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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】便座
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/00 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
A47K13/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019217038
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021083948
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】佃 和磨
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮介
(72)【発明者】
【氏名】高安 佑
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-159599(JP,U)
【文献】特開2015-012899(JP,A)
【文献】特開2006-000491(JP,A)
【文献】実開昭61-170396(JP,U)
【文献】特開2016-043137(JP,A)
【文献】実開平04-019293(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0491817(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-13/30
日本意匠分類 D5-492
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方側において、外周の曲率が最大である一対の大曲率部と、前記一対の大曲率部の間に介在する中間部と、を有し、
前記大曲率部および前記中間部はともに、外周端まで下り傾斜する傾斜面部を有し、
前記大曲率部および前記中間部は、
底面部の内外周に沿って立ち上がる一対の側壁部と、前記一対の側壁部にまたがって形成される天面部と、前記一対の側壁部と前記天面部との間に介在する曲面部と、を有して構成され、
前記大曲率部における前記天面部の外周端の前記底面部からの高さは、前記中間部における前記天面部の外周端の前記底面部からの高さよりも高い、便座。
【請求項2】
前記中間部における前記天面部の外周端の前記底面部からの高さは、便座全体の前記天面部の外周端の前記底面部からの高さにおいて最も低い、請求項1に記載の便座。
【請求項3】
前記中間部における前記傾斜面部の傾斜が、前記大曲率部における前記傾斜面部の傾斜よりも大きい、請求項1または2に記載の便座。
【請求項4】
前方側において、外周の曲率が最大である一対の大曲率部と、前記一対の大曲率部の間に介在する中間部と、を有し、
前記大曲率部および前記中間部はともに、外周端まで下り傾斜する傾斜面部を有し、
前記中間部における前記傾斜面部の傾斜が、前記大曲率部における前記傾斜面部の傾斜よりも大きい、便座。
【請求項5】
前記大曲率部は、略平面状に構成される、請求項1から4のいずれかに記載の便座。
【請求項6】
前記一対の大曲率部の、前記中間部と逆側に配置される一対の側方部を有し、
前記大曲率部は、座面の幅が前記側方部の座面の幅よりも大きい部分を有して構成される、請求項1から5のいずれかに記載の便座。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便座に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の便器装置において、ユーザの座り心地を向上させるために、便座の形状を改良することが行われている。特許文献1には、ユーザの身体にフィットするように、便座の開口に向けて座面が傾斜するとともに、大腿部に合わせて座面に一対の窪みを備える形状の便座が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-284988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される形状の便座は高いフィット性を有する半面、姿勢がある程度拘束されるため、ユーザの好みによってはかえって座り心地が悪くなることもある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、前方側において、外周の曲率が最大である一対の大曲率部と、前記一対の大曲率部の間に介在する中間部と、を有し、前記大曲率部および前記中間部はともに、外周端まで下り傾斜する傾斜面部を有する、便座を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の一実施形態に係る便器装置の斜視図である。
図2】本開示の一実施形態に係る便座の上面視図である。
図3A】直線A-A´に係る便座の側方部の端面図である。
図3B】直線B-B´に係る便座の大曲率部の端面図である。
図3C】直線C-C´に係る便座の大曲率部の端面図である。
図3D】直線D-D´に係る便座の大曲率部の端面図である。
図3E】直線E-E´に係る便座の中間部の端面図である。
図4A】直線A-A´に係る便座の側方部の端面図である。
図4B】直線B-B´に係る便座の大曲率部の端面図である。
図4C】直線C-C´に係る便座の大曲率部の端面図である。
図4D】直線D-D´に係る便座の大曲率部の端面図である。
図4E】直線E-E´に係る便座の中間部の端面図である。
図5】便座および便蓋が開状態における便器装置の側面視図である。
図6】便座および便蓋が閉状態における便器装置の側面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の一実施形態に係る便器装置100について、図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、便座4について便器15の上部に水平に配置された場合に、一対のヒンジ部45側を後方といい、一対のヒンジ部45と反対側を前方という。後方を向いた際の左右の向きを左右方向または側方という。
【0008】
図1に示すように、便器装置100は、トイレ本体10と、機能部1と、使用頻度の高い機能を集約した第1リモコン装置20と、第1リモコン装置20よりも多くの機能を操作可能な第2リモコン装置21と、制御部3と、を備える、一体型便器装置である。第1リモコン装置20および第2リモコン装置21は便器装置100が設けられるトイレルームの壁面に配置され、第2リモコン装置21はトイレ本体10の内部の収容部14に収容可能である。
【0009】
トイレ本体10は、便座4と、便蓋12と、トップカバー13と、収容部14と、便器15と、を備える。トイレ本体10は、上記以外にタンク等を備えている(不図示)。
【0010】
便座4はユーザが着座する部分であり、便器15の環状の開口上に配置され、環状の形状を有する。便蓋12は、便座4および便器15の開口を開閉可能に覆う蓋である。トップカバー13は、機能部1の上部を覆う部材である。収容部14は、トイレ本体10の内部に形成され、第2リモコン装置21を収容可能な凹部である。使用頻度の低い第2リモコン装置21は、使用時以外は収容部14に収容されることができる。便器15は、上方に開口し、底部に排水口が構成される。便器15は、例えば陶器からなる部材である。
【0011】
機能部1は便器15の後方上部に載置され、便器洗浄装置や人体局部洗浄装置を内部に備える。機能部1は後述する制御部3によって制御され、例えば便器洗浄機能や人体局部洗浄機能のほか、便座4や便蓋12の開閉等の各種機能を実行する。機能部1はこれらの機能を全て備えていてもよいし、これらの機能のうち少なくとも1つを備えていてもよい。
【0012】
多機能を備える便器装置100は機能部1が内部に備える機能部材が多く、機能部1の容積を大きく設計することが好ましい。相反する要求として、便器装置100をコンパクトに設計することも望まれている。機能部1の容積と便器装置のコンパクトな設計を両立するために、機能部1の一部は便座4のヒンジ部45の下方にも位置している。
【0013】
リモコン装置2は、便器装置100の各種機能を遠隔操作可能な装置である。機能部1や他のリモコン装置に向けて赤外線通信やBLE(登録商標)等の通信方式で信号を発信し、各種機能を遠隔操作する。リモコン装置2は、外面に操作部を有するほか、制御部や通信部を有する。リモコン装置2は乾電池式であってもよいし、充電池式であってもよい。ブラケット30を介した壁掛け状態や、収容部14に収容された状態で充電可能であってもよい。
【0014】
制御部3は、機能部1とトイレ本体10との何れかの内部に収容される(不図示)。制御部3は第1リモコン装置20および第2リモコン装置21から発信される信号を受信し、受信した信号に基づいて機能部1の操作を制御する。
【0015】
図2に示すように便座4は、一対の大曲率部41と、中間部42と、一対の側方部43と、後部44と、ヒンジ部45と、から構成される。
【0016】
一対の大曲率部41は、一対の大曲率部41と、中間部42と、一対の側方部43と、からなる前方側において、便座4の外周の曲率が最大である部分である。便座4の外周とは、図2に示すような便座4の上面視における、環状の便座4の外周部分を指す。中間部42は、一対の大曲率部41の間に介在する部分である。一対の側方部43は、一対の大曲率部41の中間部42と反対側に位置する部分である。後部44は、側方部43よりも後方に位置する部分である。
【0017】
大曲率部41と、中間部42および側方部43との境界位置は、便座4外周の曲率が変化する位置である。すなわち、大曲率部41は便座4の前方側において外周の曲率が最大となる部分であり、中間部42および側方部43は大曲率部よりも小さい外周の曲率を有する部分である。各部位の端部は、境界位置に存在する。
【0018】
側方部43は、大曲率部41側において幅W1が最も広く、便座4の後方側に向かうにつれて幅W1が狭くなる。最も狭くなった位置が後部44との境界位置である。後部44は、便座4の開口の側方において、側方部43との境界から後方側に向かうにつれて幅W1が広くなる。便座4の幅W1とは、環状の便座4の上面視における内周と外周を結ぶ直線の中点を結んだ曲線Mに垂直な方向に関する幅を意味し、便座4の上面視で当該方向に関して内周と外周を結ぶ直線距離W1をいう。
【0019】
ヒンジ部45は、後部44の左右両端部から後方に向けて突出して構成される。便座4は、一対のヒンジ部45に挿通される電動モータの回転軸部材47等を介して、例えば機能部1に連結される。これにより、便座4は機能部1に対して回転可能に取り付けられる。便座4の内部には、暖房便座機能用のヒータ等の機能部材が収容されてもよい。
【0020】
図2に示すA-A´~E-E´の直線は、図3Aから図3Eおよび図4Aから図4Eに示す便座4の端面図に対応する位置を示す。直線A-A´は図3Aおよび図4A、直線B-B´は図3Bおよび図4B、直線C-C´は図3Cおよび図4C、直線D-D´は図3Dおよび図4D、直線E-E´は図3Eおよび図4Eに、それぞれ対応する。各直線はいずれも、便座4の上面視において内周と外周を結ぶ直線の中点を結んだ曲線Mへの垂線である。
【0021】
直線A-A´は、側方部43にまたがる直線であり、便座4の左右方向の中点位置(図2に一点鎖線で示す。)における前後方向の開口幅の中点Aから、右方向に延びる直線を示す。
【0022】
直線B-B´は大曲率部41にまたがる直線であり、大曲率部41の側方部43側の位置における、曲線Mへ下ろした垂線である。
【0023】
直線C-C´は大曲率部41にまたがる直線であり、便座4の外周の曲率が最大となる範囲の中心位置における、曲線Mへ下ろした垂線である。
【0024】
直線D-D´は大曲率部41にまたがる直線であり、大曲率部41の側方部43側の位置における、曲線Mへ下ろした垂線である。
【0025】
直線E-E´は、中間部42にまたがる直線であり、図2の一点鎖線上の点Eから前後方向に延びる直線である。直線E-E´は、この位置での曲線Mへおろした垂線である。
【0026】
図3Aから図3Eおよび図4Aから図4Eの端面図に示すように、大曲率部41、中間部42および側方部43は、底面部411,421,431と、底面部の内外周に沿って立ち上がる側壁部412,422,432と、内外周の両側壁部412,422,432にまたがって形成される天面部414,424,434と、側壁部412,422,432と天面部414,424,434との間に介在して一定の曲率半径を有する曲面部413,423,433と、によって端面環状に構成される。後部44およびヒンジ部45を含めた便座全体についても同様に、底面部と、側壁部と、天面部と、曲面部と、を有して構成される。以下では、大曲率部41、中間部42および側方部43のうち特定の部位について説明する時以外は、便座全体についての底面部をまとめて底面部401、側壁部をまとめて側壁部402、曲面部をまとめて曲面部403、天面部をまとめて天面部404と表記する。
【0027】
曲面部403と、側壁部402および天面部404との境界位置は、内外周側ともに、曲面部403の曲率が変化する位置である。各部位の端部は境界位置に存在する。
【0028】
図3Bから図3Eに示すように、大曲率部41および中間部42は、天面部414,424において、外周端まで下り傾斜する傾斜面部415,425を有する。外周端とは、天面部414,424と曲面部413,423との境界部分を意味する。大曲率部41および中間部42のいずれも外周端まで下り傾斜していることで、ユーザの着座時に身体の拘束を少なくするとともに、脚への便座からの圧迫感を低減することができ、座り心地が向上する。
【0029】
大曲率部41および中間部42はいずれも、外周端まで下り傾斜する傾斜面部415,425を有していればよく、天面部414,424が内周から外周まで単調に下り傾斜している必要はない。ユーザの着座時の安定性を考慮して、例えば内周と外周を結ぶ直線の中点が最も高くなる形状となっていてもよい。本実施形態では、天面部414,424の中央から、外周端まで下り傾斜する傾斜面部415,425を有する。
【0030】
図3Aから図3Eには座面の垂直高さを、図4Aから図4Eには座面の幅Wおよび傾斜角度を示す。本開示において便座4の座面とは、天面部404と、曲面部403と、からなる部分を意味する。
【0031】
図3Aから図3Eおよび図4Aから図4Eに示す点O~点Rは、以下の位置を示す。下付きの文字は、対応する文字の端面に関するものであることを表す。例えば、点Oは直線A-A´に係るA-A´端面における点Oであることを表す。
点O…便座4の端面図において、天面部404における便座4の幅W1の中点位置
点P…便座4の端面図において、天面部404の外周端位置
点Q…便座4の端面図において、便座4の内周側の曲面部403の下端位置
点R…便座4の端面図において、便座4の外周側の曲面部403の下端位置
【0032】
図3Aから図3Eにおいて、A1からE1は、いずれも便座4の底面部401から点Oまでの高さを表す。A2からE2は、いずれも点Qおよび点Rのうちいずれか低い方から点Pまでの高さを表す。A3からE3は、いずれも点Qおよび点Rのうちいずれか低い方から点Oまでの高さを表す。
【0033】
図4Aから図4Eにおいて、WからWは、各端面に対応する座面の幅Wを表す。座面の幅Wとは、図4Aから図4Eに示す点Qと点R間の直線距離Wを意味する。座面の傾斜角度θからθは傾斜面部415,425,435の傾斜角度であり、直線OPと水平線とのなす角度を表す。
【0034】
図3Bから図3Dに示す本実施形態に係る便座4の大曲率部41は、点Oと点Pとの高さの差が小さく、略平面状に構成される。天面部414における高低差を小さくすることで、ユーザの着座状態における安定性が向上するとともに、大腿部等の身体にかかる圧力が分散されるため、座り心地が向上する。具体的には、点Oと点Pとの高さの差は5mm以下であることが好ましい。
【0035】
便座4の天面部404の外周端の底面部401からの高さは、大曲率部41から中間部42に向かって徐々に低くなる。大曲率部41のB-B´端面、C-C´端面、D-D´端面に係る外周端である点P,P,Pの底面からの高さは、中間部42の外周端である点Pよりも高い。中間部42の外周端が大曲率部41のB-B´端面に係る外周端よりも低く形成されることで、ユーザが着座状態から立ち上がる際に便座前方に抵抗がなく、スムーズに立ち上がることができる。中間部42の外周端の高さは、便座4全体の外周端の高さにおいて最も低いことが好ましい。
【0036】
大曲率部41は、側方部43の座面の幅よりも、座面の幅Wが大きく形成される部分を有する。例えば、C-C´端面における座面の幅Wは側方部のA-A´端面の座面の幅Wよりも広い。これにより、ユーザの大腿部を支持する面積が大きく形成されて着座時の安定性が向上するため、安心感が得られ座り心地が向上する。
【0037】
中間部42における傾斜面部425の傾斜角度は、大曲率部41における傾斜面部415の傾斜角度よりも大きい。これにより、便座4と便蓋12を同時に開閉する際に両者の接触面積が小さくなり、摺動性が向上する。
【0038】
以下に詳しく説明する。図5に示すように便蓋12は便座4側の面に緩衝部121を有しする。便座4と便蓋12を開閉する際には、開閉の勢いによって便座4の中間部42が緩衝部121と衝突する。緩衝部121は中間部42と緩衝部121の衝突を緩衝する目的で形成されるため、ゴム等の弾性体等で構成される。
【0039】
便座4と便蓋12は、開閉における回転軸の位置が異なるため、開時と閉時で相対位置が変化する(図5および図6を参照)。したがって、両者を同時に開閉する際には、開閉動作とともに中間部42と緩衝部121との間に摺動が発生しうる。両者の摺動性が不良であると便座4や便蓋12への傷の発生や、開閉が不自由になる恐れがある。本実施形態においては、中間部42の先端部が外周方向に向かって下り傾斜することで、中間部42と緩衝部121の摺動性が向上し、傷の発生や開閉への支障を防止することができる。
【0040】
便座4は、便座4を下ろした状態において便器15に当接する少なくとも1つ以上の脚部46を裏面に有することが好ましい。脚部46は例えばゴム等の弾性体を有して構成されることで、便座4の開閉に伴う便器15との衝突を緩衝可能である。
【0041】
以上、本開示の一実施形態に係る便座4について説明した。便座4によれば、以下のような効果を奏する。
【0042】
本実施形態の便座4は、前方側において、外周の曲率が最大である一対の大曲率部41と、一対の大曲率部41の間に介在する中間部42と、を有し、大曲率部41および中間部42はともに、外周端まで下り傾斜する傾斜面部415,425を有する。これにより、ユーザの着座時に身体の拘束を少なくするとともに、脚への便座4からの圧迫感を低減することができ、座り心地が向上する。
【0043】
大曲率部41は、略平面状に構成される。これにより、ユーザの着座状態における安定性が向上するとともに、大腿部等の身体にかかる圧力が分散されるため、座り心地が向上する。
【0044】
大曲率部41および中間部42は、底面部411,421と、底面部411,421の内外周に沿って立ち上がる一対の側壁部412,422と、一対の側壁部412,422にまたがって形成される天面部414,424と、一対の側壁部412,422と天面部414,424との間に介在する曲面部413,423と、を有して構成され、大曲率部41における天面部414の外周端の底面部411からの高さは、中間部42における天面部424の外周端の底面部421からの高さよりも高い。これにより、ユーザが着座状態から立ち上がる際に便座前方に抵抗がなく、スムーズに立ち上がることができるため、快適性が向上する。
【0045】
中間部42における天面部424の外周端の底面部421からの高さは、便座4全体の天面部404の外周端の底面部401からの高さにおいて最も低い。これにより、さらに快適性が向上する。
【0046】
一対の大曲率部41の、中間部42と逆側に配置される一対の側方部43を有し、大曲率部41は、座面の幅が側方部43の座面の幅よりも大きい部分を有して構成される。これにより、ユーザの大腿部を支持する面積が大きく形成されて着座時の安定性が向上するため、安心感が得られ座り心地が向上する。
【0047】
中間部42における傾斜面部425の傾斜が、大曲率部41における傾斜面部415の傾斜よりも大きい。これにより、便座4の便蓋12との摺動性が向上する。
【0048】
以上、本開示の好ましい一実施形態について説明した。本開示は上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0049】
100…便器装置、1…機能部、10…トイレ本体、12…便蓋、121…緩衝部、122…便蓋回転軸部、13…トップカバー、14…収容部、15…便器、2…リモコン装置、20…第1リモコン装置、21…第2リモコン装置、30…ブラケット、3…制御部、4…便座、41…大曲率部、42…中間部、43…側方部、44…後部、45…ヒンジ部、46…脚部、47…便座回転軸部、401,411,421,431…底面部、402,412,422,432…側壁部、403,413,423,433…曲面部、404,414,424,434…天面部、415,425,435…傾斜面部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6