IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リクルートの特許一覧

特許7424805情報配信システム、情報配信装置、およびプログラム
<>
  • 特許-情報配信システム、情報配信装置、およびプログラム 図1
  • 特許-情報配信システム、情報配信装置、およびプログラム 図2
  • 特許-情報配信システム、情報配信装置、およびプログラム 図3
  • 特許-情報配信システム、情報配信装置、およびプログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】情報配信システム、情報配信装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20240123BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20240123BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20240123BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20240123BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240123BHJP
【FI】
H04L67/02
G06F3/048
G06Q30/015
G06Q30/0251
G06Q30/0601 330
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019209550
(22)【出願日】2019-11-20
(65)【公開番号】P2021082053
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】518135412
【氏名又は名称】株式会社リクルート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】中山 裕貴
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-181196(JP,A)
【文献】特開2019-087911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
G06F 3/048
G06Q 30/015
G06Q 30/0251
G06Q 30/0601
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインサイト上でユーザが閲覧した商品の情報を取得する商品情報取得部と、
前記オンラインサイトに掲載された前記商品に関する複数の画像のうち、前記ユーザが閲覧した画像の情報を取得する画像閲覧情報取得部と、
特定した前記商品の情報と、前記ユーザが閲覧した前記商品に関する画像の情報に基づいて、前記ユーザに対して提示する前記商品に関するコンテンツを決定する表示内容最適化部と、を備えた情報配信システム。
【請求項2】
前記画像閲覧情報取得部は、
前記ユーザが前記オンラインサイトで前記商品の画像を閲覧した際に表示した、画像の撮影方向及び/又は撮影箇所の情報を取得し、
前記表示内容最適化部は、
特定した前記商品の情報と、表示した画像の撮影方向及び/又は撮影箇所の情報に基づいて、前記ユーザに対して提示する前記商品に関する画像の撮影方向及び/又は撮影箇所を決定する、請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記表示内容最適化部は、
前記商品に関する複数の画像のうち、前記ユーザが最も長い時間表示した画像を表示するように決定する、請求項1または2に記載の情報配信システム。
【請求項4】
オンラインサイト上でユーザが閲覧した商品の情報を取得する商品情報取得部と、
前記オンラインサイトに掲載された前記商品に関する複数の画像のうち、前記ユーザが閲覧した画像の情報を取得する画像閲覧情報取得部と、
特定した前記商品の情報と、前記ユーザが閲覧した前記商品に関する画像の情報に基づいて、前記ユーザに対して提示する前記商品に関するコンテンツを決定する表示内容最適化部と、を備えた情報配信装置。
【請求項5】
コンピュータを、
オンラインサイト上でユーザが閲覧した商品の情報を取得する商品情報取得部と、
前記オンラインサイトに掲載された前記商品に関する複数の画像のうち、前記ユーザが閲覧した画像の情報を取得する画像閲覧情報取得部と、
特定した前記商品の情報と、前記ユーザが閲覧した前記商品に関する画像の情報に基づいて、前記ユーザに対して提示する前記商品に関するコンテンツを決定する表示内容最適化部として、機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、情報配信装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインでの販促効果を向上させる手段として、リターゲティング広告の配信が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
従来のリターゲティングを行うシステムでは、ユーザが過去に閲覧した商品や購入した商品のオンライン広告を、当該ユーザに対して配信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-109807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムでは、ユーザの行動履歴に基づいて、興味のありそうな商品のオンライン広告を表示しているが、オンライン広告における商品の見せ方については、販促効果を高めるための工夫は行われていなかった。
【0006】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、ユーザの行動パターンに基づいてオンライン広告の見せ方をカスタマイズし、より効果的なリターゲティングを実現することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報配信システムは、オンラインサイト上でユーザが閲覧した商品の情報を取得する商品情報取得部と、前記オンラインサイトに掲載された前記商品に関する複数の画像のうち、前記ユーザが閲覧した画像の情報を取得する画像閲覧情報取得部と、特定した前記商品の情報と、前記ユーザが閲覧した画像の情報に基づいて、前記ユーザに対して提示するコンテンツと、当該コンテンツの表示方法を決定する表示内容最適化部と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報配信装置は、オンラインサイト上でユーザが閲覧した商品の情報を取得する商品情報取得部と、前記オンラインサイトに掲載された前記商品に関する複数の画像のうち、前記ユーザが閲覧した画像の情報を取得する画像閲覧情報取得部と、特定した前記商品の情報と、前記ユーザが閲覧した画像の情報に基づいて、前記ユーザに対して提示するコンテンツと、当該コンテンツの表示方法を決定する表示内容最適化部と、を備える。
【0009】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、オンラインサイト上でユーザが閲覧した商品の情報を取得する商品情報取得部と、前記オンラインサイトに掲載された前記商品に関する複数の画像のうち、前記ユーザが閲覧した画像の情報を取得する画像閲覧情報取得部と、特定した前記商品の情報と、前記ユーザが閲覧した画像の情報に基づいて、前記ユーザに対して提示するコンテンツと、当該コンテンツの表示方法を決定する表示内容最適化部として、機能させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの行動パターンに基づいてオンライン広告の見せ方をカスタマイズし、より効果的なリターゲティングを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る情報配信システム1の構成を示す図。
図2】本発明の実施形態に係る情報配信システム1による、リターゲティング処理のフローチャート。
図3】本発明の実施形態に係る情報配信システム1による、ユーザ端末20に表示される商品情報のページを例示する図。
図4】本発明の実施形態に係る情報配信システム1による、ユーザ端末20に表示される商品情報のページを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る情報配信システム1の構成を示す図である。図1に示すように、情報配信システム1は、オンライン上で商品の情報提供サイト(ここでは、中古車情報サイト)を提供する情報配信サーバ10と、ユーザ端末20を含んでいる。情報配信サーバ10とユーザ端末20は、通信ネットワークNを介して接続されている。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。また、ユーザ端末20は複数含まれていてもよい。
【0014】
本実施形態では、オンライン上の中古車情報サイトにおける、ユーザの閲覧履歴に基づくリターゲティングの例について説明するが、様々な商品のオンラインショップなど、あらゆるECサイトにおけるリターゲティングに適用することができる。リターゲティングとは、過去にオンラインサイトで商品の情報などを閲覧したり、サイトに訪れたりしたことのあるユーザに対し、当該ユーザが所定のサイトを表示した際に、広告掲載面に対して再度商品の広告を表示させることである。
【0015】
情報配信サーバ10は、汎用的なコンピュータであり、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。情報配信サーバ10は、制御装置11(商品情報取得部、画像閲覧情報取得部、表示内容最適化部)と、記憶装置12を備えている。制御装置11は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御装置11は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。記憶装置12は、ハードディスクドライブ等である。記憶装置12には、制御装置11が実行する各種プログラムや、各種データが記憶されている。
【0016】
ユーザ端末20は、ユーザが情報配信サーバ10にアクセスして商品の情報を閲覧したり、商品を購入したりする端末である。ユーザ端末20は、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC(パーソナルコンピュータ)、ウェアラブルデバイスなど、通信ネットワークNを介して情報配信サーバ10と通信が可能な端末である。ユーザ端末20は、プロセッサ21、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置22、液晶ディスプレイなどの表示装置23、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース24、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源25を備えている。記憶資源25には、プロセッサ21が実行する各種プログラムや、各種データが記憶されている。
【0017】
次に、情報配信システム1によるリターゲティング処理の流れについて、図2のフローチャートを用いて説明する。ここでは、ユーザXへのリターゲティングを行う場合を例に説明する。
【0018】
情報配信サーバ10は、ユーザXが、中古車情報サイトにアクセスし、特定の商品(例えば、中古車Y)の情報を表示するページ等を閲覧すると(ステップS101:YES)、閲覧した商品の情報を取得する(ステップS102)。
【0019】
次に、情報配信サーバ10は、ユーザXが、中古車Yのページにおいて閲覧した画像に関する情報を取得し、最適な画像(コンテンツ)を特定する(ステップS103)。具体的には、ユーザXが閲覧した商品の画像の中で、最も長い時間表示していた画像の撮影方向や撮影箇所を特定し、それらの撮影方向や撮影箇所の画像を最適な画像として特定する。
【0020】
図3は、中古車Yのページに表示される商品の画像を例示する図である。ユーザが、画面上で外装ボタンB1を選択すると、図に示すような外装の360度画像P1が表示される。さらに、ユーザが外装の360度画像P1に対してフリック・スワイプ操作等を行うと、あらゆる方向からの外装写真を閲覧することができる。
【0021】
また、閲覧者が内装ボタンB2を選択すると、図4に示すような内装の360度画像P2が表示され、ユーザが内装の360度画像P2に対してフリック・スワイプ操作等を行うと、あらゆる方向からの内装写真を閲覧することができる。
【0022】
情報配信サーバ10は、外装の360度画像P1について、ユーザXが最も長い時間表示した撮影方向の情報を取得する。例えば、車の正面からの撮影方向を0度、真後ろからの撮影方向を180度とした場合、ユーザXが図3に示すような斜め前方から撮影した画像(例えば、撮影方向45度)を最も長く表示していた場合には、外装画像の撮影方向の情報として「45度」を取得する。
【0023】
また、情報配信サーバ10は、内装の360度画像P2について、ユーザXが最も長い時間表示した撮影箇所の情報を取得する。例えば、ユーザXが図4に示すような車内のダッシュボード付近の画像(フロント部分)を最も長く表示していた場合には、内装画像の撮影箇所の情報として「フロント部分」を取得する。
【0024】
情報配信サーバ10は、ステップS102~S103で取得した、閲覧した商品の情報と閲覧した画像に関する情報に基づいて、リターゲティング情報を作成する(ステップS104)。例えば、商品の種類(中古車Y)と、表示する外装画像の撮影方向(45度)と、内装画像の撮影箇所(フロント部分)の情報を含むID等(例えば、クッキーID)を発行し、ユーザ端末20に送信するようにしてもよい。
【0025】
ユーザXが、後日ユーザ端末20から、再び所定の中古車情報サイトにアクセスすると(ステップS105:YES)、ステップS104で発行されたクッキーIDが情報配信サーバ10に送信される(ステップS106)。情報配信サーバ10は、ユーザ端末20から取得したクッキーIDに基づいて、リターゲティング内容を特定する。具体的には、広告を表示する対象の商品(中古車Y)と、表示する外装画像の撮影方向(45度)と、内装画像の撮影箇所(フロント部分)を特定する。
【0026】
情報配信サーバ10は、特定されたリターゲティング内容に基づいて、ユーザ端末20に、リターゲティング広告を配信する(ステップS107)。具体的には、対象商品の、特定された撮影方向からの外装画像と、特定された撮影箇所の内装画像を表示する。
【0027】
なお、リターゲティング広告が表示されるのは、中古車情報サイトに再度アクセスした場合に限られない。例えば、他のECサイトやニュースサイトにアクセスした際にも、ユーザ端末20から取得したクッキーIDに基づいて、リターゲティング広告を配信するようにしてもよい。
【0028】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザがオンラインサイト上で、商品情報の閲覧した際に、オンラインサイトに掲載された商品に関する複数の画像のうち、ユーザが閲覧した画像の情報に基づいて、リターゲティングの際に表示する画像を最適化するようにした。これにより、ユーザの行動パターンに基づいてオンライン広告の見せ方をカスタマイズし、より効果的なリターゲティングを実現することができる。
【0029】
また、オンラインサイトに掲載された商品の画像が360度画像の場合、ユーザが表示した画像の撮影方向や撮影箇所の情報に基づいて、リターゲティングの際に表示する画像の撮影方向や撮影箇所を最適化するようにした。これにより、ユーザが商品を選ぶ際に特に重視するポイントに合わせて、リターゲティングを行うことができる。
【0030】
また、画像の選択においては、ユーザが最も長い時間表示した撮影方向や撮影箇所の画像を選ぶようにしたので、ユーザが商品を選ぶ際に最も注目する向きや場所の写真を適切に選択することができる。なお、撮影方向や撮影箇所の最適化の基準は、表示時間の長さに限られない。例えば、同じ画像の表示回数に基づいて判断してもよいし、最初に表示した画像に基づいて判断するようにしてもよい。
【0031】
また、上記の実施例では、クッキーIDに商品を特定する情報と、表示する画像を最適化する情報を含めるようにしているが、ユーザのアカウントなどの情報に紐づけて管理するようにしてもよい。
【0032】
また、上記の実施例では、360度画像における撮影方向や撮影箇所を最適化しているが、本発明は、1つの商品を撮影した複数の写真(例えば、様々な縮尺の写真や、背景の異なる写真等)の中から最適なものを選択する場合に適用することができる。
【0033】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0034】
1…情報配信システム
10…情報配信サーバ
11…制御装置
12…記憶装置
20…ユーザ端末
21…プロセッサ
22…入力装置
23…表示装置
24…通信インタフェース
25…記憶資源
N…通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4