコン装置40の表示および操作の制限についてリモコン装置40の画面をもとに説明する。
【0028】
図2は本実施形態におけるリモコン装置の構成図である。
図2に示すリモコン装置40の画面は本実施形態のリモコン装置40のメイン画面であり、表示部28と操作部27を備えている。表示部28は、燃料電池11の運転状態を示す運転表示部32と、現在の発電量などの発電状況を表示する発電表示部24とから構成されている。運転表示部32および発電表示部24は、画像を表示することができれば、どのような形態でもよく、例えば液晶などを用いることができる。また、発電表示部24は、燃料電池11の発電量に加えて、使用者宅での消費電力量や売電電力量を表示させる構成であってもよく、給湯温度など給湯器に関する情報を表示させる構成であってもよい。
【0029】
操作部27では、燃料電池11の動作設定や動作指示を実行することが可能である。本実施形態では、リモコン装置40の画面の下部に設けられた設定画面より燃料電池11に関する種々の設定や指示をおこなう。操作部27を押下することにより発電設定の画面に遷移可能であり、発電設定画面で操作をおこなうことで、燃料電池11の発電開始または発電停止を指示することができる。なお、操作部27は、操作指令の入力が可能なものであればよく、たとえばタッチパネルなどを用いることができる。また、表示部28と操作部27をリモコン40装置の画面上で分離させる必要はなく、表示部28に操作可能なアイコン等を操作部27として設けてもよい。
【0030】
図3は、本開示のリモコンの発電設定画面の参考図である。リモコン装置40は、メイン画面の操作部27を操作することにより発電設定画面51へ遷移可能であり、発電設定画面51は発電開始指示部52と、発電停止指示部53とを備える。本実施形態において、「発電入」表示が発電開始指示部52であり、「発電切」表示が発電停止指示部53である。発電開始指示部52を押下するとリモコン装置40から制御装置30に発電開始の信号が送信され、燃料電池11の発電が開始する。また、発電停止指示部53を押下するとリモコン装置40から制御装置30に発電停止の信号が送信され、燃料電池11の発電が停止する。また、発電設定画面には前述のメイン画面などの別画面に遷移する指示部を設けてもよい。
【0031】
使用者は、リモコン装置40の発電開始指示部52を操作することにより、燃料電池11の発電開始を指示することができる。しかし、燃料電池11が発電開始前、かつ所定の条件に該当する場合に使用者からの発電開始指示を受け付けると燃料電池システム100が損傷する虞がある。
【0032】
所定の条件とは、例えば、燃料電池システム100の施工後に試運転を実行していない場合や、メンテナンスを実行するために燃料電池システム100をメンテナンスモードに切り替えている場合である。試運転を実行していない、つまり燃料電池システム100の動作確認がとれていない場合に発電開始を実行すると、燃料電池システム100の動作中に不具合が生じ、強制的に停止させるシャットダウン停止が発生してしまい、燃料電池システム100が損傷する可能性がある。
【0033】
また、燃料電池システム100がメンテナンスモードである、つまり燃料電池システム100がメンテナンス作業中である場合に発電開始を実行すると、燃料電池システム100のさらなる不具合や損傷を引き起こす可能性がある。
【0034】
そこで、リモコン装置40は、燃料電池11が発電開始前、かつ所定の条件に該当する場合に、発電開始させるための操作部の表示をおこなわない、または発電開始の操作を受け付けないことを表示するもしくは前記発電開始の操作を受け付けないように制御される。
【0035】
図4は、リモコンの発電設定の制限を示す構成図である。燃料電池11が発電開始前であり、かつ燃料電池11の試運転が完了していない、または燃料電池11がメンテナンスモードである場合、リモコン装置40の発電開始指示部52の表示をおこなわないことによって、使用者の発電開始操作による燃料電池システム100の損傷を抑制することができる。なお、発電開始指示部52の表示をおこなわないとは、リモコン装置40のメイン画面から発電設定画面へ遷移可能な操作部27の一部を表示させない、つまり発電開始指示部52を備える発電設定画面51へ遷移させる表示をおこなわない構成を含む。
【0036】
図5は、リモコンの発電設定の制限を示す第2の構成図である。第2の実施形態では、発電開始の操作を受け付けないことを表示することによって、使用者の発電開始操作による燃料電池装置100の損傷を抑制することができる。なお、発電開始の操作を受け付けないことを表示する際に、発電開始を受け付けることができない条件の表示をおこなってもよい。
【0037】
なお、発電開始の操作を受け付けない旨の文言を表示する場合、使用者に発電開始の操作を受け付けない認識を促すために、例えば、文字のサイズや色彩を変更してもよく、また、使用者が発電開始指示部を操作した際に、発電開始の操作を受け付けない旨のポップアップを表示してもよい。
【0038】
図6は、リモコンの発電設定の制限を示す第3の構成図である。第3の実施形態では、発電開始指示部52である「発電入」を押下しても発電開始の指示を受け付けないことにより、燃料電池システム100の損傷を抑制することができる。本実施形態では、発電開始指示部52を塗りつぶした状態で表示することにより、使用者に操作を受け付けないことを視覚的に示している。
【0039】
なお、リモコン装置40の表示部28に発電開始を受け付けることができない旨の表示をおこなうことにより、使用者に発電開始の操作を受け付けない認識を促してもよい。発電開始指示部52は使用者に発電開始の操作を受け付けない認識を促すための種々の表示をおこなうことができる。例えば、グレーアウト表示等の色彩を変更する方法や、バックライトなどの輝度を変更する方法が一例として挙げられる。なお、発電開始の操作を受け付けない認識を促すための表示は、発電開始指示部52だけではなく、発電停止指示部53に使用してもよい。また、表示の変更に音声による案内を組み合わせてもよい。
【0040】
また、リモコン装置40は燃料電池11が発電停止中である場合、運転表示部32に発電停止中である報知を継続して表示する。これにより、リモコンの発電設定制限により発電開始が実行できない場合でも、使用者へ発電開始指示の実行を促すことができる。
【0041】
以上のように、リモコン装置40は、燃料電池11の発電開始前であって、所定の条件に該当する場合に発電開始の表示を行わない、または発電開始の操作を受け付けない。これによって、使用者の発電開始操作によって、燃料電池システム100が損傷することを抑制できる。
【符号の説明】
【0042】
100 燃料電池システム
11 燃料電池
30 制御装置
40 リモコン装置
27 操作部