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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】使い捨て着用物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/475 20060101AFI20240123BHJP
   A61F 13/494 20060101ALI20240123BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
A61F13/475 112
A61F13/494 111
A61F13/475 111
A61F13/49 315
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019221530
(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公開番号】P2021090497
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒木 康宏
(72)【発明者】
【氏名】藤原 侑加
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-200365(JP,A)
【文献】特開2003-180736(JP,A)
【文献】特開2000-342623(JP,A)
【文献】特開2005-007076(JP,A)
【文献】特開2007-111554(JP,A)
【文献】特開2009-178274(JP,A)
【文献】特開2009-207599(JP,A)
【文献】特開2014-198195(JP,A)
【文献】特開2017-205157(JP,A)
【文献】特開2018-068717(JP,A)
【文献】登録実用新案第3202049(JP,U)
【文献】特許第6518803(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
A61L 15/16-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向の両側から起き上がる起き上がりギャザーをそれぞれ備え、
前記起き上がりギャザーは、使い捨て着用物品に固定された付根部分と、この付根部分から延び出る本体部分と、前記本体部分の前端部及び後端部が倒伏状態に固定されて形成された倒伏部分と、前記本体部分の前端部の前記倒伏部分と前記本体部分の後端部の前記倒伏部分との間に位置し、倒伏状態に固定されていない非固定の起き上がり部分とを有し、
前記起き上がり部分は、前後方向の少なくとも一部に、前記付根部分から延び出た第1部分と、前記第1部分の先端から内側に延び出た後、途中で外側に折り返されて前記第1部分の先端上に至る第2部分と、前記第部分の先端から外側に延び出た第3部分とを有しており、
前記第2部分及び第3部分には、前後方向に沿う細長状のギャザー弾性部材が、幅方向に間隔を空けて3本以上取り付けられているとともに、前記第2部分及び第3部分のいずれか一方は複数本、及び他方は少なくとも一本の前記ギャザー弾性部材をそれぞれ有しており、
前記ギャザー弾性部材を有する部分は前記ギャザー弾性部材により収縮しているとともに、前記ギャザー弾性部材とともに前後方向に伸長可能であり、
前記第2部分及び第3部分の境界部に最も近いギャザー弾性部材を有する部分の、前後方向の最大伸長率よりも、前記境界部に最も近いギャザー弾性部材よりも幅方向の外側に位置するギャザー弾性部材を有する部分の、前後方向の最大伸長率、並びに前記境界部に最も近いギャザー弾性部材よりも幅方向内側に位置するギャザー弾性部材を有する部分の、前後方向の最大伸長率が、1.1~1.5倍高い、
ことを特徴とする使い捨て着用物品。
【請求項2】
前記第2部分におけるギャザー弾性部材であってかつ前記境界部に最も近いギャザー弾性部材以外のギャザー弾性部材を有する部分の、前後方向の最大伸長率よりも、前記第3部分におけるギャザー弾性部材であって、かつ前記境界部に最も近いギャザー弾性部材以外のギャザー弾性部材を有する部分の、前後方向の最大伸長率の方が、0.7~0.9倍低い、
請求項1記載の使い捨て着用物品。
【請求項3】
前記第2部分のシート積層数が、前記第3部分のシート積層数よりも多い、
請求項1又は2記載の使い捨て着用物品。
【請求項4】
前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分は、前記第1部分から第1部分の先端を経て前記第2部分の折り返し端に至った後、前記第2部分の折り返し端で外側に折り返されて、前記第2部分の先端を経て前記第3部分の先端まで続く複数層のシート層により形成され、前記ギャザー弾性部材は前記複数層のシート層の間に挟まれており、
前記第1部分の先端で、前記第1部分から前記第2部分に続く複数層のシート層と、前記第2部分から前記第3部分に続く複数層のシート層とが接合されている、
請求項3記載の使い捨て着用物品。
【請求項5】
前記第2部分における折り返し端を含む部分及び前記第3部分における先端を含む部分の少なくとも一方が中空筒状をなしている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品。
【請求項6】
前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分は、前記第1部分から前記第1部分の先端を経て前記第2部分の折り返し端に至った後、前記第2部分の折り返し端で外側に折り返されて、前記第2部分の先端を経て前記第3部分の先端まで続く複数層のシート層により形成され、前記ギャザー弾性部材は前記複数層のシート層の間に挟まれており、
前記第1部分の先端で、前記第1部分から前記第2部分に続く複数層のシート層と、前記第2部分から前記第3部分に続く複数層のシート層とが接合されており、
前記第2部分における折り返し端を含む部分に、前記第1部分に続く複数層のシート層と、前記第3部分に続く複数層のシート層とが接合されていない非接合領域を有しており、
前記非接合領域の表側に位置する、前記第2部分から前記第3部分に続く複数層のシート層の間であって、かつ前記第2部分の折り返し端を除く位置に、前記境界部に最も近いギャザー弾性部材以外のギャザー弾性部材を有しており、
前記非接合領域の裏側に位置する、前記第2部分から前記第1部分に続く複数層のシート層の間に、前記ギャザー弾性部材を有しておらず、
前記非接合領域の表側に位置する、前記第2部分から前記第3部分に続く複数層のシート層が、前記非接合領域の裏側に位置する、前記第2部分から前記第1部分に続く複数層のシート層と離間することにより、前記第2部分における折り返し端を含む部分が中空筒状をなしている、
請求項5記載の使い捨て着用物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起き上がりギャザーを備えた使い捨て着用物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の使い捨て着用物品においては、いわゆる横漏れを防止するために、表面の幅方向両側から起き上がる起き上がりギャザーを備えることが一般的となっている(例えば特許文献1、2参照)。起き上がりギャザーには種々の構造のものが存在するが、多くの起き上がりギャザーは次のような基本構造を有する。すなわち、使い捨て着用物品に固定された付根部分と、この付根部分より延び出る本体部分と、本体部分の前端部及び後端部が使い捨ておむつの表面に倒伏状態に固定されて形成された倒伏部分と、本体部分における前後の倒伏部分の間に位置する非固定の起き上がり部分と、起き上がり部分の少なくとも先端部に前後方向に沿って取り付けられたギャザー弾性部材とを有するものである。
【0003】
使い捨て着用物品の起き上がりギャザーは、身体表面に対してより浅い角度で接することが好ましく、またより狭い幅でより高く起き上がる方が好ましい。そして、このような観点からは、起き上がりギャザーは、幅方向中央側に延びる付根側部分、及びこの付根側部分の先端から幅方向外側に延びる先端側部分を有する折り返しタイプ(横向きV字状断面)の起き上がりギャザーが好ましい(図17参照)。このような起き上がりギャザーは、装着者の身体表面に接する先端側部分の幅が広いため、身体表面に対する押し付け力が分散され、きつい装着感となりにくいものである。
【0004】
しかしながら、折り返しタイプの起き上がりギャザーは、排泄物が付根側部分を乗り越えやすく、かつ身体表面と付根側部分の先端との間がある程度離れた装着状態(比較的にフィットしにくい装着状態)では身体表面に対するフィット性が高くない、という問題点を有している。
【0005】
これに対して、特許文献1に記載の断面T字状の起き上がりギャザーは、先端側部分(弾性伸縮部52)が付根側部分(基壁部51)の幅方向内側に延びる部分を有しており、この部分が返しとなるため、排泄物が先端側部分上に乗りにくいものであるが、身体表面と付根側部分の先端との間がある程度離れた装着状態(比較的にフィットしにくい装着状態)では身体表面に対するフィット性が高くないという点で、前述の折り返しタイプの起き上がりギャザーと同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-245306号公報
【文献】特開2003-290278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、装着者の身体表面に対するフィット性に優れた起き上がりギャザーを提供する、こと等にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決したパンツタイプ使い捨ておむつは以下のとおりである。
<第1の態様>
幅方向の両側から起き上がる起き上がりギャザーをそれぞれ備え、
前記起き上がりギャザーは、使い捨て着用物品に固定された付根部分と、この付根部分から延び出る本体部分と、前記本体部分の前端部及び後端部が倒伏状態に固定されて形成された倒伏部分と、前記本体部分の前端部の前記倒伏部分と前記本体部分の後端部の前記倒伏部分との間に位置し、倒伏状態に固定されていない非固定の起き上がり部分とを有し、
前記起き上がり部分は、前後方向の少なくとも一部に、前記付根部分から延び出た第1部分と、前記第1部分の先端から内側に延び出た後、途中で外側に折り返されて前記第1部分の先端上に至る第2部分と、前記第部分の先端から外側に延び出た第3部分とを有しており、
前記起き上がり部分には、前後方向に沿う細長状のギャザー弾性部材が、幅方向に間隔を空けて3本以上取り付けられているとともに、前記第2部分及び第3部分はそれぞれ少なくとも一本の前記ギャザー弾性部材を有しており、
前記ギャザー弾性部材を有する部分は前記ギャザー弾性部材により収縮しているとともに、前記ギャザー弾性部材とともに前後方向に伸長可能であり、
前記第2部分及び第3部分の境界部に最も近いギャザー弾性部材を有する部分の、前後方向の最大伸長率よりも、その幅方向両側に位置するギャザー弾性部材を有する部分の、前後方向の最大伸長率が、1.1~1.5倍高い、
ことを特徴とする使い捨て着用物品。
【0009】
(作用効果)
本使い捨て着用物品の起き上がりギャザーは、各ギャザー弾性部材を有する部分の前後方向の最大伸長率の違いにより、装着前の自然状態では、起き上がり部分の断面がほぼY字状になる。そして、第2部分及び第3部分が身体表面に対して十分に押し付けられている装着状態(比較的にフィットしやすい装着状態)では、第2部分及び第3部分が開いて、第2部分及び第3部分の上面がほぼ全体にわたり身体表面にフィットする。一方、装着者の身体表面の複雑な表面形状やその動的変化に起因して、身体表面と第2部分及び第3部分の境界部との間に隙間がある装着状態(比較的にフィットしにくい装着状態)であっても、第2部分及び第3部分の境界部に最も近いギャザー弾性部材を有する部分に対して、その幅方向両側の部分が装着者の身体表面側に持ち上がり(つまり自然状態に戻るように変形し)、第2部分及び第3部分の少なくとも一方と身体表面との接触が維持される。しかも、第2部分及び第3部分は身体表面に対して相互独立に追従変形可能である。
なお、ギャザー弾性部材を有する部分の最大伸長率は、各ギャザー弾性部材を有する部分を切り出して、他のギャザー弾性部材を有する部分から独立した状態で測定する。
【0010】
<第2の態様>
前記第2部分におけるギャザー弾性部材であってかつ前記境界部に最も近いギャザー弾性部材以外のギャザー弾性部材を有する部分の、前後方向の最大伸長率よりも、前記第3部分におけるギャザー弾性部材であって、かつ前記境界部に最も近いギャザー弾性部材以外のギャザー弾性部材を有する部分の、前後方向の最大伸長率の方が、0.7~0.9倍低い、
第1の態様の使い捨て着用物品。
【0011】
(作用効果)
第2部分及び第3部分の境界部に最も近いギャザー弾性部材以外のギャザー弾性部材は、第2部分側及び第3部分側のどちらに位置するものの前後方向の最大伸長率が高くてもよいが、漏れ防止性及びより好ましい装着感の観点からは、本態様の高低関係を有していると好ましい。すなわち、本態様では、より幅方向の内側に位置する第2部分の方が第3部分よりも装着者の身体表面側に持ち上がり(つまり自然状態に戻るように変形し)、身体表面との接触が維持される。第3部分は、第2部分よりも外側に位置し、比較的に肌から離れにくいため、本態様のように第3部分の前後方向の最大伸長率を第2部分より低くしても(したがって身体表面に対する押し付け力が低くても)、漏れ防止性が低下しにくく、かえってきつい装着感となりにくい。
【0012】
<第3の態様>
前記第2部分のシート積層数が、前記第3部分のシート積層数よりも多い、
第1又は2の態様の使い捨て着用物品。
【0013】
(作用効果)
これにより、第2部分の剛性が第3部分の剛性よりも高くなり、第2部分による漏れ防止性が高いものとなる。
【0014】
<第4の態様>
前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分は、前記第1部分から第1部分の先端を経て前記第2部分の折り返し端に至った後、前記第2部分の折り返し端で外側に折り返されて、前記第2部分の先端を経て前記第3部分の先端まで続く複数層のシート層により形成され、前記ギャザー弾性部材は前記複数層のシート層の間に挟まれており、
前記第1部分の先端で、前記第1部分から前記第2部分に続く複数層のシート層と、前記第2部分から前記第3部分に続く複数層のシート層とが接合されている、
第3の態様の使い捨て着用物品。
【0015】
(作用効果)
本態様は、簡素な構造で、第2部分のシート積層数が第3部分のシート積層数よりも多い起き上がりギャザー(第3の態様)が構築されるものである。
なお、第2部分の折り返し端及び第3部分の先端は、展開状態における折り返し端及び先端を意味する(以下同じ)。
【0016】
<第5の態様>
前記第2部分における折り返し端を含む部分及び前記第3部分における先端を含む部分の少なくとも一方が中空筒状をなしている、
第1~4のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品。
【0017】
(作用効果)
本態様のように、第2部分における折り返し端を含む部分及び第3部分における先端を含む部分の少なくとも一方が中空筒状をなしていると、身体表面に対する第2部分及び第3部分の先端のあたりが柔軟になるため好ましい。
<第6の態様>
前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分は、前記第1部分から前記第1部分の先端を経て前記第2部分の折り返し端に至った後、前記第2部分の折り返し端で外側に折り返されて、前記第2部分の先端を経て前記第3部分の先端まで続く複数層のシート層により形成され、前記ギャザー弾性部材は前記複数層のシート層の間に挟まれており、
前記第1部分の先端で、前記第1部分から前記第2部分に続く複数層のシート層と、前記第2部分から前記第3部分に続く複数層のシート層とが接合されており、
前記第2部分における折り返し端を含む部分に、前記第1部分に続く複数層のシート層と、前記第3部分に続く複数層のシート層とが接合されていない非接合領域を有しており、
前記非接合領域の表側に位置する、前記第2部分から前記第3部分に続く複数層のシート層の間であって、かつ前記第2部分の折り返し端を除く位置に、前記第2部分及び第3部分の境界部に最も近いギャザー弾性部材以外のギャザー弾性部材を有しており、
前記非接合領域の裏側に位置する、前記第2部分から前記第1部分に続く複数層のシート層の間に、前記ギャザー弾性部材を有しておらず、
前記非接合領域の表側に位置する、前記第2部分から前記第3部分に続く複数層のシート層が、前記非接合領域の裏側に位置する、前記第2部分から前記第1部分に続く複数層のシート層と離間することにより、前記第2部分における折り返し端を含む部分が中空筒状をなしている、
第5の態様の使い捨て着用物品。
【0018】
(作用効果)
本態様は、簡素な構造で、第2部分のシート積層数が第3部分のシート積層数よりも多く(第3の態様)、かつ第2部分における折り返し端を含む部分が大きく膨らんだ中空筒状をなす(第5の態様)起き上がりギャザーが構築されるものである。本態様は、特に第2部分の先端のあたりが柔軟になるため、第2の態様との組合せに好適である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、装着者の身体表面に対するフィット性に優れた起き上がりギャザーを備えたものとなる、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、平面図である。
図2】展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、平面図である。
図3図1の2-2断面図である。
図4図1の3-3断面図である。
図5】(a)図1の4-4断面図、及び(b)図1の5-5断面図である。
図6】パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。
図7】展開状態の内装体の外面を外装体の輪郭とともに示す、平面図である。
図8】展開状態の内装体の外面を外装体の輪郭とともに示す、平面図である。
図9図1の2-2断面に相当する他の例の断面図である。
図10図1の3-3断面に相当する他の例の断面図である。
図11図3の要部を拡大して示す断面図である。
図12】自然状態の起き上がりギャザーを示す断面図である。
図13】他の例の要部を拡大して示す断面図である。
図14】他の例の自然状態の起き上がりギャザーを示す断面図である。
図15】内装体の平面図である。
図16】他の例の内装体の平面図である。
図17】他の例の内装体の平面図である。
図18】他の例の要部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、パンツタイプ使い捨ておむつの例について、添付図面を参照しつつ詳説する。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
【0022】
図1図6は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。本パンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃Fの少なくとも胴周り部を構成する長方形の前外装体12F及び後身頃Bの少なくとも胴周り部を構成する長方形の後外装体12Bと、前外装体12Fから股間部を経て後外装体12Bまで延在するように外装体12F,12Bに設けられた内装体200とを備えている。前外装体12Fの両側部と後外装体12Bの両側部とが接合されてサイドシール12Aが形成されており、これにより、外装体12F,12Bの前後端部により形成される開口が装着者の胴を通すウエスト開口WOとなり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁及び内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口LOとなっている。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12F,12Bは着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。また、符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの前後方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
【0023】
本パンツタイプ使い捨ておむつは、サイドシール12Aを有する前後方向範囲(ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る前後方向範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール12Aを有する前後方向領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下方部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向WDの伸縮応力が変化する境界(例えば弾性部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側に延び出たウエスト延出部分12Eがウエスト部Wとなる。これらの前後方向長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15~40mm、ウエスト下方部Uは65~120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚を入れる部位となる。この結果、展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつは、全体としてほぼ砂時計形状をなしている。
【0024】
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示例ではほぼ長方形である。内装体200は、図3図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シートを示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側部から装着者の脚周りに接するように延び出た起き上がりギャザー60を示している。
【0025】
内装体200の幅方向WDの寸法は適宜定めることができるが、例えば吸収体56の幅方向WDの寸法の1~1.5倍とすることができる。
【0026】
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
【0027】
トップシート30の両側部は、吸収要素50の側縁で裏側に折り返しても良く、また折り返さずに吸収要素50の側縁より側方にはみ出させても良い。
【0028】
トップシート30は、裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、トップシート30はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により中間シート40の表面及び包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
【0029】
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体56へ移行させて吸収体56による吸収性能を高めるとともに、吸収した液の吸収体56からの逆戻り現象を防止するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
【0030】
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド不織布又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは17~80g/mが好ましく、25~60g/mがより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0~10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
【0031】
図示例の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の前後方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
【0032】
中間シート40は、裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、中間シート40はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
【0033】
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができるが、後述するカバー不織布13とのホットメルト接着剤を介した接着時に十分な接着強度を得るため、樹脂フィルムを用いるのが望ましい。
【0034】
液不透過性シート11は、図示のように吸収要素50の裏側に収まる幅とする他、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回り込ませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させることもできる。この延在部の幅は、左右それぞれ5~20mm程度が適当である。
【0035】
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
【0036】
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100~300g/m程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30~120g/m程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1~16dtex、好ましくは1~10dtex、さらに好ましくは1~5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5~75個、好ましくは10~50個、さらに好ましくは15~50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
【0037】
吸収体56は長方形形状でも良いが、図7等にも示すように、前後方向中間に、その前後両側よりも幅が狭い括れ部56Nを有する砂時計形状をなしていると、吸収体56自体と起き上がりギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
【0038】
また、吸収体56の寸法は適宜定めることができるが、前外装体と重なる位置から股間部を経て後外装体と重なる位置まで延びていることが好ましく、図示例のように前後方向LD及び幅方向WDにおいて、内装体200の周縁部又はその近傍まで延在させることができる。なお、符号56Xは吸収体56の全幅を示している。
【0039】
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、このふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
【0040】
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
【0041】
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
【0042】
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
【0043】
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50~350g/mとすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/mを超えると、効果が飽和する。
【0044】
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5~40g/m、特に10~30g/mのものが望ましい。
【0045】
包装シート58の包装構造は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻付け、かつその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合するのが好ましい。
【0046】
(起き上がりギャザー)
起き上がりギャザー60は、内装体200の側部から起き上がる起き上がり部分68を有しており、この起き上がり部分68が、内装体の幅方向の両側で装着者の身体表面に接して横漏れを防止するものである。
【0047】
より詳細に説明すると、図示例の起き上がりギャザー60は、内装体200の側部に固定された付根部分65と、この付根部分65から延び出る本体部分66と、本体部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対して固定された倒伏部分67とされる一方で、これらの間に位置し、倒伏状態に固定されていない非固定の起き上がり部分68とを有している。
【0048】
特徴的には、図11及び図12に示すように、起き上がり部分68の前後方向LDの少なくとも一部に、付根部分から延び出た第1部分81と、第1部分81の先端から内側に延び出た後、途中で外側に折り返されて第1部分81の先端上に至る第2部分82と、第部分8の先端から外側に延び出た第3部分83とを有している。また、起き上がり部分68には、前後方向LDに沿う細長状のギャザー弾性部材63が、幅方向WDに間隔を空けて3本以上取り付けられているとともに、第2部分82及び第3部分83はそれぞれ少なくとも一本のギャザー弾性部材63を有しており、各ギャザー弾性部材63を有する部分は自然状態ではギャザー弾性部材63とともに収縮しており、ギャザー弾性部材63とともに前後方向LDに伸長可能な部分となっている。このため、ギャザー弾性部材63はそれぞれ所定の伸長率で前後方向LDに伸長した状態で取り付けられる。このギャザー弾性部材63の収縮力により、起き上がり部分68が図12に示すように肌に当接するように起き上がる。
【0049】
さらに、第2部分82及び第3部分83の境界部84に最も近いギャザー弾性部材63cを有する部分の、前後方向LDの最大伸長率よりも、その幅方向WDの両側に位置するギャザー弾性部材63を有する部分の、前後方向LDの最大伸長率が、1.1~1.5倍高くなっている(後者の前後方向LDの最大伸長率が、前者の前後方向LDの最大伸長率の1.1~1.5倍と同義)。この倍率は、より好ましくは1.1~1.3倍である。このような各ギャザー弾性部材63を有する部分の前後方向LDの最大伸長率の違いにより、装着前の自然状態では、図12に示すように起き上がり部分68の断面がほぼY字状になる。そして、第2部分82及び第3部分83が身体表面に対して十分に押し付けられている装着状態(比較的にフィットしやすい装着状態)では、第2部分82及び第3部分83が開いて、第2部分82及び第3部分83の上面がほぼ全体にわたり身体表面にフィットする。一方、装着者の身体表面の複雑な表面形状やその動的変化に起因して、身体表面と第2部分82及び第3部分83の境界部84との間に隙間がある装着状態(比較的にフィットしにくい装着状態)であっても、第2部分82及び第3部分83の境界部84に最も近いギャザー弾性部材63cを有する部分に対して、その幅方向WD両側の部分が装着者の身体表面側に持ち上がり(つまり自然状態に戻るように変形し)、第2部分82及び第3部分83の少なくとも一方と身体表面との接触が維持される。しかも、第2部分82及び第3部分83は身体表面に対して相互独立に追従変形可能である。
【0050】
第2部分82及び第3部分83の境界部84に最も近いギャザー弾性部材63c以外のギャザー弾性部材63は、第2部分82側及び第3部分83側のどちらに位置するものの前後方向LDの最大伸長率が高くてもよい。しかし、漏れ防止性及びより好ましい装着感の観点からは、第2部分82におけるギャザー弾性部材63であってかつ境界部84に最も近いギャザー弾性部材以外のギャザー弾性部材63を有する部分の、前後方向LDの最大伸長率よりも、第3部分83におけるギャザー弾性部材63であってかつ境界部84に最も近いギャザー弾性部材以外のギャザー弾性部材63を有する部分の、前後方向LDの最大伸長率の方が、0.7~0.9倍低い(後者の前後方向LDの最大伸長率が、前者の前後方向LDの最大伸長率の0.7~0.9倍と同義)方が好ましい。この倍率は、より好ましくは0.8~0.9倍である。すなわちこの場合、より幅方向WDの内側に位置する第2部分82の方が第3部分83よりも装着者の身体表面側に持ち上がり(つまり自然状態に戻るように変形し)、身体表面との接触が維持される。第3部分83は、第2部分82よりも外側に位置し、比較的に肌から離れにくいため、第3部分83の前後方向LDの最大伸長率を第2部分82より低くしても(したがって身体表面に対する押し付け力が低くても)、漏れ防止性が低下しにくく、かえってきつい装着感となりにくい。
【0051】
第2部分82及び第3部分83の境界部84と、その境界部84に最も近いギャザー弾性部材63cとの幅方向WDの中心間隔84dは適宜定めることができるが、5mm以下であると好ましい。第2部分82及び第3部分83の境界部84に最も近いギャザー弾性部材63cは、図示しないが第2部分82側に位置していてもよく、図11及び12に示すように第3部分83側に位置していてもよく、また図13及び14に示すように第2部分82及び第3部分83の境界部84上に位置していてもよい。ギャザー弾性部材63として、スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470~1240dtexが好ましく、620~940dtexがより好ましい。ギャザー弾性部材63の取付け状態での伸長率は、150~350%が好ましく、200~300%がより好ましい。ギャザー弾性部材63の本数は2~6本が好ましく、3~5本がより好ましい。ギャザー弾性部材63の中心間隔63dは3~10mmが適当である。ギャザー弾性部材63は第1部分81にも設けることができるが、図示例のように設けないことが好ましい。
【0052】
第2部分82及び第3部分83の幅方向WDの寸法は適宜定めることができるが、第2部分82の幅方向WDの寸法82wは5~15mmであると好ましい。また、第3部分83の幅方向WDの寸法83wは、第2部分82の幅方向WDの寸法82wの0.3~3倍であると好ましい。
【0053】
第1部分81、第2部分82、及び第3部分83における層構造は限定されるものではないが、図示例のように、第2部分82のシート積層数が、第3部分83のシート積層数よりも多いと、第2部分82の剛性が第3部分83の剛性よりも高くなり、第2部分82による漏れ防止性が高いものとなるため好ましい。図示例の起き上がりギャザー60では、第1部分81から第1部分81の先端を経て第2部分82の折り返し端に至った後、第2部分82の折り返し端で外側に折り返されて、第2部分82の先端を経て第3部分83の先端まで続く複数層のシート層S1,S2により、第1部分81、第2部分82及び第3部分83が形成され、ギャザー弾性部材63はその複数層のシート層S1,S2の間に挟まれており、第1部分81の先端で、第1部分81から第2部分82に続く複数層のシート層S1,S2と、第2部分82から第3部分83に続く複数層のシート層S1,S2とが対向面で接合されている。この場合における複数層のシート層S1,S2は図示例では2層となっているが、3層以上でもよい。また、この場合における複数層のシート層S1,S2は、独立した2枚のギャザーシートであってもよいし、図示例のように第3部分83の先端で折り返された1枚のギャザーシート62の一方及び他方であってもよい。
【0054】
また、このようなシート積層構造を有するY字状の起き上がりギャザー60は、従来の折り返しタイプのものと同様の構造に、第2部分82及び第3部分83の境界部84を形成する接合部を追加するだけで構築することができる。つまり、図11及び図12に示す展開状態は、第2部分82及び第3部分83の境界部84を形成する接合部のホットメルト接着剤HM以外は、従来の折り返しタイプのものと同様である。
【0055】
第2部分82及び第3部分83の境界部84を形成する接合部は、ホットメルト接着剤HMにより形成してもよいし、ギャザーシート62の溶着により形成してもよい。第2部分82及び第3部分83の境界部84の幅方向WDの寸法(接合部の幅方向WDの寸法)は特に限定されるものではないが、狭いことが好ましく、例えば0.2~2mm程度であると好ましい。また、第2部分82及び第3部分83の境界部84を形成する接合部は、前後方向LDに連続していてもよいが、Y字状断面が形成される限り間欠的(点線状)に形成されていてもよい。
【0056】
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブローン不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコーンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができる。この場合の不織布の繊維目付けは10~30g/m程度とするのが好ましい。
【0057】
起き上がりギャザー60の起き上がり部分68では、ギャザー弾性部材63を挟むギャザーシート62の貼り合わせや、その間に挟まれるギャザー弾性部材63の固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。ギャザーシート62の内側層及び外側層の全面を貼り合わせると柔軟性を損ねるため、ギャザー弾性部材63の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示例では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段によりギャザー弾性部材63の外周面にのみホットメルト接着剤HMを塗布してギャザーシート62の層間に挟むことにより、当該ギャザー弾性部材63の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、ギャザーシート62へのギャザー弾性部材63の固定と、ギャザーシート62の層間の固定とを行う構造となっている。
【0058】
同様に、倒伏部分67の固定についても、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段の少なくとも一方を用いることができる。
【0059】
他方、図11及び図12に示す例のように、第2部分82における折り返し端を含む部分が中空筒状をなしていると、身体表面に対する第2部分82の先端のあたりが柔軟になるため好ましい。第2部分82を中空筒状とする手法は特に限定されるものではないが、起き上がりギャザー60が図示例のシート積層構造を有する場合、第2部分82における折り返し端を含む部分に、第1部分81に続く複数層のシート層S1,S2と、第3部分83に続く複数層のシート層S1,S2とが接合されていない非接合領域(図示例ではホットメルト接着剤HMで接合されていない領域)を設けるとともに、非接合領域の表側に位置する、第2部分82から第3部分83に続く複数層のシート層S1,S2の間であって、かつ第2部分82の折り返し端を除く位置に、第2部分82及び第3部分83の境界部84に最も近いギャザー弾性部材63c以外のギャザー弾性部材63を配置する。また、非接合領域の裏側に位置する、第2部分82から第1部分81に続く複数層のシート層S1,S2の間には、ギャザー弾性部材63を設けない。このような構造を有すると、非接合領域の表側に位置する、第2部分82から第3部分83に続く複数層のシート層S1,S2が前後方向LDに収縮することにより、非接合領域の裏側に位置する、第2部分82から第1部分81に続く複数層のシート層S1,S2と離間し、第2部分82における折り返し端を含む部分が大きく膨らんだ中空筒状をなすようになる。つまり、簡素な構造で、第2部分82のシート積層数が第3部分83のシート積層数よりも多く、かつ第2部分82における折り返し端を含む部分が中空筒状をなしている起き上がりギャザー60が構築されるものである。
【0060】
これに対して、図13及び図14に示すように、第2部分82及び第3部分83の境界部84に最も近いギャザー弾性部材63以外のギャザー弾性部材63が第2部分82の折り返し端に配置されていたり、図示しないが、非接合領域の裏側に位置する、第2部分82から第1部分81に続く複数層のシート層S1,S2の間に、ギャザー弾性部材63が設けられていると、図示例のように非接合領域を有していても、中空筒状の部分の膨らみは小さいものとなる。
【0061】
第2部分82を中空筒状にするのに代えて、又はこれとともに第3部分83における先端を含む部分が中空筒状をなしていてもよい(図示略)。
【0062】
図11及び図12等に示すY字状断面構造(図示例では第2部分82及び第3部分83の境界部84を形成する接合部84Bが設けられている部分)は、起き上がり部分68の前後方向LDの少なくとも一部に設けられていれば、図15に示すように起き上がり部分68の全体であってもよいし、図16及び17に示すように、起き上がり部分68の一部であってもよい。図16に示す例は、Y字状断面構造が起き上がり部分68の前後方向LDの中間に設けられておらず、その前後両側に設けられているものであり、図17に示す例は、Y字状断面構造が起き上がり部分68の前後方向LDの中間(股間部を含む)に設けられているものである。これらの場合において、第2部分82及び第3部分83の境界部84を形成する接合部84Bが設けられておらず、Y字状断面構造とならない部分は、図18に示すように、幅方向中央側に延びる付根側部分60A、及びこの付根側部分60Aの先端から幅方向外側に延びる先端側部分60Bを有する折り返しタイプ(横向きV字状断面)の構造となる。
【0063】
(サイドフラップ)
内装体200の両側部には、図示例のように、吸収体56の側方に延び出たサイドフラップ70が設けられていなくてもよいが、設けられていると好ましい。各サイドフラップ70は、図示例のように、折り返し等なく、側方にのみ延び出た扁平な部分となっていることが好ましい。各サイドフラップ70の幅方向WDの寸法は適宜定めることができるが、例えば内装体200の幅方向WDの寸法の0.1~0.2倍とすることができる。
【0064】
また、各サイドフラップ70は、少なくとも前外装体12Fと重なる部分と後外装体12Bと重なる部分との間の部分に、前後方向LDに弾性伸縮するサイド伸縮領域SGを有している。サイド伸縮領域SGは、一本又は複数本の細長状のサイド弾性部材73が前後方向LDに沿ってかつ互いに間隔を空けて設けられ、サイド弾性部材により前後方向に収縮しているとともに、前後方向に伸長可能な領域とすることができる。さらに、各サイドフラップ70は、その側縁に沿って前後方向LDに続く中空部70Hを有していると好ましい。サイド弾性部材73の収縮により、サイドフラップ70における中空部70Hを含む部分が前後方向LDに収縮して、多数の襞が前後方向LDに並んだサイドギャザーが形成される。ここで、サイドフラップ70における中空部70Hを含む部分にサイドギャザーが形成されると、図6に示すように、サイドギャザーの襞は中空部70Hが大きく膨らむことにより形成され、大きく柔らか(つまりクッション性に富む)なものとなる。したがって、この大きく柔らかな襞により、股間部の側部の肌触りが良好となる(ふっくら、ふわふわしたものとなる)。
【0065】
サイドフラップ70は、サイド弾性部材73を固定するために、サイド弾性部材73の裏側に面する第1シート層71と、サイド弾性部材73の表側に面する第2シート層72とを有するのが好ましい。
【0066】
第1シート層71及び第2シート層72をなすシート材は特に限定されず、前述の起き上がりギャザー60や前述の外装体12F,12Bで利用可能な不織布等、適宜の不織布を選択することができる。図3図4及び図11に示す例では、後述するように起き上がりギャザー60のギャザーシート62を延長して第1シート層71及び第2シート層72を形成している。図9図10及び図12に示すように、起き上がりギャザー60とは別の専用シート材79を追加し、サイドフラップ70を構築してもよい。前者の場合、サイドフラップ70の前後端は起き上がりギャザー60の前後端(つまりこの場合内装体200の前後端)に一致するが、後者の場合にはサイドフラップ70の前後端は起き上がりギャザー60の前後端より前後方向の中央側に位置していてもよい。
【0067】
サイド弾性部材73も特に限定されず、前述のギャザー弾性部材63と同様の細長状の弾性部材を使用することができる。展開状態のサイド伸縮領域SGにおけるサイド弾性部材73の伸長率は、150~350%が好ましく、200~270%がより好ましい。サイド弾性部材73の本数は2~16本が好ましく、6~10本がより好ましい。サイド弾性部材73の配置間隔は5~10mmが適当である。特に、サイド弾性部材73が、幅方向WDに間隔を空けて複数本設けられる場合、展開状態のサイド伸縮領域SGにおけるサイド弾性部材73の伸長率は、側方に位置するものほど低いと、サイド伸縮領域SGの肌側への立ち上がりが緩くなり、サイド伸縮領域SGが適切な装着状態となりやすくなるため好ましい。サイド伸縮領域SGの立ち上がりがきついと、サイドフラップ70が内側に折りかえって脚と使い捨て着用物品の表面との間に挟まれ、漏れにつながるおそれがある。
【0068】
サイド弾性部材73は、第1シート層71及び第2シート層72に固定されている。第1シート層71及び第2シート層72の貼り合わせや、その間に挟まれるサイド弾性部材73の固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤HMや、ヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段を用いることができる。第1シート層71及び第2シート層72の接合面積が大きいと柔軟性を損ねるため、サイド弾性部材73の接着部以外の部分は接合しないか、又は弱く接合するのが好ましい。図示例では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段によりサイド弾性部材73の外周面にのみホットメルト接着剤HMを塗布して第1シート層71及び第2シート層72の間に挟むことにより、当該サイド弾性部材73の外周面に塗布したホットメルト接着剤HMのみで、第1シート層71及び第2シート層72へのサイド弾性部材73の固定と、第1シート層71及び第2シート層72間の固定とを行う構造となっている。
【0069】
前後方向LDにおけるサイド弾性部材73の取付け範囲、すなわち、サイド伸縮領域SGの前後方向LDの範囲は、図示例のように、前外装体12Fと重なる部分から後外装体12Bと重なる部分までとなっていることが好ましいが、これに限定されない。したがって、例えば、サイド伸縮領域SGの前端が前外装体の後端に位置しているか、又はこれよりも後側に位置していてもよい。同様に、サイド伸縮領域SGの後端が後外装体の前端に位置しているか、又はこれよりも前側に位置していてもよい。また、サイド伸縮領域SGの前後方向LDの範囲は、起き上がりギャザー60のギャザー弾性部材63による収縮部分と同じか、それよりも前後両側に延びているのも好ましい。
【0070】
サイドフラップ70は、第1シート層71及び第2シート層72を含めて三層以上のシート層を有すると好ましい。つまり、最も表側のシート層74及び最も裏側のシート層75の他に、それらの間に位置する内部シート層76を少なくとも1層有すると好ましい。これらの一部又は全部のシート層は、それぞれ別体のシート材で形成されていてもよいし、一枚のシート材が一回又は複数回折り返されて形成されていてもよい。内部シート層76は、前述のギャザーシート62や、液不透過性シート11、又は後述する外装体12F,12Bと同様の不織布の中から適宜選択することができるほか、前述のギャザーシート62や、液不透過性シート11を適宜延長や折り返しする等により形成することができる。
【0071】
中空部70Hの構造は特に限定されるものではないが、例えば以下のようなシート層の積層構造により形成することができる。すなわち、図示例のサイドフラップ70では、最も表側のシート層74及び最も裏側のシート層75の少なくとも一方とそれに重なる内部シート層76とが接合されていない非接合部77が形成されている。この非接合部77は、最も側方に位置するサイド弾性部材73とサイドフラップ70の側縁との間の領域を含む幅方向WDの範囲で前後方向LDに連続的又は間欠的に続く部分である。つまり、非接合部77は、最も表側のシート層74及び最も裏側のシート層75いずれか一方とそれに重なる内部シート層76とが非接合である限り、それ以外の一部又は全部の層間が接合されていてもよいし、厚み方向のすべてのシート層が非接合であってもよい。例えば、図3図4及び図11に示す例の非接合部77では、最も表側のシート層74とそれに重なる内部シート層76とが非接合の部分は、側縁から最も側方のサイド弾性部材73の固定位置までであり、最も裏側のシート層75とそれに重なる内部シート層76とが非接合の部分は、それよりも幅方向の中央側まで続いている。図9図10及び図12に示す例の非接合部77では、最も表側のシート層74とそれに重なる内部シート層76とが非接合の部分、並びに最も裏側のシート層75とそれに重なる内部シート層76とが非接合の部分は、側縁から最も側方のサイド弾性部材73の固定位置よりも幅方向の中央側まで続いているが、前者の方がより幅方向の中央側まで続いている。
【0072】
非接合部77の幅方向WDの寸法は適宜定めることができるが、2~15mmであることが好ましく、特に5~10mmであることが好ましい。つまり、中空部70Hの幅方向WDの寸法は2mm以上であることが好ましい。図示例のように、起き上がりギャザー60を有する場合、非接合部77の幅方向WDの中央側の縁は、付根部分65と本体部分66との境(起き上がりの起点)よりも側方に位置していることが好ましい。また、非接合部77の前後方向LDの寸法(中空部70Hの前後方向の寸法)は、製品全長Yの30%以上、特に40%以上であることが好ましい。また、図示例のような前外装体12F及び後外装体12Bが離間したパンツタイプ使い捨ておむつの場合、非接合部77は、前外装体12F及び後外装体12Bとそれぞれ重なる位置まで前後方向LDに延びていることが好ましい。この場合、非接合部77は、内装体200の前後方向LD全体にわたり延びているのは好ましい。また、非接合部77は、内装体200の前後縁の位置と、前外装体12F及び後外装体12Bの最も脚開口LO側の弾性部材16,19との間の位置までしか延びていないのも好ましい。さらに、非接合部77は、前外装体12F及び後外装体12Bにおける最も脚開口LO側の弾性部材16,19と脚開口LOの縁(前外装体12Fの後縁及び後外装体12Bの前縁)との間の位置までしか伸びていなくてもよい。
【0073】
非接合部77の幅方向WDの両側では、最も表側のシート層74及び最も裏側のシート層75の少なくとも一方とそれに重なる内部シート層76との隙間が閉じられている。図示例のように、非接合部77の隙間の一方側は、最も表側のシート層74又は最も裏側のシート層75をなすシート材をサイドフラップ70の側縁で折り返すことにより閉じることができる。また、非接合部77の隙間の他方側はホットメルト接着剤HMや溶着手段等を用いて、厚み方向に隣接するシート層を適宜の箇所で接合することにより閉じることができる。もちろん、非接合部77の隙間の両側を、同じ方法、例えばシート材の折り返し又はホットメルト接着剤HMにより閉じることもできる。
【0074】
図示例のように幅方向WDの両側で閉じられた非接合部77が形成されるとともに、この非接合部77は、最も側方に位置するサイド弾性部材73と中間領域Lの側縁との間の領域を含む幅方向WDの範囲(当該領域と同じか又はそれ以上の幅方向WDの範囲)で前後方向LDに続いていると、サイドフラップの側縁にはシート層により囲まれた中空部70Hが前後方向LDに続くことになる。この場合、サイドフラップの側部に形成される襞は、最も表側のシート層74及び最も裏側のシート層75の少なくとも一方が大きく膨らむことにより形成され、大きく柔らか(つまりクッション性に富む)なものとなる。したがって、この大きく柔らかな襞が、サイドフラップ70の側縁を含む範囲の内側、外側、内外両側、又は厚み方向の全体に形成されるため、脚開口LOの端部の肌触りが良好となる。
【0075】
サイド弾性部材73は、サイドフラップ70の側縁近傍に位置していてもよいが、サイドフラップ70における、側縁から幅方向WDの中央側に2~15mm(特に5~10mm)までの部分は、サイド弾性部材73を含まないことが好ましい。また、側縁から幅方向WDの中央側に2~15mm(特に5~10mm)までの部分は、中空部70Hの一部又は全部を含むことが好ましい。このように、サイド弾性部材73がサイドフラップ70の側縁から十分に離間していると、装着や購入に際して商品を手で持ったとき又は装着中において肌に押し付けられる部分(つまりサイド弾性部材73を有する部分)の側方の厚み方向の全体に、柔軟性やクッションに富む大きな襞が形成されるため、脚開口LOの端部の肌触りを改善する上で特に好ましい。この効果は、サイド弾性部材73がサイドフラップ70の側縁から十分に離間しており、かつその離間部分に中空部70Hの一部又は全部を含む場合に特に顕著である。
【0076】
中空部70Hとサイド弾性部材73との位置関係は適宜定めることができるが、図示例のように、中空部70Hの表側に位置する部分に、少なくとも一本のサイド弾性部材73を有すると、サイド弾性部材73の収縮力が直接的に中空部70Hに加わり、中空部70Hにおける襞の形状維持性が高いものとなるため好ましい。
【0077】
非接合部77では、最も表側のシート層74又は最も裏側のシート層75の裏に重なる内部シート層76は、図12に示すように反対側に隣接するシート層に対して固定されていてもよい(図示例の第1シート層71及び第2シート層72は互いにホットメルト接着剤HMで接着されている)が、図11に示すように内部シート層76が厚み方向の両側に隣接するシート層に対して非固定とされていると特に好ましい。つまり、内部シート層76により区画される中空部70Hが、厚み方向に重なるように複数設けられていると好ましい。これにより、複数の中空部70Hの間に位置する部分にも独立的に襞が形成され、それが重なるため、より優れたクッション性を有する襞がサイドフラップ70の側部に形成されるようになる。
【0078】
図示例のように、サイドフラップ70は、中空部70Hの表側に位置する部分からサイドフラップ70の側縁で折り返されて中空部70Hの裏側に位置する部分に至る折り返しシート層を有しており、中空部70Hは折り返しシート層の折り返し位置まで側方に延びていると、折り返しに対する復元力により、中空部70Hに形成される襞のクッション性が特に向上するため好ましい。なお、折り返しシート層は、シート材の折り返しにより形成される一対の層を意味する。
【0079】
一つの好ましい例は、図3図4及び図11に示す構造である。このサイドフラップ70は、その側縁で折り返された折り返しシート層を二重に有しており、非接合部77の最も表側のシート層74及び最も裏側のシート層75は、それぞれ外部に位置する折り返しシート層の折り位置を境として表側の部分及び裏側の部分となっている。また、サイド弾性部材73は、外部に位置する折り返しシート層の折り位置を境として表側の部分と、内部に位置する折り返しシート層の折り位置を境として表側の部分との間における、折り位置よりも幅方向WDの中央側に離れた位置に固定されている。そして、最も側方に位置するサイド弾性部材73とサイドフラップ70の側縁との間では、厚み方向に隣接するシート層のすべて(四層)が接合されていないことにより、各シート層の間に中空部70Hがそれぞれ形成されている。この構造では、サイドフラップ70の少なくとも側部に、中空部70Hを三段(厚み方向に三室)形成することができるものである。この場合、二重の折り返しシート層のそれぞれが折り返しに対する復元力を有するため、より少ないシート材で、より優れたクッション性を有する襞がサイドフラップ70の側部に形成されるようになる。
【0080】
他の好ましい例は、図9図10及び図12に示す構造である。このサイドフラップ70は、その側縁で折り返された折り返しシート層を二重に有しており、サイド弾性部材73を挟む第1シート層71及び第2シート層72は、それぞれ内部に位置する折り返しシート層の折り位置を境として一方側の部分及び他方側の部分を含んでいる(つまり、第1シート層71及び第2シート層72はいずれも内部シート層76である)。そして、非接合部77は、最も表側のシート層74とそれに重なる第2シート層72とが接合されていない部分、及び最も裏側のシート層75とそれに重なる第1シート層71とが接合されていない部分となっており、中空部70Hは、外部に位置する折り返しシート層の折り返し位置まで側方に延びている。この構造では、サイドフラップ70の側部の表裏両側に中空部70Hがそれぞれ形成され、それによって表裏両側に大きな襞がそれぞれ形成されるため、サイドフラップ70の側部の肌触りが良好となる。また、サイド弾性部材73が折り返しシート層により二重に被覆されるため、サイド弾性部材73の感触が肌に伝わりにくくなり、肌触りが特に良好となる。さらに、最も表側のシート層74及び最も裏側のシート層75は、外部に位置する折り返しシート層の折り位置を境として一方側の部分及び他方側の部分であるため、折り返しに対する復元力により、中空部70Hを有する部分に形成される襞のクッション性にも優れたものとなる。
【0081】
図示しないが、図3図4及び図11に示す構造におけるサイド弾性部材73の位置を、外部に位置する折り返しシート層の折り位置を境として裏側の部分と、内部に位置する折り返しシート層の折り位置を境として裏側の部分との間にしてもよい。つまり、サイド弾性部材73は中空部70Hの裏側に位置する部分に取り付けてもよい。
【0082】
これらの例のように、非接合部77をシート層の4層構造とする場合、図11に示す例のように、起き上がりギャザー60のシートを利用してサイドフラップ70を構築すると好ましい。すなわち、前述のサイドフラップ70の折り返しシート層は、起き上がりギャザー60のシートの二層構造が、起き上がりギャザー60の付根部分65からサイドフラップ70の側縁まで延びる部分P1と、起き上がりギャザー60のシートの二層構造がサイドフラップ70の側縁で折り返されて幅方向WDの中央側に延びる部分P2とにより形成することができる。
【0083】
(カバー不織布)
外装二分割タイプのパンツタイプ使い捨ておむつでは、前外装体12F及び後外装体12Bとの間に内装体200が露出するため、内装体200の裏面に液不透過性シート11が露出しないように、内装体200の裏面には、前外装体12Fと内装体200との間から、後外装体12Bと内装体200との間にわたるカバー不織布13を備えていることが好ましい。カバー不織布13の内面及び外面は、それぞれ対向面にホットメルト接着剤を介して接着することができる。カバー不織布13に用いる不織布は、例えば外装体12F,12Bの素材と同様のものを適宜選択することができる。
【0084】
(外装体)
本例の外装体12F,12Bは、前身頃Fの少なくとも胴周り部を構成する部分である長方形の前外装体12Fと、後身頃Bの少なくとも胴周り部を構成する部分である長方形の後外装体12Bとからなり、前外装体12F及び後外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向LDに離間されたものとなっている(外装二分割タイプ)。この前後方向の離間距離12dは例えば全長Yの40~60%程度とすることができる。図示例では、前外装体12F及び後外装体12Bの下縁は幅方向WDに沿う直線状となっているが、前外装体12F及び後外装体12Bの少なくとも一方の下縁が脚周りに沿うような曲線状となっていてもよい。
【0085】
外装体12F,12Bは、胴周り領域Tと対応する前後方向範囲である胴周り部を有する。また、本例では、前外装体12F及び後外装体12Bの前後方向寸法が同じとなっている。図8に示すように、後外装体12Bの前後方向寸法を前外装体12Fの前後方向寸法よりも長くし、後外装体12Bに胴周り領域Tから中間領域L側に延び出た臀部カバー部Cを設け、前外装体12Fには中間領域Lと対応する部分を設けない構造とすることもできる。この場合において又はこれとは逆に、図示しないが、前外装体12Fにも胴周り領域Tから中間領域L側に延び出た鼠蹊カバー部を設けることもできる。
【0086】
外装体12F,12Bは、図4及び図5に示されるように、内側シート層12H及び外側シート層12Sと、これらの間に設けられた弾性部材16~19とを有する。各シート層は、共通の一枚のシート材とする他、個別のシート材とすることもできる。すなわち、前者の場合、前外装体12F及び後外装体12Bの一部又は全部において、ウエスト開口WOの縁や脚開口LO側の縁等の適宜の位置で折り返された一枚のシート材の内側の部分及び外側の部分の間に弾性部材16~19を設けることができる。図示例では、ウエスト部Wに、それぞれシート材の折り返しを含む部分を有している。例えば、ウエスト部Wでは、外側シート層12Sを形成するシート材はウエスト開口WOの縁までしか延在していないが、内側シート層12Hを形成するシート材は、第2シート層を形成するシート材のウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されている。また、この折り返し部分は、内装体200のウエスト開口WO側の端部と重なる位置まで、外装体の幅方向全体にわたり延在する内装カバー層12rとなっている。内装カバー層12rは、内側シート層12Hを形成するシート材を折り返して形成せずに、専用のシート材を貼り付けてもよい。
【0087】
外装体12F,12Bの胴周り部には、装着者の胴周りに対するフィット性を高めるために、弾性部材16~19が内蔵され、弾性部材の伸縮を伴って幅方向WDに弾性伸縮する胴周り伸縮領域A2(弾性部材16~19を有する領域)が形成されている。また、後外装体12Bの胴周り伸縮領域A2は、左右のサイドフラップ70と重なる部分を含むように設けられている。同様に、前外装体12Fの胴周り伸縮領域A2は、左右のサイドフラップ70と重なる部分を含むように設けられている。この胴周り胴周り伸縮領域A2では、外装体12F,12Bは、自然長の状態では弾性部材の収縮に伴って収縮し、皺又は襞が形成されており、弾性部材の長手方向に伸長すると、皺なく伸び切る所定の伸長率まで伸長が可能である。弾性部材16~19としては、糸ゴム等の細長状の弾性部材(図示例)のほか、帯状、網状、フィルム状等、公知の弾性部材を特に限定なく用いることができる。弾性部材16~19としてはスパンデックス等の合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。
【0088】
図示例の弾性部材16~19についてより詳細に説明すると、外装体12F,12Bのウエスト部Wには、幅方向WDの全体にわたり連続するように、複数のウエスト弾性部材17が前後方向に間隔を空けて取り付けられている。また、ウエスト弾性部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本又は複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト弾性部材17としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm、特に0.1~1.0mm程度)の糸ゴムを、2~12mmの間隔、特に3~7mmの間隔で、2~15本程度、特に4~10本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト部Wの幅方向WDの伸長率は150~400%、特に220~320%程度であるのが好ましい。また、ウエスト部Wは、その前後方向LDのすべてに同じ太さのウエスト弾性部材17を用いたり、同じ伸長率にしたりする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部でウエスト弾性部材17の太さや伸長率が異なるようにしてもよい。
【0089】
また、外装体12F,12Bのウエスト下方部Uには、細長状の弾性部材からなるウエスト下方弾性部材15,19が複数本、前後方向に間隔を空けて取り付けられていると好ましい。ウエスト下方弾性部材15,19としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm、特に0.1~1.0mm程度)の糸ゴムを、1~15mm、特に3~8mmの間隔で5~30本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト下方部Uの幅方向WDの伸長率は200~350%、特に240~300%程度であるのが好ましい。
【0090】
また、図8に示すように前述のように後外装体12Bに臀部カバー部Cを設ける場合や、図示しないが前外装体12Fに鼠径カバー部を設ける場合には、ウエスト下方部と同様の弾性部材を設けることができ、これによる幅方向WDの伸長率は150~300%、特に180~260%とすることができる。
【0091】
図示例のウエスト下方部Uのように、吸収体56を有する前後方向範囲に弾性部材16,19を設ける場合には、その一部又は全部において吸収体56の幅方向WDの収縮を防止するために、吸収体56と幅方向WDに重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内外接合部201,202の全体を含む)が非伸縮領域A1とされ、その幅方向両側が胴周り伸縮領域A2とされていると好ましい。ウエスト部Wは幅方向WDの全体にわたり胴周り伸縮領域A2とされるのが好ましいが、ウエスト下方部Uと同様に、幅方向中間に非伸縮領域A1を設けても良い。
【0092】
このような胴周り伸縮領域A2及び非伸縮領域A1は、内側シート層12Hと外側シート層12Sとの間に、弾性部材16~19を供給し、弾性部材16,19を胴周り伸縮領域A2に位置する部分のみホットメルト接着剤により固定した後、吸収体56を有する領域において、弾性部材16,19を幅方向中間の1か所で加圧及び加熱により切断するか、又は弾性部材16,19のほぼ全体を加圧及び加熱により細かく切断し、胴周り伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。
【0093】
内側シート層12H及び外側シート層12Sを形成するシート材としては、特に限定無く使用できるが不織布が好ましい。不織布を用いる場合、1枚あたりの目付けは10~30g/m程度とするのが好ましい。
【0094】
弾性部材16~19は種々の塗布方法によるホットメルト接着剤HMにより外装体12F,12Bに固定される。内側シート層12H及び外側シート層12Sは、それぞれ弾性部材16~19を有する部分では、弾性部材16~19を固定するためのホットメルト接着剤HMにより接合することが好ましく、弾性部材16~19を有しない部分では、ホットメルト接着剤HMにより接合しても、ヒートシールや超音波シール等の素材溶着により接合してもよく、また一部又は全部を接着しなくてもよい。図示例の外装体12F,12Bにおける弾性部材16~19を有する部分では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により弾性部材16~19の外周面にのみホットメルト接着剤HMを塗布してシート層間に挟むことにより、当該弾性部材16~19の外周面に塗布したホットメルト接着剤HMのみで、両シート層への弾性部材16~19の固定と、両シート層間の固定とを行っている。弾性部材16~19は胴周り伸縮領域A2における伸縮方向の両端部のみ、両シート層に固定してもよい。
【0095】
(内外接合部)
内装体200の外装体12F,12Bに対する接合は、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により行うことができる。この内装体200と外装体12F,12Bとを接合する内外接合部201,202は、図2に示すように、両者が重なる領域のほぼ全体に設けることができ、例えば内装体200の幅方向両端部を除いた部分に設けることもできる。
【0096】
図示例では、内装体200の裏面、つまりこの場合は液不透過性シート11の裏面及び起き上がりギャザー60の付根部分65に塗布されたホットメルト接着剤を介して外装体12F,12Bの内面に対して固定されている。また、左右のサイドフラップ70の裏面は、ホットメルト接着剤HMを介して後外装体12Bと重なる部分に接合されている。
【0097】
(不織布)
上記説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となったものを含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となったものを含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
【0098】
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
【0099】
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
【0100】
・「表側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
【0101】
・「表面」とは部材の、パンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
【0102】
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
【0103】
・「最大伸長率」とは、弾性限界まで伸長したときの伸長率(換言すれば伸縮領域が収縮や弛み無く平坦に展開した展開状態の伸長率)を意味する。
【0104】
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter-MAX ME-500)でゲル強度を測定する。
【0105】
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
【0106】
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm、及び加圧面積:2cmの条件下で自動測定する。
【0107】
・吸水量は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
【0108】
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
【0109】
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
【0110】
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
【0111】
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつの他、テープタイプ使い捨ておむつ、パッドタイプ使い捨ておむつ、生理用ナプキン等、使い捨て着用物品全般に利用できるものである。
【符号の説明】
【0113】
11…液不透過性シート、12A…サイドシール、12B…後外装体、12E…ウエスト延出部分、12F…前外装体、12F,12B…外装体、12H…内側シート層、12S…外側シート層、13…カバー不織布、15,19…ウエスト下方弾性部材、17…ウエスト弾性部材、200…内装体、201,202…内外接合部、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、63…ギャザー弾性部材、67…倒伏部分、68…起き上がり部分、70…サイドフラップ、70H…中空部、71…第1シート層、72…第2シート層、73…サイド弾性部材、74…最も表側のシート層、75…最も裏側のシート層、76…内部シート層、77…非接合部、79…専用シート材、81…第1部分、82…第2部分、83…第3部分、84…境界部、A1…非伸縮領域、A2…伸縮領域、F…前身頃、B…後身頃、L…中間領域、LD…前後方向、SG…サイド伸縮領域、T…胴周り領域、U…ウエスト下方部、W…ウエスト部、WD…幅方向、WO…ウエスト開口、LO…脚開口、HM…ホットメルト接着剤、S1,S2…複数層のシート層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18